JP2014150679A - 電線保護テープおよびそれを用いたワイヤハーネスの電線保護構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】高い汎用性をもってワイヤハーネスの外装材から突出する電線の端末を保護できる、新規な構造の電線保護テープおよびそれを用いたワイヤハーネスの電線保護構造を提供すること。
【解決手段】ワイヤハーネス用の電線保護テープ10であって、伸縮テープ12と、伸縮テープ12より伸縮性の低い素材からなると共に、伸縮テープ12よりも幅寸法が小さい固定テープ14と、を含んでおり、伸縮テープ12の幅方向一方の端部16側に、固定テープ14が重ね合わされて接着されている。
【選択図】図3
【解決手段】ワイヤハーネス用の電線保護テープ10であって、伸縮テープ12と、伸縮テープ12より伸縮性の低い素材からなると共に、伸縮テープ12よりも幅寸法が小さい固定テープ14と、を含んでおり、伸縮テープ12の幅方向一方の端部16側に、固定テープ14が重ね合わされて接着されている。
【選択図】図3
Description
本発明は、自動車に配索されるワイヤハーネスの外装材から突出する電線の端末を保護する電線保護テープと、かかる電線保護テープを用いたワイヤハーネスの電線保護構造に関するものである。
従来から、自動車の内部には、バッテリーと各種電装品間を接続する多数の電線が結束されてなるワイヤハーネスが配索されている。このようなワイヤハーネスでは、他部材との干渉等による電線の損傷を防止する目的から、電線束の外周面に巻回される結束テープや、さらにその外周側に装着される合成樹脂製のコルゲートチューブ等の外装材により、各電線の保護を図ることが行われている。
ところで、ワイヤハーネスを構成する電線束の端末にコネクタが装着される場合には、略円筒形に結束された電線束の端末を、長手矩形状のコネクタ内に整列配置された端子金具にそれぞれ接続させるために、電線束の端末を略扇状に広げた状態とする必要がある。それ故、ワイヤハーネスの電線束の外周面に装着される外装材は、その終端をコネクタから所定寸法離れた位置に設定して、各電線のコネクタ接続部分に、外装材による負荷が加えられることを抑制することが行われている。
さらに、外装材の端部から略扇状に広がって突出し、コネクタに接続される領域に配索される電線群についても、露出状態とせずにシート等で電線群の外周面を覆って保護したいという要請も多い。そこで、本出願人は、特開平11−213786号公報(特許文献1)において、外装材の端部から突出され端末が扇状に広がってコネクタに接続される電線群を、特許文献1の図1(B)に示されるような扇形状を有する保護シートで覆うことを提案している。
しかしながら、このような保護シートでは、コネクタの形状や電線群の本数等により変化する電線群の扇形状に応じて、多種多様の形状の保護シートが必要となり、汎用性等の観点から、未だ改良の余地があった。
本発明は、上述の事情を背景に為されたものであって、その解決課題は、高い汎用性をもってワイヤハーネスの外装材から突出する電線の端末を保護できる、新規な構造の電線保護テープおよびそれを用いたワイヤハーネスの電線保護構造を提供することにある。
ワイヤハーネス用の電線保護テープに関する本発明の第一の態様は、ワイヤハーネス用の電線保護テープであって、伸縮テープと、前記伸縮テープより伸縮性の低い素材からなると共に、該伸縮テープよりも幅寸法が小さい固定テープと、を含んでおり、前記伸縮テープの幅方向一方の端部側に、前記固定テープが重ね合わされて接着されていることを特徴とする。
本態様によれば、電線保護テープの幅方向一方の側に、伸縮テープよりも幅寸法が小さく且つ伸縮性の小さい固定テープが接着されている。そして、電線保護テープの幅方向他方の側に、伸縮テープのみで構成された領域が設けられている。従って、ワイヤハーネスにおいて、外装材の端部から略扇状に広がって突出し、コネクタに接続される電線露呈領域に配設される電線群に対して、本発明の電線保護テープを有利に巻き付けて保護することができる。すなわち、外装材から突出する電線露呈領域の電線群において、各電線の外装材側の領域には固定テープが設けられた側を巻き付ける一方、各電線のコネクタ側の領域には主に伸縮テープで構成された側を巻き付ける。これにより、外装材から突出する電線の外装材側に固定テープが巻き付けられて、電線保護テープが電線群に対して確実に位置固定される一方、コネクタ側は伸縮テープが巻き付けられて電線の広がりが許容されるようにできるのである。それ故、本発明の電線保護テープを用いれば、電線露呈領域の電線群に過大な負荷をかけることなく、それらを好適に外周側から保護することができるのである。
