JP2014058221A - 車両用バンパビーム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】車体前端部において車幅方向に伸びて配置されるとともに閉断面を有するメインビーム100と、メインビームの後部から車両後方側へ突き出して配置され後端部が車体のフロントサイドフレームに結合されるステー210とを備える車両用バンパビーム1を、メインビームは、車両前方側に配置された前面部120と、前面部の後方側に間隔を隔てて配置された後面部111と、前面部の上端部と後面部の上端部との間にわたして設けられた上面部112と、前面部の下端部と後面部の下端部との間にわたして設けられた下面部113とを有し、上面部と下面部とを連結しかつ前面部及び後面部とそれぞれ間隔を隔てて配置されるとともに、ステーの前端部と隣接する領域から車幅方向内側に伸びかつ車幅方向における中央部を空けて配置された横セパレータ320を有する構成とする。
【選択図】図1
Description
バンパビームは、メインビームの後方側へ突き出したステーを、車体本体側のフロントサイドフレームの前端部に結合することによって車両に取り付けられる。
このような場合、メインビームの上方が後退する方向への回転モーメントが発生し、比較的エネルギが小さい軽衝突であってもメインビームの上面部が座屈してメインビームの捩れが発生することがある。
上述した問題に鑑み、本発明の課題は、軽衝突時のメインビームの捩じれを抑制するとともに、大衝突時の変形ストロークを確保した車両用バンパビームを提供することである。
請求項1に係る発明は、車体前端部において車幅方向に伸びて配置されるとともに閉断面を有するメインビームと、前記メインビームの後部から車両後方側へ突き出して配置され後端部が車体のフロントサイドフレームに結合されるステーとを備える車両用バンパビームであって、前記メインビームは、車両前方側に配置された前面部と、前記前面部の後方側に間隔を隔てて配置された後面部と、前記前面部の上端部と前記後面部の上端部との間にわたして設けられた上面部と、前記前面部の下端部と前記後面部の下端部との間にわたして設けられた下面部とを有し、前記上面部と前記下面部とを連結しかつ前記前面部及び前記後面部とそれぞれ間隔を隔てて配置されるとともに、前記ステーの前端部と隣接する領域から車幅方向内側に伸びかつ車幅方向における中央部を空けて配置された横セパレータを有することを特徴とする車両用バンパビームである。
これによれば、軽衝突時におけるメインビームの上面部の座屈を防止して、メインビームの捩れを抑制し、車両の修理に要する工数やコストを低減することができる。
また、横セパレータがメインビームの前面部及び後面部と間隔を隔てて配置されることによって、大衝突時には前面部と横セパレータとの間、及び、横セパレータと後面部との間が狭まるようにメインビームが圧壊することを妨げないため、大衝突時の変形ストロークも確保することができる。
これによれば、メインビームの中央部における断面変形を比較的軽量な構造によって抑制することができる。
これによれば、メインビームの上面部をさらに剛性向上して上述した効果をより確実に得ることができる。
実施例のバンパビームは、例えば、比較的車高の低い乗用車等の自動車の車体前端部に設けられるものである。
バンパビームは、例えばPP等の樹脂系材料によって形成される外装部品であるバンパフェイスの内部に設けられ、衝突時に障害物から受ける荷重を、車体の構造部材であるフロントサイドフレームに伝達するとともに、それ自体が圧壊してエネルギを吸収するものである。
図2は、図1のバンパビームを上方から見た平面図である。
図3は、図2のIII−III部矢視図であって、車両前方側から見た図である。
バンパビーム1は、メインビーム100、ステー210、リンホースメント220、縦セパレータ310、横セパレータ320等を有して構成されている。
メインビーム100は、車幅方向にほぼ沿って延びた梁状部材である。
メインビーム100は、車幅方向から見たときに閉断面を有する中空構造となっている。
図2に示すように、メインビーム100は、図示しないバンパフェイスの造形に合わせて、車両前方側が凸となるように湾曲して形成されている。
リアパネル110、フロントパネル120は、例えば、鋼板等をプレス加工して形成されている。
後面部111は、メインビーム100の後端部に設けられ、鉛直方向にほぼ沿って延びた面部である。
上面部112は、後面部111の上端部から前方側へ突き出して形成されたほぼ平板状の部分である。
上面部112の前端部には、上方側へ突出したフランジ部112aが形成されている。
