以下、本発明の例示的な実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の各図においては、実施形態の説明に必要ではない構成要素については図から省略する。また、以下の各図において、同様の構成要素には同様の参照符号を使用する。
<第一実施形態>
まず、本実施形態による画像形成装置の画像形成部100について図1を用いて説明する。図1において、帯電部16aは、像担持体である感光体18aを一様に帯電し、露光部11aは、感光体18aにレーザビームを照射し静電潜像を形成する。現像部17aは、感光体18aの静電潜像を、ブラックの現像剤(トナー)で現像してトナー像を形成する。一次転写部19aは、感光体18aのトナー像を、像担持体である中間転写ベルト8に転写する。なお、露光部11b〜11d、帯電部16b〜16d、現像部17b〜17d、感光体18b〜18d、一次転写部19b〜19dは、それぞれ、シアン、マゼンタ、イエローのトナー像を中間転写ベルト8に形成するためのものである。中間転写ベルト8に各色のトナー像が重ね合わせて転写されることで、中間転写ベルト8にはカラー画像が形成される。
二次転写部42は、カセット22から取り出される記録材に、中間転写ベルト8のトナー像を二次転写する。定着部23は、記録材に熱及び圧力を加えて、トナー像を記録材に定着させる。また、制御部25は、CPU26を備えており、CPU26は、画像形成に関する制御や、故障検知に関する制御等、画像形成装置全体の制御を行う。なお、CPU26が実行するプログラム等は図示しない記憶部に保存されている。
画像形成装置は、画像形成部100が中間転写ベルト8に形成した色ずれ及び濃度検出用のパターン画像を検出するためのセンサ27を備えている。なお、画像形成部100がパターン画像を生成するのに使用するパターン画像データは、予め図示しない記憶部に保存されている。
また、制御部25は、センサ27の出力信号を受信して色ずれ補正、及び、最大濃度補正や中間調濃度補正を自動的に行う。なお、最大濃度補正は、現像バイアス値や帯電バイアス値等のプロセス条件(画像形成条件)を変更することにより行う。また、中間濃度補正は、画像信号と画像濃度が直線的関係となる様にする補正、いわゆるγ補正(画像形成条件補正)である。これら補正は、所定枚数の印刷を行ったとき、電源が投入されたとき、利用者が補正を行う様に画像形成装置に入力を行ったとき等、所定の条件に合致した場合に制御部25は実行する。
なお、画像形成装置として、中間転写ベルト8を使用したタンデムタイプにより以下の説明を行うが、本発明はこれに限定されない。例えば、複数の感光体で形成したトナー像を、像担持体でもある記録材に直接転写する装置であっても良い。さらに、像担持体である感光体が1つで構成されるロータリ方式の装置であっても良い。さらに、感光体上に形成されたパターン画像に基づき補正制御を行うものであっても良い。つまり、本発明は、任意の像担持体に形成したパターン画像をセンサで検出する構成に適用できる。
本実施形態のセンサ27は、図2に示す様に、発光素子272と、受光素子273及び274と、制御回路が形成された制御IC275を基板271の同一面上に配置したものである。なお制御IC275は、制御部25と接続されており、制御部25に入力された制御IC275の出力信号は、直接、又は、後述する整流回路251等の処理回路を介してCPU26と電気的に接続されている。発光素子272は、例えば、LEDであり、受光素子273、274は、例えば、フォトダイオードであり、発光素子272からの反射光を受光可能な様に配置されている。本実施形態において、発光素子272は中間転写ベルト8に発散光束を照射する。つまり、発光素子272が照射する光はレンズ等の光学部材により絞り込みが行われない。さらに、本実施形態では、中間転写ベルト8での反射光は、レンズ等の、集光するための、或いは、光を絞るための光学部材を経由することなく受光素子273、274で受光されて受光量に応じた信号に変換される。さらに、本実施形態においては、受光素子273及び274は等しいピッチで交互に配置され、受光素子273及び274の数は同じである。つまり、偶数個の受光素子を使用する。なお、受光素子273及び274の全体を受光部とすると、奇数番目に配置された受光素子273(第1の受光部)と、偶数番目に配置された受光素子274(第2の受光部)がそれぞれ1つのグループを形成する。つまり、受光部は、交互に配置される第1の受光部と第2の受光部をそれぞれ1つ以上含むものである。以下の説明においては、受光素子273及び受光素子274をそれぞれ6個使用するものとするが、これは例示であり他の数であって良い。なお、各図において、各受光素子273及び274に表示している#1〜#6は、受光素子273、274の番号である。
図3は、制御IC275の回路構成と、発光素子272と、受光素子273及び274の電気的接続を示す図である。オペアンプであるIV変換アンプ281及び282の非反転入力端子には、ボルテージフォロア素子280から基準電圧が入力される。各受光素子273は、受光量に対応する電流を、それぞれ、IV変換アンプ282の反転入力端子に向けて出力する。理想的なオペアンプの反転入力端子と非反転入力端子のインピーダンスは無限大であるため、6つの受光素子273の総受光量に対応する電流は、IV変換アンプ282の反転入力端子と出力端子との間に接続されている抵抗306へと流れることになる。また、理想的なオペアンプ(IV変換アンプ)282の反転入力端子と非反転入力端子とは仮想的に短絡しており電位は略等しい。よって、6つの受光素子273のいずれも光を受光していない場合には、抵抗306には電流が流れず、抵抗306による電圧降下は発生しないため、IV変換アンプ282の出力は基準電圧に等しくなる。
