JP2014077107A - 樹脂組成物及び樹脂成形体 - Google Patents
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Abstract
【課題】柔軟性が向上した樹脂成形体が得られる樹脂組成物の提供。
【解決手段】ポリ乳酸樹脂またはセルロース樹脂と、リグニンを0.1phr以上5phr以下と、芳香族縮合リン酸エステルを5phr以上20phr以下と、を含む樹脂組成物による。
【選択図】なし
【解決手段】ポリ乳酸樹脂またはセルロース樹脂と、リグニンを0.1phr以上5phr以下と、芳香族縮合リン酸エステルを5phr以上20phr以下と、を含む樹脂組成物による。
【選択図】なし
Description
本発明は、樹脂組成物及び樹脂成形体に関する。
特許文献1には、リグニンと、熱可塑性樹脂を含む抗菌性樹脂組成物であって、リグニンが有機溶媒に可溶であり、不揮発分としてリグニンを0.01〜50質量%含むことを特徴とする抗菌性樹脂組成物が開示されている。
本発明は、柔軟性が向上した樹脂成形体が得られる樹脂組成物を提供することを目的とする。
請求項1に係る発明は、
ポリ乳酸樹脂またはセルロース樹脂と、
リグニンを0.1phr以上5phr以下と、
芳香族縮合リン酸エステルを5phr以上20phr以下と、
を含む樹脂組成物である。
ポリ乳酸樹脂またはセルロース樹脂と、
リグニンを0.1phr以上5phr以下と、
芳香族縮合リン酸エステルを5phr以上20phr以下と、
を含む樹脂組成物である。
請求項2に係る発明は、
ポリ乳酸樹脂またはセルロース樹脂と0.1phr以上5phr以下のリグニンとの架橋高分子化合物と、
芳香族縮合リン酸エステルを5phr以上20phr以下と、
を含む樹脂組成物である。
ポリ乳酸樹脂またはセルロース樹脂と0.1phr以上5phr以下のリグニンとの架橋高分子化合物と、
芳香族縮合リン酸エステルを5phr以上20phr以下と、
を含む樹脂組成物である。
請求項3に係る発明は、
前記芳香族縮合リン酸エステルが、10phr以上20phr以下である請求項1又は2に記載の樹脂組成物である。
前記芳香族縮合リン酸エステルが、10phr以上20phr以下である請求項1又は2に記載の樹脂組成物である。
請求項4に係る発明は、
ポリ乳酸樹脂またはセルロース樹脂と0.1phr以上5phr以下のリグニンとの架橋高分子化合物と、
芳香族縮合リン酸エステルと、
を含有する樹脂成形体である。
ポリ乳酸樹脂またはセルロース樹脂と0.1phr以上5phr以下のリグニンとの架橋高分子化合物と、
芳香族縮合リン酸エステルと、
を含有する樹脂成形体である。
請求項5に係る発明は、
前記芳香族縮合リン酸エステルが、10phr以上20phr以下である請求項4に記載の樹脂成形体である。
前記芳香族縮合リン酸エステルが、10phr以上20phr以下である請求項4に記載の樹脂成形体である。
請求項1に係る発明によれば、ポリ乳酸樹脂またはセルロース樹脂を含む系において、リグニンを0.1phr以上5phr以下で含まない、又は、芳香族縮合リン酸エステルを5phr以上20phr以下で含まない場合に比べて、柔軟性が向上した樹脂成形体が得られる樹脂組成物が得られる。
請求項2に係る発明によれば、ポリ乳酸樹脂またはセルロース樹脂とリグニンとの架橋高分子化合物を含む系において、リグニンを0.1phr以上5phr以下で含まない又は芳香族縮合リン酸エステルを5phr以上20phr以下で含まない場合に比べて、柔軟性が向上した樹脂成形体が得られる樹脂組成物が得られる。
請求項3に係る発明によれば、芳香族縮合リン酸エステルを10phr以上20phr以下で含まない場合に比べて、柔軟性を維持しつつ難燃性を実現した樹脂成形体が得られる樹脂組成物が得られる。
請求項4に係る発明によれば、ポリ乳酸樹脂またはセルロース樹脂とリグニンとの架橋高分子化合物を含む系において、リグニンを0.1phr以上5phr以下で含まない又は芳香族縮合リン酸エステルを5phr以上20phr以下で含まない場合に比べて、柔軟性が向上した樹脂成形体が得られる。
請求項5に係る発明によれば、芳香族縮合リン酸エステルを10phr以上20phr以下で含まない場合に比べて、柔軟性を維持しつつ難燃性を実現した樹脂成形体が得られる。
請求項2に係る発明によれば、ポリ乳酸樹脂またはセルロース樹脂とリグニンとの架橋高分子化合物を含む系において、リグニンを0.1phr以上5phr以下で含まない又は芳香族縮合リン酸エステルを5phr以上20phr以下で含まない場合に比べて、柔軟性が向上した樹脂成形体が得られる樹脂組成物が得られる。
請求項3に係る発明によれば、芳香族縮合リン酸エステルを10phr以上20phr以下で含まない場合に比べて、柔軟性を維持しつつ難燃性を実現した樹脂成形体が得られる樹脂組成物が得られる。
請求項4に係る発明によれば、ポリ乳酸樹脂またはセルロース樹脂とリグニンとの架橋高分子化合物を含む系において、リグニンを0.1phr以上5phr以下で含まない又は芳香族縮合リン酸エステルを5phr以上20phr以下で含まない場合に比べて、柔軟性が向上した樹脂成形体が得られる。
