JP2014037647A - メルトブローン不織布を含む吸音材 - Google Patents

メルトブローン不織布を含む吸音材 Download PDF

Info

Publication number
JP2014037647A
JP2014037647A JP2012180486A JP2012180486A JP2014037647A JP 2014037647 A JP2014037647 A JP 2014037647A JP 2012180486 A JP2012180486 A JP 2012180486A JP 2012180486 A JP2012180486 A JP 2012180486A JP 2014037647 A JP2014037647 A JP 2014037647A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
nonwoven fabric
absorbing material
mol
sound absorbing
mass
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2012180486A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6030381B2 (ja
Inventor
Eiichiro Nakamura
英一郎 仲村
Kazuhide Oka
和英 岡
Hitoshi Nakatsuka
均 中塚
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kuraray Co Ltd filed Critical Kuraray Co Ltd
Priority to JP2012180486A priority Critical patent/JP6030381B2/ja
Publication of JP2014037647A publication Critical patent/JP2014037647A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6030381B2 publication Critical patent/JP6030381B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Soundproofing, Sound Blocking, And Sound Damping (AREA)
  • Building Environments (AREA)
  • Vehicle Interior And Exterior Ornaments, Soundproofing, And Insulation (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Artificial Filaments (AREA)
  • Nonwoven Fabrics (AREA)

Abstract

【課題】耐熱性に優れかつ騒音の吸音性能や表面の耐摩耗性にも著しく優れた新規な吸音材を提供する。
【解決手段】共重合ポリエチレンテレフタレート樹脂80質量%〜20質量%とポリブチレンテレフタレート20質量%〜80質量%との混合物からなる微細繊維が実質的に平面状に集積されてなる見掛密度0.1〜0.4g/cm3、目付5〜300g/m2のメルトブローン不織布と、該不織布の少なくとも片面に単繊維繊度1〜11dtexのポリエステル繊維からなる目付10〜100g/m2のスパンボンド不織布とが積層された厚み5〜50mmの積層体からなり、該スパンボンド不織布が最表面に配されていることを特徴とする吸音材。
【選択図】なし

