JP2014100091A - 希少糖含有粉末 - Google Patents

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智一 岡崎
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Abstract

【課題】希少糖含有シロップの用途を拡大することを目的として、その汎用性を拡大するために、吸湿に対して安定性が高く、安価に粉末化することが可能な方法を提供すること。
【解決手段】賦形剤として30質量%水溶液における粘度が40mPa・s以上、10質量%水溶液における粘度が20mPa・s以下である澱粉分解物を選択し、澱粉分解物に対して希少糖含有シロップが0.33以上0.82未満となるように配合した上で粉末化を行うことで、吸湿に対する安定性が高く、また水に対する溶解性にも優れた希少糖含有粉末が得られる。
【選択図】なし

Description

本発明は良好な甘味と優れた生理機能を示す希少糖含有シロップの、粉末化技術に関する。
希少糖とは、糖の基本単位である単糖のうち、自然界に大量に存在するD−グルコース(ブドウ糖)に代表される「天然型単糖」に対して、自然界に微量にしか存在しない単糖を「希少糖」と定義付けられる糖のことである。単糖は全部で59種類あり、そのうち天然型単糖は7種類、希少糖は52種類確認されている。希少糖の存在量は非常に少なく、例えばD−アロースは、D−グルコース(ブドウ糖)に比べて圧倒的に存在量が少ない。
天然型単糖であるD−グルコース、D−フラクトース、または異性化糖を原料とし、特許文献1に開示される手法により得られる希少糖を含有するシロップであり、希少糖として主にD−プシコース及びD−アロースが含まれるように製造されたものが希少糖含有シロップであり、市販品「レアシュガースウィート」(発売元:(株)レアスウィート、販売者:松谷化学工業(株))として、容易に入手することができる。希少糖含有シロップに関する飲食品分野の技術として、高甘味度甘味料に対する呈味改良組成物およびその応用が特許文献2に、食感食味の優れたベーカリー製品及びその製造法が特許文献3に、味質の改善された酒類およびビール風味飲料、およびその製造方法が特許文献4に開示されている。すなわち、希少糖や希少糖含有シロップには独特の甘味が備わっており、その応用範囲は極めて広い。
このような甘味料を粉末化することで、その応用範囲はさらに広がることが期待される。具体的には粉末飲料、粉末調味料への適用が容易に可能となる。またベーカリー製品や和洋菓子の仕込み作業において、粘度のある液状品よりも粉体の方が明らかに計量しやすく、また計量後には他の粉末原料と混和した状態での一時保管が可能で、作業場の省スペース化と仕込み作業自体の効率化を図ることができる。粉末化の方法としては小麦粉等の粉体原料に吸着させることが容易であるが、汎用性の面から、冷水や熱水に容易に溶解する粉末であることが望ましい。
しかしながら、商業ベースで流通している希少糖含有シロップは極めて吸湿性が高く、単体での粉末は極めて困難であった。一般的なデキストリンを賦形剤として混和した場合でも、水分をうまく飛ばすことができず、粉末化がかなり困難であることが明らかとなった。また、特許文献5には機能性異性化糖を複合体結晶糖質に関する技術が開示されているが、安価な製造方法の確立が実現しておらず、商業的に結晶あるいは粉末の希少糖単体を販売することは現状困難の状況である。
国際公開WO2010/113785 特許公開2012‐70708号公報 特許公開2012−706787号公報 特許公開2012‐60930号公報 特許公開2011−205913号公報
