JP5425287B2 - 塗布フィルム - Google Patents
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Description
ポリエステルに非相溶な他のポリマー成分および顔料を除去したポリエステル1gを精秤し、フェノール/テトラクロロエタン=50/50(重量比)の混合溶媒100mlを加えて溶解させ、30℃で測定した。
(株)島津製作所社製遠心沈降式粒度分布測定装置「SA−CP3型」を用いてストークスの抵抗則にもとづく沈降法によって粒子の大きさを測定した。
ポリエステル原料を約200mg秤量し、クロロホルム/HFIP(ヘキサフルオロ−2−イソプロパノル)の比率3:2の混合溶媒2mlに溶解させる。溶解後、クロロホルム20mlを追加した後、メタノール10mlを少しずつ加える。沈殿物を濾過により除去し、更に、沈殿物をクロロホルム/メタノールの比率2:1の混合溶媒で洗浄し、濾液・洗浄液を回収し、エバポレーターにより濃縮、その後、乾固させる。乾固物をDMF(ジメチルホルムアミド)25mlに溶解後、この溶液を液体クロマトグラフィー(島津製作所製「LC−7A」)に供給して、DMF中のオリゴマー量を求め、この値をクロロホルム/HFIP混合溶媒に溶解させたポリエステル原料量で割って、含有オリゴマー量(重量%)とする。DMF中のオリゴマー量は、標準試料ピーク面積と測定試料ピーク面積のピーク面積比より求めた(絶対検量線法)。
移動相A:アセトニトリル
移動相B:2%酢酸水溶液
カラム:三菱化学(株)製「MCI GEL ODS 1HU」
カラム温度:40℃
流速:1ml/分
検出波長:254nm
フィルム小片をエポキシ樹脂にて固定成形した後、ミクロトームで切断し、フィルムの断面を透過型電子顕微鏡写真にて観察した。その断面のうちフィルム表面とほぼ平行に2本、明暗によって界面が観察される。その2本の界面とフィルム表面までの距離を10枚の写真から測定し、平均値を厚みとした。
試料フィルムをJIS−K−7136に準じ、村上色彩技術研究所製ヘーズメーター「HM−150」により、フィルムヘーズ(%)を測定した。
試料フィルムにおいて、下記塗布液組成からなる塗布液を塗布層が設けられた面とは反対側の面に塗布する。その後、得られたフィルムを所定の熱処理条件(180℃、90分)で処理した後、(5)項と同様にして、フィルムヘーズを測定した。
<塗布液組成>
コルコート社製「コルコートP」
使用バー:#3バー
乾燥条件:100℃ 1分間
その後、下記式により、熱処理前後におけるフィルムヘーズ変化率(ΔH)を求めた。
フィルムヘーズ変化率(ΔH:%)=(熱処理後のフィルムヘーズ)−(熱処理前のフィルムヘーズ)
直接位相検出干渉法、いわゆるマイケルソンの干渉を利用した2光束干渉法を用いた、非接触表面計測システム(マイクロマップ社製「Micromap512)」により、試料フィルムの塗布面および反塗布面(塗布層が設けられていないフィルム面)の表面粗さ(SRa)を計測した。なお、測定波長は554nmとし、対物レンズは20倍を用いて、20°視野計測し、その平均値を採用した。
塗布フィルムにおいて、塗布層とは反対側の面に、アルゴンガス95%と酸素ガス5%とからなる0.4Paの雰囲気下で、酸化インジウム95重量%、酸化スズ5重量%の焼結体材料を用いた反応性スパッタリング法により、厚み25nmのITO膜(透明導電性薄膜)を形成した。また、ITO膜は180℃×1時間の加熱処理により結晶化させた。得られたフィルムの透明性・視認性について、下記判定基準により、判定を行った。
<判定基準>
A:透明性・視認性、特に良好(実用上、問題ないレベル)
B:透明性・視認性良好(実用上、問題ないレベル)
C:透明性・視認性不良(実用上、問題あるレベル)
