JP2020102797A - 画像処理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 出力機器の入出力特性を考慮して効率のよい階調圧縮を行うこと。【解決手段】 露出情報を取得する露出情報取得手段と、階調圧縮特性を設定する階調圧縮特性設定手段と、入力された画像信号を階調圧縮特性に基づいて階調圧縮する階調圧縮手段と、画像信号を画像処理によって補正する画像処理部を備え、階調圧縮特性は線形特性と非線形特性から成り、階調圧縮特性設定手段は、露出情報に基づいて前記階調圧縮特性の入力レンジにおける線形特性と非線形特性で画像処理による信号補正量を変更する。【選択図】図3
Description
本発明は、画像処理装置に関する。
従来、テレビやディスプレイといった出力機器の出力ダイナミックレンジが実際の被写体に比べてかなり狭いレンジまでしか表示出来なかった。そのため、撮像装置で被写体を撮影した際に、広いダイナミックレンジの映像信号を出力機器の表示のダイナミックレンジに押し込むように、ダイナミックレンジを圧縮する処理が必要となっていた。そのような処理を行った場合、見た目とは異なった状態で出力機器から映像が表示され、臨場感が失われてしまっていた。
近年の技術革新により出力機器の最大輝度出力が大きく改善して階調表現可能な画像のダイナミックレンジが拡大し、人間の視覚特性の大部分をカバーするほどのダイナミックレンジ出力が可能となった。出力機器のダイナミックレンジ性能向上に伴い、拡張されたダイナミックレンジ画像を表示するための出力機器の変換特性が規格化されている。
人間の視覚特性は輝度に応じて認識できるJND(Just Noticeable Difference)が異なることが科学的に検証されている。そのため、出力機器に入力される画像信号としては、JDNに基づく変換特性の逆関数にもとづいて光電変換されることが期待される。
一方、このようなダイナミックレンジの広い表示機器に出力する場合と従来のダイナミックレンジの表示機器に出力する場合とで、両方の用途が想定されることがある。このような場合、撮影時にそれぞれの規格に準じた階調変換を行うよりも、撮影時の記録画像としてはどちらにも対応可能な符号化を行い、記録後の後編集の際にそれぞれの規格に準じた階調変換を行う方が、汎用性が高くコンテンツとしての価値も向上する。その際、後編集時にダイナミックレンジの広い画像に変換することを想定し、実世界の被写体情報をより効率よく画像信号として残す画像の符号化方法が求められる。
特許文献1には、人間の網膜の応答特性に基づいて効率よく階調圧縮を行う画像の符号化方法が開示されている。
人間の視覚特性は知覚される輝度によりJNDが異なるが、特許文献1に示す階調圧縮では人間の視覚特性が知覚される輝度に応じて異なることが考慮されていない。そのため、出力機器での表示輝度まで考慮すると効率のよい符号化とはならない。更に出力機器での表示輝度まで考慮した効率の良い符号化を行ったとしても、撮像装置に備えられたビット深度によっては、JNDを満たした階調特性を実現できない。そうした場合、JNDを満たした階調特性を実現できない輝度レンジにおいて階調不足が発生する。その領域に対して画像処理を行うと階調不足を強調してしまうという問題があった。
上記の課題を解決するために、本発明に係る画像処理装置は、
露出情報を取得する露出情報取得手段と、階調圧縮特性を設定する階調圧縮特性設定手段と、入力された画像信号を前記階調圧縮特性に基づいて階調圧縮する階調圧縮手段と、前記画像信号を画像処理によって補正する画像処理部を備え、階調圧縮特性は線形特性と非線形特性から成り、階調圧縮特性設定手段は、露出情報に基づいて階調圧縮特性の入力レンジにおける前記線形特性と前記非線形特性の比率を変えることを特徴としている。
露出情報を取得する露出情報取得手段と、階調圧縮特性を設定する階調圧縮特性設定手段と、入力された画像信号を前記階調圧縮特性に基づいて階調圧縮する階調圧縮手段と、前記画像信号を画像処理によって補正する画像処理部を備え、階調圧縮特性は線形特性と非線形特性から成り、階調圧縮特性設定手段は、露出情報に基づいて階調圧縮特性の入力レンジにおける前記線形特性と前記非線形特性の比率を変えることを特徴としている。
