JP2014202040A - 移動式型枠装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】移動式型枠装置1は、トンネルの底面3上をトンネル軸方向に走行可能な門型の移動台車4と、台車4をその上方より覆うように配置されて展開・縮径可能なアーチ状の型枠5とを備える。型枠5は、ジャッキ55〜57を介して台車4に連結されるウォール52と、これよりトンネル径方向外側に配置されるフォーム53とからなる2層構造を有する。移動式型枠装置1は、位置合わせ装置と、フォーム引き寄せジャッキ70とを更に備える。フォーム53をウォール52に装着するときに、位置合わせ装置は、ウォール52に対するフォーム53の位置合わせを行う。フォーム53がウォール52に装着された状態で、フォーム引き寄せジャッキ70は、フォーム53をウォール52側に引き寄せることにより、フォーム53をウォール52に固定する。
【選択図】図1
Description
この覆工コンクリートの構築に用いられる円筒状の型枠としては、例えば、特許文献1に記載のテレスコピック型円形スチールフォームを挙げることができる。
この覆工コンクリートの構築に用いられる型枠としては、例えば、特許文献2に記載のテレスコピック形型枠(テレフォーム)を挙げることができる。
また、特許文献2には、覆工コンクリートの構築前に、予め、トンネル底部の両側部に支持コンクリートを構築することが記載されている。この支持コンクリートは、アンカーにより地盤に定着されている。そして、覆工コンクリートの構築時には、アーチ状の型枠の両端部がそれぞれ支持コンクリートにボルトで固定される。これにより、アーチ状の型枠は、その両端部で、それぞれ、ボルト、支持コンクリート及びアンカーを介して、地盤に強固に支持されて、覆工コンクリートの構築時(特にコンクリート打設時)に作用するコンクリートの圧力を支持する。
しかしながら、この円形スチールフォームでは、脱型移動時に、電動吊上装置が、インバートフォームを折り畳んだ状態で吊り上げて門型の移動台車内を移動する。このため、門型の移動台車内における作業車両等の通行が非常に制限されていた。
また、アーチ状の型枠でアーチ形状によりコンクリート打設時の圧力に耐え得る必要があるので、テレフォームが大型化することが避けられなかった。
本発明は、このような実状に鑑み、覆工コンクリート構築時の施工効率化と、覆工コンクリートの高品質化とを実現することを目的とする。
ここで、本発明におけるコンクリートの保護・養生とは、打設されたコンクリートの表面の外部への露出を抑制することを意味する。
この対策としてコンクリートを保護・養生することにより、コンクリート表面から蒸発する水分を低減することができ、また、コンクリートの表面と内部との温度差を低減することができるので、乾燥収縮によるひび割れやコンクリート表面の剥落の発生等を抑制することができる。また、長期の強度の促進を図ることができ、ひいては、覆工コンクリートの高品質化を実現することができる。
図1は、本発明の一実施形態における移動式型枠装置の概略構成を示す。尚、図1の左右半部は、それぞれ、トンネル軸方向における異なる位置でのトンネルの横断面を示す。特に、図1の左半部は、移動式型枠装置を切羽側(妻側)から見たトンネルの横断面図である。図2は、図1のA−A断面図である。尚、本実施形態において、トンネル覆工進行方向とは、トンネル軸方向に沿って、坑口側(ラップ側)から切羽側(妻側)に向かう方向を意味する。
移動式型枠装置1は、トンネルの底面3上をトンネル軸方向に走行可能な門型の移動台車(ガントリー)4と、このガントリー4をその上方より覆うように配置されるアーチ状の型枠5と、を含んで構成される。
また、ガントリー4のトンネル軸方向の中間に位置する複数の脚部44にはそれぞれ下端に補助ジャッキ45が設けられている。補助ジャッキ45は、ガントリー4の停止時にガントリー4の移動を制限するものである。
ガントリー4には、送風用の風管47と、トンネル掘削ずり搬出用の連続ベルコン装置(図示せず)と、作業足場(図示せず)とが設けられている。尚、本実施形態では連続ベルコン装置が設置されているが、連続ベルコン装置が設置されない場合もある。作業足場は、コンクリートの打設作業時や後述するフォームの着脱作業時等に使用される。このように、覆工コンクリートの作業場所は設備が複雑に配置されている。
また、ガントリー4には、覆工用のコンクリートを圧送するための配管(図示せず)が設けられており、これら配管の先端部は、それぞれ、型枠5に設けられた打設孔(図示せず)に案内されている。
