JP2013544388A - モールド及びタイヤの設計方法 - Google Patents

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Abstract

少なくとも1つの音響摩耗インジケータを備えたタイヤのための硬化モールドを設計する方法に関し、この方法は、以下のステップ(200〜210)、即ち、初期母集団を定めるステップ、初期母集団は、摩耗インジケータに関連する少なくとも1つの特性を有する少なくとも1つのモールドモデルを有し;修正母集団を生成するステップ、修正母集団は、初期母集団の少なくとも1つのモールドモデルの少なくとも1つの特性を修正することによって生じた摩耗インジケータに関連する少なくとも1つの特性を有する少なくとも1つのモールドモデルを有し;修正母集団の少なくとも1つのモールドモデルを備えている評価母集団の各モールドモデルについて、評価母集団の各モールドモデルの少なくとも1つの特性に従って少なくとも1つの性能インジケータを決定するステップ;評価母集団の1つ又は2つ以上のモールドモデルを1つ又は複数の性能インジケータに従って選択するステップを有する。

Description

本発明は、モールド又はタイヤを設計する方法に関する。
トレッドパターン一式(以下、本明細書では「スカルプチャ」という)を備えたトレッドを有する第1の形式の公知タイヤが存在する。スカルプチャは、複数のスカルプチャン要素、例えば、チャネル、溝又は凹みから成る。転動時、タイヤは、このスカルプチャと路面との相互作用によって生じる転動ノイズを放出する。スカルプチャが周期的パターンで形成されている場合、転動ノイズは、このパターンと路面との周期的相互作用に起因するハウリング成分を備えている。転動ノイズを最小限に抑えるために、トレッドスカルプチャは、通常、複数の別々の円周方向部分を有している。各円周方向部分は、1つの群をなす数個、一般に、3又は4の互いに異なるパターンから選択されたパターンを有する。スカルプチャは、タイヤのハウリングの発生を阻止するためにこれらパターンの非周期的配列体によって形成される。
また、音響摩耗インジケータを備えたトレッドを有する第2の形式の公知タイヤも存在する。これら摩耗インジケータは、所定の摩耗しきい値を超える特有のノイズを放出するようトレッド全体にわたって分布して設けられている。特有のノイズは、特に、所定の分布の関数である。
しかしながら、第2の形式のタイヤの音響摩耗インジケータを第1の形式のタイヤに組み込むと、第1の形式のタイヤのスカルプチャと第2の形式のタイヤのスカルプチャの音響摩耗インジケータの所定の分布との適合性に関する問題が生じる。これは、摩耗インジケータがスカルプチャ要素、例えば2つのパターン又は凹み相互間の接合部と同一の位置に配置されている場合、摩耗インジケータがノイズを全く放出せず、したがって摩耗を検出することができないからである。所定の分布が維持される場合、摩耗インジケータがスカルプチャ要素と同一の位置に配置されていないタイヤを実験的に設計することは困難、又は不可能である。摩耗インジケータがこれらスカルプチャ要素の位置を避けるよう位置決めされる場合、所定の分布を維持することができない。この場合、摩耗インジケータは、特有のノイズを放出せず、したがって、タイヤ摩耗を検出することができない。
本発明の目的は、モールドの簡単な設計方法及び音響摩耗インジケータを有するタイヤの簡単な設計方法を提供することにある。
この目的のため、本発明は、少なくとも1つの音響摩耗インジケータを備えたタイヤのための硬化モールドを設計する方法において、方法は、以下のステップA〜D、即ち、
A‐初期母集団を定めるステップ、初期母集団は、摩耗インジケータに関連する少なくとも1つの特性を有する少なくとも1つのモールドモデルを有し、
B‐修正母集団を生成するステップ、修正母集団は、初期母集団の少なくとも1つのモールドモデルの少なくとも1つの特性を修正することによって生じた摩耗インジケータ関連する少なくとも1つの特性を有する少なくとも1つのモールドモデルを有し、
C‐修正母集団の少なくとも1つのモールドモデルを備えている評価母集団の各モールドモデルについて、評価母集団の各モールドモデルの少なくとも1つの特性に基づき少なくとも1つの性能インジケータを決定するステップ、
D‐評価母集団の1つ又は2つ以上のモールドモデルを1つ又は複数の性能インジケータに基づいて選択するステップを有することを特徴とする方法を提案する。
本発明の方法を用いると、モールドモデルの母集団を好ましくは自動的に生成することができ、しかも選択されたモールドモデルの摩耗インジケータに関する識別特性が所定の性能条件を満たしているかどうかを判定するために性能インジケータを利用することによって簡単な確認行うことができる。このため、1つ又は複数の音響摩耗インジケータが所望の分布を有し、タイヤ摩耗に特有のノイズを放出するタイヤを製造するために選択したモールドモデルを用いることができるかどうかを確認することが容易である。
本発明の方法は、遺伝的アルゴリズムを使用することができる。ステップBにおいて、用いられる修正演算子は、識別特性の組み合わせ及び/又は突然変異の生物学的現象をシミュレートしている。変形例では、本発明の方法は、発見的又はメタヒューリスティック型の他のアルゴリズムを使用しても良い。これらの場合において、ステップBの実施中、修正演算子は、ランダム又はセミランダムである。
更に、本発明の方法を所定の性能条件を満たすモールドモデルの極めて迅速な選択に利用することができる。これは、従来型パーソナルコンピュータ上でのコンピュータプログラムの使用により、一般に、モールドモデルを2分かからずに選択することができるからである。この場合、ステップの全ては、自動化手段によって実施される。変形例では、1つ又は2つ以上のステップが自動化手段によって実施される。
一実施形態では、各摩耗インジケータは、発音キャビティを有し、発音キャビティは、半径方向摩耗の所定のしきい値を超えると、タイヤの半径方向外側に向かって開くように形作られると共にタイヤの接触領域の路面通過中、路面により気密状態に閉じられるよう形作られている。
タイヤが警告しきい値であるとみなされる摩耗しきい値を超えて摩耗した場合、1つ又は2つ以上の発音キャビティがトレッド上に現れる。
これらキャビティは、これらキャビティに音を放出する特性を与える特定の形状を有し、換言すると、このキャビティは、摩耗状態のタイヤの転動中、特有のノイズを生じさせる。
これは、キャビティが路面により実質的に気密の状態に閉じられるよう形作られており、したがって、タイヤの接触領域の路面通過中、空気を一時的に取り込むからである。接触領域におけるタイヤの変形の結果として、キャビティに取り込まれたこの空気は、圧縮され、次に、接触領域を出る際、即ち、トレッドがタイヤの後ろで路面との接触をやめたときに突然膨張し、キャビティが開く。
空気のこの膨張は、数ミリ秒前後続き、ヒッシング又はポンピングノイズと呼ばれる場合のある特徴的なノイズを生じさせ、このノイズは、特に、キャビティの形状及び容積によって決定される。
タイヤが或る特定のしきい値を超えて摩耗したときにのみ現れるこの特徴的なノイズは、音響摩耗インジケータを形成する。運転手が自分のタイヤの表面条件の定期的な目視検査を実施しなかった場合であっても、運転手には、運転しながらこの特徴的なヒッシングが聞こえた場合には自分のタイヤの過度の摩耗が知らされることになる。
好ましくは、発音キャビティの形状及び容積は、キャビティが接触領域を通過することによって生じるノイズの周波数及び強度がこのノイズを車両の乗員室から運転手に聞こえるようにするように決定される。
このヒッシングは又、転動ノイズ中のヒッシングを検出し、運転手に自分のタイヤの摩耗を知らせるようになったコンピュータに接続されている1つ又は2つ以上の転動ノイズ検出マイクロホンを用いることによっても検出できる。
このヒッシング現象は、空気がキャビティ内で圧縮され、次にキャビティから逃げ出る際に膨張しているときにのみ現れるので、キャビティを接触領域の通過中に路面によって実質的に気密状態に閉じることが重要である。これは、頂部が路面によって覆われるが、外気と流体連通状態にある横方向チャネルを有しているキャビティが発音キャビティではないからであり、その理由は、このキャビティ内に入っている空気は、圧縮されることがないからである。これは、特に、一般に互いに異なるキャビティを互いに且つ外気に連通させるチャネルのネットワークによって形成されている先行技術のタイヤのトレッドパターンの場合にそうである。
同様に、寸法が大きすぎてキャビティを接触領域の通過中に路面によって全体を覆うことができないキャビティ、例えば、長さが接触領域の長さよりも長いキャビティは、本発明の目的上、発音キャビティを形成することができない。
オプションとして、音響摩耗インジケータに関連した各特性を摩耗インジケータの数に関する少なくとも1つの特性、キャビティの全容積に関連する少なくとも1つの特性(各発音キャビティの容積は、半径方向摩耗の所定のしきい値に達したときに定められる)、摩耗インジケータの円周方向分布に関連した少なくとも1つの特性及び各摩耗インジケータの寸法に関連した少なくとも1つの特性を備えている群から選択する。
上述した群を用いると、摩耗インジケータが音響的であってタイヤに組み込むことができるよう摩耗インジケータの特性を定めることができる。
摩耗インジケータの円周方向分布に関する特性及び各摩耗インジケータの幾何学的形状に関する特性により、各キャビティが接触領域の通過中に路面により実質的に気密状態に閉じられて、例えばキャビティ中に開口し又はキャビティを通るパターン要素によって開かれた状態には保たれないようになる。
摩耗インジケータの円周方向分布に関連した特性及び摩耗インジケータの数に関連した特性により、1組の摩耗インジケータにより放出される特有のノイズは、摩耗検出中にサーチされるノイズに一致するようにすることが可能である。
摩耗インジケータの数に関連した特性及びキャビティの全容積に関連した特性により、特有のノイズを検出することができるようになる。所定の容積未満である場合、摩耗インジケータにより放出される特有のノイズは、このノイズを例えばエンジン及びこれと関連したトランスミッションシステムのノイズに対応する寄生素周波数成分から堅固に識別することが十分なスペクトルレベル、即ち周波数強度を備えない。
