JP2014114173A - 単結晶の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】特にCZ法で製造した単結晶を原料としてFZ法で製造する単結晶(以降、FZ単結晶と呼ぶことがある)の酸素濃度を、望ましくは0.1ppma以下に容易に低減できる単結晶の製造方法を提供する。
【解決手段】成長炉内に収容された誘導加熱コイルで原料結晶棒を部分的に溶融して溶融帯域を形成し、該溶融帯域を移動させて単結晶を成長させるFZ法による単結晶の製造方法であって、単結晶の製造条件である単結晶の成長速度SE(mm/min)、成長炉内の圧力P(MPa)、原料結晶棒の酸素濃度MO(ppma)、単結晶の直径D(mm)、単結晶の酸素濃度Oi(ppma)を含む関係式Oi=a×SE+b×P+c×MO+d×D+eの定数a、b、c、d、eを重回帰分析によって求める工程と、関係式を用いて単結晶の製造条件をそれぞれ決定する工程と、決定した製造条件で単結晶を成長させる工程とを含むことを特徴とする単結晶の製造方法。
【選択図】 図1

Description

本発明は、原料結晶棒を誘導加熱コイルで加熱溶融して浮遊帯域を形成し、該浮遊帯域を移動させることで半導体単結晶棒を製造するFZ法(フローティングゾーン法または浮遊帯溶融法)による半導体単結晶棒の製造方法に関する。
図2は、一般的に用いられるFZ法による単結晶製造装置である。このFZ単結晶製造装置30を用いて、単結晶を製造する方法について説明する。
まず、原料結晶棒1を成長炉20内に設置された上軸3の上部保持治具4に保持する。一方、直径の小さい単結晶の種(種結晶)8を、原料結晶棒1の下方に位置する下軸5の下部保持治具6に保持する。
次に、誘導加熱コイル7により原料結晶棒1を溶融して、種結晶8に融着させる。その後、種絞りにより絞り部9を形成して無転位化する。そして、上軸3と下軸5を回転させながら原料結晶棒1と単結晶棒2を下降させることで浮遊帯域10(溶融帯あるいはメルトともいう)を原料結晶棒1と単結晶棒2の間に形成し、当該浮遊帯域10を原料結晶棒1の上端まで移動させてゾーニングし、単結晶棒2を成長させる。
この単結晶成長は、Arガスに微量の窒素ガスを混合した雰囲気中で行われる。
また、上記誘導加熱コイル7としては、銅または銀からなる単巻または複巻の冷却用の水を流通させた誘導加熱コイルが用いられている。
特開2007−314374号公報 特開2011−116570号公報
上記のようなFZ法による単結晶製造において用いられる原料としては、円柱状の結晶(多結晶、単結晶、多結晶種により成長させた中間結晶、有転位結晶を含む)を使用する。この円柱状の結晶として、CZ法(チョクラルスキー法)で製造した単結晶を原料とする場合もある(特許文献1、特許文献2参照)。通常、CZ法で製造した単結晶には製造時にルツボからの酸素が混入するため酸素を含んでいる。そのため、このCZ単結晶を原料として用いた場合には、ゾーニング後のFZ結晶中には0.1ppma(JEIDA:日本電子工業振興協会による換算係数を使用)を超える、多くは0.25ppmaを超える酸素が含まれる。
しかし、このような微量な酸素であっても、製造する単結晶中に酸素単体若しくは窒素と酸素によりドナーが発生し、特に1000Ωcm以上の高抵抗率領域での抵抗率変化の原因となる。従って、製造する単結晶の酸素濃度を低減する方法が望まれていた。