これに対して、各受光素子273の総受光量が増大するに従い、抵抗306に流れる電流も増大し、よって抵抗306における電圧降下量も増大する。従って、図3の構成においては、IV変換アンプ282の出力電圧S1は、6つの受光素子273の総受光量が増大するにつれて小さくなることになる。なお、IV変換アンプ282の反転入力端子と出力端子との間に接続されているコンデンサは、位相補償及びノイズ除去のためのものである。同様に、IV変換アンプ281の出力電圧S2は、6つの受光素子274の総受光量が増大するにつれて小さくなることになる。なお、図3では、受光素子273をIV変換アンプ282に、受光素子274をIV変換アンプ281に夫々電気的に接続しているが、対応を逆にした場合でも、同様の効果が得られるよう動作することは明らかである。
電圧S1は、抵抗307〜310と共に減算回路を構成するオペアンプである差動アンプ283の反転入力端子に入力され、電圧S2は、差動アンプ283の非反転入力端子に入力される。差動アンプ283の非反転入力端子には、ボルテージフォロア素子284が出力するアナログ基準電圧Vrefが入力される。ボルテージフォロア素子284の出力電圧をVrefとし、抵抗308、307、309、310の抵抗値を夫々、R308、R307、R309、R310とし、差動アンプ283の出力をSoutとする。そして、例えばR308=R309、R307=R310のとき、Soutは以下の式で表される。
Sout=(S2−S1)×(R307/R308)+Vref
従って、差動アンプ283の出力は、電圧S1と電圧S2が等しい時には、アナログ基準電圧Vrefに等しくなる。また、電圧S1が電圧S2より低い場合には、アナログ基準電圧Vrefより高く、電圧S1が電圧S2より高い場合には、アナログ基準電圧Vrefより低くなる。なお、受光素子273、274の受光量が増加すると、電圧S1、S2は、それぞれ、小さくなる。従って、差動アンプ283の出力は、受光素子273の受光量が受光素子274より大きい場合、アナログ基準電圧Vrefより高く、受光素子273の受光量が受光素子274より小さい場合、アナログ基準電圧Vrefより低くなる。差動アンプ283の出力とアナログ基準電圧Vrefとの差は、受光素子273の受光量と受光素子274の受光量の差が大きくなる程大きくなる。差動アンプ283の出力は、端子300から制御IC275の外部に出力される。この様に、制御IC275は、受光素子273の総受光量と受光素子274の総受光量との差分に応じた信号(=Sout)を出力する出力部を構成する。
なお、差動アンプ285の非反転入力端子には、電圧S1及び電圧S2を加算し、抵抗290と抵抗291とで分圧した電圧が入力される。ここで抵抗290と抵抗291との抵抗値は等しいものとする。そして、差動アンプ285の出力と接続する端子302と、差動アンプ285の反転入力端子に接続する端子303を短絡することで、受光素子273、274の総受光量に相当する出力((S1+S2)/2)を検出することができる。これは、発光素子272の光量測定及び調整に使用する。なお、端子301は、発光素子272の光量の調整に使用する端子である。例えば、長期間の使用による発光素子272の光量の低下に対しては、中間転写ベルト8に光を照射したときの受光素子273及び274の総受光量を検出し、これにより端子301に印加する電圧を調整して発光強度を調整することができる。発光素子272の光量の調整は、例えば、濃度制御処理において、制御処理で使用するパターン画像からの反射光を検出する前の段階等において制御部25が実行する。つまり、制御部25は、光量制御部としても機能する。
続いて、図4(A)及び図4(B)を用いて、センサ27が、中間転写ベルト8に形成したパターン画像81からの正反射光を受光する様子を説明する。なお、図4(A)においては、簡略化のため、制御IC275及び基板271を省略している。また、図4(A)において、符号82で示す矢印は、中間転写ベルト8の表面の移動方向を示している。図4(A)に示す様に、本実施形態では、パターン画像81は、中間転写ベルト8の移動方向に沿って等しいピッチで、移動方向に垂直なトナー部(以後、ラインと呼ぶ。)を複数含む画像である。
図4(A)に示す様に、発光素子272からの、パターン画像81のトナーによるライン間に照射された光は正反射する。本実施形態においては、図5に示す様に、パターン画像81の隣接するライン間のピッチをPtとし、各受光素子273、274の移動方向82におけるピッチを、ラインのピッチの2倍の2Ptとする。なお、総ての実施形態において、ラインのピッチとは、図5に示す様に、あるラインと、それに隣接するラインの対応する位置との距離を意味し、トナーが無い部分(以後、スペースと呼ぶ。)の幅を意味するものではない。なお、本実施形態においては、図5に示す様に、ラインとスペースの幅を等しくPt/2とする。同様に、総ての実施形態において、隣接する受光素子のピッチとは、図5に示す様に、受光素子273と274を区別し、ある受光素子と、隣接する同じ符号の受光素子の対応する位置との距離を意味する。本実施形態においては、図5に示す様に、受光素子273及び274のピッチは等しく2Ptであり、受光素子273及び274の幅は等しくPtである。なお、以下の実施形態においては、受光素子273及び274の受光面の幅は、受光素子273及び274の幅に等しいものとする。しかしながら、受光素子273及び274の受光面の幅は、受光素子273及び274の幅より小さくても良い。
