JP2014119727A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】濃度に関する画像形成条件の制御に小さな検出画像を使用できる画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置は、像担持体の表面に、像担持体の表面の移動方向と異なる方向の1つ以上のラインを有する検出画像を形成する画像形成手段と、像担持体に形成された検出画像を検出して出力信号を出力する検出手段と、検出手段の出力信号のピーク値に基づき、形成する画像の濃度に関する画像形成条件を制御する制御手段と、を備えており、検出手段は、像担持体に光を照射する発光手段と、発光手段が発光し、像担持体で反射した光を受光して受光量に応じた検出信号を出力する受光手段と、像担持体の表面の異なる位置からの正反射光成分を含む受光量に対応する検出信号の値の差に応じた信号を出力信号として出力する出力手段と、を備えている。
【選択図】図11
【解決手段】画像形成装置は、像担持体の表面に、像担持体の表面の移動方向と異なる方向の1つ以上のラインを有する検出画像を形成する画像形成手段と、像担持体に形成された検出画像を検出して出力信号を出力する検出手段と、検出手段の出力信号のピーク値に基づき、形成する画像の濃度に関する画像形成条件を制御する制御手段と、を備えており、検出手段は、像担持体に光を照射する発光手段と、発光手段が発光し、像担持体で反射した光を受光して受光量に応じた検出信号を出力する受光手段と、像担持体の表面の異なる位置からの正反射光成分を含む受光量に対応する検出信号の値の差に応じた信号を出力信号として出力する出力手段と、を備えている。
【選択図】図11
Description
本発明は、電子写真方式の複写機やプリンター等の画像形成装置に関し、より詳しくは、画像形成装置における画像形成条件の調整技術に関する。
電子写真方式による画像形成装置は、レーザ光により感光体に形成した静電潜像をトナーで現像し、現像したトナー像を記録材に直接又は間接的に転写することで画像を形成している。特に、カラー画像形成装置においては、使用する各色のトナー像を重ねて画像を形成するため、各トナー像の濃度を正確に調整することが重要である。しかしながら、画像形成条件を一定に保っても、温度や湿度といった環境要因によって画像形成に係る各部材の特性が変化するため、これら変化により濃度が変動する。さらに、画像形成に係る各部材は、経年変化によりその特性が変化し、これも濃度の変動につながる。
このため、画像形成装置においては、最大濃度や、濃度の階調性を調整する濃度補正を実行する。具体的には、濃度検出用の検出画像を感光体、中間転写体又は記録材等の像担持体に形成し、センサによって検出画像の濃度を検出して画像形成条件へとフィードバックしている。なお、調整対象の画像形成条件としては、感光体の帯電電位、感光体に照射する光量や、現像バイアス、現像のためのトナーの補給量等がある。このような補正動作はキャリブレーションと呼ばれている。
ここで、特許文献1は、検出画像を読み取るための光学センサを開示している。特許文献1が開示する光学センサは、LEDと、このLEDによって検出画像を照らした際の正反射光及び拡散反射光を受光するフォトトランジスタを有している。特許文献1に記載の光学センサを使用して濃度を検知する場合には、10mm×10mm程度の面積にトナーで描いた検出画像を読み取ることになる。ここで、濃度補正に用いる検出画像は可能な限り小さいことが望ましい。これは、検出画像が小さければ、トナーの消費量が少なくなり、キャリブレーション時間が短くなるからである。このため、特許文献2は、CCDセンサを使用することで、小さい検出画像を使用する構成を開示している。
しかしながら、CCDは高価であり、CCDを用いると検出画像を小さくできるが、画像形成装置のコストが高くなってしまう。
本発明は、簡易な構成のセンサを用いて、濃度に関する画像形成条件の制御に小さな検出画像を使用できる画像形成装置を提供するものである。
本発明の一態様によると、像担持体の表面に、前記像担持体の表面の移動方向と異なる方向の1つ以上のラインを有する検出画像を形成する画像形成手段と、前記像担持体に形成された前記検出画像を検出して出力信号を出力する検出手段と、前記検出手段の出力信号のピーク値に基づき、形成する画像の濃度に関する画像形成条件を制御する制御手段と、を備えており、前記検出手段は、前記像担持体に光を照射する発光手段と、前記発光手段が発光し、前記像担持体で反射した光を受光して受光量に応じた検出信号を出力する受光手段と、前記像担持体の表面の異なる位置からの正反射光成分を含む受光量に対応する前記検出信号の値の差に応じた信号を前記出力信号として出力する出力手段と、を備えていることを特徴とする。
1つ以上のラインを含む検出画像を像担持体に形成し、像担持体の表面の異なる位置からの正反射光成分を含む受光量に対応する検出信号の値の差に応じた出力信号により画像形成条件を制御する。この構成により、簡易な構成のセンサを用いて、従来のものより小さな検出画像によって画像形成条件の制御を行うことが可能になる。
以下、本発明の例示的な実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の各図においては、実施形態の説明に必要ではない構成要素については図から省略する。
<第一実施形態>
まず、本実施形態による画像形成装置101の画像形成部及び制御部25について図1を用いて説明する。図1の参照符号の末尾のY、M、C、Bkは、それぞれ、対応する部材が対象とする現像剤(トナー)の色が、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックであることを示している。なお、以下の説明において色を区別する必要がない場合には、末尾のY、M、C、Bkを省いた参照符号を使用する。帯電部2によって、図中の矢印の方向に回転駆動される像担持体である感光体1は一様に帯電され、露光部7は、感光体1にレーザ光を照射して静電潜像を形成する。現像部3は、現像バイアスにより静電潜像に現像剤であるトナーを供給して、静電潜像を可視像であるトナー像にする。一次転写ローラ6は、一次転写バイアスにより感光体1のトナー像を中間転写ベルト8に転写する。なお、中間転写ベルト8は、矢印81の方向に回転駆動される。各感光体1が中間転写ベルト8にトナー像を重ねて転写することでカラー画像が形成される。クリーニングブレード4は、中間転写ベルト8に転写されず感光体1に残ったトナーを除去する。
まず、本実施形態による画像形成装置101の画像形成部及び制御部25について図1を用いて説明する。図1の参照符号の末尾のY、M、C、Bkは、それぞれ、対応する部材が対象とする現像剤(トナー)の色が、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックであることを示している。なお、以下の説明において色を区別する必要がない場合には、末尾のY、M、C、Bkを省いた参照符号を使用する。帯電部2によって、図中の矢印の方向に回転駆動される像担持体である感光体1は一様に帯電され、露光部7は、感光体1にレーザ光を照射して静電潜像を形成する。現像部3は、現像バイアスにより静電潜像に現像剤であるトナーを供給して、静電潜像を可視像であるトナー像にする。一次転写ローラ6は、一次転写バイアスにより感光体1のトナー像を中間転写ベルト8に転写する。なお、中間転写ベルト8は、矢印81の方向に回転駆動される。各感光体1が中間転写ベルト8にトナー像を重ねて転写することでカラー画像が形成される。クリーニングブレード4は、中間転写ベルト8に転写されず感光体1に残ったトナーを除去する。
搬送ローラ14、15及び16は、給紙カセット13内の記録材を搬送路9に沿って二次転写ローラ11まで搬送する。二次転写ローラ11は、二次転写バイアスにより中間転写ベルト8のトナー像を記録材に転写する。なお、記録材に転写されず中間転写ベルト8に残ったトナーは、クリーニングブレード21により除去され、廃トナー回収容器22へと回収される。トナー像が転写された記録材は、定着部17において、加熱及び加圧されてトナー像の定着が行われ、搬送ローラ20により装置外へと排出される。尚、制御部25は、CPU26を搭載しており、画像形成装置101の図示しない各種の駆動源のシーケンス制御や、センサを用いた各種制御等を行う。また、中間転写ベルト8に対向する位置に光学センサ27が設けられている。
