JP2013506743A - ソフトコンパウンドにおけるブロックコポリマー - Google Patents

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Abstract

本発明の実施形態は、ブロック複合材料及びソフト化合物におけるその使用を提供する。

Description

関連特許出願への相互参照
本出願は、2009年10月2日出願の米国仮特許出願第61/248,160号(代理人整理番号69055)の優先権を主張する。本出願はまた、2009年10月2日に同様に出願された下記の米国仮特許出願、すなわち米国仮特許出願第61/248,147号(代理人整理番号69069)及び同第61/248,170号(代理人整理番号68186)にも関連する。米国特許実務のために、これらの出願の内容がそれらの全体において参照によって本明細書中に組み込まれる。
本発明はブロック複合材料及びソフトコンパウンド(混成物)におけるその使用に関連する。
合衆国単独での耐久消費財の製造では毎年、何百万トンものプラスチックが消費される。耐久消費財は、様々な市場、例えば、自動車、建築、医療、食品及び飲料物、電気、電化製品、事務機並びに消費者などの市場において見出される長期利用可能な製造品である。これらの市場におけるいくつかの用途では、柔軟なポリマー、或いは、その他のポリマーとの、又はオイルとのそのブレンドの使用が要求される。これらの用途としては、玩具、掴み具、手触りが柔らかい握り部、バンパー・ラブ・ストリップ(bumper rub strip)、床張り材、自動ドアマット、ハンドル、キャスター、家具及び電化製品の脚、タグ、シール、ガスケット(例えば、静的及び動的なガスケット)、自動車ドア、バンパー・フェイシア(bumper fascia)、グリル構成材、ロッカーパネル、ホース、裏張り材、事務用品、シール、ライナー、ダイヤフラム、チューブ、蓋、栓、プランジャー先端、送達システム、台所用具、靴、シュー・ブラダー(shoe bladder)及び靴底が挙げられるが、これらに限定されない。
耐久消費財適用における使用のために、ポリマー、或いは、その他のポリマー又はオイルとのそのブレンドは望ましくは、良好な加工性(例えば、成形性)、魅力的な外観(例えば、透明又は着色可能であること)、好適な表面特性(例えば、基体への良好な接着性、ゴム様の感触、非接着性及び良好な塗装性)、並びに、機械的特性(例えば、柔軟性、耐熱性、耐摩耗性及び/又は耐引っ掻き性、靭性、引張強度、並びに、圧縮永久ひずみ)の良好な組合せを有する。耐久消費財のための好適な特性を有するいくつかのポリマーとしては、柔軟なポリビニルクロライド(f−PVC)、ポリ(スチレン−ブタジエン−スチレン)(SBS)、ポリ(スチレン−エチレン/ブタジエン−スチレン)(SEBS)、熱可塑性加硫物(TPV)、熱可塑性ポリ(ウレタン)(TPU)及びポリオレフィン(例えば、ポリオレフィンホモポリマー及びポリオレフィンインターポリマー)が挙げられる。
いくつかのポリオレフィン、例えばポリプロピレン(PP)及び低密度ポリエチレン(LDPE)が、それらの成形の容易さ、良好な耐熱性及び機械的特性のために、耐久消費財用途における使用のために広く受け入れられている。そのうえ、ポリオレフィン及びその他のポリマーのブレンドに基づく多くの配合物が、耐久消費財の部品の製造によって要求される需要を満たすために開発されている。例えば、ポリプロピレン及びポリエチレンのブレンドが、人工芝用途のための繊維を製造するために使用され得る。
さらに、いくつかのポリオレフィンホモポリマー又はポリオレフィンインターポリマーを含むいくつかの柔軟なポリマーは粘着性である場合があり、このことは、いくつかのプロセス又は適用における望ましくない特性である。一般に、添加剤、例えば脂肪酸アミド、ワックス又はその他の非粘着性ポリマーが、それらの粘着性を低下させるために、そのような柔軟なポリマーと混合され得る。しかしながら、そのような添加剤は、ある程度の効果しか有しておらず、また、それら自体のいくつかの望ましくない特性を有することが知られている。
様々なポリオレフィン及びそれらのブレンドが利用可能であるにもかかわらず、改善された特性及び性能特徴を有する新しいポリマー又は新しいポリマーブレンドが引き続き求められている。
配合された組成物は、良好な低温耐衝撃性能及び弾性率の組合せを有することが発見されている。本組成物は、
A)ブロック複合材料、及び
B)オイル
を含む。
実施例B1についてのDSC融解曲線を示す。 実施例F1についてのDSC融解曲線を示す。 実施例B1、実施例C1及び実施例D1のTREFプロファイルを比較する。 実施例B2及び実施例B3のDSC曲線を示す。 実施例F2及び実施例F3のDSC曲線を示す。 実施例B1、実施例F1、実施例C1、実施例H1、実施例D1及び実施例G1についてのブロック複合材料指数を示す。 実施例B1、実施例V1、実施例Z1、実施例C1、実施例W1、実施例AA1、実施例D1、実施例X1及び実施例AB1についてのブロック複合材料指数を示す。 実施例B1、実施例C1及び実施例D1の動的機械分析を示す。 実施例F1、実施例G1及び実施例H1の動的機械分析を示す。 5μm及び1μmのスケールでの、Profax Ultra SG853ポリプロピレン耐衝撃性コポリマーのTEM顕微鏡写真を示す。 2μm、1μm及び0.5μmのスケールでの、実施例B1、実施例C1及び実施例D1のTEM顕微鏡写真を示す。 2μm、1μm及び0.5μmのスケールでの、実施例F1、実施例G1及び実施例H1のTEM顕微鏡写真を示す。 0.5μm及び0.2μmのスケールでの、実施例B2、実施例D2及び実施例B3のTEM顕微鏡写真を示す。 1μm及び200nmのスケールでの実施例B2を示す。 200μmのスケールにおける比較例1のSEM像(左側)及び実施例1のSEM像(右側)を示す。 100μmのスケールにおける比較例1のSEM像(左側)及び実施例1のSEM像(右側)を示す。 10μmのスケールにおける比較例1のSEM像(左側)及び実施例1のSEM像(右側)を示す。 5μmのスケールにおける比較例1のSEM像(左側)及び実施例1のSEM像(右側)を示す。 4μmのスケールでの実施例1のSEM像を示す。 本発明のサンプル(20wt%のオイルを含むC1)、並びに、2つのその他の比較例に対するコントロールサンプルの引張特性比較を示す。
定義
本明細書中における元素周期表へのすべての参照は、CRC Press,Inc.が2003年に出版し、著作権を有する元素周期表を参照する。また、族へのあらゆる参照は、族の番号付けにIUPACシステムを使用してこの元素周期表に反映される族に対するものである。反することが述べられる場合、文脈から暗黙的である場合、又は、当分野で慣例的である場合を除き、すべての部及びパーセントは重量に基づく。米国特許実務のために、本明細書中で参照されるあらゆる特許、特許出願又は刊行物の内容は、とりわけ合成技術、定義(本明細書中に提供されるあらゆる定義とも矛盾しない程度に)及び当分野での一般的知識の開示に関しては、本明細書によりそれらの全体において参照によって組み込まれる(又は、それらの同等の米国版が参照によってそのように組み込まれる)。
用語「含む(comprising)」及びその派生形は、任意のさらなる成分、工程又は手順が本明細書中に開示されるか否かによらず、任意のさらなる成分、工程又は手順の存在を除外することを意図しない。あらゆる疑念を回避するために、用語「含む」の使用により本明細書中において主張されるすべての組成物は、反することが述べられない限り、ポリマーであれ、又は、そうでない場合であれ、任意のさらなる添加剤、補助物又は化合物を含むことができる。対照的に、用語「から本質的になる(consisting essentially of)」は、後に続くいかなる列挙でもその範囲から、操作性に必須でないものを除いて、あらゆるその他の成分、工程又は手順を除外する。用語「からなる(consisting of)」は、具体的に記述又は列挙されないあらゆる成分、工程又は手順を除外する。用語「又は」は、別途述べられない限り、列挙される要素を個々に、並びに任意の組合せで指す。
用語「ポリマー」は、従来のホモポリマー、すなわち、1種類のモノマーから調製される均一ポリマーと、少なくとも2種類のモノマーの反応によって調製されるポリマー、若しくはそれ以外に1種類のモノマーから形成される場合であっても化学的に区別されるセグメント又はブロックを中に含有するポリマーを意味するコポリマー(これは本明細書中ではインターポリマーと交換可能に呼ばれる)との両方を包含する。より具体的には、用語「ポリエチレン」は、エチレンのホモポリマー、及び、エチレンと、1つ又はそれ以上のC3−8α−オレフィンとのコポリマーであって、エチレンが少なくとも50モルパーセントを含むコポリマーを含む。用語「結晶性」は、用いられる場合、示差走査熱量測定法(DSC)又は同等な技術によって求められるような一次転移点又は結晶融点(Tm)を有するポリマー又はポリマーブロックを指す。この用語は、用語「半結晶性」と交換可能に使用される場合がある。用語「非晶質」は、結晶融点を有しないポリマーを指す。用語「アイソタクチック」は、13C−NMR分析によって求められるような少なくとも70パーセントのアイソタクチックなペンタッド(pentad)を有するポリマー繰り返し単位として定義される。「高アイソタクチック」は、少なくとも90パーセントのアイソタクチックなペンタッドを有するポリマーとして定義される。
用語「ブロックコポリマー」又は「セグメント化コポリマー」は、好ましくは線状様式で結合する2つ又はそれ以上の化学的に異なった領域又はセグメント(「ブロック」として示される)を含むポリマー、すなわち、ペンダント様式又はグラフト化様式ではなく、重合したエチレン官能性に関して末端対末端で結合する化学的に区別される単位を含むポリマーを指す。好ましい実施形態において、これらのブロックは、ブロックに取り込まれるコモノマーの量又はタイプ、密度、結晶化度、そのような組成のポリマーに起因し得る微結晶サイズ、タクティシティー(アイソタクチック又はシンジオタクチック)のタイプ又は程度、位置規則性又は位置不規則性、分岐の量(長鎖分岐又は超分岐を含む)、均一性、又はその他任意の化学的特性若しくは物理的特性において異なる。本発明のブロックコポリマーは、好ましい実施形態においては触媒と組み合わされるシャトリング剤の効果に起因して、両方のポリマー多分散度(PDI又はMw/Mn)、ブロック長分布及び/又はブロック数分布の独特の分布によって特徴づけられる。
用語「ブロック複合材料」は、ソフトコポリマーと、ハードポリマーと、ソフトセグメント及びハードセグメントを有するブロックコポリマーとを含む本発明の新規なポリマーを示し、ブロックコポリマーのハードセグメントは、ブロック複合材料におけるハードポリマーと同じ組成であり、ブロックコポリマーのソフトセグメントは、ブロック複合材料におけるソフトコポリマーと同じ組成である。ブロックコポリマーは線状又は分岐であってよい。より具体的には、連続プロセスで製造されるとき、ブロック複合材料は望ましくは1.7〜15のPDIを有し、好ましくは1.8〜3.5のPDI、より好ましくは1.8〜2.2のPDI、最も好ましくは1.8〜2.1のPDIを有する。バッチ法又はセミバッチ法で製造されるとき、ブロック複合材料は望ましくは1.0〜2.9のPDIを有し、好ましくは1.3〜2.5のPDI、より好ましくは1.4〜2.0のPDI、最も好ましくは1.4〜1.8のPDIを有する。
「ハード」セグメントは、モノマーが95重量パーセントを超える量で存在し、好ましくは98重量パーセントを超える量で存在する、重合単位のうちの高結晶性ブロックを示す。言い換えれば、ハードセグメントにおけるコモノマー含有量が5重量パーセント未満であり、好ましくは2重量パーセント未満である。いくつかの実施形態において、ハードセグメントはすべてプロピレン単位で構成されるか、又は、実質的にすべてプロピレン単位で構成される。他方で、「ソフト」セグメントは、コモノマー含有量が10mol%を超える、重合単位のうちの非晶質又は実質的に非晶質又はエラストマーのブロックを示す。
本発明のブロック複合材料ポリマーは好ましくは、付加重合性モノマー又はモノマーの混合物を、少なくとも1つの付加重合触媒、共触媒及び可逆的連鎖移動剤(chain shuttling agent)を含む組成物と付加重合条件下で接触させることを含むプロセスによって調製され、前記プロセスは、成長ポリマー鎖の少なくとも一部が、定常状態の重合条件下で作動する2つ又はそれ以上の反応器において、又は、栓流重合条件下で作動する反応器の2つ又はそれ以上の帯域において、区別されるプロセス条件下で形成されることによって特徴づけられる。