本発明の方法の他のオプションとしての特徴によれば、
円周方向分布に関連した特性は、摩耗インジケータの均等分布及び少なくとも1つの摩耗インジケータの基準位置決め角度を備えている。変形例として、摩耗インジケータが所定の不均等な分布で配置されてもよい。この場合には、周方向分配に関連した特性が少なくとも1つの摩耗インジケータの角度位置を備えている。
各摩耗インジケータは、タイヤに設けられた溝の底部に配置された2つのリブを有し、寸法に関連した特性は、円周方向に測定した各摩耗インジケータの各リブの厚さを備えている。
有利には、1つ又は複数の性能インジケータは、発音キャビティの全容積に基づいて決定される。キャビティの容積が増大すると、特有のノイズのスペクトルレベル、少なくとも周波数強度が増大する。キャビティの容積が増大すると、タイヤ摩耗検出がより確実になる。したがって、本発明の目的は、好ましくは、キャビティの全容積が最大であるモールドを得ることにある。
各摩耗インジケータは、タイヤに設けられた溝の底部に配置された2つのリブを有し、1つ又は複数の性能インジケータは、各リブと禁止領域と呼ばれるモールドモデルの少なくとも1つの所定の領域との間の相互侵入の少なくとも1つのインジケータに基づいて決定される。
モールドの禁止領域は、リブがこれら禁止領域に設けられた場合、キャビティが例えば空気の漏れに起因して発音キャビティとして作用しないようなものである。本発明の目的は、好ましくは、各リブとモールドモデルの禁止領域との相互侵入が最小限であり又はそれどころかゼロであるモールドを得ることにある。
一実施形態では、複数本の軸方向に隣接した円周方向バンドを評価母集団の各モールドモデルに関して決定し、各バンドに関して各リブと各禁止領域との間の相互侵入の少なくとも1つのインジケータを決定する。
すると、各バンド及び各溝の各禁止領域が定められる。タイヤの1組の軸方向寸法に関して各相互侵入インジケータを定める代わりに、各インジケータは、小さい軸方向寸法を有する各バンドについて決定される。この実施形態では、禁止領域は、円周方向に小さな寸法を有し、それにより、本発明の方法は、特に摩耗インジケータの位置決めに関して融通性が高くなる。所定の性能条件を満たすモールドモデルの選択速度が向上する。
任意の本数の円周方向バンドを定めることができる。モールドモデルに応じて、各バンドは、一定又は固定軸方向寸法を有するのが良い。各バンドは2つの円周方向エッジによって画定されるので、エッジは、円周方向に対して平行であっても良く又は、ジグザグ又は正弦波の経路に沿って延びても良い。さらに、バンドは、モールドモデルに応じて、同一の軸方向寸法を有しても良く又は任意所与の角度位置について複数の軸方向寸法を有しても良い。
本発明の方法の他のオプションとしての特徴によれば、
モールドモデルは、タイヤの別々の円周方向部分を成形する複数個の別々のマトリックスを有し、禁止領域が、各マトリックスの2つの端領域を備えている。これは、端領域が壊れやすいので、摩耗インジケータのリブ成形要素を各マトリックスの円周方向端領域の近傍に配置することを回避すべきだからである。
禁止領域は、スカルプチャ要素の成形ブレードを通過させる領域を有し、タイヤの対応の禁止領域に配置された発音キャビティは、タイヤの接触領域の路面通過中、路面により気密状態に閉じられることはない。これは、このタイプのスカルプチャ要素が、発音キャビティからの空気の漏れを生じさせ、この漏れが、キャビティに入っている空気の圧縮、およびこれに引き続く膨張を防止することになる。しかしながら、2つのキャビティを連結するスカルプチャ要素を有する領域であって、タイヤの接触領域の路面通過中、2つのキャビティが路面によって実質的に同時に略気密に閉鎖されるように配置される領域が、禁止領域を構成しない。
有利には、タイヤは、法定摩耗インジケータを有し、1つ又は複数の性能インジケータは、少なくとも1つの発音キャビティ内への少なくとも1つの法定摩耗インジケータの組み込みの少なくとも1つのインジケータに基づいて決定される。
法定摩耗インジケータがキャビティ内に設けられている場合、この法定の摩耗インジケータは、所定のしきい値に応じて、キャビティのリブのうちの1つとして働き、そしてキャビティを2つの連続して位置するキャビティに分けることができる。他方、これにより、摩耗インジケータの所定の分布が壊され、他方、キャビティの全容積が減少する。
本発明の目的は、好ましくは、発音キャビティ内への法定摩耗表示の組み込みが最小限であり又はそれどころかゼロであるモールドを得ることにある。
好ましくは、複数本の軸方向に隣接した円周方向バンドがモールドモデル内に決定され、各バンドに関し、各発音キャビティ内への各法定摩耗インジケータの組み込みの少なくとも1つのインジケータが決定される。
タイヤの全幅について組み込みの各インジケータを決定するのではなく、各インジケータは、各バンドについて決定される。これにより、本発明の方法は、特に摩耗インジケータの位置決めに関して融通性が高くなる。所定の性能条件を満たすモールドモデルの選択速度が向上する。
一実施形態では、各摩耗インジケータは、タイヤの円周方向溝の底部から半径方向に延びると共にタイヤの半径方向摩耗の所定のしきい値を超えると、タイヤの接触領域の路面通過中、路面に接触するよう配置されたリブを備えている。
リブは、必ずしもキャビティを構成するわけではなく、いったんタイヤの摩耗しきい値に達すると、タイヤの転動中、特有のノイズを生じさせるのに十分であるのが良い。本発明者は、このノイズが共同して働く少なくとも2つの別々の物理的現象によって生じるという仮説を立てた。一方において、いったん摩耗しきい値に達すると、ノイズは、路面に対するリブの衝撃によって生じる。他方、摩耗しきい値にいったん達すると、タイヤが路面を転動しているとき、空気のプラグがタイヤとタイヤの入る空気との間の相当に高い相対速度の結果としてリブの下流側で溝内に形成される場合がある。空気は、このプラグとリブとの間の空間が路面上におけるタイヤの接触領域を通過するときに、この空間内に一時的に取り込まれる。接触領域におけるタイヤの変形の結果として、この空間内に取り込まれたこの空気は、圧縮され、次に、接触領域を出る際、即ち、トレッドがタイヤの後ろで路面との接触をやめたときに突然膨張する。
リブの数が少ないので、タイヤ及びそのモールドの設計も又簡単になる。というのは、各摩耗インジケータは、閉じられたキャビティを構成するのではなく、したがってブレードの通過する禁止領域へのリブの位置決めを回避することが不要だからである。
リブは、好ましくは、タイヤに生じる摩耗とは無関係に、2つの円周方向に連続して位置するリブが路面上におけるタイヤの接触領域を通過するときに同一の溝の2つの円周方向に連続して位置するリブ及び溝それ自体が大気に対して開いたままの空間を構成するよう配置されている。
オプションとして、音響摩耗インジケータに関連した各特性を摩耗インジケータの数、摩耗インジケータの円周方向分布に関連した少なくとも1つの特性及び各摩耗インジケータの寸法に関連した少なくとも1つの特性を備えている群から選択する。
本発明の方法の他のオプションとしての特徴によれば、
円周方向分布に関連した特性は、摩耗インジケータの均等分布及び少なくとも1つの摩耗インジケータの基準位置決め角度を備えている。
寸法に関連した特性は、円周方向に測定した各摩耗インジケータの各リブの厚さを備えている。
有利には、1つ又は複数の性能インジケータは、各リブと禁止領域と呼ばれるモールドモデルの少なくとも1つの所定の領域との間の相互侵入の少なくとも1つのインジケータに基づいて決定される。
モールドの禁止領域は、リブがこれら禁止領域内に配置された場合、キャビティは、成形上の欠陥を有する場合があり、したがって、キャビティが地面に当たったときに十分に大きなノイズを発生させることができない場合がある。本発明の目的は、好ましくは、各リブとモールドモデルの禁止領域との相互侵入が最小限であり又はそれどころかゼロであるモールドを得ることにある。
一実施形態では、複数本の軸方向に隣接した円周方向バンドを評価母集団の各モールドモデルに関して決定し、各バンドに関して各リブと各禁止領域との間の相互侵入の少なくとも1つのインジケータを決定する。
本発明の方法の別のオプションとしての特徴によれば、モールドモデルは、タイヤの別々の円周方向部分を成形する複数個の別々のマトリックスを有し、禁止領域が、各マトリックスの2つの端領域を有している。
有利には、タイヤは、法定の摩耗インジケータを有し、1つ又は複数の性能インジケータは、リブとの少なくとも1つの法定摩耗インジケータのオーバーラップの少なくとも1つのインジケータに基づいて決定される。
本発明の目的は、好ましくは、リブによる法定摩耗インジケータの被覆度が最小限であり又はそれどころかゼロであるモールドを得ることにある。
好ましくは、複数本の軸方向に隣接した円周方向バンドが評価母集団の各モールドモデルに関して決定され、各バンドに関し、各法定摩耗インジケータと各リブとのオーバーラップの少なくとも1つのインジケータが決定される。
オプションとして、評価母集団の各モールドモデルは、このモデルにおいて、各性能インジケータが性能インジケータと関連した所定の性能条件を満たした場合に選択される。
有利には、タイヤがN本の溝を有し、但し、N>1であり、タイヤが円周方向に等間隔をおいて分布して配置された複数の組をなす摩耗インジケータを有し、各組の摩耗インジケータが実質的に互いに軸方向に整列しているとすれば、評価母集団の各モールドモデルは、このモデルにおいて、各組に関し、少なくとも相互侵入インジケータの数N1が相互侵入インジケータと関連した所定の性能条件を満たした場合に選択され、但し、N<N1である。
「円周方向に等間隔をおいて分布して配置された組をなす摩耗インジケータ」という表現は、摩耗インジケータが同一の溝内に配置されているかどうかとは無関係に、1つの組に属する各摩耗インジケータがこれに隣接して位置する組に属する摩耗インジケータから実質的に同一の角度距離を置いたところに配置されることを意味している。換言すると、等間隔をおいて分布して位置する組は、1対ずつ考慮すると、同一の角度差を有する。単一の組しか存在しない場合、この単一の組は、円周方向に等間隔をおいて分布して配置されているとみなされる。これは、この場合、隣接の組がその組自体で形成されているからである。