型枠5は、トンネル軸方向に所定幅(例えば1.5m幅)を有するアーチ状の型枠部材51をトンネル軸方向に複数(例えば7個)互いに連結して1スパン(例えば10.5m)として構成されている。尚、型枠部材51の幅はこれに限らない。また、型枠5の1スパン当たりの型枠部材51の個数はこれに限らない。
ウォール52は、その形状が、フォーム53を介して、トンネルの覆工の形状に追従するように形成されている。
天端ウォール52aには、トンネル幅方向(左右方向)に延在する横ビーム61が接続されている。横ビーム61は、その両端が、天端ウォール52aの左右両下端部に接続している。それゆえ、横ビーム61は、その両端にて、天端ウォール52aを支持する。
天端ウォール52aを支持する横ビーム61は、ガントリー4に複数設けられたジャッキ(例えば油圧ジャッキ)55によって昇降可能に支持されている。従って、天端ウォール52aは、横ビーム61及びジャッキ55を介して、ガントリー4に連結されている。
従って、ウォール52は、ジャッキ55〜57の伸縮によって、展開・縮径することができる。
天端フォーム53a、側フォーム53b、下端フォーム53cは、それぞれ、後述するフォーム引き寄せジャッキ70を用いて、天端ウォール52a、側ウォール52b、下端ウォール52cに固定される。従って、フォーム53がウォール52に装着されて一体化されている場合には、フォーム53は、ジャッキ55〜57の伸縮によって、ウォール52を介して、展開・縮径することができる。
ここで、型枠5を構成する複数の型枠部材51については、坑口側から切羽側へ向かって順に、7つの型枠部材51−1,…,51−7が互いに連結されているとして、以下説明する。同様に、型枠5を構成する複数の天端フォーム53aについても、坑口側から切羽側へ向かって順に、7つの天端フォーム53a−1,…,53a−7が互いに連結固定されて一体化されているとして、以下説明する。
フォーム引き寄せジャッキ70は、例えば棒ジャッキであり、ターンバックルのように伸縮自在である。フォーム引き寄せジャッキ70は、その一端部のヒンジ部71を介して、縦ビーム62に起立・倒伏自在に枢支されている。フォーム引き寄せジャッキ70の他端部には、フック部72が予め形成されている。
天端フォーム53a−3の箱型内面にはベース部材73が懸垂固定されている。ベース部材73は、フォーム引き寄せジャッキ70のフック部72が係合可能な構成となっている。
また、側フォーム53bと側ウォール52bとを連結するフォーム引き寄せジャッキ70(図1参照)は、図3に示すフォーム引き寄せジャッキ70と同様の構成を有しており、型枠5において、トンネル軸方向の複数箇所(例えば4箇所)に設けられている。
また、下端フォーム53cと下端ウォール52cとを連結するフォーム引き寄せジャッキ70(図1参照)も、図3に示すフォーム引き寄せジャッキ70と同様の構成を有しており、型枠5において、トンネル軸方向の複数箇所(例えば4箇所)に設けられている。
このように、複数のフォーム引き寄せジャッキ70がトンネル周方向及びトンネル軸方向に分散配置されている(図1及び図2参照)。
尚、本実施形態では、フォーム引き寄せジャッキ70のフック部72を用いて、フォーム引き寄せジャッキ70の他端部とベース部材73とを固定する例を説明したが、この他、止めピン等の金具を用いて、フォーム引き寄せジャッキ70の他端部とベース部材73とを固定してもよい。この場合には、止めピン等の金具が、本発明の「固定装置」として機能して、フォーム53をウォール52に固定する。
天端フォーム53a−6の箱型内面にはブロック形状のフォーム側位置合わせ部材82が懸垂固定されている。フォーム側位置合わせ部材82の下面には、切羽側から見て下方に向かうほど幅広になる略V字形断面(換言すれば漏斗状断面)を有する凹部83が形成されている。
尚、天端フォーム53a−2を支持し得るフォーム受けジャッキ80についても上述のフォーム受けジャッキ80と同様の構成であるので、その説明を省略する。
この後、フォーム受けジャッキ80を手動で短縮して、図4(b)に示すように、フォーム53をウォール52に装着する。そして、上述のフォーム引き寄せジャッキ70を用いて、フォーム53をウォール52に固定する。
フォーム受け部材91は、例えば、鉛直方向に沿って延在する所定長さのH形鋼材により構成され、その基端部91aが縦ビーム62上に固定されて立設されている。フォーム受け部材91の先端部には、凸状部材93が取り付けられている。凸状部材93は、切羽側から見て上方に向かって先細のテーパ状をなしている。すなわち、フォーム受け部材91については、その上端に、凸状部材93によって、凸部が形成されている。
