理解を容易にするため、複数の図面に共通である同一の構成要素を示すのに、可能な限り同一の参照番号が用いられている。ある実施形態において開示されている構成要素は、特別に言及することなく、他の実施例においても効果的に用いられることに配慮すべきである。
本発明の実施形態は、一般的に、研磨プロセスの後に半導体基板を洗浄する装置および方法に関する。特に、本発明の実施形態は、真空チャックを用いて基板を垂直方向に回転させながら、ディスクブラシを用いて基板を洗浄する装置および方法に関する。
本発明の実施形態は、洗浄プロセスのために、真空チャックによって回転される基板と接するように回転するディスクブラシを用いることに関する。本発明の実施形態の効果には、スループットの改善、変形の防止、および基板のエッジ領域の近傍の欠陥を減少させることが含まれる。
基板チャックを用いると、ローラを用いる場合よりもはるかに高速で基板を回転させることができるため、本発明の実施形態を用いることにより、洗浄スループットを著しく向上させることが可能である。また、本発明のディスクブラシは、従来型のブラシボックス洗浄装置において用いられるスクラブブラシよりも制御が容易である。
プロセスの間に基板を保持するのに基板チャックを用いることにより、基板の裏側からの基板の支持が提供される。その結果として、基板は洗浄の間も平坦なままで維持され、したがって、変形する可能性が低い。
基板チャックは基板のエッジ領域に接触する必要がないので、本発明の実施形態によると、ディスクブラシが基板のエッジを含む基板の表面全体にアクセスして洗浄することが可能になる。したがって、エッジ領域の近傍の欠陥が減少する。
さらに、基板の回転速度が上昇することにより、洗浄される基板の上の電荷条件が向上する。本発明の実施形態によると、噴霧化された洗浄用溶液を洗浄される基板の方向に向ける流体ジェットノズルが提供され、よって、基板上の電荷条件がいっそう向上する。
本発明から利益を得るように構成されうる洗浄モジュールの実施形態として、DESCIA(登録商標)洗浄装置とREFLEXION GT(登録商標)洗浄装置とがあるが、これらは共に、米国カリフォルニア州サンタクララ所在のアプライドマテリアルズ社から入手可能である。
図1〜4は、本発明のある実施形態による洗浄装置モジュール200を概略的に図解している。図1は、洗浄装置モジュール200の概略的な正面からの全体図であり、ディスクブラシアセンブリが示されている。図2は、洗浄装置モジュール200の概略的な後方からの全体図であり、基板チャックのためのモータと基板ハンドラのための駆動機構とが示されている。図3は、洗浄装置モジュール200の概略的な側方からの断面図である。図4は、洗浄装置モジュール200の概略的な断面図である。
洗浄装置モジュール200は、実質的に垂直方向の配向を有する基板を洗浄するように構成されている。洗浄装置モジュール200は、実質的に垂直方向の配向を有する基板205を収容し洗浄するように構成された内部体積202を画定するタンク201を備えている。タンク201は、ベース204に固定されているのが一般的である。タンク201は、基板と外部ロボットのような外部的な基板ハンドラとの通過を許容する上部開口203を有する。ある実施形態では、タンク201は、処理の間は上部開口203の上に取り外し可能な態様で配置することが可能なふたを備えている場合がある。
ある実施形態では、洗浄装置モジュール200は、基板ハンドラ240と、基板チャックアセンブリ210と、ディスクブラシアセンブリ220とを備えている。基板ハンドラ240は、外部の基板ハンドラと基板チャックアセンブリ210との間で基板を移動するように構成されている。基板チャックアセンブリ210は、タンク201の内部体積202において基板を実質的に垂直な位置に固定し回転させるように構成されている。ディスクブラシアセンブリ220は、基板チャックアセンブリ210の上の回転する基板205に対してディスクブラシ221を押しつけて基板205を洗浄するように構成されている。
