JP2014062149A - 防カビ性樹脂組成物、浴室または浴槽用品、浴室または浴槽用手すりの製造方法 - Google Patents

防カビ性樹脂組成物、浴室または浴槽用品、浴室または浴槽用手すりの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】浴室や浴槽用品の材料として使用出来る防カビ性樹脂組成物を提供する。
【解決手段】 防カビ性樹脂組成物は、オレフィン系熱可塑性エラストマー100質量部、酸解離定数(pKa)7〜11のヒンダードアミン化合物0.05〜5質量部からなる組成物であって、上記組成物のA硬さ(JIS K6253)が40〜90の範囲であり、主に浴室または浴槽用品として、浴槽用マット14の表層、浴室用手すり1,2や浴槽用手すり11の被覆層、浴室用椅子や浴槽用椅子の座部等の表層の材料に使用される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、主として浴室または浴槽用品の材料に使用される防カビ性樹脂組成物、および上記防カビ性樹脂組成物を使用した浴室または浴槽用品、浴室または浴槽用品の製造方法に関するものである。
近年、健康志向、清潔志向、衛生志向等の高まりにより、抗菌性を付与した商品が増加する傾向にあり、該傾向は浴室または浴槽用品についても例外ではない。そして硬質なプラスチックを材料に用いて形成される湯桶や椅子や石鹸ケース等といった浴室または浴槽用品については、該プラスチックに銀(Ag)や亜鉛(Zn)やそれらの合金等を抗菌剤として添加することで抗菌性を付与している。また上記プラスチックを材料とする浴室または浴槽用品については、高温高湿に曝されるためにカビが発生しやすいことから、抗菌性の付与に加えて、更に防カビ性の付与も要求されている。
ここで、大腸菌や黄色ブドウ球菌等の細菌とカビ等の真菌とは「菌」として一括りに扱われがちであるが、細菌は原核生物であり、真菌は真核生物であって、細胞構造が全く異なる。このため上記抗菌剤は、細菌に対しては有効であるものの、真菌に対しては効果が低いものが多く、抗菌効果がある剤を直ちに防カビ剤として使用することは不可能であることは、抗菌剤、防カビ剤を扱う当業者にとって技術常識となっている。
ところで上記抗菌剤とは別に、プラスチックに添加する抗菌剤として、ヒンダードアミン系化合物が注目されている(特許文献1〜3)。上記ヒンダードアミン系化合物(HALS)は、光安定剤として従来から周知の化合物である。
例えば特許文献1ではポリアセタール樹脂に抗菌性を付与するために、ヒンダードアミン系化合物として、立体障害性を有するピペリジン誘導体が使用されている。特許文献2ではヒンダードアミン系化合物と、反応性基を有する重合体とを反応させて得られる重合体結合抗菌剤が提供されている。特許文献3では少なくとも一部をAg又はAg合金で被覆してなる粒子とヒンダードアミン系化合物を抗菌および防カビ剤として低密度ポリエチレンやポリプロピレン等の熱可塑性樹脂に添加した樹脂組成物が提供されている。
特開平10−265585号公報 特開2008−214396号公報 特開2000−044408号公報
ところが、浴室または浴槽用品にあっては、上記防カビ剤を使用したにも係わらず、一部箇所等においてカビが発生してしまい、防カビ性の付与が不十分な場合があるという問題があった。
つまり上記浴室または浴槽用品である手すりやシャワーベンチ等であれば入浴者の手が触れたり、入浴者の身体を支えたりする箇所、あるいは浴室または浴槽用品であるマットであれば床面に接触する裏打部分の材料に、耐スリップ性やクッション性などを付与するため、熱可塑性エラストマーが使用されている。こうした熱可塑性エラストマーを材料に用いた部分については、上記硬質なプラスチックを材料に用いた部分に比べ、カビの発生防止や発生したカビの除去等といったカビの防除が非常に難しい。これについては、カビは菌糸と呼ばれる管状の細胞で体が構成されているため、硬質なプラスチックに比べ、軟質な熱可塑性エラストマーはその内部に該菌糸が潜り込み易いためと推察される。そして上記浴室または浴槽用品は、上記熱可塑性エラストマーを材料に用いた部分におけるカビの防除が問題視されていた。
なお上記従来技術にあって、特許文献1では大腸菌、特許文献2では大腸菌と黄色ブドウ球菌による試験しか行われておらず、細菌による抗菌性についてのみしか考慮されていない。また特許文献3では、Ag又はAg合金を併用する試験しか考慮されておらず、ヒンダードアミン系化合物が防カビ効果を有するものか不明である。さらに何れの特許文献においても、硬質なプラスチックを対象としており、熱可塑性エラストマーについては考慮されていない。