正反射光の反射面における入射角と反射角は等しいため、この構成により、パターン画像81のスペースで反射した光は、パターン画像81の位置によっては、受光素子273又は274に入射することになる。なお、図4(A)は、正反射光が受光素子273のみに入射している様子を示している。図4(B)は、図4(A)と同じく、正反射光が受光素子273のみに入射している様子を、中間転写ベルト8の移動方向と、基板271の法線方向を含む平面に対して垂直な方向から見た図である。
一方、発光素子272からの、パターン画像81のラインに照射された光は拡散反射する。従って、図6(A)に示す様に、ラインで反射した光は、総ての受光素子273及び274に略均等に入射する。なお、図6(A)においても、簡略化のため、制御IC275及び基板271を省略している。また、図6(A)は、パターン画像81の1つのラインからの拡散反射光のみを示しているが、実際には、各ラインからの拡散反射光が受光素子273及び274に入射する。図6(B)は、図6(A)と同じく、拡散反射光が総ての受光素子273に入射している様子を、中間転写ベルト8の移動方向と、基板271の法線方向を含む平面に対して垂直な方向から見た図である。
また、パターン画像81が形成されていない領域においては、総ての受光素子273及び274に、中間転写ベルト8の表面で反射した正反射光が入射することになる。この様子を図7に示す。
従って、パターン画像81がセンサ27の検出範囲外にあるときには、センサ27の受光素子273及び274には、それぞれ、中間転写ベルト8の表面で反射した正反射光が入射する。この場合、図3の電圧S1及びS2は等しく、よって、センサ27の出力は、アナログ基準電圧Vrefとなる。
これに対して、パターン画像81がセンサ27の検出範囲内に入ると、パターン画像81の位置によっては、パターン画像81のスペースで反射した正反射光は、受光素子273又は274の一方のみに入射するため、電圧S1とS2は等しくなくなる。スペースと受光素子273及び274との相対位置は、パターン画像81の移動により変化するため、受光素子273が正反射光を受光する状態と、受光素子274が正反射光を受光する状態は交互に変化する。つまり、電圧S1と電圧S2の大小関係は、パターン画像81がセンサ27の検出範囲内にあるときに交互に変化することになる。よって、パターン画像81がセンサ27の検出範囲内にあるとき、センサ27の出力は、アナログ基準電圧Vrefを中心に振動することになる。
上記内容を、図8及び図9を用いてより具体的に説明する。なお、図8において"+"で示す受光素子は、受光素子273であり、"−"で示す受光素子は、受光素子274である。また、受光素子の下には、各受光素子の番号を示している。さらに、パターン画像81は、図において左側の方向へ移動するものとする。
<状態0>状態0は、各受光素子が、中間転写ベルト8のパターン画像81が形成されていない領域からの正反射光を受光している状態である。ここで、矢印の点線上にある丸印は、中間転写ベルト8での反射点である。このとき、受光素子273と受光素子274の総受光量はそれぞれ等しく、よって、センサ27の出力は、図9の"状態0"で示すアナログ基準電圧Vrefとなる。
<状態1>状態1は、パターン画像81の先頭のラインが、番号#6の受光素子274への正反射光の反射点に来た状態である。状態1(A)に示す様に、番号#6の受光素子274以外の受光素子は、総て正反射光を受光している。また、状態1(B)に示す様に、パターン画像81の先頭のラインにおける拡散反射光は、各受光素子が受光する。よって、番号#6の受光素子274は、正反射光を受光せず、拡散反射光のみを受光することになる。一方、その他の受光素子は、総て正反射光及び拡散反射光を受光しているため、受光素子273の総受光量は、受光素子274の総受光量より大きくなる。よって、センサ27の出力は、図9の"状態1"で示すアナログ基準電圧Vrefより高い電圧となる。
<状態2>状態2は、パターン画像81の先頭のラインが、番号#6の受光素子273への正反射光の反射点に来た状態である。図に示す様に、状態2においては、総ての受光素子274と番号#6以外の受光素子273は、正反射光を受光するが、番号#6の受光素子273は、正反射光を受光しなくなる。また、拡散反射光は受光素子273及び274にほぼ均等に入射する。従って、受光素子273の総受光量は、受光素子274の総受光量より小さくなる。よって、センサ27の出力は、図9の"状態2"で示すアナログ基準電圧Vrefより低い電圧となる。
<状態3>状態3は、パターン画像81のスペースが、各受光素子273への正反射光の反射点にある状態である。つまり、パターン画像81のラインが、各受光素子274への正反射光の反射点にある状態である。この場合、総ての受光素子274は、正反射光を受光せず、拡散反射光のみを受光することになる。これに対して、総ての受光素子273は、拡散反射光に加えて、図の点線の矢印で示す様に正反射光を受光することになる。よって、受光素子273の総受光量は、受光素子274の総受光量より大きく、かつ、その差は最大となる。よって、センサ27の出力は、図9の"状態3"で示す最大電圧となる。