D:透明性・視認性が特に不良(実用上、問題あるレベル)
上記(8)項記載の方法により、スパッタリング加工時に、加工部分のフィルムの平面性を目視による官能評価を行い、下記判定基準により、判定を行なった。
<判定基準>
A:フィルムの加工部分が幅方向全体にわたりうねり、シワの発生なく良好に加工できている(実用上、問題ないレベル)。
B:フィルムの加工部分にうねり、シワ等の発生し、幅方向で均一に加工できていない (実用上、問題あるレベル)。
新タック化成社のノンキャリアフィルム「KF4#50」の軽剥離側セパを剥がし、塗布フィルムの塗布層面に貼り合わせた。次に重剥離側セパを剥がし、日本板硝子社製板ガラス(「フロート板ガラス(5mm厚み)」に貼り合せ塗布フィルム/粘着層/ガラス構成体を作成した。得られた構成体を塗布フィルム側からボールペンのペン先を接触させ、その粘着剤のクッション効果について、下記判定基準により、判定を行った。
<判定基準>
A:ペンを接触している間、接触した箇所に粘着層が追従する。接触をやめると粘着層の追従変形が元に戻る(クッション効果を感じることができる)。
B:ペンを接触させても粘着層が変形せず、クッション効果が感じることができない
Aは、実用上、問題ないレベルである。
DMF中のオリゴマー(環状三量体)量は、標準試料ピーク面積と測定試料ピーク面積のピーク面積比より求めた(絶対検量線法)。なお、標準試料の作成方法および液体クロマトグラフの条件は(3)項と同様に行なった。
上記(8)項記載の方法において、ITO膜の加熱処理条件を150℃×2時間に変更し、判定基準を下記のように変更したこと以外は、上記(8)項と同様に行った。
150℃、2時間加熱した試料フィルムの塗布層上に下記アクリル系粘着剤組成物を塗布し、100℃、5分間熱処理した後、厚みが150μmの粘着剤層を得た。次に露出している粘着剤層側にフィルムを2kgの金属ローラーを用いて、1往復させ、貼り合わせた後、作業性に関して下記判定基準により、判定を行った。
<アクリル系粘着剤組成物>
(モノマー配合組成)
アクリル酸2−エチルヘキシル 70重量%
アクリル酸2−メトキシエチル 29重量%
アクリル酸4−ヒドロキシブチル 1重量%
上記モノマー組成100重量部に対して、日本ポリウレタン製「コロネートL」を0.1部添加し、アクリル系粘着剤層形成用組成物を得た。
<判定基準>
A:シワが入らず特に良好(実用上、問題ないレベル)。
B:シワが入り不良(実用上、問題あるレベル)。
A4カット判サイズの試料フィルムを用いて、塗布層が設けられたフィルム面が外面になるようにループ状に折り曲げ、得られたループ状フィルムの真上から荷重を加えて押しつぶした際のフィルムの反発力を用いて、フィルムのコシの強弱に関して、下記判定基準により判定を行った。
<判定基準>
A:フィルムのコシが弱くシート柔軟性が良好(実用上、問題ないレベル)。
B:・フィルムのコシが強くシート柔軟性が不良(実用上、問題あるレベル)。
[ポリエステル(A)の製造方法]
テレフタル酸ジメチル100重量部とエチレングリコール60重量部とを出発原料とし、触媒として酢酸マグネシウム・四水塩0.09重量部を反応器にとり、反応開始温度を150℃とし、メタノールの留去と共に徐々に反応温度を上昇させ、3時間後に230℃とした。4時間後、実質的にエステル交換反応を終了させた。この反応混合物にエチルアシッドフォスフェート0.04部を添加した後、三酸化アンチモン0.04部を加えて、4時間重縮合反応を行った。すなわち、温度を230℃から徐々に昇温し280℃とした。一方、圧力は常圧より徐々に減じ、最終的には0.3mmHgとした。反応開始後、反応槽の攪拌動力の変化により、極限粘度0.63に相当する時点で反応を停止し、窒素加圧下ポリマーを吐出させた。得られたポリエステル(A)の極限粘度は0.65、オリゴマー(環状三量体)の含有量は0.97重量%であった。
