JP2014109044A - 高温用導電性パンチ及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 1μmから100μmの範囲の微細パターンを有する成形品を成形するための高温用導電性パンチの製造方法において、金型20の微細パターン形成面を鏡面状に研磨する工程と、金型20の研磨面22に対して、微細パターン形成用の開口覆面部24を装着する工程と、開口覆面部24の装着された研磨面22に対して、エネルギー性彫刻線を照射して、研磨面22に微細パターンを形成する工程を含むことを特徴とする。
【選択図】図2
Description
放電プラズマ焼結法は、例えば特許文献3で開示されているように、材料粉末よりレンズのような光学素子を大まかな形状に作製するために用いる(本文献では光学表面に微細パターンを形成するための層を表面に有する。)。
さらに、微細なパターンを有する鋳型に溶けた金属(溶湯)を流し込む手法も存在する。しかし、この製造方法では、パンチをバルク材と異なる物質でパターンを作ることはできず、またパンチの材料は金属やプラスチックに限られるため、グラファイトや窒化ケイ素のように例えば1500℃から2200℃程度の高温にも耐えられる材料を使用できないという課題がある。
また、微細パターン26形成用の開口覆面部24装着には電子線リソグラフィー、フォトリソグラフィー、ナノインプリント法を用いても良い。
本発明の高温用導電性パンチの製造方法において、好ましくは、研磨面22に微細パターン26を形成した後、電子線リソグラフィー、フォトリソグラフィー、FIB加工さらには微小な工具で加工荷重が一定の切削加工を行うことで10nmから1000nmの範囲の極微細パターンを形成するとよい。
本発明の金型の製造方法において、好ましくは、エネルギー性彫刻線46は、アルゴンイオンビーム、金属イオンビーム、電子線、光、反応性イオンスパッタビームの何れかであるとよい。
本発明の高温用導電性パンチは、上記の高温用導電性パンチの製造方法によって製作されたものであることを特徴とする。
本発明の成形品は、上記の成形品の製造方法によって製作されたものであることを特徴とする。
本発明の成形品の製造方法では、成形品(バルク材)に煩雑な工程を行うことなく微細パターンを製作するため、パルス通電加熱により一回の工程で製作することができる。
図1は本発明の一実施例を示す高温用導電性パンチの構成斜視図である。
パンチ20は、大略円筒形や多角柱形を有するもので、グラファイト、WC(炭化タングステン)、金属、導電性セラミックスを材料としている。パンチの材質としては、高密度のグラファイト、超硬合金、導電性セラミックスのジルコニア(ZrO2)や絶縁性のセラミックスに導電性粒子を添加し導電性があるセラミックスがあげられる。高密度のグラファイトとしては、例えば密度2.1g/cm3以上に押し固めたものがある。超硬合金としては、例えば炭化タングステン(WC)と結合剤(Co)とを混合して焼結したものがある。
パンチ20の端面に設けられる微細パターン形成面22は、端面の凹凸を1μm以下に研磨し、この表面に微細パターン26を描くのが望ましい。なお、パンチ20についてセラミックス並みの耐高温性が不要な場合は、水銀、半田、ガリウム等の常温で液体あるいは低融点の金属以外、全ての金属も使用可能である。
まず、パンチ20について、焼結時に粉末材料と接する面を鏡面状態まで研磨する。そして、鏡面状態研磨面22に目的とする微細パターン26を製作するために、微細パターン26形成用の開口覆面部24を装着する。微細パターン26は、例えば1μmから100μmの範囲のμmオーダ幅のパターンである。微細パターン26の幅には、例えば2μm、5μm、10μm、20μm、50μmがある。微細パターン26の深さは、エネルギー性彫刻線の照射量に依存して定まるもので、例えば0.1μmから10μmの範囲のμmオーダ深さとする。
パンチ20は、直径10mmのグラファイト製パンチである。金属メッシュ24は、開口覆面部であり、ここでは直径25μmのステンレス鋼線を用いており、網目が50μm間隔のメッシュとなっている。パンチ20の鏡面状態研磨面22に金属メッシュ24を貼り付けてある。
