JP2014142383A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】薄いトナー膜で中間転写体の表面を被覆した場合でもトナー膜の材料が移動することを回避して、高品質の画像を出力できる画像形成装置を提供する。
【解決手段】加熱ローラ53は、トナー一体化ベルト51の内側面を加圧しつつ加熱して、中間転写ベルト21に担持されたトナー像をトナーの軟化温度以上に加熱してトナー膜を形成する。冷却装置56は、トナー一体化ベルト51の内側面を加圧しつつ冷却して、トナー膜を加圧状態で冷却する。液体射出ノズルアレイ28は、トナー膜を記録材へ接合するための接合層をトナー膜に形成する。転写定着ローラ39は、トナー膜と接合剤と記録材とを一体に加圧して記録材にトナー膜を接合する。
【選択図】図1

Description

本発明は、中間転写体上でトナー像をトナー膜にした後に記録材へ転写する画像形成装置、詳しくは中間転写体上のトナー膜を、トナーのガラス変移温度以下の温度で記録材に接合させる技術に関する。
中間転写体に担持させたトナー像を記録材に重ね合わせて加熱加圧することによりトナー像を記録材に移転すると同時に画像として定着させる転写定着同時方式の画像形成装置が実用化されている。転写定着同時方式では、溶融したトナーが記録材の表面の凹部に流れ込んで画像に濃度ムラが発生する可能性があるため、中間転写体上でトナー膜を形成して記録材に転写するトナー膜転写方式が提案されている(特許文献1、2、3)。
特許文献1では、中間転写体に担持させたトナー像を加熱加圧してトナー膜を形成し、トナー膜に記録材を重ねて一体に加圧することにより、トナー膜を記録材へ熱的に接合する。特許文献2では、中間転写体に担持させたトナー像を加熱加圧してトナー膜を形成し、溶媒を塗布して接合層を形成したトナー膜に記録材を重ねて一体に加圧することにより、トナー膜を記録材へ物理的に接合する。特許文献3では、中間転写体に担持させたトナー像を加熱加圧してトナー膜を形成し、表面を加熱して接合層を形成したトナー膜に記録材を重ねて一体に加圧することにより、トナー膜を記録材へ熱的に接合する。
特開2007−003689号公報 特開2006−195429号公報 特開2005−266304号公報
特許文献1、2、3の画像形成装置では、中間転写体上に担持したトナー粒子を融合してトナー膜を形成するために、トナー像をトナーの軟化温度以上の温度に加熱している。しかし、中間転写体上のトナー膜を非加圧状態でトナーの軟化温度以上の温度に保持していると、表面張力によってトナー膜の材料が移動して粒子状に盛り上がったり、トナー膜が破れて隙間ができたりすることがある。この現象は、薄いトナー膜で中間転写体表面を被覆した場合に発生し易くなり、発生すると、記録材に定着された出力画像の品質に影響を及ぼす。
本発明は、薄いトナー膜で中間転写体の表面を被覆した場合でもトナー膜の材料が移動することを回避して、高品質の画像を出力できる画像形成装置を提供することを目的としている。
本発明の画像形成装置は、中間転写体と、画像データに応じたトナー像を形成して前記中間転写体に担持させるトナー像形成部と、前記中間転写体に担持されたトナー像を加圧状態でトナーの軟化温度以上に加熱してトナー膜を形成する加圧加熱部と、前記加圧加熱部で形成されたトナー膜を加圧状態で冷却する加圧冷却部と、トナー膜を記録材へ接合するための接合層を前記加圧冷却部で冷却された前記トナー膜と記録材とのうち少なくとも一方に形成する接合層形成部と、前記接合層形成部による前記接合層の形成後、前記トナー膜と前記接合層と記録材とをトナーのガラス転移温度以下の温度で一体に加圧して記録材に前記トナー膜を接合する加圧部と、を備えるものである。
本発明の画像形成装置は、加圧冷却部が加圧によって材料の流動を抑制した状態でトナー膜を冷却するので、その後、トナー膜の材料が移動しなくなる。したがって、薄いトナー膜で中間転写体の表面を被覆した場合でもトナー膜の材料が移動することを回避して高品質の画像を出力できる。
実施例1の画像形成装置の構成の説明図である。 中間転写ベルトの断面構成の説明図である。 冷却装置の冷却効果の説明図である。 実施例2の画像形成装置の構成の説明図である。 実施例3の画像形成装置の構成の説明図である。 中間転写ベルト上のトナー粒子の間隔の説明図である。 中間転写ベルト上のトナー粒子の側面図である。 接触角がπ/2未満の条件で中間転写ベルト上に広がったトナーの説明図である。 接触角がπ/2以上の条件で中間転写ベルト上に広がったトナーの説明図である。 トナー一体化ユニットの温度分布の説明図である。 トナーの熱可塑性エラストマーの含有量と伸び率の関係の説明図である。 熱可塑性エラストマー含有量と画像不良の関係の説明図である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
<実施例1>
図1に示すように、トナー像形成部の一例である画像形成部10Kは、画像データに応じたトナー像を形成して中間転写体の一例である中間転写ベルト21に担持させる。ベルト部材の一例であるトナー一体化ベルト51は、中間転写ベルト21との間にトナー像のニップ部を形成する。
加圧加熱部の一例である加熱ローラ53は、中間転写ベルト21に担持されたトナー像を加圧状態でトナーの軟化温度以上に加熱してトナー膜を形成する。加圧加熱手段の一例である加熱ローラ53は、トナー一体化ベルト51の内側面を加圧しつつ加熱する。
加圧冷却部及び加圧冷却手段の一例である冷却装置56は、トナー一体化ベルト51の内側面を加圧しつつ冷却して、加熱ローラ53で形成されたトナー膜を加圧状態でトナーのガラス転移温度以下に冷却する。
接合層形成部の一例である液体射出ノズルアレイ28は、トナー膜と記録材のうち少なくとも一方に、水溶性高分子と水を含む接合剤を塗布して、トナー膜を記録材へ接合するための接合層を形成する。接合剤の水溶性高分子は、トナーの結着樹脂と同一の高分子モノマーを含む。液体射出ノズルアレイ28は、画像データに応じて作動させることにより、接合剤をトナー膜の輪郭に応じた領域に塗布する。
加圧部の一例である転写定着ローラ39は、液体射出ノズルアレイ28による接合層の形成後、トナー膜と接合剤と記録材とをトナーのガラス転移温度以下の温度で一体に加圧して記録材にトナー膜を接合する。
(画像形成装置)
図1は実施例1の画像形成装置の構成の説明図である。図1に示すように、画像形成装置100は、中間転写ベルト21に沿ってイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの画像形成部10Y、10M、10C、10Kを配列したタンデム型中間転写方式のフルカラープリンタである。
画像形成部10Kでは、ブラックのトナー像を形成して中間転写ベルト21に転写する。画像形成部10Cではシアンのトナー像を形成して中間転写ベルト21に転写する。画像形成部10M、10Yでは、マゼンタトナー像、イエロートナー像を形成して中間転写ベルト21に転写する。