請求項5に係る発明によれば、芳香族縮合リン酸エステルを10phr以上20phr以下で含まない場合に比べて、柔軟性を維持しつつ難燃性を実現した樹脂成形体が得られる。
以下、本発明の一例である実施形態について詳細に説明する。
[樹脂組成物]
本実施形態に係る樹脂組成物は、ポリ乳酸樹脂またはセルロース樹脂と、リグニンを0.1phr以上5phr以下と、芳香族縮合リン酸エステルを5phr以上20phr以下と、を含む樹脂組成物である。
本実施形態に係る樹脂組成物は、ポリ乳酸樹脂またはセルロース樹脂と、リグニンを0.1phr以上5phr以下と、芳香族縮合リン酸エステルを5phr以上20phr以下と、を含む樹脂組成物である。
なお、「phr」は、「per hundred resin」の略であり、樹脂としてポリ乳酸樹脂またはセルロース樹脂を単独で用いる場合はポリ乳酸樹脂またはセルロース樹脂100質量部に対する「質量部」を示し、樹脂としてポリ乳酸樹脂またはセルロース樹脂とそれ以外の樹脂を併用して用いる場合はその全部の樹脂を100質量部としてそれに対する「質量部」を示す。
ポリ乳酸樹脂またはセルロース樹脂と、リン含有化合物の一つである芳香族縮合リン酸エステルと、を混合した樹脂組成物を用いた樹脂成形体は、芳香族縮合リン酸エステルが樹脂中に局在化し易い傾向にある。
一方で、これらにリグニンを加えた場合、芳香族縮合リン酸エステルの分散性が向上した樹脂成形体が得られると考えられる。
分散性が向上する理由は定かではないが、以下のような作用が理由として考えられる。
まず、リグニンの持つ水酸基が、ポリ乳酸樹脂の末端カルボキシル基、水酸基、またはセルロース樹脂のグルコース環水酸基と反応し、架橋構造が形成される。ここで、芳香族縮合リン酸エステルは架橋構造の自由体積中に分散され、かつリグニンの有する芳香環と芳香族リン酸エステルとの親和性が高いため、ポリ乳酸樹脂またはセルロース樹脂に芳香族リン酸エステルを単純に混合して溶融混練した場合に比べて、均一な分散状態が得られる。
その結果、芳香族縮合リン酸エステルは、上記範囲の量で加えたリグニンの上記作用によって、樹脂成形体において分散性がよい状態で含まれることとなるので、その他の成分同士の摩擦を軽減させる滑剤として働くこととなると考えられる。
一方で、これらにリグニンを加えた場合、芳香族縮合リン酸エステルの分散性が向上した樹脂成形体が得られると考えられる。
分散性が向上する理由は定かではないが、以下のような作用が理由として考えられる。
まず、リグニンの持つ水酸基が、ポリ乳酸樹脂の末端カルボキシル基、水酸基、またはセルロース樹脂のグルコース環水酸基と反応し、架橋構造が形成される。ここで、芳香族縮合リン酸エステルは架橋構造の自由体積中に分散され、かつリグニンの有する芳香環と芳香族リン酸エステルとの親和性が高いため、ポリ乳酸樹脂またはセルロース樹脂に芳香族リン酸エステルを単純に混合して溶融混練した場合に比べて、均一な分散状態が得られる。
その結果、芳香族縮合リン酸エステルは、上記範囲の量で加えたリグニンの上記作用によって、樹脂成形体において分散性がよい状態で含まれることとなるので、その他の成分同士の摩擦を軽減させる滑剤として働くこととなると考えられる。
また、ポリ乳酸樹脂またはセルロース樹脂と芳香族縮合リン酸エステルにリグニンを加えた樹脂組成物は、上記架橋構造によって、樹脂成形体において樹脂の分子鎖の絡み合いが多い傾向にあると考えられる。
つまり、本実施形態に係る樹脂組成物から得られる樹脂成形体は、樹脂の分子鎖の絡み合いが多い樹脂成形体であって、絡み合った分子鎖の内部には滑剤が含まれているものであるため、成分同士の摩擦が樹脂成形体全体において軽減されていると考えられる。
以上から、本実施形態に係る樹脂組成物は、柔軟性が向上した樹脂成形体が得られる樹脂組成物となる。
また、本実施形態に係る樹脂組成物としては、ポリ乳酸樹脂またはセルロース樹脂とリグニンとは架橋するため、上記構成の他、ポリ乳酸樹脂またはセルロース樹脂と0.1phr以上5phr以下のリグニンとの架橋高分子化合物と、芳香族縮合リン酸エステルを5phr以上20phr以下と、を含む構成であってもよい。
以下、本実施形態に係る樹脂組成物及び樹脂成形体について詳細に説明する。
本実施形態に係る樹脂組成物は、上述のように、ポリ乳酸樹脂またはセルロース樹脂と、リグニンと、芳香族縮合リン酸エステルと、を含む。
また、本実施形態に係る樹脂組成物は、効果を損なわない範囲で、その他の成分を含んでいてもよい。
また、本実施形態に係る樹脂組成物は、効果を損なわない範囲で、その他の成分を含んでいてもよい。
(セルロース樹脂)
セルロース樹脂とは、天然素材由来のセルロース樹脂、または該セルロース樹脂を原料として生物的又は化学的に官能基を導入して得られるセルロース骨格を有する樹脂を示す。
原料は、綿花リンタ、木材パルプ(広葉樹パルプ、針葉樹パルプ)などの天然セルロース樹脂はもとより、微結晶セルロース樹脂など木材パルプを酸加水分解して得られる重合度の低い(重合度100から300)セルロース樹脂でも使用され、混合して使用してもよい。これらの原料となるセルロース樹脂についての詳細な記載は、例えば「プラスチック材料講座(17)繊維素系樹脂」(丸澤、宇田著、日刊工業新聞社、1970年発行)や発明協会公開技報2001−1745(7頁から8頁)、および「セルロースの事典(523頁)」(セルロース学会編、朝倉書店、2000年発行)に記載のセルロースが用いられ、特に限定されるものではない。