この状態で,イオン研磨装置によりアルゴンイオンを20mPa(1.5×10−4Torr)の真空中で2kVの加速電圧で48時間照射した(図2(A)参照)。パンチ表面22に50μm間隔で約25μm四方,深さ10〜15μmの正方形の穴(hole)を製作した(図2(B)、図4参照)。
ここでは、放電プラズマ焼結法で成形品を製作するために、成形品30の周面を形成するためのダイ10と、このダイ10の一方の端面に微細パターンを有する高温用導電性パンチ20を装着し、他方の端面には鏡面状に研磨されたパンチ29を装着する。なお、パンチ29は、高温用導電性パンチ20と同じ微細パターンを有するパンチでもよく、又微細パターンと異なる微細パターンを有するパンチでもよい。
図4に製作した微細パターン有するパンチ、図5に製作した微細パターン有するバルク材の走査型電子顕微鏡写真を示してある。図4と図5の走査型電子顕微鏡写真を比較すると、両者が大略同じ模様で、かつ凹凸逆の微細パターンが製作できたことが分かる。
図6A〜図6Cは粉末材料の形状が微細パターンでの溝の幅よりも大きい場合の模式図で、図6Aは焼結前、図6Bは焼結中、図6Cはパンチ20とバルク材30を剥離した状態である。
粉末材料40が金属、多孔質のセラミックス、ポリマーである場合には、その粒子直径が微細パターンの溝よりも大きくても、加熱中に変形してパターンを製作することができる。即ち、平坦面では粉末材料40が、単純に圧縮されて、円盤型の圧縮型異形粉末42となる。他方、微細パターンの溝では、粉末材料40が陥入型異形粉末44となって、溝を埋める形状となる。
この実施形態では、微細パターンの無いパンチ27aと粉末材料40との間に,バルク材よりも融点の高い材料に微細パターンを製作してある薄型微細パターン形成部27bを置き,放電プラズマ焼結することにより、この薄型微細パターン形成部27bの微細パターンをバルク材に転写できる。
例えば10nmから1000nmの範囲の極微細マスクパターンを描く場合には、SPM等を用いて引っかいて製作したり、微細な針などで引っかいて製作するとよい。また、微細パターン形成用の開口覆面部24装着には電子線リソグラフィー、フォトリソグラフィー、ナノインプリント法を用いてレジストでできた開口覆面部24を装着しても良い。
次に本発明についての比較例を説明する。
図10は電子線リソグラフィーを用いた微細パターン製作法の説明図で、(A)は試料50単体、(B)はレジスト塗布、(C)は電子線照射、(D)は現像、(E)は蒸着、(F)はレジスト剥離を示している。図10の電子線リソグラフィーでは、電子線46aが照射された部分のレジスト52が現像によりなくなって、現像残存層54が残る。現像残存層54の上に金属層56が蒸着され、レジスト剥離によって試料50表面に蒸着された金属層56がパターン58として残る。
また、本発明において、バルク材としては粉末より焼結できるすべての材料の粉末が対象となる。
(i)金属:Al, Ti, V, Cr, Mn, Fe, Cp, Ni, Cu, Zn, Nb, Mo, Ru, Rh, Pd, Ag, Cd, Sn, W, Ir, Pt, Au, Pb, Be など
(ii)金属間化合物:TiAl, MoSi2, SiZr, NiAl, NbCo, NbAl, LaBaCuO4, Sm2Co17
(iii)セラミックス:
(iv)酸化物:Al2O3, ムライト,ZnO2, SiO2, HfO2, TiO2, BaTO3, MgO+TiO2, MgO+SO2, 2MgO+Al2O3+5SiO2, 3Al2O3+2SiO2など
(v)炭化物:SiC, B4C, TaC, TiC, WC, ZrC, VC
(vi)窒化物:Si3N4, TaN, TiN, AlN, ZrN, VN
(vii)硼化物:TiB2, HfB2, LaB4, ZrB2, VB2
(viii)フッ化物:LiF, CaF2, MgF2
(ix)サーメット系:Si3N4+Ni, Al2O3+Ni, ZnO2+Ni, Al2O3+Ni, Al2O3+ステンレス鋼, WC/Co+ステンレス鋼, BN+Fe, WC+Co+Feなど
(x)ポリマー:ポリエチレン、ポリスチレン、ポリエステル、塩化ビニル、アクリル、エポキシ、ポリイミド
