JP2014080605A - 液晶組成物、液晶素子、並びに該液晶素子を用いたスクリーン及びディスプレイ - Google Patents

液晶組成物、液晶素子、並びに該液晶素子を用いたスクリーン及びディスプレイ Download PDF

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Yuzo Kaneko
祐三 金子
Noriyuki Kida
紀行 木田
Masami Kadowaki
雅美 門脇
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Abstract

【課題】PSCT方式の液晶素子に利用可能で、短時間での製造が可能であり、コントラストが高く、さらに無色で透明性の高い液晶素子に適した液晶組成物、液晶素子、スクリーン及びディスプレイを提供する。
【解決手段】誘電率異方性が正であるカイラルネマチック液晶、下記一般式(1)で表される重合開始剤及び下記一般式(2)で表される重合性モノマーを含有し、前記一般式(2)で表される重合性モノマーを10質量%以下含有することを特徴とする液晶組成物を
用いることで解決する。
Figure 2014080605

【選択図】なし

Description

本発明は、液晶組成物及び該液晶組成物を用いた液晶素子、並びに該液晶素子を用いたディスプレイ及びスクリーンに関する。更に詳しくは、偏光板を使用せず、かつ電圧無印加時に可視光に対して透過状態あるいは選択反射状態となり、電圧印加時に散乱状態となる、所謂リバースモードで使用可能な液晶素子に有効な液晶組成物、液晶素子、並びに該液晶素子を用いたディスプレイ及びスクリーンに関する。
従来、液晶と透明な高分子樹脂とを複合して液晶配向を固定化した液晶素子は高分子安定化液晶(PSLC;Polymer-Stabilized Liquid Crystals)と呼ばれ、優れた光学特性および応答特性を示すことで注目されており、ディスプレイ等に用いられている。この液晶素子として、AM(active matrix)素子に適する液晶組成物及び素子が開示されてい
る(特許文献1)。
液晶素子の中でも、液晶と透明な高分子樹脂とを複合して、高分子と液晶、または液晶ドメイン間の屈折率差を利用した、透過−散乱型液晶素子は、偏光板を必要としないため可視光の利用効率が高く、注目されている。透過−散乱型電気光学素子としては、PSLCに加え、高分子分散液晶(PDLC;Polymer Dispersed Liquid Crystals)が広く知
られている。前者は連続的に広がった液晶相中に微量のポリマーが網目状のネットワークとして連なっており、後者は高分子膜中に液晶相の液滴が分散した構造をしている(非特許文献1)。
これらの液晶素子は、電車、自動車等の車両、ビジネスビル、病院等の建物等の窓、扉、間仕切り等において、意匠性やプライバシーの保護等を目的とした調光シャッターとして実用化されている。また、文字や図形を表示する表示装置としても用いられている。
このような装置においては、一般に透明状態での使用時間が圧倒的に長いため、省電力の観点から、電圧無印加時に透明で、電圧印加時に散乱状態となるよう動作するリバースモードの電気光学効果を有することが望まれる。
このリバースモードの透過−散乱型電気光学素子を実現するためには、一般に、光硬化性の液晶組成物をホモジニアス、プレナー、ホメオトロピックなどの透明状態を保持したまま光硬化させて液晶と高分子樹脂の複合体を形成する方法が知られている。このような液晶素子として、PSLCとしては誘電異方性が正のカイラルネマチック液晶の相変化による可視光の透過散乱を利用するPSCT(Polymer Stabilized Cholesteric Texture)と、PDLCとしては誘電異方性が負の液晶を使用する方法が知られている。しかしながら、後者は、可視光透過率の温度依存性が大きい、視野角依存性が大きい、又は液晶が高価である等の問題がある。一方、前者は、可視光透過率の温度依存性が小さく可視光透過率の視野角依存性も小さく、また素子の応答速度も速い利点を有しており、有望視されている。
PSCT方式の液晶素子の製造法としては、誘電異方性が正のカイラルネマチック液晶中に微量の重合性モノマーと重合開始剤を相溶させた液晶組成物において、光重合によってカイラルネマチック液晶相と高分子樹脂相とに相分離させ、網目状のポリマーネットワークを形成させる方法が特許文献2に公開されている。
PSCT方式に用いられる重合性モノマーの特徴としては、一般に1)架橋性、2)直線型、3)剛直なコアを持つことが知られており(非特許文献2)、この重合性モノマー
として、特許文献3には、部分構造としてクロマン構造を有する硬化性化合物が挙げられており、該硬化性化合物に由来する樹脂およびカイラルネマチック液晶からなる、良好な光学特性を有する液晶素子が挙げられている。
また、特許文献4には、特定のモノマーを用いたPSCT方式を用いて、電気光学的構造として、切り替えの間のみ電力を必要とする反射モードが可能な電気光学デバイスが挙げられている。双安定なデバイスとしてコントラストを維持するために、組成物としてイオンを添加することが記載されている。
特許文献5には、硬化速度を改善した4,4‘−ビフェニレン骨格を有する硬化性化合物の硬化物と液晶を含む複合体が記載されている。また、特許文献6には、調光層の透明固体物質として4,4‘−ビスアクリロイルオキシビフェニル化合物の重合物を使用することが記載されており、高照度の紫外線照射により短時間で素子を製造している。
一方、紫外線照射による効率的な素子作製に関して、開始剤の要求特性や得られる素子等の相関について一般的には次のようなことが挙げられている(非特許文献3)。1)光源のスペクトルと光重合開始剤の感光波長域が重なり合う、2)組成物(モノマーなど)の吸収スペクトルと光重合開始剤のスペクトルが重ならない、3)ラジカル等の活性種を生成する能力(量子効率、モル吸光係数)が高い、4)生成された活性種の反応性が高い、5)酸素阻害を受けにくい、6)モノマー、オリゴマーと相溶性がよい、7)貯蔵安定性がよく、暗反応なども起こさない、8)黄変がない。
硬化速度の改善や短時間での素子製造のために、重合開始剤をモノマー量に対して多く用いることが示されている(特許文献5、特許文献6)。
また、アシルホスフィン系光重合開始剤と、特定の重合性化合物とを用いることで、透明性や機械特性等に優れる硬化膜が得られることが示されている(特許文献7、特許文献8)。
国際公開WO2011/092973 特表平6−507505号公報 特開平9−90328号公報 特表2005−527846号公報 特開2000−119656号公報 特開平5−224187号公報 特開2005−15473号公報 特開2012−226982号公報
Dierking, I. Adv Mater 2000, 12, 167 Yuhai Yin, Journal of Applied Polymer Science, Vol. 111, 1353-1357 (2009) 大和真樹, 日本印刷学会誌, 40, 168-175 (2002)
リバースモードPSCTの液晶素子において良好なコントラストを実現するためには、電圧無印加時におけるカイラルネマチック液晶と高分子樹脂の複合体中において、液晶のプレナー構造を安定に保持させる必要がある。従来、その特性はカイラルネマチック液晶と高分子樹脂の間の界面相互作用や高分子の構造形態に大きく依存していることが知られ
ているが、高分子前駆体の分子構造からそれら相互作用や構造形態を予測することはできていない。
近年の研究においては、高いコントラストを得るべくホスト液晶と高分子前駆体の相溶性を向上させるために、特許文献5のごとき液晶性モノマーを使用する方法が知られている。ところがこのようなモノマーを用いた場合でも、強い光で高速硬化しようとすると激しい相分離や、光源または反応熱に起因する温度上昇によって液晶構造が乱され、透明状態の透過率が低下するという困難が生じる。
さらに、上記特許文献3は、組成物硬化に数時間程度の長時間を要し、特許文献5は、硬化速度の改善がなされているが、なおも組成物硬化には数十分かかっており、製造性の点で満足のいくものではない。一方、特許文献6は、高照度の紫外線照射により短時間で素子を製造しているが、光学特性および駆動特性の点では、未だ満足のいくものではない。
特許文献4で用いられている特定のモノマーは、高分子樹脂相が液晶相の電圧印加駆動によって、機械的に破壊されたり、あるいは液晶分子が高分子樹脂相界面で界面相互作用を十分得られない場合があることを本発明者は見出した。その結果、液晶素子として透過散乱の十分なコントラストが得られない、又は、電圧印加時から電圧無印加とした時に、所望の光透過率となるまでの時間が長くなること等が考えられる。また、イオンの添加により、駆動電圧が高くなり、さらに耐久性が低下することも予想される。
特許文献1にはビス(メタ)アクリロイルオキシナフタレン化合物を溶解させた誘電異方性が負に大きな液晶組成物を用いて製造された、高いコントラストを示すAM素子が開示されているが、いずれも表示に偏光板を必要とする方式に適用された組成物であり、液晶素子の可視光透過率が小さく、光の利用効率が低い。
特許文献7,8は、硬化膜として最適なモノマー及び重合開始剤の組み合わせが開示されているが、高いコントラストや高速応答等の透過散乱を行う液晶組成物に関する課題について検討されておらず、最適な条件は開示されていない。
また、特許文献5及び6のようにモノマーに対する重合開始剤の添加量が多すぎる(特許文献5、モノマー5部に対して重合開始剤0.15部、特許文献6、モノマー2部に対して開始剤0.2部)と、重合開始剤の活性種生成能力によっては、液晶素子中に開始剤が残留し、素子の劣化や駆動特性へ悪影響を及ぼす可能性があり、また同時に素子の黄変等を招く可能性もある。このように、既存の技術においては、モノマーと開始剤との組み合わせや添加量に関しては必ずしも最適化されていない。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、PSCT方式の液晶素子に利用可能で、短時間での製造が可能であり、コントラストが高く、さらに無色で透明性の高い液晶素子に適した液晶組成物、液晶素子、スクリーン及びディスプレイを提供することを目的とするものである。
本発明者等は上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、カイラルネマチック液晶相と特定の高分子樹脂及び特定の重合開始剤を含有する液晶組成物を用いることで、該液晶組成物を用いて液晶素子を製造する際に、高照度・短時間で高速硬化させても、液晶のプレナー構造が乱されず更に得られた液晶素子において、駆動が劣化せず、リバースモードでの駆動が可能であり、高いコントラスト及び高速応答を示すことを見出し、本発明に到達した。
即ち、本発明の要旨は、以下に存する。
[1]誘電率異方性が正であるカイラルネマチック液晶、下記一般式(1)で表される重合開始剤及び下記一般式(2)で表される重合性モノマーを含有し、前記一般式(2)で表
される重合性モノマーを10質量%以下含有することを特徴とする液晶組成物。
Figure 2014080605
[一般式(1)において、
10は、14、15及び16族の元素から選ばれる1つの原子を表し、
11及びX12は、それぞれ独立に、置換基を有していても良いアルキル基、置換基を有していても良い芳香族炭化水素基又は置換基を有していても良い芳香族複素環基を表し、
13及びX14は、それぞれ独立に、直接結合、置換基を有していても良いアルキル基、置換基を有していても良い芳香族炭化水素基又は置換基を有していても良い芳香族複素環基を表し、
