JP2014068273A - 画像編集装置、画像編集方法、およびプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】複数の画像から構成される組み写真において、その一部の画像を取り換えても違和感なく自然に見える画像編集が可能な画像編集装置、画像編集方法、およびプログラムを提供する。
【解決手段】複数の画像を組み合わせて構成する組写真画像を編集する画像編集装置において、組写真を構成する複数の画像うちの1枚を指示し(S241)、この指示した画像と置換するための置換画像を指示し(S253)、組写真画像を代表する量子化テーブル値で画像を不可逆圧縮により生じる画質変化と同様の画質変化処理を置換画像に行い(S128)、指示された置換画像を、不可逆圧縮画像の量子化テーブル値で不可逆圧縮した後に組写真の指示された画像と置換する(S133)。
【選択図】 図11
【解決手段】複数の画像を組み合わせて構成する組写真画像を編集する画像編集装置において、組写真を構成する複数の画像うちの1枚を指示し(S241)、この指示した画像と置換するための置換画像を指示し(S253)、組写真画像を代表する量子化テーブル値で画像を不可逆圧縮により生じる画質変化と同様の画質変化処理を置換画像に行い(S128)、指示された置換画像を、不可逆圧縮画像の量子化テーブル値で不可逆圧縮した後に組写真の指示された画像と置換する(S133)。
【選択図】 図11
Description
本発明は、画像編集装置、画像編集方法、およびプログラムに関し、詳しくは、複数の写真からなる組み写真等の画像を編集する画像編集装置、画像編集方法、およびプログラムに関する。
従来より、液晶表示モニタ上に複数のライブビュー画像を表示するマルチ画面や、また複数の撮影済みの画像を一覧表示するインデックス再生等、画面上に複数の画像を表示することは知られている。また、画像の中で重要な部分と重要ではない部分に分け、重要な部分の画質劣化を重要でない部分に比較し、画質劣化を軽減する技術が提案されている(特許文献1参照)。また、JPEG等の圧縮技術によって圧縮されて記録されるのも一般的である。
前述したように、画面を分割し複数の画像を表示することが一般的に行われている。分割した画像毎にそれぞれ量子化ステップの異なる量子化テーブルを割り当てて量子化すると、それぞれの画像の画質劣化を少なくできるが、組み合わせた一枚の画像として扱う場合には、ファイルフォーマットやハードウエアの制限等から、領域ごとに適切な量子化テーブルを割り当てらない場合がある。
複数の画像から構成される組み写真では、統一感が重要となる。統一感の要素としては、トーン、コントラスト、色再現(ホワイトバランス(WB)、色相、再度)、解像感、画面の滑らかさ等がある。組み写真を、JPEG等で圧縮する場合、シーンの組合せにより、周波数特性が大きく異なってしまい、低周波シーンではブロックノイズが目立ったり、高周波シーンでは解像感が低下する場合がある。このため、組み写真の一つを置換する画像編集を行うと、解像感や滑らかさに差が生じ、組み写真として統一感がなくなり違和感が生じてしまう。
本発明は、このような事情を鑑みてなされたものであり、複数の画像から構成される組み写真において、その一部の画像を取り換えても違和感なく自然に見える画像編集が可能な画像編集装置、画像編集方法、およびプログラムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため第1の発明に係る画像編集装置は、不可逆圧縮した第1の画像の一部を、第2の画像で置換する画像編集装置において、上記不可逆圧縮による生じる画質変化と同様の画質変換処理を上記第2の画像に対して行う画質調整部と、上記画質調整部で調整された上記第2の画像を用いて上記編集処理を行う編集部と、を具備する。
第2の発明に係る画像編集装置は、上記第1の発明において、上記画質調整部は、上記不可逆圧縮により生じる量子化誤差による画質変化と同様の処理を行う。
第3の発明に係る画像編集装置は、上記第1または第2の発明において、上記画質調整部は、上記不可逆圧縮により生じる量子化誤差による画質変化と同様の処理を行う。
第3の発明に係る画像編集装置は、上記第1または第2の発明において、上記画質調整部は、上記不可逆圧縮により生じる量子化誤差による画質変化と同様の処理を行う。
第4の発明に係る画像編集装置は、上記第1ないし第3の発明のいずれかにおいて、上記画質調整部は、上記不可逆圧縮と伸張を行う。
第5の発明に係る画像編集装置は、上記第1ないし第4の発明のいずれかにおいて、上記第1の発明において、上記画質調整部は、ローパスフィルタ処理を行う。
第5の発明に係る画像編集装置は、上記第1ないし第4の発明のいずれかにおいて、上記第1の発明において、上記画質調整部は、ローパスフィルタ処理を行う。
第6の発明に係る画像編集装置は、複数の画像を組み合わせて構成する組み写真画像を編集する画像編集装置において、上記組み写真を構成する複数の画像うちの1枚を指示する第1の画像指示部と、上記第1の画像指示部で指示した画像と置換するための置換画像を指示する第2の画像指示部と、上記組み写真画像を代表する量子化テーブル値で画像を不可逆圧縮する画像圧縮処理部と、上記不可逆圧縮により生じる画質変化と同様の画質変化処理を上記置換画像に行う画質調整部と、上記画像と上記量子化テーブル値を記憶する記憶部と、上記第2の画像指示部で指示された上記置換画像を、上記画質調整部で上記量子化テーブル値で不可逆圧縮と、伸張した後に上記第1の画像指示部により指示された画像と置換する制御部と、を具備する。
第7の発明に係る画像編集装置は、上記第6の発明において、さらに、被写界を繰り返し撮像する撮像部を備え、上記置換画像は、上記撮像部により繰り返し撮像された撮像画像である。
第8の発明に係るコンピュータを実行させるためのプログラムは、不可逆圧縮した第1の画像の一部を、第2の画像で置換する画像編集装置におけるコンピュータに実行させるためのプログラムにおいて、上記不可逆圧縮による生じる画質変化と同様の画質変換処理を上記第2の画像に対して行い、上記調整された上記第2の画像を用いて上記編集処理を行う。
第9の発明に係る画像編集方法は、不可逆圧縮した第1の画像の一部を、第2の画像で置換する画像編集方法において、上記不可逆圧縮による生じる画質変化と同様の画質変換処理を上記第2の画像に対して行い、上記調整された上記第2の画像を用いて上記編集処理を行う。
第9の発明に係る画像編集方法は、不可逆圧縮した第1の画像の一部を、第2の画像で置換する画像編集方法において、上記不可逆圧縮による生じる画質変化と同様の画質変換処理を上記第2の画像に対して行い、上記調整された上記第2の画像を用いて上記編集処理を行う。
本発明によれば、複数の画像から構成される組み写真において、その一部の画像を取り換えても一つ一つの画像がまとまって画像全体に統一感があり、全体の画像として違和感なく自然に見える画像編集が可能な画像編集装置、画像編集方法、およびプログラムを提供することができる。
以下、図面に従って本発明を適用したカメラを用いて好ましい実施形態について説明する。本発明の好ましい一実施形態に係るカメラは、デジタルカメラであり、撮像部を有し、この撮像部によって被写体像を画像データに変換し、この変換された画像データに基づいて、被写体像を本体の背面に配置した表示部にライブビュー表示する。撮影者はライブビュー表示を観察することにより、構図やシャッタチャンスを決定する。レリーズ操作時には、画像データが記録媒体に記録される。記録媒体に記録された画像データは、再生モードを選択すると、表示部に再生表示することができる。
また、表示部は画面を複数分割し、複数の画像からなる組み写真を再生表示可能である。この組み写真の内の一部の写真を、ライブビュー画像やまた記録媒体に記録されている撮影済み画像で置換することが可能である。この場合、置換画像と他の組み写真の画質が同等になるように、置換画像を組み写真の量子化テーブルを用いて画質調整する。これによって、組み写真の一部を他の画像で置換しても統一感があり、自然な印象を与える組み写真となる。このように、本実施形態に係るカメラは、不可逆圧縮した第1の画像(組み写真の画像)の一部を、第2の画像(置換画像)で置換する画像編集装置として機能する。
図1は、本発明の一実施形態に係わるカメラの主として電気的構成を示すブロック図である。このカメラは、カメラ本体100と、これに脱着可能な交換式レンズ200とから構成される。なお、本実施形態においては、撮影レンズは交換レンズ式としたが、これに限らず、カメラ本体に撮影レンズが固定されるタイプのデジタルカメラであっても勿論かまわない。
交換式レンズ200は、撮影レンズ201、絞り203、ドライバ205、マイクロコンピュータ207、フラッシュメモリ209から構成され、後述するカメラ本体100との間にインターフェース(以後、I/Fと称す)300を有する。
撮影レンズ201は、被写体像を形成するための複数の光学レンズから構成され、単焦点レンズまたはズームレンズである。この撮影レンズ201の光軸の後方には、絞り203が配置されており、絞り203は口径が可変であり、撮影レンズ201を通過した被写体光束の光量を制限する。また、撮影レンズ201はドライバ205によって光軸方向に移動可能であり、マイクロコンピュータ207からの制御信号に基づいて、撮影レンズ201のピント位置が制御され、ズームレンズの場合には、焦点距離も制御される。また、ドライバ205は、絞り203の口径の制御も行う。
ドライバ205に接続されたマイクロコンピュータ207は、I/F300およびフラッシュメモリ209に接続されている。マイクロコンピュータ207は、フラッシュメモリ209に記憶されているプログラムに従って動作し、後述するカメラ本体100内のマイクロコンピュータ121と通信を行い、マイクロコンピュータ121からの制御信号に基づいて交換式レンズ200の制御を行う。
フラッシュメモリ209には、前述したプログラムの他、交換式レンズ200の光学的特性や調整値等の種々の情報が記憶されている。I/F300は、交換式レンズ200内のマイクロコンピュータ207とカメラ本体100内のマイクロコンピュータ121の相互間の通信を行うためのインターフェースである。
カメラ本体100内であって、撮影レンズ201の光軸上には、メカシャッタ101が配置されている。このメカシャッタ101は、被写体光束の通過時間を制御し、公知のフォーカルプレーンシャッタ等が採用される。このメカシャッタ101の後方であって、撮影レンズ201によって被写体像が形成される位置には、撮像素子103が配置されている。
撮像素子103は、各画素を構成するフォトダイオードが二次元的にマトリックス状に配置されており、各フォトダイオードは受光量に応じた光電変換電流を発生し、この光電変換電流は各フォトダイオードに接続するキャパシタによって電荷蓄積される。各画素の前面には、ベイヤ―配列のRGBフィルタが配置されている。なお、撮像素子103はベイヤ配列に限定されず、例えばFoveon(登録商標)のような積層形式でも勿論かまわない。
撮像素子103はアナログ処理部105に接続されており、このアナログ処理部105は、撮像素子103から読み出した光電変換信号(アナログ画像信号)に対し、リセットノイズ等を低減した上で波形整形を行い、さらに適切な輝度になるようにゲインアップを行う。
アナログ処理部105はA/D変換部107に接続されており、このA/D変換部107は、アナログ画像信号をアナログ―デジタル変換し、デジタル画像信号(以後、画像データという)をバス110に出力する。なお、本明細書においては、画像処理部109において画像処理される前の生の画像データをRAWデータと称する。
