JP2014172014A - 膜分離装置および膜分離方法 - Google Patents

膜分離装置および膜分離方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2014172014A
JP2014172014A JP2013049081A JP2013049081A JP2014172014A JP 2014172014 A JP2014172014 A JP 2014172014A JP 2013049081 A JP2013049081 A JP 2013049081A JP 2013049081 A JP2013049081 A JP 2013049081A JP 2014172014 A JP2014172014 A JP 2014172014A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
aspirator
water
supply
membrane
air
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2013049081A
Other languages
English (en)
Inventor
Jihoon Cheon
智勲 千
Hiroo Takahata
寛生 高畠
Yuichi Sugawara
祐一 菅原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Industries Inc filed Critical Toray Industries Inc
Priority to JP2013049081A priority Critical patent/JP2014172014A/ja
Publication of JP2014172014A publication Critical patent/JP2014172014A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W10/00Technologies for wastewater treatment
    • Y02W10/10Biological treatment of water, waste water, or sewage

Landscapes

  • Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)
  • Activated Sludge Processes (AREA)

Abstract

【課題】 膜分離活性汚泥法の膜ユニット101に接続する処理水配管中に混入するエアを簡便かつ効率的にエア抜きする。
【解決手段】 被処理水Aおよび活性汚泥が貯留される被処理水収容槽103と、被処理水収容槽103に浸漬設置され、被処理水Aを膜ろ過して処理水Cを排出する膜ユニット101と、膜ユニット101の下方にあって、膜ユニット101に空気を供給する散気装置102と、膜ユニット101から得られる処理水Cが送液され、途中に分岐部115を有する処理水配管と、アスピレータ108と、途中にエア抜きバルブ109を有するエア抜き配管と、アスピレータ供給水供給手段に結合し、途中にアスピレータ供給水調整バルブ107を有するアスピレータ供給水配管と、途中にアスピレータ排水調整バルブ110を有するアスピレータ排水配管とを備えた膜分離装置。
【選択図】 図2

Description

本発明は、特に汚水処理のために高濃度微生物を保つ被処理水収容槽に、膜ユニットを浸漬して処理水を得る膜分離装置および膜分離方法に関する。
図1に、従来の膜分離活性汚泥法で使用される装置概略図を示す。被処理水収容槽103には、膜ユニット101、散気装置102を備えている。膜ユニット101は槽内に浸漬させて、膜ユニット101の下方には散気装置102を設置し、ブロアから供給した空気を用いて散気装置102から気泡を発生させて、膜ユニット101の表面に付着する汚泥を洗浄する。膜ユニット101には処理水配管を接続させており、処理水配管には吸引ポンプ106を設ける。吸引ポンプ106を稼働させると、膜ユニット101の分離膜の2次側が負圧となり、被処理水の膜分離が行われる。分離膜を透過した水は、透過水として排出される。また、処理水配管には圧力計104を設け、膜ユニット2次側の圧力が判るようにすることができる。また、処理水配管にはバルブと流量計105を設け、ろ過流量を確認しながらバルブを調整し、膜ユニットのろ過流束を調整することもできる。
また、従来の膜分離活性汚泥法の装置では、処理水配管に吸引ポンプを取り付ける方式(特許文献1)、もしくは膜ユニットが浸漬配置された被処理水収容槽の水位と処理水槽との水位差を駆動力として利用し、膜ユニットの2次側から処理水配管を経由して処理水を排出するろ過方式が採用されている。
このような膜分離活性汚泥法の膜ユニットの点検または交換を行う場合には、膜ユニットと処理水配管の接続部分を取り外して、膜ユニット101のみを取り出す必要がある。取り外した場合には処理水配管にエアが混入することとなる。処理装置の稼働初期においても同様で、配管の中はエアが混入されていることとなる。処理水配管にエアが混入した状態で吸引ポンプによる吸引を行うと、エアの吸い込みによりポンプの負荷が変化して、吸引作業が不安定となり、膜ユニットに負荷が掛かる。このため、処理水配管内に残存するエアを除去する必要がある。そこで、予め配管に注水する作業を加えて、吸引ポンプもしくは真空ポンプを処理水配管に新たに取り付けて強制的なエア抜きを行っている。
また、膜分離処理の負圧ろ過運転を行う際にも、処理水中に溶存している酸素や窒素が溶け出すことにより、処理水配管中でエアロックを起こさないように自給式ろ過ポンプや真空ポンプを利用した排除対策が採用されている。しかし、膜ユニットは被処理水収容槽に浸漬されているが、被処理水収容槽の水面が大気開放されると、膜ユニットは通水性を有するため、膜ユニットの処理水配管中にエアを抜くために水を注水する方法では、分離膜を介して被処理水収容槽へ処理水が流れてしまう。このため、被処理水収容槽の水面より高い位置に設置された処理水配管をエア抜きすることは困難であった。
一方、処理水配管の吸引ポンプにより強制的に配管中のエアを排除する方法では、ポンプ中にエアが導入された直後と、再び水が導入された直後にポンプの回転数が大きく変動し、処理水配管中の圧力を大きく変動させるため、分離膜に急激な圧力変動をもたらし、膜を破損または劣化させるという問題がある。また、この問題は、真空ポンプを利用した場合も同様である。