本発明は前述のような問題に鑑みてなされたもので、特にCZ法で製造した単結晶を原料としてFZ法で製造する単結晶(以降、FZ単結晶と呼ぶことがある)の酸素濃度を、望ましくは0.1ppma以下に容易に低減できる単結晶の製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明によれば、成長炉内に収容された誘導加熱コイルで原料結晶棒を部分的に溶融して溶融帯域を形成し、該溶融帯域を移動させて単結晶を成長させるFZ法による単結晶の製造方法であって、前記単結晶の製造条件である前記単結晶の成長速度SE(mm/min)、前記成長炉内の圧力P(MPa)、前記原料結晶棒の酸素濃度MO(ppma)、前記成長させる単結晶の直径D(mm)、前記成長させる単結晶の酸素濃度Oi(ppma)を含む関係式Oi=a×SE+b×P+c×MO+d×D+eの定数a、b、c、d、eを重回帰分析によって求める工程と、前記関係式を用いて前記単結晶の製造条件をそれぞれ決定する工程と、前記決定した製造条件で前記単結晶を成長させる工程とを含むことを特徴とする単結晶の製造方法が提供される。
このような製造方法であれば、製造する単結晶の酸素濃度を簡単かつ確実に低減して、特に酸素濃度が0.1ppma以下の単結晶を製造できる。
このとき、前記原料結晶棒として、CZ法で製造した酸素を含む単結晶棒を用いることができる。
本発明では製造する単結晶の酸素濃度を確実に低減できるので、CZ法で製造した酸素を含む低コストの単結晶棒を原料結晶棒として用いる場合にも、低酸素濃度のFZ単結晶を得ることができる。
また、前記単結晶の製造条件を決定する工程において、前記成長させる単結晶の酸素濃度Oiを0.1ppma以下に決定することが好ましい。
このようにすれば、抵抗率変化のない酸素濃度が0.1ppma以下の単結晶を確実に製造できる。
また、前記関係式の定数a、b、c、d、eを求める工程において、aを0.18553、bを0.59418、cを0.00834、dを0.00024、eを0.29501とすることができる。
このように予め求めておいた定数a、b、c、d、eを用いれば、成長させる単結晶の酸素濃度を低減するための製造条件をより容易に決定でき、工程時間を低減できる。
また、前記単結晶の製造条件を決定する工程の後に前記原料結晶棒を準備する工程を有し、前記単結晶の製造条件を決定する工程において、前記単結晶の成長速度SE、前記成長炉内の圧力P、前記成長させる単結晶の直径D、前記成長させる単結晶の酸素濃度Oiをそれぞれ所望の値に決定した後、前記関係式を用いて前記原料結晶棒の酸素濃度MOを算出して決定し、前記原料結晶棒を準備する工程において、前記決定した酸素濃度MOを有する原料結晶棒を準備し、前記単結晶を成長させる工程において、前記準備した原料結晶棒を用いて前記単結晶を成長させることができる。
このようにすれば、所望の単結晶の成長速度SE、成長炉内の圧力P、単結晶の直径Dの製造条件を決定して目標とする酸素濃度Oiの単結晶を育成するときの適切な原料結晶棒の酸素濃度MOを決定でき、この決定した酸素濃度MOの原料結晶棒を用いて確実に目標とする酸素濃度Oiの単結晶を製造できる。
また、前記単結晶の製造条件を決定する工程の前に前記原料結晶棒を準備する工程を有し、前記原料結晶棒を準備する工程において、前記準備した原料結晶棒の酸素濃度MOを測定し、前記単結晶の製造条件を決定する工程において、前記成長炉内の圧力P、前記単結晶の直径D、前記単結晶の酸素濃度Oiをそれぞれ所望の値に決定した後、前記関係式を用いて前記単結晶の成長速度SEを算出して決定し、前記単結晶を成長させる工程において、前記準備した原料結晶棒を用いて前記単結晶を前記決定した製造条件で成長させることができる。
このようにすれば、用いる原料結晶棒の酸素濃度MO及び所望の成長炉内の圧力P、単結晶の直径Dの製造条件を決定して目標とする酸素濃度Oiの単結晶を育成するときの適切な成長速度SEを決定でき、これら決定した条件で確実に目標とする酸素濃度Oiの単結晶を製造できる。
