以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における電源装置のブロック回路図である。図2は、本発明の実施の形態1における電源装置の電圧電流経時特性図で、(a)は入出力電圧Vaの経時特性図、(b)は蓄電部電圧Vbの経時特性図、(c)は蓄電部に流れる電流Iの経時特性図である。
図1において、電源装置11は、系統電源13にスイッチ15を介して電気的に接続される双方向インバータ17と、双方向インバータ17に電気的に接続される蓄電部19と、双方向インバータ17の系統電源13側に電気的に接続される入出力電圧検出部21と、蓄電部19に流れる電流Iを検出する電流検出部22と、スイッチ15、双方向インバータ17、入出力電圧検出部21、および電流検出部22と電気的に接続される制御部23と、を備える。そして、制御部23は、電流Iが既定電流Ikに至れば、電流Iを維持する制御を、電流Iが既定電流Ikに至っていなければ、入出力電圧検出部21が検出する入出力電圧Vaが、系統電源13の規定下限電圧Vadよりも低い所定電圧Vakになるような制御を、それぞれ双方向インバータ17に対して行うとともに、蓄電部19の放電時にはスイッチ15をオフにし、それ以外の時はスイッチ15をオンにするように制御するものである。
これにより、停電の発生などで電流Iが既定電流Ikより低くなり、入出力電圧Vaが所定電圧Vakより低くなると、双方向インバータ17は入出力電圧Vaを上げるために蓄電部19を放電するように動作する。この際、双方向インバータ17は入出力電圧Vaが所定電圧Vakになるような制御を継続しているので、双方向インバータ17に対し、特段の切り替え動作を行わなくても、入出力電圧Vaの大きさにより蓄電部19の充放電がスムースに行われる。ゆえに、蓄電部19の充電中に入出力電圧Vaが低下しても、安定して負荷へ電力を供給することができる電源装置11が得られる。
以下、より具体的に本実施の形態1の構成、動作について説明する。なお、本実施の形態1では、系統電源の停電時に蓄電部から電力を供給するための電源装置11として説明する。また、以下の説明において、停電とは、長期的な停電に限定されるものではなく、瞬時の停電や、一時的に系統電源における規定の下限電圧以下まで系統電源電圧が低下する場合も含めるものと定義する。
図1において、電源装置11の双方向インバータ17に設けられた入出力端子25と入出力グランド端子27との間には、系統電源13が電気的に接続されている。なお、系統電源13と入出力端子25の間にはスイッチ15が電気的に接続される。従って、系統電源13の電力はスイッチ15を介して電源装置11に入力される。
また、入出力端子25と入出力グランド端子27との間には、負荷29が電気的に接続されている。従って、負荷29は、スイッチ15の切り替えにより、系統電源13と電源装置11のいずれか一方から電力が供給される。なお、スイッチ15のオンオフ制御は、電源装置11の制御部23により行なわれる。そのために、電源装置11には、スイッチ制御端子31が設けられている。スイッチ制御端子31はスイッチ15に接続されるとともに、制御部23とも接続される。このような構成により、スイッチ15は外部からの信号でオンオフが可能なもの(例えばリレー、半導体スイッチ)を用いる。
系統電源13には、系統電源電圧Vsを検出する系統電圧検出部32が電気的に接続される。また、系統電圧検出部32の出力は系統電圧検出端子33を介して制御部23と電気的に接続される。これにより、制御部23は、系統電源電圧Vsを検出することで、系統電源13が停電であるか否かを知ることができる。
次に、電源装置11の詳細構成について説明する。
入出力端子25と入出力グランド端子27は双方向インバータ17に設けられる。従って、入出力端子25と入出力グランド端子27が交流の系統電源13に電気的に接続されていることから、入出力端子25と入出力グランド端子27は交流電力の入出力を行う。
双方向インバータ17には蓄電部19が電気的に接続される。具体的には、双方向インバータ17に設けられた蓄電部端子34と蓄電部グランド端子35との間に蓄電部19が接続される。蓄電部19はキャパシタで構成される。なお、蓄電部19のキャパシタは、停電時に負荷29を動かし続けるための電力を蓄えるもので、負荷29が必要とする電力仕様や、系統電源13の停電頻度、停電期間などに応じてキャパシタの容量や数量などを適宜決定すればよい。ここでは、数秒程度の、瞬時(1秒以下)よりは長い期間に亘る停電が、頻繁に発生する場合を想定して、複数のキャパシタを直並列に接続したキャパシタユニットを蓄電部19として用いている。なお、蓄電部19はキャパシタに限定されるものではなく、二次電池であってもよい。
これらのことから、双方向インバータ17は、系統電源13の電力を蓄電部19に充電する機能と、系統電源13の停電時に蓄電部19に蓄えられた電力を負荷29に放電する機能の両方を備える。ゆえに、双方向インバータ17は系統電源13の交流電力を直流電力に変換するとともに、蓄電部19の直流電力を交流電力に変換する動作を行う。このような交直流の変換を双方向に行う回路構成のことを、本実施の形態1では双方向インバータという。
双方向インバータ17は制御部23と電気的に接続される。制御部23はマイクロコンピュータと周辺回路(いずれも図示せず)で構成され、双方向インバータ17の動作を制御するための制御信号CTを出力する。これにより、双方向インバータ17に内蔵された図示しない半導体スイッチング素子がオンオフ制御される。
また、入出力端子25と入出力グランド端子27には、入出力電圧検出部21が電気的に接続される。入出力電圧検出部21は、双方向インバータ17に入出力される交流電圧(入出力電圧Va)を検出するもので、本実施の形態1では入出力端子25と入出力グランド端子27の間の交流電圧の実効値を求めて入出力電圧Vaとして出力する構成とした。なお、入出力電圧検出部21は実効値を求める構成に限定されるものではなく、波高値やピーク値を求めるようにしてもよい。
入出力電圧検出部21は制御部23とも電気的に接続される。従って、制御部23は、入出力電圧検出部21が検出した入出力電圧Vaを取り込む構成を備える。
双方向インバータ17と蓄電部19との間には、蓄電部19に流れる電流Iを検出する電流検出部22が設けられている。電流検出部22はシャント抵抗器と周辺回路(いずれも図示せず)で構成される。電流検出部22は蓄電部19に流れる電流Iを、正負情報を含めて出力する機能を有する。従って、電流検出部22は制御部23とも電気的に接続される。制御部23は、電流検出部22の出力から、電流Iを取り込む。なお、電流検出部22は蓄電部グランド端子35と蓄電部19の間に設けてもよい。また、電流検出部22は、前記シャント抵抗と周辺回路からなる構成に限定されるものではなく、従来の電流トランスや、ホール素子などの非接触に磁気的に検出する原理のものでもよい。
また、制御部23は、スイッチ15のオンオフを制御するためのスイッチ信号SWをスイッチ15へ出力する構成を備える。
次に、このような電源装置11の動作について図2を用いて説明する。
図2(a)は入出力電圧Vaの経時特性図で、横軸が時刻、縦軸が入出力電圧Vaを示す。図2(b)は蓄電部電圧Vbの経時特性図で、横軸が時刻、縦軸が蓄電部電圧Vbを示す。図2(c)は蓄電部19に流れる電流Iの経時特性図で、横軸が時刻、縦軸が電流Iを示す。なお、図2(c)において、蓄電部19を充電する際の電流Iを正、放電する際の電流Iを負と定義する。
図2において、時刻t0は、系統電源13が正常で、蓄電部19の充電を行っている場合である。従って、蓄電部19の放電時以外の場合であるので、スイッチ15はオンの状態である。なお、制御部23は系統電圧検出部32から出力される系統電源電圧Vsにより停電の有無を判断するので、時刻t0では停電が発生しておらず、系統電源13が正常であるため、制御部23はスイッチ15をオンにしている。
ここで、系統電源13は規格により、上限と下限の電圧が決まっているので、以下、上限を規定上限電圧Vau、下限を規定下限電圧Vadという。本実施の形態1では、一例として、系統電源13の電圧が交流100V(実効値)であり、電圧の振れ幅の規格が±6Vであるとする。従って、規定上限電圧Vauは106V、規定下限電圧Vadは94Vとなる。そして、時刻t0において、系統電源電圧Vsはちょうど100Vであるとする。
このような状態で、制御部23は、電流Iが既定電流Ikに至れば、電流Iを維持する制御を、電流Iが既定電流Ikに至っていなければ、入出力電圧検出部21が検出する入出力電圧Vaが、系統電源13の規定下限電圧Vadよりも低い所定電圧Vakになるような制御を、それぞれ双方向インバータ17に対して行う。具体的な動作は次のとおりである。
制御部23は、上記したとおり規定下限電圧Vadが94Vであるので、それよりも低い、例えば90Vを所定電圧Vakとして予め前記マイクロコンピュータのメモリ(図示せず)に記憶している。
また、制御部23は、既定電流Ikも前記メモリに記憶している。ここで、既定電流Ikは、蓄電部19を充電するための許容最大電流から電流検出部22の誤差などを含めマージンとして差し引いた値として決定される。