本発明に係る画像処理装置によれば、出力機器の入出力特性を考慮した画像信号画の符号化により最も効率のよい符号化を行うことができる。また効率の良い符号化を行った場合においても撮像装置の性能によって発生してしまう画像品位上の問題に対しても適した画像処理を行うことが可能で、撮影画像の価値を最大化することができる。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態を説明する。
<実施例1>
本発明は画像処理方法である。一例としてデジタルビデオカメラ内の画像処理部として本発明が採用された場合を説明するが、本発明の内容は撮像装置内部の画像処理に制限するものではなく、本発明は汎用的な画像処理方法として適用されうる。
本発明は画像処理方法である。一例としてデジタルビデオカメラ内の画像処理部として本発明が採用された場合を説明するが、本発明の内容は撮像装置内部の画像処理に制限するものではなく、本発明は汎用的な画像処理方法として適用されうる。
図1は、デジタルビデオカメラ100の内部構成を示すブロック図である。
図1において、撮影レンズ103はズームレンズ、フォーカスレンズを含むレンズ群であり、被写体像を結像させる。絞り101は光量調整に使用する絞りである。ND104は減光用に使用するNDである。
撮像部22は光学像を電気信号に変換するCCDやCMOS素子等で構成される撮像素子である。また、撮像部22には電子シャッターによる蓄積の制御や、アナログゲイン、読み出し速度の変更などの機能も備える。A/D変換器23は、アナログ信号をデジタル信号に変換する。A/D変換器23は、撮像部22から出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換するために用いられる。バリア102は、デジタルビデオカメラ100の、撮影レンズ103を含む撮像系を覆うことにより、撮影レンズ103、絞り101、撮像部22を含む撮像系の汚れや破損を防止する。
画像処理部24は、A/D変換器23からのデータ、又は、メモリ制御部15からのデータに対して色変換処理、ガンマ補正、デジタルゲインの付加等の処理を行う。また、撮像した画像データを用いて所定の演算処理が行われ、演算結果をシステム制御部50に送信する。送信された演算結果に基づいてシステム制御部50が露出制御、測距制御をホワイトバランス制御等行う。これにより、TTL(スルー・ザ・レンズ)方式のAF(オートフォーカス)処理、AE(自動露出)処理、AWB(オートホワイトバランス)処理等が行われる。画像処理部24についての詳細は後述する。
A/D変換器23からの出力データは、画像処理部24及びメモリ制御部15を介して、或いは、メモリ制御部15を介してメモリ32に直接書き込まれる。メモリ32は、撮像部22によって撮像されA/D変換器23によりデジタルデータに変換された画像データや、表示部28に表示するための画像データを格納する。メモリ32は、所定時間の動画像および音声を格納するのに十分な記憶容量を備えている。
また、メモリ32は画像表示用のメモリ(ビデオメモリ)を兼ねている。D/A変換器13は、メモリ32に格納されている画像表示用のデータをアナログ信号に変換して表示部28に供給する。こうして、メモリ32に書き込まれた表示用の画像データはD/A変換器13を介して表示部28により表示される。表示部28は、LCD等の表示器上に、D/A変換器13からのアナログ信号に応じた表示を行う。A/D変換器23によって一度A/D変換されメモリ32に蓄積されたデジタル信号をD/A変換器13においてアナログ変換し、表示部28に逐次転送して表示することで、電子ビューファインダとして機能し、スルー画像表示を行うことができる。
不揮発性メモリ56は、電気的に消去・記録可能なメモリであり、例えばEEPROMが用いられる。不揮発性メモリ56には、システム制御部50の動作用の定数、プログラム等が記憶される。ここでいう、プログラムとは、本発明の実施形態にて後述する各種フローチャートを実行するためのプログラムのことである。
システム制御部50は、デジタルビデオカメラ100全体を制御する。前述した不揮発性メモリ56に記録されたプログラムを実行することで、後述する本発明の第1の実施形態の各処理を実現する。52はシステムメモリであり、RAMが用いられる。システムメモリ52には、システム制御部50の動作用の定数、変数、不揮発性メモリ56から読み出したプログラム等を展開する。また、システム制御部50はメモリ32、D/A変換器13、表示部28等を制御することにより表示制御も行う。
