JP2014065347A - ハイブリッド作業車 - Google Patents

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Abstract

【課題】バッテリの上がりを回避しながらも、出力の小さな内燃機関で作業装置を用いたスムーズな作業走行が可能となるハイブリッド作業車の提供。
【解決手段】動力伝達手段1を介して走行装置2と作業装置9とに駆動力を供給する内燃機関E、バッテリBによって駆動するモータジェネレータ4と、突発的な回転負荷の増大を表す負荷情報を生成する負荷情報生成部51と、アシスト制御におけるアシスト量とアシスト時間を規定するアシスト特性を負荷情報に基づいて決定するアシスト特性決定部52と、モータジェネレータ4をアシスト特性に基づいて制御するモータ制御ユニット7とが備えられている。
【選択図】図1

Description

本発明は、内燃機関とモータジェネレータとを併用する動力源を備え、モータジェネレータによって内燃機関がアシストされるハイブリッド作業車に関する。
モータジェネレータが内燃機関をアシストする一般的なハイブリッド車では、内燃機関からの動力で車両を走行させるとともに、走行条件(車速、アクセルペダルの操作量(アクセル開度)、内燃機関の運転状態、走行路面状況、変速段位置、バッテリ残量など)に応じてモータジェネレータをモータとして動作させ、このモータジェネレータから出力される動力で車両走行をアシストする。また、このモータジェネレータはジェネレータとしても動作させることができ、バッテリに給電して充電することも可能である。このモータジェネレータが、モータとして動作されている際には、モータジェネレータの発生トルクを制御して、運転者により要求される車両駆動トルク(目標車両駆動トルク、例えば運転者のアクセルペダル操作等に基づいて求められる)に対する内燃機関とモータジェネレータの負担割合(当該負担割合は走行条件等に基づいて定められる)に応じて、モータジェネレータが負担すべきトルク(アシストトルク)を発生させることができるように構成されている。
特許文献1による、車両の発進、加速時に内燃機関をトルクアシストする電動機を備えたハイブリッド動力装置では、バッテリの充電状態を検出し、検出した充電状態に基づいて電動機から内燃機関に供給可能な補助トルク量(アシスト量)を算出し、この補助トルク量から内燃機関に与える燃料量と電動機の負担割合とを変化させる。これにより、充電率が小さくなれば電動機への給電を停止してバッテリの上がりを防止している。
また、特許文献2によるハイブリッド動力装置では、内燃機関に対するモータジェネレータのアシストパターン(エンジン回転数とトルクの関係)が異なる2つの制御マップを用意しておき、バッテリ充電容量の状態(SOC)、車速、変速機の状態、内燃機関の温度などの状態情報により制御マップを切り替えてアシスト制御が行われる。これにより、小馬力の内燃機関を用いながらも良好な運転性を維持している。
特開平4−325736号公報(段落番号〔0006−0021〕、図1、図2) 特開2002−252904号公報(段落番号〔0001−0026〕、図1、図2)
しかしながら、特許文献1や特許文献2で取り扱われているハイブリッド車両は乗用車などの通常の車両であり、一般的には運転者によって操作されるアクセルペダルの踏み込み量だけで、内燃機関に対するトルクアシストの必要性を判定することができるので、特許文献1や特許文献2ではトルクアシストプロセスはそのように制御されている。これに対して、動力伝達軸を介して走行装置と作業装置とに駆動力を供給する内燃機関と、前記動力伝達軸に動力を出力することで前記内燃機関をアシストするモータジェネレータとを備えた、トラクタなどのハイブリッド作業車では、作業装置が受ける大きな作業負荷が動力伝達軸に、結果的には内燃機関に及ぶので、特許文献1や特許文献2で開示されたアシスト技術をそのまま流用することができない。
特に、作業装置として対地作業を行う耕耘装置等を装備したトラクタのような作業車両の場合、作業負荷が内燃機関にかかることになる。しかながら、そのような作業負荷を常にモータジェネレータによるアシストで肩代わりしていると、短時間のうちにバッテリの充電量がなくなってしまう。そのために大きな容量のバッテリを搭載することは、省エネルギの観点からも避けなければならない。
上記実情に鑑み、バッテリの上がりを回避しながらも、出力の小さな内燃機関で作業装置を用いたスムーズな作業走行が可能となるハイブリッド作業車が要望されている。
作業装置を用いて作業する作業車の場合、走行作業時や坂道発進時においては突発的にすなわち極めて短時間(数秒程度)だけ突出して高い作業負荷が生じ、それ以外では平均的な作業負荷が続くことから、本発明は、この突発的な高負荷をクリアできれば比較的小さな出力の内燃機関でも不都合がないという知見に基づいている。
このことから、本発明によるハイブリッド作業車は、動力伝達手段を介して走行装置と作業装置とに駆動力を供給する内燃機関と、前記伝達手段に動力を出力することで前記内燃機関をアシストするモータジェネレータと、前記モータジェネレータによって充電電力を受けるとともに前記モータジェネレータに駆動電力を与えるバッテリと、前記内燃機関が受ける突発的な回転負荷の増大を表す負荷情報を生成する負荷情報生成部と、前記突発的な回転負荷の増大に対して前記モータジェネレータを用いて前記内燃機関をアシストするアシスト制御におけるアシスト量とアシスト時間を規定するアシスト特性を前記負荷情報に基づいて決定するアシスト特性決定部と、前記モータジェネレータを前記アシスト特性に基づいて制御するモータ制御ユニットとを備えている。
