JP2014015977A - 自動車用減速装置 - Google Patents

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Toshiyuki Yumoto
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Mitsuhiro Watanabe
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Abstract

【課題】 定常状態における油の油量を減らすことなく、自動車の作動によりギヤケースの前後方向のうちの減速ギヤ列の入力側に位置する一方側に油が移動した際に、その油の貯留容積を小さくすることのできる自動車用減速装置を提供する。
【解決手段】 ギヤケース11内の前後方向のうちの減速ギヤ列の入力側に位置する一方側で、かつギヤケースの内部の定常状態における油Lの油面Laの上方に、自動車の作動により減速ギヤ列の配列方向入力側に位置する一方側に油が移動した際に、その油が貯留される部分の容積を減らすための板状のブロック46を設ける。
【選択図】 図9

Description

本発明は、自動車に搭載される電気モータに取り付けられ、電気モータの回転軸からの回転を減速して車軸に出力するのに好適な自動車用減速装置に係り、特に、自動車の作動状態に関わりなく油を良好に供給することのできる自動車用減速装置に関する。
従来、電気自動車などの駆動装置として、自動車に搭載される左右の電気モータから出力された回転のそれぞれを減速装置を介して左右の車軸(車輪駆動軸)に個別に伝達するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
このような自動車用減速装置として、公知のギヤモータの如く、電気モータに取り付けられて電気モータと一体化されるモータ一体型のものがある。このモータ一体型の減速装置としては、例えば自動車の前後方向に沿って長い箱形状に形成されたギヤケースと、このギヤケースの内部に、ギヤケースの前後方向に沿って配列された減速ギヤ列とを有しており、電気モータの回転軸からの回転を減速ギヤ列により減速することでトルクを増幅して回転軸と平行に配置される車軸に出力するようになっている。そして、ギヤケースの内部の下部には、電気モータとの相互間で冷却および潤滑に供する油が貯留されている。
ところで、モータ一体型の自動車用減速装置において、電気モータ側の軸受などの潤滑を必要とする場合、油を電気モータ側へ供給するための供給機構、および電気モータ側から戻すための戻り機構が必要となる。
油の供給機構としては、重力給油、オイルポンプを用いた強制給油などが用いられている。また、油の戻り機構としては、公知のギヤケースの内外を連通する連通孔による油戻しが用いられている。この連通孔を介して電気モータ側から油を減速装置側へ戻すには、電気モータの一部を構成するモータハウジングに取り付けられているギヤケースの側壁の下部に連通孔を設ける必要がある。
特開2011−195056号公報
ところで、減速装置の内部における油の油面の状態および高さは、自動車の加減速、旋回による作動状態に合わせて時々変化する。特に、ギヤケースの前側に電気モータの回転軸が配置され、後側に車軸が配置される場合、減速時には、油が前側に移動して油面の位置がオイルポンプにより吸引できない位置に移動することで、オイルポンプによる潤滑部分への油の供給ができない状態や、オイルポンプ内への空気の流入によるオイルポンプの破損の発生が危惧されるという問題点がある。また、ギヤケースの後側に電気モータの回転軸が配置され、前側に車軸が配置される場合、加速時には、油が後側に移動して油面の位置がオイルポンプにより吸引できない位置に移動することで、オイルポンプによる潤滑部分への油の供給ができない状態や、オイルポンプ内への空気の流入によるオイルポンプの破損の発生が危惧されるという問題点がある。
このような問題点に対処するには、減速装置の内部における定常状態での油面の高さ位置を高くする必要がある。
油の油面の高さ位置を高くするには、油の貯留容積を小さくすればよいが、この場合、油の油量が少なくなるので、油の温度が上昇して油が劣化し易くなる。
そこで、定常状態における油の油量を減らすことなく、自動車の作動によりギヤケースの前後方向のうちの減速ギヤ列の入力側に位置する一方側に油が移動した際に、その油の貯留容積を小さくすることのできる自動車用減速装置が求められている。
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、定常状態における油の油量を減らすことなく、自動車の作動によりギヤケースの前後方向のうちの減速ギヤ列の入力側に位置する一方側に油が移動した際に、その油の貯留容積を小さくすることのできる自動車用減速装置を提供することを目的とする。
