JP2013249524A - ガス窒化及びガス軟窒化方法 - Google Patents

ガス窒化及びガス軟窒化方法 Download PDF

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Abstract

【課題】簡単なシステムによって高精度の雰囲気制御ができ、使用ガス量の低減が可能なガス窒化方法及びガス軟窒化方法と、これら処理方法に好適に用いることができる装置を提供する。
【解決手段】ガス窒化炉2に実質的にアンモニアガスのみを供給してアンモニアガスとアンモニア分解ガス中で上記被処理品の表面に窒化層を形成するに際して、上記アンモニアガスを第1の経路6と第2の経路7からそれぞれ供給し、第1の経路6からは連続的に供給する一方、上記炉内の水素分圧PH2を検出し、その検出値が炉内雰囲気の窒化ポテンシャルを所望の値とすべく予め算出された水素分圧となるように第2の経路7からのアンモニアガス供給をオン−オフ制御する。
【選択図】図2

Description

本発明は、簡単なシステムによる高精度の雰囲気制御が可能で、設備コスト、操業コストの削減が可能なガス窒化方法、ガス軟窒化方法と、これら処理方法に好適に用いることができるガス窒化装置、ガス軟窒化装置に関するものである。
ガス窒化処理は、部品表面の拡散層に、AlやCr等の合金成分と窒素との化合物を生成させることによって、強度、耐摩耗性、耐摩擦性、耐かじり性の向上を図る表面硬化処理であって、アンモニアガスと窒素ガスの混合ガスや、アンモニアガスとアンモニア分解ガスの混合ガスを処理炉内に供給することによって処理がなされる。
一方、ガス軟窒化処理は、炭素鋼などの表面に、鉄と窒素の硬い化合物層を生成させることによって、同様に耐摩耗性、耐摩擦性、耐かじり性の向上を図る処理であって、アンモニアガスとRXガスの混合ガス、アンモニアガスと窒素ガスと炭酸ガスとの混合ガス等を処理炉内に導入することによって行われる。
これらガス窒化処理やガス軟窒化処理は、浸炭処理や浸炭窒化処理と比べて、処理温度が低く、急冷(焼入れ)処理が不要であることから、歪みの少ない表面硬化処理として種々の鋼製部品に適用されている。
このような混合ガスを用いる表面硬化処理において、炉内雰囲気を検知して、これを制御することは、使用するセンサーの特性や性能面から一般に難しく、炉内雰囲気を参照することなく、混合ガスを過剰に供給するようなことをしていたことから、過剰窒化の他、操業コストや環境面での問題が懸念されていた。
これに対して、特許文献1には、炉内ガスの熱伝導度に基づいて、水素濃度を検出して炉内ガス組成を演算し、この結果に基づいて炉内導入ガスの比率を決定することが提案されている。
特開2011−26627号公報
すなわち、上記引用文献1に記載の表面硬化処理方法においては、処理炉内で水素を発生する少なくとも1種類の炉内導入ガスを含む複数種類の炉内導入ガスを処理炉内へ導入して、処理炉内に配置した被処理品の表面硬化処理を行うに際して、処理炉内の炉内ガスの熱伝導度に基づいて、炉内ガスの水素濃度を検出し、その水素濃度に基づいて、炉内ガス組成を演算し、当該炉内ガス組成と予め設定した設定炉内ガス混合比率に応じて、炉内ガス組成が設定炉内ガス混合比率となるように、複数種類の炉内導入ガスの処理炉内への導入量の比率を一定値に保持した状態で、合計導入量を制御したり、炉内導入ガス流量比率が変化するように複数種類の炉内導入ガスの導入量を個別に制御したりするようにしている。
しかしながら、上記公報に記載の方法においては、アンモニアガスと窒素ガスの混合ガス(ガス窒化処理)や、アンモニアガスと窒素ガスと炭酸ガスとの混合ガス(ガス軟窒化)を使用していることから、窒素ガスや炭酸ガスの介在によってアンモニアガスの分解率が変化する。したがって、水素濃度を検出するだけでは、窒化ポテンシャルを正確に求めることができず、水素濃度をフィードバックしても、窒化ポテンシャルを一定に制御することは不可能であって、高精度、高品質な処理が難しいという問題があった。