以下、本実施形態の光学センサ27の詳細について、図2を用いて説明する。図2(A)は、光学センサ27の斜視図であり、図2(B)は、図2(A)のX方向から見た図である。本実施形態による光学センサ27は、基板271の上に配置された、発光素子272と、複数の受光素子273p、273n、274p及び274nを含む受光部270と、制御回路275と、遮光壁276と、を有している。発光素子272は、例えば、反射板の付帯がないLEDチップを有し、レンズ等により光束を絞ることなく、点光源の発散光束を中間転写ベルト8に照射する。受光部270の各受光素子は、中間転写ベルト8の移動方向81に沿ってアレイ状に配列されている。各受光素子は、例えば、受光量に応じた電流を出力するフォトダイオードである。本実施形態において、各受光素子は、中間転写ベルトでの反射光を集光レンズ等の、集光のための、或いは、光を絞るための光学部材を経由することなく受光して電流に変換する。なお、以下の説明においては、受光素子273n及び受光素子274nを受光部Anとも呼び、受光素子273p及び274pを受光部Apとも呼ぶ。つまり、受光部270は、受光部Ap(第1の受光部)と受光部An(第2の受光部)が交互に配置されたものである。この様に、本実施形態では、1つの受光部Apが1つの受光素子273p、274pに対応し、1つの受光部Anが1つの受光素子273n、274nに対応するものであるが、1つの受光部Ap及び1つの受光部Anは、3つ以上の受光素子を含むものであっても良い。つまり、本実施形態は、それぞれが2つ以上の受光素子で構成される受光部Apと受光部Anを交互に配置したものとすることができる。
図2(A)に示す様に、本実施形態において、受光部Ap及びAnの配列方向の幅は等しくWsnsであり、受光部Ap及び受光部Anのピッチは等しく、その値Psnsは、受光部Ap及び受光部Anの幅の2倍である。なお、本実施形態において受光部Apのピッチとは、隣接する受光部Apの対応する位置間、例えば中心間の距離を意味し、隣接する受光部Apの間の距離を意味するものではない。同様に、本実施形態において受光部Anのピッチとは、隣接する受光部Anの対応する位置間の距離を意味し、隣接する受光部Anの間の距離を意味するものではない。なお、本実施形態においては、各受光部Ap及び各受光部Anの受光面積は等しいものとする。さらに、各受光部Ap及び各受光部Anの受光面の配列方向の幅は、受光部Ap及受光部Anの幅Wsnsに略等しいものとする。
制御回路275は、発光素子272及び受光部270に電気的に接続されており、後述する信号処理回路を有している。遮光壁276は、発光素子272が照射した光が中間転写ベルト8を介さずに受光部270に入射することを防止するために設けられている。なお、中間転写ベルト8の表面は、光沢状にコーティング処理が行われる場合が多く、発光素子272から照射された光は、中間転写ベルト8の表面において、主に正反射する。一方、中間転写ベルト8に形成された画像のトナー部分では、発光素子272から照射された光は吸収又は拡散反射される。例えば、光源が赤色LEDの場合、照射光は、シアンとブラックのトナーに吸収され、イエローとマゼンタのトナーにより拡散反射される。また、例えば、光源が赤外LEDの場合、照射光は、ブラックのトナーに吸収され、イエロー、マゼンタ及びシアンのトナーにより拡散反射される。図2(A)及び(B)では、発光素子272が照射し、中間転写ベルト8の表面で正反射した光を矢印で示している。なお、図2(B)においては、照射光がトナーに吸収又はトナーで拡散反射されることにより、受光部270が形成された領域において反射光が弱くなる様子、つまり、トナーにより影ができる様子を符号279で示している。
以下、図2(A)に示す、濃度の検出画像であるパターン画像40と、受光部270上に投影される光の関係について説明する。本実施形態において、パターン画像40は、中間転写ベルト8表面の移動方向81と直交する方向の同じ長さのラインを、移動方向81に沿って2つ形成した縞状のトナー像とする。なお、形成するラインの数は例示であり、2つ以上の任意の数を使用できる。また、本実施形態ではラインを実線として説明するが、細かな斑状からなる破線又は点線であっても良い。以後、パターン画像40のライン間の部分をスペースと呼ぶものとする。図2(A)に示す様に、本実施形態のパターン画像40の、移動方向81におけるライン幅はWt40であり、スペース幅はWb40であり、ライン間のピッチはPt40である。なお、パターン画像40のライン幅は、例えば、数ドットレベル(600dpiの解像度で、1ドットは42.3μm)である。なお、本実施形態においてライン間のピッチとは、隣接する2つのラインの対応する位置間、例えば、中心間の距離を意味するものであり、スペースの幅を意味するものではない。
発光素子272は点光源の発散光束を照射するタイプのLEDであるため、中間転写ベルト8に形成されたパターン画像40による像は、所定の倍率で受光部270に投影される。本実施形態においては、中間転写ベルト8と、基板271は平行に配置されているため、発光素子272から中間転写ベルト8への入射光と正反射光は等角である。さらに、発光素子272と受光部270は基板271上の表面の高さが同一になるように構成されている。つまり、入射光(往路)と正反射光(復路)の光路長は等しくなっている。そのため、中間転写ベルト8に形成した縞状のパターン画像40は、2倍の大きさの像となって受光部270上に投影される。つまり、中間転写ベルト8のパターン画像40のライン幅Wt40、スペース幅Wb40、ライン間のピッチPt40は、受光部270上に投影されたときには総て2倍の大きさとなる。また、パターン画像40のラインによる影の図2(A)のX方向の長さは、受光部Ap及び受光部AnのX方向の長さより長くする。本実施形態において、受光部Ap及び受光部AnのX方向の長さは0.2mm程度である。したがって、パターン画像40のラインの図2(A)のX方向の長さを、0.1mm程度に画像形成ばらつきを加えた長さ以上とすれば、パターン画像40の影は受光部Ap及び受光部Anを覆い隠す。なお、パターン画像40の影が受光部Ap及び受光部Anを覆い隠さなくても良い。
次に、制御回路275について図3を用いて説明する。制御回路275は、基板271上で受光部270と接続されている。さらに、制御回路275の内部では、受光部Apを構成する受光素子273pと274pが接続されており、受光部Anを構成する受光素子273nと274nが接続されている。また、受光部Apは、IV変換アンプ281に接続され、受光部Anは、IV変換アンプ284に接続されている。そして、受光部270が光を受光すると、受光部Apの総受光量に対応する電流Iapと、受光部Anの総受光量に対応する電流Ianが、それぞれ、IV変換アンプで電圧に変換される。
電圧Vccを抵抗287及び288で分圧することにより生成した基準電圧Vref1がボルテージフォロア289により、IV変換アンプ281及び284の非反転入力端子に入力されている。従って、IV変換アンプ281及び284は、それぞれ、次式で表わされる電圧S1及び電圧S2を出力する。
S1=Vref1−(R282×Iap)
S2=Vref1−(R285×Ian)
ここで、R282は抵抗282の抵抗値であり、R285は抵抗285の抵抗値である。なお、コンデンサ283及び286は位相補償およびノイズ除去のために設けられている。
S1=Vref1−(R282×Iap)
S2=Vref1−(R285×Ian)
ここで、R282は抵抗282の抵抗値であり、R285は抵抗285の抵抗値である。なお、コンデンサ283及び286は位相補償およびノイズ除去のために設けられている。
差動アンプ290の非反転入力端子には、ボルテージフォロア298から基準電圧Vref2が入力される。なお、基準電圧Vref2は、電圧Vccを抵抗296及び297により分圧して生成したものである。差動アンプ290は、基準電圧Vref2と、S1及びS2の差動増幅を行って端子295に光学センサ27の出力信号であるセンサ信号Vsns=Vref2+S2−S1を出力する。よって、受光部Apの総受光量と、受光部Anの総受光量が等しいとき、センサ信号は基準電圧Vref2となる。一方、受光部Apの総受光量が、受光部Anの総受光量より大きいと、センサ信号は基準電圧Vref2より大きくなる。これに対して、受光部Apの総受光量が、受光部Anの総受光量より小さいと、センサ信号は基準電圧Vref2より小さくなる。つまり、光学センサ27は、受光部Apの総受光量から受光部Anの総受光量を減じた値に応じた振幅の信号を出力する。
