JP2014119320A5 - - Google Patents
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Description
この発明は、生体成分測定用の試験片に関し、より詳しくは、被験者の体液中の特定成分の濃度を測定するために体液が付着される試験片に関する。
また、この発明は、そのような試験片を製造する試験片の製造方法に関する。
従来、この種の生体成分測定用の試験片としては、例えば特許文献1(特許第4264478号公報)に開示されたものがある。同文献の試験片(バイオセンサ)は、長矩形状の基板と、上記基板の上面で、互いに離間して上記基板の長手方向に沿って延在する作用極および対極と、上記基板の一方の端部において上記作用極と上記対極との間を橋渡すようにして形成された試薬部と、上記基板の上記一方の端部から上記試薬部までの流路を形成するように上記基板上に設けられたスペーサおよびカバーを備えている。さらに、上記基板の上面で上記作用極と上記対極との間に、上記試験片の属性情報(例えば感度や測定項目に適合する検量線を選択するための情報)を出力する属性情報出力部が設けられている。上記基板の他方の端部では、上記作用極、上記対極が、それぞれ測定装置本体(濃度測定装置)の接点(端子部)に接触すべき電極端子を有するとともに、上記属性情報出力部が上記属性情報を出力するための複数のリード部が配置されている。
上記属性情報出力部は、断線候補部位を設定し、その断線候補部位を例えばドリルなどを用いた機械加工の他、レーザ加工やエッチング処理により断線させて、その抵抗値を可変することによって形成されている。
測定時には、被験者の体液が上記試験片(基板)の上記一方の端部に付着されるとともに、上記基板の上記他方の端部(上記作用極、上記対極のそれぞれの電極端子)が測定装置本体に設けられた接点に接触される。
上記基板の上記一方の端部に付着された体液は、毛細管現象により上記流路を通して上記試薬部に達して、電気化学反応により上記作用極と上記対極との間の電気特性を変化させる。測定装置本体は、上記基板上の上記作用極、上記対極を介して、電圧印加による上記試薬部の応答電流値を測定するとともに、上記複数のリード部を介して、上記属性情報出力部から上記属性情報を取得する。測定装置本体は、上記応答電流値と、上記属性情報に基づいて選択された検量線とに基づいて、上記体液中の特定成分の濃度の演算を行う。
これにより、試験片の感度にバラツキがあったとしても、不正確な濃度測定を防止するようにしている。
しかしながら、上記試験片では、上記属性情報出力部を、ドリルなどを用いた機械加工、レーザ加工やエッチング処理により断線させて形成しているため、
i) 機械加工、レーザ加工やエッチング処理のための設備費が高く、その結果、試験片の製造コストが高くつく、
ii) 特に機械加工、レーザ加工を行う場合は、断線候補部位を削ることにより削り滓が発生し、それが試験片に再付着して試験片が汚れる、また、加工の際に発生する熱によって試薬部(センサ部)の特性が影響を受ける、などの品質が損なわれる、
という問題がある。
i) 機械加工、レーザ加工やエッチング処理のための設備費が高く、その結果、試験片の製造コストが高くつく、
ii) 特に機械加工、レーザ加工を行う場合は、断線候補部位を削ることにより削り滓が発生し、それが試験片に再付着して試験片が汚れる、また、加工の際に発生する熱によって試薬部(センサ部)の特性が影響を受ける、などの品質が損なわれる、
という問題がある。
なお、特許文献2(特許第4845958号公報)には、印刷用パターンを変更することで較正用の抵抗値を可変して設定する技術が開示されている。しかしながら、この技術では、印刷用パターンに応じて複数種類の印刷用の版を用意しなければならず、その結果、試験片の製造コストが高くつくという問題がある。
そこで、この発明の課題は、被験者の体液中の特定成分の濃度を測定するために体液が付着される生体成分測定用の試験片であって、安価に、かつ高品質に製造可能なものを提供することにある。
また、この発明の課題は、被験者の体液中の特定成分の濃度を測定するために体液が付着される生体成分測定用の試験片を、安価に、かつ高品質に製造できる製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するため、この発明の試験片は、
被験者の体液中の特定成分の濃度を測定するために、測定装置本体に装着されるとともに、上記体液が付着される生体成分測定用の試験片であって、
基板を備え、
上記基板上に、
互いに離間して延在する作用極と対極との対と、
上記作用極と上記対極との間にまたがって形成され、被験者の体液によって電気化学反応を起こして電気特性の変化を生ずるセンサ部と、
この試験片の感度を含む属性情報を表す電気抵抗をもつ抵抗部と、
上記抵抗部の両端につながる配線の対と
を備え、
上記作用極と対極との対と、上記配線の対とがそれぞれ上記測定装置本体に設けられた接点に接触すべき第1対の電極端子、第2対の電極端子を含み、
上記抵抗部は、
それぞれ或る抵抗率をもち互いに離間して設けられた複数の細長パターンを有し、各細長パターンの端部は別の細長パターンの端部と接近しており、
上記細長パターンの接近した端部同士の上に重なって設けられ、それらの端部同士を導通させる実質的に円形の円形パターンを有する。
被験者の体液中の特定成分の濃度を測定するために、測定装置本体に装着されるとともに、上記体液が付着される生体成分測定用の試験片であって、
基板を備え、
上記基板上に、
互いに離間して延在する作用極と対極との対と、
上記作用極と上記対極との間にまたがって形成され、被験者の体液によって電気化学反応を起こして電気特性の変化を生ずるセンサ部と、
この試験片の感度を含む属性情報を表す電気抵抗をもつ抵抗部と、
上記抵抗部の両端につながる配線の対と
を備え、
上記作用極と対極との対と、上記配線の対とがそれぞれ上記測定装置本体に設けられた接点に接触すべき第1対の電極端子、第2対の電極端子を含み、
上記抵抗部は、
それぞれ或る抵抗率をもち互いに離間して設けられた複数の細長パターンを有し、各細長パターンの端部は別の細長パターンの端部と接近しており、
上記細長パターンの接近した端部同士の上に重なって設けられ、それらの端部同士を導通させる実質的に円形の円形パターンを有する。
本明細書で、被験者の体液中の特定成分とは、例えば血糖(グルコース)、コレステロール、乳酸などを指す。
また、測定装置本体の「接点」とは、「接点」、「端子」、「電極」、「電極端子」などの名称を問わず、試験片の電極端子と接触して導通する部材を広く指す。
上記センサ部の「電気特性の変化」とは、起電流を生ずることや、電気抵抗が無限大から有限値になることなどを含む。
また、試験片の「属性情報」とは、例えば、上記試験片のセンサ部の感度(例えば、上記体液中の特定成分の濃度と上記センサ部が生ずる起電流との対応関係)を表す情報や、測定すべき成分に適合する検量線を選択するための情報などを含むことができる。
また、上記細長パターンの「端部」とは長手方向の端部を意味する。また、上記細長パターンの端部同士が「接近」しているとは、細長パターンの端部以外の部分(これを「有効部分」と呼ぶ。)に比して、端部同士が接近していることを意味する。
また、上記円形パターンが「実質的に円形」であるとは、真の円形だけでなく、例えば製造バラツキなどにより楕円形になっているものも含むことを意味する。
この発明の試験片では、この試験片の感度を含む属性情報を表すように上記抵抗部全体としての電気抵抗が可変して設定される場合であっても、製造段階で、上記抵抗部の上記複数の細長パターンは、例えば上記センサ部が形成される前に、例えばスクリーン印刷法などによって1つの印刷用の版を用いて一律に形成され得る。つまり、印刷用の版を変える必要はない。また、上記抵抗部の上記円形パターンは、上記センサ部が形成されて上記抵抗部がもつべき電気抵抗(属性情報)が求められた後に、例えばポッティング法により、導電物を滴下し乾燥させることによって形成され得る。このとき、上記細長パターンの接近した端部同士を選択することによって、上記抵抗部が全体として上記求められた電気抵抗を示す(属性情報を表す)ように、上記抵抗部の電気抵抗が可変して設定される。
そのようにした場合、高価な設備を要しないし、また、複数種類の印刷用の版を用意する必要がない。したがって、この試験片の製造コストが安価に抑えられる。また、上記センサ部が形成された後に、試験片が削り滓によって汚れたり、また、加工の際に発生する熱によってセンサ部の特性が影響を受けたりすることがない。したがって、この試験片は高品質に製造される。
なお、この試験片を用いて被験者の体液中の特定成分の濃度を測定する場合、上記第2対の電極端子を含む上記配線の対を通して上記抵抗部の電気抵抗が測定される。これにより、この試験片の感度を含む属性情報が取得される。一方、上記センサ部に被験者の体液が付着されると、上記第1対の電極端子を含む上記作用極と上記対極との対を通して上記センサ部の電気特性が測定される。上記測定された上記センサ部の電気特性と上記属性情報とに基づいて、上記体液中の特定成分の濃度が求められる。
一実施形態の試験片では、
