JP2014050322A - 焼菓子練り込み用油脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、焼菓子とチョコレート類が組み合わされた複合菓子の焼菓子練り込み用であって、該焼き菓子表面に粉をふいたような白色化(ブルーム)が発生するのを抑制する効果を有する油脂組成物、及び当該油脂組成物を使用することにより、白色化が抑制された複合菓子を提供することを課題とする。
【解決手段】油相中のトリ飽和脂肪酸トリグリセリド含量(SSS)が3〜8重量%であり、かつ油相中のジグリセリド含有量(DG)が8〜14重量%である、複合菓子の焼菓子練り込み用油脂組成物、特に上記SSSとDGが特定の2種類のエステル交換油由来である油脂組成物、を用いることにより、白色化が抑制された複合菓子を提供することができる。
【選択図】なし

Description

本発明は、焼菓子練り込み用油脂組成物に関する。
焼菓子とチョコレートなどの油性食品を組み合わせた複合菓子においては、焼菓子表面に粉をふいたような白色化(ブルーム)が発生する場合がある。そのため、当該現象を防ぐことに関連する出願がいくつか存在する。
特許文献1は、発明の名称を「複合菓子用油脂組成物及び複合菓子の製造方法」とする出願であり、請求項1には「親油性のポリグリセリン脂肪酸エステル及び(又は)親油性のショ糖脂肪酸エステルを含有し、且つこれらポリグリセリン脂肪酸エステル及びショ糖脂肪酸エステルを構成する脂肪酸のうち、2個以上が炭素数18以上の飽和脂肪酸であり、油脂のSFC値が20℃で20以上、30℃で7以上、40℃で5以下であることを特徴とする複合菓子用油脂組成物。」と記載されている。
特許文献2は、発明の名称を「油脂組成物」とする出願であり、請求項1には「乳脂肪とハイエルシン酸菜種極度硬化油からなる混合油をランダムエステル交換した油脂(A)及びパーム油をランダムエステル交換した油脂(B)を主に含有し、脂肪酸組成全体中のC6以下の飽和脂肪酸が0.05〜3.0重量%である油脂組成物」と記載されている。
特許文献3は、発明の名称を「油脂性素材配合焼菓子練り込み用油脂組成物」とする出願であり、請求項1には「ヨウ素価52〜70のパーム分別軟部油を70重量%以上含む油脂配合物をエステル交換した油脂を、油相中に80〜100重量%含有することを特徴とする油脂性素材配合焼菓子練り込み用油脂組成物。」と記載されている。
特許文献4は、発明の名称を「油脂性素材配合ベーカリー食品におけるブルーム、白色化及び油脂性素材糊化現象の抑制緩和方法」とする出願であり、請求項1には「油脂を30重量%以上含有し、該油脂のSFCが10℃で5〜35%、20℃で3〜20%で、40℃で0〜5%であることを特徴とする、油脂性素材配合ベーカリー食品練り込み用油脂組成物。」と記載されている。
特許文献5は、発明の名称を「油脂性素材配合焼菓子練り込み用油脂組成物」とする出願であり、請求項1には「構成脂肪酸中にトランス型不飽和脂肪酸を5〜100モル%含むグリセリン脂肪酸エステルを、油相中に0.3〜5重量%含有することを特徴とする油脂性素材配合焼菓子練り込み用油脂組成物。」と記載されている。
特開平06-311845号公報 特開2008-178370号公報 特開2007-143433号公報 特開2004-16096号公報 特開2010-75137号公報
本発明は、焼菓子練り込み用油脂組成物とその使用に関し、焼菓子とチョコレート類が組み合わされたような複合菓子の焼き菓子表面に粉をふいたような白色化(ブルーム)が発生するのを抑制する効果を有する油脂組成物、および当該油脂組成物を使用することにより、白色化が抑制された複合菓子を提供することを課題とする。
本発明者は、先行技術文献に記載されている内容を詳細に検討した。
特許文献1〜3に記載された発明は、それぞれ使用する乳化剤や油脂の組成を特定したものであり、その汎用性は低いものであった。特許文献4に記載された発明は、実質的にSFCの規定のみが発明の構成要件であり、その汎用性が高いとも思われたが、実際に試験を行うと、SFCの規定のみでは十分な効果は確認することはできなかった。
