JP2013503806A - 沈降シリカの新規製造方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、沈降シリカの製造方法であって、(i)2〜5のpHを有する水性原料を形成させ、(ii)反応媒体のpHを2〜5に維持するように、珪酸塩と酸とを同時に添加し、(iii)珪酸塩をpH値が7〜10になるまで添加し、(iv)pHを7〜10に維持するように、珪酸塩と酸とを同時に添加し、(v)酸をpHが2.5〜5.3となるまで添加し、(vi)該反応媒体と該酸及び該珪酸塩とを、pHを2.5〜5.3に維持するように接触させ、(vii)pHを4.7〜6.3にまで上昇させるように珪酸塩を添加することからなる。

Description

本発明は、沈降シリカの新規製造方法に関するものである。
沈降シリカを触媒担体、活物質用(特に例えば食品に使用される液体担体、ビタミン類(特にビタミンE)、塩化コリンなど)の吸収剤、増粘剤、品質改良剤又は固化防止剤、電池セパレーター部品及び練り歯磨き又は紙の添加剤として使用することが知られている。
また、沈降シリカは、シリコーンマトリックス(例えば電気ケーブルを被覆するためのもの)又は1種以上の重合体、特に1種以上のエラストマーを主成分とする組成物への補強充填剤としても使用できる。
本発明の目的は、公知の沈降シリカの製造方法の代わりとなり、得られる沈降シリカが好ましくは非定型の特徴を有する、沈降シリカの新規製造方法を提案することである。
したがって、本発明の主題の一つは、珪酸塩と酸性化剤とを反応させ、それによってシリカ懸濁液を得、その後この懸濁液を分離し乾燥させることを含む沈降シリカの新規製造方法であって、該珪酸塩と該酸性化剤との反応を次の連続工程に従って実施することを特徴とする方法である:
(i)2〜5、好ましくは2.5〜5のpHを有する水性原料を形成させ、
(ii)該反応媒体のpHを2〜5、好ましくは2.5〜5に維持するように該原料に珪酸塩と酸性化剤とを同時に添加し、
(iii)該酸性化剤の添加を停止すると同時に、該反応媒体への珪酸塩の添加を該反応媒体において得られるpH値が7〜10、好ましくは7.5〜9.5になるまで続行し、
(iv)該反応媒体のpHを7〜10、好ましくは7.5〜9.5に維持するように該反応媒体に珪酸塩と酸性化剤とを同時に添加し、
(v)該珪酸塩の添加を停止すると同時に、該反応媒体において得られるpH値が2.5〜5.3、好ましくは2.8〜4.9になるまで該酸性化剤の添加を続行し、
(vi)工程(v)後に得られた反応媒体(つまり、2.5〜5.3、好ましくは2.8〜4.9のpHを有する)を、該反応媒体のpHを2.5〜5.3、好ましくは2.8〜4.9に維持するように該酸性化剤及び該珪酸塩と接触(混合)させ、
(vii)該反応媒体のpHを4.7〜6.3、好ましくは5.0〜5.8の値上昇させるように、得られた反応媒体にアルカリ剤、好ましくは珪酸塩を添加するが、ただし、この工程(vii)は、工程(vi)において、5.0〜5.3のpHを有する反応媒体(工程(v)後に得られる)を、該反応媒体のpH(この接触によって得られる)を5.0〜5.3に維持するように該酸性化剤及び該珪酸塩と接触(混合)させる場合には、随意工程であってよいものとする。
好ましくは、本発明の方法は、常に工程(vii)を含む。
本発明の方法において、酸性化剤、アルカリ剤及び珪酸塩の選択は、それ自体周知の態様でなされる。
硫酸、硝酸又は塩酸などの強鉱酸や、酢酸、蟻酸又は炭酸などの有機酸を酸性化剤として使用するのが一般的である。
酸性化剤は希釈されていても濃縮されていてもよい。その規定度は0.4〜36N、例えば0.6〜1.5Nであることができる。
特に、酸性化剤が硫酸の場合には、その濃度は40〜180g/L、例えば60〜130g/Lであることができる。
また、メタ珪酸塩、ジ珪酸塩、有利には珪酸アルカリ金属、特に珪酸ナトリウム又は珪酸カリウムといった、通常の形態の珪酸塩ならどのようなものでも珪酸塩として使用することができる。
珪酸塩は、40〜330g/L、例えば60〜300g/L、特に60〜260g/Lの濃度(SiO2として表す)を有することができる。
一般に、硫酸を酸性化剤として使用し、珪酸ナトリウムを珪酸塩として使用する。
珪酸ナトリウムを使用する場合には、2.5〜4、例えば3.2〜3.8のSiO2/Na2O重量比を有するのが一般的である。
工程(vii)で使用するアルカリ剤は、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム又はアンモニア溶液であることができる。好ましくは、このアルカリ剤は珪酸塩、特に前工程で使用されたような珪酸塩である。
特に本発明の製造方法に関して、珪酸塩と酸性化剤との反応は、次の工程に従って、極めて特徴的な態様で行う。
まず、2〜5のpHを有する水性原料を形成させる(工程(i))。
好ましくは、形成された原料は2.5〜5、特に3〜4.6のpHを有する。このpHは、例えば3.5〜4.5である。
この初期原料は、2〜5、好ましくは2.5〜5、特に3〜4.6、例えば3.5〜4.5の該原料のpH値を得るように酸性化剤を水に添加することによって得ることができる(好ましい変形例)。
また、該原料は、このpH値を得るために酸性化剤を水+珪酸塩の混合物に添加することによって得ることもできる。
また、該原料は、2〜5、好ましくは2.5〜5、特に3〜4.6、例えば3.5〜4.5のpH値を得るように、7よりも低いpHで予め製造されたシリカ粒子を含む原料に酸性化剤を添加することによって製造することもできる。
工程(i)で形成された原料は電解質を含んでいてよい。しかし、好ましくは、この製造方法の間、特に工程(i)では電解質を添加しない。
本明細書において、用語「電解質」は、一般的に受け入れられている意味で解釈される。すなわち、これは、溶液の状態のときに分解し又は解離してイオン又は荷電粒子を形成する任意のイオン性又は分子性物質を意味する。アルカリ金属及びアルカリ土類金属の塩よりなる群の塩、特に出発珪酸金属の塩及び酸性化剤の塩、例えば珪酸ナトリウムと塩酸との反応の場合には塩化ナトリウム又は好ましくは珪酸ナトリウムと硫酸との反応の場合には硫酸ナトリウムは、電解質であると言及することができる。
第2工程(工程(ii))は、該反応媒体のpHが2〜5、好ましくは2.5〜5、特に3〜5、例えば3.5〜4.8となるように(となるような速度で)、酸性化剤と珪酸塩とを同時に添加することからなる。
この同時添加は、該反応媒体のpH値が初期工程(i)後に到達したpH値に近い、好ましくは常に等しい(±0.2以内)ように実行される。
次に、工程(iii)において、酸性化剤の添加を停止すると同時に、7〜10、好ましくは7.5〜9.5、例えば7.5〜9という反応媒体のpH値を得るように該反応媒体への珪酸塩の添加を続行する。
適宜、この工程(iii)の直後、すなわち、珪酸塩の添加を停止した直後に、特に工程(iii)後に得られたpHで、一般には撹拌しながら反応媒体の熟成を実施することができる。この熟成は、例えば、2〜45分、特に5〜25分続行することができ、また、好ましくは、酸性化剤の添加も珪酸塩の添加のいずれも伴わない。
工程(iii)及び随意の熟成の後に、酸性化剤と珪酸塩とのさらなる同時添加を、該反応媒体のpHを7〜10、好ましくは7.5〜9.5、例えば7.5〜9(工程(iv))に維持するように(特にそれを維持するような速度で)実施する。
この第2の同時添加は、有利には、反応媒体のpH値が前工程後に到達したpHに常に等しい(±0.2以内)ように実施される。
工程(iii)と工程(iv)との間、例えば、一方の工程(iii)後の随意の熟成と、他方の工程(iv)との間に、酸性化剤を反応媒体に添加することができるが、ただし、この酸性化剤の添加後の反応媒体のpHは、7〜9.5、好ましくは7.5〜9.5、例えば7.5〜9であることに留意すべきである。
次に、工程(v)において、該珪酸塩の添加を停止すると同時に、2.5〜5.3、好ましくは2.8〜4.9、例えば2.9〜4.5(又はさらに3.5〜4.4)という反応媒体のpH値を得るように、酸性化剤の反応媒体への添加を続行する。
この工程(v)の直後に、該反応媒体の熟成を、適宜、特に工程(v)後に得られるpHで一般に撹拌しながら実施できる。この熟成は、例えば、2〜45分、特に5〜20分続行することができ、また、好ましくは酸性化剤の添加も珪酸塩の添加も伴わない。
次に、次のものを接触させる(工程(vi)):
・2.5〜5.3、好ましくは2.8〜4.9、例えば2.9〜4.5(又はさらに3.5〜4.4)のpHを有する、工程(v)後に得られた反応媒体と
・酸性化剤及び珪酸塩とを、
得られた反応媒体のpHを2.5〜5.3、好ましくは2.8〜4.9、例えば2.9〜4.5(又はさらに3.5〜4.4)に維持するように(特に維持するような速度で)接触させる。
該反応媒体のpHは、2.5〜5.3の範囲内、好ましくは2.8〜4.9の範囲内、例えば2.9〜4.5の範囲内(又はさらに3.5〜4.4)で変更でき、又は、好ましくは、これらの範囲内で(実質的に)一定に維持できる。
一般に、この工程(vi)において、工程(v)から得られた反応媒体と酸性化剤及び珪酸塩との接触は、該反応媒体に酸性化剤及び珪酸塩を添加することによって実施される。
本発明の方法の一変形例によれば、工程(vi)において、まず該反応媒体に酸性化剤を添加し、その後珪酸塩を添加する。