しかも、本態様の電線保護テープは、長手状に連続して延びていることから、コネクタ形状や電線本数により電線露呈領域の扇形状が様々に変化する場合でも、電線露呈領域に巻き付けるテープの長さを変えるだけで、それらの形状変化に容易に対応することができる。従って、従来技術の如き扇形状に個別に切断形成した保護シートを様々に取り揃える場合に比して、飛躍的な汎用性の向上を図ることができるのである。
ここで、伸縮テープの幅寸法に対する固定テープの幅寸法の比率は、任意に設定可能である。例えば、電線露呈領域の扇形状への追従性や電線への負荷低減の観点から、固定テープの最小幅寸法は、伸縮テープの幅寸法の2/3以下、より好ましくは1/2以下が望ましい。なお、固定テープの幅寸法とは、長手方向に連続して延出する部分における幅寸法を言い、後述する第二の態様の突出部のように長手方向に不連続に設けられた部分は含まない。
ワイヤハーネス用の電線保護テープに関する本発明の第二の態様は、前記第一の態様に記載のものにおいて、前記固定テープは、前記伸縮テープの幅方向他方の端部に向かって突出する突出部を有し、該突出部は、長手方向に相互に離隔して複数設けられているものである。
本態様によれば、電線保護テープの幅方向他方の端部に突出部を設けたことにより、電線保護テープの幅方向他方の端部では、長手方向に固定テープが局在するようにされている。これにより、電線保護テープの幅方向他方の端部の伸縮性を、長手方向に設けられた固定テープの割合でもって制御することができるようになる。それ故、電線保護テープの素材を変えることなく、長手方向に設けられた固定テープの割合すなわち突出部のピッチや形状を変更することにより、非常に容易に電線保護テープの幅方向他方の端部の伸縮性を制御できる。それ故、ワイヤハーネスの外装材から突出する各電線の端末の保護に最適な電線保護テープの設計自由度が向上する。
ワイヤハーネスの電線保護構造に関する本発明の第一の態様は、多数の電線束と、該電線束の外周面に装着される外装材と、前記電線束の端末に装着されたコネクタを備えたワイヤハーネスにおいて、前記外装材の端部から略扇状に広がって突出し前記コネクタに接続される電線露呈領域に配設される電線群を保護するワイヤハーネスの電線保護構造であって、前記第一又は第二の態様に記載の電線保護テープを用い、前記電線保護テープの前記固定テープ側が、前記電線露呈領域の前記外装材側に巻き付けられている一方、前記電線保護テープの前記伸縮テープ側が、前記電線露呈領域の前記コネクタ側に巻き付けられていることを特徴とする。
本態様によれば、外装材から突出する電線露呈領域の電線群において、各電線の基端側となる外装材側の領域には固定テープが設けられた側を巻き付ける一方、各電線の先端側となるコネクタ側の領域には主に伸縮テープが設けられた側を巻き付けることができる。これにより、外装材から突出する電線の基端部側に固定テープが巻き付けられて、電線保護テープが電線群に対して確実に位置固定される一方、先端部側は伸縮テープが巻き付けられて電線の広がりが許容されるようにできるのである。それ故、本発明の電線保護テープを用いれば、電線露呈領域の電線群に過大な負荷をかけることなく、それらを好適に外周側から保護することができるのである。
しかも、本態様の電線保護テープは、長手状に連続して延びていることから、コネクタ形状や電線本数により電線露呈領域の扇形状が様々に変化する場合でも、電線露呈領域に巻き付けるテープの長さを変えるだけで、それらの形状変化に容易に対応することができる。従って、従来技術の如き扇形状に個別に切断形成した保護シートを様々に取り揃える場合に比して、飛躍的な汎用性の向上を図ることができるのである。
本発明によれば、電線保護テープの幅方向一方の側には伸縮テープよりも伸縮性の小さい固定テープが接着されている一方、幅方向他方の側は伸縮テープのみで構成される部分を含んでいる。これにより、ワイヤハーネスにおいて、外装材の端部から略扇状に広がって突出し、コネクタに接続される電線露呈領域に配設される電線群に対して、固定テープ側を外装材側に向けて本発明の電線保護テープを巻き付けるだけで、扇状の形状に添うように有利に巻き付けることができる。しかも、本発明の電線保護テープは長手状に連続して延びていることから、コネクタ形状や電線本数により電線露呈領域の扇形状が様々に変化する場合でも、電線露呈領域に巻き付けるテープの長さを変えるだけで、それらの形状変化に容易に対応することができる。