システムタイマー53は各種制御に用いる時間や、内蔵された時計の時間を計測する計時部である。モード切替スイッチ60、録画スイッチ61、操作部70はシステム制御部50に各種の動作指示を入力するための操作手段である。
モード切替スイッチ60は、システム制御部50の動作モードを、動画記録モード、静止画記録モード、再生モード等のいずれかに切り替える。動画記録モードや静止画記録モードに含まれるモードとして、オート撮影モード、オートシーン判別モード、マニュアルモード、撮影シーン別の撮影設定となる各種シーンモード、プログラムAEモード、カスタムモード等がある。モード切替スイッチ60で、動画撮影モードに含まれるこれらのモードのいずれかに直接切り替えられる。あるいは、モード切替スイッチ60で動画撮影モードに一旦切り換えた後に、動画撮影モードに含まれるこれらのモードのいずれかに、他の操作部材を用いて切り替えるようにしてもよい。録画スイッチ61は撮影待機状態と撮影状態を切り替える。システム制御部50は、録画スイッチ61により、撮像部22からの信号読み出しから記録媒体90への動画データの書き込みまでの一連の動作を開始する。
操作部70の各操作部材は、表示部28に表示される種々の機能アイコンを選択操作することなどにより、場面ごとに適宜機能が割り当てられ、各種機能ボタンとして作用する。機能ボタンとしては、例えば終了ボタン、戻るボタン、画像送りボタン、ジャンプボタン、絞込みボタン、属性変更ボタン等がある。例えば、メニューボタンが押されると各種の設定可能なメニュー画面が表示部28に表示される。利用者は、表示部28に表示されたメニュー画面と、上下左右4方向の十字キーやSETボタンを用いて直感的に各種設定を行うことができる。
電源制御部80は、電池検出回路、DC−DCコンバータ、通電するブロックを切り替えるスイッチ回路等により構成され、電池の装着の有無、電池の種類、電池残量の検出を行う。また、電源制御部80は、その検出結果及びシステム制御部50の指示に基づいてDC−DCコンバータを制御し、必要な電圧を必要な期間、記録媒体90を含む各部へ供給する。電源部30は、アルカリ電池やリチウム電池等の一次電池やNiCd電池やNiMH電池、Liイオン電池等の二次電池、ACアダプター等からなる。I/F18は、メモリカードやハードディスク等の記録媒体90、または外部出力機器とのインターフェースである。図では記録媒体90との接続時の状態を示している。記録媒体90は、撮影された画像を記録するためのメモリカード等の記録媒体であり、半導体メモリや磁気ディスク等から構成される。
次に、本発明の実施形態である画像処理部24の内部構成について説明する。
図2は画像処理部24の内部構成と関係部位を示すブロック図である。通常、WBの制御やシャープネス制御などもこの部分で処理を行うが、本実施形態の説明には不要のため表記を省略している。なお画像処理部24内の各ブロックは、システム制御部50を通じて、撮像装置内部のあらゆるデータを取得可能である。
図2において、露出情報取得部201は露出情報(絞り、シャッター、感度、NDフィルタ)情報を取得し、階調変換特性設定部202に伝達する。取得方法については様々な方法があり、画像データに付与されたメタデータとして取得する方法や、システム制御部からカメラの設定情報として取得する場合、ユーザが手動で入力する場合などが例としてあげられる。また、露出情報取得部201で取得する情報は、入力される画像の露出情報に限定するものではない。たとえば、撮影時にオンセットのディスプレイなどを通じて撮影後の処理における画像処理を想定しながら撮影する場合などは、想定される画像処理を含めたトータルの感度を算出し、露出情報として階調変換特性設定部202へ入力してもよい。階調変換特性設定部202では、露出情報取得部201より取得した露出情報をもとに階調変換特性を決定し、階調変換部203に設定する。この際の決定方法については後述の章で詳細に記述する。また、メタデータ生成部204では、階調変換特性設定部202により算出された階調変換特性に関する情報を取得し、画像に付与しうるデータ形式へと変換し、情報重畳部205へと伝達される。入力された画像信号は、階調変換部203で階調変換され、その後情報頂上部205でメタデータを付与され画像処理部から出力される。以上が本実施形態における画像処理部24の説明である。