好ましい実施形態において、本発明のブロック複合材料は、最確分布を有するブロックポリマーの画分を含む。好ましい実施形態において、本発明のポリマーはブロック長の最確分布を有する。本発明による好ましいポリマーは、2つ又は3つのブロック又はセグメントを含有するブロックコポリマーである。3つ又はそれ以上のセグメント(すなわち、区別可能なブロックによって隔てられるブロック)を含有するポリマーにおいて、それぞれのブロックは同じであってもよく、又は、化学的に異なっていてもよく、一般には、特性の分布によって特徴づけられる。ポリマーを作製するためのプロセスでは、鎖シャトリングが、ポリマー鎖の寿命を延ばすための方法として使用され、その結果、ポリマー鎖の実質的な画分が、少なくとも複数の一連の反応器の第1の反応器、又は、栓流条件下で実質的に作動する複数の帯域を有する反応器中の第1の反応器帯域から、可逆的連鎖移動剤を末端に有するポリマーの形態で出て、ポリマー鎖がその次の反応器又は重合帯域において異なる重合条件を受けるようにされる。それぞれの反応器又は帯域における異なる重合条件には、異なるモノマー、コモノマー又はモノマー/コモノマー比、異なる重合温度、様々なモノマーの圧力又は分圧、異なる触媒、異なるモノマー勾配、或いは、区別可能なポリマーセグメントの形成をもたらすあらゆる他の差異の使用が含まれる。従って、ポリマーの少なくとも一部分は、分子内に配置される2つ、3つ又はそれ以上(好ましくは2つ又は3つ)の区別されるポリマーセグメントを含む。
生じるポリマーの下記の数学的処理は、理論的に導かれるパラメーターに基づいており、これらのパラメーターは、特に2つ又はそれ以上の定常状態で、成長ポリマーが晒される異なる重合条件を有する直列接続された連続反応器又は帯域において、それぞれの反応器又は帯域で形成されるポリマーのブロック長が、下記の様式で導かれる最確分布に従うことを利用し実証すると考えられる。ここでpiは、触媒iからのブロック配列に関して反応器におけるポリマーが成長する確率である。この理論的処理は、当分野では公知であり、かつ、鎖又はブロック長によって影響されない質量作用の反応速度式の使用を含めて、分子構造に対する重合速度論の影響を予測することにおいて使用される標準的な仮定及び方法に基づき、かつポリマー鎖の成長が平均反応器滞留時間と比較して非常に短い時間で完了するという仮定に基づく。そのような方法はこれまでに、W. H. Ray, J. Macromol. Sci., Rev. Macromol. Chem., C8, 1 (1972)に、また、A. E. Hamielec and J. F. MacGregor, 「Polymer Reaction Engineering」, K. H. Reichert and W. Geisler, Eds., Hanser, Munich, 1983に開示されている。加えて、鎖シャトリング反応が所与の反応器でそれぞれ生じることにより、単一のポリマーブロックの形成がもたらされ、これに対して、異なる反応器又は帯域への可逆的連鎖移動剤を末端に有するポリマーの移動及び異なる重合条件への暴露により、異なるブロックの形成がもたらされることが仮定される。触媒iについて、反応器で生じている長nの配列の割合がXi[n]によって与えられ、この場合、nは1から無限までの整数であり、ブロックにおけるモノマー単位の総数を表す。
Figure 2013506743
1つを超える触媒が反応器又は帯域に存在する場合、それぞれの触媒が成長確率(pi)を有し、従って、その反応器又は帯域で作製されているポリマーについての独特の平均ブロック長及び分布を有する。最も好ましい実施形態において、成長確率が下記のように定義される:
Figure 2013506743
それぞれの触媒i={1、2・・・}について、式中、
Rp[i]=触媒iによるモノマー消費の局所的速度(モル/L/時間)
Rt[i]=触媒iについての連鎖移動及び連鎖停止の総速度(モル/L/時間)、及び
Rs[i]=ドーマントポリマーとの鎖シャトリングの局所的速度(モル/L/時間)。
所与の反応器について、ポリマー成長速度Rp[i]が、総モノマー濃度[M]が乗じられ、かつ、触媒iの局所的濃度[Ci]が乗じられる見かけの速度定数
Figure 2013506743
を使用して、下記のように定義される:
Figure 2013506743
連鎖移動、連鎖停止及びシャトリングの速度が、水素(H2)への連鎖移動、β−水素脱離及び可逆的連鎖移動剤(CSA)への連鎖移動の関数として求められる。量[H2]及び[CSA]はモル濃度であり、それぞれの添え字付きk値が反応器又は帯域についての速度定数である:
Figure 2013506743
ドーマントポリマー鎖は、ポリマー部分がCSAに移動する場合に形成され、反応するすべてのCSA部分はドーマントポリマー鎖とそれぞれ対形成すると仮定される。触媒iとのドーマントポリマーの鎖シャトリングの速度が下記のように与えられ、式中[CSAf]はCSAの供給濃度であり、量([CSAf]−[CSA])はドーマントポリマー鎖の濃度を表す:
Figure 2013506743
上記の理論的処理の結果として、生じるブロックコポリマーのそれぞれのブロックについての全体的なブロック長分布は、触媒iについての局所的ポリマー生成速度によって重み付けされる、Xi[n]によって事前に与えられるブロック長分布の和であることが理解できる。このことは、少なくとも2つの異なるポリマー形成条件下で作製されるポリマーは、それぞれが最確ブロック長分布を有する少なくとも2つの区別可能なブロック又はセグメントを有することを意味する。
モノマー
本発明のコポリマーを調製する際に使用される好適なモノマーには、任意の付加重合性モノマー、好ましくは任意のオレフィン又はジオレフィンモノマー、より好ましくは任意のα−オレフィン、最も好ましくはエチレンと少なくとも1つの共重合性コモノマーとが、プロピレンと4個〜20個の炭素を有する少なくとも1つの共重合性コモノマーとが、或いは1−ブテンと2個又は5個〜20個の炭素を有する少なくとも1つの共重合性コモノマーとが、4−メチル−1−ペンテンと4個〜20個の炭素を有する少なくとも1つの異なる共重合性コモノマーとが挙げられる。好ましくは、コポリマーはプロピレン及びエチレンを含む。好適なモノマーの例としては、用いられる条件下でモノマーが重合可能であることを要件として、2個〜30個、好ましくは2個〜20個の炭素原子の直鎖又は分岐α−オレフィン、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン及び1−エイコセンなど;3個〜30個、好ましくは3個〜20個の炭素原子のシクロオレフィン、例えば、シクロペンテン、シクロヘプテン、ノルボルネン、5−メチル−2−ノルボルネン、テトラシクロドデセン及び2−メチル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレンなど;ジ−及びポリ−オレフィン、例えば、ブタジエン、イソプレン、4−メチル−1,3−ペンタジエン、1,3−ペンタジエン、1,4−ペンタジエン、1,5−ヘキサジエン、1,4−ヘキサジエン、1,3−ヘキサジエン、1,3−オクタジエン、1,4−オクタジエン、1,5−オクタジエン、1,6−オクタジエン、1,7−オクタジエン、エチリデンノルボルネン、ビニルノルボルネン、ジシクロペンタジエン、7−メチル−1,6−オクタジエン、4−エチリデン−8−メチル−1,7−ノナジエン及び5,9−ジメチル−1,4,8−デカトリエンなど;芳香族ビニル化合物、例えば、モノ−又はポリ−アルキルスチレン(スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、o,p−ジメチルスチレン、o−エチルスチレン、m−エチルスチレン及びp−エチルスチレンを含む)など、及び、官能基含有誘導体、例えば、メトキシスチレン、エトキシスチレン、ビニル安息香酸、メチルビニルベンゾエート、ビニルベンジルアセテート、ヒドロキシスチレン、o−クロロスチレン、p−クロロスチレン、ジビニルベンゼン、3−フェニルプロペン、4−フェニルプロペン及びα−メチルスチレンなど、ビニルクロライド、1,2−ジフルオロエチレン、1,2−ジクロロエチレン、テトラフルオロエチレン及び3,3,3−トリフルオロ−1−プロペンが挙げられる。
本明細書中の少なくとも1つのCSAとの組合せで使用される好ましいモノマー又はモノマーの混合物には、エチレン;プロピレン;エチレンと、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン及びスチレンからなる群から選択される1つ又はそれ以上のモノマーとの混合物;並びに、エチレンと、プロピレンと、共役又は非共役ジエンとの混合物が挙げられる。
触媒及び可逆的連鎖移動剤
本発明において使用される好適な触媒及び触媒前駆体には、金属錯体、例えば、国際公開第2005/090426号に開示されるもの、具体的には、20頁30行から53頁20行までに開示されるものが含まれ、これは参照によって本明細書中に組み込まれる。好適な触媒がまた、米国特許出願公開第2006/0199930号明細書;米国特許出願公開第2007/0167578号明細書;米国特許出願公開第2008/0311812号明細書;米国特許第7,355,089号B2明細書;又は国際公開第2009/012215号に開示され、これらは触媒に関して参照によって本明細書中に組み込まれる。
特に好ましい触媒が下記式の触媒であり:
Figure 2013506743
式中、
20は、水素を除いて5個〜20個の原子を含有する芳香族基又は不活性置換された芳香族基、或いはそれらの多価誘導体であり;
は、水素を除いて1個〜20個の原子を有するヒドロカルビレン基又はシラン基、或いはそれらの不活性置換された誘導体であり;
は第4族金属であり、好ましくはジルコニウム又はハフニウムであり;
Gは、アニオン性、中性又はジアニオン性のリガンド基であり、好ましくは、水素を除いて20個までの原子を有するハライド基、ヒドロカルビル基又はジヒドロカルビルアミド基であり;
gが、上記のG基の数を示す、1から5までの数であり;かつ
結合及び電子供与性相互作用がそれぞれ線及び矢印によって表される。
好ましくは、そのような錯体は下記式に対応し:
Figure 2013506743
式中:Tは、水素を除いて2個〜20個の原子の二価架橋基であり、好ましくは、置換又は非置換のC3−6アルキレン基であり;かつ
Arはそれぞれの出現が独立して、水素を除いて6個〜20個の原子のアリーレン基或いはアルキル置換又はアリール置換のアリーレン基であり;
は第4族金属であり、好ましくはハフニウム又はジルコニウムであり;
Gはそれぞれの出現が独立して、アニオン性、中性又はジアニオン性のリガンド基であり;
gが、上記X基の数を示す、1から5までの数であり;かつ
電子供与性相互作用が矢印によって表される。
上記式の金属錯体の好ましい例には、下記の化合物が含まれ:
Figure 2013506743
式中、MはHf又はZrであり;
ArはC6−20アリール又はその不活性置換された誘導体であり、とりわけ、3,5−ジ(イソプロピル)フェニル、3,5−ジ(イソブチル)フェニル、ジベンゾ−1H−ピロール−1−イル又はアントラセン−5−イルであり、かつ
はそれぞれの出現が独立して、C3−6アルキレン基、C3−6シクロアルキレン基又はそれらの不活性置換された誘導体を含み;
21はそれぞれの出現が独立して、水素、ハロ、水素を除いて50個までの原子のヒドロカルビル、トリヒドロカルビルシリル又はトリヒドロカルビルシリルヒドロカルビルであり;かつ
Gはそれぞれの出現が独立して、ハロ、又は、水素を除いて20個までの原子のヒドロカルビル基若しくはトリヒドロカルビルシリル基であり、或いは、2つのG基が一緒になって、上記ヒドロカルビル基若しくはトリヒドロカルビルシリル基の二価誘導体である。
とりわけ好ましいものが下記式の化合物であり:
Figure 2013506743
式中、Arは、3,5−ジ(イソプロピル)フェニル、3,5−ジ(イソブチル)フェニル、ジベンゾ−1H−ピロール−1−イル又はアントラセン−5−イルであり、
21は、水素、ハロ又はC1−4アルキル、とりわけ、メチルであり、
はプロパン−1,3−ジイル又はブタン−1,4−ジイルであり、かつ
Gは、クロロ、メチル又はベンジルである。
その他の好適な金属錯体が下記式の金属錯体である:
Figure 2013506743
上記の多価ルイス塩基錯体は、標準的な金属化、及び第4族金属の供給源及び中性の多官能性リガンド供給源を含むリガンド交換手順によって好都合に調製される。加えて、上記錯体はまた、対応する第4族金属テトラアミド及びヒドロカルビル化剤、例えば、トリメチルアルミニウムなどから出発するアミド脱離/ヒドロカルビル化プロセスによって調製することができる。その他の技術も同様に使用することができる。これらの錯体は、なかでも、米国特許第6,320,005号明細書、同第6,103,657号明細書、同第6,953,764号明細書;国際公開第02/38628号及び国際公開第03/40195号の開示から公知である。
