JP2014125445A - 農薬組成物 - Google Patents

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JP2014125445A
JP2014125445A JP2012282428A JP2012282428A JP2014125445A JP 2014125445 A JP2014125445 A JP 2014125445A JP 2012282428 A JP2012282428 A JP 2012282428A JP 2012282428 A JP2012282428 A JP 2012282428A JP 2014125445 A JP2014125445 A JP 2014125445A
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Tatsunori Tamura
辰仙 田村
Masaki Inoue
雅喜 井上
Masatoshi Kamei
昌敏 亀井
Katsuhiko Yamaguchi
雄彦 山口
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Abstract

【課題】水ベースの形態であっても配合安定性に優れ、農薬の湿展性が良好で、農薬の効力が効果的に発現する農薬組成物を提供する。
【解決手段】特定のエトキシレート型化合物、特定のポリオキシエチレン脂肪酸エステル、特定のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、特定の(ポリ)グリセリン脂肪酸エステル、及び特定のアルキルサッカライドから選ばれる一種以上の化合物(A)、プロピレンオキシ基を含む特定のアルコキシレート化合物又は特定の脂肪族アルコール(B)、特定のアミン型界面活性剤(C)、特定の農薬原体(D)、並びに水を、特定条件で含有する農薬組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、農薬組成物に関する。
従来、農薬の効果を十分に引き出すために、農薬含有組成物に各種界面活性剤が利用されている。農薬の効果発現には、対象物への湿展性(濡れ広がりやすさ)は重要な因子の一つである。例えば、農薬の葉面散布において、農薬の湿展性を向上させるために様々な工夫がなされている。しかし、特に疎水性の葉面において顕著であるが、液滴が充分に濡れ広がらない事により、農薬の効果が十分に発揮されない場合があった。このような背景から、特許文献1には、農薬の湿展性を向上させ、農薬の効果を効果的に増強できる農薬用効力増強剤及び農薬組成物が開示されている。
特開2012−72110号公報
特許文献1の農薬用効力増強剤は、水ベースの農薬組成物として応用しようとした場合、農薬組成物の配合安定性が低下する傾向があることが判明した。特許文献1の農薬用効力増強剤は、農薬の湿展性の向上に非常に優れた効果を奏するものであり、剤型の相違による配合安定性の相違を解消することが望まれる。
本発明は、水ベースの形態であっても配合安定性に優れ、農薬の湿展性が良好で、農薬の効力が効果的に発現する農薬組成物を提供するものである。
本発明は、
下記(A1)〜(A5)から選ばれる一種以上の化合物(A)〔以下、化合物(A)という〕0.5質量%以上、10.0質量%以下、
下記(B1)〜(B2)から選ばれる一種以上の化合物(B)〔以下、化合物(B)という〕0.5質量%以上、10.0質量%以下、
下記(C1)から選ばれる一種以上の化合物(C)〔以下、化合物(C)という〕1.0質量%以上、10.0質量%以下、
殺菌剤、殺虫剤、殺ダニ剤及び除草剤から選択される農薬の農薬原体(D)、〔以下、農薬原体(D)という〕、並びに、水を含有し、
化合物(A)の含有量と化合物(B)含有量との質量比が、〔化合物(A)の含有量〕/〔化合物(B)の含有量〕で0.1以上、10以下であり、
化合物(A)の含有量と化合物(B)の含有量と、化合物(C)の含有量との質量比が、〔化合物(A)の含有量+化合物(B)の含有量〕/〔化合物(C)の含有量〕で0.5以上、5以下である、
農薬組成物に関するものである。
<化合物(A)>
(A1):下記一般式(A1)で示される化合物〔以下、化合物(A1)という〕
1aO−(EO)l−R2a (A1)
(式中、R1aは炭素数10以上、16以下の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を示し、EOはエチレンオキシ基を示し、lはエチレンオキシ基の平均付加モル数であり、3以上、40以下の数を示し、R2aは水素原子又はメチル基を示す。)
(A2):ポリオキシエチレン脂肪酸エステル(ただし、脂肪酸の炭素数は8以上、16以下であり、エチレンオキシドの平均付加モル数は5以上、40以下である。)〔以下、化合物(A2)という〕
(A3):ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(ただし、脂肪酸の炭素数は8以上、16以下であり、エチレンオキシドの平均付加モル数は5以上、40以下である。)〔以下、化合物(A3)という〕
(A4):(ポリ)グリセリン脂肪酸エステル(ただし、脂肪酸の炭素数は8以上、16以下であり、グリセリンの平均縮合度は1以上、3以下である。)〔以下、化合物(A4)という〕
(A5):下記一般式(A5)で示されるアルキルサッカライド〔以下、化合物(A5)という〕
3a−O−(G)p (A5)
(式中、R3aは炭素数8以上、16以下のアルキル基、Gは炭素数5又は6の還元糖を示し、pは1以上、10以下の数を示す。)
<化合物(B)>
(B1):下記一般式(B1)で示される化合物
1b−O−[(PO)m/(EO)n]−R2b (B1)
(式中、R1bは炭素数6以上、12以下の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を示し、POはプロピレンオキシ基を示し、EOはエチレンオキシ基を示し、m、nはそれぞれ、プロピレンオキシ基、エチレンオキシ基の平均付加モル数であり、mは1以上、25以下の数、nは0以上、4以下の数を示し、R2bは水素原子又はメチル基を示す。“/”はPOとEOの配列がランダムでもブロックでもよいことを意味する。)
(B2):下記一般式(B2)で示される脂肪族アルコール
3b−OH (B2)
(式中、R3bは炭素数8以下、14以下の直鎖又は分岐鎖のアルキル基を示す。)
<化合物(C)>
(C1):下記一般式(C1)で示される化合物及びその酸塩から選ばれる化合物
Figure 2014125445
(式中、R1cは炭素数8以上、14以下の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基であり、Aはアルキレン基であり、s及びtは、それぞれ、1分子あたりのオキシアルキレン基の平均数であり、s+tが1以上、30以下となる数であり、R2c及びR3cは、互いに同一又は相異なって、それぞれ水素原子又はアシル基である。)
また、本発明は、上記本発明の農薬組成物から調製した農薬散布液を植物に散布する、植物の栽培方法に関する。
本発明によれば、水ベースの形態であっても配合安定性に優れ、農薬の湿展性が良好で、農薬の効力が効果的に発現する農薬組成物が提供される。
本発明の農薬組成物は、化合物(A)と化合物(B)とを含有する。化合物(A)と化合物(B)とを併用することにより、農薬の湿展性(濡れ広がりやすさ)が向上する理由は明らかではないが、液滴と葉の界面に吸着し界面張力を低下させる化合物(B)と、液滴自体の表面張力を低下させる化合物(A)とが、構造的に類似することで相互作用を及ぼしあい、飛躍的に農薬の湿展性が向上するものと推定している。そして、これらに化合物(C)を所定条件で組み合わせることで、水に対する化合物(A)、化合物(B)の分散性、溶解性が向上し、水ベースの農薬組成物の配合安定性が向上するものと推察される。化合物(C)の効果は、本発明で特定された範囲の構造において発現するものであり、一般式(C1)に類する他の構造の化合物や、他の界面活性剤では、配合安定性の向上効果は十分ではない。これは予想外の効果である。