本発明は、上記従来の問題点に着目してなされたものであり、その目的とするところは、熱可塑性エラストマーからなり好適な防カビ性が付与された防カビ性樹脂組成物を提供することにあり、また該防カビ性樹脂組成物を用いた浴室または浴槽用品、浴室または浴槽用手すりの製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するための手段として、本発明はオレフィン系熱可塑性エラストマー100質量部、酸解離定数(pKa)7〜11のヒンダードアミン化合物0.05〜5質量部を含有する組成物であって、上記組成物のA硬さ(JIS K6253)が40〜90の範囲である防カビ性樹脂組成物を提供するものである。
上記ヒンダードアミン化合物のpKaは8〜10の範囲であり、かつ分子量が200〜3500の範囲であることが望ましい。
本発明においては、更に上記防カビ性樹脂組成物を材料として使用した浴室または浴槽用品が提供される。
上記浴室または浴槽用品とは、例えば上記防カビ性組成物からなる表層と、上記表層に裏打ちされているクッション層と、からなる浴室または浴槽用床マットであり、また例えば芯材と、該芯材の表面に被覆される上記防カビ性樹脂組成物からなる被覆層と、からなる掴み棒を備える浴室または浴槽用手すりであり、また例えば脚部と該脚部に支持される座部とを備えているとともに、所望なれば肘掛けおよび/または背もたれを備えている浴室または浴槽用椅子であり、該浴室または浴槽用椅子において、座部、肘掛け及び背もたれから選ばれる少なくとも1つの表層の材料に上記防カビ性樹脂組成物が使用されている浴室または浴槽用椅子である。
本発明においては、更に金属製または合成樹脂製の芯材を射出成形金型にインサートした状態で、上記防カビ性樹脂組成物を上記金型内に射出成形して、上記金属製または合成樹脂製芯材の表面に被覆層を形成して掴み棒とする浴室または浴槽用手すりの製造方法が提供される。
本発明の防カビ性樹脂組成物の特徴の一つとして、数ある熱可塑性エラストマーの中からオレフィン系熱可塑性エラストマー(以下、オレフィン系TPE)を選択し、使用したことが挙げられる。該オレフィン系TPEは、例えばエステル系熱可塑性エラストマーやスチレン系熱可塑性エラストマー等の他の熱可塑性エラストマーに比べ、極性が低い。このためオレフィン系TPEに添加されたヒンダードアミン系化合物は、該オレフィン系TPEの全体に均一には分散せずに、該オレフィン系TPEの表面に移行しやすくなると考えられる。その結果、防カビ性樹脂組成物の表面におけるヒンダードアミン系化合物の濃度が高まり、該ヒンダードアミン系化合物によるカビの防除効果が奏されやすくなるので、該防カビ性樹脂組成物の表面にカビが発生しにくく、またカビが発生しても該カビの菌糸が組成物中の奥深くまで入り込まないので該カビを容易に清掃除去することができると推測している。
また本発明の特徴の一つとして、一般的な銀や亜鉛やこれらの合金等の抗菌剤の併用を必要とするのではなく、防カビ剤としてヒンダードアミン系化合物を使用するとともに、高い防カビ性能を発揮するという観点から、上記ヒンダードアミン化合物として酸解離定数(pKa)が7〜11の範囲のものを選択したことが挙げられる。ヒンダードアミン化合物としてpKaが7に満たないものを使用すると十分なカビの防除効果(防カビ性及びカビ除去性)が得られず、またヒンダードアミン化合物としてpKaが11を超えるものを使用すると肌が敏感な入浴者等に対して皮膚刺激性を呈する場合がある。
更に上記ヒンダードアミン系化合物の添加量は、上記オレフィン系TPE100質量部に対して、0.05〜5質量部の範囲とされる。ヒンダードアミン系化合物の添加量が0.05質量部に満たないと十分なカビの防除効果(防カビ性及びカビ除去性)が得られず、またヒンダードアミン系化合物の添加量が5質量部を超えると、上記したように極性が低いオレフィン系TPE中ではヒンダードアミン系化合物が該オレフィン系TPEの表面に移行しやすいため、該ヒンダードアミン系化合物が防カビ性樹脂組成物の表面に滲出する場合がある。
そして本発明の防カビ性樹脂組成物の特徴の一つとして、組成物のA硬さ(JIS K6253)を40〜90の範囲としたことが挙げられる。該防カビ性樹脂組成物は、浴室または浴槽用品に使用することを主としており、該A硬さを40〜90の範囲とすることで、該浴室または浴槽用品に使用に使用した場合に、例えば手すりの掴み棒(グリップ)に使用すれば手になじみ易く、触感が良好であり、また床マットのクッション層に使用すれば該床マットを踏む入浴者の足が滑ることを防止できるほかに、該床マットの床面に対する耐スリップ性が良好であり、また浴室または浴槽用椅子の入浴者が触れる部分である座部、肘掛け、背もたれの表層に使用すれば触感が良好であるとともに、浴室または浴槽用椅子に対する入浴者の耐スリップ性が良好である。