<状態4>状態4は、パターン画像81のスペースが、各受光素子274への正反射光の反射点にある状態である。つまり、パターン画像81のラインが、各受光素子273への正反射光の反射点にある状態である。この場合、総ての受光素子273は、正反射光を受光せず、拡散反射光のみを受光することになる。これに対して、総ての受光素子274は、拡散反射光に加えて、図の点線の矢印で示す様に正反射光を受光することになる。よって、受光素子274の総受光量は、受光素子273の総受光量より大きく、かつ、その差は最大となる。よって、センサ27の出力は、図9の"状態4"で示す最小電圧となる。
以後、パターン画像81が移動するに従い、受光素子273と受光素子274の総受光量の大小関係は逆転し、かつ、その差は小さくなって行く。よって、センサ27の出力は、図9に示す様に、アナログ基準電圧Vrefを基準として正負に振動しながら、その絶対値は小さくなって行く。なお、上記説明においては、説明の簡略化のため、ライン、つまり、トナー像を形成した部分が正反射光を完全に遮るものとしていた。実際には、トナー像を形成した部分においても正反射が生じるが、その反射光量は小さく無視することができる。
この様に、パターン画像81に光を照射することで、受光素子273及び受光素子274の位置には、その反射光による明暗ができる。ここで暗部はラインにより正反射光が遮られることにより生じたものである。この光の明暗の周期は本実施形態ではパターン画像81のラインのピッチの2倍の周期、つまり、受光素子273、274のピッチに等しい。つまり、本実施形態では、受光素子273と274のそれぞれを、ラインにより生じる明暗の方向に沿って、この明暗のピッチと等しいピッチで配置している。そして、この光の明暗をパターン画像81の移動により移動させ、光の明暗の差に相当する信号をセンサ27に出力させている。
ここで、パターン画像81のラインの描画率を変化させることを考える。図10(A)は、パターン画像のラインの描画率を、それぞれ、100%、50%及び30%としたパターン画像81a、81b及び81cを示している。なお、パターン画像81a、81b及び81cは、いずれも、ライン幅が3ドットであり、スペース幅が3ドットである。なお、ラインの描画率とは、図10(A)に示す様に、ラインを形成する領域の面積に対する実際にトナーが形成されている面積の割合を意味する。ラインの描画率が下がると、光の明暗の暗部が明るくなり、その明暗の差が小さくなる。つまり、センサ27の出力信号の振幅は、パターン画像のラインの描画率に応じた値となる。図10(B)にパターン画像81a、81b及び81cを検出したセンサ27の出力信号を示す。図10(B)のVpk100、Vpk50及びVpk30は、そぞれ、パターン画像81a、81b及び81cに対するセンサ27の出力信号の振幅の最大値である。図10(B)に示す様に、Vpk50及びVpk30は、それぞれ、Vpk100の50%及び30%であり、パターン画像81のラインの描画率に応じた値が、センサ27から出力される。
センサ27が出力する信号は、図1の制御部25に入力される。制御部25は、センサ27の出力信号の振幅のピーク値からパターン画像81の濃度を判定する判定部でもある。図11(A)に示す様に、制御部25においては、センサ27からの出力信号を整流回路251で整流し、ローパスフィルタ252で周波数帯域を制限して波形整形する。つまり、ローパスフィルタ252は波形成形部又は帯域制限部である。ローパスフィルタ252の出力は、CPU26のアナログ検出端子に接続され、CPU26内部にてアナログ・デジタル変換され濃度データとして取り込まれる。図11(B)に、図11(A)のパターン画像81a、81b及び81cをセンサ27で検出したときの整流回路251の出力信号VSR_recと、ローパスフィルタ252の出力信号VSR_lpを示す。なお、センサ27の出力信号のピーク値、(p-p又は0ーp)を単に測定するのみでも良い。
なお、パターン画像81のラインのピッチを変えず、その数を2倍にすれば、センサ27からピーク値が継続的に出力される。この継続的に出力されるピーク値の例えば平均値をもってCPU26が濃度を判定するようにすれば、濃度検出精度をより向上させることができる。
以上が本実施形態における濃度検出の原理である。さらに、本実施形態においては、色ずれ検出用のパターン画像と、濃度検出用のパターン画像を共用する。以下に、本実施形態における色ずれ検出について説明する。
図12(A)は、図11(A)のローパスフィルタ252の出力VSR_lpを二値化するために、コンパレータ253を追加した状態を示している。また、図12(B)は、図11(B)に示す信号VSR_lpをコンパレータ253に入力したときに、コンパレータ253が出力する矩形信号VSR_comを示している。なお、コンパレータ253は、入力信号が閾値電圧Vth以上である場合にはハイレベルの信号を出力し、入力信号が閾値電圧Vth未満である場合にはローレベルの信号を出力するものとする。図12(B)に示す様に、パターン画像81のラインの描画率、つまり、ラインの濃度に応じて、矩形信号のエッジ間、つまり、立ち上がりから立下りまでの時間の長さが変動するが、その中心は一定である。色ずれ補正は、パターン画像の検出時間(位置)に基づき行うため、色ずれ検出に用いるパターン画像は、パターン画像81aの様な、ラインの濃度が100%である必要はなく、パターン画像81b又は81cの様な他のライン濃度のパターン画像を使用できる。
