JP2014136306A - 板状物の加工方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 切削装置に特別な改造を加えることなく簡単な方法により金属膜のバリや剥離が発生する恐れを低減可能な加工方法を提供することである。
【解決手段】 複数の切削予定ラインと該切削予定ライン上に形成され表面から裏面に貫通した複数のスルーホールとを備え、該各スルーホールの内壁に金属膜が形成された板状物の加工方法であって、支持部材上に複数のスルーホールを有する板状物を載置する載置ステップと、該載置ステップを実施した後、該各スルーホール中に液体を充填するとともに該液体を凍結させて板状物を該支持部材上に固定する固定ステップと、該固定ステップを実施した後、凍結した該液体の融点より低い温度の雰囲気中で、該支持部材上に固定された板状物を切削ブレードで切削予定ラインに沿って切削する切削ステップと、を備えたことを特徴とする。
【選択図】図5
【解決手段】 複数の切削予定ラインと該切削予定ライン上に形成され表面から裏面に貫通した複数のスルーホールとを備え、該各スルーホールの内壁に金属膜が形成された板状物の加工方法であって、支持部材上に複数のスルーホールを有する板状物を載置する載置ステップと、該載置ステップを実施した後、該各スルーホール中に液体を充填するとともに該液体を凍結させて板状物を該支持部材上に固定する固定ステップと、該固定ステップを実施した後、凍結した該液体の融点より低い温度の雰囲気中で、該支持部材上に固定された板状物を切削ブレードで切削予定ラインに沿って切削する切削ステップと、を備えたことを特徴とする。
【選択図】図5
Description
本発明は、複数の切削予定ラインと切削予定ライン上に形成された複数のスルーホールとを備え、少なくとも切削予定ライン上に延性材を有する板状物の加工方法に関する。
例えば、プリント基板等においては、内部に金属膜を有する複数のスルーホール(ビアホール)が形成され、このスルーホールを半分に切断することで、外部との接続の際の電極端子となる側面スルーホールを形成する場合がある。
ところが、このように切削予定ライン上に形成されたスルーホールを切削ブレードで切断すると、延性材である金属膜は切削ブレードの被加工物に対する相対的な移動に伴って切削方向で引きずられる。
スルーホールは内部が空洞となっているため、金属膜のバリがスルーホール内部で発生し、ひどい場合にはスルーホールが潰れる恐れがある他、金属層が剥離する恐れもある。金属膜のバリや剥離が発生すると、電極として接触不良を引き起こすため、問題となる。
この問題を解決する一つの手段として、特開2007−125667号公報には、プリント基板を切断してデバイスチップに個片化する際、切断加工領域内に基板に高圧水を噴射してバリ取りを行うノズルを備えた高圧水噴射ユニットを配置した基板の切断装置が開示されている。
特許文献1に開示された基板の切断装置では、切断加工領域内に基板に高圧水を噴射してバリ取りを行うノズルを備えた高圧水噴射ユニットを配置して切断後の金属のバリを除去しているため、高圧水噴射ユニットを備えた特別な切断装置が必要であり、装置が高価なものとなる。
従って、一般的な構成の切削装置を使用して、内部に金属膜を有する複数のスルーホールが形成されたプリント基板を切削してスルーホールを半分に切断した際に、金属膜のバリの発生を抑制可能な加工方法が要望されている。
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、切削装置に特別な改造を加えることなく簡単な方法により金属膜のバリや剥離が発生する恐れを低減可能な加工方法を提供することである。
本発明によると、複数の切削予定ラインと該切削予定ライン上に形成され表面から裏面に貫通した複数のスルーホールとを備え、該各スルーホールの内壁に金属膜が形成された板状物の加工方法であって、支持部材上に複数のスルーホールを有する板状物を載置する載置ステップと、該載置ステップを実施した後、該各スルーホール中に液体を充填するとともに該液体を凍結させて板状物を該支持部材上に固定する固定ステップと、該固定ステップを実施した後、凍結した該液体の融点より低い温度の雰囲気中で、該支持部材上に固定された板状物を切削ブレードで切削予定ラインに沿って切削する切削ステップと、を備えたことを特徴とする板状物の加工方法が提供される。
本発明の加工方法では、スルーホール内に純水等の液体を充填し、充填した液体を凍結させ、液体が凍結した状態で切削を遂行する。スルーホール内部に凍結した液体が存在するため、切削時にスルーホール内部は空洞とはなっていない。従って、延性材である金属膜が切削方向で引きずられることが抑制され、金属膜がスルーホール内部に伸長したり、金属膜の剥離が発生する恐れを低減できる。
以下、本発明の実施形態を図面を参照して詳細に説明する。図1を参照すると、本発明の加工方法が適用可能な板状被加工物の一種であるプリント基板2の斜視図が示されている。
プリント基板2はその表面に格子状に形成された複数の切削予定ライン4と、各切削予定ライン4上に形成されたプリント基板の表面から裏面に貫通した複数のスルーホール6とを備えている。
各スルーホール6の内壁には銅等の金属膜が形成されている。格子状に形成された切削予定ライン4で区画された領域8はチップ搭載領域であり、チップ搭載領域8に搭載されたデバイスチップの電極とスルーホール6とが電気的に接続される。
本発明の加工方法では、まず、図2に示すように、支持部材10上に複数のスルーホール6を有するプリント基板2を載置する載置ステップを実施する。支持部材10は、好ましくは基板2と同材質からなる樹脂板を使用するが、アルミニウム等の金属板を使用するようにしてもよい。
載置ステップの第2実施形態として、図3に示すように、支持部材として粘着テープ12を使用するようにしてもよい。粘着テープ12は、基材12a上に粘着層12bが形成されており、プリント基板2を粘着テープ12上に載置して粘着層12bで固定する。
