JP2014069531A - 液体噴射装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】媒体がカールするなど反っていても、媒体上の液体を効率よく乾燥させることができる液体噴射装置を提供する。
【解決手段】液体噴射ヘッドよりも搬送方向Yの下流側となる位置には、印刷後の用紙を乾燥させる乾燥ユニット53が設けられている。乾燥ユニット53は、用紙の搬送面を兼ねた加熱面36aを有するヒーター36と、加熱面36aと対向して位置する上流側ローラー52と、上流側ローラー52よりも搬送方向Yの下流側の位置で加熱面36aと対応する下流側ローラー44とを備える。上流側ローラー52と加熱面36aとの距離d1は、下流側ローラー44と加熱面36aとの距離d2よりも長くなっている。
【選択図】図6

Description

本発明は、液体を媒体に噴射する液体噴射ヘッドを備えた液体噴射装置に関する。
従来から、液体噴射装置の一種として、液体噴射ヘッドから用紙等の媒体に対して液体の一例としてインクを噴射することにより印刷(記録)を行うインクジェット式のプリンターが知られている(例えば特許文献1、2等)。
液体噴射ヘッドによる印刷が施された用紙の印刷面はインクで濡れているので、そのまま排出されると、ユーザーが印刷面を触ったときに印刷面が汚れたり滲んだりする虞がある。このため、用紙の排出前に印刷部分のインクを乾燥させるヒーターを備える液体噴射装置が知られている。
例えば特許文献1に記載の液体噴射装置は、記録媒体の印刷済み部分を加熱すると共に記録媒体の送り経路を挟んで対峙する一対の平板状のヒーターからなる非接触ヒーターを備えている。さらにこの液体噴射装置では、記録媒体の送り方向において非接触ヒーターの上流側及び下流側に近接した位置に、記録媒体の加熱による湾曲を阻止する一対のカール阻止機構が配設されている。この非接触ヒーターは、一対のヒーターにより用紙の両面を非接触で加熱して用紙上のインクを乾燥させるようになっている。
また、特許文献2には、ロール紙等の長尺状の記録媒体上に画像を形成するインクジェット記録部と、その記録媒体上に供給される転写シートの転写層を記録媒体上に加熱加圧して転写させる第1の加熱加圧ローラー対と、転写層が転写された記録媒体を再度加熱加圧する第2の加熱加圧ローラー対とを備える。この場合、第1の加熱加圧ローラー対は転写シートの転写層を記録媒体上に熱転写するためのもので、第2の加熱加圧ローラー対は転写層の接着層を融着させて気泡等を除去する機能を有する。各加熱加圧ローラー対の下側のローラーは昇降部により昇降可能に設けられ、加圧力を調整可能となっている。
特開2001−212952号公報 特開2005−230806号公報
ところで、特許文献1に記載の非接触ヒーターは、媒体と非接触で主に輻射熱によりインクを乾燥させるものであり、接触式のヒーターに比べ、乾燥効率が劣るという問題がある。また、特許文献2に記載のインクジェット記録装置は、熱転写用のローラーが記録媒体上のインクを乾燥させる機能も有するが、ローラーと記録媒体とが略線接触である。このため、記録媒体の加圧箇所を搬送方向に移動させて接着性を高めるためには好ましい構造であるものの、ローラーと記録媒体との熱伝達面積(接触面積)が小さくインクの乾燥効率が低いという問題がある。
また、例えば平板状のヒーターに用紙を接触させて乾燥させる接触式のヒーターを採用した場合、用紙としてロール紙が用いられたときに印刷後の用紙がカールによってヒーター面に十分に接触できず浮いた状態となることがある。この場合、ヒーターから用紙への熱伝達効率が低下し、用紙上のインクの乾燥効率が低下してしまう。また、単票紙であっても、インクで濡れる印刷面側に凹むようにカールし易いため、カールした単票紙が平板状のヒーターに十分接触できず、同様にインクの乾燥効率が低下するという問題がある。このため、用紙がカールするなど反っていても、用紙上のインクを効率よく乾燥させたいという要望があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、媒体がカールするなど反っていても、媒体上の液体を効率よく乾燥させることができる液体噴射装置を提供することにある。
上記課題を解決する液体噴射装置は、媒体に液体を噴射する液体噴射ヘッドを備えた液体噴射装置であって、前記液体噴射ヘッドよりも媒体の搬送方向の下流側の位置に設けられた媒体の搬送面を兼ねた加熱面を有するヒーターと、前記加熱面と前記媒体の搬送経路を挟んで対向する位置に設けられた回転可能な上流側ローラーと、前記上流側ローラーよりも前記搬送方向に下流側の位置であって前記加熱面と前記搬送経路を挟んで対向する位置に設けられた回転可能な下流側ローラーと、を備え、前記上流側ローラーと前記下流側ローラーは、前記加熱面との距離がそれぞれ異なっている。
この構成によれば、仮にカールした媒体であっても、上流側ローラーと下流側ローラーとのうち、加熱面からの距離が相対的に長い側の一方のローラーで媒体の加熱面からの浮き上がりを押さえ、その押さえにより媒体を加熱面側へ近づけることができ、加熱面からの距離が相対的に短い側の他方のローラーで媒体を加熱面に、より近づけるように押さえることが可能になる。このため、カールなどした媒体であっても、ヒーターの加熱面(搬送面)で媒体上の液体を効率よく乾燥させることができる。
また、上記液体噴射装置では、前記距離は、前記上流側ローラーの方が前記下流側ローラーよりも長いことが好ましい。
この構成によれば、媒体の搬送方向下流側のカールした先端部を、上流側ローラーと加熱面との間により確実に案内できるうえ、上流側ローラーで加熱面からの浮き上がりを押さえた媒体を、さらに下流側ローラーで加熱面側へ押さえることによって、媒体をより加熱面に近づけた位置を搬送させることができる。例えば媒体が加熱面に当接する面積を広く確保できる。
また、上記液体噴射装置では、前記上流側ローラーは、搬送される前記媒体が当接することで従動回転する従動ローラーであり、前記下流側ローラーは前記媒体を押さえつつ搬送する駆動ローラーであることが好ましい。
この構成によれば、上流側ローラーが媒体を押えつつ従動回転する従動ローラーであっても、加熱面からの距離が相対的に長く、上流側ローラーにより媒体が加熱面に比較的強く押さえ付けられることがないので、媒体が受ける搬送抵抗が比較的小さく抑えられる。このため、例えば媒体の搬送抵抗に起因する搬送位置精度の低下を抑えることができる。
さらに上記液体噴射装置では、前記上流側ローラーと前記下流側ローラーは、それぞれ軸と、当該軸に一体回転可能又は相対回転可能に設けられたローラー部とを備え、前記上流側ローラーの前記ローラー部と前記下流側ローラーの前記ローラー部は、それぞれの材質が異なることが好ましい。