ある実施形態では、基板チャックアセンブリ210は、タンク201の内部体積202に配置され基板を実質的に垂直な位置に固定する基板支持体213を備えている。基板支持体213は、基板支持体213を回転させるように構成されたモータ211のシャフト212に結合されている。モータ211はタンク201の外部に配置され、シャフト212がタンク201の側壁を通過して伸長している。モータ211は、基板支持体213を最高で約2000RPM(回転/分)の速さで回転させることができる。ある実施形態では、モータ211は基板支持体213とその上の基板205とを、洗浄の間、約100RPMから約400RPMまでの間の速度で回転させる。ある実施形態では、モータ211は、ホローシャフトモータである。
ある実施形態では、基板支持体213は、基板205の裏側を真空チャッキングすることにより基板205を固定するように構成された真空チャックである。ある実施形態では、基板支持体213は、エッジ領域の周囲において基板支持体213の上側表面213aに付着したリップ214を備えている。リップ214は、基板205の裏側と接触し、基板205の裏側と基板支持体213の上側表面213aとの間にポケット205aを形成するように構成されている。真空源215が、ポケット205aと流体的に接続されている。動作の間には、真空源215は、ポケット205aに対するポンプ動作によりその中に低圧領域を形成し、真空チャックを付勢する。
基板ハンドラ240は、内部体積202の下部202Lに配置されたエンドエフェクタ243を備えている。エンドエフェクタ243は、基板をエッジ領域で受け取り移動させる。エンドエフェクタ243の概略的な全体図は図7に示されている。ある実施形態では、エンドエフェクタ243は、エンドエフェクタ243自体の上に、基板205のエッジを受け取る2個または2個以上のノッチ244が形成されている。ある実施形態では、エンドエフェクタ243は、基板の存在を検出するように構成されたセンサアセンブリを備えている。ある実施形態では、光源245と光センサ246とがエンドエフェクタ243の反対側に配置されていることにより、エンドエフェクタ243における基板が光源245と光センサ246との間の経路をブロックすることになる。
図2を再度参照すると、基板ハンドラ240は、シャフト247を経由してエンドエフェクタ243に接続された垂直運動アセンブリ241と水平運動アセンブリ242とを備えている。垂直運動アセンブリ241と水平運動アセンブリ242とは、タンク201の外部に配置される。シャフト247がタンク201の側壁における開口206aを通過して伸長し、運動アセンブリ241および242をエンドエフェクタ243に接続する。可撓性のシール206を用いてシャフト247の周囲の開口206を密封し、シャフト247の垂直および水平方向の運動を可能にすることができる。
動作の間は、水平および垂直運動アセンブリ242および241が、エンドエフェクタ243を、タンク201の上部開口203から基板を垂直的に運ぶ外部の基板ハンドラから基板を受け取る交換位置に位置決めする。エンドエフェクタ243は、基板をノッチ244において受け取り、外部基板ハンドラがタンク201の外に回収する。エンドエフェクタ243は、次に、上方向に移動され、基板が基板支持体213のリップ214に接するように位置決めされるローディング位置に戻される。基板は、次に、基板支持体213に真空チャックされる。エンドエフェクタ243は、垂直および水平方向に移動して片づけられることにより、基板支持体213が基板を自由に回転させることができるようになる。基板が洗浄されると、エンドエフェクタ243はローディング位置まで移動され、基板を基板支持体213から回収する。基板を基板支持体213から回収すると、エンドエフェクタ243は、基板を外部基板ハンドラに手渡す交換位置まで移動され、外部基板ハンドラからの新たな基板を待機する。
ある実施形態では、垂直運動アセンブリ241と水平運動アセンブリ242とは、それぞれが2点の間を移動するように構成された直線状の円筒である。これらの直線状の円筒は空気圧でしたがって比較的低コストで制御することが可能である。別の実施形態では、図7に示されているように、モータ248および249を用いて、エンドエフェクタ243の垂直および水平運動がそれぞれ制御される。モータ248および249により、動作の間にエンドエフェクタ243が複数の位置を取ることが可能になり、また、設定の間の較正が可能になる。別の実施形態では、基板ハンドラ240aは、直線状の円筒とモータとの組み合わせを用いて、エンドエフェクタ243の垂直および水平運動を制御する。
