JP2014065348A - ハイブリッド車両 - Google Patents

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【課題】一定車速で作業走行中に、エンジン回転数をエンジンストールが生じないぎりぎりまで下げながらも、不意に生じるエンジン負荷の増大に対して簡単に対処できる省エネ運転を実現する。
【解決手段】変速装置10を介して走行装置に駆動力を供給するエンジンEのエンジン回転数を設定するエンジン制御ユニット5Aと、変速装置10の変速比を調整する変速制御ユニット20と、エンジンをアシストするモータユニット4と、エンジンが受ける回転負荷の増大を表す負荷情報に基づいてアシスト制御を行うモータ制御ユニット5Bと、操作指令を出力する操作器90、91を備えたハイブリッド車両。操作指令に基づいて設定されているエンジン回転数を低減させる回転数低下指令がエンジン制御ユニット5Aに与えられ、車両速度を維持するために当該回転数低下指令によるエンジン回転数の低下を補償するように変速比の変更が行なわれる。
【選択図】図1

Description

本発明は、動力伝達手段を介して走行装置に駆動力を供給するエンジンと、前記エンジンのエンジン回転数を設定するエンジン制御ユニットと、前記動力伝達手段に設けられた変速装置と、前記変速装置の変速比を調整する変速制御ユニットとを備えたハイブリッド車両に関する。
上記のような車両では、エンジン制御ユニットと変速制御ユニットとを協調制御することにより、低いエンジン回転数においても高いエンジン回転数においても車両速度を一定値に維持することが可能となる。例えば、特許文献1には、無段変速機構を作動させる変速アクチュエータを設け、これを制御することにより走行速度(車両速度)を無段階に変更する移動農機が記載されている。この移動農機では、エンジン回転の検出及び調節を行う回転センサ並びにアクセルアクチュエータが設けられ、所定の走行速度になるように前記各アクチュエータを作動させることで無段変速機構の変速比並びにエンジン回転が相関的(協調的)に制御されている。そして、軽負荷走行時にはエンジンを燃料消費率が低い回転にして経済的に走行させると共に、高負荷走行時にはエンジンを高出力にして所定速度を保って走行させることを意図している。
車両速度を一定のままエンジン回転数を下げることができると、燃料消費率が低くなり、省エネルギー(以下省エネと略称する)の点から好都合である。しかしながら、エンジントルクに余裕がなくなると、エンジンストールの可能性が高くなり、走行が不安定となる不都合が生じる。エンジントルクの余裕は、車両の走行状態、例えば、道路状況や作業状況によって異なってくる。傾斜の大きな登坂走行や泥道走行では、当然エンジントルクの余裕は小さくなる。このような状況は運転者が把握することができるが、そのような運転者の状況把握を上述したような省エネ運転に結びつけることができるような変速操作系が特許文献1による車両には用意されていない。
エンジンの余力の運転者感覚を省エネ運転に生かせるような変速操作を実現する車両が特許文献2に開示されている。この車両では、運転者の操作により送出された操作指令に基づいてエンジン制御ユニットで設定されているエンジン回転数を所定量だけ低減させる回転数低下指令がエンジン制御ユニットに与えられるとともに、車両速度を維持するために当該回転数低下指令によるエンジン回転数の低下を補償する変速比の変更を変速制御ユニットに要求する変速比変更指令が与えられる。従って、この公知の車両では、運転者がエンジントルクに余裕があると感じ、省エネ運転等の目的でエンジン回転数を下げたいときには操作器を操作することで、所定量だけエンジン回転数を下げる回転数低下指令をエンジン制御ユニットに与えることができる。しかもこれにより低下するエンジン回転数に見合うだけの変速比が変更され車両速度は維持される。つまり、車両巡航中に、操作器を操作するだけで、車両速度はそのままで、エンジン回転数を下げる運転が実現する。しかしながら、車両速度を維持しながらエンジン回転数を下げ過ぎるとエンジントルクに余裕がなくなり、わずかなエンジン負荷の増大で車両走行が不安定になり、エンジンストールの恐れが生じるので、一旦下げたエンジン回転数を元に復帰させる必要が生じる。特に、熟練者でない場合、エンジン回転数の下げ操作と上げ操作が繰り返されるという不都合が生じる。
特開平5‐338474号公報(段落番号〔0004〕、図10) 特開2012−162248号公報(段落番号〔0020−0022〕、図1、図2)
上記実情に鑑み、エンジン回転数をエンジンストールが生じないぎりぎりまで下げながらも、不意に生じるエンジン負荷の増大に対して簡単に対処できる省エネ運転が実現する車両が要望されている。
本発明によるハイブリッド車両は、動力伝達手段を介して走行装置に駆動力を供給するエンジンと、前記エンジンのエンジン回転数を設定するエンジン制御ユニットと、前記動力伝達手段に設けられた変速装置と、前記変速装置の変速比を調整する変速制御ユニットと、前記動力伝達手段に動力を出力することで前記エンジンをアシストするモータ(電動モータ)ユニットと、前記エンジンが受ける回転負荷の増大を表す負荷情報を生成する負荷情報生成部と、前記負荷情報に基づいて前記モータユニットから前記動力伝達手段に動力を出力するアシスト制御を行うモータ制御ユニットと、前記モータユニットに駆動電力を与えるバッテリと、運転者の操作により操作指令を送出する操作器が備えられ、前記操作指令に基づいて前記エンジン制御ユニットで設定されているエンジン回転数を所定量だけ低減させる回転数低下指令を前記エンジン制御ユニットに与えるとともに、車両速度を維持するために当該回転数低下指令によるエンジン回転数の低下を補償するように変速比の変更を前記変速制御ユニットに要求する変速比変更指令を与える変速モジュールを備えた、いわゆるハイブリッド車両である。
この構成によれば、運転者がエンジントルクに余裕があると感じ、省エネ運転等の目的でエンジン回転数を下げるときには、操作器、例えばボタンやレバーを操作することにより、予め設定されている所定量だけエンジン回転数を下げる回転数低下指令がエンジン制御ユニットに与えられる。同時に、低下するエンジン回転数に見合うだけの変速比を変更して車両速度を維持するように変速制御ユニットに変速比変更指令が与えられる。これにより、一定車速での車両巡航中にあるいは作業走行中に、操作器を操作するだけで、車両速度はそのままで、エンジン回転数を下げる運転操作が簡単に実現する。さらに、何らかの要因でエンジンの回転負荷が増大した場合には、負荷情報生成部が回転負荷の増大を表す負荷情報を生成するので、この負荷情報に基づいて、モータユニットから前記動力伝達手段に動力を出力するアシスト制御がモータ制御ユニットによって実行される。その結果、エンジンの回転低下やエンジンストールが回避される。特に、モータジェネレータは素早い応答性をもつことから突発的な負荷増大に対して確実に対処することができる。
モータユニットによるエンジンのアシストはバッテリの消費が少なくない。このため、アシスト制御の実行は適切に行なう必要がある。省エネ運転のためにエンジン回転数を下げた場合は、突発的な負荷の増大に対してエンジンストールの可能性が高くなり、アシスト制御の好適な時期である。このため、本発明の好適な実施形態の1つでは、前記回転数低下指令が前記エンジン制御ユニットに与えられた後に発生する回転負荷の増大に対して、前記アシスト制御が行われる。