本発明の課題は、独特の甘味が備わっており、広範な応用範囲が期待される希少糖含有シロップの用途を拡大することを目的として、その汎用性を拡大するために、吸湿に対して安定性が高く、また冷水や熱水に対する溶解性にも優れた粉末を安価に製造する方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、賦形剤として特定の澱粉分解物を選択し、一定量を配合した上で粉末化を行うことで、吸湿に対する安定性が高く、また水に対する溶解性にも優れた希少糖含有粉末が得られることを見出した。この粉末を用いることで、配合した飲食品にシロップの場合と同様に良好な甘味を実現することを確認し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は以下を提供するものである。
1)(A)希少糖含有シロップ、(B)澱粉分解物を含有し、その固形分の構成質量比(A)/(B)が0.33以上0.82未満であることを特徴とする希少糖含有粉末。
2)澱粉分解物が30質量%水溶液における粘度が40mPa・s以上、10質量%水溶液における粘度が20mPa・s以下であることを特徴とする、1)に記載の希少糖含有粉末。
3)(A)希少糖含有シロップ、(B)澱粉分解物を、その固形分の構成質量比(A)/(B)が0.33以上0.82未満であるように配合し、粉末化することを特徴とする希少糖含有粉末の製造方法。
4)1)または2)に記載の希少糖含有粉末を原料とする飲食品。
5)飲食品が粉末飲料、粉末ゼリーもしくは粉末スープである、4)に記載の飲食品。
6)飲食品が粉末調味料、もしくミックス粉はである、4)に記載の飲食品。
7)飲食品が、和洋菓子、もしくはベーカリー食品である、4)に記載の飲食品。
本発明によれば、独特の良好な甘味を有する希少糖含有シロップを、スプレードライ等の既存の設備を改変することなく粉末をすることが可能となる。本発明により得られる希少糖含有粉末により、希少糖含有シロップの粉末飲料や粉末調味料といった粉末食品への応用が簡単にできるようになる。また2次加工を行う際に粉末原料の方が経時的な変質が起こりにくく、カビ等の腐敗に対する耐性が向上するため保管が容易となり、計量もしやすいということで作業現場での取り扱いが容易になる。加えて粉末化が可能になることで他の粉末原料と混合したミックス製品としての応用も可能となる。さらには焼き菓子など、特にクッキーなど乾燥したものの場合、粉末の方が、生地水分を抑えることができるため焼き上がりが早いという利点もある。
本発明の希少糖含有粉末は、(A)希少糖含有シロップ、(B)澱粉分解物を含有することを特徴とし、その固形分の構成質量比(A)/(B)が0.33以上0.82未満であることで、粉末化を実現する。希少糖含有シロップの比率が0.3より低いと希少糖含有シロップ独特の甘味効果が得られにくくなり、0.82より高いと粉末化しても吸湿性が高くなり凝固してしまう恐れがある。
本発明でいう希少糖含有シロップの代表例として、主成分がD−グルコース、D−フラクトース、希少糖として主にD−プシコース及びD−アロースが含まれるように製造された市販品「レアシュガースウィート」があるが、本発明の希少糖含有シロップはこれに限定されず、単糖(D−グルコースやD−フラクトース)にアルカリを作用させ、19世紀後半に発見された反応、ロブリー・ドブリュイン−ファン エッケンシュタイン転位反応やレトロアルドール反応とそれに続くアルドール反応を起こさせ、生じた希少糖を含む各種単糖のシロップを広く希少糖含有シロップと呼ぶことができる。さらには、希少糖含有シロップは、希少糖(例えば、D−ソルボース、D−タガトース、L−ソルボース、D−プシコース、D−アロース、D−アルトロースなど)を適宜選択し、希少糖の水溶液及び一般的なシロップ(液糖)に適宜混合することでも得ることができる。
