JP2014094360A - 排気ガス浄化用フィルター及び排気ガス浄化用フィルターの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、排気ガス浄化用フィルターにおける亀裂の発生を防止することにより、粒子状物質及び窒素酸化物の排出量を共に低減させる手段を提供することを課題とする。
【解決手段】上記課題は、排気ガス浄化用触媒と多孔質フィルター基材とを含む排気ガス浄化用フィルターであって、排気ガス浄化用触媒が多孔質フィルター基材に担持されており、排気ガス浄化用触媒が担持された多孔質フィルター基材の細孔径1μm以下の細孔の容積残存率が60%以上であり、且つ多孔質フィルター基材に担持された排気ガス浄化用触媒の量が15g/L以上である、排気ガス浄化用フィルターにより解決することができる。
【選択図】図2
【解決手段】上記課題は、排気ガス浄化用触媒と多孔質フィルター基材とを含む排気ガス浄化用フィルターであって、排気ガス浄化用触媒が多孔質フィルター基材に担持されており、排気ガス浄化用触媒が担持された多孔質フィルター基材の細孔径1μm以下の細孔の容積残存率が60%以上であり、且つ多孔質フィルター基材に担持された排気ガス浄化用触媒の量が15g/L以上である、排気ガス浄化用フィルターにより解決することができる。
【選択図】図2
Description
本発明は排気ガス浄化用フィルター、及び排気ガス浄化用フィルターの製造方法に関する。
ディーゼルエンジン等の内燃機関から排出される排気ガスには、粒子状物質(PM)、窒素酸化物(NOx)等が含まれている。これらの物質は大気汚染の原因となるため、排気ガス中のこれらの物質の含有量を低減させることが求められている。
粒子状物質はディーゼル燃料の燃焼が不完全な場合に多く発生する。そのため、ディーゼル燃料を高温で燃焼することにより、粒子状物質の発生を抑制することができる。一方、燃焼を高温で行うと窒素酸化物の発生量が増加する。窒素酸化物の発生を抑制するためには、燃焼を低温で行う必要がある。つまり、粒子状物質の発生抑制と窒素酸化物の発生抑制とは相反するものである。
粒子状物質と窒素酸化物とを共に低減させるために、高温燃焼により発生した窒素酸化物を尿素水を利用して窒素(N2)に変換する方法が知られている(例えば、特許文献1)。尿素水を高温の排気ガス中に噴射すると、尿素が加水分解されてアンモニアが発生する。発生したアンモニアが窒素酸化物を窒素に還元することにより、排気ガス中の窒素酸化物の含有量を低下させることができる。
通常、窒素酸化物の窒素への還元は、多孔質フィルター基材に担持された触媒の存在下で行われる。尿素を使用することにより、窒素酸化物の効率的な還元が可能であるが、尿素が担持触媒と接触すると熱衝撃が起こり、フィルターに亀裂が生じるという問題が発生する。フィルターは粒子状物質を捕集する機能を有するため、亀裂が生じることにより粒子状物質が多く排出されてしまう。
従って、本発明は、尿素を使用した場合における亀裂の発生を防止することにより、粒子状物質及び窒素酸化物の排出量を共に低減させる手段を提供することを目的とする。
本発明者らが鋭意検討した結果、多孔質フィルター基材の細孔に触媒が多く充填されていると熱衝撃を吸収しきれずに亀裂が生じることが判明した。そして、一定のサイズの細孔への触媒の充填率を調節することにより、亀裂の発生を防止できることを見出した。また、細孔への触媒の充填率は、多孔質フィルター基材に触媒を担持させる際に使用する触媒含有スラリーの粘度を一定の範囲内とすることにより調節できることを見出した。
即ち、本発明は以下を包含する。
[1]排気ガス浄化用触媒と多孔質フィルター基材とを含む排気ガス浄化用フィルターであって、
排気ガス浄化用触媒が多孔質フィルター基材に担持されており、