バス110は、カメラ本体100の内部で読み出され若しくは生成された各種データをカメラ本体100の内部に転送するための転送路である。バス110には、前述のA/D変換部107の他、画像処理部109、AE(Auto Exposure)処理部111、AF(Auto Focus)処理部113、画像圧縮伸張部115、通信部117、マイクロコンピュータ121、SDRAM(Synchronous DRAM)127、メモリインターフェース(以後、メモリI/Fという)129、表示ドライバ133が接続されている。
画像処理部109は、基本的な画像処理を行う基本画像処理部109aと、アートフィルタが設定された場合に特殊効果を施すための特殊画像処理部109bと、複数の写真を組み合わせて1枚の画像を構成する組み写真の編集処理を行うための組み写真処理部109cと、画像を解析する被写体検出部109dを有している。
基本画像処理部109aは、RAWデータに対して、オプティカルブラック(OB)減算処理、ホワイトバランス(WB)補正、ベイヤデータの場合に行う同時化処理、色再現処理、ガンマ補正処理、カラーマトリックス演算、ノイズリダクション(NR)処理、エッジ強調処理等を行う。1枚撮影で、かつアートフィルタが設定されていない場合には、この基本画像処理部109aによる処理のみで画像処理が完了する。
また、特殊画像処理部109bは、設定された特殊効果(アートフィルタ)に応じて、周辺の輝度を低下させるピンホール効果、画像をぼかして元画像と合成するソフトフォーカス処理、ノイズ画像と合成するノイズ効果、輝点にクロスパターンを描画するクロスフィルタ効果、周辺部をぼかすミニチュア効果等、基本画像処理部によって処理された画像に対して、種々の特殊効果を施す。
組み写真処理部109cは、複数の画像を組み合わせて1枚の画像(組み写真)を生成する。画像の組合せにあたっては、フラッシュメモリ125からテンプレート(後述する図5参照)を読み込み、画像の明るさが同様になるように基本画像処理部109a内のガンマ補正を使用して輝度変更を行う。また、全体のホワイトバランス(WB)を統一させるために基本画像処理部109a内の色再現処理を使用してWBを変更する。また、合成後に特殊画像処理部109bを使用してピンホール効果等の特殊効果を適用し、組み画像や置換画像の修正等を行う。
組み写真処理部109cは、不可逆圧縮による生じる画質変化と同様の画質変換処理を第2の画像(置換画像)に対して行う画質調整部としての機能を果たす(図11のS128参照)。また、組み写真処理部109cは、画質調整部で調整された第2の画像(置換画像)を用いて編集処理を行う編集部としての機能も果たす(図11のS133参照)。
組み写真処理部109cは、不可逆圧縮により生じる量子化誤差による画質変化と同様の処理を行う画質調整部としての機能も果たす。また、組み写真処理部109cは、不可逆圧縮と伸張を行う画質調整部としての機能も果たす(図22(a)参照)。また、組み写真処理部109cは、不可逆圧縮により生じる量子化誤差による画質変化と同様の処理を行う画質調整部としての機能も果たす(図22(b)参照)。また、組み写真処理部109cは、ローパスフィルタ処理を行う画質調整部としての機能も果たす(図22(c)参照)。
被写体検出部109dは、画像をパターンマッチング等によって解析し、人の顔やペット等の被写体を検出する。被写体を検出できた場合には、画像内における被写体の種類、大きさ、位置、信頼性等の情報を取得する。
AE処理部111は、バス110を介して入力した画像データに基づいて被写体輝度を測定し、この被写体輝度情報を、バス110を介してマイクロコンピュータ121に出力する。被写体輝度の測定のために専用の測光センサを設けても良いが、本実施形態においては、画像データに基づいて被写体輝度を算出する。
AF処理部113は、画像データから高周波成分の信号を抽出し、積算処理により合焦評価値を取得し、バス110を介してマイクロコンピュータ121に出力する。本実施形態においては、いわゆるコントラスト法によって撮影レンズ201のピント合わせを行う。この実施形態では、コントラスト法によるAF制御を例にとって説明したが、光路上に位相差センサを設けたり、また撮像素子上に位相差センサを設け、位相差AFによるAF制御によりピント合わせを行ってもよい。
画像圧縮伸張部115は、画像データの記録媒体131への記録時に、SDRAM127から読み出した画像データを、静止画の場合にはJPEG圧縮方式等、また動画の場合にはMPEG等の各種圧縮方式に従って圧縮する。マイクロコンピュータ121は、JPEG画像データやMPEG画像データに対して、JPEGファイルやMPOファイル、MPEGファイルを構成するために必要なヘッダを付加してJPEGファイルやMPOファイル、MPEGファイルを作成し、この作成したファイルをメモリI/F129を介して記録媒体131に記録する。
また、画像圧縮伸張部115は、画像再生表示用にJPEG画像データやMPEG画像データの伸張も行う。伸張にあたっては、記録媒体131に記録されているファイルを読み出し、画像圧縮伸張部115において伸張処理を施した上で、伸張した画像データをSDRAM127に一時記憶する。なお、本実施形態においては、画像圧縮方式としては、JPEG圧縮方式やMPEG圧縮方式を採用するが、圧縮方式はこれに限らずTIFF、H.264等、他の圧縮方式でも勿論かまわない。
通信部117は、USB、LAN等による有線通信、無線通信(ワイヤレス通信)等によって外部と通信を行う。通信部117を介して、フラッシュメモリ125内に記憶された組む写真の分割用のテンプレートを更新したり、追加する。
マイクロコンピュータ121は、このカメラ全体の制御部としての機能を果たし、カメラの各種シーケンスを総括的に制御する。マイクロコンピュータ121には、前述のI/F300以外に、操作部123およびフラッシュメモリ125が接続されている。
操作部123は、電源釦、レリーズ釦、動画釦、再生釦、メニュー釦、十字キー、OK釦、削除釦、拡大釦等、各種入力釦や各種入力キー等の操作部材を含み、これらの操作部材の操作状態を検知し、検知結果をマイクロコンピュータ121に出力する。マイクロコンピュータ121は、操作部123からの操作部材の検知結果に基づいて、ユーザの操作に応じた各種シーケンスを実行する。電源釦は、当該デジタルカメラの電源のオン/オフを指示するための操作部材である。電源釦が押されると当該デジタルカメラの電源はオンとなり、再度、電源釦が押されると当該デジタルカメラの電源はオフとなる。
レリーズ釦は、半押しでオンになるファーストレリーズスイッチと、半押しから更に押し込み全押しとなるとオンになるセカンドレリーズスイッチからなる。マイクロコンピュータ121は、ファーストレリーズスイッチがオンとなると、AE動作やAF動作等の撮影準備シーケンスを実行する。また、セカンドレリーズスイッチがオンとなると、メカシャッタ101等を制御し、撮像素子103等から被写体画像に基づく画像データを取得し、この画像データを記録媒体131に記録する一連の撮影シーケンスを実行して撮影を行う。
動画釦は、動画撮影の開始と終了を指示するための操作釦であり、最初に動画釦を操作すると動画撮影を開始し、再度、操作すると動画撮影を終了する。再生釦は、再生モードの設定と解除するための操作釦であり、再生モードが設定されると、記録媒体131から撮影画像の画像データを読み出し、表示パネル135に撮影画像を再生表示する。削除釦は、例えば、再生画像が一覧表示されている場合や組み写真が表示されている場合等に、画像を指定して削除するための操作釦である。拡大釦は、再生表示の際に、表示画像を拡大するための操作釦である。
メニュー釦は、メニュー画面を表示パネル135に表示させるための操作釦である。メニュー画面上では、各種のカメラ設定を行うことができる。カメラ設定としては、例えば、通常撮影モードや組み写真等の撮影モードの設定、ナチュラル、ビビッド、フラット、ポートレート、アートフィルタ等の仕上がりの設定がある。アートフィルタとしては、ポップアート、トイフォト、ファンタジックフォーカス、ラフモノクローム、ジオラマ、クリスタル等がある。また、組み写真のスタイル、組み写真の置換画像の選択、組み写真編集時に編集前の画像を記録するか否か等、種々の設定も可能である。なお、組み写真の場合、スタイルと組み画像選択状況に応じてライブビュー(LV)の表示を変更する(図7のS47参照)。
また、操作部123にはタッチ入力部123aが設けてある。表示パネル135は、タッチ操作可能であり、タッチ入力部123aは、ユーザがタッチした位置等を検出し、マイクロコンピュータ121に出力する。
フラッシュメモリ125は、マイクロコンピュータ121の各種シーケンスを実行するためのプログラムを記憶している。マイクロコンピュータ121はこのプログラムに基づいてカメラ全体の制御を行う。
SDRAM127は、画像データ等の一時記憶用の電気的書き換え可能な揮発性メモリである。このSDRAM127は、A/D変換部107から出力された画像データや、画像処理部109や画像圧縮伸張部115等において処理された画像データを一時記憶する。
メモリI/F129は、記録媒体131に接続されており、画像データや画像データに添付されたヘッダ等のデータを、記録媒体131に書き込みおよび読出しの制御を行う。記録媒体131は、例えば、カメラ本体100に着脱自在なメモリカード等の記録媒体であるが、これに限らず、カメラ本体100に内蔵されたハードディスク等であっても良い。
表示ドライバ133は、表示パネル135に接続されており、SDRAM127や記録媒体131から読み出され、画像圧縮伸張部115によって伸張された画像データに基づいて画像を表示パネル135において表示させる。表示パネル135は、カメラ本体100の背面等に配置され、画像表示を行う。画像表示としては、撮影直後、記録される画像データを短時間だけ表示するレックビュー表示、記録媒体131に記録された静止画や動画の画像ファイルの再生表示、およびライブビュー表示等の動画表示が含まれる。なお、表示部としては、液晶表示パネル(LCD)、有機EL等、種々の表示パネルを採用できる。
次に、本実施形態に係るカメラの組み写真の編集動作を図2ないし図5を用いて説明する。図2は、組み写真モードが選択され、表示パネル135の画面が4分割された場合のライブビュー表示を示している。なお、分割画面内の斜線(肘付近の2重線や、足の後ろの2重線)は被写体が動いていることを示す。また、図2の左側は被写体の様子を示し、右側は表示パネル135の表示状態を示す。
まず、図2(a)に示すように、4分割画面の内、左上画面にライブビュー表示がなされる。ユーザは、組み写真の画像として取り込みたい場合には、表示パネル135の左上をタッチすると、図2(b)に示すように、撮影が確定し、次の画面(右上画面)にライブビュー表示がなされる。続いて、図2(c)は右上画面の撮影を確定した様子であり、図2(d)は左下画面の撮影を確定した様子を示す。右下画面の撮影を確定すると(図2(e)参照)、撮影が完了し、組み写真ができる。
図2に示した例では、表示パネル135をタッチすることにより撮影が確定し、左上→右上→左下→右下の順にライブビュー表示がなされた。しかし、この順番通りにライブビュー表示を行わなくてもよい。例えば、図3に示すように、左上画面にライブビュー表示がなれている際に(図3(a)参照)、ライブビュー表示がなされていない左下画面をタッチすると、この画面にライブビュー表示を行うようにしてもよい(図3(b)参照)。なお、この撮影コマの具体的な変更操作については、図14のステップS161、S163を用いて後述する。
また、図2においては、ライブビュー表示中に表示パネル135をタッチすると、撮影が確定したが、確定した画面であっても、再度タッチすると、ライブビュー画面に戻るようにしてもよい。図3(c)は、3画面(左上、右上、左下画面)において、撮影が確定している様子を示しているが、この撮影が確定している左下画面をタッチすると、図3(d)に示すように、左下画面はライブビュー表示画面となる。
また、本実施形態においては、全撮影が確定し、組み写真が完成した後であっても、その内の一部の画像を他の画像に置換が可能である。例えば、図4においては、4枚の画像が確定しているが、ユーザが右下画面の画像を他の画像で置換するために、指定した様子を示す。本実施形態においては、タッチすることにより、その画像の枠が表示され、組み換え対象画像であることを示している。