これらの問題に対し、処理水配管に別途の配管を繋ぎ、エア抜きタンクを設け、エア抜きタンクに、供給水量を制御しながら水を供給できるようにし、また、エア抜きタンクに、エア抜き速度を制御し、エアを抜けるようにした装置が提案されている(特許文献2)。しかし、この装置は、処理水配管の高い位置に別途タンクを設け、エア抜き配管と供給水配管を設け、それぞれの配管とバルブを設けるなど、タンクと配管とバルブなどの複雑な装置を設けなければならず、処理水配管中から溜まったエアを吸引して引き出す力が働いていないため、処理水配管とタンクを繋ぐ配管に不具合などがあった場合、溜まったエアがエア抜きタンク内の水と順調に置換できず、エア溜まりの状態が続く恐れがある。これは、処理水配管から、エア抜きタンクなど、処理水配管の外側にエアを吸引する力がないことが主な原因と考えられる。さらに、それらのバルブを、エア抜きのプロセスに合わせて開け閉めを繰り返さないと行けないなど、操作が複雑であった。人による操作を避けるために自動弁を設けることも可能だが、タンクの水位を測定する水位計など、設置を要する装置が増え、コスト高に繋がる恐れもあった。
特開2007−000712号公報 特許第5045713号公報
そこで、本発明では、上記従来技術の問題点を解決するために、膜分離活性汚泥法の膜ユニットに接続する処理水配管中に混入するエアを簡便かつ効率的にエア抜きすることを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明における膜分離装置および膜分離処理方法は、以下の構成のいずれかからなる。
(1)被処理水および活性汚泥が貯留される被処理水収容槽と、前記被処理水収容槽に浸漬設置され、前記被処理水を膜ろ過して処理水を排出する膜ユニットと、前記膜ユニットの下方にあって、前記膜ユニットに空気を供給する散気装置と、前記膜ユニットから得られる処理水が送液され、途中に分岐部を有する処理水配管と、アスピレータ供給水供給口とアスピレータ気体供給口とアスピレータ排出口とを有するアスピレータと、前記分岐部と前記アスピレータ気体供給口とに結合し、途中にエア抜きバルブを有するエア抜き配管と、アスピレータ供給水を供給するアスピレータ供給水供給手段と、前記アスピレータ供給水供給手段および前記アスピレータ供給水供給口に結合し、途中にアスピレータ供給水調整バルブを有するアスピレータ供給水配管と、前記アスピレータ排出口に結合し、途中にアスピレータ排水調整バルブを有するアスピレータ排水配管と、を備えた膜分離装置。
(2)前記アスピレータ排出口から排出される水の少なくとも一部を、前記アスピレータ供給水供給手段または前記アスピレータ供給水配管に還流する再利用配管をさらに備えた(1)に記載の膜分離装置。
(3)前記アスピレータ供給水供給手段と、前記エア抜きバルブと、前記アスピレータ供給水調整バルブと、前記アスピレータ排水調整バルブとに接続され、前記アスピレータ供給水供給手段からのアスピレータ供給水供給量と、前記エア抜きバルブの開度と、前記アスピレータ供給水調整バルブの開度と、前記アスピレータ排水調整バルブの開度とを調整可能な制御手段を備えた(1)または(2)に記載の膜分離装置。
(4)(3)に記載の膜分離装置を用いて被処理水を膜ろ過して処理水を得る膜分離方法であって、前記制御手段にエア抜き装置稼働時間を設定し、設定した前記エア抜き装置稼働時間に、前記アスピレータ供給水供給手段を稼働させ、前記エア抜きバルブと、前記アスピレータ供給水調整バルブと、前記アスピレータ排水調整バルブとを開とすることを特徴とする膜分離方法。
(5)前記アスピレータ供給水に薬液を添加することを特徴とする(4)に記載の膜分離方法。
本発明によれば、処理水配管に水を溜めるタンクなど複雑な設備を設けず、膜ユニットに急激な変動などを与えることなく、膜ユニットに安全、簡単かつ効率よく処理水配管中のエアを抜くことができる。
従来の膜分離活性汚泥法で使用する装置を示す概略図である。 本発明の一例を示す概略図である。 本発明の別の一例を示す概略図である。 本発明のさらに別の一例を示す概略図である。 本発明に適用されるアスピレータの例を示す概略図である。 本発明に適用されるアスピレータの別の例を示す概略図である。
以下、図2を用いて本発明について詳しく説明するが、本発明の内容はこの図の態様に限定されるものではない。
本発明の装置は、被処理水収容槽103に散気装置102を有した膜ユニット101を設置し、吸引ポンプ106を用いて吸引を行うことで処理水が得られる。被処理水収容槽103には活性汚泥を収容し、被処理水Aを供給するが、被処理水Aは下水、排水、工場廃水など、膜分離活性汚泥法で処理可能な汚染水であれば良い。
図2に示すように、膜ユニット101は被処理水収容槽103内の被処理水Aを含む活性汚泥液中に浸漬される。膜ユニット101は、平膜を使用しても、中空糸膜を使用しても良いが、逆圧洗浄工程を行わないことから、平膜を使用した膜ユニットが好ましい。膜ユニット101は、分離膜を備えた複数の平膜エレメントが膜面平行となるように一定間隙をおいて配列されていることが好ましい。この平膜エレメントは、シート状の分離膜を備えたエレメントであり、例えば、樹脂や金属等で形成されたフレームの表裏両面に、シート状の分離膜を配設し、分離膜とフレームで囲まれた内部空間に連通する透過水出口をフレーム上部に設けた構造の平膜エレメントが用いられる。隣り合う平膜エレメントの間には一定の間隔(通常6〜10mm)が空けられていて、この膜間空間を、被処理水の上昇流、特に後述する散気装置102から発生する気泡と被処理水との混合液の上昇流が流れる。
平膜エレメントは分離膜と取水部分を含み、必要に応じて支持板、流路材などを含んでいてもよい。当該分離膜はシート状であれば特に制限されず、必ず分離膜を通って平膜エレメントの中へ水が入る構造であればよい。また2枚の分離膜の間に支持板を設け、分離膜を平たい形に維持してもよい。また、2枚の分離膜の間、もしくは分離膜と支持板の間に流路材を設け、分離膜を平たい形に維持しながら、分離膜を通った透過水が取水部分に流れやすい構造にしてもよい。また平膜エレメントの大きさは300mm×300mm〜2,000mm×2,000mmであることが好ましく、500mm×1,000mm〜500mm×1,500mmがより好ましい。
なお、分離膜は一般に使われる多孔質膜であればよく、例えばポリフッ化ビニリデン系樹脂、ポリアクリロニトリル系樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体、ポリスルホン系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂などで作られた分離膜が挙げられる。中でもポリフッ化ビニリデン系樹脂で作られた分離膜が好ましく用いられる。分離膜の厚みは0.01mm〜1mmの範囲であることが好ましく、0.1mm〜0.7mmがより好ましい。