排気ガス浄化用触媒が担持された多孔質フィルター基材の細孔径1μm以下の細孔の容積残存率が60%以上であり、且つ多孔質フィルター基材に担持された排気ガス浄化用触媒の量が15g/L以上である、排気ガス浄化用フィルター。
[2]前記細孔の容積残存率が75%以上であり、且つ前記排気ガス浄化用触媒の量が35g/L以上である、[1]に記載の排気ガス浄化用フィルター。
[3]排気ガス浄化用触媒を含み、粘度が80〜500mPa・sであるスラリーを、多孔質フィルター基材に適用する適用工程:及び
適用工程においてスラリーが適用された多孔質フィルター基材を焼成する焼成工程;
を含む、排気ガス浄化用フィルターの製造方法。
[4]前記スラリーの粘度が80〜150mPa・sである、[3]に記載の製造方法。
[1]排気ガス浄化用触媒と多孔質フィルター基材とを含む排気ガス浄化用フィルターであって、
排気ガス浄化用触媒が多孔質フィルター基材に担持されており、
排気ガス浄化用触媒が担持された多孔質フィルター基材の細孔径1μm以下の細孔の容積残存率が60%以上であり、且つ多孔質フィルター基材に担持された排気ガス浄化用触媒の量が15g/L以上である、排気ガス浄化用フィルター。
[2]前記細孔の容積残存率が75%以上であり、且つ前記排気ガス浄化用触媒の量が35g/L以上である、[1]に記載の排気ガス浄化用フィルター。
[3]排気ガス浄化用触媒を含み、粘度が80〜500mPa・sであるスラリーを、多孔質フィルター基材に適用する適用工程:及び
適用工程においてスラリーが適用された多孔質フィルター基材を焼成する焼成工程;
を含む、排気ガス浄化用フィルターの製造方法。
[4]前記スラリーの粘度が80〜150mPa・sである、[3]に記載の製造方法。
本発明によれば、排気ガス中の粒子状物質及び窒素酸化物を低減させることができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
<排気ガス浄化用フィルター>
本発明は、排気ガス浄化用触媒と多孔質フィルター基材とを含む排気ガス浄化用フィルターに関する。排気ガス浄化用触媒は多孔質フィルター基材に担持されている。本発明に係る排気ガス浄化用フィルターは、多孔質フィルター基材の細孔径1μm以下の細孔の容積残存率(以下、「細孔容積残存率」ともいう)が60%以上であることを特徴とする。
<排気ガス浄化用フィルター>
本発明は、排気ガス浄化用触媒と多孔質フィルター基材とを含む排気ガス浄化用フィルターに関する。排気ガス浄化用触媒は多孔質フィルター基材に担持されている。本発明に係る排気ガス浄化用フィルターは、多孔質フィルター基材の細孔径1μm以下の細孔の容積残存率(以下、「細孔容積残存率」ともいう)が60%以上であることを特徴とする。
細孔容積残存率とは、排気ガス浄化用触媒を担持する前の多孔質フィルター基材に存在する細孔径1μm以下の細孔の容積を基準とした、排気ガス浄化用触媒を担持した後の多孔質フィルター基材に存在する細孔径1μm以下の細孔の容積の割合を意味する。例えば、触媒担持前の多孔質フィルター基材の細孔容積が100ccであって、触媒担持後の多孔質フィルター基材の細孔容積が60ccである場合には、細孔容積残存率は60%となる。つまり、細孔容積残存率が高いということは、多孔質フィルター基材の細孔に排気ガス浄化用触媒があまり充填されていないということを意味する。
1μm以下の細孔に排気ガス浄化用触媒が多く充填されていると、高温燃焼条件下において排気ガス浄化用フィルターと尿素とが接触したときに発生する熱衝撃を吸収しきれず、排気ガス浄化用フィルターに亀裂が生じてしまう。一方、1μm以下の細孔を多く残しておくことにより、熱衝撃を吸収することができ、亀裂の発生を防止することができる。これにより、排気ガス中に含まれている粒子状物質が大気中に排出されることを防止することができる。