図2ないし図4に示した組み写真の例では、左上、右上、左下、右下の4分割であったが、画面の分割はこれに限らない。例えば、図5に示すように、種々の形状に分割してもよい。この分割の形状(テンプレート、スタイル)は、フラッシュメモリ125に記憶しておき、ユーザの好みに応じて設定できるようにしてもよい。
次に、図6および図7に示すフローチャートを用いて、本実施形態におけるカメラのメイン処理について説明する。なお、図6〜図11、図13〜図15、図17〜図22に示すフローチャートはフラッシュメモリ125に記憶されているプログラムに従ってマイクロコンピュータ121が各部を制御し実行する。
操作部123の内の電源釦が操作され、電源オンとなると、図6に示すメインフローが動作を開始する。動作を開始すると、まず、初期化を実行する(S1)。初期化としては、機械的初期化や各種フラグ等の初期化等の電気的初期化を行う。各種フラグの1つとして、動画記録中か否かを示す記録中フラグをオフにリセットする(ステップS13、S15参照)。
初期化を行うと、次に、再生釦が押されたか否かを判定する(S3)。ここでは、操作部123内の再生釦の操作状態を検知し、判定する。この判定の結果、再生釦が押された場合には、再生・編集を実行する(S5)。ここでは、記録媒体131から画像データを読み出し、LCD135に静止画と動画の一覧を表示する。ユーザは十字キーを操作することにより、一覧の中から画像を選択し、OK釦により画像を確定する。また、このステップにおいて、組み写真の編集も行う。この再生・編集の詳しい動作については、図17を用いて後述する。
ステップS5における再生・編集を実行すると、またはステップS3における判定の結果、再生釦が押されていなかった場合には、カメラ設定を行うか否かを判定する(S7)。操作部123の内のメニュー釦が操作された際に、メニュー画面においてカメラ設定を行う。そこで、このステップでは、このカメラ設定が行われたか否かに基づいて判定する。
ステップS7における判定の結果、カメラ設定の場合には、カメラ設定を行う(S9)。前述したように、種々のカメラ設定をメニュー画面で行うことができる。カメラ設定としては、前述したように、例えば、通常撮影モードや組み写真等の撮影モードの設定、ナチュラル、ビビッド、フラット、ポートレート、アートフィルタ等の仕上がりの設定がある。アートフィルタとしては、ポップアート、トイフォト、ファンタジックフォーカス、ラフモノクローム、ジオラマ、クリスタル等がある。また、組み写真のスタイル、組み写真の置換画像の選択、組み写真編集時に編集前の画像を記録するか否か、既に記録されている画像を組み写真の所定のコマに嵌め込むための画像を選択する等、種々の設定も可能である。
ステップS9においてカメラ設定を行うと、またはステップS7における判定の結果、カメラ設定でなかった場合には、次に、動画釦が押されたか否かの判定を行う(S11)。ここでは、マイクロコンピュータ121は操作部123から動画釦の操作状態を入力し、判定する。
ステップS11における判定の結果、動画釦が押された場合には、記録中フラグを判定する(S13)。記録中フラグは、動画撮影中にはオン(1)が設定され、動画を撮影していない場合にはオフ(0)にリセットされている。このステップにおいては、フラグを反転、すなわちオン(1)が設定されていた場合には、オフ(0)に反転させ、オフ(0)が設定されていた場合には、オン(1)に反転させる。
ステップS13において記録中フラグの反転を行うと、次に、動画記録中か否を判定する(S15)。ここでは、ステップS13において反転された記録中フラグがオンに設定されているか、オフに設定されているかに基づいて判定する。
ステップS15における判定の結果、動画記録中の場合には、動画ファイルを生成する(S19)。後述するステップS61において動画の記録を行うが、このステップでは、動画記録用の動画ファイルを生成し、動画の画像データを記録できるように準備する。
一方、判定の結果、動画記録中でない場合には、動画ファイルを閉じる(S17)。動画釦が操作され、動画撮影が終了したことから、このステップで動画ファイルを閉じる。動画ファイルを閉じるにあたって、動画ファイルのヘッダにフレーム数を記録する等により、動画ファイルとして再生可能な状態にし、ファイル書き込みを終了する。
ステップS17において動画ファイルを閉じると、またはステップS19において動画ファイルを生成すると、またはステップS11における判定の結果、動画釦が押されていない場合には、次に、組み写真モードで操作部が操作されたか否かを判定する(S21)。前述したように、ステップS9におけるカメラ設定において、組み写真モードの設定が可能である。このステップでは、この組み写真モードが設定されている状態で、操作部123の操作部が操作されたか否かを判定する。
ステップS21における判定の結果、組み写真モードで操作部が操作された場合には、組み写真操作を実行する(S23)。この組み写真操作では、組み写真の編集を行うための各種操作、例えば、撮影コマ変更、キャンセル操作、復元操作、一時保存操作、一時保存読み込み操作等の操作がなされると実行される。この組み写真操作の詳しい動作については、図14および図15を用いて後述する。
ステップS23において再生・編集を実行すると、またはステップS21における判定の結果、組み写真モードで操作部が操作されていない場合には、レリーズ釦が半押しされたか否か、言い換えると、ファーストレリーズスイッチがオフからオンとなったか否かの判定を行う(S31)。この判定は、レリーズ釦に連動するファーストレリーズスイッチの状態を操作部123によって検知し、この検知結果に基づいて行う。検知の結果、ファーストレリーズスイッチがオフからオンに遷移した場合には判定結果はYesとなり、一方、オン状態またはオフ状態が維持されている場合には、判定結果はNoとなる。
ステップS31における判定の結果、レリーズ釦が半押しされ、オフからファーストレリーズに遷移した場合には、AE・AF動作を実行する(S33)。ここでは、AE処理部111が、撮像素子103によって取得された画像データに基づいて被写体輝度を検出し、この被写体輝度に基づいて、適正露出となるシャッタ速度、絞り値等を算出する。
また、ステップS33においては、AF動作を行う。ここでは、AF処理部113によって取得された合焦評価値がピーク値となるように、交換式レンズ200内のマイクロコンピュータ207を介してドライバ205が撮影レンズ201のピント位置を移動させる。したがって、動画撮影を行っていない場合に、レリーズ釦が半押しされると、その時点で、撮影レンズ201のピント合わせを行う。その後、ステップS35へ進む。
ステップS31における判定の結果、レリーズ釦がオフからファーストレリーズに遷移しなかった場合には、次に、レリーズ釦が全押しされ、セカンドレリーズスイッチがオンになったか否かの判定を行う(S37)。このステップでは、レリーズ釦に連動するセカンドレリーズスイッチの状態を操作部123によって検知し、この検知結果に基づいて判定を行う。
ステップS37における判定の結果、レリーズ釦が全押しされ、セカンドレリーズスイッチがオンになった場合には、メカシャッタによる静止画撮影を行う(S39)。ここでは、ステップS33において演算された絞り値で絞り203が制御され、また演算されたシャッタ速度でメカシャッタ101のシャッタ速度が制御される。そして、シャッタ速度に応じた露光時間が経過すると、撮像素子103から画像信号が読み出され、アナログ処理部105およびA/D変換部107によって処理されたRAWデータがバス110に出力される。
メカシャッタによる撮影を行うと、次に、画像処理を行う(S41)。ここでは、メカシャッタによる撮影によって撮像素子103で取得されたRAWデータを読出し、画像処理部109によって画像処理を行う。この画像処理の詳しい動作については、図8を用いて後述する。
画像処理を行うと、次に静止画記録を行う(S43)。ここでは、画像処理が施された静止画の画像データを記録媒体131に記録する。なお、組み写真で撮影された場合に、組み写真の内の一部の画像をキャンセル(削除)したい場合には、キャンセル操作によって削除可能である。この静止画記録の詳しい動作については、図13を用いて後述する。
静止画記録を行うと、次に、組み写真モードか否かの判定を行う(S45)。前述したように、組み写真モードはメニュー画面等において設定されており、このステップではこの組み写真モードが設定されているか否かを判定する。
ステップS45における判定の結果、組み写真モードが設定されていた場合には、ライブビュー(LV)表示の変更を行う(S47)。組み写真モードが設定されている場合には、スタイル(テンプレート、図5参照)と画像の枚数に応じて、ライブビュー表示を変更する。常に全コマにライブビュー表示を行う場合には、撮影画像以外の部分にライブビュー表示を行うようにする。また1コマずつライブビュー表示する場合には(図2の表示方式)、撮影したら次のコマ(例えば、図2のように、左上→右上→左下→右下のような順)にライブビュー表示を切り換える。いずれの場合にも、撮影したコマは撮影画像を表示する。また、OSD(オンスクリーンディスプレイ)を使用し、撮影済みの画像なのかライブビュー表示なのかを分かるように表示してもよく、撮影済みの画像は、撮影順が分かるように表示してもよい。その後、ステップS35へ進む。
ステップS37における判定の結果、レリーズ操作2ndでなかった場合には、次に、AEを行う(S51)。前述のステップS21からS27を経た場合は、レリーズ釦に対して何ら操作を行っていない場合であり、この場合には後述するステップS57においてライブビュー表示を行う。ステップS51においては、ライブビュー表示を行うための露出制御を行う。すなわち、適正露出でライブビュー表示を行うための撮像素子103の電子シャッタのシャッタ速度およびISO感度を算出する。
AEを行うと、次に、電子シャッタによる撮影を行う(S53)。ここでは、撮像素子103の電子シャッタを用いて画像データを取得する。続いて、取得した画像データに対して画像処理を行う(S55)。ここでの画像処理は、ライブビュー表示用であり、また特殊効果が設定されている場合には、設定されている特殊効果に応じた画像処理も行う。この画像処理の詳しい動作については、図8を用いて後述する。
画像処理を行うと、表示パネル135にライブビュー表示を行う(S57)。ステップS53において画像データを取得し、ステップS55において画像処理を行ったことから、このステップでは、ライブビュー表示の更新を行う。撮影者はこのライブビュー表示を観察することにより、構図やシャッタタイミングを決定することができる。
ステップS57においてライブビュー表示を行うと、動画記録中か否かの判定を行う(S59)。ここでは、記録中フラグがオンか否かを判定する。この判定の結果、動画記録中であった場合には、動画記録を行う(S61)。ここでは、撮像素子103から読み出される撮像データを動画用の画像データに画像処理を行い、動画ファイルに記録する。その後、ステップS35へ進む。
ステップS35では、電源オフか否かの判定を行う。このステップでは、操作部123の電源釦が再度、押されたか否かを判定する。この判定の結果、電源オフではなかった場合には、ステップS3に戻る。一方、判定の結果、電源オフであった場合には、メインのフローの終了動作を行ったのち、メインフローを終了する。
このように本発明の一実施形態におけるメインフローにおいては、組み写真モードが設定されている場合には、再生・編集が可能であり(S23)、またレリーズ釦の全押し(レリーズ操作2nd)がなされると撮影が行われ、またライブビュー表示の変更がなされる。