は、酸素原子、置換基を有していても良いアルキル基又は−O−R10基を表し、R10は水素原子、置換基を有していても良いアルキル基、置換基を有していても良い芳香族炭化水素基又は置換基を有していても良い芳香族複素環基を表し、
は、置換基を有していても良いアルキル基、置換基を有していても良い芳香族炭化水素基又は置換基を有していても良い芳香族複素環基を表し、
nは1以上、5以下の整数を表す。
一般式(2)において、
及びRは、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していても良いアルキル基又は不飽和脂肪酸アシル基を表し、
及びRは、それぞれ独立に、置換基を有していても良いアルキル基を表し、
Arは、置換基を有していても良い芳香族炭化水素基又は置換基を有していても良い芳香族複素環基を表し、
は1〜5の整数を表し、
及びmは、それぞれ独立に、0〜3の整数を表す。]
[2]前記一般式(1)において、X10が非金族又は半金属元素であることを特徴とす
る前記[1]に記載の液晶組成物。
[3] 前記カイラルネマチック液晶のカイラルピッチ長pが、0.3μm以上、3μm以
下であることを特徴とする前記[1]又は[2]記載の液晶組成物。
[4] 前記液晶組成物に対し、前記一般式(2)で表される重合性モノマーの含有割合をA質量%、前記一般式(1)で表される重合開始剤の含有割合をB質量%とすると、B/
Aが、0.001以上、0.4以下であることを特徴とする前記[1]〜[3]のいずれか1に記載の液晶組成物。
[5] 液晶-等方相転移温度が40℃以上であることを特徴とする前記[1]〜[4]のいず
れか1に記載の液晶組成物。
[6] 少なくとも一方が透明な基板であり、対向して配置される一対の電極付き基板と
、該基板間にカイラルネマチック液晶と高分子樹脂の複合体を含む液晶調光層を挟持してなる液晶素子において、カイラルネマチック液晶と高分子樹脂の複合体が、前記[1]〜[
5]のいずれか1に記載の液晶組成物を光硬化させて得られたものであることを特徴とす
る液晶素子。
[7] 電圧印加時の液晶素子の可視光透過率が、電圧無印加時の可視光透過率よりも低
下する電圧の領域が存在することを特徴とする前記[6]に記載の液晶素子。
[8] 前記電極付き基板間の距離dが、100μm≧d≧2μmであり、前記カイラルネマチック液晶のカイラルピッチ長pとdの関係が、d/p≧1であることを特徴とする前記[6]又は[7]に記載の液晶素子。
[9] 直流電圧及び交流電圧のうち少なくとも一方の印加時のヘイズが70%以上であり、電圧無印加時のヘイズが15%以下であることを特徴とする前記[6]〜[8]の何れか1に記載の液晶素子。
[10] −10℃以上の温度範囲で、液晶素子の直流電圧及び交流電圧のうち少なくとも一方の無印加時の可視光透過率を100%、直流電圧及び交流電圧のうち少なくとも一方の印加により減少し最小となった時の可視光透過率を0%と規格化したとき、直流電圧及び交流電圧のうち少なくとも一方を印加した時から可視光透過率が10%となるまでの時間ならびに、直流電圧及び交流電圧のうち少なくとも一方を無印加とした時から可視光透過率が90%となるまでの時間が、それぞれ8msec以下であることを特徴とする前記[6]〜[9]の何れか1に記載の液晶素子。
[11] 前記[6]〜[10]の何れか1に記載の液晶素子を有するスクリーン。
[12] 前記[6]〜[10]のいずれか1に記載の液晶素子を有するディスプレイ。
本発明の液晶組成物は、該液晶組成物を用いて液晶素子を製造する際に、高照度・短時間で高速硬化させても、液晶のプレナー構造が乱されない。また更に得られた液晶素子は、駆動が劣化せず、リバースモードでの駆動が可能であり、可視光の利用効率が高く、温度依存性及び視野角依存性が小さく、高いコントラスト及び高速応答が可能である。本発明の液晶組成物を用いて得られた液晶素子は、これらの特性からスクリーン及びディスプレイ等に用いることが有用である。例えば、建物の窓、パーテーション及びショーウインドウ等の視野遮断のためのスクリーンを、高速応答性を以って電気的に表示を切り替えることにより、公告板、コンピューター端末、プロジェクション等のディスプレイやスクリーンとして利用することができる。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の実施態様の一例(代表例)であり、これらの内容に特定されない。
本発明は、誘電率異方性が正であるカイラルネマチック液晶、下記一般式(1)で表される重合開始剤及び下記一般式(2)で表される重合性モノマーを含有し、前記一般式(2)で表される重合性モノマーを10質量%以下含有することを特徴とする液晶組成物で
ある。
Figure 2014080605
[一般式(1)において、
10は、14、15及び16族の元素から選ばれる1つの原子を表し、
11及びX12は、それぞれ独立に、置換基を有していても良いアルキル基、置換基を有していても良い芳香族炭化水素基又は置換基を有していても良い芳香族複素環基を表し、
13及びX14は、それぞれ独立に、直接結合、置換基を有していても良いアルキル基、置換基を有していても良い芳香族炭化水素基又は置換基を有していても良い芳香族複素環基を表し、
は、酸素原子、置換基を有していても良いアルキル基又は−O−R10基を表し、R10は水素原子、置換基を有していても良いアルキル基、置換基を有していても良い芳香族炭化水素基又は置換基を有していても良い芳香族複素環基を表し、
は、置換基を有していても良いアルキル基、置換基を有していても良い芳香族炭化水素基又は置換基を有していても良い芳香族複素環基を表し、
nは1〜5の整数を表す。
一般式(2)において、
及びRは、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していても良いアルキル基又は不飽和脂肪酸アシル基を表し、
及びRは、それぞれ独立に、置換基を有していても良いアルキル基を表し、
Arは、置換基を有していても良い芳香族炭化水素基又は置換基を有していても良い芳香族複素環基を表し、
は1〜5の整数を表し、
及びmは、それぞれ独立に、0〜3の整数を表す。]
上記本発明の液晶組成物が、上述した本発明の効果を得られる要因は必ずしも明らかではない。しかし、上記一般式(1)で表される重合開始剤から重合時に発生するラジカルが複数存在することで、液晶素子の劣化や駆動に悪影響を及ぼす重合開始剤の添加量を少なくすることができると考えられる。
また、上記一般式(2)で表されるモノマーと上記一般式(1)重合開始剤の組み合わせにより、重合モノマーの吸収波長と開始剤の吸収波長の重なり合いを低減できる。従って、重合開始剤のラジカル生成能力を向上させることができ、液晶素子中に重合開始剤が残留することを防ぎ、素子の劣化や駆動特性への悪影響や素子の黄変等の問題を防ぐことができると考えられる。
さらに、上記重合性モノマーがカイラルネマチック液晶に対し、プレナー構造を記憶するに好適な構造形態をとり、かつ高分子樹脂中のナフタレン環がカイラルネマチック液晶に有用な界面相互作用を示すため、本発明の効果を得られる要因と考えられる。
また、本発明は、一般式(2)で表される重合性モノマーを10質量%以下含有するこ
とで、電圧無印加時におけるカイラルネマチック液晶と高分子樹脂の複合体中において、液晶のプレナー構造を安定に保持することができ、高コントラスト・高速応答が可能なリバースモードPSCTの液晶素子とすることができる。また、十分な機械的強度も持ちつつ、高照度・短時間で高速硬化させても駆動が劣化しない。
<一般式(1)で表される重合開始剤>
本発明の液晶組成物に用いられる重合開始剤は、上記一般式(1)で表される構造であれば、特に限定されず、エネルギーを与えた際に複数のラジカルを発生するものであることが好ましい。
10は、14、15及び16族の元素から選ばれる1つの原子を表す。この中でも、非金属元素又は半金属元素であることがラジカル発生効率の点から好ましく、特に非金属元素であることが好ましい。非金属元素の中でも、リン原子、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、炭素原子が特にラジカル発生効率の点から好ましい。
11及びX12は、それぞれ独立に、置換基を有していても良いアルキル基、置換基を有していても良い芳香族炭化水素基又は置換基を有していても良い芳香族複素環基を表す。
11及びX12の置換基を有していても良いアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基等の直鎖のアルキル基;イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソオクチル基、イソノニル基等の分岐アルキル基;シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロプロピルメチル基、シクロヘキシルメチル基、4−ブチルメチルシクロヘキシル基等の環状アルキル基等が挙げられる。この中でも炭素数1以上であることが好ましく、一方、炭素数20以下であることが好ましく、炭素数16以下であることが、重合時の光吸収波長が長波長化し、反応しやすくなるため好ましい。
また、X11及びX12のアルキル基が有していても良い置換基としては、ハロゲン原子、炭素数が1〜20のアルコキシ基、炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基又はシアノ基等が挙げられる。
11及びX12の置換基を有していても良い芳香族炭化水素基としては、単環、あるいはこれが2〜4個縮合してなる縮合環から、水素原子を1個除いて得られる1価の基が挙げられ、具体例としては、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ペリレン環、テトラセン環、ピレン環、ベンズピレン環、クリセン環、トリフェニレン環、アセナフテン環、フルオランテン環、フルオレン環などの基が挙げられる。この中でも、炭素数6以上であることが好ましく、また炭素数が18以下、さらには14以下であることが、重合時の光吸収波長が長波長化し、重合モノマーとの吸収波長の重なりを低減でき、重合開始剤のラジカル発生効率が高まるため好ましい。
11及びX12の置換基を有していても良い芳香族複素環基としては、単環か、あるいはこれが2〜4個縮合してなる縮合環から、水素原子を1個除いて得られる1価の基が挙げられ、具体例としては、フラン環、ベンゾフラン環、チオフェン環、ベンゾチオフェン環、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、オキサジアゾール環、インドール環、カルバゾール環、ピロロイミダゾール環、ピロロピラゾール環、ピロロピロール環、チエノピロール環、チエノチオフェン環、フロピロール環、フロフラン環、チエノフラン環、ベンゾイソオキサゾール環、ベンゾイソチアゾール環、ベンゾイミダゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、トリアジン環、キノリン環、イソキノリン環、シノリン環、キノキサリン環、フェナントリジン環、ベンゾイミダゾール環、ペリミジン環、キナゾリン環、キナゾリノン環、アズレン環などの基が挙げられる。この中でも、炭素数1以上であることが好ましく、また、炭素数が18以下、さらには14以下であることが、重合時の光吸収波長が長波長化し、重合モノマーとの吸収波長の重なりを低減でき、重合開始剤のラジカル発生効率が高まるため好ましい。