この構成によれば、上流側ローラーのローラー部と下流側ローラーのローラー部は、材質が異なるので、各ローラー部と媒体との間に働く摩擦抵抗を異ならせることが可能になる。例えば各ローラー部と媒体との摩擦抵抗が共に大きいと、これが媒体の搬送抵抗となって媒体の搬送方向の位置精度が低下し易く、例えば媒体上における液体の着弾位置精度の低下が危惧される。しかし、各ローラー部と媒体との摩擦抵抗が異なることで、媒体との摩擦抵抗の小さい材質側のローラー部の部分では、媒体にかかる搬送抵抗を相対的に小さく抑えられる。また、ローラーを駆動ローラーで構成した場合、そのローラー部の材質から決まる媒体との適度な摩擦抵抗によりローラー部の回転力を媒体により確実に伝達できる。
また、上記液体噴射装置では、前記上流側ローラーの前記ローラー部は、前記下流側ローラーの前記ローラー部よりも硬い材質からなり、前記軸の軸方向に間隔を開けて複数備えられていることが好ましい。
この構成によれば、上流側ローラーのローラー部は、下流側ローラーのローラー部よりも硬い材質からなるうえ、軸の軸方向に間隔を開けて複数備えられているので、未乾燥の媒体上の液体付着面との接触面積が比較的小さく抑えられ、媒体が受ける搬送抵抗を小さく抑えることができるうえ、媒体上の未乾燥の液体のローラー部への転写を抑制できる。
また、上記液体噴射装置では、前記下流側ローラーの前記ローラー部の材質はスポンジであることが好ましい。
この構成によれば、下流側ローラーのローラー部で、媒体をヒーターの加熱面に当接させるように押さえ付けても、ローラー部はそのクッション性により変形し易いので、媒体に与える搬送抵抗を比較的小さく抑えることができる。また、下流側ローラーを駆動ローラーで構成した場合、スポンジからなるローラー部と媒体との間の生じる適度な摩擦抵抗によりローラー部の回転力を媒体により確実に伝達して、媒体をより確実に搬送できる。
また、上記液体噴射装置では、前記下流側ローラーの前記ローラー部は、軸方向に前記媒体の幅方向全域に亘る長さを有することが好ましい。
この構成によれば、下流側ローラーのローラー部により媒体の幅方向全域を押さえことができる。よって、媒体と加熱面との当接面積(接触面積)を広く確保でき、媒体の乾燥を促進できる。
さらに上記液体噴射装置では、前記搬送方向において前記液体噴射ヘッドと前記上流側ローラーとの間には、前記媒体を搬送する搬送ローラー対が配置されていることが好ましい。
この構成によれば、上流側ローラーと下流側ローラーとで媒体を押さえるときに媒体が受ける搬送抵抗が比較的小さく抑えられるので、搬送ローラー対により搬送される媒体の搬送位置精度の低下を抑制できる。
一実施形態における記録装置を示す斜視図。 記録装置を示す模式側断面図。 乾燥ユニット及びカッターユニットを前斜めから見た斜視図。 乾燥ユニットを示す斜視図。 ヒーターの分解斜視図。 乾燥ユニットを示す側断面図。 (a)はヒーターとローラー間に用紙の先端が挿入される状態、(b)はヒーターとローラー間を用紙が搬送される状態をそれぞれ示す模式側面図。
以下、液体噴射装置の一例としてのインクジェット式の記録装置について、図を参照して説明する。
図1に示すように、本実施形態の記録装置11は、略矩形箱状の筐体部12を備えている。筐体部12は、第1収容部13と、第1収容部13の上側に配置された第2収容部14と、第1収容部13の後側に配置された第3収容部15とを備えている。
第1収容部13の前面側には、引き出し式の保持フレーム16の前端面16aと、前端面16aの上側に着脱可能に取り付けられた前面カバー17と、幅方向Xにおいて保持フレーム16の両側に回動可能に取り付けられた開閉カバー18とが配置されている。
開閉カバー18は、下端側に設けられた図示しない回動軸を中心に上端側が回動することで、図1に示す閉位置と、上端部が前方へ回動して内部が露出する開位置とに配置される。そして、開閉カバー18が開位置に配置されると、液体の一例であるインクを収容するインクカートリッジ19が着脱可能に装着されるカートリッジホルダー(図示略)が露出する。また、第2収容部14の前面側には、印刷後の用紙が排出される排出口20が形成されている。
図2に示すように、筐体部12から前面カバー17を取り外すと、保持フレーム16が露出する。また、保持フレーム16には、媒体の一例である長尺状の用紙Sを円筒状に巻き重ねたロール体Rを、支軸22aを介して回転可能に保持するホルダー22が設けられている。なお、ホルダー22には複数の異なるサイズのロール体Rがセット可能になっている。そして、ロール体Rがホルダー22にセットされる場合には、ロール体Rは幅方向Xにおける一端側(図1では右側)に位置決めされる。
図2に示すように、保持フレーム16には、用紙Sを第2収容部14側に向けて給送するための給送機構24が保持されている。給送機構24は、用紙Sの給送経路に沿って配置された給送経路形成部材25と、駆動源である給送モーター26と、給送モーター26の駆動力を伝達するための動力伝達機構27と、用紙Sを挟持して搬送する搬送ローラー対28,29,30とを備えている。
搬送ローラー対28,29,30は、駆動源の駆動力によって回転する駆動ローラーと、駆動ローラーと対をなす従動ローラーとによって構成されている。また、搬送ローラー対28,29の駆動ローラー及びホルダー22は、給送モーター26の駆動力によって回転する。
第2収容部14内には、用紙Sを排出口20に向けて搬送するための搬送機構34と、搬送機構34によって搬送される用紙Sにインクを噴射することで記録を行う記録部35と、インクが付着した用紙Sを乾燥させるためのヒーター36と、用紙Sを切断するためのカッター37aを有するカッターユニット37とが配置されている。
搬送機構34は、駆動源である搬送モーター38と、搬送モーター38の駆動力を伝達するための動力伝達機構39と、用紙Sを挟持して搬送する搬送ローラー対40〜42と、搬送モーター38の駆動力によって回転する駆動ローラー43,44とを備えている。なお、搬送ローラー対30の駆動ローラーは、動力を伝達可能な状態で動力伝達機構39に接続されているとともに、搬送モーター38の駆動力によって回転する。
記録部35は、主走査方向X(図2では紙面と直交する方向)に沿って延びるガイドレール45と、主走査方向Xに往復移動可能な状態でガイドレール45に保持されたキャリッジ46と、キャリッジ46をガイドレール45に沿って移動させるための駆動源であるキャリッジモーター47とを備えている。さらに記録部35は、主走査方向Xに所定距離を離れて配置された一対のプーリー48(図2では一方のみ図示)と、一対のプーリー48に巻き掛けられた無端状のタイミングベルト49とを備えている。一方のプーリー48はキャリッジモーター47の出力軸に連結され、キャリッジモーター47が正逆転駆動されることによりタイミングベルト49の一部に固定されたキャリッジ46がガイドレール45に沿って往復移動する。
キャリッジ46の下部にはインクを噴射可能な液体噴射ヘッド50が保持されている。また、キャリッジ46の下方には、搬送経路に沿って配置された搬送ローラー対40と搬送ローラー対41との間に、用紙Sを支持するための支持部材51が主走査方向Xに延びるように配置されている。