制御部23は、入出力電圧検出部21から入出力電圧Vaを取り込むとともに、電流検出部22から電流Iを取り込む。そして、制御部23は、入出力電圧Vaと所定電圧Vakとを比較するとともに、電流Iと既定電流Ikとを比較する。ここで、入出力電圧Vaと所定電圧Vakとを比較すると、上記したように時刻t0では系統電源電圧Vs(=入出力電圧Va)が100Vで所定電圧Vakが90Vであることから、制御部23は入出力電圧Vaを所定電圧Vakまで下げるように双方向インバータ17を制御する。その結果、双方向インバータ17は系統電源13から電力を引いて蓄電部19を充電するように動作する。従って、図2(b)に示すように、時刻t0から経時的に蓄電部電圧Vbは上昇する。このとき、図2(c)に示すように、蓄電部19に流れる電流Iは既定電流Ikに至っている。従って、制御部23は時刻t0で、過電流が流れないように、電流Iが既定電流Ikになるような制御を行なっていることになる。ゆえに、制御部23は電流Iが既定電流Ikになるような制御を、入出力電圧Vaが所定電圧Vakになるようにする制御に優先していることになる。このことから、図2(a)に示すように、時刻t0では入出力電圧Vaが所定電圧Vakとはならず、系統電源電圧Vs(=100V)のままとなる。
なお、図2(b)の縦軸において、蓄電部19の充電終了時の電圧を、既定蓄電部電圧Vbkとして示している。本実施の形態1では、上記したように数秒程度の停電が頻繁に発生して蓄電部19の放電機会が多いこと、そのため蓄電部19の容量を大きくしていることから、蓄電部19の蓄電部電圧Vbが既定蓄電部電圧Vbkに至らないように構成されている。
さらに、図2(c)の縦軸において、蓄電部19を放電する最大電流を下限電流−Idとして示している。ここで、放電方向の電流Iは負と定義しているため、放電する最大電流は下限電流−Idと呼ぶ。充電時の電流Iは上記した既定電流Ikより大きくなることは無い。また、放電時の電流Iはほぼ負荷29の消費電流であるので、下限電流−Idの絶対値は負荷29の消費電流以内になるように蓄電部19のキャパシタを直並列構成としている。従って、電流Iは、これらの電流範囲の間で変化する。
時刻t0から時刻t1の間は、図2(a)に示すように、入出力電圧Vaが一定値(100V)で安定しているので、系統電源13は正常である。この間、双方向インバータ17は入出力電圧Vaを所定電圧Vakまで下げる動作も継続しているが、電流Iが既定電流Ikに至っているので、その電流Iを維持する制御が優先される。ゆえに、蓄電部19は定電流で充電される。その結果、図2(b)に示すように、蓄電部電圧Vbは経時的に上昇し続ける。
次に、時刻t1で蓄電部19を充電している間に停電が発生する。停電の発生は、上記したように、系統電圧検出部32から出力される系統電源電圧Vsが規定下限電圧Vadを下回ることで判断できる。制御部23は停電を判断すると、蓄電部19から系統電源13への電力の逆流を防ぐために、直ちにスイッチ15をオフにして、蓄電部19の電力を負荷29へ放電する。しかし、双方向インバータ17の制御は時刻t1以前と同じく継続する。この場合の具体的な動作は次のとおりである。
停電のため、系統電源電圧Vsは0Vまで低下する。従って、スイッチ15をオフにしても負荷29が入出力端子25に接続されており、また負荷29は電力を消費しているので、入出力電圧Vaは低下する。しかし、双方向インバータ17は電流Iが既定電流Ikに至れば、その電流Iを維持する制御と、入出力電圧Vaが所定電圧Vak(=90V)になるような制御がなされている。
ここで、入出力電圧Vaが所定電圧Vakまで低下すると、双方向インバータ17は蓄電部19へ電流Iを引いて充電する必要がなくなる。従って、電流Iは既定電流Ikより下がり、制御対象は入出力電圧Vaを所定電圧Vakで維持する制御となる。このとき、スイッチ15はオフなので、電力を消費する負荷29が接続されている状態で、入出力電圧Vaが所定電圧Vakになるようにするために、双方向インバータ17は蓄電部19の電力を入出力端子25側へ引くように動作する。その結果、蓄電部19の電力は放電され、入出力電圧Vaは時刻t1で直ちに所定電圧Vakになる。この際、双方向インバータ17の電流Iの方向が図2(c)に示すように逆転するが、双方向インバータ17自体の制御対象は、入出力電圧Vaを所定電圧Vakにすることで、停電前から継続している。ゆえに、双方向インバータ17の制御を蓄電部19の充電、放電に応じて切り替える必要がないため、その動作に不安定性が無い。これらのことから、蓄電部19の充電中であっても、停電発生時に直ちに蓄電部19の電力を安定して負荷29に供給できる。
このような動作により、時刻t1では蓄電部19が放電を開始するので、図2(b)に示すように、蓄電部電圧Vbは経時的に低下する。また、図2(c)に示すように、蓄電部19に流れる電流Iは放電のため負となり、負荷29の消費電流に応じた値となる。なお、本実施の形態1では、負荷29が一定の消費電流で動作するものとした。従って、時刻t1以降では、電流Iは負の一定値となる。
その後、時刻t2で停電が復帰する。この状態変化も系統電圧検出部32により検出される系統電源電圧Vsを制御部23が監視することにより判断できる。
制御部23は停電復帰を判断すると、双方向インバータ17で系統電源13と位相を合わせるように調整してスイッチ15をオンにし、系統電源13の電力を負荷29に供給する。しかし、この場合も、双方向インバータ17の制御は時刻t2以前と変わらない。従って、双方向インバータ17は時刻t2で蓄電部19を充電するように動作するのであるが、切り替え動作がないため、切り替えに伴う動作の不安定性がない。なお、時刻t2における電源装置11の動作は、時刻t0の動作と同じである。
時刻t2以降では、蓄電部19の放電時以外の時であるので、時刻t0から時刻t1までと同様に蓄電部19を充電するのであるが、ここで、図2(a)に示すように、停電復帰直後の系統電源13が高めの電圧、すなわち規定上限電圧Vau(=106V)を発生しているとする。この場合も、時刻t0と同様に、電流Iが既定電流Ikに至るので、その電流Iを維持するように優先制御される。その結果、図2(a)に示すように、入出力電圧Vaが規定上限電圧Vauで安定し、所定電圧Vakには至らない。
このとき、蓄電部19への充電は、時刻t0から時刻t1までの場合に比べ、入出力電圧Vaと所定電圧Vakとの電圧差が大きいので、図2(b)に示すように、蓄電部電圧Vbの経時特性における傾きが大きくなる。
以後、上記した動作を繰り返すことにより、頻繁に停電が発生する環境においても、直ちに負荷29へ蓄電部19の電力を供給できるように双方向インバータ17が動作するので、安定した負荷29へ電力供給が可能となる。
以上の構成、動作により、停電の発生などで電流Iが既定電流Ikより低くなり、入出力電圧Vaが所定電圧Vakより低くなると、双方向インバータ17は入出力電圧Vaを上げるために蓄電部19を放電するように動作する。この際、双方向インバータ17は入出力電圧Vaが所定電圧Vakになるような制御を継続しているので、双方向インバータ17に対し、特段の切り替え動作を行わなくても、入出力電圧Vaの大きさにより蓄電部19の充放電がスムースに行われる。ゆえに、蓄電部19の充電中に入出力電圧Vaが低下しても、安定して負荷へ電力を供給することができる電源装置11が得られる。
なお、本実施の形態1では、所定電圧Vakを90Vと設定しているが、これは一例であり、これよりも大きくても小さくてもよい。但し、大きすぎると、入出力電圧Vaと所定電圧Vakの差が小さくなるので、入出力電圧検出部21の検出精度を高める必要がある。一方、所定電圧Vakが小さすぎると、停電時に負荷29を動作させるために十分な電圧が得られなくなる可能性がある。従って、前記検出精度や負荷29の必要な電圧値に応じて、適宜、所定電圧Vakを決定すればよい。
また、本実施の形態1では既定電流Ikと下限電流−Idの絶対値が異なる値としている。これは、蓄電部19の充放電に許容される電流絶対値が必ずしも同じではないためである。しかし、これは、絶対値の小さいほうに合わせて、両者の絶対値が同じになるようにしても構わない。
(実施の形態2)
図3は、本発明の実施の形態2における電源装置のブロック回路図である。図4は、本発明の実施の形態2における電源装置の電圧電流経時特性図で、(a)は入出力電圧Vaの経時特性図、(b)は蓄電部電圧Vbの経時特性図、(c)は蓄電部に流れる電流Iの経時特性図である。
本実施の形態2の構成において、実施の形態1と同じ構成要素には同じ符号を付して説明を省略する。すなわち、本実施の形態2における特徴となる構成は、図3において、制御部23に電気的に接続される蓄電部電圧検出部37を、さらに備えた点である。
また、本実施の形態2における特徴となる動作は次のとおりである。制御部23は、蓄電部電圧検出部37が検出した蓄電部電圧Vbが既定蓄電部電圧Vbkに至れば、蓄電部電圧Vbを維持する制御を第1に優先する。
これにより、蓄電部19の蓄電部電圧Vbにより管理が可能となるので、蓄電部19を充電し続けることなく、既定蓄電部電圧Vbkまで充電する制御が可能となる。
以下、本実施の形態2の特徴となる構成の詳細について説明する。
図3において、蓄電部端子34と蓄電部グランド端子35の間には、蓄電部電圧検出部37が電気的に接続されている。なお、本実施の形態2では、蓄電部電圧検出部37を蓄電部端子34と蓄電部グランド端子35の間に接続しているが、これは、蓄電部19の両端に直接接続する構成としてもよい。
蓄電部電圧検出部37は、蓄電部電圧Vbを検出して出力する機能を有する。従って、蓄電部電圧検出部37は制御部23とも電気的に接続される。制御部23は、蓄電部電圧検出部37の出力から、蓄電部電圧Vbを取り込む。