本発明による上記構成による作業車では、突発的な高い負荷が生じたときには、予め突発的な負荷増大に対処するために設定されているアシスト特性に基づいてモータジェネレータをアシスト駆動させることで、内燃機関をそのような高い負荷による急激な回転低下やエンジンストールから守ることができる。モータジェネレータは素早い応答性をもつことから突発的な負荷増大に確実に対処することができる。また、モータジェネレータのアシスト駆動挙動を決めるアシスト特性にはアシスト量だけでなくそのアシスト時間も規定されているので、突発的な負荷増大だけに適応させることができ、無駄にバッテリを消費することがない。
本発明によるハイブリッド作業車では、一般的なハイブリッド車のように回生ブレーキを利用してバッテリを充電することで省エネルギを図るのではなく、突発的な負荷発生時にモータジェネレータでアシストすることで内燃機関を小型化して燃費を改善することを目的にしている。このため、小型のバッテリが搭載されるので、内燃機関の停止を導くバッテリ切れに注意を払わなければならない。この目的のために、本発明の好適な実施形態の1つでは、前記アシスト制御が実行された後、所定時間の間、次のアシスト制御の実行を禁止するアシスト制御禁止決定部が備えられている。これにより、持続的な負荷の発生時にアシスト制御が連続的に実行されバッテリが急速に消費されてしまうことが回避される。さらには、このアシスト制御禁止決定部の付加的な機能として、前記バッテリの充電量が所定未満と判定された場合には前記モータジェネレータによる前記内燃機関のアシストを強制的に禁止する機能を備えることができる。
上述したように、本発明によるハイブリッド作業車では、モータジェネレータによるアシストは突発的な負荷発生時に限定されているが、作業内容によっては、高い回転負荷がある程度継続することがある。内燃機関の急激な回転低下(回転ドロップ)やエンストは避けるべきである。しかしながら、モータジェネレータによるアシスト時間を長くするとバッテリの消耗が大きくなってしまう。このような問題を解決するため、本発明の好適な実施形態の1つでは、前記動力伝達手段には変速制御ユニットを通じて変速比の調整が可能な変速装置が含まれており、かつ前記変速制御ユニットには前記回転負荷による前記内燃機関の負荷増大を軽減するように前記変速比を変更する負荷追従変速比制御を実行する負荷追従変速比制御部が含まれており、前記負荷追従変速比制御は前記アシスト制御と選択的に実行されるか、あるいは少なくとも部分的に前記アシスト制御と混在して実行される。これにより、少なくとも部分的には内燃機関にかかる負荷を変速比を変えることで低減させることができるので、バッテリの負担も少なくなる。特に好ましくは、前記アシスト制御が前記負荷追従変速比制御に先立って実行される構成を採用すると、突発的な負荷増大はモータジェネレータによるアシストで対処し、それに続く負荷増大に伴う内燃機関の回転低下は変速比を調整(通常は大きくする)することで対処することができる。
モータジェネレータによるアシストは、原則的には突発的な負荷増大を対象としているので、短時間のアシスト過程の終了時に急激にアシストを停止すると搭乗者に違和感を与えることになる。この問題を抑制するため、本発明の好適な実施形態の1つでは、前記アシスト特性が、所定時間一定のアシスト量を維持する初期アシスト特性領域とアシスト量を零まで経時的に減少させる終期アシスト特性領域とから構成されている。これによりアシストがスムーズに終了することができる。
走行しながらの耕耘作業などの対地作業では、作業装置が土壌などに突っ込む際や不意に硬い物質に遭遇した際に突発的な負荷増大が生じる。そのような突発的な負荷増大の時間は実験的かつ経験的に調べることができる。従って、そのような調査結果の統計的な評価に基づいてアシスト特性を予め決めておくことが好ましい。本発明の好適な実施形態の1つとして、前記初期アシスト特性領域が1.5秒から2.5秒の時間間隔を有し、前記終期アシスト特性領域が1.5秒から2.5秒の時間間隔を有することが提案される。そのような条件の下で算定された、いくつかのアシスト特性はマップ化し、負荷量や作業種で選択できるようにすると好都合である。アシスト特性のマップ化の具体的例の1つは、基準アシスト量に対する比率と経過時間とを変数とする関数をマップ化したもので、前記アシスト特性を表すことである。その際、負荷情報から得られる負荷量によって選択可能に複数用意されており、選択したマップから導出された比率に前記基準アシスト量を乗じることでアシスト量が算定される。これにより、多数のアシスト特性の中から最適なものを選択して使用することが簡単となる。
内燃機関がコモンレール方式で駆動されている場合の、本発明の具体的で好適な実施形態の1つでは、前記負荷情報生成部は、コモンレール制御情報を前記入力パラメータとして前記負荷情報を生成する。つまり、コモンレール制御を実行する制御部は、燃料噴射時期、燃料噴射量、機関回転数などの内燃機関データや、車速などの車両データから、負荷トルクを推定して、所定の機関回転数の維持や所定トルクの維持のために必要な燃料噴射時期や燃料噴射量を算定し、これを実行する機能を有する。従って、これらのコモンレール制御に関するコモンレール制御情報を利用して、機関回転数の突発的な低下検知または推定がおこなわれる。このようにして生成された負荷情報に基づいてアシスト特性が決定される。
