JP2014076583A - 偽造防止媒体、それを用いた偽造防止ステッカーおよび偽造防止物品 - Google Patents

偽造防止媒体、それを用いた偽造防止ステッカーおよび偽造防止物品 Download PDF

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Abstract

【課題】偏光板を用いてネガポジ反転する潜像を発現させることが可能であり、且つ比較的安価で簡易な装置を用いて潜像を個別に形成することが可能な媒体を提供する。
【解決手段】第一位相差層102、第一反射層103、第二位相差層104、第二反射層105をこの順に積層してなる偽造防止媒体20において、第一位相差層102および第二位相差層104を面方向全面に設けた。この第一位相差層102および第二位相差層104はともに位相差値がλ/4であり、第一位相差層102と第二位相差層104との配向軸のなす角は45度である。
【選択図】図1

Description

本発明は、様々な物品に利用される偽造防止媒体、それを用いた偽造防止ステッカーおよび偽造防止物品に関する。
偽造防止技術は、様々な物品に利用されている。例えば、銀行券、債券、商品券、小切手などの金券や有価証券などに利用されている。また、クレジットカード、IDカード、公文書などの各種証明書、重要書類などにも利用されている。
また、最近では、各種商品やその包装材料に適用して、その商品が真正であることを保障するために利用されている。言うまでもなく、これら物品を検査して、適正な偽造防止手段が施されている場合には真正な物品と判定され、偽造防止手段が施されていない場合もしくは不適正なものであった場合は非真正な物品と判定される。
偽造防止手段の一つとして、特許文献1には、液晶を光配向させることによって、偏光板を用いてネガポジ反転する潜像を発現させる媒体が提案されている。これは潜像を発現させる方法を知らないものは潜像を視認することができないため、外見だけ真似をして偽造品を作成しても、容易に非真正物品を見分けることができる。
また、特許文献2のように、それ自身が偽造防止手段として効果のあるホログラムを用い、個別の画像を形成する手法も提案されている。この手法を用いれば、人の目によって容易に且つ偽造防止効果の高い個人認証を行うことができる。
特表2002−530687号公報 特開2011−230473号公報
前述の特許文献1に記載の媒体の場合、この媒体を作成するためには、パターン露光による光配向を行い、液晶モノマーをコーティングし、配向した後に、光で液晶を架橋させる必要がある。そのため、パターン露光により潜像柄を形成した後に比較的複雑な工程を経る必要があり、コーター、オーブン、光照射装置など大規模な設備を必要とする。このことから、このような媒体を大量生産する場合は、潜像は同じ柄になってしまう。つまり、個別に異なる柄の潜像を作成するためには、コスト的、設備的な点から困難であり、同じ柄の潜像とせざるを得ない。
一方で特許文献2に記載の媒体の場合、ホログラムという可視の偽造防止効果ではあるが、サーマルヘッドなどを用いて比較的容易に個別の画像を形成することが可能である。この特許文献2に記載の偽造防止効果のある媒体の製造方法を応用して、架橋された液晶膜や、同等の性能を持つ延伸ポリマーなどの位相差フィルムを、特許文献2に記載の媒体のように個別に形成することができれば、より偽造防止効果の高い媒体を作成することができる。しかしながら、延伸ポリマーは厚みがあるためサーマルヘッドなどで個別画像を形成することは不可能である。また、液晶膜は非常に薄膜であるが光によって架橋されているため膜としては比較的強靭であり、サーマルヘッドで個別画像を形成できるほどの脆さは無い。
本発明は、比較的安価で簡易な装置を用いて、潜像を個別に形成することが可能な偽造防止媒体、それを用いた偽造防止ステッカーおよび偽造防止物品を提供することを目的としている。
本発明の一態様は、第一位相差層(例えば、図1の第一位相差層102)と、第一反射層(例えば、図1の第一反射層103)と、第二位相差層(例えば、図1の第二位相差層104)と、第二反射層(例えば、図1の第二反射層105)と、がこの順に積層されてなる偽造防止媒体(例えば、図1の偽造防止媒体20)であって、前記第一位相差層および前記第二位相差層は面方向全面に設けられ、かつ前記第一位相差層および前記第二位相差層の位相差値は共にλ/4であり、さらに前記第一位相差層および前記第二位相差層の互いの配向軸のなす角は45度であることを特徴とする偽造防止媒体である。
本発明の他の態様は、第一位相差層(例えば、図2の第一位相差層102)と、第一反射層(例えば、図2の第一反射層103)と、第二位相差層(例えば、図2の第二位相差層104)と、第二反射層(例えば、図2の第二反射層105)と、色変化層(例えば、図2のコレステリック層および黒色吸収層106)とがこの順に積層されてなる偽造防止媒体(例えば、図2の偽造防止媒体30)であって、前記第一位相差層および前記第二位相差層は面方向全面に設けられ、かつ前記第一位相差層および前記第二位相差層の位相差値は共にλ/4であり、さらに前記第一位相差層および前記第二位相差層の互いの配向軸のなす角は45度であることを特徴とする偽造防止媒体である。
本発明の他の態様は、第一位相差層(例えば、図10の第一位相差層102)と、第一反射層(例えば、図10の第一反射層103)と、第二位相差層(例えば、図10の第二位相差層104)と、第二反射層(例えば、図10の第二反射層105)と、第三位相差層(例えば、図10の第三位相差層301)とがこの順に積層されてなる偽造防止媒体(例えば、図10の両面潜像偽造防止媒体40)であって、前記第一位相差層、前記第二位相差層および前記第三位相差層はそれぞれ面方向全面に設けられ、かつ前記第一位相差層、前記第二位相差層および前記第三位相差層の位相差値はそれぞれλ/4であり、さらに前記第一位相差層および前記第二位相差層の互いの配向軸のなす角と前記第二位相差層および前記第三位相差層の互いの配向軸のなす角はそれぞれ45度であり、前記第一位相差層および前記第三位相差層の互いの配向軸のなす角は0度であることを特徴とする偽造防止媒体である。
本発明の他の態様は、第一位相差層(例えば、図10の第一位相差層102)と、第一反射層(例えば、図10の第一反射層103)と、第二位相差層(例えば、図10の第二位相差層104)と、第二反射層(例えば、図10の第二反射層105)と、第三位相差層(例えば、図10の第三位相差層301)とがこの順に積層されてなる偽造防止媒体(例えば、図10の両面潜像偽造防止媒体40)であって、前記第一位相差層、前記第二位相差層および前記第三位相差層はそれぞれ面方向全面に設けられ、かつ前記第一位相差層、前記第二位相差層および前記第三位相差層の位相差値はそれぞれλ/4であり、さらに前記第一位相差層および前記第二位相差層の互いの配向軸のなす角と前記第二位相差層および前記第三位相差層の互いの配向軸のなす角はそれぞれ45度であり、前記第一位相差層および前記第三位相差層の互いの配向軸のなす角は90度であることを特徴とする偽造防止媒体である。
前記色変化層(例えば、図2のコレステリック層および黒色吸収層106)は、コレステリック液晶を含んで構成されていてよい。
前記第一反射層(例えば、図17の第一回折反射層503)および前記第二反射層(例えば、図17の第二回折反射層505)はそれぞれ回折構造を有し、前記第一反射層と前記第二反射層とで各反射層の前記回折構造の位置が重なるように設けられていてよい。
本発明の他の態様は、上記態様のうちのいずれかに記載の偽造防止媒体の観察面とは反対側の面に接着層が設けられてなることを特徴とする偽造防止ステッカーである。
本発明の他の態様は、上記態様のうちのいずれかに記載の偽造防止媒体を備えることを特徴とする偽造防止物品である。
本発明によれば、偏光板を用いてネガポジ反転する潜像を発現させることが可能であり、かつ比較的安価で簡易な装置を用いて潜像を個別に形成することができる。
本発明における偽造防止媒体の基本的な層構成の一例を示す断面図である。 コレステリック付きの偽造防止媒体の層構成の一例を示す断面図である。 偽造防止媒体および、この偽造防止媒体と0度方向で重ねられた状態にある偏光板の断面、さらにこれら偽造防止媒体および偏光板を通過する光の変化を示した模式図の一例である。 偽造防止媒体および、この偽造防止媒体と45度方向で重ねられた状態にある偏光板の断面、さらにこれら偽造防止媒体および偏光板を通過する光の変化を示した模式図の一例である。 図3および図4の観察光A〜Fまでの反射光の強さを個別に正規化したグラフである。 コレステリック付きの偽造防止媒体の一例を示す上面図である。 コレステリック付きの偽造防止媒体の第二反射層パターンの一例を示す上面図である。 コレステリック付きの偽造防止媒体に偏光板を45度の角度で重ねた場合の上面図の一例である。 コレステリック付きの偽造防止媒体に偏光板を0度の角度で重ねた場合の上面図の一例である。 第三位相差層付きの偽造防止媒体の層構成の一例を示す断面図である。 第三位相差層付きの偽造防止媒体の第一反射層パターンの一例である。 第三位相差層付きの偽造防止媒体の第二反射層パターンの一例である。 第三位相差層付きの偽造防止媒体の第一位相差層を最表面とする面側に偏光板を重ねた場合の一例である。 第三位相差層付きの偽造防止媒体の第一位相差層を最表面とする面とは逆側の面に偏光板を重ねた場合の一例である。 第三位相差層付きの偽造防止媒体に、右円偏光反射コレステリック層及び黒色反射層を重ねた場合の断面、さらにこの偽造防止媒体を通過する光の変化を示した模式図の一例である。 第三位相差層付きの偽造防止媒体に、左円偏光反射コレステリック層及び黒色反射層を重ねた場合の断面、さらにこの偽造防止媒体を通過する光の変化を示した模式図の一例である。 第一反射層および第二反射層が回折構造を有している構成の層構成を有する偽造防止媒体の一例を示す断面図である。 第二回折反射層の一例を示す上面図である。 第一回折反射層の一例を示す上面図である。 両面潜像偽造防止媒体と円偏光反射体とが設けられた透明基材の一例を示す断面図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