上記以外の構成は実施の形態1と同じである。
次に、本実施の形態2における電源装置11の特徴となる動作について、図4を用いて説明する。
図4(a)は入出力電圧Vaの経時特性図で、横軸が時刻、縦軸が入出力電圧Vaを示す。図4(b)は蓄電部電圧Vbの経時特性図で、横軸が時刻、縦軸が蓄電部電圧Vbを示す。図4(c)は蓄電部19に流れる電流Iの経時特性図で、横軸が時刻、縦軸が電流Iを示す。なお、図4(c)において、蓄電部19を充電する際の電流Iを正、放電する際の電流Iを負と定義する。
図4において、時刻t0から時刻t2までの動作は、図2と同じであるので、詳細な説明を省略する。従って、実施の形態1と同様に、蓄電部19の充電中に入出力電圧Vaが低下し、停電が発生しても、安定して負荷へ電力を供給することができる電源装置11が得られる。
次に、時刻t2以降では、図4(a)に示すように入出力電圧Vaが規定上限電圧Vauであり、図4(b)に示すように、蓄電部19が充電されるため蓄電部電圧Vbは経時的に上昇する。また、図4(c)に示すように、時刻t2以降は放電時以外の時であるので、電流Iは既定電流Ikを維持する。従って、蓄電部19は定電流充電される。なお、時刻t2以降では図4(a)に示すように、入出力電圧Vaは規定上限電圧Vauのまま一定であるとする。
本実施の形態2では、上記した蓄電部電圧Vbと、電流Iを検出することができるので、制御部23はこれらを監視する。なお、電流Iの監視(既定電流Ikとの比較)動作については、実施の形態1と同じであるので、詳細な説明を省略する。
その後、時刻t3で、図4(b)に示すように、蓄電部電圧Vbが既定蓄電部電圧Vbkに至る。制御部23は、蓄電部電圧Vbを監視しているので、蓄電部電圧Vbが既定蓄電部電圧Vbkに至ると、蓄電部電圧Vbが既定蓄電部電圧Vbkのまま維持するように双方向インバータ17を制御する。その結果、蓄電部19への充電は行われないので、電流Iが流れなくなる。ゆえに、図4(c)に示すように、時刻t3以降では、電流Iは急激に減少して0に至る。なお、電流Iが時刻t3で直ちに0にならないのは、蓄電部19の内部抵抗に起因して蓄電部電圧Vbの微小な変動が発生するためである。
この時刻t3のタイミングでは、双方向インバータ17の制御対象が、それまでの電流Iから蓄電部電圧Vbに替わり、既定蓄電部電圧Vbkを維持するように動作する。その結果、蓄電部19を過充電する可能性を低減できる。
このような時刻t3の、蓄電部電圧Vbを既定蓄電部電圧Vbkに維持する動作は、時刻t2から時刻t3までの、電流Iが既定電流Ikを維持する制御に優先される。従って、双方向インバータ17の制御において、制御部23は、入出力電圧Vaが所定電圧Vakになるように双方向インバータ17を制御しつつも、電流Iが既定電流Ikに至った場合は、電流Iを既定電流Ikに維持する第2優先の制御を行ない、さらに蓄電部電圧Vbが既定蓄電部電圧Vbkに至った場合は、蓄電部電圧Vbを既定蓄電部電圧Vbkに維持する第1優先の制御を行なう。これにより、蓄電部19の充電中に入出力電圧Vaが低下し、停電が発生しても、安定して負荷へ電力を供給することができるとともに、蓄電部19への過充電、過電流の可能性を低減でき、高信頼性が得られる。
時刻t3以降では、双方向インバータ17から蓄電部19への電流Iが0の状態を維持することになるので、双方向インバータ17はスタンバイ状態に相当する。従って、このスタンバイ中に停電が発生しても、双方向インバータ17は停止していないので、制御部23は速やかに蓄電部19の電力を負荷29に供給するように、双方向インバータ17を制御することができる。
以上の構成、動作により、蓄電部19の充電中に入出力電圧Vaが低下し、停電が発生しても、安定して負荷へ電力を供給することができるとともに、蓄電部19への過充電の可能性を低減できる高信頼の電源装置11が得られる。
(実施の形態3)
図5は、本発明の実施の形態3における電源装置のブロック回路図である。
本実施の形態3の構成において、実施の形態1、2と同じ構成要素には同じ符号を付して説明を省略する。すなわち、本実施の形態3における特徴となる構成は、図5において、制御部23と外部機器41とを電気的に接続する外部機器端子43を、さらに備えた点である。
また、本実施の形態3における特徴となる動作は次のとおりである。制御部23は、外部機器端子43から入力される外部機器41からの可変信号Kに応じて、所定電圧Vak、既定電流Ik、または既定蓄電部電圧Vbkの少なくとも1つを設定する。
これらにより、外部機器41の可変信号Kにより、所定電圧Vakを自在に設定することができるので、系統電源13の規格が異なる地域で電源装置11を使用する際に、極めて容易に、当該地域の電力事情に応じた所定電圧Vakの設定が可能となる。また、既定電流Ikを自在に設定することができるので、双方向インバータ17や蓄電部19の仕様を変更した電源装置11に応じて、過電流を監視する既定電流Ikを容易に設定できる。また、既定蓄電部電圧Vbkを自在に設定することができるので、蓄電部19の仕様を変更した電源装置11に応じて、過電圧を監視する既定蓄電部電圧Vbkを容易に設定できる。また、上記3つのパラメータの複数を同時に設定することで、電源装置11の使用地域や仕様が同時に変更になった場合でも、容易に設定できる。
以下、本実施の形態3の構成における特徴となる点を中心に詳細を述べる。
図5において、電源装置11には、制御部23、および外部機器41と電気的に接続される外部機器端子43を備える。
外部機器41は、電源装置11を外部から制御するためのもので、電源装置11の専用制御機器であってもよいし、コンピュータやタブレット端末、あるいはスマートフォンなどであってもよい。
上記以外の構成は図3と同じである。
次に、このような電源装置11の動作について説明する。
外部機器41からは、電源装置11を制御するための可変信号Kが出力される。この可変信号Kは、外部機器端子43を介して制御部23に入力される。可変信号Kは少なくとも所定電圧Vak、既定電流Ik、または既定蓄電部電圧Vbkのいずれか1つの設定値を含むデータである。従って、制御部23は入力された可変信号Kに含まれる所定電圧Vak、既定電流Ik、または既定蓄電部電圧Vbkの設定値を取り込み、所定電圧Vak、既定電流Ik、または既定蓄電部電圧Vbkとして設定する。その結果、双方向インバータ17は、可変信号Kに所定電圧Vakが含まれていれば、入出力電圧Vaが、設定された所定電圧Vakになるように制御される。また、双方向インバータ17は、可変信号Kに既定電流Ikが含まれていれば、電流Iが、設定された既定電流Ikになるように制御される。また、双方向インバータ17は、可変信号Kに既定蓄電部電圧Vbkが含まれていれば、蓄電部電圧Vbが、設定された既定蓄電部電圧Vbkになるように制御される。なお、これらの制御の優先順位は実施の形態2で述べたとおり、蓄電部電圧Vbの制御が第1優先、電流Iの制御が第2優先、入出力電圧Vaの制御が第3優先となる。
所定電圧Vakは任意に可変できるので、例えば電源装置11が可搬型であれば、移動先の電力事情に応じた設定値に変更することができる。すなわち、移動先の系統電源13の電圧が交流200V(実効値)であれば、その系統電源13の規格に対応して、所定電圧Vakの設定値を例えば180Vに設定する。その結果、電源装置11の使用可能領域が広がり、高い汎用性を備えることができる。
また、既定電流Ikは自在に設定することができるので、例えば電源装置11の生産時に、双方向インバータ17や蓄電部19の仕様が異なるものを同じラインで製造しても、前記仕様に応じて、過電流を監視する既定電流Ikを容易に設定できる。
また、既定蓄電部電圧Vbkは自在に設定することができるので、例えば電源装置11の生産時に、蓄電部19の満充電電圧の仕様が異なるものを同じラインで製造しても、前記仕様に応じて、過電圧を監視する既定蓄電部電圧Vbkを容易に設定できる。
なお、これら3つのパラメータ(所定電圧Vak、既定電流Ik、既定蓄電部電圧Vbk)は可変信号Kの中に同時に複数が含まれていてもよい。この場合は、複数のパラメータを一括して設定できる。
ここで、所定電圧Vak、既定電流Ik、または既定蓄電部電圧Vbkの少なくとも1つを電源装置11の使用中に変更すると、設定値によっては過電流が流れたり、双方向インバータ17の動作が不安定となる可能性があるので、電源装置11の起動前に可変信号Kにより上記パラメータを変更することが望ましい。
上記以外の動作は実施の形態2と同じである。
なお、図5の構成では、蓄電部電圧検出部37を備えた構成としているが、これがない図1の構成に、本実施の形態3の特徴となる構成、動作を適用してもよい。
すなわち、電源装置11は、図1の構成に、制御部23と外部機器41とを電気的に接続する外部機器端子43を、さらに備える。そして、制御部23は、外部機器端子43から入力される外部機器41からの可変信号Kに応じて、所定電圧Vak、または既定電流Ikの少なくとも1つを設定する。
このような構成、動作とすることで、外部機器41の可変信号Kにより、所定電圧Vakを自在に設定することができるので、系統電源13の規格が異なる地域で電源装置11を使用する際に、極めて容易に、当該地域の電力事情に応じた所定電圧Vakの設定が可能となる。また、既定電流Ikを自在に設定することができるので、双方向インバータ17や蓄電部19の仕様を変更した電源装置11に応じて、過電流を監視する既定電流Ikを容易に設定できる。