11及びX12の芳香族炭化水素基及び芳香族複素環基が有していても良い置換基としては、本発明の効果を損なわない範囲であれば特に限定されないが、ハロゲン原子、炭素数が1〜20のアルキル基、炭素数が1〜20のアルコキシ基、芳香族炭化水素基及び芳香族複素環基等が挙げられる。
11及びX12は上記の中でも、置換基を有する芳香族炭化水素が重合時の光吸収波長が長波長化し、反応しやすくなるため特に好ましい。また、X11及びX12は同一でも異なっていても良いが、重合時の反応制御のしやすさから同一であることが好ましい。
は、酸素原子、又置換基を有していても良いアルキル基又は−O−R10基を表す。
の置換基を有していても良いアルキル基としては、具体的にはX11で挙げたものと同義であり、有していてもよい置換基も同義である。この中でも炭素数1以上であることが好ましく、また、炭素数20以下であることが好ましく、炭素数16以下であることが、重合時の光吸収波長が長波長化し、重合モノマーとの吸収波長の重なりを低減でき、
さらに、重合開始剤のラジカル発生効率が高まるため好ましい。
10は水素原子、置換基を有していても良いアルキル基、置換基を有していても良い芳香族炭化水素基又は置換基を有していても良い芳香族複素環基を表す。
10の置換基を有していても良いアルキル基の具体例としては、X11のアルキル基と同義であり、有していても良い置換基も同義である。R10の置換基を有していても良いアルキル基としては、炭素数1以上であることが好ましく、また、炭素数が15以下であることが好ましく、10以下であることが更に好ましく、5以下であることが更に好ましく、特に3以下であることが重合時の光吸収波長が長波長化し、重合モノマーとの吸収波長の重なりを低減でき、重合開始剤のラジカル発生効率が高まるため好ましい。
また、R10の置換基を有していても良い芳香族炭化水素基及び置換基を有していても良い芳香族複素環基としては、X11及びX12と同義であり、有していても良い置換基も同義である。R10の置換基を有していても良い芳香族炭化水素基としては、炭素数6以上であることが好ましく、また、炭素数が18以下であることが好ましく、14以下であることが、重合時の光吸収波長が長波長化し、重合モノマーとの吸収波長の重なりを低減でき、重合開始剤のラジカル発生効率が高まるため好ましい。
10の置換基を有していても良い芳香族複素環基としては、炭素数1以上であることが好ましく、また、炭素数が18以下であることが好ましく、14以下であることが、重合時の光吸収波長が長波長化し、重合モノマーとの吸収波長の重なりを低減でき、重合開始剤のラジカル発生効率が高まるため好ましい。
上記の中でも、Aは、酸素原子;炭素数1以上、4以下のアルキル基;R10の炭素数5以下、更に好ましくは3以下のアルキル基である−O−R10基であることが、重合時の光吸収波長が長波長化し、重合モノマーとの吸収波長の重なりを低減でき、重合開始剤のラジカル発生効率が高まるため好ましい。
なお、表記の都合上AとX10との結合を単結合で表すが、Aが酸素原子の場合は、該結合は二重結合となる。
は、置換基を有していても良いアルキル基、置換基を有していても良い芳香族炭化水素基又は置換基を有していても良い芳香族複素環基を表す。
の置換基を有していても良いアルキル基の具体例としては、Aのアルキル基と同義であり、有していても良い置換基も同義である。Aの置換基を有していても良いアルキル基としては、炭素数1以上であることが好ましく、また、炭素数が20以下であることが好ましく、16以下であることが、重合時の光吸収波長が長波長化し、重合モノマーとの吸収波長の重なりを低減でき、重合開始剤のラジカル発生効率が高まるため好ましい。また、Aの置換基を有していても良い芳香族炭化水素基及び置換基を有していても良い芳香族複素環基としては、X11及びX12と同義であり、有していても良い置換基も同義である。Aの置換基を有していても良い芳香族炭化水素基としては、炭素数6以上であることが好ましく、また、炭素数が18以下であることが好ましく、14以下であることが、重合時の光吸収波長が長波長化し、重合モノマーとの吸収波長の重なりを低減でき、重合開始剤のラジカル発生効率が高まるため好ましい。
の置換基を有していても良い芳香族複素環基としては、炭素数1以上であることが好ましく、また、炭素数が18以下であることが好ましく、14以下であることが、重合時の光吸収波長が長波長化し、重合モノマーとの吸収波長の重なりを低減でき、重合開始剤のラジカル発生効率が高まるため好ましい。
この中でも、Aは置換基を有していても良いアルキル基、置換基を有していても良い芳香族炭化水素基であることが、重合時の光吸収波長が長波長化し、重合モノマーとの吸収波長の重なりを低減でき、重合開始剤のラジカル発生効率が高まるため特に好ましい。
13及びX14は、それぞれ独立に、直接結合、置換基を有していても良いアルキル基、置換基を有していても良い芳香族炭化水素基又は置換基を有していても良い芳香族複素環基を表す。
10の置換基を有していても良いアルキル基の具体例としては、X11のアルキル基と同義であり、有していても良い置換基も同義である。X13及びX14の置換基を有していても良いアルキル基としては、それぞれ独立に、炭素数1以上であることが好ましく、また、炭素数が20以下であることが好ましく、15以下であることが、重合時の光吸収波長が長波長化し、重合モノマーとの吸収波長の重なりを低減でき、重合開始剤のラジカル発生効率が高まるため好ましい。また、X13及びX14の置換基を有していても良い芳香族炭化水素基及び置換基を有していても良い芳香族複素環基としては、X11と同義であり、有していても良い置換基も同義である。X13及びX14の置換基を有していても良い芳香族炭化水素基としては、炭素数6以上であることが好ましく、また、炭素数が18以下であることが好ましく、14以下であることが、重合時の光吸収波長が長波長化し、重合モノマーとの吸収波長の重なりを低減でき、重合開始剤のラジカル発生効率が高まるため好ましい。
13及びX14の置換基を有していても良い芳香族複素環基としては、炭素数1以上であることが好ましく、また、炭素数が18以下であることが好ましく、14以下であることが、重合時の光吸収波長が長波長化し、重合モノマーとの吸収波長の重なりを低減でき、重合開始剤のラジカル発生効率が高まるため好ましい。
この中でも、X13及びX14は、直接結合又は置換基を有していても良い芳香族炭化水素基であることが、反応性の点から好ましい。また、X13及びX14は同一でもよく、異なっていても良いが、反応性の点から同一であることが好ましい。
nは整数を表し、本発明の効果を損なわない範囲であれば上限は特に限定されないが、5以下であることが好ましく、3以下であることが、貯蔵安定性及び重合時の暗反応防止のために好ましい。nが2以上の場合、上記一般式(1)で表される重合開始剤は複数のAを有することになるが、複数のAは同一であっても異なっていても良い。また、A、X14、X13についても、それぞれ同様である。
一般式(1)で表される重合開始剤の具体例を以下に示すが、これに限定されるものではない。
Figure 2014080605
Figure 2014080605
上記X20、X20´は、それぞれ独立に、14〜16族の原子を表し、R20〜R23は、それぞれ独立に置換を有していても良い炭素数1〜20のアルキル基を表す。また、上記フェニル基、フェニレン基は炭素数1〜10のアルキル基を有していても良い。
一般式(1)で表される重合開始剤は1種類でもよく、また複数を組み合わせて用いて
もよい。また、本発明の効果を損なわない範囲で、一般式(1)で表される重合開始剤以外の他の重合開始剤を用いてもよい。分子構造には特に制限はないが、ホスト液晶への溶解可能な化合物を選択するのが好ましい。また、本発明の液晶組成物を構成する分子は典型的に波長350nm以下の紫外光吸収を持つため、ラジカル重合開始剤自身は波長350nm以上の光でラジカル化するものを選択するのが好ましい。
他の、ラジカル重合開始剤として、アシルフォスフィンオキサイド系、アルキルフェノン系、チタノセノン系、多ハロゲン化合物、シアニン色素のアルキルホウ素塩、トリアリールイミダゾール等が挙げられる。具体的には、アルファ、アルファ―ジメトキシ−アルファ―フェニルアセトフェノン(商品名IRGACURE651 BASF社製)、2−メチル−1−(4−(メチルチオ)フェニル)−2−(4−モルフォリニル)−1−プロパノン(商品名IRGACURE907 BASF社製)、2−ベンジル−2−(ジメチルアミノ)−1−(4−(4−モルフォリニル)フェニル)−1−ブタノン(商品名IRGACURE369 BASF社製) 等が挙げられる。
一般式(1)で 表される重合開始剤の含有割合は、液晶組成物中、通常、0.01質
量%以上、好ましくは0.05質量%以上であり、一方、通常、5質量%以下、好ましくは、1質量%以下である。この範囲であることで、重合が十分し、液晶組成物から得られる液晶素子の繰り返し耐久性及び透明時のヘイズが向上する傾向がある。
また、一般式(1)で表される重合開始剤のほかに、他の重合開始剤を用いる場合は、上記の範囲内で用いることが好ましく、また、一般式(1)であらわされる重合開始剤と他の重合開始剤の割合は50:50〜70:30であることが、本発明の効果を得るために好ましい。
また、液晶組成物に対し、一般式(2)で表される重合性モノマーの含有割合をA質量%、一般式(1)で表されるラジカル重合開始剤の含有割合をB質量%とすると、B/A
が0.001以上であることが好ましく、0.003以上であることが更に好ましい。また、0.4以下であることが好ましく、0.35以下であることが更に好ましい。B/A
が適当な範囲にあることで、重合性モノマーの重合が十分進行し、液晶素子の繰り返し耐久性が得られ、且つヘイズも好ましい値となる場合がある。
又、上記その他の成分の含有量は、本発明の液晶組成物の性能を損なわない範囲の任意の割合で配合することができる。
<重合性モノマー>
一般にPSCTでは、液晶相に対する高分子樹脂相の割合が10質量%以下と小さいために、高分子樹脂相が液晶相の電圧印加駆動によって、機械的に破壊されたり、あるいは液晶分子が高分子樹脂相界面で界面相互作用を十分得られない場合がある。その結果、液晶素子として十分なコントラストが得られない、又は、直流電圧及び/又は交流電圧印加時から、直流電圧及び/又は交流電圧無印加とした時に、所望の光透過率となるまでの時間が長くなること等が考えられる。
なお、上記液晶素子を「素子」と、直流電圧及び/又は交流電圧印加を「ON」と、直流電圧及び/又は交流電圧無印加を「OFF」と、所望の光透過率となるまでの時間を「応答時間」と表現することがある。
本発明の重合性モノマーは、芳香環構造由来と考えられる液晶への溶解性向上により、液晶相に対する高分子樹脂相の割合が10質量%以下であっても、十分な機械的強度も持つことが可能となる。さらに、液晶に対するアンカリング効果(界面相互作用によって液晶分子が特定の向きに配向する効果)のため、電源印加から電源無印加への応答時間が十分速くなるという効果が得られる。
<一般式(2)で表される重合性モノマー>
本発明の液晶組成物に含まれる式(2)で表される重合性モノマーは、1種類でもよく、複数種を用いてもよい。
Figure 2014080605
一般式(2)において、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していても良いアルキル基又は不飽和脂肪酸アシル基を表し、
及びRは、それぞれ独立に、置換基を有していても良いアルキル基を表し、
Arは、置換基を有していても良い芳香族炭化水素基又は置換基を有していても良い芳香族複素環基を表し、
は1〜5の整数を表し、
及びmは、それぞれ独立に、0〜3の整数を表す。