そして、記録部35において記録(印刷)が施された用紙Sは、搬送方向Yに液体噴射ヘッド50とヒーター36との間に配置された搬送ローラー対41,42によりヒーター36上へ搬送される。ヒーター36は、用紙Sの搬送方向Yに沿って延びる板状に形成され、その上面が加熱面36aとなっている。この加熱面36aは、用紙Sの印刷面と反対側の面(裏面)を支持しつつ用紙Sを案内する搬送面を兼ねている。そして、用紙Sはヒーター36の加熱面36aに沿って搬送されることで乾燥する。ヒーター36の上方には、搬送方向Yの上流側寄りの位置で用紙Sを押さえるための上流側ローラー52と、上流側ローラー52に対し搬送方向Yに所定距離を離れた下流側(図2では右側)位置に配置された下流側ローラーの一例としての前述の駆動ローラー44とが設けられている。なお、以下の説明では、上流側ローラー52よりも搬送方向Y下流側の位置で用紙Sを押さえる駆動ローラー44を、下流側ローラー44と呼ぶ場合がある。そして、本実施形態では、ヒーター36、上流側ローラー52及び下流側ローラー44等により、用紙S上のインクを乾燥する乾燥ユニット53が構成されている。
また、ヒーター36上を通過した乾燥後の用紙Sは、例えば単位長さ毎にカッターユニット37のカッター37aによって切断されることで、単票紙CPとなる。また、記録が完了した単票紙CPは排出口20を通じて筐体部12外に排出される。なお、第2収容部14内には、記録装置11を制御するコントローラーCが配置されている。各モーター26,38,47、液体噴射ヘッド50、ヒーター36及びカッターユニット37は、コントローラーCにより制御される。
搬送ローラー対42により搬送方向Yの下流側へ搬送された用紙Sは、板状のヒーター36の加熱面36aを搬送面として搬送される。このとき、用紙Sは、上流側ローラー52によりヒーター36側へ押さえられるとともに、下流側ローラー44によりヒーター36の加熱面36aに押さえ付けられつつ搬送される。こうして用紙Sの印刷面に付着したインクは、用紙Sがヒーター36の加熱面36aから受ける熱により乾燥する。
ヒーター36で乾燥処理が施された用紙Sは、ヒーター36に対し搬送方向Y下流側の位置に配設されたカッターユニット37のカッター37aの移動経路を横切るように通過する。そして、カッター37aが用紙Sの停止状態の下で主走査方向X(紙幅方向)に用紙Sを横断するように移動することにより、用紙Sは搬送方向Yに印刷の区切りとなる位置で切断される。そして、切断後の単票紙CPは、さらに搬送方向Yの下流側へ搬送されて排出口20から装置外へ排出される。
次に図3〜図5を用いて乾燥ユニット53について詳細に説明する。
図3及び図4に示すように、ヒーター36は、主走査方向Xに長く延びた略矩形板状のヒーター部55と、ヒーター部55の長手方向の一端部(図3では左端部)から折り曲げられて下方へ延出する四角板状の端子板56とを有する。図3及び図4に示すフロントフレーム54は、記録装置11の筐体部12において搬送方向Y下流側の位置に幅方向Xに延びるように架設されている。このフロントフレーム54は搬送方向Yに沿って延出するとともに幅方向Xに対向する一対の側板部54aを有している。そして、ヒーター36は、一対の側板部54aにヒーター部55の長手方向両端部が固定された状態で、その加熱面36aが用紙Sの搬送面となる所定の高さに略水平な姿勢で配置されている。
ヒーター部55の加熱面36aは、用紙Sの搬送方向Yと平行な平面状をなしている。ヒーター部55は、その主走査方向Xに、記録装置11で印刷可能な最大幅の用紙でもその幅方向全域を加熱しうる長さ(幅)を有するとともに、搬送方向Yに、用紙Sの搬送速度から必要な乾燥時間を確保しうる所定長さを有する。端子板56からはヒーター部55内の発熱体55aに電力(電流)を供給する複数本(本例では3本)の配線57が延びている。これら複数本の配線57は不図示の電力発生装置に接続されており、電力発生装置から配線57等を通じて電流が供給されることにより発熱体55aが発熱し、加熱面36aが設定温度に加熱される。
図3に示すように、搬送ローラー対42は、ヒーター36に対して搬送方向Y上流側にほぼ隣接する位置に、その回転軸42aが幅方向Xと平行に延びかつ回転可能に支持された状態で配置されている。この回転軸42aには、軸長の短い小さめのローラー部42bが、軸方向に一定の間隔を開けて複数設けられている。印刷後の用紙Sはこの搬送ローラー対42にニップされつつヒーター36の加熱面36aの上側へ搬送される。なお、本例では、2つの搬送ローラー対41,42の各従動ローラー(例えば図2では上側のローラー)にその回転軸の軸方向に間欠的に取着された複数のローラー部には、歯付きローラー(所謂ギザーローラー)に替えゴム製ローラーを使用している。このゴム製ローラーは用紙Sとの接触面積を小さくしてローラーへのインク転写等を極力防ぐためそのローラー幅が小さいもの(一例としてローラー幅が1〜2mmの範囲内)が使用されている。
図3及び図4に示すように、上流側ローラー52は、ヒーター36の加熱面36aに対して搬送方向Yの上流側寄りの位置で加熱面36aと用紙Sの搬送経路を挟んで対向する位置に配置されている。本例の上流側ローラー52は従動ローラーであり、搬送される用紙Sから受けた力で従動回転する。この上流側ローラー52は、両端部が左右一対の側板部54aに固定された軸の一例としての支軸58と、この支軸58にその軸方向に所定の間隔毎に相対回転可能に支持された複数のローラー部59とを備えている。複数のローラー部59は比較的硬い材質からなり、本例では樹脂製である。ローラー部59の材質としては、例えばPOM(ポリアセタール樹脂)を用いている。ローラー部59はPOM製とすることで、インクの付き難い比較的硬度のあるものとなる。このように用紙Sの印刷面に当たるローラー部59が軸方向(つまり主走査方向X)に間欠的に設けられているので、上流側ローラー52が用紙Sの印刷面と接触する接触面積が相対的に小さく抑えられる。また、ローラー部59は比較的硬度があるうえ撥水性も有するので、用紙Sを押さえるときに未乾燥の印刷面に当たっても、用紙Sからインクが転写されにくいうえ、印刷面が滲んだり擦れたりする事態を比較的回避可能となっている。また、複数のローラー部59は支軸58に回転可能に支持されているので、用紙Sの一部が接触しただけでも回転が可能になり、搬送抵抗を小さくすることが可能になっている。
また、図3及び図4に示すように、上流側ローラー52に対して搬送方向Y下流側の位置に配置された下流側ローラー44は、加熱面36aと用紙Sの搬送経路を挟んで対向する位置に配置されている。下流側ローラー44は、搬送モーター38(図2参照)の動力で回転可能な駆動ローラーである。この下流側ローラー44は、一対の側板部54aに軸支された軸の一例としての回転軸60と、回転軸60に一体回転可能に固定された軸方向に長い円筒状のローラー部61とを備える。本例では、ローラー部61とローラー部59とは材質が異なっている。ローラー部61は、ローラー部59に比べ柔らかい材質からなり、例えばスポンジからなる。つまり、本例のローラー部61は、円筒状のスポンジからなるスポンジローラーである。ローラー部61は、用紙Sの幅方向全域を押さえることが可能な長さを軸方向に有している。
