JP2012051861A - 農薬用効力増強剤組成物 - Google Patents

農薬用効力増強剤組成物 Download PDF

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和彦 栗田
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Abstract

【課題】雑草や害虫に対する農薬の浸透性及び耐雨性を向上させ、農薬の効力を増強することができる農薬用効力増強剤組成物を提供する。
【解決手段】下記一般式(I)で表される第四級アンモニウム塩系界面活性剤(A)を含有する農薬用効力増強剤組成物。
【化1】
Figure 2012051861

[式中、R1、R2は、同一又は異なって、炭素数6〜20の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基であり、R3は−(AO)nH又はベンジル基であり、AOは炭素数2〜4のアルキレンオキシ基であり、nは平均付加モル数であって1〜5であり、R4は炭素数1〜3の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はヒドロキシアルキル基であり、X-は対イオンである。]
【選択図】なし

Description

本発明は、農薬用効力増強剤組成物及び農薬組成物に関する。
殺虫剤、殺菌剤、除草剤、殺ダニ剤、植物成長調節剤をはじめとする農薬は、乳剤、水和剤、粒剤、粉剤、フロアブル剤等の剤型にて使用されている。その際、農薬原体の効果を十分引き出すために、製剤物性上様々な工夫がなされているが、製剤上の工夫により農薬の効果を更に増強させることは困難な現状である。また新規な農薬の開発は、一層困難であるため、既存の農薬の活性を一層増強させることは、産業上大いに意味のあることである。そのため、農薬と共に用いられる各種薬剤の改良技術が従来種々検討されている。
特許文献1には、ソルビタン脂肪酸エステル系界面活性剤と樹脂酸系界面活性剤又は第四級アンモニウム塩系界面活性剤とを含有する農薬用効力増強剤組成物が開示されている。また、特許文献2には、アミノ酸系除草剤、分岐構造を有する特定のポリアルキレンオキシ化合物、並びに、陽イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤及び両性界面活性剤の少なくとも一種を含有する除草剤組成物が開示されている。また、特許文献3には、特定のアミン化合物又はその酸塩もしくは4級化物と、特定の4級塩型化合物とを含有する農薬用効力増強剤組成物が開示されている。
特開平8−151302号公報 特開2006−117650号公報 特開平9−295901号公報
雑草や害虫に対する農薬の浸透性を向上することは、農薬の効力を増強する或いは農薬の耐雨性を改善するためには有利であるが、前記特許文献記載の組成物では、農薬の浸透性が十分とはいえない。
本発明の課題は、雑草や害虫に対する農薬の浸透性及び雑草や害虫に付着した農薬の耐雨性を向上させ、農薬の効力を増強することができる農薬用効力増強剤組成物及び該組成物を含有する農薬組成物を提供することである。
本発明は、下記一般式(I)で表される第四級アンモニウム塩系界面活性剤〔以下、(A)成分という〕を含有する農薬用効力増強剤組成物に関する。
Figure 2012051861
[式中、R1、R2は、同一又は異なって、炭素数6〜20の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基であり、R3は−(AO)nH又はベンジル基であり、AOは炭素数2〜4のアルキレンオキシ基であり、nは平均付加モル数であって1〜5であり、R4は炭素数1〜3の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はヒドロキシアルキル基であり、X-は対イオンである。]
また、本発明は、上記本発明の農薬用効力増強剤組成物と農薬原体を含有する農薬組成物に関する。
本発明によれば、雑草や害虫に対する農薬の浸透性及び雑草や害虫(以下、雑草等という)に付着した農薬の耐雨性(以下、耐雨性という)を向上させ、農薬の効力を増強することができる農薬用効力増強剤組成物及び該組成物を含有する農薬組成物が提供される。
〔農薬用効力増強剤組成物〕
本発明の農薬用効力増強剤組成物が、農薬の効力増強効果に優れる理由は明らかではないが、(A)成分が長鎖のジアルキル型四級塩であることにより植物表面に対する吸着性が向上し、かつ(A)成分が−(AO)nH又はベンジル基を有することにより雑草等への浸透性が向上するため、農薬と併用した場合に農薬の浸透性を向上させ、浸透量を増加させるためであると推定される。また、農薬の耐雨性を改善できる理由は明らかではないが、農薬の浸透性が向上することにより浸透速度を速めるためであると推定される。
<第四級アンモニウム塩系界面活性剤>
本発明の農薬用効力増強剤組成物は、前記一般式(I)で表される第四級アンモニウム塩系界面活性剤〔(A)成分〕を含有する。
一般式(I)中、R1、R2は、雑草等への吸着性や浸透性を向上させ、農薬の効力増強及び耐雨性を向上させる観点から、同一又は異なって、炭素数6〜20の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基であり、好ましくは炭素数8〜18の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基、より好ましくは炭素数10〜18の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基、更に好ましくは、炭素数10〜14の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基、更に好ましくは、炭素数10〜12の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基、更により好ましくは炭素数10〜12の直鎖のアルキル基である。