図13は、本実施形態で色ずれ及び濃度補正に使用するパターン画像を示している。パターン画像は、中間転写ベルト8の両側に形成され、中間転写ベルト8の各側に設けられたセンサ27がそれぞれ対応する側のパターン画像を検出する。なお、図13において、参照符号の末尾のa〜dの文字は、対応するパターン画像の色が、それぞれ、ブラック(Bk)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)であることを示している。なお、以下の説明において色を区別する必要がない場合には、末尾のa〜dを省略した参照符号を使用する。パターン画像209及び210は、中間転写ベルト8表面の進行方向に一致する副走査方向の色ずれ量を検出するためのものである。一方、パターン画像211及び212は、中間転写ベルト8の表面内で副走査方向と直交する主走査方向の色ずれ量を検出するためのものである。この様に、各色について、副走査方向の色ずれ量を検出するためのパターン画像と、主走査方向の色ずれ量を検出するためのパターン画像の少なくとも2つのパターン画像を形成する。
図14(A)〜(E)は、それぞれ、パターン画像209a及び210aと、パターン画像209b及び210bと、パターン画像209c及び210cと、パターン画像209d及び210dと、パターン画像211及び212の拡大図である。なお、図14(A)〜(D)に示す様に、パターン画像209及び210は、6本のラインを主走査方向の位置を合わせて配置したものである。図14(A)〜(D)に示す様に、パターン画像209a及び210aのラインは描画率33%で形成し、パターン画像209b及び210bのラインは描画率44%で形成している。さらに、パターン画像209c及び210cのラインは描画率50%で形成し、パターン画像209d及び210dのラインは描画率66%で形成している。また、図14(E)に示す様に、パターン画像211及び212は、6本のラインを主走査方向に均等にずらしながら、副走査方向及び主走査方向に対して45度の傾きとなる様に配置したものである。また、パターン画像211及び212のラインは100%の描画率で形成している。この様に、各パターン画像のラインは、中間転写ベルト8の進行方向とは異なる方向のラインを含むものである。
図12を用いて説明した様に、コンパレータ253が出力する矩形信号の両エッジの中心位置によるパターン画像の検出時刻は、ラインの描画比率により変化しない。よって、図13に示すパターン画像により、描画率に影響することなく各色のパターン画像の位置情報を算出して取得することができる。また、既に説明した様に、ローパスフィルタ252の出力信号の振幅はラインの描画率に応じた値となる。したがって、図13に示すパターン画像により濃度情報を算出して取得することができる。つまり、図13に示すパターン画像により、位置ずれ情報と濃度情報の両方を取得して、色ずれ及び濃度補正制御を行うことができる。
図15は、パターン画像209a〜209dをセンサ27が検出したときの、コンパレータ253が出力する矩形信号VSR_comを示したものである。なお、参考のため、ローパスフィルタ252の出力VSR_lpも併せて表示している。図15のtsf1〜tsf4は、それぞれ、パターン画像209a〜209dの検出時刻として使用する。同様に、図13に示すtsr1〜tsr4は、パターン画像210a〜210dの検出時刻であり、tmf1〜tmf4は、パターン画像211a〜211dの検出時刻であり、tmr1〜tmr4は、パターン画像212a〜212dの検出時刻である。
続いて、副走査方向の色ずれ量の検出について説明する。なお、本実施形態ではBkを基準色として、基準色に対する相対的な位置ずれを求めるが、基準色はBkとは異なる色であっても良い。まず、図13の左側のBkのパターン画像209aと、C、M及びYのパターン画像209b〜209dの理論距離を、dsY(m)、dsM(m)及びdsC(m)とする。なお、図13の右側の各パターン画像210a〜210d間の理論距離も、左側のパターン画像209a〜209dと同じとする。この場合、中間転写ベルト8の移動速度をv(m/s)とすると、基準色Bkに対するY、M、Cの副走査方向の位置ずれ量δesY、δesM、δesCは、以下の様になる。
δesY=v*{(tsf2-tsf1)+(tsr2-tsr1)}/2-dsY (1)
δesM=v*{(tsf3-tsf1)+(tsr3-tsr1)}/2-dsM (2)
δesC=v*{(tsf4-tsf1)+(tsr4-tsr1)}/2-dsC (3)
また、左側の同じ色のパターン画像209とパターン画像211の実測距離は、それぞれ、以下の様になる。
dmfBk=v*(tmf1-tsf1) (4)
dmfY =v*(tmf2-tsf2) (5)
dmfM =v*(tmf3-tsf3) (6)
dmfC =v*(tmf4-tsf4) (7)
なお、dmfBk、dmfY、dmfM及びdmfCは、それぞれ、Bk、Y、M及びCのパターン画像間の実測距離である。
同様に、右側の同じ色のパターン画像210とパターン画像212の実測距離は、それぞれ、以下の様になる。
dmrBk=v*(tmr1-tsr1) (8)
dmrY =v*(tmr2-tsr2) (9)
dmrM =v*(tmr3-tsr3) (10)
dmrC =v*(tmr4-tsr4) (11)
なお、dmrBk、dmrY、dmrM及びdmrCは、それぞれ、Bk、Y、M及びCのパターン画像間の実測距離である。
ここで、左側のパターン画像について、Bkを基準とした、Y、M、Cのパターン画像の主走査方向の位置ずれ量δemfY、δemfM、δemfCは、以下の様になる。
δemfY=dmfY-dmfBk (12)
δemfM=dmfM-dmfBk (13)
δemfC=dmfC-dmfBk (14)