各組に関し、最大N−N1の摩耗インジケータをなくすことが可能であり、これは、禁止領域との相互侵入を示す。これにより、性能インジケータが所定の性能条件を満たすモールドモデルを選択する方法の融通性及び速度が向上する。
好ましくは、ステップAの実施後であってステップBの実施前に、初期母集団のモールドモデルを分類し、初期母集団の一部を選択する。
これにより、1組の所定の性能条件を満たすインジケータを備えたモールドモデルを生成するために用いることができないとみなされるモールドモデルにより、次のステップに進む必要性が回避される。
有利には、全てのインジケータが所定の性能条件を満たし損ねている限り、ステップB及びステップCを繰り返し、それにより、新たな初期母集団を形成する評価母集団の少なくとも1つのモールドモデルの少なくとも1つの特性の少なくとも1回の修正によって修正された新たな母集団を生成する。
この手順は、連続繰り返しによって続き、それにより、各評価母集団の各モールドモデルの識別特性は、1つ又は複数のインジケータが関連の所定の性能条件を満たすモールドモデルの採用を目指すように仕向ける。
好ましくは、評価母集団のモールドモデルを分類し、評価母集団の一部を選択し、すると、評価母集団の選択された一部が新たな初期母集団の少なくとも一部を形成する。
これにより、1組の所定の性能条件を満たすインジケータを備えたモールドモデルを生成するために用いることができないとみなされるモールドモデルにより、次のステップに進む必要性が回避される。
有利には、初期母集団及び/又は修正母集団及び/又は評価母集団の各モデルの各特性は、少なくとも1つの所定の制約条件を満たす。
これにより、常軌を逸した特性を備えているモールドモデルを定め又は発生させる必要性が回避される。本発明の方法の目指すモールドモデルの実現が促進される。
モールドがタイヤのネガであり、その結果、タイヤがモールドのポジであるので、ステップA〜Dを少なくとも1つの音響摩耗インジケータを有するタイヤに適用することによって本発明を利用することも可能である。
本発明は又、少なくとも1つの音響摩耗インジケータを有するタイヤを設計する方法において、この方法は、以下のステップA〜D、即ち、
A‐初期母集団を定めるステップ、初期母集団は、摩耗インジケータに関連した少なくとも1つの特性を有する少なくとも1つのタイヤモデルを有し、
B‐修正母集団を生成するステップ、修正母集団は、少なくとも1つのタイヤモデルを有し、少なくとも1つのタイヤモデルは、初期母集団の少なくとも1つのタイヤモデルの少なくとも1つの特性を修正することによって生じた摩耗インジケータに関連した少なくとも1つの特性を有し、
C‐修正母集団の少なくとも1つのタイヤモデルを備えている評価母集団の各タイヤモデルについて、評価母集団の各タイヤモデルの少なくとも1つの特性に基づいて少なくとも1つの性能インジケータを決定するステップ、
D‐評価母集団の1つ又は2つ以上のタイヤモデルを1つ又は複数の性能インジケータに基づいて選択するステップを有することを特徴とする方法を提案する。
本発明は又、コンピュータプログラムであって、コンピュータプログラムは、コンピュータプログラムがコンピュータ上で実行されたときに上述の方法のステップを実施することができるコードの形態をした命令を備えていることを特徴とするコンピュータプログラムに関する。
本発明は又、上述のプログラムを記録形態で有するデータ記録媒体に関する。本発明は、ダウンロードのために利用できる遠距離通信ネックワークによる上述のプログラムの提供を提案する。
本発明は、タイヤ硬化モールドを製造する方法であって、上述のモールド設計方法を用い、モールドを選択したモデルのうちの1つから製作することを特徴とする方法を提案する。
本発明は、タイヤ硬化モールドを製造する方法であって、上述のモールド設計方法を用い、モールドを選択したタイヤのうちの1つから導き出し、モールドを製作することを特徴とする方法に関する。
本発明は、タイヤ硬化モールドにおいて、モールドは、上述のモールド製作方法を用いて製造されることを特徴とする硬化モールドを提案する。
本発明は、タイヤを製造する方法であって、上述のモールド製作方法を用いてモールドを製造し、生ブランクをモールド内で硬化させることを特徴とする方法を提案する。
本発明は、上述のタイヤ製造方法を用いて製造されることを特徴とするタイヤを提案する。
本発明は、例示として提供されているに過ぎず、図面を参照して行われる以下の説明から明確に理解されよう。
音響摩耗インジケータを有する第1の実施形態としての新品タイヤのトレッドを示す図である。 摩耗状態における図1のタイヤのトレッドを示す図である。 図1のタイヤのトレッドの細部を示す図である。 本発明の第1の実施形態としての方法を用いて設計された図1のタイヤのための硬化モールドを示す図である。 図3に類似した図であり、音響摩耗インジケータの配置のための禁止領域を示す図である。 音響摩耗母集団のない図1のタイヤのための硬化モールドを示す図である。 図1のタイヤへの音響摩耗インジケータの位置決めと不適合な禁止領域を示す図である。 図1のタイヤへの音響摩耗インジケータの位置決めと不適合な禁止領域を示す図である。 図1のタイヤへの音響摩耗インジケータの位置決めと不適合な禁止領域を示す図である。 図1のタイヤへの音響摩耗インジケータの位置決めと不適合な法定摩耗インジケータの位置決めのための領域を示す図である。 図1のタイヤへの音響摩耗インジケータの位置決めと不適合な法定摩耗インジケータの位置決めのための領域を示す図である。 図1のタイヤへの音響摩耗インジケータの位置決めと不適合な法定摩耗インジケータの位置決めのための領域を示す図である。 本発明の第1の実施形態としての方法を示す流れ図である。 初期母集団の複数のモールドのパレート図である。 初期母集団のモールドを修正するステップの略図である。 評価母集団の複数のモールドのパレート図である。 本発明の第1の実施形態としての方法を用いて設計されたモールドを示す図である。 音響摩耗インジケータを有する第2の実施形態としての新品タイヤのトレッドを示す図である。 摩耗状態における図18のタイヤのトレッドを示す図である。 本発明の第2の実施形態としての方法を用いて設計された図18のタイヤのための硬化モールドを示す図である。 音響摩耗インジケータを有する第3の実施形態としての新品タイヤのトレッドを示す図である。 摩耗状態における図21のタイヤトレッドの溝を通る平面で見た軸方向断面図である。 本発明の第3の実施形態としての方法を用いて設計された図21のタイヤのための硬化モールドを示す図である。 音響摩耗インジケータを有する第4の実施形態としての新品タイヤのトレッドを示す図である。
図1及び図2は、全体が参照符号10で示された第1の実施形態としてのタイヤを示している。タイヤ10は、実質的に円筒形のトレッド12を有し、このトレッドの外面13は、トレッドパターン要素14を備えている。特に、トレッド12は、タイヤの表面に形成され、タイヤ10が新品であるときに所定の深さを備えた2本の互いに平行な円周方向溝16を有している。例えば、これら溝16の深さは、乗用車用タイヤでは約8mmであり、重量物運搬車両用タイヤでは14〜25mmである。タイヤ10は、音響摩耗インジケータ18を更に有している。
各音響摩耗インジケータ18は、溝16の底部に配置されると共に溝16に対して横方向に延びる2つのリブ20を有する。リブ20の高さは、タイヤが新品のとき、所定の高さを有している。例えば、これらリブの高さは、ほぼ1.6mmである。各溝16は、各溝16に沿って円周方向に等間隔に配置された4つの摩耗インジケータ18を有し、各溝の2つの摩耗インジケータ18は、互いに軸方向にほぼ整列している。2つの軸方向にほぼ整列した摩耗インジケータが、1組の摩耗インジケータを形成する。したがって、全部で、トレッド12は、全部で8つの摩耗インジケータ18によって、2つの音響摩耗インジケータ18が1つの組となった4つの組の摩耗インジケータを有している。変形例では、タイヤは、1〜16の組をなす摩耗インジケータ18を有することができる。
溝16、及び2つの隣接するリブ20により構成された空間は、タイヤ10の外部に向かって半径方向に開口したキャビティ22を形成している。
タイヤ10が図1に示されているように新品のとき、リブ20の高さは、溝16の深さよりも小さく、したがって、2つの隣り合うキャビティ22は、リブ20の上方に位置した流体連通路を構成する。リブ20の頂部が路面と接触していないため、トレッド12が路面と接触状態にあるときであっても、路面は、キャビティ22を完全に封止することはない。この場合、種々の隣り合うキャビティ22は、リブの頂部及びキャビティ22を覆っている路面によって画定される絞りチャネルを介して互いに流体連通状態にある。
図2は、図1のタイヤ10が使用された状態を示しており、この状態では、トレッド12は、次第に摩耗し、半径方向厚さの数ミリメートル、約5ミリメートル程度が失われている。
この場合、図2に示されているタイヤ10のトレッド12の摩耗は、約6ミリメートルであり、換言すると、タイヤが新品の場合にトレッド20の頂部を表面13から隔てる距離よりも大きい。この大きな摩耗により、リブ20の頂部は、表面13と同一高さ位置にある。各キャビティ22の開口部は、トレッド12上に形成された実質的に平坦な輪郭によって構成され、キャビティ22は、互いに別個で独立になる。
各キャビティ22は、2つの隣り合うリブ20相互間の円周方向離隔距離に一致した約10〜50ミリメートルの長さ及びリブ20の初期高さ以下の深さを有している。
キャビティ22の全容積は、2cm3以上、又は好ましくは5cm3である。
各キャビティ20の開口部は、実質的に平坦な輪郭によって構成されているので、キャビティは、転動中、平坦で滑らかな路面によって完全に且つ気密的に封止可能である。換言すると、タイヤ10が摩耗すると、各キャビティ22は、路面上におけるタイヤ10の接触領域の通過中、路面によりほぼ気密状態に閉じられるよう形作られている。
あるときは、タイヤの外部に向かって半径方向に開口し、あるときは、接触領域の通過中に気密的に閉じられるよう形作られたタイヤのトレッド10の表面上に形成されているこの種のキャビティ20は、「発音(音を発する)キャビティ」と呼ばれている。
本発明の第1の実施形態のタイヤでは、この種の発音キャビティは、タイヤが所定の半径方向摩耗しきい値を超えて摩耗したときにのみ現れ、特にタイヤが新品の場合にこのしきい値を下回って存在することはない。