また、一般式(I)中、R3は、雑草等への浸透性及び耐雨性を向上させ、農薬の効力を増強させる観点から、−(AO)nH又はベンジル基であり、好ましくはベンジル基である。
また、一般式(I)中、AOは、雑草等への浸透性及び耐雨性を向上させ、農薬の効力を増強させる観点から、炭素数2〜4のアルキレンオキシ基であり、好ましくはエチレンオキシ基である。nはAOの平均付加モル数であって、雑草等への浸透性向上の観点から1〜5であり、より好ましくは1〜4、さらに好ましくは1〜3、さらにより好ましくは1〜2である。
また、一般式(I)中、R4は、雑草等への浸透性及び耐雨性を向上させ、農薬の効力を増強させる観点から、炭素数1〜3の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はヒドロキシアルキル基であり、好ましくは炭素数1〜2の直鎖のアルキル基であり、より好ましくはメチル基である。
また、一般式(I)中、X-は対イオンであり、雑草等への浸透性及び耐雨性を向上させ、農薬の効力を増強させる観点から、その分子量が200以下であることが好ましい。対イオンとしては、例えば、ハロゲンイオン、有機酸イオン、無機酸イオンが挙げられるが、雑草等への浸透性及び耐雨性を向上させ、農薬の効力を増強させる観点から、クロルイオン、ブロムイオン等のハロゲンイオン、硫酸ジメチル、硫酸ジエチル等の有機スルホン酸イオン、ギ酸、酢酸、プロピオン酸等のカルボン酸イオンが好ましく、ハロゲンイオン、カルボン酸イオンがより好ましい。
一般式(I)で表される第四級アンモニウム塩系界面活性剤の具体例としては、ジラウリルモノメチルベンジルアンモニウム塩、ジデシルモノエチルベンジルアンモニウム塩、ジラウリルモノメチルヒドロキシエチルベンジルアンモニウム塩、ジラウリルモノメチル(EO)nアンモニウム塩(EOはエチレンオキシ基、nは前記と同じ)が例示されるが、雑草等への浸透性を向上させ、農薬の効力増強及び耐雨性を向上させる観点から、ジラウリルモノメチルベンジルアンモニウム塩、ジデシルモノエチルベンジルアンモニウム塩が好ましい。
農薬用効力増強剤組成物における(A)成分の含有量は、雑草等への浸透性を向上させ、農薬の効力増強及び耐雨性を向上させる観点から、5〜70重量%が好ましく、より好ましくは10〜50重量%、更に好ましくは10〜25重量%である。
<非イオン性界面活性剤>
本発明の農薬用効力増強剤組成物は、更に、非イオン性界面活性剤(B)〔以下、(B)成分ということがある。〕を含有することが好ましい。(B)成分は、散布用の農薬希釈液(農薬水溶液や農薬分散液等)の表面張力を低下させ、雑草等に対する濡れ性を向上させる役割を果たす。本発明に用いられる非イオン性界面活性剤としては、ソルビタン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステルアルキレンオキサイド付加物等のソルビタン脂肪酸エステル系界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキル又はアルケニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキル又はアルケニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテルホルムアルデヒド縮合物、ポリオキシアルキレンアリールエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエステル、ポリオキシアルキレンアルキルソルビトールエステル、ポリオキシアルキレンアルキルグリセロールエステル、ポリオキシアルキレンブロック共重合体、ポリオキシアルキレンブロック共重合体アルキルグリセロールエステル、ポリオキシアルキレンアルキルスルホンアミド、ポリオキシプロピレンブロック共重合体、ポリオキシアルキレンアルキルフェノール、アルキルグリコシド、アルキルポリグリコシド、ポリオキシアルキルアミン、ポリオキシアルキレンアルキルポリグリコシド、これらのうちの2種以上の混合物などが挙げられる。
これらのうち、(B)成分としては、散布用の農薬希釈液の表面張力を低下させ、雑草等に対する濡れ性を向上させる観点、雑草等への浸透性及び耐雨性を向上させて、農薬の効力を増強させる観点から、ポリオキシエチレンアルキル又はアルケニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキル又はアルケニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステルアルキレンオキサイド付加物等のソルビタン脂肪酸エステル系界面活性剤、ポリオキシアルキルアミン、ポリオキシアルキレンアルキルソルビトールエステルが好ましく、ポリオキシエチレンアルキル又はアルケニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキル又はアルケニルエーテル、ソルビタン脂肪酸エステルアルキレンオキサイド付加物等のソルビタン脂肪酸エステル系界面活性剤、ポリオキシアルキルアミンがより好ましく、ポリオキシエチレンアルキル又はアルケニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキル又はアルケニルエーテル、ポリオキシアルキルアミンが更に好ましく、ポリオキシエチレンアルキル又はアルケニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキル又はアルケニルエーテルが更により好ましく、ポリオキシエチレンアルキル又はアルケニルエーテルとポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキル又はアルケニルエーテルとを併用することが更により好ましい。