好適な共触媒が、国際公開第2005/090426号に開示されるもの、具体的には、54頁1行〜60頁12行に開示されるものであり、これは参照によって本明細書中に組み込まれる。
好適な可逆的連鎖移動剤が、国際公開第2005/090426号に開示されるもの、具体的には、19頁21行〜20頁12行に開示されるものであり、これは参照によって本明細書中に組み込まれる。特に好ましい可逆的連鎖移動剤はジアルキル亜鉛化合物である。
ブロック複合材料ポリマー製造物
本発明のプロセスを利用して、新規なブロック複合材料ポリマーが容易に調製される。好ましくは、ブロック複合材料ポリマーは、プロピレン、1−ブテン又は4−メチル−1−ペンテンと、1つ又はそれ以上のコモノマーとを含む。好ましくは、ブロック複合材料のブロックポリマーは、重合した形態で、プロピレン及びエチレン及び/又は1つ若しくはそれ以上のC4−20α−オレフィンコモノマー、及び/又は1つ若しくはそれ以上のさらなる共重合性コモノマーを含むか、或いは、ブロック複合材料のブロックポリマーは、4−メチル−1−ペンテン及びエチレン及び/又は1つ若しくはそれ以上のC4−20α−オレフィンコモノマーを含むか、或いは、ブロック複合材料のブロックポリマーは、1−ブテン及びエチレン、プロピレン及び/又は1つ若しくはそれ以上のC−C20α−オレフィンコモノマー及び/又は1つ若しくはそれ以上のさらなる共重合性コモノマーを含む。さらなる好適なコモノマーが、ジオレフィン、環状オレフィン及び環状ジオレフィン、ハロゲン化ビニル化合物、並びに、ビニリデン芳香族化合物から選択される。
生じたブロック複合材料ポリマーにおけるコモノマー含有量を、任意の好適な技術を使用して測定でき、核磁気共鳴(NMR)分光法に基づく技術が好ましい。ポリマーブロックの一部又はすべてが非晶質又は比較的非晶質のポリマー、例えば、プロピレン、1−ブテン又は4−メチル−1−ペンテンとコモノマーとのコポリマーなど、とりわけ、プロピレン、1−ブテン又は4−メチル−1−ペンテンとエチレンとのランダムコポリマーを含み、かつ、存在するならば、任意の残りのポリマーブロック(ハードセグメント)が、主としてプロピレン、1−ブテン又は4−メチル−1−ペンテンを重合形態で含むことが非常に望ましい。好ましくは、そのようなセグメントは、高度に結晶性又は立体特異的なポリプロピレン、ポリブテン又はポリ−4−メチル−1−ペンテンであり、とりわけ、アイソタクチックなホモポリマーである。
さらに好ましくは、本発明のブロックコポリマーは、10パーセント〜90パーセントの結晶性又は相対的ハードセグメント(好ましくは5パーセント〜50パーセント)と、90パーセント〜10パーセントの非晶質又は相対的非晶質のセグメント(ソフトセグメント)とを含む。ソフトセグメント内において、コモノマーのモルパーセントは5モルパーセントから90モルパーセント、好ましくは10モルパーセントから60モルパーセントまでであり得る。コモノマーがエチレンである場合には、これは好ましくは、10wt%〜75wt%、好ましくは10wt%〜70wt%、又は、10mol%〜70mol%のエチレンの量、好ましくは30mol%〜75mol%、より好ましくは33mol%〜65mol%の量で存在する。ブロック複合材料は5wt%〜50wt%のハードブロック及び95wt%〜50wt%のソフトブロックを有することができる。
好ましくは、コポリマーは、80wt%〜100wt%がプロピレンであるハードセグメントを含む。ハードセグメントは、90wt%超、好ましくは95wt%超、より好ましくは98wt%超がプロピレンであることが可能である。
本発明のブロック複合材料ポリマーは、従来のランダムコポリマー、ポリマーの物理的ブレンド、及び、逐次モノマー添加により調製されるブロックコポリマーから区別することができる。ブロック複合材料は、下記で記載されるように、ランダムコポリマーからは、同程度のコモノマー量についてはより高い融解温度、ブロック複合材料指数などの特徴によって区別することができ;物理的ブレンドからは、ブロック複合材料指数、より良好な引張強度、改善された破壊強度、より微細な形態、改善された光学性、及び、より低い温度でのより大きい耐衝撃強度などの特徴によって区別することができる;逐次モノマー添加によって調製されるブロックコポリマーからは、分子量分布、レオロジー、剪断減粘性、レオロジー比によって、また、ブロック多分散性が存在する点において区別することができる。
いくつかの実施形態において、本発明のブロック複合材料は、ゼロよりも大きいが、約0.4未満であるか、又は、約0.1〜約0.3である、下記で定義されるようなブロック複合材料指数(BCI)を有する。その他の実施形態において、BCIは約0.4よりも大きく、約1.0までである。加えて、BCIは、約0.4〜約0.7の範囲、約0.5〜約0.7の範囲、又は、約0.6〜約0.9の範囲において可能である。いくつかの実施形態において、BCIは、約0.3〜約0.9の範囲、約0.3〜約0.8の範囲、又は、約0.3〜約0.7の範囲、約0.3〜約0.6の範囲、約0.3〜約0.5の範囲、又は、約0.3〜約0.4の範囲である。その他の実施形態において、BCIは、約0.4〜約1.0の範囲、約0.5〜約1.0の範囲、又は、約0.6〜約1.0の範囲、約0.7〜約1.0の範囲、約0.8〜約1.0の範囲、又は、約0.9〜約1.0の範囲である。
ブロック複合材料は好ましくは、100℃を超える、好ましくは120℃を超える、より好ましくは125℃を超えるTmを有する。好ましくは、ブロック複合材料のMFRが0.1dg/分〜1000dg/分であり、より好ましくは0.1dg/分〜50dg/分であり、より好ましくは0.5dg/分〜50dg/分であり、また、0.5dg/分〜30dg/分であり得る。
ブロック複合材料は好ましくは、300nm未満、好ましくは200nm未満、より好ましくは100nm未満である分散相中のドメインを有する;ブロック複合材料は、0.05μm〜300nmのドメイン、0.1μm〜100nmのドメイン、又は、0.5μm〜100nmのドメインを有することができる。
本発明によるその他の望ましい組成物が、プロピレン、1−ブテン又は4−メチル−1−ペンテンと、エチレン及び場合により1つ又はそれ以上のα−オレフィン又はジエンモノマーとのエラストマーブロックコポリマーである。本発明のこの実施形態で使用される好ましいα−オレフィンが、式CH=CHR(式中、Rは1個〜12個の炭素原子の直鎖アルキル基又は分岐アルキル基である)によって示される。好適なα−オレフィンの例としては、イソブチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン(プロピレンと共重合化される場合)及び1−オクテンが挙げられるが、これらに限定されない。そのようなポリマー、とりわけ、マルチブロックEPDMタイプのポリマーを調製する際に使用される好適なジエンには、4個〜20個の炭素を含有する共役型又は非共役型の直鎖ジエン若しくは分岐鎖ジエン又は環状ジエン若しくは多環状ジエンが含まれる。好ましいジエンには、1,4−ペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、シクロヘキサジエン及び5−ブチリデン−2−ノルボルネンが挙げられる。特に好ましいジエンが5−エチリデン−2−ノルボルネンである。生じた生成物は、重合中にその場で生成される、アイソタクチックなホモポリマーセグメントとエラストマーコポリマーセグメントとを交互に含むことができる。好ましくは、生成物は、プロピレン、1−ブテン又は4−メチル−1−ペンテンと、1つ又はそれ以上のコモノマー、とりわけ、エチレンとのエラストマーブロックコポリマーのみから構成され得る。
ジエン含有ポリマーは、より大きい量又はより少ない量のジエン(非存在の場合を含む)及びα−オレフィン(非存在の場合を含む)を含有する交互のセグメント又はブロックを含有するので、ジエン及びα−オレフィンの総量を、その後のポリマー特性を失うことなく軽減できる。すなわち、ジエン及びα−オレフィンモノマーは、ポリマー全体にわたって均一又はランダムではなく、ポリマーの1つのタイプのブロックに優先的に取り込まれるので、ジエンモノマー及びα−オレフィンモノマーはより効率的に利用され、その後、ポリマーの架橋密度をより良好に制御することができる。そのような架橋性エラストマー、及び、硬化した生成物は、より大きい引張強度及びより良好な弾性回復率を含めて、有利な特性を有する。
さらに好ましくは、本発明のこの実施形態のブロック複合材料は重量平均分子量(Mw)が10,000〜約2,500,000であり、好ましくは35000〜約1,000,000であり、より好ましくは50,000〜約300,000であり、好ましくは50,000〜約200,000である。
本発明のポリマーは、総組成物重量に基づいて95wt%までのオイルでの油展、5パーセント〜約95パーセント、好ましくは20パーセント〜80パーセント、より好ましくは30パーセント〜70パーセントのプロセスオイルでの油展を行うことができる。好適なオイルには、油展EPDMゴム配合物を製造する際に従来使用されるあらゆるオイルが含まれる。例としては、ナフテン系及びパラフィン系オイルの両方が挙げられ、パラフィン系オイルが好ましい。
本発明に従って有用に用いられる本発明の配合物のさらなる構成成分は、様々なその他の成分を、得られる組成物の特性を損なわない量で含む。これらの成分には、活性化剤、例えば、酸化カルシウム又は酸化マグネシウム;脂肪酸、例えば、ステアリン酸及びその塩;フィラー及び強化材、例えば、炭酸カルシウム又は炭酸マグネシウム、シリカ及びケイ酸アルミニウム;可塑剤、例えば、ジカルボン酸のジアルキルエステル;劣化防止剤;軟化剤;ワックス;並びに顔料が挙げられるが、これらに限定されない。
ポリマーブレンドの調製
ポリマーブレンドの成分、すなわち、ブロック複合材料、ポリオレフィン及び場合による添加剤は、当業者に公知である方法を使用して、好ましくは、エチレン/α−オレフィンインターポリマーにおけるポリオレフィン及び/又は添加剤の実質的に均一な分布をもたらすことができる方法を使用して混合又はブレンド混合することができる。好適なブレンド混合方法の限定されない例としては、溶融ブレンド、溶媒ブレンド及び押出しなどが挙げられる。
好適なポリオレフィンには、ポリエチレン、例えば、LLDPE、HDPE、LDPE又はランダムエチレンインターポリマーなど;ポリプロピレン、例えば、iPP、PPホモポリマー及びRCPなど;並びにオレフィンブロックコポリマーが挙げられるが、これらに限定されない。オレフィンブロックコポリマーは、エチレン及びα−オレフィンの重合単位を含み、この場合、ポリマーは、ゼロよりも大きく、約1.0までである平均ブロック指数、及び、約1.3を超える分子量分布(M/M)によって特徴づけられる。オレフィンブロックコポリマーはまた、エチレン及びα−オレフィンの重合単位を含むことができ、この場合、平均ブロック指数は0よりも大きいが、約0.5未満であり、分子量分布(M/M)が約1.3を超える。好ましくは、オレフィンブロックコポリマーは、少なくとも3つのブロックを有する線状のマルチブロックコポリマーである。同様に好ましくは、インターポリマーにおけるエチレン含有量が少なくとも50モルパーセントである。これらは、例えば、米国特許第7,608,668B2号明細書(これは参照によって本明細書中に組み込まれる)に記載されており、この米国特許において例示されるような重合技術により製造することができる。使用することができる別のタイプのオレフィンブロックコポリマーが、「メソフェーズ分離」として示されるものである。これらのメソドメインは、ブロックコポリマーについて公知である球、円筒、ラメラ又はその他の形態学の形態を取ることができる。ドメインの最も狭い大きさ、例えば、ラメラの面に対して直交する大きさが一般には、本発明のメソフェーズ分離ブロックコポリマーでは約40nmを超える。これらのポリマーの例を、例えば、国際公開第2009/097560号、同第2009/097565号、同第2009/097525号、同第2009/097529号、同第2009/097532号及び同第2009/097535号に見出すことができる(これらのすべてが参照によって本明細書中に組み込まれる)。ポリオレフィンを0〜100phrの量で存在させることができる。
いくつかの実施形態において、ポリマーブレンドの成分は、Guerin et al.によって米国特許第4,152,189号明細書に記載されるような方法によって溶融ブレンド混合される。初めに、存在するならば、すべての溶媒が、約5torr(667Pa)から約10torr(1333Pa)までの圧力で、約100℃から約200℃までの、又は、約150℃から約175℃までの適切な高い温度に加熱することによって成分から除かれる。次に、成分が所望の割合で容器に計り取られ、ポリマーブレンドが、容器の内容物を、撹拌しながら溶融状態に加熱することによって形成される。