なお、この構成では蓄電部電圧検出部37を備えていないので、既定蓄電部電圧Vbkは可変信号Kに含まれない。
以上の構成、動作により、外部機器41の可変信号Kに応じて、所定電圧Vak、既定電流Ik、または既定蓄電部電圧Vbkの少なくとも1つを自在に設定することができるので、系統電源13の規格が異なる地域で電源装置11を使用する際に、極めて容易に、当該地域の電力事情に応じた所定電圧Vakの設定が可能となる電源装置11が得られる。また、電源装置11の仕様に応じて、容易に過電流、過電圧の監視設定値を変えることができ、高信頼性が得られる。
なお、本実施の形態3では、可変信号Kにより所定電圧Vak、既定電流Ik、または既定蓄電部電圧Vbkの少なくとも1つを設定する場合について説明したが、可変信号Kにより電源装置11の他の制御(例えばスイッチ15の手動オンオフ制御など)を行うようにしてもよい。
さらに、本実施の形態3では、可変信号Kは外部機器41から制御部23への単方向の通信例を示しているが、これは双方向の通信であってもよい。この場合、外部機器41は、例えば電源装置11の各部の電流、電圧特性等を得ることで、電源装置11の異常を監視できる。
(実施の形態4)
図6は、本発明の実施の形態4における電源装置のブロック回路図である。図7は、本発明の実施の形態4における電源装置の電圧電流経時特性図で、(a)は系統電源側電圧Viの経時特性図、(b)はDC/DCコンバータ側電圧Vdの経時特性図、(c)は蓄電部電圧Vbの経時特性図、(d)は蓄電部に流れる電流Iの経時特性図である。
本実施の形態4の構成において、実施の形態1、2と同じ構成要素には同じ符号を付して詳細な説明を省略する。
図6において、電源装置11は、系統電源13にスイッチ15を介して電気的に接続される双方向インバータ17と、双方向インバータ17に電気的に接続されるDC/DCコンバータ51と、DC/DCコンバータ51に電気的に接続される蓄電部19と、を備える。そして、電源装置11は、双方向インバータ17の系統電源側に電気的に接続され、系統電源側電圧Viを検出する系統電源側電圧検出部53と、双方向インバータ17のDC/DCコンバータ51側に電気的に接続され、DC/DCコンバータ側電圧Vdを検出するDC/DCコンバータ側電圧検出部55と、蓄電部19に電気的に接続され、蓄電部電圧Vbを検出する蓄電部電圧検出部37と、蓄電部19に流れる電流Iを検出する電流検出部22と、を備える。そして、電源装置11は、スイッチ15、双方向インバータ17、DC/DCコンバータ51、系統電源側電圧検出部53、DC/DCコンバータ側電圧検出部55、蓄電部電圧検出部37、および電流検出部22と電気的に接続される制御部23と、を備える。そして、電源装置11の双方向インバータ17の動作において、制御部23は、DC/DCコンバータ側電圧Vdが第1既定DC/DCコンバータ側電圧Vdk1に至れば、DC/DCコンバータ側電圧Vdを維持する制御を第1優先で行い、DC/DCコンバータ側電圧Vdが第1既定DC/DCコンバータ側電圧Vdk1に至っておらず、かつ、電流Iが既定電流Ikに至れば、電流Iを維持する制御を第2優先で行い、DC/DCコンバータ側電圧Vdが第1既定DC/DCコンバータ側電圧Vdk1に至っておらず、かつ、電流Iが既定電流Ikに至っていなければ、系統電源側電圧Viが、系統電源の規定下限電圧Vadよりも低い所定系統電源側電圧Vikになるような制御を第3優先で行う。それとともに、電源装置11のDC/DCコンバータ51の動作において、制御部23は、蓄電部電圧Vbが既定蓄電部電圧Vbkに至れば、蓄電部電圧Vbを維持する制御を第1優先で行い、蓄電部電圧Vbが既定蓄電部電圧Vbkに至っていなければ、DC/DCコンバータ側電圧Vdが、第1既定DC/DCコンバータ側電圧Vdk1より低い第2既定DC/DCコンバータ側電圧Vdk2になるような制御を第2優先で行う。それとともに、電源装置11の制御部23は、双方向インバータ17の動作と、DC/DCコンバータ51の動作を並行して行い、かつ、蓄電部19の放電時にはスイッチ15をオフにし、それ以外の時はスイッチ15をオンにするように制御するものである。
これにより、停電の発生などで、電流Iが既定電流Ikより低くなり、系統電源側電圧Viが所定系統電源側電圧Vikより低くなると、双方向インバータ17は、第3優先の、系統電源側電圧Viが所定系統電源側電圧Vikになるように、系統電源側電圧Viを上げる制御を行なう。これにより、双方向インバータ17はDC/DCコンバータ51から電流Iを引くように動作する。その結果、DC/DCコンバータ側電圧Vdが下がるので、DC/DCコンバータ51は、第2優先の、DC/DCコンバータ側電圧Vdが第2既定DC/DCコンバータ側電圧Vdk2になるように、DC/DCコンバータ側電圧Vdを上げる制御を行なう。これにより、DC/DCコンバータ51は蓄電部19から電流Iを引くように、すなわち蓄電部19を放電するように動作する。これらの一連の動作において、双方向インバータ17は系統電源側電圧Viが所定系統電源側電圧Vikになるような制御を継続しており、それと並行して、DC/DCコンバータ51はDC/DCコンバータ側電圧Vdが第2既定DC/DCコンバータ側電圧Vdk2になるような制御を継続している。その結果、双方向インバータ17とDC/DCコンバータ51に対し、特段の切り替え動作を行わなくても、系統電源側電圧Viの大きさに応じて連動して蓄電部19の充放電がスムースに行われる。ゆえに、蓄電部19の充電中に系統電源側電圧Viが低下しても、安定して負荷29へ電力を供給することができる電源装置11が得られる。
以下、より具体的に本実施の形態4の構成、動作について特徴となる部分について説明する。
図6において、系統電源13はスイッチ15を介して電源装置11の双方向インバータ17と電気的に接続される。具体的には、系統電源13は、双方向インバータ17の系統電源側端子57と系統電源側グランド端子59に電気的に接続される。また、系統電源側端子57と系統電源側グランド端子59には、系統電源側電圧検出部53が電気的に接続される。
以上の説明と、図1とを対比すると、図1における入出力端子25、入出力グランド端子27、入出力電圧検出部21が、それぞれ、図6における系統電源側端子57、系統電源側グランド端子59、系統電源側電圧検出部53に相当することがわかる。しかし、本実施の形態4では、双方向インバータ17において、単に「入出力端子」というと、2つある構成であるので、これらの端子を区別するために名称を変えている。ゆえに、本実施の形態4の系統電源側端子57、系統電源側グランド端子59、系統電源側電圧検出部53は、それぞれ実施の形態1の入出力端子25、入出力グランド端子27、入出力電圧検出部21と実質的に同じである。
双方向インバータ17は、DC/DCコンバータ側端子60とDC/DCコンバータ側グランド端子61を介して、DC/DCコンバータ51と電気的に接続される。また、DC/DCコンバータ側端子60とDC/DCコンバータ側グランド端子61には、DC/DCコンバータ側電圧検出部55が電気的に接続される。このDC/DCコンバータ側電圧検出部55は、図6より明らかなように、双方向インバータ17とDC/DCコンバータ51との間の電圧を検出するもので、本実施の形態4ではDC/DCコンバータ側端子60とDC/DCコンバータ側グランド端子61に接続しているが、この構成に限定されるものではなく、DC/DCコンバータ51側の端子(図示せず)に接続してもよいし、その中間の配線に接続してもよい。
DC/DCコンバータ51は、さらに蓄電部側端子63と蓄電部側グランド端子65を介して蓄電部19と電気的に接続される。これにより、蓄電部19を広い電圧範囲で充放電することが可能となる。すなわち、双方向インバータ17の蓄電部19側へ出力される電圧は昇圧しかできないが、DC/DCコンバータ51を設けることで、昇圧された電圧に制限されずに蓄電部19の充放電が可能となるので、蓄電部19の設計範囲が広がり、必要最低限の蓄電部19の構成とすることも可能である。その結果、例えば前記キャパシタユニットのキャパシタ数を必要最低限の数量で設計できるので、低コスト化や軽量化も可能となる。
また、DC/DCコンバータ51は回路構成上、トランスを用いた絶縁型DC/DCコンバータを使用できるので、本実施の形態4のように200V程度の高電圧を扱うような、絶縁が必要な場合に、DC/DCコンバータ51で絶縁を得ることができる。
また、DC/DCコンバータ51としては、チョッパ型であってもよい。
蓄電部側端子63と蓄電部側グランド端子65には蓄電部電圧検出部37が電気的に接続される。この蓄電部電圧検出部37は実施の形態2と同じ構成である。なお、本実施の形態4においては、上記したように広い電圧範囲で充放電をすることが可能となるため、蓄電部電圧Vbの監視が必須となる。従って、蓄電部電圧検出部37は必要である。
系統電源側電圧検出部53とDC/DCコンバータ側電圧検出部55は制御部23とも電気的に接続されている。従って、制御部23は系統電源側電圧ViとDC/DCコンバータ側電圧Vdを取り込むことができる。さらに、DC/DCコンバータ51も制御部23と電気的に接続されている。従って、DC/DCコンバータ51は制御部23からのDC/DCコンバータ制御信号CCによって制御される。