過大なエンジン負荷をモータユニットの駆動によるモータアシストで対処する場合、モータアシストの時間が長くなるとバッテリ消費量が問題となる。このため、本発明の好適な実施形態の1つでは、前記モータユニットはモータジェネレータとして構成され、前記バッテリは前記モータジェネレータから充電電力を受けることができる。つまり、モータアシストが不必要な場合には、必要に応じてモータユニットをジェネレータとして駆動し、バッテリを充電することにより、バッテリ切れを抑制することができる。
車両の坂道発進時において、あるいは車両が作業装置を用いて作業する作業車の場合では通常の走行作業時においても、突発的にすなわち極めて短時間だけ突出して高いエンジン負荷の増大が生じ、このような突発的な負荷増大をクリアできれば、比較的小さな出力のエンジンを利用することができる。このことから、本発明の好適な実施形態の1つでは、前記アシスト制御におけるアシスト量とアシスト時間を規定するアシスト特性を前記負荷情報に基づいて決定するアシスト特性決定部が備えられ、モータ制御ユニットは前記アシスト特性に基づいて前記モータユニットによるアシスト制御を行う。この構成によれば、突発的な高い負荷が生じたときには、予め突発的な負荷増大に対処するために設定されているアシスト特性に基づいてモータジェネレータをアシスト駆動させることで、高負荷による急激な回転低下やエンジンストールからエンジンを守ることができる。モータジェネレータのアシスト駆動挙動を決めるアシスト特性にはアシスト量だけでなくそのアシスト時間も規定されているので、突発的な負荷増大だけに適応させることができ、無駄にバッテリを消費することがない。
モータジェネレータによるアシストは、原則的には突発的な負荷増大を対象としているので、短時間のアシスト過程の終了時に急激にアシストを停止すると搭乗者に違和感を与えることになる。この問題を抑制するため、本発明の好適な実施形態の1つでは、前記アシスト特性が、所定時間一定のアシスト量を維持する初期アシスト特性領域とアシスト量を零まで経時的に減少させる終期アシスト特性領域とから構成されている。これによりアシストがスムーズに終了することができる。
特殊な走行、例えば、車両がオフロード車両とすれば岩場走行、車両が作業車両とすれば耕耘作業はフロントローダ作業などの対地作業走行の場合、予測可能な突発的な負荷増大が生じる。しかしながら、そのような突発的な負荷増大の時間は実験的かつ経験的に調べることができる。従って、そのような調査結果の統計的な評価に基づいてアシスト特性を予め決めておくことが好ましい。本発明の好適な実施形態の1つとして、前記初期アシスト特性領域が1.5秒から2.5秒の時間間隔を有し、前記終期アシスト特性領域が1.5秒から2.5秒の時間間隔を有することが提案される。そのような条件の下で算定された、いくつかのアシスト特性はマップ化し、負荷量や作業種で選択できるようにすると好都合である。
本発明によるハイブリッド車両では、一般的なハイブリッド車両のように回生ブレーキを利用してバッテリを充電することで省エネルギを図るのではなく、突発的な負荷発生時にモータジェネレータでアシストすることでエンジンを小型化して燃費を改善することを目的にしている。このため、小型のバッテリが搭載されるので、エンジンの停止を導くバッテリ切れに注意を払わなければならない。この目的のために、本発明の好適な実施形態の1つでは、前記アシスト制御が実行された後、所定時間の間、次のアシスト制御の実行が禁止される。これにより、持続的な負荷の発生時にアシスト制御が連続的に実行されバッテリが急速に消費されてしまうことが回避される。さらに、前記バッテリの充電量が所定未満と判定された場合には前記モータジェネレータによる前記エンジンのアシストを強制的に禁止する機能を備えることも好適である。
そのようなアシスト制御の禁止期間の間に、再びエンジン負荷が上昇するとエンジントルクに余裕がなくなり、車両走行が不安定になり、エンジンストールの恐れが生じる。これを回避するために、本発明の好適な実施形態の1つでは、前記負荷情報に基づいてエンジン負荷が所定レベルを超えたかどうかを判定する負荷判定部が備えられ、アシスト制御の禁止期間において前記所定レベルを越えるエンジン負荷が判定された場合、前記操作指令に基づくエンジン回転数の低下及び補償変速比の変更を取り消すための戻し操作指令が出力される。この構成では、アシスト制御の禁止期間中にエンジン負荷の増大が生じた場合は、強制的にエンジン回転数を増加させ、エンジントルクを増大させることができる。
また、そのようなアシスト制御の禁止期間中のエンジン回転数の増加を運転者にゆだねることも可能である。つまり、前記操作器に、前記操作指令に基づくエンジン回転数の低下及び補償変速比の変更を取り消すための戻し操作指令の送出が可能となる機能を与える。この構成によれば、アシスト制御の禁止期間の間に運転者が車両走行の不安定さを感じた場合、一旦下げたエンジン回転数を簡単な操作で元に復帰させることができる。アシスト制御の禁止期間はランプなどで運転者に報知することが好ましい。
本発明のその他の特徴、作用及び効果は、以下の図面を用いた本発明の説明によって明らかにされる。
本発明によるハイブリッド車両の省エネ運転時における動力制御の基本的な流れを示す模式図である。 アシスト制御における基本的な流れを示す模式図である。 本発明による変速制御システムを搭載したトラクタの斜視図である。 トラクタの運転部に備えられた各種操作器を含む運転席の俯瞰図である。 トラクタの動力システムを模式的に示す機能ブロック図である。 省エネ変速モジュールの機能ブロック図である。 アシスト制御モジュールの機能ブロック図である。 トラクタに装備されたモータジェネレータの断面図である。 充電量とエンジン負荷率(負荷量)とに基づく駆動モードの選択を示す模式図である。 省エネ運転時におけるエンジン回転数低下処理とモータアシスト処理の基本的な流れの一例を示すフローチャートである。
本発明の実施の形態を、具体的に説明する前に、図1の模式図を用いて本発明による省エネ運転時におけるエンジン回転数低下処理とモータアシスト処理の基本的な流れを説明する。
図1は、運転者の自発的な操作入力(ここでは省エネボタンとしてのエンジン回転数低下ボタン90の操作)をトリガーとして、エンジン回転数を下げるとともに変速比を変更して車両速度(以下単に車速と略称する)を維持する制御の流れを図解している。運転者が作業用車両を運転し一定車速で耕耘作業を行っている際に、例えば、省エネ運転のためにエンジン回転数を低下させたいときには、エンジン回転数低下ボタン90(以下単に下げボタンと称する)を押す。なお、図では回転数を200rpm低減させることを意味する「−200」がボタン操作面に描かれているが、この数値は一例に過ぎない。下げボタン90が操作されたことにより、下げ操作指令としての下げ操作信号が省エネ変速モジュール7に出力される。この省エネ変速モジュール7は下げ操作指令をトリガーとして、回転数低下指令と変速比変更指令とを生成する。回転数低下指令は、現時点のエンジン回転数を基準としてそれから予め設定されている所定のエンジン回転数分だけ低下させた省エネエンジン回転数となるようにエンジン制御ユニット5Aに要求する指令である。変速比変更指令は、現時点の変速装置10における変速比を基準として、省エネ運転のために行なわれたエンジン回転数の低下によってもたらされる車速の低下を補償して現車速を維持するための変速比、つまり補償変速比を変速装置10が作り出すように変速制御ユニット20に要求する指令である。