前記ポリオキシエチレンアルキル又はアルケニルエーテルにおいて、エチレンオキサイドの平均付加モル数は、散布用の農薬希釈液の表面張力を低下させ、雑草等に対する濡れ性を向上させる観点、雑草等への浸透性を向上させ、農薬の効力増強及び耐雨性を向上させる観点から、2〜30モルが好ましく、より好ましくは3〜15モルである。アルキル基又はアルケニル基は、同様の観点から、炭素数6〜20の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基であることが好ましく、より好ましくは炭素数6〜12である。
また、前記ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキル又はアルケニルエーテルにおいて、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイドの平均付加モル数は、それぞれ、2〜20モルが好ましく、より好ましくは3〜10モルである。アルキル基又はアルケニル基は、同様の観点から、炭素数6〜20の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基が好ましく、より好ましくは炭素数6〜12である。
前記ソルビタン脂肪酸エステルポリオキシアルキレン付加物は、ソルビタンにオキシアルキレンを付加させた後、脂肪酸でエステル化すること等の方法で製造される。付加させるオキシアルキレンとしては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等が挙げられ、水への分散性の観点から、特にエチレンオキサイドが好ましい。アルキレンオキサイドの平均付加モル数は、HLBの観点から、2〜30モル、好ましくは5〜25モルである。
本発明の農薬用効力増強剤組成物中における(B)成分の含有量としては、散布用の農薬希釈液の表面張力を低下させ、雑草等に対する濡れ性を向上させる観点、雑草等への浸透性及び耐雨性を向上させ、農薬の効力を増強させる観点から、10〜50重量%が好ましく、より好ましくは20〜40重量%、更に好ましくは30〜40重量%である。
<有機溶剤>
本発明の農薬用効力増強剤組成物は、製剤化を容易にする観点及び農薬分散液に対する溶解性を向上させる観点から、更に有機溶剤(C)〔以下、(C)成分ということがある。〕を含有することが好ましい。
本発明に用いられる有機溶剤としては、炭素数1〜8の一価アルコール、多価アルコール及びその誘導体(誘導体は、エーテル、エステル、エーテルエステルなどが挙げられる。)などが挙げられる。
炭素数1〜8の一価アルコールとしては、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、イソアミルアルコール、3−ペンタノール、n−ヘキサノール、n−ヘプタノール、2−ヘプタノール、n−オクタノール等が挙げられる。
多価アルコールとしては、エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールイソアミルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテルアセテート、エチレングリコールベンジルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジメトキシエタノール、エチレングリコールモノアセテート、エチレングリコールジアセテート、ジエチレングリコール、 1,3−ブチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ポリプロピレングリコール、ブタンジオール、グリセリン、グリセリルモノアセテート、グリセリルモノブチレート、トリメチロールプロパンが挙げられる。
これらのうち、製剤化を容易にする観点及び農薬分散液に対する溶解性を向上させる観点から、エタノール、イソプロパノール、イソブタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコールが好ましく、より好ましくは、イソプロパノール、イソブタノール、ジエチレングリコール、プロピレングリコールであり、更に好ましくは、イソプロパノール、ジエチレングリコールである。
本発明の農薬用効力増強剤組成物中における(C)成分の含有量は、製剤化を容易にし、農薬の効力を増強させる観点から、5〜80重量%が好ましく、より好ましくは20〜60重量%、更に好ましくは40〜60重量%である。
<農薬用効力増強剤組成物の組成等>
本発明の農薬用効力増強剤組成物中の(A)成分、(B)成分、及び(C)成分の合計量は、農薬の効力を増強させ及び製剤化を容易にする観点から、好ましくは80重量%以上、更に好ましくは90重量%以上である。本発明の農薬用効力増強剤組成物、特に(A)〜(C)成分を含有する組成物は、液体の組成物であり、一液型の製剤とすることができる。