上記防カビ性や入浴者等への皮膚刺激性の付与の抑制は、pKaが8〜10で分子量が200〜3500の範囲のヒンダードアミン化合物を使用することで、更に効果が大きくなる。
本発明の上記防カビ性組成物は、特に浴室または浴槽の手すりや床マットに有用に使用され、高温多湿の浴室、浴槽内でも、これら部材はカビが発生しにくく、またカビが発生しても容易に清掃除去出来、更に手や足になじみ易く、触感に優れ、また耐スリップ性も良好である。
浴室の内部を示す斜視図。 手すりを構成する掴み棒(グリップ)の断面図。 別形態の手すりの斜視図。 マットの側断面図。 浴室用椅子の斜視図。 浴槽用椅子の斜視図。
本発明を以下に詳細に説明する。
〔オレフィン系熱可塑性エラストマー〕
本発明に使用するオレフィン系TPEとは、エチレンと、エチレン以外のα―オレフィンとの共重合体、および/またはハードセグメントが主としてポリプロピレン、ソフトセグメントがエチレン―プロピレンコポリマー(ASTM D1418による略号:EPM)、またはエチレン―プロピレンターポリマ(ASTM D1418による略号:EPDM)であるブロック共重合体型の熱可塑性エラストマー(TPE)である。
上記エチレン―α―オレフィン共重合体は、エチレンと、エチレン以外のα―オレフィンとをチーグラー・ナッタ触媒やメタロセン系触媒によって共重合せしめることによって製造される。上記α―オレフィンとしては、例えばプロピレン、1―ブテン、1―ペンテン、1―ヘキサン、4―メチル―1―ペンテン、1―ヘプテン、1―オクテン等が使用される。上記エチレン―α―オレフィン共重合体の密度は、一般に0.840〜0.925g/cmであり、好ましくは0.860〜0.910g/cmであり、A硬さ(JIS K6253)は20〜80である。
上記ブロック共重合体型のオレフィン系TPEは一般にA硬さ(JIS K6253)が60〜95、引張り強さが2.9MPa〜18.6MPa、伸びが200%〜600%、反発弾性が40%〜60%、密度が0.85〜0.96g/cmである。
上記オレフィン系TPEは、A硬さ(JIS K6253)が20〜95の範囲、好ましくは30〜90の範囲、より好ましくは40〜85の範囲のポリオレフィンでもあり、また該オレフィン系TPEは、1種類のポリオレフィンから構成されたものでもよく、2種類以上のポリオレフィンから構成されたものでもよい。
また上記オレフィン系TPEとして、上記したブロック共重合体型のもの以外に、ポリオレフィンにゴム成分が分散されたアロイ型のものを使用してもよい。
上記オレフィン系TPEの市販品として、ダウ・ケミカル製のENGAGEシリーズ(型番で8003,8100,8130,8137,8150,8180,8200,8207,8400,8407,8401,8402,8411,8440,8450,8452,8480,8540,8842,7270,7277,7447,7467)やINFUSEシリーズ(型番で9000,9007,9100,9500,9507,9530,9807,9817)、あるいは住友化学社製のESPOLEX TPE Series(型番で3675,3785,3775,3885,3255,901,4675,4785,4855,820,822,821)、あるはプライムポリマー社製のPRIME TPOシリーズ(型番でR110MP,R110E,T310E,M142E)、あるいは三菱化学社製のZELASシリーズ(型番でMC717R4,MC721AP)、あるいはリケンテクノス社製のLEOSTOMER SEシリーズ(型番でLQR7382Q,LQR7382P,LQR7382N,LQR7511N)等が挙げられる。
〔ヒンダードアミン化合物〕
本発明において、防カビ剤として使用されるヒンダードアミン化合物(HALS)は、従来から光安定剤として使用されていたものであり、カビの防除効果及び皮膚刺激性を考慮して酸解離定数(pKa)が7〜11の範囲のもの、望ましくは8〜10の範囲のものが選択される。pKaが下限を下回ると防カビ効果が不十分となり、上限を上回ると肌が敏感な入浴者に対しては皮膚刺激性を呈する場合がある。
更に上記ヒンダードアミン化合物の分子量は、防カビ性とカビ除去性とからなるカビの防除効果を考慮して、200〜3500の範囲であるものが望ましく、300〜1500の範囲であるものがより望ましく、400〜1000の範囲のものが更に望ましい。分子量が上記範囲外のヒンダードアミン化合物を使用した場合は、カビが発生し易く、また洗浄剤を使用して清掃してもカビが除去しにくくなる。
