JP2014117828A - 画像記録装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】シートの搬送量の調整が行い易い画像記録装置を提供する。
【解決手段】当該装置は、反転ローラ対を逆回転させ且つ再搬送ローラ対を順回転させる第1状態と、搬送ローラ対、反転ローラ対、及び再搬送ローラ対を順回転させる第2状態と、搬送ローラ対及び反転ローラ対を順回転させ且つ再搬送ローラ対への駆動力の伝達を解除する第3状態とに状態変化が可能な駆動伝達部を備え、シートの先端が搬送ローラ対に到達し(S16:yes)且つ当該シートが反転ローラ対に挟持されていると判断された場合(S17:No)に、駆動伝達部を第1状態から第2状態に状態変化させる第1切替処理(S18)と、シートの後端が反転ローラ対を通過したと判断された場合(S20:Yes)に、当該シートの後端が再搬送ローラ対に到達するまでの間に駆動伝達部を第2状態から第3状態に状態変化させる第2切替処理(S21)とを実行する。
【選択図】図10

Description

本発明は、シートの両面に画像記録を行うことができる画像記録装置に関する。
特許文献1には、シートの両面に画像記録を行うことのできる画像記録装置が開示されている。より具体的には、特許文献1に記載されている画像記録装置は、第1搬送路上のシートを記録部に向かう第1搬送向きに搬送するPFローラ対と、記録部によって表面に画像記録されたシートを第1向きに搬送するか或いは反転させて第2搬送路に搬送するSBローラ対と、第2搬送路上のシートをPFローラ対に向かう第2搬送向きに搬送させるDXローラ対とを備えている。
ここで、PFローラ対とSBローラ対とは、同一方向に回転するように構成されている。より具体的には、PFローラ対によってシートを第1搬送向きに搬送しようとする場合、PFローラ対及びSBローラ対は、シートを第1搬送向きに搬送する向きの回転である順回転する。一方、SBローラ対によってシートを第2搬送路に搬送しようとする場合、PFローラ対及びSBローラ対は、順回転とは逆向きの回転である逆回転する。
その結果、サイズの大きなシートを第2搬送路で反転させようとすると、PFローラ対とSBローラ対との間でシートの引っ張り合いが生じることになる。ここで、DXローラ対の単位時間当たりの搬送量がPFローラ対より小さいと、PFローラ対とSBローラ対との引っ張り合いによってシートが搬送路の内側に張り付くことがある。そこで、このような課題を解決するために、DXローラ対の単位時間当たりの搬送量をPFローラ対より大きくすることが考えられる。
特開2012−1332号公報
しかしながら、DXローラ対の単位時間当たりの搬送量を大きくし過ぎると、PFローラ対とDXローラ対との間でシートに撓みを生じる。その結果、DXローラ対を通過したシートの後端がDXローラ対に衝突して、当該シートにシワが発生する可能性がある。このように、PFローラ対及びDXローラ対の単位時間当たりの搬送量が異なることにより、第2搬送路を搬送されるシートに不具合を生じる可能性がある。しかしながら、PFローラ対及びDXローラ対の単位時間当たりの搬送量を完全に一致させるのは困難である。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、シートの搬送量の調整が行い易い画像記録装置を提供することにある。
(1) 本発明の一形態に係る画像記録装置は、シートが第1搬送向きに搬送される第1搬送路と、分岐位置において上記第1搬送路から分岐し且つ上記分岐位置より上記第1搬送向きの上流側の合流位置において上記第1搬送路に合流しており、上記分岐位置から上記合流位置に向かう第2搬送向きにシートが搬送される第2搬送路とが形成された本体と、上記合流位置より上記第1搬送向きの下流側において上記第1搬送路に設けられており、上記第1搬送路上のシートを上記第1搬送向きに搬送する順回転、及び順回転と逆向きの逆回転が可能な搬送ローラ対と、上記搬送ローラ対より上記第1搬送向きの下流側で且つ上記分岐位置より上記第1搬送向きの上流側において上記第1搬送路に設けられており、上記搬送ローラ対によって搬送されたシートに画像記録を行う記録部と、上記分岐位置より上記第1搬送向きの下流側において上記第1搬送路に設けられており、上記記録部によって画像が記録されたシートを、上記第1搬送向きに搬送する順回転、及び上記第1搬送向きの上流側の端部を先端として上記第2搬送路へ搬送する逆回転が可能な反転ローラ対と、上記第2搬送路に設けられており、上記反転ローラ対によって上記第2搬送路に搬送されたシートを上記第2搬送向きに搬送する順回転が可能な再搬送ローラ対と、1以上のモータを含む駆動源と上記駆動源の駆動力を伝達する伝達機構とで構成されており、上記反転ローラ対を逆回転させ且つ上記再搬送ローラ対を順回転させる第1状態と、上記搬送ローラ対及び上記反転ローラ対を順回転させ且つ上記再搬送ローラ対を順回転させる第2状態と、上記搬送ローラ対及び上記反転ローラ対を順回転させ且つ上記再搬送ローラ対への上記駆動源の駆動力の伝達を解除する第3状態と、に状態変化が可能な駆動伝達部と、制御部とを備える。そして、上記制御部は、シートの位置を判断する判断処理と、上記駆動伝達部が上記第1状態であり、上記第2搬送路を通過したシートの先端が上記搬送ローラ対に到達し且つ当該シートが上記反転ローラ対に挟持されていると上記判断処理において判断された場合に、上記駆動伝達部を上記第1状態から上記第2状態に状態変化させる第1切替処理と、上記駆動伝達部が上記第2状態であり、シートの後端が上記反転ローラ対を通過したと上記判断処理において判断された場合に、当該シートの後端が上記再搬送ローラ対に到達するまでの間に、上記駆動伝達部を上記第2状態から上記第3状態に状態変化させる第2切替処理とを実行する。
上記構成によれば、シートの後端が反転ローラ対を通過し且つ再搬送ローラ対を通過するまでの期間に再搬送ローラ対への駆動力の伝達を解除することにより、搬送ローラ対及び再搬送ローラ対の単位時間当たりの搬送量が異なることに起因する不具合を抑制できる。なお、「再搬送ローラ対への駆動源の駆動力の伝達を解除」とは、駆動源と再搬送ローラ対との間において駆動力を非伝達状態とすることのみならず、駆動源を停止させること等も含むものとする。
(2) 好ましくは、上記駆動源は、正転及び逆転が可能な搬送用モータを含む。上記伝達機構は、上記搬送用モータの正転及び逆転の一方によって上記搬送ローラ対及び上記反転ローラ対を順回転させ、上記搬送用モータの正転及び逆転の他方によって上記搬送ローラ対及び上記反転ローラ対を逆回転させる第1伝達機構と、上記搬送用モータの正転及び逆転の一方を互いに噛合する奇数個のギヤで伝達し、且つ上記搬送用モータの正転及び逆転の他方を偶数個のギヤで伝達することによって、上記再搬送ローラ対を順回転させる第2伝達機構とを有している。そして、上記制御部は、上記第1切替処理において上記搬送用モータの回転を正転及び逆転の他方から一方に切り換えることによって、上記駆動伝達部を上記第1状態から上記第2状態に状態変化させる。
上記構成によれば、モータの回転向きを切り換える制御のみで、第1状態から第2状態への切替を行うことができる。なお、搬送用モータの正転及び逆転と、搬送ローラ対及び反転ローラ対の順回転及び逆回転と、第2伝達機構において駆動力の伝達に用いられるギヤの数(奇数個及び偶数個)との組み合わせを限定する趣旨ではない。すなわち、上述の「搬送用モータの正転及び逆転の一方(他方)」は、第1伝達機構と第2伝達機構とで同一の向きを表すものではなく、搬送ローラ対及び反転ローラ対の回転向きと、第2伝達機構におけるギヤの数とが、それぞれ搬送用モータの回転向きを切り替えることによって切換可能であることを示しているに過ぎない。
(3) より具体的には、上記第2伝達機構は、隣接する第1ギヤ及び第2ギヤを含む複数のギヤが互いに噛合されており、上記再搬送ローラ対の駆動軸を回転させるギヤ列と、上記搬送用モータの正転によって第1向きに回転し、上記搬送用モータの逆転によって上記第1向きと逆向きの第2向きに回転する太陽ギヤと、一端側が上記太陽ギヤに対して回動可能に支持された第1アーム及び第2アームと、上記第1アームの他端側に回転可能に支持され且つ上記太陽ギヤに噛合されており、上記太陽ギヤの上記第1向きの回転によって上記太陽ギヤの周りを上記第1向きに公転して上記第1ギヤに噛合され、上記太陽ギヤの上記第2向きの回転によって上記太陽ギヤの周りを上記第2向きに公転して上記第1ギヤから離間される第1振子ギヤと、上記第2アームの他端側に回転可能に支持され且つ上記太陽ギヤに噛合されており、上記太陽ギヤの上記第2向きの回転によって上記太陽ギヤの周りを上記第2向きに公転して上記第2ギヤに噛合され、上記太陽ギヤの上記第1向きの回転によって上記太陽ギヤの周りを上記第1向きに公転して上記第2ギヤから離間される第2振子ギヤと有している。
(4) 好ましくは、上記伝達機構は、上記搬送用モータの回転を、上記再搬送ローラ対に伝達する伝達状態と、上記再搬送ローラ対に伝達しない非伝達状態とに状態変化が可能な切替部を更に有している。そして、上記制御部は、上記第2切替処理において、上記搬送用モータを正転及び逆転の他方に回転させた状態で、上記切替部を上記伝達状態から上記非伝達状態に状態変化させることによって、上記伝達機構を上記第2状態から上記第3状態に状態変化させる。
(5) より具体的には、上記記録部は、上記第1搬送向きに直交する走査方向に移動可能なキャリッジと、上記キャリッジに搭載され、上記第1搬送路を搬送されるシートにノズルからインクを吐出する記録ヘッドとを有している。上記切替部は、上記走査方向に離間した第1位置及び第2位置に移動可能であり、上記搬送用モータによって駆動される駆動ギヤと、上記第1位置の上記駆動ギヤと噛合されず且つ上記第2位置の上記駆動ギヤと噛合される位置に設けられており、上記駆動ギヤの回転を上記再搬送ローラ対に伝達する被駆動ギヤと、上記駆動ギヤの側面に当接されると共に上記キャリッジの移動経路内に露出されており、上記キャリッジに当接されることによって上記駆動ギヤを上記第2位置から上記第1位置に移動させる切替レバーとを有している。そして、上記制御部は、上記第2切替処理において上記切替レバーに当接される位置に上記キャリッジを移動させることによって、上記切替部を、上記駆動ギヤが上記第2位置に位置する上記伝達状態から、上記駆動ギヤが上記第1位置に位置する上記非伝達状態に状態変化させる。
上記構成によれば、切替部の状態を切り換えるための駆動源(モータ)を別途設ける必要がなくなるので、モータの数を削減できる。