処理水は膜ユニット101内の各平膜エレメントの透過水出口から処理水配管を通じて得られる。処理水配管には透過水流量を調節できる流量調整弁111、透過水側の圧力測定のための圧力計104、透過水流量を測定する流量計105が設置されている。
また、膜ユニット101中の分離膜を透過した透過水を送水する処理水配管は、被処理水、処理水及び膜ユニット101の洗浄に使用する薬品洗浄液に対して安定なものであれば特に制限されず、プラスチック製、金属製の配管等が例示される。特に金属製が好ましい。また、処理水配管の態様としては、膜ユニット101一つにつき、一つの処理水配管が連通していることが設置や維持管理の点から好ましいが、複数の膜ユニット101の処理水配管に連通して使用すると、その分必要なエア抜き装置の数が減らすことができる。
ろ過の駆動力としては、例えば、吸引ポンプ106を作動させて処理水配管内を減圧することにより、被処理水収容槽103内の被処理水を分離膜によってろ過する。ろ液は、処理水配管を介して系外に取り出される。なお、処理水配管内を減圧するためにポンプ装置を設けずに水位差を利用してもよい。流束の調整のためにポンプを設置する場合、処理水配管の数と同じだけのポンプを設置してもよいが、処理水配管が連結していると、その分必要なポンプの数を減らすことができるためである。
本装置はさらに、処理水配管によって送液される透過水流量を制御する流量制御手段を備えることが好ましい。流量制御手段としては、具体的にはポンプ装置、流量調整用バルブなどが挙げられるが、特に消費エネルギー削減の点から流量調整バルブが好ましい。当該流量制御手段は、それぞれの膜ユニット101に備えても良いが、複数の膜ユニット101に連通している処理水配管に備えると、その分必要な流量制御手段の数を減らすことができる。
本発明の装置では、上記流量制御手段に代えて又は流量制御手段と共に、透過水のろ過時吸引圧力を計測する圧力測定手段を備えてもよい。透過水のろ過時吸引圧力とろ過停止圧力との運転差圧が測定できればよい。
被処理水収容槽103内の膜ユニット101の下方には、気泡を発生させるための散気装置102が設置される。散気装置102から噴出される空気によって、被処理水収容槽103内に気泡が発生する。噴出した気泡によるエアリフト作用によって生起する気液混合上昇流や気泡が膜ユニット101に流入し、これにより分離膜の膜面が洗浄され、膜間閉塞を防止することができ、さらに、分離膜面に付着・堆積し易いケーキ層の生成を抑制することができる。散気装置102は必要に応じて複数設置することができる。
散気風量は、5NL/min/EL(「NL/min/EL」は”normal liter per minute per element”を示す)から20NL/min/ELまでであることが好ましく、10NL/min/ELがより好ましい。散気装置による散気時間は、場合によっては間欠で行うこともできるが、常時散気が好ましい。
膜ユニットは1つであっても、2つ以上を使用しても良く、2つ以上の膜ユニットは並列でも、垂直に配置しても良い。膜ユニットには散気装置102を備えていてもよいが、一つの膜ユニットに1つの曝気装置を備えてもよく、膜ユニットを上下方向に積層する場合は、積層した膜ユニットが複数であっても、1つの曝気装置を備えても良い。
本発明に係る浸漬型膜分離装置及び膜分離方法について、汚泥を含む被処理水を対象として説明したが、活性汚泥の他に、河川水、湖沼水、地下水、海水、下水、排水、食品プロセス水などを被処理水とし、被処理水中の懸濁物を除去することによって、浄水処理、排水処理、飲料水製造、工業用水製造などの用途でも利用することが可能である。
また、本発明では、処理水配管に設けられた分岐部115から分岐させたエア抜き配管をアスピレータ108に接続させ、アスピレータ108に水を供給して流し、排水する際に発生する吸引力で処理水配管の中に溜まったエア抜きをすることができる。
また、本発明の処理水配管から分岐させアスピレータ108に繋ぐエア抜き配管は、処理水配管の中でもエアが溜まり易い場所に繋ぐことが好ましい。例えば、処理水配管の高い場所にアスピレータ108に繋がるエア抜き配管を備えると、処理水配管に溜まったエアを効率よく除去することができる。
また、本発明において処理水配管から分岐するエア抜き配管は、処理水配管より上方に分岐することが好ましく、処理水配管のエアが溜まる高い場所であることがより好ましい。エア抜き配管はアスピレータ108に接続される。分岐部115からアスピレータ108に繋がるエア抜き配管、アスピレータ108にアスピレータ供給水を供給するアスピレータ供給水配管およびアスピレータ排水配管は、処理水配管と同じく、被処理水、処理水及び膜ユニット101の洗浄に使用する薬品洗浄液に対して安定なものであれば特に制限されず、プラスチック製、金属製の配管等が例示される。特に、配管の経が細く、設置スペースが小さく、簡単に曲げることができる点からプラスチック製が好ましい。配管の径は、発生するエアの量、エア抜き時間、エア抜き頻度、処理水配管の径にもよるが、直径5mmから10cmのものが好ましい。
また、本発明に使用されるアスピレータ108は、流体を導入する導入配管内に径が相対的に小さくなる小径配管部を設け、小径配管部に、略垂直方向に吸引口と連通する吸引配管を繋ぎ、導入配管から流体を供給することで、吸引口から流体を吸引することができるものを指す。アスピレータが上述のような構成をとることで、導入配管の相対的に径が大きい部分の断面積と、相対的に径が小さい小径配管部の断面積が異なることから、相対的に断面積が大きい部分に供給した流体が相対的に断面積が小さい小径配管部を通る際に、異なる断面積の差によって流体の流束が速くなる。この配管中の流束の差から配管内の圧力が低下して減圧状態となり、その結果吸引力が発生する。
減圧状態を作り出すことに関して、本発明に使用されるアスピレータ108では、水道を使用する場合には電源が不要で、故障が少なく、安価である。さらに、本発明においてアスピレータを使用する場合、真空度は水の蒸気圧に依存するため供給する水の温度によって異なり、例えば、水温25℃では23.8mmHg、水温20℃では17.5mmHgまでしか到達できない。これは、処理水配管のエア抜きは必要だが、過度な吸引は膜ろ過運転に不具合を引き起こす恐れがある本発明の分離膜方法には最適である。さらに、膜ろ過運転で発生し、処理水配管内に混入するエアは、冬期に発生量が増えるため、水温が低下すると真空度が低下するアスピレータを使用することで、特別な装置を使用せず、かつ安全に真空度を高め、効率よくエア抜きを行うことができる。このように、本発明においてアスピレータを使用することで、1mmHg以下の真空度を持つ一般的な減圧装置より安全、簡単かつ安価で膜ろ過運転で発生し、処理水配管内に混入したエア抜きを行うことができる。