また、本発明の農薬用効力増強剤組成物は、雑草等への浸透性及び耐雨性を向上させ、農薬の効力を増強させる観点から、(A)成分と(B)成分の重量比が((A)/(B))が、好ましくは99/1〜10/90、より好ましくは80/20〜10/90、更に好ましくは60/40〜10/90、更により好ましくは50/50〜10/90、更により好ましくは50/50〜20/80である。
また、(A)、(B)成分と、(C)成分との重量比((C)/[(A)+(B)])は、製剤化を容易にする観点、雑草等への浸透性及び耐雨性を向上させ、農薬の効力を増強させる観点から、好ましくは20/80〜70/30、より好ましくは40/60〜60/40である。
本発明の農薬用効力増強剤組成物は、農薬原体と組み合わせて使用されるが、使用時には、(A)成分と(B)成分の合計濃度が、好ましくは10〜10000ppm、より好ましくは100〜10000ppm、更に好ましくは100〜3000ppmとなるように水で希釈して使用するのが好ましい。
更に、本発明では、(A)成分、(B)成分以外の界面活性剤を併用することもできる。そのような界面活性剤としては、(A)成分以外の陽イオン界面活性剤、両性界面活性剤、陰イオン界面活性剤、或いはそれらの混合物が挙げられる。
(A)成分以外の陽イオン界面活性剤の例としては、アルキルアミンエチレンオキサイド付加物、アルキルアミンプロピレンオキサイド付加物、例えばタローアミンエチレンオキサイド付加物、オレイルアミンエチレンオキサイド付加物、ソイアミンエチレンオキサイド付加物、ココアミンエチレンオキサイド付加物、合成アルキルアミンエチレンオキサイド付加物、オクチルアミンエチレンオキサイド付加物など及びそれらの混合物がある。
陰イオン界面活性剤のうち、典型的なものは、水溶液或いは固体状態で入手され得るが、その例としては、モノ−及びジ−アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム、アルファ−オレフィンスルホン酸ナトリウム、アルカンスルホン酸ナトリウム、アルキルスルホコハク酸塩、アルキル硫酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルアリールエーテル硫酸塩、ポリオキシアルキレンスチリルフェニルエーテル硫酸塩、モノ−及びジ−アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホネートのホルムアルデヒド縮合物、アルキルジフェニルエーテルスルホン酸塩、オレフィニックスルホン酸塩、モノ及びジアルキルリン酸塩、ポリオキシアルキレンモノ及びジアルキルリン酸塩、ポリオキシアルキレンモノ及びジフェニルエーテルリン酸塩、ポリオキシアルキレンモノ及びジアルキルフェニルエーテルリン酸塩、ポリカルボン酸塩、脂肪酸塩、直鎖及び分岐アルキルポリオキシアルキレンエーテル酢酸又はその塩、アルケニルポリオキシアルキレンエーテル酢酸又はその塩、直鎖及び分岐アルキルアミドポリオキシアルキレンエーテル酢酸又はその塩、ステアリン酸及びその塩、オレイン酸及びその塩、N−メチル脂肪酸タウリド(taurides)、これらのうちの2種以上の混合物など(ナトリウム、カリウム、アンモニウム及びアミン塩を含む)がある。陰イオン界面活性剤としては、乳化分散性向上の観点から、脂肪酸塩が好ましく、オレイン酸、ヒマシ油脂肪酸等の高級脂肪酸のナトリウム塩、カリウムがより好ましい。
また、適当な両性界面活性剤の例としては、ラウリルジメチルアミンオキサイド、アルモックス(Armox)C/12、アミンオキサイド、モナテリックス(Monaterics)、ミラノール(Miranols)、ベタイン、ロンザイン(Lonzaines)、他のアミンオキサイド、これらの混合物などがある。
〔農薬組成物〕
本発明の農薬組成物は、上記の如き農薬用効力増強剤組成物と、農薬原体、例えば、殺菌剤、殺虫剤、殺ダニ剤、除草剤及び植物成長調節剤各々の有効成分から選択される何れかの農薬原体とを含有する。ここで、農薬原体とは農薬の有効成分をいう。
本発明の農薬組成物は、殺菌剤、殺虫剤、殺ダニ剤、除草剤及び植物成長調節剤各々の有効成分から選択される農薬原体のうち、雑草等への浸透性をより効果的に発現させる観点から、農薬原体が除草剤であることが好ましく、アミノ酸系除草剤であることがより好ましい。
以下に本発明の農薬組成物に用いられる農薬原体の例を挙げるが、これらに限定されるものではない。また、本発明の農薬用効力増強剤組成物は種々の作物に対して薬害はなく安全に使用できるものである。
殺菌剤としては、硫黄系のジネブ(亜鉛エチレンビスジチオカーバメート)、マンネブ(マンガンエチレンビスジチオカーバメート)、チウラム(ビス(ジメチルチオカルバモイル)ジスルファイド)、マンゼブ (亜鉛イオン配位マンガニーズエチレンビスジチオカーバメート) 、ポリカーバメート(ビスジメチルジチオカルバモイル亜鉛エチレンビスジチオカーバメート)、プロピネブ(亜鉛プロピレンビスジチオカーバメート)、ベンズイミダゾール系としてはベノミル (メチル−1− (ブチルカルバモイル)−2−ベンズイミダゾールカーバメート) 、チオファネートメチル(1,2 −ビス (3−メトキシカルボニル・2−チオウレイド)ベンゼン) 、ジカルボキシイミド系のビンクロゾリン(3−(3,5−ジクロロフェニル)−5−メチル−5−ビニル−1,3 −オキサゾリジン−2,4 −ジオン) 、イプロジオン(3−(3,5−ジクロロフェニル) −N −イソプロピル−2,4 −ジオキソイミダゾリジン−1−カルボキサミド)、プロシミドン(N−(3,5−ジクロロフェニル)−1,2 −ジメチルシクロプロパン−1,2 −ジカルボキシイミド) 、他にトリアジン(2,4−ジクロロ−6− (2−クロロアニリノ) −1,3,5 −トリアジン)、トリフミゾール( (E)−4−クロロ−α,α,α−トリフルオロ−N − (1−イミダゾール−1−イル−2−プロポキシエチリダン) −o−トルイジン)、メタラキシル(メチル−N − (2−メトキシアセチル)−N −(2,6−キシリル)−D,L −アラニネート)、ビテルタノール(オール−ラック−1−(ビフェニル−4−イロキシ)−3,3 −ジメチル−1−(1H− 1,2,4−トリアゾール−1−イル) −2−ブタン−2−オール) 、ピリフェノックス(2,4−ジクロロ−2−(3−ピリジル)アセトフェノン−(EZ)−O −メチルオキシム)、フェナリモル(2,4−ジクロロ−α−(ピリジン−5イル)ベンズヒドリル=アルコール)、トリホリン(1,4-ビス- (2,2,2−トリクロロ−1−ホルムアミドエチル)ピペラジン)、イミノクタジン酢酸塩(1,1−イミニオディ(オクタメチレン)ジグアニジウムトリアセテート)、有機銅(Oxine-copper)、水酸化第二銅(コサイドボルドー等)、抗生物質系殺菌剤(ストレプトマイシン系、テトラサイクリン系、ポリオキシ系、ブラストサイジンS、カスガマイシン系、バリダマイシン系)、トリアジメホン (1− (4−クロロフェノキシ)−3,3 −ジメチル−1−(1,2,4−トリアゾール−1−イル)−2−ブタノン) 、イソプロチオラン (ジイソプロピル−1,3 −ジチオラン−2−イリデンマロネート)、TPN (テトラクロルイソフタロニトリル) 、パンソイル(5−エトキシ−3−トリクロルメチル−1,2,4 −チアジアゾール) 、フサライド(4,5,6,7−テトラクロルフタロリド) 、キタジンP (O,O−ジイソプロピル−S −ベンジルチオホスフェート)、ヒノザン(O−エチル−S,S −ジフェニルジチオホスフェート) 、プロベナゾール(3−アリロキシ−1,2 −ベンズイソチアゾール−1,1 −ジオキサイド) 、キャプタン(N−トリクロロメチルチオ−テトラヒドロフタルイミド)、ホセチル(アルミニウム=トリス(エチル=ホスナート))等があり、好適なものとしては、有機銅(Oxine-copper),水酸化第二銅,トリフミゾール( (E)−4−クロロ−α,α,α−トリフルオロ−N − (1−イミダゾール−1−イル−2−プロポキシエチリダン) −o−トルイジン),イプロジオン(3−(3,5−ジクロロフェニル) −N −イソプロピル−2,4 −ジオキソイミダゾリジン−1−カルボキサミド)が挙げられる。
殺虫剤の場合、ピレスロイド系殺虫剤としては、ペルメトリン((3-フェノキシベンジル=(1RS,3RS)-(1RS,3RS)-3-(2,2- ジクロロビニル)-2,2-ジメチルシクロプロパンカルボキシラート) 、シベルメトリン((RS)-α-シアノ-3-フェノキシベンジル=(1RS,3RS)-(1RS,3RS)-3-(2,2- ジクロロビニル)-2,2-ジメチルシクロプロパンカルボキシラート) 、フェンバレレエート(α−シアノ−3−フェノキシベンジル−2− (4−クロロフェニル)−3−メチルブタノエート) 、バイスロイド (シアノ(4−フルオロ−3−フェノキシフェニルメチル−3−(2,2−ジクロロエテニル)−2,2 −ジメチルシクロプロパンカルボキシレート) 、有機リン系殺虫剤としては、CYAP(O,O-ジメチル-O-p- シアノフェニル=チオホスフェート)、DMTP(O,O-ジメチル-S[ 5-メトキシ-1,3,4- チアジアゾル−2(3H)オニル-(3)- メチル] ジチオホスフェート)、BRP(ジメチル-1,2- ジブロム-2,2- ジクロロエチルホスフェート) 、サリチオン(2-メトキシ-4H-1,3,2-ベンゾジオキサホスホリン-2- スルフィド)、DDVP( ジメチル 2,2−ジクロルビニルホスフェート)、スミチオン(MEP) (O,O−ジメチル−O −(3−メチル−4−ニトロフェニル) チオフォスフェート) 、マラソン(S−〔1,2,−ビス (エトキシカルボニル)エチル〕ジメチルホスホロチオールチオネート)、ジメトエート(ジメチル S−(N−メチルカルバモイルメチル)ジチオホスフェート) 、エルサン( S−〔α−(エトキシカルボニル)ベンジル〕ジメチルホスホロチオールチオネート) 、バイジット(O,O−ジメチル−O −(3−メチル−4−メチルチオフェニルチオホスフェート))、カーバメート系殺虫剤としては、バッサ(O-sec- ブチルフェニルメチルカーバメート)、MTMC(m−トリルメチルカーバメート)、メオパール(3,4−ジメチルフェニル−N −メチルカーバメート)、NAC(1−ナフチル−N −メチルカーバメート) 、メソミル(S メチル−N 〔(メチルカルバモイル)オキシ〕チオアセトイミド)、カルタップ(1,3−ビス(カルバモイルチオ)−2−(N,N−ジメチルアミノ)プロパンハイドロクロライド)等があり、好適なものとしては、ペルメトリン,DDVP( ジメチル 2,2−ジクロルビニルホスフェート)、メソミル(S メチル−N 〔(メチルカルバモイル)オキシ〕チオアセトイミド)が挙げられる。