Description

本発明は、メルトブローン不織布を含む繊維集合体からなる吸音材に関する。
自動車のエンジンルームや家電製品等に内包される吸音材として、従来は単層の有機、無機の繊維集積体が多く用いられている。これらの繊維集積体は、発生する騒音を吸収し減衰させる作用を有しているが、その効果は必ずしも充分でなく不満足なものが多かった。また、目付の非常に小さい極細繊維層を表面層とする二層以上の繊維集積体からなる吸音材が提案されている(例えば、特許文献1参照)が、吸音特性が必ずしもよくないと言う欠点があった。
特開2002−161464号公報
本発明は、前記のような問題を解決しようとするものであり、耐熱性に優れかつ騒音の吸音性能や表面の耐摩耗性にも著しく優れた新規な吸音材を提供することを目的とするものである。
本発明者は上記の課題を種々検討した結果、特定の見かけ密度を有し構成繊維が平面状に集積されてなる緻密構造のメルトブローン不織布と他の繊維集合体とを、メルトブローン不織布の平面状態を保ったまま接合一体化することにより、吸音性能が飛躍的に向上し上記課題が解決できることを見出した。またメルトブローン不織布は表面の耐摩耗性が小さいので、用途によってはこのままでは実用上問題があるが、その解決手段としてその片面或は両面に摩耗強度および耐熱性に優れたポリエステルスパンボンド不織布を被覆一体化させ最表面に配置することによって、実用性能が一段と向上することを見出し本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は共重合ポリエチレンテレフタレート樹脂80質量%〜20質量%とポリブチレンテレフタレート20質量%〜80質量%との混合物からなる微細繊維が実質的に平面状に集積されてなる見掛密度0.1〜0.4g/cm3、目付5〜300g/m2のメルトブローン不織布と、該不織布の少なくとも片面に単繊維繊度1〜11dtexのポリエステル繊維からなる目付10〜100g/m2のスパンボンド不織布とが積層された厚み5〜50mmの積層体からなり、該スパンボンド不織布が最表面に配されていることを特徴とする吸音材であり、好ましくは共重合ポリエチレンテレフタレート樹脂がジカルボン酸成分とグリコール成分からなる上記の吸音材であり、より好ましくは共重合ポリエチレンテレフタレート樹脂が、ジカルボン酸のうち、75モル%以上がテレフタル酸成分であり、1.0モル%〜3.5モル%が下記式(I)で表される化合物由来の成分であり、2.0モル%〜10.0モル%がシクロヘキサンジカルボン酸成分であり、かつ2.0モル%〜8.0モル%が脂肪族ジカルボン酸成分であることを特徴とする上記のメルトブローン不織布である上記の吸音材である。
Figure 2014037647
また本発明は、好ましくは上記吸音材を用いてなる車輌、電気製品あるいは壁層材である。
本発明の吸音材は、従来の吸音材と異なり、特定の見かけ密度及び目付を有する少なくとも一層のメルトブローン不織布を含むため吸音性能に非常に優れるものである。また該メルトブローン不織布の表面には、耐摩耗性に優れたポリエステルスパンボンド不織布が配されているため耐久性など実用性にも優れたものである。
本発明のメルトブローン不織布に用いられる共重合ポリエチレンテレフタレート(以下、PETと称す)樹脂は、ジカルボン酸成分とグリコール成分からなる共重合ポリエステルである。当該共重合PET樹脂は、エチレンテレフタレート単位を主たる繰り返し単位とするポリエステルであり、ジカルボン酸成分の内、その繰り返し単位の75モル%以上がテレフタル酸成分であり、テレフタル酸成分の他に少なくとも3種以上の共重合成分からなることが好ましい。
さらに本発明においては、上記共重合PETがジカルボン酸とグリコール成分からなり、該ジカルボン酸成分のうち、75モル%以上がテレフタル酸成分であり、1.0モル%〜3.5モル%が下記式(I)で表される化合物由来の成分であり、2.0モル%〜10.0モル%がシクロヘキサンジカルボン酸成分であり、2.0モル%〜8.0モル%が脂肪族ジカルボン酸成分であることを特徴とするポリエステル繊維で構成されていることが好ましい。
Figure 2014037647
上記式(I)で表されるスルホイソフタル酸の金属塩(A)としては、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、又は5−カリウムスルホイソフタル酸、5−リチウムスルホイソフタル酸等のスルホン酸アルカリ金属塩基を有するジカルボン酸成分;5−テトラブチルホスホニウムスルホイソフタル酸、5−エチルトリブチルホスホニウムスルホイソフタル酸などの5−テトラアルキルホスホニウムスルホイソフタル酸などを挙げることができる。
上記式(I)で表されるスルホイソフタル酸の金属塩(A)は1種類のみをポリエステル中に共重合させても、また2種以上を共重合させてもよい。
上記式(I)で表されるスルホイソフタル酸の金属塩(A)を共重合させることにより、従来のポリエステル繊維に比べて繊維内部構造に非晶部分を保有させることができ、その結果、分散染料及びカチオン染料に対して常圧染色が可能となる。
上記式(I)で表されるスルホイソフタル酸の金属塩(A)の共重合量が1.0モル%未満の場合、カチオン染料で染色したときに鮮明で良好な色調になるカチオン染料可染性ポリエステルを得ることができない。一方、(A)の共重合量が3.5モル%を超えると、ポリエステルの増粘が著しくなって紡糸が困難になり、しかもカチオン染料の染着座席の増加により繊維に対するカチオン染料の染着量が過剰になって、色調の鮮明性がむしろ失われる。染色物の鮮明性および紡糸性等の点から、(A)の共重合量は1.2〜3.0モル%であるのが好ましく、1.5〜2.5モル%であるのがより好ましい。