また、前記単結晶の製造条件を決定する工程の前に前記原料結晶棒を準備する工程を有し、前記原料結晶棒を準備する工程において、前記準備した原料結晶棒の酸素濃度MOを測定し、前記単結晶の製造条件を決定する工程において、前記単結晶の成長速度SE、前記単結晶の直径D、前記単結晶の酸素濃度Oiをそれぞれ所望の値に決定した後、前記関係式を用いて前記成長炉内の圧力Pを算出して決定し、前記単結晶を成長させる工程において、前記準備した原料結晶棒を用いて前記単結晶を前記決定した製造条件で成長させることができる。
このようにすれば、用いる原料結晶棒の酸素濃度MO及び所望の単結晶の成長速度SE、単結晶の直径Dの製造条件を決定して目標とする酸素濃度Oiの単結晶を育成するときの適切な成長炉内の圧力Pを決定でき、これら決定した条件で確実に目標とする酸素濃度Oiの単結晶を製造できる。
本発明では、単結晶の製造条件である単結晶の成長速度SE(mm/min)、成長炉内の圧力P(MPa)、原料結晶棒の酸素濃度MO(ppma)、成長させる単結晶の直径D(mm)、成長させる単結晶の酸素濃度Oi(ppma)を含む関係式Oi=a×SE+b×P+c×MO+d×D+eを用いて単結晶の製造条件をそれぞれ決定し、決定した製造条件で単結晶を成長させるので、製造する単結晶の酸素濃度を簡単かつ確実に低減して、特に酸素濃度が0.1ppma以下の単結晶を製造できる。これによって抵抗率変化のない高抵抗率の単結晶を製造することができる。
本発明の単結晶の製造方法の一例を示すフロー図である。 FZ法による単結晶製造装置を用いて本発明の単結晶の製造方法を実施する様子を説明する説明図である。 原料結晶棒として、CZ法により製造した単結晶を用いた場合と、多結晶を用いた場合の成長させた単結晶中の酸素濃度を比較した図である。 成長速度とFZ単結晶の酸素濃度の関係の一例を示す図である。 成長炉の圧力とFZ単結晶の酸素濃度の関係の一例を示す図である。 原料結晶棒の酸素濃度とFZ単結晶の酸素濃度の関係の一例を示す図である。
以下、本発明について実施の形態を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
本発明者は、FZ法による単結晶製造中に浮遊帯域に含まれる酸素が浮遊帯域表面からSiOxとして蒸発することにより、1回のゾーニングで製造する結晶中の酸素濃度は原料結晶棒の酸素濃度の約1/50に低下するものの、図3に示すように、多結晶を原料としてFZ法により単結晶を製造した場合、酸素濃度はドナー化の影響がほぼない0.1ppma以下であるのに対して、CZ法で製造した単結晶棒を原料とした場合、上記低減効果だけでは0.1ppma以下の所望の酸素濃度が得られないことを知見した。
そこで、本発明者は、SiOxの蒸発のための時間を変化させる要素として成長速度、単位時間あたりのSiOx蒸発量を変化させる要素として成長炉の圧力、酸素供給源として原料結晶棒の酸素濃度に注目し、それぞれの要素と成長させたFZ単結晶の酸素濃度との関係を調査した。
まず、成長速度に関して、直径200mm(8インチ)の単結晶を製造した際の成長速度とFZ単結晶の酸素濃度の関係を調べた。その結果、図4に示すように、成長速度が遅い程、FZ単結晶の酸素濃度が低下する傾向があり、成長速度を0.85mm/min以下にすると目標としている0.1ppma以下の酸素濃度にできることが分かった。
また、成長炉の圧力に関して、直径100mm(4インチ)の単結晶を製造した際の成長炉内圧とFZ単結晶の酸素濃度の関係を調べた。その結果、図5に示すように、成長炉内圧が低い程、FZ単結晶の酸素濃度が低下する傾向があり、計算上、成長炉内圧を−0.013MPa以下にすると目標としている0.1ppma以下の酸素濃度にできると考えられる。