セルロース樹脂として具体的には、例えば、無置換セルロース、ヘミセルロース、置換セルロース(例えばアセチル基、n−プロポキル基、iso−プロポキシル基、n−ブトキシル基、iso−ブトキシル基、tert−ブトキシル基等の置換セルロース)が挙げられ、具体的には、セルロースアセテート,セルロースニトレート、セルロースアセテートプチレート、セルロースプロピオネート、セルロースアセテートプロピオネート等が挙げられる。
これらは単独で用いてもよいし、併用してもよい。
セルロース樹脂は、これらの中でも、得られる樹脂成形体の柔軟性を向上させる観点から、セルロースアセテート、セルロースプロピオネート、セルロースアセテートプロピオネートがより望ましい。
セルロース樹脂とは、天然素材由来のセルロース樹脂、または該セルロース樹脂を原料として生物的又は化学的に官能基を導入して得られるセルロース骨格を有する樹脂を示す。
原料は、綿花リンタ、木材パルプ(広葉樹パルプ、針葉樹パルプ)などの天然セルロース樹脂はもとより、微結晶セルロース樹脂など木材パルプを酸加水分解して得られる重合度の低い(重合度100から300)セルロース樹脂でも使用され、混合して使用してもよい。これらの原料となるセルロース樹脂についての詳細な記載は、例えば「プラスチック材料講座(17)繊維素系樹脂」(丸澤、宇田著、日刊工業新聞社、1970年発行)や発明協会公開技報2001−1745(7頁から8頁)、および「セルロースの事典(523頁)」(セルロース学会編、朝倉書店、2000年発行)に記載のセルロースが用いられ、特に限定されるものではない。
セルロース樹脂として具体的には、例えば、無置換セルロース、ヘミセルロース、置換セルロース(例えばアセチル基、n−プロポキル基、iso−プロポキシル基、n−ブトキシル基、iso−ブトキシル基、tert−ブトキシル基等の置換セルロース)が挙げられ、具体的には、セルロースアセテート,セルロースニトレート、セルロースアセテートプチレート、セルロースプロピオネート、セルロースアセテートプロピオネート等が挙げられる。
これらは単独で用いてもよいし、併用してもよい。
セルロース樹脂は、これらの中でも、得られる樹脂成形体の柔軟性を向上させる観点から、セルロースアセテート、セルロースプロピオネート、セルロースアセテートプロピオネートがより望ましい。
(ポリ乳酸樹脂)
ポリ乳酸樹脂は、高分子鎖の末端(つまり主鎖の末端)に少なくともカルボキシル基を有していれば特に限定されるものではなく、L−体であっても、D−体であっても、その混合物(例えばポリ−L乳酸樹脂とポリ−D乳酸樹脂とを混合したステレオコンプレックスや、L−乳酸樹脂ブロックとD−乳酸樹脂ブロックとの両者を構造中に含むポリ乳酸樹脂)であってもよい。
ポリ乳酸樹脂は、高分子鎖の末端(つまり主鎖の末端)に少なくともカルボキシル基を有していれば特に限定されるものではなく、L−体であっても、D−体であっても、その混合物(例えばポリ−L乳酸樹脂とポリ−D乳酸樹脂とを混合したステレオコンプレックスや、L−乳酸樹脂ブロックとD−乳酸樹脂ブロックとの両者を構造中に含むポリ乳酸樹脂)であってもよい。
ポリ乳酸樹脂は、例えば、下記構造式(3)に示す構造単位を有する樹脂が挙げられる。なお、高分子鎖の末端(主鎖の末端)は、両端ともがカルボキシル基であってもよいし、片末端のみがカルボキシル基でもう一方の末端が他の基(例えば水酸基)であってもよい。但し、両末端がカルボキシル基であることがより望ましい。
ポリ乳酸樹脂としては、あらゆる分子量のものが使用し得る。しかし、分子量が小さいほど架橋が強くなり、得られる樹脂成形体の柔軟性が低下する傾向にあり、逆に大きいほど架橋効果が不十分でやはり得られる樹脂成形体の柔軟性が低下する傾向にあるとの観点から、重量平均分子量は50,000以上150,000以下が望ましく、更に60,000以上120,000以下がより望ましい。
なお、重量平均分子量の測定は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)により測定される。GPCによる分子量測定は、測定装置として東ソー社製、HLC−8320GPCを用い、東ソー製カラム・TSKgel GMHHR−M+TSKgel GMHHR−M(7.8mmI.D.30cm)を使用し、クロロホルム溶媒で行われる。重量平均分子量は、この測定結果から単分散ポリスチレン標準試料により作製した分子量校正曲線を使用して算出される。
ポリ乳酸樹脂またはセルロース樹脂の含有量は、樹脂組成物全体に対して、72質量%以上95質量%以下がよく、83質量%以上95質量%以下が望ましく、83質量%以上91質量%以下がより望ましい。
(リグニン)
リグニンは、樹木の約25%を占める架橋構造の高分子であって、不規則かつ複雑なポリフェノールの化学構造をしており、ヒドロキシフェニルプロパンを基本単位とした骨格と多くのフェノール性水酸基とを有している。