前述した目的を達成するため、特許請求の範囲の請求項1に記載の本発明の自動車用減速装置の特徴は、自動車に搭載される電気モータに取り付けられ、電気モータの回転軸からの回転を減速して車軸に出力するとともに、電気モータとの相互間で油を共用する自動車用減速装置であって、自動車の前後方向に沿って長い箱形状に形成されたギヤケースと、前記ギヤケース内に、前記ギヤケースの前後方向に沿って配列された減速ギヤ列と、前記ギヤケース内の下部に形成された油が貯留されるオイルパン部と、前記オイルパン部に貯留された油を電気モータ側に供給するために、前記ギヤケースの内部に配設され、前記オイルパン部に貯留された油を吸引する吸引口を具備するとともに、前記減速ギヤ列からの駆動力の伝達を受けて駆動されるオイルポンプと、前記ギヤケース内の前後方向のうちの前記減速ギヤ列の入力側に位置する一方側でかつ定常状態における油の油面の上方に、自動車の作動により前記ギヤケースの一方側に油が移動した際にその油が貯留される部分の容積を減らすための板状のブロックとを有している点にある。そして、このような構成を採用したことにより、ブロックの存在により、ギヤケースの内部空間のうちの自動車の作動によりギヤケースの一方側に油が移動した際の油が貯留される部分の容積を減らすことができるので、定常状態における油の油量を減らすことなく、自動車の作動によりギヤケースの前後方向のうちの減速ギヤ列の入力側に位置する一方側に油が移動した際の油の貯留容積を小さくすることができる。その結果、自動車の作動によりギヤケースの前後方向のうちの減速ギヤ列の入力側に位置する一方側に油が移動した際に、オイルポンプの吸引口を油の油面下に位置させることができるので、自動車の作動時におけるオイルポンプによる油の供給を確実に行うことができるし、オイルポンプが空気を吸引して破損するのを防止することができる。つまり、自動車の作動状態に関わりなく油を良好に供給することができる。
請求項2に記載の本発明の自動車用減速装置の特徴は、請求項1において、前記減速ギヤ列は、前記ギヤケースの前後方向の中央部に配置され、電気モータの回転軸からの回転が入力される大径ギヤおよび小径ギヤを具備する入力ギヤと、前記入力ギヤの前後方向のいずれか一方側に配置され、前記小径ギヤと噛合するとともにその下部が定常状態における油の油面下に配置された出力ギヤとを有しており、前記オイルポンプは、前記入力ギヤの下方に配置され、前記吸引口は、前記オイルパン部のうちの前記オイルポンプの下方に形成された最低位の底面を具備する凹部に配置されており、前記ブロックの下面は、前記オイルパン部に貯留される油の定常状態における油面の上方に配置され、前記ブロックの油の移動方向と反対の面は、前記凹部に向かって前記ギヤケースの油の移動方向前方前側上方からその後側下方に向かうように形成されており、前記ブロックは、自動車の作動により前記ギヤケースの一方側に油が移動した際に、その油の油面下に配置されている点にある。そして、このような構成を採用したことにより、ギヤケースの内部空間のうちの自動車の作動によりギヤケースの前後方向のうちの減速ギヤ列の入力側に位置する一方側に油が移動した際に油が貯留される部分の容積をより確実に減らすことができる。
請求項3に記載の本発明の自動車用減速装置の特徴は、請求項1または2において、前記ギヤケースは、前記ギヤケースの左右方向に沿ってケース本体およびケースカバーに2分割されており、前記ケース本体の外側面には、電気モータが取り付けられる環状のモータ取付面が形成されており、前記モータ取付面は、前記ケース本体の前記モータ取付面が形成された側壁の前後方向のいずれか一方側に形成されているとともに、前記モータ取付面の中心には、電気モータの回転軸が挿入される入力側開口が形成されており、前記ケース本体の前記モータ取付面が形成された側壁の前後方向のいずれか他方側には、車軸が挿入される出力側開口が形成されており、さらに、前記ギヤケースには、電気モータ側からの油を戻すために、前後方向に対して直交する左右方向に沿って内外に連通する連通孔が形成されている点にある。そして、このような構成を採用したことにより、2分割されたギヤケースは、ギヤケースの内部に減速ギヤ列、オイルポンプ、ブロックを組み立てる組立作業を容易に行うことができる。また、側壁の外側面にモータ取付面、入力側開口、出力側開口を設ける構成は、電気モータの回転軸からの回転を減速ギヤ列により減速することでトルクを増幅して回転軸の後側に回転軸と平行に配置される車軸に出力することができる。さらに、連通孔は、ギヤケースの内部に、電気モータ側からの油を確実に戻すことができる。
請求項4に記載の本発明の自動車用減速装置の特徴は、請求項3において、前記連通孔の外端は、前記モータ取付面の外周より内側の下部に形成されている点にある。そして、このような構成を採用したことにより、電気モータ側からの油をより確実かつ容易に戻すことができる。
本発明に係る自動車用減速装置によれば、ブロックの存在により、ギヤケースの内部空間の自動車の作動によりギヤケースの一方側に油が移動した際の油が貯留される部分の容積を減らすことができるので、定常状態における油の油量を減らすことなく、自動車の作動によりギヤケースの前後方向のうちの減速ギヤ列の入力側に位置する一方側に油が移動した際の油の貯留容積を小さくすることができる。その結果、自動車の作動によりギヤケースの前後方向のうちの減速ギヤ列の入力側に位置する一方側に油が移動した際に、オイルポンプの吸引口を油の油面下に位置させることができるので、自動車の作動時におけるオイルポンプによる油の供給を確実に行うことができるし、オイルポンプが空気を吸引して破損するのを防止することができるなどの優れた効果を奏する。したがって、自動車の作動状態に関わりなく油を良好に供給することができるなどの優れた効果を奏する。