タイヤが転動しているとき、所与の発音キャビティ22は、路面上へのタイヤ接触領域に対する上流側でキャビティが開いている位置、次いで、接触領域でキャビティが路面によって覆われキャビティが閉じられている位置、そして、路面上におけるタイヤの接触領域に対して下流側で最終的にキャビティがもう一度開き路面によってもはや覆われることがない位置に、次々に配置されていく。
換言すると、タイヤの回転により、所与のキャビティに関し、キャビティ内への空気の導入、キャビティが接触領域において路面によって閉じられたときのキャビティ内に入っている空気の圧縮、及び次の、路面からのトレッド12の分離によってキャビティが開かれたときのキャビティ内に入っていた空気の膨張が生じる。
このような導入ステップ、圧縮ステップ及び膨張ステップの連続により、キャビティ内に入っている圧縮空気の膨張に起因して生じるヒッシング又はポンピングノイズと呼ばれる場合のある特有のノイズ即ち騒音が生じる。
本発明が解決しようとする課題は、音響摩耗インジケータ、例えば図1及び図2のタイヤの摩耗インジケータを有するタイヤのための硬化モールドを設計するという課題である。この設計方法は、図1及び図2のタイヤのための硬化モールドの設計には限定されないことは明らかである。
図3は、図1及び図2のタイヤのトレッド12の拡大図である。トレッド12は、2つのショルダ24,26によって画定されている。
ショルダ24,26は、溝16とともに、ゴムの円周方向バンド28A〜28Cを画定している。この場合、バンド28Aは、ショルダ24及び1本の溝16によって軸方向に画定され、バンド28Bは、溝16によって画定され、バンド28Cは、他方の溝16及びショルダ26によって画定されている。各バンド28A,28B,28Cは、それぞれ、トレッドパターン要素30A,30B,30Cを有している。
トレッドパターン要素30A,30Cは各々、トレッド12のゴム中に形成された全体として円周方向に延びるそれぞれの2次溝16A,16Cを有している。トレッドパターン30A,30Cは各々、各2次16A,16Cから全体として軸方向に延びるそれぞれのトレッドパターン要素を有している。
トレッドは、各溝16A,16Cの底部に配置された法定摩耗インジケータ38を更に有している。各法定摩耗インジケータ38は、タイヤ10が新品のとき、高さが各溝16A,16Cの深さよりも低いリブ40を有している。1.6mmの深さを有する溝に対応した法定しきい値と呼ばれている所定のしきい値を超えて摩耗すると、リブ40は、トレッド12の表面と面一となる。このため、摩耗インジケータ38は、法定摩耗インジケータとも呼ばれる。
一例を挙げると、図3のトレッド12は、円周方向部分に分割されている。各円周方向部分は、スカルプチャ要素により形成されたパターンを有する。各スカルプチャ要素パターンは、少なくとも3つの互いに異なるパターンから成る群に属している。この場合、この群は、パターンA′,B′,C′,U′で構成されている。図3では、2つの円周方向に隣接して位置する部分は、ショルダ24,26相互間に延びる破線によって画定されている。円周方向部分は、上述のハウリング現象を回避する目的で、所定の順序の円周方向に互いに続く。
タイヤ10のための硬化モールド100が図4に概略的に示されている。硬化モールド100は、実質的に軸線Xを中心とする回転体であり、実質的に互いに等しい角度幅にわたり軸線Xを中心として円周方向に分布して配置された複数の別々の半径方向セクタS1〜S8を有している。この場合、モールド100は、8つのセクタS1〜S8を有している。各セクタS1〜S8は、トレッド12を成形するための複数のマトリックスから成っている。各セクタS1〜S8のモールドマトリックスは、1つの群をなす少なくとも4つの別々のマトリックスから選択される。この場合、この群は、タイプA,B,C,Uマトリックスで構成されている。各マトリックスA,B,C,Uは、それぞれ、各円周方向部分A′,B′,C′,U′を成形するために使用されるのが良い。
マトリックスA,B,Cは、タイヤ10のそれぞれの円周方向部分A′,B′,C′のパターンを成形するための要素を支持している。マトリックスUは、円周方向部分Uを成形するための要素を支持し、このような要素は、法定摩耗インジケータ38を成形する要素38′を備えている。各マトリックスA,B,C,Uは、2つの円周方向に隣り合うマトリックスとの接合部を形成するための2つの円周方向端部分を有している。図4では、2つのマトリックス相互間の接合部は、実線で示されている。マトリックスの中には、摩耗インジケータ18を成形するための要素18を有するものがあり、このような要素18′は、各リブ20を成形するための要素20′を備えている。
モールド100は、禁止領域と呼ばれている所定の領域ZIを有し、摩耗インジケータ18を成形する要素18′、特にリブ20を成形する要素20′は、上述の理由でこれら禁止領域内に位置決めされてはならない。モールド100の各マトリックスは、2つの禁止領域ZIを有し、これら禁止領域は、この場合、マトリックスの2つの端領域である。各マトリックスの各禁止端領域は、実質的に2mmに等しい円周方向長さを有している。2つのマトリックスの接合部のところでは、禁止領域は、実質的に4mmに等しい円周方向長さを有する。図4では、領域ZIがグレー表示されている。図5は、モールドの領域ZIに対応したタイヤ10の禁止領域ZI′を示している。
変形例では、禁止領域ZIは、スカルプチャ要素を成形するためのブレードを通過させる領域を更に有し、したがって、この領域内に位置するキャビティは、タイヤの接触領域の路面通過中、路面によって気密状態に閉じられることはない。
モールド100は、摩耗インジケータ38を成形する要素38′を備えた領域ZTULを更に有し、この場合も又、摩耗インジケータ18を成形する要素18′、特にリブ20を成形する要素20′は、上述した理由でこれら領域ZTUL内に配置されてはならない。
本発明は、成形要素18′が禁止領域ZI内に配置されず、しかもモールドによって製造されるタイヤのキャビティ22内に摩耗インジケータ18が存在しないようにしながらモールドが設計されることを提案する。
図6は、図4のモールド100と同一であるが、タイヤ10の摩耗インジケータ18を成形する要素18′を備えていないモールド100′を示している。
図7は、白色部分が禁止領域ZI内の位置を示しているモールド100′の概略展開図である。これとは逆に、黒色部分は、摩耗インジケータ18を成形する要素18′が追加されるのが良い認可領域ZAの位置を示している。図8は、摩耗インジケータ19を成形する要素18′だけを備えている想像上のモールド100′の概略展開図である。この図では、白色部分は、リブ20を成形する要素20′の位置を示している。この場合、要素20′.1〜20′.16が識別されている。最後に、図9は、モールド100′とモールド100″の重ね合わせによって形成されたモールド100′″を示している。注目されるべきこととして、リブ20′.3,20′.6,20′.8,20′.12,20′.16のための要素20′は、或る特定の禁止領域ZI上に重ね合わされており、それによりタイヤ10の製造はモールド100′″では不可能になっている。
図10は、白色部分が摩耗インジケータ38を成形する要素38′の位置を示しているモールド100′の概略展開図である。図11は、白色部分が摩耗インジケータ18を成形する要素18′、この場合、キャビティ22の位置を示す想像上のモールド100″の概略展開図である。最後に、図12は、モールド100′とモールド100″の重ね合わせ状態を示している。注目されるべきこととして、モールド100′の白色部分は、モールド100″の黒色部分上に重ね合わされている。モールド100′″は、キャビティ22に摩耗インジケータ38が設けられてはならないという条件を満たしている。
次に、図13に全体的に示されている本発明の第1の実施形態としての図4のモールドを設計する方法について説明する。
ステップA:初期母集団の一覧表示
第1ステップ200では、初期母集団PP1を一覧表示し、このような初期母集団は、所定数の個体を有し、これら個体は、この場合、モールドモデルPiである。初期母集団PP1の各モールドモデルPiは、識別特性によって特徴付けられる。
この初期母集団PP1は、親集団と呼ばれている。親集団PP1は、ランダムに生成され、この母集団は、20個のモールドモデルから成っている。識別特性は、摩耗インジケータの数、この場合、総数がNTUSの摩耗インジケータ18の組に関連した特性、発音キャビティの全容積、この場合、発音キャビティ22の全容積VTUSに関連した特性、摩耗インジケータの円周方向分布、この場合、摩耗インジケータ18の組の均等分布及び摩耗インジケータ18の組のうちの1つの組の基準位置αTUSに関連した特性、及び最後に各摩耗インジケータの寸法、この場合、発音キャビティ22を画定している各リブ20の円周方向における厚さETUSに関する特性を備えている。
各識別特性は、所望の特有のノイズにより定められる少なくとも1つの所定の制約条件を満たしている。実施例では、各識別特性は、制約条件範囲に属する。この場合、NTUS∈[6;9]、VTUS∈[0cm3;20cm3]、αTUS∈[0°;360°]及びETUS∈[4mm;6mm]である。
以下の表1は、各モールドモデルPiの「遺伝子型」、即ち、親集団PP1の各モールドモデルPiの識別特性を示している。
Figure 2013544388
表1:親集団PP1の各モールドモデルPiの識別特性
ステップ202では、モールドモデルPiを分類し、親集団PP1の最適モールドモデルPiを選択する。この目的のため、親集団PP1の性能インジケータと呼ばれる1つ又は2つ以上のインジケータを親集団PP1の各モールドモデルPiの識別特性に基づいて決定する。
この場合、性能インジケータは、発音キャビティの全容積VTUS、各リブ20と少なくとも1つの禁止領域ZIとの相互侵入のインジケータ及び少なくとも1つの発音キャビティ内への少なくとも1つの法定摩耗インジケータの組み込みのインジケータを備えている。相互侵入インジケータは、各発音キャビティ22の長さと各禁止領域ZIのオーバーラップ長さLJIを備えている。変形例では、相互侵入インジケータは、各禁止領域ZIに設けられた発音キャビティ22の全容積に実質的に等しい容積VJIを備えている。組み込みインジケータは、発音キャビティ22内の摩耗インジケータ38の組み込み長さLTULを備えている。変形例では、第2の相互侵入インジケータは、各発音キャビティ20内に設けられた摩耗インジケータ38の全容積に実質的に等しい容積VTULを備えている。別の変形例では、性能インジケータは、摩耗インジケータ18の組の数NTUSを更に備えている。