本発明の別な実施形態の一つとして、前記内燃機関の回転数挙動を入力パラメータとして前記負荷情報を生成するように、負荷情報生成部を構成してもよい。具体的には、比較的に容易に取得可能な、内燃機関の出力軸や動力伝達軸の回転数を測定した測定データから、所定時間当たりの回転数の変化や回転速度の変化が演算される。この演算結果からマップ等を用いて負荷の増減を算定または推定して負荷情報が生成され、アシスト特性の決定に利用される。
本発明によるハイブリッド作業車における動力システムの基本構成図である。 トルクアシストプロセスにおけるデータの流れを示す模式図である。 本発明によるハイブリッド作業車の1つの実施形態である汎用トラクタの斜視図である。 トラクタの動力システムを模式的に示す機能ブロック図である。 動力制御系の機能ブロック図である。 動力管理ユニットの機能ブロック図である。 トラクタに装備されたモータジェネレータの断面図である。 充電量とエンジン負荷率(負荷量)とに基づく駆動モードの選択を示す模式図である。
以下、本発明によるハイブリッド作業車の具体的な実施の形態を説明する前に、図1を用いて本発明で採用されている動力システムの基本構成を説明する。
このハイブリッド作業車は、駆動源として、内燃機関E及びモータジェネレータ4を備え、車輪やクローラによって構成される走行装置2によって走行しながら、車体に装着された作業装置9を用いて走行作業を行う。駆動源からの動力を伝達するパワートレインである動力伝達手段1には、駆動源からの動力の伝達を入り切りする主クラッチ31と、作業装置9に動力を伝達するPTO軸90と、走行装置2に動力を伝達する動力伝達軸30と、変速装置10が含まれている。なお、PTO軸90には動力伝達を入り切りするPTOクラッチ91が介装されている。
モータジェネレータ4は、バッテリBを電力供給源として回転動力を生み出し、内燃機関Eと協働してハイブリッド作業車を走行させるものであるが、内燃機関Eによって駆動される状況下、あるいは、ハイブリッド作業車が減速している状況下、あるいは下り坂を慣性走行している状況下においては、このモータジェネレータ4はバッテリBに電力を供給する発電機として機能することができる。
内燃機関Eの回転制御は、電子ガバナ機構やコモンレール機構などのエンジン制御機器60を介してエンジン制御ユニット6によって行われる。モータジェネレータ4の駆動制御は、インバータ部70を介してモータ制御ユニット7によって行われる。エンジン制御ユニット6は、内燃機関Eの燃料噴射量などを制御するためのコンピュータユニットであり、内燃機関Eの回転数を一定に維持するようにエンジン制御機器60を制御する定速制御機能を有する。モータ制御ユニット7も同様にコンピュータユニットであり、モータジェネレータ4の回転数やトルクを制御するためにインバータ部70に制御信号を与える。また、モータ制御ユニット7は、モータジェネレータ4に対する駆動モードとして、動力伝達軸30に動力を出力するアシスト駆動モードと、バッテリBに充電電力を出力する充電駆動モードとを備えている。さらに、動力伝達軸30に対して影響を与えないゼロトルク駆動モードもあれば好都合である。
インバータ部70は、よく知られているように、バッテリBの直流電圧を交流電圧に変換してモータジェネレータ4に供給し、モータジェネレータ4が発電機として動作する際には、バッテリBに直流電圧を供給するための整流器および電圧調整装置としての機能も果たす。つまり、バッテリBは、モータジェネレータ4にインバータ部70を介して電力を供給する放電プロセスで動作するとともに、モータジェネレータ4が発電機として動作する際にはモータジェネレータ4が発電する電力によって充電される充電プロセスで動作する。
動力管理ユニット5は、エンジン制御ユニット6とモータ制御ユニット7に制御指令を与えることで、モータジェネレータ4が内燃機関Eに対してアシストするアシスト制御を管理するものである。動力管理ユニット5は、負荷情報生成部51と、アシスト特性決定部52と、アシスト制御禁止決定部53、バッテリ管理部54と、運転モード選択部55とを含んでいる。
定速制御モードでの内燃機関Eの運転自体はよく知られているが、作業装置9の作業状況や走行装置2が接地している地面状況によって、急激な負荷が動力伝達軸30にかかり、結果的に内燃機関Eの回転数を低下させる事態が生じる。その際、エンジン制御機器60による定速制御の遅れや、内燃機関E自体の出力不足などが原因で、内燃機関Eの回転数の低下(車速の低下)、極端な場合は内燃機関Eの停止(エンジンストール)が生じる。これを回避するために、動力伝達軸30にかかる負荷、結果的には内燃機関Eにかかる回転負荷を検知し、その負荷を少なくとも部分的に相殺すべくモータジェネレータ4が短時間だけ駆動され、内燃機関Eが突発的な負荷増大に対処できるように、内燃機関Eをアシストするアシスト制御が実行される。このアシスト制御のために、負荷情報生成部51と、アシスト特性決定部52とが機能する。