<化合物(A)>
本発明の農薬組成物は、湿展性向上及び農薬の効力増強の観点から、下記(A1)〜(A5)から選ばれる一種以上の化合物(A)を含有する。下記化合物(A1)〜(A5)のうち、湿展性向上及び農薬の効力増強の観点から、(A1)、(A4)及び(A5)から選ばれる一種以上の化合物が好ましく、(A1)及び(A5)から選ばれる一種以上の化合物がより好ましく、(A1)から選ばれる一種以上の化合物が更に好ましい。
化合物(A1)は下記一般式(A1)で表される。
1aO−(EO)l−R2a (A1)
一般式(A1)において、R1aは、湿展性向上及び農薬の効力増強の観点から、炭素数(ここで言う炭素数は単独または平均炭素数)10以上、16以下の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基であり、好ましくは炭素数10以上、14以下の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基であり、より好ましくは炭素数10以上、12以下の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基であり、更に好ましくは炭素数12の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基であり、更により好ましくは炭素数12の直鎖アルキル基である。また、lは、エチレンオキシ基(EO)の平均付加モル数であり、湿展性を向上し、農薬の効力を増強する観点から、3以上、40以下の数である。湿展性を向上し、農薬の効力を増強する観点から、lは、4以上、更に5以上が好ましく、そして、30以下、更に25以下、更に20以下、更に15以下、更に12以下、更に10以下が好ましい。また、R2aは、湿展性向上及び農薬の効力増強の観点から、水素原子又はメチル基であり、好ましくは水素原子である。
化合物(A2)は、ポリオキシエチレン脂肪酸エステルである。化合物(A2)では、湿展性向上及び農薬の効力増強の観点から、脂肪酸の炭素数は8以上、16以下である。湿展性向上及び農薬の効力増強の観点から、脂肪酸の炭素数は、10以上が好ましく、そして、14以下、更に12以下が好ましい。化合物(A2)における脂肪酸は直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を有するものが好ましく、直鎖のアルキル基がより好ましい。化合物(A2)における脂肪酸としては、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸等が挙げられる。また、化合物(A2)では、湿展性向上及び農薬の効力増強の観点から、エチレンオキシドの平均付加モル数は5以上、40以下であり、6以上が好ましく、そして、20以下、更に15以下が好ましい。また、エステルはモノエステルが好ましい。
化合物(A3)は、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルである。化合物(A3)では、湿展性向上及び農薬の効力増強の観点から、脂肪酸の炭素数は8以上、16以下である。湿展性向上及び農薬の効力増強の観点から、脂肪酸の炭素数は、10以上、そして、14以下が好ましい。化合物(A3)における脂肪酸は直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を有するものが好ましく、直鎖のアルキル基がより好ましい。化合物(A3)における脂肪酸としては、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸等が挙げられる。また、化合物(A3)では、湿展性向上及び農薬の効力増強の観点から、エチレンオキシドの平均付加モル数は5以上、40以下であり、6以上が好ましく、そして、20以下、更に15以下が好ましい。また、エステル化度は1が好ましい。
化合物(A4)は、(ポリ)グリセリン脂肪酸エステルである。ここで、「(ポリ)グリセリン」は、「グリセリン又はポリグリセリン」の意味である。化合物(A4)では、湿展性向上及び農薬の効力増強の観点から、脂肪酸の炭素数は8以上、16以下である。湿展性向上及び農薬の効力増強の観点から、脂肪酸の炭素数は、10以上が好ましく、そして、12以下が好ましく、12が更に好ましい。化合物(A4)における脂肪酸は直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を有するものが好ましく、直鎖のアルキル基がより好ましい。化合物(A4)における脂肪酸としては、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸等が挙げられる。また、化合物(A4)では、湿展性向上及び農薬の効力増強の観点から、グリセリンの平均縮合度は1以上、3以下であり、好ましくは1以上、そして、2以下、より好ましくは2である。
化合物(A5)は、下記一般式(A5)で示されるアルキルサッカライドである。
3a−O−(G)p (A5)
式中、R3aは、湿展性向上及び農薬の効力増強の観点から、炭素数8以上、16以下のアルキル基であり、好ましくは炭素数10以上、そして、14以下のアルキル基である。Gは、炭素数5又は6の還元糖、例えばリボース、アラビノース、キシロース、アロース、アルトロース、グルコース、マンノース、フルクトース、グロース、イドース、ガラクトース、タロース等を示し、好ましくはグルコース、マンノース、フルクトース、ガラクトース、より好ましくはグルコースである。pは湿展性向上及び農薬の効力増強の観点から、1以上、10以下、好ましくは1以上、5以下の数を示す。
<化合物(B)>
本発明の農薬組成物は、湿展性向上及び農薬の効力増強の観点から、下記(B1)〜(B2)から選ばれる一種以上の化合物(B)を含有する。化合物(B1)、(B2)のうち、湿展性向上及び農薬の効力増強の観点から、(B1)から選ばれる一種以上の化合物が好ましい。
<化合物(B1)>
化合物(B1)は、下記一般式(B1)で表される。
1b−O−[(PO)m/(EO)n]−R2b (B1)
一般式(B1)において、R1bは、湿展性向上及び農薬の効力増強の観点から、炭素数6以上、12以下の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基である。湿展性向上及び農薬の効力増強の観点から、R1bは、炭素数8以上、そして、12以下、更に10以下の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基が好ましく、炭素数8以上、10以下の直鎖アルキル基がより好ましい。また、mは、プロピレンオキシ基(PO)の平均付加モル数であり、湿展性向上び農薬の効力増強の観点から、1以上、25以下の数である。湿展性向上び農薬の効力増強の観点から、mは、2以上が好ましく、そして、20以下、更に18以下、更に16以下、更に12以下、更に10以下が好ましい。また、nは、エチレンオキシ基(EO)の平均付加モル数であり、湿展性向上及び農薬の効力増強の観点から、0以上、4以下の数である。湿展性向上及び農薬の効力増強の観点から、nは、3以下、更に2以下、更に1以下が好ましく、0がより好ましい。また、化合物(B1)は、湿展性向上及び農薬の効力増強の観点から、一般式(B1)中のmと、m及びnの合計との比が、m/(m+n)で、0.5以上、更に0.6以上、更に0.7以上、更に0.8以上、更に0.9以上であることが好ましく、そして、1.0以下であることが好ましく、1.0であることがより好ましい。また、R2bは、湿展性向上及び農薬の効力増強の観点から、水素原子又はメチル基であり、好ましくは水素原子である。また、化合物(B)において、POとEOが共存する場合、POとEOの配列は、湿展性向上及び農薬の効力増強の観点から、ブロック配列であることが好ましく、R1bO−にPO・EOの順にブロック配列していることが更に好ましい。