次に、発光素子272の点灯回路について説明する。制御回路275には発光素子272を定電流駆動するために、オペアンプ299及び付帯回路が設けられている。オペアンプ299は、トランジスタ302を駆動することにより発光素子272を電流駆動して点灯させる。点灯時に発光素子272を流れる電流は抵抗器301により検出され、オペアンプ299の反転入力端子でモニタされる。一方、オペアンプ299の非反転入力端子には、発光素子272の駆動電流をCPU26が設定するための電圧入力端子Trgtが接続される。つまり、オペアンプ299は端子Trgtから設定された値になるように発光素子272を定電流駆動する。
以下、上述した光学センサ27を用いての複数ラインを含むパターン画像40の検出について説明する。なお、以下の説明において、ライン及びスペースの幅とは、パターン画像を中間転写ベルト8に形成したときの、中間転写ベルト8の表面の移動方向における幅である。また、受光部の幅とは、受光部Ap及び受光部Anの配列方向の幅である。なお、受光部Ap及び受光部Anの配列方向は、パターン画像のラインによる影が移動する方向に等しい。なお、以下の説明において、受光部An及びApの幅Wsnsが254μmであるものとする。
図4は、ライン幅が異なる3種類のパターン画像を示している。各パターン画像は2本のラインで構成されている。なお、図4の点線で示す幅Lwは、形成目標のライン幅及びスペース幅である。ここで、目標ライン幅Lwは、受光素子273及び274の幅Wsnsの半分の幅(=127μm)であり、目標とするラインのピッチ(2Lw)は、受光素子273及び274のピッチPsnsの半分である。つまり、受光部270が配置された場所における、パターン画像による明暗の明部と暗部の、その移動方向における幅が、受光素子273及び274の幅Wsnsと等しくなる場合の、パターン画像のライン幅が目標ライン幅である。
図4のパターン画像41、42及び43のラインのピッチはいずれも目標とするラインのピッチである2Lwであるが、ライン幅はそれぞれ異なっている。具体的には、パターン画像41のライン幅は目標ライン幅Lwに等しい。しかしながら、パターン画像42のライン幅は目標ライン幅Lwの0.8倍の101.6μmであり、パターン画像43のライン幅は目標ライン幅Lwの1.2倍の152.4μmである。
図5は、図4のパターン画像41を検出したときの光学センサ27の出力信号を示している。なお、出力信号の下には、パターン画像41の移動により移動する、パターン画像41のラインにより生じる影と、受光部270との位置関係を示している。なお、出力信号は、その値が基準電圧Vref2のとき、つまり、受光部Apの総受光量と受光部Anの総受光量が等しいときを0とし、最大値が1となる様に規格化している。
状態(a)は、ラインの影が受光部Ap及びAnのいずれも覆っていない状態である。この場合、受光部Apの総受光量と受光部Anの総受光量は等しく、よって、光学センサ27の出力は0となる。状態(b)は、ラインの影が1つの受光部Anを覆っている状態である。このとき、受光部Apの総受光量は、受光部Anの総受光量の倍となり、光学センサ27の出力は0.5となる。状態(c)は、状態(b)とは逆に、ラインの影が1つの受光部Apを覆っている状態である。このとき、受光部Anの総受光量は、受光部Apの総受光量の倍となり、光学センサ27の出力は−0.5となる。状態(d)は、ラインの影が総ての受光部Anを覆っている状態である。このとき、受光部Anの総受光量は、ほぼ0であり、光学センサ27の出力は1.0となる。状態(e)は、状態(d)とは逆に、ラインの影が総ての受光部Apを覆っている状態である。このとき、受光部Apの総受光量は、ほぼ0であり、光学センサ27の出力は−1.0となる。以後、パターン画像41が移動することで、ラインの影が状態(f)、(g)、(h)と変化すると、光学センサ27の出力は、0.5、−0.5、0と変化する。
図6は、図4のパターン画像42を検出したときの光学センサ27の出力信号を、図5と同様な表記方法で示したものである。なお、出力波形の最大値は、パターン画像41を検出したときの最大値が1となる様に規格化している。図6に示す様に、パターン画像42のライン幅は、目標ライン幅の0.8倍であるため、その影は受光部Ap及びAnの幅より小さく、ラインによる影が受光部Apや受光部Anの全体を覆うことはない。したがって、影で覆われることによる受光量の低下は、図5に示すパターン画像41を検出したときより小さくなる。したがって、受光部Apの総受光量と受光部Anの総受光量の差が最大となる状態(d)及び(e)においても、その差分は、図5の状態(d)及び(e)のときより小さくなる。具体的には、パターン画像42を検出したときの光学センサ27の出力信号のピーク値は、パターン画像41を検出したときの光学センサ27の出力信号のピーク値の0.8倍となる。ここでパターン画像41とパターン画像42のライン幅の比は、
127μm:101.6μm=1:0.8
である。つまり、光学センサ27の出力信号のピーク値は、ライン幅が目標より小さくなると、それに比例して小さくなる。
127μm:101.6μm=1:0.8
である。つまり、光学センサ27の出力信号のピーク値は、ライン幅が目標より小さくなると、それに比例して小さくなる。
図7は、図4のパターン画像43を検出したときの光学センサ27の出力信号を、図6と同様な表記方法で示したものである。図7に示す様に、パターン画像43のライン幅は、目標ライン幅の1.2倍であるため、その影は受光部Apや受光部Anの幅より大きくなる。したがって、受光部Apの総受光量と受光部Anの総受光量の差が最大となる状態(d)及び(e)においても、その差分は、図5の状態(d)及び(e)のときより小さくなる。これは、状態(d)においては、ラインによる影が、受光部Anのみではなく、受光部Apも覆い、状態(e)においては、ラインによる影が、受光部Apのみではなく、受光部Anも覆うからである。具体的には、パターン画像43を検出したときの光学センサ27の出力信号のピーク値は、パターン画像41を検出したときの光学センサ27の出力信号のピーク値の0.9倍となる。なお、図7においてセンサ出力が最大になる状態(d)及び(e)のタイミングと、図5の状態(d)及び(e)のタイミングは少しずれる。
以上の通り、発光素子272からの光が、所定のライン・ピッチで形成したパターン画像40を照射することで生じる明暗が、中間転写ベルト8の移動により受光部270を通過すると、光学センサ27は基準電圧Vref2を中心に振動する信号を出力する。この信号のピーク値は、パターン画像40のライン幅により変化する。具体的には、ラインにより受光部270の位置に生じる影の幅が、受光部Ap及び受光部Anの幅と同じとするライン幅のときに、光学センサ27の出力信号のピーク値が最大となる。そして、ライン幅がそれより小さくても、大きくても、光学センサ27の出力信号のピーク値が小さくなる。目標ライン幅からのずれ量と、光学センサ27の出力信号のピーク値との関係を図8に示す。なお、光学センサ27の出力信号のピーク値は、中間転写ベルト8の移動速度(回転速度)に依存しない。
続いて、パターン画像40の形成について説明する。図9は、主走査方向の1本のラインの静電潜像を感光体1に形成した際の、ラインの幅方向における電位分布を示している。なお、図9に示すグラフの縦軸は、負の電位を表している。レーザ光の光量は中心から外側に向かって減衰する強度分布を有している。このため、帯電した感光体1にレーザ光で静電潜像を形成すると、そのエッジ部分において、感光体1の電位は、図9のグラフで示す様に、帯電電位Vdから露光後の電位Vlに徐々に変化することになる。このような静電潜像を現像バイアスVdc1で現像すると、現像コントラストVcnt1は、
Vcnt1=|Vdc1−Vl|
となる。現像コントラスト分の静電潜像を満たすようにトナーが現像されるため、現像バイアスVdc1で現像を行うと、図9のトナー像71で示す様に、ライン幅Wt1のトナー像が形成される。
Vcnt1=|Vdc1−Vl|
となる。現像コントラスト分の静電潜像を満たすようにトナーが現像されるため、現像バイアスVdc1で現像を行うと、図9のトナー像71で示す様に、ライン幅Wt1のトナー像が形成される。
同様に、現像バイアスVdc1よりも負側で高い現像バイアスVdc2で現像を行った場合、現像コントラストVcnt2は
Vcnt2=|Vdc2−Vl|
となる。そのため、現像バイアスVdc2で現像を行うと、図9のトナー像72で示すライン幅Wt2のトナー像が形成される。
Vcnt2=|Vdc2−Vl|
となる。そのため、現像バイアスVdc2で現像を行うと、図9のトナー像72で示すライン幅Wt2のトナー像が形成される。