更に、原料結晶棒の酸素濃度に関して、直径150mm(6インチ)で原料結晶棒の酸素濃度とFZ単結晶の酸素濃度の関係を調べた。その結果、図6に示すように原料結晶棒の酸素濃度が低い程、FZ単結晶の酸素濃度が低下する傾向があり、計算上、FZ単結晶の酸素濃度を0.35ppma以下にすると目標としている0.1ppma以下の酸素濃度にできると考えられる。
しかし、成長速度を1.0mm/min以下にすると、極度に原料供給速度が遅くなるため、溶融状態が不均一となり、原料外周部に溶け残りがツララ状に成長するハナと呼ばれる現象が発生しやすくなり、落下したハナが固液界面に付着して有転位化したり、放電トラブルが発生し、操業状態が極めて悪くなる。また、成長炉内圧を下げると、高周波電圧印加による放電トラブルの発生が顕著になる。さらに、原料中の酸素濃度を0.3ppma以下にすることは、CZ法による単結晶製造では極めて困難である。すなわち、1つの条件だけで酸素濃度を0.1ppma以下とするのは難しい。
従って、安定して0.1ppma以下の低酸素濃度のFZ単結晶を製造するためには、成長速度SE、成長炉の圧力P、原料結晶棒の酸素濃度MOという複数の条件を組み合わせて、最適な条件を設定することが必要である。
そこで、本発明者は、最適な条件を設定する手段として、成長速度SE、成長炉の圧力P、原料結晶棒の酸素濃度MO、成長する単結晶の直径D、FZ単結晶の酸素濃度Oiのデータ(データ数N=888)を重回帰分析を行うことにより、FZ単結晶の酸素濃度を算出するための関係式を求めた。更に、本発明者は、この関係式を使用して最適な製造条件を容易に決定できることに想到し、本発明を完成させた。
まず、本発明の単結晶の製造方法において用いることができるFZ法による単結晶製造装置について説明する。
前述の図2に示すように、FZ単結晶製造装置30は、成長炉20を有しており、成長炉20内には、上下動および回転可能な上軸3および下軸5が設けられている。
上軸3には上部保持治具4が取り付けられており、該上部保持治具4によって、原料結晶棒1が保持されている。また下軸5に取り付けられた下部保持治具6には種結晶8が取り付けられており、該種結晶8の上方にFZ単結晶2を成長させる。
また、成長炉20内には誘導加熱コイル7が配置されている。該誘導加熱コイル7により原料結晶棒1は加熱溶融され、製造されるFZ単結晶2との間に浮遊帯域10が形成される。この浮遊帯域10を原料結晶棒1の上端まで移動させてゾーニングし、単結晶2を成長させていく。この際、必要に応じてガス吹き付け用ノズル11から浮遊帯域10にドーピング用ガス等を吹き付けることもできる。
ここで本発明の単結晶の製造方法について、上記したFZ単結晶製造装置を用いた場合を例に説明する。
図1に示すように、まず、成長速度SE、成長炉内の圧力P、原料結晶棒1の酸素濃度MO、FZ単結晶2の直径D、FZ単結晶2の酸素濃度Oiのデータを収集する(図1の(A))。これらデータは、例えば実際にFZ単結晶2を製造した際の製造条件として収集することができる。
次に、収集したデータを用い、関係式Oi=a×SE+b×P+c×MO+d×D+eの定数a、b、c、d、eを重回帰分析によって求める(図1の(B))。
これら工程(A)(B)は予め1度行って定数を求めておけば良く、例えば、aを0.18553、bを0.59418、cを0.00834、dを0.00024、eを0.29501とするこことができ、関係式を以下とすることができる。
Oi=0.18553×SE+0.59418×P+0.00834×MO+0.00024×D+0.29501 (1)
但し、精度を更に高めるためには、結晶回転数、偏芯量、ワークコイル形状、原料直径等の操業条件を同条件にして、重回帰分析のためのデータを収集することが好ましい。
次に、上記の関係式を用いて単結晶の製造条件(成長速度SE、成長炉20内の圧力P、原料結晶棒1の酸素濃度MO、FZ単結晶2の直径D、FZ単結晶2の酸素濃度Oi)をそれぞれ決定する(図1の(C))。