負荷情報生成部51は、内燃機関Eないしは動力伝達軸30が受ける回転負荷を示す負荷情報を、エンジン制御ユニット6から与えられるエンジン制御情報または、各種センサによる検出情報から取り出される入力パラメータに基づいて生成する機能を有する。負荷情報生成部51で利用される入力パラメータとしては、内燃機関Eの回転数(回転速度)、動力伝達軸30の回転数(回転速度)、エンジン制御ユニット6によって算定されたエンジントルク、動力伝達軸30のトルク、車速、作業装置9の作業状態(耕耘深さ、牽引力、ローダーへの作用力など)が挙げられるが、実際に利用される入力パラメータは、作業車に装備されているセンサに依存する。動力伝達軸30の回転検出センサや車速センサは標準装備されている可能性が高いので、入力パラメータとして、動力伝達軸30の回転速度変動値や車速変動値を用いると好都合である。これらの入力パラメータは各種センサからの信号を処理する車両状態検出ユニットSを通じて送られてくる。負荷情報生成部51は、突発的な回転負荷の増大を検知するために、経時的な回転負荷の微分値または差分値に基づいて突発的な回転負荷の増大を示す負荷情報を生成してもよいが、単にしきい値判定だけでアシスト制御のトリガーとなる回転負荷の増大を示す負荷情報を生成してもよい。
アシスト特性決定部52は、負荷情報生成部51によって生成された負荷情報に基づいて、モータジェネレータ4を用いた内燃機関Eのアシスト制御を実行すべく、アシスト制御におけるアシスト量とアシスト時間を規定するアシスト特性を決定する。モータ制御ユニット7は、アシスト特性決定部52で決定されたアシスト特性に基づいてインバータ部70を介してモータジェネレータ4を制御する。アシスト制御が連続的に実行されることを防止するために、アシスト制御禁止決定部53は、アシスト特性決定部52からのアシスト制御情報に基づき、アシスト制御が実行された後の所定時間の間、次のアシスト制御の実行を禁止する。
バッテリ管理部54はバッテリBの充電量を算定する。その際、バッテリBがコンピュータを備えたインテリジェントなバッテリユニットとして構成されていれば、バッテリBからのバッテリ情報に基づいてバッテリの充電量を算定し、そうでない場合は、バッテリ状態検出センサからの信号を受けた車両状態検出ユニットSからのバッテリ情報に基づいてバッテリBの充電量を算定する。アシスト制御禁止決定部53は、バッテリ情報に基づいて、バッテリBの充電量が所定値未満となれば、バッテリ切れを防ぐために、モータジェネレータ4による内燃機関Eのアシストを禁止する機能も有する。
運転モード選択部55は、PTO軸90から一定回転数の回転動力を取り出して作業に利用する作業装置9を用いた作業の際や、作業車を所定速度で走行(クルージング走行)させる際に用いられる回転数を一定に維持する定速制御モードを設定する。この定速制御モードが設定されると、エンジン制御ユニット6は内燃機関Eの回転数を設定された所定値に維持するようにエンジン制御機器60を制御する。
モータジェネレータ4によるアシスト制御における情報の基本的な流れが図2に示されている。まず、エンジン制御ユニット6は、エンジン制御機器60にアクセル設定デバイスで設定された設定値に基づくエンジン制御信号を送っている。このエンジン制御信号に基づいて燃料噴射量等が調整され、内燃機関Eが駆動される。内燃機関Eの回転数の変動は外部因子の変動、つまり走行負荷や作業負荷などの負荷変動によって生じるので、その負荷変動量によって回転数の不測の低下やエンジンストールが生じないように、燃料噴射量等を調整して、トルクを大きくする。しかしながら、内燃機関Eの定格出力は通常作業で要求される最大のトルクに合わせているので、不測の突発的な負荷増大が生じた場合、回転数の低下、最悪の場合エンジンストールに至ってしまう。これを避けるために、モータ制御ユニット7がインバータ部70にアシスト信号を送り、モータジェネレータ4を用いて、負荷増大時に内燃機関Eをアシストする。
負荷情報生成部51は、車両状態検出ユニットSから送られてくる車両状態情報あるいは、エンジン制御機器60から送られてくるエンジン状態情報に基づいて負荷量を含む負荷情報を生成して、アシスト特性決定部52に送る。バッテリ管理部54は、バッテリBからの充電情報に基づいて、充電量(一般にSOCと呼ばれている)を算定し、この充電量を含むバッテリ情報をアシスト特性決定部52及びアシスト制御禁止決定部53に送る。
アシスト特性決定部52は、負荷情報から読み出した負荷量:Lと、バッテリ情報から読み出した充電量:SCに基づいて、適切なアシスト特性:W(t)を決定する。このアシスト特性は、W(t)=Γ〔L,SC〕といった一般式から導出されるものである。つまり、アシスト特性は、経時的なアシスト量を決めるグラフで表すことできる。実際には、複数のアシスト特性をマップ化して格納しておき、負荷量:Lと充電量:SCとから最適なアシスト特性を選択する構成が好適である。
アシスト特性が決定されると、モータ制御ユニット7がこのアシスト特性に基づいてアシスト制御信号を生成し、インバータ部70を通じてモータジェネレータ4を駆動制御し、動力伝達軸30に生じた負荷の増大を補償する。電気モータのトルク応答性は早いので、突発的な走行負荷や作業負荷の増大が発生しても、それにより回転数の低下が回避される。負荷増大が持続した場合やバッテリBの充電量に余裕がない場合には、後述する変速装置10における変速比の調整で対処することになる。