ディスクブラシアセンブリ220は、ディスクブラシ221を用いて基板支持体213上の回転する基板205を洗浄するように構成されており、ディスクブラシ221は、基板205と実質的に平行な上側表面221aを有する。上側表面221aは、小さな圧力でスクラブすることにより基板を洗浄するように構成された平坦な表面である。
ある実施形態では、ディスクブラシ221は、洗浄溶液との化学的適合性を有する柔軟な材料から作成される。ある実施形態では、ディスクブラシ221は、PVA(ポリビニルアルコール)または類似の材料から作成される。ある実施形態では、ディスクブラシ221は、約62gm/cm2から約84gm/cm2までの間の圧力により厚さが30%減少しうる柔軟性を有する。ディスクブラシ221は、また、約85%から約95%までの間の多孔率値を有する。
ある実施形態では、ディスクブラシ221は、円形または楕円形の形状を有する。上部表面221aは、約20mmから約31mmまでの間の外径を有する。ディスクブラシ221は、約15mmから約25mmまでの厚さを有する。
図4は、基板支持体213から眺めたディスクブラシアセンブリ220の正面図を示している。ディスクブラシ221以外に、ディスクブラシアセンブリ220は、ディスクブラシ221の近くに配置されたスプレイノズル224と、ディスクブラシ221の近くに配置された第1の流体ジェット225と、基板支持体213の半径ほどまたは処理されている基板205の半径ほどの距離だけディスクブラシ221から離れて位置決めされている第2の流体ジェット226とをさらに備えている。ディスクブラシ221と、スプレイノズル224と、流体ジェット225および226とは、ディスクブラシ221を基板支持体213と平行に基板支持体213の中心近くから基板支持体213のエッジ近くまで移動するスライディングブロック223に結合されている。スプレイノズル224と流体ジェット225および226とは、ディスクブラシ221と共に移動する。
ある実施形態では、スプレイノズル224は、流体フローを円錐状の範囲に噴射するように構成されている。スプレイノズル224は、ディスクブラシ221が基板支持体213上の基板205に接触しているときに円錐状の流体フローがディスクブラシ221の上部表面221aと基板205との両方に到達するように、位置決めされている。洗浄の間、スプレイノズル224は、基板205のディスクブラシ221よりも上流の領域に処理流体を噴射することにより、処理流体が噴射された領域にディスクブラシ221が到達するときに基板205が濡れているように構成されている。また、スプレイノズル224は、ディスクブラシ221が基板205と接触するときにディスクブラシ221を洗浄する。外向きの半径方向に移動する間に基板205を洗浄するようにディスクブラシ221が構成されている場合には、スプレイノズル224は、ディスクブラシ221の外向きの半径方向に位置決めされる。
流体ジェット225および226は、処理の間に、噴霧化された流体フローを基板205の方向に独立に向けるように構成されている。ある実施形態では、流体ジェット225および226は、それぞれが、処理流体源と、噴霧化された流体フローを運ぶ加圧された空気源とに接続されている。ある実施形態では、処理流体と加圧空気とは、約45psiまでの類似する圧力レベルを有する。ある実施形態では、処理流体と空気との混合物は、約20から100ミリリットル/分で運ばれる。流体ジェット225および226は、処理されている基板のほぼ半径の距離だけ相互に離れて配置されることにより、スライディングブロック223が半径方向を内向きにおよび半径方向を外向きに移動するときに、噴霧化された流体フローを基板の中心からエッジに提供することができる。例示的なシーケンスは、図5A〜5Eと関連して後で論じられる。流体ジェット225および226は、特に回転速度が遅いときに、処理されている基板上での電荷を強化する。