本発明でいう澱粉分解物とは、食用澱粉および/またはエーテル化、エステル化、架橋等を施した加工澱粉を1種もしくは2種以上混合したものを、後述する処理で加水分解して得られるものをいう。食用澱粉並びに加工澱粉の原料はキャッサバ、サゴ、馬鈴薯、甘藷、コーン、米、小麦等が例示され、さらにこれらのワキシ種、ハイアミロース種を用いることができ、これらの2種以上を混合して使用することもできる。加水分解の方法としては、酸処理、アルカリ処理、酸化剤による酸化処理、酵素処理、焙焼処理等をあげることができ、これらの2つ以上の方法を併用しても差し支えない。澱粉の加水分解に用いられる酸は、例えば塩酸、硝酸等の鉱酸が好ましく、それ以外に有機酸、例えば、蓚酸、クエン酸、リンゴ酸等の酸を添加することができる。アルカリとしては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等があげられる。酸化剤としては次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カルシウム、さらし粉、過酸化水素、過マンガン酸カリウムなどがあげられる。また酵素としては各種澱粉加水分解酵素を用いることができ、好ましくは液化型α−アミラーゼをあげることができる。市販品例としてクライスターゼKD(大和化成(株)社製)やターマミル120L(ノボザイムズジャパン社製)などがあるが、これらに限定されるものではない。
一般的になされている澱粉分解物の製造法としては、例えば以下の方法を例示できる。即ち、まず20〜40%の澱粉懸濁液を調整し、これに適量の蓚酸もしくはαーアミラーゼを加え加熱して1次液化し、次いで蓚酸を用いた場合は炭酸カルシウム等の中和剤でpH5〜7に中和する。また、αーアミラーゼを用いた場合は加圧蒸煮して溶解困難な澱粉部分を完全に溶解させると同時に酵素を失活させて加水分解を一旦停止した後、この液に新たにαーアミラーゼを添加して所望の程度にまで第2段の液化を行ない、液化終了後、再度液を加圧煮沸若しくは酸を添加して酵素を失活させて反応を停止させる。次いで、上記何れの場合も処理液に活性炭を加えて脱色濾過し、イオン交換樹脂で処理することにより、精製した液状形態の所望の澱粉分解物を得ることができる。またこの液をスプレー乾燥又はドラム乾燥することにより粉末形態の所望の澱粉分解物を得ることができる。
また酸化処理の方法は、湿式反応であれば公知の方法から任意に選択できるが、次亜塩素酸塩を使用する場合の添加量は澱粉に対して有効塩素として0.5%〜10%、次亜塩素酸塩添加中及び反応中の温度は20〜50℃、pHは7〜11の範囲で反応し、反応終了後は還元剤で残存する次亜塩素酸塩を還元し、過剰なアルカリを酸で中和して脱水、洗浄、乾燥して製品とすることが一般的である。
本発明の希少糖含有粉末を製造する際の乾燥方法としては、熱風乾燥、噴霧乾燥、真空乾燥、凍結乾燥、ドラムドライなどの一般的な乾燥方法で調整されたものがよいが、低コストで連続大量生産が可能である噴霧乾燥で調整されたものが好ましい。この際には、結晶糖や溶解性の調整のための低分子のデキストリン、各種糖アルコール、増粘多糖類等を適宜加えて粉末化することができる。
本発明でいう希少糖含有粉末を原料とする飲食品は希少糖含有粉末を利用した飲料、食品、それらの製造するための半製品をさし、具体的には各種粉末飲料、各種粉末調味料、各種ベーカリー製品、和洋菓子、麺製品、各種ミックス粉などが例示されるが、これらに限定されるものではない。
本発明でいう粉末飲料とは、加水、もしくは液状物を加え溶解もしくは分散させ、飲用に調製する粉末状の飲料の素をいう。速やかに溶解もしくは分散するものが好ましく、形態は顆粒状が適しているが、特に粉末の粒子径は定めるものではない。また、粉末または顆粒を塊状に成形し、タブレット状等の形態の固形状飲料とすることができる。粉末飲料の例として、調整ココアパウダー、チョコレート飲料、紅茶、コーヒー、茶、イチゴミルク、ヨーグルト飲料、エネルギードリンク、スポーツドリンクなどが挙げられる。従来市販されている粉末清涼飲料や調整ココアにおいては、紅茶、コーヒー、日本茶、ココア、果汁粉末、果肉等に加え、甘味料成分として蔗糖、高甘味度甘味料等が使用される他、乳製品、乳化剤、食塩、香料、植物油脂、着色料、pH調整剤、塩類、酸味料、調味料などが添加されている。