中間転写ベルト21に転写して重ね合わせた4色のトナー像は、トナー一体化ユニット50へ搬送されて加熱加圧後に冷却されて中間転写ベルト21上に貼り付いたトナー膜に加工される。中間転写ベルト21上のトナー膜は、液体射出ノズルアレイ(インクジェットヘッド)28を用いて接合剤を塗布された後に、転写定着ニップ部T2へ搬送される。転写定着ニップ部T2では、記録材カセット17から1枚ずつ取り出されて、レジストローラ19により送り出された記録材Pに、中間転写ベルト21上のトナー膜を重ね合せて加圧する。これにより、記録材Pに画像が定着される。
転写定着ローラ39は、不図示の加圧バネに付勢されて、二次転写内側ローラ23に支持された中間転写ベルト21の外周面に所定の加圧力で当接して転写定着ニップ部T2を形成する。転写定着ローラ39は、中間転写ベルト21に従動回転する。
中間転写ベルト21に当接させてクリーニングユニット25が付設されいる。ベルトクリーニングユニット25は、不織布のクリーニングウエブを中間転写ベルト21に摺擦して、中間転写ベルト21上の転写残トナーと残留接合剤をクリーニングする。
(画像形成部)
画像形成部10Y、10M、10C、10Kは、現像装置14で使用するトナーの色が異なるのみで同様に構成される。そのため、画像形成部10Kについて説明し、画像形成部10Y、10M、10Cに関する重複した説明を省略する。
画像形成部10Kは、感光ドラム11の周囲に、帯電ローラ12、露光装置13、現像装置14、一次転写ローラ24a、ドラムクリーニング装置16を配置している。
感光ドラム11は、アルミニウムの基体の周面に帯電極性が負極性の感光体薄膜を形成され、プロセススピード100mm/secにて回転する。帯電ローラ12は、直流電圧に交流電圧を重畳した振動電圧を印加されて感光ドラム11の周面を均一な負極性の電位に帯電させる。
露光装置13は、走査線の画像信号に応じて二値変調されたレーザービームを感光ドラム11の周面に走査して画像の静電像を形成する。現像装置14は、トナーとキャリアを含む二成分現像剤を用いて静電像を現像して、感光ドラム11にトナー像を現像する。
一次転写ローラ24aは、正極性の直流電圧を印加されて、感光ドラム11のトナー像を中間転写ベルト21に転写する。ドラムクリーニング装置16は、中間転写ベルト21にクリーニングブレードを摺擦させて、転写残トナーを回収する。
<トナー>
現像装置14には、各色のトナーとキャリアを混合した二成分現像剤が収納される。トナーの平均粒径は7μm である。各色のトナー像のトナー載り量の最大値は、8×10−3[kg/m]である。
トナーは、発色を担う顔料と粒子を形成する結着樹脂を含み、結着樹脂はポリエステル系である。トナーの軟化温度Tnは約100℃、トナーのガラス転移温度Tgは約70℃である。
トナーの結着樹脂は、通常のトナーに用いられる公知の重合体又樹脂を使用可能である。具体的には、下記の重合体又は樹脂を使用可能である。ポリスチレン、ポリ−p−クロルスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の単重合体、スチレン−p−クロルスチレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体などのスチレン系共重合体、ポリ塩化ビニル、フェノール樹脂、天然変性フェノール樹脂、天然樹脂変性マレイン酸樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリ酢酸ビニル、シリコン樹脂、ポリウレタン、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール、テルペン樹脂、クマロン−インデン樹脂、石油系樹脂などが挙げられる。
ガラス転移温度Tgは、示差走査熱量測定(DSC)の測定結果から判断できる。ガラス転移温度は、JIS K7121に準拠して測定される物性値であり、該規格に記載されている中間点ガラス転移温度を意味する。軟化温度Tnは、フローテスター(CFT−500D:島津製作所製)を用いて測定する。具体的には、測定する試料1.2gを秤量し、高さが1.0mmで直径1.0mmのダイを使用し、昇温速度4.0℃/min、予熱時間300秒、荷重5kg、測定温度範囲60〜200℃の条件で測定を行う。上記の試料がダイから1/2流出したときの温度を軟化温度Tnとする。
(中間転写ユニット)
図2は中間転写ベルトの断面構成の説明図である。図1に示すように、中間転写ユニット20は、駆動ローラ22、二次転写内側ローラ23、一次転写ローラ24a、24b、24c、24dに中間転写ベルト21を張架して構成される。中間転写ベルト21は、搬送方向と直交する方向の搬送幅が300mmである。
図2に示すように、中間転写ベルト21は、内側に厚さ100μmのPI(ポリイミド)の基層21aが配置され、基層21aの上に厚さ300μmのゴムの弾性層21bが配置され、最表面に厚さ30μmのフッ素樹脂の離型層21cが被覆される。フッ素樹脂の一例は、PFA(テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合樹脂)である。
中間転写ベルト21は、外側へ向かってばね付勢された二次転写内側ローラ23によって所定の張力を付与され、不図示の駆動モータが駆動ローラ22を回転駆動することにより、矢印R2方向に100mm/secの速度で回転する。
(トナー一体化ユニット)
トナー一体化ユニット50は、中間転写ベルト21上のトナー像に熱と圧力を付与して、トナーを溶融して一体に薄膜化する。トナー一体化ベルト51は、内側面を加圧パッド58に支持された中間転写ベルト21の外周面に圧接してトナー膜形成部Nを形成する。トナー一体化ベルト51は、30μm厚さのNi(ニッケル)基層の上に離型層として30μmのPFA(テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合樹脂)等のフッ素樹脂が被覆されている。
トナー一体化ユニット50は、平行に離隔して配置されたテンションローラ52と加熱ローラ53とにトナー一体化ベルト51を張架している。加熱ローラ53は、不図示の加圧バネによって400N(40kgf)の荷重がかけられて、トナー一体化ベルト51を加圧パッド58に向かって押圧する。テンションローラ52は、不図示の加圧バネによって100N(10kgf)の荷重がかけられて、トナー一体化ベルト51を加圧パッド58に向かって押圧する。
加熱ローラ53は、不図示の駆動モータに回転駆動されて、トナー一体化ベルト51を中間転写ベルト21と同じ方向に同じ速度で回転するように制御される。ただし、トナー一体化ベルト51は、中間転写ベルト21に従動回転してもよい。駆動モータの適用および駆動モータによるトナー一体化ベルト51の制御は、テンションローラ52に適用してもよい。
ハロゲンランプ54は、加熱ローラ53の内部に配置されて加熱ローラ53を加熱する。加熱ローラ53は、ハロゲンランプ54により加熱される。トナー一体化ベルト51は、加熱ローラ53により加熱される。トナー一体化ユニット50は、トナー一体化ベルト51が中間転写ベルト21上のトナー像を加熱/加圧して膜化する。