(偽造防止媒体20の層構成)
図1は、本発明における偽造防止媒体の層構成の一例を示したものであって、最低必要な構成要素からなる最小構成を示したものである。
偽造防止媒体20は、第一位相差層102と、第一反射層103と、第二位相差層104と、第二反射層105と、がこの順に積層されてなる。偽造防止媒体20の、第一位相差層102側に、偽造防止媒体20の効果を確認するための検証フィルタとして偏光板10が配置されるようになっている。
(第一位相差層102および第二位相差層104の構成)
第一位相差層102および第二位相差層104は位相差値がλ/4である一様な膜であり、λは可視光波長を設定して設計するのがよく、取り分け可視光波長の中央である555nm周辺の値を設定することが好ましい。第一位相差層102および第二位相差層104の各配向軸方向がなす角度は45度である。また第一位相差層102および第二位相差層104は、ともに偽造防止媒体20全体を覆うものである。
第一位相差層102および第二位相差層104の材料としては、第一に、セロファン、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリスルホン、シクロオレフィンポリマー、アモルファスポリオレフィン、セルロースエステル、などの高分子樹脂を一軸方向に延伸しながら製造することによって得られる公知の位相差フィルムが考えられる。
また、第一位相差層102および第二位相差層104の材料として、第二に、配向層に配向処理を行い、その上で液晶を形成し、配向させた後に架橋させることによって得られる液晶膜が考えられる。前記配向層の材料及び配向処理としては、ポリビニルアルコール、ポリイミド、ゼラチン、カルボキシメチルセルロ−ス、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネートなど公知のポリマーを成膜した後にラビング処理を行うか、アゾベンゼン、シンナモイル、クマリン、カルコン、ベンゾフェノン等の誘導体やポリイミドなどの光配向材料に偏光紫外線などを照射する方法が挙げられる。
前記位相差フィルムは数十μm程度の厚みがあるため、基材や保護フィルムのような機能を兼ねることができる。一方、液晶膜の厚みは数μmであり位相差フィルムに比べて非常に薄くできるため、厚みを嫌う転写箔やステッカーなどの用途に向いている。
これら位相差フィルムや液晶膜は、第一位相差層102および第二位相差層104の両方に使用してもよいし、片方ずつ使用してもよい。
例えば第一位相差層102および第二位相差層104の両方を位相差フィルムで形成した場合、安価で丈夫な偽造防止媒体20を得ることができる。逆に、第一位相差層102および第二位相差層104の両方を液晶膜で形成した場合、非常に薄い偽造防止媒体20を得ることができる。また第一位相差層102および第二位相差層104のうち、偽造防止媒体20の最表層となる層に位相差フィルムを使用し、他方の層に液晶膜を使用した場合、厚くなりすぎず、また位相差フィルムを保護膜としても使うことができる。逆に、偽造防止媒体20の最表層となる層に液晶膜を使用し、他方の膜に位相差フィルムを使用した場合、位相差フィルムを基材のように使用することができるため、加工適性が良くなるという特徴がある。
これら液晶膜や位相差フィルムは、パターン形成して部分的に位相差値を異ならせることで、本発明の目的の一つである潜像を出現させることが可能になるが、潜像のパターンを個別に形成することは困難であるため、第一位相差層102および第二位相差層104を偽造防止媒体20全面に設け、別の手法で潜像を出現させることが本発明の主旨である。
この潜像を出現させるのに必要なのが、第一反射層103および第二反射層105である。潜像が出現する詳細な仕組みは後述するが、第一反射層103で反射し、第一位相差層102のみを通過する光と、第二反射層105で反射し、第一位相差層102と第二位相差層104との両方を通過する光との性質の差を用いて潜像を形成する。
(第一反射層103および第二反射層105の構成)
第一反射層103および第二反射層105を形成する方法としては、まず基材となるシートとして、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレン等のフィルムを準備する。次にこのフィルムに剥離層として例えばポリビニルアルコール、メチルセルロース、エチルセルロース、酢酸セルロース、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、線状の飽和ポリエステル、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル等のメタクリル樹脂の単独または共重合物、アクリル系、スチレン系、シリコン系、ポリイソブチル系等の樹脂単独または共重合物からなる水または有機溶剤に溶解する高分子材料を塗布し、乾燥させる。フィルムの厚みは3〜100μm程度でよいが、より好ましくは4.5〜25μm程度である。剥離層の乾燥後の厚みは、適正な転写適性を有するように、かつ所定の剥離強度や切れ性を出すように材料の特性に応じて調整するが、好ましくは0.5〜20μm程度である。
このようにして形成した剥離層の上に、反射層を形成する。反射層の形成方法は、真空蒸着法及びスパッタリング法などの気相堆積法を用いてもよいし、金属フレークなどの反射材を含んだインキを塗布した後、乾燥させる印刷法を用いてもよい。
気相堆積法を用いた場合には、材料としてアルミニウム、クロム、ニッケル、銀、金、銅、錫、マグネシウム、亜鉛、鉄、チタンなどの金属もしくは合金を例示することができる。反射光の波長依存性のある金や銅などよりも、波長依存性が少なく、反射率が高いアルミニウム、銀、クロム、ニッケルなどが特に好ましく、膜厚は400〜1200オングストローム程度でよい。必要に応じて気相にプラズマや磁界を導入するなどして剥離層と反射層の密着力を高めてもよい。
印刷法を用いた場合には、反射材としては特に限定されず、金属フレークとしては、アルミニウム、クロム、ニッケル、銀、金、銅、錫、マグネシウム、亜鉛、鉄、チタンなどの金属もしくは合金を使用することができ、それ以外の材料としてはパールなどの、鱗片形状または球形状のものを使用し、これらを各種熱可塑性高分子材料、熱硬化性高分子材料、紫外線硬化材料など透明樹脂に分散させた後、塗布し、乾燥・硬化させて形成する。また印刷法においては前記反射材を剥離層材料に分散させることによって、反射層と剥離層とを兼ねることも可能である。
このようにして設けられた反射層の上に、接着層を形成することで反射転写箔を作成する。この接着層は、第一反射層103や第二反射層105を形成する被着体に密着する接着剤を用いて形成するが、加工適性の都合上、室温ではタックが無く、加熱によって融解し、接着するものが望ましい。
このようにして作成された反射転写箔を用いて第一反射層103および第二反射層105を形成する。例えば、反射転写箔を、被着体と重ねた後にラインサーマルヘッドとプレッシャーロールの間を通しながら所定のサーマルドットを加熱して転写した後に反射転写箔の基材を剥離することによって形成するサーマルヘッド方式や、被着体と重ね加熱した金型を押し当てた後に反射転写箔の基材を剥離することによって形成するホットスタンピング方式などによって、パターン形成する方法を適用することができる。あるいは、反射転写箔を高出力レーザーによるレーザーアブレーションで銀色部分を除去してパターン化した後に、加熱したプレッシャーロールの間を通すことで圧力をかけて転写する方式などを用いることも可能である。これらの方式は比較的自由な模様を形成することができるという利点がある。
第一反射層103は第二反射層105よりも観察面に近いため、パターン化されて設けられることが必須であるが、第二反射層105は全面に設けられてもよいし、部分的に設けられてもよい。第二反射層105を全面に形成することは構成をより簡略化させるためコストが低くなるメリットがあり、部分的に形成することは肉眼で銀色の模様を視認できることからデザイン性が向上するというメリットがある。
ただし、第一反射層103および第二反射層105は、なるべく同じ方式で形成されることが好ましい。その理由は、銀色転写箔をサーマルヘッド方式でパターン形成する場合、ベタパターンを形成しても、敷き詰められたサーマルドットによる特有の風合いになることが多い。このように銀色転写箔をサーマルヘッド方式でパターン形成して第一反射層103を形成し、一方、第二反射層105は、特定形状金型によるホットスタンピング方式で形成した場合には、ホットスタンピング方式はベタパターンが一様に綺麗な膜として形成されるため、目視した時点で第一反射層103と第二反射層105との境界が視認できてしまうからである。
境界はなるべく見え辛くなっている方が好ましく、図示していないが、第一位相差層102の上に境界を見え辛くするための光散乱層や網目模様印刷を設けてもよい。
光散乱層は、酸化チタンなどの白色顔料や、シリカフィラー、各種ワックスなどがバインダー中に適度分散した白色インキを塗布することによって設けられてもよいし、練りこみマット、ケミカルマット、サンドブラスト方式などで製造されたマットPETフィルムなどのマット加工をされたプラスチックフィルムを貼り合わせるなどの方法によって設けられてもよい。