しかし、本発明の方法の好ましい変形例によれば、工程(vi)において、むしろ、酸性化剤及び珪酸塩は、該反応媒体に同時に添加される。好ましくは、この同時添加は、この添加の間に得られる反応媒体のpHを、上記範囲内の(実質的に)一定の値に調節しながら実施される。
工程(vi)は、一般に撹拌しながら実施される。
最後に、本発明の方法の工程(vii)は、工程(vi)後に得られた反応媒体にアルカリ剤、好ましくは珪酸塩を該反応媒体のpH値が4.7〜6.3、好ましくは5.0〜5.8、例えば5.0〜5.4になるまで添加することからなる。
この第7工程は、工程(vi)において、5.0〜5.3のpHを有する反応媒体(工程(v)後に得られる)を、該反応媒体のpHを5.0〜5.3に維持するように該酸性化剤及び該珪酸塩と接触(混合)させる場合には随意である(すなわち、実施しなくてもよい)。
好ましくは、本発明の方法は、常に工程(vii)を含む。
工程(vii)は、通常撹拌しながら実施される。
一般に、全反応(工程(i)〜(vii))は撹拌しながら実施される。
工程(i)〜(vii)の全ては、通常75〜97℃、好ましくは80〜96℃で実施される。
本発明の方法の一変形例によれば、これらの工程は全て一定の温度で実施される。
本発明の方法の別の変形例によれば、反応終了温度は、反応開始温度よりも高い:すなわち、反応開始時の温度(例えば工程(i)及び(ii)中の温度)を好ましくは75〜90℃に維持し、続いてこの温度を、好ましくは90〜97℃の値まで上昇させ、この値で反応の終了まで維持する(例えば工程(iii)〜(vii)の間)。
工程(vii)後に、得られた反応媒体の熟成を、特にこの工程(vii)後に得られたpHで、一般に撹拌しながら実施することが有益だと考えられる。この熟成は、例えば、2〜30分、特に3〜20分続行することができ、また、75〜97℃、好ましくは80〜96℃で、特に工程(vii)を実施した温度で行うことができる。好ましくは、これは、酸化剤の添加も珪酸塩の添加も伴わない。
本発明の方法において、工程(vi)は、得られる沈降シリカの特徴を良好に制御することを可能にすることができる高速ミキサーや乱流域で実施できる。
例えば、工程(vi)において、まず酸性化剤を工程(v)後に得られた反応媒体に添加し、その後珪酸塩を添加する場合には、続いて該珪酸塩と、該酸性化剤を工程(v)後に得られた反応媒体に添加することによって得られた媒体との接触を高速ミキサー又は乱流域で実施することができる。
同様に、工程(vi)において、酸性化剤と珪酸塩とを工程(v)後に得られた反応媒体に同時に添加する場合には、該酸性化剤及び該珪酸塩と該反応媒体との接触を高速ミキサー又は乱流域で実施することができる。
好ましくは、高速ミキサー又は乱流域で得られた反応媒体は、好ましくは撹拌を受ける反応器に供給され、続いてこの反応器において工程(vii)を実施する。
工程(vi)においては、対称型T又はYミキサー(又は管)、非対称型T又はYミキサー(又は管)、接線ジェット型ミキサー、ハートリッジ・ラフトン(Hartridge−Roughton)ミキサー、ボルテックスミキサー、ローター・ステーターミキサーから選択される高速ミキサーを使用することができる。
対称型T又はYミキサー(又は管)は、概して、同一の直径の2個の対向管(T管)又は180°よりも小さい角度をなす管(Y管)からなり、当該2個の管は、これら2個の管の直径と同一か又はそれよりも大きい直径を有する中心管に解放されている。これらのものは、対称的であるといえる。というのは、これら2個の反応体注入管は、同一の直径を有し、しかも該中心管に対して同一の角度を有するからである。この装置は、対称軸を特徴とする。好ましくは、中心管は、該対向管の直径よりも約2倍大きい直径を有する。同様に、中心管内の流体速度は、好ましくは、該対向管内の該速度の半分に等しい。
とはいえ、特に、導入される2種の流体が同じ流速を有しない場合には、対称型T又はYミキサー(又は管)よりもむしろ非対称型T又はYミキサー(又は管)を使用することが好ましい。非対称装置では、流体の一つ(一般に流速の低い流体)は、小さな直径の側管の手段によって中心管に注入される。該側管は、概して中心管(T管)と90°の角度をなす。この角度は90°(Y管)以外であってもよく、並流系(例えば45℃の角度)又は他の流れに対する向流系(例えば135°の角度)が生じる。
使用される高速ミキサーのなかでは、対称T装置から得られる接線ジェット型ミキサー、ハートリッジ・ラフトンミキサー又はボルテックスミキサー(又は沈降分離装置)が好ましい。
特に、工程(vi)においては、接線ジェットミキサー、ハートリッジ・ラフトンミキサー又はボルテックスミキサーを使用することができ、ここで、該ミキサーは、(a)一方には珪酸塩が、他方には工程(v)から得られた反応媒体に酸性化剤を添加することによって得られる媒体が別々に入る、又は一方には珪酸塩と酸性化剤が、他方には工程(v)から得られた反応媒体が別々に入る(ただし同時に入る)少なくとも2個の接線入口と、(b)工程(vi)で得られた反応媒体が好ましくは該ミキサーの後に直列的に設置された反応器(容器)に出る軸方向出口とを有するチャンバーを備える。好ましくは、これら2個の接線入口は、該チャンバーの中心軸に対して、対称的かつ反対に位置する。
随意に使用される接線ジェット、ハートリッジ・ラフトンブレンダー又はボルテックスミキサーのチャンバーは、通常、円形の横断面、好ましくは円筒状の形状を有する。
それぞれの接線入口管は、0.5〜80mmの内径dを有することができる。
この内径dは、0.5〜10mm、特に1〜9mm、例えば2〜7mmであることができる。しかしながら、特に工業規模では、好ましくは10〜80mm、特に20〜60mm、例えば30〜50mmである。
使用する接線ジェット、ハートリッジ・ラフトン又はボルテックスミキサーのチャンバーの内径は、3d〜6d、特に3d〜5d、例えば4dに等しくてよい。軸方向出口管の内径は、1d〜3d、特に1.5d〜2.5d、例えば2dに等しくてよい。
珪酸塩及び酸性化剤の流速は、例えば、合流点で、これら2つの反応体流れが十分に乱流の区域内で互いに接触して入るように決定される。
本発明の方法では、工程(vii)後にシリカ液が得られ、その後随意に熟成させ、続いてこのシリカ液を分離する(固液分離)。
本発明の製造方法で実施される分離は、通常、ろ過、適宜その後の洗浄を含む。ろ過は、任意の好適な手段、例えば、フィルタープレス、バンドフィルター又は真空フィルターを使用して実施される。
続いて、そのようにして回収されたシリカ懸濁液(フィルターケーク)を乾燥させる。
この乾燥は、それ自体公知の態様に従って実施できる。
好ましくは、この乾燥は、噴霧乾燥により実施される。この目的のために、適切な任意の好適なタイプの噴霧乾燥器、特にタービン噴霧乾燥器、ノズル噴霧乾燥器、液体圧噴霧乾燥器又は2流体噴霧乾燥器を使用することができる。 一般に、フィルタープレスを使用してろ過を実施する場合には、ノズル噴霧器を使用し、真空フィルターを使用してろ過を実施する場合にはタービン噴霧乾燥器を使用する。
ろ過ケークは、その高い粘度のため、通常は噴霧乾燥を可能にする状態にはないことに注意すべきである。それ自体周知の態様では、このケークに崩壊操作を施す。この操作は、このケークをコロイド又はボール型のミルに通過させることによって機械的に実施できる。崩壊は、通常、アルミニウム化合物、特にアルミン酸ナトリウムの存在下で、また、随意に上記のような酸性化剤の存在下で実施される(後者の場合には、アルミニウム化合物と酸性化剤とを同時に添加するのが一般的である)。この崩壊操作は、特に、後で乾燥させる懸濁液の粘度を低下させることを可能にする。
ノズル噴霧乾燥器を使用して乾燥を実施する場合には、続いて得ることができるシリカは、通常、実質的に球状のビーズの形態である。
乾燥後に、回収された生成物について粉砕工程を実施することができる。得ることのできるシリカは、通常、粉末の状態である。
タービン噴霧乾燥器を使用して乾燥を実施する場合には、得られ得るシリカは、粉末の状態であることができる。
最後に、乾燥生成物(特にタービン噴霧乾燥器で乾燥されたもの)又は上記のように粉砕された生成物に、適宜、例えば直接圧縮、湿式造粒(すなわち、水、シリカ懸濁液などの結合剤の使用を伴う)、押出又は、好ましくは乾式圧縮からなる凝塊形成工程を施してもよい。乾式圧縮技術を使用する場合には、圧縮を実施する前に、粉末状生成物を脱気(予備高密度化又はガス抜きとしても知られている操作)して中に含まれる空気を除去し、より均一な圧縮を確保することが便利であることが望ましい。
この凝塊形成工程により得ることができるシリカは、通常は顆粒の状態である。
そのため、本発明に従う方法によって得られるシリカ粉末及び同様にシリカビーズは、とりわけ、特に例えば造粒や圧縮といった標準的な成形操作により、これらの操作がこれらの粉末又はこれらのビーズに本来的に備わる良好な特性を隠し又はさらに破壊し易くするようないかなる損傷も生じさせることなく、簡便、効果的かつ経済的に顆粒に変換されるという利益を与える。
本発明に従う製造方法は、特に、好ましくは特定の形態、粒径分布及び多孔性を有する沈降シリカを得ることを可能にする。
以下において、CTAB比表面積は、基準法NF ISO5794−1(2006年2月,第2刷2006−03)に従って決定された外表面積である。
原理