また、本発明に使用されるアスピレータ108は、処理水配管と同じく、被処理水、処理水及び膜ユニットの洗浄に使用する薬品洗浄液に対して安定なものであれば特に制限されず、プラスチック製、金属製の配管等が例示される。特に、安価で簡単に入手が可能なプラスチック製が好ましい。本発明に適用するアスピレータ108について、図5を用いて説明する。アスピレータ108は、アスピレータ供給水Dを供給する給水口201と、アスピレータ供給水が通りエア抜き配管から供給されるエアと混合されるノズル口と、エア抜き配管から供給されるエアFが入る処理水配管連結口202と、内径が細くなるボトルネック204、アスピレータ供給水とエアが混合されてアスピレータ排水Eが排出される排水部205を備えている。本発明でのアスピレータ108は、上記部分の一部のみを備えても、アスピレータ供給水を給水口201に供給することでエアを処理水配管連結口202から吸引でき、アスピレータ供給水とエアの混合気液を排水口205から排出できるものであれば良い。また、アスピレータ108は、故障、閉塞や処理量を考え、1つでも、2つ以上を使用しても良い。
また、本発明に適用するアスピレータ108の他の一例を図6に示す。図6のアスピレータは図5のアスピレータに概ね類似する形状であるが、図5のアスピレータと比較してノズル口203からボトルネック204までの長さが短くなっており、アスピレータ108の長さを短くしたものとなっている。このように、図5に示したアスピレータ108の形状の他にも、アスピレータ供給水をアスピレータ供給水供給口に供給し、アスピレータ排出口に流れる際に、処理水配管連結口202からエアを吸引できる機能を持つものであれば、本発明に使用することができる。
本発明においてアスピレータ供給水Dは、水道水、膜透過水、活性汚泥など、液体であれば良く、アスピレータ供給水供給手段112を用いてアスピレータ108に供給する。アスピレータ供給水Dは、アスピレータ108の給水口201に供給され、排水口205に流すことができる液体であれば良いが、アスピレータ108を汚せないことでメンテナンス頻度が下がる点から、水道水が好ましい。
また、アスピレータ供給水供給手段112は、タンクを設け、アスピレータ供給水Dを入れ、タンク内のアスピレータ供給水とアスピレータとの水位差を用いて供給し、その際、供給する配管に流量制御バルブを設け、供給流量などを制御することもできる。また、ポンプにより供給し、その際、供給する配管に流量制御バルブを設け、供給流量などを制御することもできる。アスピレータ用供給水として水道水を使用する場合も、供給する配管に流量制御バルブを設け、供給流量などを制御することもできる。
また、本発明のアスピレータの給水口の径は、発生するエアの量、エア抜き時間、エア抜き頻度にもよるが、エアの流れが円滑に行われるように、内径1mmから200mmのものが好ましく、アスピレータに供給するアスピレータ供給水の給水量の点から、内径が3mmから50mmのものがより好ましい。
また、エア抜き配管から供給されるエアが入る処理水配管連結口202は、給水口201と排水口205を繋ぐ直線の配管に、1つ以上の処理水配管連結口がどのような方向からでも繋がっていれば良いが、給水口201と排水口205を繋ぐ直線と垂直になることが、エア抜き配管からアスピレータ108にエアが入りやすい点から好ましい。また、処理水配管連結口202の内径は、給水口201の内径と同じ、もしくはより小さい内径を備えれば良いが、効率良くエアを吸い込む点から、給水口201の内径の30〜60%の内径を持つことが好ましい。また、ノズル口203は、給水口201の内径より小さい内径を備えることで良いが、効率よくエアを吸い込む点から、給水口201の内径の10〜40%の内径を持つことが好ましい。また、ボトルネック204は、内径を一部小さくすることで、エアの吸い込み力を強くすることができ、給水口201の内径より小さい内径を備えれば良いが、効率良くエアを吸い込む点から、給水口201の内径の10〜60%の内径を持つことが好ましい。また、排水口205は、エアと給水の混合気液を排出できる構造であれば良く、給水口201の内径と同等もしくはより小さい内径を備えれば良いが、効率良くエアとアスピレータ供給水の混合気液を排出できる点から、給水口201の内径の50〜80%の内径を持つことが好ましい。
また、制御手段113は、タイマー機能を有し、設定時間によってバルブの開閉の制御ができるものであれば良い。制御手段は、エア抜きバルブ109と、アスピレータ供給水調整バルブ107と、アスピレータ排水調整バルブ110の開閉を制御できるものが好ましく、設定時間になると、処理水配管エア抜きバルブ109と、アスピレータ供給水調整バルブ107と、アスピレータ排水調整バルブ110を開放して、アスピレータ供給水をアスピレータ108に供給することで処理水配管のエア抜きを行うことができ、一定時間後にはバルブを閉止し、エア抜き操作を止めることができる。制御手段は、必要に応じて、ブロア、圧力計104、流量計105、吸引ポンプ106、アスピレータ供給水調整バルブ107、処理水配管エア抜きバルブ109、アスピレータ排水調整バルブ110、流量調整弁111、アスピレータ供給水供給手段112、薬液供給手段などと繋ぎ、ろ過運転を制御しながら行うこともできる。例えば、膜ろ過の際、分離膜の閉塞によって処理水配管のエア溜まりが多くなった場合は、圧力計104の値に導かれた基準値を設け、その基準値が所定値を超えると、吸引ポンプ106を止め、流量調整弁111を閉止し、アスピレータ供給水調整バルブ107とアスピレータ排水調整バルブ110を開放し、アスピレータ供給水供給手段112を稼働し、薬液供給手段を稼働し、処理水配管エア抜きバルブ109を開放することで、エア抜きを行うことができる。