本発明に係る自動車用減速装置の第1実施形態を用いた自動車用駆動装置の構成を示す模式的平面図 図1の自動車用駆動装置の外観平面図 図2の自動車用駆動装置を右側から見て前後方向を水平にして示す一部省略外観回転側面図 図2の自動車用駆動装置を前側から見て示す外観図 図1の自動車用減速装置の構造を示す断面平面図 図5の左右の自動車用減速装置の結合状態を示す要部の断面平面図 図5の右側の自動車用減速装置を左側から見て前後方向を水平にして示す側面図 図5の右側の自動車用減速装置を右側から見て前後方向を水平にして示す側面図 図7の自動車用減速装置のケースカバーを外した状態を示す図 図7のケースカバーを内側から見て示す図 図10の油誘導ガイド近傍の拡大断面平面図 図7のA−A線に沿った拡大断面図 図7のB−B線に沿った拡大断面図 本発明に係る自動車用減速装置の第2実施形態の要部の構成を示す図9と同様の図 図14のケースカバーを内側から見て示す図10と同様の図
以下、本発明を図面に示す実施形態により説明する。
説明の便宜上、まず、本実施形態の自動車用減速装置の第1実施形態が用いられる自動車用駆動装置について説明する。
図1から図4に示すように、本実施形態の自動車用駆動装置1は、左右の車輪(図示せず)を駆動する左右の車軸(車輪駆動軸)2L、2Rをそれぞれ個別に駆動するために、自動車に搭載される左右の電気モータ3L、3Rと、左右の電気モータ3(符号3は、左右の電気モータ3L、3Rを総称する。)の回転軸3aからの回転を減速して左右の車軸2(符号2は、左右の車軸2L、2Rを総称する。)に出力する左右の自動車用減速装置10L、10Rを有している。
本実施形態の自動車用減速装置10(符号10は、左右の自動車用減速装置10L、10Rを総称する。また、以下、単に、減速装置と記す。)は、複数の取付ねじとしてのケースボルト17(図5)により電気モータ3のそれぞれに取り付けられて一体化されており、モータ一体型、すなわちギヤードモータとされている。また、左右2つの減速装置10は、複数の取付ねじとしての連結ボルト18(図6)により結合されている。すなわち、左右2つの減速装置10は、一方の減速装置10の電気モータ側(以下、単に、モータ側と記す。)とは逆の背面に、他方の減速装置10の背面が当接された状態で結合されている。これにより、自動車用駆動装置1は、左右2つの電気モータ3および左右2つの減速装置10の全てが一体化されている。
図1に示すように、前記左右2つの減速装置10のそれぞれは、自動車の前後方向に沿って長い箱形状に形成されたギヤケース11L、11Rと、ギヤケース11(符号11は、左右のギヤケース11L、11Rを総称する。)の内部に収容された減速ギヤ列12L、12Rを有しており、電気モータ3の回転軸3aからの回転を減速ギヤ列12(符号12は、左右の減速ギヤ列12L、12Rを総称する。)により減速することでトルクを増幅して回転軸3aの後側に回転軸3aと平行に配置されている車軸2に出力できるようになっている。すなわち、電気モータ3の出力軸である回転軸3aの回転軸線3cと車軸2の回転軸線2cは、ギヤケース11の前後方向に間隔をおいて相互に平行に配置されるようになっている(図5)また、減速ギヤ列12は、ギヤケース11の前後方向に沿って配列されている。さらに、ギヤケース11の内部には、電気モータ3との相互間で共用する油Lが貯留されている(図12、図13)。この油としては、冷却および潤滑に用いるもの、例えばATF(Automatic Transmission Fluid)などを挙げることができる。
図5に示すように、ギヤケース11は、電気モータ3に隣接するケース本体14L、14Rと、電気モータ3から離間するケースカバー15L、15Rとに2分割形成されている。すなわち、ギヤケース11は、ギヤケース11の左右方向に沿って2分割されている。そして、ケースカバー15(符号15は、左右のケースカバー15L、15Rを総称する。)は、複数の取付ねじとしてのカバーボルト16(一部のみ図示)によりケース本体14(符号14は、左右のケース本体14L、14Rを総称する。)に取り付けられており、ケース本体14は、複数の取付ねじとしてのケースボルト17によりモータハウジング3dに取り付けられている。
ここで、本実施形態の減速装置10の構成について、右側の減速装置10Rによりさらに説明する。なお、左側の減速装置10Lについては、右側の減速装置10Rと概略面対称に形成されているので、その詳しい説明は省略する。
図5から図13に示すように、右側の減速装置10Rにおけるケース本体14Rの外側面前側である右側壁の前側、すなわちギヤケース11Rの左右方向の両側に形成された両側壁のうちの一方の側壁の外側面であるモータ側の側壁の外側面前側には、電気モータ3の一部を構成するモータハウジング3dに形成された合わせ面3e(図12、図13)に取り付けられる全体として環状に形成された平坦なモータ取付面20が外側に突出するように形成されている(図5、図8)。このモータ取付面20は、回転軸3aの回転軸線3cに対して直交するように形成されている。また、モータ取付面20は、ケース本体14のモータ取付面20が形成された側壁の前後方向のいずれか一方側としての前側に形成されている。つまり、モータ取付面20は、ギヤケース11の前後方向の何れか一方側としての前側に偏って配置されている。そして、モータ取付面20の内側は、モータ取付面20より凹んだほぼ平坦な凹面21とされており、回転軸3aの回転軸線3cが配置されるモータ取付面20の中心部には、電気モータ3の回転軸3aの先端部分が挿入される円形の入力側開口22が形成されている(図5)。また、右側壁の後側には、車軸2の一端が挿入される円形の出力側開口23が形成されている(図5)。