同様に、右側のパターン画像について、Bkを基準とした、Y、M、Cのパターン画像の主走査方向の位置ずれ量δemrY、δemrM、δemrCは、以下の様になる。
δemrY=dmrY-dmrBk (15)
δemrM=dmrM-dmrBk (16)
δemrC=dmrC-dmrBk (17)
なお、ずれの方向は、値の正負から判断できる。左側の主走査方向の位置ずれ量から、各色について書き出し位置を補正する。また、同じ色の両サイドの主走査方向の位置ずれ量の差から、主走査方向の幅を補正する。なお、主走査方向の幅に誤差がある場合、書出し位置は、主走査方向の幅の補正に伴い変化した画像周波数の変化量を加味して補正する。
続いて、図16(A)及び(B)を用いて、主走査方向の位置ずれを検出する原理について説明する。図16(A)の状態A及びBは、センサ27の受光素子と、パターン画像812の異なる位置関係をそれぞれ示している。なお、状態A及びBのパターン画像は、共に、隣接するラインの位置が、主走査方向にPsdだけずれるパターンとしている。また、状態Bのパターン画像812は、状態Aより、全体的に距離Lだけ主走査方向において、図の右側にずれている。なお、ずれ量Lは、Psdより小さいものとする。図16(A)から明らかな様に、状態Bのパターン画像211の最初のラインは、状態Aのパターン画像と比較すると、センサ27の検出範囲におけるラインの面積が小さい。逆に、状態Aのパターン画像211の最後のラインは、状態Bのパターン画像と比較すると、センサ27の検出範囲におけるラインの面積が小さい。従って、状態Aのときのセンサ27の出力は、状態Bのときより、立ち上がり及び立下りが早くなる。よって、図16(B)に示す様に、整流後のVSR_rec信号がピークとなる時刻Tpeakは同じであるが、状態Aにおいては、VSR_rec信号の中心から左部分の出力が状態Bより大きく、中心から右部分の出力が状態Bより小さくなる。
このため、ローパスフィルタにより波形整形されたVSR_lp信号の波形は歪みを生じ、状態Aでは重心の位置が、状態Bより左にずれる。従って、状態AとBでは、VSR_lp信号が閾値電圧Vthと交差する時刻にずれが生じ、VSR_com信号の立ち上がり時刻及び立下り時刻がシフトする。このため、パターン画像の検出タイミングであるVSR_com信号の立ち上がりと立下りの中間位置の時刻も図16(B)に示す様にδtmfだけシフトする。従って、中間転写ベルト8の速度vから、主走査方向の位置ずれ量をv*δtmfとして計算することができる。上記の通り、パターン画像211の主走査方向のずらし量Psdよりも小さい、わずかな主走査方向の位置ずれを検出可能となる。
制御部25は、上述した様に各方向の位置ずれ量を判定する。そして、主走査方向の書き出し位置については、書き出しタイミングを補正することにより補正する。また、主走査方向の倍率については、主走査方向の走査に使用するクロック信号の周波数補正により補正する。さらに、副走査方向の書き出し位置については、書き出しタイミングと、露光部11a〜11dにおいて感光体18a〜18dの走査に使用する回転多面鏡の面位相を補正することにより補正する。
本実施形態においては、既に説明した様に、センサ27の出力信号の振幅は描画率、つまり、ライン濃度に応じて変化する。したがって、補正制御実行時のセンサ27の出力信号の振幅が、前回の補正制御時で検出した信号振幅から変化していると、それは、トナー濃度が変化したからである。したがって、その変化量に基づいて、画像形成における感光体18の帯電電位、露光量、現像バイアス等の画像形成条件を調整して濃度を安定させることができる。また、本実施形態において、拡散反射光は、総ての受光素子273及び274に入射し、センサ27内の差動回路にて処理される。従って、制御部25にて、拡散反射光に対する補正処理等は必要なく、差動回路出力を正反射光の光量の変動とすることができる。
以上、本実施形態では、色ずれ検出と濃度検出のためのパターン画像を共通とし、位置ずれ量の情報と濃度の情報を同時に取得する。したがって、濃度補正と色ずれ補正制御を個別に実行する必要がなく、キャリブレーションに係る時間を大幅に短縮することが可能となる。さらに、本実施形態でのパターン画像は、例えば、3ドット幅のラインを6本としても、従来のパターン画像の幅である約2mmと比較して、2/3程度となり、形成するパターン画像の全長を短くすることができる。さらに、色ずれ制御もベタ画像ではなく、ハーフトーンパターンで行うことができるため、使用するトナー量を大幅に削減できる。また、受光素子273及び274をアレイ状に配置することで、発光素子272の発光量を抑えることができる。また、発光素子272のスポット径を絞る必要もないため構成が簡易になる。
なお、図3の説明においては、IV変換アンプ281及び282の増幅率が同じで、受光素子273及び274の数が同じ場合を例に説明を行ったが、本発明は、このような形態に限定されない。例えば、IV変換アンプ281の増幅率が、IV変換アンプ282の2倍である場合には、IV変換アンプ281に接続される、受光素子274の数を半分にしても良い。このように変形することでも、同様の効果が得られることは明らかである。
また、上述した実施形態においては、受光素子273及び274を6個ずつ用いたが、本発明はこれに限定されない。例えば、濃度制御に対し、十分な反射光量を得られる場合においては、受光素子273及び274の対を1対のみとすることができる等、任意の対を用いることができる。また、パターン画像81のライン数も6本に限定されず、例えば、1本とすることもできる。これは1本のラインであっても受光素子273の総受光量と受光素子274の総受光量の時間変化が異なるからである。