特許文献5に記載された発明は、一定量のトランス脂肪酸を含有させることを必須とするものであるが、昨今のトランス脂肪酸を忌避する風潮の中では、実施が困難な場合も存在することが懸念された。
本発明者は、焼菓子とチョコレート類が組み合わされた複合菓子における白色化現象を抑制することのできる、複合菓子の焼菓子練り込み用油脂組成物の検討を行った。その結果、油相中の特定トリ飽和脂肪酸トリグリセリド含量(SSS)が一定量以下であり、ジグリセリド含有量(DG)が一定の範囲にある油脂組成物を複合菓子の焼菓子練り込み用油脂組成物として使用した場合に、複合菓子における白色化現象を強く抑制することができることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち本発明は
第1.油相中にトリ飽和脂肪酸トリグリセリド(SSS:Sはパルミチン酸またはステアリン酸)を3〜8重量%及びジグリセリド(DG)を8〜14重量%を含有する、焼菓子練りこみ用油脂組成物、
第2.油相中、SSS/DGの重量比が0.25〜0.65である、第1記載の焼菓子練り込み用油脂組成物、
第3.上昇融点が20℃以上であって、SSSを0.1〜1.5重量%、DGを10〜22重量%含有するエステル交換油(1)を、油相中に2〜60重量%含有し、かつ、ラウリン系油脂40〜70%、パーム系油脂20〜50%、菜種又は大豆極度硬化油5〜15%のブレンド油のエステル交換油(2)を油相中に10〜50重量%含有する、第1〜第2いずれか1つに記載の焼菓子練り込み用油脂組成物、
第4.第3記載のエステル交換油(2)を構成する脂肪酸に占めるパルミチン酸の含量が10〜45重量%であり、且つステアリン酸の含量が5〜10重量%である、第3記載の焼菓子練り込み用油脂組成物、
第5.第1〜第4のいずれか1つに記載の油脂組成物を焼菓子練り込みに使用した、複合菓子、
第6.第1〜第4のいずれか1つに記載の油脂組成物を焼菓子練り込みに使用する、複合菓子の白色化抑制方法、
に関するものである。
本発明による焼菓子練り込み用油脂組成物を使用して焼菓子調製することにより、該焼菓子をチョコレート類などと組み合わせた複合菓子において、焼菓子表面に粉をふいたような白色化(ブルーム)が発生するのを抑制することができる。
本発明は、焼菓子練り込み用油脂組成物であって、焼菓子とチョコレート類が組み合わされたような複合菓子の表面に粉をふいたような白色化(ブルーム)が発生するのを抑制する効果を有する油脂組成物、および当該油脂組成物を使用することにより、白色化が抑制された複合菓子を提供することを課題とするものである。
本発明の油脂組成物は、焼菓子の練り込み用に使用できる形態であれば、その形態は特に限定されず、ショートニングタイプ、油中水型乳化油脂組成物等いずれの形態であっても良い。
本発明の油脂組成物においては、油相中の特定トリ飽和脂肪酸トリグリセリド含量(SSS:Sはパルミチン酸またはステアリン酸。以下単に「SSS」という場合がある。)が3〜8重量%以下であることが必要であり、より好ましくは4〜7.5重量%である。なお油相とは、油脂組成物を融解した場合に、油脂および油脂に溶解した成分を示すものである。
トリ飽和脂肪酸トリグリセリドとは、通常、油脂本体であるトリグリセリドにおいて、グリセリンに結合した脂肪酸の全てが、飽和脂肪酸であることを示す。本発明においては、飽和脂肪酸から構成される特定トリ飽和脂肪酸トリグリセリド(SSS)は、パルミチン酸、ステアリン酸から選ばれるのが好ましい。かかる飽和脂肪酸から構成されるSSSを上記特定量含有することにより、白色化(ブルーム)の原因である油脂結晶の粗大化が抑制され、複合菓子における白色化(ブルーム)の発生を抑えることができる。SSS含有量が上限を超えると、SSSが結晶核となり油脂結晶の粗大化を促進すると考えられ、複合菓子における白色化(ブルーム)の発生を抑制することができないため、好ましくない。下限未満では、油脂結晶化速度が低下しすぎるためか、やはり白色化(ブルーム)の発生を抑制することができないため、好ましくない。
なお、本発明において「パルミチン酸、ステアリン酸から構成されるトリ飽和脂肪酸トリグリセリド(SSS)」とは、トリグリセリドを構成する脂肪酸3つのうち、全てがパルミチン酸であるもの、全てがステアリン酸であるものの他、うち2つがパルミチン酸で1つがステアリン酸であるもの、および2つがステアリン酸で1つがパルミチン酸であるものも含む。
