JP2014035812A - 硫化物固体電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐久後の電池特性の低下を抑制し得る硫化物固体電池を提供する。
【解決手段】硫化物固体電池であって、負極層が粒子状の金属又は金属化合物と粒子状の硫化物固体電解質材料とからなり、前記金属又は金属化合物の平均粒径(D)と前記硫化物固体電解質材料の平均粒径(DSE)との比率(D/DSE)が2以上7未満である、前記固体電池。
【選択図】なし

Description

本発明は、硫化物固体電池に関し、さらに詳しくは負極層を特定の構成にすることにより耐久後の電池特性の低下を抑制し得る硫化物固体電池に関する。
近年、高電圧および高エネルギー密度を有する電池としてリチウム電池が実用化されている。リチウム電池の用途が広い分野に拡大していることおよび高性能の要求から、リチウム電池の更なる性能向上のために様々な研究が行われている。
その中で、従来用いられてきた非水電解液系のリチウム電池に比べて電解液を用いないため、非水電解液を用いる場合の安全性向上のために必要なシステムを簡略化し得て構造の自由度が増し補器の数を減らすことができる等の多くの利点を有し得ることから、固体電池の実用化が期待されている。
しかし、固体電池の実用化が実現するためには、高容量・高出力を与え得る固体電解質の創出および/又は高電極利用効率を実現し得る電極を創出することなどの様々な改良が必要である。
この固体電池の高容量・高出力を実現し得る技術の1つとして、LiS−Pなどの硫化物固体電解質材料が提案された。
しかし、前記のLiS−Pなどの硫化物固体電解質材料を用いた硫化物固体電池は、耐久後に電池特性が低下することが知られている。この耐久後の電池特性の低下の要因の1つとして考えられるのは、電極の少なくとも一部を構成する活物質と硫化物固体電解質材料との界面で活物質と硫化物固体電解質材料とが直接接触して反応が起こって絶縁層が形成されてリチウムイオンの電荷移導度が低下し、硫化物固体電池の反応抵抗が上昇することにあると考えられている。
この硫化物固体電解質材料を用いた硫化物固体電池における反応抵抗を抑制するために様々な検討がなされている。
例えば、硫化物固体電池において、正極活物質と硫化物固体電解質材料層との界面で反応が起って界面に高抵抗の反応層が形成されるのを防止するために、正極活物質表面や硫化物固体電解質材料表面に反応抑制層を形成する試みがなされている。例えば、反応抑制層を形成するために、ニオブ酸リチウム、チタン酸リチウム、リン酸リチウムなどを使用する試みがなされているが、初期の反応抑制については効果があるものの、耐久性に劣るものであった。
さらに、特許文献1には、正極活物質及び硫化物系固体電解質をメカニカルミリング処理して得られた正極合材、硫化物系固体電解質からなる電解質層及び負極を備えたリチウム電池が記載されており、具体例として正極活物質が互いに平均粒径の異なる2つの正極活物質粉体からなり、それらの粒径比が0.08〜1の混合物であり、負極がグラファイト及び硫化物系固体電解質を混合して得られた負極合材であるリチウム電池が示されている。
また、特許文献2には、固体電解質を挟み正極と負極との2つの電極層を有し、少なくとも1つの電極層が少なくとも1種類以上の電極活物質粒子と固体電解質粒子とを含む混合物質の焼結体からなり、電極活物質粒子を囲む粒界の少なくとも30面積%の部分に厚さ1〜200nmの被覆層を有する全固体電池が記載されており、具体例として非硫化物系固体電解質を含む電極層前駆体を焼成して全固体電池を得た例が示され、さらに電極活物質粉末の平均粒子径は電極反応面積を上げるために0.1〜10μmが好ましく、0.1〜3μmがより好ましく、0.1〜1μmが最も好ましく、電極層前駆体に含む固体電解質粉末の平均粒子径は反応面積を上げるため0.1〜10μmが好ましく、0.1〜1μmがより好ましく、0.1〜0.6μmが最も好ましいことが示されている。