また、本発明は、ジカルボン酸成分のうちシクロヘキサンジカルボン酸及び/又はそのエステル形成性誘導体が2.0〜10.0モル%、好ましくは5.0〜10.0モル%、また脂肪族ジカルボン酸及び/又はそのエステル形成性誘導体が2.0〜8.0モル%、好ましくは3.0〜6.0モル%共重合されていることが好ましい。
シクロヘキサンジカルボン酸又はそのエステル形成性誘導体(以下、シクロヘキサンジカルボン酸成分と称することもある)をPETに共重合した場合、結晶構造の乱れが小さい特徴を有しているため、高い染着率を確保しながら、耐光堅牢性にも優れた繊維を得ることができる。
シクロヘキサンジカルボン酸成分を共重合化することによって、ポリエステル繊維の結晶構造に乱れが生じ、非晶部の配向は低下する。そのため、メルトブローンにて不織布を製造するのに適しているとともに、カチオン染料及び分散染料の繊維内部への浸透が容易となり、カチオン染料及び分散染料の常圧可染性を向上させることが可能となる。更に、シクロヘキサンジカルボン酸成分は他の脂肪族ジカルボン酸に比べ結晶構造の乱れが小さいことから、耐光堅牢性にも優れたものとなる。
シクロヘキサンジカルボン酸成分の共重合量がジカルボン酸成分において2.0モル%未満では、繊維内部における非晶部位の配向度が高くなるので、常圧環境下での染色性が不足し、目的の染着率が得られないので好ましくない。また、ジカルボン酸成分において10.0モル%を超えた場合、樹脂のガラス転移温度が低いことと繊維内部における非晶部位の配向度が低いことによって、安定なメルトブローン不織布を得ることができない。
本発明に用いられるシクロヘキサンジカルボン酸には、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸の3種類の位置異性体があるが、本発明の効果が得られる点からはどの位置異性体が共重合されていても構わないし、また複数の位置異性体が共重合されていても構わない。また、それぞれの位置異性体について、シス/トランスの異性体があるが、いずれの立体異性体を共重合しても、あるいはシス/トランス双方の位置異性体が共重合されていても構わない。シクロヘキサンジカルボン酸誘導体についても同様である。
脂肪酸ジカルボン酸及びそのエステル形成性誘導体成分についてもシクロヘキンジカルボン酸成分と同様に、ポリエステル繊維の結晶構造に乱れが生じ、非晶部の配向が低下するため、メルトブローンにて不織布を製造するのに適しているとともに、カチオン染料及び分散染料の繊維内部への浸透が容易となり、常圧可染性を向上させることが可能となる。
ジカルボン酸成分中の脂肪酸成分の共重合量が2.0モル%未満では、繊維内部における非晶部位の配向度が高くなるので、常圧環境下での分散染料に対する染色性が不足し、目的の染着率が得られないため好ましくない。また、ジカルボン酸成分中の脂肪酸成分の共重合量が8.0モル%を超えた場合、繊維内部における非晶部位の配向度が低くなり、安定なメルトブローン不織布を得ることができないので好ましくない。
本発明の脂肪族ジカルボン酸成分として好ましく用いられるものとしては、アジピン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸などの脂肪族ジカルボン酸が例示できる。これらは単独又は2 種類以上を併用することもできる。
本発明におけるメルトブローン不織布の常圧可染性や品位を落とすことのない範囲であれば、テレフタル酸成分、シクロヘキサンジカルボン酸成分、及び脂肪族ジカルボン酸成分以外の他のジカルボン酸成分を共重合しても良い。具体的には、イソフタル酸やナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸成分又はそのエステル形成誘導体を単独であるいは複数の種類を合計10.0モル%以下の範囲で共重合化させてもよい。
しかし、これらの成分を共重合化させることでエステル交換反応、重縮合反応が煩雑になるばかりでなく、共重合量が適正範囲を超えると洗濯堅牢性を低下させることがある。具体的には、イソフタル酸およびそのエステル形成性誘導体がジカルボン酸成分に対して10モル%を越えて共重合させると、本発明の構成要件を満足させたとしても、洗濯堅牢特性を低下させる恐れがあり、5モル%以下での使用が望ましく、さらに望ましくは0モル%であること(共重合化しないこと)がより望ましい。
更に、本発明の共重合PET樹脂には、それぞれ、酸化チタン、硫酸バリウム、硫化亜鉛などの艶消剤、リン酸、亜リン酸などの熱安定剤、あるいは光安定剤、酸化防止剤、酸化ケイ素などの表面処理剤などが添加剤として含まれていてもよい。熱安定剤を用いることで加熱溶融時やその後の熱処理における熱分解を抑制できる。また、光安定剤を用いることで繊維の使用時の耐光性を高めることができ、表面処理剤を用いることで染色性を高めることも可能である。
これら添加剤は、共重合PET樹脂を重合によって得る際に、重合系内にあらかじめ加えておいても良い。ただし、一般に酸化防止剤などは重合末期に添加するほうが好ましく、特に重合系に悪影響を与える場合や、重合条件下で添加剤が失活する場合はこちらが好ましい。一方、艶消剤、熱安定剤などは重合時に添加するほうが均一に樹脂重合物内に分散しやすいため好ましい。