次に、ステップS41、S55における画像処理について、図8に示すフローチャートを用いて説明する。画像処理のフローに入ると、まず、基本画像処理を行う(S71)。ここでは、基本画像処理部109aが、撮像素子103から読み出され、A/D変換部107でAD変換された画像データに対して、オプティカルブラック(OB)減算、ホワイトバランス(WB)補正、同時化処理、色再現処理、輝度変更処理、エッジ強調処理、ノイズ除去(NR)処理等を施す。この基本画像処理の詳しい動作については、図9を用いて後述する。
基本画像処理を行うと、次に、アートフィルタが設定されているか否かを判定する(S73)。前述したカメラ設定(S9)において、アートフィルタが設定されるので、このステップでは、アートフィルタが設定されたか否かを判定する。
ステップS73における判定の結果、アートフィルタが設定されていた場合には、特殊画像処理を行う(S75)。ここでは、設定されたアートフィルタの種類に応じて、特殊画像処理を施す。この特殊画像処理の詳しい動作については、図10を用いて後述する。
特殊画像処理を行うと、またはステップS73における判定の結果、アートフィルタが設定されていなかった場合には、次に、組み写真か否かの判定を行う(S77)。この判定の結果、組み写真モードが設定されている場合には、組み写真生成を行う(S79)。この組み写真生成では、リサイズや回転等の前処理を行い、色変更や輝度変更を行った後、スタイル(テンプレート)に応じて、画像の合成を行い、組み写真を生成する。この組み写真生成の詳しい動作については、図11を用いて後述する。
組み写真生成を行うと、またはステップS77における判定の結果、組み写真モードが設定されていない場合には、元のフローに戻る。
このように、本実施形態における画像処理では、基本画像処理を行い、また必要に応じて特殊画像処理を行った後に、組み写真モードが設定されている場合に、組み写真生成を行っている。
次に、ステップS71(図8)の基本画像処理の詳しい動作について、図9に示すフローチャートを用いて説明する。基本画像処理のフローに入ると、まず、オプティカルブラック(OB)演算を行う(S81)。このステップでは、基本画像処理部109a内のOB演算部によって、画像データを構成する各画素の画素値から、撮像素子103の暗電流等に起因するオプティカルブラック値をそれぞれ減算する。
OB演算を行うと、次に、ホワイトバランス(WB)補正を行う(S83)。このステップでは、予め設定されているホワイトバランスモードに応じて、基本画像処理部109a内のWB補正部により画像データに対してWB補正を行う。具体的には、ベイヤ配列の画像データに対して、ユーザが設定したホワイトバランスモードに応じたRゲインとBゲインをカメラ本体のフラッシュメモリ125から読み出し、その値を乗じることで補正を行う。またはオートホワイトバランスの場合には、RAWデータ等からRゲインおよびBゲインを算出し、これらを用いて補正する。
続いて、同時化処理を行う(S85)。このステップでは、ホワイトバランス補正を行った画像データに対して、基本画像処理部109a内の同時化処理部によって、各画素がRGBデータで構成されるデータに変換する。具体的には、その画素にないデータを周辺から補間によって求め、RGBデータに変換する。しかし、例えば、RAWデータが既にRGBデータと同様の形式(Foveonセンサで得られたRAWデータなど)の場合には、同時化処理を行う必要がない。
同時化処理を行うと、次に、色再現処理を行う(S87)。このステップでは、基本画像処理部109a内の色再現処理部によって、画像データに対して設定されているホワイトバランスモードに応じたカラーマトリックス係数を乗じる線形変換を行って画像データの色を補正する。カラーマトリックス係数はフラッシュメモリ125に記憶されているので、読み出して使用する。
色再現処理を行うと、次に、輝度変更処理を行う(S89)。このステップでは、基本画像処理部109a内のガンマ処理部によって、フラッシュメモリ125に記憶されているガンマテーブルを読み出し、画像データに対してガンマ補正処理を行う。すなわち、RGBでガンマ変換し、YCbCrに色変換後、Yでさらにガンマ変換を行う。
ガンマ変換を行うと、次に、エッジ強調を行う(S91)。このステップでは、ガンマ変換の行われた画像データに対して、基本画像処理部109a内のエッジ強調処理部が、バンドパスフィルタによりエッジ成分を抽出し、エッジ強調度に応じて係数を乗じて画像データに加算することにより、画像データのエッジを強調する。
次にNR(ノイズ除去)を行う(S93)。このステップでは、画像を周波数分解し、周波数に応じてノイズを低減する処理を行う。ノイズ除去処理を行うと、元のフローに戻る。
次に、ステップS75(図8)の特殊画像処理の詳しい動作について、図10に示すフローチャートを用いて説明する。
特殊画像処理のフローに入ると、まず、アートフィルタモードとして、トイフォトが設定されているか否かを判定する(S101)。この判定の結果、トイフォトが設定されていた場合には、シェーディング効果を付加する(S103)。ここでは、特殊画像処理部109bが、中心からの距離に応じて、徐々に輝度が低下するようなゲインマップ(ゲインの値は1以下)を生成し、画素ごとに画素に応じたゲインを乗ずることにより、画像の周辺にシェーディング効果を付与する。
シェーディング付加を行うと、またはステップS101における判定の結果、トイフォトでなかった場合には、次に、アートフィルタモードとして、ファンタジックフォーカスが設定されているか否かを判定する(S105)。この判定の結果、ファンタジックフォーカスが設定されていた場合には、ソフトフォーカス処理を行う(S107)。ここでは、特殊画像処理部109bが、元の画像をぼかし、このぼかした画像と、ぼかす前の画像を、所定の割合(例えば、ぼかし:前=2:3の割合)で合成する。
ソフトフォーカス処理を行うと、またはステップS105における判定の結果、ファンタジックフォーカスでなかった場合には、次に、アートフィルタモードとして、ラフモノクロームが設定されているか否かを判定する(S109)。この判定の結果、ラフモノクロームが設定されていた場合には、ノイズ重畳処理を行う(S111)。ここでは、特殊画像処理部109bが画像データに対してノイズ付加処理を施す。ノイズ付加処理は、予め作成したノイズパターン画像を被写体画像に加算する処理である。ノイズパターン画像は乱数等に基づいて生成してもよい。
ノイズ重畳処理を行うと、またはステップS109における判定の結果、ラフモノクロームでなかった場合には、次に、アートフィルタモードとしてジオラマが設定されているか否かを判定する(S113)。この判定の結果、ジオラマが設定されていた場合には、ぼかし処理を行う(S115)。ここでは、特殊画像処理部109bが、元の画像のAFターゲットを中心に上下、または左右、または距離に応じて徐々にぼかす処理を行う。
ぼかし処理を行うと、またはステップS113における判定の結果、ジオラマでなかった場合には、次に、アートフィルタモードとしてクリスタルが設定されているか否かを判定する(S117)。この判定の結果、クリスタルが設定されていた場合には、クロスフィルタ処理を行う(S119)。ここでは、特殊画像処理部109bが、画像の中から輝点を検出し、この輝点を中心として、十字状や、複数本の放射状の形状に輝きを演出する効果のあるクロスパターンを描画する。
クロスフィルタ処理を行うと、またはステップS117における判定の結果、クリスタルが設定されていなかった場合には、特殊画像処理のフローを終了し、元のフローに戻る。
次に、ステップS79(図8)の組み写真生成の詳しい動作について、図11に示すフローチャートを用いて説明する。前述したように、図8に示した画像処理のフローでは、まず基本画像処理を行い、次に特殊画像処理を行い、次いで、この組み写真生成を行う。この組み写真生成では、図5に示したようなスタイル(テンプレート)に、画像を合成する。この合成にあたって、概略、ステップS121〜S127において前処理が未実施のコマがあれば、前処理を実施する。前処理を施すと、色変更や輝度変更等を行い、スタイルに画像を嵌め込む画像処理を実行してから画像記録を行う。
組み写真生成のフローに入ると、まず、前処理未実施コマがあるか否かの判定を行う(S121)。ここでは、合成する全てのコマの画像に対して、ステップS128以降の処理で毎回実行する必要のない、リサイズ・回転・トリミング、画像解析などの前処理が終了しているか否かを判定する。
ステップS121における判定の結果、前処理が未実施のコマがあれば、次に、リサイズ・回転・トリミングを行う(S123)。ここでは、図5に示すようなスタイルに嵌め込むために、組み写真処理部109cが、コマに合わせてリサイズや回転やトリミング等の処理を行う。
リサイズ等を行うと、次に、画像解析を行う(S125)。合成する元の画像(置換画像)を解析し、画像特徴(例えば、輝度分布と色分布等)を取得する。基本画像処理等の画像処理が完了した画像を用いて解析してもよく、また、その元となるRAWデータを解析してもよい。
画像解析を行うと、次に、コマ画像記憶を行う(S127)。ここでは、ステップS123、S125における前処理を行った画像をSDRAM127に記憶する。図16(a)は、SDRAM127の表示・記録用組み画像記憶領域を示しており、領域R1は組み写真に組み込むコマ数分の領域であり、領域R2は組み写真に組み込むコマ数分の退避領域である。このステップS127では、前処理を行った画像の画像データと画像解析結果を、コマ画像領域R1内の対応する領域(コマ画像領域1〜コマ画像領域nのいずれか)に記憶する。
コマ画像の記憶を行うと、またはステップS121における判定の結果、前処理未実施コマがない場合には、次に、画質調整を行う(S128)。ここでは、コマ画像領域に記憶されている画像の画質調整を行う。画質調整としては、組み写真の他のコマと同等の画質となるような調整を施す。画質調整後の画像は、コマ画像領域R1に上書きで記憶する。この画質調整の詳しい動作については、図20および図21を用いて後述する。
画質調整を行うと、次に、色変更を行う(S129)。ここでは、組み写真処理部109cが、合成する画像が略同様な色になるように、CbCrを補正する。このとき、各コマ画像領域のデータを用いて処理を行うが、SDRAM127のコマ画像領域R1内のデータは変更しないようにする。これは、後ほどMPO形式でデータを保存するためである。
色変更の補正方法としては、例えば、合成する全ての画像の色分布(CbCr平面での分布)のピークが、各ピークの平均値になるように画像のCbCrをオフセットさせる。この補正方法を図12(b)(c)を用いて説明する。図12(b)の(b−1)は画像1および画像2の色差(Cb)を示し、図12(c)の(c−1)は、色差(Cr)を示す。画像1,2のそれぞれについて、色分布のピークが平均値となるように色差をオフセットさせると(図12の(b−2)、(c−2)参照)、両画像の色差は略同様になる(図12の(b−3)(c−3)参照)。
ステップS129において色変更を行うと、次に、輝度変更を行う(S131)。ここでは、組み写真処理部109cが合成する画像の輝度が同様になるように補正する。補正方法としては、例えば、合成する全ての画像の輝度分布の平均値に、各画像の平均値が略一致するように補正する。このとき、輝度ガンマ(輝度成分のみのガンマ)で変換すると、大きく輝度を変更した場合に、色が不自然に見える。そこで、例えば、RGB変換してRGB色空間でガンマ補正するようにしてもよい。
輝度変更の例を、図12(a)を用いて説明する。図12(a)の(a−1)は、画像1と画像2の輝度を示す。両者をRGB色空間でテーブル変換する((a−2)参照)。画像2は(a−1)から分かるように、全体に低輝度成分が多いことから、テーブル変換によって低輝度側を持ち上げている。変換後は、(a−3)に示すように、画像1と画像2は、略同様な輝度分布となる。