<化合物(B2)>
化合物(B2)は、下記一般式(B2)で示される。
3b−OH (B2)
一般式(B2)においてR3bは、湿展性向上及び農薬の効力増強の観点から、炭素数8以上、14以下の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基である。湿展性向上及び農薬の効力増強の観点から、R3bは、炭素数8以上、12以下の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基が好ましく、より好ましくは炭素数10以上、12以下、さらに好ましくは、炭素数10の直鎖のアルキル基である。
<化合物(C)>
本発明の農薬組成物は、農薬組成物の配合安定性、湿展性向上及び農薬の効力増強の観点から、化合物(C)を含有する。化合物(C)は、下記一般式(C1)で示される化合物及びその酸塩から選ばれる化合物である。
Figure 2014125445
(式中、R1cは炭素数8以上、14以下の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基であり、Aはアルキレン基であり、s及びtは、それぞれ、1分子あたりのオキシアルキレン基の平均数であり、s+tが1以上、30以下となる数であり、R2c及びR3cは、互いに同一又は相異なって、それぞれ水素原子又はアシル基である。)
一般式(C1)中、農薬組成物の配合安定性、湿展性向上及び農薬の効力増強の観点から、R1cは炭素数8以上、14以下の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基である。農薬組成物の配合安定性、湿展性向上及び農薬の効力増強の観点から、R1cは炭素数10以上、そして、14以下、更に12以下の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基が好ましく、炭素数12の直鎖アルキル基がより好ましい。また、Aはアルキレン基であり、炭素数1以上、更に2以上、そして、4以下、更に3以下のアルキレン基が好ましい。s及びtは、それぞれ、1分子あたりのオキシアルキレン基の平均数であり、s+tが1以上、30以下となる数である。配合安定性、湿展性向上及び農薬の効力増強の観点から、s+tは2以上、更に3以上が好ましく、そして、20以下、更に10以下が好ましい。R2c及びR3cは、互いに同一又は相異なって、それぞれ水素原子又はアシル基である。アシル基は、炭素数1以上、2以上、そして、4以下、更に3以下が好ましい。R2c及びR3cは、それぞれ、水素原子であることが好ましい。
一般式(C1)で示される化合物は、酸塩の形態で農薬組成物中に存在していてもよい。
<農薬原体(D)>
農薬原体(D)は、殺菌剤、殺虫剤、殺ダニ剤及び除草剤、各々の有効成分から選択される何れかの農薬原体である。ここで、農薬原体とは農薬の有効成分である化合物をいう。本発明の農薬組成物に用いられる農薬原体の例を挙げる。
本発明では、水ベースの農薬組成物であっても配合安定性に優れるため、農薬原体(D)として、水溶性農薬原体及び水分散性農薬原体から選ばれる農薬原体を用いることができる。ここで、農薬原体(D)について、「水溶性」とは、水べースの農薬組成物中で容易に溶解、可溶化でき、安定であることをいう。また、農薬原体(D)について、「水分散性」とは、水ベースの農薬組成物中で容易に分散、あるいは乳化でき、安定であるこという。
殺菌剤としては、硫黄系のジネブ(亜鉛エチレンビスジチオカーバメート)、マンネブ(マンガンエチレンビスジチオカーバメート)、チウラム(ビス(ジメチルチオカルバモイル)ジスルファイド)、マンゼブ (亜鉛イオン配位マンガニーズエチレンビスジチオカーバメート)、イプロジオン(3−(3,5−ジクロロフェニル) −N −イソプロピル−2,4 −ジオキソイミダゾリジン−1−カルボキサミド)、プロシミドン(N−(3,5−ジクロロフェニル)−1,2 −ジメチルシクロプロパン−1,2 −ジカルボキシイミド) 、他にトリアジン(2,4−ジクロロ−6− (2−クロロアニリノ) −1,3,5 −トリアジン)、トリフミゾール( (E)−4−クロロ−α,α,α−トリフルオロ−N − (1−イミダゾール−1−イル−2−プロポキシエチリダン) −o−トルイジン)、有機銅(Oxine-copper)、水酸化第二銅(コサイドボルドー等)、抗生物質系殺菌剤(ストレプトマイシン系、テトラサイクリン系、ポリオキシ系、ブラストサイジンS、カスガマイシン系、バリダマイシン系)、トリアジメホン (1− (4−クロロフェノキシ)−3,3 −ジメチル−1−(1,2,4−トリアゾール−1−イル)−2−ブタノン)、ホセチル(アルミニウム=トリス(エチル=ホスナート))等があり、好適なものとしては、有機銅(Oxine-copper)、水酸化第二銅、トリフミゾール( (E)−4−クロロ−α,α,α−トリフルオロ−N − (1−イミダゾール−1−イル−2−プロポキシエチリダン) −o−トルイジン),イプロジオン(3−(3,5−ジクロロフェニル) −N −イソプロピル−2,4 −ジオキソイミダゾリジン−1−カルボキサミド)が挙げられる。
殺虫剤の場合、ピレスロイド系殺虫剤としては、ペルメトリン((3-フェノキシベンジル=(1RS,3RS)-(1RS,3RS)-3-(2,2- ジクロロビニル)-2,2-ジメチルシクロプロパンカルボキシラート) 、シベルメトリン((RS)-α-シアノ-3-フェノキシベンジル=(1RS,3RS)-(1RS,3RS)-3-(2,2- ジクロロビニル)-2,2-ジメチルシクロプロパンカルボキシラート) 、有機リン系殺虫剤としては、CYAP(O,O-ジメチル-O-p- シアノフェニル=チオホスフェート)、DMTP(O,O-ジメチル-S[ 5-メトキシ-1,3,4- チアジアゾル−2(3H)オニル-(3)- メチル] ジチオホスフェート)、DDVP( ジメチル 2,2−ジクロルビニルホスフェート)、スミチオン(MEP) (O,O−ジメチル−O −(3−メチル−4−ニトロフェニル) チオフォスフェート) 、マラソン(S−〔1,2,−ビス (エトキシカルボニル)エチル〕ジメチルホスホロチオールチオネート)、カーバメート系殺虫剤としては、バッサ(O-sec- ブチルフェニルメチルカーバメート)、MTMC(m−トリルメチルカーバメート)、メオパール(3,4−ジメチルフェニル−N −メチルカーバメート)、NAC(1−ナフチル−N −メチルカーバメート) 、メソミル(S メチル−N 〔(メチルカルバモイル)オキシ〕チオアセトイミド)、カルタップ(1,3−ビス(カルバモイルチオ)−2−(N,N−ジメチルアミノ)プロパンハイドロクロライド)等があり、好適なものとしては、ペルメトリン、DDVP( ジメチル 2,2−ジクロルビニルホスフェート)、メソミル(S メチル−N 〔(メチルカルバモイル)オキシ〕チオアセトイミド)が挙げられる。
更に、天然系殺虫剤としては、除虫菊由来のピレトリン剤、ピペロニルブトキシド剤、マメ科のかん木デリス由来のロテノン剤、ニコチン剤(3−(1−メチル−2−ピルロリジニル)ピリジンサルフェート)等が挙げられる。昆虫成長制御剤(IGR剤)としては、ジフルベンズロン(1−(4クロロフェニル)−3−(2,6 −ジフルオロベンゾイル)尿素)、テフルベンズロン(1−(3,5 −ジクロロ−2,4 −ジフルオロフェニル)−3−(2,6 −ジフルオロベンゾイル)尿素)、クロルフルアズロン(1−〔3,5 −ジクロロ−4−(3−クロロ−5−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)フェニル〕−3−(2,6 −ジフルオロベンゾイル)尿素、ブプロフェジン(2−ターシャリーブチルイミノ−3−イソプロピル−5−フェニル−3,4,5,6 −テトラヒドロ−2H−1,3,5 −チアジアジン−4−オン)、フェノキシカルブ(エチル−2−(4−フェノキシフェノキシ)エチルカルバマート)等が挙げられる。