この製造条件を決定する工程(C)では、まず、製造するFZ単結晶2の目標とする酸素濃度Oiを決定する。ここで、決定する酸素濃度Oiは0.1ppma以下であることが好ましい。更に、上記した残りの4つの製造条件(成長速度SE、成長炉20内の圧力P、原料結晶棒1の酸素濃度MO、FZ単結晶2の直径D)のうち3つの条件を所望の値に決定し、残りの1つの条件を関係式から算出して決定する。
ここで、成長速度SEは、操業トラブル発生や品質の面から許容できる範囲内で決定することができる。また、成長炉20内の圧力Pは、例えば、FZ単結晶製造装置の能力、放電等の操業トラブルの面から許容できる範囲内で決定することができる。また、原料結晶棒1の酸素濃度MOは、例えば、CZ法で製造する単結晶棒を用いる場合には、CZ単結晶製造装置の能力や操業性の面から許容できる範囲内で決定することができる。
製造条件を決定する工程(C)において、原料結晶棒1の酸素濃度MOを関係式(1)から算出して決定する場合について以下に説明する。
まず、成長速度SE、成長炉内の圧力P、FZ単結晶2の直径Dをそれぞれ所望の値に決定する。そして、決定したこれら条件と目標の酸素濃度Oiを関係式(1)に代入して酸素濃度MOを算出して決定する。
このように決定した酸素濃度MOの原料結晶棒1を準備する。ここでは、例えばCZ法による単結晶製造装置を用いて決定した酸素濃度MOの単結晶棒を製造することができる。
次に、準備した原料結晶棒1を用い、上記決定した条件でFZ単結晶2を成長させる(図1の(D))。この際、図2に示すように、準備した原料結晶棒1を成長炉20内に設置された上軸3に取り付けられた上部保持治具4に保持する。一方、直径の小さい単結晶の種(種結晶)8を、原料結晶棒1の下方に位置する下軸5に取り付けられた下部保持治具6に保持する。
成長炉20の下部から窒素ガスを含んだArガスを供給し、成長炉上部より排気することで炉内圧を上記決定した圧力にする。保持した原料結晶棒1を誘導加熱コイル7により溶融して、種結晶8に融着させる。その後、種絞りにより絞り部9を形成して無転位化する。そして、上軸3と下軸5を回転させながら原料結晶棒1と所定直径の単結晶2を下降させることで浮遊帯域10を原料結晶棒1と単結晶2の間に形成し、当該浮遊帯域10を原料結晶棒1の上端まで移動させてゾーニングし、上記決定した成長速度で単結晶2を成長させる。
また、製造条件を決定する工程(C)において、成長速度SEを関係式(1)から算出して決定する場合について以下に説明する。
まず、例えばCZ法による単結晶製造装置を用いて原料結晶棒を準備する。この準備した原料結晶棒の酸素濃度MOを測定して決定する。また、成長炉20内の圧力P、FZ単結晶2の直径Dをそれぞれ所望の値に決定し、決定したこれら条件と目標の酸素濃度Oiを関係式(1)に代入して成長速度SEを算出して決定する。
次に、準備した原料結晶棒1を用い、上記決定した条件でFZ単結晶2を成長させる(図1の(D))。
また、製造条件を決定する工程(C)において、成長炉20内の圧力Pを関係式(1)から算出して決定する場合についても同様に、準備した原料結晶棒1の酸素濃度MOを測定し、成長速度SE、FZ単結晶2の直径Dをそれぞれ所望の値に決定する。その後、関係式(1)から成長炉20内の圧力Pを決定し、これら決定した条件でFZ単結晶2を成長させる(図1の(D))。
このような本発明の単結晶の製造方法であれば、製造する単結晶の酸素濃度を、特に0.1ppma以下に低減するための製造条件を容易に決定することができる。そのため、このような酸素濃度が低減されたFZ単結晶を確実に得ることができる。
以下、本発明の実施例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