上記要件を満たすヒンダードアミン化合物としては、例えばTINUVIN770DF(商品名、ヒンダードアミン系光安定剤・低分子量タイプ、BASF社)、CHIMASSORB2020(商品名、ヒンダードアミン系光安定剤・高分子量タイプ、BASF社)、TINUVIN765(商品名、ヒンダードアミン系光安定剤・低分子量タイプ、BASF社)、TINUVIN144(商品名、ヒンダードアミン系光安定剤・低分子量タイプ、BASF社)等が挙げられる。なおTINUVIN144は、化学名でビス(1,2,2,6,6―ペンタメチル―4―ピペソジル){〔3,5―ビス(1,1―ジメチルエチル)―4―ヒドロキシフェニル〕メチル}ブチルマロネートである。
ヒンダードアミン化合物の酸解離定数(pKa)は、成書「Stabilization of Polymeric Material」(Hans Zweifel 著)に記載されており、ヒンダードアミン化合物の構造と酸解離定数の関係について、下記の参考表の例示がなされている。TINUVIN770DFは参考表に示される5個の構造式のうち一番上の構造を有する化合物であり、TINUVIN144及びTINUVIN765は参考表に示される5個の構造式のうち上から二番目の構造を有する化合物であり、TINUVIN622は参考表に示される5個の構造式のうち上から三番目の構造を有する化合物であり、TINUVIN123は参考表に示される5個の構造式のうち一番下の構造を有する化合物である(下表の構造式の窒素原子を含む環状構造において、窒素原子に隣接する炭素原子から分岐している置換基(線分で表示されている)はメチル基である)。
酸解離定数(pKa)の測定は、アセトニトリル/クロロホルム(1/1)混合溶媒及び0.1規定(N)の過塩素酸/ジオキサン滴定液を使用して行うことができる。
〔参考表〕

〔第三成分〕
上記成分以外、本発明の樹脂組成物には、上記組成物の有する特性を害しない程度に、紫外線吸収剤、老化防止剤、充填剤、他の熱可塑性樹脂等が添加されてもよい。
上記充填材としては、例えばタルク、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、亜硫酸カルシウム、燐酸カルシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化チタン、酸化鉄、酸化亜鉛、アルミナ、シリカ、珪藻土、ドロマイト、石膏、焼成クレー、アスベスト、マイカ、ケイ酸カルシウム、ベントナイト、ホワイトカーボン、カーボンブラック、鉄粉、アルミニウム粉、石粉、高炉スラグ、フライアッシュ、セメント、ジルコニア粉等の無機充填材や、リンター、リネン、サイザル、木粉、ヤシ粉、クルミ粉、でん粉、小麦粉、米粉等の有機充填材や、木綿、麻、羊毛等の天然繊維、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維、アクリル繊維、ビスコース繊維、アセテート繊維等の有機合成繊維や、アスベスト繊維、ガラス繊維、炭素繊維、セラミック繊維、金属繊維、ウィスカー繊維等の繊維充填材等が例示され、上記他の熱可塑性樹脂としては、例えば本発明のオレフィン系TPE以外のプロピレン系重合体、エチレン系重合体、スチレン系重合体(メタ)アクリル系重合体、酢酸ビニル系重合体等が例示される。
〔配合〕
本発明の組成物にあっては、上記オレフィン系エラストマー100質量部に対して上記ヒンダードアミン化合物0.05〜5質量部が添加される。
上記ヒンダードアミン化合物の添加量が、0.05質量部を下回ると、上記組成物によるカビの防除効果が不充分になる。また上記ヒンダードアミン化合物の添加量が5質量部を上回ると、該ヒンダードアミン化合物が上記組成物の表面に滲み出やすくなって外観品質を損ねるし、カビの防除効果の向上も特に見られず不経済である。
上記第三成分のうち、オレフィン系TPE100質量部に対して、充填材は通常5〜30質量部、他の熱可塑性樹脂、特に本発明のオレフィン系TPE以外のプロピレン系重合体は50〜150質量部程度、その他紫外線吸収剤や老化防止剤は0.1〜0.5質量部程度添加される。
本発明の組成物はバンバリーミキサー、ブラベンダーミキサー、一軸または二軸押出機、ニーダー、ミキシングロール等の周知の混練機(混合機)で混合されることによって製造される。
本発明にあっては、組成物のA硬さ(JIS K6253)を40〜90の範囲に設定する。上記範囲のA硬さを有する組成物を使用することによって、例えば上記組成物を手すりに使用した場合には、手になじみ、触感が良好で、かつ耐スリップ性にも優れる製品が与えられる。
