JP2014170041A - 感光性樹脂組成物 - Google Patents

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晶 藤原
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Abstract

【課題】高い密着性と短い剥離時間とを達成し得る感光性樹脂組成物を提供する。
【解決手段】下記(a)〜(d)の成分、(a)アルカリ可溶性高分子:20〜70質量%、(b)分子内に少なくとも一つの重合可能なエチレン性不飽和結合を有する付加重合性モノマー:5〜30質量%、(c)光重合開始剤:0.01〜30質量%、及び(d)該(a)〜(c)以外のラジカル重合の促進に関与しない化合物である、添加剤:20〜40質量%、からなり、該付加重合性モノマーが、分子内に少なくとも三つの重合可能なエチレン性不飽和結合を有する多官能モノマーを含有する、感光性樹脂組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、感光性樹脂組成物に関する。
従来、プリント配線板は一般的にはフォトリソグラフィー法によって製造されている。フォトリソグラフィー法とは、感光性樹脂組成物を基板上に塗布し、パターン露光して該感光性樹脂組成物の露光部を重合硬化(ネガ型の場合)又は現像液に対して可溶化(ポジ型の場合)させるとともに未露光部(ネガ型の場合)又は露光部(ポジ型の場合)を現像液で除去して基板上にレジストパターンを形成し、エッチング又はめっき処理を施して導体パターンを形成した後、該レジストパターンを該基板上から剥離除去することによって、基板上に導体パターンを形成する方法をいう。
フォトリソグラフィー法においては、通常、感光性樹脂組成物を基板上に塗布するときに、感光性樹脂組成物の溶液を基板に塗布して乾燥させる方法、又は支持体、感光性樹脂組成物から成る層(以下、「感光性樹脂層」ともいう。)、及び必要により保護層、を順次積層した感光性樹脂積層体(以下、「ドライフィルムレジスト」ともいう。)を基板に積層する方法のいずれかが使用される。そして、プリント配線板の製造においては、後者のドライフィルムレジストが使用されることが多い。
上記のドライフィルムレジストを用いてプリント配線板を製造する方法について、以下に簡単に述べる。
まず、ドライフィルムレジストがポリエチレンフィルム等の保護層を有する場合には、感光性樹脂層からこれを剥離する。次いで、ラミネーターを用いて銅張積層板等の基板上に、該基板、感光性樹脂層、支持体の順序になるように、感光性樹脂層及び支持体を積層する。次いで、配線パターンを有するフォトマスクを介して、該感光性樹脂層を超高圧水銀灯が発するi線(365nm)を含む紫外線等で露光することによって、露光部分を重合硬化させる。次いでポリエチレンテレフタレート等から成る支持体を剥離する。
次いで、弱アルカリ性を有する水溶液等の現像液により感光性樹脂層の未露光部分を溶解又は分散除去して、基板上にレジストパターンを形成させる。次いで、形成されたレジストパターンを保護マスクとして既知のエッチング処理、又はパターンめっき処理を行う。エッチングにより金属部分を除去する方法では、基板の貫通孔(スルーホール)又は層間接続のためのビアホールを硬化レジスト膜で覆うことにより孔内の金属がエッチングされないようにする。この工法はテンティング法と呼ばれる。エッチング工程には、例えば、塩化第二銅、塩化第二鉄又は銅アンモニア錯体溶液が用いられる。
最後に、水酸化ナトリウム等のアルカリ水溶液により該レジストパターンを基板から剥離して、導体パターンを有する基板、すなわちプリント配線板を製造する。パターンめっき処理を行う方法では同上の銅面上に銅めっき処理を施し、必要であれば更に半田、ニッケル及びスズ等のめっき処理を行った後、同様にレジストパターンを基板から剥離して、さらに現れた銅張積層板等の銅面をエッチングする。
したがって、ドライフィルムレジストはプリント配線板の高密度化及び需要拡大に対応するための重要な要素である。このようなドライフィルムレジストとして、種々のドライフィルムレジストが提案されている(特許文献1参照)。
特開2005−92102号公報
しかしながら、従来の技術では高い密着性と短い剥離時間を高いレベルで両立することは困難であった。
即ち、プリント配線板等の製造の際にドライフィルムの密着性が不十分な場合には、エッチングやめっきの工程で薬液がレジストの下に入り込み、意図したパターンを得られなくなったり、仕上がりのラインにがたつきが出たりすることがある。またドライフィルムレジストの剥離に時間がかかる場合には、それに合わせてラインスピードを遅くする必要が生じて生産性に悪影響がでる。基板からレジストが剥離しきれずに残ってしまうと後の工程で異物となり歩留りに悪影響が出る。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、高い密着性と短い剥離時間とを達成し得る感光性樹脂組成物を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、以下の技術的手段により、上記課題を解決することができることを見出した。
すなわち、本発明は以下の通りである。
[1] 下記(a)〜(d)の成分、
(a)アルカリ可溶性高分子:20〜70質量%、
(b)分子内に少なくとも一つの重合可能なエチレン性不飽和結合を有する付加重合性モノマー:5〜30質量%、
(c)光重合開始剤:0.01〜30質量%、及び
(d)該(a)〜(c)以外のラジカル重合の促進に関与しない化合物である、添加剤:20〜40質量%、
からなり、
該付加重合性モノマーが、分子内に少なくとも三つの重合可能なエチレン性不飽和結合を有する多官能モノマーを含有する、感光性樹脂組成物。
[2] 該多官能モノマーが、下記一般式[I]:
Figure 2014170041
{式中、R1は水素原子又は炭素数が1〜8である一価の有機基を表し、R2、R3及びR4はそれぞれ独立に水素原子又はメチル基を表し、A1は炭素数2〜6のアルキレン基を表し、n1、n2及びn3はn1+n2+n3=3〜60を満たす0以上の整数であり、n4は0又は1であり、但し式中複数存在するA1はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、−(O−A1)−の繰り返し構造はランダムであってもブロックであってもよい。}で表される化合物である、上記[1]に記載の感光性樹脂組成物。
[3] 該n1、n2及びn3が、n1+n2+n3=6〜60を満たす0以上の整数である、上記[2]に記載の感光性樹脂組成物。
[4] 該一般式[I]で表される化合物の、該付加重合性モノマー中に占める割合が、10〜80質量%である、上記[2]又は[3]に記載の感光性樹脂組成物。
[5] 該添加剤が、
下記一般式[II]:
5−O−(A2−O)n5−R6 [II]
{式中、R5及びR6は、それぞれ独立に水素原子又は炭素数が1〜30である一価の有機基であり、A2は、アルキレン基であり、n5は、1以上400以下の整数であり、−(A2−O)−の繰り返し構造は、同一であっても異なっていてもよく、そして−(A2−O)−の繰り返し構造が異なる場合には、ランダムであってもブロックであってもよい。}で表される化合物、
下記一般式[III]:
Figure 2014170041
{式中、R,R,R及びR10はそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜30のアルキル基、又は脂肪酸アシル基を表し、n6、n7、n8及びn9はそれぞれ独立に0以上の整数であり、但しn6+n7+n8+n9は0〜40であり、A3は−CH(CH3)CH2−、−CH2CH(CH3)−又は−CH2CH2−を表し、−(A3−O)−の繰り返し構造は、ランダムであっても、ブロックであってもよい。}で表される化合物、及び