本発明の共重合PET樹脂は、固有粘度0.55〜0.7であるが、好ましくは0.58〜0.68、より好ましくは0.58〜0.60である。固有粘度が0.7を上回ると、メルトブローン時にその結晶化度を十分に高めることができず、そのため熱安定性が低い、即ち、ガラス転移点以上の70〜80℃を越える温度下にフリーでおかれた場合には繊維が大きく収縮して実用上極めて大きな問題となってしまう。また、固有粘度が0.55を下回ると紡糸中に断糸しやすく生産性が乏しくなるばかりでなく、得られた繊維の強度も低いものとなる。
本発明の吸音材に使用されるメルトブローン不織布は、共重合PET樹脂80質量%〜20質量%とポリブチレンテレフタレート20質量%〜80質量%との混合物からメルトブローン法により製造される平均繊維径が10μm以下の繊維からなり、構成繊維が実質的に平面状に集積していることが重要である。メルトブローン法によって平均繊維直径が10μmを超える不織布を得ることは可能であるが、平均繊維径が10μmを超えるメルトブローン不織布では本発明の目的を達成することはできない。2μm〜8μmの平均繊維径を持つ繊維からなるメルトブローン不織布を使用することがより好ましい。
上記したように、本発明に用いられる樹脂は共重合PET樹脂とポリブチレンテレフタレートの混合物である。汎用のPETのみのメルトブローン不織布はたとえば120℃の乾燥炉で処理すると40%も収縮し、充分な耐熱性をもっていない。一方ポリブチレンテレフタレートのみのメルトブローン不織布は熱カレンダーや熱エンボスによって、市中で簡単に入手できるポリエステルスパンボンド不織布に接着しない。ところが本発明によれば、共重合PET樹脂80質量%〜20質量%とポリブチレンテレフタレート20質量%〜80質量%とを混合し、これをメルトブローンすることによって、耐熱性に優れ、しかもポリエステルスパンボンド不織布と熱圧着により容易に接着するメルトブローン不織布が得られる。混合割合がこの範囲外の場合は耐熱性と接着性の双方を同時に満足するメルトブローン不織布は得られない。
本発明に用いられるメルトブローン不織布の見かけ密度は、0.1〜0.4g/cm3の範囲にあることが必要である。見かけ密度が0.1g/cm3未満になると吸音効果が著しく損なわれる結果となる。また見かけ密度が0.4g/cm3を超えると逆に吸音効果が低下してしまい好ましくない。
メルトブローン不織布の目付は、5〜300g/m2の範囲好ましくは10〜100g/m2にあることが望ましい。目付が5g/m2未満になると、内面の繊維集合体と接合一体化した場合に充分な吸音効果を発現することが出来ない。また目付が300g/m2を越えるとコスト高になって実用性に欠ける。
さらに、本発明の吸音材においてメルトブローン不織布は、不織布製造工程で集積ネットなどの捕集面上に平面状に集積され、繊維は三次元方向には殆ど配列していない。得られた極細繊維からなるメルトブローン不織布は一般に表面の摩耗強度が弱いので、このままの状態で吸音材の表面層として用いた場合、取り扱い中や使用中に摩擦によって繊維が切断等で損耗してしまい、メルトブローン不織布としての役割を失ってしまう。
このような欠点を補うために、本発明者らは摩耗強度の優れたポリエステルスパンボンド不織布を用いてメルトブローン不織布の片面或は両面を被覆すると極めて効果的であることを見出した。すなわち、目付が10〜100g/m2で単繊維繊度が1〜11dtexのポリエステル繊維からなるスパンボンド不織布をメルトブローン不織布の表面に配することによって、表面摩耗強度が著しく向上し吸音材の吸音性能が長期間にわたって維持されるものである。更にポリエステルスパンボンド不織布は200℃以上の融点を有しており、耐熱性の面からも望ましい素材である。
メルトブローン不織布とポリエステルスパンボンド不織布の接着は熱エンボスや熱カレンダーによって行うことが望ましい。熱エンボスカレンダーによって接着する場合、エンボス面積は50%以下、特に15%以下であることが望ましい。なぜなら、エンボス部分は通常フイルム化しやすく、この様なメルトブローン不織布のフイルム部分は吸音効果が繊維部分と比べて低くなるためできるだけ少ない方が望ましいからである。
本発明の吸音材は、メルトブローン不織布の少なくとも一面にポリエステルスパンボンド不織布を積層し、スパンボンド不織布側が最表面にくるように吸音材として使用するものであるが、メルトブローン不織布の片面にのみスパンボンド不織布を積層する場合、メルトブローン不織布のもう一方の面には必要に応じて他の繊維集合体(基層)を積層させてもよい。
この場合の基層の繊維集合体としては、有機、無機の天然繊維や合成繊維を適宜用いることができる。この繊維ウエブは、スパンボンド法やカード法などによる乾式法、あるいは抄紙による湿式法などによって製造することができる。このような手法で準備された繊維ウエブは、含浸やスプレーなどによる樹脂接着や融着繊維による熱溶融接着、或はニードルパンチや水流絡合などの機械的絡合及びこれらの組み合わせなど種々の手段で結合されて繊維集合体となる。ただし、好ましい形態はニードルパンチや水流絡合など繊維が三次元に絡合されたものではなく、できるだけ平面状に集積された繊維集合体が好ましい。この繊維集合体の見かけ密度は0.01〜0.10g/cm3、目付は30〜2000g/m2にあることが望ましい。見かけ密度が0.01g/cm3より小さいとメルトブローン不織布を支持する剛性に欠け、吸音材全体が変形してしまう場合がある。一方、0.10g/cm3より大きい場合は吸音特性が低下する場合がある。目付が30g/m2未満である場合にも、同様に剛性の面で不充分な結果をもたらし好ましくない。逆に目付が2000g/m2を超えると剛性が大きくなりすぎて、積層体の加工が困難になってしまい好ましくない。