トナー一体化ベルト51の外周面に温度センサ55が配置されてトナー一体化ベルト51の温度を検知する。温度センサ55は、接触型サーミスタである。温度制御部111は、温度センサ55によって検知されるトナー一体化ベルト51の表面温度が160℃プラスマイナス5℃程度になるようにハロゲンランプ54の投入電力をON/OFF制御する。
(冷却装置)
図3は冷却装置の冷却効果の説明図である。図1に示すように、冷却装置56は、水冷式のヒートポンプであって、トナー一体化ベルト51を内面から冷却する。温度センサ57は、トナー一体化ベルト51の内側面の温度を検知する。温度センサ57は、接触型サーミスタである。温度制御部111は、温度センサ57によって検知されるトナー一体化ベルト51の内側面の温度が30℃プラスマイナス2℃に維持されるように、冷却装置56の出力を自動調整する。冷却装置56の温度制御の目標温度Tmは、気温以上であって、トナーのガラス転移温度Tg以下に設定される。目標温度Tmは、ここでは、30℃に設定される。
トナー像は、加熱ローラ53に加熱されたトナー一体化ベルト51に接触して軟化温度Tn以上に加熱されて溶融する。溶融したトナー像は、冷却装置56に冷却されたトナー一体化ベルト51に接触してガラス転移温度Tg以下に冷却されてトナー膜化する。
その後、テンションローラ52と中間転写ベルト21との分離位置において、トナー膜Tは、トナー一体化ベルト51から分離される。テンションローラ52の曲率により、トナー一体化ベルト51/トナー膜Tの界面には、中間転写ベルト21/トナー膜Tとの界面よりも大きな界面応力が生じるので、トナー一体化ベルト51側の界面が優先的にトナー膜Tから分離する。
図3に示すように、トナー一体化ユニット50が中間転写ベルト21に当接するニップ部Nにおける熱伝導シミュレーションを行って、中間転写ベルト21上の各位置におけるトナー像の温度を求めた。トナー像のトナー載り量は8×10−3[kg/m]である。熱伝導シミュレーションの結果、加熱領域で約120℃まで加熱され、その後冷却領域で約30℃まで冷却されていることが確認された。
図1に示すように、実施例1では、加熱領域の開始位置は、中間転写ベルト21上のトナー像がトナー一体化ベルト51に接触し始める位置である。加熱領域の終了位置は、加熱ローラ53からトナー一体化ベルト51が離間し始める位置である。加熱領域の開始位置から終了位置までがトナー加熱領域であって、その長さは4mmである。加熱領域の終了位置から冷却装置56に接する冷却領域の先頭位置までの距離は20mmである。冷却装置56に接する冷却領域の大きさは、中間転写ベルト21の搬送方向の長さ(ニップ幅)が30mmである。冷却領域の搬送方向と直交する搬送幅方向の長さは、中間転写ベルト21の搬送幅とほぼ同じ300mmである。
なお、トナーの軟化温度Tn以上に加熱した後にガラス転移温度Tg以下に冷却される条件は、図1、図3の構成及び温度には限定されない。
(液体射出ノズルアレイ)
液体射出ノズルアレイ28は、画像形成が行われる搬送幅以上の印刷範囲を有する、いわゆるインクジェットヘッドを、中間転写ベルト21上のトナー膜Tに接合剤を散布する用途に転用している。液体射出ノズルアレイ28は、中間転写ベルト21の搬送幅方向に配置されている。
制御部110は、各色の画像データが存在する領域の総和の領域を通過する液体射出ノズルアレイ28を作動させることで、トナー膜Tの範囲に限った範囲内の均一な接合剤の散布を行う。制御部110は、中間転写ベルト21に貼り付いて搬送されてくるトナー膜Tの位置と通過タイミングを算出し、液体射出ノズルアレイ28の各ノズルよりトナー膜T上に接合剤を印刷する。
実施例1では、トナー像がトナー膜Tに一体化された後に接合剤を付与するので、インクジェットによる接合剤付与時のトナー飛散や、接合剤の流動によるトナー像の乱れが生じる心配がない。
(接合剤)
接合剤は、水溶性高分子と水を含んだ液体が好ましい。水に含まれる成分は、親水性を有する材料であることが望ましい。水溶性高分子の具体例は、ポリビニルアルコール、ポリスチレンアクリル酸、ポリアクリル酸、ポリグリセリン、ポリウレタン、ポリアクリルアミドなどが挙げられる。中でもポリウレタンは、凝固した際に結着力が強く、耐水性があり、耐摩擦性が高いため好ましい。
接合剤の水溶性高分子成分は、水に分散させるために界面活性剤を用いてもよい。界面活性剤の具体例は、脂肪酸誘導体硫酸エステル、スルホン酸型、リン酸エステルなどの陰イオン(アニオン)界面活性剤、四級アンモニウム塩、複素環アミン、アミン誘導体などの陽イオン(カチオン)界面活性剤が挙げられる。また、アミノ酸エステル、アミノ酸、スルホベタインなどの両性イオン(ノニオン)界面活性剤、非イオン性界面活性剤、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン等も挙げられる。
実施例1では、ポリウレタンW−6010(三井化学社製)15重量%、ポリオキシエチルアルキルエーテル系界面活性剤ID−206(日本油脂社製)1重量%、水84重量%を混合撹拌して接合剤を作成した。接合剤の粘度(25℃)は、2.7mPa・sec(コーンアンドプレート:φ60・1°)であった。接合剤の粘度は、RE80L型粘度計(東機産業製)を用いて25℃で測定した。
水を主成分とした接合剤の場合、接合剤の塗布量は、紙がカールしない程度に抑える必要がある。具体的な付与水分量としては15g/m以下が望ましい。15重量%のウレタン樹脂水溶液を用いてトナー膜Tと記録材Pの界面に1μm厚さのウレタン樹脂層を形成する場合に必要な接合剤量は、水分量として約7g/mであるため、カールの問題は生じない。
トナーは、加熱により溶融されているので、トナー同士の接着力は十分に確保されている。一方、トナー膜Tと記録材Pの接着は、トナー膜Tと記録材Pの界面に1μm厚さのウレタン樹脂層が接着層として存在すれば十分な定着強度が得られる。
(転写定着ニップ部)
図1に示すように、中間転写ベルト21上で接合剤Lを塗布されたトナー膜Tは、転写定着ニップ部T2に給送された記録材Pに転写されると同時に定着される。
中間転写ベルト21は、弾性層を備えているため、普通紙のように凹凸のある記録材に対しても、転写定着ニップ部T2に給送された記録材Pの表面の隅々までトナー膜Tを押し付けることができ、効率よく転写同時定着を実行できる。
接合剤Lの中間転写ベルト21表面に対する接触角と記録材Pに対する接触角とを比べると、記録材Pに対する接触角の方が小さく、それに伴い接着仕事も接合剤L−記録材P間の方が大きくなる。このため、転写定着ニップ部T2で接合剤Lの液層を介してトナー膜Tと記録材Pが接することで、記録材Pが転写定着ニップ部T2を出る際には、トナー膜Tが記録材P側に移転して定着される。
(実施例1の効果)