その他、グラファイトの他にパンチの材料となるものは、WC(炭化タングステン),導電性セラミックス(サイアロン、炭化ケイ素、ホウ化チタン、ジルコニア)および金属とセラミックスの複合材料で導電性を有するものがあげられる。
20 高温用導電性パンチ
22 鏡面状態研磨面
24 金属メッシュ(開口覆面部)
26、26a、26b 転写パターン(微細パターン)
27a 微細パターンのないパンチ
27b 薄型微細パターン形成部
28 極微細パターン
29 パンチ
30 バルク材(成形品)
32 微細パターン転写面
40 粉末粒子
41 バルク材と異なる材料の粉末粒子
42 圧縮型異形粉末
44 陥入型異形粉末
46 エネルギー性彫刻線
46a エネルギー性彫刻線(電子線)
46b エネルギー性彫刻線(光(紫外線))
50、60、70 試料
52 レジスト
54 レジスト(現像残存層)
56 蒸着層
58、68、76 パターン
62 レジスト
64 レジスト(フォトマスク)
66 レジスト(残存パターン)
72 レジスト
74 モールド
Claims (9)
- 1μmから100μmの範囲の微細パターンを有する成形品を成形するための高温用導電性パンチの製造方法において、
前記高温用導電性パンチの微細パターン形成面を鏡面状に研磨する工程と、
前記高温用導電性パンチの研磨面に対して、前記微細パターン形成用の開口覆面部を装着する工程と、
前記開口覆面部の装着された前記研磨面に対して、エネルギー性彫刻線を照射して、前記研磨面に前記微細パターンを形成する工程を含むことを特徴とする高温用導電性パンチの製造方法。 - 請求項1の高温用導電性パンチの製造方法において、グラファイト、炭化タングステン(WC)と結合剤(Co)とを混合して焼結した超硬合金、導電性セラミックス、金属のいずれかを高温用導電性パンチの母材として、前記高温用導電性パンチの成形転写面を形成することを特徴とする高温用導電性パンチの製造方法。
- 請求項1の高温用導電性パンチの製造方法において、前記研磨面に前記微細パターンを形成した後、さらに微小な工具で加工荷重が一定の切削加工を行うことで10nmから1000nmの範囲の極微細マスクパターンを形成することを特徴とする高温用導電性パンチの製造方法。
- 請求項1の高温用導電性パンチの製造方法において、前記エネルギー性彫刻線は、アルゴンイオンビーム、電子線、光、反応性イオンスパッタビームの何れかであることを特徴とする高温用導電性パンチの製造方法。
- 請求項1の高温用導電性パンチの製造方法において、電子線リソグラフィーやフォトリソグラフィーやナノインプリント法を用いて前記研磨面に微細パターン形成用の開口覆面部を作製することを特徴とする高温用導電性パンチの製造方法。
- 請求項1乃至請求項5の高温用導電性パンチの製造方法によって製作されたものであることを特徴とする高温用導電性パンチ。
- 前記成形品は請求項1乃至請求項5の高温用導電性パンチの製造方法で製造された高温用導電性パンチを用いて製造されるものであって、
前記成形品の周面を形成するためのダイと、このダイの一方の端面に前記微細パターンを有する高温用導電性パンチを装着し、他方の端面には平面状に研磨されたパンチ、前記微細パターンを有するパンチ、又は前記微細パターンと異なる微細パターンを有するパンチの何れか一つを装着する工程と、
前記微細パターンの寸法と大略同じ程度又は小さな粒径を有する粉末材料を、前記ダイ、高温用導電性パンチ及びパンチで形成される空間に入れる工程と、 前記ダイ、高温用導電性パンチ及びパンチで形成される空間に所定荷重の押圧力を加えて、パルス状の高電流を前記粉末材料に印加して、前記粉末材料を焼結する工程と、
前記焼結した粉末材料を冷却する工程と、
で製造されることを特徴とする成形品の製造方法。 - 請求項7の成形品の製造方法において、前記粉末材料が金属、金属間化合物、セラミックス、酸化物、炭化物、窒化物、硼化物、フッ化物、サーメット系のいずれか1種類であることを特徴とする成形品の製造方法。
- 請求項7又は請求項8の成形品の製造方法によって製作されたものであることを特徴とする成形品。
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