図2に示した第1実施形態の載置ステップを実施した後、図4に示すように、プリント基板2の上方に配置したノズル14から純水16を滴下して、プリント基板2のスルーホール6内に純水16を充填する。全てのスルーホール6内に純水16が充填されるようにノズル14と支持部材10とを水平方向に相対移動するのが好ましい。
このように各スルーホール6内に純水16が充填されると、純水16はスルーホール6の下端から漏れて支持部材10の表面上を濡らすことになる。好ましくは、載置ステップを実施する前に、純水を支持部材10の表面上に供給し、次いでプリント基板2を支持部材10上に載置する載置ステップを実施する。
その後、プリント基板2の各スルーホール6内をノズル14から滴下した純水16で充填する。このようにすると、支持部材10の表面とプリント基板2の下面との間に純水10が確実に存在することになる。尚、ノズル14から滴下する液体は純水に限定されるものではなく、市水等の他の液体でもよい。
次いで、支持部材10上に載置されたプリント基板2を純水16の凝固点以下の雰囲気にさらし、純水16を凝固させてスルーホール6内を氷20で塞ぐようにする。これと同時に、支持部材10とプリント基板2との間の純水も凍るため、プリント基板2を支持部材10上に固定することができる(固定ステップ)。スルーホール6内に充填された純水を凝固点以下にさらす方法としては、例えば支持部材10上に搭載されたプリント基板2を冷凍庫内に入れる方法が考えられる。
尚、図3に示した支持部材として粘着テープ12を使用した場合には、載置ステップと固定ステップが同時に達成されるため、支持部材10とプリント基板2との界面の氷でプリント基板を支持部材10上に固定する方法に比べて、より確実な固定を達成することができ、この場合には、スルーホール6内に充填した純水16を凍らせてスルーホール6内を氷20で塞ぐだけでよい。
固定ステップを実施した後、凍結された液体の融点より低い温度の雰囲気中で、支持部材10上に固定されたプリント基板2を切削ブレードで切削予定ライン4に沿って切削する切削ステップを実施する。
即ち、充填された液体が純水の場合には、氷点下以下の雰囲気中で、図5に示すように、図示しない切削装置のチャックテーブルで支持部材10を吸引保持し、切削ブレード18を矢印A方向に高速で回転させながら支持部材10まで薄く切り込み、チャックテーブルを矢印X1方向に加工送りしながらプリント基板2を切削予定ライン4に沿って切削する。
矢印X2は切削方向である。プリント基板2の切削は切削水を供給しながら実施するが、雰囲気が氷点下以下に維持されているため、切削水には不凍液を混入して切削水の凍結を防止する必要がある。
この切削時には、スルーホール6内が氷20で塞がれているため、延性材である金属膜7が切削方向で引きずられることが抑制され、金属膜7のバリや剥離が発生する恐れを低減することができる。
図6を参照すると、切削完了後氷20が溶けた状態のプリント基板2の一部拡大斜視図が示されている。スルーホール6の内壁に形成された金属膜7はバリを発生することなく綺麗に切断されている。金属膜7はチップ搭載領域8に形成されたランド22に接続されている。
上述した実施形態では、本発明の加工方法をプリント基板2に適用した例について説明したが、被加工物はプリント基板2に限定されるものではなく、切削予定ライン上にスルーホールを有するその他の板状物にも本発明の加工方法は同様に適用可能である。
2 プリント基板
4 切削予定ライン
6 スルーホール
7 金属膜
8 チップ搭載領域
10 支持部材
12 粘着テープ
16 純水
18 切削ブレード
20 氷
4 切削予定ライン
6 スルーホール
7 金属膜
8 チップ搭載領域
10 支持部材
12 粘着テープ
16 純水
18 切削ブレード
20 氷
Claims (2)
- 複数の切削予定ラインと該切削予定ライン上に形成され表面から裏面に貫通した複数のスルーホールとを備え、該各スルーホールの内壁に金属膜が形成された板状物の加工方法であって、
支持部材上に複数のスルーホールを有する板状物を載置する載置ステップと、
該載置ステップを実施した後、該各スルーホール中に液体を充填するとともに該液体を凍結させて板状物を該支持部材上に固定する固定ステップと、
該固定ステップを実施した後、凍結した該液体の融点より低い温度の雰囲気中で、該支持部材上に固定された板状物を切削ブレードで切削予定ラインに沿って切削する切削ステップと、
を備えたことを特徴とする板状物の加工方法。 - 前記支持部材は、基材と該基材上に形成された粘着層とからなる粘着テープから構成される請求項1記載の板状物の加工方法。
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Citations (5)
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JPH0348443A (ja) * | 1989-06-23 | 1991-03-01 | Nec Kansai Ltd | 半導体ウェーハ切断方法 |
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US20080280423A1 (en) * | 2007-05-11 | 2008-11-13 | William Jeffery Reeder | Chilled wafer dicing |
JP2012104607A (ja) * | 2010-11-09 | 2012-05-31 | Tokyo Seimitsu Co Ltd | ワークのダイシング装置及びワークのダイシング方法 |
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2013
- 2013-01-18 JP JP2013007712A patent/JP2014136306A/ja active Pending
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