さらに、図5に示すラインのピッチと、受光素子のピッチは、発光素子272と受光素子273、274が中間転写ベルト8と平行な同一平面内にあるときのものであり、本実施形態は図5に示すピッチに限定されない。つまり、例えば、基板271に段差が有る様な場合においては、発光素子272と受光素子273、274の設置面の差に応じて、ラインのピッチ又は受光素子のピッチは変更され得るものである。さらに、上述した実施形態において、受光素子273及び274の受光面の幅を、ラインの幅の2倍としていた。これは、パターン画像81に光を照射したときにラインにより生ずる影の、その移動方向(第1方向)における幅を、受光素子273及び274の受光面の当該移動方向における幅と同一するためであった。この構成により受光素子273と受光素子274の総受光量の差分を大きくすることができる。しかしながら、ラインにより生ずる影の幅と、受光素子273及び274の受光面の幅を同一にしない形態であっても良い。例えば、図5において、ラインのピッチをPtのまま、ライン幅を、例えば、3Pt/4等、Pt/2より大きくしても、図9に示す様な出力を得ることができるからである。
つまり、受光素子273及び274がそれぞれ受光する正反射光の、パターン画像81の移動による変化が受光素子273及び274で異なれば、受光素子273と274の受光光量の差分からパターン画像の濃度を判定できる。例えば、パターン画像81のラインのピッチをDとし、中間転写ベルト8の移動方向においてDだけ離れた位置で正反射した光が、受光素子273及び274を設けた位置でLだけ離れているとする。この場合、受光素子273及び274のピッチをそれぞれLとすれば良い。
なお、上述した実施形態では、受光素子273を第1の受光部とし、受光素子274を第2の受光部とし、第1の受光部と第2の受光部を交互に配置していた。つまり、第1の受光部と第2の受光部のそれぞれは1つの受光素子を含むものであった。しかしながら、第1の受光部と第2の受光部は、それぞれ、1つ以上の受光素子を含むものであっても良い。
<第二実施形態>
第一実施形態においては、ローパスフィルタ252の出力信号の振幅によりパターン画像の濃度を検出し、コンパレータ253の出力信号によりパターン画像の位置を判定していた。本実施形態では、コンパレータ253が出力する矩形信号VSR_comのパルス幅により濃度を検出する。以下、本実施形態について、第一実施形態との相違点を中心に説明する。まず、図12(B)や図15に示す様に、矩形信号VSR_comのパルス幅、つまり、立ち上がりから立下りまでの時間幅は、検出パターンのラインの描画率に応じて変化することがわかる。具体的には、ライン濃度が高くなると時間幅が広くなり、ラインの濃度が低くなると、時間幅は狭くなる。本実施形態においてCPU26は、コンパレータ253が出力する矩形信号VSR_comを取り込み、1つのパターン画像に対応するパルスの時間幅により、当該パターン画像の濃度を検出し、当該パルスの中心位置から当該パターン画像の位置を検出する。本実施形態において、制御部25は、時間情報のみで色ずれと濃度制御が可能になる。
<第三実施形態>
続いて、第三実施形態について、第一実施形態との相違点を中心に説明する。なお、第一実施形態と同様の構成要素については、同じ参照符号を使用してその説明は省略する。本実施形態においては、図17に示す様に、センサ27にレンズ400を設け、発光素子272からの光が中間転写ベルト8に到達するまえに平行光に変換する。
本実施形態においては、図18に示す様に、パターン画像81のラインのピッチを2Ptとし幅をPtとする。つまり、パターン画像81のラインのピッチは、受光素子273間のピッチ、及び、受光素子274間のピッチと等しくする。図19に示す様に、発光素子272からの光は、レンズ400によって補正され平行光となる。平行光のうち、パターン画像81のスペースに入射した光は正反射し、パターン画像81の位置に応じて受光素子273又は受光素子274のみに入射する。これに対して、第一実施形態と同様に、パターン画像81のラインで拡散反射した光は各受光素子273に入射する。図19の点線の矢印は、パターン画像81のスペースで正反射して偶数番目の受光素子273に入射する光を示している。
本実施形態において、パターン画像81が中間転写ベルト8と共に移動するときの、センサ27の出力は第一実施形態と同様である。本実施形態においては、レンズ400にて平行光とする。このため、センサ27と中間転写ベルト8との距離が離れている場合においても、光の拡散よる光量低下を伴わないという利点がある。よって、センサ27の配置位置の制約が低くなり、装置設計の自由度が大きくなる。
<その他の実施形態>