また、膜処理水など、微生物を含み微生物が増殖可能な液体をアスピレータ供給水Dとして使用する場合、長時間の使用によりアスピレータの中に微生物が増殖し、アスピレータを閉塞することが考えられる。このように、アスピレータが何らかのものによって閉塞する可能性がある場合は、アスピレータ供給水Dに、薬液を添加することでアスピレータのメンテナンス頻度を下げ、寿命を長くすることができる。当該薬液は、アスピレータの中を洗浄できる薬液であれば良いが、酸化剤、殺菌剤、スケール防止剤、酸、アルカリなどを添加することで、アスピレータを閉塞する微生物やスケールを洗浄することができる。ここで、酸化剤は、アスピレータ供給水、配管やアスピレータに閉塞する有機物を分解することができ、殺菌剤は、アスピレータ供給水、配管やアスピレータで増殖する微生物を抑制することができ、スケール防止剤は、イオンや金属塩などの化学物質を溶解して閉塞を防ぐことができる。酸やアルカリは、有機物及び/又は無機物によるアスピレータの閉塞を防止することができる。使用する薬液は、前記薬液の1つでも良く、2つ以上を同時または順番に使用しても良い。
酸化剤としては、例えば次亜塩素酸ナトリウム、クロラミンなどが好ましく、アスピレータ供給水中の濃度が0.1〜100mg/Lになるように添加することが好ましい。殺菌剤としては、例えば2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、これらの塩およびこれらの混合物から選ばれた成分を有効成分とする殺菌剤や2,2−ジブロモ−3−ニトリロプロピオンアミド(DBNPA)、硫酸などが挙げられ、アスピレータ供給水中の濃度が0.1〜100mg/Lになるように添加することが好ましい。スケール防止剤としては、例えばヘキサメタリン酸ナトリウム(SHMP)などが挙げられ、アスピレータ供給水中の濃度が0.1〜100mg/Lになるように添加することが好ましい。なお、前記以外でも、例えばクエン酸、塩酸、硫酸、シュウ酸、苛性ソーダなどの酸またはアルカリを使用することもできる。また、薬液の注入は、連続的でもよく、間欠的に行うこともできるが、薬液の使用量を減らすことができる面から、間欠的に注入することが好ましい。また、薬液の注入点は、アスピレータ供給水が貯留されるタンクなどからアスピレータを繋ぐアスピレータ供給水配管中であれば特に制限されないが、アスピレータ供給水配管およびアスピレータ供給水供給手段の洗浄も可能であることから、アスピレータ供給水供給手段より上流に設けることが好ましい。また、薬液の注入は、薬液タンクおよび薬液注入ポンプを設け、アスピレータを使用してエア抜きを行うことには関わらず注入して洗浄することができるが、エア抜きを行いながら行うことでアスピレータの内部を揺らしながら薬液と接触させることができる点から好ましい。
排水口205から排出されるアスピレータ排水Eは、被処理水収容槽103に入れることもでき、下水として排出することもできる。また、図3で示すように、アスピレータ供給水供給手段112に繋ぎ、アスピレータ排水Eの全部または一部を再度アスピレータ108の給水口201に供給し、再利用することもできる。また、アスピレータ供給水供給手段112の代わりにアスピレータ供給水配管に接続するようにしてアスピレータ排水Eを再利用することもできる。
例えば、アスピレータ108の排水口205から排出されるアスピレータ排水Eを回収する再利用配管116を用意し、アスピレータ排水Eを入れるタンクを含むアスピレータ供給水供給手段112と繋ぐ。その後、アスピレータ作動の際排出されるアスピレータ排水Eをアスピレータ供給水供給手段112のタンクに溜める。その後、溜まったアスピレータ排水Eをアスピレータ108に供給することが可能である。この際再利用する水の量は、タンクの大きさやアスピレータ108に供給する水の量、再利用する水の水質に応じて決めることが好ましい。さらに、再利用水に、前記薬液を入れることで、再利用する水の水質を保つことができ、再利用率や再利用可能な時間を長くすることができる。
本発明に使用するバルブは、処理水配管と同じく、被処理水、処理水及び膜ユニットの洗浄に使用する薬品洗浄液に対して安定なものであれば特に制限されず、プラスチック製、金属製の配管等が例示される。特に金属製が好ましい。また、当該バルブは、手動でも自動でも良く、必要に応じて、制御装置とタイマーなどと備え、定期的に一定頻度、一定流量、一定時間の間、処理水配管のエア抜きをすることができる。
このように、処理水配管に設けられた分岐部から分岐させたエア抜き配管をアスピレータに接続してエア抜きを行う本発明の膜分離装置および膜分離方法を適用することによって、処理水配管に水を溜めるタンクや水位計など複雑な設備を設けず、膜ユニットに急激な変動などを与えることなく、膜ユニットに安全、簡単かつ効率よく処理水配管中のエアを抜くことができる。
以下、本発明を具体的に説明するが、本発明はこの実施例の態様のみに限定されるものではない。
(比較例1)
図1のように構成された装置を用いて、生活廃水を膜分離活性汚泥方法にて処理した。
表1にまとめて示す条件にて生活廃水の処理を行った。生活廃水を原水供給ポンプによって脱窒槽に導入して処理した後、その液を被処理水Aとして被処理水収容槽103に導入した。被処理水収容槽103では散気装置102から供給される曝気によって好気性状態が維持され、かつ処理水のろ過が行われた。なお、MLSS濃度の維持のため、定期的に汚泥を、汚泥引き抜きポンプを用いて引き抜いた。膜ユニット101でのろ過運転は定流量運転を行った。
Figure 2014172014
膜ユニット101は東レ(株)製TMR140を使用し、平膜エレメント40枚を入れて組み立てたものを使用した。平膜エレメントは、東レ(株)製のTSP−50150エレメントを使用した。平膜エレメントは上部に取水ノズルを設けている大きさ1,600mm×500mmの支持板の両面に分離膜を付着させた構造であり、分離膜の面積は1.4mである。
比較例1では、処理水配管がエア抜き装置に接続されないまま、ろ過運転を開始して運転を行い続けた。ろ過運転を1ヶ月行うと、処理水配管の頭頂部にろ過水中のエアが溜まり、吸引ポンプ106の動作が不安定な症状が発生した。そのまま運転を続けると、溜まったエアが大量となり、処理水配管内にエアが多くなったため、吸引ポンプ106が空回転した。吸引ポンプ106が処理水を吸引できなかったため、吸引ポンプ106を停止し、その後再稼働させたところ、処理水配管の中にエアが入っていたため、吸引ポンプ106が大きく回転速度を上げ、溜まったエアを吸い込み、処理水配管から排出することができた。しかし、吸引ポンプ106の回転速度が速かったため、膜ユニット101にて処理する処理水量は設定した定格の処理水量を大きく上回り、膜ユニット101から一気に大量の処理水を吸引したことで、分離膜が閉塞してしまった。
(比較例2)