この回転数低下指令と変速比変更指令とを出力する省エネ処理は、複数回行うことができる。つまり、運転者がエンジン回転数下げボタン90を押す毎に、回転数低下指令と変速比変更指令とが出力され、段階的に低下するエンジン回転を作り出すとともに、その都度、変速装置10における変速比を変更して車速が実質的に変わらないようにする。
図1は、エンジン回転数をぎりぎりまで低下させた省エネ運転中において生じた突発的なエンジン負荷(回転負荷)の増大に対処するための、エンジンEに対するモータユニット4のアシスト制御の流れも示している。なお、以下の説明では、モータユニット4はバッテリを充電するジェネレータとしても機能するモータジェネレータとして構成されているので、以下モータユニット4はモータジェネレータ4と称する。省エネ運転中において生じる突発的な回転負荷の増大は、エンジンEの回転数の低下、つまり車速の低下、さらにはエンジンストールを導く。特に定車速で作業走行する作業車両の場合、定速制御モードでのエンジンEの運転が頻繁に行なわれ、その際、作業状況や接地している地面状況によって、急激な負荷が動力伝達手段にかかり、結果的にエンジンEの回転数を低下させる事態が生じる。エンジン回転数の低下は車速の低下や作業装置の駆動力不足を導く。これを回避するために、エンジンEやエンジン動力を伝達する動力伝達手段にかかる回転負荷が検知され、その負荷を少なくとも部分的に補償すべくモータジェネレータ4が短時間だけ駆動され、エンジンEがアシストされる。これが、エンジンEに対するモータジェネレータ4のアシスト制御である。
このアシスト制御のために、負荷情報生成部81とアシスト制御モジュール6が機能する。負荷情報生成部81は、エンジンEないしは動力伝達軸や変速装置10から構成される動力伝達手段が受ける回転負荷を示す負荷情報を、エンジン制御ユニット5Aから与えられるエンジン制御情報または、各種センサによる検出情報から取り出される入力パラメータに基づいて生成する機能を有する。負荷情報生成部81で利用される入力パラメータとしては、エンジンEの回転数(回転速度)、動力伝達手段の回転数(回転速度)、エンジン制御ユニット5Aによって算定されたエンジントルク、動力伝達手段のトルク、車速、作業装置9の作業状態(耕耘深さ、牽引力、ローダーへの作用力など)が挙げられるが、実際に利用される入力パラメータは、作業車に装備されているセンサに依存する。動力伝達軸のための回転検出センサや車速センサは標準装備されている可能性が高いので、入力パラメータとして、動力伝達手段の回転速度変動値や車速変動値を用いると好都合である。これらの入力パラメータは各種センサからの信号を処理する車両状態検出ユニットを通じて送られてくる。負荷情報生成部81は、突発的な回転負荷の増大を検知するために、経時的な回転負荷の微分値または差分値に基づいて突発的な回転負荷の増大を示す負荷情報を生成してもよいが、単にしきい値判定だけでアシスト制御のトリガーとなる回転負荷の増大を示す負荷情報を生成してもよい。
アシスト制御モジュール6は、負荷情報生成部81によって生成された負荷情報に基づいて、モータジェネレータ4を用いたエンジンEに対するアシスト制御を実行するかどうかを判定する。例えば、バッテリ充電量が所定値以下の場合、アシスト制御の中止、または部分的なアシスト量でのアシスト制御に限定される。さらに、アシスト制御が実行された後、所定時間の間、次のアシスト制御の実行を禁止する。さらに、アシスト制御モジュール6は、負荷情報生成部81によって生成された負荷情報に基づいて、アシスト制御におけるアシスト量とアシスト時間を規定するアシスト特性を決定する。さらに、アシスト制御モジュール6は、決定されたアシスト特性に基づいてアシスト制御信号をモータ制御ユニット5Bに出力する。モータ制御ユニット5Bは、アシスト制御信号に基づいてモータ制御信号を出力し、モータジェネレータ4を制御する。
モータジェネレータ4によるアシスト制御が禁止されている場合において、あるいは限定的なアシスト量でしかアシスト制御が実行できない場合において、車両走行が不安定であることを運転者が感じた場合には、段階処理されている省エネ処理を一段階ずつ戻すことが必要となる。図1には、そのために行われる戻し処理の制御の流れも示されている。ここでは、運転者の自発的な操作入力(ここでは省エネボタンとしてのエンジン回転数低下戻しボタン91の操作)をトリガーとして、省エネ運転のために下げられたエンジン回転数を段階的に元に戻すとともに変速比を変更して車両速度(以下単に車速と略称する)が維持される。省エネ運転のためのエンジン低下処理を何段階にわたって実施していた場合、まず、エンジン回転数低下戻しボタン(以下単に戻しボタンと称す)91を押す。なお、図では回転数を200rpmだけ戻す(上げる)ことを意味する「+200」がボタン操作面に描かれているが、この数値は一例に過ぎない。戻しボタン91が操作されたことにより、戻し操作指令としての戻し操作信号が省エネ変速モジュール7に出力される。省エネ変速モジュール7は戻し操作指令をトリガーとして、新たな回転数低下指令と変速比変更指令とを生成する。ここでいう回転数低下指令は、最初の省エネ処理における基準エンジン回転数となったエンジン回転数からの低下を意味しており、実質的には、現状のエンジン回転数を増加させる指令である。この回転数低下指令がエンジン制御ユニット5Aに与えられることにより、エンジン回転数は省エネ処理での対応する段階で行われたエンジン低下分が解消され、実質的にはエンジン回転数は増加する。同時に、その解消されたエンジン低下分によるエンジン回転数の変化、結果的には増加によってもたらされる車速の上昇を補償して現車速を維持するための変速比、つまり補償変速比を作り出す必要がある。変速比変更指令は、この目的で、その補償変速比が変速装置10で作り出されるように変速制御ユニット20に要求するものである。この戻し処理は、基準エンジン回転数に基づいて行われた省エネ処理の処理段階数だけ実行可能である。
図2を用いて、上述したモータジェネレータ4によるアシスト制御における情報の基本的な流れをさらに詳しく説明する。まず、エンジン制御ユニット5Aは、エンジン制御機器50にアクセル設定デバイスで設定された設定値に基づくエンジン制御信号を送っている。このエンジン制御信号に基づいて燃料噴射量等が調整され、エンジンEが駆動される。エンジンEの回転数の変動は外部因子の変動、つまり走行負荷や作業負荷などの負荷変動によって生じるので、その負荷変動量によって回転数の不測の低下やエンジンストールが生じないように、燃料噴射量等を調整して、トルクを大きくする。しかしながら、エンジンEの定格出力は通常作業で要求される最大のトルクに合わせているので、不測の突発的な負荷増大が生じた場合、回転数の低下、最悪の場合エンジンストールに至ってしまう。これを避けるために、モータ制御ユニット5Bがインバータ部51にアシスト信号を送り、モータジェネレータ4を用いて、負荷増大時にエンジンEをアシストする。