特開2010−67499号公報 特開2011−86610号公報
しかし、これら公知の技術を適用しても、得られる硫化物固体電池は耐久後の電池特性低下が大きいものである。
従って、本発明の目的は、耐久後の電池特性低下を抑制し得る硫化物固体電池を提供することである。
本発明は、硫化物固体電池であって、負極層が粒子状の金属又は金属化合物と粒子状の硫化物固体電解質材料とからなり、前記金属又は金属化合物の平均粒径(D)と前記硫化物固体電解質材料の平均粒径(DSE)との比率(D/DSE)が2以上7未満である、前記固体電池に関する。
なお、前記金属又は金属化合物および前記硫化物固体電解質材料の各平均粒径(D、DSE)は、後述の実施例の欄に詳述する測定法によって求められる平均粒径D50である。
本発明によれば、耐久後の電池特性の低下を防止乃至は抑制し得る硫化物固体電池を得ることができる。
図1は、本発明の実施態様の硫化物固体電池および本発明の範囲外の硫化物固体電池における粒子状の金属の平均粒径(D)と粒子状の硫化物固体電解質材料の平均粒径(DSE)との比率(D/DSE)と、硫化物固体電池の100サイクル後の放電容量維持率との関係を比較して示すグラフである。
特に、本発明において、以下の実施態様を挙げることができる。
1)前記負極層がさらに炭素材を含む前記硫化物固体電池。
2)前記負極層が粒子状の炭素材と粒子状の金属と粒子状の硫化物固体電解質材料とを含む前記硫化物固体電池。
3)前記金属がAlである前記硫化物固体電池。
4)前記負極層中の前記硫化物固体電解質材料の割合が25〜75質量%である前記硫化物固体電池。
5)前記硫化物電解質材料が、LiSおよびPを含む前記硫化物固体電池。
6)前記粒子状の金属又は金属化合物の平均粒径(D)が2〜10μmである前記硫化物固体電池。
7)前記硫化物固体電解質材料の平均粒径(DSE)が0.5〜5μmである前記硫化物固体電池。
8)前記炭素材の平均粒径(DSE)が5〜20μmである前記硫化物固体電池。
9)前記炭素材と金属又は金属化合物との割合が20:1〜5:1(質量比)である前記硫化物固体電池。
本発明の実施態様の硫化物固体電池は、正極層と硫化物固体電解質材料層と負極層とが積層されてなる硫化物固体電池であって、前記負極層が炭素材と粒子状の金属又は金属化合物とからなる負極活物質と粒子状の硫化物固体電解質材料との負極合剤からなり、前記金属又は金属化合物の平均粒径(D)と前記硫化物固体電解質材料の平均粒径(DSE)との比率(D/DSE)が2以上7未満である硫化物固体電池であることが必要であり、これによって負極活物質の膨張・収縮および固体電池における反応抵抗の悪化を抑制して硫化物固体電池の耐久後の電池特性低下を抑制し得る。
本発明の実施態様の硫化物固体電池によれば、図1に示すように、粒子状の金属又は金属化合物の平均粒径(D)と粒子状の硫化物固体電解質材料の平均粒径(DSE)とが略等しい場合および粒子状の金属又は金属化合物の平均粒径(D)と粒子状の硫化物固体電解質材料の平均粒径(DSE)との比率(D/DSE)が7以上である場合に比べて、硫化物固体電池の耐久特性を示す100サイクル後の放電容量維持率が高い。
本発明の実施態様の硫化物固体電池により100サイクル後の放電容量維持率が本発明の範囲外の硫化物固体電池に比べて高い理論的な解明は十分にはなされていないが、次のように考えられる。すなわち、粒子状の金属又は金属化合物の活物質は充放電に伴う体積膨張が大きく、そのため金属活物質の周囲は体積膨張に伴う亀裂が生じやすい。また、金属又は金属化合物自体が過度に大きい場合には充放電に伴う体積膨張の絶対値(一つの粒子の変化量の絶対値)が大きいため電極層の破壊につながり得る。さらに、硫化物固体電解質材料の粒子が余りに小さくなると硫化物固体電解質材料の粒子同士の界面が多数存在し抵抗を高め得る。これに対して、本発明の実施態様の硫化物固体電池においては、これらの金属活物質の周囲での体積膨張に伴う亀裂の発生や電極層の破壊および硫化物固体電解質材料の粒子界面での抵抗の上昇が防止乃至は抑制され、さらに炭素材との混合による膨張収縮の緩和により硫化物固体電解質材料と負極活物質との接触不良が抑制されると考えられる。