下記一般式[IV]:
Figure 2014170041
{式中、A4は、−CH(CH3)CH2−、−CH2CH(CH3)−又は−CH2CH2−を表し、n10及びn11は、それぞれ独立に0以上の整数であり、さらに好ましくは、n10及びn11は、各々独立に1〜30の整数であり、n10+n11は1〜60の整数であり、−(A4−O)−の繰り返し構造は、同一であっても異なっていてもよく、そして−(A4−O)−の繰り返し構造が異なる場合には、ランダムでもブロックでもよい。}で表される化合物、よりなる群から選択される1種又は2種以上を含む、上記[1]〜[4]のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
[6] 該一般式[II]で表される化合物、該一般式[III]で表される化合物、及び該一般式[IV]で表される化合物よりなる群から選択される1種又は2種以上の、該添加剤中に占める合計割合が、20〜100質量%である、上記[5]に記載の感光性樹脂組成物。
[7] 以下の工程:
上記[1]〜[6]のいずれかに記載の感光性樹脂組成物から成る感光性樹脂層を支持体に積層するラミネート工程、
該感光性樹脂層を露光する露光工程、及び
該露光された感光性樹脂層を現像する現像工程、
を含む、レジストパターンの形成方法。
[8] 以下の工程:
上記[1]〜[6]のいずれかに記載の感光性樹脂組成物から成る感光性樹脂層を基板に積層するラミネート工程、
該感光性樹脂層を露光する露光工程、
該露光された感光性樹脂層を現像して、レジストパターンが形成された基板を得る現像工程、
該レジストパターンが形成された基板をエッチング又はめっきする導体パターン形成工程、及び
該レジストパターンを剥離する剥離工程
を含む、配線板の製造方法。
本発明によれば、高い密着性と短い剥離時間とを達成し得る感光性樹脂組成物が提供される。
以下、本発明を実施するための典型的な形態(以下、「実施形態」と略記する。)について詳細に説明する。尚、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。本開示で、感光性樹脂組成物中の各成分の量に関して記載する質量%は、特記がない限り感光性樹脂組成物の全固形分質量基準である。
本実施の形態の感光性樹脂組成物は、下記(a)〜(d)の各成分、
(a)アルカリ可溶性高分子を20〜70質量%、
(b)分子内に少なくとも一つの重合可能なエチレン性不飽和結合を有する付加重合性モノマー(以下、(b)付加重合性モノマーともいう)を5〜30質量%、
(c)光重合開始剤を0.01〜30質量%、及び
(d)上記(a)〜(c)以外のラジカル重合の促進に関与しない化合物である添加剤(以下、(d)添加剤ともいう)を20〜40質量%、
含み、
該付加重合性モノマーが、分子内に少なくとも三つの重合可能なエチレン性不飽和結合を有する多官能モノマー(本開示で、単に多官能モノマーともいう)を含有するものである。
本実施形態では、(d)添加剤を20〜40質量%用いることにより良好な剥離性能が得られることに加え、多官能モノマーを用いることで良好な密着性が実現できる。
(a)アルカリ可溶性高分子
(a)アルカリ可溶性高分子は、典型的には、カルボキシル基含有単量体を共重合成分として含む熱可塑性共重合体である。
(a)アルカリ可溶性高分子の重量平均分子量は、5,000〜500,000であることが好ましい。(a)アルカリ可溶性高分子の重量平均分子量は、ドライフィルムレジストの厚みを均一に維持し、現像液に対する耐性を得るという観点から5,000以上が好ましく、一方で、現像性を維持するという観点から500,000以下が好ましい。より好ましい(a)アルカリ可溶性高分子の重量平均分子量の下限は、20,000であり、上限は300,000である。また、(a)アルカリ可溶性高分子の分子量分布(すなわち重量平均分子量/数平均分子量)は、解像性の観点から、好ましくは1〜6、より好ましくは1〜4である。
本開示における重量平均分子量及び分子量分布とは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によりポリスチレン(例えば昭和電工(株)製Shodex STANDARD SM−105)の検量線を用いて測定した重量平均分子量及び分子量分布を意味する。該重量平均分子量及び分子量分布は、例えば日本分光(株)製ゲルパーミエーションクロマトグラフィーを使用して、以下の条件で測定することができる:
示差屈折率計:RI−1530
ポンプ:PU−1580
デガッサー:DG−980−50
カラムオーブン:CO−1560
カラム:順にKF−8025、KF−806M×2、KF−807
溶離液:THF
(a)アルカリ可溶性高分子は、後述する第一の単量体の1種以上と後述する第二の単量体の1種以上とから成る共重合成分を共重合させて得られることが好ましい。
第一の単量体は、分子中にカルボキシル基を含有する単量体である。第一の単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸、フマル酸、ケイ皮酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸無水物、及びマレイン酸半エステル等が挙げられる。中でも、解像性の観点から特に(メタ)アクリル酸が好ましい。ここで、(メタ)アクリルとは、アクリル又はメタクリルを示す。以下同様である。
第二の単量体は、非酸性であり、かつ分子中に重合性不飽和基を少なくとも1個有する単量体である。第二の単量体としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、酢酸ビニル等のビニルアルコールのエステル類;(メタ)アクリロニトリル、スチレン、及び重合可能なスチレン誘導体等が挙げられる。中でも、取扱い性の観点からメチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、スチレン、及びベンジル(メタ)アクリレートが好ましく、解像度の観点からスチレンを用いることは特に好ましい。
(a)アルカリ可溶性高分子は、上記の第一及び第二の単量体を混合し、溶剤、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、又はイソプロパノールで希釈した溶液に、ラジカル重合開始剤、例えば、過酸化ベンゾイル、又はアゾイソブチロニトリルを適量添加し、加熱攪拌することにより合成を行うことが好ましい。単量体混合物の一部を反応液に滴下しながら合成を行う場合もある。反応終了後、さらに溶剤を加えて、所望の濃度に調整する場合もある。合成手段としては、上記のような溶液重合以外に、塊状重合、懸濁重合、又は乳化重合を用いてもよい。
特に好ましい(a)アルカリ可溶性高分子は、第一の単量体と第二の単量体との共重合割合が、第一の単量体と第二の単量体との合計100質量%中、第一の単量体が10〜60質量%、及び第二の単量体が40〜90質量%であるものであり、より好ましくは第一の単量体が15〜35質量%、及び第二の単量体が65〜85質量%であるものである。上記共重合割合は、アルカリ溶解性と分子量とを所望の範囲に容易に調整する観点から好ましい。
(a)アルカリ可溶性高分子のより具体的な例としては、メタクリル酸メチル、メタクリル酸及びスチレンを共重合成分として含む重合体、メタクリル酸メチル、メタクリル酸及びアクリル酸n−ブチルを共重合成分として含む重合体、並びにメタクリル酸ベンジル、メタクリル酸メチル及びアクリル酸2−エチルヘキシルを共重合成分として含む重合体等が挙げられる。