網目模様印刷は、オフセット印刷、スクリーン印刷、フレキソ印刷、グラビア印刷、インクジェット印刷など各種印刷方式や、各種転写箔のパターン転写などによって設ければよく、境界を目立ちにくくするための細線網目模様を印刷すればよい。
このようにして作成した偽造防止媒体20に偏光板10を重ねると、モノクロ画像の潜像が出現し、偏光板10を回転させると柄のネガポジが切り替わるという効果を確認できる。
(コレステリック層および黒色吸収層106付き偽造防止媒体30の構成)
図2に示す偽造防止媒体30は、図1に示す偽造防止媒体20に、さらに、コレステリック層及び黒色吸収層106を加え、カラーシフト機能を組み込んだものである。コレステリック層及び黒色吸収層106は原則として、偽造防止媒体30の観察面とは反対側に設けられるのがよい。つまり、図1の偽造防止媒体20の構成を基本構成としたとき、観察面である第一反射層103側と基本構成を挟んだ第二反射層105側に形成されることが好ましい。また、コレステリック層が基本構成と黒色吸収層とに挟まれるように形成されることが好ましい。
コレステリック層は、コレステリック液晶からなる層である。コレステリック液晶は、螺旋状の分子構造を有するコレステリック液晶が、その螺旋軸に沿って光の屈折率が周期的に変動するため、そのねじれ構造のピッチに応じた波長の光を選択的に反射する。従って、ねじれ構造のピッチを制御することで所望の反射色を作り出すことが可能となる。そしてこれらコレステリック液晶を配向させることにより、その各分子が層を成して均一に配列され、反射光同士が強め合って全体として前記色光を反射する。すなわち、コレステリック層は、所望の色光を反射する色変化層として機能する。
偽造防止媒体30の基本構成(つまり、図1の偽造防止媒体20)の背面に、可視光領域に吸収を持つ黒色の吸収層を配置することで、透過した光が吸収され、反射光がより強調されることにより、所謂コレステリックカラーと呼ばれる色光を確認することができる。
なお、配向したコレステリック液晶分子は、螺旋構造を有することから、その反射光は右旋円偏光または左旋円偏光となる。
このため、コレステリック液晶層の上に適切な円偏光フィルタを重ねることにより、その反射光を遮断することができる。
(コレステリック層および黒色吸収層106の構成)
コレステリック層をなす、コレステリック液晶は、配向膜上に層形成することで配向させることができる。すなわち、基材上に配向膜を形成し、この配向膜上にコレステリック液晶層を形成することで配向させることが可能である。
この配向膜としてはポリビニルアルコールやポリイミドの塗布膜をラビング処理したものが使用できる。
ラビングは、例えば、コットンやベルベットを使用して可能である。また、せん断力を加えながら塗布することにより、そのせん断力の方向に配向させることもできる。あるいは、コレステリック液晶層を形成した後、せん断力を加えて配向させることもできる。また、形成したコレステリック液晶の層に偏光したレーザー光を照射したり、電解または磁界を加えたりして配向させることもできる。
このコレステリック液晶層は、ネマチック構造やスメクチック構造を有する液晶物質、カイラル物質、光重合性多官能化合物及び重合開始剤を混合した液晶溶液を塗布し、その塗布膜に紫外線を照射することで形成することができる。このとき、カイラル物質が液晶物質同士を結合して前記螺旋構造を形成する。また、光重合性多官能化合物は互いに重合硬化してコレステリック液晶を固定する。
前記液晶物質とカイラル物質の代わりに、分子中に不整炭素原子を持つ光学異性体液晶物質を使用して、この光学異性体液晶物質、光重合性多官能化合物及び重合開始剤を混合して塗布し、紫外線を照射することでコレステリック液晶層を形成することも可能である。
また、前記液晶溶液を、直接、基材上に塗布してコレステリック液晶層を形成することもできるし、別の支持体上にコレステリック液晶層を形成した後、接着剤を使用して基材に接着したり、ラミネートなどの方法を用いて転写したりすることで、基材上にコレステリック液晶層を形成してもよい。
次に、前記光重合性多官能化合物としては、重合性官能基、重縮合性官能基または重付加に有効な官能基を分子中に2個ないしそれ以上有する単量体又はオリゴマーが使用できる。また、この光重合性多官能化合物に加えて、単官能の単量体又はオリゴマーを併用することも可能である。ラジカル系光重合性多官能単量体としては、例えば、トリメチロールプロパントリアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等を例示することができる。
また、ラジカル系光重合性多官能オリゴマーとしては、例えば、ポリウレタンポリアクリレート、エポキシ樹脂系ポリアクリレート、アクリルポリオールポリアクリレート等を例示することができる。
また、ラジカル系光重合性単官能単量体としては、アルキル(C1〜C18)(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、アルキレン(C2〜C4)グリコール(メタ)アクリレート、アルコキシ(C1〜C10)アルキル(C2〜C4)(メタ)アクリレート、ポリアルキレン(C2〜C4)グリコール(メタ)アクリレート、アルコキシ(C2〜C10)ポリアルキレン(C2〜C4)グリコール(メタ)アクリレート等で挙げられる。また、芳香族エポキシ化合物、脂環式エポキシ化合物、グリシジルエステル系化合物が使用でき、また、3次元架橋性液晶ポリオルガノシロキサンを使用することもできる。
続いて、重合開始剤としては、ラジカル系光重合開始剤やカチオン系光重合開始剤が使用できる。また、これら光重合開始剤に加えて、増感剤や過酸化物を併用することもできる。ラジカル系光重合開始剤としては、α−ヒドロキシアセトフェノン系、α−アミノアセトフェノン系等のアセトフェノン系、ベンゾインエーテル系、ベンジルケタール系、α−ジカルボニル系、α−アシルオキシムエステル系等公知のものを適用することができる。具体的にはα−アミノアセトフェノン、アセトフェノンジエチルケタール、ベンジルジメチルケタール、α−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチルフェニルプロパノン、ベンゾフェノン、ミヒラーズケトン、イソプロピルチオキサントン等を適用することができ、また、ベンゾフェノンとN−メチルジエタノールアミンとを併用することも可能である。
カチオン系光重合開始剤としては、従来公知のものを特に制限なく使用することができ、さらに、公知の増感剤や過酸化物と適宜併用することが好ましい。
例えば、アリルヨードニウム塩−α−ヒドロキシアセトフェノン系、トリアリルスルホニウム塩系、メタロセン化合物−パーオキサイド併用系、メタロセン化合物−チオキサントン併用系、メタロセン化合物−アントラセン併用系等を、カチオン系光重合開始剤として適用することができる。
そして、これら液晶物質、カイラル物質、光重合性多官能化合物及び重合開始剤を混合した液晶溶液を塗布するにあたって利用する塗工装置としては、コンマコーター、マイクログラビアコーター、オフセット等を使用することができる。また、コレステリック液晶層の厚みは0.5〜20μmでよい。好ましくは2〜10μmである。
このようにして形成されるコレステリック液晶が、黒色吸収層の上に直接配向させて形成可能で、且つ密着力を得られるものであれば、黒色吸収層の上に直接形成してもよいが、難しい場合は別の基材に形成した後、接着剤を挟んで黒色吸収層にラミネートした後、別基材を剥離することによって形成してもよい。
黒色吸収層は、少なくとも可視光波長を吸収するものである必要がある。これを形成する場合、例えば、カーボンブラック顔料を高分子樹脂などの各種バインダーに分散させた印刷用スミインキを、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、オフセット印刷法などで印刷して成膜する方法がある。また、カーボンブラック顔料の代りに、アニリンブラック、ペリレンブラック等に代表される有機黒色顔料、もしくはクロム、マンガン、鉄、コバルト、銅、等を含有した無機系ブラック、及びチタンブラック等を用いてもよいし、シアン、マゼンタ、イエローなどの各種着色顔料を混合することによる減法混色によって得られる黒色を用いてもよい。黒色吸収層の膜厚は、黒色顔料の含有量によるが、一般的に0.3μm程度から30μm程度である。
(コレステリックカラーの視認方法)
このようにして形成されたコレステリック層および黒色吸収層106により生じるコレステリックカラーを視認するには、第一反射層103も第二反射層105も形成されていない部分が必要であり、第一位相差層102および第二位相差層104を通過した光を視認する必要がある。この第一位相差層102および第二位相差層104を通過した光は直線偏光となり、偏光の向きは第一位相差層102の配向軸方向と一致しているか直交しているかのどちらかとなる。この偏光の向きはコレステリック層(106)が反射する円偏光の旋回方向に依存しており、コレステリック層(106)が右円偏光を反射するものを使用している時は第一位相差層102の配向軸方向と一致し、左円偏光を反射するものを使用している時は第一位相差層102の配向軸方向に直交する。
このようにコレステリックカラーは直線偏光となるため、偽造防止媒体30の第一位相差層102の近傍で重ねてモノクロ潜像を視認するために使用した直線偏光板である偏光板10は、遠方からコレステリックカラーを観察する際にも同じ直線偏光板である偏光板10を使うことによって、色光の有無を確認することができる。
なお、図2では、材料にコレステリック液晶を用いたコレステリック層を用いることでカラーシフトを行う場合を例示したが、多層フィルムや、パール顔料を含んだ印刷層など、円偏光反射の機能は持たないもののカラーシフト効果を持った材料は他にもあり、それらの材料からなる層をコレステリック層と置き換えてもよいし、カラーシフト効果の無い別の色彩印刷層などを設けてもよい。