また、本発明の実施態様の硫化物固体電池においては、前記負極層が炭素材と粒子状の金属又は金属化合物の負極活物質および粒子状の硫化物固体電解質材料との負極合剤からなり、前記粒子状の金属又は金属化合物の平均粒径(D)と前記硫化物固体電解質材料の平均粒径(DSE)との比率が前記の範囲内であることにより、粒子状の金属又は金属化合物による電池エネルギー密度の向上を図り得る。
本発明の実施態様においては、負極活物質として粒子状の金属又は金属化合物が用いられる。
前記粒子状の金属又は金属化合物としては、粒子状の金属あるいは合金、例えばAl、Sn、Si、In、CuSnなど、又は粒子状の金属化合物、例えば前記金属の酸化物、硫化物あるいはりん化合物あるいは他の金属との合金や合金の酸化物、硫化物あるいはりん化合物など、例えばSiO、SnO、SnS、SnP、TiSnOなど、好適には金属、例えばAlが挙げられる。前記の粒子状の金属又は金属化合物は好適には平均粒径(D)が2〜10μmであり得る。
前記の粒子状の金属又は金属化合物を含むことによって負極層の体積容量、すなわち電池エネルギー密度(電池の単位体積当たり取りだせるエネルギー、すなわち電気量)が向上し得て、さらに前記の硫化物固体電解質材料の平均粒径(DSE)との比率(D/DSE)を2以上7未満の範囲に制御することによって電池のサイクル特性を改善し得る。
また、本発明の実施態様において、前記炭素材と前記金属又は金属化合物との割合は好適には20:1〜5:1(質量比)である。
本発明における硫化物固体電解質材料としては、粒子状の硫化物固体電解質であれば特に制限はなく、例えばLiSとSiSとを含むもの、例えばLiS−SiS、LiI−LiS−SiS、liI−liS−P、LiI−LiS−B、LiPO−LiS−SiS、LiPO−LiS−SiS、LiPO−LiS−SiS、LiI−LiS−P、LiI−LiPO−P、LiPS、LiS−Pなどの硫化物系非晶質固体電解質、好適にはLiS−Pが挙げられる。
前記のLiS−Pは、硫化リチウムと、五硫化二燐及び/又は、単体燐及び単体硫黄から得るができ、例えばこれら原料を溶融反応した後、急冷するか、又は原料をメカニカルミリング法により処理して得られる硫化物ガラスを加熱処理することによって得ることができる。硫化リチウムと、五硫化二燐又は単体燐及び単体硫黄の混合モル比は、通常50:50〜80:20、好ましくは60:40〜75:25であり、好適にはLiS:P=70:30〜75:25(モル比)程度である。
本発明の硫化物固体電池において、前記硫化物固体電解質材料の平均粒半径(DSE)は好適には0.5〜5μm、特に0.5〜3μmである。前記の硫化物固体電解質材料の平均粒径(DSE)は製造時の遊星ボールミルによるメカニカルミリングの条件(ミリング時間、ボール径)を変更することによって調整し得る。
本発明の実施態様の負極合剤に用いられる炭素材としては、特に制限はないが、粒子状の炭素材、例えばグラファイト、例えば天然黒鉛、人造黒鉛、あるいはカーボン、例えばソフトカーボン、ハードカーボンなどが挙げられる。前記炭素材の平均粒径(DCB)は好適には5〜20μmである。
本発明の実施態様の硫化物固体電池における負極層を構成する負極合剤は、前記の炭素材と粒子状の金属又は金属化合物と粒子状の硫化物固体電解質材料とを混合することによって得ることができる。前記の混合は混合によって炭素材と粒子状の金属又は金属化合物と粒子状の硫化物固体電解質材料の各粒径、従って各粒径比が実質的に変化しない方法により行うことが好適である。