そのため、本発明に係る排気ガス浄化用フィルターにおいて、細孔容積残存率は60%以上であり、好ましくは70%以上であり、より好ましくは75%以上である。細孔容積残存率が高いほど亀裂の発生を防止できるため、上限は特に存在しないが、例えば100%、95%、90%等の上限を挙げることができる。
細孔容積残存率は、水銀ポロシメーターを用いた水銀圧入法により決定することができる。具体的には、試料を試料セル容器に入れ、真空排気した後、水銀を加え、大気圧まで圧力を上昇させる。次に、これを耐圧容器に入れて100kg/cm2までは窒素ガス、それ以上は油圧ポンプにより加圧を行う。その時、試料細孔、細隙に侵入した水銀によって変化した電気抵抗を白金−イリジウム線により測定し、あらかじめ測定した水銀容積と電気抵抗の関係式より、細孔容積を算出する。この操作を、触媒担持前の多孔質フィルター基材と、触媒担持後の多孔質フィルター基材とに対して行うことにより、細孔容積残存率を決定することができる。
残存させておくべき細孔の細孔径は1μm以下であればよく、下限は特に存在しないが、例えば100nm、10nm等の下限を挙げることができる。
排気ガス浄化用フィルターに生じる亀裂は粒子状物質の捕集率を低下させる。特に、100mm以上の亀裂が5本以上生じると捕集率が低下するため、このような亀裂が生じないように細孔容積残存率を調節しておくことが好ましい。
本発明に係る排気ガス浄化用フィルターは、多孔質フィルター基材1L当たりに担持されている排気ガス浄化用触媒の量が15g以上であることを更なる特徴とする。ここで、多孔質フィルター基材1Lとは、多孔質フィルター基材の空隙部を含む嵩体積としての1Lを意味する。
排気ガス浄化用触媒は排気ガスの浄化能に関連するため、担持量は15g/L以上であり、好ましくは20g/L以上、より好ましくは25g/L以上、更に好ましくは30g/L以上、特に好ましくは35g/L以上である。排気ガス浄化用触媒の担持量が多いほど排気ガスの浄化能が高まるため、担持量の上限は特に存在しないが、例えば150g/L等の上限を挙げることができる。
排気ガス浄化用フィルターに含まれる排気ガス浄化用触媒の量は、触媒担持後の多孔質フィルター基材の重量から、触媒担持前の多孔質フィルター基材の重量を引き、これを多孔質フィルター基材の容量で割ることにより決定することができる。
本発明に係る排気ガス浄化用フィルターに使用する排気ガス浄化用触媒としては、NOxを浄化(還元)することができるものであれば特に限定されず、本発明の属する技術分野において一般的に使用されているものを利用することができる。
例えば、排気ガス浄化用触媒としてゼオライト触媒を使用することができる。より具体的には、鉄(Fe)及び/又は銅(Cu)でイオン交換したゼオライト等を使用することができる。また、ゼオライトとしてフェリエライト型ゼオライト、ZSM−5型ゼオライト、β型ゼオライト、Y型ゼオライト、モルデナイト型ゼオライト等を使用することができる。
ゼオライトにおけるシリカとアルミナとの比率(SiO2/Al2O3)は特に限定されない。例えば、シリカ/アルミナのモル比を15〜1000、20〜400等とすることができる。シリカ/アルミナのモル比は公知の方法により測定することができる。例えば、ゼオライトをアルカリ水溶液に溶解し、プラズマ発光分光分析法により分析する方法等によりモル比を測定することができる。
排気ガス浄化用触媒は、尿素をアンモニアに分解するための触媒を更に含んでいてもよい。尿素分解用触媒を含むことによって効率的にアンモニアを発生させることができ、窒素酸化物の浄化を促進させることができる。尿素分解用触媒としては、例えば、アルミナ、チタニア、シリカ、ジルコニア、セリア等を挙げることができる。