続いて、図3のフローチャートを用いて階調変換特性設定部202における階調変換特性の決定方法とメタデータ生成部204におけるメタデータの生成方法について詳細に説明する。
まずS401では、絞り、露光時間、感度、NDフィルタなどの露出情報を取得する。続いてS402では光電変換特性を算出する。本実施例においてはビデオカメラの一部の画像処理部として本発明が適用された例として示すため、入力光量に対して線形関数により光電変換された画像信号を前提として記述する。ただし、光電変換特性を線形関数に限定する必要はなく、入力画像の画像信号と光量との変換特性が既知であれば本発明は適用可能である。ここで記述する光電変換特性とは、入力画像の被写界の絶対輝度と入力画像信号の符号値を対応づけた特性である。たとえば、S401で取得された露出情報から、最大Bv値を算出し、画像信号の最大符号値と対応づける。入力画像信号が線形変換特性により光電変換されていることを想定すると、入力画像信号のbit数により、画像信号の全て符号値が関連付けられることになる。
画像信号の符号値と被写界の絶対輝度値を関連付ける方法について具体的な数値を持って説明する。APEX(Additive System of Photographic Exposure )表現における基準信号のBV値、基準BV値の求め方は、
基準Bv値=Av(絞り)+Tv(シャッター)−Sv(感度) (式1)
となり、絞りがF4.0、シャッターが1/128、感度がISO200の場合は式1から、
基準BV値=4(F4.0)+7(1/128)−6(ISO200)
=5
=(2^5)*4cd/m2
=128cd/m2
このとき、撮像装置のダイナミックレンジ1200%、基準信号20%、画像データのbit数を14とすると、
基準信号の符号値=(2^bit数)*ダイナミックレンジ/基準信号 (式2)
上記のように基準信号の符号値が求められる。式2に対し数値を入れると、
基準信号の符号値=(2^14)*1200/20
=273
基準信号の符号値は273と求められる。
基準Bv値=Av(絞り)+Tv(シャッター)−Sv(感度) (式1)
となり、絞りがF4.0、シャッターが1/128、感度がISO200の場合は式1から、
基準BV値=4(F4.0)+7(1/128)−6(ISO200)
=5
=(2^5)*4cd/m2
=128cd/m2
このとき、撮像装置のダイナミックレンジ1200%、基準信号20%、画像データのbit数を14とすると、
基準信号の符号値=(2^bit数)*ダイナミックレンジ/基準信号 (式2)
上記のように基準信号の符号値が求められる。式2に対し数値を入れると、
基準信号の符号値=(2^14)*1200/20
=273
基準信号の符号値は273と求められる。
基準信号の符号値が273、基準Bv値が128cd/m2であるから、線形に光電変換されていることを想定すると最大符号値16383のBv値は7681cd/m2となる。これにより、入力画像の光電変換特性としては0〜7681cd/m2までの被写体輝度を線形に表現する特性であると算出される。また、露出情報をもとに光電変換特性を算出したが、露出情報が異なる画像に対しては光電変換特性を算出し直す必要がある。
続いてS403において、視覚特性に基づくモデル関数と光電変換特性との交点算出について説明する。
図4は横軸を被写体輝度、縦軸をContrastStepとして、人間の視覚特性に基づくモデル関数S0と、信号出力特性S1を図示したグラフである。人間の視覚特性は被写体輝度に応じて認識できるContrastStepが変化するため、モデル関数S0は横軸の被写体輝度に対して非線形に変化していることが分かる。
ここで、画像処理部の入力信号と出力信号のbit数について考えると、理想的にはビデオカメラの記録としてはRAWの画像信号をそのまま記録し、記録後の後編集工程までそのままの信号を届けるのが好ましい。
しかし、記録信号の肥大化や記録装置への情報転送速度の制限、または画像処理回路の回路構成簡易化の観点からすると、RAWの画像信号よりも少ないbit数の画像信号として記録することが一般的である。その場合、入力画像のbit数をそのまま線形に落とすと、図5の階調変換特性S2が適用される。ここでは入力画像のbit深度は14、記録画像のbit深度は12としている。また図5のS2は4図に示すS2と等価である。この時、図4のS2とモデル関数S0の位置関係をみると、低輝度側約80cd/m2程度ではS2の方がS0の上に位置している。