シリカと、一般的にはCTABとして知られている臭化セチルトリメチルアンモニウム(又は臭化ヘキサデシルトリメチルアンモニウム)溶液とを磁気撹拌しながら接触させる。吸収されたCTABの層がシリカの比表面積に比例する。
シリカと残留CTAB溶液とを分離する。過剰のCTABを一般にはOTとして知られているナトリウムビス(2−エチルヘキシル)スルホスクシネート溶液で最大の濁度点まで滴下する。
シリカの外部表面は、105℃で2時間にわたって乾燥した物質について、吸収することのできるCTAB量(m2/gで表す)で決定できる。
材料及び装置
・材料
0.45μmシリンジ用のフィルター
フラスコ
5000mLメスシリンダー
磁気バー
10mLシリンジ
・装置
0.1mg以内の精度を有する天秤
磁気撹拌器
(i)550nmの波長で光透過率を測定する光電検出器又は光度計と(ii)ビュレットとを備える自動滴定装置、例えば550nmフォトトロード(Phototrode)を有するMettler DL21滴定装置。
手順
分析全体を通して、全ての装置及び全ての溶液は、結晶化が開始し、CTABが20℃で結晶化するのを防止するために、23〜27℃の温度でなければならない。
・反応物質
・11g/Lの濃度(Co)を有し、pH9.6に緩衝化されたCTAB溶液:
1リットルの脱イオン水を有する5リットルメスシリンダーに、次のものを秤量し導入する:
・5.426gのホウ酸、
・6.489gの塩化カリウム及び
・ビュレットにより64.5cm3の1mol/L水酸化ナトリウム。
続いて、この混合物を均質化する。
55g±0.001gのCTAB及び約3リットルの脱イオン水を添加する。
この混合物を、CTABが完全に溶解するまで均質化し、そして、得られた溶液を脱イオン水で5リットルに調節する。
・OTエアロゾル溶液(ナトリウムビス(2−エチルヘキシル)スルホスクシネート):
およそ1.85±0.01gのエアロゾルを秤量し、そして1リットルメスシリンダー中の脱イオン水に溶解させる(この溶液を撹拌しながらわずかに加熱して溶解を促進させる)。
得られた溶液を使用前に12日間にわたって放置する。
・分析方法
・懸濁液の調製
次のものをほぼ正確にTP50/100フラスコ内で秤量する:
130m2/g未満の予想比表面積のための1.60g±0.05gのシリカ、
130〜180m2/gの予想比表面積のための0.90g±0.05gのシリカ、
180m2/gを超える予想比表面積のための0.66g±0.05gのシリカ。
続いて、90mL(Vo)のCTAB溶液をこのシリカの質量Mに添加する。
・吸着
磁気バー35mm長(例えば「二重端部」磁気バー)をフラスコ内に置き、続いて、これを磁気撹拌器で撹拌する(40分の滞留時間、600rpmの撹拌速度)。
・ろ過
懸濁液をシリンジを使用して集め、次に、シリンジに0.45μmフィルターを設置した後、懸濁液をろ過し、そして約10mLのろ過溶液をフラスコに回収する。
・測定
自動滴定装置を製造業者の指示に従って準備する。滴定パラメーターを、滴定開始時におけるOTエアロゾル溶液の迅速な導入及び終点の領域内における滴定曲線の傾きに応じた減速を得るように選択する。
・ブランク滴定
まず、最初の滴定又はブランク滴定(滴定1)を、試料の滴定を行う前に、出発CTAB溶液について、すなわちシリカと混合する前に毎日実施する。
ほぼ正確に5gの出発CTAB溶液を秤量し、続いてフラスコ内に置く。
次いで、54mLの脱イオン水をそれに加える。
滴定を実施する(滴定1)。
これを行うために、フラスコを自動測定装置内に置き、そして撹拌速度を、泡を生じさせることなく混合を実行できるように調節する。
次に、滴定を開始し、最大の濁度に到達したら自動的に終了する。
各滴定を2回実施する。
V1は、この滴定のために使用した出発CTAB溶液の質量M1(g)の滴定について得られたOTエアロゾル溶液の容量(mL)である。
・試料の滴定
ろ過後に回収されたほぼ正確に5gの溶液を秤量し、続いてフラスコ内に置く。
次いで、54mLの脱イオン水をそれに加える。
滴定を実施する(滴定2)。
これを行うために、フラスコを自動測定装置内に置き、そして撹拌速度を、泡を生じさせることなく混合を実行できるように調節する。
次に、滴定を開始し、最大の濁度に到達したら自動的に終了する。
各滴定を2回実施する。
V2は、ろ過後に回収され、かつ、この滴定のために使用したCTAB溶液の質量M2(g)の滴定について得られたOTエアロゾル溶液の容量(mL)である。
・計算
CTAB表面積(m2/g)は次に等しい:
578.4×(Vo/M)×(100/(100−Hum))×(Co/1000)×[((V1/M1)−(V2/M2))/(V1/M1)]
ここで:
Vo:滴定の目的で懸濁液を調製するためにシリカに加えられた出発CTAB溶液(90mL)の容量(mL)、
M:滴定の目的で懸濁液を調製するために出発CTAB溶液が加えられたシリカの質量(g)、
Hum:105℃で2時間の熱処理後に測定されたシリカの湿度(又は残留水分含量)(%)、
Co:CTAB溶液の初期濃度(g/L)(11g/L)、
M1:滴定1のために使用した出発CTAB溶液(すなわちシリカと混合する前)の質量(g)、
V1:M1の滴定(滴定1)について得られたOTエアロゾル溶液の容量(mL)、
M2:滴定2のために使用したCTAB溶液(すなわちシリカとの混合及びシリカへの吸着後)の質量(g)、
V2:M2の滴定(滴定2)について得られたOTエアロゾル溶液の容量(mL)、
578.4は、1gのCTABが占める表面積(m2)に相当する。
BET比表面積は、「The Journal of the American Chemical Society」,第60巻,第309頁,1938年2月に記載され、かつ、基準法NF ISO 9277(1996年12月)に相当する以下のブルナウアー・エメット・テラー法に従う方法で決定する。
pHは、基準法ISO787/9に基づく次の方法に従って測定する(水中5%での懸濁液のpH):
装置
・較正pH計(1/100eまでの読みの精度)
・ガラス電極の組み合わせ
・200mLビーカー
・100mLメスシリンダー
・0.01g以内の精度を有する天秤。
手順
5gのシリカを200mLのビーカー内で0.01g以内で秤量する。続いてメスシリンダーから測定した95mLの水をシリカ粉末に添加する。こうして得られた懸濁液を10分間にわたってしっかりと撹拌する(磁気撹拌)。続いてpHの測定を行う。
以下、遠心沈降によるXDC粒度分析方法(それによって、凝集体の中央サイズd50が測定される)を説明する:
必要な材料
・Brookhaven Instrument Corporationが販売するBI−XDC遠心沈降粒度計(BROOKHAVEN−INSTRUMENT X DISC CENTRIFUGE)、
・50mLのトールビーカー
・50mLのメスシリンダー
・Branson 1500ワット超音波プローブ、ノズルなし、直径13mm、
・脱イオン水、
・氷を入れた結晶皿
・磁気撹拌器。
測定条件
・ソフトウェアのウィンドウズ(登録商標)3.54バージョン(粒度計の製造業者が供給)
・固定モード
・撹拌速度:5000rpm
・分析時間:120分
・密度(シリカ):2.1
・必要な懸濁液の容量:15mL
試料の調製
3.2gのシリカ及び40mLの脱イオン水をトールビーカーに加える。
懸濁液を入れたビーカーを、氷を入れた結晶皿に置く。
超音波プローブをこのビーカーに沈める。
BRANSON1500ワットプローブを使用して8分間懸濁液を分解する(その最大能力の60%まで使用する)。
分解が完了したら、磁気撹拌器上にこのビーカーを置く。
得られた分散液を室温(21℃)にまで冷却する。
粒度計の準備
この装置のスイッチを入れ、少なくとも30分間ウォームアップさせる。
ディスクを脱イオン水で2回すすぐ。
分析する15mLの試料をこのディスク内に導入し、撹拌を開始する。
上記測定条件を前記ソフトウェアに入力する。
測定値を得る。
測定値が得られたら、
このディスクの回転を停止させ、
このディスクを脱イオン水で数回すすぐ。
装置の電源を切る。
結果
この装置の運用記録において、50%(質量%)又はメジアン径(集合体の50質量%がこのサイズよりも小さいサイズ)を通過した直径の値と、随意にモード値(累積粒径分布曲線の導関数が最大x軸値(主集団のx軸)をモードとして知られている度数曲線を与える)とを記録する。
与えられる細孔容積及び孔径/半径は、Micromeritics Autopore IV 9520ポロシメータを使用した水銀(Hg)多孔度測定により測定され、140°のθ接触角及び485ダイン/cmに等しいγ表面張力を用いてウォッシュバーンの式により算出する。各試料を200℃のオーブンで2時間予め乾燥させる。
(d5-d50)は、d5〜d50の直径を有する細孔からなる細孔容積を表し、V(d5-d100)は、d5〜d100の直径を有する細孔からなる細孔容積を表し、ここで、dnは、全細孔の総表面積のn%がこの直径よりも大きい直径の細孔によって与えられる孔径である(細孔の総表面積(S0)は水銀侵入曲線から決定できる)。
積算曲線の導関数(細孔(nm)の半径に応じた累積細孔容積(mL/g)、図1)は、100nm未満の半径を有する細孔についての最大のx軸値(主な母集団のx軸)がモード(nm)として知られている度数曲線を与える。
シリカの形態、様々なサイズの一次粒子の存在及び該一次粒子のサイズ(直径)を透過電子顕微鏡(TEM)により次のように示す/測定する。
(1)この方法の原理:
透過電子顕微鏡(TEM)を、シリカ一次粒子を特徴付けるのに好適な400000までの倍率でその画像モードで使用する。
シリカをTEMで特徴付ける目的は、シリカ一次粒子についての数加重粒度分布にアクセスすることである。
TEM技術で得られた画像は、必ずしも画像分析により様々な一次粒子を分離するのを可能にするわけではなく、それはこれらを同定する顕微鏡使用者の肩にかかってくる。これを行うために用いられる基準は、認識可能な周囲の特性である。凝集体の所定の領域内において、一次粒子を同定することが不可能となることも起こり得る(例えば局所的に材料の厚みを超える場合や、一次粒子の観念を超えるほどに粒子が相互貫通しすぎている場合)。しかし、これは、大きな価値を得るのに十分な数の一次粒子を同定することの障害とはならない。
すなわち、この方法の原理は、十分な数の一次粒子を同定し、そしてそれらの寸法を分析することである。
本発明の方法により得られる一次粒子は、球形と関連がある場合がある。粒径分析はTEM画像により行われる。これは、同定されたそれぞれの一次粒子について、粒子の外周を正確に再現する円を重ね合わせ、そしてその直径を測定することからなる。十分な数の一次粒子についてこの操作を繰り返して、これらの一次粒子について数加重粒度分布を定める。この分布は特異的分布である。それから一次粒子の累積粒度分布を推定する。これらの粒径を利用するように選択された累積ディスクリプタを累積粒度分布から推定する。これが個数メジアン径(number−median diameter)d50%である。これは、計数した一次粒子の50%がこの値よりも小さな直径を有し、しかも計数した一次粒子の50%がこの値よりも大きい直径を有するような直径である。
以下で説明するように、本発明に従って得られるシリカは、概して2種類のシリカ一次粒子から形成され、それらの直径は異なるものであり、TEM技術により得られる画像で容易に識別できる。つまり、所定のシリカについて、一次粒子を同定し計数する作業を2回実施する。一回目は小さな一次粒子、2回目は大きな一次粒子について行う。これら2回の操作は別々に実施され、そして得られた結果は、2つの数加重粒度分布によって表されるが、これらは全く関連がない。小さな一次粒子と大きな一次粒子との直径の差が大きい場合には、2つの別個の画像収集を2つの異なる倍率で行うことが必要である。典型的な倍率は、大きな一次粒子の粒径分析については150000〜250000、小さな一次粒子の粒径分析については400000である。これらの値は、粒子の寸法に応じて変更できる。
(2)手順:
必要な材料は次のとおりである:
(a)少なくとも400000倍までの倍率にアクセスできる透過電子顕微鏡。選択される加速電圧は、好ましくは120kVに等しい。
(b)TEM観察用のグリル。一つの可能性は、次の手順に従って200メッシュの銅グリルを作製することである:
酢酸イソアミル中に0.2%の重合体を含有するコロジオン(ニトロセルロース)溶液を調製し、
結晶皿に脱イオン水を充填し、TEMグリルを内部に置き、
水の表面にコロジオン溶液を数滴沈着させ、
溶媒を蒸発させて水の表面にコロジオン薄膜を生じさせ、
コロジオン薄膜をグリルの表面に付着させるように引き出し、
真空下で2〜3nmの炭素粒子を炭素メタライザーにより付着させ、
炭素化されたコロジオン表面を、ハイドロフィライザーを使用して、高電圧及び制御真空下で生じた空気プラズマにより親水性化させる。
この操作後に、表面は、約30分間のみ親水性を保持する。したがって、シリカ懸濁液が準備できたら、この操作を最後まで実施しないことが好ましい。
透過電子顕微鏡は、予め、そのコンストラクターが与える手順に従って正確に配置しなければならない。さらに、その倍率に関する正確な機能チェックを行わなければならない。この目的で、認証を受けた較正又は基準物質を、チェックに適合した倍率の範囲内に150000及び400000の倍率が含まれるように使用する。測定された間隔値と、較正又は基準物質の認証で与えられた間隔値との間で認められた差は、大きくとも10%に等しくなければならない。
手順を以下のとおり分解する:
(i)上記遠心沈降によるXDC粒度分析方法における試料の調製で説明したプロトコールに従って超音波で脱凝集したシリカ懸濁液を調製する。
(ii)この懸濁液を脱イオン水で50倍に希釈する。
(iii)この懸濁液の数μLを親水性化TEMグリルに付着させる(5μL未満)。
(iv)グリルが乾燥したら、これを対物ホルダー上に設置する。
(v)この対物ホルダーを顕微鏡に導入し、標準的な調節を行う(特に対物レンズの非点収差及び離心率)。
(vi)シリカは電子放射線に非常に影響を受けやすいので、画像収集は、決して電子には曝されない領域で、かつ、観察領域の電子への暴露が可能な限り短い(ポーズ時間を含む(<5秒))という条件下で実施されなければならない。適宜、「低線量」暴露モード又は均等のものを使用する。照射損傷が無視できる程度のものであることを確かなものにするために、観察される領域を詳細に検討することを特に重視しなければならない。これら全ての予防措置にかかわらず試料に不可逆的な損傷が現れた場合には、液体窒素の温度にまで冷却された対物ホルダーを使用した低温観察を検討することが必要であろう。
(vii)少なくとも10枚の画像を150000の倍率で撮影し、10枚の画像を400000の倍率で撮影する。この目的は、少なくとも200個の小さな一次粒子と200個の大きな一次粒子とを確実に計数することである。粒子の同定及び計数のために効果的に使用されるグリルの面積は、小さな一次粒子については最小で0.5μm2、大きな一次粒子については最小で3.0μm2でなければならない。
(viii)以下において、小さな一次粒子とは、正確に10nm未満の直径を有する円内に入る粒子のことであり、大きな一次粒子とは、10nm以上の直径を有する円内に入る粒子のことであると考えられる。
(ix)上記のように、小さな一次粒子の粒度分布の決定と大きな一次粒子の粒度分布の決定とは別々に実施され、これら2つの分布は数加重されている。一次粒子として同定された物体は球形に関連し、それぞれの粒子を特徴付けるために検討される円は、問題の粒子が中に入る円である。この操作は、ソフトウェア、例えば、ImageJ、Adobe photoshop又はAnalysisを使用して実施できる。
小さな一次粒子については0〜10nmで、直線態様で20の粒度分析クラスを明確にし(すなわちクラス0.5nm幅);大きな一次粒子については10nmよりも大きい20の粒度分析クラスを直線態様で明確にして、同定された大きな一次粒子の全てを示す。
一次粒子の同定は、それらの認識可能な外周の部分に基づく。大きな一次粒子の場合には、同定を確実にするために、外周の少なくとも約3分の1が認識できなければならないと考えられる。これは、凝集体の周辺に位置した粒子の場合や、他の凝集体とのコントラスト差が十分な粒子の場合である。
小さな一次粒子の場合には、同定を実証するためには外周の少なくとも約半分が認識できなければならないと考えられる。これは、凝集体の周囲で、大きな一次粒子の表面に見える小さな粒子上で、又は厚みの少ない凝集体の領域内で、他の凝集体と十分なコントラスト差を有する小さな粒子について観察される。
(x)一次粒子の各タイプ(大きい又は小さい)について、個数特異的粒度分布(number−differential particle size distribution)を決定し、そして、この特異的分布から、累積粒度分布を決定する。後者の操作は、例えば、マイクロソフトエクセルなどのソフトウェアを使用して実行できる。それぞれの累積粒度分布から、ナノメートルで表される個数メジアン径D50%を決定する。
(xi)これら2つの粒度分布を決定したら、このTEMキャラクタリゼーション手順は、2つの粒子群のそれぞれについて、特異的粒度分布のエンベロープを考慮することによって検討されるシリカにとって好適であるかどうかをチェックすることが必要である。このエンベロープは、小さな一次粒子の群については0〜10nmの領域内に最大値を有しなければならず、大きな一次粒子の群については10nmを超える最大値を有しなければならない。これは、サイズにより区別される2群の粒子の存在を実証する。
また、シリカの形態及び様々なサイズの一次粒子の存在は、小角X線散乱(SAXS)によって次のように示すことができる。
(1)この方法の原理:
小角X線散乱(SAXS)は、数度の角度の円錐において試料を通過する波長λの入射X線ビームの偏差を利用することからなる。散乱角θは、次の関係で規定される、対応する波数ベクトルを有する:
Figure 2013503806
その単位はÅ-1である。
それぞれの散乱角は、逆格子空間で規定される、対応する波数ベクトルqを有する。この波数ベクトルは、実空間で規定され、かつ、2π/qに等しい空間規模に相当する。すなわち、小角散乱は、試料内における大きな間隔を特徴付けるが、大角散乱は、逆に、試料内における小さな間隔を特徴付ける。この技術は、物質が間隙を介して分布する方向に影響を受けやすい。
この技術に関する基礎文献を以下に示す:
[1]Small Angle Scattering of X rays,Guinier,A.,Fournet G.,(1955),Wiley,New York。
[2]Small Angle X Ray Scattering,Glatter O.,Krattky O.,(1982),Academic Press,New York.