回転軸60の一方の端部には歯車62が固定され、この歯車62は、図3及び図4に示す搬送系の動力伝達機構39を構成する1つの歯車64aと噛合している。この歯車64aは、歯車64b,64c等と共に歯車列64を構成し、回転軸60はこの歯車列64を介して搬送ローラー対42のうちの駆動側の回転軸42aと動力伝達可能に連結されている。回転軸42aの端部寄りの位置には歯車65が固定され、この歯車65に搬送モーター38からの動力が伝達されることにより回転軸42aは回転し、この回転軸42aの回転に伴って歯車列64及び歯車62を介して下流側ローラー44が回転する。
下流側ローラー44のローラー部61は、用紙Sに搬送力を効率よく伝達する目的と、用紙Sを加熱面36aに押し付けた際の用紙Sと加熱面36aとの接触面積をなるべく広く確保する目的とから、柔らかめの材質からなり軸方向に長いものが1本設けられている。本例では、ローラー部61は前述のスポンジローラーからなるので、用紙Sを押し付けた際に用紙Sとローラー部61との間に搬送力の伝達に必要な適度な摩擦抵抗を確保できるうえ、用紙Sと加熱面36aとの間に過大な摩擦力が発生するほど用紙Sを押し付けることが回避される。例えば下流側ローラー44と加熱面36aとの距離が設定値よりも小さい側にばらついたことが原因で、仮にローラー部61が用紙Sを押さえ付ける押力が強くなっても、スポンジローラーからなるローラー部61はそのクッション性によりその押力を緩和する方向へ変形するので、用紙Sに過大な搬送抵抗が発生することが回避され易い。
図3に示すように、カッターユニット37は、乾燥ユニット53に対し搬送方向Y下流側に隣接する位置に配置された状態でフロントフレーム54に固定されている。カッターユニット37は、幅方向Xに延びる略四角板状のフレーム67と、フレーム67の一端部に固定された電動モーター68と、電動モーター68の動力で回転可能な状態で幅方向Xに延びるように掛装されたタイミングベルト69と、タイミングベルト69の一部に固定されたカッター37aとを備える。タイミングベルト69はフレーム67の幅方向Xに所定の距離を隔てた位置に軸支された一対のプーリー70(但し図3では一方のみ図示)に巻き掛けられており、電動モーター68の出力軸に固定された歯車71と噛合する歯車72等を介して一方(駆動側)のプーリー70が電動モーター68の動力により回転することで正逆回転する。このタイミングベルト69の正逆回転によりカッター37aは図3に示す退避位置から幅方向Xに一往復動し、この往動過程で用紙Sを切断するとともにその復動により退避位置に戻る。
次に図4及び図5を用いて、ヒーター36の構成について説明する。図4及び図5に示すように、ヒーター36は、用紙Sの搬送面を兼ねた加熱面36aを有する幅方向Xに長い四角板状のヒーター部55を有する。図5に示すように、ヒーター部55は、四角板状の金属製プレートからなる支持板75と、支持板75と略同形状・同サイズの金属製プレートからなりその上面が加熱面36aとなる加熱板76と、支持板75と加熱板76との間に挟持される一つ(1枚)の薄板状の発熱体55aとを備える。本例の発熱体55aは、一例としてフィルムヒーター77からなる。ここで、フィルムヒーター77とは、薄板状の基板の表面に形成されたヒーター材料からなる金属層にエッチング処理を施して、基板上に単位面積当たりの配線長の比較的長い所定の配線パターン(エッチングパターン)を形成したものである。このように本例では限られた加熱エリアで大きな熱容量を得るためにフィルムヒーター77を採用している。なお、図5ではフィルムヒーター77に形成された配線パターンを省略している。
本例では、支持板75と加熱板76は共にアルミニウム製である。これはフロントフレーム54等のフレーム部材の材質である鉄よりも熱伝導率の高いアルミニウムを材質とすることで、フィルムヒーター77への通電開始から加熱面36aが設定温度(目標加熱温度)に達するまでの所要時間を比較的短時間にすることが可能であるからである。
図5に示すように、フィルムヒーター77の長手方向の一端部は、前述の端子板56に接続されている。端子板56から延びる複数本の配線57は端子部材79に接続され、この端子部材79は、不図示の電力発生装置に配線を通じて接続される接続端子(図示せず)と接続されるようになっている。
図5に示すフィルムヒーター77を挟む状態で支持板75と加熱板76は固定される。図5に示すように、長方形状の支持板75には、その一方(図5では搬送方向Yの上流側)の長辺における長手方向二箇所に一対の係止突起75aが形成され、同じく長方形状の加熱板76には、一対の係止突起75aと対応する位置に一対の係止孔76aが形成されている。そして、支持板75と加熱板76は、それぞれに一対ずつ形成された係止突起75aと係止孔76aとの係止により固定される。
また、図6に示すように、支持板75と加熱板76とは、係止側(図6では左端部側)と反対側の端部(図6では右端部)が加熱面36aから離れる方向(図6では下方)へ屈曲して延びる延出部75b,76bを有している。そして、延出部75b,76bがねじ80で共締めされることにより、支持板75と加熱板76とのその反対側の端部は固定されている。また、図5に示すように、加熱板76の一端部(同図では右端部)には、ねじ81を挿通可能な挿通孔76dを有する突部76cが加熱板76の長手方向に突出するように形成され、加熱板76はこの突部76cが端子板56に挟まれた状態でフィルムヒーター77を覆うように組み付けられる。図4に示すように、ヒーター36の端子板56側の端部は、ヒーター部55に対し加熱面36aから離れる方向(図4では下方)へ折り曲げられた端子板56を介してねじ81を一方の側板部54aに螺着することで、フロントフレーム54と固定される。
また、図5に示すように、支持板75にはフィルムヒーター77側と反対側へそれぞれ凹む、1つの凹部75cと2つの凹部75dとが形成されている。支持板75の底面には、凹部75cと対応する部位に1つの温度センサー82(サーミスター)が取り付けられ、各凹部75dと対応する部位に2つの過昇温検知用の温度検知器83(サーモスタット)がそれぞれ取り付けられる。温度センサー82は1つの挿通孔82aを有し、凹部75cの底面部にはその挿通孔82aと対応する位置に1つのねじ孔75eが形成されている。また、各温度検知器83は、それぞれ一対の挿通孔83aを有し、各凹部75dの底面部には各挿通孔83aと対応する位置にそれぞれ一対ずつのねじ孔75fが形成されている。
図6に示すように、支持板75の底面における凹部75c(図5参照)と対応する位置にある凸部75gには、1つの温度センサー82がその上面を当接させた状態でその挿通孔82a(図5参照)に挿通したねじ84をねじ孔75e(図5参照)に螺着することで固定されている。また、支持板75の底面における各凹部75d(図5参照)と対応する位置にある各凸部75hには、2つの温度検知器83がそれぞれの上面を当接させた状態でそれぞれ一対の挿通孔83a(図5参照)に挿通したねじ85をねじ孔75f(図5参照)に螺着することで固定されている。