基層と、メルトブローン不織布とポリエステルスパンボンド不織布とは接合によって一体化されることが好ましい。接合はホットメルトや接着ネット、パウダーなどの樹脂接着剤や融着繊維などが主に用いられるが、この場合の重ね合わせの層数には特に制限はない。メルトブローン不織布、基層となる繊維集合体、ポリエステルスパンボンド不織布のいずれも、本発明で規定する目付や吸音材の厚みの条件を満たす範囲であれば、吸音性能の要求度等の具体的な使用態様に応じ、一層に限らず必要に応じて二層以上積層しても差し支えない。
メルトブローン不織布と繊維集合体との層間接合において注意すべきことは、例えば、ニードルパンチなどの機械的な絡合手段はできるだけは避けたほうがよい。このような手段では、互いの層を貫通する針の作用によって、緻密なメルトブローン不織布に開孔が生じてしまう。また、平面状に集積していたメルトブローン不織布の構成繊維が上記手段の作用により立体状三次元的に再配列するようになる。これらの2点はいづれも吸遮音性能に極めて悪い影響をもたらす。従って、層同志の接合においてはメルトブローン不織布の二次元的繊維配列をできるだけ損なわないように行う必要がある。
本発明の吸音材の全体厚みは5〜50mmである。厚みが5mm未満の場合、吸音性能に充分な効果が得られず好ましくない。また、厚みが50mmを超えると吸音性能の点では好ましいが、吸音材として使用する場合その設置スペースが過大となり商品設計上望ましくなく、更には切断、成型など加工の面でも扱い難くなるので好ましくないし過剰の性能を付与することは不経済でもある。
このようにして得られる本発明の吸音材は、耐熱性に優れ、かつ騒音等の吸音性能に優れており、自動車等の車輌のエンジンルームや家電製品等に内包される吸音材として、また、建築物の壁装材、ハウスラップ等に使用することができる。
次に本発明をより具体的に説明するために以下に本発明の実施例を示すが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[実施例1および比較例1]
ジカルボン酸成分のうち88.3モル%がテレフタル酸であり、5−ナトリウムスルホイソフタル酸を1.7モル%、且つ1,4−シクロヘキサンジカルボン酸を5.0モル%、アジピン酸を5.0モル%それぞれ含んだ全カルボン酸成分とエチレングリコール、及び所定の添加剤とでエステル交換反応及び重縮合反応を行い、共重合ポリエチレンテレフタレート樹脂重合物を得た。
上記共重合体ポリエチレンテレフタレート樹脂/ポリブチレンテレフタレートの配合比率が40/60であるポリマーブレンドからなる目付35g/m2のメルトブローン不織布を準備した。この不織布の平均繊維径は4.2ηmであり、見かけ密度は0.25g/cm3であった。次に、単繊維繊度が6.2dtexのポリエステル繊維からなる目付20g/m2のスパンボンド不織布を用意して、該メルトブローン不織布の表面に積層し、エンボスカレンダーを用いて両者を部分接着した。このドット状パターンによる熱エンボスカレンダー接着におけるエンボス面積は4.1%であった。
次に13dtexで51mmカット長のポリエステル繊維40質量%と、3.3dtexで40mmカット長のポリエステル繊維45質量%と、ポリエチレンテレフタレートを芯成分とし軟化点約170℃である共重合ポリエステルを鞘成分とする2.2dtexの複合ポリエステル繊維15質量%からなる目付200g/m2及び目付265g/m2の2種のカードウエブを準備した。次いで、目付200g/m2のカードウエブを180℃のドライヤーを通して熱融着加工を行った。見掛け密度は0.017g/cm3であった。引き続き、この不織布の表面に目付10g/m2のポリアミド溶融接着ネット、前記メルトブローン不織布、ポリエステルスパンボンド不織布の順番に重ねてあわせ、そのまま加熱ロール間を通過させて融着接合して一体化し目付265g/m2の繊維積層体を得た。
ここで得られた目付265g/m2の繊維積層体(実施例1、厚み13mm)と前述の目付265g/m2のカードウエブを熱処理することによって得た不織布(比較例1、厚み15mm)の吸音性能をJIS A1409の残響室法吸音率測定法によって調べたところ、前者は後者の1000ヘルツの領域で約3割、3000ヘルツでは約5割以上良好な吸音性能を示し、優れた吸音材であることが判明した。また、この吸音材は表面の摩耗強度にも優れており、実用上耐久性に何ら問題がないことが分かった。
[実施例2]
単繊維繊度13dtexでカット長51mmのポリエステル繊維38質量%、単繊維繊度3.3dtexでカット長51mmのポリビニルアルコール繊維50質量%、および実施例1で用いた単繊維繊度2.2dtexの共重合ポリエチレンテレフタレート繊維12質量%からなるカードウエブを作成し、該ウエブを熱風処理して15mm、目付250g/m2のフエルトを得た。一方、実施例1で用いられたメルトブローン不織布とポリエステルスパンボンド不織布とのラミネート不織布を用い、メルトブローン不織布面にシンター法によってエチレン-酢酸ビニル系ホットメルト接着剤を30g/m2の割合で塗布した。つぎに上記フエルトとメルトブローン不織布とを、ホットメルト接着剤塗布面が中間となるように積層し熱カレンダーによって両者を接着した。得られた積層体は厚さ14mmで実施例1と同様の優れた吸音性能及び表面摩耗強度を有していた。
本発明の吸音材は、耐熱性に優れ、かつ騒音等の吸音性能に優れており、自動車等の車輌のエンジンルームや家電製品等に内包される吸音材として、また、建築物の壁装材、ハウスラップ等に使用することができる。