本実施形態では、感光性樹脂組成物中の(a)アルカリ可溶性高分子の含有量(すなわち、感光性樹脂組成物の固形分総量に対しての量)は、20質量%〜70質量%の範囲であり、好ましい下限は25質量%、好ましい上限は65質量%であり、より好ましい下限は40質量%、より好ましい上限は60質量%である。この含有量は、アルカリ現像性を維持するという観点から20質量%以上であり、一方で、露光によって形成されるレジストパターンがレジストとしての性能を十分に発揮するという観点から70質量%以下である。
(b)分子内に少なくとも一つの重合可能なエチレン性不飽和結合を有する付加重合性モノマー
分子内に少なくとも一つの重合可能なエチレン性不飽和結合を有する付加重合性モノマーは、エチレン性不飽和基を有することによって付加重合性を有する。エチレン性不飽和結合は、反応性の観点から末端エチレン性不飽和基であることが好ましい。
また、本実施形態においては、(b)付加重合性モノマーが、分子内に少なくとも三つの重合可能なエチレン性不飽和結合を有する多官能モノマーを含有する。多官能モノマーが有する、架橋構造を複雑化する作用により、本実施形態によれば、基板への密着性に優れた硬化膜を形成できる感光性樹脂組成物を提供できる。本実施形態の感光性樹脂組成物から形成される硬化膜は、例えば、銅、ステンレス鋼(SUS)、ガラス、酸化インジウムスズ(ITO)等の材質で形成された基板、特に、プリント配線板用の基板である金属板又は金属皮膜絶縁板に対して、良好な密着性を有する。
多官能モノマーとしては、レジストの耐薬品性、密着性、及びテンティング性の観点から、下記一般式[I]:
Figure 2014170041
{式中、R1は水素原子又は炭素数が1〜8である一価の有機基を表し、R2、R3及びR4はそれぞれ独立に水素原子又はメチル基を表し、A1は炭素数2〜6のアルキレン基を表し、n1、n2及びn3はn1+n2+n3=3〜60を満たす0以上の整数であり、n4は0又は1であり、但し式中複数存在するA1はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、−(O−A1)−の繰り返し構造はランダムであってもブロックであってもよい。}
で表される化合物であることが好ましい。
上記一般式[I]で表される化合物においてA1は、剥離性能、及び現像液分散性の観点から、−CH(CH3)CH2−、及び/又は−CH2CH(CH3)−、及び/又は−CH2CH2−であることが好ましい。異なったアルキレン基が混在する場合には、解像性の観点から、繰り返し構造はブロックであることが好ましい。
上記一般式[I]で表される化合物においてn1+n2+n3は、硬化膜の柔軟性及びテンティング性の観点から3以上であることが好ましく、硬化膜の基板に対する密着性の観点から6以上であることがより好ましい。また耐薬品性の観点から60以下であることが好ましく、15以下であることがより好ましい。
上記一般式[I]で表される不飽和化合物の具体例としては、トリメチロールプロパンに平均で合計3単位のエチレンオキサイドを付加したトリアクリレート、トリメチロールプロパンに平均で合計3単位のプロピレンオキサイドを付加したトリアクリレート、トリメチロールプロパンに平均で合計6単位のエチレンオキサイドを付加したトリアクリレート、トリメチロールプロパンに平均で合計9単位のエチレンオキサイドを付加したトリアクリレート、グリセロールトリアクリレート、トリメチロールプロパンをアクリレート化したトリアクリレート等が好ましく挙げられる。
上記多官能モノマーの、その他の具体的な例として、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールに平均4モルのエチレンオキサイドを付加したグリコールのテトラアクリレート、及びイソシアヌル酸エステル化合物の多官能(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記一般式[I]で表される化合物の、(b)付加重合性モノマー中に占める割合は、硬化レジストの密着性の観点から、好ましくは10質量%以上、より好ましくは20質量%以上である。上記割合は、密着性の観点からは100質量%であることが好ましい。一方、(b)付加重合性モノマーとして使用できる他の化合物による効果を良好に得る観点からは、好ましくは80質量%以下、より好ましくは60質量%以下である。
感光性樹脂組成物中の多官能モノマーの含有量は、好ましくは1〜30質量%、より好ましくは3〜20質量%、更に好ましくは5〜15質量%である。上記含有量は、良好な密着性を得る観点から1質量%以上であり、剥離性能の観点から30質量%以下である。
(b)成分は、上記多官能モノマーに加えて他のモノマーを含んでもよい。
高解像性、エッジフューズ性、及びテンティング性の観点から、(b)成分として、少なくとも1種のビスフェノールA系(メタ)アクリレート化合物を用いることは好ましい。ここでいうビスフェノールA系(メタ)アクリレート化合物とは(メタ)アクリロイル基又は(メタ)アクリロイル基に由来する炭素−炭素不飽和二重結合とビスフェノールAに由来する−C64−C(CH32−C64−基とを有する化合物である。
中でも、下記一般式[V]:
Figure 2014170041

{式中、R11及びR12はそれぞれ独立に水素原子又はメチル基を表し、A5は炭素数2〜6のアルキレン基を表し、n12及びn13はn12+n13=2〜40を満たす0以上の整数であり、但し式中複数存在するA5はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、−(A5−O)−の繰り返し構造はランダムであってもブロックであってもよい。}
で表されるビスフェノールA系(メタ)アクリレート化合物を用いることが、解像性、及びテンティング性の観点から好ましい。
上記一般式[V]で表される化合物においてA5は、解像度、及び現像液分散性の観点から、−CH(CH3)CH2−、及び/又は−CH2CH(CH3)−、及び/又は−CH2CH2−であることが好ましく、異なったアルキレン基が混在する場合には、現像液分散性の観点から繰り返し構造はブロックであることが好ましい。
上記一般式[V]で表される化合物において、n12+n13は、硬化膜の柔軟性及びテンティング性の観点から2以上であることが好ましく、4以上であることがより好ましい。また原料取り扱い性の観点から40以下であることが好ましく、20以下であることがより好ましい。
上記一般式[V]で表される不飽和化合物の具体例としては、ビスフェノールAの両端にそれぞれ平均2単位のエチレンオキサイドを付加したポリエチレングリコールのジメタクリレート、ビスフェノールAの両端にそれぞれ平均5単位のエチレンオキサイドを付加したポリエチレングリコールのジメタクリレート、ビスフェノールAの両端にそれぞれ平均6単位のエチレンオキサイドと平均2単位のプロピレンオキサイドとを付加したポリアルキレングリコールのジメタクリレート、ビスフェノールAの両端にそれぞれ平均15単位のエチレンオキサイドと平均2単位のプロピレンオキサイドとを付加したポリアルキレングリコールのジメタクリレート等が好ましく挙げられる。
感光性樹脂組成物中の、上記一般式[V]で表される不飽和化合物の含有量は、良好な解像性及びテンティング性を得る観点から、好ましくは1質量%以上、より好ましくは5質量%以上であり、多官能モノマーを所望の量用いるために有利である観点から、好ましくは27質量%以下、より好ましくは25質量%以下である。
高解像性、硬化膜柔軟性、及び剥離片溶解性の観点から、(b)成分として、一般式[VI]:
Figure 2014170041
{式中、R13及びR14はそれぞれ独立に水素原子又はメチル基を表し、A6は炭素数2〜6のアルキレン基を表し、n14は2〜40を満たす整数であり、但し式中複数存在するA6はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、−(A6−O)−の繰り返し構造はランダムであってもブロックであってもよい。}