上記基板上で上記センサ部に接する体液の量を規定するように、上記基板上に、互いに対向する側壁を形成するスペーサと、上記スペーサの上記互いに対向する側壁の間にまたがって上記センサ部を覆う平坦なカバーとが設けられる一方、
上記基板上で上記第1対、第2対の電極端子および上記抵抗部が上記スペーサおよび上記カバーから露出していることを特徴とする。
上記基板上で上記センサ部に接する体液の量を規定するように、上記基板上に、互いに対向する側壁を形成するスペーサと、上記スペーサの上記互いに対向する側壁の間にまたがって上記センサ部を覆う平坦なカバーとが設けられる一方、
上記基板上で上記第1対、第2対の電極端子および上記抵抗部が上記スペーサおよび上記カバーから露出していることを特徴とする。
この一実施形態の試験片では、上記スペーサと上記カバーとによって、上記基板上で上記センサ部に接する体液の量が規定される。したがって、正確な濃度測定を行うことができる。一方、上記基板上で上記第1対、第2対の電極端子および上記抵抗部が上記スペーサおよび上記カバーから露出している。したがって、製造段階で、上記基板上に上記スペーサと上記カバーとが設けられて上記試験片の電気特性が定まった後に、上記センサ部の感度に応じて上記抵抗部の電気抵抗を調節して設定することが容易になる。したがって、上記抵抗部の電気抵抗は、この試験片の属性情報、特に上記センサ部の感度を正確に表すことが可能になる。
一実施形態の試験片では、上記細長パターンのうち上記端部以外の有効部分を覆うとともに上記円形パターンの境界を定める円形の貫通孔を有する絶縁層を備えたことを特徴とする。
この一実施形態の試験片では、上記絶縁層によって、上記細長パターンのうち上記端部以外の有効部分が覆われている。したがって、上記細長パターンの有効部分の電気抵抗が上記抵抗部全体としての電気抵抗に対して確実に寄与する。また、製造段階で、上記絶縁層の円形の貫通孔によって上記円形パターンの境界が定められて、上記円形パターンの形状が精度良く形成される。これらの結果、上記抵抗部全体としての電気抵抗の精度が高まる。したがって、この試験片はさらに高品質に製造される。
一実施形態の試験片では、上記抵抗部の上記円形パターンは、ポッティング法により形成されて上記基板に対して反対の側に凸に湾曲した表面を有していることを特徴とする。
この一実施形態の試験片では、上記抵抗部の上記円形パターンは、上記基板に対して反対の側に凸に湾曲した表面を有しているので、容易に厚みが確保される。したがって、上記円形パターンを一般的な導電性材料で構成すれば、上記細長パターンの接近した端部同士を、実質的に短絡させることができる。この結果、上記抵抗部全体としての電気抵抗に対して寄与するのは、実質的に上記細長パターンの有効部分の電気抵抗のみとなる。したがって、上記抵抗部全体としての電気抵抗の精度が高まる。したがって、この試験片はさらに高品質に製造される。
一実施形態の試験片では、上記複数の細長パターンの上記端部以外の有効部分の長さと断面積が同一であることを特徴とする。
本明細書で、上記細長パターンの有効部分の「長さ」とは、長手方向の寸法を意味する。また、上記細長パターンの有効部分の「断面積」とは、長手方向に垂直な断面の面積を意味する。
この一実施形態の試験片では、上記複数の細長パターンの上記端部以外の有効部分の長さと断面積が同一であるから、上記複数の細長パターンが同一の電気抵抗をもつ。したがって、上記抵抗部全体としての電気抵抗は、同一の電気抵抗(これを「単位抵抗」と呼ぶ。)の直列または並列の組合せによって構成される。この結果、製造段階で、上記抵抗部が全体として上記属性情報を表すように上記抵抗部の電気抵抗を可変して設定する際に、上記細長パターンの接近した端部同士を容易に選択することができる。
一実施形態の試験片では、
上記複数の細長パターンは実質的に正方格子の各辺をなすように配列され、
上記正方格子の格子点では、上記細長パターンの接近した端部同士の間に隙間があることを特徴とする。
上記複数の細長パターンは実質的に正方格子の各辺をなすように配列され、
上記正方格子の格子点では、上記細長パターンの接近した端部同士の間に隙間があることを特徴とする。
本明細書で、「格子点」とは、面積をもたない厳密な点ではなく、上記細長パターン同士がそれぞれ幅(長手方向に対して垂直な方向の寸法)を有して交差する領域を指す概念である。
この一実施形態の試験片では、上記複数の細長パターンは実質的に正方格子の各辺をなすように配列されているので、上記細長パターンのレイアウトが容易に行われる。例えばスクリーン印刷法のために印刷用の版を作製するとき、その設計が容易に行われる。
一実施形態の試験片では、上記細長パターンの接近した端部同士の上記隙間は、上記細長パターンの長手方向に対して交差する幅方向に関して一定寸法の隙間であることを特徴とする。
この一実施形態の試験片では、上記細長パターンの接近した端部同士の上記隙間は、上記細長パターンの長手方向に対して交差する幅方向に関して一定寸法の隙間である。したがって、製造段階で、上記細長パターンの接近した端部同士(以下、適宜「格子点」と呼ぶ。)の上に重ねて上記円形パターンを形成する際に、上記一定寸法の隙間に合わせて、上記円形パターン(および/または円形の貫通孔)の寸法を比較的小さくすることができる。例えばポッティング法により上記円形パターンを形成する際に、上記円形パターンをなす導電物の滴下量を比較的少なく設定できる。この結果、上記円形パターンの形状が精度良く形成される。したがって、この試験片はさらに高品質に製造される。
一実施形態の試験片では、
上記複数の細長パターンの配列は、上記基板の長手方向に沿って1列に並ぶ複数の辺をなし、かつ、その1列の両側に、それぞれ対応する上記辺を含んで上記長手方向に沿って交互に1つずつ並ぶ単位格子をなし、
上記1列に並ぶ辺の全体としての両端が上記配線の対に導通されていることを特徴とする。
上記複数の細長パターンの配列は、上記基板の長手方向に沿って1列に並ぶ複数の辺をなし、かつ、その1列の両側に、それぞれ対応する上記辺を含んで上記長手方向に沿って交互に1つずつ並ぶ単位格子をなし、
上記1列に並ぶ辺の全体としての両端が上記配線の対に導通されていることを特徴とする。
この一実施形態の試験片では、製造段階で、上記抵抗部が全体として上記属性情報を表すように上記抵抗部の電気抵抗を可変して設定する際に、上記細長パターンの接近した端部同士を容易に選択することができる。
例えば、上記抵抗部の電気抵抗は次のようにして可変して設定される。
まず、上記抵抗部全体として比較的大きい抵抗値を得るために、上記1列に並ぶ辺上にある格子点を全て選択して上記円形パターンによって導通させる。例えば上記1列に並ぶ辺の数をm(ただし、mは2以上の自然数とする。)とし、1辺の細長パターンの有効部分がもつ単位抵抗をRaとすれば、上記抵抗部全体としての抵抗値はm×Raとなる。
さらに、上記1列に含まれた1つの辺の片側にある単位格子を導通させれば、すなわち、その単位格子の上記1つの辺から離れた2箇所のコーナ部でそれぞれ格子点を導通させれば、その単位格子による寄与は、
となる。したがって、上記抵抗部全体としての抵抗値は(m−1/4)Raとなる。
となる。したがって、上記抵抗部全体としての抵抗値は(m−1/4)Raとなる。
さらに、上記1列に含まれたi個(ただし、0≦i≦mの整数とする。)の辺の片側(または他側)にある単位格子を導通させれば、上記抵抗部全体としての抵抗値は(m−i/4)Raとなる。
その場合、上記抵抗部の電気抵抗として、(m+1)個の値が、0.25Ra刻みで段階的に可変して設定され得る。この際、上記抵抗部が全体として上記属性情報を表すようにするためには、上記1列に含まれた辺の片側(または他側)にある単位格子を導通させるか否かを設定すれば足りる。したがって、上記細長パターンの接近した端部同士を容易に選択することができ、上記抵抗部が全体として上記属性情報を表すように上記抵抗部の電気抵抗を容易に可変して設定することができる。
一実施形態の試験片では、上記複数の細長パターンの配列は、各々の上記単位格子の上記1列に並ぶ辺とは反対の側に接して、もう1つの単位格子を有することを特徴とする。
この一実施形態の試験片では、上記1列に並ぶ辺の数をmとしたとき、(2m+1)個の値が段階的に可変して設定され得る。つまり、上記1列の両側に上記単位格子が1つずつ並ぶ場合に比して、上記抵抗部の電気抵抗として可変される数が増える。したがって、上記抵抗部の電気抵抗によって様々な属性情報を表すことができる。逆に、上記抵抗部の電気抵抗の可変されるべき数を定めて考えれば、上記1列の両側に上記単位格子が1つずつ並ぶ場合に比して、上記1列に並ぶ辺の数mを少なくすることができる。このことは、上記基板上で上記抵抗部が占める領域の寸法を、上記1列の方向に関して縮小できることを意味する。したがって、上記基板上での上記抵抗部をレイアウトする際の自由度が増す。
一実施形態の試験片では、上記第1対の電極端子の一方と上記第2対の電極端子の一方とが共通に構成されていることを特徴とする。
この一実施形態の試験片では、上記第1対の電極端子の一方と上記第2対の電極端子の一方とが共通に構成されている。したがって、上記第1対の電極端子と上記第2対の電極端子とが別々に構成されている場合に比して、電極端子の数を減らすことができる。したがって、電極端子の配列の寸法精度を緩和できる。これにより、この試験片は、容易に製造可能となる。