(潜像が出現する原理)
次に、図1、図2に示す偽造防止媒体20および30において、潜像が出現する原理を説明する。
図3および図4は、偽造防止媒体20および30において、潜像が出現する原理を説明するために、図2の偽造防止媒体30を構成する各層を、層毎に分割した断面図と、色々な種類の光が各層を貫くとどのように変化していくかを示したものである。
図3において、100は、偽造防止媒体30および偏光板101を表したものであり、偏光板101は0度方向で偽造防止媒体30に重ねられた状態にある。この状態にある偏光板101を偏光板(A)とする。図3において、102は第一位相差層、103は第一反射層、104は第二位相差層、105は第二反射層、106はコレステリック層及び黒色吸収層である。コレステリック層と黒色吸収層の位置関係は、コレステリック層が黒色吸収層と第二反射層105とに挟まれている状態にある。
また、図3において、107は偏光板(A)の透過軸方向を説明するマークであり、0度方向で偽造防止媒体30に重ねられた状態にある偏光板(A)の透過光軸方向である。同様に、108は第一位相差層102の配向軸方向を示し、109は第二位相差層104の配向軸方向を示している。
まず、図3において、第一反射層103が存在するエリアに、自然光が入射した場合の各部での光の変化を説明する。
第一反射層103が存在するエリアにおいて、自然光110が偏光板(A)101に入射すると、自然光110が0度方向で偽造防止媒体30に重ねられた状態にある偏光板(A)101を通過した直線偏光(A)111となる。この直線偏光(A)111は第一位相差層102を通過すると、直線偏光(A)111が第一位相差層102を通過した円偏光(A)112となる。続いて円偏光(A)112は第一反射層103により反射し、円偏光(A)112が第一反射層103により反射された円偏光(B)113になる。この反射は固定端反射となるため位相が180度ずれることにより、円偏光(B)113は円偏光(A)112とは旋回方向が逆転する。この円偏光(B)113は第一位相差層102を再度通過すると、円偏光(B)113が第一位相差層102を通過した直線偏光(B)114となる。図示の通り、この直線偏光(B)114は直線偏光(A)111とは偏光軸が90度ずれている。
したがって、この直線偏光(B)114が偏光板(A)101を通ると、直線偏光(B)114が偏光板(A)101を通過した観察光(A)115となるが、偏光板(A)101の透過軸方向と直交しているため殆ど透過せず、観察光(A)115は暗くなる。
同様に、図3において、第一反射層103が存在せず、第二反射層105が存在するエリアに、自然光が入射した場合の各部での光の変化を説明する。
第一反射層103が存在せず、第二反射層105が存在するエリアにおいて、自然光110が偏光板(A)101に入射すると、上記と同様に、自然光110は偏光板(A)101を通過することにより直線偏光(A)111となり、さらに第一位相差層102を通過することにより円偏光(A)112となる。続いて、円偏光(A)112が第二位相差層104を通過すると、円偏光(A)112が直線偏光(Cα)116となる。この直線偏光(Cα)116が第二反射層105により反射されると、直線偏光(Cα)116が第二反射層105により反射された直線偏光(Cβ)117となるが、この時の反射で生じる固定端反射では180度の位相反転が生じても直線偏光には影響が無いため、図示の通り直線偏光(Cα)116と直線偏光(Cβ)117とで偏光方向に変わりは無い。この直線偏光(Cβ)117が再度第二位相差層104を通過すると、直線偏光(Cβ)117が第二位相差層104を通過した円偏光(C)118となるが、この円偏光(C)118は円偏光(A)112と同じ旋回方向の円偏光であるため、続いて円偏光(C)118が第一位相差層102を通過すると、円偏光(C)118が第一位相差層102を通過した直線偏光(D)119となり、この直線偏光(D)119も直線偏光(A)111と偏光方向が同じであるため、直線偏光(D)119が偏光板(A)101を通過した観察光(B)120は、偏光板(A)101の透過軸方向と一致しており、観察光(B)120は明るくなる。このため観察光(A)115と観察光(B)120の明るさの差がコントラストとなり、モノクロ画像が潜像として視認可能となる。
次に、図3において、偽造防止媒体30に入射された自然光が、コレステリック層(106)で反射された反射光を観察するエリアについて説明する。
自然光110が偏光板(A)101に入射すると、上記と同様に、自然光110は偏光板(A)を通過することにより直線偏光(A)111となり、さらに第一位相差層102を通過することにより円偏光(A)112となり、続いて、第二位相差層104を通過し、直線偏光(Cγ)121となる。
この直線偏光(Cγ)121は、円偏光(A)112が第二位相差層104を通過した直線偏光(Cα)116と全く同じ光であるが、直線偏光(Cγ)121がコレステリック層(106)により反射されず透過した分は、黒色吸収層(106)に吸収されることになる。コレステリック層(106)から反射された円偏光(D)122は、再度第二位相差層104を通過すると、円偏光(D)122が第二位相差層104を通過した直線偏光(E)123となる。この直線偏光(E)123の偏光方向は、コレステリック層(106)が右円偏光を反射する物であった場合は、第一位相差層102の配向軸方向と一致し、コレステリック層(106)が左円偏光を反射する物であった場合は、第一位相差層102の配向軸方向に直交する。したがって、図示しているのはコレステリック層(106)から右円偏光が反射された場合の図となる。この直線偏光(E)123が第一位相差層102を通過すると、直線偏光(E)123が第一位相差層102を通過した直線偏光(F)124となるが、この直線偏光(F)124の偏光方向は、直線偏光(E)123の偏光方向に関わらず、直線偏光(E)123の偏光方向に一致し、なお且つ偏光板(A)101の透過軸方向とのなす角は45度となる。そのため、この直線偏光(F)124が偏光板(A)101を通過すると、直線偏光(F)124が偏光板(A)101を通過した観察光(C)125となり、この観察光(C)125は明るくも暗くも無い中ぐらいの明るさとなるが、コレステリック層(106)特有のコレステリックカラーとカラーシフト現象を確認することが可能である。
図4は、図3と全く同じ構成の偽造防止媒体30に対し、重ねる偏光板を45度回転させたものである。
図4において、200は、偽造防止媒体30および偏光板201を表したものであり、偏光板201は45度方向で偽造防止媒体30に重ねられた状態にあり、この状態にある偏光板201を偏光板(B)とする。また、図4中の207は、45度方向で偽造防止媒体30に重ねられた状態にある偏光板(B)の透過光軸方向である。
まず、図4において、第一反射層103が存在するエリアに、自然光が入射した場合の各部での光の変化を説明する。
自然光110が45度方向で偽造防止媒体30に重ねられた状態にある偏光板(B)201を通過した直線偏光(G)211が、第一位相差層102を通過すると、直線偏光(G)が第一位相差層102を通過した直線偏光(H)212となる。この直線偏光(H)212が第一反射層103により反射されると、直線偏光(H)212が第一反射層103により反射された直線偏光(I)213となるが、この時の反射で生じる固定端反射では180度の位相反転が生じても直線偏光には影響が無いため、図示の通り直線偏光(I)213と直線偏光(G)212とで偏光方向に変わりは無い。
この直線偏光(I)213が第一位相差層102を再度通過すると、直線偏光(I)213が第一位相差層102を通過した直線偏光(J)214となる。この際、直線偏光(I)213の偏光方向と第一位相差層102の配向軸方向が一致しているため、直線偏光(J)214と直線偏光(I)213は図示の通り偏光方向に変わりは無い。またその偏光方向は偏光板(B)201の透過光軸方向とも一致しているため、直線偏光(J)214が偏光板(B)201を通過した観察光(D)215は、明るく見える。
同様に、図4において、第一反射層103が存在せず、第二反射層105が存在するエリアに、自然光が入射した場合の各部での光の変化を説明する。
第一反射層103が存在せず、第二反射層105が存在するエリアにおいて、自然光110が偏光板(B)201に入射すると、上記と同様に、自然光110は偏光板(B)201を通過することにより直線偏光(G)211となり、さらに第一位相差層102を通過することにより直線偏光(H)212となる。続いて、直線偏光(H)212が、第二位相差層104を通過すると、直線偏光(H)212が第二位相差層104を通過した円偏光(Eα)216となる。円偏光(Eα)216が第二反射層105により反射されると、円偏光(Eα)216が第二反射層105により反射された円偏光(F)217となるが、この反射は固定端反射となるため位相が180度ずれることにより、円偏光(F)217は円偏光(Eα)216とは旋回方向が逆転する。この円偏光(F)217が第二位相差層104を通過すると、円偏光(F)217が第二位相差層104を通過した直線偏光(K)218となり、この直線偏光(K)218の偏光方向は直線偏光(H)212とは直交しており、第一位相差層102の配向軸方向とも直交している。この直線偏光(K)218が第一位相差層102を通過すると、直線偏光(K)218が第一位相差層102を通過した直線偏光(L)219となるが、直線偏光(L)219の偏光方向は図示の通り直線偏光(K)218と同じであるため偏光板(B)201の透過軸方向とも直交している。そのため、直線偏光(L)219が偏光板(B)201を通過した観察光(E)220は、暗く見える。