リグニンは、樹木の約25%を占める架橋構造の高分子であって、不規則かつ複雑なポリフェノールの化学構造をしており、ヒドロキシフェニルプロパンを基本単位とした骨格と多くのフェノール性水酸基とを有している。
リグニンの原料としては、リグニンを含んでいれば特に制限はなく、ブナ等の広葉樹、スギ、マツ、ヒノキ等の針葉樹、米穀、麦わら、アカシア、ヤナギ、ポプラ、とうもろこし、竹、ユーカリ、稲ワラ、バガス、サトウキビ、エリアンサス等が挙げられる。
樹木からリグニンを分離し取り出す方法としては、クラフト法、硫酸法、水蒸気爆砕法が挙げられる。
ここで、水蒸気爆砕法とは、高温高圧の水蒸気による加水分解と圧力とにより、原料となる樹木を破砕し、リグニンを、有機溶媒に溶解させて水のみを使用してセルロース成分、ヘミセルロース成分から分離し取得する方法を言う。
ここで、水蒸気爆砕法とは、高温高圧の水蒸気による加水分解と圧力とにより、原料となる樹木を破砕し、リグニンを、有機溶媒に溶解させて水のみを使用してセルロース成分、ヘミセルロース成分から分離し取得する方法を言う。
得られる樹脂成形体の柔軟性を向上させる観点から、リグニンの重量平均分子量は、5000以上10000以下が望ましく、5000以上7000以下がより望ましい。
リグニンは、分子量が大きいと、樹脂組成物中において反応点が少なくなり、得られる樹脂成形体の柔軟性が得られない場合がある。一方、分子量が少ないと、反応点が多くなり、得られる樹脂成形体が堅く、且つ脆くなる場合がある。
重量平均分子量の測定は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)により行われる。GPCによる分子量測定は、測定装置として東ソー社製、HLC−8320GPCを用い、東ソー製カラム・TSKgel GMHHR−M+TSKgel GMHHR−M(7.8mmI.D.30cm)を使用し、クロロホルム溶媒で行われる。重量平均分子量は、この測定結果から単分散ポリスチレン標準試料により作製した分子量校正曲線を使用して算出される。
リグニンは、分子量が大きいと、樹脂組成物中において反応点が少なくなり、得られる樹脂成形体の柔軟性が得られない場合がある。一方、分子量が少ないと、反応点が多くなり、得られる樹脂成形体が堅く、且つ脆くなる場合がある。
重量平均分子量の測定は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)により行われる。GPCによる分子量測定は、測定装置として東ソー社製、HLC−8320GPCを用い、東ソー製カラム・TSKgel GMHHR−M+TSKgel GMHHR−M(7.8mmI.D.30cm)を使用し、クロロホルム溶媒で行われる。重量平均分子量は、この測定結果から単分散ポリスチレン標準試料により作製した分子量校正曲線を使用して算出される。
(芳香族縮合リン酸エステル)
芳香族縮合リン酸エステルとしては、例えば、ビスフェノールA型、ビフェニレン型、イソフタル型などの芳香族縮合リン酸エステルが挙げられ、具体的には、例えば、下記一般式(I)または一般式(II)で表される芳香族縮合リン酸エステルが挙げられる。
芳香族縮合リン酸エステルとしては、例えば、ビスフェノールA型、ビフェニレン型、イソフタル型などの芳香族縮合リン酸エステルが挙げられ、具体的には、例えば、下記一般式(I)または一般式(II)で表される芳香族縮合リン酸エステルが挙げられる。
一般式(I)中、Q1、Q2、Q3およびQ4はそれぞれ独立に、炭素数1以上6以下のアルキル基を表し、Q5およびQ6はそれぞれ独立に、メチル基を表し、Q7およびQ8はそれぞれ独立に、水素原子またはメチル基を表し、m1、m2、m3およびm4はそれぞれ独立に、0以上3以下の整数を示し、m5およびm6はそれぞれ独立に、0以上2以下の整数を表し、n1は、0以上10以下の整数を表す。
一般式(II)中、Q9、Q10、Q11およびQ12はそれぞれ独立に、炭素数1以上6以下のアルキル基を表し、Q13は、メチル基を表し、m7、m8、m9およびm10はそれぞれ独立に、0以上3以下の整数を表し、m11は0以上4以下の整数を表し、n2は、0以上10以下の整数を表す。
縮合リン酸エステルは合成品でも市販品でもよい。縮合リン酸エステルの市販品として、具体的には、例えば、大八化学社製の市販品(「PX200」、「PX201」、「PX202」、「CR741」等)、アデカ社製の市販品(「アデカスタブFP2100」、「FP2200」等)等が挙げられる。
これらの中でも、縮合リン酸エステルとしては、得られる樹脂成形体の柔軟性を向上させる観点から、下記構造式(1)で示される化合物(例えば大八化学社製「PX200」)、及び下記構造式(2)で示される化合物(例えば大八化学社製「CR741」)から選択される少なくとも1種であることがよい。
芳香族縮合リン酸エステルの含有量は、得られる樹脂成形体の柔軟性を向上させる観点から、5phr以上20phr以下であり、10phr以上20phr以下が望ましく、15phr以上20phr以下がより望ましい。
特に、芳香族縮合リン酸エステルは、その含有量を10phr以上20phr以下とすることで、柔軟性を維持しつつ難燃性を実現した樹脂成形体が得られ易くなる。