また殺ダニ剤としては、CPCBS(パラクロロフェニルパラクロロベンゼンスルホネート) 、フェニソブロモレート(4,4'-ジブロムベンジル酸イソプロピル)、テトラジホン(2,4,5,4'-テトラクロロジフェニルスルホン) 、フェノチオカルブ(S-4- フェノキシブチル=ジメチルチオカーバメート)、フェンピロキシメート(tert−ブチル=(E)-α-(1,3-ジメチル-5- フェノキシピラゾール-4- イルメチレンアミノオキシ)-p-トルアート) 、クロルマイト(イソプロピル−4,4 −ジクロルベンジレエート)、アミトラスズ(3−メチル−1,5−ビス(2,4−キシリル)−1,3,5 −トリアザペンタ−1,4 −ジエン)等があり、好適なものとしては、フェニソブロモレート(4,4'-ジブロムベンジル酸イソプロピル)、アミトラスズ(3−メチル−1,5−ビス(2,4−キシリル)−1,3,5 −トリアザペンタ−1,4 −ジエン)、フェンピロキシメート(tert−ブチル=(E)-α-(1,3-ジメチル-5- フェノキシピラゾール-4- イルメチレンアミノオキシ)-p-トルアート) が挙げられる。
除草剤としては、酸アミド系除草剤として、例えばスタム(3,4−ジクロルプロピオンアニリド、DCPA)、アラクロール(2−クロロ−2',6' −ジエチル−N −(メトキシメチル)アセトアニリド)等が挙げられる。尿素系除草剤として、例えば、DCMU(3−(3,4−ジクロロフェニル)−1,1 −ジメチルウレア)、リニュロン(3−(3,4−ジクロロフェニル)−1−メトキシ−1−メチルウレア)等が挙げられる。ビピリジリウム系除草剤としては、例えばパラコート(1,1'−ジメチル-4,4'-ビピリジウムジクロライド)、ジクワット(6,7-ジヒドロジピリド[1,2-a:2',1'c]ピラジンディウムジブロマイド)等が挙げられる。ダイアジン系除草剤としては、例えばブロマシル(5−ブロモ -3-sec-ブチル−6−メチルウラシル)等が挙げられる。トリアジン系除草剤としては、例えばシマジン(2−クロロ-4,6- ビス(エチルアミノ)-1,3,5- トリアジン)、シメトリン(2,4-ビス(エチルアミノ)−6−メチルチオ-1,3,5- トリアジン)等が挙げられる。ニトリル系除草剤としては、例えばDBN (2,6-ジクロロベンゾニトリル)等が挙げられる。ジニトロアニリン系除草剤としては、例えばトリフルラリン(α,α,α−トリフルオロ-2,6- ジニトロ-N,N- ジプロピル−p−トルイジン)等が挙げられる。カーバメート系除草剤としては、例えばベンチオカーブ(サターン)(S−p−クロロベンジル-N,N- ジエチルチオカーバメート)、MCC (メチル-3,4- ジクロロカーバニレート)等が挙げられる。ジフェニルエーテル系除草剤としては、例えばNIP (2,4-ジクロロフェニル−p−ニトロフェニルエーテル)等が挙げられる。フェノール系除草剤としては、例えばPCP (ソディウム ペンタクロロ
フェノキシド)等が挙げられる。安息香酸系除草剤としては、例えばMDBA(ジメチルアミン-3,6- ジクロロ−o−アニセート)等が挙げられる。フェノキシ系除草剤としては、例えば 2,4-Dナトリウム塩(ソディウム 2,4- ジクロロフェノキシアセテート)、マピカ([(4-クロロ−o−トルイル)オキシ] アセト−o−クロロアニリド)等が挙げられる。アミノ酸系除草剤としては、例えばグリホサート(N−(ホスホノメチル)グリシン又はその塩)、ビアラホス(ソディウム・ソルト・オブ L−2−アミノ−4−〔(ヒドロキシ)(メチル)=ホスフィノイル〕ブチリル−L −アラニル−L −アラニン)、グリホシネート(アンモニウム−DL−ホモアラニン−4−イル(メチル)ホスフィネート又はその塩)等が挙げられる。また脂肪族系除草剤としては、例えばTCA ナトリウム塩(ソディウム・トリクロロアセテート)等が挙げられる。
除草剤の農薬原体として好適なものとしては、DBN (2,6-ジクロロベンゾニトリル)、DCMU(3−(3,4−ジクロロフェニル)−1,1 −ジメチルウレア),パラコート(1,1'−ジメチル-4,4'-ビピリジウムジクロライド)、ジクワット(6,7-ジヒドロジピリド[1,2-a:2',1'c]ピラジンディウムジブロマイド)グリホサート(N−(ホスホノメチル)グリシン又はその塩)、グリホシネート(アンモニウム−DL−ホモアラニン−4−イル(メチル)ホスフィネート又はその塩)が挙げられる。
農薬原体(D)は、本発明の効果をより効果的に発現する観点から、除草剤の農薬原体であることが好ましく、アミノ酸系除草剤の農薬原体であることがより好ましい。また、農薬原体(D)は、N−(ホスホノメチル)グリシン及びその塩、並びにアンモニウム−DL−ホモアラニン−4−イル(メチル)ホスフィネート及びその塩から選ばれる農薬原体が好ましい。塩は、イソプロピルアミン塩等のアミン塩、アンモニウム塩、スルフォニウム塩、フォスフォニウム塩等のオニウム塩、カリウム塩、ナトリウム塩等のアルカリ金属塩等が挙げられ、イソプロピルアミン塩、カリウム塩等が好ましい。
<農薬組成物>
本発明の農薬組成物は、上記化合物(A)と、化合物(B)と、化合物(C)と、農薬原体(D)と、水とを含有するものである。
本発明の農薬組成物は、配合安定性、湿展性向上及び農薬の効力増強の観点から、化合物(A)を0.5質量%以上、10.0質量%以下含有する。配合安定性、湿展性向上及び農薬の効力増強の観点から、化合物(A)の含有量は、農薬組成物中、1質量%以上、更に2質量%以上が好ましく、そして、8質量%以下、更に5質量%以下が好ましい。
本発明の農薬組成物は、配合安定性、湿展性向上及び農薬の効力増強の観点から、化合物(B)を0.5質量%以上、10.0質量%以下含有する。配合安定性、湿展性向上及び農薬の効力増強の観点から、化合物(B)の含有量は、農薬組成物中、1質量%以上、更に2質量%以上が好ましく、そして、8質量%以下、更に5質量%以下が好ましい。
本発明の農薬組成物は、配合安定性、湿展性向上及び農薬の効力増強の観点から、化合物(C)を1.0質量%以上、10.0質量%以下含有する。配合安定性、湿展性向上及び農薬の効力増強の観点から、化合物(C)の含有量は、農薬組成物中、1.5質量%以上、更に2質量%以上が好ましく、そして、9質量%以下、更に7質量%以下が好ましい。
本発明の農薬組成物は、配合安定性、湿展性向上、農薬の効力増強および経済性の観点から、化合物(A)の含有量と化合物(B)の含有量と化合物(C)の含有量の合計〔化合物(A)の含有量+化合物(B)の含有量+化合物(C)の含有量〕が、組成物中、3質量%以上、更に5質量%以上、更に9質量%以上であることが好ましく、そして、40質量%以下、更に30質量%以下、更に25質量%以下であることが好ましい。
本発明の農薬組成物は、農薬原体(D)を含有する。農薬原体による効果向上と配合安定性の観点から、農薬原体(D)の含有量は、農薬組成物中、好ましくは20質量%以上、更に30質量%以上が好ましく、そして、70質量%以下、更に50質量%以下が好ましい。
本発明の農薬組成物は、配合安定性、湿展性向上及び農薬の効力増強の観点から、化合物(A)の含有量と化合物(B)含有量との質量比が、〔化合物(A)の含有量〕/〔化合物(B)の含有量〕で0.1以上、10以下である。配合安定性、湿展性向上及び農薬の効力増強の観点から、〔化合物(A)の含有量〕/〔化合物(B)の含有量〕の質量比は、0.3以上、更に0.4以上が好ましく、そして、4以下、更に3以下が好ましい。
本発明の農薬組成物は、配合安定性、湿展性向上及び農薬の効力増強の観点から、化合物(A)の含有量と化合物(B)の含有量と、化合物(C)の含有量との質量比が、〔化合物(A)の含有量+化合物(B)の含有量〕/〔化合物(C)の含有量〕で0.5以上、5以下である。配合安定性、湿展性向上及び農薬の効力増強の観点から、〔化合物(A)の含有量+化合物(B)の含有量〕/〔化合物(C)の含有量〕の質量比は、0.7以上、更に0.8以上が好ましく、そして、4以下、更に3以下が好ましい。