ディスクブラシ221は、ディスクブラシ221をその中心軸を中心として回転させるように構成されたディスクブラシモータ222に結合されている。ディスクブラシモータ222は、タンク201の外部に配置され、タンク201を通過するシャフト222aを介してディスクブラシ221に結合されている。ディスクブラシ221の回転は、基板205とディスクブラシ221との間に追加的な相対運動を提供し、よって、処理の間の洗浄プロセスを強化する。ある実施形態では、ディスクブラシ221は、約100RPMから約400RPMまでの間で回転する。
ディスクブラシアセンブリ220は、ディスクブラシ221と共にスライディングブロック223を移動させるように構成されたスライディング機構230と、ディスクブラシモータ222と、スプレイノズル224と、タンク201の内部で行き来する流体ジェット225および226とをさらに備えている。ある実施形態では、スライディング機構230は、スライディングブロック223を駆動する線形駆動ユニットに結合されたモータを含む。
ディスクブラシアセンブリ220は、基板205とディスクブラシ221の上部表面221aとの間の距離を調整してディスクブラシ221を介して基板205に力を加えるように構成されたブラシ深度制御アセンブリ231をさらに備えている。ある実施形態では、ブラシ深度制御アセンブリ231は、スライディング機構230とスライディングブロック223とを介してディスクブラシ221に接続されたシリンダ232を備えている。シリンダ232は、ディスクブラシ221とスライディング機構とスライディングブロック223とを水平方向に移動させて基板205とディスクブラシ221との間の距離を調整するように構成されている。
ある実施形態では、シリンダ232は、ディスクブラシ221によって基板205に加えられる力を制御するように構成されたコントローラ250に接続されている。シリンダ232が基板支持体213の方向へディスクブラシ221を駆動して基板205と接触させると、コントローラ250はシリンダ232のレギュレータの圧力をモニタし、レギュレータの圧力が所定の値に到達すると、シリンダ232を停止させる。ある実施形態では、ディスクブラシ221から基板205に加えられる力は、約0.1lbから約2.0lbまでの間である。
図6は、本発明の別の実施形態による洗浄装置モジュール200aの概略的な正面からの全体図である。洗浄装置モジュール200aは洗浄装置モジュール200と類似しているが、洗浄装置モジュール200aは異なるブラシ深度制御アセンブリ231aを備えている点が異なる。ブラシ深度制御アセンブリ231aは、スライディング機構230とスライディングブロック223とを介してディスクブラシ221と接続されたシリンダ232とモータ233とを備えている。シリンダ232とモータ233とは共に、ディスクブラシ221を基板支持体213と基板205との方向に移動させるように構成されている。コントローラ250は、シリンダ232とモータ233とに接続され、ディスクブラシ221と基板205との間の距離を制御する。
動作の間は、モータ233は、第1に、ディスクブラシ221を基板だけの方向に駆動し、コントローラ250がモータ233のトルクをモニタする。ディスクブラシ221が基板205に接触するとすぐに、ディスクブラシ221を移動させる障害は増大し、したがって、モータ233のトルクも増加する。したがって、コントローラ250は、モータ233のトルクの劇的な上昇を監視することにより、いつディスクブラシ221が基板205に接触するかを判断することができる。トルクが約25%上昇するなどトルクの上昇が観察されると、コントローラ250はモータ233を停止させ、トルクの増加が検出された位置にシリンダ232のためのホットストップの印を付ける。次に、モータ233は、ディスクブラシ221を基板205からスタンバイ位置に戻す。よって、シリンダ232は、基板205の洗浄のプロセスの間、スタンバイ位置(ディスクブラシ221は基板205に接触していない)とホットストップ(ディスクブラシ221が基板205に接触している)との間で移動する。
エクストラモータ233を用いることにより、ブラシ深度制御アセンブリ231aは、ディスクブラシ221と処理されている基板との間の相対的な位置の制御における精度と再現可能性とを向上させる。