ポリエステル(A)を、予め160℃で予備結晶化させた後、温度220℃の窒素雰囲気下で固相重合し、極限粘度0.75、オリゴマー(環状三量体)含有量0.46重量%のポリエステル(B)を得た。
ポリエステル(A)の製造方法において、エチルアシッドフォスフェート0.04部を添加後、平均粒子径1.6μmのエチレングリコールに分散させたシリカ粒子を0.2部、三酸化アンチモン0.04部を加えて、極限粘度0.65に相当する時点で重縮合反応を停止した以外は、ポリエステル(A)の製造方法と同様の方法を用いてポリエステル(C)を得た。得られたポリエステル(C)は、極限粘度0.65、オリゴマー(環状三量体)含有量0.82重量%であった。
ポリエステル(B)、(C)を、それぞれ85%、15%の割合で混合した混合原料をA層の原料とし、ポリエステル(A)100%の原料をB層の原料として、2台の押出機に各々を供給し、各々285℃で溶融した後、A層を最外層(表層)、B層を中間層として、40℃に冷却したキャスティングドラム上に、2種3層(A/B/A)で、厚み構成比がA:B:A=6:11:6になるように共押出し冷却固化させて無配向シートを得た。
次いで、ロール周速差を利用してフィルム温度85℃で縦方向に3.4倍延伸した後、この縦延伸フィルムをテンターに導き、横方向に120℃で4.3倍延伸し、225℃で熱処理を行った後、フィルムをロール上に巻き上げ片面に下記に記載の調製法で作成した塗布液を乾燥後膜厚で0.1μmとなるように塗布し、塗布フィルムとした際のポリエステルフィルムの厚みが23μmの塗布フィルムを得た。得られた塗布フィルムの特性を下記表1に示す。
以下のA、B、C、D、Eの化合物をそれぞれ30、10、40、10、10重量部となるように混合した。
・4級アンモニウム塩基含有ポリマー(A):
2−ヒドロキシ3−メタクリルオキシプロピルトリメチルアンモニウム塩ポリマー
対イオン:メチルスルホネート 数平均分子量:30000
・ポリエチレングリコール含有アクリレートポリマー(B):
ポリエチレングリコール含有モノアクリレートポリマー 数平均分子量:20000
・架橋剤(C):
メラミン架橋剤(DIC社製:ベッカミン「MAS」)
・粒子(D):
アルミナ表面変性コロイダルシリカ(平均粒径:50nm)
・バインダー(E):
ポリビニルアルコール(けん化度88モル%、重合度500)
実施例1において、厚み構成比を4:15:4に変更したこと以外は、実施例1と同様の方法で塗布フィルムを得た。得られた塗布フィルムの特性を下記表1に示す。
実施例1において、厚み構成比を3:17:3に変更したこと以外は、実施例1と同様の方法で塗布フィルムを得た。得られた塗布フィルムの特性を下記表1に示す。
実施例1において、A層の原料としてポリエステル(B)、(C)を、それぞれ70%、30%の割合で混合したこと以外は、実施例1と同様の方法で塗布フィルムを得た。得られた塗布フィルムの特性を下記表1に示す。
実施例1において、厚み構成比をA:B:A=4:1:4にし、塗布フィルムとした際のポリエステルフィルムの厚みを9μmに変更したこと以外は、実施例1と同様の方法で塗布フィルムを得た。得られた塗布フィルムの特性を下記表1に示す。
実施例1において、A層の原料としてポリエステル(C)を100%の割合で混合したこと以外は、実施例1と同様の方法で塗布フィルムを得た。 得られた塗布フィルムの特性を下記表1に示す。
実施例1において、厚み構成比をA:B:A=7.0:36:7.0にし、塗布フィルムとした際のポリエステルフィルムの厚みを50μmに変更したこと以外は、実施例1と同様の方法で塗布フィルムを得た。得られた塗布フィルムの特性を下記表2及び3に示す。