下面部113は、後面部111の下端部から前方側へ突き出して形成されたほぼ平板状の部分である。
フロントパネル120の上端部、下端部は、それぞれリアパネル110の上面部112、下面部113の前端部と、例えばスポット溶接等によって接合される。
フロントパネル120の高さ方向における中央部には、車幅方向にわたって延在する溝部121が形成されている。
フロントパネル120の上端部には、リアパネル110の上面部112よりも上方側へ突き出したフランジ部122が形成されている。
このフランジ部122は、上述した上面部112のフランジ部112aと重ね合わせた状態で、スポット溶接等によって接合される。
フロントパネル120の下端部には、後方側へ突き出したフランジ部123が形成されている。
このフランジ部123は、リアパネル110の下面部113の下側に設けられ、下面部113の前端部と重ね合わせた状態で、スポット溶接等によって接合される。
以上説明した構成によって、メインビーム100は、実質的にほぼ矩形状の閉断面を有するようになっている。
ステー210は、車両前後方向にほぼ沿って延在する柱状の部材である。
ステー210の前端部は、メインビーム100のリアパネル110の後面部111に溶接されている。
ステー210の後端部には、つば状に張り出して形成されたフランジ部211が設けられている。
フランジ部211にはボルト穴が形成され、フロントサイドフレームの前端部と締結される。
リンホースメント220は、例えば、鋼板をプレス成型して形成されている。
リンホースメント220は、ほぼ水平に配置された実質的に平板状のパネルであって、剛性向上等のため適宜凹凸が形成されている。
図2に示すように、リンホースメント220は、ステー210の上面を実質的に全面にわたって覆っている。
リンホースメント220の前部は、メインビーム100の上面部112の後半部を覆っている。
リンホースメント220は、ステー210に対して車幅方向内側及び外側にそれぞれ広がって形成されている。
リンホースメント220の車幅方向外側の端部は、メインビーム100の側端部と隣接して配置されている。
縦セパレータ310は、例えば、鋼板をプレス成型して形成されている。
図1に示すように、縦セパレータ310は、車両の前後方向及び上下方向にほぼ沿って配置された実質的に平板状のパネルである。
縦セパレータ310の上端部は、リアパネル110の上面部112にスポット溶接等によって固定されている。
縦セパレータ310の下端部は、リアパネル110の下面部113にスポット溶接等によって固定されている。
縦セパレータ310は、メインビーム100の車幅方向における中央部付近に、例えば2枚が車幅方向に離間して配置されている。
横セパレータ320は、例えば、鋼板をプレス成型して形成されている。
図1、図2に示すように、横セパレータ320は、メインビーム100の長手方向及び上下方向にほぼ沿って配置された実質的に平板状のパネルである。
図1に示すように、横セパレータ320の上端部、下端部には、それぞれ前方側へ突き出したフランジ部321,322が形成されている。
フランジ部321,322は、それぞれリアパネル110の上面部112、下面部113にスポット溶接等によって固定されている。
すなわち、横セパレータ320の前面は、フロントパネル120と車両前後方向に間隔を隔てて対向している。
また、横セパレータ320の後面は、リアパネル110の後面部111と車両前後方向に間隔を隔てて対向している。
横セパレータ320の車幅方向内側の端部は、縦セパレータ310と車幅方向に間隔を隔てて配置されている。
すなわち、横セパレータ320は、メインビーム100の車幅方向における中央部を空けるようにして配置されている。
このような横セパレータ320の配置は、メインビーム100の中央部における上部に衝突による荷重が入力され、メインビーム100が捩じりを受けた際に、仮に横セパレータ320を設けない場合に上面部112の座屈が懸念される領域を通過するように設定される。
また、リンホースメント220の車幅方向内側の前端部は、上方から見たときに、横セパレータ320の車幅方向外側の端部と重なるように配置されている。
図4は、比較例の車両用バンパビームの正面衝突時の挙動を示す模式図である。
比較例のバンパビーム1Aは、実施例のバンパビーム1から、横セパレータ320を省略したものである。
図4(a)は、正面衝突バリアBがバンパビーム1Aの車幅方向中央部に衝突した状態を上方から見た平面図である。
図4(b)は、図4(a)のb−b部矢視断面図である。
図4(c)は、図4(b)と同じ断面における衝突後の状態を示す断面図である。