特に、芳香族縮合リン酸エステルは、その含有量を10phr以上20phr以下とすることで、柔軟性を維持しつつ難燃性を実現した樹脂成形体が得られ易くなる。
(その他の成分)
本実施形態に係る樹脂組成物において含まれるその他の成分としては、例えば、ポリ乳酸樹脂またはセルロース樹脂以外の樹脂や、添加剤が挙げられる。
本実施形態に係る樹脂組成物において含まれるその他の成分としては、例えば、ポリ乳酸樹脂またはセルロース樹脂以外の樹脂や、添加剤が挙げられる。
ポリ乳酸樹脂またはセルロース樹脂以外の樹脂としては、具体的には、例えば、ポリ−3−ヒドロキシブチレート、ポリヒドロキシヘキサネート、ポリヒドロキシバリレートおよびそれらの共重合体、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンアジペート、ポリエレンサクシネート、ポリエチレンアジペート、及びこれら2種以上の共重合体等が挙げられる。
また、ポリ乳酸樹脂またはセルロース樹脂以外の樹脂としては、その他、例えば、従来公知の熱可塑性樹脂も挙げられ、具体的には、ポリカーボネート樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリアミド樹脂、芳香族ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリエステルカーボネート樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリスルフォン樹脂、ポリエーテルスルフォン樹脂、ポリアリーレン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリケトン樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリアリールケトン樹脂、ポリエーテルニトリル樹脂、液晶樹脂、ポリベンズイミダゾール樹脂、ポリパラバン酸樹脂、芳香族アルケニル化合物、メタクリル酸エステル、アクリル酸エステル、及びシアン化ビニル化合物から選ばれる1種以上のビニル単量体を、重合若しくは共重合させて得られるビニル系重合体若しくは共重合体樹脂、ジエン−芳香族アルケニル化合物共重合体樹脂、シアン化ビニル−ジエン−芳香族アルケニル化合物共重合体樹脂、芳香族アルケニル化合物−ジエン−シアン化ビニル−N−フェニルマレイミド共重合体樹脂、シアン化ビニル−(エチレン−ジエン−プロピレン(EPDM))−芳香族アルケニル化合物共重合体樹脂、ポリオレフィン、塩化ビニル樹脂、塩素化塩化ビニル樹脂等が挙げられる。
これら樹脂は、1種単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
なお、ポリ乳酸樹脂またはセルロース樹脂以外の樹脂の含有量は、樹脂組成物に含まれる樹脂の全量を基準として15質量%以下であることが望ましい。
また、ポリ乳酸樹脂またはセルロース樹脂以外の樹脂としては、その他、例えば、従来公知の熱可塑性樹脂も挙げられ、具体的には、ポリカーボネート樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリアミド樹脂、芳香族ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリエステルカーボネート樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリスルフォン樹脂、ポリエーテルスルフォン樹脂、ポリアリーレン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリケトン樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリアリールケトン樹脂、ポリエーテルニトリル樹脂、液晶樹脂、ポリベンズイミダゾール樹脂、ポリパラバン酸樹脂、芳香族アルケニル化合物、メタクリル酸エステル、アクリル酸エステル、及びシアン化ビニル化合物から選ばれる1種以上のビニル単量体を、重合若しくは共重合させて得られるビニル系重合体若しくは共重合体樹脂、ジエン−芳香族アルケニル化合物共重合体樹脂、シアン化ビニル−ジエン−芳香族アルケニル化合物共重合体樹脂、芳香族アルケニル化合物−ジエン−シアン化ビニル−N−フェニルマレイミド共重合体樹脂、シアン化ビニル−(エチレン−ジエン−プロピレン(EPDM))−芳香族アルケニル化合物共重合体樹脂、ポリオレフィン、塩化ビニル樹脂、塩素化塩化ビニル樹脂等が挙げられる。
これら樹脂は、1種単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
なお、ポリ乳酸樹脂またはセルロース樹脂以外の樹脂の含有量は、樹脂組成物に含まれる樹脂の全量を基準として15質量%以下であることが望ましい。
添加剤としては、例えば、酸化防止剤、強化剤、相溶化剤、耐候剤、強化剤、加水分解防止剤等が挙げられる。
これらの添加剤の含有量は、樹脂組成物全量を基準としてそれぞれ5質量%以下であることが望ましい。
これらの添加剤の含有量は、樹脂組成物全量を基準としてそれぞれ5質量%以下であることが望ましい。