すなわち、本実施形態におけるモータ取付面20は、ケース本体20のモータ取付面20が形成された側壁であるモータ側の側壁の前後方向のいずれか一方側としての前側に形成されているとともに、モータ取付面20の中心に、電気モータ3Rの回転軸3aが挿入される入力側開口22が形成されており、ケース本体14のモータ取付面20が形成された側壁であるモータ側の側壁の前後方向のいずれか他方側としての後側に、車軸2が挿入される出力側開口23が形成されている。そして、減速装置10Rを電気モータ3Rに取り付けたモータ取付状態においては、入力側開口22に、回転軸3aに予め取り付けられたモータ用軸受4の外周面が嵌合されており、出力側開口23に、出力側開口23と車軸2の隙間から油Lが外部に漏れるのを防止するためのシール(密封装置)としてのオイルシール5が装着されている(図5、図8)。なお、凹面21は、モータ取付面20とほぼ平行に形成されている。
前記ギヤケース11の内部に配設された減速ギヤ列12は、図5に示すように、回転軸3aの先端部外周に形成されたピニオンギヤ6に噛合する大径ギヤ26aを備えた入力ギヤ26と、この入力ギヤ26の小径ギヤ26bと噛合する出力ギヤ28が前後方向に沿ってこの順に配列されて形成されている。すなわち、減速ギヤ列12は、減速ギヤ列12の入力側に配置された入力ギヤ26と、減速ギヤ列の出力側に配置された出力ギヤ28とを備えているとともに、減速ギヤ列12の入力側に配置される入力ギヤ26がギヤケース11内の前側に配置され、減速ギヤ列12の出力側に配置される出力ギヤ28がギヤケース11R内の後側に配置されている。そして、出力ギヤ28の中心には、車軸2の一端がスプラインなどの結合手段によりそれぞれ一体回転可能なように結合されるようになっている。そして、入力ギヤ26は、その軸線方向に沿って、内側(モータ側)に大径ギヤ26aが配置され、外側に小径ギヤ26bが配置されている。また、入力ギヤ26および出力ギヤ28は、入力ギヤ用軸受30および出力ギヤ用軸受31によって回転自在に支持されている。これら入力ギヤ用軸受30および出力ギヤ用軸受31は、両ギヤ26、28の軸線方向の両側に装着されている。そして、ギヤケース11の内部の下部は、ギヤケース11の内部に供給された油Lを貯留するオイルパン部33とされている(図9、図10)。
図9に示すように、入力ギヤ26は、ギヤケース11の前後方向の中央部に配置されており、出力ギヤ28は、入力ギヤ26の後側に配置されている。また、出力ギヤ28の下部は、後述する定常状態における油Lの油面Laの下方(油面下)に位置するようにされている。
図7から図13に示すように、ギヤケース11には、ギヤケース11の内外を左右方向に沿って連通する前連通孔35aおよび後連通孔35bからなる2つの連通孔35(符号35は、前連通孔35aおよび後連通孔35bを総称する。)が前後方向に間隔をおいて形成されている。これらの連通孔35は、モータ側からギヤケース11の内部に油Lを戻すためのものである。また、連通孔35は、左右方向に沿って形成されている。
前記前連通孔35aの一端であるギヤケース11の外部に露出される外端35aaは、モータ取付面20の内側に形成されている凹面21の下部、本実施形態においては回転軸3aによる回転軸線3cの直下より若干後側に形成されており、前連通孔35aの他端であるギヤケース11の内側に露出される内端35abは、ギヤケース11の他方の側壁であるケースカバー15の内側面に形成されている。そして、前連通孔35aは、ギヤケース11の一方の側壁の外側面前側であるケース本体14の右側壁におけるモータ取付面20の内側の下部から、ギヤケース11の底壁内部であるケース本体14の底壁内部、ケースカバー15の底壁内部、ならびにギヤケース11の他方の側壁の内部であるケースカバー15の側壁の内部をこの順に左右方向に通過して、ギヤケース11の他方の側壁であるケースカバー15の内側面に至るように形成されている。
前記後連通孔35bの一端であるギヤケース11の外部に露出される外端35baは、モータ取付面20の面内の下部、本実施形態においては前連通孔35aの外端35aaよりも後側に形成されており、後連通孔35bの他端であるギヤケース11の内側に露出される内端35bbは、ギヤケース11の他方の側壁であるケースカバー15の内側面に形成されている。そして、後連通孔35bは、ギヤケース11の一方の側壁の外側面前側であるケース本体14の右側壁におけるモータ取付面20の下部から、ギヤケース11の底壁内部であるケース本体14の底壁内部、ケースカバー15の底壁内部、ならびにギヤケース11の他方の側壁の内部であるケースカバー15の側壁の内部をこの順に左右方向に通過して、ギヤケース11の他方の側壁であるケースカバー15の内側面における前連通孔35aの内端35abよりも後ろ側に至るように形成されている。
すなわち、連通孔35の外端35aa、35baは、モータ取付面20の外周より内側の下部に形成されていればよい。ここで、モータ取付面20の外周より内側とは、モータ取付面20の面内およびその内側に設けられた凹面21を含む領域である。また、油Lは、連通孔35によりモータハウジング3dの内部と自由に行き来できるようにされている。これにより、定常状態における油Lは、その油面Laが油量によって決められた高さ位置に水平に保持されているとともに、ギヤケース11の内部に貯留された油Lの油面Laと、モータハウジング3dの内部に貯留された図示しない油Lの油面の両者は、同一水平面内、すなわち、同一高さ位置に保持されている。この油Lの油面Laの高さ位置は、油Lの貯留量を予め設定することで規制されている。