このため観察光(D)215と観察光(E)220との明るさの差がコントラストとなり、モノクロ画像が潜像として視認可能となる。
また、図3の観察光(A)115は暗いのに対し、図4の観察光(D)215は明るくなっており、偽造防止媒体30の同じ位置を観察しているにも関わらず観察光の明るさが逆転している。同様に、図3の観察光(B)120は明るいのに対し、図4の観察光(E)220は暗くなっており、偽造防止媒体30の同じ位置を観察しているにも関わらず観察光の明るさが逆転している。
したがって、図1、図2において、偏光板10を、偽造防止媒体20または30に対して位置0度と位置45度に回転させると、潜像であるモノクロ画像のネガポジが逆転することになることがわかる。
図5は、観察光(A)〜(F)について、反射光の強さを個別に正規化したグラフであり、偏光板10をさらに回転させた時に各観察光の明るさがどのように変わっていくかを説明したものである。なお、観察光(F)は、図4においてコレステリック層(106)からの反射光を観察するエリアで観察される観察光を表す。
図5において、実線で示す観察光(A)115および観察光(E)220は偏光板10の、偽造防止媒体30に対する角度が0度、90度、180度の時に最も暗くなり、45度、135度の時が最も明るい。逆に破線で示す観察光(B)および観察光(D)は0度、90度、180度の時が最も明るく、45度、135度の時が最も暗い。この明るさの差がコントラストになり、ネガポジを繰り返す。一点鎖線が示す観察光(C)および観察光(F)については後述する。
次に、図4において、コレステリック層(106)からの反射光を観察するエリアにおいて、自然光が入射した場合の各部での光の変化を説明する。
上記と同様に、自然光110は偏光板(B)201を通過することにより直線偏光(G)211となり、さらに第一位相差層102を通過することにより直線偏光(H)212となり、続いて、直線偏光(H)212が、第二位相差層104を通過することにより、円偏光(Eβ)221となる。この円偏光(Eβ)221は、直線偏光(H)212が第二位相差層104を通過した円偏光(Eα)216と全く同じ光であるが、円偏光(Eβ)221がコレステリック層(106)に反射されず透過した分は、黒色吸収層(106)に吸収されることになる。コレステリック層(106)から反射された円偏光(F)222は、再度第二位相差層104を通過すると、円偏光(F)222が第二位相差層(104)を通過した直線偏光(M)223となる。この直線偏光(M)223の偏光方向は、図3の時と同様にコレステリック層(106)が右円偏光を反射する物であった場合は、第一位相差層102の配向軸方向と一致し、コレステリック層(106)が左円偏光を反射する物であった場合は、第一位相差層102の配向軸方向に直交する。したがって、図4では、コレステリック層(106)から右円偏光が反射された場合を示している。この直線偏光(M)223が第一位相差層102を通過すると、直線偏光(M)223が第一位相差層102を通過した直線偏光(N)224となるが、この直線偏光(N)224の偏光方向は、直線偏光(M)223の偏光方向に関わらず、直線偏光(M)223の偏光方向に一致し、且つ偏光板(B)201の透過軸方向とも一致する。
そのため、この直線偏光(N)224が偏光板(B)201を通過すると、直線偏光(N)224が偏光板(B)201を通過した観察光(F)225となり、この観察光(F)225は明るくなり、コレステリック層(106)特有のコレステリックカラーとカラーシフト現象をしっかり確認することができる。
ここで、図5の破線で示す観察光(C)および観察光(F)について説明する。観察光(C)および観察光(F)が観察される光の経路においては、最終的に視認することになる光(つまり観察光)の特性は、固定されたコレステリック層(106)からの反射光に依るため、コレステリック層(106)が右円偏光を反射する場合は図3や図4に図示する通り偏光方向45度の直線偏光が固定で出てくる。このため図5の破線で示す通り、偏光板10の偽造防止媒体30に対する角度45度で最も明るく、135度で最も暗くなる。なお、コレステリック層(106)が左円偏光を反射する場合は、偏光方向45度の直線偏光が出てくることになるため、グラフは反転し135度が最も明るく、45度が最も暗くなるようになる。
(偽造防止媒体の観察例)
図6から図9は、偽造防止媒体30に、実際に偏光板10を重ねた時にどのような効果を観察できるかを具体的に説明したものである。図6および図7はコレステリック付き構成の偽造防止媒体30の上面図であり、図2に示す第一反射層103および第二反射層105のパターンを説明したものである。図6は、「TP」の文字パターンを形成している。図7は、第二反射層105のパターンを黒で示しており、白く抜けた部分は、図6に示すように「TP」の文字パターンを形成している第一反射層103の「P」の半円の部分と一致しており、この抜けた部分からはコレステリック層及び黒色吸収層106のコレステリック層が見えることになる。つまり、第一反射層103は「T」および「P」の文字形状からなる層であり、第二反射層105は、偽造防止媒体30の全面に形成されかつ「P」の半円の部分のみが除去された形状からなる層となる。
図8は偏光板10を偽造防止媒体30に対して45度の角度で重ねた時の上面観察図であり、偏光板10を重ねた部分だけ、「TP」の文字パターンで形成されている第一反射層103を視認することができる。またコレステリック層及び黒色吸収層106はコレステリックカラーを視認できる。
図9は、図8において、偽造防止媒体30に重ねられている偏光板10の角度をさらに45度回転させたものである。図9に示すように、偏光板10が重ねられた部分にのみ潜像が出現し、第一反射層103が形成されている部分と第二反射層105が形成されている部分の潜像が図8と比べてネガポジ反転した画像となる。またコレステリック層及び黒色吸収層106はコレステリックカラーを視認でき、この際のコレステリックカラーは図8と明るさが異なる。
このように、観察光(A)、(B)、(D)および(E)は、偽造防止媒体30に直線偏光板10を重ねて回転させることによってモノクロ潜像の出現とネガポジ反転現象を確認できる。一方で、自然光110が直線偏光板10を通過しなくても得ることができる観察光(C)および(F)は、手元に直線偏光板10を用意し、少し離れた所から直線偏光板10を介して観察しても、直線偏光板10を回転させることによって明るさが変わる現象を確認できるため、遠隔真贋判定機能も備えているということになる。
(両面潜像偽造防止媒体)
次に、両面から異なる潜像を観察することの可能な偽造防止媒体について説明する。
図10は、図1の偽造防止媒体20の基本構成において、さらに第三位相差層301を加えた両面潜像偽造防止媒体40の一例である。第三位相差層301は、偽造防止媒体20の第二反射層105側に設けられ、第一位相差層102側および第三位相差層301側の両方から、潜像を観察できるようになっている。すなわち、偽造防止媒体の両面で異なる画像を確認することができ、かつ円偏光が透過すると旋回方向が逆転する機能を組み込んだものである。
両面潜像偽造防止媒体40の基本的な原理は図3および図4を用いて説明した通りであり、位相差層を1層通るエリアと位相差層を2層通るエリアとで画像を形成する。第二反射層105は両方の観察面において、それぞれ2番目の反射層を兼ねることになり、この際、第三位相差層301は第二位相差層104と配向軸が45度ずれていればよく、第一位相差層102と第三位相差層301の配向軸のなす角は0度でも90度でもよい。
両面潜像偽造防止媒体40の、第一反射層103および第二反射層105の好適なパターンは、図11および図12に例示することができる。
図11は、第一位相差層102を最表面とする面側から見たときの第一反射層103のパターンを黒で示しており「TP」の文字を表している。図12は、同じく第一位相差層102を最表面とする面側から見たときの、第二反射層105のパターンを示しており「AL」の文字を上下および左右反転した図形が抜けているパターンである。図12の白黒反転パターンは、図11のパターンよりも小さく、図12の黒色部に図11の黒色部を重ねると全て黒くなる。このため実際は両面どちらから見ても全面が銀色に見えることになる。
図13は、両面潜像偽造防止媒体40に偏光板10を重ねた状態を示しており、第一位相差層102を最表面とする面側から観察している。このとき、「TP」の文字が潜像として出現する。図14は同様に偏光板10を重ねた状態を示しており、第一位相差層102を最表面とする面の逆側から観察している。このとき、「AL」の文字以外がネガポジ反転した画像が、潜像として出現することになる。
図10において、第一位相差層102を最表面とする面側をA面とし、第三位相差層301を最表面とする面側をB面とした時、A面からの入射光が第一位相差層102のみを通るエリアをA面1層位相差エリア302とし、第一位相差層102及び第二位相差層104を通るエリアをA面2層位相差エリア303とする。また、B面からの入射光が第三位相差層301のみを通るエリアをB面1層位相差エリア304とし、第三位相差層301及び第二位相差層104を通るエリアをB面2層位相差エリア305とする。また面内に第一反射層103、第二反射層105の両方とも存在せず、A面もしくはB面からの入射光が第一位相差層102、第二位相差層104および第三位相差層301の全てを通過するエリアを3層位相差エリア306とする。