なお、モータ制御ユニット7は、アシスト制御以外に、発電指令をインバータ部70に送ることで、モータジェネレータ4をジェネレータとして機能させ、バッテリBを充電することができる。また、モータ制御ユニット7がゼロトルク制御信号をインバータ部70に送ることで、モータジェネレータ4はゼロトルク駆動を行う。
変速制御ユニット8には、内燃機関Eにおける負荷の増大を軽減するように変速比を変更する負荷追従変速比制御を実行する負荷追従変速比制御部80が含まれている。この負荷追従変速比制御は、内燃機関Eに生じている負荷の増大に対処するために、アシスト特性に基づいて短時間のアシスト制御が終了後に実行される。つまり、アシスト制御禁止決定部53によってアシスト制御が禁止されていない限りにおいて、アシスト制御はこの負荷追従変速比制御に先立って実行される。これにより、応答性がアシスト制御に較べて遅い負荷追従変速比制御が、頻繁に生じる突発的な負荷増大に応答して発生するハンチング現象を避けることができる。但し、連続したアシスト制御を避けるために、負荷増大が持続している場合には、アシスト制御の終了後の所定時間、次のアシスト制御はアシスト制御禁止決定部53によって禁止される。
次に、本発明の具体的な実施形態を説明する。この実施形態では、ハイブリッド作業車は、図3に示すような、よく知られた形態の汎用トラクタである。このトラクタの動力システムは、図4に模式化して示されている。トラクタ車体には、内燃機関E、モータジェネレータ4、油圧駆動式の主クラッチ31、変速装置10、運転部20、及び、走行装置2としての左右一対の前輪2aと後輪2bなどが備えられている。さらに車体の後部に作業装置9として耕耘装置が昇降機構によって装着されている。昇降機構は油圧シリンダによって動作する。
図4と図5に模式的に示されているように、このトラクタの内燃機関Eはコモンレール方式で回転制御されるディーゼルエンジン(以下、エンジンEと略称する)であり、エンジン制御機器60としてコモンレール制御機器を備えている。変速装置10は、油圧機械式の無段変速装置(以下、HMTと略称する)12と前後進切換装置13と複数段の変速を行うギヤ変速装置14、ディファレンシャル機構15とを含み、その動力は動力伝達軸30を通じて、最終的に駆動車輪(前輪2aまたは後輪2bあるいはその両方)2を回転させる。前後進切換装置13とギヤ変速装置14のそれぞれには油圧駆動式の変速クラッチ10aが備えられている。さらに、このエンジンE及びモータジェネレータ4の回転動力を伝達する動力伝達軸30の一部を構成するPTO軸90を経てトラクタに装備された耕耘装置9は回転動力を受けることができ、これにより耕耘ロータが所定の耕耘深さで回転駆動する。
HMT12は、エンジンE及びモータジェネレータ4からの動力を受ける斜板12a式可変吐出型油圧ポンプと当該油圧ポンプからの油圧によって回転して動力を出力する油圧モータとからなる静油圧式変速機構12Aと、遊星歯車機構12Bとから構成されている。遊星歯車機構12Bは、エンジンE及びモータジェネレータ4からの動力と油圧モータからの動力とを入力として、その変速出力を後段の動力伝達軸30に供給するように構成されている。
この静油圧式変速機構12Aでは、エンジンE及びモータジェネレータ4からの動力がポンプ軸に入力されることにより、油圧ポンプから油圧モータに圧油が供給され、油圧モータが油圧ポンプからの油圧によって回転駆動されてモータ軸を回転させる。油圧モータの回転はモータ軸を通じて遊星歯車機構12Bに伝達される。静油圧式変速機構12Aは、油圧ポンプの斜板12aに連動されているシリンダを変位させることにより、この斜板12aの角度変更が行なわれ、正回転状態、逆回転状態、及び正回転状態と逆回転状態の間に位置する中立状態に変速され、かつ正回転状態に変速された場合においても逆回転状態に変速された場合においても、油圧ポンプの回転速度を無段階に変更して油圧モータの回転速度(時間当たり回転数)を無段階に変更する。その結果、油圧モータから遊星歯車機構12Bに出力する動力の回転速度を無段階に変更する。静油圧式変速機構12Aは、斜板12aが中立状態に位置されることで、油圧ポンプによる油圧モータの回転を停止、結果的には油圧モータから遊星歯車機構12Bに対する出力を停止する。
遊星歯車機構12Bは、サンギヤと、当該サンギヤの周囲に等間隔で分散して配置された3個の遊星ギヤと、各遊星ギヤを回転自在に支持するキャリヤと、3個の遊星ギヤに噛合うリングギヤと、前後進切換装置13に連結している出力軸(動力伝達軸30の1つ)とを備えている。なお、この実施形態では、キャリヤは外周にエンジンE側の動力伝達軸30に取り付けられた出力ギヤと噛み合うギヤ部を形成しているとともに、サンギヤのボス部に相対回転自在に支持されている。
上述した構成により、このHMT12は、静油圧式変速機構12Aの斜板12aの角度を変更することにより、駆動車輪である前輪2aまたは後輪2bあるいはその両方への動力伝達を、無段階で変速することができる。この斜板12a制御は、変速制御ユニット8からの制御指令に基づいて動作する油圧制御ユニット8aの油圧制御によって実現する。また、上述した油圧駆動式のシリンダや主クラッチ31や変速クラッチ10aなどの油圧アクチュエータの油圧源としての油圧ポンプPが備えられている。この油圧ポンプPは動力伝達軸30から回転動力を受ける機械式ポンプを採用してもよいし、電動モータから回転動力を受ける電動式ポンプを採用してもよい。電動式ポンプの場合、その電動モータは油圧制御ユニット8aによって制御される。