本発明でいう粉末ゼリーとは、加水、もしくは液状物を加え溶解もしくは懸濁・分散させ、半固形状や固形状、ペースト状で喫食するための食品を調製するための粉末状の素をいう。粉末ゼリーの例として、デザートベース、エネルギーゼリーの素、経腸栄養剤などが挙げられる。
本発明でいう粉末スープとは、熱湯に溶解、もしくは冷水溶解後加熱して食用に供する、スープを粉末状もしくは固形化とした食品をいう。粉末スープの例として、パンプキンスープ、トマトスープ、コーンポタージュスープ、顆粒状やフリーズドライの味噌汁の素、お吸い物の素、フリーズドライされた玉子スープやわかめスープなどが挙げられる。
本発明でいう粉末調味料は、1種以上の調味料成分を含有する。調味料成分は、例えば、発酵調味料(醤油、味噌、酢、酒等)、タンパク質分解物(アミノ酸類)、酵母エキス、塩、甘味料(ブドウ糖、庶糖等)、香辛料(コショウ、唐辛子等)、油脂類(植物油、動物油)、抽出エキス(畜産物、農産物、又は海産物由来)等である。例として粉末漬物用調味料、粉末煮物用調味料、粉末米飯用調味料、粉末麺用調味料、粉末畜肉加工用調味料、粉末水産加工用調味料、粉末スナック調味料などが挙げられる。さらに具体的には、漬物調味料として、浅漬け用調味料、キムチ用調味料、ぬか漬け用調味料、梅干し用調味料など、煮物用調味料としておでん用調味料、鍋物用調味料、煮込み料理用調味料など、米飯用調味料としては寿司酢、お茶漬け用調味料、チャーハン用調味料、炊き込みご飯用調味料、各種ふりかけやソフトふりかけなど、麺用調味料としてはラーメンスープ、焼きそばソース、うどんスープ、そばつゆ、パスタソースなど、畜肉加工用調味料としてハンバーグ用調味料、ハム・ソーセージ用調味料、ステーキソース、焼き肉ソースなど、水産加工用調味料として塩辛調味料、水産練り製品用調味料、水産珍味用調味料など、スナック用調味料としてシーズニングスパイスが挙げられる。
本発明でいうミックス粉とは小麦粉もしくは当該食品の基材となる粉体を主体としてそれらの目的に応じて各種澱粉、穀粉類、乾燥卵、粉末油脂、調味料、増粘多糖類、膨張剤などをあらかじめ混合した製品をいう。例えばホットケーキミックス、ドーナツミックス、ベーカリーミックス、唐揚げ粉、てんぷら粉、お好み焼き用粉、たこ焼き用粉、粉末ゼリーの素、粉末デザートの素、わらびもち用粉等が挙げられる。
本発明でいう和菓子とは、日本の伝統的製造法で作られた菓子であり、例として饅頭、 時雨、鹿の子、わらびもち、大福、団子、羽二重餅、羊羹、最中、きんつば、どら焼き、今川焼き、たい焼き、人形焼、練り切り、雪平、ういろう、すあま、こなし、飴、煎餅、落雁、金華糖、生姜糖、和三盆、都まんじゅう、のし梅、さなづら等が挙げられる。
本発明でいう洋菓子とは前項の和菓子以外の菓子類の総称であり、例としてスポンジケーキ、パウンドケーキ、カステラ、パイ、タルト、シュークリーム、チョコレート、アイスクリーム、プリン、ゼリー、ババロア、スフレ、バウムクーヘン、スイートポテト、ブッセ、蒸しケーキ、マフィン、スコーン、チーズケーキ、シフォンケーキ、クレープ、ビスケット、クッキー、ホットケーキ、パンケーキ、ジェラート、パワーバー等が挙げられる。