前記の方法として、例えば両成分の粒子を炭化水素溶媒、例えばヘキサン、ヘプタン、オクタンなどの鎖状アルカンあるいはシクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタンなどの環状アルカンの存在下に、超音波ホモジナイザーを使って超音波分散させた後、乾燥して炭化水素溶媒を蒸発させることによって混合粉末を得る方法が挙げられる。
本発明の実施態様において、負極層中(負極合剤中)の前記硫化物固体電解質材料の割合は好適には25〜75質量%である。
本発明の実施態様の硫化物固体電池は、前記の負極層を構成する負極合剤と他の構成材である正極層と硫化物固体電解質材料層とを、硫化物固体電解質材料層の片側に正極層を他の側に負極層を積層することにより得ることができる。
前記の硫化物固体電解質材料層における硫化物固体電解質材料としては、前記負極層において示したものあるいは別の硫化物固体電解質材料、好適には同じ硫化物固体電解質材料が挙げられる。
前記の正極層は、例えば正極活物質と硫化物固体電解質材料とを含む正極合剤から形成され得る。
前記の正極活物質としては、Liイオン電池に使用できる活物質であれば特に制限はなく、例えばコバルト酸リチウム(LiCoO)、ニッケル酸リチウム(LiNiO)、ニッケルマンガンコバルト酸リチウム(Li1+xNi1/3Mn1/3Co1/3)、リチウムコバルト酸ニッケル(LiCo0.3Ni0.7)、マンガン酸リチウム(LiMn)、チタン酸リチウム(Li4/3Ti5/3)、リチウムマンガン酸化合物(Li1+xMn2−x−y;M=Al、Mg、Fe、Cr、Co、Ni、Zn)、チタン酸リチウム(LiTiO)、リン酸金属リチウム(LiMPO、M=Fe、Mn、Co、Ni)、酸化バナジウム(V)、酸化モリブデン(MoO3)、硫化チタン(TiS)、リチウムコバルト窒化物(LiCoN)、リチウムシリコン窒化物(LiCoN)、リチウム金属、リチウム合金(LiM、M=Sn、Si、Al、Ge、Sb、P)、リチウム貯蔵性金属間化合物(MgxM、M=Sn、Ge、Sb、あるいはXySb、X=In、Cu、Mn)やそれらの誘導体が挙げられる。
特に、LiCoO、LiNiO、LiMn、LiNi1/2Mn1/2、LiNi1/3Co1/3Mn1/3、Li[NiLi1/3−2y/3]O(0≦x≦1、0<y<1/2)やこれらのリチウム遷移金属酸化物のリチウム又は遷移金属を他の元素で置換したリチウム遷移金属化合物、特にLiCoOやLiNiOなどの層状、オリビンあるいはスピネルが挙げられる。
前記の正極層を構成する正極合剤は、前記の正極活物質と硫化物固体電解質材料とを含むものであり得て、他の成分、例えば導電助剤をさらに含み得る。
前記の導電助剤としては、VGCF(気相成長法炭素繊維、Vapor Grown Carbon Fiber)、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、カーボンナノ繊維などの炭素材、金属材を用い得る。
前記の正極層を構成する正極合剤中の各構成材の割合は、好適には正極合剤100質量%中、正極活物質が30〜80質量%、特に50〜80質量%で、硫化物固体電解質材料が10〜50質量%、特に15〜50質量%で、導電助剤が10質量%以下、特に1〜10質量%であり得る。
本発明の硫化物固体電池は、例えば硫化物固体電解質材料を金型に収容したセルに入れ、プレスして硫化物固体電解質材料層を形成し、その片側に正極合剤を入れ、プレスして正極層を形成し、次いでその逆側に負極合剤を入れ、プレスして負極層を形成し、正極層および負極層に各々集電体を取付けることによって製造することができる。
前記の正極層用の集電体として金属箔、例えばAl箔を、前記の負極層用の集電体として金属箔、例えばCu箔を用い得る。
以下、本発明の実施例を示す。
以下の実施例は単に説明するためのものであり、本発明を限定するものではない。