〔使用用途〕
上記防カビ性組成物は、主として浴室または浴槽用品の材料に使用される。
[浴室用手すり]
図1に示すように、手すり1,2は浴室用手すりであり、掴み棒(グリップ)3,4と、取付部5,6,7,8とからなり、浴室の壁部9に取り付けられている。上記手すり1は、掴み棒(グリップ)3が上下方向に伸びるように配されており、主として入浴者が浴槽10に出入りする際に使用される。上記手すり2は掴み棒(グリップ)4が水平方向に伸びるように配されており、主として入浴者が浴槽10内で動いたり、浴槽10内から立ち上がったりする際に使用される。
図2に示すように、上記手すり1,2において、掴み棒(グリップ)3,4は金属製または合成樹脂製の芯材31(41)と該芯材31(41)の表面を被覆する被覆層32(42)とからなる。上記被覆層32(42)の材料には、上記防カビ性樹脂組成物が使用されており、上記手すり1,2の使用に際して、手になじみ、良好な触感を与え、かつ耐スリップ性を発揮し、そして長期間に渡ってカビの発生を抑える。
上記手すり1,2の掴み棒(グリップ)3,4の製造は、通常上記金属製または合成樹脂製の芯材31(41)を射出成形用金型のキャビティ内にインサートした状態で、上記防カビ性樹脂組成物を射出成形し、上記芯材31(41)の表面に被覆層32(42)を形成することにより行われる。
[浴槽用手すり]
図1に示すように、手すり11は浴槽用手すりであり、掴み棒(グリップ)12と万力式の鞍状をなす取付部13とからなり、該取付部13を介して上記手すり11を浴槽10に取り付けて固定する。上記掴み棒(グリップ)12は、図2に示す上記手すり1,2の掴み棒(グリップ)3,4と同様に、金属製または合成樹脂製の芯材と、該芯材の表面を被覆する被覆層とからなり、上記被覆層の材料には、上記防カビ性樹脂組成物が使用され、上記掴み棒(グリップ)12の使用に際して、手になじみ、良好な触感を与え、かつ耐スリップ性を発揮し、そして長期間に渡ってカビの発生を抑える。
なお上記手すり11において、掴み棒(グリップ)12の形状は図1に示したものに限定されず、例えば図3に示すように、四角環状の上部グリップ12Aと、該上部グリップ12Aの両側から垂下された一対のサイドグリップ12Bとからなる形状とし、これら上部グリップ12Aと一対のサイドグリップ12Bの表面を、上記防カビ性樹脂組成物からなる被覆層51としてもよい。
[浴室または浴槽用マット]
図1に示に示すように、浴室内において、浴槽10の手前にはマット14が敷かれている。図4に示すように、上記マット14は、ポリウレタン発泡体や繊維マット等からなるクッション層である芯材15と、上記芯材15の表裏面を被覆する表層又は裏層である被覆層16,17とからなる。上記芯材15の表面側を被覆する被覆層16は、その表面にエンボス加工が施されることにより、無数の滑り止め突起16Aが設けられている。
上記被覆層16,17の材料には、上記防カビ性樹脂組成物が使用されている。そして上記マット14は、上記芯材15の裏面側を被覆する被覆層17により、浴室の床上における上記マット14の滑りを抑制されるとともに、滑り止め突起16Aが設けられた被覆層16により、上記マット14に乗った者の上記マット14上での滑りを抑制される。
なお上記マット14と同様の構成のマットとして、洗い場で使用される浴室用マット、浴槽の底に敷いて使用される浴槽用マットが挙げられる。
[浴室または浴槽用椅子]
図5に示に示すように、浴室用椅子61は、前後2対の脚部62と、該脚部62によって下方から支えられた座部63とを有している。該浴室用椅子61は、入浴者が浴室(浴槽の外)で体を洗うときに腰掛けとして使用される椅子である。また該浴室用椅子61にあっては、左右両側に肘掛け64を備えるとともに、背もたれ65を備えている。
上記浴室用椅子61にあっては、座部63の座面となる表層66、背もたれ65の表層66、及び肘掛け64の先端上面の表層66が上記防カビ性樹脂組成物によって形成されており、該浴室用椅子61に着座した入浴者に良好な触感を与え、かつ入浴者の該浴室用椅子61に対する耐スリップ性を発揮し、そして長期間に渡ってカビの発生を抑える。
また上記浴室用椅子61にあっては、脚部62の下端にキャップ67が装着されており、該キャップ67を上記防カビ性樹脂組成物によって形成することにより、上記浴室用椅子61の床面に対する耐スリップ性を発揮し、長期間に渡ってカビの発生を抑える。
図6に示に示すように、浴槽用椅子71は、前後2対の脚部72と、該脚部72によって下方から支えられた座部73とを有している。該浴槽用椅子71は、浴槽内で入浴者が腰掛けたり、踏み台としたりして使用する椅子である。なお該浴槽用椅子71にあっては、上記浴室用椅子61に備えられていたような肘掛けや背もたれを備えていない。