比較例2では、処理水配管の頭頂部に、エア抜きができるようにエア抜き手動バルブとエア抜き配管を設けた以外には、比較例1と同様にろ過運転を行った。エア抜き配管には、まず、真空ポンプを接続し、ろ過運転開始から3日目に、処理水配管にエアを抜くことを試みた。真空ポンプを稼働させ、エア抜き配管のエア抜き手動バルブを開けると、初期はエアが抜けたが、処理水も入ってきたため、真空ポンプが壊れ、それ以上エア抜きができなかった。真空ポンプを交換し、真空ポンプとエア抜き配管の間に水トラップ用の5Lタンクを設置して、再度エア抜きを試みたが、エアを抜いた後、直ぐにタンクが処理水で満たされ、また真空ポンプに水が入り、真空ポンプが壊れてしまった。また真空ポンプを交換し、真空ポンプとエア抜き配管の間に水トラップ用の50Lタンクを設置して、再度エア抜きを試みたが、水トラップ用タンクを真空にするため1時間程度掛かり、エアを抜くことができなかった。
その後、真空ポンプを、水が入っても稼動可能な自給式ポンプに替え、エア抜きを試みた。エア抜き配管と自給式ポンプを繋ぎ、自給式ポンプを稼働し、エア抜き手動バルブを開けることでエア抜きを試みた。自給式ポンプは、できる限り吐出量が小さい13L/minのものを使用した。しかし、エア抜きはできたものの、自給式ポンプの吸引力があまりにも強かったため、膜ユニット101で処理する処理水量が設定した定格の処理水量を大きく上回り、膜ユニット101から一気に大量の処理水を吸引したことで、分離膜が閉塞してしまった。
(実施例1)
実施例1では、図2のように構成された装置を用いてエア抜きを行ったこと以外は、比較例1と同じく生活廃水を膜分離活性汚泥方法にて処理した。
エア抜き装置は、処理水配管の頭頂部に分岐部115を設け、アスピレータ108を設け、アスピレータ供給水調整バルブ107、エア抜きバルブ109、アスピレータ排水調整バルブ110を設け、アスピレータ供給水供給手段112と配管で繋いだ。アスピレータ供給水Dは水道水を使用し、アスピレータ供給水供給手段112は100Lのアスピレータ供給水タンクとアスピレータ供給ポンプを設け、アスピレータ供給水Dと繋がる配管をアスピレータ供給水タンクに繋いだ。また、アスピレータ供給水タンクが常時処理水で溜まるよう、アスピレータ供給水タンクに、レベルバルブを設置し、水道水配管と繋いた。また、前記アスピレータ供給水供給ポンプは、流量が5L/min程度になるように設定した。さらに、制御手段113を設け、アスピレータ供給水調整バルブ107、エア抜きバルブ109、アスピレータ排水調整バルブ110およびアスピレータ供給水供給手段112のアスピレータ供給水供給ポンプの開閉、もしくは作動が制御できるようにした。
膜ろ過運転を開始してから3日後、制御手段113を操作し、アスピレータ排水調整バルブ110、アスピレータ供給水調整バルブ107を開けた後、アスピレータ供給水供給手段112を作動させ、アスピレータに水道水が流れるようにした。流れた水道水はアスピレータ排水Eとして下水道に流した。その後、また制御手段113を操作し、エア抜きバルブ109を開けると、処理水配管に溜まっていたエアが抜け出し、アスピレータ排水Eに水道水とともに流れて排出された。アスピレータ排水Eからエアが排出されないことを確認し、また制御手段113を操作し、稼働の場合と逆の順序でそれぞれのバルブおよびアスピレータ供給水供給手段112を閉めた。
上記作業を2回/週の頻度で行い、さらに、装置の外観検査などメンテナンスを1回/月の頻度で行い、1年間連続でろ過運転を行った。この1年間、エア溜まりによる処理水配管および吸引ポンプ106のトラブルは起こらず、メンテナンス作業時間も30分/回程度で終わり、他の作業も円滑に行うことができた。
(実施例2)
実施例2では、図3のように構成された装置を用いて、アスピレータ排水Eの一部をアスピレータ供給水供給手段112のアスピレータ供給水タンクに還流した以外は、実施例1と同じく生活廃水を膜分離活性汚泥方法にて処理した。
その後、まず制御手段に、アスピレータ排水調整バルブ110を開け、アスピレータ供給水調整バルブ107を開け、アスピレータ供給水供給手段112を動かし、エア抜きバルブ109を開けるように設定し、同じ設定のまま20分間稼働し、その後、前記設定の逆の順序でバルブやポンプを閉める、または停止するように設定した。さらに、前記設定が、指定した日付と時間に稼働するようにタイマーを設定した。設定した作動は、ろ過運転の開始から3日後を始め、それから2回/週の頻度で行うようにした。
ろ過開始から3日後、制御手段に設定した時間に前記エア抜き装置を確認すると、前記設定通りバルブやポンプが作動し、処理水配管に溜まっていたエアがアスピレータ排水Eから、アスピレータ108に供給した水道水と共に排出されることが確認できた。また、アスピレータ排水Eは、再利用配管116に流れ、アスピレータ供給水タンクに戻された。アスピレータ排水を確認すると、エア抜きはエア抜き開始から12〜17分で完了された。さらに確認すると、エア抜き装置が作動してから20分後、前記設定したようにバルブやポンプが閉まる、または停止し、アスピレータ排水Eが排出されないことが確認できた。
その後、ろ過運転を引き続き行い、1年間連続ろ過運転を行った。その間、エア抜き装置に対しては、1回/1ヶ月の頻度で30分/回程度、エア抜き装置の外観点検などのメンテナンスを行った。その結果、1年間エア溜まりによる処理水配管および吸引ポンプ106のトラブルは起こらず、作業時間も2時間/月程度で終わり、他の作業も円滑に行うことができた。
その後、前記アスピレータ供給水タンクに、有効塩素濃度が100mg/Lになるように次亜塩素酸ナトリウムを添加した。引き続きろ過運転およびエア抜きを行い、1回/1ヶ月の頻度で30分/回程度、エア抜き装置の外観点検などのメンテナンスを行った。その結果、1年間エア溜まりによる処理水配管および吸引ポンプ106のトラブルは起こらず、他の作業も円滑に行うことができた。
(実施例3)
実施例3では、図4のように構成された装置を用いてエア抜きを行ったこと、平膜エレメント20枚入りの膜ユニットを2台使用したこと以外は、比較例1と同じく生活廃水を膜分離活性汚泥方法にて処理した。