図5及び図6に示す温度センサー82は、加熱面36aの温度を設定温度に制御するためにヒーター部55(詳しくは支持板75)の温度を検出する温度制御用のものである。温度検知器83は、加熱面36aの過昇温を検知してヒーター36(つまりフィルムヒーター77)の通電を遮断するための異常温度検出用のものである。これらの温度センサー82及び2つの温度検知器83はそれぞれ温度検出信号を記録装置11内のコントローラーC(図2参照)に出力する。なお、支持板75は熱伝導率の高いアルミニウム製であるので、温度センサー82によりフィルムヒーター77の加熱温度をさほど遅れなく検出できる。各温度検知器83は、それぞれが有する2つの端子83bに接続される不図示の端子から延びる配線を通じてコントローラーCと接続される。本例では、フィルムヒーター77の端子板56に接続された3本の配線57のうち2本が入力線で、2本の入力線により2種類の加熱温度の設定が可能となっている。2つの温度検知器83は2つの設定温度に対応するそれぞれ異なる過昇温度を検知する。
図4及び図6に示すように、ヒーター36における搬送方向Yの上流側端部は、加熱面36aに対して搬送方向Yの上流側ほど低くなる斜面36bとなっている。そして、記録装置11にヒーター36が組み付けられた状態では、搬送ローラー対42からヒーター36へ向かって送り出された用紙Sの先端部は、たとえ下側に反っていてもこの斜面36bに沿って加熱面36a上へと案内される。
図6に示すように、上流側ローラー52と加熱面36aとの距離d1と、下流側ローラー44と加熱面36aとの距離d2は異なっている。詳しくは、上流側ローラー52と加熱面36aとの距離d1は、下流側ローラー44と加熱面36aとの距離d2よりも長くなっている。距離d2は、用紙Sの厚みとほぼ等しいか、これより若干大きい。このため、下流側ローラー44はローラー部61のそのスポンジをほぼ潰さずに用紙Sを加熱面36aに押し付けて、用紙Sの裏面を加熱面36aに当接させることが可能になっている。例えばローラー部61のスポンジが許容範囲を超えて潰れると、用紙Sの搬送抵抗が大きくなるが、搬送抵抗が許容値以下に抑えられる距離d2にしている。
また、距離d1は、用紙Sの先端部が仮にカールしていても、上流側ローラー52と加熱面36aとの間に用紙の先端を案内できる値に設定されている。すなわち想定される最大のカールをした用紙Sの先端部が、上流側ローラー52のローラー部59に対してその軸線よりも低い高さでローラー部59の外周面に当たるように距離d1は設定されている。カールのある用紙Sをヒーター36上に搬送させる場合、ヒーター36の熱を効率よく伝えるために上流側ローラー52にて用紙Sを加熱面36aに近づける。また、用紙Sの搬送位置精度(つまり搬送方向Yにおける印刷位置精度)を損なう原因となる大きな搬送抵抗を与えないように上流側ローラー52で用紙Sを軽く押さえている。さらに上流側ローラー52への用紙Sの突入時の負荷を搬送位置精度を悪化させない程度に小さく抑えられる値に距離d1を設定している。距離d1は、一例として、用紙Sの厚みの2倍以上、かつ5mm以下の範囲内の値に設定されている。また、上流側ローラー52の方が下流側ローラー44よりも大径である。これは、ローラー部59を大径にすることで、加熱面36aに対するローラー部59の軸線位置を高くし、距離d1を長くし過ぎなくとも、カールした用紙Sの先端がローラー部59の外周面に対しその軸線よりも低い位置に当たるようにするためである。
また、下流側ローラー44は、スポンジ製のローラー部61によって用紙Sを加熱面36aとの間に挟んで保持することで、その下流側のカッターユニット37のカッター37aで用紙Sを切断するときの押さえとしても機能する。本例では、下流側ローラー44のローラー部61と加熱面36aとの距離d2を、距離d1よりも小さく、用紙Sの厚さとほぼ等しいかこれより若干長いだけの短めの値に設定しているので、用紙Sを切断するときの押さえ機能も十分発揮する。なお、ローラー部59のローラー幅は、搬送ローラー対42を構成する複数のローラー部であるゴム製ローラー部のローラー幅(一例として1〜2mmの範囲内)よりも広く、一例として5〜20mmの範囲内の値となっている。
次に上記のように構成された記録装置11の作用を説明する。
記録装置11の動作中にロール体Rから搬送ローラー対28〜30及び駆動ローラー43等により給送された用紙Sは、搬送ローラー対40〜42により支持部材51の上面を通る経路で搬送される。液体噴射ヘッド50により用紙Sの支持部材51上に支持された部分の表面にインク滴が噴射されることで用紙Sに画像等が印刷される。印刷中の用紙Sは搬送ローラー対41,42にニップされつつ搬送方向Y下流側へ搬送される。そして、用紙Sがヒーター36の加熱面36aに案内されるときに加熱面36aからの熱で用紙S上のインクの乾燥が進む。このとき上流側ローラー52と下流側ローラー44とに押さえられて用紙Sは加熱面36aに近い位置を通るので、用紙S上のインクの乾燥が効率よく行われる。
このとき、図7(a)に示すように、用紙Sが実線で示すように下側に反るようにカールしていても、上流側ローラー52は加熱面36aから用紙Sの厚みよりも十分長い距離d1だけ離れているので、用紙Sは同図に二点鎖線で示すように上流側ローラー52と加熱面36aとの隙間へほぼ確実に案内される。
その後、図7(b)に示すように、用紙Sにおける上流側ローラー52と加熱面36aとの間を通り過ぎた部分は、上流側ローラー52により加熱面36aに近づく側へ押さえられているうえ、下流側ローラー44により加熱面36aにより近づくように押さえられる。このとき、用紙Sは、下流側ローラー44の回転駆動により加熱面36aに押さえ付けられた状態で下流側へ引っ張られる。この結果、用紙Sは、上流側ローラー52と下流側ローラー44との間の部分で加熱面36aにほぼ当接する状態で搬送される。
また、上流側ローラー52の各ローラー部59はPOM製で比較的硬度があるうえ、軸方向(主走査方向X)に間欠的に配置されており用紙Sとの接触面積が相対的に小さい。このため、ローラー部59側に用紙Sの印刷面のインクが転写されにくい。また、従動ローラーからなる上流側ローラー52は用紙Sが当接することで従動回転する。しかも上流側ローラー52と加熱面36aとの距離d1が、用紙Sの厚みtよりも十分長いある程度の長さ確保されている(距離d1>d2≧t)ので、用紙Sが上流側ローラー52のローラー部59の外周面にその接線方向に対して比較的大きな角度で当たることが回避され易い。よって、用紙Sが上流側ローラー52に当たった際に受ける摩擦抵抗が相対的に小さく抑えられる。この結果、上流側ローラー52による用紙Sの印刷面に対する擦れが小さく抑えられ、用紙Sの印刷面が傷付き難くなるうえ、用紙Sが受ける搬送抵抗も小さく抑えられ、搬送位置精度の低下を極力小さく抑えることができる。