この発明の試験片の製造方法は、上記発明の試験片を製造する試験片の製造方法であって、
上記基板上に、上記作用極と上記対極との対と、上記配線の対とを形成し、
上記基板上に、スクリーン印刷法によって上記抵抗部の上記細長パターンを形成し、
上記作用極と上記対極との間にまたがって上記センサ部を形成した後、
上記センサ部を動作させて、この試験片の感度を含む属性情報として上記抵抗部がもつべき電気抵抗を求め、
上記抵抗部が全体として上記求められた電気抵抗をもつように上記細長パターンの接近した端部同士を選択して、ポッティング法により、その選択された上記端部同士の上に重ねて上記円形パターンを形成する。
上記基板上に、上記作用極と上記対極との対と、上記配線の対とを形成し、
上記基板上に、スクリーン印刷法によって上記抵抗部の上記細長パターンを形成し、
上記作用極と上記対極との間にまたがって上記センサ部を形成した後、
上記センサ部を動作させて、この試験片の感度を含む属性情報として上記抵抗部がもつべき電気抵抗を求め、
上記抵抗部が全体として上記求められた電気抵抗をもつように上記細長パターンの接近した端部同士を選択して、ポッティング法により、その選択された上記端部同士の上に重ねて上記円形パターンを形成する。
この発明の試験片の製造方法では、この試験片の感度を含む属性情報を表すように上記抵抗部全体としての電気抵抗が可変して設定される場合であっても、上記抵抗部の上記複数の細長パターンは、上記センサ部が形成される前に、スクリーン印刷法などによって1つの印刷用の版を用いて一律に形成され得る。つまり、印刷用の版を変える必要はない。また、上記抵抗部の上記円形パターンは、上記センサ部が形成されて上記抵抗部がもつべき電気抵抗(属性情報)が求められた後に、ポッティング法(導電物を滴下し乾燥させる)によって形成され得る。このとき、上記細長パターンの接近した端部同士を選択することによって、上記抵抗部が全体として上記求められた電気抵抗を示す(属性情報を表す)ように、上記抵抗部の電気抵抗が可変して設定される。
そのようにした場合、この試験片の製造方法では、高価な設備を要しないし、また、複数種類の印刷用の版を用意する必要がない。したがって、試験片の製造コストが安価に抑えられる。また、上記センサ部が形成された後に、試験片が削り滓によって汚れたり、また、加工の際に発生する熱によってセンサ部の特性が影響を受けたりすることがない。したがって、試験片を高品質に製造できる。
一実施形態の試験片の製造方法では、
上記センサ部を形成した後、上記抵抗部がもつべき電気抵抗を求める前に、
上記基板上で上記センサ部に接する体液の量を規定するように、上記基板上に、互いに対向する側壁を形成するスペーサと、上記スペーサの上記互いに対向する側壁の間にまたがって上記センサ部を覆う平坦なカバーとを設ける一方、
上記基板上で上記第1対、第2対の電極端子および上記抵抗部を上記スペーサおよび上記カバーから露出させることを特徴とする。
上記センサ部を形成した後、上記抵抗部がもつべき電気抵抗を求める前に、
上記基板上で上記センサ部に接する体液の量を規定するように、上記基板上に、互いに対向する側壁を形成するスペーサと、上記スペーサの上記互いに対向する側壁の間にまたがって上記センサ部を覆う平坦なカバーとを設ける一方、
上記基板上で上記第1対、第2対の電極端子および上記抵抗部を上記スペーサおよび上記カバーから露出させることを特徴とする。
この一実施形態の試験片の製造方法では、上記スペーサと上記カバーとによって、上記基板上で上記センサ部に接する体液の量が規定される。したがって、作製された試験片は、正確な濃度測定を行うことができる。一方、上記基板上で上記第1対、第2対の電極端子および上記抵抗部を上記スペーサおよび上記カバーから露出させている。したがって、製造段階で、上記基板上に上記スペーサと上記カバーとが設けられて上記試験片の電気特性が定まった後に、上記センサ部の感度に応じて上記抵抗部の電気抵抗を調節して設定することが容易になる。したがって、上記抵抗部の電気抵抗は、作製された試験片の属性情報、特に上記センサ部の感度を正確に表すことが可能になる。
一実施形態の試験片の製造方法では、上記抵抗部の上記細長パターンを形成した後、上記センサ部を形成する前に、上記細長パターンのうち上記端部以外の有効部分を覆うとともに上記円形パターンの境界を定める円形の貫通孔を有する絶縁層を形成することを特徴とする。
この一実施形態の試験片の製造方法では、上記絶縁層によって、上記細長パターンのうち上記端部以外の有効部分が覆われる。したがって、上記細長パターンの有効部分の電気抵抗が上記抵抗部全体としての電気抵抗に対して確実に寄与する。また、上記絶縁層の円形の貫通孔によって上記円形パターンの境界が定められて、上記円形パターンの形状が精度良く形成される。これらの結果、上記抵抗部全体としての電気抵抗の精度が高まる。また、上記絶縁層は上記センサ部を形成する前に形成されるので、上記絶縁層の形成工程が上記センサ部の特性に影響を及ぼすことはない。したがって、試験片をさらに高品質に製造できる。
以上より明らかなように、この発明の生体成分測定用の試験片は、安価に、かつ高品質に製造され得る。
また、この発明の試験片の製造方法によれば、被験者の体液中の特定成分の濃度を測定するために体液が付着される生体成分測定用の試験片を、安価に、かつ高品質に製造できる。
以下、この発明の実施の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、生体成分測定装置(全体を符号1で示す。)を斜めから見たところを示している。この生体成分測定装置1は、大別して、この発明の一実施形態の、被験者の体液中の特定成分の濃度を測定するために体液が付着される試験片10と、その試験片10が装着される測定装置本体(以下、単に「本体」という。)50とを備えている。体液中の特定成分としては、例えば血糖(グルコース)、コレステロール、乳酸などが挙げられる。
(試験片の構成)
試験片10は、図2(分解状態を示す。)によって良く分かるように、基板11と、絶縁層としてのレジスト層48と、スペーサ16と、カバーシート18とを含んでいる。なお、図2中には、XYZ直交座標を併せて示している。
試験片10は、図2(分解状態を示す。)によって良く分かるように、基板11と、絶縁層としてのレジスト層48と、スペーサ16と、カバーシート18とを含んでいる。なお、図2中には、XYZ直交座標を併せて示している。
基板11は、この例では絶縁性のプラスチック材料からなり、一方向(図2におけるX方向)に細長く延在する矩形の形状を有している。
基板11の上面11a(図2における+Z側の面)に、作用極12と対極13との対が、互いに離間して、X方向に沿って細長く帯状に延在して設けられている。これらの作用極12および対極13は、導電性カーボンペースト等をスクリーン印刷することにより形成されている。これらの作用極12、対極13は、X方向に関して基板11の一方の端部11eの側(−X側)の領域で、それぞれX方向に対して垂直な+Y方向、−Y方向に屈曲して、全体としてL字状の形態とされている。X方向に関して基板11の一方の端部11eと反対の他方の端部11fの側(+X側)の領域で、作用極12、対極13の端部12f,13fが第1対の電極端子として設定されている。
また、基板11の上面11aで、作用極12と対極13との間には、後述の抵抗部14につながる配線42,43の対が、互いに離間して、X方向に沿って細長く帯状に延在して設けられている。これらの配線42,43は、作用極12および対極13と同様に、導電性カーボンペースト等をスクリーン印刷することにより形成されている。X方向に関して基板11の端部11fの側(+X側)の領域で、配線42,43の端部42f,43fが第2対の電極端子として設定されている。
電極端子12f,13f,42f,43fは、この試験片10が本体50に装着されたとき、それぞれ本体50に設けられた後述する接点62,63,64,65に接触することが予定されている。
作用極12、対極13の端部(L字の短辺)12e,13eは、X方向に関して互いに離間している。それらの作用極12、対極13の端部12e,13eの間にまたがって、この例では円形の試薬層からなるセンサ部15が設けられている。
このセンサ部15は、メディエータ(電子伝達物質)に対して酸化還元酵素を分散させた固形のものとして形成されている。電子伝達物質としては、フェリシアン化カリウムなどの鉄錯体や、NH3を配位子とするRu錯体が用いられる。酸化還元酵素は、測定の対象となる特定成分の種類によって選択される。例えば、血糖(グルコース)を測定する場合は、酸化還元酵素としてグルコースデヒドロゲナーゼ、グルコースオキシダーゼなどが用いられる。コレステロールを測定する場合は、酸化還元酵素としてコレステロールデヒドロゲナーゼ、コレステロールオキシダーゼなどが用いられる。乳酸を測定する場合は、酸化還元酵素として乳酸デヒドロゲナーゼ、乳酸オキシダーゼなどが用いられる。
この例では、センサ部15は、血糖(グルコース)を測定するために、鉄錯体またはRu錯体に、グルコースデヒドロゲナーゼまたはグルコースオキシダーゼを分散させて構成されているものとする。