エア抜き装置は、アスピレータ108の不具合や閉塞を回避し、流れる流量を十分にするためアスピレータ108を2個設け、2台の膜ユニット101にそれぞれ分岐部115およびエア抜きバルブ109を設け、アスピレータ供給水調整バルブ107、アスピレータ排水調整バルブ110を設け、制御手段113を設け、アスピレータ供給水供給手段112を設け、薬液供給手段114を設け、さらに、制御手段113に、アスピレータ供給水調整バルブ107、エア抜きバルブ109、アスピレータ排水調整バルブ110、アスピレータ供給水供給手段112、薬液供給手段114、吸引ポンプ、流量調整弁111を繋いで行った。アスピレータ供給水Dは膜処理水を使用し、アスピレータ供給水供給手段112はアスピレータ供給水タンクとアスピレータ供給ポンプを設け、膜処理水をタンクに溜めて使用した。制御装置113にはアスピレータ供給水供給手段112のアスピレータ供給ポンプを繋いだ。前記アスピレータ供給水タンクは100Lのタンクを用意し、別途設置されていた膜処理水のタンクと膜処理水供給ポンプとに繋がる配管を繋ぎ、アスピレータ供給水タンクが常時膜処理水で溜まるようレベルバルブを設置した。さらに、前記アスピレータ供給水供給ポンプは、流量が5L/min程度になるように設定した。
薬液供給手段114はタンクと薬液ポンプを設け、次亜塩素酸ナトリウムを入れた。薬液ポンプは、アスピレータ供給水供給手段112のポンプの流量から算出し、アスピレータ108に供給する供給水の中に有効塩素濃度が50ppm程度になるように設定した。
また、制御手段113にはタイマーを設け、それぞれのバルブやポンプが制御できるようにした。また、制御手段113には、それぞれのバルブやポンプを順次、設定時間の間動かすことができるようにした。
その後、まず制御手段に、アスピレータ排水調整バルブを開け、アスピレータ供給水調整バルブ107を開け、アスピレータ供給水供給手段112を動かし、薬液供給手段114を動かし、エア抜きバルブ109を開けるように設定し、その設定のまま20分間稼働し、その後、前記設定の逆の順序でバルブやポンプを閉める、または停止するように設定した。さらに、前記設定が、指定した日付と時間に稼働するようにタイマーを設定した。設定はろ過運転の開始から3日後を始め、それから2回/週の頻度で行うようにした。
ろ過開始から3日後、制御手段に設定した時間に前記エア抜き装置を確認すると、前記設定通りバルブやポンプが作動し、処理水配管に溜まっていたエアがアスピレータ排水Eから、アスピレータ108に供給した膜処理水と共に排出されることが確認できた。アスピレータ排水を確認すると、エア抜きはエア抜き開始から12〜17分で完了された。さらに20分後確認すると、前記設定したようにバルブやポンプが閉まる、または停止し、アスピレータ排水Eが排出されないことが確認できた。
その後、ろ過運転を引き続き行い、1年間連続ろ過運転を行った。その間、エア抜き装置については、1回/1ヶ月の頻度で30分/回程度、エア抜き装置の外観点検などのメンテナンスを行った。その結果、1年間エア溜まりによる処理水配管および吸引ポンプの問題は起こらず、他の作業も余裕を持って行うことができた。
その後、制御手段113の設定を変え、エア抜き作業を行う際には膜ろ過の吸引ポンプを停止し、流量調整弁111を閉め、アスピレータに供給水を流す時間を10分にした。その後、引き続き膜ろ過運転を行った。エア抜き装置の作動設定時間にアスピレータ排水を確認すると、エア抜き開始から5〜8分でエア抜きが完了された。
その後、ろ過運転を引き続き行い、1年間連続ろ過運転を行った。その間、エア抜き装置については、1回/1ヶ月の頻度で30分/回程度、エア抜き装置の外観点検などのメンテナンスを行った。その結果、1年間エア溜まりによる処理水配管および吸引ポンプのトラブルは起こらず、アスピレータに使用する膜処理水の量も減らすことができ、他の作業も円滑に行うことができた。
本発明は、膜分離活性汚泥法の分離膜ろ過の際に、処理水配管に発生するエアについて、処理水配管に設けられた分岐部から分岐させたエア抜き配管をアスピレータに接続してエア抜きを行う本発明の膜分離装置および膜分離方法を適用することによって、処理水配管に水を溜めるタンクや水位計など複雑な設備を設けず、膜ユニットに急激な変動などを与えることなく、膜ユニットに安全、簡単かつ効率よく処理水配管中のエアを抜くことができ、膜分離運転をより簡便かつ効果的に行うことができる。
101 膜ユニット
102 散気装置
103 被処理水収容槽
104 圧力計
105 流量計
106 吸引ポンプ
107 アスピレータ供給水調整バルブ
108 アスピレータ
109 エア抜きバルブ
110 アスピレータ排水調整バルブ
111 流量調整弁
112 アスピレータ供給水供給手段
113 制御手段
114 薬液供給手段
115 分岐部
116 再利用配管
201 給水口
202 処理水配管連結口
203 ノズル口
204 ボトルネック
205 排水口
A 被処理水
C 処理水
D アスピレータ供給水
E アスピレータ排水
F エア

Claims (5)

  1. 被処理水および活性汚泥が貯留される被処理水収容槽と、前記被処理水収容槽に浸漬設置され、前記被処理水を膜ろ過して処理水を排出する膜ユニットと、前記膜ユニットの下方にあって、前記膜ユニットに空気を供給する散気装置と、前記膜ユニットから得られる処理水が送液され、途中に分岐部を有する処理水配管と、アスピレータ供給水供給口とアスピレータ気体供給口とアスピレータ排出口とを有するアスピレータと、前記分岐部と前記アスピレータ気体供給口とに結合し、途中にエア抜きバルブを有するエア抜き配管と、アスピレータ供給水を供給するアスピレータ供給水供給手段と、前記アスピレータ供給水供給手段および前記アスピレータ供給水供給口に結合し、途中にアスピレータ供給水調整バルブを有するアスピレータ供給水配管と、前記アスピレータ排出口に結合し、途中にアスピレータ排水調整バルブを有するアスピレータ排水配管と、を備えた膜分離装置。
  2. 前記アスピレータ排出口から排出される水の少なくとも一部を、前記アスピレータ供給水供給手段または前記アスピレータ供給水配管に還流する再利用配管をさらに備えた請求項1に記載の膜分離装置。
  3. 前記アスピレータ供給水供給手段と、前記エア抜きバルブと、前記アスピレータ供給水調整バルブと、前記アスピレータ排水調整バルブとに接続され、前記アスピレータ供給水供給手段からのアスピレータ供給水供給量と、前記エア抜きバルブの開度と、前記アスピレータ供給水調整バルブの開度と、前記アスピレータ排水調整バルブの開度とを調整可能な制御手段を備えた請求項1または2に記載の膜分離装置。
  4. 請求項3に記載の膜分離装置を用いて被処理水を膜ろ過して処理水を得る膜分離方法であって、前記制御手段にエア抜き装置稼働時間を設定し、設定した前記エア抜き装置稼働時間に、前記アスピレータ供給水供給手段を稼働させ、前記エア抜きバルブと、前記アスピレータ供給水調整バルブと、前記アスピレータ排水調整バルブとを開とすることを特徴とする膜分離方法。
  5. 前記アスピレータ供給水に薬液を添加することを特徴とする請求項4に記載の膜分離方法。