上記以外の構成は、実施の形態1、2と同じである。なお、図6の構成では、電流検出部22をDC/DCコンバータ側グランド端子61とDC/DCコンバータ51との間の配線に設ける構成を示したが、これは、図1のように蓄電部19の正極側の配線に設けてもよいし、双方向インバータ17とDC/DCコンバータ51との間の正極側配線に設けてもよい。さらに、双方向インバータ17やDC/DCコンバータ51の内部で、蓄電部19に流れる電流Iに相当する電流が流れている部分に電流検出部22を設ける構成としてもよい。
次に、このような電源装置11の動作について説明する。
まず、双方向インバータ17とDC/DCコンバータ51は、それぞれが優先順位を持って、並行動作しているので、各々の優先関係を以下にまとめる。なお、これらの動作を司るのは制御部23である。
1)双方向インバータ
第1優先:DC/DCコンバータ側電圧Vdが第1既定DC/DCコンバータ側電圧Vdk1に至れば、DC/DCコンバータ側電圧Vdを維持する制御
第2優先:DC/DCコンバータ側電圧Vdが第1既定DC/DCコンバータ側電圧Vdk1に至っておらず、かつ、電流Iが既定電流Ikに至れば、電流Iを維持する制御
第3優先:DC/DCコンバータ側電圧Vdが第1既定DC/DCコンバータ側電圧Vdk1に至っておらず、かつ、電流Iが既定電流Ikに至っていなければ、系統電源側電圧Viが、系統電源13の規定下限電圧Vadよりも低い所定系統電源側電圧Vikになるように制御
2)DC/DCコンバータ
第1優先:蓄電部電圧Vbが既定蓄電部電圧Vbkに至れば、蓄電部電圧Vbを維持する制御
第2優先:蓄電部電圧Vbが既定蓄電部電圧Vbkに至っていなければ、DC/DCコンバータ側電圧Vdが、第1既定DC/DCコンバータ側電圧Vdk1より低い第2既定DC/DCコンバータ側電圧Vdk2になるように制御
以上の優先順位に従って、制御部23は、双方向インバータ17とDC/DCコンバータ51を独立して並行に制御している。
次に、このような優先順位に基づく具体的な動作について、図7を参照しながら説明する。なお、図7(a)〜(d)において、横軸は時刻を示す。また、図7(a)の縦軸は系統電源側電圧Viを、図7(b)の縦軸はDC/DCコンバータ側電圧Vdを、図7(c)の縦軸は蓄電部電圧Vbを、図7(d)の縦軸は電流Iを、それぞれ示す。
また、図7における時刻t0から時刻t3までに発生する状況は図4と同じである。すなわち、時刻t0から時刻t1で蓄電部19を充電し、その途中の時刻t1で停電が発生し、時刻t2で停電が復帰し、時刻t3で蓄電部電圧Vbが既定蓄電部電圧Vbkに至り満充電になる。
このような状況において、双方向インバータ17とDC/DCコンバータ51が、それぞれ上記した優先順位に従って、どのように動作するかを中心に、以下、説明する。
まず、時刻t0から時刻t1まででは、蓄電部19が充電されていく状態である。このとき、系統電源側電圧Viは規定上限電圧Vau(実施の形態1と同様に106V)と規定下限電圧Vad(同、94V)の間の、ちょうど100Vで、正常であるとする。
この場合、実施の形態1で述べたように、双方向インバータ17は系統電源側電圧Viが、系統電源13の規定下限電圧Vadよりも低い所定系統電源側電圧Vik(ここでは実施の形態1の所定電圧Vakと同じ90Vとする)になるように、系統電源側電圧Viを下げようと制御するのであるが、そのために双方向インバータ17はDC/DCコンバータ51側へ電流Iを引く動作を行う。その結果、電流Iは直ちに既定電流Ikに達するため、制御部23は、上記した双方向インバータ17の第2優先制御に従って、図7(d)に示すように電流Iが既定電流Ikのまま維持するように制御する。このように、電流Iが既定電流Ikで一定となるため、双方向インバータ17の第3優先制御は実施されず、図7(a)に示すように、系統電源側電圧Viは100Vのまま一定となる。
ここで、上記した優先順位から、制御部23は、双方向インバータ17のDC/DCコンバータ側電圧Vdが第1既定DC/DCコンバータ側電圧Vdk1に至れば、DC/DCコンバータ側電圧Vdを維持する制御を行なうのであるが、本実施の形態4では第1既定DC/DCコンバータ側電圧Vdk1を例えば210Vに設定している。この電圧値は、双方向インバータ17により交流100V(実効値)の電圧を整流、昇圧して出力されるもので、本実施の形態4では双方向インバータ17の仕様として、実効値の交流入力電圧を2.1倍して直流変換出力するものとする。ゆえに、双方向インバータ17は第1既定DC/DCコンバータ側電圧Vdk1(210V)以上の過電圧にならないように、制御部23により監視されている。そして、この監視動作が双方向インバータ17の第1優先制御となる。
このような優先順位に基づいて、時刻t0から時刻t1までの動作を見ると、双方向インバータ17は、既に図7(d)に示すように電流Iが既定電流Ikになるように第2優先の制御がなされているため、第1優先の制御は行なわれていない。これは、電流Iを既定電流Ikまで流しても、図7(c)に示すように、蓄電部電圧Vbが経時的に上昇し、蓄電部19が充電され続けるので、DC/DCコンバータ側電圧Vdが第1既定DC/DCコンバータ側電圧Vdk1に至らないためである。その結果、時刻t0から時刻t1では、双方向インバータ17の第1優先制御は行なわれないことになる。
一方、DC/DCコンバータ51の時刻t0から時刻t1までの動作を見ると、図7(c)より蓄電部電圧Vbは、充電中のため既定蓄電部電圧Vbkに至っていない。従って、DC/DCコンバータ51の第1優先制御は行なわれない。ゆえに、第2優先制御であるDC/DCコンバータ側電圧Vdが第1既定DC/DCコンバータ側電圧Vdk1より低い第2既定DC/DCコンバータ側電圧Vdk2に至るような制御が行なわれる。
ここで、第2既定DC/DCコンバータ側電圧Vdk2は、双方向インバータ17の第2優先制御や第3優先制御がなされている間、DC/DCコンバータ側電圧Vdが双方向インバータ17によっては何ら制御されないことに対して決定される電圧で、第2既定DC/DCコンバータ側電圧Vdk2を設定することにより、DC/DCコンバータ側電圧Vdが過電圧になる可能性を低減している。具体的には、第2既定DC/DCコンバータ側電圧Vdk2を第1既定DC/DCコンバータ側電圧Vdk1(210V)より低い200Vとして設定している。これにより、双方向インバータ17がDC/DCコンバータ側電圧Vdを何ら制御しない場合に、制御部23は、DC/DCコンバータ側電圧Vdが第2既定DC/DCコンバータ側電圧Vdk2(200V)となるようにDC/DCコンバータ51を制御する。この際、DC/DCコンバータ51は電流Iによる制御を行なわないので、DC/DCコンバータ51には既定電流Ikの定電流が流れる。その結果、過電圧、過電流の可能性を低減した蓄電部19の充電が行われる。
なお、第2既定DC/DCコンバータ側電圧Vdk2は第1既定DC/DCコンバータ側電圧Vdk1より低く設定しているが、これは、逆の設定にすると、双方向インバータ17の第1優先制御が行なわれることになり、蓄電部19への電流Iの制御が何ら行なわれなくなる。その結果、電流Iが既定電流Ikより低くなり、蓄電部19の充電期間が長くなる可能性がある。従って、第2既定DC/DCコンバータ側電圧Vdk2は第1既定DC/DCコンバータ側電圧Vdk1より低く設定する必要がある。
以上のようにして蓄電部19を充電している途中の時刻t1で停電が発生する。これにより、蓄電部19への電流Iが流れなくなるので、電流Iは既定電流Ikより低くなり、双方向インバータ17の第2優先制御条件から外れる。従って、双方向インバータ17は第3優先制御がなされる。すなわち、図7(a)に示すように、制御部23は、系統電源側電圧Viが所定系統電源側電圧Vik(90V)になるように制御する。その結果、双方向インバータ17はDC/DCコンバータ51から電流Iを引くように動作する。この動作に連動して、DC/DCコンバータ51は蓄電部19を放電するように動作し、図7(c)に示すように蓄電部電圧Vbは経時的に低下する。従って、図7(d)に示すように、電流Iは負となり、その絶対値は負荷29の消費電流に応じた値となる。
この動作の結果、蓄電部電圧Vbは放電に伴い経時的に低下するので、蓄電部電圧Vbが既定蓄電部電圧Vbkに至ることはない。従って、時刻t1から時刻t2においても、DC/DCコンバータ51は第2優先制御を継続する。ゆえに、DC/DCコンバータ51は何ら切り替え動作を行うことなく、時刻t1で充電から放電を行うことができる。そして、図7(b)に示すように、蓄電部19の放電中もDC/DCコンバータ側電圧Vdは第2既定DC/DCコンバータ側電圧Vdk2(200V)のまま安定する。なお、双方向インバータ17の充電から放電への切り替え動作についても実施の形態1で説明したように、特段の切り替え動作を行うことがないため、スムースな切り替えが可能となる。
次に、時刻t2で停電が復帰する。この時の状態は時刻t0から時刻t1までの状態と同じであるので、上記した時刻t0から時刻t1までの動作を行う。従って、詳細な説明を省略する。
次に、時刻t3で図7(c)に示すように蓄電部電圧Vbが既定蓄電部電圧Vbkに至る。これは、蓄電部19が満充電になったことに相当するので、DC/DCコンバータ51は蓄電部19を過充電させないために、第1優先制御が行なわれる。すなわち、制御部23は、蓄電部電圧Vbが既定蓄電部電圧VbkになるようにDC/DCコンバータ51を制御する。