上記浴槽用椅子71にあっては、座部73の座面となる表層76が上記防カビ性樹脂組成物によって形成されており、該浴槽用椅子71に着座した入浴者に良好な触感を与え、かつ入浴者の該浴槽用椅子71に対する耐スリップ性を発揮し、そして長期間に渡ってカビの発生を抑える。
また上記浴槽用椅子71にあっては、脚部72の下端に吸盤77が装着されており、該吸盤77を上記防カビ性樹脂組成物によって形成することにより、上記浴槽用椅子71の浴槽内底面に対する吸着性能を発揮しつつ、長期間に渡ってカビの発生を抑える。
[その他]
上記防カビ性樹脂組成物は、浴室あるいは浴槽において、上記浴室用手すり、上記浴槽用手すり、上記浴室用マット、上記浴槽用マット、上記浴室用椅子の座部や背もたれ等、上記浴槽用椅子の座部や脚部の他にも、例えば入浴台(バスボード)の手すり、ドアの把手、防水性のための目地材、蛇口の把手、シャワーノズル、タオル掛け、バスタブの上面に貼付等される滑り止め材、折畳みタイプの風呂蓋において板材同士を折り曲げ可能に繋ぐ樹脂部分等に使用してもよい。あるいは上記防カビ性樹脂組成物は、浴室あるいは浴槽用品の底面に設けられ、浴室や浴槽の底面に接触して該浴室あるいは浴槽用品の滑り止めをする足ゴム等の滑り止め部材の材料としても有用である。
また上記防カビ性樹脂組成物は、浴室あるいは浴槽に限らず、台所、洗面所、トイレ等において、カビが発生しやすい所定の個所に使用してもよい。特に該防カビ性樹脂組成物を用いる箇所が複合材よりなる場合は、該防カビ性樹脂組成物を表層に用いると有用である。
以下に本発明を更に具体的に説明するための実施例および比較例について記載するが、本発明は本実施例に特に限定されるものではない。
〈実施例A〉
〔使用原料リスト〕
1.熱可塑性エラストマー(TPE)
[実施例]
(A1)ENGAGE 8842(表中は「E8842」と記載)〔商品名、ダウ・ケミカル社製〕、エチレン−オクテン共重合体(オレフィン系TPE)、A硬さ(JIS K6253):54。
(A2)ENGAGE 8407(表中は「E8407」と記載)〔商品名、ダウ・ケミカル社製〕、エチレン−オクテン共重合体(オレフィン系TPE)、A硬さ(JIS K6253):74。
(A3)ESPOLEX TPE 3675(表中は「TPE3675」と記載)〔商品名、住友化学社製〕、オレフィン系TPE、A硬さ(JIS K6253):60。
[比較例]
(A’1)NUC−8360〔商品名、ダウ・ケミカル社製〕、低密度ポリエチレン(LDPE)、D硬さ(JIS K6253):45(A硬さ:90超)。
(A’2)AR−4553S〔商品名、アロン化成社製〕、スチレン系エラストマー、A硬さ(JIS K6253):73。
(A’3)ハイトレルSB754(表中は「SB754」と記載)〔商品名、東レ・デュポン社製〕、ポリエステル系エラストマー、A硬さ(JIS K6253):75。

2.ヒンダードアミン化合物
[実施例]
(B1)TINUVIN770DF(表中は「T770DF」と記載)〔商品名、BASF社製〕、ヒンダードアミン系光安定剤・低分子量タイプ、分子量:481、pKa:9.0。
(B2)CHIMASSORB2020(表中は「C2020」と記載)〔商品名、BASF社製〕、ヒンダードアミン系光安定剤・高分子量タイプ、分子量:2600〜3400、pKa:9.0。
(B3)TINUVIN144(表中は「T144」と記載)〔商品名、BASF社製〕、ヒンダードアミン系光安定剤・低分子量タイプ、分子量:685、pKa:8.9。
(B4)TINUVIN765(表中は「T765」と記載)〔商品名、BASF社製〕、ヒンダードアミン系光安定剤・低分子量タイプ、分子量:509、pKa:8.9。
[比較例]
(B’1)TINUVIN622(表中は「T622」と記載)〔商品名、BASF社製〕、ヒンダードアミン系光安定剤・高分子量タイプ、分子量:3000〜4000、pKa:6.5。
(B’2)TINUVIN123(表中は「T123」と記載)〔商品名、BASF社製〕、ヒンダードアミン系光安定剤・低分子量タイプ、分子量:737、pKa:4.4。

3.第三成分
(C1)TINUVIN326FL(表中は「T326FL」と記載)〔商品名、BASF社製〕、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤。
(C2)SuperSSS(表中は「S−SSS」と記載)〔商品名、丸尾カルシウム社製〕、重炭酸カルシウム、平均粒径:1.8μm。