その他の実施形態において、ポリマーブレンドの成分は、溶媒ブレンド混合を使用して加工される。初めに、所望されるポリマーブレンドの成分が好適な溶媒に溶解され、その後、混合物が混合又はブレンド混合される。次に、溶媒が、ポリマーブレンドを提供するために除かれる。
さらなる実施形態において、分散混合、分配混合、又は、分散混合及び分配混合の組合せをもたらす物理的ブレンド混合デバイスが、均一なブレンドを調製することにおいて有用であり得る。物理的ブレンド混合のバッチ法及び連続法の両方を使用することができる。バッチ法の限定されない例としては、BRABENDER(登録商標)混合装置(例えば、BRABENDER PREP CENTER(登録商標)、C.W.Brabender Instruments,Inc.,South Hackensack,N.J.から入手可能)又はBANBURY(登録商標)内部混合/ロールミリング(Farrel Company,Ansonia,Connn.から入手可能)装置を使用する方法が挙げられる。連続法の限定されない例としては、単軸スクリュー押出し、二軸スクリュー押出し、ディスク押出し、往復単軸スクリュー押出し及びピンバレル単軸スクリュー押出しが挙げられる。いくつかの実施形態において、添加剤を、エチレン/α−オレフィンインターポリマー、ポリオレフィン又はポリマーブレンドの押出しの間に供給ホッパー又は供給口を介して押出し機の中に加えることができる。押出しによるポリマーの混合又はブレンド混合が、C. Rauwendaal, 「Polymer Extrusion」, Hanser Publishers, New York, NY. pages 322-334 (1986)に記載され、これは参照によって本明細書中に組み込まれる。
1つ又はそれ以上の添加剤がポリマーブレンドにおいて要求されるとき、これらの添加剤の所望される量を、エチレン/α−オレフィンインターポリマー、ポリオレフィン又はポリマーブレンドに1回の装入又は複数回の装入で加えることができる。さらに、添加はどのような順序でも行うことができる。いくつかの実施形態において、添加剤が最初に加えられ、エチレン/α−オレフィンインターポリマーと混合又はブレンド混合され、その後、添加剤含有インターポリマーがポリオレフィンとブレンド混合される。その他の実施形態において、添加剤が最初に加えられ、ポリオレフィンと混合又はブレンド混合され、その後、添加剤含有ポリオレフィンがエチレン/α−オレフィンインターポリマーとブレンド混合される。さらなる実施形態において、エチレン/α−オレフィンインターポリマーが最初にポリオレフィンとブレンド混合され、その後、添加剤がポリマーブレンドとブレンド混合される。ポリマーブレンドはまた、乾燥ブレンドとして加工装置で行うことができる(事前の配合は必要とされない)。
或いは、高濃度の添加剤を含有するマスターバッチを使用することができる。一般に、マスターバッチは、エチレン/α−オレフィンインターポリマー、ポリオレフィン又はポリマーブレンドのいずれかを高濃度の添加剤とブレンド混合することによって調製することができる。マスターバッチは、ポリマーブレンドの総重量の約1wt%〜約50wt%の添加剤濃度、約1wt%〜約40wt%の添加剤濃度、約1wt%〜約30wt%の添加剤濃度、又は、約1wt%〜約20wt%の添加剤濃度を有することができる。その後、マスターバッチは、最終製品における所望される添加剤濃度を提供するために決定された量でポリマーブレンドに加えることができる。いくつかの実施形態において、マスターバッチは、スリップ剤、粘着防止剤、可塑剤、酸化防止剤、UV安定剤、着色剤又は顔料、フィラー、潤滑剤、防曇剤、流動助剤、カップリング剤、架橋剤、核化剤、界面活性剤、溶媒、難燃剤、帯電防止剤、或いは、それらの組合せを含有する。その他の実施形態において、マスターバッチは、スリップ剤、粘着防止剤又はそれらの組合せを含有する。その他の実施形態において、マスターバッチはスリップ剤を含有する。
好ましくは、ブレンドは、最も小さい体積で、幅、直径又は高さにおいて300nm未満、好ましくは200nm未満、より好ましくは100nm未満である分散形態を有する;この形態はまた、1nm〜300nm、10nm〜200nm、又は、20nm〜100nmであってもよい。
ブレンドは、100部のブロック複合材料、50phr〜150phrのオイル、0phr〜11phrのポリオレフィン及び0phr〜200phrのフィラーを含むことができる。ブレンドの永久圧縮ひずみが40%〜70%であり得る。ショアAが50〜90であり得る。
ポリマーブレンドの用途
本明細書中に開示されるポリマーブレンドは、自動車、建築、医療、食品及び飲料物、電気、電化製品、事務機並びに消費者の市場のための耐久品を製造するために使用することができる。いくつかの実施形態において、ポリマーブレンドは、玩具、掴み具、手触りが柔らかい握り部、バンパー・ラブ・ストリップ、床張り材、自動ドアマット、ハンドル、キャスター、家具及び電化製品の脚、タグ、シール、ガスケット、例えば、静的及び動的なガスケット、自動車のドア、バンパー・フェイシア、グリル構成材、ロッカーパネル、ホース、裏張り材、事務用品、シール、ライナー、ダイヤフラム、チューブ、蓋、栓、プランジャー先端、送達システム、台所用具、靴、シュー・ブラダー及び靴底から選択される柔軟な耐久性部品又は耐久品を製造するために使用される。その他の実施形態において、ポリマーブレンドは、大きい引張強度及び低い永久圧縮ひずみを要求する耐久性部品又は耐久品を製造するために使用することができる。さらなる実施形態において、ポリマーブレンドは、高い上限使用温度及び低い弾性率を要求する耐久性部品又は耐久品を製造するために使用することができる。
ポリマーブレンドは、公知であるポリマープロセスを用いて、例えば、押出し、例えば、シート押出し及び異形押出し;成形、例えば、射出成形、回転成形及びブロー成形;繊維紡糸;並びに、インフレーションフィルムプロセス及びキャストフィルムプロセスなどを用いてこれらの耐久性部品又は耐久品を調製するために使用することができる。一般に、押出しは、ポリマーが融解され、圧縮され、最終的にはダイに押し通される高い温度及び圧力の領域を通ってポリマーがスクリューに沿って連続的に押し出されるプロセスである。押出し機は、単軸スクリュー押出し機、多軸スクリュー押出し機、ディスク押出し機又はラム押出し機であり得る。ダイは、フィルムダイ、インフレーションフィルムダイ、シートダイ、パイプダイ、チューブダイ又は異形押出しダイであり得る。ポリマーの押出しは、C. Rauwendaal, 「Polymer Extrusion」, Hanser Publishers, New York, NY (1986);、及び、M. J. Stevens, 「Extruder Principals and Operation」, Ellsevier Applied Science Publishers, New York, NY (1985)に記載され、これらの両方がそれらの全体において参照によって本明細書中に組み込まれる。
射出成形もまた、様々な用途のための様々なプラスチック部品を製造するために広範囲に使用される。一般に、射出成形は、ポリマーが融解され、所望される形状及びサイズの部品を形成するために、鋳型であって、所望される形状の逆である鋳型の中に高い圧力で注入されるプロセスである。鋳型は金属、例えば、スチール及びアルミニウムから作製することができる。ポリマーの射出成形が、Beaumont et al., 「Successful Injection Molding: Process, Design, and Simulation,」 Hanser Gardner Publications, Cincinnati, Ohio (2002)に記載されて、これはその全体が参照によって本明細書中に組み込まれる。
成形は一般に、ポリマーが融解され、所望される形状及びサイズの部品を形成するために鋳型であって、所望される形状の逆である鋳型の中に入れられるプロセスである。成形は常圧型又は圧力支援型であり得る。ポリマーの成形が、Hans-Georg Elias, 「An Introduction to Plastics,」 Wiley-VCH, Weinhei, Germany、pp. 161-165 (2003)に記載され、これは参照によって本明細書中に組み込まれる。
下記の実施例は、本発明の実施形態を例示するために示される。すべての数値が概算値である。数値範囲が与えられる場合、言及された範囲の外側における実施形態が依然として本発明の範囲に含まれ得ることを理解すべきである。それぞれの実施例において記載される具体的詳細は、本発明の必要な特徴として解釈してはならない。
重合方法
本発明のブロック複合材料を製造する際に有用である好適なプロセスは、例えば、米国特許出願公開第2008/0269412号明細書(2008年10月30日公開)に見出すことができ、これは参照によって本明細書中に組み込まれる。具体的には、重合は望ましくは、触媒成分、モノマー、並びに、場合により溶媒、補助剤、スカベンジャー及び重合助剤が1つ又はそれ以上の反応器又は帯域に連続的に供給され、ポリマー生成物が反応器又は帯域から連続的に取り出される連続重合、好ましくは、連続溶液重合として行われる。この状況で使用されるような用語「連続的な」及び「連続的に」の範囲内には、小さい規則的又は不規則な間隔での反応物の断続的添加及び生成物の取り出しが存在し、その結果、時間とともに、プロセス全体が実質的に連続しているプロセスが存在する。さらに、上記で説明されたように、可逆的連鎖移動剤を、第1の反応器又は帯域、第1の反応器の出口又は出口の少し前、第1の反応器又は帯域と、第2又は任意の後続の反応器又は帯域との間、或いは、第2又は任意の後続の反応器又は帯域だけにおける添加を含めて、重合中に任意の地点で加えることができる。直列で接続される反応器又は帯域の少なくとも2つの間におけるモノマー、温度、圧力における差異又は重合条件におけるその他の差異のため、同一分子内における異なる組成、例えば、コモノマー含有量、結晶化度、密度、タクティシティー、位置規則性又はその他の化学的若しくは物理的な差異などのポリマーセグメントが、異なる反応器又は帯域において形成される。それぞれのセグメント又はブロックのサイズは、連続するポリマー反応条件によって決定され、好ましくは、ポリマーサイズの最確分布である。
直列の反応器の各々は、高圧、溶液、スラリー又は気相重合の条件下で作動させることができる。多帯域重合では、すべての帯域が、異なるプロセス条件ではあるが、同じタイプの重合、例えば、溶液、スラリー又は気相などのもとで作動する。溶液重合プロセスについては、用いられた重合条件下でポリマーが可溶性である液体希釈剤中での触媒成分の均一な分散物を用いることが望ましい。通常の場合には金属錯体又は共触媒のいずれかがほんのわずかでしか可溶性でないそのような均一な触媒分散物を製造するために極めて微細なシリカ又は類似する分散剤を利用する1つのプロセスが、米国特許第5,783,512号明細書に開示される。高圧プロセスは通常、100℃〜400℃の温度及び500bar(50MPa)を超える圧力で行われる。スラリープロセスでは典型的には、不活性な炭化水素希釈剤、及び、0℃から、生じたポリマーが不活性な重合媒体において実質的に可溶性になる温度の直ぐ下までの温度が使用される。スラリー重合における好ましい温度が、30℃から、好ましくは60℃から115℃まで、好ましくは100℃までである。圧力が典型的には、大気圧(100kPa)から500psi(3.4MPa)にまで及ぶ。
上記プロセスのすべてにおいて、連続又は実質的に連続の重合条件が好ましくは用いられる。そのような重合条件の使用、とりわけ、連続溶液重合プロセスは、高い収率及び効率での本発明のブロックコポリマーの経済的製造をもたらす高い反応器温度の使用を可能にする。
触媒は、必要な金属錯体又は多数の錯体を、重合が行われる溶媒に加えるか、又は、最終的な反応混合物と相溶性の希釈剤において加えることによって、均一組成物として調製することができる。所望される共触媒又は活性化剤、及び、場合によりシャトリング剤は、触媒を重合させるモノマー及び任意のさらなる反応希釈剤と混合する前、同時、又は後に、触媒組成物と混合することができる。
常に、個々の成分、並びにあらゆる活性な触媒組成物は、酸素、水分及びその他の触媒毒から保護されなければならない。従って、触媒成分、シャトリング剤及び活性化触媒は、酸素及び水分を含まない雰囲気において、好ましくは、乾燥した不活性ガス、例えば、窒素のもとで調製され、貯蔵されなければならない。
