JP2014118945A - 内燃機関の排気浄化装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ディーゼルパティキュレートフィルタの再生処理が開始され、排ガス温度が所定温度以上となってから、所定時間経過すると、尿素水インジェクタから尿素水を噴射する(S10-S16)。そして、複数のNOxセンサにて、排ガス中のNOx濃度をそれぞれ検出する(S18)。それから、当該検出結果に基づいて、NOx浄化効率を算出する(S20)。そして、当該NOx浄化効率より尿素水濃度を算出する(S22)。次に、尿素水濃度が規定値(例えば32.5%)未満であると、尿素水濃度が規定値未満である旨を運転者に警告する(S24-S26)。
【選択図】図2
Description
そこで、従来より、ディーゼルエンジンや希薄燃焼ガソリンエンジンでは、選択還元型触媒や、NOxトラップ触媒等を排気流路に設けている。特にディーゼルエンジンでは、高回転速度・高負荷運転時にNOxの排出量が多くなることから、尿素水を排気流路中の排ガスに添加して、尿素水が加水分解して発生したアンモニア(NH3)にてNOxを還元浄化する選択還元型触媒装置が用いられている。
ところで、上記特許文献1の内燃機関の排気浄化装置では、尿素水の尿素濃度を検出する検出手段を有していないため、選択還元型触媒に尿素の濃度が適正でない尿素水が用いられると、選択還元型触媒やNOxセンサが正常に機能していたとしても、NOxの排出量に対してアンモニアの量が不足し、選択還元型触媒にて適切にNOxが還元浄化されずにNOxが排出されたり、また、NOxの排出量に対してアンモニアの量が多くなり選択還元型触媒にてNOxの還元浄化に全てのアンモニアが使用されずにアンモニアが排出されたりする虞がある。
本発明は、この様な問題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、尿素水の濃度を診断することのできる内燃機関の排気浄化装置を提供することにある。
また、請求項3の内燃機関の排気浄化装置では、請求項1或いは2において、前記尿素水供給手段の上流に、前記排ガス中の微粒子状物質を除去するディーゼルパティキュレートフィルタを備え、ディーゼルパティキュレートフィルタの再生処理は、前記炭化水素の脱離処理を兼ねることを特徴とする。
このように、尿素水の濃度判定前に、選択還元型触媒に吸着している炭化水素を脱離することで、炭化水素の吸着による窒素酸化物の浄化効率の低下を防止することができる。
請求項2の発明によれば、炭化水素脱離手段は、選択還元型触媒の炭化水素の吸着量に基づいて、炭化水素の脱離処理を行うようにしている。
したがって、例えば、選択還元型触媒に吸着されている炭化水素の吸着量が多い場合には、炭化水素の脱離処理の時間を長くすることで、確実に炭化水素を脱離することができる。
また、請求項3の発明によれば、ディーゼルパティキュレートフィルタの再生処理が選択還元型触媒に吸着している炭化水素の脱離処理を兼ねている。
即ち、ディーゼルパティキュレートフィルタの再生処理での排ガス温度は、選択還元型触媒から炭化水素が離脱する温度以上となるので、ディーゼルパティキュレートフィルタの再生処理は、選択還元型触媒に吸着している炭化水素の脱離処理を兼ねることが可能である。
また、請求項4の発明によれば、ディーゼルパティキュレートフィルタの再生処理中であって、該再生処理の開始から所定時間経過後に尿素水の濃度判定を実施している。
したがって、尿素水よりアンモニアが生成される量が多くなる、即ち、アンモニア生成率が高くなる。
また、ディーゼルパティキュレートフィルタの再生処理中は、排ガスの温度を高温としているために窒素酸化物の排出量が多くなる。
よって、第1濃度検出手段と第2濃度検出手段の検出結果に基づいて、選択還元型触媒での窒素酸化物の浄化効率を算出して、当該浄化効率より尿素水の濃度を判定することで、精度良く尿素水の濃度を判定することができる。
図1は、内燃機関の排気浄化装置が適用されたエンジン1の概略構成図である。