この図10の構成では、図2のようにコレステリック層(106)による色変化を伴う機能を加えることはできないが、この3層位相差エリア306をコレステリック層に重ねて円偏光を通過させると、第一位相差層102および第三位相差層301の配向軸のなす角によって通過後の円偏光旋回方向に方向逆転が発生する。コレステリック層が反射する円偏光の旋回方向に関わらず、第一位相差層102および第三位相差層301の配向軸のなす角が0度である3層位相差エリア306を円偏光が通過すると旋回方向が逆転し、前記なす角が90度の3層位相差エリア306を通過すると影響なく旋回方向の同じ円偏光のままとなる。
図15は、この現象が起きる理由を説明したものであり、第一位相差層102および第三位相差層301の配向軸のなす角が0度と90度の透明エリアにおけるコレステリック層からの反射光がどのように変化しているかを示しており、取り分けコレステリック層からの反射光が右円偏光になっている場合について例示している。
図15における、307は、第一位相差層102の配向軸方向とのなす角が0度となる配光軸方向を有する第三位相差層(α)、308は第一位相差層102の配向軸方向とのなす角が90度となる配光軸方向を有する第三位相差層(β)、309は第三位相差層(α)307の配向軸方向、310は第三位相差層(β)308の配向軸方向、311は右円偏光を反射するコレステリック層及び黒色吸収層、312はコレステリック層表面で反射した右円偏光、313は右円偏光が第一位相差層102を通過した直線偏光(O)、314は直線偏光(O)313が第二位相差層104を通過した直線偏光(P)である。315は直線偏光(P)314が第三位相差層(α)307を通過した円偏光(G)、316は直線偏光(P)314が第三位相差層(β)308を通過した円偏光(H)316である。
右円偏光が第一位相差層102を通過した直線偏光(O)313の偏光方向は、第二位相差層104の配向軸方向109と直交しているため、直線偏光(O)313が第二位相差層104を通過した直線偏光(P)314の偏光方向は直線偏光(O)313の偏光方向と同じである。そして直線偏光(P)314は、最後に通過する第三位相差層(α)307の配向軸方向(309)と偏光方向のなす角が右回りに45度傾いているため、コレステリック層311表面で反射した右円偏光と旋回方向が逆の左円偏光となる。逆に直線偏光(P)314の偏光方向と、配向軸方向とのなす角が左回りに45度傾いている第三位相差層(β)310を通過すると、直線偏光(P)314が第三位相差層(β)308を通過した円偏光(H)316はコレステリック層311表面で反射した右円偏光と旋回方向が同じ右円偏光となる。
図16は、図15におけるコレステリック層311の反射光が左円偏光になっている場合について説明したものであり、図16中の317は左円偏光を反射するコレステリック層及び黒色吸収層、318はコレステリック層317表面で反射した左円偏光、319は左円偏光が第一位相差層102を通過した直線偏光(Q)、320は直線偏光(Q)319が第二位相差層104を通過した直線偏光(R)、321は直線偏光(R)320が第三位相差層(α)307を通過した円偏光(I)、322は直線偏光(R)320が第三位相差層(β)308を通過した円偏光(J)を示している。
左円偏光が第一位相差層102を通過した直線偏光(Q)319の偏光方向は、第二位相差層104の配向軸方向109と同じであるため、直線偏光(Q)319が第二位相差層104を通過した直線偏光(R)320の偏光方向は直線偏光(Q)319の偏光方向と同じである。そして直線偏光(R)320は、最後に通過する第三位相差層(α)307の配向軸方向309と偏光方向のなす角が左回りに45度傾いているため、コレステリック層317表面で反射した左円偏光と旋回方向が逆の右円偏光となる。逆に直線偏光(R)320の偏光方向と、配向軸方向とのなす角が右回りに45度傾いている第三位相差層(β)308を通過すると、直線偏光(R)320が第三位相差層(β)308を通過した円偏光(J)322はコレステリック層317表面で反射した左円偏光と旋回方向が同じ左円偏光となる。
このように、図10に示す3層位相差エリア306を有する両面潜像偽造防止媒体40は、この両面潜像偽造防止媒体40とは別に設けられた円偏光を反射する媒体を重ねて、フィルタ(円偏光フィルタ)のように使用する。そして、円偏光フィルタを用いて反射光を観察することで生じる変化を、真贋判定手法として活用することができる。
(回折構造付き偽造防止媒体)
次に、偽造防止媒体の反射層が回折構造を有する場合について説明する。
図17は、図1に示す偽造防止媒体20の第一反射層103および第二反射層105が回折構造を有する、回折構造付き偽造防止媒体50の一例を示す断面図である。
ここで、これまで説明した、偽造防止媒体20、30、および40は、その第一反射層103および第二反射層105が、原則的に模様などを持たない一様で平坦なものである。この図17に示す回折構造付き偽造防止媒体50は、意図的に回折構造を形成し、その上に蒸着などの手段を用いて反射層を形成することにより作成した回折反射層を、第一反射層103および第二反射層105として用いることにより、ホログラムの効果も兼ね備えた偽造防止媒体を実現するようにしたものである。
回折構造とは、光回折機能を有する微細な凹凸であり、表面に沿って設けられた光反射膜によって光が反射回折され、その反射回折光は見る角度や方向によってその色彩や模様が変化することから、複写や模造が困難であり偽造防止効果に優れているものである。
図17において、503は第一回折反射層、505は第二回折反射層である。これに第一位相差層102、第二位相差層104を加え、第一位相差層102、第一回折反射層503、第二位相差層104および第二回折反射層505をこの順に積層したものが、回折構造付き偽造防止媒体50である。
第一回折反射層503および第二回折反射層505は、光反射層と剥離層の間に回折構造が形成されたものであり、前述した第一反射層103や第二反射層105の材料や作り方の例示とほぼ同様にして形成される。
具体的には次のような工程で作ることができる。
まず、表面に微細な凹凸パターンを有する母型を準備する。微細な凹凸パターンは、例えば、光回折機能を有する回折格子やホログラムを構成する凹凸パターンであり、凸部の高さまたは凹部の深さ、そのピッチは、共に、0.1〜10μm程度であることが望ましい。この凹凸パターンの回折によって形成される画像は、例えば文字や図などでよく、ロゴマークや、バーコードなどの機械読取コードなどを入れてもよい。
このような母型は、例えば、基板上にフォトレジストを塗布し、2光束干渉法に従って露光し、現像することにより前記凹凸パターンを形成することで、作成することができる。また、基板上に電子線レジストを塗布し、電子線描画し、現像することにより前記凹凸パターンを形成することで、作成することもできる。また、シリコンをエッチングする方法によって作成することもできる。
また、このようにして得られた凹凸パターンを原版として、反転を繰り返すことによって母型を作成することもできる。すなわち、この凹凸パターンを原版としてその表面にニッケル、鉄等金属を電鋳した後、剥離することにより、金属製の母型を作成することができる。また、前記原版を樹脂により型取りして樹脂製の母型を作成することもできる。こうして作成した母型はそのまま使用することもできるが、ロールの周囲に巻きつけて使用することが望ましい。
次に、この回折構造を形成するための基材となるシートを準備する。これは第一反射層103や第二反射層105を形成する際に用いた基材となるシートと同じ材料および同じ手順で形成すればよい。
また基材に剥離層を設けるが、剥離層の形成方法についても、第一反射層103や第二反射層105を形成する際に用いた剥離層と同じでよい。
続いて、剥離層の上に、凹凸パターン形成層として熱可塑性樹脂を塗布し、乾燥する。乾燥後の膜厚は、前記凹凸パターンが正確に複製できる厚みであればよいが、このためには、前記凹凸パターンの凸部の高さまたは凹部の深さの1から10倍であることが望ましい。一般には、0.5〜5μmでよい。
熱可塑性樹脂としては、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系/スチレン系共重合樹脂等が使用できる。尚、熱可塑性樹脂の代わりに、珪酸塩を成分に含む無機系材料などを使用することもできる。
そして、この被膜に前記母型を重ね、押圧して、母型の前記凹凸パターンを複製する。例えば、熱可塑性樹脂の被膜を形成した基材シートを連続的に走行させながら、前記母型を巻きつけたロールとペーパーロールとの間を通過させ、これら両ロールで押圧して、前記熱可塑性樹脂の被膜に凹凸パターンを転写して複製することができる。
なお、押圧に際して、母型を巻きつけたロールの温度及び圧力は、エンボス形状を再現する観点からは比較的高温で、比較的高い圧力でエンボスする方がよく、エンボス版への付着を防止するためには全く逆の関係となる。このため、温度50〜150℃、圧力10〜50kg/cmの条件で押圧することが望ましい。
剥離層は、凹凸パターン形成層が基材フィルムと適度な密着力を有していれば省略してもよいが、エンボス時に凹凸パターン形成層がエンボス版へ貼り付かず、且つ第一回折反射層503および第二回折反射層505として形成された後に基材シートを剥がす必要があるため、凹凸パターン形成層と基材フィルムの密着力は非常に繊細なコントロールが要求される。そのため剥離層の材料や加工条件の調整によって、この密着力をコントロールするのが好ましい。
次に、この凹凸表面に沿って、光反射膜を形成する。光反射膜の形成方法や材料は、第一反射層103や第二反射層105の形成方法について述べた際の気相堆積法と同じでよい。
この光反射層の上に第一反射層103や第二反射層105を形成する反射転写箔の作成方法を説明した時と同じ接着剤を設置することで、第一回折反射層503および第二回折反射層505を形成するための回折反射転写箔ができあがる。
第一回折反射層503および第二回折反射層505は、第一反射層103や第二反射層105とは異なり肉眼で視認できる回折光が出ているので、柄の位置合わせをしないと潜像たりえない。これを説明したのが図18、図19である。