(C3)WELNEX RFX4V(表中は「RFX4V」と記載)〔商品名、日本ポリプロ社製〕、プロピレン系重合体、D硬さ(JIS K6253):50。
〔配合組成〕
実施例1〜4の配合組成を表1に、実施例5〜8の配合組成を表2に、実施例9〜12の配合組成を表3に示す。
比較例1〜5の配合組成を表4に示す。
〔試験方法〕
(1)試験用シートの作成
プラストミル(ブラベンダー社製混練機)を使用して、各配合物を170℃で5分間混練し、得られた混練物を熱プレスすることにより、2mm厚の試験用シートを作成した。
(2)硬さ
上記試験用シートを使用し、JIS K6253に準じて硬さを測定した。A硬さのものは例えば75と数値のみ表記し、D硬さのもの例えばD45と表記する。
(3)滑り試験
上記試験用シートの表面を水で濡らし、水で濡らした試験者の指を該試験用シートの表面で滑らせた。このときの滑りの状態を以下のように評価した。
◎:まったく滑らない、○:ほとんど滑らない、△:少し滑る、×:よく滑る。
(4)カビ発生抑制効果
上記試験用シートから30mm角の試験片を切り出し、JIS Z2911(2010)に準拠して下記の条件でかび抵抗性試験を行なった。
〈かび抵抗性試験〉
(使用かび、培地組成など)
カビの種類:Cladosporium cladosporioides(黒カビ)。
カビ保存用斜面培地:オートミール 20g,麦芽エキス 10g,寒天 20g,精製水 1000mlの組成からなる培地を用い、15mm×150mmの試験管に6mlずつ分注し、カビ保存用斜面培地とする。
無機塩溶液:硝酸ナトリウム 2.0g,リン酸二水素カリウム 0.7g,リン酸水素二カリウム 0.3g,塩化カリウム 0.5g,硫酸マグネシウム七水和物 0.5g,硫酸第2鉄七水和物 0.01g,精製水 1000mlの組成とした。
無機塩寒天培地:上記無機塩溶液 1000mlに寒天 20gを添加し、調製した。
グルコース添加無機塩寒天培地:上記無機塩寒天培地 1000mlに、D(+)−グルコース 30gを添加し、調製した。
湿潤剤添加無機塩溶液(滅菌):上記無機塩溶液 1000mlに、N−メチルタウリン 0.1gを添加し、調製した。
(単一胞子懸濁液の調製)
十分に胞子形成が認められた上記カビ保存用斜面培地のそれぞれに上記湿潤剤添加無機塩溶液を5mlずつ加え、白金線で表面の胞子を静かにこすり、試験管を静かに振って該湿潤剤添加無機溶液中に胞子を分散させる。該胞子を分散させる操作は各試験管で3回ずつ行う。次いで、胞子を分散させた湿潤剤添加無機溶液中に滅菌したガラスビーズを投入し、試験管を振った後、滅菌した木綿またはガラスウールで濾過することで菌糸を取り除き、濾液を得る。その後、該濾液を遠心分離して上澄み液を捨て、残留物を上記無機塩溶液25mlに懸濁させ、再び遠心分離し、残留物を上記無機塩溶液50mlに懸濁させる。そして、濁度計を用い、胞子数が1ml当たり約1,000,000個となるように懸濁液を調製した。
(胞子活性の確認)
2枚の上記グルコース添加無機塩寒天培地に対し、上記単一胞子懸濁液の1滴を接種し、3〜4日間培養し、菌糸の発育を確認した。なお該確認において多量の菌糸の発育が認められない場合、上記単一胞子懸濁液を新たに調製し、再試験した。
(試験片へのカビの接種)
上記試験片の表面に、活性を確認した上記単一胞子懸濁液の0.1mlを均等に滴下した。
(無機塩寒天培地による評価)
ガラス製シャーレに上記無機塩寒天培地を厚さが5mmとなるように分注した。該無機塩寒天培地上には、上記のようにしてカビを接種した試験片を可能な限り水平に置く。またこのとき上記試験片は、相互に触れあったり、シャーレの壁に触れたりしないように置く。そして、14日後、28日後、必要であれば42日後に、試験片の表面のカビによる黒ずみを目視することで、以下のようにカビ発生抑制効果を評価した。
◎:目視でカビが見られない、○:僅かにカビが発生、×:カビが発生。
(5)カビ清掃容易性
上記カビ発生抑制効果の試験でカビが発生した試験片を、浴室用中性洗剤(花王社製のバスマジックリン(商品名))で洗浄した後、カビによる黒ずみの残留を目視で以下のように評価した。
◎:黒ずみなし、×:黒ずみあり。
〔試験結果〕
実施例1〜4の試験結果を表5に、実施例5〜8の試験結果を表6に、実施例9〜12の試験結果を表7に示す。
比較例1〜5の試験結果を表8に示す。
〔考察〕
上記試験結果において、「硬さ」はA硬さで40以上、90以下のものを合格とした。「滑り試験」、「カビ発生抑制効果」、「カビ清掃容易性」は、評価が×でないものを合格とした。