ステップS131において輝度変更を行うと、次に、合成を行う(S133)。ここでは、組み写真処理部109cが、背景画像上の各画像を合成する。すなわち、図5に示したようなスタイルの各位置に画像を嵌め込み合成することにより、組み写真を生成する。
合成を行うと、次に、特殊効果を付加する(S135)。ここでは、合成した画像に対して、シェーディングやぼかし等の特殊効果を付加する。なお、各画像に対しては、図8のステップ75において特殊効果を付加しており、このステップでは、合成画像に対する特殊効果を付加している。
特殊効果を付加すると、次に、画像記憶を行う(S137)。ここでは、表示・記録用組み画像記録領域に合成結果を記憶する。画像記憶を行うと元のフローに戻る。
このように組み写真生成のフローにおいては、前処理を未実施の場合には、リサイズ等の処理や画像解析を施し(S123、S125)、この前処理した画像データをSDRAM127のコマ画像領域R1に記憶し(S127)、前処理済みの画像に対して色変更と輝度変更を行った後(S129、S131)、組み写真の画像を合成し(S133)、画像記録を行っている(S137)。前処理し色変更や輝度変更を行う前の画像データを、コマ画像領域R1に記憶していることから、組み写真作成後、置換画像と入れ替える際に前処理時の画像データを読出すことができ、適切な色変更や輝度変更を行うことができる。
また、組み写真生成のフローにおいては、組み写真の各画像と画質が揃うように画質調整を行っている(S128参照)。このため、組み写真の各画像の画質が揃っていて、自然な感じとなる。
次に、ステップS43(図7)の静止画記録の詳しい動作について、図13に示すフローチャートを用いて説明する。この静止画記録は、前述のメカシャッタによる撮影(S39)、画像処理(S43)に引き続いて実行され、画像処理された画像データを記録媒体131に記録するための処理を行う。
静止画記録のフローに入ると、まず、組み写真モードか否かの判定を行う(S141)。この判定の結果、組み写真モードでない場合には、通常モードであり、レックビュー表示を行う(S157)。ここでは、記録媒体131に記録する画像を、表示パネル135に一時的に所定時間の間、表示する。これにより、ユーザは撮影画像を確認することができる。
レックビュー表示を行うと、次に静止画記録を行う(S159)。組み写真以外では、画像処理した画像をJPEG圧縮して記録媒体131に記録する。しかし、これに限らず、非圧縮形式(例えば、TIFF等)で記録するようにしてもよく、別の圧縮形式でもよい。また、RAW画像を記録するようにしても良い。
ステップS141における判定の結果、組み写真モードであった場合には、撮影画像記録か否かを判定する(S143)。組み写真モードでは、図5に示すようなスタイルに各画像を嵌め込むが、組み写真モードが設定されている場合であっても、スタイル中に嵌め込まない画像を記録するようにしてもよい。このステップでは、図6のステップS9のカメラ設定において、ユーザが組み写真の各コマを記録するかどうかの設定をオンにしているか否かを判定する。
ステップS143における判定の結果、撮影画像記録の場合には、静止画記録を行う(S145)。ここでは、ステップS159と同様に、組み写真ではない、単独の撮影画像として撮影し、JPEG等によって圧縮等を行って記録媒体131に記録する。
ステップS145において静止画記録を行うと、またはステップS143における判定の結果、撮影画像記録でない場合には、次に、組み完了か否かの判定を行う(S147)。ここでは、予め設定されているスタイルを満たす数の画像が撮影され、合成されているか否かを判定する。例えば、図2、図3を用いて説明した組み写真では、4枚の写真が撮影され、合成されているかを判定する。また、例えば、4枚合成の場合であって、2枚を撮影し、2枚を記録画像から選択した場合も組み完了と判定される。
ステップS147における判定の結果、組み完了であった場合には、レックビュー表示を行う(S149)。ここでは、組み写真として全画像が揃ったことから、この組み写真を表示パネル135にレックビュー表示を行う。なお、レックビュー表示中には、後述する再生のフローと同様に、拡大表示ができるようにしてもよい。
レックビュー表示を行うと、次に、キャンセル操作がなされたか否かを判定する(S151)。ユーザがレックビュー表示を観察した際に、一部の写真を削除し、取り換えたいと思う場合がある。そこで、本実施形態においては、レックビュー表示を行い、所定時間(例えば、3秒)内にキャンセル操作を行った場合には、指定したコマをキャンセルして、再撮影を行うことができるようにしている。なお、キャンセル操作としては、タッチパネルで指定してもよく、また削除釦でキャンセルするようにしてもよい。
ステップS151における判定の結果、キャンセル操作を行った場合には、組み写真操作を行う(S155)。組み写真操作のサブルーチン中において、キャンセル操作が実行される(後述する図14のS165〜S173参照)。
一方、ステップS151における判定の結果、キャンセル操作が行われない場合には、組み写真記録が行われる(S153)。ここでは、完成した組み写真の合成画像データを記録媒体131に記録する。
ステップS153において組み写真記録を行うと、またはステップS155において組み写真操作を行うと、またはステップS147における判定の結果、組み完了していない場合には、またはステップS159において静止画記録を行うと、元のフローに戻る。
このように、静止画記録フローにおいては、スタイルによって決まる画像の枚数が揃うまでは組み写真の記録を行わず(S147→No)、枚数が揃うと組み写真の記録を行っている(S153)。また、組み写真が完成した後でも、キャンセル操作を行うことにより(S151)、組み写真の指定した画像の削除を行うことができる。
次に、ステップS23(図6)およびステップS155(図13)の組み写真操作の詳しい動作について、図14および図15に示すフローチャートを用いて説明する。この組み写真操作は、前述したように、組み写真の編集を行うための各種操作がなされた際に実行される。
組み写真操作のフローに入ると、まず、撮影コマ変更操作がなされたか否かの判定を行い(S161)、この判定の結果、撮影コマ変更操作が行われた場合には、撮影コマの変更を行う(S163)。図3(a)(b)を用いて説明したように、組み写真のスタイルの中でいずれかの枠に撮影画像を嵌め込むかは適宜変更可能である。十字キーとOK釦の操作や、タッチパネル操作等により、撮影するコマを変更する操作がなされた場合に、撮影するコマを変更する。その際、どのコマを撮影するかを分かるようにするために、コマに枠を表示したり、アイコンを表示したり、撮影コマ以外のコマを暗く表示したり、撮影コマ以外のコマの彩度を低下するようにしてもよい。ライブビュー表示中のコマがタッチされた場合には、レリーズ操作(1stと2nd、または1stのみ)を実行する。複数のコマでライブビュー表示を行っている場合には、レリーズ釦を使用して撮影するコマを選ぶ。
ステップS163において撮影コマの変更を行うと、またはステップS161における判定の結果、撮影コマの変更操作がなかった場合には、次に、キャンセル操作がなされた否かを判定する(S165)。静止画記録のフローにおいて説明したように、完成した組み写真において、一部の画像を削除し、画像を置換したい場合がある。そこで、本実施形態においては、十字キーで撮影したコマを選択し、削除釦を押した場合や、タッチパネルで撮影したコマをゴミ箱アイコンドロップした場合等、撮影したコマをキャンセルする。このステップS165においては、これらの操作がなされたか否かを判定する。
ステップS165における判定の結果、キャンセル操作がなされた場合には、次に、タッチ操作でコマサイズが小か否かの判定を行う(S167)。キャンセル操作が、タッチ操作で行われた場合、キャンセルしようとしているコマのサイズ(縦横サイズまたは面積)が小さいか(例えば、面積が1平方センチメートル以下)否かを判定する。コマサイズが小さいと誤操作となってしまうからである。
ステップS167における判定の結果、タッチ操作でコマサイズが所定値より大きい場合には、次に、画像退避し(S169)、ライブビュー表示の変更を行う(S171)。キャンセル操作によって画像を削除した場合でも、復元したい場合がある。そこで、復元を可能とするために(すなわち、キャンセル操作の取り消し)、削除の指定がなされた撮影画像(組み写真のコマの画像)を一旦メモリ内の別領域に退避し、そのコマを未撮影状態とみなしてライブビュー表示を変更している。この画像退避については、図16(b)(c)を用いて後述する。
ライブビュー表示を行うと、組み写真生成を行う(S173)。この組み写真生成のサブルーチンは、図11を用いて説明した。キャンセル操作によって指定された画像が削除されたので、このステップでは、残りの画像を用いて組み写真を生成し直す。
ステップS173において組み写真生成を行うと、またはステップS167における判定の結果、タッチ操作でコマサイズが小さかった場合には、またはステップS165における判定の結果、キャンセル操作がなされていなかった場合には、次に、復元操作か否かの判定を行う(S175)。復元操作は、十字キーで復元したいコマを選択して削除釦を操作したり、またタッチ操作によりゴミ箱アイコンを復元したいコマへドロップ操作した場合等、操作部123やタッチパネル123aの操作によって行う。
ステップS175における判定の結果、復元操作がなされた場合には、次に、画像を復元し(S177)、ライブビュー表示の変更を行う(S179)。ここでは、退避させた画像を元の位置に戻し、そのコマを撮影したとみなして、ライブビュー表示を変更する。
ライブビュー表示の変更を行うと、組み写真生成を行う(S181)。この組み写真生成のサブルーチンは、図11を用いて説明した。復元操作によって指定された画像が復元されたので、このステップでは、復元された画像も含めて組み写真を生成し直す。
ステップS181において組み写真生成を行うと、またはステップS175における判定の結果、復元操作がなされなかった場合には、次に、一時保存操作か否かの判定を行う(図15のS183)。短時間の間に複数の撮影を行い、組み写真の作成を行う場合には、連続的に撮影を行える。しかし、朝、昼、夜等と時間間隔をおいて撮影した画像を用いて組み写真を作成する場合には、作成途中の画像を一時保存できると便利である。そこで、本実施形態においては、組み写真を構成する画像の一時保存を可能としている。復元操作としては、メニュー画面またはタッチパネル操作等によって、一時保存メニューの選択操作やアイコンの選択操作等で行う。
ステップS183における判定の結果、一時保存操作がなされた場合には、組みデータの記録を行う(S185)。ここでは、現在の組み写真の状態、すなわち、どのスタイルでどの写真を撮影しているか等を、フラッシュメモリ125または記録媒体131に記録する。記録する組みデータとしては、少なくともスタイル(テンプレートに関する情報)、撮影した写真データ、写真データとテンプレート上の関連情報がある。
組みデータの記録を行うと、次に、組み写真のリセットを行う(S187)。記録後、撮影していた組み写真の情報をリセットし、1枚目撮影と同様の状態、すなわち、ライブビュー表示やSDRAM127のリセット等の状態にする。
ステップS187において組み写真のリセットを行うと、またはステップS183における判定の結果、一時保存操作がなされなかった場合には、次に、一時保存読み込み操作がなされたか否かを判定する(S189)。この操作は、ステップS183、S185において組み写真の組みデータを一時保存した場合に、この一時保存された組みデータの読み出しを行う。操作としては、例えば、メニュー画面またはタッチパネル等で、一時保存読み込みメニューやアイコンの選択操作を行う。
ステップS189における判定の結果、一時保存読み込み操作がなされた場合には、次に、撮影途中か否かの判定を行う(S191)。組み写真を撮影中に、一時保存読み込み操作がなされる場合がある。この場合には、現在、進行している組み写真撮影を一時中断しなければならないことから、ステップS191〜S195において対応する。このステップでは、組み写真撮影モードであって、かつテンプレートに対して1枚以上撮影されているか否かを判定する。