[3]Analysis of the Small−Angle Intensity Scattered by a Porous and Granular Medium、Spalla O.,Lyonnard S.,Testard F.,J.Appl.Cryst.(2003),36,338−347.
以下に定義する基準に従ってSAXSによりシリカを特徴付けるために必要な配置は次のとおりである:
・0.5〜2オングストローム(Å)の入射波長により透過幾何学(すなわち、試料を通過する入射ビーム)で働くSAXSアセンブリ、
・420〜20Åの範囲の実空間内での間隔を特徴付けることを可能にする、0.015Å-1〜0.30Å-1の波数ベクトル間隔q、
・好適な基準(例えばベヘン酸銀、オクタデカノール又は上記q間隔内において細かなSAXS線を与える他の化合物)を使用してqスケールについてチェックされたアセンブリ、
・一次元又は好ましくは二次元線型検出器、
・アセンブリは、準備の伝達、すなわち、試料によって伝達された強度と入射強度との比率を測定することができなければならない。
このようなアセンブリは、例えば、X線管型又は回転陽極型の源で、好ましくは1.54Åでの銅のkα放射を使用して作動する実験室アセンブリであることができる。検出器は、画像板又は好ましくはガス検出器とすることができる。また、これは、シンクロトロン上のSAXSアセンブリであってもよい。
(2)手順:
シリカ試料は、粉末固体の状態で分析する。この粉末を2つのX線−透明窓間に設置する。この準備とは別に、内部にシリカを含有しない空のセルを2つの透明窓のみで準備する。空のセルによる散乱は、シリカによる散乱とは別に記録しなければならない。「バックグラウンド測定」としても知られているこの操作の間に、散乱強度は、電子バックグラウンドノイズ、透明窓による散乱及び残りの入射ビームの発散など、シリカの外側の分布の全てによってもたらされる。
これらの透明窓は、調査される波数ベクトル間隔にわたって、シリカによる散乱強度に対して低いバックグラウンドノイズを与えなければならない。これらは、マイカ、カプトン膜又は好ましくは接着カプトン膜から作られていてよい。
シリカについて実際にSAXSを取得する前に、準備の質を、シリカを充填したセルの透過率を測定することによってチェックすべきである。
行うべき工程は次のとおりである:
(2.1)シリカなしの2つの窓からなるセル(空のセル)の製造。
(2.2)内部にシリカ粉末の試料を有する2つの窓からなるセルの製造。
シリカの導入量は、50mg未満でなければならない。シリカは、100μmの厚み未満の層を形成しなければならない。窓に配列したシリカ粒子の単一層を得ようとすることが好ましく、これは、密着窓を使用すれば容易に得られる。準備の質は、透過率を測定することによって制御される(工程(2.3))。
(2.3)空のセル及びシリカセルの透過率の測定。
比Rは、次の態様で規定される:
R=シリカセルの透過率/空のセルの透過率。
多重散乱のリスクを最小にするために、Rは0.6〜0.9でなければならないと同時に、大きな間隔qで満足のいく信号対ノイズ比を保持しなければならない。R値が小さすぎる場合には、ビームによって見えるシリカの量を減少すべきである。大きすぎる場合にはシリカを添加すべきである。
(2.4)空のセル及びシリカセルでのSAXSの取得。
取得時間は、大きな間隔qでの信号/ノイズ比が許容できるように決定しなければならない。これらは、q=0.12Å-1の付近では、以下で定義される関数F(q)の変動が、関数Fがこの点でとる値に対して±5%を超えてはならないというようなものでなければならない。
(2.5)二次元検出器を使用した場合:散乱強度を波数ベクトルqに応じて得るために2つの二次元スペクトルのそれぞれを半径方向に再編成する。
散乱強度の決定は、露出時間、入射ビーム、試料の透過、検出器のピクセルによって妨害される立体角を考慮しなければならない。波数ベクトルの決定は、入射ビームの波長及び試料−検出器の間隔を考慮しなければならない。
(2.6)一次元検出器を使用した場合には、散乱強度及び波数ベクトルに関する上記決定を実行しなければならないが、ただし、半径方向の再編成は予想すべきではない。
(2.7)このようにして、2つのスペクトルが波数ベクトルqに応じた散乱強度の偏差に対する情報を減じて得られる:空のセルについて1個のスペクトル及びシリカセルについて1個のスペクトル。
(2.8)シリカセルによる散乱強度から空のセルによる散乱強度を引き算する(「バックグラウンド」減算)。
(2.9)「バックグラウンド」減算後のシリカのSAXSスペクトルは、ポロッド領域に類似する領域に従って生じる一本調子の減少を示す。すなわち、強度がq-4べき法則に類似する法則に従って波数ベクトルと共に急速に変動する。このポロッド則に対する小さな偏差は、Krattky−Porod法に従うデータを示すことによってさらに可視化できる。これは、F(q)をqに応じて示すことである:
F(q)=I×q4
ここで、Iは、「バックグラウンド」減算後の散乱強度を表し、qは波数ベクトルを表す。
(2.10)このKrattky−Porod法においては、スペクトルは、波数ベクトルを増加させるという意味で説明され、粒子のサイズの2つの母集団の存在は、関数F(q)の第1の増加により反映され(これは、大きな粒子を特徴付ける)、続いて関数F(q)の第2の増加により反映される(これは、小さな粒子を特徴付ける)。第1の増加で強度の振幅が観察される場合もあり得るが、これは、大きな粒子の粒径分布が比較的狭い場合に観察されると考えられる。
(2.11)本明細書において定義されるSAXSの基準は、定義された2つの波数ベクトル限界値(q1=0.03Å-1及びq2=0.12Å-1)間の関数Fの増加に基づくものである。
比(パラメーター)Cは、の次の態様で定義される:
C=[F(q2)−F(q1)]/F(q2)
本発明の方法によって得られるシリカの分散性(及び脱凝集能力)は、脱凝集試験により定量できる。
脱凝集試験の一つを以下で説明する。
(1)原理:
凝集体の凝集は、超音波により予め脱凝集されたシリカ懸濁液で実施される粒度分析測定(レーザー散乱による)によって評価される;このようにして、シリカの脱凝集能力を測定する(0.1〜数十ミクロンの物体の崩壊)。
(2)材料:
・hydroG標準モジュールを備えたMalvern Mastersizer2000。
・0.1mgを与える精密天秤(例えばMettler AE260)。
・脱イオン水。
・その公称電力の80%で使用される、750ワットのBioblock超音波発生器(Vibracel75043)(直径13mmの末端部を備える)。
・50mLビーカー(ハイサイド型)。
・50mLメスシリンダー。
・結晶皿+氷。
(3)測定条件:
完全分析条件を、次のものを調節することによって手作業で制御する:
・試料採取装置のパラメーター
ポンプ供給速度:1600rpm
撹拌器速度:600rpm
・測定パラメーター:
試料測定時間:10秒
バックグラウンドノイズ測定時間:10秒
測定回数:3
・光学的特性:
光学模型:フラウンフォーファー理論
標準分析、標準感度
(4)実行すべき操作:
(i)試料の調製
・天秤の天板上に載せたビーカー中で、分析すべき試料の約2gを秤量し、
・メスシリンダーを使用して50mLの脱イオン水を添加し、
・氷を含有する結晶皿内にシリカ懸濁液を含むビーカーを置き、
・この懸濁液中に超音波プローブをプローブの末端とビーカーの底部との間に1cmほど残して浸し、
・5分30秒間脱凝集させる。
(ii)粒度計の準備
ソフトフェアにおいて、次の態様で進行する:
・測定値を記録するファイル(例えばリーダーA)を起動する
・「measure」−「manual」を開く
・「option」−particle name:Fraunhofer−dispersant:Waterを開く(上記(3)光学的特性参照)
・「preparer」を開く−クリーニングサイクルを開始する
・クリーニングが完了したら、上記(3)で示したように撹拌器パラメーターとポンプ供給パラメーターを調節する
・スタートをクリックする。
バックグラウンドノイズ測定とアラインメント測定とが完了したら、脱凝集シリカ懸濁液のアリコートをキュベットに導入して正確な曇り度を得、そしてこの分析サイクルを続行する。
この分析が完了したら、クリーニングサイクルを開始する。
このクリーニングが完了したら、ポンプ供給速度及び撹拌速度をゼロにする。
得られる中央直径値D50M(又はMalvern中央直径)は、シリカの脱凝集能力が高ければそれに比例して小さい。
表面積のnm2当たりのシラノール数を、メタノールをシリカの表面にグラフトすることによって決定する。第1段階では、1gの粗シリカを110mLオートクレーブ(Top Industrie、商品番号09990009)内で10mLのメタノールに懸濁する。磁気バーを導入し、そして気密的及び熱的に密閉されたオートクレーブを、加熱磁気撹拌器上において200℃(40bar)で4時間加熱する。続いて、このオートクレーブを冷水浴中で冷却する。グラフトシリカをデカンテーションで回収し、窒素流れ下で残留メタノールを蒸発させる。次に、グラフトシリカを真空下において130℃で12時間にわたり乾燥させる。炭素含有量を元素分析(CE Instruments社製NCS2500アナライザー)により粗シリカ及びグラフトシリカについて決定する。このグラフトシリカについての炭素検定を乾燥終了後3日以内に実施する。というのは、大気の湿気又は熱により、実際にメタノールグラフトの加水分解が生じる可能性があるからである。nm2当たりのシラノール数を次式で算出する:
SiOH/nm2=[(%Cg−%Cc)×6.023×1023]/[SBET×1018×12×100]
ここで、%Cg:グラフトシリカに存在する炭素の質量パーセント
%Cb:粗シリカに存在する炭素の質量パーセント
BET:シリカのBET比表面積(m2/g)。
本発明の製造方法の実施により、特定の形態の沈降シリカを得ることが可能になる:具体的には、好ましくは、シリカの一次粒子(A)の凝集体であって、その表面に該一次粒子(A)よりもサイズの小さなシリカの一次粒子(B)が存在する(グラフトした)ものから形成される。
このものは、好ましくは、
・60〜400m2/gのCTAB比表面積(SCTAB)、
・超音波脱凝集後にXDC粒度分析により測定される、d50(nm)>(6214/SCTAB(m2/g))+23である凝集体(一次粒子(A)又は大きな一次粒子+一次粒子(B)又は小さな一次粒子)のメジアン径d50、
・V(d5-d50)/V(d5-d100)>0.906−(0.0013×SCTAB(m2/g))である細孔容積分布、及び
・モード(nm)>(4166/SCTAB(m2/g))−9.2である細孔径分布(直径)。
この沈降シリカは、小角X線散乱(SAXS)によって測定される、C/SCTAB(m2/g)>0.001のようなパラメーターCを有することができる。
これは、特定の形態、例えば異なるサイズの一次粒子の2つの母集団の存在を示す。
これは、有利には小さなシリカ一次粒子(spp)が存在する(グラフトした)大きなシリカ一次粒子の凝集体から形成され、ここで、大きな一次粒子(lpp)の個数メジアン径は8nm超、例えば8.5〜12nm、特に9〜12nmであり、又は少なくとも12nm、特に少なくとも13nm、例えば少なくとも14nm、又はさらに少なくとも17nmであり、小さな一次粒子(spp)の個数メジアン径は、2〜8nm、特に3〜6nm、例えば3〜5nm(TEMで決定される直径)である。
一般に、本発明の方法によって得られる沈降シリカは、(例えばTEMにより決定)一次粒子(B)(又は小さな一次粒子)の数を基準にして30%〜95%、好ましくは55%〜90%、特に60%〜85%、また、一次粒子(A)(又は大きな一次粒子)の数を基準にして5%〜70%、好ましくは10%〜45%、特に15%〜40%を含有する。
好ましくは、本発明の方法によって得られる沈降シリカには、互いに凝集した又は凝集していない、すなわち大きな一次粒子の凝集体には結合していない孤立した(「外側粒子」)小さな一次粒子は、非常にわずかにしか存在しない又はさらには全く存在しない。このような孤立した小さな一次粒子の割合は、一般に、数を基準にして10%未満、特に数を基準にして5%未満、例えば事実上ゼロである。
一般に、小さな一次粒子は、大きな一次粒子の凝集体に強固に結合している。
好ましくは、本発明の方法によって得られる沈降シリカの細孔容積分布は、
(d5-d50)/V(d5-d100)>0.71、特にV(d5-d50)/V(d5-d100)>0.72
というものでもある。
本発明の方法によって製造される沈降シリカは、通常、60〜400m2/g、好ましくは80〜300m2/g、特に100〜250m2/gのCTAB比表面積(SCTAB)を有する。これは、120〜230m2/g、特に130〜210m2/g、例えば140〜200m2/gであることもできる。
これは、一般に、60〜500m2/g、好ましくは90〜380m2/g、特に120〜300m2/gのBET比表面積(SBET)を有する。これは140〜270m2/g、特に160〜260m2/g、例えば175〜250m2/gであることができる。
好ましくは、本発明の方法によって得られる沈降シリカは所定の(ただし過度ではない)のミクロ多孔性を有する。すなわち、一般に、そのCTAB比表面積(SCTAB)及びそのBET比表面積(SBET)は、SBET/SCTAB比が1.0〜1.5、好ましくは1.1〜1.4、特に1.15〜1.35であるようなものである。
本発明の方法によって製造される沈降シリカは、好ましくは満足のいく重合体への分散性を有する。
超音波による脱凝集後のメジアン径(D50M)は、通常、9.0μmを超えず、通常は6.5μm未満、好ましくは6.0μm未満、特に5.0μm未満である。これは、特に4.0μm未満、例えば3.0μm未満であることができる。
それらのnm2当たりのシラノール数(NSiOH/mm2)は、一般に、3.5〜6、特に3.9〜5.5である。
それらのpHは、一般に6.2〜7.6、特に6.4〜7.4である。
本発明の方法によって製造される沈降シリカは、概して次の形態のうちの少なくとも一つの形態にある:略球形のビーズ、粉末、顆粒。
例えば、該シリカは、略球形のビーズ、特に少なくとも80μmの平均サイズを有する略球形のビーズの形態であることができる。
このビーズの平均サイズは、少なくとも100μm、例えば少なくとも150μmであることができる。これは、一般には300μmを超えず、好ましくは100〜270μm、特に200〜260μmである。この平均サイズは、基準法NF X 11507(1970年12月)に従って、乾式ふるい及び50%の累積オーバーサイズに相当する直径の決定によって決定される。
また、該シリカは、概して少なくとも3μm、特に少なくとも10μm、例えば少なくとも15μmの平均サイズを有する粉末の状態であることもできる。これは、15〜60μm(特に20〜45μm)又は30〜150μm(特に45〜120μm)であることができる。
また、該シリカは、特にそれらの最も大きな寸法(長さ)の軸線に沿って、特に少なくとも1mm、例えば1〜10mmのサイズを有する顆粒(概して実質的に平行六面体の形状)の形態であることもできる。
本発明の方法によって製造される沈降シリカは、多くの用途で使用できる。
該シリカは、天然又は合成重合体の強化に使用できる。
一般に、該シリカは、重合体への良好な分散性を示し、それらの機械的性質、動的性質及び流動学的性質に関して、非常に良好な特性の妥協点を与える。
該シリカを特に補強充填剤として使用できる重合体組成物は、一般に、好ましくは−150〜+300℃、例えば−150〜+20℃の少なくとも一つのガラス転移温度を有する1種以上の重合体又は共重合体、特に1種以上のエラストマー、特に熱可塑性エラストマーを主成分とする。
言及できる可能な重合体としては、ジエン重合体、特にジエンエラストマーが挙げられる。
例えば、少なくとも1個の不飽和を有する脂肪族又は芳香族単量体(特にエチレン、プロピレン、ブタジエン、イソプレン又はスチレンなど)、ポリアクリル酸ブチル或いはそれらの混合物から誘導される重合体又は共重合体を使用することが可能である。また、シリコーンエラストマー、官能化エラストマー(例えばシリカの表面と反応することのできる官能基で官能化されたもの)及びハロゲン化重合体も挙げられる。ポリアミドを挙げることもできる。
重合体(共重合体)は、バルク重合体(共重合体)、重合体(共重合体)ラテックス又は重合体(共重合体)の水溶液又は任意の他の好適な分散性液体への溶液であることができる。
言及できるジエンエラストマーの例としては、ポリブタジエン(BR)、ポリイソプレン(IR)、ブタジエン共重合体、イソプレン共重合体又はそれらの混合物、特にスチレン・ブタジエン共重合体(SBR、特にESBR(エマルジョン)又はSSBR(溶液))、イソプレン・ブタジエン共重合体(BIR)、イソプレン・スチレン共重合体(SIR)、イソプレン・ブタジエン・スチレン共重合体(SBIR)及びエチレン・プロピレン・ジエン三元共重合体(EPDM)が挙げられる。また、天然ゴム(NR)も挙げられる。
重合体組成物は、硫黄で加硫できる(この場合、加硫物と呼ばれる)又は特に過酸化物で架橋できる。
一般に、重合体組成物は、少なくとも1種のカップリング剤(シリカ/重合体)及び/又は少なくとも1種のシリカ被覆剤も含む。また、該組成物は、特に酸化防止剤も含むことができる。
特に使用できるカップリング剤の例としては、「対称」又は「非対称」ポリスルフィドシランが挙げられるが、これに限定されない。特にビス((C1〜C4)アルコキシ(C1〜C4)アルキルシリル(C1〜C4)アルキル)ポリスルフィド(特にジスルフィド、トリスルフィド又はテトラスルフィド)、例えばモノエトキシジメチルシリルプロピルテトラスルフィドが挙げられる。
カップリング剤を重合体に予めグラフトさせておいてもよい。
また、該カップリング剤を遊離状態で使用したり(すなわち予めグラフトさせない)、又はシリカの表面にグラフトさせたりすることができる。随意の被覆剤の場合についてもこれと同様である。
カップリング剤は、随意に、好適な「カップリング活性剤」、すなわち、このカップリング剤と混合したときにその有効性を向上させる化合物と組み合わせることもできる。