及びRの置換基を有していても良いアルキル基の具体例としては、一般式(1)のAで挙げたアルキル基と同義であり、有していても良い置換基も同義である。この中でも炭素数が10以下であることが好ましく、6以下であることが更に好ましい。この範囲であることで、モノマーの高反応性とアンカリング効果の維持による、液晶素子としての応答時間の向上効果が得られる場合がある。
及びRの不飽和脂肪酸アシル基としては、不飽和結合として、2重結合及び3重結合のものが挙げられ、具体的には、アクリロイル基、プロピオロイル基、メタクリロイル基、クロトノイル基、イソクロトノイル基、オレオイル基、エライドイル基等が挙げられる。この中でも、2重結合を有する不飽和脂肪酸アシル基が、重合の高い反応性を示すため好ましく、アクリロイル基、メタクリロイル基、クロトノイル基及びイソクロトノイル基が特に好ましい。
また、R及びRの少なくとも1方が不飽和脂肪酸アシル基であることが、重合反応性の点から好ましく、さらには両方が不飽和脂肪酸アシル基であることが更に好ましい。
及びRの置換基を有していても良いアルキル基の具体例としては、一般式(1)のAで挙げたアルキル基と同義であり、有していても良い置換基も同義である。この中でも炭素数が10以下であることが好ましく、6以下であることが更に好ましい。一方、炭素数が1以上であることがこのましい。この範囲であることで、液晶との相溶性向上や液晶素子の高コントラストの効果が得られる場合がある。
Arは、置換基を有していても良い芳香族炭化水素基又は置換基を有していても良い芳香族複素環基を表す。
Arの置換基を有していても良い芳香族炭化水素基及び置換基を有していても良い芳香族複素環基としては、本発明の効果を損なわないものであれば特に限定はされないが、単環、あるいはこれが2〜4個縮合してなる縮合環から、水素原子を2個除いて得られる2価の基であり、具体例としては、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ペリレン環、テトラセン環、ピレン環、ベンズピレン環、クリセン環、トリフェニレン環、アセナフテン環、フルオランテン環、フルオレン環などの基が挙げられる。
この中でも、Arの置換基を有していても良い芳香族炭化水素基としては、炭素数6以上であることが好ましく、また、炭素数が18以下であることが好ましく、14以下であることが、重合反応の容易性及び重合時の硬化性の点から好ましい。
また、複数の環が縮合した、縮合環であることが、重合時の硬化性の点から好ましい。
具体的には、以下の構造等が挙げられる。
Figure 2014080605
Arの置換基を有しても良い2価の芳香族炭化水素環基としては、上記の中でも特に以下の構造であることが、高分子前駆体の硬化性が高く好ましい。
Figure 2014080605
Arの芳香族炭化水素環基が有していても良い置換基としては、フッ素原子、塩素原子、ヒドロキシル基、シアノ基、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、イソプロポキシ基、n-ブチル基、イソブチル基、t-ブチル基等が挙げられ、高分子前駆体の硬化性の点から、好ましくはフッ素原子、ヒドロキシル基、シアノ基、メチル基、メトキシ基である。
Arの置換基を有しても良い芳香族複素環基としては、本発明の効果を損なわないものであれば特に限定はされないが、 単環、あるいはこれが2〜4個縮合してなる縮合環から、水素原子を2個除いて得られる2価の基であり、具体例としては、フラン環、ベンゾフラン環、チオフェン環、ベンゾチオフェン環、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、オキサジアゾール環、インドール環、カルバゾール環、ピロロイミダゾール環、ピロロピラゾール環、ピロロピロール環、チエノピロール環、チエノチオフェン環、フロピロール環、フロフラン環、チエノフラン環、ベンゾイソオキサゾール環、ベンゾイソチアゾール環、ベンゾイミダゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、トリアジン環、キノリン環、イソキノリン環、シノリン環、キノキサリン環、フェナントリジン環、ベンゾイミダゾール環、ペリミジン環、キナゾリン環、キナゾリノン環、アズレン環などの基が挙げられる。
この中でも、炭素数が6以上であることが好ましく、一方、30以下、さら26以下、特に18以下であることが、重合時の硬化性の点から好ましい。また、複数の環が縮合した縮合環であることが、重合時の硬化性の点から好ましい。
具体的には、以下の構造等が挙げられる。
Figure 2014080605
Arの置換基を有しても良い芳香族複素環基としては、上記の中でも特に以下の構造であることが、高分子前駆体の硬化性が高く好ましい。
Figure 2014080605
Arの2価の芳香族複素環基が有していても良い置換基としては、フッ素原子、塩素原子、ヒドロキシル基、シアノ基、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、イソプロポキシ基、n-ブチル基、イソブチル基、t-ブチル基等が挙げられ、高分子前駆体の硬化性の点から、好ましくはフッ素原子、ヒドロキシル基、シアノ基、メチル基、メトキシ基である。
は1〜5の整数を表し、本発明の効果を得ることができれば特に限定されないが、液晶への溶解性及び、重合反応性の点から3以下が好ましく、2以下が更に好ましくい。mが2以上の場合、上記一般式(2)で表される重合性モノマーは複数のArを有することになるが、複数のArは同一であっても異なっていても良い。
及びmは、それぞれ独立に、0〜3の整数を表し、本発明の効果を得ることができれば特に限定されないが、液晶との相溶性向上や液晶素子の高コントラストの点から2以下が好ましく、1又は0が更に好ましい。また、m及びmは、重合反応性や相分離構造の安定化の点から同じであることが好ましい。
及びmが2以上の場合、上記一般式(2)で表される重合性モノマーは、複数のR、Rを有することになるが、複数のR、Rは同一であっても異なっていても良い。
前記一般式(2)で表される重合性モノマーの中でも、以下一般式(3)で表される重
合性モノマーを用いることが、重合容易性及び硬化性の観点から好ましい。
Figure 2014080605
一般式(3)において、R40及びR41は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していても良いアルキル基を表し、
及びRは、それぞれ独立に、置換基を有していても良いアルキル基を表し、
Arは、置換基を有していても良い2価のベンゼン環又はナフタレン環を表し、
は1〜3の整数を表し、
及びtは、それぞれ独立に、0〜3の整数を表す。
40及びR41は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していても良いアルキル基を表す。
置換基を有していてもよいアルキル基としては、一般式(1)のAで挙げたアルキル基と同義であり、有していても良い置換基も同義である。この中でも炭素数が6以下であることが好ましく、3以下であることが更に好ましい。一方、1以上が好ましい。この範囲であることで、液晶との相溶性向上や重合容易性及び硬化性向上の効果が得られる場合がある。
及びRは、それぞれ独立に、置換基を有していても良いアルキル基を表し、一般式(2)のR及びRと同義であり、有していてもよい置換基も同義である。この中でも炭素数が10以下であることが好ましく、6以下であることが更に好ましい。一方、炭素数が1以上であることがこのましい。この範囲であることで液晶との相溶性向上や液晶素子の高コントラストの効果が得られる場合がある。
は1〜3の整数を表し、t及びtは、それぞれ独立に、0〜3の整数を表す。
は液晶への溶解性及び重合反応性の点から3以下であり、2以下が更に好ましくい。mが2以上の場合、上記一般式(3)で表される重合性モノマーは複数のArを有することになるが、複数のArは同一であっても異なっていても良い。
及びtは、それぞれ独立に、0〜3の整数を表し、本発明の効果を得ることができれば特に限定されないが、液晶との相溶性向上や液晶素子の高コントラストの点から2以下が好ましく、1又は0が更に好ましい。また、m及びmは、重合反応性や相分離構造の安定化の点から同じであることが好ましい。
及びtが2以上の場合、上記一般式(3)で表される重合性モノマーは、複数のR、Rを有することになるが、複数のR、Rは同一であっても異なっていても良い。
一般式(3)の中でも、一般式(4)で表される重合性モノマーを用いることが、機械的な強度を十分に持ちつつ、しかもナフタレン環が由来と考えられるアンカリング効果により、電源印加から電源無印加への応答時間が十分速くなるという効果が得られるため好ましい。これは、ナフタレン環に結合する重合2本の重合主鎖をナフタレン環がはしご状に架橋しており、非常に剛直な構造となっており、機械的な強度を十分に持つためであると考えられる。
ナフタレン環に結合する重合主鎖が1本の場合、高分子樹脂相の機械的強度が十分得られず、一方で3本の場合、繰り返し単位間の立体障害が大きく、高分子樹脂相を形成する際に、連続的に広がったカイラルネマチック液晶相中に微量のポリマーが網目状のネットワークとして連なる構造(ポリマーネットワーク構造)が十分発達しないうちに重合主鎖
が途切れてしまうことがある。
Figure 2014080605
一般式(4)において、
は置換基を有していても良いアルキル基を表し、
42は水素原子又は置換基を有していても良いアルキル基を表し、
は0〜3の整数を表し、
wは1から3の整数を表し、X31は、下記一般式(5)で表される基を表し、
Figure 2014080605
一般式(5)中、X32は、直接結合または以下の群から選択される1つの連結基を表し、
Figure 2014080605
33は、直接結合または以下の群から選択される1つの連結基を表し、
Figure 2014080605
31は、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、炭素数1以上、7以下の直鎖状
又は分枝状アルキル基、炭素数1以上7以下の直鎖状又は分枝状アルコキシ基又はシアノ
基を表し、w´は1から3の整数を表す。
の置換基を有していても良いアルキル基としては、一般式(2)のR及びRと同義であり、有していてもよい置換基も同義である。この中でも炭素数が10以下であることが好ましく、6以下であることが更に好ましい。一方、炭素数が1以上であることがこのましい。この範囲であることで、液晶との相溶性及び重合し易い傾向にある。また、直鎖のアルキル基であることが、重合のしやすさの点から好ましい。
42は水素原子又は置換基を有していても良いアルキル基を表す。
42の置換基を有していても良いアルキル基としては、具体的には一般式(1)のX11で挙げたアルキル基と同義であり、有していても良い置換基も同義である。
この中でも、炭素数が10以下であることが好ましく、炭素数5以下であることが更に好ましく、さらに炭素数が3以下であることが液晶との相溶性及び重合のし易さの点から好ましい。一方、炭素数は1以上であることが好ましい。
また、一般式(4)で表される重合性モノマー1分子中に2つ存在するR42は同一であっても異なっていても良い。
は0〜3の整数を表し、一般式(4)で表される重合性モノマー1分子中に2以上存在するRは同一であっても異なっていてもよい。kは、液晶との相溶性及び重合のし易さの点から、3以下であり、好ましくは2以下であり、特に好ましくは0又は1である。 特定の範囲であることで、ナフタレン環と液晶分子との界面相互作用を立体的に害しない傾向にある。