(6) 好ましくは、上記制御部は、シートに対して上記第1搬送向きに沿う所定の幅単位で上記記録部に間欠的に画像記録を行わせる記録処理を繰り返し実行し、且つ上記記録処理の合間に上記第2切替処理を実行する。
上記構成によれば、画像記録のスループットを低下させることなく、切替部の状態を切り換えることができる。
(7) 好ましくは、上記制御部は、シートの後端が上記反転ローラ対を通過したと上記判断処理において判断された場合に、当該シートの後端が上記再搬送ローラ対に到達するまでの間に、上記第2切替処理を繰り返し実行する。
上記構成によれば、切替部の状態を確実に切り換えることができる。
(8) 好ましくは、上記制御部は、シートの後端が上記反転ローラ対と上記再搬送ローラ対との間に位置していると上記判断処理において判断された状態で当該シートへの画像記録が終了した場合に、上記第2切替処理を実行した後で上記搬送用モータに正転駆動及び逆転駆動を交互に少なくとも1回実行させる。
上記構成によれば、切替部の状態をより確実に切り換えることができる。
(9) 好ましくは、上記再搬送ローラ対は、上記搬送用モータによって駆動される駆動ローラと、上記駆動ローラに当接されて回転する従動ローラと、一端側において上記駆動ローラを回転可能に支持し、上記一端側より上記第2搬送向きの上流側に位置する他端側が上記本体に対して回動可能に支持されて上記駆動ローラを上記従動ローラに接離させるアームとを有する。
上記構成によれば、第2状態において反転ローラがシートを引っ張る力に抗して、当該シートを第2搬送向きに搬送することができる。
(10) 一例として、当該画像記録装置は、上記第1搬送路に配置されており、当該位置におけるシートの有無に応じた検知信号を出力する出力部と、上記搬送用モータの回転量を示すパルス信号を出力するロータリーエンコーダとをさらに備える。そして上記制御部は、上記判断処理において、上記ロータリーエンコーダから取得するパルス信号の数を、上記出力部から検知信号を取得した時点からカウントすることによって、当該シートの位置を判断する。
(11) 好ましくは、上記再搬送ローラ対は、上記搬送ローラ対よりも単位時間当たりの搬送量が大きい。
これにより、搬送ローラ対と反転ローラ対とがシートを引っ張り合うことによって、シートが搬送路の内側に張り付くことを防止できる。
本発明によれば、シートの後端が再搬送ローラ対を通過するまでに再搬送ローラ対を連れ廻り状態にするので、反転されたシートを適切な搬送量で搬送することができる画像記録装置を得ることができる。
図1は、複合機10の斜視図である。 図2は、プリンタ部11の内部構造を模式的に示す縦断面図である。 図3は、プリンタ部11の内部構造を示す斜視図である。 図4は、プリンタ部11の内部構造を示す斜視図である。 図5は、プリンタ部11の内部構造を示す平面図である。 図6は、駆動伝達機構50のローラとベルトとギヤとプーリの伝達関係を示した模式図である。 図7(A)は、切替ギヤ51が第1位置のときの各ギヤ51、75、78、88の噛合を模式的に示す平面図であり、図7(B)は、切替ギヤ51が第2位置のときの各ギヤ51、75、78、88の噛合を模式的に示す平面図である。 図8は、切替ギヤ51の位置に対する給送ローラ25及び各搬送ローラ60、62、45、68による記録用紙12の回転向きを説明するための表である。 図9は、制御部130の構成を示すブロック図である。 図10は、制御部130によって実行される処理の手順を示すフローチャートである。
以下、適宜図面を参照して本発明の実施形態について説明する。なお、以下に説明される実施形態は本発明の一例にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で、本発明の実施形態を適宜変更できることは言うまでもない。複合機10は、図1に示す状態に設置されて使用される。本実施形態において、複合機10が使用可能に設置された状態(図1の状態)を基準として上下方向7が定義され、開口13が形成された側を手前側(正面)として前後方向8が定義され、複合機10を手前側から見て左右方向9が定義される。図1に示す3つの方向は、他の図面においても同様に表示される。
[複合機10の全体構造]
図1に示されるように、複合機10(本発明の画像記録装置の一例)は、下部にプリンタ部11を備えている。複合機10は、ファクシミリ機能及びプリント機能などの各種の機能を有している。プリント機能としては、記録用紙12(本発明のシートの一例、図2参照)の両面に画像を記録する両面画像記録機能を有している。プリンタ部11は、正面に開口13が形成されている。記録用紙12を載置可能な給送トレイ20(図2参照)及び排出トレイ21(図2参照)が、開口13から前後方向8に挿抜可能である。なお、複合機10によって画像記録されるのは記録用紙12に限定されない。例えば、複合機10は、CDやDVDのレーベル面に画像記録してもよい。この場合、CDやDVDは、薄板状のメディアトレイに載置されて、開口13などから複合機10内に挿入される。
図2に示されるように、給送トレイ20の上側に給送ローラ25が設けられている。給送ローラ25は、給送トレイ20に載置された記録用紙12の上面に当接可能に設けられている。給送ローラ25は、搬送用モータ71(図3〜図5参照)の逆転駆動力を付与されて順回転する。なお、給送ローラ25の順回転とは、記録用紙12を第1搬送路65に送り出し、且つ第1搬送路65上を第1搬送向き15に搬送する向きの回転である。すなわち、プリンタ部11を図2の方向から見た給送ローラ25の順回転は、時計回りの回転である。
プリンタ部11(本発明の本体の一例)の内部には、給送トレイ20の後端部から第1搬送路65が延出されている。第1搬送路65は、湾曲部と直線部とを備える。第1搬送路65は、所定間隔を隔てて互いに対向する外側ガイド部材18と内側ガイド部材19とによって区画されている。給送トレイ20に収容された記録用紙12は、湾曲部を下方から上方へUターンするように搬送された後、直線部を搬送されて記録部24に搬送される。記録部24により画像記録が行われた記録用紙12は、直線部を搬送されて排出トレイ21に排出される。つまり、記録用紙12は、図2に一点鎖線の矢印で示される第1搬送向き15に搬送される。
また、プリンタ部11の内部には、第2搬送路67が設けられている。第2搬送路67は、分岐位置36において第1搬送路65から分岐し、分岐位置36より第1搬送向き15の上流側の合流位置37において第1搬送路65と合流するように延びた経路である。つまり、第2搬送路67は、分岐位置36及び合流位置37において第1搬送路65と接続されている。第2搬送路67は、上下方向7において対向するガイド部材31、32によって区画されている。分岐位置36においてスイッチバックされた記録用紙12は、第2搬送路67を分岐位置36から合流位置37に向かう第2搬送向き16(図2に二点鎖線の矢印で示される向き)に搬送され、再び第1搬送路65に導かれる。
[搬送ローラ対、排出ローラ対、反転ローラ対、再搬送ローラ対]
図2に示されるように、第1搬送路65には、記録部24よりも第1搬送向き15の上流側において第1搬送ローラ60及びピンチローラ61を備える搬送ローラ対と、記録部24よりも第1搬送向き15の下流側において第2搬送ローラ62及び拍車63を備える排出ローラ対と、第2搬送ローラ62よりも第1搬送向き15の下流側において第3搬送ローラ45及び拍車46を備える反転ローラ対と、が設けられている。また、第2搬送路67には、第4搬送ローラ68、従動ローラ69、及びアーム70(図3〜図5では、図示省略)を備える再搬送ローラ対が設けられている。各ローラ対は、記録用紙12を挟持した状態で回転することによって、記録用紙12を搬送する。
搬送ローラ対は、第1搬送向き15において、合流位置37より下流側で且つ記録部24より上流側に設けられている。本実施形態における第1搬送ローラ60は、第1搬送路65の上側に配置されており、第1搬送路65を搬送される記録用紙12の記録面(記録部24によって画像が記録される面)に当接する。第1搬送ローラ60は、正転駆動及び逆転駆動が可能な搬送用モータ71から駆動力が付与されて回転する軸34に外嵌されており、軸34と一体回転する。一方、ピンチローラ61は、第1搬送路65の下側において第1搬送ローラ60に対向して配置されている。ピンチローラ61は、第1搬送ローラ60の回転に伴って連れ回る。第1搬送ローラ60とピンチローラ61とは、協同して記録用紙12を挟持し、第1搬送向き15に搬送する。
第1搬送ローラ60は、正転駆動する搬送用モータ71から駆動力を付与されて順回転する。ここで、第1搬送ローラ60の順回転とは、記録用紙12を第1搬送向き15に搬送する向きの回転である。すなわち、プリンタ部11を図2の方向から見た第1搬送ローラ60の順回転は反時計回りの回転であり、ピンチローラ61の順回転は時計回りの回転である。以下、「搬送ローラ対の順回転」と表記したときは、図2に示される第1搬送ローラ60が反時計回りに回転し、且つピンチローラ61が時計回りに回転することを指す。
一方、第1搬送ローラ60は、逆転駆動する搬送用モータ71から駆動力を付与されて逆回転する。第1搬送ローラ60の逆回転とは、記録用紙12を第1搬送向き15とは逆向きに搬送する向きの回転である。すなわち、図2の方向から見た第1搬送ローラ60の逆回転は時計回りの回転であり、ピンチローラ61の逆回転は反時計回りの回転である。以下、「搬送ローラ対の逆回転」と表記したときは、図2に示される第1搬送ローラ60が時計回りに回転し、且つピンチローラ61が反時計回りに回転することを指す。
排出ローラ対は、第1搬送向き15において、記録部24より下流側で且つ分岐位置36より上流側に設けられている。本実施形態における第2搬送ローラ62は、第1搬送路65の下側に配置されており、第1搬送路65を搬送される記録用紙12の記録面の裏面に当接する。第2搬送ローラ62は、搬送用モータ71から駆動力が付与されて回転する軸64に外嵌されており、軸64と一体回転する。一方、拍車63は、第1搬送路65の上側において第2搬送ローラ62に対向して配置されている。拍車63は、第2搬送ローラ62の回転に伴って連れ回る。第2搬送ローラ62と拍車63とは、協同して記録用紙12を挟持し、第1搬送向き15に搬送する。
第2搬送ローラ62は、正転駆動する搬送用モータ71から駆動力を付与されて順回転する。ここで、第2搬送ローラ62の順回転とは、記録用紙12を第1搬送向き15に搬送する向きの回転である。すなわち、図2の方向から見た第2搬送ローラ62の順回転は時計回りの回転であり、拍車63の順回転は反時計回りの回転である。以下、「排出ローラ対の順回転」と表記したときは、図2に示される第2搬送ローラ62が時計回りに回転し、且つ拍車63が反時計回りに回転することを指す。