なお、連通孔35の数および位置は、電気モータ3の形状、レイアウト、設計コンセプトなどの必要に応じて設定されている。本実施形態の電気モータ3には、図示しない外端側の軸受を潤滑した油の戻り孔と、そこから漏れ出る油が外端に留まってしまうことを防止するロータの左右を繋ぐ孔との2つの孔が設けられている。そして、2つの孔の機能が異なるため、影響の無いところまでは別々に孔を設ける構成とされているので、右側の減速装置10Rにおいては2つの連通孔35が設けられ、左側の減速装置10Lにおいては図示しない前連通孔35aのみの1つの連通孔35が設けられている。なお、連通孔35の数としては、前連通孔35aのみの1つの連通孔35が設けられているのが一般的である。また、連通孔35の位置としては、電気モータ3の形状、レイアウト、設計コンセプトなどの必要に応じて設定すればよいが、減速装置10の上下方向の高さ、すなわち電気モータ3の上下方向の高さを大きくせずにすむという意味で、モータ取付面20の外周より内側に設けることが好ましい。
図9に示すように、ギヤケース11のオイルパン部33に貯留された油Lは、図9の矢印に示すように、ギヤケース11の内部において、出力ギヤ28によりかき上げられて前側に向かって流動することで、小径ギヤ26bと出力ギヤ28との噛合部、大径ギヤ26aとピニオンギヤ6の噛合部、各軸受30、31などの潤滑を行うようにされている。また、ギヤケース11の内部には、油Lを図示しない油路を介してモータ側へ供給するため、大径ギヤ26aにより駆動されるオイルポンプ37が配設されている。このオイルポンプ37は、入力ギヤ26の下方に配置されている。また、オイルポンプ37の吸引口37aは、2つの連通孔35の間に設けられた凹部33aに配置されている。この凹部33aの底面は、ギヤケース11の内部空間の最低位の底面とされている。すなわち、吸引口37aは、オイルパン部33のうちのオイルポンプ37の下方に形成された最低位の底面を具備する凹部33aに配置されている。この凹部33aは、オイルパン部33の一部を構成するものである。
前記ケースカバー15の内面には、油誘導ガイド40が取り付けられている(図10)。この油誘導ガイド40は、その長手方向を前後方向にして配置されている。本実施形態の油誘導ガイド40は、有底四角筒状に形成されたガイド本体40aと、このガイド本体40aの下端面に形成された板状のガイドブラケット40bを有している。そして、ガイドブラケット40bに、前後方向に間隔をおいて形成された2つの取付孔(図示せず)を介して挿通される2つの取付ねじ42の先端のそれぞれを、ケースカバー15の内面において前後方向に間隔をおいて形成された2つの取付ねじ孔(図示せず)に螺着させることにより、油誘導ガイド40は、その長手方向を前後方向にするとともに、その左側面をケースカバー15の内面に当接するようにして取り付けられている。
前記ガイド本体40aは、その先端を後側に向けて配置されているとともに、その先端面は、上端が下端より後側になる傾斜面とされている。そして、先端面の中心には、前側に向かう断面円形とされた有底の内孔40aaが形成されている。また、ガイド本体40aの左側面の後側には、内孔40aaに連通する断面円形の2つの横孔40abが前後方向に間隔をおいて形成されている。これら横孔40abの開口端は、連通孔35の内端35ab、35bbに接続される接続口40acとされている。そして、先端面に形成された内孔40aaの開口端は、連通孔35を介してギヤケース11の内部に戻される油Lの吐出開口40adとされており、内孔40aaは、吐出開口40adと2つの接続口40acを接続する誘導流路とされている。さらに、ガイド本体40aの先端の位置は、ギヤケース11の前後方向の中央寄りに配置されており、吐出開口40adは、連通孔35の内端35ab、35bbより、減速ギヤ列12の出力側である出力ギヤ28側、すなわち車軸2の配置側、ひいてはギヤケース11の後側に配置されている。なお、油誘導ガイド40は、ギヤケース11の内部に配設される減速ギヤ列12、オイルポンプ37などの各種部品と干渉しない位置に配置されていることが肝要である。また、吐出開口40adの形成位置は、ガイド本体40aの先端面に限定されるものではなく、油Lの流動を阻害しない位置であればよい。例えば、吐出開口40adをガイド本体40aの先端部外周面の下面に形成してもよい。
前記連通孔35の内端35ab、35bbと接続口40acの接続部分の周囲には、連通孔35の他端が形成されたケースカバー15の内面と油誘導ガイド40の隙間であるケースカバー15の内面に対向する油誘導ガイド40の左側面との相互間の隙間から連通孔35に油Lが流入するのを防止するためのシールとしてのガスケットであるOリング44が配設されている(図11)。このガスケットとしては、Dリング、Xリング、円環状のシートリングなど各種のものを用いることができる。
前記連通孔35および油誘導ガイド40は、ともにギヤケース11の内部に貯留される油Lの定常状態における油面Laの高さ位置より下側に配置されている。