本発明でいうベーカリー食品は、小麦粉を主原料とし、必要に応じて全粒粉、ライ麦粉、コーンフラワー、そば粉、米粉等の穀粉を含む穀粉原料に、少なくとも水、食塩及び/又は気泡を生じせしめる材料を加え、更にそれぞれの食品を製造する上で必要な副材料を加えてドウもしくはバッターを形成し、これを加熱調理して含水率が約2〜50%とした食品であって、加熱調理前又は加熱調理中にイースト、ベーキングパウダー、全卵、卵白等によって大なり小なり気泡を生じせしめた食品である。例としてオーブンで焼成するプルマン、イギリス食パン、ワンローフ等の食パン類、バゲット、パリジャン等のフランスパン、スイートロール、バンズ、テーブルロール等の各種ロール類の他、アンパン、メロンパン等の菓子パン、クロワッサンや各種デニッシュ、イングリッシュマフィン、ベーグル、ピザ、ナン等や、油で揚げるドーナツ、フリッター、蒸気で加熱される蒸しパン、中華饅頭等が挙げられる。尚、ここで用いられる副材料は、一般にベーカリー食品の製造に際して用いられている糖類、乳製品、油脂類、乳化剤、香料、香辛料、人工甘味料、着色料、洋酒類、レーズンその他の乾燥果実類、ナッツ類、ココアパウダー等である。さらには上記食品を二次加工して得られる食品、例えばパン粉やラスクといった食品も本発明のベーカリー食品に含まれる。
本発明でいう食品のその他の例として、粉末タイプのカスタードクリームやホイップクリーム等のクリーム類、フラワーペースト、ガム、グミ、キャンデー、ラムネ、タブレット、シリアル、スナック、米菓、パルスイートのようなスティックタイプのコーヒー用甘味料、クルトン、ドレッシング、チーズなどの乳製品、バニラ等の香り付けに用いる粉末フレーバー、ペットフード等が例示される。
(澱粉分解物の粘度)
本発明においては、粘度が、30質量%水溶液において40mPa・s以上、10質量%水溶液において20mPa・s以下の範囲に属する澱粉分解物を使用するのが好ましい。参考までに、市販のデキストリンでDE(Dextrose Equivalent:ぶどう糖の還元力を100とした場合の、試料の還元力)が20程度のものに関する30質量%の粘度は概ね10mPa・s未満であり、分解されていない澱粉は10質量%において数万mPa・s程度と高粘度を呈する。粘度がこの範囲にない澱粉分解物では本発明の効果が十分に発揮し得ない。すなわち、粘度が30質量%水溶液において40mPa・s未満の澱粉分解物を用いた場合には、良好な希少糖含有粉末を得ることができず、また、10質量%水溶液において、20mPa・s超の場合には、スプレー乾燥を行おうとする液の粘度が高くなりすぎ、スプレー乾燥を行うことができない。
(粘度の測定)
本発明において、30質量%水溶液の粘度は、固形分換算で60gの該当試料を内容量200mlのビ−カ−に秤取し、水を加えて合計量を200gとし、試料が冷水可溶の場合はそのまま溶解し、熱水可溶の場合は90℃まで昇温後冷却し、蒸発水分補正後、B型回転粘度計によって30℃の粘度を測定した値として表示される。また、10質量%水溶液の粘度は、固形分換算で20gの該当試料を同ビーカーに秤取し水を加えて合計量を200gとし、以下30質量%水溶液の粘度の測定の場合と同様に測定した値として表示される。
次に、実施例により本発明を具体的に説明するが、これら実施例によって本発明が限定されるものではない。以下の実施例、比較例、試験例において他に明記しない限り、「部」は「質量部」である。
実施例1 (希少糖含有粉末の調製)
表1に示した澱粉分解物、TK−16(松谷化学社製のマルトデキストリン)、パインデックス#1、パインデックス#100(松谷化学社製のデキストリン)、エマルスター900、フードテックス(松谷化学社製のヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉の加水分解物)、エマルスターA1(松谷化学社製のオクテニルコハク酸澱粉ナトリウムの加水分解物)、スタビローズT−10、スタビローズK(松谷化学社製の酸化澱粉)、ファイバーソル2(松谷化学社製の難消化性デキストリン)、及び比較として市販のワキシコーン澱粉、タピオカ澱粉について試験を行った。「レアシュガースウィート」(発売元:(株)レアスウィート、販売者:松谷化学工業(株))を(A)、表1に示したサンプルを(B)として、表2に示した固形分配合で固形分が30%となるようにスプレー供給液を調製した。サンプル7、8、10、11の酸化澱粉、及び澱粉を使用する場合は、所定の比率で混合した後、90℃まで加温して澱粉を完全に糊化させた。得られた供給液は、スプレードライヤー(型式:ニロPM−10型、ニロジャパン株式会社製)を用いて、入口温度160℃、出口温度100℃、アトマイザー回転数14,500rpmの条件で噴霧乾燥を行った。噴霧乾燥時の状態を観察した結果を表3に示した。なお、サンプル10、11は粘度が高すぎるためスプレー供給液の調製が困難であった。