更に、天然系殺虫剤としては、除虫菊由来のピレトリン剤、ピペロニルブトキシド剤、マメ科のかん木デリス由来のロテノン剤、ニコチン剤(3−(1−メチル−2−ピルロリジニル)ピリジンサルフェート)等が挙げられる。昆虫成長制御剤(IGR剤)としては、ジフルベンズロン(1−(4クロロフェニル)−3−(2,6 −ジフルオロベンゾイル)尿素)、テフルベンズロン(1−(3,5 −ジクロロ−2,4 −ジフルオロフェニル)−3−(2,6 −ジフルオロベンゾイル)尿素)、クロルフルアズロン(1−〔3,5 −ジクロロ−4−(3−クロロ−5−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)フェニル〕−3−(2,6 −ジフルオロベンゾイル)尿素、ブプロフェジン(2−ターシャリーブチルイミノ−3−イソプロピル−5−フェニル−3,4,5,6 −テトラヒドロ−2H−1,3,5 −チアジアジン−4−オン)、フェノキシカルブ(エチル−2−(4−フェノキシフェノキシ)エチルカルバマート)等が挙げられる。
また殺ダニ剤としては、CPCBS(パラクロロフェニルパラクロロベンゼンスルホネート) 、フェニソブロモレート(4,4'-ジブロムベンジル酸イソプロピル)、テトラジホン(2,4,5,4'-テトラクロロジフェニルスルホン) 、フェノチオカルブ(S-4- フェノキシブチル=ジメチルチオカーバメート)、フェンピロキシメート(tert−ブチル=(E)-α-(1,3-ジメチル-5- フェノキシピラゾール-4- イルメチレンアミノオキシ)-p-トルアート) 、フルアシナム(3-クロロ-N-(3-クロロ-5- トリフルオロメチル-2-ピリジル)-α,α,α-トリフルオロ-2,6-ジニトロ-p-トルイジン) 、クロフェンテジン(3,6-ビス(2-クロロフェニル)-1,2,4,5-テトラジン)、DPC(ジニトロメチルヘプチルフェニルクロトネート) 、ピリダベン(2−tert−ブチル−5−(4−tert−ブチルベンジルチオ)−4−クロロピリダジン−3(2H)−オン)、アクリシッド(2,4−ジニトロ−6−セカンダリ−ブチルフェニルジメチルアクリレエート)、クロルマイト(イソプロピル−4,4 −ジクロルベンジレエート)、クロルベンジレート(エチル−4,4 −ジクロルベンジレエート)、ケルセン(1,1−ビス(p−クロルフェニル)−2,2,2 −トリクロルエタノール)、ベンゾメート(エチル−O −ベンゾイル−3−クロル−2,6 −ジメトキシベンゾハイドロキシメイト) BPPS (2−(p−tert−ブチルフェノキシ)−シクロヘキシル−2−プロピニルスルファイト)、酸化フェンブタスズ(ヘキサキス(β,β−ジメチルフェニルエチル)ジスタンノキサン)、ヘキシチアゾクス(トランス−5−(4−クロロフェニル)−N −シクロヘキシル−4−メチル−2−オキソチアゾリジン−3−カルボキサミド)、アミトラスズ(3−メチル−1,5−ビス(2,4−キシリル)−1,3,5 −トリアザペンタ−1,4 −ジエン)等があり、好適なものとしては、フェニソブロモレート(4,4'-ジブロムベンジル酸イソプロピル),アミトラスズ(3−メチル−1,5−ビス(2,4−キシリル)−1,3,5 −トリアザペンタ−1,4 −ジエン),フェンピロキシメート(tert−ブチル=(E)-α-(1,3-ジメチル-5- フェノキシピラゾール-4- イルメチレンアミノオキシ)-p-トルアート) が挙げられる。
除草剤としては、酸アミド系除草剤として、例えばスタム(3,4−ジクロルプロピオンアニリド、DCPA)、アラクロール(2−クロロ−2',6' −ジエチル−N −(メトキシメチル)アセトアニリド)等が挙げられる。尿素系除草剤として、例えば、DCMU(3−(3,4−ジクロロフェニル)−1,1 −ジメチルウレア)、リニュロン(3−(3,4−ジクロロフェニル)−1−メトキシ−1−メチルウレア)等が挙げられる。ビピリジリウム系除草剤としては、例えばパラコート(1,1'−ジメチル-4,4'-ビピリジウムジクロライド)、ジクワット(6,7-ジヒドロジピリド[1,2-a:2',1'c]ピラジンディウムジブロマイド)等が挙げられる。ダイアジン系除草剤としては、例えばブロマシル(5−ブロモ -3-sec-ブチル−6−メチルウラシル)等が挙げられる。トリアジン系除草剤としては、例えばシマジン(2−クロロ-4,6- ビス(エチルアミノ)-1,3,5- トリアジン)、シメトリン(2,4-ビス(エチルアミノ)−6−メチルチオ-1,3,5- トリアジン)等が挙げられる。ニトリル系除草剤としては、例えばDBN (2,6-ジクロロベンゾニトリル)等が挙げられる。ジニトロアニリン系除草剤としては、例えばトリフルラリン(α,α,α−トリフルオロ-2,6- ジニトロ-N,N- ジプロピル−p−トルイジン)等が挙げられる。カーバメート系除草剤としては、例えばベンチオカーブ(サターン)(S−p−クロロベンジル-N,N- ジエチルチオカーバメート)、MCC (メチル-3,4- ジクロロカーバニレート)等が挙げられる。ジフェニルエーテル系除草剤としては、例えばNIP (2,4-ジクロロフェニル−p−ニトロフェニルエーテル)等が挙げられる。フェノール系除草剤としては、例えばPCP (ソディウム ペンタクロロフェノキシド)等が挙げられる。安息香酸系除草剤としては、例えばMDBA(ジメチルアミン-3,6- ジクロロ−o−アニセート)等が挙げられる。フェノキシ系除草剤としては、例えば 2,4-Dナトリウム塩(ソディウム 2,4- ジクロロフェノキシアセテート)、マピカ([(4-クロロ−o−トルイル)オキシ] アセト−o−クロロアニリド)等が挙げられる。アミノ酸系除草剤としては、例えばグリホセート(N-(ホスホノメチル) グリシン又はその塩)、ビアラホス(ソディウム・ソルト・オブ L−2−アミノ−4−〔(ヒドロキシ)(メチル)=ホスフィノイル〕ブチリル−L −アラニル−L −アラニン)、グリホシネート(アンモニウム−DL−ホモアラニン−4−イル(メチル)ホスフィネート)等が挙げられるが、雑草等への浸透性をより効果的に発現させる観点からグリホセート(N-(ホスホノメチル) グリシン又はその塩)が好ましい。また脂肪族系除草剤としては、例えばTCA ナトリウム塩(ソディウム・トリクロロアセテート)あり、好適なものとしては、DBN (2,6-ジクロロベンゾニトリル),DCMU(3−(3,4−ジクロロフェニル)−1,1 −ジメチルウレア),パラコート(1,1'−ジメチル-4,4'-ビピリジウムジクロライド)、ジクワット(6,7-ジヒドロジピリド[1,2-a:2',1'c]ピラジンディウムジブロマイド)が挙げられる。