図9および図10に示すように、ガイド本体40aの内面およびケースカバー15の内面の前側には、それぞれ板状のブロック46がブロック用取付ボルト47により取り付けられている。これらのブロック46は、ギヤケース11の内部空間のうちの自動車の作動によりギヤケース11の減速ギヤ列12の入力側に位置する一方側に油Lが移動した際に、油Lが貯留される部分の容積を減らすためのものである。本実施形態のブロック46は、自動車の減速旋回時を含む減速時にギヤケース11の減速ギヤ列12の入力側に位置する一方側としての前側に油Lが移動した際に、その油Lが貯留される部分であるギヤケース11の内部空間の前側の容積を減らすものである。また、ブロック46は、定常状態における油Lの油面Laの上方に配置されている。本実施形態におけるブロック46の下面46aは、オイルパン部33に貯留される油Lの定常状態における油面Laに隣位するように油面Laの上方に配置されており、ブロック46の上面46bは、凹部33aに向かってギヤケース11の油Lの移動方向前側上方からその後側下方としての前側上方から後側下方に向かうように形成されている。そして、ブロック46は、自動車の減速時に前側に移動した油Lの油面Lbの油面下に位置するように配置されている。勿論、ブロック46は、ギヤケース11の内部に配設される減速ギヤ列12、オイルポンプ37などの各種部品と干渉しない位置に配置することが肝要である。
前記ケースカバー15の外側面には、2つの減速装置10を結合する際の位置決めに用いるための複数、本実施形態においては3本の位置決めピン49(図5)が装着されるピン孔50が形成されている(図7)。なお、本実施形態の位置決めピン49としては、中空平行ピンが用いられている。
なお、減速装置10には、内部に貯留した油Lが外部に漏れるのを防止する図示しないシールとしてのガスケットが配設されている。
つぎに、前述した構成からなる本実施形態の作用について説明する。
本実施形態の減速装置10によれば、ギヤケース11の内部に貯留されている油Lは、自動車の減速時にブロック46の配置されている前側に移動する。この減速時、ギヤケース11の内部空間のうちの油Lが貯留される部分の容積である貯留容積がブロック46を設けない場合に比較して小さくされているので、少なくともブロック46の一部、本実施形態においては、図9および図10に示すように、ブロック46の全体が油Lの油面Lbの下方(油面下)に位置することになる。これにより、減速時における油Lの油面Lbは、ブロック46を設けない場合における減速時の油面Lcに比べて後側に位置するとともに、この油Lの油面下にオイルポンプ37の吸引口37aを位置させることができる。
このように、本実施形態の減速装置10によれば、ブロック46の存在により、ギヤケース11の内部空間のうちの自動車の減速時に油Lが貯留される部分の容積を減らすことができるので、定常状態における油Lの油量を減らすことなく、自動車の減速時における油Lの貯留容積を小さくすることができる。その結果、自動車の減速時にオイルポンプ37の吸引口37aを油Lの油面Lb下に位置させることができるので、自動車の減速時におけるオイルポンプ37による油Lの供給を確実に行うことができるし、オイルポンプ37が空気を吸引して破損するのを防止することができる。
すなわち、本実施形態のブロック46は、ギヤケース11の内部空間のうちの自動車の作動によりギヤケース11の減速ギヤ列12の入力側に位置する一方側に油Lが移動した際に、その油Lが貯留される部分の容積を確実かつ容易に減らすことができる。その結果、自動車の作動によりギヤケース11の前後方向のうちの減速ギヤ列12の入力側に位置する一方側に油Lが移動した際に、オイルポンプ37の吸引口37aを油Lの油面下に位置させることができるので、自動車の作動時におけるオイルポンプ37による油Lの供給を確実に行うことができるし、オイルポンプ37が空気を吸引して破損するのを防止することができる。したがって、本実施形態の減速装置10によれば、自動車の作動状態に関わりなく油Lを良好に供給することができる。
また、本実施形態の減速装置10によれば、減速ギヤ列12は、ギヤケース11の前後方向の中央部に配置され、電気モータ3の回転軸3aからの回転が入力される大径ギヤ26aおよび小径ギヤ26bを具備する入力ギヤ26と、入力ギヤ26の前後方向のいずれか一方側としての後側に配置され、小径ギヤ26bと噛合するとともにその下部が定常状態における油Lの油面La下に配置された出力ギヤ28を有しているから、電気モータ3の回転軸3aからの回転を減速して回転軸3aの後側に配置された車軸2に出力することができる。
さらに、本実施形態の減速装置10によれば、オイルポンプ37は、入力ギヤ26の下方に配置され、吸引口37aは、オイルパン部33のうちのオイルポンプ37の下方に形成された最低位の底面を具備する凹部33aに配置されているから、油Lが最も溜まりやすい凹部33aの油Lを吸引して電気モータ3側に確実に供給することができる。
さらにまた、本実施形態の減速装置10によれば、ブロック46の下面46aは、オイルパン部33に貯留される油Lの定常状態における油面Laの上方に配置され、ブロック46の上面46bは、凹部33に向かって前側上方から後側下方に向かうように形成されているとともに、ブロック46は、自動車の減速時に油Lの油面Lb下に配置されているから、ギヤケース11の内部空間のうちの自動車の減速時に油Lが貯留される部分の容積をより確実に減らすことができる。
また、本実施形態の減速装置10によれば、ギヤケース11は、ギヤケース11の左右方向に沿ってケース本体14およびケースカバー15に2分割されているから、ギヤケース11の内部に減速ギヤ列12、オイルポンプ37、ブロック46を組み立てる組立作業を容易に行うことができる。