したがって、現像コントラストを大きくすると、ライン幅は広くなり現像濃度が濃くなる。図10(A)は、現像バイアスを変化させたときの、ライン幅の変化の測定結果であり、図10(B)は、現像バイアスを変化させたときの、最大濃度の変化の測定結果である。図10(A)及び(B)に示す様に、ライン幅及び最大濃度は、現像バイアスと比例関係にある。また、図10(C)は、図10(A)及び(B)の測定結果より導き出したライン幅と最大濃度の関係を示している。図10(C)に示す様に、ライン幅と最大濃度は、ほぼ正比例の関係にある。したがって、ライン幅を制御することによって最大濃度を制御することができる。
以下、本実施形態における最大濃度キャリブレーションについて説明する。本実施形態においては、電源投入時等の初期状態において行う初期最大濃度キャリブレーションと、印刷中に少しずつ最大濃度が変化することに対処するために行う印刷中最大濃度キャリブレーションの2つのキャリブレーションを実行する。なお、印刷中に最大濃度が変化するのは、連続印刷により感光体1の温度が変化することで、感光体1の抵抗値が変化し、これにより感光体1の電荷のリーク量が変化して潜像電位が変化することが1つの理由と考えられている。
<初期最大濃度キャリブレーション>
本実施形態による初期最大濃度キャリブレーションについて、図11のフローチャートを用いて説明する。S1で、画像形成装置101の電源がONになると、S2において、制御部25は、画像形成装置101の故障チェックを行う。続いて、制御部25は、S3において、図12に示す初期最大濃度キャリブレーションのためのパターン画像43から46を中間転写ベルト8に形成する。なお、パターン画像43から46は、それぞれ、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのトナーにより形成されているが、色以外については同じである。なお、図12においては、光学センサ27を中間転写ベルト8の進行方向81に直交する方向の各側にそれぞれ設け、パターン画像43及び44を一方の側に、パターン画像45及び46を他方の側に設けている。しかしながら、これは例示であり、任意の数の光学センサ27を用いることができる。また、図12には、代表して、イエローのトナーで形成したパターン画像43の詳細を示しているが、他の色のパターン画像についても同様である。ここで、パターン画像43は、図2に示す2つのラインを含むパターン画像40を複数含むものである。ただし、各パターン画像40を形成する際の現像バイアスについては、徐々に変化させている。本実施形態では、1つのパターン画像43は20個のパターン画像40を含み、最初のパターン画像40を−280Vの現像バイアスで形成し、以後、−375Vまで、−5Vずつ順に変化させた現像バイアスで形成している。
本実施形態による初期最大濃度キャリブレーションについて、図11のフローチャートを用いて説明する。S1で、画像形成装置101の電源がONになると、S2において、制御部25は、画像形成装置101の故障チェックを行う。続いて、制御部25は、S3において、図12に示す初期最大濃度キャリブレーションのためのパターン画像43から46を中間転写ベルト8に形成する。なお、パターン画像43から46は、それぞれ、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのトナーにより形成されているが、色以外については同じである。なお、図12においては、光学センサ27を中間転写ベルト8の進行方向81に直交する方向の各側にそれぞれ設け、パターン画像43及び44を一方の側に、パターン画像45及び46を他方の側に設けている。しかしながら、これは例示であり、任意の数の光学センサ27を用いることができる。また、図12には、代表して、イエローのトナーで形成したパターン画像43の詳細を示しているが、他の色のパターン画像についても同様である。ここで、パターン画像43は、図2に示す2つのラインを含むパターン画像40を複数含むものである。ただし、各パターン画像40を形成する際の現像バイアスについては、徐々に変化させている。本実施形態では、1つのパターン画像43は20個のパターン画像40を含み、最初のパターン画像40を−280Vの現像バイアスで形成し、以後、−375Vまで、−5Vずつ順に変化させた現像バイアスで形成している。
S4において、制御部25は、形成したパターン画像43から46を光学センサ27で検出する。ここで、パターン画像43に含まれる各パターン画像40について、パターン画像40を形成したときの現像バイアスと、当該パターン画像を検出したときの光学センサ27の出力のピーク値の関係をプロットすると、図13のYで示すグラフが得られる。同様に、パターン画像44〜46から、図13のM、C、Bkで示すグラフがそれぞれ得られる。これらデータは、図示しない記憶部に保存され、制御部25は、S5において、図13のグラフより各色について20個のピーク値の最大値に対応するパターン画像40を判定する。そして、S6において、判定したパターン画像40を形成したときの現像バイアスを、当該色について使用する現像バイアスとして設定する。その後、制御部25は、S7において、濃度階調性キャリブレーションや、色ずれキャリブレーションといったその他のキャリブレーションを実行し、その後、S8においてスタンバイ状態へと移行する。なお、S5及びS6においては、実際に形成したパターン画像40を光学センサ27で検出し、その出力信号のピーク値を測定し、ピーク値が最大となるパターン画像40を形成したときの現像バイアスを判定していた。しかしながら、出力信号のピーク値の測定結果を補間して、現像バイアスと、光学センサ27の出力信号のピーク値との関係を求め、これにより、出力信号のピーク値が最大となる現像バイアスを判定する形態であっても良い。
<印刷中最大濃度キャリブレーション>
続いて、印刷中最大濃度キャリブレーションについて、図14のフローチャートを用いて説明する。一般的な画像形成装置においては、連続して印刷を行う場合、印刷する記録材間の搬送間隔を、例えば、70mm程度としている。したがって、中間転写ベルト8には、記録材に転写する画像間に、記録材間の搬送間隔に対応する、記録材に転写されない領域が存在する。以後、このような、記録材間の間隔に対応する中間転写ベルト8の領域を非転写領域と呼ぶものとする。本実施形態では、この非転写領域を利用して印刷中にキャリブレーションを実行する。
続いて、印刷中最大濃度キャリブレーションについて、図14のフローチャートを用いて説明する。一般的な画像形成装置においては、連続して印刷を行う場合、印刷する記録材間の搬送間隔を、例えば、70mm程度としている。したがって、中間転写ベルト8には、記録材に転写する画像間に、記録材間の搬送間隔に対応する、記録材に転写されない領域が存在する。以後、このような、記録材間の間隔に対応する中間転写ベルト8の領域を非転写領域と呼ぶものとする。本実施形態では、この非転写領域を利用して印刷中にキャリブレーションを実行する。
印刷中最大濃度キャリブレーションの開始により、制御部25は、S10において、中間転写ベルト8の非転写領域に、図15に示す印刷中最大濃度キャリブレーションのためのパターン画像53から56を形成する。なお、図15において、網掛された領域は、2次転写の際に記録材に転写する画像が形成される領域であり、網掛けされた領域間の領域が非転写領域である。なお、パターン画像53から56は、それぞれ、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのトナーにより形成されているが、色以外については同じである。また、使用する光学センサ27の数も任意である。また、図15は、代表して、イエローのトナーで形成したパターン画像53の詳細を示しているが、他の色についても同様である。ここで、パターン画像53は、図2で示した2つのラインを含むパターン画像40を複数含むものである。ただし、各パターン画像40を形成する際の現像バイアスについては、徐々に変化させている。具体的には、使用する現像バイアスは、現在の設定値と、現在の設定値を所定値だけ増減させた値である。本実施形態では、パターン画像40−1からパターン画像40−5を、それぞれ、現在の設定値+10V、現在の設定値+5、現在の設定値、現在の設定値−5V、現在の設定値−10Vで形成している。なお、各色のパターン画像に含まれるパターン画像40の数は5個に限定されず任意の数を使用できる。