負荷情報生成部81は、車両状態検出ユニット9から送られてくる車両状態情報あるいは、エンジン制御機器50から送られてくるエンジン状態情報に基づいて負荷量を含む負荷情報を生成して、アシスト特性決定部61に送る。バッテリ管理部54は、バッテリBからの充電情報に基づいて、充電量(一般にSOCと呼ばれている)を算定し、この充電量を含むバッテリ情報をアシスト制御モジュール6に送る。ここでは、アシスト制御モジュール6は、2つの機能ブロックとしてアシスト特性決定部61とアシスト制御決定部62とを備えている。
アシスト特性決定部61は、負荷情報から読み出した負荷量:Lと、バッテリ情報から読み出した充電量:SCに基づいて、適切なアシスト特性:W(t)を決定する。このアシスト特性は、W(t)=Γ〔L,SC〕といった一般式から導出されるものである。つまり、アシスト特性は、経時的なアシスト量を決めるグラフで表すことできる。実際には、複数のアシスト特性をマップ化して格納しておき、負荷量:Lと充電量:SCとから最適なアシスト特性を選択する構成が好適である。
アシスト特性が決定されると、モータ制御ユニット5Bがこのアシスト特性に基づいてアシスト制御信号を生成し、インバータ部51を通じてモータジェネレータ4を駆動制御し、エンジンEないしは動力伝達手段に生じた負荷の増大を補償する。電気モータのトルク応答性は早いので、突発的な走行負荷や作業負荷の増大が発生しても、それにより回転数の低下が回避される。負荷増大が持続した場合やバッテリBの充電量に余裕がない場合には、省エネ変速モジュール7における変速比の調整で対処することになる。
なお、モータ制御ユニット5Bは、アシスト制御以外に、発電指令をインバータ部51に送ることで、モータジェネレータ4をジェネレータとして機能させ、バッテリBを充電することができる。また、モータ制御ユニット5Bがゼロトルク制御信号をインバータ部51に送ることで、モータジェネレータ4はゼロトルク駆動を行う。
次に、本発明の具体的な実施形態を説明する。この実施形態では、ハイブリッド車両は、図3と図4とに示すような、よく知られた形態の汎用トラクタである。このトラクタの動力システムは、図5に模式化して示されている。トラクタ車体には、エンジンE、モータジェネレータ4、油圧駆動式の主クラッチ31、変速装置10、運転部3、及び、走行装置2としての左右一対の前輪2aと後輪2bなどが備えられている。さらに車体の後部に作業装置Wとして耕耘装置が昇降機構によって装着されている。昇降機構は油圧シリンダによって動作する
図5に模式的に示されているように、このトラクタのエンジンEはコモンレール方式で回転制御されるディーゼルエンジンであり、エンジン制御機器50としてコモンレール制御機器を備えている。変速装置10は、油圧機械式の無段変速装置(以下、HMTと略称する)12と前後進切換装置13と複数段の変速を行うギヤ変速装置14、ディファレンシャル機構15とを含み、その動力は動力伝達軸30を通じて、最終的に駆動車輪(前輪2aまたは後輪2bあるいはその両方)2を回転させる。前後進切換装置13とギヤ変速装置14のそれぞれには油圧駆動式の変速クラッチ10aが備えられている。さらに、このエンジンE及びモータジェネレータ4の回転動力を伝達する動力伝達軸30の一部を構成するPTO軸W1を経てトラクタに装備された耕耘装置Wは回転動力を受けることができ、これにより耕耘ロータが所定の耕耘深さで回転駆動する。
HMT12は、エンジンE及びモータジェネレータ4からの動力を受ける斜板式可変吐出型油圧ポンプと当該油圧ポンプからの油圧によって回転して動力を出力する油圧モータとからなる静油圧式変速機構12Aと、遊星歯車機構12Bとから構成されている。遊星歯車機構12Bは、エンジンE及びモータジェネレータ4からの動力と油圧モータからの動力とを入力として、その変速出力を後段の動力伝達軸30に供給するように構成されている。
この静油圧式変速機構12Aでは、エンジンE及びモータジェネレータ4からの動力がポンプ軸に入力されることにより、油圧ポンプから油圧モータに圧油が供給され、油圧モータが油圧ポンプからの油圧によって回転駆動されてモータ軸を回転させる。油圧モータの回転はモータ軸を通じて遊星歯車機構12Bに伝達される。静油圧式変速機構12Aは、油圧ポンプの斜板12aに連動されているシリンダを変位させることにより、この斜板12aの角度変更が行なわれ、正回転状態、逆回転状態、及び正回転状態と逆回転状態の間に位置する中立状態に変速され、かつ正回転状態に変速された場合においても逆回転状態に変速された場合においても、油圧ポンプの回転速度を無段階に変更して油圧モータの回転速度(時間当たり回転数)を無段階に変更する。その結果、油圧モータから遊星歯車機構12Bに出力する動力の回転速度を無段階に変更する。静油圧式変速機構12Aは、斜板12aが中立状態に位置されることで、油圧ポンプによる油圧モータの回転を停止、結果的には油圧モータから遊星歯車機構12Bに対する出力を停止する。
遊星歯車機構12Bは、サンギヤと、当該サンギヤの周囲に等間隔で分散して配置された3個の遊星ギヤと、各遊星ギヤを回転自在に支持するキャリヤと、3個の遊星ギヤに噛合うリングギヤと、前後進切換装置13に連結している出力軸(動力伝達軸30の1つ)とを備えている。なお、この実施形態では、キャリヤは外周にエンジンE側の動力伝達軸30に取り付けられた出力ギヤと噛み合うギヤ部を形成しているとともに、サンギヤのボス部に相対回転自在に支持されている。
上述した構成により、このHMT12は、静油圧式変速機構12Aの斜板12aの角度を変更することにより、駆動車輪である前輪2aまたは後輪2bあるいはその両方への動力伝達を、無段階で変速することができる。この斜板12aの制御は、変速制御ユニット20からの制御指令に基づいて動作する油圧制御ユニット22の油圧制御によって実現する。また、上述した油圧駆動式のシリンダや主クラッチ31や変速クラッチ10aなどの油圧アクチュエータの油圧源としての油圧ポンプPが備えられている。この油圧ポンプPは動力伝達軸30から回転動力を受ける機械式ポンプを採用してもよいし、電動モータから回転動力を受ける電動式ポンプを採用してもよい。電動式ポンプの場合、その電動モータは油圧制御ユニット22によって制御される。
変速制御ユニット20には、変速操作具による変速操作指令や省エネ変速モジュール7からの変速比調整指令に基づいて変速装置10に対する変速操作を行うための種々の制御機能が構築されている。特に本発明に関係する機能は、省エネ変速モジュール7からの指令に基づいて、HMT12の斜板12aの角度を変えることで、変速比を調節することである。
変速制御は、人為的な操作による操作信号入力と機械的に生成された操作信号入力の両方で可能であるが、人為的入力のための変速操作具として機能する変速ペダル25は、運転操作領域の右側のフロアに配置されている。この変速ペダル25は、定車速走行のために任意の位置で保持可能である。また、運転操作領域には、先に説明したが、エンジン回転数を調整するために運転者の操作による操作指令を送出する操作器としてのエンン回転数下げボタン90とエンジン回転数戻しボタン91、及び変速レバー27が備えられている。エンジン回転数下げボタン90とエンジン回転数戻しボタン91は、この実施形態では図4に示されているように、後輪フェンダの上部を覆うサイドパネル上に表示ディスプレイ39とともに設けられているが、左側のサイドパネルやステアリングハンドルやハンドル前方のフロントパネルなどに設けてもよい。