再び図3を参照すると、洗浄装置モジュール200は、内部体積202の上方部分202Uに配置されており基板がタンク201の中へおよび外へ転送される間に洗浄用溶液またはすすぎ溶液を基板に向けて噴射する2つ以上のスプレイバーをさらに備えている。ある実施形態では、洗浄装置モジュール200は、基板支持体213に対向して配置され洗浄用溶液またはすすぎ溶液を運ぶように構成された2つの前側スプレイバー252および253と、基板支持体213と同じ側に配置された裏側スプレイバー251とを備えている。前側スプレイバー252および253は、異なる垂直方向のレベルに位置決めされている。それぞれのスプレイバー251、252、253は、基板の経路の方向に向かう複数のノズル251a、252a、253aを有する。
ある実施形態では、スプレイバー251および252は、DI水源に接続されていてDI水を基板に向けて噴射するように構成されており、下側の前側スプレイバー253は洗浄用液体源に接続され洗浄用液体を運ぶように構成されている。
図5A〜5Eは、本発明のある実施形態による洗浄装置モジュール200を用いた洗浄シーケンスを示す概略的なグラフトである。
基板を洗浄する前に、ロボットなど外部の基板ハンドラが、基板を、交換位置にある基板ハンドラ240まで運ぶ。基板がタンク201の開口203から下方部分202Lの基板ハンドラ240に向けて移動する間に、スプレイバー251、252および253が、DI水と洗浄用液体とを基板に向ける。ある実施形態では、スプレイバー251および252はそれぞれがDI水を約0.5L/分から約3.6L/分の間の流量で運び、スプレイバー253は洗浄用液体を約0.5L/分から約3.6L/分の間の流量で運ぶ。ある実施形態では、スプレイバー251、252および253は、基板がディスクブラシ221によって洗浄された後でタンク201の外へ転送される間、すすぎ用溶液と洗浄用液体とを同じ態様で運ぶ。
次に、基板ハンドラ240が、ローディング位置まで移動し、基板を基板支持体213の上にロードする。真空が適用され、基板を基板支持体213の上にチャックする。基板ハンドラ240は、次に、ローディング位置から離れる方向に、交換位置または別のスタンバイ位置のいずれかまで移動することにより、基板支持体213が基板ハンドラ240に接触しないで基板を回転させられるようにする。
ディスクブラシ221は、基板支持体213の中心領域の近傍の基板から離れて位置決めされる。ここで、ブラシ深度制御アセンブリ231が、基板支持体213の上の基板に対してディスクブラシ221を押しつけるように機能する。これは、シリンダ232だけを用いて基板とディスクブラシ221との間の力を制御することによって、または、モータ233とシリンダ232とを一緒に用いて基板とディスクブラシ221との間のギャップを制御することによって、達成することが可能である。
ディスクブラシ221が基板に対して押しつけられた後で、洗浄プロセスを開始することができる。最初は、図5Aに示されているように、スプレイノズル224が基板に向けて洗浄用液体を運び、ディスクブラシ221の近傍に位置決めされている流体ジェット225が基板に向かって洗浄用液体を運び、ディスクブラシ221から離れて位置決めされている流体ジェット226はアイドル状態である。
次に、ディスクブラシ221が基板に対して押しつけられ、ディスクブラシ221が基板のエッジを通過するまで図5Bに示されているように基板205の中心領域から基板のエッジ領域に半径方向に外向きに移動する間、基板支持体213は基板を回転させ、ディスクブラシ221は基板支持体213とは反対の方向に回転する。ある実施形態では、ディスクブラシ221は、洗浄の間、約0.1lbから約0.5lbまでの間の力で基板205を押しつける。ある実施形態では、基板の回転速度は、約100RPMから約400RPMである。ディスクブラシ221の回転速度は、約100RPMから約400RPMである。ディスクブラシ221の直線方向の速さは、ディスクブラシ221が基板205の中心からエッジに移動する洗浄の間、約0.8インチ/秒から約6インチ/秒である。
スプレイノズル224と流体ジェット225および226とは、ディスクブラシ221と共に移動する。スプレイノズル224は、ディスクブラシ221の到着よりも前に基板の上の領域を濡らすように位置決めされる。ある実施形態では、スプレイノズル224は、約50mil/分から約500ml/分までの間の流量で、洗浄用液体の円錐状または扇形のフローを運ぶ。ある実施形態では、流体ジェット225が、40psiまでの圧力の窒素ガスを用いて、約20ml/分から約100ml/分までの間の流量で、基板に向けて洗浄用液体の噴霧化されたフローを噴射する。