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1〜2には、本発明の第一の実施形態としての電線保護テープ10が示されている。電線保護テープ10は、図1〜2に示すように、伸縮テープ12と固定テープ14とを含んで構成されている。固定テープ14は、伸縮テープ12より伸縮性の低い素材からなる一方、伸縮テープ12よりも小さな幅寸法(W2<W1)で形成されている。そして、伸縮テープ12の幅方向一方の端部16側に、固定テープ14が重ね合わされて接着された構造とされている一方、長手状に連続したベルト状部材として構成されている。なお、固定テープ14が接着されていない側の伸縮テープ12の面には、粘着剤が塗布されている。
ここで、伸縮テープ12の素材としては、固定テープ14よりも伸縮性の高い素材であれば何れも採用可能であり、例えば、モビロン(日清紡ケミカル株式会社の商品名)等の熱可塑性ポリウレタンエラストマー、その他の熱可塑性エラストマーや熱硬化性エラストマー、あるいは、テーピングテープ等の伸縮性綿布などが考えられる。一方、固定テープ14の素材としては、伸縮テープ12よりも伸縮性の低い素材であれば何れも採用可能であり、例えば、PVC(ポリ塩化ビニル)等の合成樹脂材料などが考えられる。
次に、図3に、図1〜2に示す電線保護テープ10を用いたワイヤハーネス18の電線保護構造を説明するための平面図を示す。ここで、ワイヤハーネス18は、多数の図示しない電線束と、電線束の外周面に装着される外装材であるコルゲートチューブ22と、電線束の端末に装着された長手矩形状のコネクタ24、を備えて構成されている。かかるワイヤハーネス18において、コルゲートチューブ22の端部26から略扇状に広がって突出しコネクタ24に接続される電線露呈領域28に、電線群30が配設されている。この電線露呈領域28に配設された電線群30の外周面を電線保護テープ10で保護するためには、図1に示す電線保護テープ10の固定テープ14側をコルゲートチューブ22の端部26側に一部分重ねた状態で、電線保護テープ10を電線露呈領域28の周りに巻き付けてやればよい。これにより、電線露呈領域28のうち、電線群30の広がりが少ないコルゲートチューブ22側の領域には電線保護テープ10の固定テープ14が設けられた側が巻き付けられている一方、電線群30の広がりが大きいコネクタ24側の領域には電線保護テープ10の主に伸縮テープ12で構成された側が巻き付けられた構成とすることができるのである。
これにより、コルゲートチューブ22から突出する電線群30のコルゲートチューブ22側に固定テープ14が巻き付けられて、電線保護テープ10が電線群30に対して確実に位置固定される一方、コネクタ24側は伸縮テープ12が巻き付けられて電線群30の広がりが許容されるようにできるのである。それ故、本実施形態の電線保護テープ10を用いれば、扇状の形状に添うように有利に巻き付けることができるので、電線露呈領域28の電線群30に過大な負荷をかけることなく、それらを好適に外周側から保護することができるのである。
しかも、図1に示すように、本実施形態の電線保護テープ10は、長手状に連続して延びていることから、コネクタ24の形状や電線群30の本数により電線露呈領域28の扇形状が様々に変化する場合でも、電線露呈領域28に巻き付ける電線保護テープ10の長さを変えるだけで、それらの形状変化に容易に対応することができる。従って、従来技術の如き扇形状に個別に切断形成した保護シートに様々に取り揃える場合に比して、飛躍的な汎用性の向上を図ることができるのである。
なお、伸縮テープ12の幅寸法:W1に対する固定テープ14の幅寸法:W2の比率(W2/W1)は、任意に設定可能であるが、電線露呈領域28の扇形状への追従性や電線群30への負荷低減の観点から、固定テープ14の幅寸法:W2は、伸縮テープ12の幅寸法:W1の2/3以下、より好ましくは1/2以下が望ましい。
次に、図4〜5には、本発明の第二の実施形態としての電線保護テープ32が示されている。本実施形態の電線保護テープ32において、固定テープ34は、伸縮テープ12の幅方向他方の端部36に向かって矩形形状で突出する突出部38を有する構造とされている。一方、突出部38は、電線保護テープ32の長手方向に相互に離隔して等間隔に複数設けられている。本実施形態においても、電線露呈領域28の扇形状への追従性や電線群30への負荷低減の観点から、長手方向に連続して延出する部分における固定テープ34の幅寸法:W2は、伸縮テープ12の幅寸法:W1の2/3以下、より好ましくは1/2以下とされる。なお、突出部38の形成領域における固定テープ34の幅寸法:W3は、W1以下且つW2以上の範囲で任意に設定可能とされている。