ここで、仮に上流側ローラーが加熱面に近づき過ぎると(仮に距離d1≦d2)、ローラー部の下端部(加熱面36a側の端部)よりも、ローラー部の軸線寄りの高さで用紙Sがローラー部の外周面に角度をつけて当たることになり、この場合、用紙が上流側ローラーから受ける搬送抵抗が大きくなり、これが原因で用紙Sの搬送位置精度が低下する。しかし、本実施形態では、上流側ローラー52と加熱面36aとの間に長めの距離d1が確保されている(距離d1>d2)うえ、複数のローラー部59は比較的ローラー幅の狭いものが軸方向に間欠的に設けられているだけなので、用紙Sが上流側ローラー52から受ける搬送抵抗が比較的小さく抑えられる。このため、用紙Sの必要な搬送位置精度が確保される。よって、用紙Sの搬送位置精度の低下に起因して液体噴射ヘッド50による用紙Sの印刷が搬送方向Yにずれるなどの印刷位置精度の低下を防いで、液体噴射ヘッド50による用紙Sに対する印刷が比較的高い位置精度で行われる。
加熱面36aの下流寄りの部分で下流側ローラー44は、加熱面36aからの熱の伝達等によりある程度乾燥が進んだ用紙Sの部分を押し付ける。このとき、下流側ローラー44は用紙Sとの接触面(印刷面)を介して搬送力を伝達して用紙Sを搬送させる機能を有する。このため、下流側ローラー44のローラー部61と用紙Sの表面との間には、用紙Sに搬送力を伝達するために摩擦抵抗が必要になる。本例では、下流側ローラー44のローラー部61は、軸長の長い円筒状の1本のローラーとしており、用紙Sとその幅方向全域で接触し、ローラー部61と用紙Sとの接触面積が広く確保される。この結果、ローラー部61と用紙Sとの間に搬送力を伝達するのに必要な摩擦抵抗が確保される。よって、下流側ローラー44から用紙Sに必要な搬送力が伝達され、用紙Sを搬送方向Yの下流側へより確実に搬送することができる。
仮に下流側ローラーのローラー部を非多孔質の樹脂製(例えばPOM等)のローラーとしたとすると、多孔質のスポンジローラーに比べ用紙の表面(印刷面)との摩擦抵抗が小さいため、必要な搬送力を用紙に伝達できなくなり、下流側ローラーが用紙に対して滑る虞がある。この種の滑りを防ぐためには、上流側ローラーとヒーター加熱面との距離d2を、例えば用紙の厚み以下としてローラー部で用紙を強く押さえ付けて摩擦抵抗を大きくする必要がある。この場合、用紙Sが加熱面36aに押さえ付ける力が大きくなると、用紙Sの裏面(印刷面と反対側の面)と加熱面36aとの摩擦抵抗が大きくなり、下流側ローラー44による用紙Sの搬送性能が、この用紙Sの裏面と加熱面36aとの摩擦抵抗の変化に大きく左右され易くなる。この場合、搬送性能のばらつきが発生し易くなる。このため、本実施形態では、用紙Sの裏面と加熱面36aとの摩擦抵抗を小さくするべく、距離d2を下流側ローラー44が用紙Sを加熱面36aに押さえ付けない程度の長さとしている。例えば用紙Sの厚みをtとおくと、距離d2を用紙Sの厚みtと同じか用紙Sの厚みtよりも長い値に設定している(t<d2<d1)。一例として距離d2は、用紙の厚みtに対して、t≦d2≦2t<d1を満たすように設定している。もちろん、この範囲を満たす距離d2は一例であって、この範囲外の距離d2を設定してもよい。
また、下流側ローラー44のローラー部61としてスポンジ製ローラーを用いた場合、非多孔質の樹脂製ローラーを用いた場合に比べ、ローラー部61の寸法公差を大きくする必要がある。例えば樹脂ローラーと同じ公差で距離d2を設定すると、距離d2が小さくなる側にばらついた場合に、樹脂製ローラーに比べスポンジ製ローラーを用いた場合、距離d2がより小さい側にばらつくことになる。この場合、ローラー部61と用紙Sとの摩擦抵抗が大きくなってしまう。このため、ローラー部61としてスポンジ製ローラーを用いる本例では、樹脂製ローラーに比べ寸法公差を大きくし、距離d2を一例として用紙Sの厚みtよりも長く設定している(2t≧d2>t)。もちろん、この範囲を満たす距離d2は一例であって、この範囲外の距離d2を設定してもよい。
一方、下流側ローラー44のローラー部61をゴムローラーとすることも考えられるが、ゴムローラーとした場合、ゴムはスポンジに比べ摩擦抵抗が一般に大きく、必要な摩擦抵抗が得られるようにする調整が比較的面倒となる。このため、本例では、下流側ローラー44のローラー部61にスポンジローラーを採用している。もちろん、摩擦抵抗の調整が多少難しくなるもののゴムローラーを採用したり、摩擦抵抗が多少小さくても問題がない材質の媒体を使用する場合は非多孔質の樹脂ローラーを採用したりしてもよい。
また、下流側ローラー44は軸長の長い円柱状の1本のローラー部61なので、用紙Sの幅方向全域を加熱面36aにほぼ接触する状態に押さえることができる。このとき、下流側ローラー44のローラー部61と加熱面36aとの距離d2は、用紙Sの厚みtにほぼ等しい(一例として2t>d2>t)ので、スポンジ製のローラー部61をほとんど潰すことなく用紙Sを加熱面36aにほぼ当接させることができる。
さらに仮に距離d2がばらつきのため用紙Sの厚みtより小さくなっても、ローラー部61はそのスポンジのクッション性により用紙Sに当たった部分が変形するため、硬い材質(非多孔質)の樹脂製ローラーを用いた場合に比べ、用紙Sと加熱面36aとの摩擦抵抗を相対的に小さく抑えることができる。この結果、距離d2がばらついた場合でも、下流側ローラー44と用紙Sとの間に比較的適切な搬送抵抗を付与して、用紙Sを搬送方向Yの下流側へスムーズに搬送することができる。
ヒーター36から搬送方向Y下流側へ搬送された用紙Sは、所定単位長さ毎の所定搬送位置に達する度にその停止中にカッターユニット37のカッター37aが駆動されることで切断される。このとき、下流側ローラー44が用紙Sのカッター37aの切断経路よりも少し搬送方向Y上流側の部位を押さえた状態で、カッター37aが主走査方向Xに移動することで用紙Sは切断されるので、主走査方向Xにほぼ真っ直ぐな切断ラインで用紙Sを切断することができる。
上記実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)液体噴射ヘッド50よりも搬送方向Y下流側の位置に、用紙Sの搬送面を兼ねた加熱面36aを有するヒーター36と、加熱面36aと用紙Sの搬送経路を挟んで対向して位置する上流側ローラー52と、上流側ローラー52よりも搬送方向Y下流側の位置で加熱面36aと搬送経路を挟んで対向して位置する下流側ローラー44とを設けた。そして、上流側ローラー52と下流側ローラー44との加熱面36aに対するそれぞれの距離d1,d2を異ならせた。よって、仮にカールした用紙Sであっても、加熱面36aからの距離が相対的に長い側の上流側ローラー52で用紙Sを押さえて加熱面36a側へ近づけつつ、加熱面36aからの距離が相対的に短い側の下流側ローラー44で用紙Sを押さえて加熱面36aへより近づけることが可能になる。このため、カールなどした用紙Sであっても、加熱面36aに近い位置を搬送されるので、用紙S上のインクを効率よく乾燥させることができる。
(2)上流側ローラー52と加熱面36aとの距離d1の方が、下流側ローラー44と加熱面36aとの距離d2よりも長いので、用紙Sのカールした先端部を、上流側ローラー52と加熱面36aとの間により確実に案内できるうえ、下流側ローラー44で用紙Sをより加熱面36a側へ近づけるように押さえることができる。例えば上流側ローラー52及び下流側ローラー44により押さえた用紙Sを、なるべく加熱面36aに当接させて乾燥効率を高めることができる。