本発明は、従来のガス窒化処理あるいはガス軟窒化処理における上記のような課題を解決すべくなされたものであって、その目的とするところは、簡単なシステムにも拘わらず高精度の雰囲気制御ができ、消費ガス量の低減が可能なガス窒化方法及びガス軟窒化方法と、これら処理方法に好適に用いることができる装置を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、炉内の被処理品が処理温度に均熱された後、すなわち窒化処理中における炉内供給ガスを実質的にアンモニアガスのみとし、炉内へアンモニアガスを大小2つの経路を介して供給するようにした。そして、第1の経路から比較的少量のアンモニアガスを炉内に連続的に供給する一方、炉内の水素分圧を検出し、この水素分圧を一定に保持するべく、第2の経路からのアンモニアガスの供給をオン−オフ制御することによって、上記目的が達成できることを見出し、本発明を完成するに到った。
すなわち、本発明は上記知見に基づくものであって、本発明のガス窒化方法においては、気密性雰囲気炉中に収納した被処理品を不活性ガス中、又は不活性ガスとアンモニアガス中で所定の処理温度に昇温した後、処理温度に保持しながら、炉内にアンモニアガスを供給してアンモニアガスとアンモニア分解ガス中で上記被処理品の表面に窒化層を形成するに際して、上記アンモニアガスを第1の経路と第2の経路からそれぞれ供給し、第1の経路からは連続的に供給する一方、上記雰囲気炉内の水素分圧を検出し、その検出値が炉内雰囲気の窒化ポテンシャルを所望の値とすべく予め算出された水素分圧となるように第2の経路からのアンモニアガス供給をオン−オフ制御することを特徴としている。
また、本発明のガス軟窒化方法においては、気密性雰囲気炉中に収納した被処理品を不活性ガス中、又は不活性ガスとアンモニアガス中で所定の処理温度に昇温した後、処理温度に保持しながら、炉内にアンモニアガス及び炭酸ガスを供給してアンモニアガスとアンモニア分解ガスと炭酸ガス中で上記被処理品の表面に窒化層を形成するに際して、上記アンモニアガス及び炭酸ガスを第1の経路と第2の経路からそれぞれ供給し、第1の経路からはそれぞれ連続的に供給する一方、上記雰囲気炉内の水素分圧を検出し、その検出値が炉内雰囲気の窒化ポテンシャルを所望の値とすべく予め算出された水素分圧となるように第2の経路からのアンモニアガス及び炭酸ガスの供給をオン−オフ制御することを特徴とする。
そして、本発明のガス窒化装置は、上記ガス窒化方法に好適に用いることができ、被処理品を収納する気密性雰囲気炉と、上記炉内を加熱する加熱手段と、上記炉内を所定温度に保持する炉内温度制御手段と、上記炉内の気圧を大気圧以上に保持する炉内圧力制御手段と、上記炉内にアンモニアガスを連続的に供給する第1アンモニア供給手段と、上記炉内にアンモニアガスを断続的に供給する第2アンモニア供給手段と、上記炉内に不活性ガスを供給する不活性ガス供給手段と、上記炉内の水素分圧を検出する水素センサーと、上記水素センサーによる炉内水素分圧の検出値に応じて、上記第2アンモニア供給手段からのアンモニア供給をオン−オフ制御する雰囲気制御手段を備えたことを特徴とする。
また、本発明のガス軟窒化装置は、上記ガス軟窒化方法に好適に用いることができ、被処理品を収納する気密性雰囲気炉と、上記炉内を加熱する加熱手段と、上記炉内を所定温度に保持する炉内温度制御手段と、上記炉内の気圧を大気圧以上に保持する炉内圧力制御手段と、上記炉内にアンモニアガスを連続的に供給する第1アンモニア供給手段と、上記炉内にアンモニアガスを断続的に供給する第2アンモニア供給手段と、上記炉内に炭酸ガスを連続的に供給する第1炭酸ガス供給手段と、上記炉内に炭酸ガスを断続的に供給する第2炭酸ガス供給手段と、上記炉内に不活性ガスを供給する不活性ガス供給手段と、上記炉内の水素分圧を検出する水素センサーと、上記水素センサーによる炉内水素分圧の検出値に応じて、上記第2アンモニア供給手段及び第2炭酸ガス供給手段からのガス供給をオン−オフ制御する雰囲気制御手段を備えたことを特徴としている。