なお、以下に示す測定法は例示であって、当業者が同等と考える測定法も同様に用い得る。
以下の各例において、各材料の平均粒径は以下の方法によって粒度分布をレーザー回析散乱法により測定し、得られた粒度分布における微粒側からの累積で50質量%となる平均粒径(D、DSE)を求めた。
実施例1
1)硫化物固体電解質材料の合成
LiS(日本化学工業株式会社製)0.7656gとP(アルドリッチ社)1.2344gとを秤量し、メノウ乳鉢で5分間混合し、その後ヘプタンを4g入れ、遊星型ボールミルを用いて40時間メカニカルミリングした。続けて、ボール径1mmのZrOボールを用いて、ヘプタン及びブチルエーテル溶剤中にて、150rpmで15時間メカニカルミリングすることで、平均粒径1.5μmの硫化物固体電解質材料を得た。
2)硫化物固体電池の作製
正極活物質としてのLiNi1/3Co1/3Mn1/3(日亜化学工業株式会社)12.03mgとVGCF(昭和電工株式会社)を0.51mg、前記の硫化物固体電解質材料5.03mgとを秤量し、ヘプタン溶媒中に投入し超音波ホモジナイザーで超音波分散させた後、乾燥することにより正極合剤を得た。
平均粒径10μmのグラファイト(三菱化学株式会社)と平均粒径3μmのアルミニウム(株式会社高純度研究所)0.68mgと、前記1)で得た平均粒径1.5μmの硫化物固体電解質材料8.24mgとを秤量し、ヘプタン溶媒中に投入し超音波ホモジナイザーで超音波分散させた後、乾燥することにより負極合剤[D/DSE=2.0]を得た。
1cmの金型に前記の硫化物固体電解質材料を18mg秤量し、1ton/cmでプレスして硫化物固体電解質材料層を形成し、その片側に前記の正極合剤17.57mgを入れ、1ton/cmでプレスし正極層を形成した。その逆側に上記負極合剤16.16mgを入れ、4ton/cmでプレスし負極層を形成した。また、集電体として、正極側に15μmのAl箔(日本製箔株式会社)を、負極側に10μmのCu箔(日本製箔株式会社)を用いて硫化物固体電池を作製した。
3)電池の評価
得られた硫化物固体電池を用い、下記の条件で評価を行った。
1)0.3mAで4.2Vまでcccv(定電流定電圧)充電した後、3V、0.3mAで放電を行って初期容量を確認した。
2)60℃にて3mAで4.2Vまでcc充電した後、3V、0.3mAで放電を100サイクル行った。
3)3mAで4.2Vまでcccv充電した後、3V、0.3mAで放電を行って耐久後の容量を確認した。
得られた100サイクル後の放電容量の初期容量に対する割合(%)を100サイクル後放電容量維持率とし、他の結果とまとめて図1に示す。
実施例2
平均粒径1.5μmの硫化物固体電解質材料に代えて、硫化物固体電解質材料合成時の条件を変えた(ボール径を0.3mmに変更)他は実施例1と同様にして平均粒径0.8μmの硫化物固体電解質材料を合成し、この硫化物固体電解質材料を用いた他は実施例1と同様にして粒子状グラファイトと粒子状アルミニウムと粒子状硫化物固体電解質材料とからなる負極合剤[D/DSE=3.75]を作製し、この負極合剤を用いた他は実施例1と同様にして硫化物固体電池を作製した。
得られた電池について実施例1と同様にして100サイクル後放電容量維持率を得た。他の結果とまとめて図1に示す。
実施例3
平均粒径3μmのアルミニウム(株式会社高純度研究所)に代えて平均粒径10μmのアルミニウム(株式会社高純度研究所)、および平均粒径1.5μmの硫化物固体電解質材料に代えて、硫化物固体電解質材料合成時の条件を変えた(メカニカルミリング時間を5時間に変更)他は実施例1と同様にして合成した平均粒径2.5μmの硫化物固体電解質材料を用いた他は実施例1と同様にして粒子状グラファイトと粒子状アルミニウムと粒子状硫化物固体電解質材料とからなる負極合剤[D/DSE=4.0]を作製し、この負極合剤を用いた他は実施例1と同様にして硫化物固体電池を作製した。