本発明の農薬組成物において、化合物(A)の含有量と農薬原体(D)の含有量との質量比は、農薬の湿展性向上及び農薬の効力増強の観点から、〔化合物(A)の含有量〕/〔農薬原体(D)の含有量〕で、0.05以上、更に0.1以上が好ましく、そして、50以下、更に10以下が好ましい。
また、本発明の農薬組成物において、化合物(B)の含有量と農薬原体(D)の含有量との質量比は、農薬の湿展性向上及び農薬の効力増強の観点から、〔化合物(B)の含有量〕/〔農薬原体(D)の含有量〕で、0.05以上、更に0.1以上が好ましく、そして、50以下、更に10以下が好ましい。
更に、本発明の農薬組成物において、化合物(A)の含有量及び化合物(B)の含有量の合計と、農薬原体(D)の含有量との質量比は、湿展性向上及び農薬の効力増強の観点から、〔化合物(A)の含有量+化合物(B)の含有量〕/〔農薬原体(D)の含有量〕で、0.1以上、更に0.2以上が好ましく、そして、100以下、更に20以下がより好ましい。
また、本発明の農薬組成物の製剤型は、水を含有し、液状であれば、液剤、エマルション製剤、フロアブル製剤等いずれでもよく、液剤であることが好ましい。その製剤に応じた他の添加剤、例えば乳化剤、溶剤、分散剤、担体等を含有するものであってもよい。
本発明の農薬組成物中の水の含有量としては、農薬の湿展性向上及び配合安定性の観点から、好ましくは10質量%以上、より好ましくは20質量%以上、更に好ましくは30質量%以上、更に好ましくは40質量%以上である。また、前記水の含有量は、農薬の湿展性向上及び農薬の効力増強の観点から、好ましくは90質量%以下、より好ましくは80質量%以下、更に好ましくは70質量%以下、更に好ましくは60質量%以下である。
なお、水ベースの農薬組成物とは、農薬組成物が含有する液体の溶媒ないし分散媒が主に水である組成物であってよい。また、水と、水以外の液体成分とを含有する組成物を水ベースの農薬組成物とすることができる。好ましくは、上記の範囲で水を含有する農薬組成物である。
本発明の農薬組成物は、化合物(A)、化合物(B)、化合物(C)以外の界面活性剤を本発明の効果を阻害しない範囲で含有することもできる。そのような界面活性剤としては、化合物(A)、化合物(B)、化合物(C)以外の非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤及び両性界面活性剤、或いはそれらの混合物が挙げられる。
非イオン界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル〔但し、一般式(A1)及び一般式(B1)に該当しないもの〕、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテルホルムアルデヒド縮合物、ポリオキシアルキレンアリールエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルソルビトールエステル、ポリオキシアルキレンアルキルグリセロールエステル、ポリオキシアルキレンブロック共重合体、ポリオキシアルキレンブロック共重合体アルキルグリセロールエステル、ポリオキシアルキレンアルキルスルホンアミド、ポリオキシプロピレンブロック共重合体、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルフェノール、ポリオキシアルキレンアルキルポリグリコシドなど、及びこれらのうちの2種以上の混合物などが挙げられる。
陽イオン界面活性剤としては、一般式(C1)に該当しないアミンのアルキレンオキシド付加物、ジアルキルアミン誘導体など及びそれらの混合物が挙げられる。前記ジアルキルアミン誘導体としては、ジアルキルモノメチルヒドロキシエチルアンモニウムプロピオネート、ジアルキルモノメチルベンザルコニウムクロライド、ジアルキルモノメチルエチルアンモニウムエチルサルフェートなどがある。
陽イオン界面活性剤としては、湿展性向上及び農薬の効力増強の観点から、一般式(C1)に該当しないアミンのアルキレンオキシド付加物、ジアルキルアミン誘導体が好ましく、一般式(C1)に該当しないアミンのアルキレンオキシド付加物、ジラウリルモノメチルベンザルコニウムクロライドがより好ましい。
陰イオン界面活性剤としては、モノ−及びジ−アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム、アルファ−オレフィンスルホン酸ナトリウム、アルカンスルホン酸ナトリウム、アルキルスルホコハク酸塩、アルキル硫酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルアリールエーテル硫酸塩、ポリオキシアルキレンスチリルフェニルエーテル硫酸塩、モノ−及びジ−アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホネートのホルムアルデヒド縮合物、アルキルジフェニルエーテルスルホン酸塩、オレフィニックスルホン酸塩、モノ及びジアルキルリン酸塩、ポリオキシアルキレンモノ及びジアルキルリン酸塩、ポリオキシアルキレンモノ及びジフェニルエーテルリン酸塩、ポリオキシアルキレンモノ及びジアルキルフェニルエーテルリン酸塩、ポリカルボン酸塩、脂肪酸塩、直鎖及び分岐アルキルポリオキシアルキレンエーテル酢酸又はその塩、アルケニルポリオキシアルキレンエーテル酢酸又はその塩、直鎖及び分岐アルキルアミドポリオキシアルキレンエーテル酢酸又はその塩、ステアリン酸及びその塩、オレイン酸及びその塩、N−メチル脂肪酸タウリド(taurides)、これらのうちの2種以上の混合物など(ナトリウム、カリウム、アンモニウム及びアミン塩を含む)が挙げられる。陰イオン界面活性剤としては、乳化分散性向上の観点から、脂肪酸塩が好ましく、オレイン酸、ヒマシ油脂肪酸等の高級脂肪酸のナトリウム塩、カリウム塩がより好ましく、オレイン酸カリウムがより好ましい。
また、両性界面活性剤としては、アミンオキサイド、ベタイン、これらの混合物などがある。具体的には、例えば、ジアルキルモノメチルアミンオキサイド、ジアルキルモノメチルアミノカルボキシベタイン、ジアルキルモノメチルヒドロキシスルホベタイン、ラウリルジメチルアミンオキサイドなどが挙げられる。
化合物(A)、化合物(B)、化合物(C)以外の界面活性剤を併用する場合、その含有量は、本発明の農薬組成物中5質量%以下、更に1質量%以下、更に0.5質量%以下が好ましい。また、湿展性向上及び農薬の効力増強の観点から、農薬組成物が含有する全界面活性剤中に占める化合物(A)及び化合物(B)及び化合物(C)の割合が50質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましく、90質量%以上であることが更に好ましく、100質量%であってもよい。
本発明の農薬組成物は、必要に応じてキレート剤、pH調節剤、無機塩類、増粘剤を含有することができる。
本発明に使用し得るキレート剤としては、アミノポリカルボン酸系キレート剤、芳香族及び脂肪族カルボン酸系キレート剤、アミノ酸系キレート剤、エーテルポリカルボン酸系キレート剤、ホスホン酸系キレート剤(例えばイミノジメチルホスホン酸(IDP)、アルキルジホスホン酸(ADPA)等である)、又はジメチルグリオキシム(DG)、ヒドロキシカルボン酸系キレート剤、高分子電解質系(含オリゴマー)キレート剤等であり、これらは酸のまま或いはナトリウム、カリウム、アンモニウム等の塩の形のものであってもよい。キレート剤は、化合物(B)に対して、0.01倍モル以上、30倍モル以下の割合で配合されるのが好ましい。