本発明の油脂組成物においては、油相中のジグリセリド(以下単に「DG」という場合がある)が8〜14重量%であることが好ましく、より好ましくは8.5〜13.5重量%であり、さらに望ましくは9〜13重量%である。油相中のジグリセリド含有量が上限を超えても、下限未満でも複合菓子における白色化(ブルーム)の発生を抑制することができないため、好ましくない。DG含有量が上記特定含有量である場合に、油脂結晶成長(粗大化)を効果的に抑制することができる。
なお本発明の油脂組成物は、焼菓子とチョコレート類のような組み合わせ複合菓子の焼菓子の練り込み用に使用した場合、その効果が好適に発揮される油脂組成物である。かかる複合菓子の焼菓子の練り込み用に使用することで、該複合菓子の表面に粉をふいたような白色化(ブルーム)が発生するのを抑制する効果を得ることができる。
本発明において、DGの由来は特に問わないが、DGを含む油脂を原料として選択する他、例えば以下に記載するエステル交換油に由来させることにより、本発明の油脂組成物を容易に調製することができる。
本発明の油脂組成物においては、SSS/DGの重量比が0.25〜0.65以下であることが好ましく、より好ましくは0.3〜0.63であり、さらに好ましくは0.3〜0.6である。本発明は白色化の原因と考えられる、油脂結晶の粗大化を引き起こすSSSの量を特定量とするとともに、油脂結晶の成長を抑える効果が想定されるDGをある一定量含有させることにより、白色化抑制効果を高めることができる。SSS/DGは、SSSとDGが上記重量比である場合に、効果的に白色化抑制効果を得ることができる。上記重量比が上限を超えても下限未満でも、白色化抑制効果が低下するため好ましくない。
なお、上昇融点とは、日本油化学会制定 規準油脂分析試験法(1)に記載される方法で測定されるものであり、毛細管に充填した資料が、所定条件での加熱により、軟化して上昇を始める温度を言う。
本発明においては、下記の2種類のエステル交換油(1)、(2)を含むのが好ましい。
エステル交換油(1)について
上昇融点が20℃以上であって、SSSが1.5重量%以下であり、DGを10〜22重量%含有するエステル交換油である。これを、油相中に2〜60重量%含有することが好ましい。上昇融点は、21℃以上がより好ましく、23℃以上がさらに好ましい。SSSは1.2重量%以下がより好ましく、0.9重量%以下がさらに好ましい。DGは11〜21重量%含有することがより好ましく、12〜20重量%含有することがさらに好ましい。これらの含有量は上限を超えても下限未満でも、本発明の白色化抑制効果が低下するため好ましくない。
エステル交換油(2)について
ラウリン系油脂40〜70重量%、パーム系油脂20〜50重量%、菜種又は大豆極度硬化油5〜15重量%のブレンド油のエステル交換油である。これを油相中に10〜50重量%含有することが好ましい。ラウリン系油脂はより好ましくは45〜65重量%、パーム系油脂はより好ましくは25〜45重量%、菜種油又は大豆極度硬化油はより好ましくは7〜13重量%である。ここでラウリン系油脂とはラウリン酸を主要な構成脂肪酸とする油脂のことで、具体的にはヤシ油、パーム核油およびこれらを分別、硬化等の加工を施したものを挙げることができる。パーム系油脂とはパーム油およびこれを原料とし分別、硬化等の加工を施した油脂のことであり、パームオレインやスーパーパームオレイン、パームステアリンまたはこれらを硬化したものを挙げることができる。
上記両エステル交換油においては、構成する脂肪酸に占めるパルミチン酸の含量が10〜45重量%であり、且つステアリン酸の含量が5〜10重量%であることが好ましく、パルミチン酸の含量は15〜40重量%であることがより好ましく、20〜35重量%であることがさらに好ましい。ステアリン酸の含量は5.5〜9.5重量%であることがより好ましく、6〜9重量%であることがさらに好ましい。これらの含有量は上限を超えても下限未満でも、本発明の白色化抑制効果が低下するため好ましくない。