実施例1では、中間転写ベルト21上で熱によりトナーを溶融後に冷却分離し、その後、水系の接合剤によりトナー膜T記録材へ貼付する。実施例1では、冷却装置56を付設して、膜化したトナー膜Tを速やかに冷却するため、トナー載り量が少ない場合でも、溶解したトナーが表面張力の効果で凝集してトナー膜が損なわれ難い。実施例1では、比較的に温度の低い転写定着ニップ部T2で記録材にトナー膜Tを接合するため、加熱のための電力消費が不要である。記録材によって下流側へ熱が搬送されることによる、下流側での冷却装置も不要である。
実施例1では、トナー一体化ベルト51からのトナー膜Tの分離を、ガラス転移温度Tg以下で行うため、分離後のトナー膜が再凝集して膜表面に凹凸が発生する心配が無い。このため、トナー一体化ベルト51の表面形状にならった、平滑な表面形状をもつトナー膜Tが形成される。トナー膜Tの表面の凹凸形状は、記録材との密着性に影響するので、平滑な表面形状によって高い密着性が実現する。トナー膜Tの表面の凹凸形状は、膜表面に接合剤を塗布した際に液溜まりや塗布ムラの原因になるので、平滑な表面形状によって液溜まりや塗布ムラができにくくなる。
実施例1では、水溶性高分子を含む水を主体とする接合剤を使用するので、画像形成中及び画像形成後の記録材から揮発性有機化合物(VOC)が発生しない。このため、設置環境に影響が無く、大型の空調設備や特別な排気処理装置が不要である。これに対して、溶剤系の接合剤を用いる場合、溶媒が蒸発する際に揮発性有機化合物(VOC)が発生し、その対策を行うには、大がかりな揮発性有機化合物除去装置が必要になる。また、トナーを膨潤や溶融させる接合剤を用いる場合、トナー膜厚が薄い場合に膜全体に接合剤が作用して溶解したトナーの表面張力により膜状態が損なわれ易くなる。このため、記録材の表面を薄く覆うような画像に隙間やムラができて出力画像の品質が低下する。
実施例1では、トナー膜Tを溶解したり膨潤させたりしない接合剤を用いるので、幅広い温度範囲で、トナー膜Tの深さ方向の性質に影響を及ぼすことなく、トナー膜Tの表面にのみ粘着性を持たせることができる。これに対して、溶剤系の接合剤を用いる場合、深さ方向のどこまで粘着層になるのか予想が付かないという問題がある。
実施例1では、接合剤を用いてトナー膜Tを記録材に接合(貼付)するので、熱的な接合を行う場合のように、転写定着ニップ部T2の直前でトナー膜Tを再加熱する必要が無い。トナー膜Tを再加熱することによってトナー膜Tに亀裂が生じたり、波打ったりする心配も無い。トナー載り量が少ない場合でもトナー膜Tを損なうことなく必要な接合強度を確保できる。急速加熱のための大がかりな加熱装置も不要である。トナーの色によってハロゲンランプ光の吸収率が異なり、色によってトナー膜Tの加熱状態がばらついてしまう心配も無い。
<実施例2>
図7に示すように、トナーの平均粒径をD[m]とし、トナー粒子の真密度をρ[kg/m]とし 、トナー融点における前記中間転写体上のトナー接触角をθ[rad]とし、トナー載り量の最大値をM[kg/m]とする。このとき、0<θ≦π/2であれば、後述する(10)式の関係を満たす。しかし、π≧θ>π/2であれば、後述する(11)式の関係を満たす。
図4は実施例2の画像形成装置の構成の説明図である。実施例1では、転写定着ローラ39を用いて転写定着ニップ部T2を形成する画像形成装置100を説明したが、実施例2では、転写定着ベルト31を用いて転写定着ニップ部T2を形成する画像形成装置100Aを説明する。それ以外の部分について、実施例2は実施例1と同一であるため、図4中、実施例1と同一の構成には図1と同一の符号を付して重複する説明を省略する。
図4に示すように、実施例2では、転写定着ニップ部T2の加圧側に転写定着ユニット30を用いる。
転写定着ユニット30は、転写定着ベルト31、回転軸としての転写定着ベルトテンションローラ32、33を含んでいる。転写定着ベルト31は、平行に離間配置される転写定着ベルトテンションローラ32、33に張架されて、中間転写ベルト21に従動回転する。転写定着ベルトテンションローラ32、33は、図示しない加圧バネ等の付勢手段により所定の押圧力でそれぞれ駆動ローラ22と二次転写内側ローラ23とに押圧されている。
以上のような構成でも、実施例1と同様な効果が得られ、転写定着ニップが形成されればその加圧部材の形に限定されるものはない。
<実施例3>
図5は実施例3の画像形成装置の構成の説明図である。実施例1では、中間転写ベルト21に対向させて液体射出ノズルアレイ28を配置してトナー膜Tに接合剤を塗布した。これに対して、実施例3の画像形成装置100Bは、転写定着ニップ部T2に記録材を給送する記録材給送部に液体射出ノズルアレイ28を配置して記録材に接合剤を塗布する。それ以外の部分について、実施例3は実施例1と同一であるため、図5中、実施例1と同一の構成には図1と同一の符号を付して重複する説明を省略する。
図5に示すように、加圧部の一例である転写定着ローラ39は、トナー膜を接合するための接合層が予め形成された記録材と冷却装置56で冷却されたトナー膜とをトナーのガラス転移温度以下の温度で一体に加圧して記録材にトナー膜を接合させる。
液体射出ノズルアレイ28による接合剤の塗布位置がトナー膜Tの転写前の記録材P上に配置されている。制御部110は、画像データに基づいて、記録材Pとトナー膜Tが圧接される位置を算出し、該位置に向けて記録材P表面へ接合剤Lを付与する。その後、転写定着ニップ部T2にて、接合剤Lを介してトナー膜Tと記録材Pとが圧接され、記録材Pにトナー膜Tが貼付される。実施例2で説明したように、図5の加圧側の機構は、転写定着ニップ部T2が形成されれば、加圧部材は、ローラ部材には限定されず、ベルト部材を用いてもよい。
<実施例4>
図6は中間転写ベルト上のトナー粒子の間隔の説明図である。図7は中間転写ベルト上のトナー粒子の側面図である。図8は接触角がπ/2未満の条件で中間転写ベルト上に広がったトナーの説明図である。図9は接触角がπ/2以上の条件で中間転写ベルト上に広がったトナーの説明図である。図10はトナー一体化ユニットの温度分布の説明図である。
記録材の表面がトナー膜によって隙間なく覆われた画像をここでは、便宜上、ベタ画像と呼ぶ。ベタ画像は、溶融したトナー粒子間に隙間のない膜状態でトナーを記録材上に定着させて形成される。各色の画像において、少ないトナー載り量で所定の反射濃度を得るためには、少なくとも濃度階調の最高値(例えば255/255)において、ベタ画像を形成して記録材の下地を見えなくすることが好ましい。
トナー載り量が十分多い場合、トナー粒子間はトナーで満たされるため、加圧が無くても加熱だけで、溶融したトナー同士が密着して隙間の無いトナー膜を実現できる。しかし、近年では、環境問題に起因する省資源化を背景にトナー使用量削減が重要な課題となっており、等しい反射濃度を、少ないトナー載り量で実現することが求められている。しかし、トナー載り量を少なくすると、トナーを加熱するだけでは、溶融したトナー間に隙間ができて記録材が露出して、定着画像の反射濃度が低下する。
したがって、画像形成装置100において、濃度階調の最高値を少ないトナー載り量で実現しようとすると、加熱ローラ53によってトナーを加圧状態で加熱して、溶融したトナーの面積を押し広げて、溶融したトナー粒子の隙間を埋める必要がある。