この動力システムにおけるモータジェネレータ4の制御、つまりエンジンEに対するアシスト制御はアシスト制御モジュール6によって行われるが、ここでは、このアシスト制御モジュール6は、図2を用いて説明した構成を流用している。前述した負荷情報生成部81やバッテリ管理部82は、動力管理モジュール8に構築されている。この実施形態では、エンジン制御ユニット5A、モータ制御ユニット5B、アシスト制御モジュール6、省エネ変速モジュール7、動力管理モジュール8、車両状態検出ユニット9、変速制御ユニット20、作業装置Wの操作のための作業装置制御ユニット21などの、ECUと呼ばれる各種制御ユニットはそれぞれ車載LANによってデータ伝送可能に接続されている。もちろん、ここでは分割した構成となっている各種制御ユニットを自在に統合することやさらに分割することは可能であるが、この実施形態での構成は本発明での説明を分かり易くすることを優先したものであり、それは、発明を限定するものではない。
車両状態検出ユニット9は、トラクタに配備されている種々のセンサからの信号や、運転者によって操作される操作器の状態を示す操作入力信号を入力し、必要に応じて信号変換や評価演算を行い、得られた信号やデータを車載LANに送り出す。本発明に特に関係するセンサは、先に説明したエンジン回転数下げボタン90及びエンジン回転数戻しボタン91、変速ペダル25を踏み込むことによって生じる変速操作量(ここでは揺動角度)を検出信号として生成するペダルセンサ92、変速レバー27の操作位置を検出して操作信号を生成するレバーセンサ93、エンジン出力軸Exの回転数を検出する回転数センサ94などである。もちろん各種センサやボタンが車両状態検出ユニット9を介さずに直接各制御ユニットに接続される構成を採用してもよい。
以下、図5、図6、図7を用いて、本発明に関する動力制御をより詳しく説明する。
エンジン制御ユニット5Aは、よく知られているように、エンジンEを電子制御するための中核機能部であり、外部操作入力信号及び内部センサ信号等によって推定されるエンジンEの運転状態に応じて、予め設定されているプログラムに基づく制御、例えば定回転数制御や定トルク制御など種々のタイプのエンジン制御を行う。
変速制御ユニット20は、外部操作入力信号や内部センサ信号等に基づいて前述した変速装置10の油圧制御要素を油圧制御ユニット22を介して制御して、変速装置10の変速比を設定し、トラクタを所望の速度で走行させる。表示制御ユニット38は、運転操作領域に設けられている液晶などからなるディスプレイ39に各種報知情報を表示するための制御信号を生成する。この実施形態では、ディスプレイ39は、図4に示すように、運転席の手元(右側)領域のサイドパネル上に、エンジン回転数下げボタン90とエンジン回転数戻しボタン91とからなるスイッチパネルに隣接して配置されているが、これに代えて又はこれに加えて、車速計やタコメータなどを配置しているフロントパネルに組み込むことができる。いずれにしても、このディスプレイ39には、車両操作などの種々の情報が表示されるが、本発明に関係するものとしては、次の表示事象が挙げられる。
(1)図1を用いて説明したエンジン回転数低下処理又はエンジン回転数低下処理の実行中に、エンジン回転低下量の表示を行う。
(2)エンジン回転数低下処理又はエンジン回転数低下処理が行われていることを示す点灯表示を行う。
(3)モータジェネレータ4によるアシスト制御が実行されていることを示す。
(4)バッテリBの充電量を示す。
省エネ変速モジュール7は、一時的なエンジン回転数低下処理を実現する制御モジュールである。省エネ変速モジュール7の重要な機能は次の2つである。
(1)この実施形態ではエンジン回転数下げボタン(以下、下げボタンと略称する)90とエンジン回転数戻しボタン(以下戻しボタンと略称する)91として構成されている、運転者によって操作される操作器から送出される操作指令に基づいて、エンジン制御ユニット5Aで設定されている、定回転数制御のためのエンジン回転数を所定量だけ低減させる回転数低下指令をエンジン制御ユニット5Aに与える。
(2)定速度走行制御中での車両速度を維持するために下げボタン90の操作に基づく当該回転数低下指令によるエンジン回転数の低下を補償するように変速比の変更を変速制御ユニット20に要求する変速比変更指令を与える操作器が用意されている。この実施形態では、戻しボタン91を操作することで、上記戻し操作指令の送出が行われる。
なお、この実施形態の具体例では、下げボタン90を1回操作するごとに、エンジン回転数は、定速度走行制御のために設定された設定回転数:N0より200rpmずつ低下
し、戻しボタン91を1回操作すると、直前の下げボタン操作によるエンジン回転数の低下及び補償変速比の変更が取り消され、直前の下げボタン操作の前の状態に復帰するように構成されている。
また、下げボタン90によるエンジン回転数の低下回数は、所定回数に制限されること
が好ましい。例えば、この実施形態では、この制限回数を4回とすることで、800rpmまでのエンジン回転数低下に制限することができる。もちろん、この制限回数は任意の回数に設定可能にすることが好ましい。
省エネ変速モジュール7は、アシスト制御モジュール6や動力管理モジュール8などとの間でデータ交換が可能なコンピュータによって構築され、主にコンピュータプログラムによってその機能が作り出される。図6に示すように、省エネ変速モジュール7には、上記機能を実現するため、回転数低下指令生成部71、変速比変更指令生成部72、下げ処理履歴メモリ73、負荷判定部74、強制戻し制御部75が含まれている。
回転数低下指令生成部71は、運転者の下げボタン90の押下による操作指令に基づいて現状のエンジン回転数を200rpmだけ低下させる回転数低下指令を生成して、エンジン制御ユニット5Aに送り出す。その際、変速比変更指令生成部72は、この回転数低下指令によるエンジン回転数の低下が車速の低下を伴わないように、その低下分を補償する変速比の変更値を求め、その変更値に基づいた変速比変更指令を生成し、この変速比変更指令を変速制御ユニット20に送り出す。アクセルレバー32の操作位置によって設定された基本エンジン回転数を制御目標としてエンジン制御ユニット8がエンジンEの回転数を制御しているが、この回転数低下指令は、その基本エンジン回転数を低下させるものであり、この実施形態では複数回数、例えば4回にわたる回転数低下を指令することができる。つまり、1回目の回転数低下指令で基本エンジン回転数から200rpmの低下、2回目の回転数低下指令でさらに200rpmつまり基本エンジン回転数から400rpmの低下が指令されることになる。もちろん、そのエンジン回転数低下に伴う車速の低下は、その都度の変速比変更指令生成部72からの変速比変更指令によって補償される。