上記のようなエステル交換油は、適宜原料を選択して、化学的触媒ないし酵素を使用したエステル交換反応を行うことで得ることができる。使用する原料は、規定されたものの他、パーム油、パーム核油、ヤシ油、コーン油、綿実油、大豆油、ナタネ油、米油、ヒマワリ油、サフラワー油、牛脂、乳脂、豚脂、カカオ脂、魚油、鯨油などの各種植物油脂、動物油脂並びにこれらを水素添加、分別およびエステル交換から選択される一または二以上の処理を施した加工油脂から適宜選択することができる。また、DGを所定量とするためには、DGを含む原料を適宜選択したり、また、使用する触媒量を調整することで制御することができる。なお、本発明におけるエステル交換油は、エステル交換反応を行った後に分別等の操作を行う場合もある。
エステル交換によりDG量を調整する場合、必要に応じて適宜融点が調整されかつDG量が調整されたエステル交換油を調製し使用することができるので、油脂組成物の配合をより容易に組み立てることができる。
本発明の油脂組成物には、各種の油脂を使用することができる。また、油脂以外の原料および添加物においても、本発明の効果を妨げない範囲内で、適宜使用することができる。
以下に、本発明の実施態様の一つとして、マーガリンを例に説明する。
設定された配合において、油脂および油脂に溶解する成分、たとえば油溶性乳化剤を油脂に溶解し油相とする。油相は、油脂が完全に融解された状態とする。これは、油脂の融点に依存し、概ね55〜75℃である。
一方、設定された配合において、水および水に溶解する成分、たとえば水溶性の風味素材などは水に混合し水相とする。なお、液糖を使用する場合など、水を使用しない配合においては、液糖に水溶性の成分を溶解ないし混合することもできる。
油相および水相の準備が終了した後、油相を攪拌しながら水相を添加することで、油中水型に略乳化した「調合液」を得る。このとき、攪拌が不十分であったり、あるいは油相の温度が低すぎる場合は、乳化が反転する場合もあるので、十分に攪拌しかつ、十分な温度に保つ必要である。
調合液はポンプにより送液し、適宜殺菌装置等を通過させた後、油中水型乳化油脂組成物の製造装置へ供される。油中水型乳化油脂組成物の製造装置へ供される直前の段階で、調合液は溶解(融解)状態でかつ、40〜80℃である必要があり、より望ましくは50〜70℃であり、さらに望ましくは55〜65℃である。油中水型乳化油脂組成物の製造装置へ供される直前の調合液の温度が低すぎる場合は、その段階で油脂結晶が発生し、最終製品に粒状結晶が存在することがある。また、温度が高すぎる場合は、油中水型乳化油脂組成物の製造装置において余分の冷却エネルギーが必要となる場合がある。
油中水型乳化油脂組成物の製造装置としては、冷却機能を有する各種のものを使用することができる。具体的には、コンビネーター、パーフェクター、ボテーター等の掻き取り式急冷混和機を備えた装置をあげることができる。これらの装置により、一例として、調合液を1〜8℃/秒の速度で、冷却装置の出口で3〜15℃まで冷却する。冷却速度は、より望ましくは1〜7℃/秒であり、更に望ましくは1〜5℃/秒である。冷却速度が遅すぎると、粒状結晶が発生しやすくなる場合があり、また冷却速度が速すぎると、不必要により大きな冷却エネルギーが必要となる場合がある。
冷却装置を出た油中水型乳化油脂組成物は、B塔と呼ばれるピンマシンを通過させた後、ダンボールケースへ流し込まれる。その後、必要に応じてエージングないしテンパリングが行われた後冷蔵される。なお、目標とする結晶量を得るために、少なくとも24〜48時間程度の冷蔵時間を要する場合がある。
なお、実施態様がショートニングである場合は、水相の調製を行わず、それ以外はマーガリンと同様にコンビネーター等の油中水型乳化油脂組成物製造装置へ供し、適宜ガスを注入すれば、同様に得ることができる。
本発明の油脂組成物は、特に焼菓子とチョコレート類を組み合わせたような各種複合菓子の焼菓子練りこみ用に使用するのが好ましい。複合菓子としては、焼菓子表面にチョコレート類をコーチングしたもの、焼菓子と板状チョコレートを接着した形状のもの、焼菓子と焼菓子の間にチョコレート類をサンドしたもの、焼菓子の生地中にチップ状やブロック状のチョコレート類を散りばめたもの、焼菓子中空部にチョコレート類を充填したものなどが例示できる。