さらに、本実施形態の減速装置10によれば、ケース本体14の外側面に、電気モータ3が取り付けられる環状のモータ取付面20が形成されており、モータ取付面20は、ケース本体14のモータ取付面20が形成された側壁の前後方向のいずれか一方側としての前側に形成されているとともに、モータ取付面20の中心には、電気モータ3の回転軸3aが挿入される入力側開口22が形成され、ケース本体14のモータ取付面20が形成された側壁の前後方向のいずれか他方側としての後側には車軸2が挿入される出力側開口23が形成されているから、電気モータ3の回転軸3からの回転を減速ギヤ列12により減速することでトルクを増幅して回転軸3の後側に回転軸3と平行に配置される車軸2に出力することができる。これにより駆動装置1の小型化を図ることができる。
さらにまた、本実施形態の減速装置10によれば、連通孔35は、ギヤケース11の内部に電気モータ3側からの油Lを確実に戻すことができる。
また、本実施形態の減速装置10によれば、連通孔35は、モータ取付面20の外周より内側の下部に形成されているから、電気モータ3側からの油Lをより確実かつ容易に戻すことができる。
図14および図15は、本発明に係る自動車用減速装置の第2実施形態を示すものである。本実施形態の自動車用減速装置は、電気モータの回転軸を後、車軸を前に配置するものを示している。また、本実施形態の自動車用減速装置は右側の自動車用減速装置を示している。
すなわち、図14および図15に示すように、本実施形態の自動車用減速装置(以下、単に、減速装置と記す。)50における右側の減速装置50Rの減速ギヤ列12は、減速ギヤ列12の入力側に配置される入力ギヤ26がギヤケース11内の前側に配置され、減速ギヤ列12の出力側に配置される出力ギヤ28がギヤケース11R内の後側に配置されている。また、モータ取付面20は、ケース本体20のモータ取付面20が形成された側壁であるモータ側の側壁の前後方向のいずれか一方側としての後側に形成されているとともに、モータ取付面20の中心に、電気モータ3Rの回転軸3aが挿入される入力側開口22が形成されており、ケース本体14のモータ取付面20が形成された側壁であるモータ側の側壁の前後方向のいずれか他方側としての前側に、車軸2が挿入される出力側開口23が形成されている。さらに、ブロック46は、ガイド本体40aの内面およびケースカバー15の内面の後側に配置されている。本実施形態のブロック46は、自動車の加速旋回時を含む加速時にギヤケース11の減速ギヤ列12の入力側に位置する一方側としての後側に油Lが移動した際に、その油Lが貯留される部分であるギヤケース11の内部空間の後側の容積を減らすものである。
その他の構成については、前述した第1実施形態の右側の減速装置10Rを前後反転した構成とされているので、同一ないし相当する構成については図面中の要部に同一の符号を付し、その詳しい説明については省略する。また、図示しない左側の減速装置については、右側の減速装置50Rと概略面対称に形成されているので、その詳しい説明についても省略する。
このような構成からなる本実施形態の減速装置50によれば、以下に述べる効果を除いて前述した第1実施形態の減速装置10と同様の効果を奏することができる。
すなわち、本実施形態の減速装置50によれば、ギヤケース11の内部に貯留されている油Lは、自動車の加速時にブロック46の配置されている後側に移動する。この加速時、ギヤケース11の内部空間のうちの油Lが貯留される部分の容積である貯留容積がブロック46を設けない場合に比較して小さくされているので、少なくともブロック46の一部、本実施形態においては、図14および図15に示すように、ブロック46の全体が油Lの油面Lbの下方(油面下)に位置することになる。これにより、加速時における油Lの油面Ldは、ブロック46を設けない場合における加速時の油面Leに比べて前側に位置するとともに、この油Lの油面下にオイルポンプ37の吸引口37aを位置させることができる。
このように、本実施形態の減速装置10によれば、ブロック46の存在により、ギヤケース11の内部空間のうちの自動車の加速時に油Lが貯留される部分の容積を減らすことができるので、定常状態における油Lの油量を減らすことなく、自動車の加速時における油Lの貯留容積を小さくすることができる。その結果、自動車の加速時にオイルポンプ37の吸引口37aを油Lの油面Lb下に位置させることができるので、自動車の加速時におけるオイルポンプ37による油Lの供給を確実に行うことができるし、オイルポンプ37が空気を吸引して破損するのを防止することができる。
すなわち、本実施形態のブロック46は、前述した第1実施形態の減速装置10におけるブロック46と同様に、ギヤケース11の内部空間のうちの自動車の作動によりギヤケース11の減速ギヤ列12の入力側に位置する一方側に油Lが移動した際に、その油Lが貯留される部分の容積を確実かつ容易に減らすことができる。その結果、自動車の作動によりギヤケース11の前後方向のうちの減速ギヤ列12の入力側に位置する一方側に油Lが移動した際に、オイルポンプ37の吸引口37aを油Lの油面下に位置させることができるので、自動車の作動時におけるオイルポンプ37による油Lの供給を確実に行うことができるし、オイルポンプ37が空気を吸引して破損するのを防止することができる。したがって、本実施形態の減速装置50によれば、自動車の作動状態に関わりなく油を良好に供給することができる。