Claims (6)

  1. 共重合ポリエチレンテレフタレート樹脂80質量%〜20質量%とポリブチレンテレフタレート20質量%〜80質量%との混合物からなる微細繊維が実質的に平面状に集積されてなる見掛密度0.1〜0.4g/cm3、目付5〜300g/m2のメルトブローン不織布と、該不織布の少なくとも片面に単繊維繊度1〜11dtexのポリエステル繊維からなる目付10〜100g/m2のスパンボンド不織布とが積層された厚み5〜50mmの積層体からなり、該スパンボンド不織布が最表面に配されていることを特徴とする吸音材。
  2. 共重合ポリエチレンテレフタレート樹脂がジカルボン酸成分とグリコール成分からなる請求項1記載の吸音材。
  3. 共重合ポリエチレンテレフタレート樹脂が、ジカルボン酸のうち、75モル%以上がテレフタル酸成分であり、1.0モル%〜3.5モル%が下記式(I)で表される化合物由来の成分であり、2.0モル%〜10.0モル%がシクロヘキサンジカルボン酸成分であり、2.0モル%〜8.0モル%が脂肪族ジカルボン酸成分であることを特徴とする請求項1または2記載の吸音材。
    Figure 2014037647
  4. 請求項1〜3のいずれか記載の吸音材を用いてなる車輌。
  5. 請求項1〜3のいずれかに記載の吸音材を用いてなる電気製品。
  6. 請求項1〜3のいずれかに記載の吸音材からなる壁装材。
JP2012180486A 2012-08-16 2012-08-16 メルトブローン不織布を含む吸音材 Active JP6030381B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012180486A JP6030381B2 (ja) 2012-08-16 2012-08-16 メルトブローン不織布を含む吸音材