また、ポリ乳酸樹脂またはセルロース樹脂とリグニンとの架橋重合には、架橋触媒を添加してもよい。
架橋触媒としては、例えば、テトラブトキシチタン酸、酸化ゲルマニウム、オクチル酸スズ、酸化アルミニウム等が挙げられる。
架橋触媒の添加量としては、ポリ乳酸樹脂またはセルロース樹脂とリグニンとの合計量に対して0.01質量%以上1質量%以下が望ましく、0.05質量%以上0.5質量%以下がより望ましい。
架橋触媒としては、例えば、テトラブトキシチタン酸、酸化ゲルマニウム、オクチル酸スズ、酸化アルミニウム等が挙げられる。
架橋触媒の添加量としては、ポリ乳酸樹脂またはセルロース樹脂とリグニンとの合計量に対して0.01質量%以上1質量%以下が望ましく、0.05質量%以上0.5質量%以下がより望ましい。
(樹脂組成物の製造方法)
本実施形態に係る樹脂組成物は、上記各成分の混合物を溶融混練することにより製造される。
尚、混合や溶融混練の手段としては公知の手段が用いられ、例えば、二軸押出し機、ヘンシェルミキサー、バンバリーミキサー、単軸スクリュー押出機、多軸スクリュー押出機、コニーダ等が挙げられる。
本実施形態に係る樹脂組成物は、上記各成分の混合物を溶融混練することにより製造される。
尚、混合や溶融混練の手段としては公知の手段が用いられ、例えば、二軸押出し機、ヘンシェルミキサー、バンバリーミキサー、単軸スクリュー押出機、多軸スクリュー押出機、コニーダ等が挙げられる。
[樹脂成形体]
本実施形態に係る樹脂成形体は、本実施形態に係る樹脂組成物を成形して得られる。つまり、本実施形態に係る樹脂成形体は、ポリ乳酸樹脂またはセルロース樹脂とリグニンを0.1phr以上5phr以下との架橋高分子化合物と、芳香族縮合リン酸エステルと、を含有する。
具体的に本実施形態に係る樹脂成形体は、例えば、本実施形態に係る樹脂組成物を成形機により成形することにより得られる。なお、成形機による成形方法は、例えば、射出成形、押し出し成形、ブロー成形、熱プレス成形、カレンダ成形、コーテイング成形、キャスト成形、ディッピング成形、真空成形、トランスファ成形などが挙げられる。
本実施形態に係る樹脂成形体は、本実施形態に係る樹脂組成物を成形して得られる。つまり、本実施形態に係る樹脂成形体は、ポリ乳酸樹脂またはセルロース樹脂とリグニンを0.1phr以上5phr以下との架橋高分子化合物と、芳香族縮合リン酸エステルと、を含有する。
具体的に本実施形態に係る樹脂成形体は、例えば、本実施形態に係る樹脂組成物を成形機により成形することにより得られる。なお、成形機による成形方法は、例えば、射出成形、押し出し成形、ブロー成形、熱プレス成形、カレンダ成形、コーテイング成形、キャスト成形、ディッピング成形、真空成形、トランスファ成形などが挙げられる。
ここで、上記射出成形は、例えば、日精樹脂工業製NEX150、日精樹脂工業製NEX70000、東芝機械製SE50D等の市販の装置を用いて行ってもよい。
この際、シリンダ温度としては、170℃以上240℃以下とすることが望ましく、180℃以上210℃以下とすることがより望ましい。また、金型温度としては、40℃以上110℃以下とすることが望ましい。
この際、シリンダ温度としては、170℃以上240℃以下とすることが望ましく、180℃以上210℃以下とすることがより望ましい。また、金型温度としては、40℃以上110℃以下とすることが望ましい。
本実施形態に係る樹脂成形体は、電子・電気機器、家電製品、容器、自動車内装材などの用途に好適に用いられる。より具体的には、家電製品や電子・電気機器などの筐体、各種部品など、ラッピングフィルム、CD−ROMやDVDなどの収納ケース、食器類、食品トレイ、飲料ボトル、薬品ラップ材などであり、中でも、電子・電気機器の部品に好適である。電子・電気機器の部品は、複雑な形状を有しているものが多く、また重量物であるので機械的強度が要求されるが、本実施形態に係る樹脂成形体によれば、このような要求特性が十分満足される。
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。尚、以下において「部」および「%」は、特に断りのない限り質量基準である。
(リグニンの作製)
−リグニン1−
リグニン1は、以下のようにして作製した。
リグニンの原料としては、竹を使用した。適当な大きさにカットした竹材を水蒸気***装置に入れ、3.5MPaの水蒸気を圧入し、4分間保持した。その後、一気に常圧に戻し爆砕処理物を得た。得られた爆砕処理物を濃度2mol/lの希塩酸に投入し1時間撹拌した後、洗浄液のpHが6以上になるまで撹拌後の爆砕処理物を水により洗浄して水溶性成分を除去した。その後真空乾燥機で残存水分を除去し、80メッシュの篩にて繊維物質を取り除き、リグニン1を得た。
−リグニン1−
リグニン1は、以下のようにして作製した。
リグニンの原料としては、竹を使用した。適当な大きさにカットした竹材を水蒸気***装置に入れ、3.5MPaの水蒸気を圧入し、4分間保持した。その後、一気に常圧に戻し爆砕処理物を得た。得られた爆砕処理物を濃度2mol/lの希塩酸に投入し1時間撹拌した後、洗浄液のpHが6以上になるまで撹拌後の爆砕処理物を水により洗浄して水溶性成分を除去した。その後真空乾燥機で残存水分を除去し、80メッシュの篩にて繊維物質を取り除き、リグニン1を得た。