本発明の目的は、インジケータVTUS、LJI=0及びLTULが所定の性能条件の組を満たすモールドモデルを生成することにある。この場合、所定の性能条件は、VTUS∈[0cm3;20cm3]、LJI=0、LTUL=0である。
第1及び第2の相互侵入インジケータは、表1のデータを以下の表2に組み込んだ状態で連結される。
Figure 2013544388
表2:親集団PP1の各モールドモデルPiの識別特性及び性能インジケータ
第1の分類サブステップでは、親集団PP1の各モールドモデルPiを分類する。各モールドモデルPiをVTUS及び第1インジケータLJIの関数として分類する。図14は、パレート図において平面VTUS=[0;20]、LJI=[50cm3;450cm3]及びLTUL=0に属するモールドモデルPiを示しており、パレート図では、VTUSが横軸上に示され、LJIは、縦軸上に示されている。次に、モールドモデルPiをパレート最適性問題のPOランクに従って分類する。パレート最適性問題の解の組に対応したモールドパネルPiを選択し、換言すると、モールドモデルPi*をVTUS(Pi)≦VTUS(Pi*)且つLJI(Pi)≧LJI(Pi*)であるような他のモールドモデルPiが存在せず且つVTUS(Pi)<VTUS(Pi*)且つLJI(Pi)>LJI(Pi*)であるようなVTUS又はLJIが存在しないように選択する。選択したモールドモデルは、POランクが1であるパレート最適性問題の解をなすモールドモデルである。この場合、選択したモールドモデルは、モデルP11,P1,P7,P18,P8及びP20である。POランクが1のモールドモデルを次に親集団PP1から抜き出し、パレート最適性問題の解の組に対応した残りのモールドモデルPiを選択する。選択したモールドモデルは、POランクが2のパレート最適性問題の解をなすモールドモデルである。この場合、選択したモールドモデルは、モールドモデルP13,P17,P2,P16,P12,P9,P6及びP10である。最後に、POランクが1及び2のモールドモデルを親集団から抜き出し、パレート最適性問題の解の組に対応した残りのモールドモデルPiを選択する。選択したモールドモデルは、POランクが3のパレート最適性問題の解をなすモールドモデルである。この場合、選択したモールドモデルは、モールドモデルP15,P4,P3,P19,P5及びP14である。一般的に言って、選択及び抜き取りステップは、必要に応じて何回も繰り返し実施し、それによりモールドモデルPiの各々にPOランクを割り当てる。
第2の分類サブステップは、修正ランクRank*をPOランク及びモールドモデルPiの各々によって満たされていない性能条件から決定する。この場合、インジケータLTUL=0であるモールドモデルPiに関し、最も高いPOランクに1を加えたもの、この場合、4がモールドモデルPiのPOランクに追加される。第2のインジケータLTUL≠0であるモールドモデルPiに関し、POランクが同一であるが、LTUL=0であるモールドモデルPiに関する対応のRank*を最も高いPOランクに1を加えたものと一緒にモールドモデルPiのPOランクに加え、大きさは、この場合、POランクが1のモールドモデルPiについては5+4=9であり、POランクが2のモールドモデルPiについては6+4であり、POランクが3のモールドモデルPiについては7+4である。
POランク及びRank*は、表2のデータを以下の表3に入れた状態で連結される。
Figure 2013544388
表3;親集団PP1の各モールドモデルPiの識別特性、性能インジケータ、PO ランク及びRank *
次に、第3の分類サブステップでは、親集団PP1のモールドモデルPiのうちの幾つかを分類する。この場合、性能インジケータRank*が最も低い親集団PP1のモールドモデルPiの半分、換言すると、モールドモデルP11,P1,P7,P18,P13,P17,P2,P15,P4及びP3を選択する。これらモールドモデルPiは、モールドを備えているモールドP′11=P11,P′1=P1,P′7=P7,P′18=P18,P′13=P13,P′17=P17,P′2=P2,P′4=P4及びP′3=P3を備えている選択された親集団PP1′を形成する。
ステップB:修正母集団の生成
次のステップ204では、i∈[0;20]のモールドモデルFiの修正母集団PF1を先のオプションとしての選択ステップで得られた選択済み母集団PP1′のモールドモデルPi′から生成する。このステップ204は、図15に示されている。修正母集団PF1は、子集団と呼ばれる。修正母集団PFの各モールドモデルFiは、親集団PP1′と同一の識別特性によって特徴付けられる。この識別特性は、親集団PP1′の少なくとも1つのモールドモデルPi′の少なくとも1つの識別特性を修正することによって得られる。
上述の実施形態では、母集団PF1のモールドモデルFiのうちの幾つかは、親集団PP1′の2つのモールドモデルFiの少なくとも1つの識別特性を組み合わせるための組み合わせアルゴリズムACによって生成され、母集団PF1の他の幾つかのモールドモデルFiは、親集団PP1′のモールドモデルP′iを突然変異させる突然変異アルゴリズムAMによって生成される。変形例では、母集団PF1のモールドモデルFi全ては、組み合わせアルゴリズムによって生成される。別の変形例では、母集団PF1のモールドモデルFiは全て、突然変異アルゴリズムによって生成される。
次に、組み合わせアルゴリズムについて説明する。この場合、このアルゴリズムは、SBX(Simulated Binary Crossover:一点交叉の原理の模倣)アルゴリズムである。親集団PP1′の2つのモールドモデルP′i,P′Jを選択する。この選択は、ランダムに実施される。変形例では、モールドモデルP′iがランダムに選択され、モールドモデルP′Jが所定の親選択基準に従って選択される。別の変形例では、モールドモデルP′i,P′jは、所定の親選択基準に従って選択される。次に、ランダム根u∈[0;1]を生成する。次に、クロスオーバー演算子βを計算する。u≦0.5であれば、
Figure 2013544388
であり、もしそうでなければ、
Figure 2013544388
であり、この場合、ηc=20であり、ηcは、分散指数である。各識別特性に関し、H=NTUS,VTUS,αTUS又はETUSであり、2つの子モールドモデルFi,Fjを定め、その結果、H(Fi)=1/2・[(1+β)・H(P′i)+(1−β)・H(P′j)]及びH(Fj)=1/2・[(1−β)・H(P′i])+(1−β)・H(P′j)]である。
次に、突然変異アルゴリズムについて説明する。この場合、このアルゴリズムは、多項突然変異アルゴリズムである。親集団PP1′のモールドモデルP′kを選択する。選択は、ランダムに実施される。モールドモデルP′kは、所定の親選択基準に従って選択される。次に、ランダム根U∈[0;1]を生成する。次に、クロスオーバー演算子δを計算する。u<0.5であれば、
Figure 2013544388
であり、もしそうでなければ、
Figure 2013544388
であり、この場合、ηm=20であり、ηcは、突然変異指数である。各識別特性に関し、H=NTUS,VTUS,NTUS,αTUS又はETUSであり、子モールドモデルFkを定め、その結果、H(Fk)=H(P′k)+(Hmax−Hmin)・δであり、Hmax及びHminは、それぞれ、各識別特性Hの制約条件範囲の上限と下限である。
このようにして生成した子集団PF1のモールドモデルFiは、選択した親集団PP1′のモールドモデルP′iと一緒になって、モールドモデルEiの評価母集団PE1を形成する。変形例では、評価母集団は、子集団PF1のモールドモデルFiだけで構成されている。各モールドモデルFiの識別特性は、所定の制約条件を満たし、所定の制約条件は、この場合、NTUS∈[6;9],VTUS∈[0cm3;20cm3]、αTUS∈[0°;360°]且つETUS∈[4mm;6mm]である。
ステップC:性能インジケータの決定
次に、ステップ206において、評価母集団PE1の各モールドモデルEiの性能インジケータVTUS,LJI,LTULを評価母集団PE1の各モールドモデルEiの識別特性に基づいて決定する。
Figure 2013544388
表4:評価母集団PE1の各モールドモデルEiの識別特性及び性能インジケータ
ステップD:1つ又は複数のモールドの選択
次に、ステップ208において、各性能インジケータVTUS,LJI,LTULを各性能インジケータと関連した所定の性能条件と比較する。この場合、所定の条件は、VTUS∈[0cm3;20cm3]、LJI=0且つLTUL=0である。
母集団PE1のモールドモデルEiはどれも、所定の性能条件を満たすインジケータVTUS,LJI,LTULを備えていない。したがって、母集団PE1のモールドモデルEiをどれも選択しない。その結果、母集団PE1のモールドEiは、親集団又は初期母集団PP2のモールドPiを形成する。また、母集団PP2のモールドモデルPiも又分類し、ステップ202において母集団PP1のモールドモデルPiについて実施した分類と同様な仕方で分類すると共に選択する。
第1の分類サブステップでは、母集団PP21の各モールドモデルPiを分類する。母集団PP2の各モールドモデルPiをVTUS及び第1のインジケータLJIの関数として分類する。図16は、VTUSが横軸上に示され、LJIが縦軸上に示されたパレート図において平面VTUS=[0;20]、LJI=[0cm3;450cm3]、LTUL=0に属する母集団PP2のモールドモデルPiを示している。次に、母集団PP2のモールドモデルPiをパレート最適性問題のPOランクに従って分類する。次に、パレート最適性問題の解の組に対応した母集団PP2のモールドモデルPiをモールドモデルPiについて実施した選択と同様な仕方で選択する。次に、パレート最適性問題の解を形成する母集団PP2の選択したモールドモデルPiは、POランク1の場合、モールドモデルE28=P28、E11=P11であり、POランクが2の場合、E1=P1、E7=P7、E23=P23、E29=P29、POランクが3の場合、E13=P13、E17=P17、E22=P22、E25=P25、E26=P26であり、POランクが4の場合、E21=P21、E27=P27、E30=P30であり、POランクが5の場合、E24=P24、E2=P2、E15=P15であり、POランクが6の場合、E18=P18、E4=P4、E3=P3であり、POランクが7の場合、E30=P30、E24=P24であり、POランクが8の場合、E3=P3、E4=P4である。