図2に示すFZ単結晶製造装置を用い、本発明の単結晶の製造方法に従ってシリコン単結晶を製造し、その酸素濃度を評価した。
まず、成長速度SEを1.5mm/min、成長炉内の圧力Pを0.05MPa、FZ単結晶の直径Dを150mm、目標の酸素濃度Oiを0.1ppmaと決定した。これらを上記関係式(1)に代入して酸素濃度MOを6ppmaと決定した。
次に、酸素濃度が6ppma、直径130mmのシリコン単結晶をCZ法により製造し、原料結晶棒として準備した。この原料結晶棒を用いて上記決定した条件でFZ法によりゾーニングを行い、シリコン単結晶を製造した。
製造したシリコン単結晶の直胴部の種結晶側からサンプルウェーハを切り出し、赤外分光法(FTIR)にて製造したシリコン単結晶中の酸素濃度を測定した。その結果、酸素濃度は0.098ppmaと0.1ppma以下に低減できた。
(実施例2)
図2に示すFZ単結晶製造装置を用い、本発明の単結晶の製造方法に従ってシリコン単結晶を製造し、その酸素濃度を評価した。
まず、CZ法により直径130mmのシリコン単結晶を製造し、原料結晶棒として準備した。その酸素濃度を測定したところ、13ppmaであったので酸素濃度MOを13ppmaと決定した。
次に、成長炉内の圧力Pを0.1MPa、FZ単結晶の直径Dを150mm、目標の酸素濃度Oiを0.1ppmaと決定した。これらを上記関係式(1)に代入して成長速度SEを1.0mm/minと決定した。
次に、上記準備した原料結晶棒を用いて上記決定した条件でFZ法によりゾーニングを行い、シリコン単結晶を製造した。
製造したシリコン単結晶の直胴部の種結晶側からサンプルウェーハを切り出し、FTIRにて製造したシリコン単結晶中の酸素濃度を測定した。その結果、酸素濃度は0.095ppmaと0.1ppma以下に低減できた。
(実施例3)
図2に示すFZ単結晶製造装置を用い、本発明の単結晶の製造方法に従ってシリコン単結晶を製造し、その酸素濃度を評価した。
まず、CZ法により直径170mmのシリコン単結晶を製造し、原料結晶棒として準備した。その酸素濃度を測定したところ、8ppmaであったので酸素濃度MOを8ppmaと決定した。
次に、成長速度SEを1.0mm/min、FZ単結晶の直径Dを200mm、目標の酸素濃度Oiを0.1ppmaと決定した。これらを上記関係式(1)に代入して成長炉内の圧力Pを0.15MPaと決定した。
次に、上記準備した原料結晶棒を用いて上記決定した条件でFZ法によりゾーニングを行い、シリコン単結晶を製造した。
製造したシリコン単結晶の直胴部の種結晶側からサンプルウェーハを切り出し、FTIRにて製造したシリコン単結晶中の酸素濃度を測定した。その結果、酸素濃度は0.1ppmaと0.1ppma以下に低減できた。
また、実施例1−3の約1000Ωcmのサンプルウェーハに1200℃で100分間の熱処理を施したところ、抵抗率変化量は、ロッド状の多結晶シリコン結晶を原料として製造したFZ単結晶並の10%以下の値であった。
以上、実施例1−3に示すように、本発明の単結晶の製造方法は酸素を含有するCZ法で製造した単結晶を原料としてFZ法で製造する単結晶の酸素濃度を0.1ppma以下に容易に低減できることが確認できた。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
1…原料結晶棒、 2…単結晶、 3…上軸、 4…上部保持治具、
5…下軸、 6…下部保持治具、7…誘導加熱コイル、 8…種結晶、
9…絞り部、 10…浮遊帯域、 11…ガス吹き付け用ノズル、
20…成長炉、 30…FZ単結晶製造装置。

Claims (7)

  1. 成長炉内に収容された誘導加熱コイルで原料結晶棒を部分的に溶融して溶融帯域を形成し、該溶融帯域を移動させて単結晶を成長させるFZ法による単結晶の製造方法であって、