本発明に係る排気ガス浄化用フィルターに使用する多孔質フィルター基材としては特に限定されず、本発明の属する技術分野において一般的に使用されているものを利用することができる。例えば、ディーゼル微粒子捕集フィルター(DPF)等を使用することができる。
<排気ガス浄化システム>
本発明は更に、上記の排気ガス浄化用フィルターを備えた排気ガス浄化システムに関する。本発明に係る排気ガス浄化システムは、例えば図1に示すように、排気ガス浄化用フィルター1、及び尿素供給手段2から主に構成されている。尿素供給手段2は、排気ガス浄化用フィルター1にアンモニアを供給するために、排気ガス浄化用フィルター1の上流側の排気ガス管3に配設されている。排気ガス浄化用フィルター1の上流で供給された尿素は高温の排気ガス中でアンモニアに分解され、排気ガス浄化用フィルター1において窒素酸化物を窒素に還元することができる。
本発明は更に、上記の排気ガス浄化用フィルターを備えた排気ガス浄化システムに関する。本発明に係る排気ガス浄化システムは、例えば図1に示すように、排気ガス浄化用フィルター1、及び尿素供給手段2から主に構成されている。尿素供給手段2は、排気ガス浄化用フィルター1にアンモニアを供給するために、排気ガス浄化用フィルター1の上流側の排気ガス管3に配設されている。排気ガス浄化用フィルター1の上流で供給された尿素は高温の排気ガス中でアンモニアに分解され、排気ガス浄化用フィルター1において窒素酸化物を窒素に還元することができる。
排気ガス浄化システムは、窒素酸化物検出手段4、及び尿素供給量調節手段5を更に備えていてもよい。窒素酸化物検出手段4は、排気ガス浄化用フィルター1の上流側の排気ガス管3に配設されており、排気ガス中の窒素酸化物の含有量を検出する。そして、窒素酸化物検出手段4と尿素供給手段2とに接続された尿素供給量調節手段5は、窒素酸化物検出手段4によって検出された窒素酸化物の含有量に基づいて尿素の適切な供給量を算出し、尿素供給手段2に信号を送る。これにより、尿素供給手段2から適切な量の尿素が供給される。
尿素供給手段2、窒素酸化物検出手段4、及び尿素供給量調節手段5としては特別な装置を使用する必要はなく、排気ガス浄化システムにおいて一般的に使用されているものを利用することができる。
<排気ガス浄化用フィルターの製造方法>
本発明は更に、排気ガス浄化用触媒を含むスラリーを多孔質フィルター基材に適用する適用工程:及び適用工程においてスラリーが適用された多孔質フィルター基材を焼成する焼成工程;を含む、排気ガス浄化用フィルターの製造方法に関する。
本発明は更に、排気ガス浄化用触媒を含むスラリーを多孔質フィルター基材に適用する適用工程:及び適用工程においてスラリーが適用された多孔質フィルター基材を焼成する焼成工程;を含む、排気ガス浄化用フィルターの製造方法に関する。
排気ガス浄化用触媒を多孔質フィルター基材に担持させるために、排気ガス浄化用触媒を含むスラリーを調製して使用するが、スラリーの粘度は多孔質フィルター基材の1μm以下の細孔の容積残存率に大きく関連する。スラリーの粘度が低いと、細孔に排気ガス浄化用触媒が入り込みやすくなり、細孔容積残存率が低下する。その結果、排気ガス浄化用フィルターに亀裂が生じやすくなる。一方、スラリーの粘度が高いと、多孔質フィルター基材に排気ガス浄化用触媒を均一に担持することが困難となり、排気ガスの浄化能が低下する。
そのため、本発明に係る製造方法では、80〜500mPa・sの粘度のスラリーを使用する。この粘度のスラリーを使用することにより、細孔容積残存率を高く維持したまま、排気ガス浄化用触媒を均一に担持させることができる。更に、スラリーの粘度を80〜150mPa・sとすることにより、排気ガス浄化用触媒をより均一に担持させることができる。