図5Cに示されているように、回転するディスクブラシ221は、基板に押しつけられ、基板のエッジに向けて半径方向に移動して、エッジを通過する。
次に、図5Dに示されているように、ディスクブラシ221は基板から離れる方向へ移動され、ディスクブラシ221と流体ノズルとは元の場所に移動して戻る。移動して戻る間、ディスクブラシ221の近傍の流体ジェット225はアイドル状態に維持されるが、ディスクブラシ221から離れている流体ジェット226は、流体ジェット226が基板の中心領域から基板のエッジ方向へ移動し基板支持体213が基板を連続的に回転させているときに、噴霧化された流体フローを基板の方向に向ける。流体フロー226は、噴霧化された流体フローを運んで基板を洗浄して濡らし、基板を、電荷を用いて条件付ける。ある実施形態では、スプレイノズル224は、DI水などのすすぎ用の流体をディスクブラシ221の方向に向け、ディスクブラシ221をすすいで洗浄する。ある実施形態では、図5eに示されているように基板のエッジから中心に戻る間のディスクブラシ221の直線方向の速さは、約6インチ/秒である。
図5A〜5Eに示されている洗浄シーケンスの間、処理されている基板は、基板支持体213によって連続的に回転される。
図5Eに示されているように、ディスクブラシ221とスプレイノズル224と流体ジェット225および226とが移動して当初の位置まで戻ることにより、洗浄サイクルが完了する。ある実施形態では、図5A〜5Eに示されている洗浄サイクルは、それぞれの基板に対して複数回反復されることがある。
洗浄プロセスが完了した後に、基板ハンドラ240はローディング位置まで移動して戻り、基板支持体213から基板をピックアップする。次に、基板ハンドラ240が交換位置まで移動して戻ることによって、外部のハンドラが基板をピックアップできるようになる。
洗浄装置モジュール200は、スタンドアロンのモジュールとして動作する。2つの洗浄装置モジュールが、システムの中で、対になった洗浄装置モジュールを形成することがある。図8は、本発明のある実施形態による対になった洗浄装置モジュール300の概略的な全体図である。
対になった洗浄装置モジュール300は、支持フレーム301の上に固定された2つの洗浄装置モジュール302aおよび302bを備えている。洗浄装置モジュール302aおよび302bは、それぞれが、基板を垂直の配向で受け取りディスクブラシを用いて洗浄するように構成されている。洗浄装置モジュール302aおよび302bは、上述した洗浄装置モジュール200と類似している。ある実施形態では、洗浄装置モジュール302aおよび302bの構造は、設置面積を最小化するため、相互の鏡像イメージを有するようになっている。
1つまたは複数の洗浄装置モジュール300は、2つの基板を並行的な態様で洗浄するように構成されたシステムにおいて用いることができる。
図9は、本発明のある実施形態による研磨システム100の概略的な平面図である。研磨システム100は、一般的に、ファクトリインターフェース102と、洗浄装置モジュール104と、研磨モジュール106とを含む。ファクトリインターフェース102と研磨モジュール106との間で基板170を転送するのに、ウェットロボット108が提供される。ウェットロボット108は、研磨モジュール106と洗浄装置モジュール104との間で基板を転送するようにも構成することができる。ある動作モードでは、研磨システム100を通過する半導体ウエハやその他のワークピースなどの基板のフローが、矢印160によって示されている。
ファクトリインターフェース102は、一般的に、1つまたは複数のカセット114と1つまたは複数の転送プラットフォーム116との間で基板170を転送するように構成されたドライロボット110を含む。ある実施形態では、ドライロボット110は、トラック112の上に設置される。
ウェットロボット108は、一般的に、基板170をファクトリインターフェース102から上向きで水平の配向で回収し、基板170を研磨モジュール106に対する下向きで水平な配向にフリップし、基板170を洗浄装置モジュール104に対して垂直の配向に回転させるように構成されている。ある実施形態では、ウェットロボット108はトラック120の上に設置され、ウェットロボット108の直線的な並進運動を容易にする。