なお、上記のチョコレート類とは、油脂が連続相を為すもので、チョコレートやチョコレート様食品が挙げられ、またチョコレートは、「チョコレート類の表示に関する公正競争規約」(昭和46年3月29日、公正取引委員会告示第16号)による「チョコレート生地」及び「準チョコレート生地」を含むものであって、カカオ豆から調製したカカオマス、ココアバター、ココアパウダー及び糖類を原料とし、必要により他の食用油脂、乳製品、香料等を加え、通常のチョコレート製造の工程を経たものをいう。上記チョコレート様食品とは、物性改良や製造コストの節約等の目的にて、ココアバターの一部または全部に代えて他の油脂(CBEと称される1,3位飽和、2位不飽和のトリグリセリド型油脂に富むものと、CBRと称されるラウリン系もしくは高エライジン酸タイプのハードバター、さらには菓子類、パン類、冷菓類のコーチング用には用途に合わせて高融点〜低融点の各種油脂や液状油)を使用したものが挙げられる。
以下、実施例等により本発明の実施形態をより具体的に記載する。
○油脂組成物の調製
実施例1〜8、比較例1〜4
表1の配合において、以下の「ショートニング調製方法」に記載の方法により、各ショートニングを調製した。
表1 各種ショートニングの配合
Figure 2014050322
「各エステル交換油脂の調製」
(エステル交換油脂Aの調製)
パーム油(ヨウ素価52)27重量%、パームオレイン(ヨウ素価57)65重量%、およびなたね極度硬化油8質 量%からなる配合油を、ナトリウムメチラートによりランダムエステル交換を行いエステル交換油脂A(SSS含量11.6重量%、DG含量6.8重量%、上昇融点40℃、パルミチン酸含量39重量%、ステアリン酸含量7重量%)を得た。

(エステル交換油脂Bの調製)
ヤシ油(ヨウ素価9)50重量%、パームステアリン(ヨウ素価40)40重量%、およびなたね極度硬化油10質量%からなる配合油を、ナトリウムメチラートによりランダムエステル交換を行いエステル交換油脂B(SSS含量10.8重量%、DG含量14.4重量%、上昇融点34℃、パルミチン酸含量32.1重量%、ステアリン酸含量7.6質 量%)を得た。本エステル交換油は、本発明のエステル交換油(1)として利用した。

(エステル交換油脂Cの調製)
パームスーパーオレイン(ヨウ素価67)をナトリウムメチラートによりランダムエステル交換を行い、エステル交換油脂C(SSS含 量4.6重量%、DG含量9.5重量%、上昇融点34℃、パルミチン酸含量31.4重量%、ステアリン酸含量3.2重量%)を得た。

(エステル交換油脂Dの調製)
パーム油(ヨウ素価52)59重量%、パームステアリン(ヨウ素価40)20重量%、パーム極度硬化油(ヨウ素価1以下)21重量%からなる配合油を、ナトリウムメチラートによりランダムエステル交換を行い、さらにアセトン分別により高融点部を除去し、エステル交換油Dを得た(SSS含量0.6重量%、DG含量13.4重量%、上昇融点26℃、パルミチン酸含量31重量%、ステアリン酸含量7.3質 量%)。本エステル交換油は、本発明のエステル交換油(2)として利用した。
「ショートニング調製方法」
1.配合に記載の油脂を60〜70℃で融解して混合し「調合油」とした。
2.調合油を油中水型乳化油脂組成物製造装置(コンビネーター)へ供し、油中水型乳化油脂組成物を得た。
3.ダンボールケースへ充填し、3〜7℃にて冷蔵した。
○複合菓子の白色化評価
実施例9〜16、比較例5〜8
表2に記載の油脂組成物をそれぞれ使用して、表3の配合にて、「焼菓子の調製法」に従い、焼菓子を調製した。
得られた焼菓子を用い、「複合菓子の白色化評価法」に従い、白色化評価を行った。
結果を表5に示す。
表2 焼菓子に使用した油脂組成物
Figure 2014050322
表3 焼菓子の配合
Figure 2014050322
「焼菓子の調製法」
1.各種油脂組成物対粉40部と上白糖対粉30部を混合し、ケンミキサーを使用して攪拌し、比重を0.85まで下げた。
2.攪拌しながら、卵7部、炭酸アンモニウム0.2部、重曹0,2部、水5部を加え、比重を0.8にした。
3.小麦粉を加え、軽く混ぜた後に、生地を冷蔵庫(3−7℃)で1h以上休ませた。