変速制御ユニット8には、変速装置10に対する変速操作を行うための種々の制御機能が構築されているが、特に本発明に関係する機能は、内燃機関Eにおける負荷の増大を軽減するように変速比を変更する負荷追従変速比制御を実行する機能である。その機能は負荷追従変速比制御部80によって構築されている。ここでは、図5に示すように、負荷追従変速比制御部80は、HMT12の斜板12aの角度を変えることで、変速比を変えている。
この動力システムにおけるモータジェネレータ4の制御、つまりエンジンEに対するトルクアシストは、動力管理ユニット5によって行われるが、ここでは、この動力管理ユニット5は、図1と図2を用いて説明した構成を流用している。動力管理ユニット5、エンジン制御ユニット6、車両状態検出ユニットSも、それぞれ車載LANによってデータ伝送可能に接続されている。
車両状態検出ユニットSは、トラクタに配備されている種々のセンサからの信号や、運転者によって操作される操作器(クラッチペダルやブレーキペダル)の状態を示す操作入力信号を入力し、必要に応じて信号変換や評価演算を行い、得られた信号やデータを車載LANに送り出す。
油圧制御ユニット8aに制御指令を与える上部の電子デバイスとして、変速装置10における変速操作のための変速制御ユニット8や耕耘装置9の操作のための作業装置制御ユニット99が油圧制御ユニット8aと接続されている。変速制御ユニット8や作業装置制御ユニット99も車載LANにつながっており、その他のユニットとの間でデータ交換が可能である。
図6に示すように、このアシスト特性決定部52には、アシスト特性マップ格納部52aが設けられている。このアシスト特性マップ格納部52aは、アシスト特性をマップ化したアシスト特性マップMを予め複数作成して格納するか、あるいは必要に応じて適正なアシスト特性マップMを作成して設定する機能を有する。模式的に図示されているように、このアシスト特性は、経時的なアシスト量を決めるグラフで表すことできる。図6の例では、横軸が時間で、縦軸がアシストゲインである。アシストゲインは、負荷情報から読み出した負荷量に応じて算定される最大アシスト量(モータトルク)に対する比率であり、0%から100%の間の数値をとる。つまり、最大アシスト量にこのアシスト特性マップMから得られたアシストゲインを乗算することで、実際にモータジェネレータ4によってアシストされるアシスト量が求められる。この実施形態でのアシスト特性は、所定時間一定のアシスト量を維持する初期アシスト特性領域Sとアシスト量を零まで経時的に減少させる終期アシスト特性領域Eとからなる。初期アシスト特性領域Sの時間間隔t1が1.5秒から2.5秒、好ましくは2秒であり、終期アシスト特性領域Eの時間間隔t2が1.5秒から2.5秒、好ましくは2秒である。図示されたアシスト特性マップMでは、初期アシスト特性領域Sにおけるアシストゲインは100%で一定であり、終期アシスト特性領域Eは線形である。もちろん、その減少傾向は、任意の形状を採用することができる。また、初期アシスト特性領域Sと終期アシスト特性領域Eの両方の領域において非線形なグラフを採用することも可能である。アシスト特性決定部52は、負荷情報から読み出した負荷量とバッテリ情報から読み出した充電量とから最適なアシスト特性マップMを決定する。その他のアシスト特性マップMでは、初期アシスト特性領域Sにおけるアシストゲインは10%程度から100%未満の範囲の値をとり、終期アシスト特性領域Eは減少関数となるような、種々のアシスト特性が記述されている。つまり、実際にモータジェネレータ4によって生み出されるアシスト量は、負荷量または充電量あるいはそれら両方によってその都度変動する。なお、このアシスト特性に基づくアシスト制御の連続した実行は、アシスト制御禁止決定部53によって禁止される。アシスト制御の実行間隔、つまり禁止時間は、バッテリBの充電量によって変更してもよいし、バッテリBの容量によって予め決めておいても良い。また、作業によって可変されてもよい。いずれにせよ、バッテリ充電量の急激な低下をもたらさないように設定される。
図7に示すように、エンジンEの後面側にモータジェネレータ4と主クラッチ31とを収容するモータハウジング40が備えられている。モータジェネレータ4は、エンジンEの駆動力により発電を行う三相交流発電機の機能と、外部から供給される電力により回転作動する三相交流モータの機能とを併せ持つ。従って、インバータ部70がバッテリBからの直流電力を三相交流電力に変換してモータジェネレータ4に供給する。また、インバータ部70は、モータジェネレータ4で発電された三相交流電流を直流電流に変換し昇圧してバッテリBに供給する。
図7から明らかなように、エンジンEとモータジェネレータ4と主クラッチ31とが、この順序で備えられ、エンジンEの後部に連結したリヤエンドプレート40aに対してモータハウジング40が連結し、これによりモータハウジング40にモータジェネレータ4と主クラッチ31とが収容されている。
モータジェネレータ4は、永久磁石41を外周に備えたロータ42と、このロータ42を取り囲む位置に配置されたステータ43とで構成され、ステータ43は、ステータコアの複数のティース部(図示せず)にコイルを巻回した構造を有している。エンジンEの出力軸Ex(クランク軸)の軸端に対向して、この出力軸Exの回転軸芯Xと同軸芯で、モータジェネレータ4のロータ42が配置され、このロータ42のうち出力軸Exと反対側の面に主クラッチ31のベースプレート31aが配置され、出力軸Exとロータ42と主クラッチ31のベースプレート31aとがねじ連結されている。このベースプレート31aはフライホイールとしての機能も有するが、上述したように、モータジェネレータ4は、フライホイールが果たしていた慣性力機能を部分的に実行するので、従来に比べ軽量化されている。