実施例1〜12は、硬さ、滑り試験、カビ発生抑制効果、カビ清掃容易性の全てについて、好適な結果が得られた。なおカビ清掃容易性については、僅かにカビが発生した実施例2,10,12で評価し、この実施例2,10,12以外の実施例ではカビが発生しなかった。
比較例1は、pKa7未満(6.5)のTINUVIN622を使用しており、各実施例に比べてカビ発生抑制効果(防カビ性)に劣る。
比較例2は、pKa7未満(4.4)のTINUVIN123を使用しており、各実施例に比べてカビ発生抑制効果(防カビ性)に劣る。
比較例3は、オレフィン系TPE以外のオレフィン系樹脂(LDPE)を使用しており、A硬さが90を超える(D硬度で45)とともに、表面を水で濡らした時、滑り易くなる。
比較例4はオレフィン系TPE以外の熱可塑性エラストマー(スチレン系エラストマー)を使用しており、カビ発生抑制効果(防カビ性)とカビ清掃容易性(カビ除去性)が悪い。
比較例5はオレフィン系TPE以外の熱可塑性エラストマー(ポリエステル系エラストマー)を使用しており、カビ発生抑制効果(防カビ性)とカビ清掃容易性(カビ除去性)が悪い。
〈実施例B〉
図3に示す手すり11において、掴み棒(グリップ)12の被覆層51の材料に上記実施例Aの実施例1で示した組成の防カビ用樹脂組成物を用い、手すり11を製造した。
上記手すり11においては、掴み棒(グリップ)12を水に濡れた手で掴んでも滑ることがなく、安定的に握ることができた。
また4人家族の家庭の浴槽に上記手すり11を装着し、約40℃の湯が1日当たり数時間程度存在するという状況を略毎日繰り返しつつ、2月後に掴み棒(グリップ)12の被覆層51を観察したところ、その表面にカビの発生は認められなかった。
〈実施例C〉
図5に示した浴室用椅子61において、肘掛け64の先端上面の表層66の材料に上記実施例Aの実施例1で示した組成の防カビ用樹脂組成物を用い、浴室用椅子61を製造した。
上記浴室用椅子61にあっては、水に濡れた手で肘掛け64の先端上面を掴んでも滑ることがなく、該肘掛け64を支えにすることができた。
また上記浴室用椅子61を毎日使用し、2月後に肘掛け64の表層66を観察したところ、その表面にカビの発生は認められなかった。
本発明の樹脂組成物は防カビ性に優れ、浴室や浴槽の手すり、マットおよび椅子等の部材の材料として有用であるから産業上利用可能である。
1,2 手すり
3,4 掴み棒
10 浴槽
11 手すり
14 マット
15,31,41 芯材
16,17,32,42 被覆層
61 浴室用椅子
71 浴槽用椅子

Claims (7)

  1. オレフィン系熱可塑性エラストマー100質量部、酸解離定数(pKa)7〜11のヒンダードアミン化合物0.05〜5質量部を含有する組成物であって、
    上記組成物のA硬さ(JIS K6253)が40〜90の範囲である
    ことを特徴とする防カビ性樹脂組成物。
  2. 上記ヒンダードアミン化合物のpKaは8〜10の範囲であり、かつ分子量が200〜3500の範囲である
    請求項1に記載の防カビ性樹脂組成物。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の防カビ性樹脂組成物を使用した
    ことを特徴とする浴室または浴槽用品。
  4. 上記浴室または浴槽用品は、請求項1又は請求項2に記載の防カビ性組成物からなる表層と、上記表層に裏打ちされているクッション層と、からなる浴室または浴槽用マットである
    請求項3に記載の浴室または浴槽用品。
  5. 上記浴室または浴槽用品は、芯材と、該芯材の表面に被覆される請求項1又は請求項2に記載の防カビ性樹脂組成物からなる被覆層と、からなる掴み棒(グリップ)を備える浴室または浴槽用手すりである
    請求項3に記載の浴室または浴槽用品。
  6. 上記浴室または浴槽用品は浴室または浴槽用椅子であり、該浴室または浴槽用椅子は、脚部と該脚部に支持される座部とを備えているとともに、所望なれば肘掛けおよび/または背もたれを備えているものであり、該浴室または浴槽用椅子において、座部、肘掛け及び背もたれから選ばれる少なくとも1つの表層の材料に請求項1又は請求項2に記載の防カビ性樹脂組成物が使用されている
    請求項3に記載の浴室または浴槽用品。
  7. 金属製または合成樹脂製の芯材を射出成形金型にインサートした状態で、請求項1又は請求項2に記載の防カビ性樹脂組成物を上記金型内に射出成形して、上記金属製または合成樹脂製芯材の表面に被覆層を形成して掴み棒(グリップ)とする
    ことを特徴とする浴室または浴槽用手すりの製造方法。

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