第2の分類サブステップは、修正ランクRank*をPOランク及びモールドモデルPiの各々によって満たされていない性能条件から決定する。
POランクRank*を表4のデータを以下の表5に入れた状態で連結させる。
Figure 2013544388
表5:親集団PP2の各モールドモデルPiの識別特性、性能インジケータ、POランク及びRank *
次に、第3の分類サブステップでは、母集団PP2のモールドモデルPiのうちの幾つかを分類する。この場合、最も低い性能インジケータRank*を有する親集団PP2のモールドモデルPiの半分、換言すると、モールドモデルP11、P28、P1、P7、P23、P13、P17、P22、P25、P21を選択する。これらモールドモデルP1は、モールドPi′の選択した親集団PP2′を形成する。
次に、ステップBとステップCを繰り返し実施し、選択した親集団PP2′の少なくとも1つのモールドモデルPi′の少なくとも1つの識別特性を修正することによってモールドFiの新たな修正された母集団又は子集団PF2を生成し、各識別特性は、少なくとも1つの所定の制約条件を満たす。新たな評価母集団PE2を決定し、この新たな評価母集団は、新たな修正又は子集団PF2のモールドFi及び選択した親集団PP2′のモールドEiで構成されている。一般的に言って、評価母集団PEkは、選択した親集団PPk′のモールドPk′及び修正又は子集団PFkのモールドFkで構成されている。
母集団PE2のモールドモデルEiはどれも、所定の性能条件を満たすインジケータVTUS,LJI,LTULを備えていない場合、母集団PE2のモールドモデルEiのうちの幾つかを選択した親集団PP3′の生成のために分類すると共に選択し、ステップB及びステップCを上述したように繰り返し実施し、この手順は、インジケータが関連の所定の条件を満たす少なくとも1つのモールドモデルを備えている母集団PEnが得られるまで続く。
1つ又は2つ以上のモデルEiのインジケータが所定の条件を満たした場合、最終ステップ210において、評価母集団の1つ又は複数のモールドモデルを母集団PEnの1つ又は複数の性能インジケータに基づいて選択する。この場合、インジケータが所定の性能条件を全て満たす1つ又は複数のモールドモデルEiを選択する。
複数のモールドモデルが性能インジケータに基づいて選択された場合、選択されるべきモールドモデルの選択は、追加の基準、例えば最も大きな数NTUS又は最も大きな厚さETUSに基づいて行われる。
図4は、本発明の第1の実施形態としての方法によって音響摩耗インジケータ18を成形する要素18′が配置されたモールド100を概略的に示している。モールド100のためのインジケータは、VTUS=13.0457cm3、LJI=LTUL=0であり、したがって、所定の性能条件が満たされている。モールド100の識別特性は、VTUS=13.0457cm3、NTUS=6、αTUS=228.334°、ETUS=4.8mmであり、これらの各々は、関連の所定の制約条件、即ち、NTUS∈[6;9]、VTUS∈[0cm3;20cm3]、αTUS∈[0°;360°]、ETUS∈[4mm;6mm]を満たす。
音響摩耗インジケータ18を有するミシュラン・エナジー・セーバ(Michelin Energy Saver)タイヤのための硬化モールド102が図17に概略的に示されている。要素18′は、本発明の第1の実施形態としての方法を用いてモールド内に配置されている。モールド102に関し、各識別特性の所定の制約条件は、NTUS∈[4;8]、VTUS∈[10cm3;20cm3]、αTUS∈[0°;360°]、ETUS∈[3mm;4mm]である。モールド100と同様、モールド102のインジケータは、VTUS=14.7241cm3、LJI=LTUL=0であり、したがって、所定の性能条件が満たされている。モールド102の識別特性は、VTUS=14.7241cm3、NTUS=4、αTUS=65.2739°、ETUS=3.1mmであり、これらの各々は、関連の所定の制約条件を満たしている。
図4のモールド100を選択したとき、モールドを従来型モールド製造方法で製作する。モールド100を製作すると、モールド100内で生ブランクを硬化させることによってタイヤ10を製造する。
次に、図18〜図20を参照して第2の実施形態としての方法について説明する。先の図に示された要素と同様な要素は、同一の参照符号で示されている。
この場合、各摩耗インジケータ18をこれが設けられている溝16の底部のところで横方向に配置されると共にこの溝16の底部から半径方向に延びるゴムリブ20によって形成する。タイヤが新品の場合、各リブ20は、溝16の深さと半径方向摩耗の所定のしきい値との差に実質的に等しい所定の高さを有する。リブ20は、タイヤ10に円周方向に等間隔をおいて分布して配置されている。タイヤ10は、N=3本の溝16を有している。
各リブ20は、各リブ40から見て円周方向に離隔されている。換言すると、リブ20とリブ40は、互いに触れ合わない。
タイヤ10が新品の場合、図18に示されているように、リブ20,40の高さは、溝16の深さよりも小さく、したがって、各摩耗インジケータ18,38は、リブ20,40の上方に、即ち、リブ20,40の頂部に設けられた空間を形成する。トレッドが平坦で滑らかな路面と接触状態にある場合であっても、路面は、リブ40には接触しない。
リブ20,40は、タイヤ10の半径方向摩耗とは無関係に、同一の溝16の円周方向に連続して位置するリブ20,40及び溝16それ自体は、リブが路面上におけるタイヤ10の接触領域を通過しているときに空気に向かって開口したままである空間を構成するよう配置されている。摩耗インジケータ18,38の分布に応じて、問題のリブ20,40の各対は、2つのリブ20、2つのリブ40又は1つのリブ20及び1つのリブ40を有している。この場合、同一の溝16の2つの円周方向に連続して位置するリブ20,40相互間の距離は、所定の距離よりも大きく、この所定の距離は、この場合、接触領域の長さであり、したがって、半径方向摩耗の所定の且つ/或いは法定しきい値を超えた場合であっても、リブ20,40及び溝16は、これらリブが路面上におけるタイヤ10の接触領域を通過しているときに空気に対して開いたままである空間を形成する。
図19は、半径方向摩耗の所定のしきい値を超えて摩耗した図18のタイヤ10を示している。
トレッド12の摩耗は、半径方向摩耗の所定のしきい値よりも大きく、即ち、このような摩耗は、タイヤ10が新品の場合、リブ20の頂部をトレッド12の表面から隔てる距離よりも大きい。この摩耗がしきい値よりも大きいので、リブ20の頂部は、トレッド12の表面と同一高さ位置にある。トレッド12の摩耗は、摩耗の法定しきい値よりも小さく、即ち、このような摩耗は、タイヤ10が新品の場合、リブ40の頂部をトレッド12の表面から隔てる距離よりも小さい。リブ40の頂部は、この摩耗段階ではトレッド12よりも低い高さ位置にある。
タイヤ10が半径方向摩耗の所定のしきい値を超えて摩耗すると、各リブ20は、これが路面上におけるタイヤ10の接触領域を通過する際、各リブ20が路面に接触するよう形作られている。
次に、モールドを設計する方法の第2の実施形態について説明する。
第1の実施形態としての設計方法とは対照的に、音響摩耗インジケータに関する各特性を摩耗インジケータの数に関する少なくとも1つの特性、この場合、摩耗インジケータ18の組の総数NTUS、摩耗インジケータ18の円周方向分布に関連した少なくとも1つの特性、この場合、摩耗インジケータ18の組の均等分布及び摩耗インジケータの組の中の1つの基準位置αTUS、各摩耗インジケータの寸法に関連した少なくとも1つの特性、この場合、各リブ20の円周方向における厚さETUSを備えている群から選択する。
第1の実施形態としての方法とは対照的に、複数の軸方向に隣接した円周方向バンド、例えば3本のバンドB1,B2,B3を評価母集団PE1の各モールドモデルEiに関して決定し、各バンドは、溝16を有する。各バンドB1〜B3及び各溝16の各禁止領域ZIを定める。各バンドB1〜B3及び各溝16の領域ZTULも又定める。各バンドB1〜B3は、モデルEiの周囲全体にわたって延びている。
ステップ206の前に、各摩耗インジケータ18の各リブ20pと各禁止領域ZIとの間の相互侵入インジケータLJIpを各リブ20pとの各摩耗インジケータ38のオーバーラップのインジケータLTULpと一緒に、各バンドB1〜B3について決定する。タイヤモデルPiが1つの組当たり2つの摩耗インジケータ18pを有すると共に4つの組、換言すると、NTUS=4を有する場合、8つの相互侵入インジケータLJIp及び8つのオーバーラップインジケータLTULpを定め、この場合、pは、1〜8である。
したがって、第2の実施形態としての方法の性能インジケータは、少なくとも1つのリブ20pと各禁止領域ZIとの間の相互侵入インジケータLJIp及びリブ20pとの各法定摩耗インジケータ38のオーバーラップのインジケータLTULpを備えている。
ステップ208において、各性能インジケータLJIp,LTULpを各性能インジケータと関連した所定の性能条件、この場合、LJIp=0及びLTULp=0と比較する。
摩耗インジケータ18の各組に関し、少なくともN1=2の相互侵入インジケータLJIpが相互侵入インジケータと関連した所定の性能条件、この場合、LJIp=0を満たし且つインジケータLTULpがこれと関連した所定の性能条件をも満たす場合、モデルEiを選択する。
変形例では、N=2且つN1=1である。別の変形例では、N=4且つN1=2である。
第2の実施形態としての方法の他の特性は、第1の実施形態としての方法の他の特性と同一である(但し、必要な変更が加えられる)。