4.冷蔵庫で休ませた生地を5mm厚に展延し、型でぬいて180℃で15分焼成し、クッキー(一枚約7.5g)を得た。
「複合菓子の白色化評価法」
1.スイートチョコレート(不二製油株式会社製)を湯煎にて溶解し、32℃でチョコシードA(不二製油株式会社製)を0.2%加えた後均質化した。
2.焼成したクッキーを20℃で20分間冷却後に、溶解したチョコレートにクッキー表面が見える程度に埋没させ、チョコレート複合菓子を得た。
。(7.5gのクッキーに対し、22.5gのチョコレート)。
3. 得られた複合菓子を18℃/27℃サイクル(12時間/12時間)の温度サイクルをかけ、インキュベータ中で保存テストを行い、クッキーの白変化状態を確認した。
4.5日後、焼き菓子表面の状態を熟練した評価者3名で確認し、3名の合意により点数付けした。評価基準は、調製直後と変化がない状態を1点とし、ほぼ変化はないが焼き菓子表面に油脂結晶の小さな斑点がみられる状態を2点、全体に僅かな白色化が見られる状態を3点、全体に明確に白色化が確認できる状態を4点、全体が完全に白色化し、焼き菓子が白くカサついた状態を5点。3点以下を合格とした。
表4 スイートチョコレートの配合
Figure 2014050322
注:「メラノNEWSS7」は不二製油株式会社製のココアバター代用脂である。
表5 白色化評価結果
Figure 2014050322
これまでに示したように「SSSが8.0重量%以下であり、かつ油相中のDGが8.0〜14.0重量%である、複合菓子の焼菓子練り込み用油脂組成物」である実施例1−8を使用した実施例9〜16は、焼き菓子に対してチョコレートの比率が高く、また温度サイクルをかけた保管条件という、焼き菓子からチョコレートへの油脂の移行が起こりやすい非常に厳しい試験条件下において、焼き菓子の白色化を顕著に抑えることができた。特に、エステル交換油(1)及び(2)を配合して、「SSSが8.0重量%以下であり、かつ油相中のDGが8.0〜14.0重量%である、複合菓子の焼菓子練り込み用油脂組成物」とした実施例9〜12及び実施例14において優れた焼き菓子の白色化抑制効果を得ることができた。比較例5,6のようにDGが適量存在していてもSSS含量が多くなると、白色化は発生してしまう結果であった。また、比較例7,8のようにDGが多すぎても少なすぎても、白色化がみられる結果となった。
本発明により、焼菓子とチョコレート類が組み合わされた複合菓子の焼菓子練り込み用であって、該焼き菓子表面に粉をふいたような白色化(ブルーム)が発生するのを抑制する効果を有する油脂組成物を得ることができ、当該油脂組成物を使用することにより、白色化が抑制された複合菓子を提供することができる。

Claims (6)

  1. 油相中にトリ飽和脂肪酸トリグリセリド(SSS:Sはパルミチン酸またはステアリン酸)を3〜8重量%及びジグリセリド(DG)を8〜14重量%を含有する、焼菓子練りこみ用油脂組成物。
  2. 油相中、SSS/DGの重量比が0.25〜0.65である、請求項1記載の焼菓子練り込み用油脂組成物。
  3. 上昇融点が20℃以上であって、SSSを0.1〜1.5重量%、DGを10〜22重量%含有するエステル交換油(1)を、油相中に2〜60重量%含有し、かつ、ラウリン系油脂40〜70%、パーム系油脂20〜50%、菜種又は大豆極度硬化油5〜15%のブレンド油のエステル交換油(2)を油相中に10〜50重量%含有する、請求項1〜2のいずれか1項に記載の焼菓子練り込み用油脂組成物。
  4. 請求項3記載のエステル交換油(2)を構成する脂肪酸に占めるパルミチン酸の含量が10〜45重量%であり、且つステアリン酸の含量が5〜10重量%である、請求項3記載の焼菓子練り込み用油脂組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の油脂組成物を焼菓子練り込みに使用した、複合菓子。
  6. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の油脂組成物を焼菓子練り込みに使用する、複合菓子の白色化抑制方法。
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