一方、第2搬送ローラ62は、逆転駆動する搬送用モータ71から駆動力を付与されて逆回転する。第2搬送ローラ62の逆回転とは、記録用紙12を第1搬送向き15とは逆向きに搬送する向きの回転である。すなわち、図2の方向から見た第2搬送ローラ62の逆回転は反時計回りの回転であり、拍車63の逆回転は時計回りの回転である。以下、「排出ローラ対の逆回転」と表記したときは、図2に示される第2搬送ローラ62が反時計回りに回転し、且つ拍車63が時計回りに回転することを指す。
反転ローラ対は、分岐位置36より第1搬送向き15の下流側に設けられている。本実施形態における第3搬送ローラ45は、第1搬送路65の下側に配置されており、第1搬送路65を搬送される記録用紙12の記録面の裏面に当接する。第3搬送ローラ45は、搬送用モータ71から駆動力が付与されて回転する軸44に外嵌されており、軸44と一体回転する。一方、拍車46は、第1搬送路65の上側において第3搬送ローラ45に対向して配置されている。拍車46は、第3搬送ローラ45の回転に伴って連れ回る。第3搬送ローラ45と拍車46とは、協同して記録用紙12を挟持し、第1搬送向き15或いは第2搬送路67に搬送する。
第3搬送ローラ45は、正転駆動する搬送用モータ71から駆動力を付与されて順回転する。ここで、第3搬送ローラ45の順回転とは、記録用紙12を第1搬送向き15に搬送する向きの回転である。すなわち、図2の方向から見た第3搬送ローラ45の順回転は時計回りの回転であり、拍車46の順回転は反時計回りの回転である。以下、「反転ローラ対の順回転」と表記したときは、図2に示される第3搬送ローラ45が時計回りに回転し、且つ拍車46が反時計回りに回転することを指す。
一方、第3搬送ローラ45は、逆転駆動する搬送用モータ71から駆動力を付与されて逆回転する。第3搬送ローラ45の逆回転とは、記録用紙12を第1搬送向き15とは逆向きに搬送する向きの回転である。すなわち、図2の方向から見た第3搬送ローラ45の逆回転は反時計回りの回転であり、拍車46の逆回転は時計回りの回転である。以下、「反転ローラ対の逆回転」と表記したときは、図2に示される第3搬送ローラ45が反時計回りに回転し、且つ拍車46が時計回りに回転することを指す。
再搬送ローラ対は、第2搬送路67に設けられている。本実施形態における第4搬送ローラ68(本発明の駆動ローラの一例)は、第2搬送路67の下側に配置されている。第4搬送ローラ68は、正転駆動及び逆転駆動が可能な搬送用モータ71から駆動力が付与されて回転する。一方、従動ローラ69は、第2搬送路67の上側において第4搬送ローラ68に対向して配置されている。従動ローラ69は、第4搬送ローラ68の回転に伴って連れ回る。第4搬送ローラ68と従動ローラ69とは、協同して記録用紙12を挟持し、第2搬送向き16に搬送する。
図2に示されるように、アーム70は、その一端側において第4搬送ローラ68を回転可能に支持し、他端側がプリンタ部11に対して回動可能に支持されている。また、プリンタ部11に支持されている側の端部は、第4搬送ローラ68を支持している側の端部よりも第2搬送向き16の上流側に配置されている。これにより、アーム70は、第4搬送ローラ68を従動ローラ69に接離させることができる。より詳細には、再搬送ローラ対に挟持された記録用紙12に第2搬送向き16と逆向きの力が付与された際に、アーム70は、第4搬送ローラ68を従動ローラ69に押しつけるように動作する。
第4搬送ローラ68は、搬送用モータ71の回転向き(正転駆動及び逆転駆動)に拘わらず順回転する。ここで、第4搬送ローラ68の順回転とは、記録用紙12を第2搬送向き16に搬送させる向きの回転である。すなわち、図2の方向から見た第4搬送ローラ68の順回転は反時計回りの回転であり、従動ローラ69の順回転は時計回りの回転である。以下、「再搬送ローラ対の順回転」と表記したときは、図2に示される第4搬送ローラ68が反時計回りに回転し、且つ従動ローラ69が時計回りに回転することを指す。
なお、再搬送ローラ対は、搬送ローラ対よりも単位時間当たりの搬送量を大きく設定するのが望ましい。これにより、記録用紙12が搬送路の内側に張り付くことを抑制できる。なお、再搬送ローラ対の単位時間当たりの搬送量を大きくする具体的な方法は特に限定されないが、例えば、第4搬送ローラ68の直径を第1搬送ローラ60の直径より大きくしてもよいし、搬送用モータ71から第4搬送ローラ68までの駆動力の伝達経路における減速比を、搬送用モータ71から第1搬送ローラ60までの駆動力の伝達経路における減速比よりも小さくしてもよい。
[記録部24]
図2に示されるように、記録部24は、第1搬送路65において、第1搬送ローラ60の第1搬送向き15の下流側で且つ第2搬送ローラ62の第1搬送向き15の上流側に設けられている。記録部24の下側で且つ第1搬送路65を挟んで記録部24と対向する位置には、プラテン42が設けられている。プラテン42は、第1搬送路65を搬送される記録用紙12を支持する。記録部24は、プラテン42に支持された記録用紙12に公知のインクジェット方式で画像を記録する。記録部24は、記録用紙12にインク滴を吐出する複数のノズルが形成された記録ヘッド38と、記録ヘッド38を搭載するキャリッジ40とを備えている。
キャリッジ40は、プリンタ部11のフレームなどによって、前後方向8と直交する左右方向9(本発明の走査方向の一例)へ往復動可能に支持されている。キャリッジ40は、公知のベルト機構を介してキャリッジ駆動用モータ53(図9参照)と連結されている。キャリッジ40は、キャリッジ駆動用モータ53から駆動力が伝達されることによって左右方向9に往復動される。プラテン42に記録用紙12が支持されている状態で、キャリッジ40が往復動される。キャリッジ40が往復動されているときに、記録ヘッド38からインク滴が吐出される。これにより、プラテン42に支持された記録用紙12に画像が記録される。
[第1センサ160及び第2センサ170]
図2に示されるように、第1搬送路65において、第1搬送ローラ60よりも第1搬送向き15の上流側で且つ合流位置37より第1搬送向き15の下流側には、第1センサ160(本発明の出力部の一例)が設けられている。第1センサ160は、軸161と、当該軸161を中心に回動可能な検出子162と、発光素子及び当該発光素子から発光された光を受光する受光素子を有する光学センサ163とを備えている。
検出子162の一端は、第1搬送路65に突出している。検出子162の一端に外力が加えられていないとき、検出子162の他端は光学センサ163の発光素子から受光素子に至る光路に進入して、当該光路を通る光を遮断している。このとき、光学センサ163は、後述する制御部130にローレベル信号(「信号レベルが閾値未満の信号」であって、本発明の第2検知信号の一例である。)を出力する。一方、検出子162の一端が記録用紙12の第1搬送向き15の下流端に押されて回転すると、検出子162の他端は上記光路から外れて、上記光路に光が通る。このとき、光学センサ163は、制御部130にハイレベル信号(「信号レベルが閾値以上の信号」であって、本発明の第1検知信号の一例である。)を出力する。すなわち、第1センサ160は、第1センサ160が設置された位置における記録用紙12の有無に応じた検知信号を、制御部130に出力する。
第1搬送路65において、記録部24及び第2搬送ローラ62より第1搬送向き15の下流側で且つ分岐位置36より第1搬送向き15の上流側には、第2センサ170が設けられている。第2センサ170は、第1センサ160と同様に、軸171と検出子172と光学センサ173とを備えている。第2センサ170は、第1センサ160と同様に、第2センサ170が設置された位置における記録用紙12の有無に応じた検知信号を、制御部130に出力する。
[ロータリーエンコーダ73]
図2に示されるように、第1搬送ローラ60には、第1搬送ローラ60の回転によってパルス信号を発生させるロータリーエンコーダ73が設けられている。ロータリーエンコーダ73は、第1搬送ローラ60の軸34に設けられて第1搬送ローラ60と共に回転するエンコーダディスク74と、エンコーダディスク74を厚み方向(図2の紙面において垂直な方向)から挟むように設けられた光学センサ72とからなる。エンコーダディスク74には、光が透過される透過部と光が透過されない非透過部とが円周方向に等ピッチで交互に配置されている。光学センサ72は、エンコーダディスク74に向けて発光部(不図示)から光を照射し、エンコーダディスク74を通過した光を受光部(不図示)で受光する。
光学センサ72の発光部とエンコーダディスク74の透過部とが対面するとき、発光部から出力された光は受光部で受光される。このとき、光学センサ72は、ハイレベル信号を制御部130に出力する。一方、光学センサ72の発光部とエンコーダディスク74の非透過部とが対面するとき、発光部から出力された光は受光部で受光されない。このとき、光学センサ72は、ローレベル信号を制御部130に出力する。その結果、エンコーダディスク74が回転(換言すれば、搬送用モータ71或いは第1搬送ローラ60が回転)することによって、光学センサ72から制御部130にパルス信号が出力される。
[経路切替部材41]
図2に示されるように、第1搬送路65において、第2搬送ローラ62より第1搬送向き15の下流側で且つ第3搬送ローラ45より第1搬送向き15の上流側(すなわち、分岐位置36)には、経路切替部材41が設けられている。経路切替部材41は、補助ローラ47、48と、フラップ49と、軸87とを備えている。フラップ49は、軸87から概ね第1搬送向き15に延出されており、且つ軸87に回動可能に軸支されている。また、拍車状の補助ローラ47、48は、フラップ49に回転可能に軸支されている。フラップ49は、軸87を中心として回動することによって、内側ガイド部材19よりも分岐位置36の上方に位置する排出姿勢(図2に破線で示される姿勢)と、延出端部49Aが分岐位置36の下方に位置する反転姿勢(図2に実線で示される姿勢)とに姿勢変化が可能に構成されている。