得られた電池について実施例1と同様にして100サイクル後放電容量維持率を得た。他の結果とまとめて図1に示す。
実施例4
平均粒子径3μmのアルミニウム(株式会社高純度研究所)に代えて平均粒径10μmのアルミニウム(株式会社高純度研究所)を用いた他は実施例1と同様にして粒子状グラファイトと粒子状アルミニウムと粒子状硫化物固体電解質材料とからなる負極合剤[D/DSE=6.7]を作製し、この負極合剤を用いた他は実施例1と同様にして硫化物固体電池を作製した。
得られた電池について実施例1と同様にして100サイクル後放電容量維持率を得た。他の結果とまとめて図1に示す。
比較例1
平均粒径1.5μmの硫化物固体電解質材料に代えて平均粒径2.5μmの硫化物固体電解質材料を用いた他は実施例1と同様にして負極合剤[D/DSE=1.2]、硫化物固体電池を作製した。
得られた電池について実施例1と同様にして100サイクル後放電容量維持率を得た。他の結果とまとめて図1に示す。
比較例2
平均粒径3μmのアルミニウム(株式会社高純度研究所)に代えて平均粒径20μmのアルミニウム(株式会社高純度研究所)を用い、平均粒径1.5μmの硫化物固体電解質材料に代えて平均粒径2.5μmの硫化物固体電解質材料を用いた他は実施例1と同様にして負極合剤[D/DSE=8.0]、硫化物固体電池を作製した。
得られた電池について実施例1と同様にして100サイクル後放電容量維持率を得た。他の結果とまとめて図1に示す。
比較例3
平均粒径3μmのアルミニウム(株式会社高純度研究所)に代えて平均粒径20μmのアルミニウム(株式会社高純度研究所)を用いた他は実施例1と同様にして負極合剤[D/DSE=13.3]、硫化物固体電池を作製した。
得られた電池について実施例1と同様にして100サイクル後放電容量維持率を得た。他の結果とまとめて図1に示す。
図1から、粒子状のアルミニウム平均粒径と粒子状の硫化物固体電解質材料の平均粒径との比率(D/DSE)が2以上7未満の範囲である硫化物固体電池は、粒子状のアルミニウム平均粒径と粒子状の硫化物固体電解質材料の平均粒径との比率(D/DSE)が前記の範囲外の負極合剤を含む硫化物固体電池に比較して100サイクル後放電容量維持率が高いことが理解される。
本発明によって、耐久後の電池特性の低下を抑制し得る硫化物固体電池を得ることができる。

Claims (10)

  1. 硫化物固体電池であって、負極層が粒子状の金属又は金属化合物と粒子状の硫化物固体電解質材料とからなり、前記金属又は金属化合物の平均粒径(D)と前記硫化物固体電解質材料の平均粒径(DSE)との比率(D/DSE)が2以上7未満である、前記固体電池。
  2. 前記負極層がさらに炭素材を含む請求項1に記載の硫化物固体電池。
  3. 前記負極層が粒子状の炭素材と粒子状の金属と粒子状の硫化物固体電解質材料とを含む請求項2に記載の硫化物固体電池。
  4. 前記金属がAlである請求項3に記載の硫化物固体電池。
  5. 前記負極層中の前記硫化物固体電解質材料の割合が25〜75質量%である請求項1〜4のいずれか1項に記載の硫化物固体電池。
  6. 前記硫化物電解質材料が、LiSおよびPを含む請求項1〜5のいずれか1項に記載の硫化物固体電池。
  7. 前記粒子状の金属又は金属化合物の平均粒径(D)が2〜10μmである請求項1〜6のいずれか1項に記載の硫化物固体電池。
  8. 前記硫化物固体電解質材料の平均粒径(DSE)が0.5〜5μmである請求項1〜7のいずれか1項に記載の硫化物固体電池。
  9. 前記炭素材の平均粒径(DSE)が5〜20μmである請求項3〜8のいずれか1項に記載の硫化物固体電池。
  10. 前記炭素材と前記金属又は金属化合物との割合が20:1〜5:1(質量比)である請求項2に記載の硫化物固体電池。
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