図20は、本発明の第2の実施形態としての方法によって音響摩耗インジケータ18を成形する要素18′が配置されたモールド100を概略的に示している。モールド100のインジケータは、LJIp=LTULp=0であり、したがって、所定の性能条件が満たされている。モールド100の識別特性は、NTUS=8、αTUS=104.13°、ETUS=4.85mmであり、これらの各々は、関連の所定の制約条件、即ちNTUS∈[6;9]、αTUS∈[0°;360°]、ETUS∈[4mm;6mm]を満たしている。モールドは、摩耗インジケータ18がバンドB1,B2,B3内に位置決めされた2つの組をなす3つの摩耗インジケータ18及び摩耗インジケータ18が1つの場合にはバンドB1,B2内に位置決めされ、他の5つの場合にはバンドB2,B3内に位置決めされた6つの組をなす2つの摩耗インジケータ18を成形する要素を有している。
次に、図21〜図23を参照して本発明を第3の実施形態としての対応及び方法について説明する。先の図に示された要素とほぼ同じ要素は、同一の参照符号で示されている。
第1の実施形態としてのタイヤとは対照的に、各法定摩耗インジケータは、各摩耗インジケータ18のリブ20に隣接して位置している。半径方向摩耗の所定のしきい値に対応した摩耗度を有する第3の実施形態としてのタイヤ10を示す図21及び図22を参照すると、2つの摩耗インジケータ18,38は、溝16の底部に配置された2つのリブ42,44を有し、この場合、これらで構成された単一の摩耗インジケータを形成している。リブ42は、全体として階段状の形を有し、このようなリブは、第1及び第2のゴム部分46,48を有し、第1及び第2のゴム部分46,48は、それぞれ、摩耗インジケータ18のリブ20のうちの1つ及び摩耗インジケータ38のリブ40を形成している。リブ44は、摩耗インジケータ18の他のリブ20を形成している。
次に、モールドを設計する方法の第3の実施形態について説明する。
第1の実施形態としての方法とは対照的に、識別特性は、各摩耗インジケータの寸法に関連した特性を備えている。これら特性は、リブ42の円周方向における厚さETUS1及びリブ44の円周方向における厚さETUS2を備えている。リブ40を考慮に入れるために、ETUS1の制約条件範囲は、[5mm;7mm]であり、ETUS2の制約条件範囲は、[2mm;4mm]である。更に、発音キャビティ内への法定摩耗インジケータの組み込みのインジケータを削除する。
更に、第1の実施形態としての方法とは対照的に、そして第2の実施形態としての方法と同様な仕方で、各々が溝16を有する複数本の円周方向バンド、この場合3本のバンドB1,B2,B3を評価母集団PE1の各モールドモデルEiについて決定する。各バンドB1〜B3及び各溝16の各禁止領域ZIを定める。各バンドB1〜B3及び各溝16の領域ZTULも又定める。
次に、ステップ206の前に、各摩耗インジケータ18の各リブ20pと各禁止領域ZIとの間の相互侵入インジケータLJIpを各発音キャビティ22p内への各摩耗インジケータ38の組み込みのインジケータLTULpと一緒に、各バンドB1〜B3について決定する。
第3の実施形態としての方法の他の特性は、第1及び第2の実施形態としての方法の他の特性と同一である(但し、必要な変更が加えられる)。
図23は、第2の実施形態としての方法によって音響摩耗インジケータ18を成形する要素18′が配置されたモールド100を概略的に示している。モールド100のインジケータは、LJIp=LTULp=0であり、したがって、所定の性能条件が満たされている。モールド100の識別特性は、NTUS=5、αTUS=264.96°、ETUS1=5.76mm、ETUS2=2.76mmであり、これら各々は、関連の所定の制約条件、即ち、ETUS∈[6;9]、VTUS∈[0cm3;20cm3]、αTUS∈[0°:360°]、ETUS1=∈[5mm;7mm]、ETUS2∈[2mm;4mm]を満たしている。各組は、2つの摩耗インジケータ18を有する。モールド100は、摩耗インジケータ18がバンドB1,B3内に配置された3つの組及び摩耗インジケータ18がバンドB1,B2内に配置された2つの組を有する。更に、各リブ42,44の円周方向順序は、1つの摩耗インジケータから別のインジケータまで様々であって良い。
次に、図24を参照して本発明の第4の実施形態としてのタイヤ及び方法について説明する。先の図に示された要素とほぼ同じ要素は、同一の参照符号で示されている。
第2の実施形態としてのタイヤとは対照的に、各摩耗インジケータ18の各リブ20は、摩耗インジケータ38のリブ40に隣接して位置している。半径方向摩耗の所定のしきい値に対応した摩耗度を有する第4の実施形態としてのタイヤを示す図24を参照すると、2つの摩耗インジケータ18,38は、、溝16の底部に配置された単一のリブ50を有し、この場合、この単一リブで構成された単一の摩耗インジケータを形成している。リブ50は、全体として階段状の形を有し、このようなリブは、第1及び第2のゴム部分52,54を有し、第1及び第2のゴム部分52,54は、それぞれ、リブ20,40を形成している。
第4の実施形態としての方法の他の特性は、第2及び第3の実施形態としての方法の他の特性と同一である(但し、必要な変更が加えられる)。
第2の実施形態としての方法とは対照的に、ETUSの制約条件範囲は、リブ40を考慮に入れるために、[7mm;9mm]である。
本発明は、上述の実施形態には限定されない。
確かに、本発明の方法は、タイヤのためのモールド又は乗用車用のタイヤには限定されない。本発明は、任意形式の車両、例えば重量物運搬車両、航空機、二輪車又は土木工学車両用のモールド及びタイヤに利用できる。
更に、上述の設計方法は、モールドモデルの母集団に適用できるが、本発明は又、ステップA〜Dをタイヤモデルの母集団に適用することによって利用できる。この場合、タイヤ100を選択した場合、モールド100を例えばリバースエンジニアリングによってタイヤ10から演繹され、モールド100内で生ブランクを硬化させることによりタイヤ10が製造される。
本発明の方法全体又は任意の一部は、この方法がコンピュータ上で実行されるときに方法のステップを実行することができるコードの状態で命令を用いることによって利用できる。命令は、データ記録媒体、例えばハードディスク、フラッシュメモリ、CD又はDVD上に記録されたコンピュータプログラムに由来するのが良い。この種のプログラムを通信ネットワーク、例えばインターネット又はワイヤレスネットワークからダウンロードするために利用できるよう構成することが可能である。プログラムのアップデートは、ネットワークによってこれに結合されているコンピュータに送信可能である。
注目されるべきこととして、種々の実施形態の特徴を互いに組み合わせることができる。というのは、これらは、相互に適合性があるからである。
また、上述の形式以外の形式の音響摩耗インジケータを計画することが可能である。第1の実施形態及び第3の実施形態の作用効果を組み合わせると共にリブそれ自体内に配置された発音キャビティを備えているリブを有する音響摩耗インジケータを提供することが可能である。

Claims (36)

  1. 少なくとも1つの音響摩耗インジケータ(18)を備えたタイヤ(10)のための硬化モールド(100)を設計する方法において、前記方法は、以下のステップA〜D、即ち、
    ・A‐初期母集団(PP)を定めるステップ、前記初期母集団(PP)は、前記摩耗インジケータ(18)に関連する少なくとも1つの特性(VTUS,NTUS,αTUS,ETUS)を有する少なくとも1つのモールドモデル(Pi)を有し、
    ・B‐修正母集団(PF)を生成するステップ、前記修正母集団(PF)は、前記初期母集団(PP)の少なくとも1つのモールドモデル(Pi)の少なくとも1つの特性(VTUS,NTUS,αTUS,ETUS)を修正することによって生じた前記摩耗インジケータ(18)に関連する少なくとも1つの特性(VTUS,NTUS,αTUS,ETUS)を有する少なくとも1つのモールドモデル(Fi)を有し、
    ・C‐前記修正母集団(PF)の少なくとも1つのモールドモデル(Fi)を備えている評価母集団(PE1)の各モールドモデル(Ei)について、前記評価母集団(PE1)の各モールドモデルの少なくとも1つの特性(VTUS,NTUS,αTUS,ETUS)に基づき少なくとも1つの性能インジケータ(NTUS,VTUS,LJI,LTUL)を決定するステップ、
    ・D‐前記評価母集団(PE1)の1つ又は2つ以上のモールドモデル(Ei)を1つ又は複数の前記性能インジケータ(NTUS,VTUS,LJI,LTUL)に基づいて選択するステップを有する、
    ことを特徴とする方法。
  2. 各摩耗インジケータ(18)は、発音キャビティ(22)を有し、前記発音キャビティ(22)は、半径方向摩耗が所定のしきい値を超えると、前記タイヤ(10)の半径方向外側に向かって開くように形作られると共に路面上における前記タイヤ(10)の接触領域の通過中、路面により気密状態に閉じられるよう形作られている、
    請求項1記載の方法。
  3. 前記音響摩耗インジケータ(18)に関連した各特性(VTUS,NTUS,αTUS,ETUS)は、摩耗インジケータの数に関する少なくとも1つの特性(NTUS)、前記キャビティの全容積に関連する少なくとも1つの特性(VTUS)(各発音キャビティ(22)の容積は、半径方向摩耗の所定のしきい値に達したときに定められる)、摩耗インジケータの円周方向分布に関連した少なくとも1つの特性(αTUS)及び各摩耗インジケータの寸法に関連した少なくとも1つの特性(ETUS)を備えている群から選択される、
    請求項2記載の方法。
  4. 前記円周方向分布に関連した特性は、摩耗インジケータの均等分布及び少なくとも1つの摩耗インジケータの基準位置決め角度(αTUS)を備えている、
    請求項3記載の方法。
  5. 各摩耗インジケータ(18)は、前記タイヤに設けられた溝(16)の底部に配置された2つのリブ(20)を有し、前記寸法に関連した特性は、円周方向に測定した各摩耗インジケータ(18)の各リブ(20)の厚さ(ETUS)を備えている、
    請求項3又は4記載の方法。
  6. 1つ又は複数の前記性能インジケータ(NTUS,VTUS,LJI,LTUL)は、前記発音キャビティ(22)の全容積(VTUS)に基づいて決定される、