ステップS191における判定の結果、組み写真の撮影中であった場合には、次に、一時保存するか否かを確認する(S193)。この場合には、撮影途中の現状の状態を一時保存するか否かの確認画面を表示パネル135表示し、ユーザに問い合わせる。この判定の結果、一時保存する場合には、組みデータの記録を行う(S195)。ここでは、現状の状態を一時保存するために、ステップS185と同様の組みデータを記録する。
ステップS195において組みデータ記録を行うと、またはステップS193における判定の結果、一時保存しない場合、またはステップS191における判定の結果、撮影途中でなかった場合には、次に、組みデータを読み込み(S197)、ライブビュー表示し(S199)、組み写真生成を行う(S201)。ここでは、ステップS185において一時保存した組みデータを読出し、ステップS171やS179と同様にライブビュー表示の変更を行い、ステップS173やS181と同様に組み写真の生成を行う。
ステップS201において組み写真の生成を行うと、またはステップS189における判定の結果、一時保存読み込み操作が行われなかった場合には、組み写真操作の動作を終了し、元のフローに戻る。
このように、組み写真操作のフローにおいては、スタイルのコマの中で撮影するコマを変更することができ(S163)、またコマを削除し復元することもできる(S169、S177)。さらに、組み写真撮影中であっても、データを一時保存でき、この一時保存したデータを読出し、組み写真撮影を続行することもできる。
次に、組み写真操作のフローで説明した画像退避(S169)と画像復元(S177)について、図16(b)を用いて説明する。
図16(b)はSDRAM127の表示・記録用組み画像記憶領域を示す。図16(b)の左側のコラムは、4枚から構成される組み写真の内で3枚撮影した状態を示す。すなわち、コマ画像領域R1の内、コマ画像1〜コマ画像3のデータが記録されている。
図16(b)において3枚撮影された状態で、コマ画像2がキャンセル操作されたとすると(図14のS165Yes)、コマ画像領域R1のコマ画像2のデータは、退避画像領域R2のコマ画像2にコピーされ、コマ画像領域R1のコマ画像2の位置のデータは消去される(図16(b)の真ん中のコラム参照)。
続いて、コマ画像2が復元操作されたとすると(図14のS175Yes)、退避画像領域R2のコマ画像2のデータが、コマ画像領域R1のコマ画像2の位置にコピーされる。そして、退避画像領域R2のコマ画像2の位置のデータが消去される(図16(b)の右側のコラム参照)。
このように、本実施形態においては、コマ画像のデータを記録しておくコマ画像領域R1と、データの退避用の退避画像領域R2を設けている。そして、キャンセル操作がなされると、退避画像領域R2に記憶し、復元操作がなされると、コマ画像領域R1にコピーしている。このため、一旦消去した画像でも簡単に復元することができる。
なお、本実施形態においては、キャンセル操作や復元操作時に、データをコピーしていた。しかし、これに限らず、ポインタによって管理するようにしてもよい。図16(c)は、ポインタで管理する例を示す。
図16(c)に示す例では、SDRAM127の表示・記録用組み画像記録領域に、参照ポインタを記憶する参照ポインタ領域R3とコマ画像領域R1を設けている。まず、4枚のうちの3枚を撮影した時点では、参照ポインタ領域R3には、有効な画像としてコマ画像1〜コマ画像3に対応するアドレスが記録されている(図16(c)の左側のコラム参照)。
コマ画像2がキャンセル操作されると、コマ画像領域R1にはコマ画像2は記録されたままであるが、参照ポインタ領域R3からはコマ画像2のアドレスが消去される(図16(c)の真ん中のコラム参照)。
続いて、コマ画像2が復元操作されると、コマ画像領域R1にはコマ画像2は記録されたままであり、また参照ポインタ領域R3にはコマ画像2のアドレスが復元される(図16(c)の右側のコラム参照)。
次に、ステップS5(図6)の再生・編集の詳しい動作について、図17に示すフローチャートを用いて説明する。この再生・編集は、前述したように、記録媒体131から撮影済みの画像データを読出し、再生する場合に実行される。
再生・編集のフローに入ると、まず、一覧表示を行い(S211)、画像選択を行う(S213)。ここでは、記録媒体131に記録されている画像ファイルのサムネールを一覧表示する。ユーザは一覧表示の中から画像を選択する。
画像選択を行うと、次に、選択された画像が動画か否かの判定を行う(S215)。画像としては、静止画または動画が記録されていることから、画像の形式から判定する。
ステップS215における判定の結果、選択された画像が動画の場合には、フレーム数を読み込む(S217)。動画ファイルには、フレーム数が記録されているので、この情報を読み込む。続いて、カウンタiを1に初期化する(S219)。このカウンタiは、フレーム数を計数する。
次に、iフレーム目を再生・表示し(S221)、フレームiに1を加算し(S223)、フレームiがフレーム数より小さいか否かを判定する(S225)。ここでは、1フレーム目から順次、動画の画像データを読出し、表示パネル135に表示する。フレームiが、ステップS217において読み出したフレーム数に達するまで、動画再生を行う。その後、ステップS227へ進む。
ステップS215における判定の結果、ステップS213において選択された画像が静止画の場合には、画像読み込み(S229)、表示する(S231)。ここでは、記録媒体131に記録された静止画の画像データを読み出し、伸張処理を行って、表示パネル135に表示する。
表示を行うと、次に、拡大操作がなされたか否かを判定し(S233)、この判定の結果、拡大操作がなされた場合には、拡大表示する(S235)。静止画表示中に、例えば、拡大釦等を操作することにより、拡大表示する。このとき、組み写真の場合には、各コマを拡大表示したり、特定の1コマを拡大表示したりする。
ステップS235において拡大表示すると、またはステップS233における判定の結果、拡大操作がなされていなかった場合には、次に、拡大中かつ表示位置変更操作がなされたか否かを判定し(S237)、この判定の結果、変更操作がなされていた場合には、拡大位置変更を行う(S239)。拡大表示中で、かつ表示位置の変更操作、例えば、十字キー操作がなされた場合には、画像中において拡大表示する部分を変更する。組み写真の場合には、拡大中のコマ内のみ表示位置を変更できるように制限する。制限がない場合には、通常の画像と同様の表示とする。
ステップS239において拡大位置変更を行うと、またはステップS237における判定の結果、拡大中かつ表示位置変更操作が行われていなかった場合には、次に、組み写真かつ表示コマ変更操作がなされたか否かを判定し(S241)、変更操作がなされていた場合には、表示コマの変更を行う(S243)。組み写真の場合、拡大表示中かつ表示コマ変更操作、例えば、ファンクション釦(Fn釦)操作等があった場合には、拡大表示を行うコマを切り換える。このとき、各コマで拡大位置を記憶しておき、現在表示されているコマを再度表示するように指示された場合には、同じ位置を拡大表示する。
ステップS243において表示コマ変更を行うと、またはステップS241における判定の結果、組み写真かつ表示コマ変更操作がなかった場合には、次に、組み写真かつ編集操作か否かの判定を行い(S245)、この判定の結果、編集操作がなされていた場合には、組み写真編集を行う(S247)。組み写真の場合、メニュー画面から組み写真編集を選択したり、タッチ操作で編集アイコンを選択したりする等によって、現在再生している組み写真におけるコマを編集することができる。この組み写真編集の詳しい動作については、図18を用いて後述する。
ステップS247において組み写真編集を行うと、またはステップS245における判定の結果、組み写真かつ編集操作が行われていなかった場合には、次に、表示終了か否かを判定する(S249)。表示終了釦が操作された場合や表示終了アイコン等がタッチ操作されると、表示を終了する。このステップS249の判定の結果、表示終了でない場合には、ステップS233に戻り、表示を続行する。一方、表示終了であった場合には、ステップS227へ進む。
ステップS249における判定の結果、表示終了であった場合、またはステップS225における判定の結果、動画のフレームiがフレーム数を超えた場合には、次に、再生終了か否かを判定する(S227)。再生釦が再度、操作されると、再生を終了する。このステップにおける判定の結果、再生終了でなかった場合には、ステップS211に戻り、再生モードを続行する。一方、判定の結果、再生終了の場合には、この再生・編集のフローを終了し、元のフローに戻る。
このように、再生・編集のフローにおいては、動画の再生や、静止画の拡大表示や、組み写真の編集操作等を実行する。なお、本実施形態においては、組み写真の編集のみを行っていたが、これ以外にも動画も編集するようにしてもよい。
次に、ステップS247(図17)の組み写真編集の詳しい動作について、図18に示すフローチャートを用いて説明する。この組み写真編集は、前述したように、記録媒体131から完成した組み写真画像のデータを読出し、組み写真の中の画像を、他の記録画像または新たに撮影で取得する画像で置換する場合に実行される。
組み写真編集のフローに入ると、まず、組み画像の読み込みを行う(S251)。組み画像を読み込み、主画像および副画像をSDRAM127の各記憶領域に記憶する。ここで、主画像は、合成された組み写真の画像データであり、副画像は前処理(図11のS123、S125参照)がなされた画像データである。副画像は、図16に示したコマ画像領域に各コマに対応するように記憶する。
組み画像の読み込みを行うと、次に、編集コマの指定を行う(S253)。ここでは、ユーザが組み写真を構成する複数のコマの内、いずれを他の画像で置換するかを指定する。
編集コマの指定がなされると、次に、記録画像と置換するか否かを判定する(S255)。前述したように、編集にあたっては、記録済みの画像か、新たに撮影する画像を選択できる。記録済みの画像を選択する場合には、記録済みの画像の一覧表を表示させ、この中から選択する。一方、新たに撮影する場合には、撮影待機状態に移行し、撮影時のライブビュー表示と撮影シーケンスを実行することにより取得する。メニュー画面またはアイコン表示によって、記録画像と置換するか撮影画像と置換するかを選択する。
ステップS255における判定の結果、記録画像と置換する場合には、次に、一覧表示を行い(S257)、画像選択する(S259)。ここでは、ステップS211、S213(図17)と同様に、記録媒体131に記録されている画像ファイルのサムネールを一覧表示する。ユーザは、一覧表示の中から十字キーとOK釦等を操作して置換する画像を選択する。
画像選択を行うと、次に、画像読み込みを行う(S261)。ここでは、ステップS259において選択された画像のデータを記録媒体131から読み出す。
ステップS255における判定の結果、置換する画像が記録画像でなかった場合、すなわち、置換する画像が新たに撮影する画像である場合には、次に、レリーズ操作がオフから1stに遷移かを判定する(S273)。ここでは、レリーズ釦が半押しされたか否かを判定する。レリーズ釦の半押しにより撮影準備状態に移行する。ステップS273における判定の結果、レリーズ操作がオフから1st遷移であった場合には、次に、AE・AFを行う(S275)。ステップS33(図7)と同様に、ここでは、AE動作とAF動作を実行する。AE・AFを行うとステップS273に戻る。