その結果、蓄電部19への充電が行われなくなるので、図7(d)に示すように、電流Iは急激に低下し、ほぼ0になる。このような動作の結果、それまで第2優先制御(電流Iが既定電流Ikになるように制御)がなされていた双方向インバータ17は、電流Iが既定電流Ikより低くなったため、第2優先制御から第3優先制御(系統電源側電圧Viが所定系統電源側電圧Vikになるように制御)を行おうとする。この場合、図7(a)に示すように、系統電源側電圧Viが規定上限電圧Vau(106V)であるので、系統電源側電圧Viを下げるために、双方向インバータ17は電流IをDC/DCコンバータ51側へ引こうとする。しかし、上記したように、DC/DCコンバータ51は蓄電部電圧Vbが既定蓄電部電圧Vbkを維持するような第1優先制御が、なされているので、電流Iを流すことができない。その結果、図7(b)に示すように、時刻t3でDC/DCコンバータ側電圧Vdが急激に上昇し、第1既定DC/DCコンバータ側電圧Vdk1に至る。
これにより、双方向インバータ17は第1優先の制御条件に至ったため、図7(b)に示すように、DC/DCコンバータ側電圧Vdが第1既定DC/DCコンバータ側電圧Vdk1になるように制御される。その結果、時刻t3以降では、DC/DCコンバータ側電圧Vdは、第1既定DC/DCコンバータ側電圧Vdk1を維持する。
このような動作により、蓄電部19の充放電における、実施の形態1で述べた双方向インバータ17のスムースな切り替えに加え、DC/DCコンバータ51においても、スムースな切り替えが可能となるので、DC/DCコンバータ51を備えた電源装置11においても、全体に蓄電部19の充放電をスムースに切り替えることが可能となる。
このスムースな充放電の切り替え動作における要点は、双方向インバータ17における第3優先制御(系統電源側電圧Viが、系統電源13の規定下限電圧Vadよりも低い所定系統電源側電圧Vikになるような制御)と、DC/DCコンバータ51における第2優先制御(DC/DCコンバータ側電圧Vdが、第1既定DC/DCコンバータ側電圧Vdk1より低い第2既定DC/DCコンバータ側電圧Vdk2になるような制御)とを行うことにある。両者の動作は、いずれも蓄電部19から遠い側の、双方向インバータ17とDC/DCコンバータ51の端子電圧を、定常時の電圧(それぞれ、規定下限電圧Vadと第1既定DC/DCコンバータ側電圧Vdk1)よりも低くするように制御することで、制御部23は、いわば蓄電部19の放電時の制御をスタンバイさせている状態としている。従って、充電中に停電が発生しても、スムースに充放電が切り替えられる。
さらに、双方向インバータ17の制御とDC/DCコンバータ51の制御は独立して並行に行なわれるので、高速な切り替え動作が可能となる。その結果、電源装置11は、蓄電部19の充電中に系統電源側電圧Viが低下しても、安定して負荷29へ電力を供給することができる。
なお、上記の動作説明において、系統電圧検出部32からの系統電源電圧Vsの取り込み動作や、スイッチ15の制御については、実施の形態1と同じであるので省略している。
以上の構成、動作により、実施の形態1で述べた双方向インバータ17に加え、蓄電部19を充放電するDC/DCコンバータ51を接続した構成において、制御部23による、双方向インバータ17における第1優先の動作から第3優先の動作(電流Iの監視を含む)までと、DC/DCコンバータ51における第1優先の動作から第2優先の動作までが並行して行われることにより、双方向インバータ17と同様にDC/DCコンバータ51も、特段の切り替え動作を行うことなく蓄電部19の充放電がスムースに行われる。ゆえに、蓄電部19の充電中に系統電源側電圧Viが低下しても、安定して負荷29へ電力を供給することができる電源装置11が実現できる。
(実施の形態5)
図8は、本発明の実施の形態5における電源装置の電圧電流経時特性図で、(a)は系統電源側電圧Viの経時特性図、(b)はDC/DCコンバータ側電圧Vdの経時特性図、(c)は蓄電部電圧Vbの経時特性図、(d)は蓄電部に流れる電流Iの経時特性図である。
本実施の形態5の構成において、実施の形態4の図6と同じである。
すなわち、図6において、電源装置11は、系統電源13にスイッチ15を介して電気的に接続される双方向インバータ17と、双方向インバータ17に電気的に接続されるDC/DCコンバータ51と、DC/DCコンバータ51に電気的に接続される蓄電部19と、を備える。そして、電源装置11は、双方向インバータ17の系統電源側に電気的に接続され、系統電源側電圧Viを検出する系統電源側電圧検出部53と、双方向インバータ17のDC/DCコンバータ51側に電気的に接続され、DC/DCコンバータ側電圧Vdを検出するDC/DCコンバータ側電圧検出部55と、蓄電部19に電気的に接続され、蓄電部電圧Vbを検出する蓄電部電圧検出部37と、蓄電部19に流れる電流Iを検出する電流検出部22と、を備える。そして、電源装置11は、スイッチ15、双方向インバータ17、DC/DCコンバータ51、系統電源側電圧検出部53、DC/DCコンバータ側電圧検出部55、蓄電部電圧検出部37、および電流検出部22と電気的に接続される制御部23と、を備える。
そして、電源装置11の双方向インバータ17の動作において、制御部23は、DC/DCコンバータ側電圧Vdが第1既定DC/DCコンバータ側電圧Vdk1に至れば、DC/DCコンバータ側電圧Vdを維持する制御を第1優先で行い、DC/DCコンバータ側電圧Vdが第1既定DC/DCコンバータ側電圧Vdk1に至っていなければ、系統電源側電圧Viが、系統電源13の規定下限電圧Vadよりも低い所定系統電源側電圧Vikになるような制御を第2優先で行う。それとともに、DC/DCコンバータ51の動作において、制御部23は、蓄電部電圧Vbが既定蓄電部電圧Vbkに至れば、蓄電部電圧Vbを維持する制御を第1優先で行い、蓄電部電圧Vbが既定蓄電部電圧Vbkに至っておらず、かつ、電流Iが既定電流Ikに至れば、電流Iを維持する制御を第2優先で行い、蓄電部電圧Vbが既定蓄電部電圧Vbkに至っておらず、かつ、電流Iが既定電流Ikに至っていなければ、DC/DCコンバータ側電圧Vdが、第1既定DC/DCコンバータ側電圧Vdk1より低い第2既定DC/DCコンバータ側電圧Vdk2になるような制御を第3優先で行う。それとともに、制御部23は、双方向インバータ17の動作と、DC/DCコンバータ51の動作を並行して行い、かつ、蓄電部19の放電時にはスイッチ15をオフにし、それ以外の時はスイッチ15をオンにするように制御するものである。
これにより、停電の発生などで、電流Iが既定電流Ikより低くなり、系統電源側電圧Viが所定系統電源側電圧Vikより低くなると、双方向インバータ17は、第2優先の、系統電源側電圧Viが所定系統電源側電圧Vikになるように、系統電源側電圧Viを上げる制御を行なう。これにより、双方向インバータ17はDC/DCコンバータ51から電流Iを引くように動作する。その結果、DC/DCコンバータ側電圧Vdが下がるので、DC/DCコンバータ51は、第3優先の、DC/DCコンバータ側電圧Vdが第1既定DC/DCコンバータ側電圧Vdk1より低い第2既定DC/DCコンバータ側電圧Vdk2になるように、DC/DCコンバータ側電圧Vdを上げる制御を行なう。これにより、DC/DCコンバータ51は蓄電部19から電流Iを引くように、すなわち蓄電部19を放電するように動作する。これらの一連の動作において、双方向インバータ17は系統電源側電圧Viが所定系統電源側電圧Vikになるような制御を継続しており、それと並行して、DC/DCコンバータ51はDC/DCコンバータ側電圧Vdが第2既定DC/DCコンバータ側電圧Vdk2になるような制御を継続している。その結果、双方向インバータ17とDC/DCコンバータ51に対し、特段の切り替え動作を行わなくても、系統電源側電圧Viの大きさに応じて連動して蓄電部19の充放電がスムースに行われる。ゆえに、蓄電部19の充電中に系統電源側電圧Viが低下しても、安定して負荷29へ電力を供給することができる電源装置11が得られる。
以下、より具体的に本実施の形態5の構成、動作について特徴となる部分について説明する。
まず、本実施の形態5の電源装置11における構成は、実施の形態4の図6と同じであるので、詳細な説明を省略する。
次に、本実施の形態5の電源装置11における特徴となる動作について説明する。なお、本実施の形態5の動作において、実施の形態4と同じ動作についても詳細な説明を省略する。
本実施の形態5の動作において、実施の形態4の動作と異なる点は、実施の形態4では双方向インバータ17により電流Iと既定電流Ikとの比較に基づく電流Iの監視を行っていたが、本実施の形態5では、双方向インバータ17に替わってDC/DCコンバータ51により電流Iの監視を行うようにしたことである。その結果、双方向インバータ17とDC/DCコンバータ51における制御の優先順位は下記のように変わる。
1)双方向インバータ
第1優先:DC/DCコンバータ側電圧Vdが第1既定DC/DCコンバータ側電圧Vdk1に至れば、DC/DCコンバータ側電圧Vdを維持する制御
第2優先:DC/DCコンバータ側電圧Vdが第1既定DC/DCコンバータ側電圧Vdk1に至っていなければ、系統電源側電圧Viが、系統電源13の規定下限電圧Vadよりも低い所定系統電源側電圧Vikになるように制御
2)DC/DCコンバータ
第1優先:蓄電部電圧Vbが既定蓄電部電圧Vbkに至れば、蓄電部電圧Vbを維持する制御