前記アミノポリカルボン酸系キレート剤としては、例えば、エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)、シクロヘキサンジアミンテトラ酢酸(CDTA)、ニトリロトリ酢酸(NTA)、イミノジ酢酸(IDA)、N-(2-ヒドロキシエチル)イミノジ酢酸(HIMDA)、ジエチレントリアミンペンタ酢酸(DTPA)、N-(2-ヒドロキシエチル)エチレンジアミン三酢酸(EDTA−OH)及びグリコールエーテルジアミンテトラ酢酸(GEDTA)並びにこれらの塩等が挙げられる。
本発明に使用し得る芳香族及び脂肪族カルボン酸系キレート剤は、シュウ酸、酢酸、コハク酸、ピルビン酸又はアントラニル酸及びこれらの塩等である。また、本発明に使用し得るアミノ酸系キレート剤はグリシン、セリン、アラニン、リジン、シスチン、システイン、エチオニン、チロシン又はメチオニン及びこれらの塩及び誘導体等である。また、本発明に使用し得るヒドロキシカルボン酸系キレート剤としては、グリコール酸、リンゴ酸、クエン酸、グルコン酸、ヘプトン酸及びこれらの塩等である。更に、本発明にはエーテルポリカルボン酸系キレート剤が使用し得る。
本発明に使用し得る高分子電解質系(含オリゴマー)キレート剤としては、アクリル酸重合体、無水マレイン酸重合体、α−ヒドロキシアクリル酸重合体、イタコン酸重合体及びこれらの共重合体、エポキシコハク酸重合体等が挙げられる。
本発明に使用し得るpH調節剤としてはクエン酸、リン酸(ピロリン酸)、グルコン酸等或いはこれらの塩が挙げられる。
本発明に使用し得る無機塩類としては、無機鉱物塩として例えば無機塩クレー、タルク、ベントナイト、ゼオライト、炭酸カルシウム、ケイソウ土、ホワイトカーボン等が挙げられ、無機アンモニウム塩として例えば硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、チオシアン酸アンモニウム、塩化アンモニウム、スルファミン酸アンモニウム等が挙げられる。
また本発明に使用し得る増粘剤としては、天然、半合成及び合成の水溶性増粘剤は何れも使用でき、天然粘質物では、微生物由来のキサンタンガム、ザンフロー、植物由来のペクチン、アラビアガム、グアーガムなどが、半合成粘質物では、セルロース又はでんぷん誘導体のメチル化物、カルボキシアルキル化物、ヒドロキシアルキル化物(メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロースなどを含む)、ソルビトールなどが、また合成粘質物では、ポリアクリル酸塩、ポリマレイン酸塩、ポリビニルピロリドン、ペンタエリスリトールエチレンオキサイド付加物などが具体例として挙げられる。
更に、本発明の農薬組成物には農薬原体以外の肥料、防腐剤等の1種以上を混合して用いることもできる。
本発明の農薬組成物は、植物等に散布する場合、水で適宜希釈されて使用される。すなわち、本発明によれば、本発明の農薬組成物から調製した農薬散布液を植物等に散布する、農薬組成物の散布方法もしくは植物の栽培方法も提供される。
本発明の農薬組成物を散布する場合、散布用の農薬散布液中の化合物(A)及び化合物(B)及び化合物(C)の含有量の合計は、30ppm以上、更に50ppm以上、更に100ppm以上、更に300ppm以上、更に500ppm以上が好ましく、そして、50000ppm以下、更に25000ppm以下、更に20000ppm以下、更に15000ppm以下、更に12000ppm以下、更に10000ppm以下が好ましい。含有量が下限値以上であれば、植物表面への液滴の湿展性及び農薬の植物への浸透性が良好となり、優れた農薬効力増強効果が得られる。また、含有量が上限値以下であれば、液滴の湿展性が適切となり植物体へ液滴が付着して流れ落ち難くなるため農薬効力増強効果を十分に発揮できる。なお、前記農薬散布液の残部は水が好ましい。
本発明の農薬組成物を散布する場合、散布用の農薬散布液中の化合物(A)及び化合物(B)及び化合物(C)の含有量の合計が前記範囲にあれば、好ましくは1L/10a以上、更に5L/10a以上、そして、好ましくは500L/10a以下、更に200L/10a以下、更に100L/10a以下、更に50L/10a以下、更に30L/10a以下の割合で散布することができる。散布量が下限値以上であれば十分な濡れ性を得ることができ良好な農薬効力増強効果が得られ、また、上限値以下であれば適度な濡れが実現でき、液滴が葉面上より流れ落ち難くなる。
本発明により、化合物(A)と、化合物(B)と、化合物(C)と、農薬原体(D)と、水とを混合する、農薬組成物の製造方法を提供することができる。この製造方法では、農薬組成物で説明した割合で化合物(A)、化合物(B)、化合物(C)及び農薬原体(D)を用いることが好ましい。
前記農薬組成物(農薬組成物から調製した農薬散布液も含む)を植物に施す方法は、特に限定されず、前述したように、本発明の農薬組成物を葉面、茎、果実等に直接散布したり、水耕栽培やロックウールのように根に接触している水耕液や供給水に希釈混合して根表面等に供給(塗布)する方法が挙げられる。本発明の農薬組成物の効果(有効成分の植物への付着性を向上させる効果)を有効に発揮させるには、農薬組成物を植物に施す方法として、植物の地上部へ散布する方法が好ましく、葉面に散布する方法がより好ましい。
本発明では、本発明の農薬組成物(農薬組成物から調製した農薬散布液も含む)を、植物の水に対する接触角が50度以上、180度以下である部分、例えば葉、茎などに、滴下する、散布する等により接触させることが好ましい。植物表面は一般的にエピクチクラワックス、クチクラワックス、クチンなどに覆われ疎水性の特性を有する。それ故、農薬を含有した水溶液を植物へ散布した際、散布水滴が疎水性表面にはじかれ濡れないことにより、農薬が付着せず又は浸透せず、除草剤、殺虫剤、殺菌剤等の効果を低下させることが問題となっている。本発明の農薬組成物を、植物の疎水性が高い部分に散布して接触、付着させることで、高い農薬増強効果を示す。
植物表面の疎水性を示す指標として水の接触角がある。本発明の農薬効力増強効果がより発揮される植物の接触角として、50度以上、更に70度以上、更に90度以上が好ましく、そして、180度以下が好ましい。接触角測定方法は、25℃において、水5μLを施用対象となる植物の表面(例えば、第3葉の表面)に滴下し、横からマイクロスコープにより滴下10秒後の液滴の状態を撮影し、画像処理により対象面と水滴との接触角を測定する。
上記範囲の接触角を示す部分を有する代表的な植物は以下のとおりであるが、これらに限定されるものではない。雑草としては、ギョウギシバ、タツノツメガヤ、コヒメビエ、イヌビエ、オヒシバ、メヒシバ、チガヤ、タイワンアシカキ、アゼガヤ、ハイキビ、ネピアグラス、ツノアイアシ、コツブキンエノコロ、タマガヤツリ、コゴメガヤツリ、ハマスゲ、クロタマガヤツリ、クサネム、カッコウアザミ、ツルノゲイトウ、アオビユ、マルバツユクサ、シマツユクサ、ホテイアオイ、シマニシキソウ、ナンバンルリソウ、ニオイニガグサ、ナンゴクデンジソウ、オジギソウ、コナギ、スベリヒユ、コトブキギク、ベルベットリーフ、スギナなどが挙げられる。本発明の農薬効力増強効果がより発揮される好ましい雑草としては、ギョウギシバ、コヒメビエ、イヌビエ、オヒシバ、メヒシバ、チガヤ、タイワンアシカキ、アゼガヤ、ハイキビ、コツブキンエノコロ、クサネム、ナンゴクデンジソウ、オジギソウ、ベルベットリーフ、スギナが挙げられ、より好ましくは、ギョウギシバ、コヒメビエ、イヌビエ、オヒシバ、メヒシバ、チガヤ、クサネム、ベルベットリーフ、スギナが挙げられる。
また、作物としては、オオムギ、エンドウ、イネ、コムギ、キャベツ、サトイモ、イチゴ、メロン、ナス、トマト、ネギ、アブラナ、ダイズ、インゲンマメ、サツマイモ、キュウリ、ハクサイ、リンゴ、ナシ、モモ、カキ、カンキツなどが挙げられる。本発明の農薬効力増強効果がより発揮される好ましい作物としては、オオムギ、エンドウ、イネ、コムギ、キャベツ、ハクサイ、サトイモ、イチゴ、メロン、ナス、トマト、ネギ、アブラナ、ダイズ、キュウリ、インゲンマメであり、より好ましくは、イネ、コムギ、キャベツ、ハクサイ、ダイズ、ネギ、インゲンマメ、キュウリである。