ステップS273における判定の結果、レリーズ操作オフから1st遷移でない場合には、次にレリーズ操作2ndか否かを判定する(S277)。ここでは、レリーズ釦が全押しされたか否かを判定する。この判定の結果、レリーズ操作2ndでなかった場合には、AEを行い(S281)、電子シャッタによる撮影を行い(S283)、画像処理を行い(S285)、ライブビュー表示を行う(S287)。このステップS281〜S287の動作は、前述した図7のステップS51〜S57と同様であることから、詳しい説明を省略する。ライブビュー表示を行うと、ステップS273に戻る。
ステップS277における判定の結果、レリーズ操作2ndであった場合には、次に、メカシャッタによる撮影を行う(S279)。すなわち、ユーザがライブビュー表示を観察し、レリーズ釦の全押しを行うことにより、組み写真のコマと置換する画像を取得することができる。メカシャッタによる撮影において露光が終わると、RAWデータを取得する。
ステップS261において画像データを読み出すと、またはステップS279においてメカシャッタによる撮影が終わると、次に、画像のデータ形式がRAWデータであるか否かを判定する(S263)。ステップS279において取得する画像データはRAWであるが、記録媒体131から読み出した画像データは、RAWやJPEG等、種々の形式が含まれている。RAWデータの場合には、ステップS265〜S269において基本画像処理および特殊画像処理を行う。JPEGデータの場合には、既に画像処理されていることから、これらの処理はスキップする。
ステップS263における判定の結果、RAWデータであった場合には、次に基本画像処理を行う(S263)。この基本画像処理は図9に示したフローであるので、詳しい説明を省略する。基本画像処理を行うと、アートフィルタが設定されているか否かを判定する(S267)、この判定の結果、アートフィルタが設定されている場合には、特殊画像処理を行う(S269)。この特殊画像処理は図10に示したフローであるので、詳しい説明を省略する。
ステップS269において特集画像処理を行うと、またはステップS263における判定の結果、RAWデータでなかった場合、またはステップS267における判定の結果、アートフィルタが設定されていなかった場合には、次に、組み写真生成記録を行う(S271)。ステップS261において置換画像として指定された記録画像の画像データを読み込み、またステップS279において置換画像として新たに撮影した撮影画像の画像データを取得したことから、このステップにおいて、組み写真の1コマの画像を置換画像に置き換えて組み写真を生成する。この組み写真生成記録の詳しい動作については、図19を用いて説明する。
このように、組み写真編集のフローでは、組み写真の中で置換する画像を、記録画像の中から選択し(S257〜S261)、または新たに撮影することにより取得している(S279)。そして組み写真と置換画像を用いて、新たに組み写真を生成する(S271)。
次に、ステップS271の組み写真生成記録の詳しい動作について、図19に示すフローチャートを用いて説明する。この組み写真生成記録のフローに入ると、まず、組み写真生成を行う(S291)。ここでは、図11において説明したフローを実行する。すなわち、組み写真を構成する各コマについて前処理を行った後、色変更および輝度変更等を行うことによって、各コマを調整し、違和感のないようにする。また、画質調整を行い、圧縮率の差などによる画質の差が目立たないようにする。各コマの色、輝度、画質の調整を行うと、合成を行って組み写真を生成する。
組み写真生成を行うと、次に静止画記録を行う(S293)。ここでは、ステップS291において生成された組み写真のデータを記録媒体131に記録する。
次に、ステップS128(図11)の画質調整の動作について、図20および図21に示すフローチャートを用いて説明する。組み写真生成にあたって、組み写真を構成する各画像(コマ)を合成した際に、画像圧縮により画質低下や画質差が生ずる。そこで、画質調整において、置換画像を、置換画像以外の他の組み写真の画像と同様の画質に調整することにより、上述の問題を解消している。
この画質調整には、種々の方法があり、本実施形態においては、図20(a)〜(c)、図21(a)(b)の合計5種類の方法のうちのいずれかを使用する。
図20(a)に示す画質調整のフローは、最もシンプルな方法である。図20(a)の画質調整のフローに入ると、まず、組み画像量子化パラメータを取得する(S301)。ここでは、編集する組み画像(置換画像を除く組み写真を構成する画像)に記録されている量子化テーブルをヘッダから読み込む。
組み画像の量子化パラメータを取得すると、次に、画質変更処理を行う(S303)。ここでは、読み込んだ量子化テーブルを指定し、リサイズや回転等を行った組み換える画像(組み写真に合成するための置換画像)の画質変更処理を行う。すなわち、前のステップで組み写真の量子化パラメータを取得したことから、この量子化パラメータを使用して、置換画像の画質が、他の組み写真の画像と略同等の画質になるように調整する。この画質変更処理には種々の方法があり、図22を用いて後述する。
図20(b)に示す画質調整のフローは、画像のファイルの大きさに応じて画質調整を行うか否かを判定している。図20(b)の画質調整のフローに入ると、まず、元サイズ(置換画像の画像サイズ)が組みサイズ(組み写真を構成する被置換画像サイズ)よりも大きいか否かを判定する(S311)。ここでは、置換画像のサイズが組みサイズ(組み写真を構成する被置換画像のサイズ)よりも大きいかを、画像ファイルのサイズから判定する。より詳しくは、画像ファイルには、純粋に画像だけでなく画像に関連した情報や、サムネイル画像(簡易縮小画像)などが含まれているので、画像ファイルのサイズと、画像のサイズは一致しない。画像ファイルの中のEXIFタグに画像のみの画像サイズが記録されているので、それを参照する。被置換画像よりも置換画像の画像サイズが大きい場合には、組み写真に合成する際に、縮小処理を行う。縮小処理を行うと高周波成分が多くなるため、他の組まれている画像との画質の差が大きくなる。一方、被置換画像よりも置換画像の画像サイズが小さい場合には、このような高周波成分の影響を考慮しなくてもよい。画質変更処理を行うと元のフローに戻る。
ステップS311における判定の結果、元サイズ(置換画像の画像サイズ)が組みサイズ(被置換画像の画像サイズ)よりも大きかった場合には、組み画像の量子化パラメータを取得し(S313)、画質変更処理を行う(S315)。この2つのステップは、前述のステップS301、S303と同様であることから、詳しい説明を省略する。一方、ステップS311における判定の結果、元サイズが組みサイズよりも小さかった場合には、ステップS313、S315の処理を行わない。
ステップS315において画質変更処理を行うと、またはステップS311における判定の結果、元サイズが組みサイズよりも小さかった場合には、画質調整のフローを終了し、元のフローに戻る。
図20(c)に示す画質調整のフローは、画像解析を行って画質調整を行うか否かを判定している。図20(c)の画質調整のフローに入ると、まず、画像解析を行う(S321)。ここでは、リサイズや回転等を行った組み換える画像(置換画像)について、高周波成分の度合いを解析する。具体的には、周波数空間に変換し、高周波成分の信号を得て行う。
画像解析を行うと、次に、組み画像の量子化パラメータを取得する(S323)。ここでは、ステップS301と同様、編集する組み画像(置換画像を除く組み写真を構成する画像)に記録されている量子化テーブルをヘッダから読み込む。
組み画像の量子化パラメータを取得すると、次に、高周波が多いか否かを判定する(S325)。ここでは、カメラで使用する全量子化テーブルに対して、一般的なシーンで再現できる高周波成分を予め算出し、フラッシュメモリ125に記憶しておき、組み画像から読み込んだ量子化テーブルを用いて高周波成分の値を取得し、その値と比較する。すなわち、編集する組み画像(置換画像を除く組み写真を構成する画像)が、一般的なシーンに比較し、高周波成分が多いか否かを判定する。
ステップS325における判定の結果、高周波が多い場合には、画質変更処理を行う(S327)。ここでは、前述したように、読み込んだ量子化テーブルを指定し、リサイズや回転等を行った組み換える画像(組み写真に合成するための置換画像)の画質変更処理を行う。この画質変更処理については、図22を用いて後述する。
ステップS327において画質変更処理を行うと、またはステップS325における判定の結果、高周波が少ない場合には、画質調整のフローを終了し、元のフローに戻る。
図21(a)に示す画質調整のフローは、画像解析結果に応じて画質調整を変えている。前述の図20(c)の画質調整のフローでは、画像解析の結果、高周波が多かった場合のみ画質変更処理を行っていたが、この図21(a)の画質調整のフローでは、高周波が少ない場合であっても、画像解析結果に応じて画質調整を行うようにしている。
図21(a)の画質調整のフローに入ると、ステップS321〜S327までは、図20(c)に示した画質調整のフローと同様であることから、詳しい説明を省略する。ステップS325における判定の結果、高周波が少ない場合には、画質変更処理を行う(S329)。この画質変更処理では、画像解析して得た高周波成分の信号に対応した量子化テーブルを用いて、既に組まれている画像の画質を変更する。置換画像が低周波シーンだった場合には、それに合わせて全体をのっぺりした印象の画像に画質を調整することができる。
図21(b)に示す画質調整のフローは、2つの画像の量子化テーブルを比較し、この比較結果に応じて画質変更処理を変えている。図21(b)の画質調整のフローに入ると、まず、ステップS301と同様に、組み画像の量子化パラメータを取得する(S331)。ここでは、編集する組み画像(置換画像を除く組み写真を構成する画像)に記録されている量子化テーブルをヘッダから読み込む。
組み画像の量子化パラメータを取得すると、次に、置換画像の量子化パラメータを取得する(S333)。ここでは、置換画像に記録されている量子化テーブルをヘッダから読み込む。
置換画像の量子化パラメータを取得すると、次に、リサイズに応じた量子化パラメータの補正を行う(S335)。ここでは、編集で置換する画像(置換画像)に記録されている量子化テーブルに対し、リサイズの際の縮小率に応じて量子化テーブルを補正する。具体的には、縮小するほど小さな値にし、一方、拡大する場合には大きくする。
量子化パラメータの補正を行うと、次に量子化テーブルの比較を行う(S337)。ここでは、編集する組み画像(置換画像を除く組み写真を構成する画像)の量子化テーブルが、ステップS335において補正した量子化テーブルよりも小さい場合には、編集で置換画像の画質が劣化しているため、このステップでは「No」と判定する。一方、大きい場合には、「Yes」と判定する。なお、量子化テーブルの比較は、量子化テーブル中の特定の要素の値を比較すればよい。
ステップS337における判定の結果、Yesであった場合には、画質変更処理を行う(S339)。ここでは、編集する組み画像(置換画像を除く組み写真を構成する画像)に記録されている量子化テーブルを指定し、リサイズや回転等を行った組み換える画像(組み画像に合成する画像、置換画像)の画質変更処理を行う。
ステップS337における判定の結果、Noであった場合には、画質変更処理を行う(S341)。ここでは、ステップS335において補正した量子化テーブルを用いて、既に組まれている画像(置換画像を除く組み写真を構成する画像)の画質を変更する。これにより、組み換える画像(置換画像)に合わせて、他の画像の画質を変更できる。
ステップS339、S341において画質変更処理を行うと、画質調整のフローを終了し、元のフローに戻る。
このように、本実施形態における画質調整のフローにおいては、置換画像を除く組み写真を構成する画像と、置換画像と、両画像の画質が略同等となるように調整を行っている。このため、置換画像と組み写真を構成する複数の画像を組み合わせた際に、画質が略同等となり、違和感のない自然な感じの組み写真を合成することが可能となる。