スラリーの粘度はB型粘度計を用いて決定することができる。具体的には、スラリー中でローターを60rpmで回転させたときにローターに働く液体の粘性抵抗トルクを、スプリングを介したローターと目盛盤との捩れた角度を測定することによって決定することができる。
スラリーの粘度は様々な方法により調節することができる。例えば、スラリーに有機酸(例えば、クエン酸)を添加する方法や、排気ガス浄化用触媒の濃度を上げる方法等により、粘度を高めることができる。
スラリーの使用量は、担持させるべき排気ガス浄化用触媒の量に基づいて適宜決定することができる。排気ガス浄化用触媒の好ましい担持量(g/L)は上記の通りである。
多孔質フィルター基材にスラリーを適用する方法は特に限定されない。多孔質フィルター基材に排気ガス浄化用触媒が均一に担持される方法であればよく、例えば、塗布、噴霧、含浸等により実施することができる。
スラリーを適用した多孔質フィルター基材を焼成することにより、細孔容積残存率が高く維持された排気ガス浄化用フィルターを製造することができる。焼成温度及び焼成時間に特に限定はなく、適当な条件において実施することができる。例えば、300〜600℃で0.5〜3時間焼成することを例示することができる。
以下、実施例及び比較例を用いて本発明をより詳細に説明するが、本発明の技術的範囲はこれに限定されるものではない。
<排気ガス浄化用フィルターの製造>
[実施例1]
1)Feイオン交換ゼオライトの調製
シリカ/アルミナ(SiO2/Al2O3)のモル比が25であるNH3型ZSM−5ゼオライトをイオン交換水に分散させ、塩化鉄(I)を添加した。この混合物を70℃で12時間攪拌し、ろ過、洗浄をした後、200℃で5時間乾燥させた。これにより、Feが1.2重量%イオン交換したゼオライトを得た。
[実施例1]
1)Feイオン交換ゼオライトの調製
シリカ/アルミナ(SiO2/Al2O3)のモル比が25であるNH3型ZSM−5ゼオライトをイオン交換水に分散させ、塩化鉄(I)を添加した。この混合物を70℃で12時間攪拌し、ろ過、洗浄をした後、200℃で5時間乾燥させた。これにより、Feが1.2重量%イオン交換したゼオライトを得た。
2)スラリーの調製
工程1)で調製したゼオライト粉末(30重量部)、イオン交換水(100重量部)、及びシリカゾル(20重量部:シリカ分20%)を混合し、粘性を増加させるために少量のクエン酸を添加した。この混合物をボールミルを用いて5時間粉砕し、粘度が80mPa・sのスラリーを得た。
工程1)で調製したゼオライト粉末(30重量部)、イオン交換水(100重量部)、及びシリカゾル(20重量部:シリカ分20%)を混合し、粘性を増加させるために少量のクエン酸を添加した。この混合物をボールミルを用いて5時間粉砕し、粘度が80mPa・sのスラリーを得た。
3)排気ガス浄化用フィルターの製造
工程2)で調製したスラリーを、多孔質フィルター基材の下端面から充填していき、上端面の手前で充填を止めた。余分なスラリーを吹き払った後、100℃で2時間乾燥して水分を除去した。乾燥させたフィルターを500℃で1時間焼成することにより、フィルター1L当たり35gの触媒コート層を形成し、排気ガス浄化用フィルターを得た。
工程2)で調製したスラリーを、多孔質フィルター基材の下端面から充填していき、上端面の手前で充填を止めた。余分なスラリーを吹き払った後、100℃で2時間乾燥して水分を除去した。乾燥させたフィルターを500℃で1時間焼成することにより、フィルター1L当たり35gの触媒コート層を形成し、排気ガス浄化用フィルターを得た。