図18は第二回折反射層505であり、ここでは回折像の画像として「Security」という文字パターンが視認できる回折パターン506が全面に設けられているものを例示している。この上に第二位相差層104を形成した後、図19に示すような第一回折反射層503を形成する。この第一回折反射層503は「TP」という文字パターンのみであり、507は除去部である。
除去部507は、サーマルヘッド方式で回折反射転写箔を転写しないことによって形成されてもよいし、「TP」文字パターンの金型を用いたホットスタンピング方式で転写しないことによって形成されてもよいし、高出力レーザーを除去部507に照射することによるレーザーアブレーションで予め除去しておくことによって形成されてもよいが、前述の第一反射層103と第二反射層105を同じ方式で設けた方がよいというのと同じ理由で、境界を分かり辛くするため第一回折反射層503と第二回折反射層505においても、なるべく同じ方式で設けられた方がよい。第一反射層103と第二反射層105における説明において境界を視認し辛くする手法として光散乱層や網目模様印刷の形成を挙げているが、光散乱層の形成は回折光を散乱させ効果を消してしまうため使用しない方がよい。
転写方法がサーマルヘッド方式やホットスタンピング方式を用いる場合は取り分け、箔の切れ性がよい方が好ましい。このため熱可塑性樹脂や接着剤には、必要に応じてシリカフィラー、コロイダルシリカ、シリコンフィラー、各種ワックスなどを添加してもよい。
このようにして第一回折反射層503は回折パターン506が第二回折反射層505の回折パターン507と一致するように位置合わせして形成されることで、一見すると図18のように見える。さらにこの上に第一位相差層102を重ねることで、回折構造付き偽造防止媒体50ができる。外観は図18のようであり「Security」という文字パターンが回折光として視認でき、偏光板10を重ねることで図19に示すように、「TP」の文字パターン潜像を確認することができる。
図20は、両面潜像偽造防止媒体40と円偏光反射体602が設けられた透明基材の断面図である。
透明基材601の片面に円偏光反射体602が設けられ、反対面に両面潜像偽造防止媒体40が設けられており、両面潜像偽造防止媒体40と円偏光反射体602とが重なるように透明基材601が曲げられている様子を示している。図では省略しているが、両面潜像偽造防止媒体40や円偏光反射体602と透明基材601の間には接着剤が設けられている。
二本の矢印は円偏光反射体602からの反射光を、円偏光フィルタ603を通して観察している様子を示しており、矢印の片方である反転反射光604は両面潜像偽造防止媒体40のうち、第一位相差層102と第三位相差層301の配向軸のなす角が0度の3層位相差エリア306を貫いているものであり、もう片方の円偏光反射光605は、円偏光反射体602からの反射光を、直接円偏光フィルタ603を通じて貫いているものである。
透明基材601は位相差を持たない光学等方性であることが望ましく、例えばトリアセチルセルロース、ポリカーボネート、ポリプロピレン、低密度ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、非晶質ポリエチレンテレフタレート、ナイロン、ポリエーテルイミドなどの材料を用いた無延伸フィルムが望ましい。
円偏光反射体602は、延伸ポリエチレンテレフタレートや、延伸ポリエチレンナフタレートなどの適当なシート上にコレステリック液晶を配向・架橋させたものを形成し、その上に吸収層を形成したものを転写するなどして設けられてもよいし、円偏光を反射する顔料が分散したインキを用い印刷法で設けられてもよいし、λ/4位相差フィルムの片面に反射層を形成したものを、反射層が透明基材601に接するように貼付することによって設けられてもよい。
反転反射光604および円偏光反射光605の観察光は、片方が円偏光フィルタ603で透過、もう片方が遮蔽となる。3層位相差エリア306は、このようにして検証することによって効果を確認する。すなわち、このような構成とすることによって、円偏光反射体602の反射光の有無を確認することができる。
このように、各偽造防止媒体は、大規模な設備を必要とすることなく容易に実現することができる。また、第一反射層103および第二反射層105により潜像となるパターンを形成しているため、潜像の柄を容易にかつ個別に形成することができる。
なお、これまで断面図などを用いて説明してきた偽造防止媒体の各層を形成する際に、高い密着力を得るために、図示していないが各層間にアンカー層や接着層が適宜設けられていてよい。
また、上記偽造防止媒体30では、コレステリック層と黒色吸収層とをともに備えた場合について説明したが、必ずしも黒色吸収層を設ける必要はなく、得られる反射光の色数は少なくなるが、黒色ではない色吸収層としたり、コレステリック層のみを設けたりしてもよい。
また、これまで本発明の効果確認方法として、偏光板10や円偏光反射体602および人間の目を使った目視による方法を例示してきたが、人間の目の代わりにフォトダイオードなどの受光素子やCCDカメラなどを用い、各種ランプやレーザーなどの光源を追加して機械読み取りを行ってもよい。本発明の特徴である潜像を個別に形成する機能は、バーコードや二次元コードなど機械読み取りを前提とした画像を形成することができるため機械読み取りとの相性がよい。
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の趣旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
上記偽造防止媒体20、30、40、50は、例えばIDカードなど個人を認証するものに活用する用途が考えられる。個人の顔や名前などの情報を潜像とすることにより、悪意ある者によるIDカードの盗難に遭っても偏光板を用いない限り個人情報を認識することができないため、個人情報の流出を防げるだけでなく、個人情報など記録されていない通常のIDカードだと思い込んで不正利用しようとしたところを摘発するなどの利用が考えられる。
また、例えば、ステッカーに適用することができる。この場合、偽造防止媒体に接着層を設ければよい。これらのステッカーを物品に貼付し、物品に貼付されている偽造防止媒体を観察することによって、IDカードに限らず、物品の真偽判定を行うことができる。
このとき、偽造防止媒体の観察面とは逆側の面に接着層を設ける場合は、様々な物品に貼付することが可能である。
一方、偽造防止媒体の観察面に接着層を設ける場合は、透明な接着層を使用し、透明な物品に貼付することで、物品を介して偽造防止効果の確認を行うことができる。ただし、この透明な物品は、無延伸で製造されたアクリル板やガラス板など、位相差の無い物品である必要がある。また、両面潜像偽造防止媒体40においても、透明な接着層を使用し、透明な物品に貼付することで、両面潜像偽造防止媒体40の両面を観察面として利用することができる。
以下、本発明の一部について実施例を説明する。
まず、厚さ16μmの延伸ポリエチレンナフタレートフィルムに、下記の組成からなるコレステリックインキについて、乾燥硬化後の膜厚が3μmになるよう調整したものを、ワイヤーバーを用いて塗布し、80℃で1分間乾燥させた後、高圧水銀灯にて500mJの照射を行い硬化させることで、コレステリック層を得た。
<コレステリックインキ組成>
ネマチック液晶(パリオカラーLC242)(登録商標)[BASF社製]30重量部
カイラル剤(パリオカラーLC756)(登録商標)[BASF社製]1.5重量部
重合開始剤(イルガキュア184)[BASF社製]1.5重量部
溶剤(メチルエチルケトン)67重量部
続いてコレステリック層に、下記の組成からなるスミインキについて、乾燥硬化後の膜厚が3μmになるよう調整したものを、ワイヤーバーを用いて塗布し、100℃で3分間乾燥させ、黒色吸収層を得た。
<スミインキ組成>
NEWLPスーパーR92墨[東洋インキ製造社製]90重量部
NEWLPスーパー硬化剤[東洋インキ製造社製]10重量部
続いて黒色吸収層に、下記に示す接着剤について、乾燥後の膜厚が5μmになるよう調整したものを、ワイヤーバーを用いて塗布し、80℃で2分間乾燥して接着層を得た。
<接着剤組成>
ポリオレフィン樹脂(アウローレン100)(登録商標)[日本製紙ケミカル社製]20重量部
シリカ粒子(サイロホービック505)[富士シリシア社製]1重量部
溶剤(トルエン)79重量部
この接着層を平米辺りの重さ100グラムの厚紙に接するようにして重ね、温度150℃のシリコンゴムロールを適度な圧力をかけてラミネートし、前記ポリエチレンナフタレートフィルムを剥離することによって色彩変化台紙を得た。
この色彩変化台紙のコレステリック層の面に、下記に示すアンカーインキについて、乾燥後の膜厚が3μmになるよう調整したものを、ワイヤーバーを用いて塗布し、100℃で2分乾燥してアンカー層を得た。
<アンカーインキ>
塩化ビニル・酢酸ビニル系変性樹脂(ソルバインA)(登録商標)[日信化学工業社製]30重量部
シリカ粒子(サイロホービック505)[富士シリシア社製]1重量部
溶剤(トルエン)34.5重量部
溶剤(MEK)34.5重量部
続いて色彩変化台紙の中央に、ティッピングリボン(トッパン・フォームズ社製)を用いてサーマルヘッド付きプリンタで正方形の印字を行い、第二反射層を得た。
ここで、λ/4位相差フィルム(ピュアエースWR−M:帝人化成社製)の片面に先の接着剤を、逆面にアンカーインキを、同様の条件で塗工乾燥させた第二位相差フィルムを用意する。
色彩変化台紙の第二反射層が形成された面と、λ/4位相差フィルムの接着剤が形成された面とが接するように重ね、温度150℃のシリコンゴムロールを適度な圧力をかけてラミネートすることで第二位相差層を得た。