このように、本実施形態においては、電線保護テープ32の幅方向他方の端部36に突出部38を設けられていることから、電線保護テープ32の幅方向他方の端部36では、長手方向に固定テープ34が間欠的に設けられている。これにより、電線保護テープ32の幅方向他方の端部36の伸縮性を、長手方向に設けられた固定テープ34(突出部38)の割合でもって制御することができるようになる。それ故、電線保護テープ32の素材を変えることなく、長手方向に設けられた固定テープ34の割合すなわち固定テープ34の突出部38のピッチや形状を変更することにより、非常に容易に電線保護テープ32の幅方向他方の端部36の伸縮性を制御でき、図6に示すように、ワイヤハーネス18のコルゲートチューブ22から突出する電線群30の端末の保護に最適な電線保護テープ32を高い自由度をもって設計することができるのである。
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明はその具体的な記載によって限定されない。例えば、上記実施形態では、伸縮テープ12の幅方向一方の端部16において、伸縮テープ12端と固定テープ14,34端が面一とされていたが、固定テープ14,34端が伸縮テープ12端より内側に配置されていてもよい。
また、固定テープ34の突出部38の形状は任意に設定可能である。例えば、固定テープ34の突出部38の長手方向の幅寸法は、固定テープ34の幅方向他方の端部36に向かって次第に小さくされてもよい。
また、上記実施形態では、突出部38は、長手方向に相互に離隔して等間隔に複数設けられていたが、不等間隔に設けられていてもよいし、複数の突出部38の形状を相互に異なるようにしてもよい。
10,32:電線保護テープ、12:伸縮テープ、14,34:固定テープ、16:一方の端部、18:ワイヤハーネス、22:コルゲートチューブ(外装材)、24:コネクタ、26:端部、28:電線露呈領域、30:電線群、36:他方の端部、38:突出部
Claims (3)
- ワイヤハーネス用の電線保護テープであって、
伸縮テープと、
前記伸縮テープより伸縮性の低い素材からなると共に、該伸縮テープよりも幅寸法が小さい固定テープと、を含んでおり、
前記伸縮テープの幅方向一方の端部側に、前記固定テープが重ね合わされて接着されている
ことを特徴とする電線保護テープ。 - 前記固定テープは、前記伸縮テープの幅方向他方の端部に向かって突出する突出部を有し、該突出部は、長手方向に相互に離隔して複数設けられている請求項1に記載の電線保護テープ。
- 多数の電線束と、該電線束の外周面に装着される外装材と、前記電線束の端末に装着されたコネクタを備えたワイヤハーネスにおいて、前記外装材の端部から略扇状に広がって突出し前記コネクタに接続される電線露呈領域に配設される電線群を保護するワイヤハーネスの電線保護構造であって、
請求項1又は2に記載の電線保護テープを用い、
前記電線保護テープの前記固定テープ側が、前記電線露呈領域の前記外装材側に巻き付けられている一方、前記電線保護テープの前記伸縮テープ側が、前記電線露呈領域の前記コネクタ側に巻き付けられている
ことを特徴とするワイヤハーネスの電線保護構造。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2013018664A JP2014150679A (ja) | 2013-02-01 | 2013-02-01 | 電線保護テープおよびそれを用いたワイヤハーネスの電線保護構造 |
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Cited By (1)
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WO2019017185A1 (ja) * | 2017-07-19 | 2019-01-24 | 住友電装株式会社 | ワイヤハーネス |
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2013
- 2013-02-01 JP JP2013018664A patent/JP2014150679A/ja active Pending
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