−リグニン2−
リグニン2は、以下のようにして作製した。
リグニンの原料としては、竹を使用した。適当な大きさにカットした竹材を水蒸気***装置に入れ、3.5MPaの水蒸気を圧入し、4分間保持した。その後、一気に常圧に戻し爆砕処理物を得た。得られた爆砕処理物を濃度2mol/lの希塩酸に投入し1時間撹拌した後、洗浄液のpHが6以上になるまで撹拌後の爆砕処理物を水により洗浄して水溶性成分を除去した。その後真空乾燥機で残存水分を除去した。得られた乾燥体100gに抽出溶媒としてアセトン500mlを加え、10分間撹拌した後、保持粒径1μmの炉紙を用いてろ過により繊維物質を取り除いた。得られたろ液から抽出溶媒を除去し、リグニン2を得た。
リグニン2は、以下のようにして作製した。
リグニンの原料としては、竹を使用した。適当な大きさにカットした竹材を水蒸気***装置に入れ、3.5MPaの水蒸気を圧入し、4分間保持した。その後、一気に常圧に戻し爆砕処理物を得た。得られた爆砕処理物を濃度2mol/lの希塩酸に投入し1時間撹拌した後、洗浄液のpHが6以上になるまで撹拌後の爆砕処理物を水により洗浄して水溶性成分を除去した。その後真空乾燥機で残存水分を除去した。得られた乾燥体100gに抽出溶媒としてアセトン500mlを加え、10分間撹拌した後、保持粒径1μmの炉紙を用いてろ過により繊維物質を取り除いた。得られたろ液から抽出溶媒を除去し、リグニン2を得た。
(リグノフェノール誘導体の作製)
−リグノフェノール誘導体1−
・分離工程
ヒノキ製材銘屑を20メッシュの篩にかけ、篩を通過したチップ10部をアセトン中に20時間浸した後、80℃で8時間真空乾燥し、脱脂した。脱脂後のチップに50部のp−クレゾールを加え、室温(26℃)で4時間攪拌し、次いで、78%濃硫酸50部を加え、30℃で60分攪拌した。その後、1000部の蒸留水を加えて攪拌し、上層のp−クレゾールをデカンテーションで分離回収し、p−クレゾールを、攪拌した1000部のジエチルエーテル中に滴下し、得られた沈殿物を遠心分離により回収した。
−リグノフェノール誘導体1−
・分離工程
ヒノキ製材銘屑を20メッシュの篩にかけ、篩を通過したチップ10部をアセトン中に20時間浸した後、80℃で8時間真空乾燥し、脱脂した。脱脂後のチップに50部のp−クレゾールを加え、室温(26℃)で4時間攪拌し、次いで、78%濃硫酸50部を加え、30℃で60分攪拌した。その後、1000部の蒸留水を加えて攪拌し、上層のp−クレゾールをデカンテーションで分離回収し、p−クレゾールを、攪拌した1000部のジエチルエーテル中に滴下し、得られた沈殿物を遠心分離により回収した。
・水洗工程
次いで、回収した沈殿物に水洗を行った。
具体的には、回収した沈殿物10部を、攪拌させた300部の蒸留水中に投入し分散させた後、遠心分離により蒸留水を取り除き沈殿物を回収した。この水洗工程を6回繰り返し、沈殿物を回収した。
次いで、回収した沈殿物に水洗を行った。
具体的には、回収した沈殿物10部を、攪拌させた300部の蒸留水中に投入し分散させた後、遠心分離により蒸留水を取り除き沈殿物を回収した。この水洗工程を6回繰り返し、沈殿物を回収した。
・再沈殿工程
次いで、上記水洗後の沈殿物10部をアセトン200部に溶解し、不溶分を保持粒径1μmの炉紙にてろ過した後、攪拌した1000部のジエチルエーテル層に滴下し、再沈殿させた。この溶解,ろ過および再沈殿の工程を3回繰返すことで、リグノフェノール誘導体1を得た。
次いで、上記水洗後の沈殿物10部をアセトン200部に溶解し、不溶分を保持粒径1μmの炉紙にてろ過した後、攪拌した1000部のジエチルエーテル層に滴下し、再沈殿させた。この溶解,ろ過および再沈殿の工程を3回繰返すことで、リグノフェノール誘導体1を得た。
[実施例1〜17、比較例1〜10]
(樹脂組成物の作製)
表1、2に示す組成比(表中の数値は質量部である)で材料を混合し、二軸押出装置(東芝機械製、TEM3000)を用い、混練温度190℃のシリンダ温度にて混練し、冷却し、ペレタイズして、樹脂組成物1〜17、比較樹脂組成物1〜10のペレットを得た。
(樹脂組成物の作製)
表1、2に示す組成比(表中の数値は質量部である)で材料を混合し、二軸押出装置(東芝機械製、TEM3000)を用い、混練温度190℃のシリンダ温度にて混練し、冷却し、ペレタイズして、樹脂組成物1〜17、比較樹脂組成物1〜10のペレットを得た。
(樹脂成形体の作製)
上記で得た樹脂組成物のペレットを、射出成形機(日精樹脂工業製、NEX150)を用い、表1、2に示すシリンダ温度(℃)及び金型温度(℃)にて射出成形し、長さ方向の両側にゲートを設けて成形した試験片(試験部厚さ4mm、幅10mm)と、ISO多目的ダンベル試験片(試験部長さ100mm、幅10mm、厚さ4mm)と、UL試験片(長さ125mm、幅13mm、厚さ2.0mm)とを得た。