次に、ステップS303、S315、S327、S329、S339、S341(図20、図21)における画質変更処理の動作について、図22に示すフローチャートを用いて説明する。この画質変更処理には、種々の方法があり、本実施形態においては、図22(a)〜(d)の合計4種類の方法のうちのいずれかを使用する。
図22(a)に示すパターン1の画質変更処理のフローに入ると、まず、JPEG圧縮を行う(S351)。ここでは、指定された量子化テーブルを用いてJPEG圧縮を行う。JPEG圧縮を行うと、次に、JPEG展開を行う(S353)。ここでは、JPEG圧縮したデータを展開する。このように、このフローにおいては、JPEGを利用して画質を合わせるようにしている。
次に、図22(b)に示すパターン2の画質変更処理のフローに入ると、まず、周波数領域に変換する(S361)。ここでは、組み直す画像(選択または撮影した画像、置換画像)に対して、記録時と同様に周波数変換(例えば、離散コサイン変換(DCT))を行う。
周波数領域に変換すると、次に、量子化を施す(S363)。ここでは、ステップS361において周波数変換したデータに対して、記録時と同様に量子化を行う。このとき、指定された量子化テーブルを使用する。
量子化を施すと、次に逆量子化を行う(S365)。ここでは、ステップS363において量子化したデータを戻す。逆量子化すると、次に、画像空間へ変換する(S367)。ここでは、逆量子化したデータを指定された量子化テーブルを用いて画像空間へ変換する。画像空間へ変換すると、元のフローに戻る。
次に、図22(c)に示すパターン3の画質変更処理のフローに入ると、まず、ローパスフィルタ(LPF)係数を算出する(S371)。ここでは、指定された量子化テーブルに応じて、LFP係数を算出する。LPF係数は、量子化するステップが細かいほど高周波まで通す係数にし、粗いほど高周波をより遮断する係数にする。
LPF係数を算出すると、次に、LPF処理を行う(S373)。ここでは、画像全体に対してローパス処理を施す。
このように、パターン3の画質変更処理では、ローパスフィルタによって画質の変更を行っている。画像の高周波成分ほど組み写真を合成する際に影響を受けやすい。そこで、パターン3の画質変更処理では、量子化を行わず、代わりにローパスフィルタで同様の効果を得られるようにしている。
次に、図22(d)に示すパターン4の画質変更処理に入ると、まず、縮小率の算出を行う(S381)。ここでは、指定された量子化テーブルに応じて、縮小率を算出する。量子化するステップが細かいほど縮小率を1倍(等倍)に近づけ、粗いほど縮小する。
縮小率の算出を行うと、次に、縮小を行う(S383)。ここでは、画像全体を縮小する。続いて、拡大する(S385)。ここでは、縮小した画像を拡大して元のサイズに戻す。
このように、パターン4の画質変更処理では、画像の縮小・拡大によって画質の変更を行っている。画像を縮小・拡大することにより、ローパスフィルタと同様の効果が得られる。そこで、パターン4の画質変更処理では、量子化を行わず、代わりに縮小・拡大で同様の効果を付加している。
次に、図23を用いて、本実施形態における画質調整(図11のS128、図20〜図22参照)の効果について説明する。図23(b)は、編集の対象となる組み写真の例である。この組み写真では、写真(ア)〜(エ)の4枚の画像から組み写真が構成されている。この4枚の画像の内の右上の画像(ア)を、組み写真編集(図6のS5、図17のS247、図18)によって、図23(a)に示す置換画像に置き換える。
図23(a)(b)から明らかなように、置き換えの対象となる画像(ア)のサイズは、置換画像よりも小さい。そこで、図23(c)に示すようにリサイズを行う(リサイズは、図11のS123)。リサイズにより縮小すると、解像感が上がる。このリサイズした置換画像をそのまま画像(ア)と置き換えると、図23(d)に示すように、他の画像(イ)〜(エ)に比較して、画像(ア)の解像感が高いために、画質の統一性がとれず、違和感のある組み写真となってしまう。
そこで、図23(c)に示すリサイズした画像を、編集する組み写真と同じ量子化テーブルで圧縮する。これにより、他の画像(イ)〜(エ)と同じ画質レベルになり、違和感なく調整することができる。なお、この画質調整は、図20〜図22に示すような種々の方法(例えば、ローパスフィルタ等の利用)を適宜組み合わせて行ってもよい。
図23(e)は、JPEG等を利用して、同じ画質レベルに調整した画像であり、この置換画像を、図23(b)の画像(ア)と置き換えると、図23(f)に示すように、4枚の画像の画質が略同じであることから、統一感があり、自然な感じの組み写真となる。
以上説明したように、本発明の一実施形態に係る画像編集装置は、不可逆圧縮した第1の画像(組み写真)の一部を、第2の画像(置換画像)に置換するものであり、不可逆圧縮による生じる画質変化と同様の画質変換処理を第2の画像(置換画像)に対して行う画質調整部(組み写真処理部109c、図11のS128)と、画質調整部で調整された第2の画像(置換画像)を用いて編集処理を行う編集部(組み写真処理部109c、図11のS133)と、を有している。このため、組み写真編集等において画像の一部を別の画像に置き換える場合、他の画像と同様の画質になるように調節した上で置き換えるため、置き換え後の画像に画質差がなくなり、特に解像感を一致させることができる。この結果、編集を行っても違和感が生じず、自然な印象の組み写真編集結果が得られる。
また、本発明の一実施形態に係る画像編集装置は、複数の画像を組み合わせて構成する組み写真画像を編集する画像編集装置であって、組み写真を構成する複数の画像うちの1枚を指示する第1の画像指示部(操作部123、図17のS241参照)と、第1の画像指示部で指示した画像と置換するための置換画像を指示する第2の画像指示部(操作部123、図18のS253)と、組み写真画像を代表する量子化テーブル値で画像を不可逆圧縮する画像圧縮処理部(画像圧縮伸張部115)、と、不可逆圧縮により生じる画質変化と同様の画質変化処理を置換画像に行う画質調整部(組み写真処理部109、図11のS128)と、画像と量子化テーブル値を記憶する記憶部(フラッシュメモリ125)と、第2の画像指示部で指示された置換画像を、画質調整部で不可逆圧縮画像の量子化テーブル値で不可逆圧縮した後に第1の画像指示部により指示された画像と置換する制御部(組み写真処理部109c、図11のS133)と、を有している。
また、本発明の一実施形態に係る画像編集装置は、被写界を繰り返し撮像する撮像部(撮像素子103等)を備え、置換画像は、撮像部により繰り返し撮像された撮像画像である(図18のS255No→S273→S277Yes→S279参照)。このため、既に撮影し記録された画像に限らず、撮影しながら、組み写真を生成することができる。
なお、本発明の一実施形態においては、カメラに本発明を適用した例を説明したが、これに限らず、撮影済み画像を用いて、組み写真を生成するための画像編集装置、パーソナルコンピュータ等、撮影機能を有さない画像編集装置にも本発明を適用することができる。
また、本発明の一実施形態においては、撮影のための機器として、カメラを用いて説明したが、カメラとしては、デジタル一眼レフカメラでもコンパクトカメラでもよく、ビデオカメラ、ムービーカメラのような動画用のカメラでもよく、さらに、携帯電話、スマートフォーンや携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assist)、ゲーム機器等に内蔵されるカメラでも構わない。いずれにしても、組み写真を撮影可能な撮影のための機器であれば、本発明を適用することができる。
また、特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず」、「次に」等の順番を表現する言葉を用いて説明したとしても、特に説明していない箇所では、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
本発明は、上記実施形態にそのまま限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素の幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
100・・・カメラ本体、101・・・メカシャッタ、103・・・撮像素子、105・・・アナログ処理部、107・・・A/D変換部、109・・・画像処理部、109a・・・基本画像処理部、109b・・・特殊画像処理部、109c・・・組み写真処理部、109d・・・被写体検出部、110・・・バス、111・・・AE処理部、113・・・AF処理部、115・・・画像圧縮伸張部、117・・・通信部、121・・・マイクロコンピュータ、123・・・操作部、123a・・・タッチ入力部、125・・・フラッシュメモリ、127・・・SDRAM、129・・・メモリI/F、131・・・記録媒体、133・・・表示ドライバ、135・・・表示パネル、200・・・交換式レンズ、201・・・撮影レンズ、203・・・絞り、205・・・ドライバ、207・・・マイクロコンピュータ、209・・・フラッシュメモリ、300・・・I/F
Claims (9)
- 不可逆圧縮した第1の画像の一部を、第2の画像で置換する画像編集装置において、
上記不可逆圧縮による生じる画質変化と同様の画質変換処理を上記第2の画像に対して行う画質調整部と、
上記画質調整部で調整された上記第2の画像を用いて上記編集処理を行う編集部と、
を具備することを特徴とする画像編集装置。 - 上記画質調整部は、上記不可逆圧縮により生じる量子化誤差による画質変化と同様の処理を行うことを特徴とする請求項1に記載の画像編集装置。
- 上記画質調整部は、上記不可逆圧縮により生じる量子化誤差による画質変化と同様の処理を行うことを特徴とする請求項2に記載の画像編集装置。
- 上記画質調整部は、上記不可逆圧縮と伸張を行うことを特徴とする請求項1ないし3のうち何れか一項に記載の画像編集装置。
- 上記画質調整部は、ローパスフィルタ処理を行うことを特徴とする請求項1ないし4のうち何れか一項に記載の画像編集装置。
- 複数の画像を組み合わせて構成する組み写真画像を編集する画像編集装置において、
上記組み写真を構成する複数の画像うちの1枚を指示する第1の画像指示部と、
上記第1の画像指示部で指示した画像と置換するための置換画像を指示する第2の画像指示部と、
上記組み写真画像を代表する量子化テーブル値で画像を不可逆圧縮する画像圧縮処理部と、
上記不可逆圧縮により生じる画質変化と同様の画質変化処理を上記置換画像に行う画質調整部と、
上記画像と上記量子化テーブル値を記憶する記憶部と、
上記第2の画像指示部で指示された上記置換画像を、上記画質調整部で上記量子化テーブル値で不可逆圧縮と、伸張した後に上記第1の画像指示部により指示された画像と置換する制御部と、
を具備することを特徴とする画像編集装置。 - さらに、被写界を繰り返し撮像する撮像部を備え、
上記置換画像は、上記撮像部により繰り返し撮像された撮像画像であることを特徴とする請求項6に記載の画像編集装置。 - 不可逆圧縮した第1の画像の一部を、第2の画像で置換する画像編集装置におけるコンピュータに実行させるためのプログラムにおいて、
上記不可逆圧縮による生じる画質変化と同様の画質変換処理を上記第2の画像に対して行い、
上記調整された上記第2の画像を用いて上記編集処理を行う、
ことを上記コンピュータに実行させるためのプログラム。 - 不可逆圧縮した第1の画像の一部を、第2の画像で置換する画像編集方法において、
上記不可逆圧縮による生じる画質変化と同様の画質変換処理を上記第2の画像に対して行い、
上記調整された上記第2の画像を用いて上記編集処理を行う、
ことを特徴とする画像編集方法。
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