通常状態におけるフラップ49は、自重によって反転姿勢である。そして、フラップ49は、第1搬送路65を搬送される記録用紙12に持ち上げられることによって、軸87周りに回動して反転姿勢から排出姿勢に姿勢変化する。以後、フラップ49(詳細には補助ローラ47、48)は、記録用紙12と当接して記録用紙12をガイドする。記録用紙12の第1搬送向き15の上流側の端部(すなわち、後端)が補助ローラ47を通過すると、フラップ49は、自重によって排出姿勢から反転姿勢に姿勢変化する。これにより、記録用紙12の第1搬送向き15の後端が下側(すなわち、第2搬送路67の入り口)を向く。この状態において第3搬送ローラ45が順回転を継続すると、記録用紙12は、第1搬送向き15に搬送されて排出トレイ21に排出される。一方、第3搬送ローラ45の回転が順回転から逆回転に切り換えられると、記録用紙12は、第1搬送向き15の上流側の端部を先端として、第2搬送路67に導かれる。
[駆動伝達機構50]
図3〜図5に示されるように、プリンタ部11には、搬送用モータ71の駆動力を各ローラ対に伝達する駆動伝達機構50が設けられている。駆動伝達機構50は、ローラプーリ76と、モータプーリ58と、第1ベルト77と、第1駆動伝達部26と、第2駆動伝達部27と、第3駆動伝達部33と、第4駆動伝達部28と、給送駆動伝達部29と、切替部30とを備えている。搬送用モータ71及び駆動伝達機構50は、本発明の駆動伝達部の一例である。
図5に示されるように、ローラプーリ76は、第1搬送路65よりも左側において、第1搬送ローラ60の軸34に取り付けられている。図3〜図5に示されるように、搬送用モータ71には、当該搬送用モータ71の回転軸にモータプーリ58が取り付けられている。無端環状の第1ベルト77は、ローラプーリ76とモータプーリ58とに架け渡されている。これにより、搬送用モータ71の回転駆動力は、第1搬送ローラ60に伝達される。具体的には図8に示されるように、第1搬送ローラ60は、搬送用モータ71が正転駆動されると順回転し、搬送用モータ71が駆動逆転されると逆回転する。
[第1駆動伝達部26]
図3〜図6に示されるように、第1駆動伝達部26は、左ギヤ52と、下ギヤ80と、第1プーリ81と、第2プーリ82と、第2ベルト83とを備えている。左ギヤ52は、第1搬送ローラ60の軸34において第1搬送路65よりも左側に設けられている。下ギヤ80は、左ギヤ52の下側において左ギヤ52と噛合されている。第1プーリ81は、下ギヤ80の右側に取り付けられており、下ギヤ80と同軸且つ一体に回転する。これにより、第1プーリ81は、第1搬送ローラ60の回転に連動して回転する。第2プーリ82は、第2搬送ローラ62の軸64に取り付けられている。無端環状の第2ベルト83は、第1プーリ81と第2プーリ82とに架け渡されている。
なお、第2プーリ82の内側には、公知のワンウェイクラッチ(具体的にはニードルクラッチ)が設けられている。つまり、第2プーリ82は、ワンウェイクラッチを介して軸64に取り付けられている。これにより、第1駆動伝達部26は、正転駆動される搬送用モータ71の回転駆動力を第2搬送ローラ62に伝達し、逆転駆動される搬送用モータ71の回転駆動力を第2搬送ローラ62に伝達しない。すなわち、図8に示されるように、第2搬送ローラ62は、第1駆動伝達部26によって伝達された搬送用モータ71の正転駆動力によって順回転する。
[第3駆動伝達部33]
図3〜図6に示されるように、第3駆動伝達部33は、第3プーリ84と、第4プーリ85と、第3ベルト86とを備えている。第3プーリ84は、軸64における第2プーリ82の左側に取り付けられており、第2プーリ82と同軸且つ一体に回転する。第4プーリ85は、第3搬送ローラ45の軸44に取り付けられている。無端環状の第3ベルト86は、第3プーリ84と第4プーリ85とに架け渡されている。これにより、第2搬送ローラ62の回転は、第3ベルト86を介して第3搬送ローラ45に伝達される。すなわち、図8に示されるように、第3搬送ローラ45は、第2搬送ローラ62と同様に、第1駆動伝達部26及び第3駆動伝達部33によって伝達された搬送用モータ71の正転駆動力によって順回転する。
[第2駆動伝達部27]
図3〜図6に示されるように、第2駆動伝達部27は、第1ギヤ78と、第1出力ギヤ75と、相互に噛合された複数の第1中間ギヤ95と、第2ギヤ101と、第1振子ギヤ機構96とで構成される。第1振子ギヤ機構96は、第1中間ギヤ95と噛合する太陽ギヤ97と、太陽ギヤ97の周囲を公転且つ自転する振子ギヤ98と、アーム102とを備えている。
第1ギヤ78は、第1搬送ローラ60の軸34における第1搬送路65よりも右側に設けられている。第1ギヤ78は、第1搬送ローラ60と同軸に設けられており、第1搬送ローラ60と一体に回転する。つまり、第1搬送ローラ60が回転すると、第1ギヤ78も回転する。第1ギヤ78の回転は、後述する切替部30の切替ギヤ51を介して、第1出力ギヤ75に伝達される。
第1出力ギヤ75は、切替ギヤ51と、第1中間ギヤ95のうちの駆動力の伝達経路の最上流側に位置するギヤと、後述する第4駆動伝達部28の太陽ギヤ109とに噛合されている。なお、第1出力ギヤ75は、図7(B)に示されるように、第2位置に位置する切替ギヤ51に噛合され、第1ギヤ78の回転駆動力が伝達されて回転する。
複数の第1中間ギヤ95は、相互に噛合された状態で概ね前後方向8に並んで配置されている。本実施形態では、第1中間ギヤ95は偶数個配置されている。なお、図6では第1中間ギヤ95が便宜上4個描かれているが、4個に限らないのは言うまでもない。駆動力の伝達経路の最下流側に配置された第1中間ギヤ95は、第1振子ギヤ機構96の太陽ギヤ97と噛合される。以上より、第1ギヤ78の回転駆動力は、第2位置の切替ギヤ51、第1出力ギヤ75、及び複数の第1中間ギヤ95を介して、太陽ギヤ97に伝達される。
太陽ギヤ97は、プリンタ部11のフレームなどによって回転可能に支持されている。太陽ギヤ97のスラスト面には、アーム102の一端が取り付けられている。これにより、アーム102は、太陽ギヤ97と同軸で回動する。アーム102の他端には、振子ギヤ98が回転可能に支持されている。振子ギヤ98は、太陽ギヤ97と噛合されている。よって、振子ギヤ98は、アーム102に支持されて自転し且つ太陽ギヤ97と噛合しながら太陽ギヤ97の外周を太陽ギヤ97の回転向きに公転する。
以下、図6を参照しながら、第2駆動伝達部27による駆動伝達が説明される。搬送用モータ71が逆転駆動されると、第1搬送ローラ60及び第1ギヤ78は時計回りに回転する。ここで、第1ギヤ78と太陽ギヤ97との間には、切替ギヤ51、第1出力ギヤ75、及び偶数個の第1中間ギヤ95が互いに噛合されている。すなわち、第1ギヤ78と太陽ギヤ97との間には、偶数個のギヤが互いに噛合されている。このため、第1ギヤ78が時計回りに回転した場合、太陽ギヤ97は反時計回り(矢印99の向き)に回転する。
太陽ギヤ97が反時計回りに回転すると、振子ギヤ98は、時計回りに自転しつつ太陽ギヤ97の周囲を矢印99の向きに公転し、第2ギヤ101に噛合される。振子ギヤ98に噛合された第2ギヤ101は、反時計回りに回転する。ここで、第2ギヤ101は、第2搬送ローラ62の軸64の右端部に設けられており(図3〜図5参照)、第2搬送ローラ62と一体に回転するギヤである。すなわち、図8に示されるように、第2搬送ローラ62は、切替ギヤ51が第2位置である場合に、第2駆動伝達部27によって伝達された搬送用モータ71が逆転駆動力によって逆回転する。
また、逆回転する第2搬送ローラ62の回転駆動力は、第3プーリ84、第3ベルト86、及び第4プーリ85を介して、第3搬送ローラ45に伝達される。その結果、図8に示されるように、第3搬送ローラ45は、切替ギヤ51が第2位置である場合に、第2駆動伝達部27及び第3駆動伝達部33によって伝達された搬送用モータ71の逆転駆動力によって逆回転する。
一方、搬送用モータ71が正転駆動した場合、第1ギヤ78は時計回りに回転する。そして、太陽ギヤ97は、第1ギヤ78の回転駆動力が伝達されて時計回り(矢印100)に回転する。これにより、振子ギヤ98は、反時計回りに自転しつつ太陽ギヤ97の周囲を矢印100の向きに公転し、第2ギヤ101から離間される。そのため、第2駆動伝達部27は、搬送用モータ71の正転駆動力を第2搬送ローラ62及び第3搬送ローラ45に伝達しない。
上記構成のローラプーリ76、モータプーリ58、第1ベルト77、第1駆動伝達部26、第2駆動伝達部27、及び第3駆動伝達部33は、搬送用モータ71の正転駆動力を伝達して第1搬送ローラ60、第2搬送ローラ62、第3搬送ローラ45を順回転させ、搬送用モータ71の逆転駆動力を伝達して第1搬送ローラ60、第2搬送ローラ62、第3搬送ローラ45を逆回転させる本発明の第1伝達機構の一例である。
[第4駆動伝達部28]
図3〜図6に示されるように、第4駆動伝達部28(本発明の第2伝達機構の一例)は、第2振子ギヤ機構103と、正転噛合ギヤ104と、逆転噛合ギヤ105と、相互に噛合された複数の第2中間ギヤ106と、第3中間ギヤ107と、第3ギヤ108とで構成される。第2振子ギヤ機構103は、第1出力ギヤ75と噛合する太陽ギヤ109と、太陽ギヤ109の周囲を公転且つ自転する2つの振子ギヤ110、111と、2つのアーム112、113とを備えている。
太陽ギヤ109は、プリンタ部11のフレームなどによって回転可能に支持されている。太陽ギヤ109は、第2駆動伝達部27の第1出力ギヤ75から駆動伝達されて回転する。より詳細には、図7(B)に示されるように、第2位置の切替ギヤ51と第1出力ギヤ75とが噛合されることによって、第1ギヤ78の回転駆動力が第4駆動伝達部28に伝達される。
太陽ギヤ109のスラスト面には、アーム112、113の一端が取り付けられている。これにより、アーム112、113は、太陽ギヤ97と同軸で回転する。アーム112の他端には、振子ギヤ110が回転可能に支持されている。アーム113の他端には、振子ギヤ111が回転可能に支持されている。振子ギヤ110、111は、太陽ギヤ109と噛合されている。振子ギヤ110は、アーム112に支持されて自転し且つ太陽ギヤ109と噛合しながら太陽ギヤ109の回転向きに公転する。同様に、振子ギヤ111は、アーム113に支持されて自転し且つ太陽ギヤ109と噛合しながら太陽ギヤ109の回転向きに公転する。
振子ギヤ110は、正転噛合ギヤ104(本発明の第1ギヤの一例)と噛合可能である。振子ギヤ111は、逆転噛合ギヤ105(本発明の第2ギヤの一例)と噛合可能である。正転噛合ギヤ104、逆転噛合ギヤ105、及び複数の第2中間ギヤ106は、隣接するギヤ同士が相互に噛合されたギヤ列を構成している。逆転噛合ギヤ105は、正転噛合ギヤ104と噛合されている。正転噛合ギヤ104は、逆転噛合ギヤ105と、第2中間ギヤ106のうちの駆動力の伝達経路の最上流側に配置されたギヤとに噛合されている。すなわち、正転噛合ギヤ104と逆転噛合ギヤ105とは、ギヤ列内において互いに隣接している。