続いて第二位相差層の中央部であり、第二反射層の内側のエリアに、前記ディッピングリボンを用いてサーマルヘッド付きプリンタで「OK」の文字パターンに印字を行い、第一反射層を得た。
また、前記λ/4位相差フィルムの片面に先の接着剤を同様の条件で塗工乾燥させ、逆面に下記に記載の光散乱インキを、乾燥させた後の膜厚が3μmになるよう塗工し、100℃で2分間乾燥させて得た第一位相差フィルムを用意した。
<光散乱インキ>
ポリエステル樹脂(バイロン200)[東洋紡績社製]30重量部
シリカ粒子(サイロホービック100)[富士シリシア社製]6重量部
溶剤(MEK)64重量部
色彩変化台紙の第一反射層の面と、第一位相差フィルムの接着剤が接し、且つ第一位相差フィルムの配向軸方向と第二位相差層の配向軸方向が45度の角度になるような向きで重ね、温度150℃のシリコンゴムロールを適度な圧力をかけてラミネートすることで得られたコレステリック付き構成の偽造防止媒体は、一見すると四角い銀色エリアと、その周囲に色彩変化エリアが見えるだけの台紙であるが、偏光板を重ねると、OK文字パターンの潜像が確認でき、偏光板の回転によって潜像のネガポジ反転と、色彩変化エリアの明暗が切り替わっていった。
また偽造防止媒体を机上に置き、少し離れたところから偏光板を通して観察し、偏光板を回転させると、色彩変化エリアのみ明暗切り替えが生じた。
色彩変化台紙、ティッピングリボン、第一位相差フィルム、第二位相差フィルムを予め用意しておけば、サーマルヘッド付きプリンタとラミネータだけで好きな形の反射エリア形状、好きな柄の潜像を形成することができる。
10・・・偏光板
20・・・偽造防止媒体(基本構成)
30・・・コレステリック付き偽造防止媒体
40・・・両面潜像偽造防止媒体
50・・・回折構造付き偽造防止媒体
100・・・偽造防止媒体および0度方向で重ねられた状態にある偏光板(A)
101・・・0度方向で偽造防止媒体に重ねられた状態にある偏光板(A)
102・・・第一位相差層
103・・・第一反射層
104・・・第二位相差層
105・・・第二反射層
106・・・コレステリック層及び黒色吸収層
107・・・0度方向で偽造防止媒体に重ねられた状態にある偏光板(A)の透過光軸方向
108・・・第一位相差層の配向軸方向
109・・・第二位相差層の配向軸方向
110・・・自然光
111・・・自然光が0度方向で偽造防止媒体に重ねられた状態にある偏光板(A)を通過した直線偏光(A)
112・・・直線偏光(A)が第一位相差層を通過した円偏光(A)
113・・・円偏光(A)が第一反射層に反射した円偏光(B)
114・・・円偏光(B)が第一位相差層を通過した直線偏光(B)
115・・・直線偏光(B)が偏光板(A)を通過した観察光(A)
116・・・円偏光(A)が第二位相差層を通過した直線偏光(Cα)
117・・・直線偏光(C1)が第二反射層に反射した直線偏光(Cβ)
118・・・直線偏光(C2)が第二位相差層を通過した円偏光(C)
119・・・円偏光(C)が第一位相差層を通過した直線偏光(D)
120・・・直線偏光(D)が偏光板(A)を通過した観察光(B)
121・・・直線偏光(C1)が第二反射層に反射した直線偏光(Cγ)
122・・・コレステリック層から反射された円偏光(D)
123・・・円偏光(D)が第二位相差層を通過した直線偏光(E)
124・・・直線偏光(E)が第一位相差層を通過した直線偏光(F)
125・・・直線偏光(F)が偏光板(A)を通過した観察光(C)
200・・・偽造防止媒体と、45度方向で重ねられた状態にある偏光板(B)
201・・・45度方向で偽造防止媒体に重ねられた状態にある偏光板(B)
207・・・45度方向で偽造防止媒体に重ねられた状態にある偏光板(B)の透過光軸方向
211・・・自然光が45度方向で偽造防止媒体に重ねられた状態にある偏光板(B)を通過した直線偏光(G)
212・・・直線偏光(G)が第一位相差層を通過した直線偏光(H)
213・・・直線偏光(H)が第一反射層に反射した直線偏光(I)
214・・・直線偏光(I)が第一位相差層を通過した直線偏光(J)
215・・・直線偏光(J)が偏光板(B)を通過した観察光(D)
216・・・直線偏光(H)が第二位相差層を通過した円偏光(Eα)
217・・・円偏光(E)が第二反射層に反射した円偏光(F)
218・・・円偏光(F)が第二位相差層を通過した直線偏光(K)
219・・・直線偏光(K)が第一位相差層を通過した直線偏光(L)
220・・・直線偏光(L)が偏光板(B)を通過した観察光(E)
221・・・直線偏光(H)が第二位相差層を通過した円偏光(Eβ)
222・・・コレステリック層から反射された円偏光(F)
223・・・円偏光(F)が第二位相差層を通過した直線偏光(M)
224・・・直線偏光(M)が第一位相差層を通過した直線偏光(N)
225・・・直線偏光(N)が偏光板(B)を通過した観察光(F)
301・・・第三位相差層
302・・・A面1層位相差エリア
303・・・A面2層位相差エリア
304・・・B面1層位相差エリア
305・・・B面2層位相差エリア
306・・・3層位相差エリア
307・・・第一位相差層の配向軸方向とのなす角が0度となっている第三位相差層(α)
308・・・第一位相差層の配向軸方向とのなす角が90度となっている第三位相差層(β)
309・・・第三位相差層(α)の配向軸方向
310・・・第三位相差層(β)の配向軸方向
311・・・右円偏光を反射するコレステリック層及び黒色吸収層
312・・・コレステリック層表面で反射した右円偏光
313・・・右円偏光が第一位相差層を通過した直線偏光(O)
314・・・直線偏光(O)が第二位相差層を通過した直線偏光(P)
315・・・直線偏光(P)が第三位相差層(α)を通過した円偏光(G)
316・・・直線偏光(P)が第三位相差層(β)を通過した円偏光(H)
317・・・左円偏光を反射するコレステリック層及び黒色吸収層
318・・・コレステリック層表面で反射した左円偏光
319・・・左円偏光が第一位相差層を通過した直線偏光(Q)
320・・・直線偏光(Q)が第二位相差層を通過した直線偏光(R)
321・・・直線偏光(R)が第三位相差層(α)を通過した円偏光(I)
322・・・直線偏光(R)が第三位相差層(β)を通過した円偏光(J)
503・・・第一回折反射層
505・・・第二回折反射層
506・・・回折パターン
507・・・除去部
601・・・透明基材
602・・・円偏光反射体
603・・・円偏光フィルタ
604・・・反転反射光
605・・・円偏光反射光

Claims (8)

  1. 第一位相差層と、第一反射層と、第二位相差層と、第二反射層と、がこの順に積層されてなる偽造防止媒体であって、
    前記第一位相差層および前記第二位相差層は面方向全面に設けられ、かつ前記第一位相差層および前記第二位相差層の位相差値は共にλ/4であり、さらに前記第一位相差層および前記第二位相差層の互いの配向軸のなす角は45度であることを特徴とする偽造防止媒体。
  2. 第一位相差層と、第一反射層と、第二位相差層と、第二反射層と、色変化層とがこの順に積層されてなる偽造防止媒体であって、
    前記第一位相差層および前記第二位相差層は面方向全面に設けられ、かつ前記第一位相差層および前記第二位相差層の位相差値は共にλ/4であり、さらに前記第一位相差層および前記第二位相差層の互いの配向軸のなす角は45度であることを特徴とする偽造防止媒体。
  3. 第一位相差層と、第一反射層と、第二位相差層と、第二反射層と、第三位相差層とがこの順に積層されてなる偽造防止媒体であって、
    前記第一位相差層、前記第二位相差層および前記第三位相差層はそれぞれ面方向全面に設けられ、かつ前記第一位相差層、前記第二位相差層および前記第三位相差層の位相差値はそれぞれλ/4であり、
    さらに前記第一位相差層および前記第二位相差層の互いの配向軸のなす角と前記第二位相差層および前記第三位相差層の互いの配向軸のなす角はそれぞれ45度であり、前記第一位相差層および前記第三位相差層の互いの配向軸のなす角は0度であることを特徴とする偽造防止媒体。
  4. 第一位相差層と、第一反射層と、第二位相差層と、第二反射層と、第三位相差層とがこの順に積層されてなる偽造防止媒体であって、
    前記第一位相差層、前記第二位相差層および前記第三位相差層はそれぞれ面方向全面に設けられ、かつ前記第一位相差層、前記第二位相差層および前記第三位相差層の位相差値はそれぞれλ/4であり、
    さらに前記第一位相差層および前記第二位相差層の互いの配向軸のなす角と前記第二位相差層および前記第三位相差層の互いの配向軸のなす角はそれぞれ45度であり、前記第一位相差層および前記第三位相差層の互いの配向軸のなす角は90度であることを特徴とする偽造防止媒体。
  5. 前記色変化層は、コレステリック液晶を含んで構成されることを特徴とする請求項2記載の偽造防止媒体。
  6. 前記第一反射層および前記第二反射層はそれぞれ回折構造を有し、前記第一反射層と前記第二反射層とで各反射層の前記回折構造の位置が重なるように設けられていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の偽造防止媒体。
  7. 請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の偽造防止媒体の観察面とは反対側の面に接着層が設けられてなることを特徴とする偽造防止ステッカー。
  8. 請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の偽造防止媒体を備えることを特徴とする偽造防止物品。
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