JP2014094467A - 透明導電膜基材用ポリエステルフィルムおよび透明導電フィルム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 厚さ10μm以上50μm以下の積層ポリエステルフィルムであり、少なくとも片側の表面粗度最大粗さ(Rt)が10nm以上300nm以下であることを特徴とする透明導電膜基材用ポリエステルフィルム、および当該ポリエステルフィルムの表面にパターニングされた透明導電膜が積層された透明導電フィルムであり、前記パターニングの模様の最細部の幅が15μm以下であることを特徴とする透明導電フィルム。
【選択図】 なし
Description
であることを必須の条件とし、さらに好ましくは最大粗さ(Rt)が10nm以上120nm以下である。最大粗さ(Rt)が10nm未満の場合は表面が平滑すぎて、ポリエステルフィルムの製膜時にキズが発生する可能性が高く、一方、300nmを超える場合は、パターン化した後の透明導電膜上で、特に細くパターン化された箇所で、透明導電層の結晶化工程で配線の断線が発生する可能性が高い。
さらに、ポリエステル製造工程中、触媒等の金属化合物の一部を沈殿、微分散させた析出粒子を用いることもできる。
これらの有機溶剤は、必要に応じて二種以上を併用してもよい。
ポリエステルに非相溶な他のポリマー成分および顔料を除去したポリエステル1gを精秤し、フェノール/テトラクロロエタン=50/50(重量比)の混合溶媒100mlを加えて溶解させ、30℃で測定した。
(株)島津製作所社製遠心沈降式粒度分布測定装置SA−CP3型を用いてストークスの抵抗則にもとづく沈降法によって粒子の大きさを測定した。
ポリエステル原料を約200mg秤量し、クロロホルム/HFIP(ヘキサフルオロ−2−イソプロパノル)の比率3:2の混合溶媒2mlに溶解させる。溶解後、クロロホルム20mlを追加した後、メタノール10mlを少しずつ加える。沈殿物を濾過により除去し、さらに沈殿物をクロロホルム/メタノールの比率2:1の混合溶媒で洗浄し、濾液・洗浄液を回収し、エバポレーターにより濃縮、その後、乾固させる。乾固物をDMF(ジメチルホルムアミド)25mlに溶解後、この溶液を液体クロマトグラフィー(島津製作所製:LC−7A)に供給して、DMF中のオリゴマー量を求め、この値をクロロホルム/HFIP混合溶媒に溶解させたポリエステル原料量で割って、含有オリゴマー量(重量%)とする。DMF中のオリゴマー量は、標準試料ピーク面積と測定試料ピーク面積のピーク面積比より求めた(絶対検量線法)。
移動相A:アセトニトリル
移動相B:2%酢酸水溶液
カラム:三菱化学(株)製『MCI GEL ODS 1HU』
カラム温度:40℃
流速:1ml/分
検出波長:254nm
フィルム小片をエポキシ樹脂にて固定成形した後、ミクロトームで切断し、フィルムの断面を透過型電子顕微鏡写真にて観察した。その断面のうちフィルム表面とほぼ平行に2本、明暗によって界面が観察される。その2本の界面とフィルム表面までの距離を10枚の写真から測定し、平均値を積層厚さとした。
なお、DMF中のオリゴマー量は上記(3)ポリエステル原料に含有される含有オリゴマー量の測定方法に記載の絶対検量線法に従い算出した。
ポリエステルフィルムにおいて、塗布層とは反対側の面に、アルゴンガス95%と酸素ガス5%とからなる0.4Paの雰囲気下で、酸化インジウム95重量%、酸化スズ5重量%の焼結体材料を用いた反応性スパッタリング法により、厚さ25nmの ITO膜(透明導電性薄膜)を形成した。該ITO膜上にパターン化(最細部:8μm、12μm、20μm)されているフォトレジストを塗布して乾燥硬化した後、得られたITO膜を4%の塩化水素水溶液(和光純薬工業製)に浸漬してエッチング処理した。得られたパターン化されたITO膜は150℃×1時間の加熱処理により結晶化させた。
得られたパターン化後のITO膜の最細部となる箇所を光学顕微鏡(キーエンス社製 デジタルマイクロスコープ 型番:VHX−200)にて倍率40倍で100箇所検査し、ITOの断線の有無を検査し、以下の基準にて透明導電膜パターン化後の配線断線性を評価した。
○:ITO配線の断線が確認されない
△:ITO配線の断線は確認されないが、配線のひび割れのような現象が確認される
×:ITO配線の断線が1箇所以上で確認される
上記手法でのスパッタリング加工時に、加工部分のフィルムの平面性を目視で評価した。
○:フィルムの加工部分が幅方向全体にわたりうねり、シワの発生なく良好に加工できている
×:フィルムの加工部分にうねり、シワ等の発生し、幅方向で均一に加工できていない