で表される化合物を含むことは好ましい。
上記一般式[VI]で表される化合物においてA6は、剥離性能、及び現像液分散性の観点から、−CH(CH3)CH2−、及び/又は−CH2CH(CH3)−、及び/又は−CH2CH2−であることが好ましく、異なったアルキレン基が混在する場合には、解像性の観点から繰り返し構造はブロックであることが好ましい。
上記一般式[VI]で表される化合物において、n14は、硬化膜の柔軟性及びテンティング性の観点から2以上であることが好ましく、4以上であることがより好ましい。また解像性及び耐めっき性の観点から40以下であることが好ましく、30以下であることがより好ましい。
上記一般式[VI]で表される不飽和化合物の具体例としては、A6がエチレン基でありn14=9であるジアクリレート、A6がプロピレン基でありn14が7であるジメタクリレート、A6がプロピレン基とエチレン基との混合であって、平均12単位のプロピレンオキサイドの繰り返しの両端にそれぞれ平均3単位ずつのエチレンオキサイドが付加したポリアルキレンオキサイドのジメタクリレート等が好ましく挙げられる。
感光性樹脂組成物中の、上記一般式[VI]で表される不飽和化合物の含有量は、良好な高解像性、硬化膜柔軟性、及び剥離片溶解性を得る観点から、好ましくは1質量%以上、より好ましくは3質量%以上であり、多官能モノマーを所望の量用いるために有利であるという観点から、好ましくは27質量%以下、より好ましくは25質量%以下である。
上記(b)成分としては、上記一般式[I]、[V]及び[VI]で表される化合物以外にも、例えば、少なくとも1つの末端エチレン性不飽和基を有する既知の化合物(以下、「その他モノマー」と記載することがある)を好適に用いることができる。
その他モノマーとしては、例えば、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、無水フタル酸と2−ヒドロキシプロピルアクリレートとの半エステル化合物とプロピレンオキシドとの反応物、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、2−ジ(p−ヒドロキシフェニル)プロパンジ(メタ)アクリレート、4−ノニルフェニルヘプタエチレングリコールジプロピレングリコールアクリレート、4−ノニルフェニルオクタエチレングリコールアクリレート、4−ノルマルオクチルフェノキシペンタプロピレングリコールアクリレート等が挙げられる。これらは、単独で使用しても、2種類以上併用してもよい。
上記一般式[V]で表される化合物、上記一般式[VI]で表される化合物、及び上記その他モノマーの合計の、(b)付加重合性モノマー中に占める割合は、硬化不良防止、及び硬化レジストの耐薬品性の観点から、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上である。一方、ドライフィルムレジストのハンドリング性及び硬化レジストの剥離遅延を抑えるという観点から、好ましくは90質量%以下、より好ましくは70質量%以下である。
感光性樹脂組成物中の(b)付加重合性モノマーの含有量は、5〜30質量%であり、好ましくは10〜28質量%、より好ましくは20〜26質量%である。上記含有量は、硬化レジストの耐薬品性の観点から5質量%以上であり、剥離性能の観点から30質量%以下である。
(c)光重合開始剤
(c)光重合開始剤は、光によりモノマーを重合させる化合物である。(c)光重合開始剤としては、感光性樹脂の光重合開始剤として通常使用されるものを適宜使用できるが、解像性の観点から特にヘキサアリールビスイミダゾール(以下、トリアリールイミダゾリル二量体ともいう。)が好ましく用いられる。
特に、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル二量体は解像性又は硬化レジスト膜の強度に対して高い効果を有する光重合開始剤であり、好ましく用いられる。これは単独で用いてもよいし別の光重合開始剤と2種類以上組み合わせて用いてもよい。また、トリアリールイミダゾリル二量体(特に2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル二量体)は、下記のアクリジン化合物、ピラゾリン化合物等と組み合わせて使用することもできる。
本発明の好ましい実施形態では、(c)光重合開始剤としてアクリジン化合物又はピラゾリン化合物が使用される。アクリジン化合物としては、感度の観点から、9−フェニルアクリジンが特に好ましい。
ピラゾリン化合物としては、1−フェニル−3−(4−tert−ブチル−スチリル)−5−(4−tert−ブチル−フェニル)−ピラゾリン、1−(4−(ベンゾオキサゾール−2−イル)フェニル)−3−(4−tert−ブチル−スチリル)−5−(4−tert−ブチル−フェニル)−ピラゾリン、1−フェニル−3−(4−ビフェニル)−5−(4−tert−ブチル−フェニル)−ピラゾリン、1−フェニル−3−(4−ビフェニル)−5−(4−tert−オクチル−フェニル)−ピラゾリン等が好ましい。
上記以外の光重合開始剤としては、芳香族ケトン類、N−アリール−α−アミノ酸化合物、N−アリールアミノ酸のエステル化合物、ハロゲン化合物、キノン類、アセトフェノン類、アシルフォスフィンオキサイド類、ベンゾイン、ベンゾインエーテル類、ジアルキルケタール類、チオキサントン類、ジアルキルアミノ安息香酸エステル類、オキシムエステル類等が挙げられる。
芳香族ケトン類としては、例えば、ベンゾフェノン、ミヒラーズケトン[4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン]、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、及び4−メトキシ−4’−ジメチルアミノベンゾフェノン等を挙げることができる。
N−アリールアミノ酸の例としては、N−フェニルグリシン、N−メチル−N−フェニルグリシン、N−エチル−N−フェニルグリシン等が挙げられる。中でも、N−フェニルグリシンが特に好ましい。
また、露光により可視像を与えることができるように、感光性樹脂組成物中に発色剤を含有させてもよい。このような発色系染料としては、ロイコ染料、又はフルオラン染料とハロゲン化合物との組み合わせが挙げられる。
例えば、ロイコ染料としては、トリス(4−ジメチルアミノ−2−メチルフェニル)メタン[ロイコクリスタルバイオレット]、トリス(4−ジメチルアミノ−2−メチルフェニル)メタン[ロイコマラカイトグリ−ン]、及びフルオラン染料が挙げられる。中でも、ロイコクリスタルバイオレットを用いた場合、コントラストが良好であり好ましい。
これらの発色系染料を含有する場合、本発明の感光性樹脂組成物中の含有量は、感光性樹脂組成物の全固形分を基準として、それぞれ0.1〜10質量%が好ましい。
(c)光重合開始剤の含有量は、感光性樹脂組成物の全固形分を基準として、0.01〜30質量%の範囲であり、より好ましい下限は0.05質量%、さらに好ましい下限は0.1質量%、より好ましい上限は15質量%、さらに好ましい上限は10質量%である。(c)光重合開始剤の含有量は、露光による光重合時に十分な感度を得るという観点から0.01質量%以上であり、光重合時に感光性樹脂組成物の底面(すなわち光源から遠い部分)にまで光を充分に透過させ、良好な解像性及び密着性を得るという観点から、30質量%以下である。
(d)添加剤