モータハウジング40は、前部ハウジング40Aと後部ハウジング40Bとを分離可能に連結した構造を有しており、モータジェネレータ4を組み立てる際には、前部ハウジング40Aの内面にステータ43を備えた状態で、この前部ハウジング40Aをリヤエンドプレート40aに連結し、次に、出力軸Exの後端にロータ42が連結される。
主クラッチ31は、ベースプレート31aの後面に連結するクラッチカバー31bの内部にクラッチディスク31cと、プレッシャプレート31dと、ダイヤフラムバネ31eとを配置し、クラッチディスク31cからの駆動力が伝えられる、動力伝達軸30の1つの構成要素としてのクラッチ軸30aとを備えており、図示されていないクラッチペダルによって操作される。
クラッチ軸30aは、後部ハウジング40Bに対して回転軸芯Xを中心にして回転自在に支持され、クラッチディスク31cは、スプライン構造によりクラッチ軸30aに対してトルク伝動自在、かつ、回転軸芯Xに沿って変位自在に支持され、ダイヤフラムバネ31eは、プレッシャプレート31dを介してクラッチ入り方向への付勢力をクラッチディスク31cに作用させる構成を有している。また、クラッチ軸30aの動力は、ギヤ伝動機構を介して変速装置10の入力軸となる、動力伝達軸30の1つの構成要素としての中間伝動軸30bに伝えられる。
エンジンEとモータジェネレータ4の駆動制御は、図1を用いて説明したように、動力管理ユニット5によって行われる。エンジン制御機器60としてのコモンレール式の燃料噴射機器による燃料噴射を制御するためにエンジン制御ユニット6は、アクセルペダルセンサからの信号、エンジン回転信号、コモンレール内の燃料圧力信号、吸気部位の吸気圧信号等を取得し、インジェクターの作動タイミングを決める制御を行う。このような構成からエンジン制御ユニット6は、エンジンEの負荷率(エンジン負荷率)を算定することも可能である。このエンジン負荷率を負荷情報生成部51はアシスト制御のために利用することができる。
また、負荷情報生成部51は、エンジンが受ける回転負荷の増大を検知するため、動力伝達軸30の回転数(回転速度)の変動を利用することも可能である。そのような場合、動力伝達軸30の回転数の回転数を検出する回転速度センサS1は、この実施形態では、モータハウジング40の壁面を貫通する孔に挿通され、下端のセンシング部を主クラッチ31のベースプレート31aの外周面近くに位置している。つまり、回転速度センサS1は、磁束密度の変化からベースプレート31aの回転をカウントするピックアップ型として構成されている。もちろん、回転速度センサS1として光学式のものを採用してもよいし、動力伝達軸30の回転数を検出する構成を採用してもよい。
トラクタに搭載されているバッテリBの容量は限定されたものであり、作業走行中のトルクアシストには、かなりの電力消費が要求されることから、作業中にアシスト制御が繰り返されると、バッテリBの充電量がすぐになくなってしまう。これを回避するために、モータジェネレータ4によるアシストはバッテリBの充電量を考慮しながら実行することが必要となる。
このため、この実施形態では、負荷情報生成部51によって生成された負荷情報に含まれている負荷量(エンジン負荷率、回転数低下量)と、バッテリ管理部54から送られてくるバッテリ情報に含まれている充電量とに基づいて、アシスト制御禁止決定部53が、アシスト制御の許可と禁止を判定する。その際に用いられる判定マップの一例が図8に示されている。この判定マップから理解できることは、原則的には充電量が十分でない限りアシスト制御は行われないようにしている。例えば、充電量が80%程度のところをアシスト判定ラインとし、それ以下ではトルクアシストを行わず、バッテリBが上がってしまうことを避けようしている。しかしながら、エンジン負荷率が100%に近くなれば、エンジンストールの可能性が出てくるので、充電量が80%以下でもアシスト制御を許可する。その際に、エンジン負荷率が90%から100%にかけてアシスト判定ラインを傾斜させて、つまりエンジン負荷率が所定量(ここでは約90%以上)において、エンジン負荷率が高いほど充電量が低い状態でもアシスト制御が許可される。エンジン負荷率が100%では、充電量が30%程度でもアシスト制御が許可される。この判定マップでは、アシスト判定ラインは帯状となっており、アシスト判定ラインの上側境界線より上の領域は、アシスト駆動領域であり、アシスト制御が許可される。アシスト判定ラインの下側境界線より下の領域は充電駆動領域である。さらに、アシスト判定ラインの上側境界線と下側境界線とに囲まれたアシスト判定帯は、アシスト制御も充電も行わないバッファ領域であり、この実施形態では、このバッファ領域をゼロトルク駆動制御が行われるゼロトルク駆動領域としている。充電駆動領域とゼロトルク駆動領域では、アシスト制御は禁止される。
〔別実施の形態〕
(1)上述した実施形態では、エンジンEに作用する負荷を検出するためにエンジン回転数ないしは伝動軸回転数を利用していたが、作業装置9に直接負荷検出センサを設けて、この負荷検出信号を用いて、アシスト制御の要否を判定してもよい。