第2中間ギヤ106は、相互に噛合された状態で概ね前後方向8に並んで配置されている。本実施形態では、第2中間ギヤ106は偶数個配置されている。なお、図6では第2中間ギヤ106が便宜上4個描かれているが、4個に限らないのは言うまでもない。第3中間ギヤ107は、第2中間ギヤ106のうちの駆動力の伝達経路の最下流側に配置されたギヤと同軸に設けられている。第3中間ギヤ107は、第2中間ギヤ106と同軸の軸79を中心として当該第2中間ギヤ106と一体に回転する。第3中間ギヤ107は、第3ギヤ108と噛合されている。第3ギヤ108は、第4搬送ローラ68と同軸に配置されており、第4搬送ローラ68と一体に回転可能である。
以下、図6を参照しながら、第4駆動伝達部28による駆動伝達が説明される。搬送用モータ71が正転駆動されると、第1搬送ローラ60及び第1ギヤ78は反時計回りに回転し、切替ギヤ51は時計回りに回転し、第1出力ギヤ75は反時計回りに回転する。すると、太陽ギヤ109は、時計回り(矢印114の向き)に回転する。矢印114の向きが本発明の第1向きの一例である。これにより、振子ギヤ110は、反時計回りに自転しつつ太陽ギヤ109の周囲を矢印114の向きに公転し、正転噛合ギヤ104と噛合する。一方、振子ギヤ111は、反時計回りに自転しつつ太陽ギヤ109の周囲を矢印114の向きに公転し、逆転噛合ギヤ105から離間する。上述の第4駆動伝達部28の姿勢は、本発明の第1姿勢の一例である。その結果、正転噛合ギヤ104は、搬送用モータ71の正転駆動力が伝達されて時計回りに回転する。
ここで、太陽ギヤ109と第3ギヤ108との間には、振子ギヤ110、正転噛合ギヤ104、及び偶数個の第2中間ギヤ106が互いに噛合された状態で一列に連結されている。なお、第3中間ギヤ107は、第2中間ギヤ106と同軸で一体に回転するため、上記の個数には含まれない。以上より、第3ギヤ108及び第4搬送ローラ68は、太陽ギヤ109が時計回りに回転することによって、反時計回りに回転する。つまり、第4搬送ローラ68は、図8に示されるように、切替ギヤ51が第2位置の場合に、第4駆動伝達部28によって伝達された搬送用モータ71の正転駆動力によって順回転する。すなわち、第4駆動伝達部28は、搬送用モータ71の正転駆動力を偶数個のギヤで伝達することによって、第4搬送ローラ68を順回転させる。
一方、搬送用モータ71が逆転駆動されると、第1搬送ローラ60及び第1ギヤ78は時計回りに回転し、切替ギヤ51は反時計回りに回転し、第1出力ギヤ75は時計回りに回転する。すると、太陽ギヤ109は、反時計回り(矢印115の向き)に回転する。矢印115の向きが本発明の第2向きの一例である。これにより、振子ギヤ110は、時計回りに自転しつつ太陽ギヤ109の周囲を矢印115の向きに公転し、正転噛合ギヤ104から離間される。一方、振子ギヤ111は、時計回りに自転しつつ太陽ギヤ109の周囲を矢印115の向きに公転し、逆転噛合ギヤ105に噛合される。上述の第4駆動伝達部28の姿勢は、本発明の第2姿勢の一例である。その結果、逆転噛合ギヤ105は、搬送用モータ71の正転駆動力が伝達されて反時計回りに回転する。
ここで、太陽ギヤ109と第3ギヤ108との間には、振子ギヤ111、逆転噛合ギヤ105、正転噛合ギヤ104、及び偶数個の第2中間ギヤ106が互いに噛合された状態で一列に連結されている。すなわち、太陽ギヤ109と第3ギヤ108との間には、奇数個のギヤが互いに噛合された状態で一列に連結されている。以上より、第3ギヤ108及び第4搬送ローラ68は、太陽ギヤ109が反時計回りに回転することによって、反時計回りに回転する。つまり、第4搬送ローラ68は、図8に示されるように、切替ギヤ51が第2位置の場合に、第4駆動伝達部28によって伝達された搬送用モータ71の逆駆動力によって順回転する。すなわち、第4駆動伝達部28は、搬送用モータ71の逆転駆動力を奇数個のギヤで伝達することによって、第4搬送ローラ68を順回転させる。
[給送駆動伝達部29]
図3〜図6に示されるように、給送駆動伝達部29は、第2出力ギヤ88と、第4中間ギヤ89と、第4ベルト90と、2つの第5中間ギヤ91と、軸93に取り付けられた第6中間ギヤ92と、第3振子ギヤ機構120と、第7中間ギヤ121と、第8中間ギヤ122と、第5ベルト94と、給送ローラ25と同軸の給送プーリ123とで構成される。第3振子ギヤ機構120は、軸93を中心として軸93と一体に回転される太陽ギヤ124と、太陽ギヤ124の周囲を公転且つ自転する振子ギヤ125と、アーム126とを備えている。
第2出力ギヤ88は、第4中間ギヤ89と噛合されている。また、第2出力ギヤ88は、図7(A)に示されるように、第1位置の切替ギヤ51と噛合されて、第1ギヤ78の回転駆動力が伝達される。第4中間ギヤ89は、本実施形態では偶数個(具体的には2個)用意されている。そして、第4中間ギヤ89のうちの駆動力の伝達経路の下流側のギヤは、2つの第5中間ギヤ91のうちの駆動力の伝達経路の上流側のギヤと同軸に配置されて一体回転する。2つの第5中間ギヤ91には、無端環状の第4ベルト90が架け渡されている。より詳細には、第4ベルト90は、2つの第5中間ギヤ91の各々と同軸に配置されて一体回転する2つのプーリ(不図示)に、架け渡されている。
2つの第5中間ギヤ91のうちの駆動力の伝達経路の下流側に配置されたギヤは、第6中間ギヤ92と噛合されている。第3振子ギヤ機構120の太陽ギヤ124と第6中間ギヤ92とは、共に軸93に外嵌されて一体回転する。太陽ギヤ124のスラスト面には、アーム126の一端が取り付けられている。これにより、アーム126は、軸93を中心として回転する。アーム126の他端には、振子ギヤ125が回転可能に支持されている。振子ギヤ125は、太陽ギヤ124と噛合されている。以上のように構成されることにより、振子ギヤ125は、アーム126に支持されて自転し且つ太陽ギヤ124と噛合しながら太陽ギヤ124の外周を太陽ギヤ124の回転向きに公転する。
第7中間ギヤ121は、振子ギヤ125と噛合可能な位置に配置されている。また、第7中間ギヤ121は、第8中間ギヤ122と噛合されている。無端環状の第5ベルト94は、第8中間ギヤ122(詳細には第8中間ギヤ122と同軸に配置されて一体回転するプーリ)と給送プーリ123とに架け渡されている。なお、給送ローラ25と給送プーリ123とは、同軸で一体回転する。
以下、図6を参照しながら、給送駆動伝達部29による駆動伝達が説明される。搬送用モータ71が逆転駆動されると、第1搬送ローラ60及び第1ギヤ78は時計回りに回転する。第1ギヤ78が時計回りに回転されると、切替ギヤ51が反時計回りに回転され、第2出力ギヤ88が時計回りに回転され、第4中間ギヤ89が反時計回りに回転され、2つの第5中間ギヤ91が時計回りに回転される。
第5中間ギヤ91が時計回りに回転されると、第6中間ギヤ92及び第6中間ギヤ92と同軸である太陽ギヤ124は、反時計回り(矢印127の向き)に回転される。太陽ギヤ124が反時計回りに回転されると、振子ギヤ125は、時計回りに自転しつつ太陽ギヤ124の周囲を矢印127の向きに公転して、第7中間ギヤ121に噛合される。これにより、振子ギヤ125と噛合された第7中間ギヤ121は、反時計回りに回転する。
第7中間ギヤ121が反時計回りに回転すると、第8中間ギヤ122及び給送プーリ123は時計回りに回転する。これにより、給送プーリ123と一体回転する給送ローラ25も時計回りに回転される。すなわち、給送ローラ25は、図8に示されるように、切替ギヤ51が第1位置の場合に、給送駆動伝達部29によって伝達された搬送用モータ71の逆転駆動力によって順回転する。その結果、給送トレイ20に載置されて給送ローラ25と当接している記録用紙12、つまり最も上側に載置されている記録用紙12が、第1搬送ローラ60へ向けて給送される。
一方、搬送用モータ71が正転駆動されると、搬送用モータ71が逆転駆動されたときは逆に、太陽ギヤ124が時計回り(矢印128の向き)に回転される。これにより、振子ギヤ125は、反時計回りに自転しつつ太陽ギヤ124の周囲を矢印128の向きに公転し、第7中間ギヤ121から離間される。すなわち、給送駆動伝達部29は、搬送用モータ71の正転駆動力を給送ローラ25へ伝達しない。
[切替部30]
図3〜図7に示されるように、切替部30は、切替ギヤ51と、コイルばね56、57と、切替レバー55とを備えている。
図7に示されるように、切替ギヤ51(本発明の駆動ギヤの一例)は、第1ギヤ78と噛合している。これにより、切替ギヤ51は、搬送用モータ71の回転駆動力が伝達されて回転する。また、切替ギヤ51は、第1ギヤ78との噛合を維持した状態で、左右方向9に離間した第1位置(図7(A)参照)と第2位置(図7(B)参照)との間を移動可能である。第1位置は、第2位置よりも左側に位置している。第1位置及び第2位置のいずれも、第1搬送路65よりも右側に位置している。
図7(A)に示されるように、第1位置の切替ギヤ51は、第1ギヤ78と第2出力ギヤ88とに噛合されており、第1出力ギヤ75には噛合されていない。これにより、搬送用モータ71から第1ギヤ78を介して切替ギヤ51に伝達された回転駆動力は、給送駆動伝達部29に伝達される。一方、図7(B)に示されるように、第2位置の切替ギヤ51は、第1ギヤ78と第1出力ギヤ75(本発明の被駆動ギヤの一例)とに噛合されており、第2出力ギヤ88には噛合されていない。これにより、搬送用モータ71から第1ギヤ78を介して切替ギヤ51に伝達された回転駆動力は、第2駆動伝達部27及び第4駆動伝達部28に伝達される。
図7に示されるように、切替ギヤ51の右側面には、左右方向9に移動可能な切替レバー55が配置されている。切替レバー55は、図3に示されるように上方に突設されており、キャリッジ40の移動経路内に露出されている。すなわち、切替レバー55は、図3〜図5における左右方向9の右向きに移動するキャリッジ40に当接されて移動する。さらに、切替レバー55の右側には、コイルばね56が取り付けられている。切替レバー55及びコイルばね56は、切替ギヤ51の軸方向に沿って配置されている。コイルばね56は、一端が切替レバー55の右側面に取り付けられており、他端がプリンタ部11のフレーム(不図示)などに取り付けられている。また、切替ギヤ51の左側には、コイルばね57が取り付けられている。コイルばね57は、一端が切替ギヤ51の左側面に取り付けられており、他端がプリンタ部11のフレーム(不図示)などに取り付けられている。