さらに運転者が戻しボタン91を押し下げた場合には、戻し操作指令が、省エネ変速モジュール7に与えられ、回転数低下指令生成部71は、現時点で設定されている回転数低下指令の積算回数を1段階取り消す戻し指令をエンジン制御ユニット8に送る。これにより、回転数低下指令が1回設定されているだけの状態なら、その1回分のエンジン回転数低下が取り消され、エンジン制御ユニット8でのエンジンEの目標回転数は、元の基本エンジン回転数となる。回転数低下指令が2回設定されている状態なら、1回分のエンジン回転数低下が取り消され、エンジン制御ユニット8でのエンジンEの目標回転数は、基本エンジン回転数より200rpmだけ低下させた回転数となる。回転数低下指令によるエンジン回転数の低下が設定されていない状態で戻しボタン91が押し下げられても、回転数低下指令は生成されない。戻しボタン91は、回転数低下指令の取消処理を行うだけである。当然ながら、戻しボタン91の操作による戻し操作指令によりエンジン回転数低下が修正された場合には、同時に、その修正に伴う車速の増加は、変速比変更指令生成部72からの変速比変更指令によって補償され、車速は一定に維持される。
このため、回転数低下指令生成部71によってエンジン制御ユニット5Aに設定される回転数低下指令の回数を記録しておく必要があり、このため下げ処理履歴メモリ73が備えられている。下げ処理履歴メモリ73はスタックメモリのようなメモリ構造が適しており、回転数低下指令が生成されると回転数低下に関する情報が下げ処理履歴メモリ73に書き込まれ(プッシュ)、戻し指令が生成されると最後に書き込まれた回転数低下に関する情報が読み出され消去される(ポップ)。もちろん、回転数低下指令や戻し操作指令を時系列的に記録する履歴メモリのようなメモリ構造を採用してもよい。いずれにしても、回転数低下指令生成部71によって、エンジン制御ユニット5Aに回転数低下指令が送られると、1回の下げボタン90の操作による200rpmのエンジン回転数低下の情報が必要に応じて変速比変更の情報も含めて下げ処理履歴メモリ73に書き込まれる。そして、下げ処理履歴メモリ73にアクセスすれば、現状の下げボタン90の操作履歴と現状エンジン制御ユニット5Aに指令しているエンジン回転数の低下量、現状の変速比を知ることができる。
負荷判定部74は、エンジン負荷が所定レベルを超えたかどうかを判定する機能を有し、所定レベルを越えるエンジン負荷が判定された場合、回転数低下指令によって設定されている目標エンジン回転数の低下及び補償変速比の変更を取り消すための戻し指令が生成される。例えば、負荷判定部74は、アシスト制御モジュール6によるアシスト制御が禁止された禁止期間において所定レベルを越えるエンジン負荷が判定された場合、先に行われたエンジン回転数の低下及び補償変速比の変更を取り消すための戻し操作指令を出力する。
強制戻し制御部75は、エンジン負荷以外でも予め設定しておいた所定取消条件が成立した場合に、戻し操作指令を強制的に出力して、エンジン制御ユニット5Aに設定されたエンジン回転数の低下及び変速制御ユニット20に施された補償変速比の変更を取り消す。この取消条件は、定速走行が必要な作業走行のモードから車速を任意に調整しながら走行する必要がある一般路上走行のモードになった場合など、定速走行が不要な状況が検知されるというのが典型的な条件である。また、エンジンキーをオフにして車両運転を終了した場合も、強制的にエンジン回転数の低下を取り消すことが好ましい。
なお、アクセル操作器を操作することによって基本エンジン回転数が調整されると、エンジン回転数は人為的に変更されるが、その際でも回転数低下指令を引き継ぐように構成されている。これにより、アクセル操作器の操作を頻繁に行ったとしても、省エネ運転が維持できる。同様に、変速操作器である変速ペダル25によって変速装置10の変速比も人為的に変更されるが、その際でも変速比の変更に伴うエンジン回転数の変更とその後の回転数低下及びその回転数の低下に伴う補償変速比の設定が行われるように構成されている。
省エネ運転を行なうためにエンジン回転数を下げた場合、エンジンEが受ける回転負荷が突発的に増大した時にモータジェネレータ4を適切に駆動してアシストするアシスト制御モジュー6ルには、図7に示すように、アシスト特性決定部61とアシスト制御決定部62が備えられている。このアシスト特性決定部61には、アシスト特性マップ格納部51aが設けられている。このアシスト特性マップ格納部61aは、アシスト特性をマップ化したアシスト特性マップMを予め複数作成して格納するか、あるいは必要に応じて適正なアシスト特性マップMを作成して設定する機能を有する。模式的に図示されているように、このアシスト特性は、経時的なアシスト量を決めるグラフで表すことできる。図7の例では、横軸が時間で、縦軸がアシストゲインである。アシストゲインは、負荷情報から読み出した負荷量に応じて算定される最大アシスト量(モータトルク)に対する比率であり、0%から100%の間の数値をとる。つまり、最大アシスト量にこのアシスト特性マップMから得られたアシストゲインを乗算することで、実際にモータジェネレータ4によってアシストされるアシスト量が求められる。この実施形態でのアシスト特性は、所定時間一定のアシスト量を維持する初期アシスト特性領域Sとアシスト量を零まで経時的に減少させる終期アシスト特性領域Eとからなる。初期アシスト特性領域Sの時間間隔t1が1.5秒から2.5秒、好ましくは2秒であり、終期アシスト特性領域Eの時間間隔t2が1.5秒から2.5秒、好ましくは2秒である。図示されたアシスト特性マップMでは、初期アシスト特性領域Sにおけるアシストゲインは100%で一定であり、終期アシスト特性領域Eは線形である。もちろん、その減少傾向は、任意の形状を採用することができる。また、初期アシスト特性領域Sと終期アシスト特性領域Eの両方の領域において非線形なグラフを採用することも可能である。アシスト特性決定部61は、負荷情報から読み出した負荷量とバッテリ情報から読み出した充電量とから最適なアシスト特性マップMを決定する。その他のアシスト特性マップMでは、初期アシスト特性領域Sにおけるアシストゲインは10%程度から100%未満の範囲の値をとり、終期アシスト特性領域Eは減少関数となるような、種々のアシスト特性が記述されている。つまり、実際にモータジェネレータ4によって生み出されるアシスト量は、負荷量または充電量あるいはそれら両方によってその都度変動する。なお、このアシスト特性に基づくアシスト制御の連続した実行は、アシスト制御決定部62によって禁止される。アシスト制御の実行間隔、つまり禁止時間は、バッテリBの充電量によって変更してもよいし、バッテリBの容量によって予め決めておいても良い。また、作業によって可変されてもよい。いずれにせよ、バッテリ充電量の急激な低下をもたらさないように設定される。
動力管理モジュール8には、前述した負荷情報生成部81、バッテリ管理部82、運転モード選択部83が備えられている。バッテリ管理部82は、バッテリBからの充電情報に基づいて、充電量を算定し、この充電量を含むバッテリ情報を出力する。運転モード選択部83は、PTO軸W0から一定回転数の回転動力を取り出して作業に利用する作業装置Wを用いた作業の際や、作業車を所定速度で走行(クルージング走行)させる際に用いられる回転数を一定に維持する定速制御モードを設定する。この定速制御モードが設定されると、エンジン制御ユニット5AはエンジンEの回転数を設定された所定値に維持するようにエンジン制御機器50を制御する。