基板11のX方向,Y方向に関して略中央に、抵抗部14が設けられている。抵抗部14は、この試験片10の感度を含む属性情報を表す電気抵抗Rcをもつ。ここで、「属性情報」とは、例えば、試験片10の感度を表す情報や、測定すべき成分に適合する検量線を選択するための情報などを含むことができる。この例では、抵抗部14の電気抵抗Rcは、16段階に可変して設定されるものとする。
典型的には、抵抗部14は、図13の平面図に模式的に示すように、それぞれ或る抵抗率をもち互いに離間して設けられた複数の細長パターン44,44,…と、それらの細長パターンの接近した端部同士の上に重なって設けられ、それらの端部同士を導通させる実質的に円形の円形パターン(斜線が施されている)71,71,…とからなっている。なお、図13において、斜線が施されている丸は、その箇所に対応する格子点Gに円形パターン71が設けられていることを示す一方、破線で描かれた白丸は、その箇所に対応する格子点Gに円形パターン71が設けられていないことを示している(後述の図16でも同様。)。
図2中に示すように、基板11上には、さらに、センサ部15が占める領域および電極端子12f,13f,42f,43fが占める領域を除いて、絶縁層としてのレジスト層48が設けられている。このレジスト層48は、光硬化型若しくは熱硬化型の絶縁性レジスト材料等をスクリーン印刷することにより形成されている。このレジスト層48は、抵抗部14に対応する領域に、このレジスト層を厚さ方向に貫通した3列に並ぶ複数の貫通孔49,49,…を有している。
このレジスト層48のXY面内での外形は、次に述べるスペーサ16のXY面内での外形と一致している。つまり、レジスト層48のXY面内での外形をなす辺48e,48f,48a,48b,48cの位置は、スペーサ16の端部16e,16fと側壁16a,16b,16cのXY面内での位置と一致している。このレジスト層48の厚さは、スペーサ16の厚さに比して薄く設定されている。
基板11上には、さらに、略平板状のスペーサ16と、平坦なカバーとしてのカバーシート18とが、この順に接着して設けられている。
スペーサ16とカバーシート18は、それぞれ絶縁性のプラスチック材料からなり、概ね、X方向に細長く延在する矩形の形状を有している。スペーサ16とカバーシート18のY方向寸法は、基板11のY方向寸法と一致している。スペーサ16とカバーシート18のX方向寸法は、基板11のX方向寸法よりも短く設定されている。具体的には、X方向に関して基板11の一方の端部11eの側(−X側)の領域で、スペーサ16とカバーシート18の端部16e,18eが基板11の端部11eと同じ位置にあるが、X方向に関して基板11の一方の端部11eと反対の他方の端部11fの側(+X側)の領域で、スペーサ16とカバーシート18の端部16f,18fが基板11の端部11fよりも後退した位置にある。これにより、作用極12、対極13の端部12f,13fと配線42,43の端部42f,43fが電極端子として露出している。したがって、これらの電極端子12f,13f,42f,43fは、この試験片10が本体50に装着されたとき、それぞれ本体50の後述する接点62,63,64,65に接触することができる。
スペーサ16の−X側の端部16eは、基板11の端部11eからセンサ部15までの流路17を構成するように、略コの字状に窪んでいる。これにより、スペーサ16は、互いに対向する側壁16a,16bと、それらをつなぐ側壁16cとを有している。
カバーシート18の−X側の端部18e近傍の領域は、スペーサ16の互いに対向する側壁16a,16bにまたがってセンサ部15を覆う。
これにより、基板11の−X側の端部11eに付着された体液は、例えば毛細管現象により流路17を通してセンサ部15に達する。そして、センサ部15上に、体液の層が、スペーサ16(およびレジスト層48)の高さに応じた一定の層厚をもつ状態に形成される。したがって、基板11上でセンサ部15に接触して測定対象となる体液の量が定まって、正確な濃度測定を行うことができる。
なお、カバーシート18のうち、流路17に面する側壁16c近傍で、かつセンサ部15に直に対向しない部分に、空気抜き用の貫通孔を設けておいても良い。これにより、基板11の−X側の端部11eに付着された体液が毛細管現象により流路17に浸入するときに、流路17に存在していた空気がその貫通孔を通して逃げる。したがって、体液が流路17に容易に浸入することが可能になる。
スペーサ16とカバーシート18は、基板11上の抵抗部14に対応する領域に、それぞれ開口16w,18w(これらを併せて「開口W」と呼ぶ。)を有している。これにより、基板11上で、開口Wとレジスト層48の複数の貫通孔49,49,…とを通して、抵抗部14の全ての格子点G,G,…が露出した状態になる。したがって、基板11上にスペーサ16とカバーシート18とが設けられて試験片10の電気特性が定まった後に、センサ部15の感度に応じて抵抗部14の電気抵抗Rcを調節して設定することが容易になる。
完成状態では、この試験片10の等価回路は、図3(A)に示すように表される。
被験者の体液(血液)が試験片10のセンサ部15に付着されていない状態(これを「体液未付着状態」と呼ぶ。)では、センサ部15の電気抵抗は、実質的に無限大である。
一方、被験者の血液が試験片10に付着されてセンサ部15に接触した状態(これを「体液付着状態」と呼ぶ。)では、図3(A)中に示すように、センサ部15は電流源として起電流を生ずる。血糖値とセンサ部15の起電流との対応関係は、一例として、次の表1のレベルである。
(表1)
(表1)
この表1は、例えば、血糖値が90mg/dLであれば、センサ部15は0.1nAの電流を発生することを表す。血糖値が180mg/dLであれば、センサ部15は1.3nAの電流を発生する。血糖値が600mg/dLであれば、センサ部15は7.0nAの電流を発生する。
ただし、現状の量産技術では、この血糖値とセンサ部15の起電流との対応関係(この例では、これを検量線として表す。)は、例えば試験片の製造ロット毎にバラツキを有する。起電流から血糖値を精度良く算出するためには、センサ部15の感度に応じた検量線を用いるのが望ましい。抵抗部14の電気抵抗Rcを参照して、その電気抵抗Rcが表す感度に応じた検量線を用いるのが望ましい。
(試験片の製造方法)
図8は、試験片10を製造するための一実施形態の製造方法のフローを示している。このフローに基づいて、図9から図13の平面図を参照しながら、試験片10の製造方法を説明する。
図8は、試験片10を製造するための一実施形態の製造方法のフローを示している。このフローに基づいて、図9から図13の平面図を参照しながら、試験片10の製造方法を説明する。
i) まず図8のステップS11では、図9に示すように、基板11の上面11aに、既述の形態をもつ作用極12と対極13との対(第1対の電極端子12f,13fを含む)と、配線42,43の対(第2対の電極端子42f,43fを含む)とを、この例では導電性カーボンペースト等をスクリーン印刷することにより形成する。
この例では、配線42は、抵抗部14と作用極12との間で、作用極12と平行にX方向に沿って細長く帯状に延在して設けられている。この配線42には、この配線42が次に形成される抵抗部14の−X側の端部に接続され得るように、+Y方向に屈曲している部分42eと、この部分42eからさらに+X方向に屈曲している部分42gとが設けられている。
配線43は、基板11の−X側の端部11f近傍の領域では、対極13と平行にX方向に沿って細長く帯状に延在している。この配線43には、この配線43が次に形成される抵抗部14の+X側の端部に接続され得るように、−Y方向に屈曲している部分43hと、この部分43hからさらに−X方向に屈曲している部分43gとが設けられている。
ii) 次に図8のステップS12では、図9に示すように、基板11の上面11aで、基板11のX方向,Y方向に関して略中央に、それぞれ或る抵抗率をもつ複数の抵抗部14の細長パターン44,45,46,47を形成する。この例では、それらの細長パターン44,45,46,47を、例えばカーボンを含む導電性プラスチックを、スクリーン印刷により厚さ10μm〜20μm程度に印刷し、硬化させて形成する。
複数の細長パターン44,45,46,47は、この例では実質的に正方格子U1,U2,…,U16の各辺をなすように配列されている。より詳しくは、基板11の長手方向(X方向)に沿って1列に並ぶ辺をなすように、複数(この例では16個)の細長パターン44,44,…が配列されている(この1列を符号41で示す)。その1列41の両側に、それぞれ対応する辺44,44,…を含んで長手方向に沿って交互に1つずつ並ぶ単位格子U1,U2,…,U16をなすように、各3個の細長パターン45,46,47が配列されている。
このように、複数の細長パターン44,45,46,47は実質的に正方格子U1,U2,…,U16の各辺をなすように配列されているので、細長パターン44,45,46,47のレイアウトが容易に行われる。例えばスクリーン印刷法のために印刷用の版を作製するとき、その設計が容易に行われる。
単位格子U1,U2,…,U16の各格子点Gでは、細長パターン44,45,46,47の接近した端部同士の間に、この例では、図18(A),(B),(C)に拡大して示すように、幅方向(細長パターンの長手方向に対して交差する方向)に関して一定寸法の隙間dが設けられている。