触媒担持前の多孔質フィルター基材における1μm以下の細孔の容積(以下「基材細孔容積」という)、及び排気ガス浄化用フィルターにおける1μm以下の細孔の容積(以下「フィルター細孔容積」という)を水銀ポロシメーターにより測定し、下記式に従って1μm以下の細孔の容積残存率を決定した。細孔容積残存率は75.9%であった。
[実施例2]
実施例1の工程1)において使用した塩化鉄(I)を硝酸銅(II)に変更したこと以外は、実施例1と同様に排気ガス浄化用フィルターを製造した。
実施例1の工程1)において使用した塩化鉄(I)を硝酸銅(II)に変更したこと以外は、実施例1と同様に排気ガス浄化用フィルターを製造した。
[実施例3]
実施例1の工程1)において使用したNH3型ZSM−5ゼオライトを、シリカ/アルミナのモル比が30であるゼオライトベータに変更したこと以外は、実施例1と同様に排気ガス浄化用フィルターを製造した。
実施例1の工程1)において使用したNH3型ZSM−5ゼオライトを、シリカ/アルミナのモル比が30であるゼオライトベータに変更したこと以外は、実施例1と同様に排気ガス浄化用フィルターを製造した。
[実施例4]
実施例1の工程1)において使用したNH3型ZSM−5ゼオライトを、シリカ/アルミナのモル比が20であるモルデナイトに変更したこと以外は、実施例1と同様に排気ガス浄化用フィルターを製造した。
実施例1の工程1)において使用したNH3型ZSM−5ゼオライトを、シリカ/アルミナのモル比が20であるモルデナイトに変更したこと以外は、実施例1と同様に排気ガス浄化用フィルターを製造した。
[実施例5]
実施例1の工程2)において使用したシリカゾルを、アルミナゾルに変更したこと以外は、実施例1と同様に排気ガス浄化用フィルターを製造した。
実施例1の工程2)において使用したシリカゾルを、アルミナゾルに変更したこと以外は、実施例1と同様に排気ガス浄化用フィルターを製造した。
[実施例6]
実施例1の工程2)において使用したシリカゾルを、チタニアゾルに変更したこと以外は、実施例1と同様に排気ガス浄化用フィルターを製造した。
実施例1の工程2)において使用したシリカゾルを、チタニアゾルに変更したこと以外は、実施例1と同様に排気ガス浄化用フィルターを製造した。
[比較例1]
実施例1の工程2)において使用したクエン酸を使用しなかったこと以外は、実施例1と同様に排気ガス浄化用フィルターを製造した。
実施例1の工程2)において使用したクエン酸を使用しなかったこと以外は、実施例1と同様に排気ガス浄化用フィルターを製造した。
[比較例2]
実施例1の工程3)におけるフィルター1L当たりの触媒量を100gとしたこと以外は、実施例1と同様に排気ガス浄化用フィルターを製造した。
実施例1の工程3)におけるフィルター1L当たりの触媒量を100gとしたこと以外は、実施例1と同様に排気ガス浄化用フィルターを製造した。
[比較例3]
実施例1の工程3)におけるフィルター1L当たりの触媒量を10gとしたこと以外は、実施例1と同様に排気ガス浄化用フィルターを製造した。
実施例1の工程3)におけるフィルター1L当たりの触媒量を10gとしたこと以外は、実施例1と同様に排気ガス浄化用フィルターを製造した。
<排気ガス浄化用フィルターの性能評価>
[熱衝撃耐久試験]
各実施例及び比較例において製造した排気ガス浄化用フィルターを設置した2.2Lのコモンレールエンジンにおいて、アイドルで5分、エンジン回転3000rpm、400Nmで5分のパターン運転を1時間行った。その際、温度250℃以上でNOx/NH3のモル比が1となるように尿素水を添加した。
[熱衝撃耐久試験]
各実施例及び比較例において製造した排気ガス浄化用フィルターを設置した2.2Lのコモンレールエンジンにおいて、アイドルで5分、エンジン回転3000rpm、400Nmで5分のパターン運転を1時間行った。その際、温度250℃以上でNOx/NH3のモル比が1となるように尿素水を添加した。