本実施形態の感光性樹脂組成物は、(d)添加剤を20〜40質量%含む。(d)添加剤は、上記(a)〜(c)の成分以外の化合物であって、ラジカル重合の促進に関与しない化合物である。すなわち(d)添加剤は、(a)〜(c)の成分以外の化合物であり、かつ重合性化合物及び重合開始剤として当業者に公知である化合物を除く化合物全般を包含することを意図する。(d)添加剤としては、例えば、各種の、可塑剤、界面活性剤、着色剤、密着助剤、安定剤等が挙げられる。感光性樹脂組成物が(d)添加剤を所定量含むことによって、例えば柔軟性付加作用を所望の範囲に制御することが可能になる。この場合、本実施形態の感光性樹脂組成物から形成される硬化膜は、例えば、銅、ステンレス鋼(SUS)、ガラス、酸化インジウムスズ(ITO)等の材質で形成された基板、特に、プリント配線板用の基板である金属板又は金属皮膜絶縁板に対して、良好な密着性と同時に良好な剥離性能を発現する。好ましい態様において、(d)添加剤は可塑剤である。好ましい態様において、(d)添加剤は、下記一般式[II]で表される化合物、下記一般式[III]で表される化合物、及び下記一般式[IV]で表される化合物よりなる群から選択される1種又は2種以上を含む。
(d)添加剤が、下記一般式[II]:
5−O−(A2−O)n5−R6 [II]
{式中、R5及びR6は、それぞれ独立に水素原子又は炭素数が1〜30である一価の有機基であり、A2は、アルキレン基であり、n5は、1以上400以下の整数であり、−(A2−O)−の繰り返し構造は、同一であっても異なっていてもよく、そして−(A2−O)−の繰り返し構造が異なる場合には、ランダムであってもブロックであってもよい。}で表されるオキシアルキレン化合物を可塑剤として含むことは、硬化膜柔軟性の観点から好ましい。この時R5及びR6はそれぞれ水素原子又は炭素数1〜30のアルキル基、又は脂肪酸アシル基であることが好ましく、水素原子、あるいは炭素数1〜10の低級アルキル基であることはさらに好ましい。炭素数1〜10の低級アルキル基としては例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ペンチル基等が挙げられる。なお、R5及びR6が共に水素原子である場合、上記一般式[II]で表される化合物はジオール体となり、R5及びR6のいずれかが水素原子、もう片方がアルキル基である場合、上記化合物はモノエーテル体となり、R5及びR6が共にアルキル基である場合、上記化合物はジエーテル体となる。中でも、現像液分散性の観点から、R1及びR2が共に水素原子であるジオール体がより好ましい。
(d)添加剤として上記一般式[II]で表される化合物を用いる場合、感光性樹脂組成物中の該化合物の量は、該化合物の使用による効果を良好に得る観点から、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは3質量%以上であり、耐薬品性の観点から、好ましくは15質量%以下、より好ましくは13質量%以下である。
上記一般式[II]で表される化合物において、A2はアルキレン基である。このアルキレン基の炭素数は、取り扱い性の観点から2以上が好ましく、他の原料との相溶性の観点から4以下が好ましい。具体的には、アルキレン基としては、−CH2CH2CH2CH2−、−CH2CH2CH2−、−CH(CH3)CH2−、−CH2CH(CH3)−、−CH2CH2−等が挙げられるが、中でも−CH(CH3)CH2−又は−CH2CH(CH3)−が好ましい。
−(A2−O)−の繰り返し単位は、同一であっても異なっていてもよい。−(A2−O)−の繰り返し単位が異なっている場合には、その構造はランダムでもブロックでもよい。また、繰り返し数を表すn5は、1以上400以下の整数である。保存安定性の観点からn5は3以上が好ましく、9以上はさらに好ましい。また他の原料の取り扱い性を損なわないという観点から、n5は200以下が好ましく、100以下はさらに好ましい。
(d)添加剤が、下記一般式[III]:
Figure 2014170041
{式中、R,R,R及びR10はそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜30のアルキル基、又は脂肪酸アシル基を表し、n6、n7、n8及びn9はそれぞれ独立に0以上の整数であり、但しn6+n7+n8+n9は0〜40であり、A3は−CH(CH3)CH2−、−CH2CH(CH3)−又は−CH2CH2−を表し、−(A3−O)−の繰り返し構造は、ランダムであっても、ブロックであってもよい。}で表されるソルビタン化合物を可塑剤として含むことは、現像液分散性の観点から好ましい。
(d)添加剤として上記一般式[III]で表される化合物を用いる場合、感光性樹脂組成物中の該化合物の量は、該化合物の使用による効果を良好に得る観点から、好ましくは0.3質量%以上、より好ましくは1質量%以上であり、現像液発泡性の観点から、好ましくは5質量%以下、より好ましくは3質量%以下である。
(d)添加剤が、下記一般式[IV]:
Figure 2014170041
{式中、A4は、−CH(CH3)CH2−、−CH2CH(CH3)−又は−CH2CH2−を表し、n10及びn11は、それぞれ独立に0以上の整数であり、さらに好ましくは、n10及びn11は、各々独立に1〜30の整数であり、n10+n11は1〜60の整数であり、−(A4−O)−の繰り返し構造は、同一であっても異なっていてもよく、そして−(A4−O)−の繰り返し構造が異なる場合には、ランダムでもブロックでもよい。}
で表されるビスフェノールA(BisA)化合物を可塑剤として含むことは、耐薬品性の観点から好ましい。
(d)添加剤として上記一般式[IV]で表される化合物を用いる場合、感光性樹脂組成物中の該化合物の量は、該化合物の使用による効果を良好に得る観点から、好ましくは1質量%以上、より好ましくは2質量%以上であり、取扱い性の観点から、好ましくは15質量%以下、より好ましくは10質量%以下である。
上記一般式[II]で表される化合物、上記一般式[III]で表される化合物、及び上記一般式[IV]で表される化合物よりなる群から選択される1種又は2種以上の合計の、(d)添加剤中に占める割合は、硬化レジストの剥離性能を良好に得る観点から、好ましくは20質量%以上、より好ましくは50質量%以上である。上記割合は、良好な剥離性能の観点から100質量%であることが好ましいが、(d)添加剤としての後述の他の成分を使用することによる効果を得る観点では、例えば95質量%以下、又は90質量%以下であることができる。
上記のような、アルキレンオキサイドの繰り返し構造を有する化合物は、硬化レジストの剥離性能を高めるために特に好ましく用いられる。(d)添加剤としての、アルキレンオキサイドの繰り返し構造を有する化合物の量は、感光性樹脂組成物の全固形分を基準として20〜35質量%であることが好ましく、22〜30質量%であることがより好ましい。剥離性能及び現像液への分散性能を特に高める観点から、下限は好ましくは20質量%であり、硬化レジストの耐薬品性を維持する観点から、上限は好ましくは35質量%である。
その他、(d)添加剤として、例えばジエチルフタレート等のフタル酸エステル類、o−トルエンスルフォン酸アミド、p−トルエンスルフォン酸アミド、クエン酸トリブチル、クエン酸トリエチル、アセチルクエン酸トリエチル、アセチルクエン酸トリ−n−プロピル、アセチルクエン酸トリ−n−ブチル等の可塑剤を用いることができる。特にp−トルエンスルフォン酸アミドを用いることは、剥離片微細化の観点から好ましい。