更に、本発明の農薬組成物には上記以外の植物成長調節剤、肥料、防腐剤等の1種以上を混合して用いることもできる。
本発明の農薬組成物において、雑草等への浸透性を向上させ、農薬の効力増強及び耐雨性を向上させる観点から、農薬用効力増強剤組成物中の(A)成分又は(A)成分と(B)成分の合計量と、農薬原体との重量比(〔(A)又は(A)+(B)〕/農薬原体)は、好ましくは99/1〜1/99、より好ましくは90/10〜1/99、更に好ましくは60/40〜3/97、更により好ましくは50/50〜5/95である。
また、本発明の農薬組成物の製剤型は、乳剤、液剤、水和剤、粒剤、粉剤、フロアブル製剤等いずれでもよく、製剤型は問わない。従って、その製剤型に応じた他の添加剤、例えば乳化剤、溶剤、分散剤、担体等を含有するものであってもよい。本発明に係わる農薬用効力増強剤組成物の使用方法は、農薬用効力増強剤組成物を含有する上記各種剤型の農薬組成物を使用する方法と、本発明の効力増強剤組成物を含有しない農薬組成物を希釈して使用する際に本発明に係わる農薬用効力増強剤組成物を使用する方法があるが、どちらの方法にても本発明の目的とする効力増強作用が得られる。
本発明の農薬組成物は、その製剤中に必要に応じてキレート剤、pH調節剤、無機塩類、増粘剤等を含有してもよい。
本発明に使用し得るキレート剤としては、アミノポリカルボン酸系キレート剤、芳香族及び脂肪族カルボン酸系キレート剤、アミノ酸系キレート剤、エーテルポリカルボン酸系キレート剤、ホスホン酸系キレート剤(例えばイミノジメチルホスホン酸(IDP)、アルキルジホスホン酸(ADPA)等である)、又はジメチルグリオキシム(DG)、ヒドロキシカルボン酸系キレート剤、高分子電解質系(含オリゴマー)キレート剤等であり、これらは酸のまま或いはナトリウム、カリウム、アンモニウム等の塩の形のものであってもよい。キレート剤は農薬用効力増強剤組成物中のロジンオキシアルキレン付加物とそれ以外の界面活性剤の合計量に対して、0.01〜30倍モルの割合で配合される。
アミノポリカルボン酸系キレート剤としては、
a)RNX2型化合物
b)NX3 型化合物
c)R-NX-CH2CH2-NX-R型化合物
d)R-NX-CH2CH2-NX2 型化合物及び
e)X2N-R'-NX2型化合物
の全てが使用できる。上記式中Xは-CH2COOH又は-CH2CH2COOHを表し、Rは水素原子、アルキル基、水酸基、ヒドロキシアルキル基又はこの種の公知のキレート化合物を表す置換基を表し、R'はアルキレン基、シクロアルキレン基及びこの種の公知のキレート化合物を表す基を表す。これらの代表例としては、エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)、シクロヘキサンジアミンテトラ酢酸(CDTA)、ニトリロトリ酢酸(NTA)、イミノジ酢酸(IDA)、N-(2-ヒドロキシエチル)イミノジ酢酸(HIMDA)、ジエチレントリアミンペンタ酢酸(DTPA)、N-(2-ヒドロキシエチル)エチレンジアミン三酢酸(EDTA−OH)及びグリコールエーテルジアミンテトラ酢酸(GEDTA)並びにこれらの塩等が挙げられる。
本発明に使用し得る芳香族及び脂肪族カルボン酸系キレート剤は、シュウ酸、コハク酸、ピルビン酸又はアントラニル酸及びこれらの塩等である。また、本発明に使用し得るアミノ酸系キレート剤はグリシン、セリン、アラニン、リジン、シスチン、システイン、エチオニン、チロシン又はメチオニン及びこれらの塩及び誘導体等である。また、本発明に使用し得るヒドロキシカルボン酸系キレート剤としては、グリコール酸、リンゴ酸、クエン酸、グルコン酸、ヘプトン酸、酢酸及びこれらの塩等である。更に、本発明に使用し得るエーテルポリカルボン酸系キレート剤としては、例えば次式で表される化合物並びにその類似化合物及びその塩(特にNa塩等)が挙げられる。
Figure 2012051861
本発明に使用し得る高分子電解質系(含オリゴマー)キレート剤としては、アクリル酸重合体、無水マレイン酸重合体、α−ヒドロキシアクリル酸重合体、イタコン酸重合体及びこれらの共重合体、エポキシコハク酸重合体等が挙げられる。
本発明に使用し得るpH調節剤としてはクエン酸、リン酸(ピロリン酸)、グルコン酸等或いはこれらの塩である。
本発明に使用し得る無機塩類としては、無機鉱物塩として例えば無機塩クレー、タルク、ベントナイト、ゼオライト、炭酸カルシウム、ケイソウ土、ホワイトカーボン等が挙げられ、無機アンモニウム塩として例えば硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、チオシアン酸アンモニウム、塩化アンモニウム、スルファミン酸アンモニウム等が挙げられる。
また本発明に使用し得る増粘剤としては、天然、半合成及び合成の水溶性増粘剤は何れも使用でき、天然粘質物では、微生物由来のキサンタンガム、ザンフロー、植物由来のペクチン、アラビアゴム、グアーゴムなどが、半合成粘質物では、セルロース又はでんぷん誘導体のメチル化物、カルボキシアルキル化物、ヒドロキシアルキル化物(メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロースなどを含む)、ソルビトールなどが、また合成粘質物では、ポリアクリル酸塩、ポリマレイン酸塩、ポリビニルピロリドン、ペンタエリスリトールエチレンオキサイド付加物などが具体例として挙げられる。