制御部25は、S11において、形成したパターン画像53から56を光学センサ27で検出する。ここで、パターン画像53に含まれる各パターン画像40について、パターン画像40を形成したときの現像バイアスと、当該パターン画像を検出したときの光学センサ27の出力信号のピーク値の関係をプロットすると、図16のYで示すグラフが得られる。同様に、パターン画像54〜56より、図16のM、C、Bkで示すグラフがそれぞれ得られる。制御部25は、S12において、図16のグラフより、各色について5個のピーク値の最大値に対応するパターン画像40を判定する。続いて、制御部25は、S13において、印刷が終了するか否かを判定し、印刷が終了しない場合には、S14において、各色について、S12で判定したパターン画像40を形成したときの現像バイアスを実際に使用する現像バイアスとして設定する。一方、印刷が終了する場合にはそのまま終了する。なお、図11に示す初期最大濃度キャリブレーションと同様に、実際にパターン画像40の形成に使用した現像バイアスの値からS14で設定する現像バイアスの値を決定するのではなく、測定結果を補間して求める形態とすることもできる。
印刷中最大濃度キャリブレーションを行わない画像形成装置では、連続印刷中に感光体等の温度・湿度が変化し、その影響により画像濃度が徐々に変化することがある。本実施形態では、印刷中最大濃度キャリブレーションを行うことで、刻々と変化する最大濃度をフィードバックして最大濃度の変動を抑制できる。
以上説明したように、パターン画像のライン幅が、受光素子の受光面の幅や、発光素子との位置関係等できまる特定の値の場合に光学センサ27の振幅のピーク値が最大となることを利用して、1mmより細いライン幅のパターン画像により濃度制御を行う。具体的には、異なる現像バイアスで複数のパターン画像を形成し、光学センサ27の出力信号のピーク値が、目標値である最大値となる現像バイアスを判定することで濃度制御を行う。この微小サイズのパターン画像により、CCDを使用することなく、安価に、かつ、高精度な最大濃度キャリブレーションを行うことが可能になる。
また、パターン画像のサイズが小さいため、キャリブレーションで使用するトナー量が少なくなり、よって、キャリブレーションで使用したトナーの回収量を減らすことができる。さらには、連続して印刷している間においても最大濃度キャリブレーションを実行することが可能になるため、連続印刷中に印刷を一時停止させることなく、印刷中における濃度差を低減することができる。
なお、本実施形態において、光学センサ27は、中間転写ベルト8に形成したパターン画像40からの反射光を受光する反射型センサであった。しかしながら、本発明は、反射型センサに限定されず、透過型センサでも実現可能である。また、上述した実施形態においては、濃度に関する画像形成条件として現像バイアスの値を制御して設定するものであった。しかしながら、現像コントラストを変更する他の画像形成条件、例えば、帯電部2の帯電電位や、露光部7による露光強度を制御するものであっても良い。
また、上述した実施形態においては、パターン画像40は、2本のラインを含むものであった。しかしながら、3本以上のラインを含むものであっても良い。例えば、3本のラインを含むパターン画像40を光学センサ27で読み取ると、光学センサ27からはピーク値が2回出力される。これら複数のピーク値の平均を算出することにより、光学センサ27による読み取りのバラツキを減らすことが可能になる。また、1本のラインを含むパターン画像であっても良い。この場合には、ラインの幅に応じた振幅の信号が2回出力される。さらに、上述した実施形態において、光学センサ27は2つの受光部Apと2つの受光部Anを有するものであった。しかしながら、受光部Ap及び受光部Anの数は、それぞれ3つ以上とすることができる。受光部Ap及び受光部Anの数を増やすことで、受光部Apの総面積と受光部Anの総面積が広くなり、光学センサ27の受光量を増やすことができる。
さらに、光学センサ27の出力信号情報に対して、ピークが得られるタイミング前後のデータのみを採用する制御を行うことによって、本実施形態は、1つの受光部Apと1つの受光部Anで構成可能となる。
なお、上述した実施形態では、受光部Anと受光部Apの受光面積と、受光面の配列方向の幅は等しく、パターン画像による影の配列方向と直交する方向の長さは、受光部An及び受光部Anの当該方向の長さより長いものとしていた。これら条件は、各受光部An及び各受光部Apのパターン画像による影響を受けていないときの受光量を等しくし、かつ、各受光部An及び各受光部Apがパターン画像による影響を受けているときの受光量の低下量を等しくするためであった。しかしながら、上記条件を総て満たさなくとも、パターン画像による影響を受けていないときの受光量を等しくし、パターン画像による受光量の低下量を同じとすることができることは当業者には自明であり、本発明は上記条件に限定されない。
さらに、上述した実施形態では、パターン画像40のラインは、中間転写ベルト8の移動方向に直交する方向に形成されたものを例に使用して説明したが、直交する方向に対して斜めに引いたラインであっても良い。つまり、パターン画像40は、中間転写ベルト8が移動した際にトナー量(現像剤量)が規則的に変化する画像であれば良く、パターン画像40の移動方向とは異なる方向のラインを含むものとすることができる。
<第二実施形態>
第一実施形態は、パターン画像40のラインによる影の幅が、受光部Ap及び受光部Anの幅と同じになる様に制御することで、最大濃度を制御するものであった。例えば、受光部Ap及び受光部Anの幅が254μmであるとすると、ライン幅が127μmとなる様に調整し、これは、図10(C)から、最大濃度を1.32に調整するものであった。本実施形態では、パターン画像40の目標ライン幅を、受光部Ap及び受光部Anの幅で決まる固定的な値ではなく可変値とするものである。なお、本実施形態においては、ユーザは、各色について、最大濃度の設定値として、"標準"と、"+1"〜"+5"及び"−1"〜"−5"の計11段階から選択するものとする。そして、図18に示す様な、最大濃度設定値と、目標ライン幅との関係を予め求めて記憶部に記憶させておくものとする。また、最大濃度設定値が"標準"であるときの目標ライン幅を、基準ライン幅とし、図8に示す様な、基準ライン幅からのずれ量と光学センサの出力信号のピーク値との関係も予め求めて記憶部に記憶させておくものとする。さらに、最大濃度の初期設定値は"標準"であり、画像形成装置101は、図11に示す初期最大濃度キャリブレーションを既に実行し、よって、図13に示すデータが記憶部に記憶されているものとする。なお、図13に示すデータは、予め記憶部に記憶しておくものであっても良い。以下、図17を用いて本実施形態による最大濃度制御処理について説明する。
第一実施形態は、パターン画像40のラインによる影の幅が、受光部Ap及び受光部Anの幅と同じになる様に制御することで、最大濃度を制御するものであった。例えば、受光部Ap及び受光部Anの幅が254μmであるとすると、ライン幅が127μmとなる様に調整し、これは、図10(C)から、最大濃度を1.32に調整するものであった。本実施形態では、パターン画像40の目標ライン幅を、受光部Ap及び受光部Anの幅で決まる固定的な値ではなく可変値とするものである。なお、本実施形態においては、ユーザは、各色について、最大濃度の設定値として、"標準"と、"+1"〜"+5"及び"−1"〜"−5"の計11段階から選択するものとする。そして、図18に示す様な、最大濃度設定値と、目標ライン幅との関係を予め求めて記憶部に記憶させておくものとする。また、最大濃度設定値が"標準"であるときの目標ライン幅を、基準ライン幅とし、図8に示す様な、基準ライン幅からのずれ量と光学センサの出力信号のピーク値との関係も予め求めて記憶部に記憶させておくものとする。さらに、最大濃度の初期設定値は"標準"であり、画像形成装置101は、図11に示す初期最大濃度キャリブレーションを既に実行し、よって、図13に示すデータが記憶部に記憶されているものとする。なお、図13に示すデータは、予め記憶部に記憶しておくものであっても良い。以下、図17を用いて本実施形態による最大濃度制御処理について説明する。
S20において、制御部25は、ユーザの操作による最大濃度設定値の変更命令を検出する。なお、以下の説明においては、ユーザが総ての色について、最大濃度設定値+2を選択したものとする。制御部25は、S21において、図18の変換テーブルから、目標ライン幅を取得する。例えば、最大濃度設定値"+2"に対しては、目標ライン幅137μmが求められる。
制御部25は、S22において、目標ライン幅137μmと、基準ライン幅(=127μm)との差を計算する。本例では、137μm−127μm=+10μmが算出される