    請求項2〜5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 各摩耗インジケータ(18)は、前記タイヤ(10)に設けられた溝(16)の底部に配置された2つのリブ(20)を有し、1つ又は複数の前記性能インジケータ(NTUS,VTUS,LJI,LTUL)は、各リブ(20)と禁止領域と呼ばれる前記モールドモデル(100)の少なくとも1つの所定の領域(ZI)との間の相互侵入の少なくとも1つのインジケータ(LJI)に基づいて決定される、
    請求項2〜6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 複数本の軸方向に隣接した円周方向バンドを評価母集団(PE1)の各モールドモデル(Ei)に関して決定し、各バンド(B1〜B3)に関して各リブ(20)と各禁止領域(ZI)との間の相互侵入の少なくとも1つのインジケータを決定する、
    請求項7記載の方法。
  9. 前記モールドモデル(100)は、前記タイヤ(10)の別々の円周方向部分(A′,B′,C′,U′)を成形する複数個の別々のマトリックス(A,B,C,U)を有する、
    請求項7又は8記載の方法。
  10. 前記禁止領域(ZI)は、スカルプチャ要素(30A〜30C)の成形ブレードを通過させる領域を有し、前記タイヤ(10)の対応の前記禁止領域(ZI′)に配置された発音キャビティ(22)は、路面上における前記タイヤ(10)の前記接触領域の通過中、路面により気密状態に閉じられることはない、
    請求項7〜9のいずれか1項に記載の方法。
  11. 前記タイヤ(10)は、法定の摩耗インジケータ(38)を有し、1つ又は複数の前記性能インジケータ(NTUS,VTUS,LJI,LTUL)は、少なくとも1つの発音キャビティ(22)内への少なくとも1つの法定摩耗インジケータ(38)の組み込みの少なくとも1つのインジケータ(LTUL)に基づいて決定される、
    請求項2〜10のいずれか1項に記載の方法。
  12. 複数本の軸方向に隣接した円周方向バンドが前記モールドモデル内に決定され、各バンド(B1〜B3)に関し、各発音キャビティ(22)内への各法定摩耗インジケータ(38)の組み込みの少なくとも1つのインジケータが決定される、
    請求項11記載の方法。
  13. 各摩耗インジケータは、前記タイヤ(10)の円周方向溝(16)の底部から半径方向に延びると共に前記タイヤ(10)の半径方向摩耗の所定のしきい値を超えると、路面上における前記タイヤ(10)の前記接触領域の通過中、路面に接触するよう配置されたリブ(20)を備えている、
    請求項1記載の方法。
  14. 前記リブ(20)は、タイヤに生じる摩耗とは無関係に、同一の溝(16)の2つの円周方向に連続して位置するリブ(20)及び前記溝(16)それ自体が、前記2つのリブ(20)が路面上における前記タイヤ(10)の前記接触領域を通過するときに、大気に対して開いたままの空間を構成するよう配置されている、
    請求項13記載の方法。
  15. 前記音響摩耗インジケータ(18)に関連した各特性(NTUS,αTUS,ETUS)は、摩耗インジケータの数(NTUS)、摩耗インジケータの円周方向分布に関連した少なくとも1つの特性(αTUS)及び各摩耗インジケータの寸法に関連した少なくとも1つの特性(ETUS)を備えている群から選択される、
    請求項13又は14記載の方法。
  16. 前記円周方向分布に関連した特性は、摩耗インジケータの均等分布及び少なくとも1つの摩耗インジケータの基準位置決め角度(αTUS)を備えている、
    請求項15記載の方法。
  17. 前記寸法に関連した特性は、円周方向に測定した各摩耗インジケータ(18)の各リブ(20)の厚さ(ETUS)を備えている、
    請求項15又は16記載の方法。
  18. 1つ又は複数の前記性能インジケータ(NTUS,VTUS,LJI,LTUL)は、各リブ(20)と禁止領域と呼ばれる前記モールドモデル(100)の少なくとも1つの所定の領域(ZI)との間の相互侵入の少なくとも1つのインジケータ(LJI)に基づいて決定される、
    請求項13〜17のいずれか1項に記載の方法。
  19. 複数本の軸方向に隣接した円周方向バンドを評価母集団(PE1)の各モールドモデル(Ei)に関して決定し、各バンド(B1〜B3)に関して各リブ(20)と各禁止領域(ZI)との間の相互侵入の少なくとも1つのインジケータを決定する、
    請求項18記載の方法。
  20. 前記モールドモデル(100)は、前記タイヤ(10)の別々の円周方向部分(A′,B′,C′,U′)を成形する複数個の別々のマトリックス(A,B,C,U)を有する、
    請求項18又は19記載の方法。
  21. 前記タイヤ(10)は、法定の摩耗インジケータ(38)を有し、1つ又は複数の前記性能インジケータ(NTUS,LJI,LTUL)は、リブ(20)との少なくとも1つの法定摩耗インジケータ(38)のオーバーラップの少なくとも1つのインジケータ(LTUL)に基づいて決定される、
    請求項13〜20のいずれか1項に記載の方法。
  22. 複数本の軸方向に隣接した円周方向バンドが前記評価母集団(PE1)の各モールドモデル(Ei)に関して決定され、各バンド(B1〜B3)に関し、各法定摩耗インジケータ(38)と各リブ(20)とのオーバーラップの少なくとも1つのインジケータが決定される、
    請求項21記載の方法。
  23. 前記評価母集団(PE1)の各モールドモデル(Ei)は、このモデルにおいて、各性能インジケータ(NTUS,VTUS,LJI,LTUL)が前記性能インジケータ(NTUS,VTUS,LJI,LTUL)と関連した所定の性能条件を満たした場合に選択される、
    請求項1〜22のいずれか1項に記載の方法。
  24. 前記タイヤは、N本の溝(16)を有し、この場合、N>1であり、前記タイヤは、円周方向に等間隔をおいて分布して配置された複数の組をなす摩耗インジケータ(18)を有し、各組の前記摩耗インジケータ(18)は、実質的に互いに軸方向に整列し、前記評価母集団(PE1)の各モールドモデル(Ei)は、このモデルにおいて、各組に関し、少なくとも相互侵入インジケータ(LJIp)の数N1が前記相互侵入インジケータ(LJIp)と関連した所定の性能条件を満たした場合に選択され、但し、N<N1である、請求項23、
    請求項7又は請求項18記載の方法。
  25. 前記ステップAの実施後であって前記ステップBの実施前に、前記初期母集団(PP)の前記モールドモデル(Pi)を分類し、前記初期母集団の一部(PP′)を選択する、
    請求項1〜24のいずれか1項に記載の方法。
  26. 全てのインジケータが所定の性能条件を満たし損ねている限り、前記ステップB及び前記ステップCを繰り返し、それにより、新たな初期母集団を形成する前記評価母集団(PE1,PE2,PEk)の少なくとも1つのモールドモデル(Ei)の少なくとも1つの特性(VTUS,NTUS,αTUS,ETUS)の少なくとも1回の修正によって修正された新たな母集団(PEn)を生成する、
    請求項1〜25のいずれか1項に記載の方法。
  27. 前記評価母集団(PE1,PE2,PEk)の前記モールドモデル(Ei)を分類し、前記評価母集団の一部(PE1′,PE2′)を選択し、すると、前記評価母集団(PE1,PE2)の前記選択された一部(PE1′,PE2′)が前記新たな初期母集団の少なくとも一部を形成する、
    請求項26記載の方法。
  28. 前記初期母集団及び/又は前記修正母集団及び/又は前記評価母集団の各モデルの各特性(VTUS,NTUS,αTUS,ETUS)は、少なくとも1つの所定の制約条件を満たす、
    請求項1〜27のいずれか1項に記載の方法。
  29. 少なくとも1つの音響摩耗インジケータ(18)を有するタイヤ(10)を設計する方法において、前記方法は、以下のステップA〜D、即ち、
    ・A‐初期母集団を定めるステップ、前記初期母集団は、前記摩耗インジケータ(18)に関連した少なくとも1つの特性(VTUS,NTUS,αTUS,ETUS)を有する少なくとも1つのタイヤモデルを有し、
    ・B‐修正母集団を生成するステップ、前記修正母集団は、少なくとも1つのタイヤモデルを有し、前記少なくとも1つのタイヤモデルは、前記初期母集団の少なくとも1つのタイヤモデルの少なくとも1つの特性(VTUS,NTUS,αTUS,ETUS)を修正することによって生じた前記摩耗インジケータ(18)に関連した少なくとも1つの特性(VTUS,NTUS,αTUS,ETUS)を有し、
    ・C‐前記修正母集団の少なくとも1つのタイヤモデルを備えている評価母集団の各タイヤモデルについて、前記評価母集団の各タイヤモデルの少なくとも1つの特性(VTUS,NTUS,αTUS,ETUS)に基づいて少なくとも1つの性能インジケータ(NTUS,VTUS,LJI,LTUL)を決定するステップ、
    ・D‐前記評価母集団の1つ又は2つ以上のタイヤモデルを1つ又は複数の前記性能インジケータに基づいて選択するステップを有する、
    ことを特徴とする方法。
  30. コンピュータプログラムであって、前記コンピュータプログラムは、前記コンピュータプログラムがコンピュータ上で実行されたときに請求項1〜29のいずれか1項に記載の方法のステップを実施することができるコードの形態をした命令を備えている、
    コンピュータプログラム。
  31. 請求項30記載のプログラムを記録形態で有するデータ記録媒体。
  32. タイヤのための硬化モールド(100)を製造する方法であって、請求項1〜28のうちいずれ一に記載の方法を用い、前記モールドを選択した前記モデルのうちの1つから製作することを特徴とする方法。
  33. 請求項29記載の方法を用い、前記モールドを選択した前記タイヤのうちの1つから導き出し前記モールドを製作する方法。
  34. タイヤのための硬化モールド(100)において、前記モールドは、請求項32又は33記載の方法を用いて製造される硬化モールド。
  35. タイヤを製造する方法であって、請求項32又は33記載の方法を用いてモールド(100)を製造し、生ブランクを前記モールド(100)内で硬化させることを特徴とする方法。
  36. 請求項35記載の方法を用いて製造されるタイヤ。
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