図18(A)は、例えば図9中の単位格子U1の右上(図9において)の格子点Gのように、細長パターン(この例では、細長パターン45,47)の接近した端部が2つであるL状の格子点G近傍の態様を示している。このタイプのL字状の格子点Gでは、それらの細長パターン45,47の端部は、それぞれの細長パターン45,47の長手方向に対して斜め45°に傾斜した辺をなしている。この結果、それらの細長パターン45,47の端部同士の間に、一定寸法の隙間dが設けられている。
図18(B)は、例えば図9中の単位格子U16の右上(図9において)の格子点Gのように、細長パターン(この例では、細長パターン44,47)の接近した2つの端部に加えて、配線43gの端部が接近しているT字状の格子点G近傍の態様を示している。このタイプのT字状の格子点Gでは、T字の幹に相当する細長パターン47の端部は、頂角90°で尖った形状(細長パターン47の長手方向に対して斜め45°に傾斜した2辺からなる)をしている。1列に並ぶ細長パターン44の端部と配線43gの端部とが、それぞれメサの形状(互いに対向する平坦な辺と、その辺に連なる斜め45°に傾斜した斜辺とを含む)をしている。細長パターン44の端部の斜辺と配線43gの端部の斜辺は、それぞれ細長パターン47の端部の対応する斜辺と対向している。この結果、それらの細長パターン44の端部、細長パターン47の端部、配線43gの端部の間に、一定寸法の隙間dが設けられている。
図18(C)は、例えば図9中の単位格子U1の右下(図9において)の格子点Gのように、細長パターン(この例では、細長パターン44,44,46,47)の接近した端部が4つである十字状の格子点G近傍の態様を示している。このタイプの十字状の格子点Gでは、それらの細長パターン44,44,46,47の端部は、頂角90°で尖った形状(それぞれの細長パターン44,44,46,47の長手方向に対して斜め45°に傾斜した2辺からなる)をしている。この結果、それらの細長パターン44,44,46,47の端部同士の間に、一定寸法の隙間dが設けられている。
iii) 次に図8のステップS13では、図10に示すように、絶縁層としてのレジスト層48を形成する。この例では、レジスト層48を、光硬化型若しくは熱硬化型の絶縁性レジスト材料等をスクリーン印刷することにより、例えば厚さ1μmから10μmの範囲内で、典型的には数μm程度に形成する。
このレジスト層48は、XY面内で既述の外形を有して、作用極12、対極13、配線42,43の大部分を覆うとともに、細長パターン44,45,46,47のうち端部以外の有効部分を覆っている。
一方、このレジスト層48は、単位格子U1,U2,…,U16の各格子点Gに相当する箇所に、円形の貫通孔49を有している。この貫通孔49を通して、細長パターン44,45,46,47の接近した端部同士が露出した状態になる。なお、抵抗部14全体としての両端、すなわち、単位格子U1の左下(図10において)の格子点G、単位格子U16の右上(図10において)の格子点Gでは、それぞれ配線42g,43gの端部も露出した状態になる。
例えば図20中に示すように、1個の細長パターン44については、端部44a,44b以外の有効部分44cがレジスト層48で覆われる一方、格子点G,Gに相当する箇所で、端部44a,44bが貫通孔49を通して露出した状態になる。なお、図20中には、円形パターン71,71,…が併せて図示されている。
このように、細長パターン44,45,46,47のうち端部以外の有効部分が覆われているので、細長パターン44,45,46,47の有効部分の電気抵抗が抵抗部14全体としての電気抵抗Rcに対して確実に寄与する。
また、複数の細長パターン44,45,46,47は正方格子の各辺をなしている。この結果、複数の細長パターン44,45,46,47の端部以外の有効部分の長さLと断面積(幅w×厚さhに相当する。)が同一になっている。したがって、複数の細長パターン44,45,46,47の有効部分が同一の電気抵抗(符号Raで表す。これを単位抵抗と呼ぶ。)をもつ。ここで、各細長パターン44,45,46,47の抵抗率(体積固有抵抗)をρ=1.0×10−2Ωcmとし、長さをL=2mmとし、幅をw=1mmとし、厚さをh=14μmとすると、各細長パターン44,45,46,47(の有効部分)が示す単位抵抗は、
Ra=ρ×L/(w×h)≒143kΩ
となる。
Ra=ρ×L/(w×h)≒143kΩ
となる。
抵抗部14全体としての電気抵抗Rcは、同一の単位抵抗Raの直列または並列の組合せによって構成される。この結果、後工程(ステップS16)で、抵抗部14が全体として属性情報を表すように抵抗部14の電気抵抗Rcを可変して設定する際に、導通させるべき、細長パターン44,45,46,47の接近した端部同士(以下、適宜「格子点G」と呼ぶ。)を容易に選択することができる。
なお、円形の貫通孔49,49,…は、後工程(ステップS16)で、円形パターン71,71,…の境界を定めるために働く。
また、レジスト層48はセンサ部15を形成する前に形成されるので、レジスト層48の形成工程がセンサ部15の特性に影響を及ぼすことはない。
iv) 次に図8のステップS14では、図11に示すように、センサ部15を形成する。
この例では、血糖(グルコース)を測定するために、鉄錯体またはRu錯体に、グルコースデヒドロゲナーゼまたはグルコースオキシダーゼを分散させてなる固形の材料を、試薬層として、作用極12、対極13の端部12e,13eの間にまたがって、円形に付着させる。これにより、センサ部15を形成する。
v) 次に図8のステップS15では、基板11上に、さらに、図2中に示したような略平板状のスペーサ16と、平坦なカバーとしてのカバーシート18とを、この順に接着して設ける。
このスペーサ16とカバーシート18とによって、既述のように基板11上でセンサ部15に接する体液の量が規定される。したがって、この段階で、試験片10の電気特性が定まる。
また、作用極12と対極13の+X側の端部が第1対の電極端子12f,13fとして露出するとともに、配線42,43の+X側の端部が第2対の電極端子42f,43fとして露出した状態になる。
一方、このスペーサ16とカバーシート18は、基板11上の抵抗部14に対応する領域に、開口Wを有している。これにより、図12に示すように、基板11上で、開口Wとレジスト層48の複数の貫通孔49,49,…とを通して、抵抗部14の全ての格子点G,G,…が露出した状態になる。したがって、後工程(ステップS16)で、センサ部15の感度に応じて抵抗部14の電気抵抗Rcを調節して設定することが容易になる。
vi) この後、図8のステップS16では、センサ部15を動作させて、この試験片10の感度を含む属性情報として抵抗部14がもつべき電気抵抗Rcを求める。
具体的には、この試験片10の同一の製造ロットの中から、感度をモニタリングするための試験片(符号10Mで表す。)を幾つか抜き取る。
例えば、幾つかの試験片10Mのセンサ部15に、血糖値が既知である体液(試料)を付着させて、センサ部15の起電流を観測する。例えば、表1に示した血糖値が90[mg/dL]〜600[mg/dL]までの体液を付着させて、それぞれセンサ部15の起電流が何[nA]であるかを観測する。そして、試験片10Mで観測された起電流に基づいて、血糖値とセンサ部15の起電流との対応関係を表す検量線を作成する。その製造ロットに含まれた残りの試験片10の感度は、その検量線によって表されるものとする。
このような感度に応じた検量線は、試験片10を用いた測定時に、抵抗部14の電気抵抗Rcの値(16段階)に応じて指定される(後述)。
vii) 次に図8のステップS17では、図13に示すように、抵抗部14の円形パターン71,71,…を形成する。
具体的には、抵抗部14が全体として求められた電気抵抗Rcをもつように細長パターン44,45,46,47がなす格子点Gを選択して、その選択された格子点G,G,…の上に重ねて円形パターン71,71,…を形成する。これにより、それらの格子点G,G,…を導通させる。図13の例では、1列41に並ぶ格子点Gが全て選択され、また、その1列41の両側にある単位格子U1,U2,U3,U4の格子点Gが選択され、それらの選択された格子点Gの上に円形パターン71,71,…が形成されている。
なお、単位格子U1の左下(図13において)の格子点G、単位格子U16の右上(図13において)の格子点Gにも円形パターン71,71,…が形成されている。これにより、抵抗部14が全体として配線42,43に接続されている。
これらの円形パターン71,71,…は、例えば導電性材料として、細長パターン44,45,46,47をなす導電性プラスチックよりも高濃度でカーボンを含む導電性プラスチックを、ポッティング法により40μm〜80μmの厚さに付着し、硬化させて形成する。
ポッティング法により形成された円形パターン71,71,…は、図20中に示すように、基板11に対して反対の側に凸に湾曲した表面71aを有している。したがって、円形パターン71,71,…の厚みが、容易に確保される。したがって、円形パターン71,71,…を一般的な導電性材料で構成すれば、細長パターン44,45,46,47がなす格子点G,G,…を、実質的に短絡させることができる。この結果、抵抗部14全体としての電気抵抗Rcに対して寄与するのは、実質的に細長パターン44,45,46,47の有効部分(長さLの部分)の電気抵抗(単位抵抗Ra)のみとなる。したがって、抵抗部14全体としての電気抵抗Rcの精度が高まる。