第2優先:蓄電部電圧Vbが既定蓄電部電圧Vbkに至っておらず、かつ、電流Iが既定電流Ikに至れば、電流Iを維持する制御
第3優先:蓄電部電圧Vbが既定蓄電部電圧Vbkに至っておらず、かつ、電流Iが既定電流Ikに至っていなければ、DC/DCコンバータ側電圧Vdが、第1既定DC/DCコンバータ側電圧Vdk1より低い第2既定DC/DCコンバータ側電圧Vdk2になるように制御
以上の優先順位に従って、制御部23は、双方向インバータ17とDC/DCコンバータ51を独立して並行に制御している。
次に、このような優先順位に基づく具体的な動作について、図8を参照しながら説明する。なお、図8(a)〜(d)の縦軸、横軸の意味は、それぞれ図7(a)〜(d)のものと同じである。また、図8における時刻t0から時刻t3までに発生する状況は図7と同じである。
このような状況において、双方向インバータ17とDC/DCコンバータ51が、それぞれ上記した優先順位に従って、どのように動作するかを中心に、以下、説明する。
まず、時刻t0から時刻t1まででは、系統電源13が正常で、蓄電部19が充電されていく状態である。このとき、実施の形態4と同様に双方向インバータ17はDC/DCコンバータ51側へ電流Iを引く結果、図7(d)に示すように、電流Iが既定電流Ikに至る。
ここで、実施の形態4では、電流Iが既定電流Ikで維持されるように制御するのは双方向インバータ17であったが、本実施の形態5では、上記したように、電流Iの既定電流Ikでの維持制御はDC/DCコンバータ51で行なわれる。従って、上記したDC/DCコンバータ51の第2優先制御に従って、制御部23は、電流Iが既定電流IkになるようにDC/DCコンバータ51を制御する。
その結果、実施の形態4ではDC/DCコンバータ側電圧VdをDC/DCコンバータ51により制御していたが、本実施の形態5では、その制御が第3優先となるため、時刻t0から時刻t1まででは、DC/DCコンバータ51によるDC/DCコンバータ側電圧Vdの制御が行なわれない状況となる。ゆえに、双方向インバータ17はDC/DCコンバータ51側へ電流Iを引こうとするが、DC/DCコンバータ51により電流Iが既定電流Ikで制限されるので、DC/DCコンバータ側電圧Vdは上昇し、直ちに第1既定DC/DCコンバータ側電圧Vdk1に至る。この段階で、双方向インバータ17の第1優先制御を行なう条件が成立するので、双方向インバータ17はDC/DCコンバータ側電圧Vdが第1既定DC/DCコンバータ側電圧Vdk1になるように制御する。従って、図8(b)に示すように、DC/DCコンバータ側電圧Vdは第1既定DC/DCコンバータ側電圧Vdk1となる。
なお、この時刻t0から時刻t1までの期間では、実施の形態4のように、DC/DCコンバータ側電圧Vdが第2既定DC/DCコンバータ側電圧Vdk2となる制御は行なわれない。これは、DC/DCコンバータ51が既に第2優先制御(電流Iを既定電流Ikに維持する)を行っており、DC/DCコンバータ側電圧Vdを第2既定DC/DCコンバータ側電圧Vdk2に維持する制御ができないためである。
これらの動作をまとめると、時刻t0から時刻t1までの蓄電部19の充電期間中は、DC/DCコンバータ51が電流Iの過電流を監視し、双方向インバータ17が過電圧を監視することになる。
次に、時刻t1で停電が発生する。これにより、蓄電部19への電流Iが急激に低下するので、電流Iは既定電流Ikより低くなり、DC/DCコンバータ51の第2優先制御条件から外れる。このとき、図8(c)に示すように、蓄電部電圧Vbは既定蓄電部電圧Vbkに至っていないので、DC/DCコンバータ51は第3優先制御がなされる。その結果、図8(b)に示すように、DC/DCコンバータ側電圧Vdは第1既定DC/DCコンバータ側電圧Vdk1(210V)より低い第2既定DC/DCコンバータ側電圧Vdk2(200V)を維持するように制御される。
一方、双方向インバータ17は、停電により電流Iが急激に低下するので、それまで行われていた第1優先制御(DC/DCコンバータ側電圧Vdが第1既定DC/DCコンバータ側電圧Vdk1を維持する制御)を継続できなくなる。そのため、制御部23は、双方向インバータ17に対し、第2優先制御である系統電源側電圧Viが所定系統電源側電圧Vik(90V)になるような制御を行なう。その結果、図8(a)に示すように、停電中の時刻t1から時刻t2までは、系統電源側電圧Viは所定系統電源側電圧Vikで維持される。このような動作により、双方向インバータ17は系統電源側電圧Viを所定系統電源側電圧Vikに維持するため、DC/DCコンバータ51から電流Iを引くように動作する。この動作に連動して、DC/DCコンバータ51は蓄電部19を放電するように動作し、図8(c)に示すように蓄電部電圧Vbは経時的に低下する。そして、蓄電部19から放電された電流Iは負荷29に供給される。なお、蓄電部19は放電されるので、負荷29への電流Iの符号は負となる。そして、負荷29への電流Iは、図8(d)に示すように、蓄電部19を放電する最大電流(下限電流−Id)まで至らない消費電流分が流れ、図8(c)に示すように、蓄電部電圧Vbが既定蓄電部電圧Vbkに至ることはない。従って、DC/DCコンバータ51は時刻t1から時刻t2までで第3優先制御を行なう。
このように、時刻t1で停電が発生する直前までは、DC/DCコンバータ51は第2優先制御(電流Iを既定電流Ikに維持する)を行っていたが、それと並行して第2優先制御の条件が外れると直ちに第3優先制御を行なうことができるように動作しているので、時刻t1で停電が発生すると、直ちに上記したようにDC/DCコンバータ51は第3優先制御を行なうことができる。その結果、DC/DCコンバータ51は特段の切り替え動作を行うことなく、時刻t1で充電から放電を行うことができる。なお、双方向インバータ17の充電から放電への切り替え動作についても実施の形態1で説明したように、特段の切り替え動作を行うことがないため、スムースな切り替えが可能となる。
次に、時刻t2で停電が復帰する。この時の状態は時刻t0から時刻t1までの状態と同じであるので、上記した時刻t0から時刻t1までの動作を行う。従って、詳細な説明を省略する。
次に、時刻t3で図8(c)に示すように蓄電部電圧Vbが既定蓄電部電圧Vbkに至る。このときの動作は実施の形態4と同様、DC/DCコンバータ51が蓄電部19を過充電させないために、第1優先制御(蓄電部電圧Vbを既定蓄電部電圧Vbkで維持)が行なわれる。
その結果、時刻t3まで行われていたDC/DCコンバータ51の第2優先制御(電流Iを既定電流Ikで維持)は、時刻t3以降で行われなくなる。これに対し、双方向インバータ17は、時刻t3までの時点で既に第1優先制御(DC/DCコンバータ側電圧Vdを第1既定DC/DCコンバータ側電圧Vdk1で維持)が行われているので、その制御を継続する。
このような動作により、蓄電部19の充放電における、実施の形態1で述べた双方向インバータ17のスムースな切り替えに加え、DC/DCコンバータ51においても、スムースな切り替えが可能となる。ゆえに、DC/DCコンバータ51を備え、かつ、電流Iの監視をDC/DCコンバータ51で行う構成の電源装置11においても、全体に蓄電部19の充放電をスムースに切り替えることが可能となる。
このスムースな充放電の切り替え動作における要点は、双方向インバータ17における第2優先制御(系統電源側電圧Viが、系統電源13の規定下限電圧Vadよりも低い所定系統電源側電圧Vikになるような制御)と、DC/DCコンバータ51における第3優先制御(DC/DCコンバータ側電圧Vdが、第1既定DC/DCコンバータ側電圧Vdk1より低い第2既定DC/DCコンバータ側電圧Vdk2になるような制御)とを行うことにある。その結果、実施の形態4で述べたように、制御部23は、いわば蓄電部19の放電時の制御をスタンバイさせている状態としている。従って、充電中に停電が発生しても、スムースに充放電が切り替えられる。
さらに、実施の形態4と同様に、双方向インバータ17の制御とDC/DCコンバータ51の制御は独立して並行に行なわれるので、高速な切り替え動作が可能となる。その結果、電源装置11は、蓄電部19の充電中に系統電源側電圧Viが低下しても、安定して負荷29へ電力を供給することができる。
なお、上記の動作説明において、系統電圧検出部32からの系統電源電圧Vsの取り込み動作や、スイッチ15の制御については、実施の形態1と同じであるので省略している。
以上の構成、動作により、実施の形態1で述べた双方向インバータ17に加え、蓄電部19を充放電するDC/DCコンバータ51を接続した構成において、制御部23による、双方向インバータ17における第1優先の動作から第2優先の動作までと、DC/DCコンバータ51における第1優先の動作から第3優先の動作(電流Iの監視を含む)までが並行して行われることにより、双方向インバータ17と同様にDC/DCコンバータ51も、特段の切り替え動作を行うことなく蓄電部19の充放電がスムースに行われる。ゆえに、蓄電部19の充電中に系統電源側電圧Viが低下しても、安定して負荷29へ電力を供給することができる電源装置11が実現できる。
なお、実施の形態4、5において、双方向インバータ17とDC/DCコンバータ51は、上記した優先順位に従って制御されるので、図7(b)、図8(b)に示すように、両者の制御対象に含まれるDC/DCコンバータ側電圧Vdが、両者から同時に制御されることはない。