ここで、加熱ローラ53の加圧力を増せば、潰れたトナーによる記録材の被覆面積は増える。しかし、人間の視認限界は約20μmであり、潰れた1個のトナー粒子の大きさが20μmよりも大きくなると、出力画像のハーフトーン領域における粒状感が悪化して視覚的な画像品質が低下する。出力画像の低濃度ハーフトーン領域では、潰れた1個のトナー粒子とトナー粒子の隙間の記録材とで画像の反射濃度を出しているからである。したがって、画像形成部10Kで形成されるトナー像のトナー載り量の最大値は、潰れたトナー粒子の直径が20μmに達する下限値と、圧を加えなくても溶けたトナーが隙間なく中間転写ベルトを被覆する上限値との間に定めることが好ましい。
図6に示すように、中間転写ベルト21上にトナー粒子が1層以下の比較的トナー載り量が少ない状態で付着している場合、トナー粒子間に隙間が生じる。このとき、トナー載り量をM[kg/m]、トナー一粒の平均体積をV[m]、トナーの真密度をρ[kg/m]とすると、トナー一粒が占める平均面積S[m]は、次式となる。
Figure 2014142383
ベタ画像を形成する際には、中間転写体上のトナーが上記Sを超えた面積に広がることが必要である。最初に、熱のみにより中間転写ベルト上で広がるトナーの面積について説明する。
図7に示すように、中間転写ベルト21上に未溶融のトナー粒子が存在し、加熱によって図8に示すように溶融して被覆面積が拡大したとする。
トナーの平均粒径をD[μm]とすると、トナーの体積V[m]は次式であらわされる。
Figure 2014142383
図8に示すように、溶融したトナーは、中間転写ベルト21と接触角θで接し、球の一部と一致するように帽子型の形状になる。該球を仮想球とよぶことにし、仮想球の半径をR[m]とすれば、溶融後のトナー体積V[m]は次式となる。
Figure 2014142383
式(2)と式(3)は等しいため、仮想球の半径R[m]は、次式となる。
Figure 2014142383
すなわち、図8に示すように、接触角が0<θ≦π/2となる場合(いわゆる浸漬ぬれの状態)では、溶融後のトナー粒子が中間転写ベルト21上を被覆する面積S[m]は次式となる。
Figure 2014142383
これに対して、温度が低い場合や中間転写ベルト21と溶融トナーのぬれ性が悪い場合、図9に示すように、接触角θは、π/2を超えてしまう(いわゆる付着ぬれの状態)。この場合、図8の場合よりも溶融後のトナー粒子が中間転写ベルト21上を被覆する面積S2[m]は小さくなる。溶融後トナーの中間転写ベルト21に対する投影部は仮想球中心をとおる断面部であるため、面積S[m]は、次式となる。
Figure 2014142383
以上の関係より、中間転写ベルト21に対するトナー溶融後の投影面積SまたはSが、トナー初期配置においてトナー一粒が占める平均面積Sよりも小さい場合においては、トナー同士が密着せず膜化しないことになる。
したがって、接触角が0<θ≦π/2の場合、次式の条件では、熱のみでトナーが膜化せず、加圧が必要な条件となる。
Figure 2014142383
また、接触角がπ/2<θの場合、次式の条件では、熱のみでトナーが膜化せず、加圧が必要な条件となる。
Figure 2014142383
式(7)または式(8)の範囲においてトナー像を形成する場合であっても、ベタ画像よりも濃度の低い階調の画像部分はトナー間に隙間の存在する孤立した状態になり、最低でもベタ画像を作るために必要な平均面積S以上の面積に孤立トナーは広がる。
しかし、トナー載り量がある量より少ない場合においては、孤立トナーのドット径が視認限界の20μm以上になると好ましくない。孤立トナーが加圧により変形して専有する面積は、最少でもトナー間の隙間を埋めるために必要な平均面積S[m]以上になる。このため、孤立トナー1ドットの直径Dd[m]を20μm以下にするためには、トナー載り量M[kg/m]を次式で規定される範囲に設定する必要がある。
Figure 2014142383
確認のため、D=7μm、ρ=1.2×10kg/m、θ=88°の条件で、トナー載り量M[kg/m]とトナー膜化の関係を実験した。その結果、M=3×10−3[kg/m]ではトナー間に隙間が残り、M=4×10−3[kg/m]ではトナー膜化した。
0<θ≦π/2であるので式(7)を用いると、トナーが膜化する最低載り量はM=3.4×10−3[kg/m]となり、見積もりと一致する。また、粒状感を悪化させないための最低限のトナー載り量はM=4.3×10−3[kg/m]以上である。
図1に示すように、実施例1と同様に、中間転写ベルト21上にトナー像が形成される。トナーは、D=7μm、ρ=1.2×10kg/m、M=3×10−3[kg/m]であり、加熱後の中間転写ベルト21との接触角はθ=88°である。
上述したように、この条件では、加熱のみではトナーは膜状にならないので、トナー膜化するために加圧が必要である。中間転写ベルト21上に形成されたトナー像をトナー膜化するために、トナー一体化ユニット50により加熱、加圧される。
そこで、トナー載り量がM=3×10−3[kg/m]の条件で熱伝導シミュレーションを行って、中間転写ベルト21上の各位置のトナーの温度を求めた。図3に示した熱伝導シミュレーションとトナー載り量が異なるが、トナーの温度としては、ほぼ同じ結果が得られた。
図10に示すように、トナー一体化ユニット50と中間転写ベルト21により形成されるニップ部において、トナーは加熱領域で約120℃まで加熱され、その後、冷却領域で約30℃まで冷却されている。
その後、トナー一体化ベルトテンションローラ52と中間転写ベルト21との分離位置において、膜化したトナー膜Tは、トナー一体化ベルト51から分離される。その後は、実施例1と同様に、トナー膜T上に接合剤が付与され、転写定着ニップ部T2にて記録材Pへとトナー膜Tが転写定着される。
なお、トナー一体化ベルト51の表面温度は、トナーの軟化温度Tn以上に加熱されればよく、また冷却装置56の温度は、トナーのガラス転移温度Tg以下に設定されればよいので、図10の温度の組み合わせに限られるものではない。
実施例4の画像形成装置では、低濃度のハーフトーン画像の粒状感を悪化させることなく、少ないトナー載り量で各色画像の必要な反射濃度を確保できる。
<実施例5>
図1に示すように、画像形成部10Kは、熱可塑性エラストマーと結着樹脂とを少なくとも部分的な固溶状態で含有するトナーを用いてトナー像を形成する。熱可塑性エラストマーは、結着樹脂に対して20%以上100%以下の割合で含有される。記録剤表面の法線方向の投影面積に対する、投影面積の記録材表面の凹凸面積の総和の比率を凹凸面積率とする。このとき、転写定着ニップ部T2でのトナー膜の温度におけるトナー膜の面積伸び率は、凹凸面積率よりも大きい。このため、トナー膜が破れることなく凹凸の隅々まで追従する。
(記録材の凹凸面積率)