(3)上流側ローラー52は搬送される用紙Sが当接することで従動回転する従動ローラーであり、下流側ローラー44は用紙Sを押さえつつ搬送する駆動ローラーである。よって、上流側ローラー52が用紙Sを押えつつ従動回転する従動ローラーであっても、加熱面36aからの距離d1が下流側ローラー44側の距離d2(≧t)よりも長いので、用紙Sを押さえるときの上流側ローラー52と用紙Sとの間の摩擦抵抗を比較的小さく抑えることができる。例えば用紙Sが各ローラー44,52から受ける搬送抵抗を比較的小さく抑え、用紙Sの搬送位置精度の低下を極力抑えることができる。
(4)上流側ローラー52と下流側ローラー44はそれぞれのローラー部59,61の材質が異なるので、各ローラー部59,61と用紙Sとの間に働く摩擦抵抗を異ならせることができる。例えば各ローラー部59,61と用紙Sとの摩擦抵抗が共に大きいと、これが用紙Sの大きな搬送抵抗となって用紙Sの搬送位置精度が低下し易く、例えば用紙S上におけるインクの着弾位置精度の低下が危惧される。しかし、各ローラー部59,61と用紙Sとの摩擦抵抗が異なることで、用紙Sとの摩擦抵抗の小さい材質側のローラー部59では用紙Sにかかる搬送抵抗を相対的に小さめに抑えることが可能になる。また、下流側ローラー44を駆動ローラーで構成し、そのローラー部61の材質から決まる適度な摩擦抵抗を用紙Sとの間に与え、ローラー部61の回転力を用紙Sの搬送力として確実に伝達することができる。
(5)上流側ローラー52のローラー部59は、下流側ローラー44のローラー部61の材質よりも硬い材質からなるうえ、支軸58の軸方向に間隔を開けて複数設けられている。このため、上流側ローラー52のローラー部59と未乾燥の用紙Sの印刷面(インク付着面)との接触面積が比較的小さく抑えられ、用紙Sからローラー部59へのインクの転写が抑えられるうえ、用紙Sとローラー部59との接触に起因する用紙Sの搬送抵抗を比較的小さく抑えることができる。また、下流側ローラー44のローラー部61は、上流側ローラー52のローラー部59に比べ材質が柔らかいので、その柔らかい材質によるクッション性により押さえ力の割に用紙Sに与えられる搬送抵抗が小さく抑えられる。
(6)下流側ローラー44のローラー部61の材質がスポンジなので、用紙Sをヒーターの加熱面36aに当接させるようにローラー部61で押さえ付けても、ローラー部61はそのクッション性により変形し易いので、用紙Sに与える搬送抵抗を比較的小さく抑えることができる。また、駆動ローラーからなる下流側ローラー44のローラー部61の材質をスポンジとしたので、用紙Sとローラー部61との間に適度な摩擦抵抗を付与して、ローラー部61により用紙Sを滑ることなく確実に搬送することができる。
(7)下流側ローラー44のローラー部61は、用紙Sの幅方向全域を押さえることが可能な長さを軸方向に有するので、ローラー部59により用紙Sを軸方向に広い範囲で押さえことができる。よって、用紙Sを幅方向により広い範囲で加熱面36aと当接させることができ、これにより用紙Sと加熱面36aとの当接面積(接触面積)を広く確保して、用紙Sの乾燥を促進できる。
(8)上流側ローラー52と下流側ローラー44から用紙Sが受ける搬送抵抗が比較的小さく抑えられるので、ヒーター36よりも搬送方向Y上流側に配置された搬送ローラー対40〜42が搬送するときの用紙Sの搬送抵抗に起因する搬送位置精度の低下を抑制できる。
前記実施形態に限定されず、以下の態様で実施することもできる。
・加熱面(搬送面)は平面状に限定されない。加熱面が例えば凸曲面状又は凹曲面状となっていてもよい。
・上流側ローラー52と下流側ローラー44とのうち少なくとも一方が加熱面との距離を変化させる方向に移動可能であってもよい。この場合、手動により距離を調整できてもよいし、電動モーター又はシリンダー等の駆動源により、例えば印刷条件の1つとして入力された用紙種から決まる用紙の厚み(媒体の厚み)に応じて上流側ローラー52と下流側ローラー44との加熱面との距離を調整してもよい。この場合、距離はd1>d2の条件を満たすことが好ましい。
・下流側ローラー44のローラー部61の方が上流側ローラー52のローラー部59よりも小径であってもよいし、さらに両ローラー部59,61がほぼ同径であってもよい。
・上流側ローラー52と下流側ローラー44との材質が同じであってもよい。例えば両ローラー部59,61を共にPOM製としたり、共にスポンジ製としたりしてもよい。
・上流側ローラー52と下流側ローラー44との材質を異ならせる場合、上流側ローラー52のローラー部59をスポンジ製、下流側ローラー44のローラー部をPOM製としてもよい。また、各ローラー部59,61の異なる材質の組合せは適宜選択できる。
・ヒーターはフィルムヒーターを板金で挟んだ構造のものに限定されない。搬送面と加熱面とを兼ねるガイド板と、ガイド板に熱を伝える熱源とを備えるヒーターであればよい。熱源としては、発熱体以外に温風を発生してガイド板に吹き付ける温風発生器、温水などをガイド板中又はガイド板の底面に配管された管部(流路)に流す温水式熱源などが挙げられる。また、発熱体はガイド板に接触して熱を伝達するものに限定されず、ガイド板から離れた位置から熱輻射によりガイド板を加熱する構成でもよい。
・上流側ローラー52と下流側ローラー44とが共に従動ローラーであってもよい。また、上流側ローラー52と下流側ローラー44とが共に駆動ローラーであってもよい。これらの構成の場合も、距離d1>d2であれば、カールした媒体を上流側ローラー52と加熱面との間により確実に案内しつつ加熱面側へ押さえて加熱板に近づけることができ、さらに下流側ローラー44により媒体をより加熱面に近づけることができる。
・上流側ローラー52又は下流側ローラー44を従動ローラーとした場合、支軸に1つ又は複数のローラー部が相対回転可能に設けられた構成でもよいし、回転軸に1つ又は複数のローラー部が一体回転可能に設けられた構成でもよい。
・媒体は、ロール紙でなく、単票紙でもよい。単票紙の場合、印刷面側が凹む向きに反り易いが、この種の向きにカールした用紙も加熱面36a側へ押さえることができる。
・ヒーターはフィルムヒーター77等の板状ヒーターに限定されず、ヒーター線を所定経路に配線したもの、複数のヒーター線を並列に配線したものでもよい。また、加熱板と支持板のうち少なくとも一方の材質は鉄系金属や銅系金属など他の金属材料を用いてもよい。さらにヒーターは加熱板と発熱体のみで支持板を有しない構成でもよい。
・下流側ローラー44の搬送方向Y下流側にさらに搬送ローラー対が設けられていてもよい。