また、凸状部材93と、フォーム側位置合わせ部材92の凹部94とについては、フォーム53がウォール52に装着されている状態で、凸状部材93の上端部93aがフォーム側位置合わせ部材92の凹部94の上端部94aに接触しているときに、ウォール52のトンネル幅方向でのセンター位置(基準位置)と、フォーム53のトンネル幅方向でのセンター位置(基準位置)とが一致するように、適宜配置されている。
尚、天端フォーム53a−1を位置合わせし得るフォーム受け部材91についても上述のフォーム受け部材91と同様の構成であるので、その説明を省略する。
図6(a)は、図1に示したウォール上昇停止用スイッチ100の概略構成を示す拡大図である。図6(b)は、図6(a)のE−E断面におけるウォール上昇停止用スイッチ100の概略構成を示す。
尚、天端フォーム53a−7の切羽側端部は、型枠5の切羽側端に位置する天端ウォール52aの切羽側端部よりも切羽側に突出している。同様に、天端フォーム53a−1の坑口側端部は、型枠5の坑口側端に位置する天端ウォール52aの坑口側端部よりも坑口側に突出している。
そして、ジャッキ55による天端ウォール52aの上昇が行われて、***作部103の先端部103aが天端フォーム53aの下フランジ53auに接触した後には、天端ウォール52aの上昇が進むほど、***作部103の先端部103aが***作部103の基端部103bに比べてより下方に位置するようになる。すなわち、***作部103の延在方向と水平方向とのなす角度θが増大することになる。角度θが所定角度θsになると、ウォール上昇停止用スイッチ100がOFFからONとなり、この信号が、ウォール上昇停止用スイッチ100から信号線等を介して制御装置(図示せず)に伝達され、この制御装置によって、ジャッキ55の伸長が停止されて、この結果、天端ウォール52aの上昇が自動停止される。ここで、所定角度θsとは、天端フォーム53aと天端ウォール52aとの間の所定距離Csに対応している。この所定距離Csとは、天端フォーム53aが天端ウォール52aに接触する手前でジャッキ55による天端ウォール52aの上昇を停止するために予め設定される距離であり、例えば、数cmである。すなわち、ジャッキ55による天端ウォール52aの上昇を、天端フォーム53aが天端ウォール52aに接触する数cm手前で停止するために、ウォール上昇停止用スイッチ100が設けられている。
ここで、フォーム位置ずれ検出スイッチ110について、図7を用いて説明する。
図7(a)は、図1に示したフォーム位置ずれ検出スイッチ110の概略構成を示す拡大図である。図7(b)は、図7(a)のF−F断面におけるフォーム位置ずれ検出スイッチ110の概略構成を示す。
従って、フォーム位置ずれ検出スイッチ110、天端フォーム53aの下フランジ53auの貫通孔114、回転灯120、及び、ジャッキ55〜57は、本発明の「位置合わせ装置」を構成して、ウォール52に対するフォーム53の位置合わせを行う機能を有する。
この空間S内にコンクリートが打設されると、このコンクリートは、フォーム53、ウォール52、横ビーム61、及び、ガントリー4によって支持される。換言すれば、フォーム53は、ウォール52及び横ビーム61を介してガントリー4に支持されて、空間S内のコンクリートを支持する。
図8は、覆工コンクリートの構築方法を模式的に示している。図9及び図10は、覆工コンクリートの構築時における移動式型枠装置の作動状態を示している。
まず、ジャッキ55を用いて、天端ウォール52aを含むウォール52の上昇が行われる。
この上昇時に、ウォール上昇停止用スイッチ100の***作部103の先端部103aがフォーム202の天端フォーム202aの下フランジに接触すると、天端フォーム202aが天端ウォール52aに接触する数cm手前で、天端ウォール52aの上昇が自動停止される(図6参照)。
このようにして、フォーム202をウォール52に装着させる。
次に、縮径状態のフォーム202を含む移動式型枠装置1を、トンネル覆工進行方向に前進させて、スパン4のフォーム201内を通過させて(図10(エ)参照)、図8(C)に示すように、フォーム201(スパン4)よりトンネル覆工進行方向前方のコンクリート打設位置(スパン5)まで移動させる。
以上の工程を繰り返すことにより、覆工コンクリートの構築を、トンネル覆工進行方向に進行させることができる。