図1に示すように、図示しない車両に搭載されるエンジン(内燃機関)1は、多気筒の筒内直接噴射式内燃機関(例えばコモンレール式ディーゼルエンジン)であり、詳しくは、コモンレールに蓄圧された高圧燃料を各気筒の燃料噴射ノズル2に供給し、任意の噴射時期及び噴射量で当該燃料噴射ノズル2から各気筒の燃焼室3内に噴射可能な構成を成している。
燃焼室3には、インテークポート7とエキゾーストポート8とが連通されている。
インテークポート7には、燃焼室3と当該インテークポート7との連通と遮断を行うインテークバルブ9が設けられている。また、エキゾーストポート8には、燃焼室3と当該エキゾーストポート8との連通と遮断とを行うエキゾーストバルブ10が設けられている。
インテークマニフォールド11の各気筒に吸入空気を分配するための分岐の上流のインテークマニフォールド11には、酸素濃度を検出する酸素濃度センサ13がセンサ部をインテークマニフォールド11内に突出するように設けられている。また、空燃比センサ13の下流には、燃焼室3に吸入される吸入空気の温度を検出する吸気温度センサ14がインテークマニフォールド11内に突出するように設けられている。
エキゾーストマニフォールド12の下流には、ターボチャージャ19に排ガスを導入する図示しないタービンハウジングと、排気管24とが連通するように設けられている。
排気管24のターボチャージャ19とケーシング29との間には、排ガス中の酸素濃度を検出する酸素濃度センサ31が排気管24内に突出するように設けられている。
ケーシング29の酸化触媒25の上流には、酸化触媒25に流入する排ガスの温度を検出する排気温度センサ32がケーシング29内に突出するように設けられている。また、ケーシング29の酸化触媒25とディーゼルパティキュレートフィルタ26との間には、酸化触媒25から流出する排ガスの温度を検出する排気温度センサ33がケーシング29内に突出するように設けられている。そして、ケーシング29のディーゼルパティキュレートフィルタ26の下流には、ディーゼルパティキュレートフィルタ26から流出する排ガスの温度を検出する排気温度センサ34がケーシング29内に突出するように設けられている。
そして、燃料噴射ノズル2、酸素濃度センサ13,31、吸気温度センサ14,38、排気還流バルブ16,42、電子制御スロットルバルブ22,39、スロットルポジションセンサ23,40、排気温度センサ32,33,34、NOxセンサ35,37、尿素水インジェクタ36、警報装置50及びエンジン1の運転状態を検出する各種センサやエンジン1が搭載される車両の運転者が操作するアクセルペダルの操作度合いを検出するアクセルポジションセンサ等の各種装置は、エンジン1の総合的な制御を行うための制御装置であって入出力装置、記憶装置(ROM、RAM、不揮発性RAM等)、タイマ及び中央演算処理装置(CPU)等を含んで構成されるエンジンコントロールユニット(炭化水素脱離手段、濃度判定手段)60と電気的に接続されている。当該エンジンコントロールユニット60は、各種センサ類からの各情報に基づき各種装置の作動を制御して、エンジン1の運転を制御するものである。
一方、エンジンコントロールユニット60の出力側には、燃料噴射ノズル2、排気還流バルブ16,42、電子制御スロットルバルブ22,39、尿素水インジェクタ36及び警報装置50が電気的に接続されている。
また、エンジンコントロールユニット60は、図示しない圧力センサにて検出されるディーゼルパティキュレートフィルタ26の上流と下流の排ガスの圧力より、圧力差を算出し所定圧力差となった場合や、運転者の操作によって図示しない強制再生ボタン等が操作された場合に、燃料噴射ノズル2からの燃料の噴射量や噴射時期を制御して、ディーゼルパティキュレートフィルタ26内に堆積した微粒子状物質を燃焼させるディーゼルパティキュレートフィルタ再生処理を実施する。
図2は、本発明に係る内燃機関の排気浄化装置のエンジンコントロールユニット60での尿素濃度判定の制御フローチャートである。
図2に示すように、ステップS10では、再生処理が開始されているか、否かを判別する。詳しくは、ディーゼルパティキュレートフィルタ26の再生処理が開始されているか、否かを判別する。判別結果が真(Yes)でディーゼルパティキュレートフィルタ26の再生処理が開始されていれば、ステップS12に進む。また、判別結果が否(No)でディーゼルパティキュレートフィルタ26の再生処理が開始されていなければ、本ルーチンをリターンする。