。続いて、S23において、図8に示す様な、基準ライン幅からのずれ量と、センサ出力のピーク値の関係を使用して、S22で求めたずれ量に対応するセンサ出力のピーク値を判定して目標値とする。本例では、目標ライン幅の基準ライン幅からのずれ量が+10μmであるので、図8より、センサの出力ピーク値の目標値の最大値に対する割合は0.96である。続いて、S24において、制御部25は、図13に示す初期最大濃度キャリブレーションで得た結果を用いて、センサ27の出力信号のピークの目標値から現像バイアスを決定する。具体的には、図13のグラフより、イエロー(Y)の出力信号のピークの最大値は2.00Vである。したがって、センサ27の出力信号のピーク値の目標値は、2.00Vを0.96倍した1.92(V)となる。最大濃度設定値は、"+2"と標準より濃いため、図13のグラフの最大値より右側において1.92Vに最も近いピーク値1.90Vを選択して、その時に印加していた現像バイアス−305Vを導き出すことができる。このようにして、最大濃度設定値"+2"から使用する現像バイアスを"−305V"に決定する。この様に、本実施形態では、初期最大濃度キャリブレーションの結果を使用して所望の最大濃度に濃度制御することができる。なお、本実施形態においても、現像バイアスと、出力信号のピーク値との測定結果を補間して現像バイアスを決定することができる。
。続いて、S23において、図8に示す様な、基準ライン幅からのずれ量と、センサ出力のピーク値の関係を使用して、S22で求めたずれ量に対応するセンサ出力のピーク値を判定して目標値とする。本例では、目標ライン幅の基準ライン幅からのずれ量が+10μmであるので、図8より、センサの出力ピーク値の目標値の最大値に対する割合は0.96である。続いて、S24において、制御部25は、図13に示す初期最大濃度キャリブレーションで得た結果を用いて、センサ27の出力信号のピークの目標値から現像バイアスを決定する。具体的には、図13のグラフより、イエロー(Y)の出力信号のピークの最大値は2.00Vである。したがって、センサ27の出力信号のピーク値の目標値は、2.00Vを0.96倍した1.92(V)となる。最大濃度設定値は、"+2"と標準より濃いため、図13のグラフの最大値より右側において1.92Vに最も近いピーク値1.90Vを選択して、その時に印加していた現像バイアス−305Vを導き出すことができる。このようにして、最大濃度設定値"+2"から使用する現像バイアスを"−305V"に決定する。この様に、本実施形態では、初期最大濃度キャリブレーションの結果を使用して所望の最大濃度に濃度制御することができる。なお、本実施形態においても、現像バイアスと、出力信号のピーク値との測定結果を補間して現像バイアスを決定することができる。
第一実施形態では、最大濃度制御に使用する目標ライン幅は、光学センサ27の受光部An及びApの幅により決定されていた。本実施形態では、受光部An及びApの幅によらず最大濃度制御が可能となる。
<第三実施形態>
第一実施形態においては、受光部Apと受光部Anの数は等しいものであった。本実施形態では、受光部Anの数を1つとし、受光部Apの数を2つとし、1本のラインによるパターン画像を使用する。以下、本実施形態について、第一実施形態との相違点を中心に説明する。なお、本実施形態において、画像形成装置101の構成は、第一実施形態と同様であるためその説明を省略する。
第一実施形態においては、受光部Apと受光部Anの数は等しいものであった。本実施形態では、受光部Anの数を1つとし、受光部Apの数を2つとし、1本のラインによるパターン画像を使用する。以下、本実施形態について、第一実施形態との相違点を中心に説明する。なお、本実施形態において、画像形成装置101の構成は、第一実施形態と同様であるためその説明を省略する。
図19(A)は、本実施形態による光学センサ77の斜視図であり、図19(B)は、図19(A)のX方向から見た図である。図19(A)に示す様に、本実施形態のパターン画像90は、幅Wt90の1本のラインを含む画像である。なお、光学センサ77は、第一実施形態における光学センサ27の受光部270を受光部770に置き換えたものであり、その他の構成は光学センサ27と同様であるためその説明は省略する。受光部770は、中間転写ベルト8の移動方向81に沿ってアレイ状に配列されている受光素子773p、775n、774pから成る。なお、受光素子775nは受光部Anを構成し、受光素子773p及び774pはそれぞれ受光部Apを構成する。このように、受光部770は、受光部Apと受光部Anが交互に配置されたものである。
図19(A)に示す様に、本実施形態において、受光部Apの幅はWsnspであり、受光部Anの幅Wsnsnは、受光部Apの幅Wsnspの2倍である。本実施形態では、受光部Apの幅Wsnspが127μm、受光部Anの幅Wsnsnが254μmであるものとする。さらに、各受光部Apの受光面積は、受光部Anの受光面積の半分、つまり、2つの受光部Apの総受光面積は、受光部Anの総受光面積に等しいものとする。なお、第一実施形態と同様に、受光部Apの受光面の配列方向の幅は、受光部Apの幅Wsnspに略等しく、受光部Anの受光面の配列方向の幅は、受光部Anの幅Wsnsnに略等しいものとする。さらに、パターン画像90のラインの幅Wt90は、受光部Apの幅Wsnspに等しく、つまり、受光部Anの幅Wsnsnの半分とする。したがって、パターン画像90のラインによる影は、図19(B)に示す様に、受光部770の位置においては、受光部Anの幅Wsnsnに等しくなる。なお、パターン画像90のラインによる影の図19(A)のX方向の長さは、第一実施形態と同様に、受光部Ap及び受光部Anの当該方向の長さより長いものとする。なお、図19(A)及び(B)の矢印は、発光素子272が照射し、中間転写ベルト8の表面で正反射した光を示している。
図20は、制御回路275と、受光部770及び発光素子272との接続構成を示している。図2の構成との相違点は、受光素子273p及び274pが受光素子773p及び774pに置き換えられ、受光素子273n及び274nが受光素子775nに置き換えられたこと以外は第一実施形態と同様である。したがって、第一実施形態と同様に、光学センサ77は、受光部Apの総受光量から受光部Anの総受光量を減じた値に対応する振幅の信号を出力する。
以下、光学センサ77による1本のラインを含むパターン画像90の検出について説明する。図21は、異なるライン幅のパターン画像を示している。なお、図21の点線で示す幅Lwは、形成目標のライン幅である。ここで、目標ライン幅Lwは、受光部Anの幅Wsnsnの半分の幅(=127μm)である。つまり、目標ライン幅Lwは、受光部770の位置において受光部Anの幅Wsnsnに等しい幅の影を形成する値である。ここで、図21のパターン画像91のライン幅は目標ライン幅Lwであるが、パターン画像92のライン幅は目標ライン幅Lwより小さい101.6μmであり、パターン画像93のライン幅は目標ライン幅Lwより大きい152.4μmである。
図22は、図21のパターン画像91を検出したときの光学センサ77の出力信号を示している。なお、出力信号の下には、パターン画像91の移動により移動する、ラインにより生じる影と、受光部770との位置関係を示している。なお、出力信号は、その値が基準電圧Vref2のとき、つまり、受光部Apの総受光量と受光部Anの総受光量が等しいときを0とし、最大値が1となる様に規格化している。
状態(a)は、ラインの影が受光部Ap及びAnのいずれも覆っていない状態である。この場合、受光部Apの総受光量と受光部Anの総受光量は等しく、よって、光学センサ77の出力は0となる。状態(b)は、ラインの影が受光部Apの1つを覆っている状態である。このとき、受光部Anの総受光量は、受光部Apの総受光量の倍となり、光学センサ77の出力は−0.5となる。状態(c)は、ラインの影が受光部Apの1つと、受光部Anの半分を覆っている状態であり、受光部Apの総受光量と受光部Anの総受光量は等しく、よって、光学センサ77の出力は0となる。状態(d)は、ラインの影が受光部Anの全体を覆っている状態である。このとき、受光部Anの総受光量は、ほぼ0であり、光学センサ77の出力は最大の+1.0となる。状態(e)は、状態(c)と同じく、ラインの影が受光部Apの1つと、受光部Anの半分を覆っている状態であり、光学センサ77の出力は0となる。状態(f)は、状態(b)と同じく、ラインの影が受光部Apの1つを覆っている状態であり、光学センサ77の出力は−0.5となる。状態(g)は、状態(a)と同じく、ラインの影がいずれの受光部も覆っていない状態であり、光学センサ77の出力は0となる。