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012180486A JP6030381B2 (ja) 2012-08-16 2012-08-16 メルトブローン不織布を含む吸音材

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014037647A true JP2014037647A (ja) 2014-02-27
JP6030381B2 JP6030381B2 (ja) 2016-11-24

Family

ID=50285984

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012180486A Active JP6030381B2 (ja) 2012-08-16 2012-08-16 メルトブローン不織布を含む吸音材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6030381B2 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106042572A (zh) * 2016-07-06 2016-10-26 西南交通大学 一种高速列车座椅用面料及其制造方法
CN108407396A (zh) * 2018-04-11 2018-08-17 上海捷英途新材料科技有限公司 一种带有空气腔体层的吸音棉材料
CN108611766A (zh) * 2018-06-04 2018-10-02 大连华阳新材料科技股份有限公司 一种纺粘平板非织造布狭缝牵伸生产方法
WO2019004408A1 (ja) * 2017-06-30 2019-01-03 エム・テックス株式会社 遮音用繊維集積体、吸遮音材および車両用吸遮音材
WO2020122205A1 (ja) * 2018-12-13 2020-06-18 旭化成株式会社 不織布、該不織布の積層不織布、及びこれらを表皮材として用いた複合吸音材
KR20200088443A (ko) * 2017-12-22 2020-07-22 아사히 가세이 가부시키가이샤 부직포, 및 이것을 표피재로서 이용한 복합 흡음재

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002069824A (ja) * 2000-09-06 2002-03-08 Kuraray Co Ltd メルトブローン不織布を含む吸音材
JP2010180273A (ja) * 2009-02-03 2010-08-19 Teijin Fibers Ltd 常圧カチオン可染性共重合ポリエステル組成物
WO2011068195A1 (ja) * 2009-12-04 2011-06-09 株式会社クラレ 常圧可染ポリエステル繊維及びその製造方法

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002069824A (ja) * 2000-09-06 2002-03-08 Kuraray Co Ltd メルトブローン不織布を含む吸音材
JP2010180273A (ja) * 2009-02-03 2010-08-19 Teijin Fibers Ltd 常圧カチオン可染性共重合ポリエステル組成物
WO2011068195A1 (ja) * 2009-12-04 2011-06-09 株式会社クラレ 常圧可染ポリエステル繊維及びその製造方法