光沢紙やコート紙のように表面の平滑性が高い記録材Pの場合、トナー膜Tは、膜として転写定着されて良好な画像が得られる。しかし、非塗工紙、ラフ紙、再生紙のように表面の凹凸が大きな記録材の場合、中間転写ベルト21の弾性層が追従できても、トナー膜が追従できず割れてしまって画像不良が生じ易くなる。トナー膜が記録材の表面の凹凸に追従できない場合、記録材の凹部にトナーが十分に接触できないので、記録材とトナー膜との間に十分な付着力が得られず、トナー膜が浮き上がった部分が発生する。記録材の表面の凹部にあたる部分でトナー膜が割れて画像品質が低下する。
したがって、トナー膜を壊すことなく記録材Pの凹凸に追従させて密着を保つためには、トナー膜は、記録材の(単位面積に含まれる凹凸の面積の合計)/(単位面積)の比率に相当する以上の面積伸び率を有する必要がある。特に、トナー膜をガラス転移温度Tg以下に冷却してから記録剤に転写定着する場合、熱によるトナー膜の軟化と凹凸面への追従を期待できないため、ガラス転移温度Tg以下で伸び率の大きなトナー膜を用いる必要がある。
凹凸面積率は(株)菱化システム製のmicromapで測定した表面形状データから、micromap専用の解析ソフトウェアSX−Viewerにて算出することができる。比較的平滑な表面を有する記録材(型番CS814)と、相対的に大きな凹凸表面を有する記録材(型番FoxRiverBond)の凹凸面積率を測定したところ、前者の凹凸面積率は1.07であり、後者の凹凸面積率は1.59であった。一般に市販されている記録材の凹凸面積率は1.05〜1.6程度である。
(熱可塑性エラストマーの含有量)
図11はトナーの熱可塑性エラストマーの含有量と伸び率の関係の説明図である。結着樹脂と熱可塑性エラストマーを含有するトナーを使用した場合、トナー膜に高い伸び率を付与できることが実験により確認された。伸び率の測定は、引張試験で行った。トナーを熱プレスで板状に成型し、20mm×2mm×0.8mmの試験片を作製した。この試験片の一端を土台に固定し、もう一端を一定軸方向に可動な引張りユニットに固定し、50mm/secの速度で試験片を25℃で引張った。試験片はある引張り距離になると破断する。試験片破断時の引張り距離を、引張り前の試験片長さに対する割合に換算したものをトナー伸び率と定義した。トナー伸び率は一軸方向の伸び率である。
図11に示すように、トナー伸び率は、熱可塑性エラストマーの含有量を増やすほど高くなる。また、トナー膜に高い伸び率を付与するには、結着樹脂と熱可塑性エラストマーが相互に固溶(相溶)していることが好ましく、結着樹脂と熱可塑性エラストマーが相溶していない場合はトナー伸び率が低くなる。前者においては、熱可塑性エラストマーの含有量が20質量部以上になると伸び特性が発現し始め、伸び率が急上昇する。60質量部で200%までトナー伸び率が上昇することが確認された。トナー伸び率200%は、凹凸面積率が1.05〜1.6の記録材に対する伸び率として必要要件を満足する。定着画像へかかる外乱や凹凸面積率の誤差を鑑みると、トナー伸び率としては少なくとも80%以上であれば十分である。
実施例5では、熱可塑性エラストマーと結着樹脂とを含有するトナーを用いるので、熱可塑性エラストマーを含有しないトナーに比較して、形成されたトナー膜の伸び率が飛躍的に増加する。このため、記録材の凹凸面積率が大きい場合でも、トナー膜を維持して、トナー膜を破壊することなく転写定着することができる。大きなトナー伸び率を有するトナーを用いることで、トナー膜は割れることなく、記録材の表面の凹凸に追従することができる。本発明で用いるトナーは、任意のトナーを使用することができるが、出力画像の画質を確保する点で、記録材Pの凹凸面積率よりも大きな伸び率を有していることが好ましい。
(結着樹脂の種類)
結着樹脂としては、トナーに通常用いられる公知の重合体又樹脂を使用することが可能である。具体的には、下記の重合体又は樹脂を用いることが可能である。ポリスチレン、ポリ−p−クロルスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の単重合体が挙げられる。スチレン−p−クロルスチレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体が挙げられる。スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体が挙げられる。スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体などのスチレン系共重合体が挙げられる。ポリ塩化ビニル、フェノール樹脂、天然変性フェノール樹脂、天然樹脂変性マレイン酸樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリ酢酸ビニル、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂が挙げられる。ポリウレタン、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール、テルペン樹脂、クマロン−インデン樹脂、石油系樹脂が挙げられる。これらの中でも、低分子量でも強度に優れ、熱可塑性エラストマーとの相溶性に優れるポリエステル樹脂について好結果が得られた。
(結着樹脂の酸価)
結着樹脂は、樹脂骨格中にカルボン酸基、スルホン酸基、アミノ基といったイオン性基を有していることが好ましく、カルボン酸基を有していることがより好ましい。酸価として、3〜35mgKOH/gが好ましく、8〜25mgKOH/gがより好ましい。酸価とは、試料1g中に含有されている遊離脂肪酸、樹脂酸などを中和するのに要する水酸化カリウムのmg数である。測定方法は、JIS−K0070に準じ測定する。酸価が35mgKOH/gを超える場合は、低湿環境下でのチャージアップが顕著になる傾向にある、一方、酸価が3mgKOH/g未満では、帯電性が低くなり、トナー用途には不向きである。
(結着樹脂のガラス転移温度)
結着樹脂と熱可塑性エラストマーの相溶性は、示差走査熱量測定(DSC)によるトナーのガラス転移温度Tgの測定結果から判断できる。相溶していない場合、結着樹脂のガラス転移温度Tgが変化せずに、結着樹脂のガラス転移温度Tgと熱可塑性エラストマーのガラス転移温度Tgが独立に検出されるからである。上述したように、ガラス転移温度Tgは、JIS K7121に準拠して測定される物性値であり、該規格に記載されている中間点ガラス転移温度を意味する。
実施例5で用いるトナーにおいて、結着樹脂は、熱可塑性エラストマーと相溶させるために、通常のトナーよりもガラス転移温度Tgを高くし、60℃以上にすることが好ましい。熱可塑性エラストマーのガラス転移温度Tgは、室温以下であるので、相溶させることにより、結着樹脂のTgが低下する。そのために結着樹脂のTgが60℃未満であると、保管状態でトナーが塊になる、いわゆるブロッキングが発生し易くなる。
(結着樹脂の軟化温度)
結着樹脂の軟化温度(Tm)は、70℃以上110℃以下であることが好ましく、80℃以上110℃以下であることがより好ましく、80℃以上100℃以下が最も好ましい。