図8に示すように、エンジンEの後面側にモータジェネレータ4と主クラッチ31とを収容するモータハウジング40が備えられている。モータジェネレータ4は、エンジンEの駆動力により発電を行う三相交流発電機の機能と、外部から供給される電力により回転作動する三相交流モータの機能とを併せ持つ。従って、インバータ部70がバッテリBからの直流電力を三相交流電力に変換してモータジェネレータ4に供給する。また、インバータ部70は、モータジェネレータ4で発電された三相交流電流を直流電流に変換し昇圧してバッテリBに供給する。
図8から明らかなように、エンジンEとモータジェネレータ4と主クラッチ31とが、この順序で備えられ、エンジンEの後部に連結したリヤエンドプレート40aに対してモータハウジング40が連結し、これによりモータハウジング40にモータジェネレータ4と主クラッチ31とが収容されている。
モータジェネレータ4は、永久磁石41を外周に備えたロータ42と、このロータ42を取り囲む位置に配置されたステータ43とで構成され、ステータ43は、ステータコアの複数のティース部(図示せず)にコイルを巻回した構造を有している。エンジンEの出力軸Ex(クランク軸)の軸端に対向して、この出力軸Exの回転軸芯Xと同軸芯で、モータジェネレータ4のロータ42が配置され、このロータ42のうち出力軸Exと反対側の面に主クラッチ31のベースプレート31aが配置され、出力軸Exとロータ42と主クラッチ31のベースプレート31aとがねじ連結されている。このベースプレート31aはフライホイールとしての機能も有するが、上述したように、モータジェネレータ4は、フライホイールが果たしていた慣性力機能を部分的に実行するので、従来に比べ軽量化されている。
モータハウジング40は、前部ハウジング40Aと後部ハウジング40Bとを分離可能に連結した構造を有しており、モータジェネレータ4を組み立てる際には、前部ハウジング40Aの内面にステータ43を備えた状態で、この前部ハウジング40Aをリヤエンドプレート40aに連結し、次に、出力軸Exの後端にロータ42が連結される。
主クラッチ31は、ベースプレート31aの後面に連結するクラッチカバー31bの内部にクラッチディスク31cと、プレッシャプレート31dと、ダイヤフラムバネ31eとを配置し、クラッチディスク31cからの駆動力が伝えられる、動力伝達軸30の1つの構成要素としてのクラッチ軸30aとを備えており、図示されていないクラッチペダルによって操作される。
クラッチ軸30aは、後部ハウジング40Bに対して回転軸芯Xを中心にして回転自在に支持され、クラッチディスク31cは、スプライン構造によりクラッチ軸30aに対してトルク伝動自在、かつ、回転軸芯Xに沿って変位自在に支持され、ダイヤフラムバネ31eは、プレッシャプレート31dを介してクラッチ入り方向への付勢力をクラッチディスク31cに作用させる構成を有している。また、クラッチ軸30aの動力は、ギヤ伝動機構を介して変速装置10の入力軸となる、動力伝達軸30の1つの構成要素としての中間伝動軸30bに伝えられる。
トラクタに搭載されているバッテリBの容量は限定されたものであり、作業走行中のトルクアシストには、かなりの電力消費が要求されることから、作業中にアシスト制御が繰り返されると、バッテリBの充電量がすぐになくなってしまう。これを回避するために、モータジェネレータ4によるアシストはバッテリBの充電量を考慮しながら実行することが必要となる。
このため、この実施形態では、負荷情報生成部81によって生成された負荷情報に含まれている負荷量(エンジン負荷率、回転数低下量)と、バッテリ管理部82から送られてくるバッテリ情報に含まれている充電量とに基づいて、アシスト制御決定部52が、アシスト制御の許可と禁止を判定する。その際に用いられる判定マップの一例が図9に示されている。この判定マップから理解できることは、原則的には充電量が十分でない限りアシスト制御は行われないようにしている。例えば、充電量が80%程度のところをアシスト判定ラインとし、それ以下ではトルクアシストを行わず、バッテリBが上がってしまうことを避けようしている。しかしながら、エンジン負荷率が100%に近くなれば、エンジンストールの可能性が出てくるので、充電量が80%以下でもアシスト制御を許可する。その際に、エンジン負荷率が90%から100%にかけてアシスト判定ラインを傾斜させて、つまりエンジン負荷率が所定量(ここでは約90%以上)において、エンジン負荷率が高いほど充電量が低い状態でもアシスト制御が許可される。エンジン負荷率が100%では、充電量が30%程度でもアシスト制御が許可される。この判定マップでは、アシスト判定ラインは帯状となっており、アシスト判定ラインの上側境界線より上の領域は、アシスト駆動領域であり、アシスト制御が許可される。アシスト判定ラインの下側境界線より下の領域は充電駆動領域である。さらに、アシスト判定ラインの上側境界線と下側境界線とに囲まれたアシスト判定帯は、アシスト制御も充電も行わないバッファ領域であり、この実施形態では、このバッファ領域をゼロトルク駆動制御が行われるゼロトルク駆動領域としている。充電駆動領域とゼロトルク駆動領域では、アシスト制御は禁止される。
上述したハイブリッドトラクタによって実行される、省エネ運転をもたらす省エネ変速処理の基本的な流れの図10のフローチャートを用いて説明する。省エネ変速処理には、変速比の調整をともなうエンジン回転数低下処理と、モータアシスト処理とが含まれている。
運転者が、一定車速での作業走行中にエンジンEに余裕があると感じた時に、エンジン回転数を落とした省エネ運転を行なうために下げボタン90を操作する(#00)ことで、省エネ変速処理がスタートする。まず、上述したように、エンジン回転数を所定値、例えば200rpmだけ低下させる回転数低下処理(#02)と、この回転数の低下を相殺する変速比の調整を行なう変速比変更処理(#04)とが実行される。続いて、回転数低下に伴ってエンジンEに所定値以上の回転負荷がかかっていないかどうかがチェックされる(#06)。この負荷チェックで現状の回転負荷がまだ問題ないと判定されると(#06の負荷小分岐)、その旨の表示と省エネ運転のためのエンジン回転数低下が行なわれていること、例えば、下げボタン90の操作回数やそれによる回転数低下量などがディスプレイ39に表示される(#08)。
運転者はなおもエンジンEに余裕があると感じれば、下げボタン90をさらに操作することができるし、これで適切と感じれば、この状態を続行することができる。したがって、このルーチンでは、下げボタン90が操作されたかどうかチェックし(#10)、操作された場合(#10のON分岐)、ステップ#02に戻って回転数低下処理、変速比変更処理が再度実行される。下げボタン90が操作されなければ(#10のOFF分岐)、ステップ#06に戻ってエンジンEの回転負荷チェックがなされる。
ステップ#06の負荷チェックでエンジンEに所定値以上の回転負荷がかかっていると判定されると(#06の負荷大分岐)、まずモータジェネレータ4を用いたモータアシストが可能かどうかチェックされる(#12)。モータアシストが可能ならば(#12の可分岐)、前述したようなモータアシスト処理が実行され、負荷量に応じたモータアシストが行われる(#14)。そして、ステップ#06に戻り、回転負荷がチェックされる。