本発明の範囲を決して限定するものではなく、そのような重合プロセスを行うための1つの手段が下記の通りである。溶液重合条件下で作動する1つ又はそれ以上の十分に撹拌されたタンク又はループ反応器において、重合すべきモノマーが反応器の1つの部分において任意の溶媒又は希釈剤と一緒に連続的に導入される。反応器は、任意の溶媒又は希釈剤及び溶解されたポリマーと一緒になったモノマーから実質的に構成される比較的均一な液相を含有する。好ましい溶媒には、C4−10炭化水素又はその混合物、とりわけ、アルカン、例えば、ヘキサン又はアルカンの混合物、並びに、重合において用いられるモノマーの1つ又はそれ以上が含まれる。好適なループ反応器の例、及びそれとともに使用される好適な様々な操作条件の例、例えば直列で作動する複数のループ反応器の使用は、米国特許第5,977,251号明細書、同第6,319,989号明細書及び同第6,683,149号明細書に見出される。
触媒とともに共触媒及び場合により可逆的連鎖移動剤は、反応器液相中、または最小限1つの場所のそのあらゆるの再循環部分に連続的又は断続的に導入される。反応器の温度及び圧力を、溶媒/モノマー比、触媒添加速度を調節することによって、並びに、冷却又は加熱のためのコイル、ジャケット又は両方を使用することによって制御することができる。重合速度が触媒添加速度によって制御される。ポリマー生成物における所与のモノマーの含有量は反応器におけるモノマーの比率によって影響を受け、この比率は、反応器へのこれらのモノマー成分のそれぞれの供給速度を操作することによって制御される。ポリマー生成物の分子量が、当分野では周知であるように、場合により、その他の重合変数、例えば、温度、モノマー濃度を制御することによって、或いは、上記可逆的連鎖移動剤又は鎖停止剤、例えば、水素によって制御される。場合によりコンジット又はその他の移送手段によって、反応器の排出には、第2の反応器が接続され、その結果、第1の反応器で調製された反応混合物がポリマー成長を実質的に停止することなく第2の反応器に排出される。第1の反応器と第2の反応器との間には、少なくとも1つのプロセス条件における差異が確立される。好ましくは、2つ又はそれ以上のモノマーのコポリマーの形成に使用する場合、この差異は、1つ又はそれ以上のコモノマーの存在又は非存在、或いは、コモノマー濃度における差異である。直列式の第2の反応器に類似の様式で配置されるさらなる反応器もまた同様に提供され得る。直列式の最後の反応器から出ると、流出液は触媒失活剤、例えば、水、蒸気又はアルコールと接触させられるか、又は、カップリング剤と接触させられる。
生じたポリマー生成物は、反応混合物の揮発性成分、例えば、残留モノマー又は希釈剤を減圧下でフラッシング除去し、また、必要ならば、装置、例えば押出し機でのさらなる脱蔵を行うことによって回収される。連続プロセスにおいて、反応器における触媒及びポリマーの平均滞留時間は一般に5分〜8時間であり、好ましくは10分〜6時間である。
或いは、上記重合は、その異なる帯域又は領域の間で確立されるモノマー勾配、触媒勾配、シャトリング剤勾配、温度勾配又はその他の勾配を有し、場合により触媒及び/又は可逆的連鎖移動剤の別個の添加を伴い、かつ断熱的又は非断熱的な重合条件下で作動する栓流反応器において行うことができる。
触媒組成物はまた、以前に開示されたように、必要な成分を不活性な無機粒状又は有機粒状の固形物に吸着させた不均一触媒として調製して使用できる。好ましい実施形態において、不均一触媒が、金属錯体と、不活性な無機化合物及び活性水素含有活性化剤の反応生成物、とりわけ、トリ(C1−4アルキル)アルミニウム化合物と、ヒドロキシアリールトリス(ペンタフルオロフェニル)ボラートのアンモニウム塩、例えば、(4−ヒドロキシ−3,5−ジ第三級ブチルフェニル)トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラートのアンモニウム塩との反応生成物とを共沈殿することによって調製される。不均一形態又は担持型形態で調製される場合、触媒組成物はスラリー又は気相重合において用いることができる。実際的制限として、スラリー重合は、ポリマー生成物が実質的に不溶性である液体希釈剤において行われる。好ましくは、スラリー重合のための希釈剤は、5個未満の炭素原子を有する1つ又はそれ以上の炭化水素である。所望されるならば、飽和炭化水素、例えば、エタン、プロパン又はブタンを希釈剤として全体又は一部分において使用することができる。溶液重合の場合と同様に、α−オレフィンコモノマー又は種々のα−オレフィンモノマーの混合物を希釈剤として全体又は一部分において使用することができる。最も好ましくは、希釈剤の少なくとも主要部分が、重合されるべきα−オレフィンモノマーを含む。
試験方法
それぞれの樹脂の全体的組成が、DSC、NMR、GPC、DMS及びTEM形態学によって求められる。さらに、キシレン分画がブロックコポリマーの収率を推定するために使用される。
示差走査熱量測定法(DSC)
示差走査熱量測定法が、RCS冷却アクセサリー及びオートサンプラーを備えるTA Instruments Q1000 DSCで行われる。50ml/分の窒素パージガス流が使用される。サンプルがフィルムにプレス加工され、約190℃でプレス機において融解され、その後、室温(25℃)に空冷される。その後、約3mg〜10mgの材料が切り取られ、正確に重量測定され、後で圧着により閉じられる軽量アルミニウム皿(約50mg)に入れられる。サンプルの熱挙動が下記の温度プロファイルに関して調べられる:サンプルは、あらゆる以前の熱履歴を除くために、190℃に急速加熱され、3分間にわたって等温保持される。その後、サンプルは10℃/分の冷却速度で−90℃に冷却され、−90℃で3分間保持される。その後、サンプルは10℃/分の加熱速度で150℃に加熱される。冷却及び2回目の加熱のときの曲線が記録される。
13C核磁気共鳴(NMR)
サンプル調製
サンプルは、クロムアセチルアセトナート(緩和剤)が0.025Mであるテトラクロロエタン−d2/オルトジクロロベンゼンの50/50混合物のおよそ2.7gを10mmのNMRチューブにおいて0.21gのサンプルに加えることによって調製される。サンプルは、チューブ及びその内容物を150℃に加熱することによって溶解され、均質化される。
データ取得パラメーター
データは、Bruker Dual DUL高温クライオプローブを備えるBruker 400MHz分光計を使用して集められる。データは、データファイルあたり320の過渡電流、7.3秒のパルス反復遅延(6秒の遅延+1.3秒の取得時間)、90度のフリップ角及び逆ゲーテッド・デカップリングを125℃のサンプル温度ととともに使用して取得される。すべての測定が、ロックドモードで、非回転サンプルに対して行われる。サンプルは、加熱された(130℃の)NMRサンプルチェンジャーに入れられる直前に均質化され、データ取得前の15分間、プローブにおいて熱的に平衡化される。
ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)
ゲル浸透クロマトグラフィーシステムは、Polymer LaboratoriesモデルPL−210装置又はPolymer LaboratoriesモデルPL−220装置のどちらかからなる。カラム区画及び回転ラック区画が140℃で操作される。Polymer Laboratories社の、3本の、10ミクロンのMixed−Bカラムが使用される。溶媒は1,2,4−トリクロロベンゼンである。サンプルが、200ppmのブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)を含有する50ミリリットルの溶媒における0.1グラムのポリマーの濃度で調製される。サンプルは、160℃で2時間軽く撹拌することによって調製される。使用された注入体積が100マイクロリットルであり、流速が1.0ml/分である。
GPCカラムセットの校正は、分子量が580から8,400,000にまで及び、個々の分子量の間に少なくとも1桁の隔たりがある6個の「カクテル」混合物に配置された21個の狭い分子量分布のポリスチレン標準物質により行われる。これらの標準物質は、Polymer Laboratories(Shropshire,UK)から購入される。ポリスチレン標準物質は1,000,000以上の分子量については50ミリリットルの溶媒において0.025グラムで調製され、1,000,000未満の分子量については50ミリリットルの溶媒において0.05グラムで調製される。ポリスチレン標準物質は、穏やかな撹拌とともに30分間、80℃で溶解される。狭い標準物質混合物の測定を最初に行い、分解を最小限に抑えるために、最大の分子量成分が低下する順で行う。ポリスチレン標準物質のピーク分子量が、(Williams and Ward, J. Polym. Sci., Polym. Let., 6, 621 (1968)に記載されるような)下記の式を使用してポリエチレン分子量に変換される:Mポリプロピレン=0.645(Mポリスチレン)。
ポリプロピレン相当分子量の計算が、Viscotek TriSECソフトウエア(バージョン3.0)を使用して行われる。
高速昇温溶出分画化(F−TREF)
F−TREF分析において、分析されるべき組成物がオルト−ジクロロベンゼンに溶解され、不活性な担体(ステンレススチールショット)を収容するカラムにおいて、温度を(0.4℃/分の好ましい速度で)30℃にゆっくり下げることによって結晶化させられる。カラムは赤外検出器を備える。その後、F−TREFクロマトグラム曲線が、溶出溶媒(o−ジクロロベンゼン)の温度を(1.5℃/分の好ましい速度で)30℃から140℃にゆっくり上げることにより、結晶化させたポリマーサンプルをカラムから溶出することによって作成される。
高温液体クロマトグラフィー(HTLC)
HTLCが、米国特許出願公開第2010−0093964号明細書及び米国特許出願第12/643111号明細書(2009年12月21日出願)に開示される方法に従って行われ、これらの両方が参照によって本明細書中に組み込まれる。サンプルが下記の方法論によって分析される。
Waters GPCV2000高温SECクロマトグラフが、HT−2DLC計測を組み立てるために再構成される。2台のShimadzu LC−20ADポンプが二成分ミキサーを介してGPCV2000においてインジェクターバルブに接続された。第1次元(D1)のHPLCカラムが、インジェクターと、10ポート・スイッチ・バルブ(Valco Inc)との間に接続された。第2次元(D2)のSECカラムが、10ポートバルブと、LS(Varian Inc.)検出器、IR(濃度及び組成)検出器、RI(屈折率)検出器及びIV(固有粘度)検出器との間に接続された。RI及びIVはGPCV2000における内蔵検出器であった。IR5検出器がPolymerChar(Valencia、スペイン)によって提供された。
カラム:D1カラムは、Thermo Scientificから購入された高温Hypercarbグラファイトカラム(2.1×100mm)であった。D2カラムは、Varianから購入されたPLRapid−Hカラムであった(10×100mm)。
試薬:HPLC規格のトリクロロベンゼン(TCB)をFisher Sxcientificから購入した。1−デカノール及びデカンをAldrichから購入した。2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール(Ionol)もまた、Aldrichから購入した。
サンプル調製:0.01g〜0.15gのポリオレフィンサンプルを10mLのWatersオートサンプラー用バイアルに入れた。200ppmのIonolを含む7mLの1−デカノール又はデカンのどちらかをその後でバイアルに加えた。ヘリウムをサンプルバイアルに約1分間パージした後、サンプルバイアルを、温度が160℃で設定された加熱された振とう機に載せた。溶解を、バイアルをその温度で2時間振とうすることによって行った。その後、バイアルを注入のためにオートサンプラーに移した。溶液の実際の体積は溶媒の熱膨張のために7mLを超えたことに留意されたい。
HT−2DLC:D1流速は0.01mL/秒であった。移動相の組成が実験の最初の10分間については弱溶離液(1−デカノール又はデカン)の100%であった。その後、組成を、489分で、強溶離液(TCB)の60%に上げた。データを生のクロマトグラムの継続期間として489分間にわたって集めた。10ポートバルブが3分毎に切り替わり、これにより、489/3=163のSECクロマトグラムが得られた。489分のデータ取得時間の後、実験後の勾配を平衡化するためにで使用し、カラムを次回の実験のために清浄化した。
清浄工程:
1.490分:フロー=0.01分;//0.01mL/分の一定流速を0分から490分まで維持する。
2.491分:フロー=0.20分;//流速を0.20mL/分に上げる。
3.492分:%B=100;//移動相組成を100%TCBに上げる。
4.502分:%B=100;//カラムを、2mLのTCBを使用して洗浄する。
平衡工程:
5.503分:%B=0;//移動相組成を100%の1−デカノール又はデカンに変える。
6.513分:%B=0;//カラムを、2mLの弱溶離液を使用して平衡化する。
7.514分:フロー=0.2mL/分;//0.2mL/分の一定流速を491分から514分まで維持する。