新タック化成社ノンキャリアフィルム「KF4#50」の軽剥離側セパを剥がし、積層ポリエステルフィルムの塗布層面に貼り合わせた。次に重剥離側セパを剥がし、日本板硝子社製 板ガラス(「フロート板ガラス(5mm厚さ)」に貼り合せ積層ポリエステルフィルム/粘着層/ガラス構成体を作成した。得られた構成体を積層ポリエステルフィルム側からボールペンのペン先を接触させ、その粘着剤のクッション効果について、下記判定基準により、判定を行った。
《判定基準》
○:ペンを接触している間、接触した箇所に粘着層が追従する。接触をやめると粘着層の追従変形が元に戻る(クッション効果を感じることができる)
×:ペンを接触させても粘着層が変形せず、クッション効果が感じることができない
(株)小坂研究所製表面粗さ測定機「SE−3F」によって得られた断面曲線から、基準長さ(2.5mm)だけ抜き取った部分(以下、抜き取り部分という)の平均線に平行2直線で抜き取り部分を挟んだ時、この2直線の間隔中の最大の山と最深の谷を平均線に並行な2直線で挟み、その間隔を縦倍率で割った値をマイクロメートル(nm)単位で表したものを抜き取り部分の最大高さ(Rt)とした。なお、この時使用した触針の半径は2.0μmとし、荷重は30mg、カットオフ値は0.08mmとした。
[エステル(A)の製造方法]
テレフタル酸ジメチル100重量部とエチレングリコール60重量部とを出発原料とし、触媒として酢酸マグネシウム・四水塩0.09重量部を反応器にとり、反応開始温度を150℃とし、メタノールの留去とともに徐々に反応温度を上昇させ、3時間後に230℃とした。4時間後、実質的にエステル交換反応を終了させた。この反応混合物にエチルアシッドフォスフェート0.04部を添加した後、三酸化アンチモン0.04部を加えて、4時間重縮合反応を行った。すなわち、温度を230℃から徐々に昇温し280℃とした。一方、圧力は常圧より徐々に減じ、最終的には0.3mmHgとした。反応開始後、反応槽の攪拌動力の変化により、極限粘度0.63に相当する時点で反応を停止し、窒素加圧下ポリマーを吐出させた。得られたポリエステル(A)の極限粘度は0.65、オリゴマー(環状三量体)の含有量は0.97重量%であった。
ポリエステル(A)を、予め160℃で予備結晶化させた後、温度220℃の窒素雰囲気下で固相重合し、極限粘度0.75、オリゴマー(環状三量体)含有量0.46重量%のポリエステル(B)を得た。
ポリエステル(A)の製造方法において、エチルアシッドフォスフェート0.04部を添加後、平均粒子径1.6μmのエチレングリコールに分散させたシリカ粒子を0.2部、三酸化アンチモン0.04部を加えて、極限粘度0.65に相当する時点で重縮合反応を停止した以外は、ポリエステル(A)の製造方法と同様の方法を用いてポリエステル(C)を得た。得られたポリエステル(C)は、極限粘度0.65、オリゴマー(環状三量体)含有量0.82重量%であった。
ポリエステル(A)の製造方法において、エチルアシッドフォスフェート0.04部を添加後、平均粒子径60nmのエチレングリコールに分散させた酸化アルミニウム粒子を粒子のポリエステルに対する含有量が1.5重量%となるように添加し、4時間重縮合反応を行い、ポリエステル(D)を得た。得られたポリエステル(D)は、極限粘度0.61、オリゴマー(環状三量体)含有量0.77重量%であった。
ポリエステル(A)の製造方法において、添加する粒子種を平均粒子径0.4μmのジビニルベンゼン架橋ポリスチレン粒子とし、ポリエステルに対する含有量を0.5重量%とした以外は、ポリエステル(D)の製造方法と同じ方法でポリエステル(E)を得た。得られたポリエステル(E)は、極限粘度0.61、オリゴマー(環状三量体)含有量0.78重量%であった。
ポリエステル(A)の製造方法において、添加する粒子種を平均粒子径0.7μmのエチレングリコールに分散させた炭酸カルシウム粒子とし、ポリエステルに対する含有量を2.0重量%とした以外は、ポリエステル(D)の製造方法と同じ方法でポリエステル(F)を得た。得られたポリエステル(F)は、極限粘度0.61、オリゴマー(環状三量体)含有量0.82重量%であった。
上記ポリエステル(B)、(D)、をそれぞれ80%、20%の割合で混合した混合原料をA層の原料とし、ポリエステル(A)100%の原料をB層の原料として、2台の押出機に各々を供給し、各々285℃で溶融した後、A層を最外層(表層)、B層を中間層として、40℃に冷却したキャスティングドラム上に、2種3層(ABA)で、厚み構成比がA:B:A=5:13:5になるように共押出し冷却固化させて無配向シートを得た。次いで、ロール周速差を利用してフィルム温度85℃で縦方向に3.4倍延伸した後、この縦延伸フィルムをテンターに導き、横方向に120℃で4.3倍延伸し、225℃で熱処理を行った後、フィルムをロール上に巻き上げ片面に下記に記載の調製法で作成した塗布液を乾燥後膜厚で0.1μmとなるように塗布し、厚さ23μmの積層ポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの特性を下記表1に示す。