前回のモータアシストとの間隔が短く、モータアシストの禁止時間帯であるため、あるいはバッテリBの充電量が不足しているためなどの理由よりモータアシストが不可能の場合(#12の不可分岐)、さらにその回転負荷がすぐにエンジンストールなどをもたらすような過剰負荷であるかどうかチェックされる(#16)。過剰負荷でない場合(#16のNo分岐)、緊急事態ではないが、回転負荷が高まっていることをディスプレイ39に表示し(#18)、この回転負荷の高まりを解消すべく戻しボタン91を用いて回転数低下を戻す操作が行われるかどうか、つまり戻しボタン91の操作がチェックされる(#20)。戻しボタン91が操作されていない場合(#20のOFF分岐)、ステップ#06に戻り、回転負荷がチェックされる。戻しボタン91が操作された場合(#20のON分岐)、上述したように、先の下げボタン90による回転数低下を解消すべく、回転数増加処理(#22)と変速比変更処理(#24)が行われ、ステップ#06に戻る。
ステップ#16で過剰負荷と判定された場合(#16のYes分岐)、緊急事態なので、下げボタン90による回転数低下を強制的に元に戻す強制戻し処理を行う(#26)。従って、この強制戻し処理には、回転数増加処理と変速比変更処理が含まれている。
なお、この省エネ変速処理は、本発明のわかりやすい説明のためのものであり、実際には、各種操作に基づく割り込み処理が頻繁に発生するので、図のフローチャートのように制御が流れるわけでない。
〔別実施の形態〕
(1)上述した実施形態では、エンジンEに作用する負荷を検出するためにエンジン回転数ないしは伝動軸回転数を利用していたが、作業装置Wに直接負荷検出センサを設けて、この負荷検出信号を用いて、アシスト制御の要否を判定してもよい。
(2)上記実施形態では、エンジンEとモータジェネレータ4とが直結されており、その後に主クラッチ31が装着され、動力伝達軸30に動力が伝達されていたが、これに代えて、エンジンEとモータジェネレータ4との間に主クラッチ31を装着してもよい。
(3)上記実施形態では、変速装置10にHMT12を用いた無段変速が採用されていたが、多段ギヤ式変速装置を用いた多段変速を採用してもよい。
(4)アシスト特性として、作業装置Wのタイプおよびその使用形態にそれぞれ最適化された個別のアシスト特性を予め作成して、それを適切に選択するようにしてもよい。例えば、作業車に装着される作業装置Wの種別を検知する作業装置種別検知部あるいは手動の作業装置種別設定部を設け、実際に装着され利用される作業装置Wの種別を補助パラメータとしてアシスト特性決定部61に与える。これにより、アシスト特性決定部61は、使用作業装置種により適切なアシスト特性を決定することができる。
本発明は、内燃機関とモータジェネレータとからなる駆動源と、駆動源からの回転動力を変速して走行装置に出力する変速装置とを備えた、種々のハイブリッド車両に適用可能である。特に、本発明は作業用車両に適しており、そのようなハイブリッド作業車として、トラクタ以外に、乗用田植機、芝刈機、コンバイン、さらにはフロントローザなどが挙げられる。

2:走行装置
10:変速装置
20:変速制御ユニット
4:モータジェネレータ
40:モータハウジング
5A:エンジン制御ユニット
50:エンジン制御機器
5B:モータ制御ユニット
51:インバータ部
6:アシスト制御モジュール
61:アシスト特性決定部
61a:アシスト特性マップ格納部
62:アシスト制御決定部
7:省エネ変速モジュール
71:回転数低下指令生成部
72:変速比変更指令生成部
73:下げ履歴メモリ
74:負荷判定部
75:強制戻し制御部
8:動力管理モジュール
81:負荷情報生成部
82:バッテリ管理部
83:運転モード選択部
9:車両状態検出ユニット
90:下げボタン(操作器)
91:戻しボタン(操作器)
E:エンジン
B:バッテリ
W:外部作業機

Claims (9)

  1. 動力伝達手段を介して走行装置に駆動力を供給するエンジンと、
    前記エンジンのエンジン回転数を設定するエンジン制御ユニットと、
    前記動力伝達手段に設けられた変速装置と、
    前記変速装置の変速比を調整する変速制御ユニットと、
    前記動力伝達手段に動力を出力することで前記エンジンをアシストするモータユニットと、
    前記エンジンが受ける回転負荷の増大を表す負荷情報を生成する負荷情報生成部と、
    前記負荷情報に基づいて前記モータユニットから前記動力伝達手段に動力を出力するアシスト制御を行うモータ制御ユニットと、
    前記モータユニットに駆動電力を与えるバッテリと、
    運転者の操作により操作指令を送出する操作器が備えられ、
    前記操作指令に基づいて前記エンジン制御ユニットで設定されているエンジン回転数を所定量だけ低減させる回転数低下指令を前記エンジン制御ユニットに与えるとともに、車両速度を維持するために当該回転数低下指令によるエンジン回転数の低下を補償するように変速比の変更を前記変速制御ユニットに要求する変速比変更指令を与える変速モジュールと、
    を備えたハイブリッド車両。
  2. 前記回転数低下指令が前記エンジン制御ユニットに与えられた後に発生する回転負荷の増大に対して、前記アシスト制御が行われる請求項1に記載のハイブリッド車両。
  3. 前記モータユニットはモータジェネレータとして構成され、前記バッテリは前記モータジェネレータから充電電力を受けることができる請求項1または2に記載のハイブリッド車両。
  4. 前記アシスト制御におけるアシスト量とアシスト時間を規定するアシスト特性を前記負荷情報に基づいて決定するアシスト特性決定部が備えられ、前記モータ制御ユニットは前記アシスト特性に基づいて前記モータユニットによるアシスト制御を行う請求項1から3のいずれか一項に記載のハイブリッド車両。
  5. 前記アシスト特性が、所定時間一定のアシスト量を維持する初期アシスト特性領域とアシスト量を零まで経時的に減少させる終期アシスト特性領域とからなる請求項1から4のいずれか一項に記載のハイブリッド車両。
  6. 前記初期アシスト特性領域が1.5秒から2.5秒の時間間隔を有し、前記終期アシスト特性領域が1.5秒から2.5秒の時間間隔を有する請求項5に記載のハイブリッド車両。
  7. 前記アシスト制御が実行された後、所定時間の間、次のアシスト制御の実行が禁止される請求項1から6のいずれか一項に記載のハイブリッド車両。
  8. 前記負荷情報に基づいてエンジン負荷が所定レベルを超えたかどうかを判定する負荷判定部が備えられ、アシスト制御の禁止期間において前記所定レベルを越えるエンジン負荷が判定された場合、前記操作指令に基づくエンジン回転数の低下及び補償変速比の変更を取り消すための戻し操作指令が出力される請求項7に記載のハイブリッド車両。
  9. 前記操作器は、前記操作指令に基づくエンジン回転数の低下及び補償変速比の変更を取り消すための戻し操作指令の送出が可能である請求項1から8のいずれか一項に記載のハイブリッド車両。
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