軟化温度(Tm)が70℃未満であると耐ブロッキング性が弱く、離形剤を含有していても高い耐オフセット性は望めなくなってしまう。さらに、定着時の温度が高い場合に、トナー溶融成分の記録材への染込みが顕著になり、出力画像の表面平滑性が損なわれてしまう。一方、軟化温度(Tm)が110℃より大きいと定着性が悪化する。
なお、軟化温度(Tm)は、フローテスター(CFT−500D:島津製作所製)を用いて測定する。具体的には、測定する試料1.2gを秤量し、高さが1.0mmで直径1.0mmのダイを使用し、昇温速度4.0℃/min、予熱時間300秒、荷重5kg、測定温度範囲60〜200℃の条件で測定を行う。上記の試料が1/2流出したときの温度を軟化温度とする。
(熱可塑性エラストマーの種類)
実施例5における熱可塑性エラストマーは、特に限定されず、公知の熱可塑性エラストマーを使用できる。熱可塑性エラストマーとは、加熱することにより流動性を有し、常温ではゴム状弾性を有する樹脂であって、室温における伸び率が100%以上のものを言う。
熱可塑性エラストマーは、スチレン系熱可塑性エラストマー、オレフィン系熱可塑性エラストマー、塩ビ系熱可塑性エラストマー、ポリブタジエン系熱可塑性エラストマー、ウレタン系熱可塑性エラストマーなどを使用することができる。ウレタン系の水溶性高分子を含む接合剤が使用される場合、特にウレタン系熱可塑性エラストマーを使用することが好ましい。接合剤との親和性が増してトナー膜が記録材に強固に接合されるようになり、折り曲げを繰り返してもトナー膜が損なわれにくくなることが実験により確認されている。ウレタン系熱可塑性エラストマーとしては、エステル型ウレタン系熱可塑性エラストマー、エーテル型ウレタン系熱可塑性エラストマーなどが挙げられる。
エステル型ウレタン系熱可塑性エラストマーは、下記一般式(2)で表される構造を有するものである。
(−O−R’−OCO−NH−R−NHCO−)n ・・・(2)
R’:ポリエステル
具体的には、アジピン酸やテレフタル酸などの多価カルボン酸と多価アルコールの重縮合によって得られるポリエステルとジイソシアネートの重付加反応で製造されるものが例示できる。
エーテル型ウレタン系熱可塑性エラストマーは、下記一般式(3)で表される構造を有するものである。
(−O−R’−OCO−NH−R−NHCO−)n ・・・(3)
R’:ポリエーテル
具体的には、ポリオキシプロピレングリコール(PPG)やポリオキシテトラメチレングリコール(PTMG)など二官能ポリエーテルとジイソシアネートを反応させて製造されるものが例示できる。
例えば、結着樹脂にポリエステル樹脂を使用する場合、ポリエステル樹脂との相溶性の観点から、熱可塑性エラストマーとして、エステル型ウレタン系熱可塑性エラストマーを選択するとよい。このように、結着樹脂と熱可塑性エラストマーとの相溶性を考慮して、結着樹脂と熱可塑性エラストマーの組み合わせを適宜選択すればよい。
(熱可塑性エラストマーの軟化温度)
本発明において、熱可塑性エラストマーの軟化温度(Tm)は結着樹脂の軟化温度(Tm)以下であることが好ましい。熱可塑性エラストマーの軟化温度が、結着樹脂の軟化温度より高いと、定着過程においてトナー中の結着樹脂のみが先に融解し、定着物の折り曲げ耐性が低下する傾向となる。また、熱可塑性エラストマーの軟化温度は、60℃以上、結着樹脂の軟化温度以下であることがより好ましい。熱可塑性エラストマーの軟化温度が60℃未満の場合は耐ブロッキング性が低下する傾向になる。
(熱可塑性エラストマーの融点)
本発明において、熱可塑性エラストマーの融点は40℃以上120℃以下であることが好ましく、50℃以上100℃以下であることがより好ましい。熱可塑性エラストマーの融点が40℃未満の場合、トナーを保存する環境によってはブロッキングが発生し易くなる。一方、熱可塑性エラストマーの融点が120℃を超える場合は、低温定着性が低下する傾向にある。
本発明において、熱可塑性エラストマーの伸び率は100%以上であるが、300%以上であることがより好ましい。また、熱可塑性エラストマーの重量平均分子量は50000以上であることが好ましい。重量平均分子量が50000より小さい場合は、定着物へ柔軟性を付与する性能が低下し、出力された画像の折り曲げ耐性が低下する傾向になる。
(トナーの色材、離型材)
トナーは、必要に応じて色材を含有する。色材としては、公知の有機顔料または油性染料、カーボンブラック、磁性粉体などが挙げられる。これらの色材は、単独または混合して、さらには固溶体の状態で用いることができる。トナーが含有する色材は、色相角、彩度、明度、耐光性、OHP透明性、トナーへの分散性の点から選択される。シアン、マゼンタ、イエロー、又は黒色系色の含有量は、結着樹脂と熱可塑性エラストマーの合計100質量部に対して1質量部以上、20質量部未満であることが好ましい。1質量部未満であると、発色が不十分となる場合がある。20質量部を超えるとトナー粒子に内包されなくなる色材が増加する傾向にある。
シアン系の色材の例には、銅フタロシアニン化合物及びその誘導体、アントラキノン化合物、塩基染料レーキ化合物等が含まれる。マゼンタ系色材の例には、縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アントラキノン、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、ペリレン化合物などが含まれる。イエロー系色材の例には、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アントラキノン化合物、アゾ金属錯体、メチン化合物、アリルアミド化合物に代表される化合物などが含まれる。ブラック系色材の例には、カーボンブラック、磁性粉体、あるいは、イエロー、マゼンタ、及びシアン色材を用い黒色に調色されたものが挙げられる。
(トナーの離型剤)
トナーは、必要に応じて離形材を含有する。離型剤としては、例えば、ポリエチレン等の低分子量ポリオレフィン類、加熱により融点(軟化点)を有するシリコーン類、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、ステアリン酸アミド等の脂肪酸アミド類、ステアリン酸ステアリル等のエステルワックス類、カルナバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、木ロウ、ホホバ油等の植物系ワックス、ミツロウ等の動物系ワックス、モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス、エステルワックス等の鉱物・石油系ワックス、及びそれらの変性物などが挙げられる。
離型剤は、その融点が150.0℃以下のものが好ましく、40.0℃以上130.0℃以下のものがより好ましく、40.0℃以上110.0℃以下であるものが特に好ましい。離型剤は、結着樹脂と熱可塑性エラストマーの合計100質量部に対して10質量部以上、20質量部以下で使用することが好ましい。
(トナーの製造方法)