これは、S2で変換された画像の低輝度側約80cd/m2程度までは人間の視覚特性よりも大きなContarstStepで表現されうることを意味する。つまり、平坦な被写体で輝度がなだらかにグラデーションで変化するような領域でContrastが視覚的に知覚されてしまい、バンディングまたはトーンジャンプと呼ばれるような好ましくない品位の画質になってしまう。これを防ぐには、なるべくS0に近くS0を下回る部分が大きい階調変換特性により階調変換する必要がある。
そこで、図5における階調変換特性S1に注目すると、これは図4におけるS1と等しい。この場合、S2に比べてS0を上回る部分が大きく減少し、モデル関数S0を上回る領域は低輝度側約20cd/m2程度までになる。しかし、図5を見てわかるとおり、入力光量の一部にしか符号を割り当てることができず、階調表現できる被写体輝度範囲が大幅に減少してしまう。
そこで、階調変換特性S1とモデル関数との交点C0まではS1の階調変換特性に従い、交点から先の高輝度部分は入力画像信号の最大符号値まで階調変換可能な階用変換特性とすればよい。そのために、信号変換特性と視覚特性に基づくモデル関数との交点を求める。交点の算出方法に関して制限はないが、図4に示すような座標平面上の座標値でもよいし、入力画像信号の符号値として算出してもよいし、入力画像信号の絶対輝度値として算出することも可能である。
次に、比率決定ステップS404において、階調変換特性における線形特性の比率を決定する。これは、S403で算出された交点を入力画像信号の符号値に換算し、交点の符号値から下の符号値を光電変換特性そのもの(=傾き1の直線)とし、交点の符号値から上は別の階調変換特性として入力符号値全体を階調表現可能な階調変換特性とする。ここで、交点の符号値よりも高輝度側の階調変換特性に関して制限はないが、視覚特性に基づくモデル関数よりも下回る関数特性であり、滑らかな階調表現が可能で網膜の応答特性とも相性の良い対数変換特性を採用してもよい。
図6には、交点までは線形変換特性で交点から上を対数関数で表現された例としてS3として示す。このようにして算出された階調変換特性は、入力画像の符号値と出力画像の符号値の関係としては、図7におけるS3として表現することができる。また、図6では交点の符号値をもとにそのまま比率を決定したが、記録後の後編集時において感度変更や階調調整を行う場合を想定して、交点の符号値をそのまま階調変換特性の接続点としない場合もある。交点付近の輝度領域に主被写体があり後編集時に階調調整が想定される場合は、階調調整による主被写体付近でのバンディングによる画質品位の劣化を防ぐため、接合点を交点よりも高輝度側に移動して主被写体付近の階調性を重視してもよい。
そして、メタデータ生成ステップS405では、S402で算出した交点の情報とS403で決定した比率をメタデータとして記録可能な形式に変換する。交点に関する付与メタデータの一例として、交点の絶対輝度そのもの、または絶対輝度に対応する階調変換後の画像信号の符号値、または絶対輝度に対応する入力画像信号の符号値などがあげられる。また、比率に関しては、さまざまな表現方法があり、入力ダイナミックレンジに占める線形関数の割合や、出力画像信号の符号値に占める線形関数の割合、または接合点の絶対輝度や入力画像信号における接合点の符号値、出力画像における接合点の符号値などがあげられる。さらには接合点の情報としては交点からの相対情報として、相対符号値や相対露出段数などで表現することも可能である。
また、交点情報や接合点情報はこれらいずれかのデータを生成可能な他の値であってもかまわない。たとえばこれらの値と関連付けられて用意されたテーブルのインデックス値などがこれにあてはまる。この2つのメタデータにより、後処理の段階において画像内のどの輝度領域が視覚特性を満たすか満たさないか、また感度変更や階調調整を行ったときに視覚特性を満たす範囲がどう変わるかを知りうることができる。
そしてS406ではS404で生成された階調変換特性に基づいて、入力画像信号に階調変換を施し、S407ではS405において作成されたメタデータを階調変換された画像データに付与する。