なお、本発明の農薬組成物に含有される化合物(A)及び化合物(B)及び化合物(C)は、組成物の調製後であっても、液体クロマトグラフィーやガスクロマトグラフィーにより分離して検出することができる。例えば、農薬組成物をエタノール等の適当な溶媒で希釈した後、以下の条件で測定することにより、農薬組成物中の化合物(A)、化合物(B)又は化合物(C)の存否を定量的に確認することができる。
装置:ガスクロマトグラフィー分析システム(Agilent Technologies 6850 Series II)
カラム:DB5((5%-Phenyl)-Methylpolysiloxane)
カラムサイズ:12m×200μm×0.33μm、
ヘリウムガス流量:1.0mL/分、圧力:85.0kPa、
カラム温度条件(初期カラム温度:60℃、2分ホールド→10℃/分昇温→300℃、14分ホールド)
上述した実施態様に関し、本発明はさらに以下の農薬組成物又は植物の栽培方法を開示する。
(1)下記(A1)〜(A5)から選ばれる一種以上の化合物(A)0.5質量%以上、10.0質量%以下、
下記(B1)〜(B2)から選ばれる一種以上の化合物(B)0.5質量%以上、10.0質量%以下、
下記(C1)から選ばれる一種以上の化合物(C)1.0質量%以上、10.0質量%以下、
殺菌剤、殺虫剤、殺ダニ剤及び除草剤から選択される農薬の農薬原体(D)、並びに、水を含有し、
化合物(A)の含有量と化合物(B)含有量との質量比が、〔化合物(A)の含有量〕/〔化合物(B)の含有量〕で0.1以上、10以下であり、好ましくは0.3以上、更に0.4以上、そして、4以下、更に3以下であり、
化合物(A)の含有量と化合物(B)の含有量と、化合物(C)の含有量との質量比が、〔化合物(A)の含有量+化合物(B)の含有量〕/〔化合物(C)の含有量〕で0.5以上、5以下であり、好ましくは0.7以上、更に0.8以上、そして、4以下、更に3以下である、
農薬組成物。
<化合物(A)>
(A1):下記一般式(A1)で示される化合物
1aO−(EO)l−R2a (A1)
(式中、R1aは炭素数10以上、16以下の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を示し、EOはエチレンオキシ基を示し、lはエチレンオキシ基の平均付加モル数であり、3以上、40以下の数を示し、R2aは水素原子又はメチル基を示す。)
(A2):ポリオキシエチレン脂肪酸エステル(ただし、脂肪酸の炭素数は8以上、16以下であり、エチレンオキシドの平均付加モル数は5以上、40以下である。)
(A3):ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(ただし、脂肪酸の炭素数は8以上、16以下であり、エチレンオキシドの平均付加モル数は5以上、40以下である。)
(A4):(ポリ)グリセリン脂肪酸エステル(ただし、脂肪酸の炭素数は8以上、16以下であり、グリセリンの平均縮合度は1以上、3以下である。)
(A5):下記一般式(A5)で示されるアルキルサッカライド
3a−O−(G)p (A5)
(式中、R3aは炭素数8以上、16以下のアルキル基、Gは炭素数5又は6の還元糖を示し、pは1以上、10以下の数を示す。)
<化合物(B)>
(B1):下記一般式(B1)で示される化合物
1b−O−[(PO)m/(EO)n]−R2b (B1)
(式中、R1bは炭素数6以上、12以下の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を示し、POはプロピレンオキシ基を示し、EOはエチレンオキシ基を示し、m、nはそれぞれ、プロピレンオキシ基、エチレンオキシ基の平均付加モル数であり、mは1以上、25以下の数、nは0以上、4以下の数を示し、R2bは水素原子又はメチル基を示す。“/”はPOとEOの配列がランダムでもブロックでもよいことを意味する。)
(B2):下記一般式(B2)で示される脂肪族アルコール
3b−OH (B2)
(式中、R3bは炭素数8以上、14以下の直鎖又は分岐鎖のアルキル基を示す。)
<化合物(C)>
(C1):下記一般式(C1)で示される化合物及びその酸塩から選ばれる化合物
Figure 2014125445
(式中、R1cは炭素数8以上、14以下の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基であり、Aはアルキレン基であり、s及びtは、それぞれ、1分子あたりのオキシアルキレン基の平均数であり、s+tが1以上、30以下ととなる数であり、R2c及びR3cは、互いに同一又は相異なって、それぞれ水素原子又はアシル基である。)
(2)前記化合物(A)が、好ましくは(A1)、(A4)及び(A5)から選ばれる一種以上の化合物であり、より好ましくは(A1)及び(A5)から選ばれる一種以上の化合物であり、さらに好ましくは(A1)から選ばれる化合物である、前記(1)記載の農薬組成物。
(3)前記化合物(B)が、好ましくは(B1)から選ばれる化合物である、前記(1)又は(2)記載の農薬組成物。
(4)農薬原体(D)が、水溶性農薬原体及び水分散性農薬原体から選ばれる農薬原体である前記(1)〜(3)の何れか記載の農薬組成物。
(5)農薬原体(D)が、アミノ酸系除草剤の農薬原体である前記(1)〜(4)の何れか記載の農薬組成物。
(6)農薬原体(D)が、N−(ホスホノメチル)グリシン及びその塩、並びにアンモニウム−DL−ホモアラニン−4−イル(メチル)ホスフィネート及びその塩から選ばれる農薬原体である前記(1)〜(5)の何れか記載の農薬組成物。
(7)農薬原体(D)の含有量が、農薬組成物中、好ましくは20質量%以上、より好ましくは30質量%以上、好ましくは70質量%以下、より好ましくは50質量%以下である、前記(1)〜(6)いずれか記載の農薬組成物。
(8)化合物(B)の含有量と農薬原体(D)の含有量との質量比が、〔化合物(B)の含有量〕/〔農薬原体(D)の含有量〕で、好ましくは0.05以上、より好ましくは0.1以上であり、そして、好ましくは50以下、より好ましくは10以下である、前記(1)〜(7)記載の農薬組成物。
(9)化合物(A)の含有量及び化合物(B)の含有量の合計と、農薬原体(D)の含有量との質量比は、化合物(A)の含有量+化合物(B)の含有量〕/〔農薬原体(D)の含有量〕で、好ましくは0.1以上、より好ましくは0.2以上、そして、好ましくは100以下、より好ましくは20以下である、前記(1)〜(8)いずれかに記載の農薬組成物。
(10)前記農薬組成物の製剤型が、液剤である、前記(1)〜(9)いずれかに記載の農薬組成物。
(11)水の含有量が、好ましくは10質量%以上、より好ましくは20質量%以上、更に好ましくは30質量%以上、更に好ましくは40質量%以上であり、そして、好ましくは90質量%以下、より好ましくは80質量%以下、更に好ましくは70質量%以下、更に好ましくは60質量%以下である、前記(1)〜(10)いずれかに記載の農薬組成物。
(12)農薬組成物が含有する全界面活性剤中に占める化合物(A)及び化合物(B)及び化合物(C)の割合が、好ましくは50質量%以上、より好ましくは70質量%以上、更に好ましくは90質量%以上である、前記(1)〜(11)いずれかに記載の農薬組成物。
(13)前記(1)〜(12)いずれかに記載の農薬組成物から調製した農薬散布液を植物に散布する、植物の栽培方法。
(14)前記農薬散布液中の化合物(A)及び化合物(B)及び化合物(C)の含有量の合計が、30ppm以上、更に50ppm以上、更に100ppm以上、更に300ppm以上、更に500ppm以上、更に600ppm以上であり、そして、50000ppm以下、更に25000ppm以下、更に20000ppm以下、更に15000ppm以下、更に12000ppm以下、更に10000ppm以下である、前記(13)記載の植物の栽培方法。
(15)前記農薬散布液を、1L/10a以上、更に5L/10a以上、そして、500L/10a以下、更に200L/10a以下、更に100L/10a以下、更に50L/10a以下、更に30L/10a以下の割合で散布する、前記(13)又は(14)記載の植物の栽培方法。