また、既述のように、レジスト層48の円形の貫通孔49,49,…によって円形パターン71,71,…の境界が定められている。したがって、このステップS16で、円形パターン71,71,…の形状を精度良く形成できる。
また、図18に関して述べたように、細長パターン44,45,46,47の接近した端部同士の間には、一定寸法の隙間dが設けられている。したがって、このステップS16で、細長パターン44,45,46,47がなす格子点G,G,…の上に重ねて円形パターン71,71,…を形成する際に、一定寸法の隙間dに合わせて、円形パターン71,71,…(および/または円形の貫通孔49,49,…)の寸法を比較的小さくすることができる。例えばポッティング法により円形パターン71,71,…を形成する際に、円形パターン71,71,…をなす導電物の滴下量を比較的少なく設定できる。この結果、円形パターン71,71,…の形状をさらに精度良く形成できる。
これらの結果、抵抗部14全体としての電気抵抗Rcの精度がさらに高まる。
この製造方法では、この試験片10の感度を含む属性情報を表すように抵抗部14全体としての電気抵抗Rcが可変して設定される場合であっても、抵抗部14の複数の細長パターン44,45,46,47は、センサ部15が形成される前に、ステップS12で、スクリーン印刷法などによって1つの印刷用の版を用いて一律に形成され得る。つまり、印刷用の版を変える必要はない。また、抵抗部14の円形パターン71,71,…は、センサ部15が形成されて抵抗部14がもつべき電気抵抗Rc(属性情報)が求められた後に、ステップS16で、ポッティング法によって形成され得る。このとき、細長パターン44,45,46,47がなす格子点G,G,…を選択することによって、抵抗部14が全体として求められた電気抵抗Rcを示す(属性情報を表す)ように、抵抗部14の電気抵抗Rcが可変して設定される。
この製造方法では、高価な設備を要しないし、また、複数種類の印刷用の版を用意する必要がない。したがって、試験片10の製造コストを安価に抑えることができる。また、センサ部15が形成された後に、試験片10が削り滓によって汚れたり、また、加工の際に発生する熱によってセンサ部15の特性が影響を受けたりすることがない。したがって、試験片10を高品質に製造できる。
(抵抗部の電気抵抗の可変設定)
抵抗部14の電気抵抗Rcは、図14(A),(B),…,(P)に示すようにして可変して設定される。なお、図14において、円形パターン71で導通された格子点Gは●印が付されている一方、非導通の格子点Gには●印が付されていない(後述の図17でも同様。)。
抵抗部14の電気抵抗Rcは、図14(A),(B),…,(P)に示すようにして可変して設定される。なお、図14において、円形パターン71で導通された格子点Gは●印が付されている一方、非導通の格子点Gには●印が付されていない(後述の図17でも同様。)。
まず、図14(A)に示すように、抵抗部14全体としての比較的大きい抵抗値を得るためには、1列41に並ぶ辺上にある格子点Gを全て選択して円形パターン71,71,…によって導通させる。例えば1列に並ぶ辺の数をm(この例では、m=15)とし、1辺の細長パターン44,45,46,47の有効部分がもつ単位抵抗をRaとすれば、抵抗部14全体としての抵抗値は、m×Ra=15Raとなる。
さらに、図14(B)に示すように、1列41に含まれた1つの辺44の片側にある単位格子(例えばU1とする。)を導通させれば、すなわち、その単位格子U1の上記1つの辺44から離れた2箇所のコーナ部でそれぞれ格子点Gを導通させれば、その単位格子U1による寄与は、
となる。したがって、抵抗部14全体としての抵抗値は(3/4)Ra+14Ra=14.75Raとなる。
となる。したがって、抵抗部14全体としての抵抗値は(3/4)Ra+14Ra=14.75Raとなる。
次に、図14(C)に示すように、さらに単位格子U2を導通させれば、単位格子U2による寄与は、(3/4)Raとなる。したがって、抵抗部14全体としての抵抗値は(3/4)Ra+(3/4)Ra+13Ra=14.5Raとなる。
このようにして、図14(C),…,(P)に示すように、この抵抗部14において導通させる単位格子の数を順次増加させてゆく。
このようにして、図14(C),…,(P)に示すように、この抵抗部14において導通させる単位格子の数を順次増加させてゆく。
その場合、抵抗部14の電気抵抗Rcとして、15Raから11.25Raまで、0.25Ra刻みで段階的に16個の値が可変して設定され得る。この際、抵抗部14が全体として属性情報を表すようにするためには、1列41に含まれた辺の片側(または他側)にある単位格子U1,U2,…を導通させるか否かを設定すれば足りる。したがって、細長パターン44,45,46,47がなす格子点Gを容易に選択することができ、抵抗部14が全体として属性情報を表すように抵抗部14の電気抵抗Rcを容易に可変して設定することができる。
(本体の構成)
図1中に示すように、本体50は、ユーザ(典型的には、被験者)が片手で持つことができるような略直方体状のケーシング50Mを備えている。ケーシング50Mの前面(図1における上面)に、報知部として働く表示部55と、ユーザが操作するための操作部56とが設けられている。
図1中に示すように、本体50は、ユーザ(典型的には、被験者)が片手で持つことができるような略直方体状のケーシング50Mを備えている。ケーシング50Mの前面(図1における上面)に、報知部として働く表示部55と、ユーザが操作するための操作部56とが設けられている。
ケーシング50Mの端面には、矢印Aに示すように試験片10(基板11)の端部11fが挿入されるべきコネクタ部61が設けられている。試験片10の端部11fがコネクタ部61に挿入されると、試験片10の作用極12、対極13の電極端子12f,13fと配線43,42の電極端子42f,43fがそれぞれコネクタ部61に設けられた接点62,63,64,65と接触して導通する。これらの接点62,63,64,65は、弾性を有する略くの字状の金属板からなり、その金属板の屈曲箇所(くの字の頂点)が試験片10の電極端子12f,13f,42f,43fと接触するように下方へ向けられている。
また、本体50のケーシング50M内には、図4のブロック図に示すように、出力検出部51と、演算部52とが搭載されている。
出力検出部51は、コネクタ部61を介して試験片10の出力を検出する。
演算部52は、制御部としてのCPU(Central Processing Unit)53と、メモリ54とを含んでいる。
メモリ54は、この生体成分測定装置1を制御するためのプログラムのデータ、血糖値とセンサ部15の起電流との間の対応関係を表す検量線のデータ、および、測定結果のデータなどを記憶する。この例では、検量線のデータは、試験片10(センサ部15)の感度のバラツキ(つまり、血糖値とセンサ部15の起電流との間の対応関係のバラツキ)に対応できるように、16種類記憶されている。また、このメモリ54は、プログラムが実行されるときのワークメモリとしても用いられる。
CPU(Central Processing Unit)53は、メモリ54に記憶されたプログラムに従って、この生体成分測定装置1を制御する。なお、具体的な制御の仕方については、後述する。
表示部55は、この例では、液晶ディスプレイまたはEL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイからなっている。この表示部55は、演算部52によって制御されて、体液中の特定成分の濃度(この例では、血糖値)に関する測定結果や、その他の情報を表示する。
操作部56は、図1中に示すように、3つの押しボタンスイッチ57,58,59を含んでいる。中央の押しボタンスイッチ58は、この生体成分測定装置1の動作をオン、オフするためなどに用いられる。両側の押しボタンスイッチ57,59は、メモリ54に記録された過去の測定結果を繰り下げたり、繰り上げたりして表示部55上に表示させるために用いられる。
図5中に示すように、出力検出部51は、具体的には、電源電位VCCとその電源電位Vccよりも低い電位VEEとの間に接続された演算増幅器(以下「オペアンプ」と呼ぶ。)68と、このオペアンプ68の反転入力端子(−)と出力端子(出力電圧Voutを出力する端子)との間に接続された帰還抵抗(抵抗値をR2とする。)69と、試験片10の抵抗部14またはセンサ部15に所定の電圧Vinを印加する電源(図示せず)と、
第1対の接点62,63と第2対の接点64,65とを切り換えるためのスイッチSW1,SW2とを含んでいる。試験片10の対極13からの出力電流が、試験片10の出力として、オペアンプ68の反転入力端子(−)に入力される。オペアンプ68の非反転入力端子(+)は接地されている。この構成により、出力検出部51は、試験片10の出力(出力電流)に応じた出力電圧Voutを出力する。
第1対の接点62,63と第2対の接点64,65とを切り換えるためのスイッチSW1,SW2とを含んでいる。試験片10の対極13からの出力電流が、試験片10の出力として、オペアンプ68の反転入力端子(−)に入力される。オペアンプ68の非反転入力端子(+)は接地されている。この構成により、出力検出部51は、試験片10の出力(出力電流)に応じた出力電圧Voutを出力する。