・ヒーターの加熱面側へ媒体を押さえる媒体押さえ用のローラーは、上流側ローラー52と下流側ローラー44との2本に限定されず、これら2本を含む3本以上の複数本であってもよい。例えば搬送方向Yにおける上流側ローラー52と下流側ローラー44との間に中間ローラーを配置してもよい。この場合、中間ローラーと加熱面36aとの距離d3は、d1≧d3≧d2が好ましい。また、媒体押さえ用のローラーを、上流側ローラー52よりも搬送方向Y上流側の位置に配置したり、下流側ローラー44よりも搬送方向Y下流側の位置に配置したりしてもよい。この場合、上流側ローラー52よりも上流側に位置する媒体押さえ用のローラーと加熱面との距離d4をd4≧d1としたり、下流側ローラー44よりも下流側に位置する媒体押さえ用のローラーと加熱面との距離d5をd5≦d2としたりするとよい。
・前記各実施形態において、媒体は用紙に限定されず、布や樹脂フィルム、樹脂シート、金属シートなどを採用してもよい。
・液体噴射装置は、前記実施形態におけるインクを噴射する記録装置11に限定されず、インク以外の他の液体を噴射したり吐出したりする液体噴射装置であってもよい。なお、液体噴射装置から微小量の液滴となって吐出される液体の状態としては、粒状、涙状、糸状に尾を引くものも含むものとする。また、ここでいう液体は、液体噴射装置から噴射させることができるような材料であればよい。例えば、物質が液相であるときの状態のものであればよく、粘性の高い又は低い液状体、ゾル、ゲル水、その他の無機溶剤、有機溶剤、溶液、液状樹脂、液状金属(金属融液)のような流状体を含むものとする。また、物質の一状態としての液体のみならず、顔料や金属粒子などの固形物からなる機能材料の粒子が溶媒に溶解、分散又は混合されたものなども含むものとする。液体の代表的な例としては上記実施形態で説明したようなインクや液晶等が挙げられる。ここで、インクとは一般的な水性インク及び油性インク並びにジェルインク、ホットメルトインク等の各種液体組成物を包含するものとする。液体噴射装置の具体例としては、例えば、液晶ディスプレイ、EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ、面発光ディスプレイ、カラーフィルターの製造等に用いられる電極材や色材等の材料を分散又は溶解のかたちで含む液体を噴射する液体噴射装置がある。また、バイオチップ製造に用いられる生体有機物を噴射する液体噴射装置、精密ピペットとして用いられ試料となる液体を噴射する液体噴射装置、捺染装置やマイクロディスペンサー等であってもよい。さらに、時計やカメラ等の精密機械にピンポイントで潤滑油を噴射する液体噴射装置、光通信素子等に用いられる微小半球レンズ(光学レンズ)などを形成するために紫外線硬化樹脂等の透明樹脂液を基板上に噴射する液体噴射装置であってもよい。また、基板などをエッチングするために酸又はアルカリ等のエッチング液を噴射する液体噴射装置であってもよい。
上記実施形態及び変形例から把握される技術的思想を以下に記載する。
(イ)前記下流側ローラーと前記加熱面との距離は、前記下流側ローラーにより押さえられた前記媒体が前記加熱面に当接可能な距離であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の液体噴射装置。この構成によれば、下流側ローラーによって媒体を加熱面に当接させることで高い乾燥効果が得られる。
(ロ)前記上流側ローラーと前記加熱面との距離は、前記媒体の厚みよりも広いことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の液体噴射装置。この構成によれば、上流側ローラーと媒体及び媒体と加熱面との間の各摩擦抵抗をそれぞれ小さく抑えることができる。例えば媒体の搬送精度の低下を小さく抑えられる。
(ハ)前記下流側ローラーよりも搬送方向の下流側の位置に前記媒体を切断するカッターを備えたことを特徴とする請求項2乃至8のいずれか一項に記載の液体噴射装置。この構成によれば、下流側ローラーと加熱面との距離が相対的に短いので、下流側ローラーによって媒体におけるカッターよりも上流側の部位を押さえながらカッターを作動させることができる。よって、媒体を比較的きれいに切断できる。
11…液体噴射装置の一例としての記録装置、36…ヒーター、36a…加熱面、37…カッターユニット、37a…カッター、38…搬送モーター、40〜42…搬送ローラー対、44…下流側ローラー(駆動ローラー)、46…キャリッジ、50…液体噴射ヘッド、52…上流側ローラー(従動ローラー)、58…軸の一例としての支軸、59…ローラー部(上流側ローラー側)、60…軸の一例としての回転軸、61…ローラー部(下流側ローラー側)、82…温度センサー、77…フィルムヒーター、S…媒体の一例としての用紙、Y…搬送方向、d1…上流側ローラーと加熱面との距離、d2…下流側ローラーと加熱面との距離。

Claims (8)

  1. 媒体に液体を噴射する液体噴射ヘッドを備えた液体噴射装置であって、
    前記液体噴射ヘッドよりも媒体の搬送方向の下流側の位置に設けられた媒体の搬送面を兼ねた加熱面を有するヒーターと、
    前記加熱面と前記媒体の搬送経路を挟んで対向する位置に設けられた回転可能な上流側ローラーと、
    前記上流側ローラーよりも前記搬送方向に下流側の位置であって前記加熱面と前記搬送経路を挟んで対向する位置に設けられた回転可能な下流側ローラーと、
    を備え、
    前記上流側ローラーと前記下流側ローラーは、前記加熱面との距離がそれぞれ異なっていることを特徴とする液体噴射装置。
  2. 前記距離は、前記上流側ローラーの方が前記下流側ローラーよりも長いことを特徴とする請求項1に記載の液体噴射装置。
  3. 前記上流側ローラーは、搬送される前記媒体が当接することで従動回転する従動ローラーであり、前記下流側ローラーは前記媒体を押さえつつ搬送する駆動ローラーであることを特徴とする請求項2に記載の液体噴射装置。
  4. 前記上流側ローラーと前記下流側ローラーは、それぞれ軸と、当該軸に一体回転可能又は相対回転可能に設けられたローラー部とを備え、前記上流側ローラーの前記ローラー部と前記下流側ローラーの前記ローラー部は、それぞれの材質が異なることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の液体噴射装置。
  5. 前記上流側ローラーの前記ローラー部は、前記下流側ローラーの前記ローラー部よりも硬い材質からなり、前記軸の軸方向に間隔を開けて複数備えられていることを特徴とする請求項4に記載の液体噴射装置。
  6. 前記下流側ローラーの前記ローラー部の材質はスポンジであることを特徴とする請求項4又は5に記載の液体噴射装置。
  7. 前記下流側ローラーの前記ローラー部は、軸方向に前記媒体の幅方向全域に亘る長さを有することを特徴とする請求項4乃至6のいずれか一項に記載の液体噴射装置。
  8. 前記搬送方向において前記液体噴射ヘッドと前記上流側ローラーとの間には、前記媒体を搬送する搬送ローラー対が配置されていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の液体噴射装置。
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