42を含むナフタレン環の側鎖の置換位置は特に限定されないが、ナフタレン環を含む棒状構造にすれば、カイラルネマチック液晶相との界面相互作用により、液晶素子のコントラストが向上する場合があるため好ましい。その中でも、1位に対する4位、5位及び6位、2位に対する3位及び6位、3位に対する7位、8位に対する4位及び5位が特に好ましい。
上記一般式(4)で表される重合モノマー中のナフタレン環が、一般式(5)で表される置換基を有することにより、高分子樹脂相の液晶性を制御することができる場合がある。例えば液晶性を向上させるためには、一般式(5)のR31は、炭素数3以上7以下の直鎖状もしくは分枝状アルキル基、炭素数3以上7以下の直鎖状アルコキシ基であることが好ましい。
一般式(5)の置換位置は特に限定されないが、好ましくは対向位置(1位に対する4位および5位、2位に対する6位、3位に対する7位、8位に対する4位および5位)にそれぞれ上記一般式(5)で表される置換基をつけ、上記一般式(5)における側鎖を、ナフタレン環を含む棒状構造にすれば、カイラルネマチック液晶相との界面相互作用により、液晶素子のコントラストが向上する場合があるため好ましい。
wは1から3の整数を表し、wが2以上の場合、一般式(4)で表される重合性モノマー1分子中に含まれるX31は同一であっても異なっていても良い。wが大きすぎないことで、ナフタレン環と液晶分子との界面相互作用を立体的に害さない傾向にあるため、2以下であることが好ましく、1がより好ましい。
32は、直接結合または以下の群から選択される1つの連結基を表す。
Figure 2014080605
この中でも、X32は直接結合または、以下の群から選択される1つの連結基であることで、高分子樹脂相が可視光に対し吸収を持たず、透明性の高い液晶素子を得ることができる場合があるため好ましく、より好ましくは直接結合である。
Figure 2014080605
33は、直接結合または以下の群から選択される1つの連結基を表す。
Figure 2014080605
この中でも、X33は直接結合または、以下の群から選択される1つの連結基であることで、高分子樹脂相の耐久性を高くできる場合があるため好ましく、より好ましくは直接結合である。
Figure 2014080605
w´は1から3の整数を表し、w´が2以上の場合、1分子中に2以上存在する−X32−X33−は同一であっても異なっていてもよい。
w´は2以下であれば高分子樹脂相が可視光に対し吸収を持たず、透明性の高い液晶素子を得ることができる場合があるため好ましく、より好ましくは1である。
31は、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、炭素数1以上7以下の直鎖状又
は分枝状アルキル基、炭素数1以上7以下の直鎖状又は分枝状アルコキシ基又はシアノ基
を表す。
炭素数1以上7以下の直鎖状アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル
基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基が挙げられ、炭素数1以上7以下の分枝状アルキル基としては、イソプロピル基、イソブチル基、t−ブチ
ル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基、2−エチルペンチル基、3−エチルペンチル基、4−エチルペンチル基などが挙げられる。
炭素数1以上7以下の直鎖状アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プ
ロポキシ基、n−ブトキシ基、n−ペントキシ基、n−ヘキトキシ基、n−ヘプトキシ基が挙げられ、炭素数1以上7以下の分枝状アルコキシ基としては、イソプロポキシ基、イ
ソブトキシ基、t−ブトキシ基、2−メチルペントキシ基、3−メチルペントキシ基、4−メチルペントキシ基、2−エチルペントキシ基、3−エチルペントキシ基、4−エチルペントキシ基などが挙げられる。
この中でも、水素原子、炭素数1以上7以下の直鎖状アルキル基、又は炭素数1以上7以下の直鎖状アルコキシ基であることで、高分子樹脂相の耐久性を高くできる場合があるため好ましく、より好ましくは水素原子、メチル基、メトキシ基である。
一般式(2)で表される重合性モノマーの具体例を以下に例示する。本発明はその要旨を超えない限りこれらに限定されるものではない。
Figure 2014080605
<他の重合性モノマー>
本発明の液晶組成物は、上記式(2)で表される重合性モノマー以外に、本発明の効果を損なわない範囲において、他の重合性モノマーを有していてもよい。
具体的には、(メタ)アクリル系又はビニル系等の、1つ又は2つ以上のエチレン性不飽和二重結合を有する他の重合性モノマー、及び、1つのエチレン性不飽和二重結合を有
する重合性のオリゴマー等を含み、硬化反応により上記式(13)で表される重合性モノマーと共重合させてもよい。
例えば、日本国特開平9−90328号公報に記載の1官能(メタ)アクリルモノマー、2官能(メタ)アクリルモノマー、3官能以上の多官能(メタ)アクリルモノマー等の重合性モノマー、および(メタ)アクリルオリゴマー等の重合性のオリゴマー等が使用できる。
ビニルモノマーとしては、スチレン、クロロスチレン、α−メチルスチレン、ジビニルベンゼン等が挙げられる。
本発明の液晶素子が有する上記式(2)で表される重合性モノマーと他の重合性モノマーの比率は、本発明の効果を損なわない範囲であれば特に限定されないが、上記式(2)で表される重合性モノマーが30質量%以上であるのが好ましく、更に好ましくは50質量%以上、最も好ましくは80質量%以上である。
上記式(2)で表される重合性モノマーの割合が少なすぎると、短時間での液晶素子製造、高いコントラスト、短い応答時間のいずれか、もしくは複数が十分ではなくなる場合がある。また、上記式(2)で表される重合性モノマーの上限は、100質量%である。
また本発明の液晶組成物を用いて得られた高分子樹脂が共重合体である場合、交互共重合体、ブロック共重合体、ランダム共重合体、グラフト共重合体のいずれでも良い。
<配合比>
本発明の液晶組成物は、室温(25℃)でコレステリック相を示すように設計され、その液晶-等方相転移温度(Tni)は40℃以上が好ましく、更に60℃以上が好ましい

本発明の液晶組成物のTniが上記の範囲内であることで、硬化時の光源や反応熱に由来する温度上昇で、液晶構造が破壊されることを防ぐ傾向にある。
液晶組成物中の各成分の配合比は、前記一般式(2)で表される重合性モノマーを10質量%以下とすれば特に限定されない。一般式(2)で表される重合性モノマーの含有割
合は、好ましくは7質量%以下であり、さらに好ましくは6.5質量%以下である。また、通常、0.1質量%以上、好ましくは1質量%以上である。
また、前記一般式(2)で表される重合性モノマーと他の重合性モノマー及び/又は非重合性モノマーを併用する場合、液晶組成物に対する重合性モノマー及び非重合性モノマーの合計の割合は、通常、0.2質量%以上、好ましくは1.2質量%以上であり、一方、通常、10質量%以下、好ましくは7質量%以下である。この割合が適当な範囲であることで、液晶素子の繰り返し耐久性が低下しない傾向にあり、また、透明時のヘイズが大きくなりすぎず、不透明時のヘイズが低下しない場合がある。
<カイラルネマチック液晶>
本発明の液晶組成物に用いるカイラルネマチック液晶は、誘電率異方性が正である。本発明のカイラルネマチック液晶の該誘電率異方性が正であることで、リバースモードでの駆動が可能となる。
カイラルネマチック液晶の誘電率異方性値(Δε)は正であれば特に限定されないが、5以上であることが好ましく、8以上であることが、液晶素子の駆動電圧低減のために好ましい。また、カイラルネマチック液晶を構成する個々の分子が350nmより長い波長の吸収を持たないことが、重合性モノマーの硬化時間を短くする点で好ましい。
カイラルネマチック液晶としては、液晶自身がコレステリック相を示す液晶性化合物の集合でもよく、ネマチック液晶にカイラル剤を添加することでカイラルネマチック液晶としたものでもよい。液晶組成物設計の観点では、目的に応じてネマチック液晶にカイラル
剤を添加し、カイラルピッチ長(p)および液晶-等方相転移温度(Tni)を制御する
ことが好ましい。
本発明のカイラルネマチック液晶のカイラルピッチ長pと電極付き基板間の距離dの関係d/pが1以上であることが好ましい。更に好ましくは、2以上、特に好ましくは4以上で
ある。また、20以下であることが好ましく、12以下であることが特に好ましい。d/p
が大きいほど、駆動時の散乱が大きくなり、遮光特性が向上するが、一方で液晶素子の駆動電圧も同時に増加するため、遮光特性と省エネや安全性の両立の観点から、上記の範囲内に収めることが好適である。
カイラルネマチック液晶のpは、0.3μm以上が好ましく、0.8μm以上が更に好ましい。一方、3μm以下が好ましく、更に2μm以下が更に好ましい。
pが適当な範囲にあることで、液晶素子の駆動電圧が高くなり過ぎず、コントラストの低下が発生しない傾向がある。
一般にpはカイラル剤の濃度に反比例するので、必要なpの値から逆算してカイラル剤の濃度を決定すれば良い。なお、p×n(nはカイラルネマチック液晶の屈折率)が可視光波
長(380nm〜800nm)の範囲内にある場合、最終的に得られる液晶素子は電圧無印加時に有色となり、可視光範囲外にある場合は電圧無印加時に無色透明になるので、目的に応じてpを選択すれば良い。
本発明のスクリーンの電極付き基板間の距離dは、使用するカイラルネマチック液晶のp以上である必要があり、通常2μm以上が好ましく、5μm以上が更に好ましい。また、100μm以下が好ましく、20μm以下が更に好ましい。
電圧を印加していない状態でのスクリーンの光透過率は、dの増加に対して減少し、また、表示ディスプレイの応答時間も長くなる場合がある。一方で、dが小さすぎることで、駆動時の遮光特性が低減し、また大面積のスクリーンの場合、スクリーンが短絡してしまう場合がある。上記範囲であることで、これらの要求をバランスよく満足することができる。
カイラルネマチック液晶のTniは、液晶素子の動作可能な温度上限がカイラルネマチック液晶のTniにより決定されることから50℃以上が好ましく、70℃以上が更に好ましい。一方、Tniが高すぎると粘度が高くなる傾向があるので、200℃以下が好ましく、150℃以下が更に好ましい。
ネマチック液晶としては、公知のいずれでもよく、構成分子の分子骨格、置換基、分子量に制限は特になく、合成品でも市販品でもよい。ネマチック液晶の誘電率異方性は正で大きいことが、液晶素子のカイラルネマチック液晶相及び液晶組成物のカイラルネマチック液晶の誘電率異方性を正とするために好ましい。また、構成分子が350nmより長い波長の吸収持たないことが、重合性モノマーの硬化時間を短くする点で好ましい。
公知の液晶性物質を用いる場合、具体的には日本学術振興会第142委員会編;「液晶デバイスハンドブック」日本工業新聞社(1989年)、第152頁〜第192頁および液晶便覧編集委員会編;「液晶便覧」丸善株式会社(2000年)、第260頁〜第330頁に記載されているようなビフェニル系、フェニルシクロヘキサン系、シクロヘキシルシクロヘキサン系などの各種低分子系の化合物または混合物を使用することができる。また、液晶便覧編集委員会編;「液晶便覧」丸善株式会社(2000年)、第365頁〜第415頁に記載されているような高分子系化合物または混合物を使用することもできる。ネマチック液晶を構成する化合物としては例えば、以下に示される化合物が挙げられる。