[粒子状物質(PM)捕集率]
熱衝撃耐久試験の終了後、同じエンジンを用いて、エンジンの運転条件を2000rpm、200Nmに設定した。また、排気ガス浄化用フィルターへ導入する排気ガスの温度を400℃に設定した。排気ガス浄化用フィルターを通して排出されたPMの量(以下「フィルター処理PM量」という)、及び当該フィルターを外した状態で排出されたPMの量(以下「フィルター非処理PM量」という)を測定し、下記式に従ってPM捕集率を決定した。
熱衝撃耐久試験の終了後、同じエンジンを用いて、エンジンの運転条件を2000rpm、200Nmに設定した。また、排気ガス浄化用フィルターへ導入する排気ガスの温度を400℃に設定した。排気ガス浄化用フィルターを通して排出されたPMの量(以下「フィルター処理PM量」という)、及び当該フィルターを外した状態で排出されたPMの量(以下「フィルター非処理PM量」という)を測定し、下記式に従ってPM捕集率を決定した。
[窒素酸化物(NOx)浄化率]
熱衝撃耐久試験の終了後、同じエンジンを用いて、エンジンの運転条件を2000rpm、40Nmに設定した。また、排気ガス浄化用フィルターへ導入する排気ガスの温度を250℃に設定した。排気ガス浄化用フィルターへ導入する排気ガスに含まれるNOxの量(以下「導入ガスNOx量」という)、及び排気ガス浄化用フィルターを通して排出された排気ガスに含まれるNOxの量(以下「排出ガスNOx量」という)を堀場製作所の分析計を用いて測定し、下記式に従ってNOx浄化率を決定した。
熱衝撃耐久試験の終了後、同じエンジンを用いて、エンジンの運転条件を2000rpm、40Nmに設定した。また、排気ガス浄化用フィルターへ導入する排気ガスの温度を250℃に設定した。排気ガス浄化用フィルターへ導入する排気ガスに含まれるNOxの量(以下「導入ガスNOx量」という)、及び排気ガス浄化用フィルターを通して排出された排気ガスに含まれるNOxの量(以下「排出ガスNOx量」という)を堀場製作所の分析計を用いて測定し、下記式に従ってNOx浄化率を決定した。
各実施例及び比較例におけるスラリー粘度、触媒担持量、細孔容積残存率、PM捕集率、及びNOx浄化率を以下の表1に示す。また、各実施例及び比較例におけるPM捕集率及びNOx浄化率をそれぞれ図2及び3に示す。
表1並びに図2及び3に示すように、触媒担持量及び細孔容積残存率を調節することにより、PM捕集率及びNOx浄化率を共に改善することができる。
1・・排気ガス浄化用フィルター、2・・尿素供給手段、3・・排気ガス管、4・・窒素酸化物検出手段、5・・尿素供給量調節手段
Claims (4)
- 排気ガス浄化用触媒と多孔質フィルター基材とを含む排気ガス浄化用フィルターであって、
排気ガス浄化用触媒が多孔質フィルター基材に担持されており、
排気ガス浄化用触媒が担持された多孔質フィルター基材の細孔径1μm以下の細孔の容積残存率が60%以上であり、且つ多孔質フィルター基材に担持された排気ガス浄化用触媒の量が15g/L以上である、排気ガス浄化用フィルター。 - 前記細孔の容積残存率が75%以上であり、且つ前記排気ガス浄化用触媒の量が35g/L以上である、請求項1に記載の排気ガス浄化用フィルター。
- 排気ガス浄化用触媒を含み、粘度が80〜500mPa・sであるスラリーを、多孔質フィルター基材に適用する適用工程:及び
適用工程においてスラリーが適用された多孔質フィルター基材を焼成する焼成工程;
を含む、排気ガス浄化用フィルターの製造方法。 - 前記スラリーの粘度が80〜150mPa・sである、請求項3に記載の製造方法。
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