ここで、試験片10の電気抵抗をR1とすると、オペアンプ68の出力電圧は、一般的に、
Vout=−(R2/R1)×Vin …(1)
として表される。
Vout=−(R2/R1)×Vin …(1)
として表される。
(測定方法)
次に、図7の処理フローを用いて、この生体成分測定装置1による血液中の血糖値の測定方法を説明する。
次に、図7の処理フローを用いて、この生体成分測定装置1による血液中の血糖値の測定方法を説明する。
i) まず、図7中のステップS1に示すように、本体50のCPU53は、コネクタ部61に試験片10が装着されたか否かを判断する。
この例では、CPU53は、図5中に示すように出力検出部51のスイッチSW1,SW2が第2対の接点64,65を選択した状態にする。この状態で、CPU53は、コネクタ部61に試験片10が装着されたか否かを、図5中に示した出力検出部51の出力電圧Voutの変化に基づいて判断する。すなわち、試験片10が未装着であれば、出力検出部51の出力電圧Voutは実質的にゼロであるが、体液未付着状態で試験片10が装着されると、上記式(1)において、R1=Rc(有限値)となることから、出力検出部51の出力電圧Voutは、
Vout=−(R2/Rc)×Vin …(2)
となり、実質的にゼロでない値を示す。CPU53は、この出力電圧Voutの変化に基づいて、コネクタ部61に試験片10が装着されたか否かを判断する(R2、Vinの値、Rcの値の範囲は、既知であるものとする。)。
Vout=−(R2/Rc)×Vin …(2)
となり、実質的にゼロでない値を示す。CPU53は、この出力電圧Voutの変化に基づいて、コネクタ部61に試験片10が装着されたか否かを判断する(R2、Vinの値、Rcの値の範囲は、既知であるものとする。)。
具体的には、出力電圧Voutがとるべき値の範囲は、上記式(2)にしたがって、R2、Vinの値、Rcの値の範囲に応じて定まる。そこで、出力電圧Voutがとるべき値に対して予め下限値VL、上限値VUを設定しておく。そして、この段階で出力電圧Voutが下限値VLと上限値VUとの間であれば、体液未付着状態で試験片10が装着されたと判断する。出力電圧Voutが下限値VLを下回っていれば、試験片10が未装着であると判断する。または、出力電圧Voutが上限値VUを超えていれば、何らかの異常が発生したと判断する(この場合、表示部55に異常が発生した旨を表示させる。)。
なお、それに代えて、または、それに加えて、試験片10が装着されたことを、この段階で被験者が操作部56の押しボタンスイッチ58(図1参照)を押すことにより入力するようにしても良い。これにより、CPU53は、体液未付着状態で試験片10が装着されたことを確実に判断することができる。
ii) 次に、体液未付着状態で試験片10が本体50に装着されるものとする。これにより、基板11上の作用極12、対極13の電極端子12f,13fと配線42,43の電極端子42f,43f(図1参照)がそれぞれコネクタ部61に設けられた接点62,63,64,65に接触する。この状態で、図7中のステップS2に示すように、CPU53は、接点64,65と配線42,43とを通して、試験片10の抵抗部14から属性情報を表す電気抵抗Rcを取得する。
具体的には、図5中に示すように、電圧Vinの印加により、基板11上の作用極12、抵抗部14、対極13、帰還抵抗69を介して、電流(これをI1とする。)が流れる。この状態で、CPU53は、出力検出部51の出力電圧Vout(これをVout1とする。)を検出する。これによって、CPU53は、次式(3)のように試験片10の属性情報(この例では、センサ部15の感度、つまり、表1に例示したような血糖値とセンサ部15の起電流との対応関係)を表す電気抵抗Rcを算出することができる。
Rc=−R2×(Vin/Vout1) …(3)
この電気抵抗Rcが表す、血糖値とセンサ部15の起電流との対応関係は、既述のメモリ54(図4参照)に検量線として記憶されている。
この電気抵抗Rcが表す、血糖値とセンサ部15の起電流との対応関係は、既述のメモリ54(図4参照)に検量線として記憶されている。
iii) 抵抗部14の電気抵抗Rcの取得が完了すると、図7中のステップS3に示すように、CPU53は、測定準備が完了した旨を表示部55に表示させて、ユーザに報知する。例えば、「測定準備が完了しました」と表示させる。それに代えて、または、それに加えて、被験者が試験片10に血液を付けるのを促すように、「試験片に血液を付けてください」と表示させても良い。
iv) 次に、図7中のステップS4に示すように、CPU53は、試験片10に血液が付けられたか否かを判断する。
この例では、CPU53は、図6中に示すように出力検出部51のスイッチSW1,SW2が第1対の接点62,63を選択した状態にする。この状態で、CPU53は、試験片10に血液が付けられたか否かを、出力検出部51の出力電圧Voutの変化に基づいて判断する。すなわち、体液未付着状態では、出力検出部51の出力電圧Voutは実質的にゼロであるが、体液付着状態では、図6中に示すように、センサ部15は、血液と電気化学反応を起こして、電気特性の変化として起電流(これをI2とする。)を生ずる。その場合、電圧Vinの印加により、接点62,63と基板11上の作用極12、対極13とを介して、電流I2が流れる。この体液付着状態で、CPU53は、この電流I2に応じた出力検出部51の出力電圧Vout(これをVout2とする。)を検出する。CPU53は、この出力電圧VoutのゼロからVout2への変化に基づいて、試験片10に血液が付けられたか否かを判断する。
具体的には、この段階で出力電圧Vout2が既述の上限値VUを超えたら、試験片10に血液が付けられたと判断する。
なお、それに代えて、または、それに加えて、試験片10に血液が付けられたことを、この段階で被験者が操作部56の押しボタンスイッチ58(図1参照)を押すことにより入力するようにしても良い。これにより、CPU53は、試験片10に血液が付けられたことを確実に判断することができる。
v) この体液付着状態で、図7中のステップS5に示すように、CPU53は、センサ部15の電気特性を求める。
具体的には、CPU53は、センサ部15の電気特性として起電流I2を検出する。
vi) 次に、図7中のステップS7に示すように、CPU53は、体液付着状態でのセンサ部15の起電流I2と、抵抗部14の電気抵抗Rcが表す試験片10の検量線(メモリ54に記憶されている)とに基づいて、血液中の血糖値を算出する。
vii) この後、図7中のステップS8に示すように、CPU53は、算出された血糖値を表示部55に表示させて、ユーザに報知する。例えば、「血糖値 180mg/dL」のように表示させる。それとともに、CPU53は、その血糖値をメモリ54に記憶させる。メモリ54に記憶された血糖値は、ユーザ(例えば、被験者)が操作部56の押しボタンスイッチ57,59を押すことによって、表示部55上に表示させることができる。
このようにして、この生体成分測定装置1によれば、試験片10(特に、センサ部15)の感度にバラツキがあったとしても、被験者の血液中の血糖値を正確に測定することできる。
(試験片の幾つかの変形例)
図15は、既述の試験片10の抵抗部14のレイアウトを変形した変形例の製造途中(ポッティング直前)の状態を示している。
図15は、既述の試験片10の抵抗部14のレイアウトを変形した変形例の製造途中(ポッティング直前)の状態を示している。
この変形例の試験片10′では、抵抗部(符号14′で表す。)における複数の細長パターンの配列は、は、既述の試験片10の抵抗部14(図12参照)に対して、各々の単位格子の上記1列41に並ぶ辺とは反対の側に接して、もう1つの単位格子を有する点が異なっている。
すなわち、この試験片10′の抵抗部14′では、基板11の長手方向に沿って1列に並ぶ辺をなすように、複数(この例では8個)の細長パターン44,44,…が配列されている(この1列を符号41で示す)。その1列41の両側に、それぞれ対応する辺44,44,…を含んで長手方向に沿って交互に1つずつ並ぶ単位格子U1−1,U2−1,…,U8−1をなすように、各3個の細長パターンが配列されている。さらに、各々の単位格子U1−1,U2−1,…,U8−1の上記1列41とは反対の側に、もう1つの単位格子U1−2,U2−2,…,U8−2をなすように、各3個の細長パターンが配列されている。
この試験片10′の抵抗部14′では、既述の試験片10の抵抗部14におけるのと同様に、複数の細長パターンは実質的に正方格子U1−1,U1−2;U2−1,U2−2;…;U8−1,U8−2の各辺をなすように配列されているので、細長パターンのレイアウトが容易に行われる。例えばスクリーン印刷法のために印刷用の版を作製するとき、その設計が容易に行われる。
図16に示すように、この抵抗部14′における円形パターン71,71,…の形成は、ポッティング法により、既述の試験片10の抵抗部14におけるのと同様に行われる。
抵抗部14′の電気抵抗Rcは、図17(A),(B),…,(P)に示すようにして可変して設定される。