すなわち、切替レバー55は、コイルばね56によって第2位置側から第1位置側(すなわち、左向き)に付勢されており、コイルばね57によって切替ギア51を介して第1位置側から第2位置側(すなわち、右向き)に付勢されている。なお、コイルばね56の付勢力は、コイルばね57の付勢力よりも大きい。したがって、切替レバー55にキャリッジ40が当接されていない状態において、切替ギヤ51は第1位置に位置している。一方、キャリッジ40に当接された切替レバー55が右向きに移動することにより、切替ギヤ51は、コイルばね56の付勢力から解放され、コイルばね57の付勢力によって右向きに移動する。
第1位置に位置する切替ギヤ51は、第1ストッパ(不図示)によって、コイルばね56の付勢力による左方への移動が規制されている。これにより、切替ギヤ51は、第1位置に留まることができる。また、切替ギヤ51が第1位置に位置している状態で切替レバー55がキャリッジ40によって右向きに押されると、切替ギヤ51は、第1ストッパによる規制から解放されて、キャリッジ40の押圧力によって第1位置から第2位置へ(すなわち、右向きに)移動する。
次に、キャリッジ40と切替レバーとの当接により第1位置から第2位置へ移動した切替ギヤ51は、第2ストッパ(不図示)によって、コイルばね56の付勢力による左方への移動が規制されている。これにより、切替ギヤ51は、第2位置に留まることができる。また、切替ギヤ51が第2位置に位置しているときに切替レバー55がキャリッジ40によってさらに右向きに押されると、切替ギヤ51は、第2ストッパによる規制から開放されて、コイルばね56の付勢力によって第2位置から第1位置へ(すなわち、左方に)移動する。
以上より、切替部30は、第1搬送ローラ60の回転(すなわち、搬送用モータ71の駆動力)を、第2駆動伝達部27及び第4駆動伝達部28、または給送駆動伝達部29への駆動力を伝達するか否かを切り替える。具体的には、切替部30は、切替ギヤ51が第2位置に位置しているとき、第1搬送ローラ60の回転を、第2駆動伝達部27及び第4駆動伝達部28へ伝達し、給送駆動伝達部29へ伝達しない。一方、切替部30は、切替ギヤ51が第1位置に位置しているとき、第1搬送ローラ60の回転を、第2駆動伝達部27及び第4駆動伝達部28へ伝達せず、給送駆動伝達部29へ伝達する。
第4搬送ローラ68へ駆動力を伝達する点に注目すると、切替ギヤ51が第1位置に配置された切替部30は、搬送用モータ71の回転駆動力を第4搬送ローラ68に伝達しない非伝達状態である。一方、切替ギヤ51が第2位置に配置された切替部30は、搬送用モータ71の回転駆動力を第4搬送ローラ68に伝達する伝達状態である。
上記構成の駆動伝達機構50において、第1搬送ローラ60と第2搬送ローラ62と第3搬送ローラ45とを逆回転させ、第4搬送ローラ68を順回転させ、給送ローラ25への駆動力の伝達を解除した状態が本発明の第1状態の一例である。本実施形態の第1状態(図8の右端の列の状態)は、切替ギヤ51を第2位置に配置し、且つ搬送用モータ71を逆転駆動させることで実現できる。また、第1搬送ローラ60と第2搬送ローラ62と第3搬送ローラ45と第4搬送ローラ68とを順回転させ、給送ローラ25への駆動力の伝達を解除した状態が本発明の第2状態の一例である。本実施形態の第2状態(図8の右から2番目の列の状態)は、切替ギヤ51を第2位置に配置し、且つ搬送用モータ71を正転駆動させることで実現できる。
また、第1搬送ローラ60と第2搬送ローラ62と第3搬送ローラ45とを順回転させ、第4搬送ローラ68及び給送ローラ25への駆動力の伝達を解除した状態が本発明の第3状態の一例である。本実施形態の第3状態(図8の左端の列の状態)は、切替ギヤ51を第1位置に配置し、且つ搬送用モータ71を正転駆動させることで実現できる。さらに、第1搬送ローラ60を逆回転させ、給送ローラ25を順回転させ、第2搬送ローラ62、第3搬送ローラ45、及び第4搬送ローラ68への駆動力の伝達を解除した状態が第4状態と表記される。第4状態(図8の左から2番目の列の状態)は、切替ギヤ51を第1位置に配置し、且つ搬送用モータ71を逆転駆動させることで実現できる。
[制御部130]
図9に示される制御部130は、複合機10の全体動作を制御する。例えば、制御部130は、搬送用モータ71の駆動を制御して各ローラを回転させる。また、制御部130は、キャリッジ駆動用モータ53の駆動を制御してキャリッジ40を移動させる。図9に示されるように、制御部130は、CPU131と、ROM132と、RAM133と、EEPROM134と、ASIC135と、これらを相互に接続する内部バス137とを備えている。
ROM132には、CPU131が各種動作を制御するためのプログラムなどが格納されている。RAM133は、CPU131が上記プログラムを実行する際に用いるデータや信号等を一時的に記録する記憶領域として使用される。EEPROM134には、電源オフ後も保持すべき設定やフラグ等が格納される。
ASIC135には、搬送用モータ71及びキャリッジ駆動用モータ53が電気的に接続されている。ASIC135は、各モータを回転させるための駆動信号をCPU131から取得し、駆動信号に応じた駆動電流を対応するモータに出力する。各モータは、ASIC135からの駆動電流によって、所定の回転速度で正転駆動又は逆転駆動する。
また、ASIC135には、ロータリーエンコーダ73の光学センサ72と、第1センサ160の光学センサ163と、第2センサ170の光学センサ173とが電気的に接続されている。制御部130は、光学センサ72から取得したパルス信号に基づいて、各搬送ローラ60、62、45の回転量を検知する。また、制御部130は、各光学センサ163、173からの検知信号に基づいて記録用紙12の位置を検知する。
[制御部130による制御]
以下、記録用紙12の両面に画像を記録する処理の手順が、図10のフローチャートに基づいて説明される。なお、図10の処理は、制御部130によって実行される。また、図10では、分岐位置36においてスイッチバックされた記録用紙12が、第2搬送路67を通過して合流位置37から再び第1搬送路65へ送り込まれる処理の手順が、特に詳細に説明される。
まず、複合機10に画像記録指示が入力されると、制御部130は、駆動伝達機構50を第4状態にする。すなわち、制御部130は、切替ギヤ51を第1位置に配置し、且つ搬送用モータ71を逆転駆動させる。これにより、給送トレイ20に載置された記録用紙12が給紙ローラ25によって第1搬送路65に送り出される(S11)。
次に、制御部130は、記録用紙12の第1搬送向き15の下流側の端部(すなわち、先端)が第1センサ160に到達したと判断すると、位置判断処理及びサイズ判断処理を開始する(S12)。なお、記録用紙12の先端が第1センサ160に到達したことは、第1センサ160から出力される検知信号がローレベル信号からハイレベル信号に変化したことによって判断される。
制御部130は、位置判断処理において、ロータリーエンコーダ73のパルス信号の数(ハイレベル信号の数)を、記録用紙12の先端が第1センサ160に到達した時点からカウントする。そして、制御部130は、例えば、カウントしたパルス信号の数が閾値(第1センサ160から第1搬送ローラ60の距離に相当する予め定められた値)に達した時点で、記録用紙12の先端が第1搬送ローラ60に到達したと判断する。なお、位置判断処理では、第1センサ160から各構成要素(例えば、第3搬送ローラ45或いは第4搬送ローラ68等)までの距離に相当する複数の閾値を保持しておくことによって、記録用紙12の先端が各構成要素に到達したことを判断できる。また、記録用紙12の第1搬送向き15の上流側の端部(すなわち、後端)が第1センサ160に到達した時点からのパルス信号の数をカウントすることにより、記録用紙12の後端の位置を判断できる。パルス信号のカウントは、記録用紙12が排出トレイ21に排出されるまで継続される。
なお、位置判断処理は、第1センサ160のみならず、第2センサ170を用いて行うこともできる。すなわち、制御部130は、第2センサ170から各構成要素までの距離に相当する閾値を予め保持しておき、記録用紙12の先端或いは後端が第2センサ170を通過した時点からロータリーエンコーダ73のパルス信号をカウントし、カウントしたパルス信号と閾値とを比較することによって記録用紙12の位置を判断できる。例えば、記録用紙12の先端が第1搬送ローラ60に到達したこと、及び記録用紙12の先端が記録部24に対向する印刷開始位置に到達したことは、第1センサ160に到達した時点を基準として判断すればよい。一方、記録用紙12の後端が経路切替部材41の補助ローラ47を通過したこと、及び記録用紙12の後端が第3搬送ローラ45を通過したことは、第2センサ170に到達した時点を基準として判断すればよい。
また、制御部130は、サイズ判断処理において、記録用紙12の先端が第1センサ160に到達した時点から、記録用紙12の後端が第1センサ160を通過(すなわち、第1センサ160の検知信号がハイレベル信号からローレベル信号に変化)するまでの間のパルス信号の数によって、記録用紙12のサイズを判断する。すなわち、カウントされるパルス信号の数が多いほど、記録用紙12のサイズが大きいことが分かる。なお、サイズ判断処理においては、記録用紙12の種類(A4、B5等)が判断されてもよいし、第1搬送向き15に沿う記録用紙12の長さのみが判断されてもよい。また、上述のサイズ判断処理に代えて、ユーザに記録用紙12のサイズを入力させてもよい。
次に、記録用紙12の先端が第1搬送ローラ60に到達したと判断されると、制御部130は、駆動伝達機構50を第4状態から第3状態に切り替える(S13)。すなわち、制御部130は、切替ギヤ51を第1位置から移動させず、搬送用モータ71を逆転駆動から正転駆動に切り替える。これにより、第1搬送ローラ60が順回転し、記録用紙12を第1搬送向き15に搬送する。
そして、制御部130は、記録用紙12の表面に対する画像記録(以下、「表面印刷」と表記する。)が完了し(S14)、第2センサ170を用いた位置判断処理によって記録用紙12の後端が経路切替部材41の補助ローラ47を通過したと判断すると、駆動伝達機構50を第3状態から第1状態に切り替える(S15)。すなわち、制御部130は、正転駆動している搬送用モータ71を一旦停止させ、キャリッジ40を切替レバー55に当接させて切替ギヤ51を第1位置から第2位置に移動させた後で搬送用モータ71を逆転駆動させる。これにより、記録用紙12は、第1搬送向き15の上流側の端部を先端として、分岐位置36から第2搬送路67に進入し、第2搬送路67を第2搬送向き16に搬送される。