Figure 2014100091
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実施例1で得られた粉末を用いて、粉体の吸湿性試験、並びに官能試験を実施した。吸湿試験は、粉末約2gを秤量缶に入れ、相対湿度32%に調整したデシケータに20℃で5日間放置し、粉末の状態を観察した。結果を表3に示す。
また、官能試験は、希少糖含有粉末の30%溶液を調製し、5名のパネラーにより風味を評価した。結果を表4に示す。
Figure 2014100091
Figure 2014100091
実施例2 (粉末飲料)
実施例1において得られたサンプル3、質量構成比0.43の粉末を試験粉末1として、表5に従って粉末飲料を調製した。得られた全量を500mlの水に溶解して甘味のさわやかなスポーツドリンクを得た。
Figure 2014100091
実施例3 (粉末調味料、粉末スープ)
実施例1において得られた、サンプル3、質量構成比0.43の粉末を試験粉末1として、表6に従って、コンソメ、コーンスープの素、うどんだしの素、焼きそばソースを調合した。
得られた製品はいずれも各々の用途に対して十分な性能を発揮した。
Figure 2014100091
実施例4 (チャーハンの素)
実施例1において得られた、サンプル4、質量構成比0.43の粉末を試験粉末2として、表7に従ってチャーハンの素を調製した。得られたチャーハンの素を用いて、チャーハンを試作した。すなわち、中火に熱したフライパンに食用油大さじ1、玉子1個を入れ、30秒間炒め、白飯250gを加えて、更に1分間炒めた。一旦火を止めて、チャーハンの素を混ぜた後、強火で2分炒めた。得られたチャーハンは鮮やかな焦げ目がつき、ほぐれがよく、コクのある良好なチャーハンだった。
Figure 2014100091
実施例5 (ホットケーキミックス)
実施例1において得られた、サンプル7、質量構成比0.82の粉末を試験粉末3として、表8に従ってホットケーキミックスを調製した。得られたホットケーキミックスを用いて、ホットケーキを試作した。すなわちホットケーキミックス200gに卵1個(Mサイズ)牛乳100mlを加えて、ホイッパーを使ってゆっくりとダマがなくなるまで混ぜ合わせた。混ぜ合わせた生地をフライパンに適量流し落として両面を焼成した。得られたホットケーキはしっかりした焼き色がつき、コクのある味の良好なものだった。
Figure 2014100091
実施例6 (から揚げ粉)
実施例1において得られた、サンプル8、質量構成比0.82の粉末を試験粉末4として、表9に従ってから揚げ粉を作成した。鶏もも肉100に対して、得られたから揚げ粉15、水12をまぶして常法に従ってフライした。得られたから揚げは、比較的濃い揚げ色となり、やや歯ごたえのある良好なから揚げとなった。
Figure 2014100091
実施例7 (わらびもちミックス)
実施例1において得られた、サンプル5、質量構成比0.67の粉末を試験粉末5として、表10に従って、簡便にわらびもちミックスを作成した。得られたわらびもちミックス200gを片手なべに入れ、冷水450mlを徐々に入れ乳液上になる様に充分に攪拌した。これを中火にかけ、焦げ防止の為、なべ底に力を入れて攪拌した。乳液状の中に徐々に塊が浮いてきた段階で、弱火にして更に攪拌を続けた。徐々に半透明になり、光沢が出てきて、白濁のない状態になった時点を練りあがりとした。練りあがったわらびもちをラップに包み厚みと形を整えそのまま水で冷却し、充分に冷えてからカットした。得られたわらびもちはコクのある甘味を示し、大変良好なわらびもちだった。