本実施形態の感光性樹脂組成物には、(d)添加剤の一部として各種の添加剤を含有させることができる。具体的には、例えば染料、顔料等の着色物質が挙げられる。このような着色物質として、ベース染料としては、例えば、ベーシックグリーン1[CAS番号(以下、同じ):633−03−4]、マラカイトグリーンシュウ酸塩[2437−29−8]、ブリリアントグリーン[633−03−4]、フクシン[632−99−5]、メチルバイオレット[603−47−4]、メチルバイオレット2B[8004−87−3]、クリスタルバイオレット[548−62−9]、メチルグリーン[82−94−0]、ビクトリアブルーB[2580−56−5]、ベーシックブルー7[2390−60−5]、ローダミンB[81−88−9]、ローダミン6G[989−38−8]、ベーシックイエロー2[2465−27−2]等が挙げられる。中でもベーシックグリーン1、マラカイトグリーンシュウ酸塩、及びベーシックブルー7が好ましく、色相安定性及び露光コントラストを向上させるという観点からベーシックグリーン1、及びベーシックブルー7が特に好ましい。
上記着色物質を含有する場合には、着色物質の含有量は、感光性樹脂組成物の全固形分を基準として、0.001〜1質量%であることが好ましい。着色物質の含有量が、0.001質量%以上であるときは、取り扱い性向上という効果が良好であり、1質量%以下であるときは、保存安定性を維持するという効果が良好である。
さらに、感光性樹脂組成物の熱安定性及び保存安定性を向上させるために、ラジカル重合禁止剤、ベンゾトリアゾール類及びカルボキシベンゾトリアゾール類から成る群から選ばれる少なくとも1種の化合物を感光性樹脂組成物に含有させることが好ましい。
このようなラジカル重合禁止剤としては、例えば、p−メトキシフェノール、ハイドロキノン、ピロガロール、ナフチルアミン、tert−ブチルカテコール、塩化第一銅、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、ニトロソフェニルヒドロキシアミンアルミニウム塩、ジフェニルニトロソアミン等が挙げられる。
ベンゾトリアゾール類としては、例えば、1,2,3−ベンゾトリアゾール、1−クロロ−1,2,3−ベンゾトリアゾール、ビス(N−2−エチルヘキシル)アミノメチレン−1,2,3−ベンゾトリアゾール、ビス(N−2−エチルヘキシル)アミノメチレン−1,2,3−トリルトリアゾール、ビス(N−2−ヒドロキシエチル)アミノメチレン−1,2,3−ベンゾトリアゾール等が挙げられる。
カルボキシベンゾトリアゾール類としては、例えば、4−カルボキシ−1,2,3−ベンゾトリアゾール、5−カルボキシ−1,2,3−ベンゾトリアゾール、(N,N−ジブチルアミノ)カルボキシベンゾトリアゾール、N−(N,N−ジ−2−エチルヘキシル)アミノメチレンカルボキシベンゾトリアゾール、N−(N,N−ジ−2−ヒドロキシエチル)アミノメチレンカルボキシベンゾトリアゾール、N−(N,N−ジ−2−エチルヘキシル)アミノエチレンカルボキシベンゾトリアゾール等が挙げられる。
ラジカル重合禁止剤、ベンゾトリアゾール類、及びカルボキシベンゾトリアゾール類の合計含有量は、感光性樹脂組成物の全固形分を基準として、好ましくは0.001〜3質量%であり、より好ましい下限は0.002質量%、より好ましい上限は1質量%である。この合計含有量は、感光性樹脂組成物に保存安定性を付与するという観点から0.001質量%以上が好ましく、感度を維持するという観点から3質量%以下が好ましい。
本実施形態に係る感光性樹脂組成物の(d)添加剤としては、必要に応じて、酸化防止剤を含有させてもよい。酸化防止剤としては、例えば、トリフェニルフォスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト、トリス(モノノニルフェニル)フォスファイト、及びビス(モノノニルフェニル)−ジノニルフェニルフォスファイト等が挙げられる。
感光性樹脂組成物中の酸化防止剤の含有量は、好ましくは0.01質量%〜0.8質量%の範囲であり、より好ましい下限は、0.02質量%、より好ましい上限は0.3質量%である。この含有量が0.01質量%以上である場合、感光性樹脂組成物の色相安定性に優れる効果が良好に発現し、感光性樹脂組成物の露光時における感度が良好になる。一方で、この含有量が0.8質量%以下である場合、発色性が抑えられるために色相安定性が良好になるとともに、密着性も良好になる。
これら(d)添加剤は単独で使用しても、2種類以上併用してもよい。本実施形態の感光性樹脂組成物中の(d)添加剤の含有量は、感光性樹脂組成物の全固形分を基準として、20〜40質量%の範囲であり、より好ましい下限は22質量%、より好ましい上限は35質量%である。(d)添加剤の含有量は、硬化レジストの剥離性能および取扱い性の観点から20質量%以上であり、未露光膜の現像液分散性、及び解像性の観点から40質量%以下である。
<感光性樹脂組成物調合液>
本実施形態の感光性樹脂組成物は、これに溶媒を添加して形成した感光性樹脂組成物調合液として用いてもよい。好適な溶媒としては、メチルエチルケトン(MEK)に代表されるケトン類、並びにメタノール、エタノール、及びイソプロピルアルコール等のアルコール類が挙げられる。感光性樹脂組成物調合液の粘度が25℃で500〜4000mPa・secとなるように、溶媒を感光性樹脂組成物に添加することが好ましい。
<感光性樹脂積層体>
本発明の別の態様は、支持体と、該支持体上に積層された、上述の本発明に係る感光性樹脂組成物から成る感光性樹脂層とを有する感光性樹脂積層体を提供する。本発明の感光性樹脂積層体は、感光性樹脂層と該層を支持する支持体とに加え、必要により、感光性樹脂層の支持体形成側と反対側の表面に保護層を有していてもよい。
支持体としては、露光光源から放射される光を透過する透明なものが好ましい。このような支持体としては、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、塩化ビニル共重合体フィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、塩化ビニリデン共重合フィルム、ポリメタクリル酸メチル共重合体フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリアクリロニトリルフィルム、スチレン共重合体フィルム、ポリアミドフィルム、及びセルロース誘導体フィルム等が挙げられる。これらのフィルムとしては、必要に応じ延伸されたものも使用可能である。ヘーズは5以下のものが好ましい。フィルムの厚みは、薄い方が画像形成性及び経済性の面で有利であるが、強度を維持する必要から、10〜30μmのものが好ましく用いられる。
また、感光性樹脂積層体に用いられる保護層の重要な特性は、感光性樹脂層との密着力について、支持体よりも保護層の方が充分小さく容易に剥離できることである。例えば、ポリエチレンフィルム、及びポリプロピレンフィルム等が保護層として好ましく使用できる。また、例えば特開昭59−202457号公報に示された剥離性の優れたフィルムを用いることができる。保護層の膜厚は10〜100μmが好ましく、10〜50μmがより好ましい。
本実施形態の感光性樹脂積層体における感光性樹脂層の厚みは、好ましくは、5〜100μm、より好ましくは、7〜60μmである。厚みが薄いほど解像度は向上し、また、厚いほど膜強度が向上するので、用途に応じて適宜選択することができる。
支持体、感光性樹脂層、及び必要により、保護層を順次積層して、本発明の感光性樹脂積層体を作製する方法としては、従来知られている方法を採用することができる。
例えば、感光性樹脂層を形成するために用いる感光性樹脂組成物を、前述の感光性樹脂組成物調合液にしておき、まず支持体上にバーコーター又はロールコーターを用いて塗布して乾燥させ、支持体上に該感光性樹脂組成物から成る感光性樹脂層を積層する。次いで、必要により、該感光性樹脂層上に保護層を積層することにより感光性樹脂積層体を作製することができる。
<レジストパターン形成方法>
本発明は、上述した本発明の感光性樹脂組成物から成る感光性樹脂層を支持体に積層するラミネート工程、該感光性樹脂層を露光する露光工程、及び該露光された感光性樹脂層を現像する現像工程、を含む、レジストパターンの形成方法をも提供する。本実施形態のレジストパターンの形成方法の一例を以下に示す。