    前記単結晶の製造条件である前記単結晶の成長速度SE(mm/min)、前記成長炉内の圧力P(MPa)、前記原料結晶棒の酸素濃度MO(ppma)、前記成長させる単結晶の直径D(mm)、前記成長させる単結晶の酸素濃度Oi(ppma)を含む関係式Oi=a×SE+b×P+c×MO+d×D+eの定数a、b、c、d、eを重回帰分析によって求める工程と、
    前記関係式を用いて前記単結晶の製造条件をそれぞれ決定する工程と、
    前記決定した製造条件で前記単結晶を成長させる工程とを含むことを特徴とする単結晶の製造方法。
  2. 前記原料結晶棒として、CZ法で製造した酸素を含む単結晶棒を用いることを特徴とする請求項1に記載の単結晶の製造方法。
  3. 前記単結晶の製造条件を決定する工程において、前記成長させる単結晶の酸素濃度Oiを0.1ppma以下に決定することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の単結晶の製造方法。
  4. 前記関係式の定数a、b、c、d、eを求める工程において、aを0.18553、bを0.59418、cを0.00834、dを0.00024、eを0.29501とすることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の単結晶の製造方法。
  5. 前記単結晶の製造条件を決定する工程の後に前記原料結晶棒を準備する工程を有し、
    前記単結晶の製造条件を決定する工程において、前記単結晶の成長速度SE、前記成長炉内の圧力P、前記成長させる単結晶の直径D、前記成長させる単結晶の酸素濃度Oiをそれぞれ所望の値に決定した後、前記関係式を用いて前記原料結晶棒の酸素濃度MOを算出して決定し、
    前記原料結晶棒を準備する工程において、前記決定した酸素濃度MOを有する原料結晶棒を準備し、
    前記単結晶を成長させる工程において、前記準備した原料結晶棒を用いて前記単結晶を成長させることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の単結晶の製造方法。
  6. 前記単結晶の製造条件を決定する工程の前に前記原料結晶棒を準備する工程を有し、
    前記原料結晶棒を準備する工程において、前記準備した原料結晶棒の酸素濃度MOを測定し、
    前記単結晶の製造条件を決定する工程において、前記成長炉内の圧力P、前記単結晶の直径D、前記単結晶の酸素濃度Oiをそれぞれ所望の値に決定した後、前記関係式を用いて前記単結晶の成長速度SEを算出して決定し、
    前記単結晶を成長させる工程において、前記準備した原料結晶棒を用いて前記単結晶を前記決定した製造条件で成長させることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の単結晶の製造方法。
  7. 前記単結晶の製造条件を決定する工程の前に前記原料結晶棒を準備する工程を有し、
    前記原料結晶棒を準備する工程において、前記準備した原料結晶棒の酸素濃度MOを測定し、
    前記単結晶の製造条件を決定する工程において、前記単結晶の成長速度SE、前記単結晶の直径D、前記単結晶の酸素濃度Oiをそれぞれ所望の値に決定した後、前記関係式を用いて前記成長炉内の圧力Pを算出して決定し、
    前記単結晶を成長させる工程において、前記準備した原料結晶棒を用いて前記単結晶を前記決定した製造条件で成長させることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の単結晶の製造方法。
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