次に、制御部130は、第1センサ160を用いた位置判断処理によって第2搬送路67を搬送された記録用紙12の先端が第1搬送ローラ60に到達したか否かを判断する(S16)。記録用紙12の先端が第1搬送ローラ60に到達したと判断された場合(S16:Yes)、制御部130は、サイズ判断処理の結果を用いて、記録用紙12の後端が第3搬送ローラ45を通過したか否かを判断する(S17)。
具体的には、制御部130は、サイズ判断処理によって判断された記録用紙12のサイズと、第3搬送ローラ45から第2搬送路67を通って第1搬送ローラ60に至る搬送距離(以下、「閾値距離」と表記する)とを比較する。そして、記録用紙12のサイズが閾値距離以上であれば、記録用紙12の先端が第1搬送ローラ60に到達した時点において、記録用紙12の後端が第3搬送ローラ45を未だ通過していないと判断できる(S17:No)。一方、記録用紙12のサイズが閾値距離未満であれば、記録用紙12の先端が第1搬送ローラ60に到達した時点において、記録用紙12の後端が第3搬送ローラ45を通過したと判断できる(S17:Yes)。
記録用紙12の後端が第3搬送ローラ45を通過していないと判断された場合(S17:No)、制御部130は、駆動伝達機構50を第1状態から第2状態に切り替える処理である第1切替処理を実行する(S18)。具体的には、制御部130は、切替ギヤ51を第2位置から移動させず、搬送用モータ71を逆転駆動から正転駆動に切り替える。なお、逆回転する第1搬送ローラ60(すなわち、搬送ローラ対)に記録用紙12の先端を当接させた後で第1切替処理を実行することにより、記録用紙12の斜行を矯正できる。
次に、制御部130は、記録用紙12に対して画像記録を行う記録処理を実行する(S19)。具体的には、制御部130は、記録用紙12を第1搬送向き15に沿う所定の幅単位で第1搬送ローラ60に搬送させ、これによって記録部24に対向された記録用紙12の領域に、画像記録を行う。なお、ステップS19では、記録用紙12の裏面(すなわち、表面印刷と反対の面)に対する画像記録(以下、「裏面印刷」と表記する。)が行われる。また、ステップS19の1回の処理では、記録用紙12の裏面の一部(すなわち、上述の所定の幅)にのみ画像が記録される。すなわち、記録用紙12の裏面全体に画像を記録するためには、ステップS19の処理を繰り返し実行する必要がある。
次に、制御部130は、ステップS19において記録用紙12が所定の幅だけ搬送されたことによって、記録用紙12の後端が第3搬送ローラ45(すなわち、反転ローラ対)を通過したか否かを判断する(S20)。ステップS20は、例えば以下のような処理によって、記録用紙12の後端が第3搬送ローラ45を通過したか否かが判断される。
まず、制御部130は、サイズ判断処理において判断された用紙サイズに基づいて、記録用紙12の先端が第1搬送ローラ60に到達した時点(すなわち、S16:Yesと判断された時点)において、記録用紙12の後端が第3搬送ローラ45を通過するのに必要な搬送量(以下、「必要搬送量」と表記する)を算出できる。そこで、制御部130は、記録用紙12の先端が第1搬送ローラ60に到達した時点からロータリーエンコーダ73のパルス信号のカウントを開始し、カウントしたパルス信号の数が必要搬送量に相当する数に達した時点で、記録用紙12の後端が第3搬送ローラ45を通過したと判断する。
記録用紙12の後端が第3搬送ローラ45を通過したと判断された場合(S20:Yes)、制御部130は、駆動伝達機構50を第2状態から第3状態に切り替える処理である第2切替処理を実行する(S21)。具体的には、制御部130は、キャリッジ40を切替レバー55に当接させて切替ギヤ51を第2位置から第1位置に移動させる。これにより、搬送用モータ71から第4搬送ローラ68への駆動力の伝達が解除されるので、第4搬送ローラ68は、記録用紙12が第2搬送向き16に搬送されるのに伴って連れ回るだけとなる。一方、記録用紙12の後端が第3搬送ローラ45を未だ通過していないと判断された場合(S20:No)、ステップS21はスキップされる。
次に、制御部130は、記録用紙12に対する裏面印刷が終了したか否かを判断する(S22)。裏面印刷が未だ終了していなければ(S22:No)、ステップS19〜S21の処理が再び実行される。すなわち、繰り返し実行されるステップS19の裏面印刷の合間に記録用紙12の後端が第3搬送ローラ45を通過したと判断されると(S20:Yes)、第2切替処理が実行される(S21)。換言すれば、第2切替処理は、裏面印刷が行われていないタイミングで実行される。
一方、裏面印刷が終了すると(S22:Yes)、制御部130は、記録用紙12の後端が第3搬送ローラ45を通過したか否かを再び判断する(S23)。ステップS23における判断の手法はステップS20と共通するので、再度の説明は省略される。記録用紙12が未だ第3搬送ローラ45に挟持されている場合(S23:No)、制御部130は、記録用紙12の後端が第3搬送ローラ45を通過するまで、第1搬送ローラ60及び第4搬送ローラ68に記録用紙12を搬送させる。
そして、記録用紙12の後端が第3搬送ローラ45を通過した場合(S23:Yes)、制御部130は、ステップS21において第2切替処理が実行されたか否かを判断する(S24)。ステップS21において第2切替処理が実行されていなければ(S24:No)、制御部130は、第2切替処理(S25)を実行し、更に搬送用モータ71の正逆転を行う(S26)。一方、ステップS21において第2切替処理が実行されていれば(S24:Yes)、ステップS25、S26はスキップされる。
なお、搬送用モータ71の正逆転とは、搬送用モータ71が正転駆動された後で逆転駆動される動作、或いは逆転駆動された後で正転駆動される動作を、少なくとも一回実行するというものである。例えば、搬送用モータ71は、正転駆動された後で逆転駆動される動作を繰り返して5回実行する。また、搬送用モータ71の正転駆動及び逆転駆動の各々の駆動量は、少なくとも切替ギヤ51、第1出力ギヤ75、及び第2出力ギヤ88それぞれにおける隣接する歯の隙間以上の回転量である。
そして、制御部130は、記録用紙12の後端が第3搬送ローラ45を第1向き15に通過するまで搬送用モータ71を正転駆動させ、記録用紙12を排出トレイ21に排出する(S27)。記録用紙12の後端が第3搬送ローラ45を通過したか否かは、第2センサ170を用いた位置判断処理によって行うことができる。
一方、ステップS17において、記録用紙12の後端が第3搬送ローラ45を既に通過していたと判断された場合(S17:Yes)、制御部130は、駆動伝達機構50を第1状態から第3状態に切り替える(S28)。具体的には、制御部130は、逆転駆動している搬送用モータ71を一旦停止させ、切替ギヤ51を第2位置から第1位置へ移動させた後で搬送用モータ71を正転駆動させる。次に、制御部130は、記録用紙12の裏面に対して裏面印刷を行う(S29)。ステップS29における裏面印刷は、記録用紙12の全体に画像が記録されるまで行われる。そして、制御部130は、記録用紙12を排出トレイ21に排出する(S30)。この処理はステップS27と共通するので、再度の説明は省略される。
[実施形態の効果]
本実施形態によれば、記録用紙12の後端が反転ローラ対を通過し且つ再搬送ローラ対を通過するまでの期間に再搬送ローラ対への駆動力の伝達を解除する。これにより、記録用紙12は搬送ローラ対のみによって搬送され、再搬送ローラは連れ回るだけとなる。その結果、搬送ローラ対及び再搬送ローラ対の単位時間当たりの搬送量が異なることに起因する不具合を抑制できる。
また、本実施形態によれば、第1切替処理(第1状態から第2状態への切り替え)は搬送用モータ71の回転向きを切り替えるだけあり、第2切替処理(第2状態から第3状態への切り替え)は切替部30の切替ギヤ51を第2位置から第1位置へ移動させるだけである。特に、記録用紙12のサイズが大きい場合には裏面印刷中に第2切替処理が行われる可能性があるので、第2切替処理において搬送用モータ71の回転向きを変更しないことにより、記録用紙12の位置ズレを防止できる。
また、本実施形態によれば、第1切替処理によって、第1搬送ローラ60、第3搬送ローラ45、及び第4搬送ローラ68は共に順回転する。その結果、第1搬送ローラ60は記録用紙12を第1搬送向き15に搬送しようとし、第4搬送ローラ68は記録用紙12を第2搬送向き16に搬送しようとし、第3搬送ローラ45は記録用紙12を第1搬送向き15に搬送しようとする。そのため、第1搬送ローラ60及び第4搬送ローラ68が搬送する記録用紙12を第3搬送ローラ45が逆向きに引っ張ることになる。しかしながら、主に第3搬送ローラ45と第4搬送ローラ68との間で逆向きの搬送力が相殺(すなわち、引っ張り合い)されるので、第1搬送ローラ60は、記録用紙12を逆向きに搬送しようとする第3搬送ローラ45に大きく影響されることなく、記録用紙12を適切に搬送できる。
また、本実施形態によれば、間欠的に実行される裏面印刷(S19)の合間に第2切替処理を実行するので、裏面印刷のスループットを低下させることなく、第2切替処理を実行できる。また、第2切替処理を複数回実行することにより、第2状態から第3状態への切り替えを確実に行うことができる。なお、図10の例では、1回の裏面印刷(S19)が終了する度に第2切替処理の要否を判断(S20)しているが、本発明はこれに限定されない。すなわち、第2切替処理(S21)は、所定の回数(1回以上)の裏面印刷が終了したタイミングで実行されればよい。
また、記録用紙12に対する裏面印刷が終了した後に(S22:Yes)、ステップS25において第2切替処理を実行する場合は記録用紙12の位置ズレを防止する必要性が低い。そこで、本実施形態では、ステップS26において搬送用モータ71の正逆転を実行することにより、第2状態から第3状態への切り替えをより確実に行うことができる。なお、図10の例では、画像記録が終了した後で第2切替処理を実行する場合にのみ搬送用モータ71の正逆転を実行しているが、本発明はこれに限定されない。すなわち、どのタイミングで第2切替処理が実行された場合でも、画像記録が終了した後に搬送用モータ71の正逆転を実行するようにしてもよい。
また、本実施形態によれば、第4搬送ローラ68をアーム70によって従動ローラ69に当接させている。また、アーム70の回動端は、第4搬送ローラ68の支持端より第2搬送向き16の上流側に位置している。その結果、第3搬送ローラ45が記録用紙12を第1搬送向き15に搬送しようとすると、第4搬送ローラ68を従動ローラ69に圧接する向きにアーム70が回動するので、第2状態において第3搬送ローラ45が記録用紙12を引っ張る力に抗して、当該記録用紙12を第2搬送向き16に搬送できる。