Figure 2014080605
コレステリック液晶およびネマチック液晶としては粘度が低く、誘電率異方性の高いものが、液晶素子の高速応答性や液晶素子作製の容易性の点で好ましい。
カイラル剤としては、ホスト液晶へ相溶するカイラル化合物であればいずれでもよく、合成品でも市販品でよく、自身が液晶性を示すものでもよいし、重合性の官能基を有していても良い。また、右旋性でも左旋性でもよく、右旋性のカイラル剤と左旋性のカイラル剤を併用してもよい。また、カイラル剤としては、それ自身の誘電異方性が正に大きく、
粘度の低いものが液晶素子の駆動電圧低減および応答速度の観点から好ましく、カイラル剤が液晶をねじる力の指標とされるHelical Twisting Powerが大きいほうが好ましい。また、350nmより長い波長の吸収を持たないことが、重合性モノマーの硬化時間を短くする点で好ましい。
カイラル剤としては、例えばCB15(商品名 メルク社製)、C15(商品名 メルク社製)、S−811(商品名 メルク社製)、R−811(商品名 メルク社製)、S−1011(商品名 メルク社製)、R−1011(商品名 メルク社製)などが挙げられる。
<その他>
本発明の液晶素子のカイラルネマチック液晶相には、重合開始剤、光安定剤、抗酸化剤、増粘剤、重合禁止剤、光増感剤、接着剤、消泡剤、界面活性剤等を有していてもよい。
又、上記その他の成分の含有量は、本発明の液晶素子の性能を損なわない範囲の任意の割合で配合することができる。
<液晶組成物の使用>
本発明の液晶組成物は、その硬化物を含む層を有する後述の液晶素子として使用することができる。
<液晶素子>
本発明の液晶素子は、少なくとも一方が透明な基板であり、対向配置される一対の電極付き基板と、該基板間にカイラルネマチック液晶と高分子樹脂の複合体を含む液晶調光層を挟持してなり、液晶調光層は重合性モノマー及びカイラルネマチック液晶で構成される液晶組成物を光硬化させて得られるものである。
本発明の液晶素子は上記の液晶素子であれば特に限定されないが、以下に代表的な構造を説明する。
<液晶素子の用途>
本発明の液晶組成物及び液晶素子は、スクリーン及びディスプレイ等に用いることができる。例えば、建物の窓、パーテーション及びショーウインドウ等の視野遮断のためのスクリーンや、高速応答性を以って電気的に表示を切り替えることができる公告板等のディスプレイやプロジェクションのパネルとして利用することができる。
プロジェクションのシステムは、フロントプロジェクションやリアプロジェクションなど特に限定されないが、たとえば特開平6-82748号公報あるいは国際公開WO2009/150579で示されているリアプロジェクションシステムや、特開2010-217291号公報で
示されているコヒーレント光を光源とするプロジェクションシステムを挙げることができる。
基板の材質としては、例えば、ガラスや石英等の無機透明物質、金属、金属酸化物、半導体、セラミック、プラスチック板、プラスチックフィルム等の無色透明或いは着色透明、又は不透明のものが挙げられ、電極は、その基板の上に、例えば、金属酸化物、金属、半導体、有機導電物質等の薄膜を基板全面或いは部分的に既知の塗布法や印刷法やスパッタ等の蒸着法等により形成されたものである。又、導電性の薄膜形成後に部分的にエッチングしたものでもよい。特に大面積の液晶素子を得るためには、生産性及び加工性の面からPET等の透明高分子フィルム上にITO(酸化インジウムと酸化スズの混合物)電極をスパッタ等の蒸着法や印刷法等を用いて形成した電極基板を用いることが望ましい。尚、基板上に電極間或いは電極と外部を結ぶための配線が設けられていてもよい。例えば、セグメント駆動用電極基板やマトリックス駆動用電極基板、アクティブマトリックス駆動用電極基板等であってもよい。
更に、基板上に設けられた電極面上が、ポリイミドやポリアミド、シリコン、シアン化合物等の有機化合物、SiO、TiO、ZrO等の無機化合物、又はこれらの混合物よりなる保護膜や配向膜で全面或いは一部が覆われていてもよい。尚、基板は、液晶を基板面に対して配向させるよう配向処理されていても良く、配向処理されている場合、接触する液晶組成物がプレナー構造をとるならば、いずれの配向処理を用いても構わない。例えば、2枚の基板ともホモジニアス配向であっても良いし、一方がホモジニアス配向で、もう一方がホメオトロピック配向である、いわゆるハイブリッドであっても構わない。これらの配向処理には、電極表面を直接ラビングしてもよく、TN液晶、STN液晶等に用いられるポリイミド等の通常の配向膜を使用してもよい。
また、配向膜の製造法に、基板上の有機薄膜に直線偏光等の異方性を有する光を照射して膜に異方性を与える、いわゆる光配向法を用いても構わない。なお、液晶素子の製造時に、未硬化の液晶組成物の配向を基板面に対して制御できれば必ずしも基板の配向処理は必要としない。すなわち、本発明の液晶組成物は光硬化させる前に、液晶組成物を流動させたり、せん断応力をかけたりするなどの方法により、液晶組成物が配向してプレナー構造をとらせることができる。
対向する基板は周辺部に適宜、基板を接着支持する樹脂体を含む接着層を有してもよい。
尚、本発明における液晶素子の端面あるいは液晶組成物の注入口を、粘着テープ、熱圧着テープ、熱硬化性テープ等のテープ類、又は/及び、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂、湿気硬化型樹脂、室温硬化型接着剤、嫌気性接着剤、エポキシ系接着剤、シリコ−ン系接着剤、弗素樹脂系接着剤、ポリエステル系接着剤、塩化ビニル系接着剤等の硬化性樹脂類や熱可塑性樹脂類等で封止することで、内部の液晶等の染み出しを防ぐことができる。また、この封止は同時に液晶素子の劣化を防ぎ働きがあってもよい。その際の端面の保護法としては、端面を全体に覆ってもよいし、端面から液晶素子内部に硬化性樹脂類や熱可塑性樹脂類を流し込み固化させることによりなしてもよく、更にこの上をテープ類で覆ってもよい。
対向配置される基板間には、球状または筒状のガラス、プラスチック、セラミック、あるいはプラスチックフィルム等のスペーサーを存在させてもよい。スペーサーは、本発明の液晶組成物の成分として含有させることで、基板間の液晶調光層中に存在させてもよく、液晶素子組み立ての際に基板上に散布したり、接着剤と混合して接着層の中に存在させてもよい。
本発明の液晶素子の液晶調光層は、例えば、スペーサーを介して対向配置される一対の電極付き基板周辺部を光硬化性接着剤等で接着層を形成して封止セルとし、あらかじめ1つ以上設けた接着層の切り欠きに常圧または真空中で本発明の液晶組成物に浸して注入するか、或いは、一方の基板上にコーターを使用して液晶組成物を塗布し、その上に他方の基板を重ねる等の公知の方法で挟持させた後、紫外光、可視光、電子線等の放射線によって重合・硬化することで形成される。プラスチックフィルム基板の場合、連続で供給される電極付き基板を2本のゴムロール等で挟み、その間に、スペーサーを含有分散させた液晶と未硬化の硬化性化合物との混合物を供給し、挟み込み、その後連続で光硬化させることができるので生産性が高い。いずれの方法においても、基板に配向処理が施されていない場合は、未硬化の液晶組成物を光硬化させる前に液晶組成物を流動させたり、せん断応力をかけたりするなどの方法により、液晶組成物が配向してプレナー構造をとらせる必要がある。具体的には、配向処理されていない封止セル中に本発明の液晶組成物を注入することで、液晶組成物にプレナー構造をとらせることができる。
硬化法は光硬化の中でも、紫外線による硬化が特に好ましい。又、光重合の光源として
は、用いるラジカル光重合開始剤の吸収波長にスペクトルを有するものならいずれでもよく、典型的には220nm以上450nm以下の波長の光を照射可能な光源ならばいずれでもよい。例としては高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、ハロゲンランプ、メタルハライドランプ、UV−LED、青色LED、白色LED等が挙げられる。そのほか、熱線カットフィルタ、紫外線カットフィルタ、可視光カットフィルタ等を併用してもよい。光は液晶素子の透明基板上から少なとも一面に照射すればよく、液晶組成物を挟持する基板が両面とも透明である場合には、両面とも光照射してもよい。光照射は一度に行ってもよいし、数回に分割して行ってもよい。光の放射照度を液晶素子の厚み方向に分布を持たせ、高分子樹脂相の密度を連続的に変化させた、いわゆるPSCOF(Phase Separated Composite Organic Film)(V. Vorflusev and S. Kumar, Science 283, 1903 (1999))とし
ても良い。
光硬化の場合に、液晶素子に照射される光の放射照度は、通常0.01mW/cm
上、好ましくは1mW/cm以上、さらに好ましくは10mW/cm以上、特に好ましくは30mW/cm以上である。放射照度が小さすぎると重合が十分進行しない傾向と
なる。又、液晶組成物の光硬化には、通常、2J/cm以上、好ましくは3J/cm以上の積算照射量を与えれば良く、光照射時間は光源の放射強度に応じて決定すれば良いが、生産性を高める観点から通常200秒以内、好ましくは60秒以内に光照射を完了するのがよく、一方10秒以上光照射するのが好ましい。光照射時間が短すぎると液晶素子の繰り返し耐久性が劣る場合がある。プラスチックフィルム基板を用いて大面積のシート状液晶素子を製造する場合は、光源またはシートを移動させながら連続で光照射する方法をとることもでき、光源の放射照度に応じてその移動速度を調節すればよい。
上記のようにして得られた液晶調光層は、薄膜状の透明高分子中にカイラルネマチック液晶が粒子状に分散または連続層を形成しているが、最も良好なコントラストを示すのは連続層を形成している場合である。
<液晶素子の構成>
本発明のカイラルネマチック液晶相は、誘電率異方性が正であるカイラルネマチック液晶及び後述する一般式(2)で表される重合性モノマーが存在していてもよい。重合性モノマーが存在していることで、液晶素子の駆動特性の向上及び安定化を図ることができる場合がある。
本発明の液晶素子は、製造過程において、カイラルネマチック液晶、重合性モノマー、重合開始剤を含む液晶組成物を、コレステリック相で重合誘起相分離させることで、高分子樹脂相が得られる。この重合開始剤は、重合速度を速くして液晶素子の製造時に、硬化速度を向上させるという点では有用である半面、重合過程で生じる分解物がイオン性の低分子としてカイラルネマチック液晶相に残存し、液晶素子駆動を劣化させたり、あるいは液晶素子中のカイラルネマチック液晶相に未反応物が残存して経時的にラジカル種を発生し、液晶素子中の化合物を分解させることで、液晶素子駆動が劣化する場合がある。
本発明は、光反応性が高く、微量の重合開始剤でも十分に重合が進行する重合性モノマーを使用し、なおかつ重合誘起相分離過程で重合開始剤をすべて消費しつつ、該重合性モノマーがカイラルネマチック液晶相に残存するように製造することで、短時間での液晶素子製造と高いコントラスト、および高速応答の全てを満足する液晶素子を得られる場合がある。
本発明において、前記カイラルネマチック液晶相に含まれる一般式(2)で表される重合性モノマーの量は、本発明の効果を損なわなければ特に限定されないが、前記カイラルネマチック液晶相1g中に、一般式(2)で表される重合性モノマーを5μg以上含有することが好ましく、50μg以上含有することが好ましい。また、500μg以下含有す
ることが好ましく、300μg以下含有することがさらに好ましい。