(2)上記実施形態では、エンジンEとモータジェネレータ4とが直結されており、その後に主クラッチ31が装着され、動力伝達軸30に動力が伝達されていたが、これに代えて、エンジンEとモータジェネレータ4との間に主クラッチ31を装着してもよい。
(3)上記実施形態では、変速装置10にHMT12を用いた無段変速が採用されていたが、多段ギヤ式変速装置を用いた多段変速を採用してもよい。
(4)アシスト特性として、作業装置9のタイプおよびその使用形態にそれぞれ最適化された個別のアシスト特性を予め作成して、それを適切に選択するようにしてもよい。例えば、作業車に装着される作業装置9の種別を検知する作業装置種別検知部あるいは手動の作業装置種別設定部を設け、実際に装着され利用される作業装置9の種別を補助パラメータとしてアシスト特性決定部52に与える。これにより、アシスト特性決定部52は、使用作業装置種により適切なアシスト特性を決定することができる。
(5)上述した実施形態では、モータアシスト制御による電気アシストと負荷追従変速比制御による機械アシストが選択的に実行されていたが、モータアシスト制御による電気アシストと負荷追従変速比制御による機械アシストとを所定のアシスト割合で同時に実行させてもよい。さらに、モータアシスト制御から負荷追従変速比制御へ移行するようなアシスト制御を行う場合には、モータアシスト制御のアシスト割合を減少させていくとともに負荷追従変速比制御のアシスト割合を増加させていく混合制御が好適である。
本発明は、内燃機関とモータジェネレータとからなる駆動源と、駆動源に負荷変動をもたらす作業装置とを備えた、種々のハイブリッド作業車に適用可能である。例えば、そのようなハイブリッド作業車としてトラクタ以外に、乗用田植機や芝刈機やコンバインなどが挙げられる。
10:変速装置
30:動力伝達軸
31:クラッチ
4:モータジェネレータ
40:モータハウジング
5:動力管理ユニット
51:負荷情報生成部
52:アシスト特性決定部
52a:アシスト特性マップ格納部
53:アシスト制御禁止決定部
54:バッテリ管理部
55:運転モード選択部
6:エンジン制御ユニット
60:エンジン制御機器(コモンレール)
7:モータ制御ユニット
70:インバータ部
8:変速制御ユニット
80:負荷追従変速比制御部
9:作業装置
S:車両状態検出ユニット
B:バッテリ
E:内燃機関

Claims (9)

  1. 動力伝達手段を介して走行装置と作業装置とに駆動力を供給する内燃機関と、
    前記動力伝達手段に動力を出力することで前記内燃機関をアシストするモータジェネレータと、
    前記モータジェネレータによって充電電力を受けるとともに前記モータジェネレータに駆動電力を与えるバッテリと、
    前記内燃機関が受ける突発的な回転負荷の増大を表す負荷情報を生成する負荷情報生成部と、
    前記突発的な回転負荷の増大に対して前記モータジェネレータを用いて前記内燃機関をアシストするアシスト制御におけるアシスト量とアシスト時間を規定するアシスト特性を前記負荷情報に基づいて決定するアシスト特性決定部と、
    前記モータジェネレータを前記アシスト特性に基づいて制御するモータ制御ユニットとを備えたハイブリッド作業車。
  2. 前記アシスト制御が実行された後、所定時間の間、次のアシスト制御の実行を禁止するアシスト制御禁止決定部が備えられている請求項1に記載のハイブリッド作業車。
  3. 前記動力伝達手段には変速制御ユニットを通じて変速比の調整が可能な変速装置が含まれており、かつ
    前記変速制御ユニットには前記回転負荷による前記内燃機関の負荷増大を軽減するように前記変速比を変更する負荷追従変速比制御を実行する負荷追従変速比制御部が含まれており、前記負荷追従変速比制御は前記アシスト制御と選択的に実行されるか、あるいは少なくとも部分的に前記アシスト制御と混在して実行される請求項1または2に記載のハイブリッド作業車。
  4. 前記アシスト制御は前記負荷追従変速比制御に先立って実行される請求項3に記載のハイブリッド作業車。
  5. 前記アシスト特性が、所定時間一定のアシスト量を維持させる初期アシスト特性領域とアシスト量を零まで経時的に減少させる終期アシスト特性領域とからなる請求項1から4のいずれか一項に記載のハイブリッド作業車。
  6. 前記初期アシスト特性領域が1.5秒から2.5秒の時間間隔を有し、前記終期アシスト特性領域が1.5秒から2.5秒の時間間隔を有する請求項5に記載のハイブリッド作業車。
  7. 前記アシスト特性は基準アシスト量に対する比率と経過時間とを変数とする関数をマップ化したものであり、負荷情報から得られる負荷量によって選択可能に複数用意されており、選択したマップから導出された比率に前記基準アシスト量を乗じることでアシスト量が算定される請求項1から6のいずれか一項に記載のハイブリッド作業車。
  8. 前記内燃機関はコモンレール方式で駆動され、前記負荷情報生成部は、コモンレール制御情報に基づいて前記負荷情報を生成する請求項1から7のいずれか一項に記載のハイブリッド作業車。
  9. 前記負荷情報生成部は、前記内燃機関の回転数挙動に基づいて前記負荷情報を生成する請求項1から7のいずれか一項に記載のハイブリッド作業車。
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