まず、図17(A)に示すように、抵抗部14′全体としての比較的大きい抵抗値を得るためには、1列41に並ぶ辺上にある格子点Gを全て選択して円形パターン71,71,…によって導通させる。例えば1列に並ぶ辺の数をm(この例では、m=8)とし、1辺の細長パターン44,45,46,47の有効部分がもつ単位抵抗をRaとすれば、抵抗部14′全体としての抵抗値は、8Raとなる。
さらに、図17(B)に示すように、1列41に含まれた1つの辺44の片側にある単位格子(例えばU1−1とする。)を導通させれば、すなわち、その単位格子U1の上記1つの辺44から離れた2箇所のコーナ部でそれぞれ格子点Gを導通させれば、その単位格子U1−1による寄与は、(3/4)Raとなる。したがって、抵抗部14′全体としての抵抗値は(3/4)Ra+7Ra≒7.75Raとなる。
次に、図17(C)に示すように、さらに単位格子U1−2を導通させれば、単位格子U1−1,U1−2による寄与は、(11/15)Raとなる。したがって、抵抗部14′全体としての抵抗値は(11/15)Ra+7Ra≒7.733Raとなる。
次に、図17(D)に示すように、さらに単位格子U2−1を導通させれば、単位格子U2−1による寄与は、(3/4)Raとなる。したがって、抵抗部14′全体としての抵抗値は(11/15)Ra+(3/4)Ra+6Ra≒7.483Raとなる。
次に、図17(E)に示すように、さらに単位格子U2−2を導通させれば、単位格子U2−1,U2−2による寄与は、(11/15)Raとなる。したがって、抵抗部14′全体としての抵抗値は(11/15)Ra+(11/15)Ra+6Ra≒7.467Raとなる。
このようにして、図17(F),…,(P)に示すように、この抵抗部14′において導通させる単位格子の数を順次増加させてゆく。
この抵抗部14′では、1列41に並ぶ辺の数をmとしたとき、(2m+1)個の値が可変して段階的に設定され得る。つまり、1列の両側に単位格子が1つずつ並ぶ場合に比して、抵抗部14′の電気抵抗Rcとして可変される数が増える。したがって、抵抗部14′の電気抵抗Rcによって様々な属性情報を表すことができる。逆に、抵抗部14′の電気抵抗Rcの可変されるべき数を定めて考えれば、先の例のように1列の両側に単位格子が1つずつ並ぶ場合に比して、1列41に並ぶ辺の数mを少なくすることができる。このことは、基板11上で抵抗部14′が占める領域の寸法を、1列41の方向(X方向)に関して縮小できることを意味する。したがって、基板11上での抵抗部14をレイアウトする際の自由度が増す。
なお、複数の細長パターンがなす正方格子の配列は、抵抗部14,14′に示したものに限られない。複数の細長パターンがなす正方格子の配列は、例えば、3行2列に並ぶ「日」の字形でも良いし、3行3列に並ぶ「田」の字形でも良いし、また、4行4列以上に並ぶ複数の辺を有する形でも良い。
図19(A),(B),(C)は、試験片10の抵抗部14において2つ、3つ、4つの細長パターンの端部同士が接近した格子点近傍の、図18(A),(B),(C)とは異なる別の態様を示している。
この図19(A),(B),(C)の例では、図18(A),(B),(C)にそれぞれ対応したL状の格子点G、T字状の格子点G、十字状の格子点Gにおいて、細長パターンの接近した端部は、いずれもそれぞれの細長パターンの長手方向に対して垂直に切断された辺をなしている。
例えば図19(A)では、細長パターン45′,47′の端部は、それぞれ長手方向に対して垂直に切断された辺をなしている。この結果、それらの細長パターン45′,47′の端部同士の間に、最近接箇所において隙間dが設けられている。
図19(B)では、細長パターン44′,47′の接近した2つの端部に加えて、配線43g′の端部は、それぞれ長手方向に対して垂直に切断された辺をなしている。この結果、それらの細長パターン44′,47′の端部同士の間、および細長パターン47′の端部と配線43g′の端部との間に、最近接箇所において隙間dが設けられている。
図19(C)では、細長パターン44′,44′,46′,47′の端部は、それぞれ長手方向に対して垂直に切断された辺をなしている。この結果、それらの細長パターン44′,44′,46′,47′の端部同士の間に、最近接箇所において隙間dが設けられている。
この図19(A),(B),(C)の例では、細長パターン44′,45′,46′,47′のレイアウトが容易に行われる。例えばスクリーン印刷法のために印刷用の版を作製するとき、その設計が容易に行われる。
また、上の例では、抵抗部14の細長パターン44,45,46,47の有効部分を覆うように、絶縁層としてのレジスト層48を設けたが、これに限られるものではない。例えば図21に示すように、絶縁層としてのレジスト層48を省略しても良い。その場合、細長パターンの有効部分(この図21の例では細長パターン44の有効部分44cを示す。)の長さL′は、実質的に、細長パターンの両端に設けられる円形パターン71,71の端部71e,71e同士の距離で定まる。このようにした場合、試験片10の製造コストをさらに安価に抑えることができる。
また、上の例では、抵抗部14の円形パターン71をポッティング法によって形成したが、これに限られるものではない。例えば、抵抗部14の円形パターン71を、格子点Gに円形の導電シートを接着することによって形成しても良い。この円形の導電シートを接着する仕方は、特に絶縁層としてのレジスト層48を省略した場合に、円形パターン71の形状のバラツキを容易に避けることができ、有益である。
また、上の例では、基板11上で、第1対の電極端子12f,13fと第2対の電極端子42f,43fとは互いに別個に設けられたが、これに限られるものではない。例えば図3(B)に示すように、第1対の電極端子の一方12fと第2対の電極端子の一方42fとを共通に構成しても良い。この図3(B)の例では、結果として、電極端子42fが省略され、抵抗部14につながる配線(符号42′で表す)は作用極12の途中に接続されている。この配線42′は、例えば図9において、配線部分42eを−Y方向へ延ばして作用極12に直結したものに相当する。このようにした場合、試験片10では、基板11の端部11fの側に、作用極12、対極13の電極端子12f,13fと、配線の電極端子43fとを配置すれば足りる。したがって、配線42の大部分(−X側の部分42e,42gを除く)を省略できるとともに、試験片10の電極端子数を3つに減らすことができる。また、配線43は、屈曲した部分43g,43hを省略して、ストレートに構成されうる。したがって、試験片10をより小型かつ安価に構成することができる。
また、試験片10の電極端子数を3つに減らすことができる結果、本体50側でも、コネクタ部61の接点数を3つに減らすことができる。したがって、試験片10の電極端子12f,13fおよびコネクタ部61の接点62,63の配列の寸法精度を緩和できる。また、本体50側では、接点62と電源Vinを直結して、スイッチSW1(図5参照)を省略することができる。これらの結果、試験片10とともに、本体50を小型かつ安価に構成することができる。
上の例では、体液中の特定成分として例えば血液中の血糖(グルコース)を測定する場合に着目して説明したが、これに限られるものではない。センサ部15の試薬層を公知材料から適切に選択することによって、血液中のコレステロール、乳酸の濃度を測定することもできる。
また、メモリ54に記憶されている生体成分測定プログラムを、メモリその他の非一時的なコンピュータ読み取り可能な記録媒体(メモリ、ハードデイスクドライブ、光ディスクなど)にエンコードしておき、汎用コンピュータに上述の測定方法を実行させても良い。
また、上の例では、生体成分測定装置1をスタンドアローンの装置として構成したが、これに限られるものではない。本体50は、通信部を有していても良い。この通信部は、CPU53による測定結果(血液中の血糖値など)を表す情報を、ネットワークを介して外部の装置に送信したり、外部の装置からの情報を、ネットワークを介して受信して制御部に受け渡したりする。これにより、例えば被験者がネットワークを介して医師のアドバイス等を受けることが可能になる。このネットワークを介した通信は、無線、有線のいずれでも良い。
以上の実施形態は例示であり、この発明の範囲から離れることなく様々な変形が可能である。
1 生体成分測定装置
10,10′ 試験片
11 基板
12 作用極
13 対極
12f,13f 第1対の電極端子
14,14′ 抵抗部
42,43,42′ 配線
42f,43f 第2対の電極端子
44,45,46,47 細長パターン
50 本体
55 表示部
61 コネクタ部
62,63,64,65 接点
71 円形パターン
G 格子点
U1,U2,…,U16;U1−1,U1−2;U2−1,U2−2;…;U8−1,U8−2 単位格子
10,10′ 試験片
11 基板
12 作用極
13 対極
12f,13f 第1対の電極端子
14,14′ 抵抗部
42,43,42′ 配線
42f,43f 第2対の電極端子
44,45,46,47 細長パターン
50 本体
55 表示部
61 コネクタ部
62,63,64,65 接点
71 円形パターン
G 格子点
U1,U2,…,U16;U1−1,U1−2;U2−1,U2−2;…;U8−1,U8−2 単位格子
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