重合体組成物中における沈降シリカの重量割合は、比較的広い範囲内で変動可能である。通常は、1種以上の重合体の量の20%〜80%、例えば30%〜70%である。
本発明の方法によって得られる沈降シリカは、有利には、重合体組成物の無機補強充填剤の全て、さらには補強充填剤の全てを構成することができる。
ただし、この本発明の方法によって得られる沈降シリカは、特に、市販の高分散性シリカ、例えばZ1165MP、Z1115MP、処理済み沈降シリカ(例えばアルミニウムなどの陽イオンが「ドープ」されたもの)、別の無機補強充填剤、例えばアルミナ、又はさらに有機補強充填剤、特にカーボンブラック(随意に、例えばシリカの無機層が被覆されたもの)などの少なくとも1種の他の補強充填剤と併用できる。この場合、本発明の方法によって得られる沈降シリカは、好ましくは、補強充填剤の総量の少なくとも50重量%、又はさらに少なくとも80重量%を構成する。
言及できる前記重合体組成物(特に上記加硫物を主成分とするもの)を基材とする最終製品の例としては、靴底(好ましくはカップリング剤(シリカ/重合体)、例えばモノエトキシジメチルシリルプロピルテトラスルフィドが存在した状態)、タイヤ、床仕上げ材、ガス障壁、耐火材料、また、ケーブルカーのローラー、家庭電化製品の密封材、液体又はガス管線の密封材、ブレーキシステムの密封材、シース、並びに伝動ケーブル及びベルトなどの技術部品が挙げられるが、これらに限定されない。
また、本発明の方法によって製造される沈降シリカは、触媒の担体、活性物質吸収剤(例えば食品に使用される特に液体の担体、例えばビタミン類(ビタミンE)、塩化コリン)、増粘剤、品質改良材又は固化防止剤、電池セパレーター部材、練り歯磨き、コンクリート及び紙用の添加剤として使用することもできる。
以下の実施例は本発明を例示するものであって、その範囲を限定するものではない。
例1
10.8リットルの水を、インペラ撹拌システム及び加熱ジャケットを備える25リットルのステンレススチール反応器内に置く。この媒体を撹拌し、そして94℃にする。全反応をこの温度で撹拌しながら実施する(360rpm、インペラ撹拌)。80g/Lに等しい濃度の硫酸を、この原料のpHが3.7の値に到達するまで反応器に導入する(すなわち、24gの硫酸を約1分間)。
続いて、235g/Lの濃度の珪酸ナトリウム溶液(3.49に等しいSiO2/Na2O重量比を有する)を該形成された原料に35分にわたり55g/分の速度で導入し、それと同時に、80g/Lに等しい濃度の硫酸を一定の速度で導入して該反応媒体のpHを3.9の値に維持する。
同時添加の35分の終了時に、酸の導入を停止し、そして235g/Lの濃度を有する珪酸ナトリウム溶液(3.49に等しいSiO2/Na2O重量比を有する)の導入を、55g/分の速度で、該反応媒体のpHが8の値に到達するまで続行する(すなわち169gの珪酸塩溶液を約3分間)。
続いて、235g/Lの濃度を有する珪酸ナトリウム溶液(3.49に等しいSiO2/Na2O重量比を有する)を40分にわたって反応媒体に55g/分の速度で導入すると同時に、80g/Lに等しい濃度の硫酸を一定の速度で導入して該反応媒体のpHを8の値に維持する。
この第2の同時添加の40分の終了時に、珪酸塩の導入を停止させ、そして80g/Lに等しい濃度を有する硫酸の導入を、39g/分の速度で、該反応媒体のpHが4の値に到達するまで続行する(すなわち207gの硫酸を約5分間)。
続いて、235g/Lの濃度を有する珪酸ナトリウム溶液(3.49に等しいSiO2/Na2O重量比を有する)を22分にわたって反応媒体に20g/分の速度で導入すると同時に、80g/Lに等しい濃度の硫酸を一定の速度で導入して該反応媒体のpHを4の値に維持する。
この第3の同時添加の22分の終了時に、上記のタイプの珪酸ナトリウム溶液を20g/分の速度で導入して該反応媒体のpHを5.2まで上昇させる(すなわち41gの珪酸塩溶液を2分間)。
反応後に、沈降シリカの反応ブロスが得られ、これを94℃の温度で5分間撹拌した状態に保持する。この熟成後に、沈降シリカブロスを、反応器を空にすることで回収する。
このブロスをろ過し、そして真空下で洗浄する(14重量%の固形分)。得られたフィルターケークを5リットルの水で4回洗浄する。続いて、これを水の存在下で機械的に突き崩すことにより再懸濁する。得られたブロス(10重量%の固形分)をタービンアトマイザーにより乾燥させる。
このとき得られた沈降シリカ(粉末状)の特徴は次のとおりである:
CTAB比表面積:194m2/g
凝集体のメジアン径d50:75nm
(d5-d50)/V(d5-d100):0.76
モード(Hg多孔度):14.0nm
50M(超音波脱凝集後):4.9μm。
得られた沈降シリカは、シリカの大きな一次粒子(lpp)の凝集体であって、その表面にシリカの小さな一次粒子(spp)が存在するものから形成されていることが分かる。
例2
9.4リットルの水を、インペラ撹拌システム及び加熱ジャケットを備える25リットルのステンレススチール反応器内に置く。この媒体を撹拌し、そして92℃にする。全反応をこの温度で撹拌しながら実施する(360rpm、インペラ撹拌)。80g/Lに等しい濃度の硫酸を、この原料のpHが4.2の値に到達するまで反応器に導入する(すなわち28gの硫酸を約3分間)。
続いて、235g/Lの濃度を有する珪酸ナトリウム溶液(3.47に等しいSiO2/Na2O重量比を有する)を該形成された原料に10分間にわたり46.8g/分の速度で導入し、それと同時に、80g/Lに等しい濃度の硫酸を一定の速度で導入して該反応媒体のpHを4.4の値に維持する。
同時添加の10分の終了時に、酸の導入を停止し、そして235g/Lの濃度を有する珪酸ナトリウム溶液(3.47に等しいSiO2/Na2O重量比を有する)の導入を46.8g/分の速度で該反応媒体のpHが8の値に到達するまで続行する(すなわち55gの珪酸塩溶液を約1分間)。
続いて、235g/Lの濃度を有する珪酸ナトリウム溶液(3.47に等しいSiO2/Na2O重量比を有する)を該反応媒体に100分間にわたり46.8g/分の速度で導入し、それと同時に、80g/Lに等しい濃度の硫酸を一定の速度で導入して該反応媒体のpHを8の値に維持する。
この第2の同時添加の100分の終了時に、珪酸塩の導入を停止させ、そして80g/Lに等しい濃度を有する硫酸の導入を、39g/分の速度で、該反応媒体のpHが4の値に到達するまで続行する(すなわち194gの硫酸を約5分間)。
続いて、235g/Lの濃度を有する珪酸ナトリウム溶液(3.47に等しいSiO2/Na2O重量比を有する)を85分にわたって反応媒体に20g/分の速度で導入すると同時に、80g/Lに等しい濃度の硫酸を一定の速度で導入して該反応媒体のpHを4の値に維持する。
この第3の同時添加の85分の終了時に、上記のタイプの珪酸ナトリウム溶液を20g/分の速度で導入して該反応媒体のpHを5.2まで上昇させる(すなわち97gの珪酸塩溶液を5分間)。
反応後に、沈降シリカの反応ブロスが得られ、これを92℃の温度で5分間撹拌した状態に保持する。この熟成後に、沈降シリカブロスを、反応器を空にすることで回収する。
このブロスをろ過し、そして真空下で洗浄する(14重量%の固形分)。得られたフィルターケークを5リットルの水で4回洗浄する。続いて、これを水の存在下で機械的に突き崩すことにより再懸濁する。得られたブロス(10重量%の固形分)をタービンアトマイザーにより乾燥させる。
このとき得られた沈降シリカ(粉末状)の特徴は次のとおりである:
CTAB比表面積:135m2/g
凝集体のメジアン径d50:142nm
(d5-d50)/V(d5-d100):0.80
モード(Hg多孔度):22.0nm
50M(超音波脱凝集後):6.3μm。
得られた沈降シリカは、シリカの大きな一次粒子(lpp)の凝集体であって、その表面にシリカの小さな一次粒子(spp)が存在するものから形成されていることが分かる。
例3
11.8リットルの水を、インペラ撹拌システム及び加熱ジャケットを備える25リットルのステンレススチール反応器内に置く。この媒体を撹拌し、そして86℃にする。反応全体を撹拌しながら実施する(360rpm、インペラ撹拌)。80g/Lに等しい濃度の硫酸を、この原料のpHが3.8の値に到達するまで反応器に導入する(すなわち34gの硫酸を約2分間)。
続いて、235g/Lの濃度を有する珪酸ナトリウム溶液(3.47に等しいSiO2/Na2O重量比を有する)を該形成された原料に35分にわたり59g/分の速度で導入し、それと同時に、80g/Lに等しい濃度の硫酸を一定の速度で導入して該反応媒体のpHを4.0の値に維持する。
同時添加の35分の終了時に、酸の導入を停止し、そして235g/Lの濃度を有する珪酸ナトリウム溶液(3.47に等しいSiO2/Na2O重量比を有する)の導入を、59g/分の速度で、該反応媒体のpHが8の値に到達するまで続行する(すなわち221gの珪酸塩溶液を約4分間)。この珪酸ナトリウム溶液の導入に平行して、反応媒体を92℃にする。残りの反応をこの温度で実施する。
続いて、235g/Lの濃度を有する珪酸ナトリウム溶液(3.47に等しいSiO2/Na2O重量比を有する)を40分にわたって反応媒体に59g/分の速度で導入すると同時に、80g/Lに等しい濃度の硫酸を一定の速度で導入して該反応媒体のpHを8の値に維持する。