ステップS18では、NOxセンサ35及びNOxセンサ37にて、排ガス中のNOx濃度をそれぞれ検出する。そして、ステップS20に進む。
このように本発明の内燃機関の排気浄化装置では、ディーゼルパティキュレートフィルタ26の再生処理が開始され、排ガス温度が所定温度以上となってから、所定時間経過すると、尿素水インジェクタ36から尿素水を噴射して、尿素水が加水分解されて発生するアンモニアを選択還元型触媒28に供給し、選択還元型触媒28にてNOxの浄化を行う。そして、NOxセンサ35及びNOxセンサ37にて、排ガス中のNOx濃度をそれぞれ検出し、当該検出結果に基づいてNOx浄化効率を算出する。そして、当該NOx浄化効率より尿素水濃度を算出し、当該尿素水濃度が規定値(例えば32.5%)未満であると、尿素水濃度が規定値未満である旨を警報装置50により運転者に警告するようにしている。
したがって、選択還元型触媒28にHCが吸着することによる窒素酸化物(NOx)の浄化効率の低下を防止することができる。
また、所定時間を選択還元型浄化触媒28に吸着されているHCの吸着量に基づいて設定しているので、例えばHCの吸着量が多い場合にはディーゼルパティキュレートフィルタ26の再生処理の時間を長くすることで、選択還元型浄化触媒28から確実にHCを脱離することができる。
したがって、尿素水よりアンモニアが生成される量が多くなる、即ち、アンモニア生成率が高くなる。
また、ディーゼルパティキュレートフィルタの再生処理中は、排ガス温度を高温としているためにNOxの排出量が多くなる。
よって、NOxセンサ35とNOxセンサ37の検出結果に基づいて、選択還元型触媒28でのNOxの浄化効率を算出して、当該浄化効率より尿素水の濃度を判定することで、精度良く尿素水の濃度を判定することができる。
上記実施形態では、エンジン1を高圧排気還流通路15と低圧排気還流通路41等の排気を吸気に再循環させる排気再循環装置を備えているが、これに限定されるものではなく、もちろんそれらの排気再循環装置の一方のみを備える内燃機関、或いはいずれの排気再循環装置も備えない内燃機関にも適用可能であることはいうまでもない。
26 ディーゼルパティキュレートフィルタ
28 選択還元型触媒
35 NOxセンサ(第1濃度検出手段)
36 尿素水インジェクタ(尿素水供給手段)
37 NOxセンサ(第2濃度検出手段)
60 エンジンコントロールユニット(炭化水素脱離手段、濃度判定手段)
Claims (4)
- 内燃機関の排ガスに含まれる窒素酸化物を尿素水供給手段により供給される尿素水にて還元浄化する選択還元型触媒と、
前記選択還元型触媒に流入する前記窒素酸化物の濃度を検出する第1濃度検出手段と、
前記選択還元型触媒より流出する前記窒素酸化物の濃度を検出する第2濃度検出手段と、
前記選択還元型触媒に吸着した炭化水素の脱離処理を行う炭化水素脱離手段と、
前記炭化水素脱離手段による前記炭化水素の脱離処理の完了後に、前記第1濃度検出手段と前記第2濃度検出手段の検出結果に基づいて算出される前記窒素酸化物の浄化効率に基づき、前記尿素水の濃度を判定する濃度判定手段と、を備えることを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。 - 前記炭化水素脱離手段は、前記選択還元型触媒に吸着されている前記炭化水素の吸着量に基づいて、前記炭化水素の脱離処理を行うことを特徴とする、請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置。
- 前記尿素水供給手段の上流に、前記排ガス中の微粒子状物質を除去するディーゼルパティキュレートフィルタを備え、
ディーゼルパティキュレートフィルタの再生処理は、前記炭化水素の脱離処理を兼ねることを特徴とする、請求項1或いは2に記載の内燃機関の排気浄化装置。 - 前記濃度判定手段は、前記ディーゼルパティキュレートフィルタの再生処理中であって、該再生処理の開始から所定時間経過後に前記尿素水の濃度判定を実施することを特徴とする、請求項3に記載の内燃機関の排気浄化装置。
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