図23は、図21のパターン画像92を検出したときの光学センサ27の出力信号を示している。図23の表記は図22と同じである。なお、出力信号のピーク値は、図22におけるパターン画像91を検出したときのピーク値が1となる様に規格化している。図23に示す様に、パターン画像92のライン幅は、目標ライン幅の0.8倍であるため、その影は受光部Anの全体を覆うことはない。したがって、状態(d)に示す様に、ラインによる影の全体が受光部Anを覆ったときでも、受光部Anは、正反射光を受光する。よって、受光部Apの総受光量と受光部Anの総受光量の差の最大値は、図22の状態(d)より小さくなる。具体的には、パターン画像92を検出したときの光学センサ77の出力信号のピーク値は、0.8となる。なお、パターン画像91とパターン画像92のライン幅の比は、
127μm:101.6μm=1:0.8
である。つまり、光学センサ77の出力信号のピーク値は、ライン幅が目標幅より小さくなると、それに比例して小さくなる。
127μm:101.6μm=1:0.8
である。つまり、光学センサ77の出力信号のピーク値は、ライン幅が目標幅より小さくなると、それに比例して小さくなる。
図24は、図21のパターン画像93を検出したときの光学センサ77の出力信号を示している。なお、図24の表記は図22と同じである。図24に示す様に、パターン画像93のライン幅は、目標とする幅の1.2倍であるため、その影が受光部Anのみを覆う状態は存在せず、影は、受光部Anの全体を覆ったうえで、いずれかの受光部Apの一部を覆うことになる。したがって、状態(d)に示す様に、ラインによる影が受光部Anの全体を覆ったときには、受光部Apも一部影に覆われ、よって、受光部Apの総受光量と受光部Anの総受光量との差は、図22の状態(d)より小さくなる。具体的には、パターン画像93を検出したときの光学センサ77の出力信号のピーク値は0.8となる。なお、パターン画像91とパターン画像93のライン幅の比は、
127μm:152.4μm=1:1.2
である。パターン画像93のライン幅のパターン画像91のライン幅からのずれ量は、25.4μmであり、ずれ量の比率は、0.2(=25.4÷127)である。
127μm:152.4μm=1:1.2
である。パターン画像93のライン幅のパターン画像91のライン幅からのずれ量は、25.4μmであり、ずれ量の比率は、0.2(=25.4÷127)である。
一方、パターン画像91を検出したときのピーク値を基準にすると、パターン画像93を検出したときのピーク値の基準値からのずれ量は、0.2(=1−0.8)である。この様に、ライン幅が目標値より大きいと、光学センサ77の出力信号のピーク値の基準値からのずれ量は、ライン幅の目標値からのずれ量と一致することになる。
以上の通り、本実施形態においてはラインによる影が受光部Anの幅と同じとなる様にすると、光学センサ77の出力信号のピーク値が最大となり、ライン幅がそれより小さくても、大きくても、光学センサ77の出力信号のピーク値は小さくなる。目標とするライン幅からのずれ量と、光学センサ77の出力信号のピーク値との関係を図25に示す。なお、光学センサ77の出力信号のピーク値は、中間転写ベルト8の移動速度(回転速度)に依存しない。この様に、図25に示す特性を利用して、第一実施形態や第二実施形態で説明した濃度補正キャリブレーションを実行することができる。本実施形態では、1本のラインによるパターン画像を使用するため、第一実施形態や第二実施形態より小さな検出画像とすることができる。
なお、本実施形態においては、光学センサ77の受光部770は、2つの受光部Apと、1つの受光部Anを有するものであった。しかしながら、3つの受光部Apと、2つの受光部Anを交互に配置する等、nを自然数として、(n+1)個の受光部Apと、n個の受光部Anを交互に配置したものとすることができる。このとき、受光部770の両端に配置される2つの受光部Apそれぞれの受光面積の和は、受光部770のそれ以外の受光部Ap及びAnそれぞれの受光面積と等しくする。また、受光部770の両端以外の受光部の受光面の配列方向の幅は等しく、受光部770の両端に配置される2つの受光部Apの受光面の配列方向の幅の倍とする。なお、受光部Apの数を受光部Anの数より1つだけ多くし、受光部Apを受光部770の両端に配置する形態で説明したが、受光部Apと受光部Anを入れ替えた形態とすることもできる。
<その他の実施形態>
なお、上記実施形態は、受光部Apと受光部Anそれぞれの受光量の時間変化を示す信号の差動処理を行うものであった。受光部Apと受光部Anは中間転写ベルト8の移動方向に沿って配置されている。したがって、受光部Apと受光部Anの受光量の時間変化は、互いに、受光部Apと受光部Anの距離と中間転写ベルト8の移動速度で決まる時間だけずらしたものである。したがって、受光部Apと受光部Anそれぞれの受光量の時間変化を示す信号の差動処理を行うことは、例えば、1つの受光部が出力する受光量に対応する信号を2分岐した後、互いに所定の時間だけずらして差動処理を行うことでも実現できる。このときにずらす時間は、受光部Apと受光部Anの距離と中間転写ベルト8の移動速度で決まる時間である。つまり、上記各実施形態は、1つ以上の受光部Apの総受光量と、1つ以上の受光部Anの総受光量との差動処理を行うものであったが、1つの受光部の受光量を示す信号の、1つ以上の第1の時間位置の和と、1つ以上の第2の時間位置の和との差動処理を行うことと等価である。例えば、複数のラインのパターン画像を移動させると、受光部における受光量は複数のラインに応じた周期で振動する。したがって、例えば、各第1の時間位置は、この周期が互いに同相となる様に設定し、各第2の時間位置も、この周期が互いに同相となる様に設定する。一方、第1の時間位置と第2の時間位置は、この周期の位相が異なる様に、例えば、逆相になる様に設定する。
なお、上記実施形態は、受光部Apと受光部Anそれぞれの受光量の時間変化を示す信号の差動処理を行うものであった。受光部Apと受光部Anは中間転写ベルト8の移動方向に沿って配置されている。したがって、受光部Apと受光部Anの受光量の時間変化は、互いに、受光部Apと受光部Anの距離と中間転写ベルト8の移動速度で決まる時間だけずらしたものである。したがって、受光部Apと受光部Anそれぞれの受光量の時間変化を示す信号の差動処理を行うことは、例えば、1つの受光部が出力する受光量に対応する信号を2分岐した後、互いに所定の時間だけずらして差動処理を行うことでも実現できる。このときにずらす時間は、受光部Apと受光部Anの距離と中間転写ベルト8の移動速度で決まる時間である。つまり、上記各実施形態は、1つ以上の受光部Apの総受光量と、1つ以上の受光部Anの総受光量との差動処理を行うものであったが、1つの受光部の受光量を示す信号の、1つ以上の第1の時間位置の和と、1つ以上の第2の時間位置の和との差動処理を行うことと等価である。例えば、複数のラインのパターン画像を移動させると、受光部における受光量は複数のラインに応じた周期で振動する。したがって、例えば、各第1の時間位置は、この周期が互いに同相となる様に設定し、各第2の時間位置も、この周期が互いに同相となる様に設定する。一方、第1の時間位置と第2の時間位置は、この周期の位相が異なる様に、例えば、逆相になる様に設定する。
また、上記実施形態において、受光部Apと受光部Anの受光面の配列方向の幅と、ラインの幅の関係について説明した。ここで、受光部Ap及びAnはその受光面で同時にある領域からの反射光を受光し、これは、同時に受光する反射光の平均値を求めていることに等しい。よって、受光面の配列方向の幅を増加させることは、例えば、受光部Apと受光部Anが出力する受光量の時間変化を示す信号に対して移動平均を求めることに等しい。ここで、1つの受光部が出力する信号の異なる時間位置の差動処理を行う形態では、信号を分岐してずらすためにメモリが必要となる。したがって、このメモリを利用することで、1つの受光部が出力する信号に第1の区間と第2の区間の2つの区間を設定し、第1の区間の移動平均値と、第2の区間の移動平均値の差動処理を容易に行うことができる。これにより、ラインの幅に応じた区間を容易に設定することができる。なお、このとき、第1の区間と第2の区間の時間間隔は、上記実施形態における受光部Apと受光部Anの距離に相当し、第1の区間と第2の区間の区間長は、受光面の配列方向の幅に相当する。