さらに、本実施形態では、再搬送ローラ対の単位時間当たりの搬送量を、搬送ローラ対の単位時間当たりの搬送量より大きくした例を説明したが、本発明はこれに限定されない。搬送ローラ対と再搬送ローラ対との単位時間当たりの搬送量を完全に一致させるのは非常に困難であり、本発明は、搬送ローラ対と再搬送ローラ対との単位時間当たりの搬送量が異なる場合に、特に有効である。
なお、図8に示される搬送用モータ71の正転駆動及び逆転駆動と、各ローラ対の順回転及び逆回転との組み合わせは一例であり、本発明はこれに限定されない。すなわち、駆動伝達機構50は、搬送用モータ71の正転駆動及び逆転駆動の一方によって搬送ローラ対及び反転ローラ対を順回転させ、搬送用モータ71の正転駆動及び逆転駆動の他方によって搬送ローラ対及び反転ローラ対を逆回転させ、更に搬送用モータ71の回転(正転駆動及び逆転駆動の双方)によって再搬送ローラ対を順回転させることができる構成であればよい。
また、上記の実施形態における第4駆動伝達部28の構成は一例であり、本発明はこれに限定されない。例えば、振子ギヤ111及びアーム113を省略し、振子ギヤ110を正転噛合ギヤ104及び逆転噛合ギヤ105に噛合させる構成であってもよい。すなわち、第4駆動伝達部28は、太陽ギヤ109の第1向き及び第2向きの一方の回転を奇数個のギヤによって第4搬送ローラ68の駆動軸に伝達し、太陽ギヤの109の他方の回転を偶数個のギヤによって第4搬送ローラ68の駆動軸に伝達できる構成であればよい。
11・・・プリンタ部
15・・・第1搬送向き
16・・・第2搬送向き
24・・・記録部
26・・・第1駆動伝達部
27・・・第2駆動伝達部
28・・・第4駆動伝達部
30・・・切替部
33・・・第3駆動伝達部
36・・・分岐位置
37・・・合流位置
38・・・記録ヘッド
40・・・キャリッジ
50・・・駆動伝達機構
51・・・切替ギヤ
55・・・切替レバー
65・・・第1搬送路
67・・・第2搬送路
68・・・第4搬送ローラ
69・・・従動ローラ
70・・・アーム
71・・・搬送用モータ
73・・・ロータリーエンコーダ
130・・・制御部
160・・・第1センサ

Claims (11)

  1. シートが第1搬送向きに搬送される第1搬送路と、分岐位置において上記第1搬送路から分岐し且つ上記分岐位置より上記第1搬送向きの上流側の合流位置において上記第1搬送路に合流しており、上記分岐位置から上記合流位置に向かう第2搬送向きにシートが搬送される第2搬送路とが形成された本体と、
    上記合流位置より上記第1搬送向きの下流側において上記第1搬送路に設けられており、上記第1搬送路上のシートを上記第1搬送向きに搬送する順回転、及び順回転と逆向きの逆回転が可能な搬送ローラ対と、
    上記搬送ローラ対より上記第1搬送向きの下流側で且つ上記分岐位置より上記第1搬送向きの上流側において上記第1搬送路に設けられており、上記搬送ローラ対によって搬送されたシートに画像記録を行う記録部と、
    上記分岐位置より上記第1搬送向きの下流側において上記第1搬送路に設けられており、上記記録部によって画像が記録されたシートを、上記第1搬送向きに搬送する順回転、及び上記第1搬送向きの上流側の端部を先端として上記第2搬送路へ搬送する逆回転が可能な反転ローラ対と、
    上記第2搬送路に設けられており、上記反転ローラ対によって上記第2搬送路に搬送されたシートを上記第2搬送向きに搬送する順回転が可能な再搬送ローラ対と、
    1以上のモータを含む駆動源と上記駆動源の駆動力を伝達する伝達機構とで構成されており、上記反転ローラ対を逆回転させ且つ上記再搬送ローラ対を順回転させる第1状態と、上記搬送ローラ対及び上記反転ローラ対を順回転させ且つ上記再搬送ローラ対を順回転させる第2状態と、上記搬送ローラ対及び上記反転ローラ対を順回転させ且つ上記再搬送ローラ対への上記駆動源の駆動力の伝達を解除する第3状態と、に状態変化が可能な駆動伝達部と、
    制御部と、を備え、
    上記制御部は、
    シートの位置を判断する判断処理と、
    上記駆動伝達部が上記第1状態であり、上記第2搬送路を通過したシートの先端が上記搬送ローラ対に到達し且つ当該シートが上記反転ローラ対に挟持されていると上記判断処理において判断された場合に、上記駆動伝達部を上記第1状態から上記第2状態に状態変化させる第1切替処理と、
    上記駆動伝達部が上記第2状態であり、シートの後端が上記反転ローラ対を通過したと上記判断処理において判断された場合に、当該シートの後端が上記再搬送ローラ対に到達するまでの間に、上記駆動伝達部を上記第2状態から上記第3状態に状態変化させる第2切替処理と、を実行する画像記録装置。
  2. 上記駆動源は、正転及び逆転が可能な搬送用モータを含み、
    上記伝達機構は、
    上記搬送用モータの正転及び逆転の一方によって上記搬送ローラ対及び上記反転ローラ対を順回転させ、上記搬送用モータの正転及び逆転の他方によって上記搬送ローラ対及び上記反転ローラ対を逆回転させる第1伝達機構と、
    上記搬送用モータの正転及び逆転の一方を互いに噛合する奇数個のギヤで伝達し、且つ上記搬送用モータの正転及び逆転の他方を偶数個のギヤで伝達することによって、上記再搬送ローラ対を順回転させる第2伝達機構と、を有しており、
    上記制御部は、上記第1切替処理において上記搬送用モータの回転を正転及び逆転の他方から一方に切り換えることによって、上記駆動伝達部を上記第1状態から上記第2状態に状態変化させる請求項1に記載の画像記録装置。
  3. 上記第2伝達機構は、
    隣接する第1ギヤ及び第2ギヤを含む複数のギヤが互いに噛合されており、上記再搬送ローラ対の駆動軸を回転させるギヤ列と、
    上記搬送用モータの正転によって第1向きに回転し、上記搬送用モータの逆転によって上記第1向きと逆向きの第2向きに回転する太陽ギヤと、
    一端側が上記太陽ギヤに対して回動可能に支持された第1アーム及び第2アームと、
    上記第1アームの他端側に回転可能に支持され且つ上記太陽ギヤに噛合されており、上記太陽ギヤの上記第1向きの回転によって上記太陽ギヤの周りを上記第1向きに公転して上記第1ギヤに噛合され、上記太陽ギヤの上記第2向きの回転によって上記太陽ギヤの周りを上記第2向きに公転して上記第1ギヤから離間される第1振子ギヤと、
    上記第2アームの他端側に回転可能に支持され且つ上記太陽ギヤに噛合されており、上記太陽ギヤの上記第2向きの回転によって上記太陽ギヤの周りを上記第2向きに公転して上記第2ギヤに噛合され、上記太陽ギヤの上記第1向きの回転によって上記太陽ギヤの周りを上記第1向きに公転して上記第2ギヤから離間される第2振子ギヤと、有している請求項2に記載の画像記録装置。
  4. 上記伝達機構は、上記搬送用モータの回転を、上記再搬送ローラ対に伝達する伝達状態と、上記再搬送ローラ対に伝達しない非伝達状態とに状態変化が可能な切替部を更に有しており、
    上記制御部は、上記第2切替処理において、上記搬送用モータを正転及び逆転の他方に回転させた状態で、上記切替部を上記伝達状態から上記非伝達状態に状態変化させることによって、上記伝達機構を上記第2状態から上記第3状態に状態変化させる請求項2又は3に記載の画像記録装置。
  5. 上記記録部は、
    上記第1搬送向きに直交する走査方向に移動可能なキャリッジと、
    上記キャリッジに搭載され、上記第1搬送路を搬送されるシートにノズルからインクを吐出する記録ヘッドと、を有しており、
    上記切替部は、
    上記走査方向に離間した第1位置及び第2位置に移動可能であり、上記搬送用モータによって駆動される駆動ギヤと、
    上記第1位置の上記駆動ギヤと噛合されず且つ上記第2位置の上記駆動ギヤと噛合される位置に設けられており、上記駆動ギヤの回転を上記再搬送ローラ対に伝達する被駆動ギヤと、
    上記駆動ギヤの側面に当接されると共に上記キャリッジの移動経路内に露出されており、上記キャリッジに当接されることによって上記駆動ギヤを上記第2位置から上記第1位置に移動させる切替レバーと、を有しており、
    上記制御部は、上記第2切替処理において上記切替レバーに当接される位置に上記キャリッジを移動させることによって、上記切替部を、上記駆動ギヤが上記第2位置に位置する上記伝達状態から、上記駆動ギヤが上記第1位置に位置する上記非伝達状態に状態変化させる請求項4に記載の画像記録装置。
  6. 上記制御部は、シートに対して上記第1搬送向きに沿う所定の幅単位で上記記録部に間欠的に画像記録を行わせる記録処理を繰り返し実行し、且つ上記記録処理の合間に上記第2切替処理を実行する請求項5に記載の画像記録装置。
  7. 上記制御部は、シートの後端が上記反転ローラ対を通過したと上記判断処理において判断された場合に、当該シートの後端が上記再搬送ローラ対に到達するまでの間に、上記第2切替処理を繰り返し実行する請求項6に記載の画像記録装置。
  8. 上記制御部は、シートの後端が上記反転ローラ対と上記再搬送ローラ対との間に位置していると上記判断処理において判断された状態で当該シートへの画像記録が終了した場合に、上記第2切替処理を実行した後で上記搬送用モータに正転駆動及び逆転駆動を交互に少なくとも1回実行させる請求項5から7のいずれかに記載の画像記録装置。
  9. 上記再搬送ローラ対は、
    上記搬送用モータによって駆動される駆動ローラと、
    上記駆動ローラに当接されて回転する従動ローラと、
    一端側において上記駆動ローラを回転可能に支持し、上記一端側より上記第2搬送向きの上流側に位置する他端側が上記本体に対して回動可能に支持されて上記駆動ローラを上記従動ローラに接離させるアームと、を有する請求項2から8のいずれかに記載の画像記録装置。
  10. 上記第1搬送路に配置されており、当該位置におけるシートの有無に応じた検知信号を出力する出力部と、
    上記搬送用モータの回転量を示すパルス信号を出力するロータリーエンコーダと、をさらに備えており、
    上記制御部は、上記判断処理において、上記ロータリーエンコーダから取得するパルス信号の数を、上記出力部から検知信号を取得した時点からカウントすることによって、当該シートの位置を判断する請求項2から9のいずれかに記載の画像記録装置。
  11. 上記再搬送ローラ対は、上記搬送ローラ対よりも単位時間当たりの搬送量が大きい請求項1から10のいずれかに記載の画像記録装置。
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