この第2の同時添加の40分の終了時に、珪酸塩の導入を停止させ、そして80g/Lに等しい濃度を有する硫酸の導入を、39g/分の速度で、該反応媒体のpHが4の値に到達するまで続行する(すなわち316gの硫酸を約8分間)。
続いて、235g/Lの濃度を有する珪酸ナトリウム溶液(3.47に等しいSiO2/Na2O重量比を有する)を該反応媒体に81分にわたり18.2g/分の速度で導入し、それと同時に、80g/Lに等しい濃度の硫酸を一定の速度で導入して該反応媒体のpHを4の値に維持する。
この第3の同時添加の81分の終了時に、上記のタイプの珪酸ナトリウム溶液を15g/分の速度で導入して該反応媒体のpHを5.2まで上昇させる(すなわち91gの珪酸塩溶液を6分間)。
反応後に、沈降シリカの反応ブロスが得られ、これを92℃の温度で5分間撹拌した状態に保持する。この熟成後に、沈降シリカブロスを、反応器を空にすることで回収する。
このブロスをろ過し、そして真空下で洗浄する(14重量%の固形分)。得られたフィルターケークを5リットルの水で4回洗浄する。続いて、これを水の存在下で機械的に突き崩すことにより再懸濁する。得られたブロス(10重量%の固形分)をタービンアトマイザーにより乾燥させる。
このとき得られた沈降シリカ(粉末状)の特徴は次のとおりである:
CTAB比表面積:225m2/g
凝集体のメジアン径d50:67nm
(d5-d50)/V(d5-d100):0.76
モード(Hg多孔度):11.6nm
C(SAXS):0.450
50M(超音波脱凝集後):3.9μm。
得られた沈降シリカは、シリカの大きな一次粒子(lpp)の凝集体であって、その表面にシリカの小さな一次粒子(spp)が存在するものから形成されていることが分かる。

Claims (18)

  1. 珪酸塩と酸性化剤とを反応させ、それによってシリカ懸濁液を得、その後この懸濁液を分離し乾燥させることを含むタイプの沈降シリカの製造方法であって、該珪酸塩と酸性化剤との反応を次の態様で実施することを特徴とする方法:
    (i)2〜5のpH、好ましくは2.5〜5のpHを有する水性原料を形成させ、
    (ii)反応媒体のpHを2〜5、好ましくは2.5〜5に維持するように、該原料に珪酸塩と酸性化剤とを同時に添加し、
    (iii)該酸性化剤の添加を停止すると同時に、該反応媒体への珪酸塩の添加を該反応媒体で得られるpH値が7〜10、好ましくは7.5〜9.5になるまで続行し、
    (iv)該反応媒体のpHを7〜10、好ましくは7.5〜9.5に維持するように、該反応媒体に珪酸塩と酸性化剤とを同時に添加し、
    (v)該珪酸塩の添加を停止すると同時に、該酸性化剤の該反応媒体への添加を該反応媒体で得られるpH値が2.5〜5.3、好ましくは2.8〜4.9となるまで続行し、
    (vi)該反応媒体と該酸性化剤及び該珪酸塩とを、該反応媒体のpHを2.5〜5.3、好ましくは2.8〜4.9に維持するように接触させ、
    (vii)得られた反応媒体に、該反応媒体のpHを4.7〜6.3、好ましくは5.0〜5.8の値にまで上昇させるようにアルカリ剤、好ましくは珪酸塩を添加し、ここで、この工程(vii)は、工程(vi)において、5.0〜5.3のpHを有する反応媒体と該酸性化剤及び該珪酸塩とを該反応媒体のpHを5.0〜5.3に維持するように接触させる場合には任意であるものとする。
  2. 珪酸塩と酸性化剤とを反応させ、それによってシリカ懸濁液を得、その後この懸濁液を分離し乾燥させることを含むタイプの沈降シリカの製造方法であって、該珪酸塩と該酸性化剤との反応を次の態様で実施することを特徴とする方法:
    (i)2〜5のpH、好ましくは2.5〜5のpHを有する水性原料を形成させ、
    (ii)反応媒体のpHを2〜5、好ましくは2.5〜5に維持するように、該原料に珪酸塩と酸性化剤とを同時に添加し、
    (iii)該酸性化剤の添加を停止すると同時に、該反応媒体への珪酸塩の添加を該反応媒体で得られるpH値が7〜10、好ましくは7.5〜9.5になるまで続行し、
    (iv)該反応媒体に珪酸塩及び酸性化剤を該反応媒体のpHを7〜10、好ましくは7.5〜9.5に維持するように同時に添加し、
    (v)該珪酸塩の添加を停止すると同時に、該酸性化剤の該反応媒体への添加を該反応媒体で得られるpH値が2.5〜5.3、好ましくは2.8〜4.9となるまで続行し、
    (vi)該反応媒体と該酸性化剤及び該珪酸塩とを、該反応媒体のpHを2.5〜5.3、好ましくは2.8〜4.9に維持するように接触させ、
    (vii)得られた反応媒体に、該反応媒体のpHを4.7〜6.3、好ましくは5.0〜5.8の値にまで上昇させるようにアルカリ剤、好ましくは珪酸塩を添加する。
  3. 工程(i)が、前記形成された原料のpH値が2〜5、好ましくは2.5〜5、特に3.0〜4.5となるように酸性化剤を水に添加することを含むことを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記工程の全てを75〜97℃、好ましくは80〜96℃で実施することを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  5. 工程(vi)において、まず前記反応媒体に前記酸性化剤を添加し、その後前記珪酸塩を添加することを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
  6. 工程(vi)において、前記反応媒体に前記酸性化剤と前記珪酸塩とを同時に添加し、好ましくは得られた反応媒体のpHを実質的に一定に保持することを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
  7. 前記工程(vii)の後に熟成工程を実施することを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
  8. 工程(vi)を高速ミキサー又は乱流域で実施することを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載の方法。
  9. 工程(vi)において、前記珪酸塩と、前記酸性化剤の前記反応媒体への添加により得られた媒体とを高速ミキサー又は乱流域で接触させることを特徴とする、請求項5に記載の方法。
  10. 工程(vi)において、前記酸性化剤及び前記珪酸塩を前記反応媒体と高速ミキサー又は乱流域で接触させることを特徴とする、請求項6に記載の方法。
  11. 工程(vi)において前記高速ミキサー又は乱流域で得られた反応媒体を、工程(vii)を実施する反応器に導入することを特徴とする、請求項8〜10のいずれかに記載の方法。
  12. 工程(vi)において、対称型T又はYミキサー(又は管)、非対称型T又はYミキサー(又は管)、接線ジェット型ミキサー、ハートリッジ・ラフトン(Hartridge−Roughton)ミキサー、ボルテックスミキサー及びローター・ステーターミキサーから選択される高速ミキサーを使用することを特徴とする、請求項8〜11のいずれかに記載の方法。
  13. 工程(vi)において、接線ジェットミキサー、ハートリッジ・ラフトンミキサー又はボルテックスミキサーを使用することを特徴とする、請求項8〜12のいずれかに記載の方法。
  14. 前記乾燥を噴霧化により実施することを特徴とする、請求項1〜13のいずれかに記載の方法。
  15. 前記分離がフィルタープレス又は真空フィルターを使用して実施されるろ過を含むことを特徴とする、請求項1〜14のいずれかに記載の方法。
  16. 請求項1〜15のいずれかに記載の沈降シリカの製造方法であって、該シリカが、シリカの一次粒子(A)の凝集体であってその表面に該一次粒子(A)よりもサイズの小さなシリカの一次粒子(B)が存在するものから形成され、しかも、該シリカが
    ・60〜400m2/gのCTAB比表面積(SCTAB)、
    ・d50(nm)>(6214/SCTAB(m2/g))+23である、超音波脱凝集後にXDC粒度分析により測定される凝集体のメジアン径d50、
    ・V(d5-d50)/V(d5-d100)>0.906−(0.0013×SCTAB(m2/g))である細孔容積分布、及び
    ・モード(nm)>(4166/SCTAB(m2/g))−9.2である細孔径分布
    を有することを特徴とする方法。
  17. 前記沈降シリカが、C/SCTAB(m2/g)>0.001である、小角X線散乱(SAXS)により測定されるパラメーターCを有することを特徴とする、請求項16に記載の方法。
  18. 前記沈降シリカが次の形態の少なくとも一つ:特に少なくとも80μmの平均サイズを有する略球形のビーズ、特に少なくとも3μm、例えば少なくとも10μmの平均サイズを有する粉末、特に少なくとも1mmのサイズを有する顆粒の形態であることを特徴とする、請求項16又は17に記載の方法。
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