カイラルネマチック液晶相に含まれる一般式(2)で示される重合性モノマーの量が少なすぎる場合は、重合前の液晶組成物における重合開始剤の添加量が多すぎることを意味し、上述したように液晶素子の駆動を劣化させる要因となる場合がある。一方で重合性モノマーの量が多すぎると、経時的な重合反応により、駆動電圧などの液晶素子特性が変動してしまう要因となる場合がある。
本発明におけるカイラルネマチック液晶相は、液晶素子中から有機溶媒を用いて洗い流す等での方法で容易に分離回収可能である。またカイラルネマチック液晶相中の一般式(2)で示される重合性モノマーは、液体クロマトグラフ質量分析法を用いることで容易に定量可能である。
<ポリマー構造(分子量)>
本発明の液晶素子において、連続的に広がったカイラルネマチック液晶相中に微量のポリマーが網目状のネットワークとして連なる構造(ポリマーネットワーク構造)が発達するが、ネットワークを形成するポリマーはその最小構造単位として繊維状または球状粒子の形状を有する。
本構造単位のポリマーの分子量については、本発明の効果を損なわなければ特に限定されないが、好ましくは分子量1000以上、より好ましくは2000以上であることが好ましい。また、好ましくは10000000以下、より好ましくは5000000以下であることが好ましい。
ポリマーの分子量がこれ以下であると、高分子樹脂相が機械的に脆弱となり、またポリマーネットワーク構造が十分発達しないため繰り返し耐久性が悪くなる。この結果液晶分子が十分な界面相互作用を受けられなくなるため、液晶素子のコントラストおよび応答速度が劣化する場合がある。一方で、ポリマーの分子量がこれ以上であると、カイラルネマチック液晶相が空間的に分断されてしまい、プレナー構造が安定化されず、電圧無印加時の液晶素子の透明性が悪くなる場合がある。本ポリマーの分子量の分析方法としてはゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いることで容易に定量可能であるが、特に制限はなく、当業者に周知の方法で分析可能である。
<ポリマー構造(繊維または粒子径)>
本発明の液晶素子のカイラルネマチック液晶相において、連続的に広がったカイラルネマチック液晶相中に微量のポリマーが網目状のネットワークとして連なる構造(ポリマーネットワーク構造)が発達するが、ネットワークを形成するポリマーの最小構造単位として繊維状または球状粒子の形状を有する。
本構造単位の繊維の直径または球状粒子の直径については、本発明の効果を損なわなければ特に限定されないが、好ましくは直径10nm以上、より好ましくは30nm以上であることが好ましい。また、好ましくは5000nm以下、より好ましくは1000nm以下であることが好ましい。
繊維または粒子の直径がこれ以下であると、高分子樹脂相が機械的に脆弱となり、またポリマーネットワーク構造が十分発達しないため繰り返し耐久性が悪くなる。この結果液晶分子が十分な界面相互作用を受けられなくなるため、液晶素子のコントラストおよび応答速度が劣化する場合がある。さらに、素子のハンドリング特性が悪化する場合がある。一方で、繊維または粒子の直径がこれ以上であると、カイラルネマチック液晶相が空間的に分断されてしまい、プレナー構造が安定化されず、電圧無印加時の液晶素子の透明性が悪くなる場合がある。また、素子の絶縁性の低下により、駆動電圧などの液晶素子特性が変動してしまう要因となる場合がある。本ポリマーネットワークの構造単位を形成する繊維または粒子の直径の分析方法としては、電子顕微鏡を用いることで容易に測定可能であ
るが、特に制限はなく、当業者に周知の方法で分析可能である。
<液晶素子の駆動>
本発明の液晶素子は、電圧を印加するかまたは、電圧印加状態から電圧無印加状態に戻すことで、透明状態から散乱状態(不透明状態)へスイッチングすることができる。本発明の液晶素子は、電圧無印加時に可視光に対して透過状態あるいは選択反射状態となり、電圧印加時に散乱状態となる、所謂リバースモードで使用可能な液晶素子であるため、電圧印加時の可視光透過率が電圧無印加時の可視光透過率よりも低下する電圧の領域が存在する。ここでの電圧は、直流及び又は交流の電圧を指す。
本発明の液晶素子を透明状態から散乱状態へスイッチングするには、カイラルネマチック液晶相がプレナー状態からフォーカルコニック状態へ相転移するだけの電圧を電極間に印加すればよい。印加波形は直流、交流、パルス、あるいはそれらの合成波など、特に制限はない。直流電圧の場合、好ましくは0.5msec以上、交流電圧の場合、正弦波、矩形波、三角波、またはそれらの合成波のいずれでも良く、好ましくは100kHz以下の周波数で0.5msec以上、パルス波の場合、好ましくはパルス幅0.5msec以上を印加することでスイッチングできる。
尚、液晶素子の駆動電圧は、直流電圧では通常、60V以下、好ましくは30V以下であり、交流電圧では通常、120Vp−p以下、好ましくは90Vp−p以下、パルス電圧では最大値が60V以下、好ましくは最大値が30V以下である。
又、本発明の液晶素子のヘイズは、直流電圧及び/又は交流電圧無印加時(電源OFF
時)に15%以下であるのが好ましく、直流電圧及び/又は交流電圧印加時(電源ON時
)に70%以上であることが好ましい。特に電源OFF時10%以下で電源ON時90%以上
であるのが特に好ましい。室内、蛍光灯のもとでは、ヘイズが15%を超えると曇りが目立ち、70%未満だと液晶素子向こうのシルエットが見えてくる傾向がある。
又、本発明の液晶素子の平行光線透過率は、好ましくは電源OFF時75%以上、電源ON
時15%以下が好ましく、電源OFF時80%以上、電源ON時10%以下が特に好ましい。
室内、蛍光灯のもとでは75%未満では薄暗く、15%を越えると正面にある物体が見えてしまう傾向がある。
尚、本発明において、液晶素子のヘイズの測定及び平行光線透過率の測定は、JIS K7136(2000年)に従って測定される。
<液晶素子の応答時間>
本明細書中に記載の応答時間とは、液晶素子が電圧無印加時の可視光(380〜800nm)透過率を100%、電圧印加により減少し飽和した時の可視光透過率を0%と規格化したとき、試験波形(本実施例中では100Hzの矩形波)を印加したときに可視光透過率が10%となるまでの時間(立ち上がり応答時間)、試験波形を無印加としたときに可視光透過率が90%となるまでの時間(立ち下がりの応答時間)と定義する。応答時間の測定方法は、実施例に記載の方法により測定される。
本発明の液晶素子の応答時間は、−10℃以上の温度において、立ち上がりの応答時間と立ち下がりの応答時間ともにそれぞれ5msec以下であることが好ましく、3msec以下であるとさらに好ましい。また液晶素子として使用するには、立ち上がりの応答時間と立ち下がりの応答時間が同じである方が好ましい。
本発明の液晶素子の動作温度上限はカイラルネマチック液晶相のTniであるが、低温では応答時間が長くなる傾向があるため、動作温度範囲としては、好ましくは−10℃以上、更に好ましくは0℃以上である。また、好ましくは60℃以下であり、更に好ましくは40℃以下である。
<液晶素子の用途>
本発明の液晶組成物及び液晶素子は、スクリーン及びディスプレイ等に用いることができる。例えば、建物の窓、パーテーション及びショーウインドウ等の視野遮断のためのスクリーンや、高速応答性を以って電気的に表示を切り替えることによって、公告板等のディスプレイやプロジェクションのパネルとして利用することができる。
プロジェクションのシステムは、フロントプロジェクションやリアプロジェクションなど特に限定されないが、たとえば日本国特開平6−82748号公報あるいは国際公開第2009/150579号で示されているリアプロジェクションシステムや、日本国特開2010−217291号公報で示されているコヒーレント光を光源とするプロジェクションシステムを挙げることができる。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実施例により限定されるものではない。
<液晶素子のヘイズ及び平行光線透過率の測定方法>
本発明の液晶素子のヘイズ、平行光線透過率及び応答速度は、室温25℃において、測定を行った。また、液晶の駆動は100Hzの矩形波を印加し、測定電圧は80Vp−pを用いて測定を行った。
ヘイズ及び平行光線透過率は、ヘイズコンピューター Hz−2(SUGA社製)及びC光源を用い、ダブルビーム方式により測定した。
<液晶素子の応答時間の測定方法>
発明の液晶素子の応答速度は、室温25℃において測定を行った。また、液晶の駆動は100Hzの矩形波を印加し、測定電圧は、80Vp−pを用いて測定を行った。
光源にハロゲンランプを用い、検出器にフォトダイオードを用いた。液晶素子に光を垂直に入射しながら試験波形(100Hzの矩形波)を印加したときの立ち上がり応答時間と、立ち下がり応答時間を測定した。
<カイラルネマチック液晶及び液晶組成物の液晶-等方相転移温度(Tni)の測定方
法>
カイラルネマチック液晶(液晶単独、又はこれとカイラル剤の混合物)または液晶組成物を一旦相溶させ、温度上昇による相転移または相分離を、偏光顕微鏡によって観察することにより得た。
<液晶の誘電率異方性(Δε)の測定方法>
液晶の誘電率異方性(Δε)は、Δε=ε1−ε2で求めた。ε1は、液晶分子の長軸方向の誘電率であり、ε2は、液晶分子の単軸方向の誘電率である。
誘電率ε(ε1及びε2)は、ε=Cd/S(Cは液晶の静電容量を表す。dは液晶層の厚さを表す。Sは2枚の電極基板の電極の重なり部分の面積を表す。)により求めた。
<カイラルネマチック液晶及び液晶組成物のピッチ長(p)の測定方法>
カイラルネマチック液晶または液晶組成物をホモジニアス配向処理された電極層付き透明ガラス基板から成るギャップ10μmの空セルに注入し、分光光度計で測定される選択反射波長λから p=λ/n( ただし、nはカイラルネマチック液晶または液晶組成物の
屈折率)により求めた。
[実施例1]
Tni=98℃、Δε=11.8であるシアノ系ネマチック液晶(PDLC−005、Hebei Luquan New Type Electronic Materials Co. Ltd社製)88.0質量%に、カイラル剤(CB−15、メルクジャパン製)を12.0質量%混合し、カイラルネマチック液晶(a)を調製した。この(a)は、ピッチ長p=1.2±0.1μmであった。
カイラルネマチック液晶(a)95.0質量%に下記構造式(I)で表されるモノマー(Mc−N、川崎化成社製)5.0質量%、下記構造式(II)で表される重合開始剤(IRGACURE819、BASF JAPAN社製)0.025質量%を混合し、攪拌、ろ過を行い、Tni=94℃の液晶組成物(A)を調製した。この液晶組成物(A)を電極付き透明ガラス基板から成る空セル(電極付き基板間の距離(d)=10μm)の中に注入した。このセルを20℃に保ち、高圧水銀ランプで60mW/cmの紫外線(波長365nm)を片面ずつ60秒間照射し、両面から計120秒間モノマーを硬化させ、液晶素子(A−1)とした。
作製した(A−1)は透明な外観をしており、電圧を印加すると不透明な外観へと変化する、リバースモードの駆動を示した。(A−1)の特性を表1に示す。
Figure 2014080605
[実施例2]
実施例1の重合開始剤(IRGACURE819、BASF JAPAN社製)量を0.05質量%に変更した以外は実施例1と同様にして、液晶素子(A−2)を作製した。
作製した(A−2)は透明な外観をしており、電圧を印加すると不透明な外観へと変化する、リバースモードの駆動を示した。(A−2)の特性を表1に示す。
[実施例3]
実施例1の重合開始剤(IRGACURE819、BASF JAPAN社製)量を0.1質量%に変更した以外は実施例1と同様にして、液晶素子(A−3)を作製した。