実施例1及び比較例1
表1、2に示す成分を混合して液体の農薬組成物を調製した。以下の方法で、農薬組成物の配合安定性、湿展性、殺草性の各試験を行った。結果を表1、2に示す。なお、表1、2中の配合成分の質量%は、有効分の質量%である。
[農薬組成物の配合安定性]
調製直後の農薬組成物40gをガラス製透明容器(容量50ml)中に入れ、外観を確認した。透明均一溶液を◎、微濁均一溶液を○とし、微濁不均一溶液を△、分離、沈殿、白濁等を×とした。
[湿展性試験]
試験植物としてイヌビエを用いた。予め12cmポットにイヌビエを生育させ、8葉期の植物体を試験に供した。イヌビエの第5葉を採取し、表1、2の農薬組成物を150倍に水で希釈した試験液を、葉の中央部に5μL滴下した。なお、イヌビエ葉面の水に対する接触角は130度であった。滴下1分後、液滴の長径と短径をノギスで計測し、長方形として液滴の広がった面積を計測することで、液滴の疎水葉面における湿展性を評価した。反復は5反復である。なお、配合安定性の評価が△、×のものは、この湿展性試験を行わなかった。
[殺草性試験]
12cmポットにイヌビエを生育させ、草丈が18cm程度の植物体を試験に供した。水1Lに表1の農薬組成物を6.7g混合し、農薬散布液を作製した。農薬散布液を、25L/10aに相当する散布量で前記植物体全体にかかるように葉面散布し、殺草効力を評価した。なお、イヌビエ葉面の水に対する接触角は130度であった。殺草効力の評価は散布後14日目に地上部質量を量り、無処理区の地上部生質量を基準とした殺草率を下記式に基づき算出した。殺草率の数値が高いほど、農薬効力(殺草効果)が高いことを示す。ここで無処理区とは農薬散布液を散布していない区のことである。なお、配合安定性の評価が△、×のものは、この殺草性試験を行わなかった。
殺草率(%)=(無処理区の地上部質量−処理区の地上部質量)/無処理区の地上部質量×100
Figure 2014125445
Figure 2014125445
表中、配合成分の( )内の数字は、オキシエチレン基又はオキシプロピレン基の平均付加モル数である。また、表中、(C)成分の質量%の値において、( )内の数字は、(C)成分相当の質量%である。また、表中の成分は以下のものである。
・ポリオキシエチレン(5)ココアミン(花王(株)製アミート105):一般式(C1)中、R1cが、炭素数12、14の直鎖のアルキル基を主成分とし、Aがエチレン基、s+tが5、R2c及びR3cがそれぞれ水素原子である。
・ポリオキシエチレン(20)硬化牛脂アミン(花王(株)製アミート320):炭素数16、18の直鎖アルキル基を主成分とし、炭素数14の直鎖アルキル基の割合が3質量%以下〔(C)成分相当の含有量は微量であるため無視するものとした。〕。
・ポリオキシエチレン(2)硬化牛脂アミン(花王(株)製アミート302):炭素数16、18の直鎖アルキル基を主成分とし、炭素数14の直鎖アルキル基の割合が3質量%以下〔(C)成分相当の含有量は微量であるため無視するものとした。〕。

Claims (7)

  1. 下記(A1)〜(A5)から選ばれる一種以上の化合物(A)0.5質量%以上、10.0質量%以下、
    下記(B1)〜(B2)から選ばれる一種以上の化合物(B)0.5質量%以上、10.0質量%以下、
    下記(C1)から選ばれる一種以上の化合物(C)1.0質量%以上、10.0質量%以下、
    殺菌剤、殺虫剤、殺ダニ剤及び除草剤から選択される農薬の農薬原体(D)、並びに、水を含有し、
    化合物(A)の含有量と化合物(B)含有量との質量比が、〔化合物(A)の含有量〕/〔化合物(B)の含有量〕で0.1以上、10以下であり、
    化合物(A)の含有量と化合物(B)の含有量と、化合物(C)の含有量との質量比が、〔化合物(A)の含有量+化合物(B)の含有量〕/〔化合物(C)の含有量〕で0.5以上、5以下である、
    農薬組成物。
    <化合物(A)>
    (A1):下記一般式(A1)で示される化合物
    1aO−(EO)l−R2a (A1)
    (式中、R1aは炭素数10以上、16以下の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を示し、EOはエチレンオキシ基を示し、lはエチレンオキシ基の平均付加モル数であり、3以上、40以下の数を示し、R2aは水素原子又はメチル基を示す。)
    (A2):ポリオキシエチレン脂肪酸エステル(ただし、脂肪酸の炭素数は8以上、16以下であり、エチレンオキシドの平均付加モル数は5以上、40以下である。)
    (A3):ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(ただし、脂肪酸の炭素数は8以上、16以下であり、エチレンオキシドの平均付加モル数は5以上、40以下である。)
    (A4):(ポリ)グリセリン脂肪酸エステル(ただし、脂肪酸の炭素数は8以上、16以下であり、グリセリンの平均縮合度は1以上、3以下である。)
    (A5):下記一般式(A5)で示されるアルキルサッカライド
    3a−O−(G)p (A5)
    (式中、R3aは炭素数8以上、16以下のアルキル基、Gは炭素数5又は6の還元糖を示し、pは1以上、10以下の数を示す。)
    <化合物(B)>
    (B1):下記一般式(B1)で示される化合物
    1b−O−[(PO)m/(EO)n]−R2b (B1)
    (式中、R1bは炭素数6以上、12以下の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を示し、POはプロピレンオキシ基を示し、EOはエチレンオキシ基を示し、m、nはそれぞれ、プロピレンオキシ基、エチレンオキシ基の平均付加モル数であり、mは1以上、25以下の数、nは0以上、4以下の数を示し、R2bは水素原子又はメチル基を示す。“/”はPOとEOの配列がランダムでもブロックでもよいことを意味する。)
    (B2):下記一般式(B2)で示される脂肪族アルコール
    3b−OH (B2)
    (式中、R3bは炭素数8以上、14以下の直鎖又は分岐鎖のアルキル基を示す。)
    <化合物(C)>
    (C1):下記一般式(C1)で示される化合物及びその酸塩から選ばれる化合物
    Figure 2014125445

    (式中、R1cは炭素数8以上、14以下の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基であり、Aはアルキレン基であり、s及びtは、それぞれ、1分子あたりのオキシアルキレン基の平均数であり、s+tが1以上、30以下となる数であり、R2c及びR3cは、互いに同一又は相異なって、それぞれ水素原子又はアシル基である。)
  2. 農薬原体(D)が、水溶性農薬原体及び水分散性農薬原体から選ばれる農薬原体である請求項1記載の農薬組成物。
  3. 農薬原体(D)が、アミノ酸系除草剤の農薬原体である請求項1又は2記載の農薬組成物。
  4. 農薬原体(D)が、N−(ホスホノメチル)グリシン及びその塩、並びにアンモニウム−DL−ホモアラニン−4−イル(メチル)ホスフィネート及びその塩から選ばれる農薬原体である請求項1〜3の何れか1項記載の農薬組成物。
  5. 請求項1〜4の何れか1項に記載の農薬組成物から調製した農薬散布液を植物に散布する、植物の栽培方法。
  6. 前記農薬散布液中の化合物(A)及び化合物(B)及び化合物(C)の含有量の合計は、30ppm以上、50000ppm以下である、請求項5記載の植物の栽培方法。
  7. 前記農薬散布液を、1L/10a以上、500L/10a以下の割合で散布する、請求項5または6記載の植物の栽培方法。
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