本実施例では画像データを階調変換したのちにメタデータを付与する順番で処理を紹介したが、処理の順番についての制限はなく、メタデータを付与したのちに画像データの階調変換をしても本発明は適用可能である。
本発明の特徴としては、上記階調変換特性における線形特性と視覚特性に基づいたモデル関数との交点を境に輪郭強調の信号補正量を切り替える。線形特性の輝度領域においては、その階調不足によるバンディングやトーンジャンプといった画質品位の劣化が発生している可能性がある。こうした輝度領域においては、バンディングが発生している可能性を考慮しない画像処理を適用するとよりバンディングを強調してしまう問題がある。
しかし、線形特性とモデル関数との交点から先の高輝度領域は視覚特性のモデル領域を満たしており、滑らかな階調表現が可能な輝度領域である。その輝度領域に対してバンディングが発生する輝度領域と同様な画像処理を適用すると補正をかけられないといった逆の問題が発生する。階調変換特性における線形特性とモデル関数の交点を境に画像処理による信号補正量を切り替えることでこの課題を解決する。
本発明の代表的な処理を図8のブロック図に示す。
ユーザが設定した最大輝度を設定する最大輝度設定部805によって露出を設定する804.設定される露出としては撮像センサ803のISO感度とシャッター速度、絞り802が設定される。設定された露出によって撮像センサ803では撮像され、デジタル信号としてS0が読み出される。読み出された信号S0からは強調信号生成部807から強調信号を生成する。また輝度判定部808とコントラストステップ判定部809からは強調信号補正部810で補正に必要な情報を生成する。そして、最大輝度設定部805から得た情報で階調特性の線形特性と非線形特***点計算部805は線形と非線形の交点を計算し、強調信号補正部810で補正を強調信号に対してかける。補正された強調信号S1と元信号S0を合成し、強調された画像を生成する。
次に本発明の代表的なフローチャートを図9のフローチャートに示す。
始めにユーザが設定した最大輝度を取得するS901。取得した最大輝度から露出を計算し、ISO感度やシャッター速度、絞りなどの露出を設定するS902。次に階調特性(ガンマ)の線形と非線形の交点を計算するS903。S902によって設定された露出量によって撮像された画像信号から輝度とコントラストステップを計算するS904。また同様に撮像された画像信号から強調信号を生成するS905。S904とS905で生成された情報から強調信号を補正するS906。
本発明の特徴である信号処理によって画像信号がどのように処理されるかを図10と図11に示す。図10では、視覚特性のモデル関数に沿った階調特性の非線形特性部での処理であり、階調が十分に確保されていると考えられる輝度域での処理である。撮像された画像信号図10?(a)?S0から強調信号図10?(b)?S1を生成する。
次に図10?(b)?S1の生成された強調信号を強調信号補正部図10?(c)?S2に入力し、補正された強調信号を出力する。この補正では視覚特性のモデル関数に沿った階調特性を満たしているとかんがえられるため、信号の補正は最小に留めることが可能である。最後に図10?(a)?S0と補正された強調信号を合成し、図10?(d)?S3の画像信号を得る。
これに対して、図11では撮像センサの性能によって階調特性の線形特性をもつことしかできず、視覚特性のモデル関数を満たすことができない。そのため、階調不足によってバンディングやトーンジャンプといった問題を起こしやすい輝度域での処理である。撮像された画像信号図11?(a)?S0から強調信号図11?(b)?S1を生成する。
次に図11?(b)?S1の生成された強調信号を強調信号補正部図11?(c)?S2に入力し、補正された強調信号を出力する。この補正では視覚特性のモデル関数に沿った階調特性を満たしておらず、弱い信号は補正を行い、強い信号は補正を行わないなどの処理が行われる。これによってバンディングやトーンジャンプといった弱い信号に対してのみ補正を行わないようにすることが可能になる。最後に図11?(a)?S0と補正された強調信号を合成し、図11?(d)?S3の画像信号を得る。
このようにして階調変換処理された画像に対して本実施例の画像処理を行うことで、絶対輝度と関連付けられて出力されることを想定した画像の撮影において、入力画像の光電変換特性を考慮し人間の視覚特性に基づいて最も効率のよい画像処理を実施することができる。