以下のA、B、C、D、Eの化合物をそれぞれ30、10、40、10、10重量部となるように混合した。
・4級アンモニウム塩基含有ポリマー(A):
2−ヒドロキシ3−メタクリルオキシプロピルトリメチルアンモニウム塩ポリマー
対イオン:メチルスルホネート 数平均分子量:30000
・ポリエチレングリコール含有アクリレートポリマー(B):
ポリエチレングリコール含有モノアクリレートポリマー 数平均分子量:20000
・架橋剤(C):メラミン架橋剤(DIC社製:ベッカミン)
・粒子(D):アルミナ表面変性コロイダルシリカ(平均粒径:50nm)
・バインダー(E):ポリビニルアルコール(けん化度88モル%、重合度500)
実施例1において、A層の原料としてポリエステル(B)、(D)、をそれぞれ70%、30%の割合で混合したこと以外は、実施例1と同様の方法で、ポリエステルフィルムを得た。得られた積層ポリエステルフィルムの特性を下記表1に示す。
実施例1において、A層の原料としてポリエステル(B)、(D)、(E)、をそれぞれ67%、30%、3%の割合で混合し、厚み構成比をA:B:A=5:28:5の得られる積層ポリエステルフィルムの厚さを38μmとしたこと以外は実施例1と同様の方法で、ポリエステルフィルムを得た。得られた積層ポリエステルフィルムの特性を下記表1に示す。
実施例1において、A層の原料としてポリエステル(B)、(D)、(E)、をそれぞれ64%、30%、6%の割合で混合し、厚み構成比をA:B:A=5:35:5の得られる積層ポリエステルフィルムの厚さを45μmとした実施例1と同様の方法で、ポリエステルフィルムを得た。得られた積層ポリエステルフィルムの特性を下記表1に示す。
実施例1において、A層の原料としてポリエステル(A)、(D)、(E)、をそれぞれ64%、30%、6%の割合で混合し、厚み構成比をA:B:A=5:40:5の得られる積層ポリエステルフィルムの厚さを50μmとした以外は、実施例1と同様の方法で、ポリエステルフィルムを得た。得られた積層ポリエステルフィルムの特性を下記表1に示す。
実施例1において、厚み構成比をA:B:A=5:2:5とし、得られる積層ポリエステルの厚さを12μmとしたこと以外は、実施例1と同様の方法で、ポリエステルフィルムを得た。得られた積層ポリエステルフィルムの特性を下記表1に示す。
実施例1において、A層の原料としてポリエステル(A)、(C)、をそれぞれ84%、16%の割合で混合した以外は、実施例1と同様の方法で、ポリエステルフィルムを得た。得られた積層ポリエステルフィルムの特性を下記表1に示す。
実施例1において、A層の原料としてポリエステル(B)、(C)、をそれぞれ84%、16%の割合で混合し、厚み構成比をA:B:A=5:28:5とし、得られる積層ポリエステルの厚さを38μmとした以外は、実施例1と同様の方法で、ポリエステルフィルムを得た。得られた積層ポリエステルフィルムの特性を下記表1に示す。
実施例1において、A層の原料としてポリエステル(B)、(F)、をそれぞれ83%、17%の割合で混合し、厚み構成比をA:B:A=5:28:5とし、得られる積層ポリエステルの厚さを38μmとした以外は、実施例1と同様の方法で、ポリエステルフィルムを得た。得られた積層ポリエステルフィルムの特性を下記表1に示す。
実施例1において、厚み構成比がA:B:A=4:1:4とし、得られる積層ポリエステルの厚さを9μmとした以外は、実施例1と同様の方法で、ポリエステルフィルムを得た。得られた積層ポリエステルフィルムの特性を下記表1に示す。
実施例1において、厚み構成比がA:B:A=5:65:5とし、得られる積層ポリエステルの厚さを75μmとしたこと以外は、実施例1と同様の方法で、ポリエステルフィルムを得た。得られた積層ポリエステルフィルムの特性を下記表1に示す。
Claims (2)
- 厚さ10μm以上50μm以下の積層ポリエステルフィルムであり、少なくとも片側の表面粗度最大粗さ(Rt)が10nm以上300nm以下であることを特徴とする透明導電膜基材用ポリエステルフィルム。
- 請求項1に記載のポリエステルフィルムの表面にパターニングされた透明導電膜が積層された透明導電フィルムであり、前記パターニングの模様の最細部の幅が15μm以下であることを特徴とする透明導電フィルム。
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