まず、ラミネート工程において、ラミネーターを用いて基板上に感光性樹脂層を形成する。具体的には、感光性樹脂積層体が保護層を有する場合には保護層を剥離した後、ラミネーターで感光性樹脂層を基板表面に加熱圧着しラミネートする。基板の材質としては銅、ステンレス鋼(SUS)、ガラス、酸化インジウムスズ(ITO)等が挙げられる。この場合、感光性樹脂層は基板表面の片面だけにラミネートするか、又は必要に応じて両面にラミネートしてもよい。この時の加熱温度は一般的に40〜160℃である。また、該加熱圧着を2回以上行うことにより、得られるレジストパターンの基板に対する密着性が向上する。この時、圧着には二連のロールを備えた二段式ラミネーターを使用してもよいし、基板と感光性樹脂層との積層物を何回か繰り返してロールに通し圧着してもよい。
次に、露光工程において、露光機を用いて感光性樹脂組成物を活性光に露光する。露光は必要ならば支持体を剥離した後に行うことができる。フォトマスクを通しての露光の場合、露光量は、光源照度及び露光時間により決定され、光量計を用いて測定してもよい。
露光工程においては、マスクレス露光方法を用いてもよい。マスクレス露光においてはフォトマスクを使用せず基板上に直接描画装置によって露光する。光源としては波長350nm〜410nmの半導体レーザー又は超高圧水銀灯等が用いられる。描画パターンはコンピューターによって制御され、この場合の露光量は、露光光源の照度及び基板の移動速度によって決定される。
次に、現像工程において、露光後の感光性樹脂層における未露光部を、現像装置を用いて現像液により除去する。露光後、感光性樹脂層上に支持体がある場合にはこれを除く。続いてアルカリ水溶液から成る現像液を用いて未露光部を現像除去し、レジスト画像を得る。アルカリ水溶液としては、Na2CO3、又はK2CO3等の水溶液が好ましい。これらは感光性樹脂層の特性に合わせて選択されるが、0.2質量%〜2質量%の濃度のNa2CO3水溶液が一般的である。該アルカリ水溶液中には、表面活性剤、消泡剤、現像を促進させるための少量の有機溶剤等を混入させてもよい。なお、現像工程における現像液の温度は、20℃〜40℃の範囲で一定温度に保つことが好ましい。
上述の工程によってレジストパターンが得られるが、場合によっては、さらに100℃〜300℃の加熱工程を行うこともできる。この加熱工程を実施することにより、更なる耐薬品性向上が可能となる。加熱には、熱風、赤外線、又は遠赤外線等の方式の加熱炉を用いることができる。
<導体パターンの製造方法>
本発明はまた、感光性樹脂組成物から成る感光性樹脂層を基板に積層するラミネート工程、該感光性樹脂層を露光する露光工程、該露光された感光性樹脂層を現像して、レジストパターンが形成された基板を得る現像工程、該レジストパターンが形成された基板をエッチング又はめっきする導体パターン形成工程、及び該レジストパターンを剥離する剥離工程を含む、配線板の製造方法を提供する。該方法の一例を以下に示す。
ラミネート工程においては、金属板又は金属皮膜絶縁板である基板の上に感光性樹脂層を形成する。次いで、露光工程において該感光性樹脂層を露光する。次いで、該露光後の感光性樹脂層における未露光部を現像液で除去することによってレジストパターンを形成する。すなわちレジストパターン形成までの工程は、レジストパターンの形成方法に関して上述したのと同様に行うことができる。次いで、導体パターン形成工程において、該レジストパターンが形成された基板をエッチング又はめっきする。導体パターンを形成した後、レジストパターンを、現像液よりも強いアルカリ性を有する水溶液により基板から剥離する剥離工程を更に行うことにより、所望の配線パターンを有するプリント配線板を得ることができる。プリント基板の製造においては、基板として好ましくは銅張積層板又はフレキシブル基板を用いる。剥離用のアルカリ水溶液(以下、「剥離液」ともいう。)について特に制限はないが、2質量%〜5質量%の濃度の、NaOH又はKOHの水溶液が一般的に用いられる。剥離液には少量の水溶性溶媒を加えることが可能である。剥離工程における該剥離液の温度は、40℃〜70℃の範囲であることが好ましい。
以下、実施例において本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
(実施例1〜7、及び比較例1〜6)
最初に実施例及び比較例の評価用サンプルの作製方法を説明し、次いで、得られたサンプルについての評価方法及びその評価結果を示す。
1.評価用サンプルの作製
実施例及び比較例における評価用サンプルは次の様にして作製した。
<感光性樹脂積層体の作製>
下記表1に示す原料(但し、各成分の数字は固形分としての配合量(質量部)を示す。)及び溶媒を十分に攪拌、混合して感光性樹脂組成物調合液を調製した。また、支持体として16μm厚のポリエチレンテレフタレートフィルムを準備した。このポリエチレンテレフタレートフィルムの表面に感光性樹脂組成物調合液をバーコーターを用いて均一に塗布し、95℃の乾燥機中で210秒間乾燥して感光性樹脂層を形成した。感光性樹脂層の厚みは28μmであった。
次いで、感光性樹脂層のポリエチレンテレフタレートフィルムを積層していない表面上に、保護層として19μm厚のポリエチレンフィルムを貼り合わせて感光性樹脂積層体を得た。
Figure 2014170041
表1における略号で表わした感光性樹脂組成物調合液中の材料成分B−1〜P−5の詳細は以下のとおりである。
B−1:メタクリル酸25質量%、メタクリル酸メチル50質量%、スチレン25質量%の三元共重合体(重量平均分子量50,000、酸当量344)
B−2:メタクリル酸25質量%、メタクリル酸メチル65質量%、ブチルアクリレート10質量%の三元共重合体(重量平均分子量110,000、酸当量344)
B−3:メタクリル酸25質量%、メタクリル酸メチル65質量%、ブチルアクリレート10質量%の三元共重合体(重量平均分子量80,000、酸当量344)
M−1:トリメチロールプロパンに平均9モルのエチレンオキサイドを付加したトリアクリレート
M−2:ビスフェノ−ルAの両端にそれぞれ平均5モルずつのエチレンオキサイドを付加したポリエチレングリコ−ルのジメタクリレ−ト
M−3:ビスフェノ−ルAの両端にそれぞれ平均6モルずつのエチレンオキサイドと平均2モルのプロピレンオキサイドを付加したポリアルキレングリコ−ルのジメタクリレ−ト
M−4:平均12モルのプロピレンオキサイドを付加したポリプロピレングリコ−ルにエチレンオキサイドをさらに両端にそれぞれ平均3モルずつ付加したポリアルキレングリコ−ルのジメタクリレ−ト
M−5:トリメチロールプロパンに平均3モルのエチレンオキサイドを付加したトリアクリレート
M−6:4−ノニルフェニルヘプタエチレングリコールジプロピレングリコールアクリレート
I−1:2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体
I−2:4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン
I−3:N−フェニルグリシン
D−1:ダイアモンドグリーン
D−2:ロイコクリスタルバイオレット
P−1:重量平均分子量が2000であるポリプロピレングリコール
P−2:ビスフェノールAの両側にそれぞれ平均2.5モルのプロピレンオキサイドを付加したプロピレングリコール
P−3:ポリオキシエチレンソルビタントリオレエート(日本乳化剤株式会社製、ニューコール3−85)
P−4:p−トルエンスルホンアミド
P−5:ニトロソフェニルヒドロキシルアミンが3モル付加したアルミニウム塩
2.評価基準
剥離性