<実施例2> 彩度強調・コントラスト強調
以下、本発明の第2の実施例について説明する。本実施例は実施例1に対し、図8のブロック図のうち807と810、図9のフローチャートのうちS905とS906の画像処理の種類が異なるものである。
以下、本発明の第2の実施例について説明する。本実施例は実施例1に対し、図8のブロック図のうち807と810、図9のフローチャートのうちS905とS906の画像処理の種類が異なるものである。
本実施例では、上記階調変換特性における線形特性と視覚特性に基づいたモデル関数との交点を境に彩度や輝度差を強調する信号補正量を切り替える。線形特性の輝度領域においては、その階調不足によるバンディングやトーンジャンプといった画質品位の劣化が発生している可能性がある。こうした輝度領域においては、バンディングが発生している可能性を考慮しない画像処理を適用するとよりバンディングを強調してしまう問題がある。
しかし、線形特性とモデル関数との交点から先の高輝度領域は視覚特性のモデル領域を満たしており、滑らかな階調表現が可能な輝度領域である。その輝度領域に対してバンディングが発生する輝度領域と同様な画像処理を適用すると補正をかけられないといった逆の問題が発生する。階調変換特性における線形特性とモデル関数の交点を境に画像処理による信号補正量を切り替えることでこの課題を解決する。
本実施例における特徴である信号処理のうち視覚特性のモデル関数を満たしていない階調特性の線形特性部における信号処理の例を図12に示す。視覚特性のモデル関数を満たしている階調特性の非線形特性部においては彩度強調やコントラスト強調についてはそのまま処理を実施するため言及しない。撮像された画像信号の彩度差や輝度差が大きい場合図12?(a)?S0は彩度差や輝度差はそのまま強調される図12?(b)?S1。
それに対して、バンディングやトーンジャンプが発生している可能性がある彩度差や輝度差が小さい場合図12?(c)?S2は彩度強調やコントラスト強調は行わないように補正を行う図12-(d)?S3。
このようにして階調変換処理された画像に対して本実施例の画像処理を行うことで、絶対輝度と関連付けられて出力されることを想定した画像の撮影において、入力画像の光電変換特性を考慮し人間の視覚特性に基づいて最も効率のよい画像処理を実施することができる。
<実施例3> メタデータに記録して後編集においても同様の編集を可能とする。
以下、本発明の第4の実施例について説明する。本実施例は実施例1、2に対し、撮影時には階調特性の線形と非線形領域の交点の情報を保存するのみにとどめ、その情報を取得して後編集で本実施例1、2を適用する処理順序が異なるものである。
本発明の第1、2において、線形特性とモデル関数との交点をメタデータとして、画像データに付与することを実施例として記載している。それに対して本発明の第4の実施例では、その画像データに付与されたメタデータの交点情報と画像データを用いて後編集においても本発明の実施例1、2を実行出来ることを特徴とする。この実施形態においては静止画や動画といったデータを圧縮によるフォーマット変換を行う前のRAWデータとメタデータを使って後から画像編集を行うことを想定している。
このようにして階調変換処理された画像に対して本実施例の画像処理を行うことで、絶対輝度と関連付けられて出力されることを想定した画像の撮影において、入力画像の光電変換特性を考慮し人間の視覚特性に基づいて最も効率のよい画像処理を後から実施することができる。
以上、本発明をその好適な実施形態に基づいて詳述してきたが、本発明はこれら特定の実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の様々な形態も本発明に含まれる。上述の実施形態の一部を適宜組み合わせてもよい。
また、上述の実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムを、記録媒体から直接、或いは有線/無線通信を用いてプログラムを実行可能なコンピュータを有するシステム又は装置に供給し、そのプログラムを実行する場合も本発明に含む。
従って、本発明の機能処理をコンピュータで実現するために、該コンピュータに供給、インストールされるプログラムコード自体も本発明を実現するものである。つまり、本発明の機能処理を実現するためのコンピュータプログラム自体も本発明に含まれる。