図26は、1つの受光部が出力する信号に対する上記処理を行うための構成図である。なお、1つの受光部が出力する信号の異なる時間の差動処理を行う本形態では、例えば、光学センサ27は、単に、受光部の受光量に対応する光検出信号をエンジン制御部25に出力する。なお、図26のサンプリング部31、移動平均処理部32及び33、差動処理部34は、例えば、エンジン制御部25に設けられる。しかしながら、サンプリング部31、移動平均処理部32及び33、差動処理部34をは、例えば、制御回路275に設けても良い。光検出信号は、サンプリング部31でサンプリングされ、それぞれ、移動平均処理部32及び33へと出力される。移動平均処理部32及び33は、所定長の区間の移動平均値を求め、求めた移動平均値をそれぞれ差動処理部34へと出力する。なお、移動平均処理部32が出力する移動平均値に対応する区間と、移動平均処理部33が同じ時刻に出力する移動平均値に対応する区間との間の期間は、上述した様に、例えば、光検出信号の位相が異なる様に設定する。差動処理部34は、移動平均処理部32及び33から移動平均値の差動処理を行う。この構成により差動処理部34は、例えば、図3の差動アンプ290の出力信号と同様の出力信号を出力する。
なお、言い換えると、上記実施形態は、パターン画像及びその前後の中間転写ベルト8表面の異なる位置からの正反射光成分を含む反射光量の差分を取るものともいえる。例えば、これは、同じ時間に受光部Apと受光部Anが受光する正反射光は、パターン画像及びその前後の中間転写ベルト8表面の異なる位置で反射したものであることから明らかである。また、1つの受光部が出力する信号の異なる時間位置の差動処理を行う形態も、パターン画像及びその周囲の中間転写ベルト8表面の異なる位置からの正反射光成分を含む反射光量の差分を取るものである。例えば、光検出信号の第1の時間位置と、第1の時間位置より後の第2の時間位置との差動処理を行うものとする。なお、第1の時間において受光部への正反射光の反射位置であるパターン画像上の位置を第1の位置とし、第2の時間において受光部への正反射光の反射位置を第2の位置とする。この場合、第1の位置と第2の位置との距離は、中間転写ベルト8の表面の移動速度に第1の時間と2の時間との差分を乗じた値に等しい。よって、第1の時間位置と第2の時間位置の差動処理を行うことは、受光部が第1の位置から正反射光を受光しているときの総受光量と、受光部が第2の位置から正反射光を受光しているときの総受光量との差動処理を行うことに相当するからである。
以上、発光素子が発散光束を中間転写ベルト8に照射することで、中間転写ベルト8のある程度広い範囲が発光素子により照らされることになる。したがって、受光素子が受光するパターン画像のラインによる拡散反射光は、パターン画像がこの照射領域を通過する間において略一定となる。したがって、複数の受光素子の受光量の差、或いは、1つの受光素子の異なる時間位置での受光量の差により、拡散反射光を除去又は抑圧し、正反射光成分のみを取り出すことができる。この構成により、拡散反射光の影響を抑えた濃度制御が可能となる。
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
Claims (15)
- 像担持体の表面に、前記像担持体の表面の移動方向と異なる方向の1つ以上のラインを有する検出画像を形成する画像形成手段と、
前記像担持体に形成された前記検出画像を検出して出力信号を出力する検出手段と、
前記検出手段の出力信号のピーク値に基づき、形成する画像の濃度に関する画像形成条件を制御する制御手段と、
を備えており、
前記検出手段は、
前記像担持体に光を照射する発光手段と、
前記発光手段が発光し、前記像担持体で反射した光を受光して受光量に応じた検出信号を出力する受光手段と、
前記像担持体の表面の異なる位置からの正反射光成分を含む受光量に対応する前記検出信号の値の差に応じた信号を前記出力信号として出力する出力手段と、
を備えていることを特徴とする画像形成装置。 - 前記制御手段は、前記画像形成条件の異なる値を使用して、前記像担持体に複数の前記検出画像を形成し、前記検出手段の出力信号のピーク値が目標値となる様に前記画像形成条件を制御することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記目標値は、前記検出手段が複数の前記検出画像のそれぞれを検出したときに出力する出力信号のピーク値の最大値であることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
- 前記目標値は、前記検出手段が複数の前記検出画像のそれぞれを検出したときに出力する出力信号のピーク値の最大値に対する割合で示されることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
- 前記受光手段は、交互に配置される1つ以上の第1の受光部と1つ以上の第2の受光部とを含み、
前記出力手段は、前記1つ以上の第1の受光部の総受光量と、前記1つ以上の第2の受光部の総受光量の差に応じた信号を前記出力信号として出力することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の画像形成装置。 - 前記第1の受光部それぞれの受光面積と、前記第2の受光部それぞれの受光面積は等しいことを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
- 前記第1の受光部それぞれの受光面の、前記第1の受光部と前記第2の受光部を交互に配置している方向である配列方向における幅と、前記第2の受光部それぞれの受光面の前記配列方向における幅は等しいことを特徴とする請求項5又は6に記載の画像形成装置。
- 前記検出画像は、前記像担持体の表面の移動方向に沿って、前記移動方向に直交する方向の複数のラインを含み、
前記受光手段は、複数の前記第1の受光部と、複数の前記第2の受光部を有し、
前記発光手段が前記検出画像を照射することで前記受光手段の位置に形成される明暗のピッチは、前記第1の受光部のピッチと、前記第2の受光部のピッチにそれぞれ等しいことを特徴とする請求項5から7のいずれか1項に記載の画像形成装置。 - 前記受光手段の両端は前記第1の受光部であり、
前記受光手段の前記両端に配置される前記第1の受光部を除く受光部の受光面積は等しく、かつ、前記両端に配置される2つの前記第1の受光部の受光面積の和に等しいことを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。 - 前記受光手段の両端は前記第1の受光部であり、
前記受光手段の前記両端に配置される前記第1の受光部を除く受光部の受光面の、前記第1の受光部と前記第2の受光部を交互に配置している方向である配列方向における幅は等しく、かつ、前記両端に配置される前記第1の受光部の受光面の前記配列方向における幅の倍であることを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。 - 前記第1の受光部及び前記第2の受光部は、それぞれ、1つ以上の受光素子を含むことを特徴とする請求項5から10のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 前記出力手段は、前記検出信号の第1の時間位置と、前記第1の時間位置とは所定の期間だけ離れた第2の時間位置との差に応じた信号を前記出力信号として出力することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 前記出力手段は、前記検出信号の第1の区間の平均値と、前記第1の区間とは所定の期間だけ離れた第2の区間の平均値との差に応じた信号を前記出力信号として出力することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 前記検出画像は、前記像担持体の表面の移動方向に沿って、前記移動方向に直交する方向の複数のラインを含み、
前記所定の期間は、前記検出信号に生じる前記複数のラインによる振動の周期とは異なる期間であることを特徴とする請求項12又は13に記載の画像形成装置。 - 前記画像形成手段は、感光体と、前記感光体を帯電する帯電手段と、前記感光体を露光して静電潜像を形成する露光手段と、現像バイアスを印加することで前記静電潜像を現像剤で現像する現像手段と、を備えており、
前記画像形成条件は、前記現像バイアスと、前記感光体の前記露光手段により露光された位置の電位との差である現像コントラストである、
ことを特徴とする請求項1から14のいずれか1項に記載の画像形成装置。
Priority Applications (2)
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JP2012277435A JP2014119727A (ja) | 2012-12-19 | 2012-12-19 | 画像形成装置 |
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2012
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