Figure 2014100091
実施例8 (粉末ゼリー)
実施例1において得られた、サンプル3、質量構成比0.43の粉末を試験粉末1として、表11に従って粉末ゼリーの素を作成した。得られた全量を180mlの熱湯に溶解させ冷蔵庫で冷やしたところ、良好なゼリーが得られた。
Figure 2014100091
実施例9 (水羊羹)
実施例1において得られた、サンプル3、質量構成比0.43の粉末を試験粉末1として、表12に従って、希少糖含有粉末入り水羊羹を作成した。すなわち、鍋に、加水と粉末寒天を入れ、攪拌加熱溶解した後、グラニュー糖・トレハロース・試験粉末1を投入、攪拌加熱溶解した。そこに小豆こし生餡を投入溶解し、水溶きした澱粉・食塩を入れ、仕上がり糖度になるまで攪拌加熱した。得られた液をトロミがでる約60℃まで冷却した後、カップに流し入れ、トップシール後流水等にて常温まで冷却してから、冷蔵もしくは冷凍保管した。
糖質中の約40%使用処方で、スッキリとした甘味の水羊羹が得られた。冷蔵保管した後も硬化・離水を抑制し、ソフトでなめらかな食味を維持しており、冷凍保存、自然解凍での喫食も十分可能だった。
Figure 2014100091
(洋菓子:クッキー)
実施例1において得られた、サンプル3、質量構成比0.43の粉末を試験粉末1として、表13に従ってクッキーを作成した。(1)を予め混合し、ここに全卵を添加し、混合した。さらに(2)を添加し、混合した生地を厚さ4.5mmまで圧延し、内径55mmの丸型で型抜した。上火160℃・下火140℃の電気炉で14分焼成し、クッキーを得た。得られたクッキーは、コントロールに比べて焼き色が強めでコクがあり、良好なクッキーだった。
Figure 2014100091
(ベーカリー食品)
実施例1において得られた、サンプル7、質量構成比0.82の粉末を試験粉末3として、表14、15に従って、テーブルロールを作成した。焼き色、形状ともに優れたテーブルロールが得られた。
Figure 2014100091
Figure 2014100091
希少糖含有シロップを、スプレードライ等の既存の設備を改変することなく粉末をすることが可能となり、得られる希少糖含有粉末により、希少糖含有シロップの粉末飲料や粉末調味料といった粉末食品への応用が簡単にできるようになる。この技術により、現場の作業性と衛生面の改善を図ることができ、液状では困難であった広範な食品分野への応用も可能となる。

Claims (7)

  1. (A)希少糖含有シロップ、(B)澱粉分解物を含有し、その固形分の構成質量比(A)/(B)が0.33以上0.82未満であることを特徴とする希少糖含有粉末。
  2. 澱粉分解物が30質量%水溶液における粘度が40mPa・s以上、10質量%水溶液における粘度が20mPa・s以下であることを特徴とする、請求項1に記載の希少糖含有粉末。
  3. (A)希少糖含有シロップ、(B)澱粉分解物を、その固形分の構成質量比(A)/(B)が0.33以上0.82未満であるように配合し、粉末化することを特徴とする希少糖含有粉末の製造方法。
  4. 請求項1または2に記載の希少糖含有粉末を原料とする飲食品。
  5. 飲食品が粉末飲料、もしくは粉末スープである、請求項4に記載の飲食品。
  6. 飲食品が粉末調味料、もしくミックス粉はである、請求項4に記載の飲食品。
  7. 飲食品が、和洋菓子、もしくはベーカリー食品である、請求項4に記載の飲食品。
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