また、本実施形態の減速装置50によれば、モータ取付面20は、ケース本体20のモータ取付面20が形成された側壁であるモータ側の側壁の前後方向のいずれか一方側としての後側に形成されているとともに、モータ取付面20の中心に、電気モータ3Rの回転軸3aが挿入される入力側開口22が形成されており、ケース本体14のモータ取付面20が形成された側壁であるモータ側の側壁の前後方向のいずれか他方側としての前側に、車軸2が挿入される出力側開口23が形成されているから、電気モータ3を後、車軸2を前とするレイアウトを容易かつ確実に得ることができる。
なお、本発明は、前述した各実施形態に限定されるものではなく、必要に応じて種々の変更が可能である。
1 自動車用駆動装置
2、2L、2R 車軸
2c (車軸の)回転軸線
3、3L、3R 電気モータ
3a 回転軸
3c (回転軸の)回転軸線
10、10L、10R 50、50R 減速装置
11、11L、11R ギヤケース
12、12L、12R 減速ギヤ列
14、14L 14R ケース本体
15、15L、15L ケースカバー
20 モータ取付面
21 凹面
22 入力側開口
23 出力側開口
26 入力ギヤ
26a 大径ギヤ
26b 小径ギヤ
28 出力ギヤ
33 オイルパン部
33a (最低底面を有する)凹部
35 連通孔
35a 前連通孔
35b 後連通孔
40 油誘導ガイド
46 ブロック
46a 下面
46b 上面
L 油
La (自動車の定常状態における)油面
Lb (電気モータの回転軸を前、車軸を後に配置した構成による自動車の減速状態における)油面
Lc (電気モータの回転軸を前、車軸を後に配置するとともに、ブロックを設けない構成における自動車の減速状態における)油面
Ld (電気モータの回転軸を後、車軸を前に配置した構成による自動車の加速状態における)油面
Le (電気モータの回転軸を後、車軸を前に配置するとともに、ブロックを設けない構成における自動車の加速状態における)油面

Claims (4)

  1. 自動車に搭載される電気モータに取り付けられ、電気モータの回転軸からの回転を減速して車軸に出力するとともに、電気モータとの相互間で油を共用する自動車用減速装置であって、
    自動車の前後方向に沿って長い箱形状に形成されたギヤケースと、
    前記ギヤケース内に、前記ギヤケースの前後方向に沿って配列された減速ギヤ列と、
    前記ギヤケース内の下部に形成された油が貯留されるオイルパン部と、
    前記オイルパン部に貯留された油を電気モータ側に供給するために、前記ギヤケースの内部に配設され、前記オイルパン部に貯留された油を吸引する吸引口を具備するとともに、前記減速ギヤ列からの駆動力の伝達を受けて駆動されるオイルポンプと、
    前記ギヤケース内の前後方向のうちの前記減速ギヤ列の入力側に位置する一方側でかつ定常状態における油の油面の上方に、自動車の作動により前記ギヤケースの一方側に油が移動した際にその油が貯留される部分の容積を減らすための板状のブロックと、
    を有していることを特徴とする自動車用減速装置。
  2. 前記減速ギヤ列は、前記ギヤケースの前後方向の中央部に配置され、電気モータの回転軸からの回転が入力される大径ギヤおよび小径ギヤを具備する入力ギヤと、前記入力ギヤの前後方向のいずれか一方側に配置され、前記小径ギヤと噛合するとともにその下部が定常状態における油の油面下に配置された出力ギヤとを有しており、
    前記オイルポンプは、前記入力ギヤの下方に配置され、前記吸引口は、前記オイルパン部のうちの前記オイルポンプの下方に形成された最低位の底面を具備する凹部に配置されており、
    前記ブロックの下面は、前記オイルパン部に貯留される油の定常状態における油面の上方に配置され、前記ブロックの上面は、前記凹部に向かって前記ギヤケースの油の移動方向前側上方からその後側下方に向かうように形成されており、
    前記ブロックは、自動車の作動により前記ギヤケースの一方側に油が移動した際に、その油の油面下に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の自動車用減速装置。
  3. 前記ギヤケースは、前記ギヤケースの左右方向に沿ってケース本体およびケースカバーに2分割されており、
    前記ケース本体の外側面には、電気モータが取り付けられる環状のモータ取付面が形成されており、
    前記モータ取付面は、前記ケース本体の前記モータ取付面が形成された側壁の前後方向のいずれか一方側に形成されているとともに、前記モータ取付面の中心には、電気モータの回転軸が挿入される入力側開口が形成されており、
    前記ケース本体の前記モータ取付面が形成された側壁の前後方向のいずれか他方側には、車軸が挿入される出力側開口が形成されており、
    さらに、前記ギヤケースには、電気モータ側からの油を戻すために、前後方向に対して直交する左右方向に沿って内外に連通する連通孔が形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の自動車用減速装置。
  4. 前記連通孔の外端は、前記モータ取付面の外周より内側の下部に形成されていることを特徴とする請求項3に記載の自動車用減速装置。
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