8.515分:フロー=0.01mL/分;//流速を0.01mL/分に下げる。
工程8の後、流速及び移動相組成が実験勾配の初期条件と同じであった。
D2流速が2.51mL/分であった。2つの60μLループが10ポート・スイッチ・バルブに取り付けられた。バルブの切換えの度にD1カラムからの溶離液の30μLがSECカラムにロードされた。
IR、LS15(15°での光散乱シグナル)、LS90(90°での光散乱シグナル)及びIV(固有粘度)シグナルをSS420Xアナログ・デジタル変換ボックスに通してEZChromによって集めた。クロマトグラムをASCII形式でエクスポートし、データ処理のため自前のMATLABソフトウエアにインポートした。分析されているブロック複合材料に含有されるハードブロック及びソフトブロックの類似する性質のポリマーの、ポリマー組成及び保持体積の適切な校正曲線を使用する。校正用ポリマーは組成(分子量及び化学的組成の両方)において狭くなければならず、分析の間に目的の組成をカバーするように妥当な分子量範囲にまたがるべきである。生データの分析を下記のように計算した。第1次元のHPLCクロマトグラムを、(総IR SECクロマトグラムのカットからの)全てのカットについてIRシグナルを溶出体積の関数としてプロットすることによって再構成した。IR対D1溶出体積を総IRシグナルにより正規化して、重量分率対D1溶出体積のプロットを得た。IRメチル/計測比率を、再構成されたIR計測及びIRメチルのクロマトグラムから得た。比率を、SEC実験から得られるメチル/計測に対する(NMRによる)PP(重量%)の較正曲線を使用して組成に変換した。MWを、再構成されたIR計測及びLSのクロマトグラムから得た。比率を、PE標準物質を使用するIR検出器及びLS検出器の両方の校正の後、MWに変換した。
単離されたPPの重量%が、組成の較正曲線によって定めた単離ピーク及び保持体積に基づき、ハードブロック組成に対応する面積として測定される。
動的機械的分光法(DMS)
動的機械的測定(温度に対する損失弾性率及び貯蔵弾性率)が、TA instruments ARESで測定される。動的弾性率測定が、約2mmの厚さ、5mmの幅及び約10mmの長さの固体の棒に対してねじりで行われる。データが10rad/sの一定の振動数及び5℃/分の加熱/冷却速度で記録される。温度掃引が5℃/分で−90℃から190℃まで行われる。
透過電子顕微鏡法(TEM)
ポリマーフィルムが、圧縮成形、それに続く急冷によって調製される。ポリマーは、1000psiで1分間、190℃で事前に融解され、その後、5000psiで2分間プレスされ、その後、冷却されたプラテン(15℃〜20℃)の間で2分間急冷される。
圧縮成形されたフィルムは、切片がフィルムの中心付近で収束し得るようにトリミングされる。不要部分が切り取られたサンプルは、エラストマー相のにじみを防止するために、切片を−60℃でブロックから取り出すことによって染色前に冷凍研磨される。冷凍研磨されたブロックは、周囲温度で3時間、2%四酸化ルテニウム水溶液の蒸気相により染色される。染色溶液は、0.2gmの塩化ルテニウム(III)水和物(RuClxHO)をネジ蓋付きガラスビンに計り取り、10mlの5.25%次亜塩素酸ナトリウム水溶液をジャーに加えることによって調製される。このサンプルが、両面テープを有するガラススライドを使用してガラスジャーに入れられる。スライドは、ブロックを染色溶液の上方約1インチに吊すようにびん内で配置される。厚さがおよそ90ナノメートルである切片が、Leica EM UC6ミクロトームでダイヤモンドナイフを使用して周囲温度で集められ、観察のために600メッシュの未使用のTEMグリッドの上に置かれる。
画像収集−TEM像が、100kVの加速電圧で操作されるJEOL JEM−1230で集められ、Gatan−791デジタルカメラ及びGatan−794デジタルカメラで集められる。
後方散乱走査型電子顕微鏡法(BS−SEM)
小さい矩形片を、コアにおいて射出成形方向に平行して切片が収集され得るように、圧縮成形されたプラックのそれぞれから中心において切り取った。このプラック片はトリミングされて、にじみを防止するために、切片を−120℃でブロックから取り出すことによって染色前に冷凍研磨された。冷凍研磨ブロックを、周囲温度で40分間、四酸化ルテニウム水溶液の蒸気相により染色した。染色溶液は、0.2gmの塩化ルテニウム(III)水和物(RuCl3xH2O)をネジ蓋付きガラスビンに計り取り、10mlの5.25%次亜塩素酸ナトリウム水溶液をジャーに加えることによって調製された。このサンプルは、外側表面の過度な染色を防止するためにスキン側がテープに接着される両面テープを有するガラススライドを使用してガラスジャーに入れられた。スライドは、ブロックを染色溶液の上方約1インチに吊すためにびんに入れられた。厚さがおよそ300ナノメートルである切片を、FCS冷凍切片化チャンバを備えるLeica UCTミクロトームで組織学ダイヤモンドナイフを使用して−120℃でブロック面から取り出した。材料を、サンプルの脆い過染色領域が除かれたことを示す非破壊切片が集められ得るまでブロックから取り出した。冷凍研磨ブロックは、ブロックを電子顕微鏡観察のために導電性にするために20秒間、Emitech K575Xターボ・スパッター・コーターを使用してイリジウムプラズマによりスパッタリングされた。
後方散乱電子像(BEI)を、10kVの加速電圧、5mmの作業距離及び5.0のスポットサイズで運転されるAn FEI Nano600走査型電子顕微鏡で集めた。イマージョンモードを、冷凍研磨ブロック面のコアからのBEI像を捕らえるために半導体後方散乱検出器とともに使用した。
キシレン可溶性画分分析
重量測定された一定量の樹脂が還流条件下で2時間、200mlのo−キシレンに溶解される。その後、溶液は、キシレン不溶性(XI)画分の結晶化を可能にするために、温度制御された水浴で25℃に冷却される。溶液が冷却され、不溶性画分が溶液から沈殿すると、キシレン不溶性画分からのキシレン可溶性(XS)画分の分離が、ろ紙でろ過することによって行われる。残留するo−キシレン溶液がろ液からエバポレーションされる。XS画分及びXI画分の両方が真空オーブンにおいて100℃で60分間乾燥され、その後、重量測定される。或いは、ソフトブロックポリマーの溶液結晶化温度が室温よりも高い場合、分画化工程を、ソフトブロックの結晶化温度よりも10℃〜20℃高いが、ハードブロックの結晶化温度よりも低い温度で行うことができる。分離の温度を、参考文献(ポリマー特徴づけのためのTREF技術及びCRYSTAF技術、Encyclopedia of Analytical Chemistry. 2000 Issue, Pages 8074-8094)によって記載されるようなTREF測定又はCRYSTAF測定によって求めることができる。この分画化は、実験室用の加熱された溶解・ろ過装置、又は、分画化機器、例えば、Preparatory mc(これはPolymer Char(Valencia、スペイン)から入手可能である)で行うことができる。
硬度
ショアA硬度が、ASTM D2240によって測定された。この試験法は、初期押込み又は指定時間期間後の押込みのどちらか、或いは、両方に基づく硬度測定を可能にする。この場合には、10秒の指定時間が使用された。
引張試験
引張データが、圧縮成形されたプラックの流方向での5インチ/分の引張速度による微小引張法であるASTM D 1708を使用して測定された。
永久圧縮ひずみ
永久圧縮ひずみが、周囲温度、40℃及び70℃で、ASTM D395に従って測定された。サンプルを、0.125”の厚さの圧縮成形されたプラックから切り取られた直径25.4mmの丸い円盤を、12.7mmの総厚さが達成されるまで積み重ねることによって調製した。
総論
触媒−1([[rel−2’,2’’’−[(1R,2R)−1,2−シクロヘキサンジイルビス(メチレンオキシ−κO)]ビス[3−(9H−カルバゾール−9−イル)−5−メチル[1,1’−ビフェニル]−2−オラト−κO]](2−)]ジメチル−ハフニウム)、及び、共触媒−1、すなわち、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボラートのメチルジ(C14−18アルキル)アンモニウム塩の混合物(これは、実質的には米国特許第5,919,9883号明細書の実施例2に開示されるように、長鎖トリアルキルアミン(Armeen(商標)M2HT、Akzo−Nobel,Inc.から入手可能)、HCl及びLi[B(C]の反応によって調製される)が、Boulder Scientificから入手可能であり、さらに精製されることなく使用される。CSA−1(ジエチル亜鉛又はDEZ)及び修飾メチルアルモキサン(MMAO)が、Akzo Nobelから購入され、さらに精製されることなく使用される。重合反応のための溶媒が、Shell Chemical Companyから得ることができる炭化水素混合物(SBP 100/140)であり、使用前に13−Xモレキュラーシーブの層に通して精製される。
A1、E1、U1及びY1を除くすべての実施例がiPPハードブロックを有する。実験B〜実験Dは、60wt%〜65wt%のC2を含有する半結晶性エチレン−プロピレンソフトブロックを有し、一方、実験F〜実験Hは、40wt%のC2を含有する非晶質のエチレン−プロピレンソフトブロックを有する。アルファベット文字が進むにつれ、iPPハードブロックの重量分率及び長さが、反応器(この場合には反応器2)における生成速度を増大させることによって、30重量パーセントから60重量パーセントにまで独立して制御される。
実施例V1、W1、X1及びY1、Z1、AAは、B、C、Dと設計において類似しているが、異なる反応器条件で作製される。より大きいプロピレン転化率及び反応器温度の影響が下記で議論される。
すべての実施例が、水素を用いることなく行われる。すべての実施例についての反応器1におけるCSA濃度が153mmol/kgである。すべての実施例についての反応器2におけるMMAO濃度が6mmol/kgである。
サンプルA1〜D1
本発明のプロピレン/エチレンコポリマーが、直列に接続される2基の連続撹拌型タンク反応器(CSTR)を使用して調製された。それぞれの反応器が水力学的に満たされ、定常状態の条件で作動するように設定される。サンプルA1が、モノマー、溶媒、触媒−1、共触媒−1及びCSA−1を、表1に概略されるプロセス条件に従って第1の反応器に流すことによって調製される。サンプルB1を調製するために、表1Aに記載されるような第1の反応器の内容物が直列での第2の反応器に流された。さらなる触媒−1及び共触媒−1を第2の反応器に加え、並びに、少量のMMAOをスカベンジャーとして加えた。サンプルC1及びサンプルD1が、これら2つの反応器の条件を表1A及び表1Bに記載されるように制御することによって調製された。
サンプルE1〜AB1
ジブロックサンプルF1〜H1、V1〜X1、Y1〜AB1のそれぞれの組が、実施例B1〜D1について上記で記載されるように、ただし表1A及び表1Bに概略されるプロセス条件に従って調製された。それぞれの組のために、第1の反応器の生成物(E1、U1、Y1)が、第1のブロック組成を目標として調製される。
Figure 2013506743
Figure 2013506743
分画化サンプルの調製
2グラム〜4グラムのポリマーを、還流条件下で2時間、200mlのo−キシレンに溶解する。その後、溶液を、キシレン不溶性画分の結晶化を可能にするために、温度制御された水浴で25℃に冷却する。溶液が冷却され、不溶性画分が溶液から沈殿すると、キシレン不溶性画分からのキシレン可溶性画分の分離が、ろ紙でろ過することによって行われる。残留するo−キシレン溶媒がろ液からエバポレーションされる。キシレン可溶性(XS)画分及びキシレン不溶性(XI)画分の両方が真空オーブンにおいて100℃で60分間乾燥され、その後、重量測定される。
サンプルのそれぞれの組について、キシレン不溶性画分には数字「2」が与えられ、キシレン可溶性画分には数字「3」が与えられる。例えば、サンプルB1が、サンプルB2(キシレン不溶性画分)及びサンプルB3(キシレン可溶性画分)を得るために抽出手順に供される。これらの画分の重量が表2において下記に示される。
表2は実験B1〜実験AB1についての分析結果を示す。ポリマーの分子量分布は比較的狭く、Mw/MnがサンプルB1〜サンプルD1については2.1から2.3にまで及び、サンプルF1〜サンプルH1については2.2から2.8にまで及ぶ。サンプルV1〜サンプルAB1については、Mw/Mnが2.1から2.5にまで及ぶ。これらの実験のそれぞれについての対応するキシレン不溶性画分及びキシレン可溶性画分(これらは数字2又は数字3によって示される)については、Mw/Mnが2.0から2.8にまで及ぶ。