その場合、プログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等、プログラムの形態を問わない。
プログラムを供給するための記録媒体としては、例えば、ハードディスク、磁気テープ等の磁気記録媒体、光/光磁気記憶媒体、不揮発性の半導体メモリでもよい。
また、プログラムの供給方法としては、コンピュータネットワーク上のサーバに本発明を形成するコンピュータプログラムを記憶し、接続のあったクライアントコンピュータがコンピュータプログラムをダウンロードしてプログラムするような方法も考えられる。
100 デジタルビデオカメラ、101 絞り、102 バリア、
103 撮影レンズ、104 ND、22 撮像部、23 A/D変換器
103 撮影レンズ、104 ND、22 撮像部、23 A/D変換器
Claims (11)
- 露出情報を取得する露出情報取得手段と、
階調圧縮特性を設定する階調圧縮特性設定手段と、
入力された画像信号を前記階調圧縮特性に基づいて階調圧縮する階調圧縮手段と、
前記画像信号を画像処理によって補正する画像処理部を備え、
前記階調圧縮特性は線形特性と非線形特性から成り、
前記階調圧縮特性設定手段は、前記露出情報に基づいて前記階調圧縮特性の入力レンジにおける前記線形特性と前記非線形特性で前記画像処理部の画像処理による信号補正量を変更することを特徴とする画像処理装置。 - 前記画像処理は輪郭協調、画像回復、彩度強調、コントラスト強調の画像処理のうち少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
- 視覚特性に基づくモデル関数によって階調が満たされていると判断できる非線形領域とセンサの実力から視覚特性に基づくモデル関数によって階調が不足すると判断できる線形領域で信号補正量を変更することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
- 前記階調圧縮特性における線形特性及び非線形特性の比率は、視覚特性に基づくモデル関数と前記露出情報に基づく光電変換特性との交点によって決定されることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
- 前記比率は、出力画像のビット数によって変化することを特徴とする請求項4に記載の画像処理装置。
- 前記階調圧縮特性における線形特性とは、入力信号に対する出力信号の比率が1以上であることを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の画像処理装置。
- 少なくとも、画像信号の符号値と画像表示装置により表示される絶対輝度値とを関連付けて表示されることを想定した画像を処理する第1の画像処理モードと、関連付けずに出力されることを想定した画像を処理する第2の画像処理モードを持ち、第1の画像処理モードにおいて、前記階調圧縮特性設定手段による階調圧縮を行うことを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載の画像処理装置。
- 前記露出情報とは、絞り、感度、露光時間、装着減光フィルタ濃度のうち少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1乃至7の何れか一項に記載の画像処理装置。
- 前記感度とは、撮影時の感度または撮影後の増感・減感処理を含むトータルの感度であることを特徴とする請求項1乃至8の何れか一項に記載の画像処理装置。
- 前記線形特性と非線形特性の比率に関する情報をメタデータとして処理画像に付与することを特徴とする請求項1乃至9の何れか一項に記載の画像処理装置。
- 視覚特性に基づくモデル関数と前記露出情報に基づくセンサーの出力特性との交点に関する情報をメタデータとして処理画像に付与することを特徴とする請求項2乃至10の何れか一項に記載の画像処理装置。
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2018
- 2018-12-25 JP JP2018240485A patent/JP2020102797A/ja active Pending
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