Cited By (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106042572B (zh) * 2016-07-06 2018-06-19 西南交通大学 一种高速列车座椅用面料及其制造方法
CN106042572A (zh) * 2016-07-06 2016-10-26 西南交通大学 一种高速列车座椅用面料及其制造方法
WO2019004408A1 (ja) * 2017-06-30 2019-01-03 エム・テックス株式会社 遮音用繊維集積体、吸遮音材および車両用吸遮音材
TWI687330B (zh) * 2017-06-30 2020-03-11 日商艾姆特克斯股份有限公司 車輛用吸音隔音材料
JP7298049B2 (ja) 2017-06-30 2023-06-27 エムテックスアジア プライベート リミテッド 遮音用繊維集積体、吸遮音材および車両用吸遮音材
JPWO2019004408A1 (ja) * 2017-06-30 2020-10-01 エム・テックス株式会社 遮音用繊維集積体、吸遮音材および車両用吸遮音材
KR102343534B1 (ko) 2017-12-22 2021-12-28 아사히 가세이 가부시키가이샤 부직포, 및 이것을 표피재로서 이용한 복합 흡음재
KR20200088443A (ko) * 2017-12-22 2020-07-22 아사히 가세이 가부시키가이샤 부직포, 및 이것을 표피재로서 이용한 복합 흡음재
EP3730684A4 (en) * 2017-12-22 2021-01-13 Asahi Kasei Kabushiki Kaisha NON-WOVEN FABRIC AND SOUND-ABSORBING COMPOSITE MATERIAL USED AS SKIN MATERIAL
CN108407396A (zh) * 2018-04-11 2018-08-17 上海捷英途新材料科技有限公司 一种带有空气腔体层的吸音棉材料
CN108611766A (zh) * 2018-06-04 2018-10-02 大连华阳新材料科技股份有限公司 一种纺粘平板非织造布狭缝牵伸生产方法
JPWO2020122205A1 (ja) * 2018-12-13 2021-09-02 旭化成株式会社 不織布、該不織布の積層不織布、及びこれらを表皮材として用いた複合吸音材
JP7145231B2 (ja) 2018-12-13 2022-09-30 旭化成株式会社 不織布、該不織布の積層不織布、及びこれらを表皮材として用いた複合吸音材
WO2020122205A1 (ja) * 2018-12-13 2020-06-18 旭化成株式会社 不織布、該不織布の積層不織布、及びこれらを表皮材として用いた複合吸音材

Also Published As

Publication number Publication date
JP6030381B2 (ja) 2016-11-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6030381B2 (ja) メルトブローン不織布を含む吸音材
JP4054826B2 (ja) 吸音材
Karthik et al. Nonwovens: process, structure, properties and applications
JP2005335279A (ja) 易成形性吸音材
JP4361202B2 (ja) メルトブローン不織布を含む吸音材
JP5390245B2 (ja) 吸音材および吸音複合材
WO2005010260A2 (en) Needled nonwoven textile composite
JP2006047628A (ja) 吸音断熱材
KR20150034737A (ko) 제1 카페트 백킹 및 이를 포함하는 터프트 카페트
JP4823376B1 (ja) 複合材料を用いた成形品及びその製造方法
JP2003127259A (ja) 低輻射表皮材
JP5610786B2 (ja) 産業用ワイプ
JP2010128005A (ja) 複合吸音材
JP2006028708A (ja) 吸音性積層体およびその製造法
JP6233957B2 (ja) 積層シート、成形品及びその製造方法
JP2011167284A5 (ja)
JP3968648B2 (ja) 吸音材
JP2006098890A (ja) 吸音材およびその製造方法
JP5354991B2 (ja) 農業用資材、その製造方法、その使用方法
JP4361201B2 (ja) メルトブローン不織布を含む吸音材
KR20110069474A (ko) 고보온성 부직포 및 이의 제조방법
JP5143110B2 (ja) 吸音材
WO2019026798A1 (ja) 積層吸音材
JP3111898U (ja) 吸音用不織布
JP2002356958A (ja) ハウスラップ用または屋根下地用の積層シート

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150430

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160414

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160426

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160627

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20161004

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20161020

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6030381

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150