実施例1において、厚み構成比をA:B:A=6.0:38:6.0にし、塗布フィルムとした際のポリエステルフィルムの厚みを50μmに変更したこと以外は、実施例1と同様の方法で塗布フィルムを得た。得られた塗布フィルムの特性を下記表2及び3に示す。
実施例1において、厚み構成比をA:B:A=4.0:42:4.0にし、塗布フィルムとした際のポリエステルフィルムの厚みを50μmに変更したこと以外は、実施例1と同様の方法で塗布フィルムを得た。得られた塗布フィルムの特性を下記表2及び3に示す。
実施例1において、厚み構成比をA:B:A=7.0:86:7.0にし、塗布フィルムとした際のポリエステルフィルムの厚みを100μmに変更したこと以外は、実施例1と同様の方法で塗布フィルムを得た。得られた塗布フィルムの特性を下記表2及び3に示す。
実施例1において、厚み構成比をA:B:A=7.0:111:7.0にし、塗布フィルムとした際のポリエステルフィルムの厚みを125μmに変更したこと以外は、実施例1と同様の方法で塗布フィルムを得た。得られた塗布フィルムの特性を下記表2及び3に示す。
実施例1において、厚み構成比をA:B:A=7.0:174:7.0にし、塗布フィルムとした際のポリエステルフィルムの厚みを188μmに変更したこと以外は、実施例1と同様の方法で塗布フィルムを得た。得られた塗布フィルムの特性を下記表2及び3に示す。
実施例1において、厚み構成比をA:B:A=2.5:45:2.5にし、塗布フィルムとした際のポリエステルフィルムの厚みを50μmに変更したこと以外は、実施例1と同様の方法で塗布フィルムを得た。得られた塗布フィルムの特性を下記表2及び3に示す。
実施例1において、上記ポリエステル(A)、(C)を、それぞれ84重量%、16重量%の割合で混合した混合原料をA層の原料とし、厚み構成比をA:B:A=2.5:45:2.5にし、塗布フィルムとした際のポリエステルフィルムの厚みを50μmに変更したこと以外は、実施例1と同様の方法で塗布フィルムを得た。得られた塗布フィルムの特性を下記表2及び3に示す。
実施例1において、厚み構成比をA:B:A=7.0:236:7.0にし、塗布フィルムとした際のポリエステルフィルムの厚みを250μmに変更したこと以外は、実施例1と同様の方法で塗布フィルムを得た。得られた塗布フィルムの特性を下記表2及び3に示す。
実施例1において、(A)層のポリエステルを(C)=100%にし、塗布フィルムとした際のポリエステルフィルムの厚みを50μmに変更したこと以外は、実施例1と同様の方法で塗布フィルムを得た。得られた塗布フィルムの特性を下記表2及び3に示す。
Claims (4)
- 厚み10〜200μmのポリエステルフィルムの片面に、4級アンモニウム塩基含有ポリマー、ポリエチレングリコール含有アクリレートポリマー、架橋剤、粒子、およびバインダーを含有する塗布液によって塗布層が設けられ、もう一方の面にITO膜を有する塗布フィルムであって、上記のポリエステルフィルムは、少なくとも3層以上の積層構造を有し、両最外層がオリゴマー含有量0.5重量%以下のポリエステル80重量%以上から構成された、厚み4μm以上の層であり、ポリエステルフィルム中に平均粒径0.02〜3μmの粒子を0.0005〜0.5重量%含有することを特徴とする塗布フィルム。
- ポリエステルフィルム中の粒子がシリカである請求項1に記載の塗布フィルム。
- 塗布層がフィルム製膜工程中に塗設されたものである請求項1または2に記載の塗布フィルム。
- 光学用途に使用される請求項1〜3のいずれかに記載の塗布フィルム。
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