JP2013049081A 2013-03-12 2013-03-12 膜分離装置および膜分離方法 Pending JP2014172014A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013049081A JP2014172014A (ja) 2013-03-12 2013-03-12 膜分離装置および膜分離方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013049081A JP2014172014A (ja) 2013-03-12 2013-03-12 膜分離装置および膜分離方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2014172014A true JP2014172014A (ja) 2014-09-22

Family

ID=51693854

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013049081A Pending JP2014172014A (ja) 2013-03-12 2013-03-12 膜分離装置および膜分離方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2014172014A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9333464B1 (en) 2014-10-22 2016-05-10 Koch Membrane Systems, Inc. Membrane module system with bundle enclosures and pulsed aeration and method of operation
USD779632S1 (en) 2015-08-10 2017-02-21 Koch Membrane Systems, Inc. Bundle body
JP2018143964A (ja) * 2017-03-06 2018-09-20 オルガノ株式会社 膜ろ過装置、膜ろ過方法及び膜ろ過装置のブロー装置
KR102442314B1 (ko) * 2021-10-26 2022-09-13 주식회사 에코니티 센서감지형 공기배출 시스템을 이용한 지속 가능한 균등 여과 장치

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9333464B1 (en) 2014-10-22 2016-05-10 Koch Membrane Systems, Inc. Membrane module system with bundle enclosures and pulsed aeration and method of operation
US9956530B2 (en) 2014-10-22 2018-05-01 Koch Membrane Systems, Inc. Membrane module system with bundle enclosures and pulsed aeration and method of operation
US10702831B2 (en) 2014-10-22 2020-07-07 Koch Separation Solutions, Inc. Membrane module system with bundle enclosures and pulsed aeration and method of operation
USD779632S1 (en) 2015-08-10 2017-02-21 Koch Membrane Systems, Inc. Bundle body
USD779631S1 (en) 2015-08-10 2017-02-21 Koch Membrane Systems, Inc. Gasification device
JP2018143964A (ja) * 2017-03-06 2018-09-20 オルガノ株式会社 膜ろ過装置、膜ろ過方法及び膜ろ過装置のブロー装置
KR102442314B1 (ko) * 2021-10-26 2022-09-13 주식회사 에코니티 센서감지형 공기배출 시스템을 이용한 지속 가능한 균등 여과 장치

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5062140B2 (ja) 散気装置の運転方法および散気装置
JP5908186B2 (ja) 膜を用いた水処理方法および水処理装置
KR20080075160A (ko) 막/미생물 여과 조합체
US20170216777A1 (en) Method and apparatus for cleaning filter membrane, and water treatment system
JP5467793B2 (ja) 浸漬型膜分離装置の運転方法
KR101050374B1 (ko) 소규모 하수처리시설의 자동 운전장치
JP2011088053A (ja) 淡水化処理設備及び方法
JP2014172014A (ja) 膜分離装置および膜分離方法
JP4984460B2 (ja) 分離膜の洗浄方法、ならびに有機性汚水処理装置
WO2018043154A1 (ja) 膜分離装置の運転方法及び膜分離装置
JP5181987B2 (ja) 浸漬型膜モジュールの洗浄方法
JP2009247936A (ja) 浸漬型膜分離装置のインライン洗浄方法
JP3491122B2 (ja) 浄水処理装置
JPH11179163A (ja) 流量および圧力変動による内圧型除濁用膜モジュールの逆洗方法
JP5120106B2 (ja) 有機アルカリ排水の処理方法及び処理装置
JP4892390B2 (ja) 固液分離装置を有する水処理装置
JP5423184B2 (ja) 濾過膜モジュール洗浄方法および洗浄装置
JP2007209949A (ja) 固液混合処理液のろ過液回収装置
KR20030042133A (ko) 침지형 분리막의 세정방법 및 그 장치
JP2009214062A (ja) 浸漬型膜モジュールの運転方法
JP2015231591A (ja) 遠隔監視制御システム
JP2007260532A (ja) 再生水製造装置の洗浄方法
JPH11179173A (ja) 膜分離装置の運転方法及び膜分離装置
JP2005177744A (ja) 再生水の製造装置および再生水の製造方法
KR100983312B1 (ko) 분리막과 오존을 이용한 하폐수의 재이용장치