トナーは、公知の製造法で製造することができる。具体的には、混練粉砕法、溶解懸濁法、懸濁重合法、乳化凝集法などを用いて製造することができる。しかし、実施例5では、結着樹脂と熱可塑性エラストマーの相溶性を制御し易いという理由で、乳化凝集法を用いた。
(比較実験)
図12は熱可塑性エラストマー含有量と画像不良の関係の説明図である。熱可塑性エラストマーの含有量を異ならせて、乳化凝集法による3種類のトナーを製造し、図1の画像形成装置を用いて、凹凸表面率が約1.5の記録材Pに対して画像形成を行った。3種類のトナーで、出力画像の画質、定着性について比較した。出力画像を顕微鏡観察して、観察結果に基づいて記録材の凹凸の断面におけるトナー膜の被覆状態を作図した。トナー伸び率は、上述したように引張試験で求めた(図11)。
トナーA:熱可塑性エラストマー含有量0質量部 (トナー伸び率0%)
トナーB:熱可塑性エラストマー含有量35質量部(トナー伸び率20%)
トナーC:熱可塑性エラストマー含有量45質量部(トナー伸び率100%)
図12の(b)に示すように、トナーAを用いた場合、トナー膜は転写定着時に大きく破壊され、割れたトナー膜の間から紙が透けてしまい画像不良が生じた。
図12の(c)に示すように、トナーBを用いた場合、トナーAよりはトナー膜割れによる画像不良の程度は良化した。しかし、凹凸の多い部分では依然トナー膜が割れてしまい画像不良が生じた。
図12の(d)に示すように、トナーCを用いた場合、トナー膜のトナー伸び率が記録材Pの凹凸面積率よりも大きいので、転写定着時にトナー膜が割れることがなく、良好な画質の定着画像が得られた。
P 記録材、T トナー、L 接合剤
10Y、10M、10C、10K 画像形成部
11Y、11M、11C、11K 感光ドラム
12Y、12M、12C、12K 帯電ローラ
13Y、13M、13C、13K 露光装置
14Y、14M、14C、14K 現像装置
20 中間転写ユニット、21 中間転写ベルト
22 駆動ローラ、23 二次転写内側ローラ
24 一次転写ローラ、25 ベルトクリーニング装置
28 液体射出ノズルアレイ、30 転写定着ユニット
31 転写定着ベルト、39 転写定着ローラ
50 トナー一体化ユニット、51 トナー一体化ベルト
52 テンションローラ、53 加熱ローラ
54 ハロゲンランプ、55、57 温度センサ
56 冷却装置、58 加圧パッド

Claims (11)

  1. 中間転写体と、
    画像データに応じたトナー像を形成して前記中間転写体に担持させるトナー像形成部と、
    前記中間転写体に担持されたトナー像を加圧状態でトナーの軟化温度以上に加熱してトナー膜を形成する加圧加熱部と、
    前記加圧加熱部で形成されたトナー膜を加圧状態で冷却する加圧冷却部と、
    トナー膜を記録材へ接合するための接合層を前記加圧冷却部で冷却された前記トナー膜と記録材とのうち少なくとも一方に形成する接合層形成部と、
    前記接合層形成部による前記接合層の形成後、前記トナー膜と前記接合層と記録材とをトナーのガラス転移温度以下の温度で一体に加圧して記録材に前記トナー膜を接合する加圧部と、を備えることを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記接合層形成部は、水溶性高分子と水を含む接合剤を塗布することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記接合剤の水溶性高分子は、トナーの結着樹脂と同一の高分子モノマーを含むことを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
  4. 前記接合層形成部は、液体射出ノズルアレイを有し、前記画像データに応じて前記液体射出ノズルアレイを作動させることにより、前記接合剤を前記トナー膜の輪郭に応じた領域に塗布することを特徴とする請求項2又は3に記載の画像形成装置。
  5. 前記中間転写体は、記録材の表面の凹凸に追従するための弾性層を有し、
    前記トナー像形成部は、熱可塑性エラストマーと結着樹脂とを固溶状態で含有するトナーを用いてトナー像を形成することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  6. 前記熱可塑性エラストマーは、前記結着樹脂に対して20%以上100%以下の割合で含有することを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
  7. 記録剤表面の法線方向の投影面積に対する、前記投影面積の記録材表面の凹凸面積の総和の比率を凹凸面積率とした場合に、前記トナー膜と前記接合層と記録材とを一体に加圧して記録材に前記トナー膜を接合する際の前記加圧部でのトナー膜の温度における前記トナー膜の面積伸び率は、前記凹凸面積率よりも大きいことを特徴とする請求項5又は6に記載の画像形成装置。
  8. 前記中間転写体との間にトナー像のニップ部を形成するベルト部材を有し、
    前記加圧加熱部は、前記ベルト部材の内側面を加圧しつつ加熱する加圧加熱手段を有し、
    前記加圧冷却部は、前記ベルト部材の内側面を加圧しつつ冷却する加圧冷却手段を有することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  9. 中間転写体と、
    画像データに応じたトナー像を形成して前記中間転写体に担持させるトナー像形成部と、
    前記中間転写体に担持されたトナー像を加圧状態でトナーの軟化温度以上に加熱してトナー膜を形成する加圧加熱部と、
    前記加圧加熱部で形成されたトナー膜を加圧状態でトナーのガラス転移温度以下に冷却する加圧冷却部と、
    前記トナー膜を接合するための接合層が予め形成された記録材と前記加圧冷却部で冷却されたトナー膜とをトナーのガラス転移温度以下の温度で一体に加圧して記録材に前記トナー膜を接合する加圧部と、を備えることを特徴とする画像形成装置。
  10. トナーの平均粒径をD[m]とし、トナー粒子の真密度をρ[kg/m]とし、トナー融点における前記中間転写体上のトナー接触角をθ[rad]とし、トナー載り量の最大値をM[kg/m]とするとき、以下の関係を満たすことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の画像形成装置。
    0<θ≦π/2
    Figure 2014142383
  11. トナーの平均粒径をD[m]とし、トナー粒子の真密度をρ[kg/m]とし、トナー融点における前記中間転写体上のトナー接触角をθ[rad]とし、トナー載り量の最大値をM[kg/m]とするとき、以下の関係を満たすことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の画像形成装置。
    π≧θ>π/2
    Figure 2014142383
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