評価用基板として、35μm厚の圧延銅箔を積層した1.2mm厚の銅張積層板を用い、表面を湿式バフロール研磨(スリーエム(株)製、スコッチブライト(登録商標)HD#600、2回通し)により整面した。
整面の後に銅張積層板を60℃に予熱し、感光性樹脂積層体のポリエチレンフィルムを剥がしながらホットロールラミネーター(旭化成(株)製、AL−700)を用いて、ロール温度105℃でラミネートした。エアー圧力は0.35MPaとし、ラミネート速度は1.5m/分とした。
ラミネート後15分経過した剥離性評価用基板を、6cm×5cmのパターンを有するマスクを通して露光した。最小現像時間の2倍の現像時間で現像した後、50℃、3wt%の苛性ソーダ水溶液に浸漬し、レジスト膜が剥離される時間を測定し、以下のようにランク分けした。マスクは支持体であるポリエチレンテレフタレートフィルム上におき、超高圧水銀ランプ(オーク製作所製、HMW−201KB)を用いた。露光量は60mJ/cm2とした。またこの際、未露光部分の感光性樹脂層が完全に溶解するのに要する最も少ない時間を最小現像時間とした。
◎:剥離時間が20秒以下。
○:剥離時間が20秒を超え30秒以下。
×:剥離時間が30秒を超える。
密着性
評価用基板として、18μm厚の圧延銅箔を積層した0.4mm厚の銅張積層板を用い、表面をジェットスクラブ研磨(石井表記(株)製、砥粒A♯400、0.2MPa)により整面した。
整面の後に23℃に置いた銅張積層板に、感光性樹脂積層体のポリエチレンフィルムを剥がしながらホットロールラミネーター(旭化成(株)製、AL−700)を用いて、ロール温度105℃でラミネートした。エアー圧力は0.35MPaとし、ラミネート速度は2m/分とした。
ラミネート後15分経過した剥離性評価用基板を、100μm径のドットパターンを有するマスクを通して露光した。最小現像時間の2倍の現像時間で現像した後、レジストと銅面の密着性を、SEMを用いて観察し以下のようにランク分けした。マスクは支持体であるポリエチレンテレフタレートフィルム上におき、超高圧水銀ランプ(オーク製作所製、HMW−201KB)を用いた。露光量は60mJ/cm2とした。またこの際、未露光部分の感光性樹脂層が完全に溶解するのに要する最も少ない時間を最小現像時間とした。観察は100μm系のドットパターン4つについて行った。
◎:ドットパターン底部にスソ浮きが見られない。
○:ドットパターン底部に一部スソ浮きが見られる。
×:ドットパターン全体にスソ浮きが見られるか、ドットパターンが形成できない。
3.評価結果
実施例及び比較例の評価結果を上記表1に示す。
表1から明らかなように、実施例1〜7においては、本願発明の構成を採用することにより、密着性、剥離性を改善することに成功している。
本発明は、例えばプリント配線板の製造等に利用することができる。

Claims (8)

  1. 下記(a)〜(d)の成分、
    (a)アルカリ可溶性高分子:20〜70質量%、
    (b)分子内に少なくとも一つの重合可能なエチレン性不飽和結合を有する付加重合性モノマー:5〜30質量%、
    (c)光重合開始剤:0.01〜30質量%、及び
    (d)前記(a)〜(c)以外のラジカル重合の促進に関与しない化合物である、添加剤:20〜40質量%、
    からなり、
    前記付加重合性モノマーが、分子内に少なくとも三つの重合可能なエチレン性不飽和結合を有する多官能モノマーを含有する、感光性樹脂組成物。
  2. 前記多官能モノマーが、下記一般式[I]:
    Figure 2014170041
    {式中、R1は水素原子又は炭素数が1〜8である一価の有機基を表し、R2、R3及びR4はそれぞれ独立に水素原子又はメチル基を表し、A1は炭素数2〜6のアルキレン基を表し、n1、n2及びn3はn1+n2+n3=3〜60を満たす0以上の整数であり、n4は0又は1であり、但し式中複数存在するA1はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、−(O−A1)−の繰り返し構造はランダムであってもブロックであってもよい。}で表される化合物である、請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
  3. 前記n1、n2及びn3が、n1+n2+n3=6〜60を満たす0以上の整数である、請求項2に記載の感光性樹脂組成物。
  4. 前記一般式[I]で表される化合物の、前記付加重合性モノマー中に占める割合が、10〜80質量%である、請求項2又は3に記載の感光性樹脂組成物。
  5. 前記添加剤が、
    下記一般式[II]:
    5−O−(A2−O)n5−R6 [II]
    {式中、R5及びR6は、それぞれ独立に水素原子又は炭素数が1〜30である一価の有機基であり、A2は、アルキレン基であり、n5は、1以上400以下の整数であり、−(A2−O)−の繰り返し構造は、同一であっても異なっていてもよく、そして−(A2−O)−の繰り返し構造が異なる場合には、ランダムであってもブロックであってもよい。}で表される化合物、
    下記一般式[III]:
    Figure 2014170041
    {式中、R,R,R及びR10はそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜30のアルキル基、又は脂肪酸アシル基を表し、n6、n7、n8及びn9はそれぞれ独立に0以上の整数であり、但しn6+n7+n8+n9は0〜40であり、A3は−CH(CH3)CH2−、−CH2CH(CH3)−又は−CH2CH2−を表し、−(A3−O)−の繰り返し構造は、ランダムであっても、ブロックであってもよい。}で表される化合物、及び
    下記一般式[IV]:
    Figure 2014170041
    {式中、A4は、−CH(CH3)CH2−、−CH2CH(CH3)−又は−CH2CH2−を表し、n10及びn11は、それぞれ独立に0以上の整数であり、さらに好ましくは、n10及びn11は、各々独立に1〜30の整数であり、n10+n11は1〜60の整数であり、−(A4−O)−の繰り返し構造は、同一であっても異なっていてもよく、そして−(A4−O)−の繰り返し構造が異なる場合には、ランダムでもブロックでもよい。}で表される化合物、よりなる群から選択される1種又は2種以上を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
  6. 前記一般式[II]で表される化合物、前記一般式[III]で表される化合物、及び前記一般式[IV]で表される化合物よりなる群から選択される1種又は2種以上の、前記添加剤中に占める合計割合が、20〜100質量%である、請求項5に記載の感光性樹脂組成物。
  7. 以下の工程:
    請求項1〜6のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物から成る感光性樹脂層を支持体に積層するラミネート工程、
    該感光性樹脂層を露光する露光工程、及び
    該露光された感光性樹脂層を現像する現像工程、
    を含む、レジストパターンの形成方法。
  8. 以下の工程:
    請求項1〜6のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物から成る感光性樹脂層を基板に積層するラミネート工程、
    該感光性樹脂層を露光する露光工程、
    該露光された感光性樹脂層を現像して、レジストパターンが形成された基板を得る現像工程、
    該レジストパターンが形成された基板をエッチング又はめっきする導体パターン形成工程、及び
    該レジストパターンを剥離する剥離工程
    を含む、配線板の製造方法。
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