作製した(A−3)は透明な外観をしており、電圧を印加すると不透明な外観へと変化する、リバースモードの駆動を示した。(A−3)の特性を表1に示す。
[実施例4]
実施例1の重合開始剤(IRGACURE819、BASF JAPAN社製)量を0.2質量%に変更した以外は実施例1と同様にして、液晶素子(A−4)を作製した。
作製した(A−4)は透明な外観をしており、電圧を印加すると不透明な外観へと変化する、リバースモードの駆動を示した。(A−4)の特性を表1に示す。
[実施例5]
実施例1の重合開始剤(IRGACURE819、BASF JAPAN社製)量を0.4質量%に変更した以外は実施例1と同様にして、液晶素子(A−5)を作製した。
作製した(A−5)は透明な外観をしており、電圧を印加すると不透明な外観へと変化する、リバースモードの駆動を示した。(A−5)の特性を表1に示す。
[実施例6]
実施例1のモノマーを下記構造式(III)で表されるモノマー(Ac−N、川崎化成社製)5.0質量%、重合開始剤(IRGACURE819、BASF JAPAN社製)量を0.1質量%に変更した以外は実施例1と同様にして、液晶素子(A−6)を作製した。作製した(A−6)は透明な外観をしており、電圧を印加すると不透明な外観へと変化する、リバースモードの駆動を示した。(A−6)の特性を表2に示す。
Figure 2014080605
[実施例7]
実施例6の重合開始剤(IRGACURE819、BASF JAPAN社製)量を0.2質量%に変更した以外は実施例1と同様にして、液晶素子(A−7)を作製した。作製した(A−7)は透明な外観をしており、電圧を印加すると不透明な外観へと変化する、リバースモードの駆動を示した。(A−7)の特性を表2に示す。
[実施例8]
実施例1のモノマーを構造式(I)と(III)で表されるモノマー(Mc−N、Ac−N)を2.5質量%ずつ合計5.0質量%、重合開始剤(IRGACURE819、BASF JAPAN社製)量を0.1質量%に変更した以外は実施例1と同様にして、液晶素子(A−8)を作製した。作製した(A−8)は透明な外観をしており、電圧を印加すると不透明な外観へと変化する、リバースモードの駆動を示した。(A−8)の特性を表2に示す。
[実施例9]
実施例8の重合開始剤(IRGACURE819、BASF JAPAN社製)量を0.2質量%に変更した以外は実施例1と同様にして、液晶素子(A−9)を作製した。作製した(A−9)は透明な外観をしており、電圧を印加すると不透明な外観へと変化する、リバースモードの駆動を示した。(A−9)の特性を表2に示す。
[実施例10]
実施例1のモノマーを下記構造式(IV)で表されるモノマー(Ac−2、6N)5.0質量%、重合開始剤(IRGACURE819、BASF JAPAN社製)量を0.1質量%に変更した以外は実施例1と同様にして、液晶素子(A−10)を作製した。作
製した(A−10)は透明な外観をしており、電圧を印加すると不透明な外観へと変化する、リバースモードの駆動を示した。(A−10)の特性を表2に示す。
なお、構造式(IV)で表されるモノマーの合成は以下の方法で行った。
温度計、攪拌機を備えた500ml三口フラスコに、2,6−ジヒドロキシナフタレン10g(0.063モル)を入れ、アセトン50mlに溶解した。次いで、塩化アクリロイル12.5g(0.139モル)のアセトン50ml溶液を加えた。その後、トリエチルアミン13.8g(0.136モル)の30mlアセトン溶液を10分かけて滴下した。滴下と同時に白煙が生じ、しばらくすると白色結晶が析出沈殿した。反応温度は0〜10℃にコントロールした。トリエチルアミン溶液を全量添加した後、30分間攪拌し、反応液に水100mlを添加した。すると、白色結晶の沈殿が生じたので、これを吸引濾過した。得られた結晶を水洗、メタノール洗浄、乾燥し、2,6−ジヒドロキシナフタレンの白色粉末を7.7g(0.029モル)を得た。単離収率は46モル%であった。
Figure 2014080605
[実施例11]
実施例10の重合開始剤(IRGACURE819、BASF JAPAN社製)量を0.15質量%に変更した以外は実施例1と同様にして、液晶素子(A−11)を作製した。作製した(A−11)は透明な外観をしており、電圧を印加すると不透明な外観へと変化する、リバースモードの駆動を示した。(A−11)の特性を表3に示す。
[実施例12]
実施例10の重合開始剤(IRGACURE819、BASF JAPAN社製)量を0.2質量%に変更した以外は実施例1と同様にして、液晶素子(A−12)を作製した。作製した(A−12)は透明な外観をしており、電圧を印加すると不透明な外観へと変化する、リバースモードの駆動を示した。(A−12)の特性を表3に示す。
[実施例13]
実施例1のモノマーを下記構造式(V)で表されるモノマー(Ac−4,4’B)5.0質量%、重合開始剤(IRGACURE819、BASF JAPAN社製)量を0.1質量%に変更した以外は実施例1と同様にして、液晶素子(A−13)を作製した。作製した(A−13)は透明な外観をしており、電圧を印加すると不透明な外観へと変化する、リバースモードの駆動を示した。(A−13)の特性を表3に示す。
なお、構造式(V)で表されるモノマーの合成は以下の方法で行った。
温度計、攪拌機を備えた500ml三口フラスコに、4,4’−ジヒドロキシビフェニル4.7g(0.025モル)を入れ、テトラヒドロフラン20mlに溶解した。次いで、塩化アクリロイル5g(0.056モル)のテトラヒドロフラン20ml溶液を加えた。その後、トリエチルアミン5.5g(0.055モル)の10mlテトラヒドロフラン溶液を10分かけて滴下した。滴下と同時に白煙が生じ、しばらくすると白色結晶が析出沈殿した。反応温度は0〜10℃にコントロールした。
トリエチルアミン溶液を全量添加した後、30分間攪拌し、反応液に水40mlを添加した。すると、白色結晶の沈殿が生じたので、これを吸引濾過した。得られた結晶を水洗、メタノール洗浄、乾燥し、4,4’−ジヒドロキシビフェニルの白色粉末を2.2g(0.008モル)を得た。単離収率は33モル%であった。
Figure 2014080605
[実施例14]
実施例13の重合開始剤(IRGACURE819、BASF JAPAN社製)量を0.15質量%に変更した以外は実施例1と同様にして、液晶素子(A−14)を作製した。作製した(A−14)は透明な外観をしており、電圧を印加すると不透明な外観へと変化する、リバースモードの駆動を示した。(A−14)の特性を表3に示す。
[実施例15]
実施例13の重合開始剤(IRGACURE819、BASF JAPAN社製)量を0.2質量%に変更した以外は実施例1と同様にして、液晶素子(A−15)を作製した。作製した(A−15)は透明な外観をしており、電圧を印加すると不透明な外観へと変化する、リバースモードの駆動を示した。(A−15)の特性を表3に示す。
Figure 2014080605
Figure 2014080605
Figure 2014080605

Claims (12)

  1. 誘電率異方性が正であるカイラルネマチック液晶、下記一般式(1)で表される重合開始剤及び下記一般式(2)で表される重合性モノマーを含有し、前記一般式(2)で表される重合性モノマーを10質量%以下含有することを特徴とする液晶組成物。
    Figure 2014080605
    [一般式(1)において、
    10は、14、15及び16族の元素から選ばれる1つの原子を表し、
    11及びX12は、それぞれ独立に、置換基を有していても良いアルキル基、置換基を有していても良い芳香族炭化水素基又は置換基を有していても良い芳香族複素環基を表し、
    13及びX14は、それぞれ独立に、直接結合、置換基を有していても良いアルキル基、置換基を有していても良い芳香族炭化水素基又は置換基を有していても良い芳香族複素環基を表し、
    は、酸素原子、置換基を有していても良いアルキル基又は−O−R10基を表し、R10は水素原子、置換基を有していても良いアルキル基、置換基を有していても良い芳香族炭化水素基又は置換基を有していても良い芳香族複素環基を表し、
    は、置換基を有していても良いアルキル基、置換基を有していても良い芳香族炭化水素基又は置換基を有していても良い芳香族複素環基を表し、
    nは1以上、5以下の整数を表す。
    一般式(2)において、
    及びRは、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していても良いアルキル基又は不飽和脂肪酸アシル基を表し、
    及びRは、それぞれ独立に、置換基を有していても良いアルキル基を表し、
    Arは、置換基を有していても良い芳香族炭化水素基又は置換基を有していても良い芳香族複素環基を表し、
    は1〜5の整数を表し、
    及びmは、それぞれ独立に、0〜3の整数を表す。]
  2. 前記一般式(1)において、X10が非金族又は半金属元素であることを特徴とする請求項1に記載の液晶組成物。
  3. 前記カイラルネマチック液晶のカイラルピッチ長pが、0.3μm以上、3μm以下で
    あることを特徴とする請求項1又は2記載の液晶組成物。
  4. 前記液晶組成物に対し、前記一般式(2)で表される重合性モノマーの含有割合をA質量%、前記一般式(1)で表される重合開始剤の含有割合をB質量%とすると、B/Aが
    、0.001以上、0.4以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の液晶組成物。
  5. 液晶-等方相転移温度が40℃以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1
    項に記載の液晶組成物。
  6. 少なくとも一方が透明な基板であり、対向して配置される一対の電極付き基板と、該基板間にカイラルネマチック液晶と高分子樹脂の複合体を含む液晶調光層を挟持してなる液晶素子において、カイラルネマチック液晶と高分子樹脂の複合体が、請求項1〜5の何れか1項に記載の液晶組成物を光硬化させて得られたものであることを特徴とする液晶素子。
  7. 電圧印加時の液晶素子の可視光透過率が、電圧無印加時の可視光透過率よりも低下する電圧の領域が存在することを特徴とする請求項6に記載の液晶素子。
  8. 前記電極付き基板間の距離dが、100μm≧d≧2μmであり、前記カイラルネマチック液晶のカイラルピッチ長pとdの関係が、d/p≧1であることを特徴とする請求項6又は7に記載の液晶素子。
  9. 直流電圧及び交流電圧のうち少なくとも一方の印加時のヘイズが70%以上であり、電圧無印加時のヘイズが15%以下であることを特徴とする請求項6〜8の何れか1項に記載の液晶素子。
  10. −10℃以上の温度範囲で、液晶素子の直流電圧及び交流電圧のうち少なくとも一方の無印加時の可視光透過率を100%、直流電圧及び交流電圧のうち少なくとも一方の印加により減少し最小となった時の可視光透過率を0%と規格化したとき、直流電圧及び交流電圧のうち少なくとも一方を印加した時から可視光透過率が10%となるまでの時間ならびに、直流電圧及び交流電圧のうち少なくとも一方を無印加とした時から可視光透過率が90%となるまでの時間が、それぞれ8msec以下であることを特徴とする請求項6〜9のいずれか1項に記載の液晶素子。
  11. 請求項6〜10のいずれか1項に記載の液晶素子を有するスクリーン。
  12. 請求項6〜10のいずれか1項に記載の液晶素子を有するディスプレイ。
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