なお、上記実施形態は、第1の受光部である受光素子273と、第2の受光部である受光素子274それぞれの受光量の時間変化を示す信号の差動処理を行うものであった。第1の受光部と第2の受光部は中間転写ベルト8の移動方向に沿って配置されている。したがって、第1の受光部と第2の受光部の受光量の時間変化は、互いに、第1の受光部と第2の受光部の距離と中間転写ベルト8の移動速度で決まる時間だけずらしたものである。したがって、第1の受光部と第2の受光部それぞれの受光量の時間変化を示す信号の差動処理を行うことは、例えば、1つの受光部が出力する受光量に対応する信号を2分岐した後、互いに所定の時間だけずらして差動処理を行うことでも実現できる。このときにずらす時間は、第1の受光部と第2の受光部の距離と中間転写ベルト8の移動速度で決まる時間である。つまり、上記各実施形態は、1つの受光部のみを使用し、この1つの受光部の総受光量を示す信号の、1つ以上の第1の時間位置の和と、1つ以上の第2の時間位置の和との差動処理を行うことと等価である。例えば、複数のラインのパターン画像を移動させると、受光部における受光量は複数のラインに応じた周期で振動する。したがって、例えば、各第1の時間位置は、この周期が互いに同相となる様に設定し、各第2の時間位置も、この周期が互いに同相となる様に設定する。一方、第1の時間位置と第2の時間位置は、この周期の位相が異なる様に、例えば、逆相になる様に設定する。
また、上記実施形態において、第1の受光部である受光素子273と、第2の受光部である受光素子274の受光面の幅と、ラインの幅の関係について説明した。ここで、第1の受光部及び第2の受光部はその受光面で同時にある領域からの反射光を受光し、これは、同時に受光する反射光の平均値を求めていることに等しい。よって、受光面の配列方向の幅を増加させることは、例えば、受光量の時間変化を示す信号に対して移動平均を求めることに等しい。ここで、1つの受光部が出力する信号の異なる時間位置の差動処理を行う形態では、信号を分岐してずらすためにメモリが必要となる。したがって、このメモリを利用することで、1つの受光部が出力する信号に第1の区間と第2の区間の2つの区間を設定し、第1の区間の移動平均値と、第2の区間の移動平均値の差動処理を容易に行うことができる。これにより、ラインの幅に応じた区間を容易に設定することができる。なお、このとき、第1の区間と第2の区間の時間間隔は、上記実施形態における第1の受光部と第2の受光部の距離に相当し、第1の区間と第2の区間の区間長は、受光面の配列方向の幅に相当する。つまり、例えば、第一実施形態では、第1の受光部の受光面及び第2の受光部の受光面それぞれの幅を、パターン画像81に光を照射したときにラインにより生ずる影の、その移動方向における幅と同一としていた。これは、1つの受光部が出力する信号の異なる時間位置の差動処理を行う形態では、ライン幅だけ中間転写ベルト8が移動する時間に区間長を設定することに等しく、本形態では、この時間より短い区間長を利用できる。
図20は、1つの受光部が出力する信号に対する上記処理を行うための構成図である。なお、1つの受光部が出力する信号の異なる時間の差動処理を行う本形態では、例えば、光学センサ27は、単に、受光部の受光量に対応する光検出信号を制御部25に出力する。なお、図20のサンプリング部31、移動平均処理部32及び33、差動処理部34は、例えば、エンジン制御部25に設けられる。しかしながら、サンプリング部31、移動平均処理部32及び33、差動処理部34は、例えば、制御IC275に設けても良い。光検出信号は、サンプリング部31でサンプリングされ、それぞれ、移動平均処理部32及び33へと出力される。移動平均処理部32及び33は、所定長の区間の移動平均値を求め、求めた移動平均値をそれぞれ差動処理部34へと出力する。なお、移動平均処理部32が出力する移動平均値に対応する区間と、移動平均処理部33が同じ時刻に出力する移動平均値に対応する区間との間の期間は、上述した様に、例えば、光検出信号の位相が異なる様に設定する。差動処理部34は、移動平均処理部32及び33から移動平均値の差動処理を行う。この構成により差動処理部34は、例えば、図3の差動アンプ283の出力信号と同様の出力信号を出力する。
なお、言い換えると、上記実施形態は、パターン画像及びその前後の中間転写ベルト8表面の異なる位置からの正反射光成分を含む反射光量の差分を取るものともいえる。例えば、これは、同じ時間に第1の受光部と第2の受光部が受光する正反射光は、パターン画像及びその前後の中間転写ベルト8表面の異なる位置で反射したものであることから明らかである。また、1つの受光部が出力する信号の異なる時間位置の差動処理を行う形態も、パターン画像及びその周囲の中間転写ベルト8表面の異なる位置からの正反射光成分を含む反射光量の差分を取るものである。例えば、光検出信号の第1の時間位置と、第1の時間位置より後の第2の時間位置との差動処理を行うものとする。なお、第1の時間において受光部への正反射光の反射位置であるパターン画像上の位置を第1の位置とし、第2の時間において受光部への正反射光の反射位置を第2の位置とする。この場合、第1の位置と第2の位置との距離は、中間転写ベルト8の表面の移動速度に第1の時間と2の時間との差分を乗じた値に等しい。よって、第1の時間位置と第2の時間位置の差動処理を行うことは、受光部が第1の位置から正反射光を受光しているときの総受光量と、受光部が第2の位置から正反射光を受光しているときの総受光量との差動処理を行うことに相当するからである。なお、1つの受光部を使用する形態の場合においても、1つの受光部に含まれる受光素子の数を1つ以上とすることができる。
以上、発光素子が発散光束を中間転写ベルト8に照射することで、中間転写ベルト8のある程度広い範囲が発光素子により照らされることになる。したがって、受光素子が受光するパターン画像のラインによる拡散反射光は、パターン画像がこの照射領域を通過する間において略一定となる。したがって、複数の受光素子の受光量の差、或いは、1つの受光素子の異なる時間位置での受光量の差により、拡散反射光を除去又は抑圧し、正反射光成分のみを取り出すことができる。この構成により、拡散反射光の影響を抑えた濃度制御及び色ずれ制御が可能となる。