図4(d)は、図4(a)のd−d部矢視断面における衝突後の状態を示す断面図である。
この場合、メインビーム100には、上部が後退するよう回動する方向(図4において、時計回り方向)のモーメントが発生し、メインビーム100は、図4(c)に示すように、捩じりを受けることになる。
このとき、比較例においては、図4(d)に示すように、メインビーム100の上面部に座屈が生じて比較的大きな捻り変形が発生してしまう。
軽衝突時であっても、このような座屈が生じた場合には、メインビーム100の交換が必要となり、修理に要する工数やコストが増加してしまう。
図5(a)は、正面衝突バリアBがバンパビーム1の車幅方向中央部に衝突した状態を上方から見た平面図である。
図5(b)は、図5(a)のb−b部矢視断面図である。
図5(c)は、図5(b)と同じ断面における大衝突時の状態を示す断面図である。
これによって、軽衝突時にバンパビーム1の交換が必要となり難く、修理に要する工数やコストを低減することができる。
(1)メインビーム100の内部に、前面部、後面部と間隔を隔てて対向しかつステー210の直前から車幅方向内側に延びた横セパレータ320を設けたことによって、軽衝突時におけるメインビーム100の上面部の座屈を防止して、メインビーム100の捩れを抑制し、車両の修理に要する工数やコストを低減することができる。
また、横セパレータ320がメインビーム100の前面部及び後面部と間隔を隔てて配置されることによって、大衝突時にはフロントパネル120と横セパレータ320との間、及び、横セパレータ320と後面部111との間が狭まるようにメインビーム100が圧壊することを妨げないため、大衝突時の変形ストロークも確保することができる。
(2)メインビーム100の車幅方向における中央部に縦セパレータ310を設けたことによって、例えばメインビーム100の実質的に全長にわたって、メインビーム100の長手方向に沿って延びたセパレータを設ける場合と比べて、メインビーム100の中央部における断面変形を比較的軽量な構造によって抑制することができる。
(3)ステー210の上面部と、メインビーム100の上面部112における横セパレータ320と接合された領域とを連結するリンホースメント220を設けたことによって、メインビーム100の上面部をさらに剛性向上して上述した効果をより確実に得ることができる。
本発明は、以上説明した実施例に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の技術的範囲内である。
例えば、車両用バンパビームを構成する各部材の形状、構造、材質、製法、接合方法等は、上述した実施例に限定されず、適宜変更することができる。
100 メインビーム 110 リアパネル
111 後面部 112 上面部
112a フランジ部 113 下面部
120 フロントパネル 121 溝部
122 フランジ部 123 フランジ部
210 ステー 211 フランジ部
220 リンホースメント 310 縦セパレータ
320 横セパレータ 321 フランジ部
322 フランジ部 B 正面衝突バリア
Claims (3)
- 車体前端部において車幅方向に伸びて配置されるとともに閉断面を有するメインビームと、
前記メインビームの後部から車両後方側へ突き出して配置され後端部が車体のフロントサイドフレームに結合されるステーと
を備える車両用バンパビームであって、
前記メインビームは、
車両前方側に配置された前面部と、
前記前面部の後方側に間隔を隔てて配置された後面部と、
前記前面部の上端部と前記後面部の上端部との間にわたして設けられた上面部と、
前記前面部の下端部と前記後面部の下端部との間にわたして設けられた下面部とを有し、
前記上面部と前記下面部とを連結しかつ前記前面部及び前記後面部とそれぞれ間隔を隔てて配置されるとともに、前記ステーの前端部と隣接する領域から車幅方向内側に伸びかつ車幅方向における中央部を空けて配置された横セパレータを有すること
を特徴とする車両用バンパビーム。 - 前記メインビームは、左右の前記横セパレータの間隔において、車両前後方向にほぼ沿って配置され前記メインビームの内部を実質的に閉塞する縦セパレータを有すること
を特徴とする請求項1に記載の車両用バンパビーム。 - 前記ステーの上面部と、前記メインビームの上面部における前記横セパレータと接合された領域との間にわたして設けられた補強部材を有すること
を特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車両用バンパビーム。
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