本発明では、殺菌、殺虫、殺ダニ、除草又は植物成長調節を目的として、本発明の農薬用効力増強剤組成物を含有し、該農薬用効力増強剤組成物を農薬原体の0.03〜50倍、好ましくは0.1〜50倍、更に好ましくは0.3〜35倍含有する農薬組成物を用いることができる。
表1に示す農薬用効力増強剤組成物を調製し、除草効果及び耐雨性を以下の方法で評価した。その結果を表1に示す。また、表1の一部の農薬用効力増強剤組成物について、雑草に対する浸透性を以下の方法で評価した。その結果を表2に示す。なお、表1及び表2中の(A)成分の構造を表3に示した。
(1)除草効果試験
ガラス温室内で、市販の園芸培土(クレハ園芸培土)を入れた9cmのポットにイヌビエを生育させた。生育が異常なポットは廃棄し、イヌビエの草丈が約30〜40cm程度に生育したポットを試験に用いた。市販グリホサート製剤(KEN−UP、Kenso社製)を水道水で150倍に希釈した水溶液100mlに対して、農薬用効力増強剤組成物0.2gを添加し、試験水溶液(農薬組成物)を調製し、園芸用スプレー(パナソニック製)を用い、750L/haの割合でポット中のイヌビエ全体に均一にかかるように噴霧し、除草効果を評価した。除草効果の評価は、地上部の生育状態を肉眼で観察して散布処理後約20日後に、肉眼で観察し、除草効果の判定を行った。判定基準は、0から10までの11段階で1点きざみで行い、0は除草効果を示さない、10は植物全てが完全に死滅した、とした。各ポットの判定結果及びポット3個の平均値を表に示した。
(2)耐雨性試験
ガラス温室内で、市販の園芸培土(クレハ園芸培土)を入れた9cmのポットにイヌビエを生育させた。生育が異常なポットは廃棄し、イヌビエの草丈が約30〜40cm程度に生育したポットを試験に用いた。市販グリホサート製剤(KEN−UP、Kenso社製)を水道水で150倍に希釈した水溶液100mlに対して、農薬用効力増強剤組成物0.2gを添加し、試験水溶液(農薬組成物)を調製し、園芸用スプレー(パナソニック製)を用い、750L/haの割合でポット中のイヌビエ全体に均一にかかるように噴霧した。噴霧3時間後に、人工降雨(5mmの降水に相当)を行い耐雨性の判定を行った。耐雨性の評価は、地上部の生育状態を肉眼で観察して散布処理後約20日後に、肉眼で観察し、耐雨性を判定した。判定基準は、0から10までの11段階で1点きざみで行い、0は除草効果を示さない、10は植物全てが完全に死滅した、とした。各ポットの判定結果及びポット3個の平均値を表に示した。
(3)浸透性試験
ガラス温室内で、市販の園芸培土(クレハ園芸培土)を入れた9cmのポットにイヌビエを生育させた。生育が異常なポットは廃棄し、イヌビエの草丈が約30〜40cm程度に生育したポットを試験に用いた。市販グリホサート製剤(KEN−UP、Kenso社製)を水道水で150倍に希釈した水溶液100mlに対して、農薬用効力増強剤組成物0.2gを添加し、試験水溶液(農薬組成物)を調製し、イヌビエ葉面に20μL(10μL×2スポット)を処理し、24時間後に葉表面に残存しているグリホサートを回収し、定量を行い初期のグリホサート処理量より浸透率を求めた。
Figure 2012051861
Figure 2012051861
表中、POEはポリオキシエチレンの略、POPはポリオキシプロピレンの略であり、かっこ内の数字はポリオキシエチレン又はポリオキシプロピレンの平均付加モル数である。実施例の農薬用効力増強剤組成物は、比較例に比べて、農薬の浸透性、耐雨性に優れ、除草効果も良好であった。
Figure 2012051861
表3中、Cの後の数字は炭素数を意味し、例えば、C12は炭素数12の直鎖アルキル基であることを意味する(他も同様)。

Claims (5)

  1. 下記一般式(I)で表される第四級アンモニウム塩系界面活性剤(A)を含有する農薬用効力増強剤組成物。
    Figure 2012051861

    [式中、R1、R2は、同一又は異なって、炭素数6〜20の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基であり、R3は−(AO)nH又はベンジル基であり、AOは炭素数2〜4のアルキレンオキシ基であり、nは平均付加モル数であって1〜5であり、R4は炭素数1〜3の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はヒドロキシアルキル基であり、X-は対イオンである。]
  2. 更に、非イオン性界面活性剤(B)を含有する請求項1記載の農薬用効力増強剤組成物。
  3. 第四級アンモニウム塩系界面活性剤(A)と非イオン性界面活性剤(B)の重量比が、(A)/(B)で80/20〜10/90である請求項2記載の農薬用効力増強剤組成物。
  4. 請求項1〜3いずれか記載の農薬効力増強剤組成物と農薬原体を含有する農薬組成物。
  5. 第四級アンモニウム塩系界面活性剤(A)又は第四級アンモニウム塩系界面活性剤(A)と非イオン性界面活性剤(B)の合計量と、農薬原体との重量比が、第四級アンモニウム塩系界面活性剤(A)又は第四級アンモニウム塩系界面活性剤(A)と非イオン性界面活性剤(B)の合計量/農薬原体で、99/1〜1/99である請求項4記載の農薬組成物。
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