表2はまた、高温液体クロマトグラフィー分離によって特定される単離されたPPのwt%を示す。単離されたPPの量は、ブロックコポリマーに取り込まれないPPの量を示す。単離されたPPの重量分率、及び、1から差し引かれるキシレン可溶分の重量分率が、生じたジブロックポリマーの収率に関連づけられ得る。
表3は、実験B1、C1、D1及びF1、G1、H1についての分析結果を示す。
ポリマーの分子量分布は比較的狭く、Mw/MnがサンプルB〜サンプルDについては2.1から2.3にまで及び、サンプルF〜サンプルHについては2.2から2.8にまで及ぶ。
Figure 2013506743
図1はB1サンプルについてのDSC融解曲線を示す。130℃におけるピークがiPP「ハード」ポリマーに対応し、30℃におけるより幅広いピークがEP「ソフト」ポリマーに対応する;−46℃におけるガラス転移温度がまた、64wt%のエチレン(C)を含有するEP「ソフト」ポリマーに対応する。
図2はF1サンプルについてのDSC融解曲線を示す。135℃におけるピークがiPP「ハード」ポリマーに対応し、室温未満での結晶化度の非存在が、40wt%のCを含有するEP「ソフト」ポリマーに対応する。−50℃のTgにより、40wt%のCを含有するEP「ソフト」ポリマーの存在が確認される。
ブロックコポリマーの存在は、TREF又は溶液分画化によって測定する場合、ポリマー鎖の結晶化特徴を変更させることができる。図3は、サンプルB1〜サンプルD1のTREFプロファイルを比較する。TREFプロファイルがDSC結果と一致しており、高結晶性画分(40℃を超える溶出)及び低結晶化度の可溶性画分(40℃未満で溶出する残留物質)を示す。溶出温度が、存在するiPPの量とともに増大する。iPPブロックに接続されるEPブロックは溶媒における鎖の溶解性を高めることができ、及び/又は、iPPブロックの結晶化を妨害し得る。
図4及び図5は、B2及びB3並びにF2及びF3の分画物についての対応するDSC曲線を示す。
この分析において、キシレン可溶性画分は、結晶化し得ないソフトポリマーの量の推定値である。サンプルB1〜サンプルD1からのキシレン可溶性画分について、エチレンの重量パーセントが61wt%〜65wt%の間のエチレンであり、残りのアイソタクチックプロピレンが全く検出されない。キシレン可溶性画分のDSCにより、高結晶化度のポリプロピレンが存在しないことが確認される。
逆に、不溶性画分(これは数字の2として示される)は、ある量のiPPポリマー及びiPP−EPジブロックを含有し得る。ポリマー鎖の結晶化及び溶出がその最も長い結晶化可能なプロピレン配列によって左右されるので、ジブロックコポリマーがiPPポリマーと一緒に沈殿する。このことが、「不溶性」画分に存在する相当量の、また、他の場合には説明できない量のエチレンを示すNMR分析及びDSC分析によって確認される。iPP及びEPゴムのブレンドの典型的な分離では、アイソタクチックPPがこの分析によって明瞭に分離される。「さらなる」エチレンが不溶性画分に存在するという事実により、ジブロックの画分が存在することが確認される。画分間のモノマーの総質量バランスを説明することによって、ブロック複合材料指数を推定することができる。
ジブロックの存在を示す別の目安が、iPPの量の増大に伴う不溶性画分の分子量の増大である。ポリマー鎖は、第1の反応器から第2の反応器に通過する間に配位結合されているので、ポリマーの分子量が増大することが予想される。表3は、可溶性画分の分子量が(120kg/mol〜140kg/molと)比較的一定したままであることを示す。EPソフトブロックを作製するための反応器条件が実験毎に変化しなかったので、このことは予想される。しかしながら、不溶性画分の分子量が反応器2の生成速度における増大とともに増大して、より長いiPPブロックをもたらしている。
ブロック複合材料指数の推定
本発明の実施例は、不溶性画分が、ポリマーが単にiPPホモポリマー及びEPコポリマーのブレンドである場合以外には存在しない相当量のエチレンを含有することを示す。この「特別なエチレン」を説明するために、質量バランス計算を、ブロック複合材料指数をキシレン不溶性画分及びキシレン可溶性画分の量並びにこれらの画分のそれぞれに存在する重量%エチレンから推定するために行うことができる。
それぞれの画分からの重量%エチレンを式1に従って合計することにより、(ポリマーにおける)全体的な重量%エチレンがもたらされる。この質量バランス式はまた、二成分ブレンドの各成分の量を定量化するために使用することができ、或いは、三成分又はn成分のブレンドに拡張することができる。
Figure 2013506743
式2〜式4を適用することにより、不溶性画分に存在する(特別なエチレンの供給源を提供する)ソフトブロックの量が計算される。不溶性画分の重量%Cを式2の左辺に代入することによって、重量%iPPハード及び重量%EPソフトを、式3及び式4を使用して計算することができる。EPソフトにおけるエチレンの重量%は、キシレン可溶性画分における重量%エチレンに等しいように設定されることには留意されたい。iPPブロックにおける重量%エチレンはゼロに設定されるか、或いは、そのDSC融点測定又はその他の組成測定から別途知られている場合、値をその場所に入れることができる。
Figure 2013506743
不溶性画分に存在する「さらなる」エチレンを説明した後、EPコポリマーを不溶性画分に存在させるための唯一の方法として、EPポリマー鎖はiPPポリマーブロックに接続されなければならない(そうでなければ、EPポリマー鎖はキシレン可溶性画分に抽出されている)。従って、iPPブロックが結晶化するとき、iPPブロックは、EPブロックが可溶化することを妨ぐ。
ブロック複合材料指数を推定するために、それぞれのブロックの相対的な量を考慮に入れなければならない。これを近似するために、EPソフトと、iPPハードとの比率が使用される。EPソフトポリマー及びiPPハードポリマーの比率を、ポリマーにおいて測定される総エチレンの質量バランスから式2を使用して計算することができる。或いは、この比率はまた、重合中のモノマー消費及びコモノマー消費の質量バランスから推定することができる。すべての実験についてジブロックコポリマーに存在するiPP及びEPの推定された比率については表3を参照されたい。iPPハードの重量分率及びEPソフトの重量分率が、式2を使用して計算され、これは、iPPハードがエチレンを全く含有しないことを仮定する。EPソフトの重量%エチレンが、キシレン可溶性画分に存在するエチレンの量である。
Figure 2013506743
例えば、本発明のiPP−EPポリマーが全体として47wt%のCを含有し、67wt%のCを有するEPソフトポリマー及びゼロのエチレンを含有するiPPホモポリマーを製造するための条件下で作製される場合、EPソフト及びiPPハードの量がそれぞれ、70wt%及び30wt%である(式3及び式4を使用して計算される場合)。EPのパーセントが70wt%であり、iPPが30wt%である場合、EP:iPPブロックの相対的比率は2.33:1として表すことができる。
従って、当業者がポリマーのキシレン抽出を行い、40wt%の不溶分及び60wt%の可溶分を回収する場合、このことは予想外の結果であり得、また、このことは、本発明のブロックコポリマーの画分が存在したという結論に至り得る。不溶性画分のエチレン含有量が25wt%のCであると後で見積もられるならば、式2〜式4は、このさらなるエチレンを説明するために解くことができ、不溶性画分に存在する37.3wt%のEPソフトポリマー及び62.7wt%のiPPハードポリマーをもたらすことができる。
不溶性画分が37.3wt%のEPコポリマーを含有するので、EPコポリマーは、2.33:1のEP:iPPブロック比に基づいて、さらなる16wt%のiPPポリマーに結合されなければならない。これは、不溶性画分におけるジブロックの推定された量を53.3wt%に至らせる。(分画化されていない)ポリマー全体については、組成が、21.3wt%のiPP−EPジブロック、18.7wt%のiPPポリマー及び60wt%のEPポリマーとして記載される。これらのポリマーの組成物は新規であるので、ブロック複合材料指数(BCI)の用語は本明細書中では、100%によって除算されるジブロックの重量百分率(すなわち、重量分率)に等しいと定義される。ブロック複合材料指数の値は0から1にまで及び得、この場合、1は100%の本発明のジブロックに等しく、ゼロは、物質、例えば従来のブレンド又はランダムコポリマーについてのものである。上記の例について、ブロック複合材料についてのブロック複合材料指数が0.213である。不溶性画分については、BCIが0.533であり、可溶性画分については、BCIはゼロの値が割り当てられる。
全体的なポリマー組成からなされる推定、並びに、ハードブロック及びソフトブロックの組成を推定するために使用される分析測定における誤差に依存して、5%〜10%の間の相対的誤差がブロック複合材料指数の算出値において起こり得る。そのような推定は、DSC融点、NMR分析又はプロセス条件から測定されるようなiPPハードブロックにおけるwt%C2;キシレン可溶分の組成から、又はNMRによって、又は(検出されるならば)ソフトブロックのDSC融点によって推定されるようなソフトブロックにおける平均wt%C2を含む。しかし、全体的には、ブロック複合材料指数の計算は、不溶性画分に存在する「さらなる」エチレンの予想外の量を妥当に説明し、EPコポリマーを不溶性画分に存在させるための唯一の方法として、EPポリマー鎖はiPPポリマーブロックに接続されなければならない(そうでなければ、EPポリマー鎖はキシレン可溶性画分に抽出されている)。
より具体的には、実施例H1は全体として14.8wt%のCを含有し、キシレン可溶分(H3)における重量%C2が、(EPソフトポリマーの組成を表すものとして)38.1wt%であると測定され、iPPホモポリマーはゼロのエチレンを含有し、EPソフト及びiPPハードの量がそれぞれ、61wt%及び39wt%である(式3及び式4を使用して計算される場合)。EPのパーセントが61wt%であり、iPPが39wt%であるならば、EP:iPPブロックの相対的比率は1.56:1として表すことができる。
H1ポリマーのキシレン抽出の後、60.6wt%の不溶性ポリマー(H2)及び39.4wt%の可溶性ポリマー(B3)が回収された。次いでB2不溶性画分は4.4wt%のCを有すると見積もられ、式2〜式4は、このさらなるエチレンを説明するために解くことができ、11.5wt%のEPソフトポリマー及び88.5wt%のiPPハードポリマーを算出できる。
不溶性画分が11.5wt%のEPコポリマーを含有するので、EPコポリマーは、1.56:1のEP:iPPブロック比に基づいて、さらなる7.35wt%のiPPポリマーに結合されなければならない。これは、不溶性画分におけるジブロックの推定された量を29.6wt%に至らせる。(分画化されていない)ポリマー全体については、組成が、18wt%のiPP−EPジブロック、42.6wt%のiPPポリマー及び39.4wt%のEPポリマーとして記載される。上記で記載されるこのH1実施例について、ブロック複合材料についてのブロック複合材料指数が0.18である。不溶性画分(H2)については、BCIが0.29であり、H3可溶性画分については、BCIはゼロの値が割り当てられる。
表3及び図6は、実験B1〜実験AB1についてのブロック複合材料指数を示す。実験B1、C1及びD1については、BCI値がそれぞれ、0.16、0.17及び0.22である。関連するキシレン不溶性画分、すなわち、画分B2、画分C2、画分D2については、BCI値がそれぞれ、0.42、0.34及び0.35である。実験F1、G1及びH1については、BCI値がそれぞれ、0.10、0.15及び0.18である。関連するキシレン不溶性画分、すなわち、画分F2、画分G2、画分H2については、BCI値がそれぞれ、0.29、0.29及び0.29である。
表3及び図7は、実験V1、W1、X1について、プロピレンの反応器転化率を90%から95%に上げることにより、BCIが0.03〜0.09だけ大きくなって、0.18、0.24及び0.25のBCI値がもたらされることを示す。
表3及び図7は、実験Z1、AA1、AB1について、反応器温度を90℃から120℃に上げることにより、0.12、0.18及び0.24のBCI値がそれぞれもたらされることを示す。
動的機械分析
図8はサンプルB1〜サンプルD1の動的機械的特性を示す;温度に対するG’及びTanδの値が示される。iPPの量を増大させることにより、G’弾性率が増大し、高温での平坦部が広がる。サンプルD1は、その融解転移の後での完全な軟化の前の約140℃までの上昇する温度とともに、弾性率が低下することを示す。
それぞれのサンプルについて、tanδ曲線は、エチレン−プロピレンコポリマーについての−48℃〜−50℃の間における特徴的なTg、及び、アイソタクチックポリプロピレンに由来する約0℃における第2のTgを示す。50℃を超えると、tanδ応答は、融解が始まり、弾性率が急激に低下するまで、一定のままである。