上記で得た樹脂組成物のペレットを、射出成形機(日精樹脂工業製、NEX150)を用い、表1、2に示すシリンダ温度(℃)及び金型温度(℃)にて射出成形し、長さ方向の両側にゲートを設けて成形した試験片(試験部厚さ4mm、幅10mm)と、ISO多目的ダンベル試験片(試験部長さ100mm、幅10mm、厚さ4mm)と、UL試験片(長さ125mm、幅13mm、厚さ2.0mm)とを得た。
(評価)
上記で得た各試験片について以下の評価を行った。結果を表1、2に示す。
上記で得た各試験片について以下の評価を行った。結果を表1、2に示す。
−柔軟性(引張強さ、引張呼びひずみ)の評価−
長さ方向の両側にゲートを設けて成形した試験片を用い、ISO527に準拠して、評価装置(島津製作所製、精密万能試験機オートグラフAG−IS 5kN)にて、引張強さ(最大応力)と引張呼びひずみ(破断ひずみ)について測定し、柔軟性を評価した。
長さ方向の両側にゲートを設けて成形した試験片を用い、ISO527に準拠して、評価装置(島津製作所製、精密万能試験機オートグラフAG−IS 5kN)にて、引張強さ(最大応力)と引張呼びひずみ(破断ひずみ)について測定し、柔軟性を評価した。
−難燃性の評価−
UL試験片を用い、UL−94の方法でVテストを実施した。なお、評価基準は、難燃性が高い方から順にV−0、V−1、V−2であり、V−2より劣る場合、即ち試験片が延焼してしまった場合をnotVと示した。
UL試験片を用い、UL−94の方法でVテストを実施した。なお、評価基準は、難燃性が高い方から順にV−0、V−1、V−2であり、V−2より劣る場合、即ち試験片が延焼してしまった場合をnotVと示した。
上記結果から、本実施例は、柔軟性について良好な結果が得られたことがわかる。
具体的には、実施例1〜17は、リグニン又は芳香族縮合リン酸エステルを含有しない比較例1、2、9、10に比べて、引張呼びひずみの結果が優れていることがわかる。
具体的には、実施例1〜17は、リグニン又は芳香族縮合リン酸エステルを含有しない比較例1、2、9、10に比べて、引張呼びひずみの結果が優れていることがわかる。
ポリ乳酸樹脂と芳香族縮合リン酸エステル(PX−200)の含有量が同じであり、リグニンの種類(リグニン1又は2)又は含有量が異なる、実施例2、5、8、13と比較例3、4とを比較すると、リグニン(リグニン1又は2)の含有量が0.1phr以上5phr以下である実施例2、5、8、13は、リグニン(リグニン1又は2)の含有量が0.1phr以上5phr以下でない比較例3、4に比べて、引張呼びひずみの結果が優れていることがわかる。
ポリ乳酸樹脂とリグニン1の含有量が同じで芳香族縮合リン酸エステル(PX−200)の含有量が異なる実施例7〜9と比較例5、6とを比較すると、芳香族縮合リン酸エステルの含有量が5phr以上20phr以下である実施例7〜9は、芳香族縮合リン酸エステルの含有量が5phr以上20phr以下でない比較例5、6に比べて、引張呼びひずみの結果が優れていることがわかる。
リン含有化合物として芳香族縮合リン酸エステルを含有する実施例2、5、8、10、13、15と、リン含有化合物としてポリリン酸アンモニウムを含有する比較例7とを比較すると、リン含有化合物として芳香族縮合リン酸エステルを含有する実施例2、5、8、10、13、15は、リン含有化合物としてポリリン酸アンモニウムを含有する比較例7に比べて、リグニンの含有量に関わらず引張呼びひずみの結果が優れていることがわかる。
ポリ乳酸樹脂と芳香族縮合リン酸エステル(PX−200)の含有量が同じである、リグニン(リグニン1又は2)を含有する実施例6、14とリグノフェノール誘導体1を含有する比較例8とを比較すると、リグニン(リグニン1又は2)を含有する実施例6、14は、リグノフェノール誘導体1を含有する比較例8に比べて、引張呼びひずみの結果が優れていることがわかる。
また、本実施例のうち、ポリ乳酸樹脂とリグニン1の含有量が同じで芳香族縮合リン酸エステル(PX−200)の含有量が異なる実施例2、3及び実施例1と、実施例5、6及び実施例4と、実施例8、9及び実施例7と、を比較すると、芳香族縮合リン酸エステルの含有量が10phr以上20phr以下である実施例2、3、実施例5、6、実施例8、9は、それぞれ、芳香族縮合リン酸エステルの含有量が10phr以上20phr以下でない実施例1、4、7に比べて、引張強さを維持しつつ難燃性の結果が優れていることがわかる。
Claims (5)
- ポリ乳酸樹脂またはセルロース樹脂と、
リグニンを0.1phr以上5phr以下と、
芳香族縮合リン酸エステルを5phr以上20phr以下と、
を含む樹脂組成物。 - ポリ乳酸樹脂またはセルロース樹脂と0.1phr以上5phr以下のリグニンとの架橋高分子化合物と、
芳香族縮合リン酸エステルを5phr以上20phr以下と、
を含む樹脂組成物。 - 前記芳香族縮合リン酸エステルが、10phr以上20phr以下である請求項1又は2に記載の樹脂組成物。
- ポリ乳酸樹脂またはセルロース樹脂と0.1phr以上5phr以下のリグニンとの架橋高分子化合物と、
芳香族縮合リン酸エステルと、
を含有する樹脂成形体。 - 前記芳香族縮合リン酸エステルが、10phr以上20phr以下である請求項4に記載の樹脂成形体。
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