また、実施の形態4、5における各種電圧値は一例であり、それらの電圧値に限定されるものではなく、電源装置11の仕様に応じて適宜変更すればよい。
(実施の形態6)
図9は、本発明の実施の形態6における電源装置のブロック回路図である。
本実施の形態6の構成において、実施の形態1〜4と同じ構成要素には同じ符号を付して説明を省略する。すなわち、本実施の形態6における特徴となる構成は、図9において、図6の構成に、制御部23と外部機器41とを電気的に接続する外部機器端子43を、さらに備えた点である。従って、実施の形態4の構成に実施の形態3の構成を組み合わせることで、本実施の形態6の構成となる。
また、本実施の形態6における特徴となる動作は次のとおりである。制御部23は、外部機器端子43から入力される外部機器41からの可変信号Kに応じて、所定系統電源側電圧Vik、既定電流Ik、既定蓄電部電圧Vbk、第1既定DC/DCコンバータ側電圧Vdk1、または第2既定DC/DCコンバータ側電圧Vdk2の少なくとも1つを設定する。
これらにより、外部機器41の可変信号Kにより、所定系統電源側電圧Vikを自在に設定できる。ここで、所定系統電源側電圧Vikは、実施の形態4で述べたように、実施の形態1の所定電圧Vakに相当するので、実施の形態3と同様に、その値を自在に設定することで、系統電源13の規格が異なる地域で電源装置11を使用する際に、極めて容易に、当該地域の電力事情に応じた所定系統電源側電圧Vikの設定が可能となる。また、既定電流Ikや既定蓄電部電圧Vbkを自在に設定することで、実施の形態3と同様に、仕様を変更した電源装置11に応じて、過電流を監視する既定電流Ikや、過電圧を監視する既定蓄電部電圧Vbkを容易に設定できる。また、第1既定DC/DCコンバータ側電圧Vdk1や第2既定DC/DCコンバータ側電圧Vdk2を自在に設定することで、双方向インバータ17とDC/DCコンバータ51の少なくとも一方の仕様を変更した電源装置11に応じて、双方向インバータ17とDC/DCコンバータ51との間の過電圧を監視する第1既定DC/DCコンバータ側電圧Vdk1や第2既定DC/DCコンバータ側電圧Vdk2を容易に設定できる。また、上記5つのパラメータの任意の複数を同時に設定することで、電源装置11の使用地域や仕様が同時に変更になった場合でも、容易に設定できる。
なお、実施の形態4で述べたように、第2既定DC/DCコンバータ側電圧Vdk2は第1既定DC/DCコンバータ側電圧Vdk1より低くなるように設定する必要がある。
以下、本実施の形態6の構成における特徴となる点を中心に詳細を述べる。
図9において、電源装置11には、制御部23、および外部機器41と電気的に接続される外部機器端子43を備える。これらは図5で説明したものと同じであるので、詳細を省略する。
上記以外の構成は図6と同じである。
次に、このような電源装置11の動作について説明する。
外部機器41からは、電源装置11を制御するための可変信号Kが出力される。この可変信号Kは、外部機器端子43を介して制御部23に入力される。可変信号Kは少なくとも所定系統電源側電圧Vik、既定電流Ik、既定蓄電部電圧Vbk、第1既定DC/DCコンバータ側電圧Vdk1、または第2既定DC/DCコンバータ側電圧Vdk2のいずれか1つの設定値を含むデータである。従って、制御部23は入力された可変信号Kに含まれる所定系統電源側電圧Vik、既定電流Ik、既定蓄電部電圧Vbk、第1既定DC/DCコンバータ側電圧Vdk1、または第2既定DC/DCコンバータ側電圧Vdk2の設定値を取り込み、所定系統電源側電圧Vik、既定電流Ik、既定蓄電部電圧Vbk、第1既定DC/DCコンバータ側電圧Vdk1、または第2既定DC/DCコンバータ側電圧Vdk2として設定する。
その結果、双方向インバータ17は、可変信号Kに所定系統電源側電圧Vikが含まれていれば、系統電源側電圧Viが、設定された所定系統電源側電圧Vikになるように制御される。また、双方向インバータ17は、可変信号Kに既定電流Ikが含まれていれば、電流Iが、設定された既定電流Ikになるように制御される。また、DC/DCコンバータ51は、可変信号Kに既定蓄電部電圧Vbkが含まれていれば、蓄電部電圧Vbが、設定された既定蓄電部電圧Vbkになるように制御される。また、双方向インバータ17は、可変信号Kに第1既定DC/DCコンバータ側電圧Vdk1が含まれていれば、DC/DCコンバータ側電圧Vdが、設定された第1既定DC/DCコンバータ側電圧Vdk1になるように制御される。また、DC/DCコンバータ51は、可変信号Kに第2既定DC/DCコンバータ側電圧Vdk2が含まれていれば、DC/DCコンバータ側電圧Vdが、設定された第2既定DC/DCコンバータ側電圧Vdk2になるように制御される。なお、これらの制御の優先順位は実施の形態4で述べたとおりである。
所定系統電源側電圧Vikは任意に可変できるので、実施の形態3で述べたように、例えば電源装置11が可搬型であれば、移動先の電力事情に応じた設定値に変更することができる。その結果、電源装置11の使用可能領域が広がり、高い汎用性を備えることができる。
また、既定電流Ikは自在に設定することができるので、実施の形態3で述べたように、双方向インバータ17や蓄電部19の仕様に応じて、過電流を監視する既定電流Ikを容易に設定できる。
また、既定蓄電部電圧Vbkは自在に設定することができるので、実施の形態3で述べたように、蓄電部19の満充電電圧の仕様が異なっても、前記仕様に応じて、過電圧を監視する既定蓄電部電圧Vbkを容易に設定できる。
また、第1既定DC/DCコンバータ側電圧Vdk1は自在に設定することができるので、例えば同じ生産ラインで、双方向インバータ17とDC/DCコンバータ51の少なくとも一方の仕様が異なるものを製造しても、その仕様に応じて、双方向インバータ17とDC/DCコンバータ51との間の過電圧を監視する、双方向インバータ17の制御用の第1既定DC/DCコンバータ側電圧Vdk1を容易に設定できる。
同様に、第2既定DC/DCコンバータ側電圧Vdk2も第1既定DC/DCコンバータ側電圧Vdk1より低い範囲で自在に設定することができるので、例えば同じ生産ラインで、双方向インバータ17とDC/DCコンバータ51の少なくとも一方の仕様が異なるものを製造しても、その仕様に応じて、双方向インバータ17とDC/DCコンバータ51との間の過電圧を監視する、DC/DCコンバータ51の制御用の第2既定DC/DCコンバータ側電圧Vdk2を容易に設定できる。
なお、これら5つのパラメータ(所定系統電源側電圧Vik、既定電流Ik、既定蓄電部電圧Vbk、第1既定DC/DCコンバータ側電圧Vdk1、第2既定DC/DCコンバータ側電圧Vdk2)は可変信号Kの中に同時に複数が含まれていてもよい。この場合は、複数のパラメータを一括して設定できる。
ここで、上記5つのパラメータの少なくとも1つを電源装置11の使用中に変更すると、設定値によっては過電流が流れたり、双方向インバータ17やDC/DCコンバータ51の動作が不安定となる可能性があるので、電源装置11の起動前に可変信号Kにより上記パラメータを変更することが望ましい。
上記以外の動作は実施の形態4と同じである。
なお、本実施の形態6では、実施の形態4の構成に外部機器41と外部機器端子43を、さらに備える構成について説明したが、実施の形態4と実施の形態5は構成が同じであるので、実施の形態5の構成に外部機器41と外部機器端子43を、さらに備える構成としてもよい。
この場合、上記5つのパラメータの内、既定電流IkはDC/DCコンバータ51に対する設定値となる。従って、DC/DCコンバータ51は、可変信号Kに既定電流Ikが含まれていれば、電流Iが、設定された既定電流Ikになるように制御される。その結果、DC/DCコンバータ51や蓄電部19の仕様に応じて、過電流を監視する既定電流Ikを容易に設定できる。
以上の構成、動作により、外部機器41の可変信号Kに応じて、所定系統電源側電圧Vik、既定電流Ik、既定蓄電部電圧Vbk、第1既定DC/DCコンバータ側電圧Vdk1、または第2既定DC/DCコンバータ側電圧Vdk2の少なくとも1つを自在に設定することができるので、系統電源13の規格が異なる地域で電源装置11を使用する際に、極めて容易に、当該地域の電力事情に応じた所定系統電源側電圧Vikの設定が可能となる電源装置11が得られる。また、電源装置11の仕様に応じて、容易に過電流、過電圧の監視設定値を変えることができ、高信頼性が得られる。
なお、本実施の形態6でも、実施の形態3で述べたように、可変信号Kにより、上記した5つのパラメータ以外の情報により、電源装置11の他の制御(例えばスイッチ15の手動オンオフ制御など)を行うようにしてもよい。
さらに、本実施の形態6でも、実施の形態3と同様に、可変信号Kを双方向通信としてもよい。この場合、外部機器41は、例えば電源装置11の各部の電流、電圧特性等を得ることで、電源装置11の異常を監視できる。
また、実施の形態1〜6において、電源装置11を系統電源13の停電時に蓄電部19から電力を供給するためのもの(無停電電源装置や非常用バックアップ電源装置)として説明したが、これらの用途に限定されるものではなく、例えば電気自動車やプラグインハイブリッド車に電源装置11を適用してもよい。この場合、電気自動車やプラグインハイブリッド車のバッテリへの充電時に、停電が発生すると、前記バッテリからの電力を直ちに家庭内の負荷へ供給することができる。