図9はサンプルF1〜サンプルH1の動的機械的特性を示す;温度に対するG’及びTanδの値が示される。65wt%のCの場合と同様に、iPPの量を増大させることにより、G’弾性率が増大し、高温での平坦部が広がる。サンプルH1は、その融解転移の後での完全な軟化の前の約140℃までの上昇する温度とともに、弾性率が低下することを示す。
それぞれのサンプルについてのtanδ曲線はまた、エチレン−プロピレンコポリマーについての−48℃〜−50℃の間における特徴的なTg、及び、アイソタクチックポリプロピレンに関連づけられる約0℃における第2のTgを示す。50℃を超えると、tanδ応答は、融解が始まり、弾性率が急激に低下するまで、サンプルG1&サンプルH1については一定のままである。
形態学的考察
サンプルが、全体的なiPP/EPRゴム形態学に対するジブロックの影響を観察するためにTEMによって分析される。図10は、アイソタクチックPP連続相及び17wt%のゴム相からなり、58wt%のCをゴムに含有するProFax Ultra SG853耐衝撃性コポリマー(LyondellBasell Polyolefins)のTEM像を示す。
5μmのスケールで示されるTEM顕微鏡写真は、2μmから5μmにまで及ぶ大きいEPRドメインを示す。
1μmの拡大では、EPRドメインは、粒子内に存在する暗い着色ドメイン及び明るい着色ドメインから示されるようなエチレン及びプロピレンの不均一な組成分布を有する。これは、互いに混和しない2つの相(iPP及びEPゴム)を含有する分散形態の古典的な例である。
図11は、2μm、1μ及び0.5μmのスケールでの、B1、C1及びD1の圧縮成形されたフィルムのTEM顕微鏡写真を示す。耐衝撃性コポリマーから得られる像とは際立って対照的に、3つすべてのポリマーが、非常に小さいドメインを有する粒子のより微細な分散を示す。B1については、連続するEPR相が、幅が80nm〜100nmオーダーの細長いPPドメインと一緒に認められる。C1については、iPP相と、EPR相との間における混合した連続性が、200nm〜250nmでのドメインサイズとともに認められた。D1については、PP連続相が、サイズが150nm〜300nmである球状及びやや細長いEPRドメインと一緒に認められる。
図12は、2μm、1μ及び0.5μmのスケールでの、F1、G1及びH1の圧縮成形されたフィルムのTEM顕微鏡写真を示す。耐衝撃性コポリマーから得られる像とは際立って対照的に、3つすべてのポリマーが、非常に小さいドメインを有する粒子のより微細な分散を示す。F1については、連続するEPR相が、幅が200nm〜400nmオーダーの細長いPPドメインと一緒に認められる。C1については、iPP相と、EPR相との間における混合した連続性が、200nm〜300nmでのドメインサイズとともに認められた。H1については、PP連続相が、サイズが150nm〜300nmである球状及びやや細長いEPRドメインと一緒に認められる。
ペレットから圧縮成形されたポリマーから得られるこれらの顕微鏡写真に示されるような、十分に分散された小さいドメインを認めることは驚くべきことである。通常の場合、(ここで示されるスケールに近くない)微細な形態を得るためには、特殊化された押出し履歴及び配合履歴が要求される。サイズスケールが、ブレンド混合を使用して近づけられるとしても、形態が安定しないことがある;相の粗大化及び凝集塊化が、ゴムドメインが細長く、それらの一部が鎖連結して一緒になる耐衝撃性コポリマーによって示されるように、熱的エージングとともに生じ得る。
ジブロックコポリマーの形態を、キシレン分画化から得られるポリマー画分を調べることによってさらに調べた。上記で説明されるように、不溶性画分はiPP−EPジブロック及び遊離iPPホモポリマーを含有し、一方、可用性画分は、結晶化し得ないEPゴムを含有する。
図13は、B1及びD1から得られる不溶性画分のTEM顕微鏡写真、同様に、B1から得られる可溶性画分のTEM顕微鏡写真を示す。注目すべきことに、不溶性画分において認められる形態は、ポリマー全体の形態よりも一層微細かつより明瞭である。B1不溶性画分は、幅が50nmのサイズスケールではイモムシ様EPRドメイン及び球状EPRドメインの混合を示す。D1不溶性画分は、直径が同様に約50nmである小さい球状ドメインを示す。参考のために、B1キシレン可溶性画分は、65wt%のCを含有するEPエラストマーから予想される典型的な粒状ラメラ構造を示す。また、不溶性画分の形態は明瞭であり、ミクロ相分離しているようである。
B1不溶性画分のTEM顕微鏡写真(図15)を、71wt%のsPPを含有するsPP−EP−sPPトリブロックのTEM顕微鏡写真、例えば、Macromolecules, Vol. 38, No. 3, page 857, 2005の図7に示されるTEM顕微鏡写真と比較することは興味深いことである。この図において、sPP−EP−sPPトリブロックは、アニオン重合により製造されたものであり、顕微鏡写真は、160℃で1週間以上アニーリングされたフィルムからのものである。サンプルは、合計で8日間、溶融状態でアニーリングされた(最初の4日は、あらゆる以前の熱履歴を消すために200℃において、その後、さらに4日は160℃の最終温度においた)。高真空オーブン(10−7mbar未満)が、酸化による分解を防止するために使用された。溶融形態が、サンプルをアニーリング後に急速急冷することによって保たれた。この論文の著者らは、相分離した微細構造を六方充填シリンダに関連させている。B1不溶性画分は、高速急冷される圧縮成形されたフィルムから調製されるが、形態が、おそらく六方充填シリンダをいくつか含む秩序立った構造の形態と類似する(図14)。
ソフトコンパウンド(混成物)の研究
実施例1は、80wt%の実施例C1を、190℃で、Haake Bowlにおいて20wt%のHydrobrite(商標)550パラフィン系オイル(Sonneborn Inc.)とブレンド混合することによって作製される。比較例1は、30wt%のNORDEL(商標)3722 EPDMコポリマー(Mw 120000g/mol、Mw/Mn 4.7)(The Dow Chemical Company)、40wt%のhPP 5E16S(35のMFR、Mw 181,000g/mol、Mw/Mn 3.4)(The Dow Chemical Company)及び20wt%のHydrobrite(商標)550オイルをHaake Bowlにおいてブレンド混合することによって作製される。
実施例2は、60wt%の実施例C1を、190℃で、Haake Bowlにおいて40wt%のHydrobrite(商標)550パラフィン系オイル(Sonneborn Inc.)とブレンド混合することによって作製される。比較例Dは、53.6wt%のNORDEL(商標)3722 EPDMコポリマー(Mw 120000g/mol、Mw/Mn 4.7)(The Dow Chemical Company)、26.4wt%のhPP 5E16S(35のMFR、Mw 181,000g/mol、Mw/Mn 3.4)(The Dow Chemical Company)及び20wt%のHydrobrite(商標)550オイルをHaake Bowlにおいてブレンド混合することによって作製される。比較例Eは、30wt%のNORDEL(商標)3722 EPDMコポリマー(Mw 120000g/mol、Mw/Mn 4.7)(The Dow Chemical Company)、30wt%のhPP 5E16S(35のMFR、Mw 181,000g/mol、Mw/Mn 3.4)(The Dow Chemical Company)及び40wt%のHydrobrite(商標)550オイルをHaake Bowlにおいてブレンド混合することによって作製される。
図15〜図18は、200μmのスケール、100μmのスケール、10μmのスケール及び5μmのスケールでの比較例1及び実施例1のSEM像をそれぞれ示す。
図15において、比較例1は、長さが1umから300um超にまで及ぶ非常に粗い分散されたEPDMエラストマードメインを有する連続するiPPマトリックを示すことが認められ得る。逆に、同じ倍率において、実施例1については、相が非常に小さく、観察することができなかった。
より大きい倍率では、実施例1は、より分散したより低密度のEP部分を含む、より連続するiPPマトリックス相から構成されるようである。いくつかの領域において、EP部分はiPPによって包まれているようであり、他の場所では、EP部分はより相互に連結されているようであった。
4μmのスケールで図19に示されるより高倍率の像は、より連続するiPPマトリックスによって包まれているようである、球状の、より低密度のEP部分の一部をより明確に示す。より小さいEPドメインが、直径においておよそ100nmから300nmにまで及んでいた。
本発明のサンプル1(これはポリマー実施例C1を20wt%のオイルとともに使用する)に対するコントロールサンプルの引張特性比較が図20に示される。本発明のサンプルが、その引張特性においてだけでなく、表4に示されるような圧縮永久ひずみにおいても優れていることが明白である。比較例Aは、20wt%のオイルとブレンド混合されたエチレン/オクテンエラストマー(0.865の密度及び0.5のMI)(ENGAGE(商標)8150(The Dow Chemical Company))である。比較例Bは、20wt%のオイルとブレンド混合されたエチレン/オクテンブロックコポリマー(0.866の密度、0.5のMI)(INFUSE(商標)OBC9007(The Dow Chemical Company))である。
実施例2は、コントロールサンプルよりも低い圧縮永久ひずみ、及び、著しくより大きい極限伸びを示す、ショアAが62であるコンパウンドを示す。
Figure 2013506743
本発明は、限られた数の実施形態に関して記載されているが、1つの実施形態の具体的特徴が本発明のその他の実施形態にも帰属するものではない。1つの実施形態が本発明のすべての態様を代表するものではない。いくつかの実施形態において、組成物又は方法は、本明細書中に言及されない数多くの化合物又は工程を含むことができる。その他の実施形態において、組成物又は方法は、本明細書中に列挙されないいかなる化合物又は工程も含まず、或いは、本明細書中に列挙されないいかなる化合物又は工程も実質的に含まない。記載された実施形態からの様々な変形及び改変が存在する。樹脂を作製する方法は、数多くの作業又は工程を含むものとして記載される。これらの工程又は作業は、別途示されない限り、任意のシーケンス又は順序で実行することができる。最後に、本明細書中に開示されるあらゆる数字は、「約」又は「およそ」の語句が、当該数字を記述することにおいて使用されるかどうかにかかわらず、おおよそであることを意味すると解釈されるべきである。添付された特許請求の範囲は、本発明の範囲に含むものとしてすべてのそれらの改変及び変形をカバーすることを意図する。

Claims (10)

  1. a)ブロック複合材料、
    b)オイル、及び、場合により、
    c)フィラー、又は、
    d)ポリオレフィン
    を含み、
    50〜90のショアAを有する、エラストマー組成物。
  2. 前記ブロック複合材料が、アイソタクチックポリプロピレンブロック及びエチレン−プロピレンブロックを有するジブロックコポリマーを含む、請求項1に記載の組成物。
  3. 前記エチレン−プロピレンブロックが10mol%〜70mol%未満のエチレン、好ましくは30mol%〜75mol%、より好ましくは33mol%〜65mol%を含む、請求項2に記載の組成物。
  4. 前記アイソタクチックポリプロピレンブロックが5wt%〜50wt%の量で存在し、かつ、前記エチレン−プロピレンブロックが50wt%〜95wt%の量で存在する、請求項2に記載の組成物。
  5. 100部のブロック複合材料、50phr〜150phrのオイル、0phr〜100phrのポリオレフィン及び0phr〜200phrのフィラーを含む、請求項1〜4のいずれかに記載の組成物。
  6. 100nm未満の最も狭い大きさを有する微細分散相形態を有する、請求項1〜5のいずれかに記載の組成物。
  7. ASTM D395に従って測定される場合、40%〜70%の圧縮永久ひずみを有する、請求項1〜6のいずれかに記載の組成物。
  8. 前記ポリオレフィンが、ポリエチレン、ポリプロピレン又はそれらの組合せである、請求項1〜7のいずれかに記載の組成物。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の組成物を含む物品。
  10. 射出成形品、熱成形品又はカレンダー加工品からなる群から選択される、請求項9に記載の物品。
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