研磨モジュール106は、一般的に、基板170を保持するように構成された複数の研磨ヘッド126と、基板170をウェットロボット108から受け取り受け取った基板170を研磨ヘッド126に転送するように構成されたロードカップ122と、基板170を研磨ヘッド126の上で研磨するように構成された2つ以上の研磨ステーション124とを備えている。
ある実施形態では、研磨ヘッド126は、オーバヘッドトラック128に結合されている。オーバヘッドトラック128は、研磨ヘッド126を転送し、研磨ヘッド126を研磨ステーション124とロードカップ122との上に選択的に位置決めするように構成されている。この実施形態では、オーバヘッドトラック128は、ロードカップ122と研磨ステーション124との上で、および/または、ロードカップ122と研磨ステーション124とから外れた位置で、研磨ヘッド126が選択的に回転されることを許容する円形の構成を有する。オーバヘッドトラック128は、楕円形、卵形、直線状またはその他の適切な配向を含む他の構成を有することもあることに注意すべきである。
処理の間、基板170は、ドライロボット110によって、カセット114から転送プラットフォーム116に転送される。そして、基板170は、ウェットロボット108によってピックアップされ、ロードカップ122まで転送される。図1に戻ると、処理された基板は、研磨モジュール106のロードカップ122に戻され、ウェットロボット108によって洗浄装置モジュール104に転送される。洗浄装置モジュール104は、一般的に、シャトル140と1つまたは複数の洗浄モジュール144とを含む。シャトル140は、ウェットロボット108から1つまたは複数の洗浄モジュール144への処理された基板のハンドオフを容易にする転送機構142を含む。
処理された基板は、オーバヘッド転送機構(図示せず)によって、シャトル140から1つまたは複数の洗浄モジュール144を通過して転送される。図1に示されている実施形態では、2つの洗浄モジュール144が、位置合わせがなされた平行な構成で示されている。洗浄モジュール144は、それぞれが、一般的に、1つまたは複数のメガソニック洗浄装置と、1つまたは複数のブラシボックスと、1つまたは複数のスプレイジェットボックスと、1つまたは複数のドライヤとを含む。図1に示されている実施形態では、洗浄モジュール144のそれぞれは、メガソニック洗浄装置モジュール146と、2つのブラシボックスモジュール148と、ジェット洗浄装置モジュール150と、ドライヤ152とを含む。ドライヤ152を出る乾燥された基板は、ドライロボット110によって回収されるように水平の配向になるまで回転され、ドライロボット110は乾燥された基板170をウエハストレージカセット114の中の1つにおける空のスロットに戻す。
ある実施形態では、転送デバイス(図示せず)を用いて、基板170を回収し、洗浄モジュール144を通過してシーケンシャルに、メガソニック洗浄装置モジュール146からブラシボックスモジュール148に、さらにはジェット洗浄装置モジュール150とドライヤ152とに進める。それぞれのモジュール146、148、150は、異なる洗浄機能に焦点を合わせて希望する洗浄効果を達成する。
メガソニック洗浄装置モジュール146は、メガソニックエネルギを用いて効率的な洗浄ステップを実行するように構成されている。ジェット洗浄装置モジュール150は、加圧された液体を用いて洗浄ステップを実行するように構成されている。ドライヤ152は、洗浄の後に基板を迅速に乾燥させ、浴の残存物を除去し、蒸発によって生じるストリーキングおよびスポッティングを防止する。
ブラシボックスモジュール148は、スクラブ運動などの機械的接触を用いて洗浄ステップを実行するように構成されている。また、洗浄装置モジュールの実施形態は、本出願の図1〜4および6〜8を用いて説明されている。
以上では本発明の実施形態について述べたが、本発明のこれ以外のさらなる実施形態を本発明の基本的な範囲から離れることなく考案することが可能であり、本発明の範囲は以下の特許請求の範囲の記載によって決定される。