2 吹付コンクリート
3 トンネル底面
4 ガントリー
5 型枠
41 脚部
42 レール
43 自走装置
44 脚部
45 補助ジャッキ
46 内部空間
47 風管
51 型枠部材
52 ウォール
52a 天端ウォール
52b 側ウォール
52c 下端ウォール
53 フォーム
53a 天端フォーム
53au 下フランジ
53b 側フォーム
53c 下端フォーム
55〜57 ジャッキ
61 横ビーム
62 縦ビーム
70 フォーム引き寄せジャッキ
71 ヒンジ部
72 フック部
73 ベース部材
80 フォーム受けジャッキ
80a 基端部
81 凸状部材
81a 上端部
82 フォーム側位置合わせ部材
83 凹部
83a 上端部
91 フォーム受け部材
91a 基端部
92 フォーム側位置合わせ部材
93 凸状部材
93a 上端部
94 凹部
94a 上端部
100 ウォール上昇停止用スイッチ
101 本体
102 ブラケット
103 ***作部
103a 先端部
103b 基端部
110 フォーム位置ずれ検出スイッチ
111 本体
112 ブラケット
113 ***作部
113a 先端部
114 貫通孔
120 回転灯
201 フォーム
202 フォーム
202a 天端フォーム
S 空間
Claims (7)
- トンネル内周面へのコンクリートの打設に用いられる移動式型枠装置であって、
トンネルの底面上をトンネル軸方向に走行可能な門型の移動台車と、
この移動台車をその上方より覆うように配置されて、トンネル内周面に対向する外周面を有し、かつ、展開・縮径可能なアーチ状の型枠と、
を含んで構成され、
前記型枠は、そのトンネル径方向内側に配置されて前記移動台車に連結されるアーチ状のウォールと、このウォールよりトンネル径方向外側に配置されるアーチ状のフォームと、からなる2層構造を有し、
前記移動式型枠装置は、前記ウォールに対する前記フォームの位置合わせを行う位置合わせ装置を更に含んで構成される、移動式型枠装置。 - 前記位置合わせ装置は、
前記移動台車上に立設されて、上端に凸部が形成されたフォーム受け部材と、
前記フォームの天端部に懸垂固定されて、下面に凹部が形成されたフォーム側位置合わせ部材と、
を含んで構成され、
前記フォームの前記ウォールへの装着時に、前記フォーム受け部材の凸部が、前記フォーム側位置合わせ部材の凹部に接触しつつ第1の所定位置まで案内されることにより、前記位置合わせが行われる、請求項1に記載の移動式型枠装置。 - 前記位置合わせ装置は、
前記移動台車上に立設されて鉛直方向に伸縮可能であり、かつ、上端に凸部が形成されたフォーム受けジャッキと、
前記フォームの天端部に懸垂固定されて、下面に凹部が形成されたフォーム側位置合わせ部材と、
を含んで構成され、
前記フォーム受けジャッキが前記フォーム側位置合わせ部材を介して前記フォームを支持するに先立って、前記フォーム受けジャッキの伸長時に、前記フォーム受けジャッキの凸部が、前記フォーム側位置合わせ部材の凹部に接触しつつ第2の所定位置まで案内されることにより、前記位置合わせが行われる、請求項1に記載の移動式型枠装置。 - 前記位置合わせ装置は、
前記ウォールに対する前記フォームの位置ずれが所定範囲内であるか否かを検出する検出部と、
前記位置ずれの修正に用いられる修正部と、
を含んで構成される、請求項1に記載の移動式型枠装置。 - 前記フォームを前記ウォールに固定する固定装置を更に含んで構成される、請求項1〜請求項4のいずれか1つに記載の移動式型枠装置。
- トンネル内周面へのコンクリートの打設に用いられる移動式型枠装置であって、
トンネルの底面上をトンネル軸方向に走行可能な門型の移動台車と、
この移動台車をその上方より覆うように配置されて、トンネル内周面に対向する外周面を有し、かつ、展開・縮径可能なアーチ状の型枠と、
を含んで構成され、
前記型枠は、そのトンネル径方向内側に配置されて前記移動台車に連結されるアーチ状のウォールと、このウォールよりトンネル径方向外側に配置されるアーチ状のフォームと、からなる2層構造を有し、
前記移動式型枠装置は、前記フォームを前記ウォールに固定する固定装置を更に含んで構成される、移動式型枠装置。 - 前記固定装置は、前記フォームを前記ウォール側に引き寄せることにより前記フォームを前記ウォールに固定する引き寄せジャッキにより構成される、請求項5又は請求項6に記載の移動式型枠装置。
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