また、上記第1アンモニア供給手段と第1炭酸ガス供給手段、及び第2アンモニア供給手段と第2炭酸ガス供給手段をそれぞれ一体化して、第1ガス供給手段、及び第2ガス供給手段とし、これら供給手段からアンモニアガスと炭酸ガスの混合ガスを供給するようになすこともできる。
すなわち、被処理品を収納する気密性雰囲気炉と、上記炉内を加熱する加熱手段と、上記炉内を所定温度に保持する炉内温度制御手段と、上記炉内の気圧を大気圧以上に保持する炉内圧力制御手段と、上記炉内にアンモニアガス及び炭酸ガスを連続的に供給する第1ガス供給手段と、上記炉内にアンモニアガス及び炭酸ガスを断続的に供給する第2ガス供給手段と、上記炉内に不活性ガスを断続的に供給する不活性ガス供給手段と、上記炉内の水素分圧を検出する水素センサーと、上記水素センサーによる炉内水素分圧の検出値に応じて、上記第2ガス供給手段からのガス供給をオン−オフ制御する雰囲気制御手段を備えたものとすることができる。
本発明によれば、処理時のガス供給を実質的にアンモニアガスのみとしたことから、炉内水素分圧を一定に制御することにより、炉内雰囲気の窒化ポテンシャルを所望の値に保持することができ、処理精度が向上すると共に、供給ガスの無駄がなくなり、操業コストや排出ガスの処理コストが低減できる。また、窒化処理温度ではアンモニアガスの分解が極めて遅いので、この反応を制御するために、アンモニアガスの供給を炉内水素分圧に基づくオン−オフ制御とすると共に、これとは別経路からも連続的に供給するようにし、炉内水素濃度のハンチングや負圧化が防止され、制御性が向上して再現性に優れた処理が可能になる。
窒化生成相に及ぼす窒化ポテンシャルKnと処理温度の関係を示すレーラー状態図の一例である。 本発明によるガス窒化装置の構造を示す概略図である。 本発明のガス窒化方法における雰囲気制御の概略を示すタイムチャートである。 本発明によるガス軟窒化装置の構造を示す概略図である。 本発明のガス窒化方法における雰囲気制御の概略を示すタイムチャートである。 本発明によるガス窒化処理の実施例における温度と供給ガスの時間的関係を示すタイムチャートである。 本発明によるガス軟窒化処理の実施例における温度と供給ガスの時間的関係を示すタイムチャートである。
以下に、本発明のガス窒化方法及びガス軟窒化方法について、これらの用いる装置の構造と共に、図面を参照しながら、さらに具体的かつ詳細に説明する。
本発明のガス窒化あるいはガス軟窒化方法においては、上記したように、窒化ガスとして実質的にアンモニアガスのみを炉内に供給するようにしており、以下に説明するように、炉内の水素濃度(分圧)を検知することによって、炉内雰囲気の窒化ポテンシャルを求めることができる。したがって、炉内の水素分圧を所望の窒化処理を施すのに必要な窒化ポテンシャルとなるような値に保持することによって、過不足のない目標どおりの窒化処理が可能となり、供給ガスの無駄も解消されることになる。
このとき、本発明においては、アンモニアガスの供給を2系統に分割し、第1の経路からはアンモニアガスを連続的に供給することにより、炉内が負圧とならないようにして大気の混入を防止する一方、第2の経路からのアンモニアガスの供給を上記水素分圧の検出値に応じてオン−オフ制御するようにしている。これによって、制御の遅れによる炉内水素濃度、言い換えると窒化ポテンシャルのハンチングが防止され、雰囲気制御の精度が向上し、ばらつきのない再現性に優れた処理が可能になる。
ここで、窒化ポテンシャルKnとは、炉内雰囲気の窒化力を示す指標であって、次式によって表される。
Kn=PNH3/PH2 3/2
(式中のPNH3 はアンモニア(NH)の分圧、PH2は水素(H)の分圧を示す)
次に、この窒化ポテンシャルKnと水素濃度の関係について説明する。
すなわち、炉内に供給されたアンモニアガス(NH)は次式に基づいて、窒素(N)と水素(H)とに熱分解する。
NH → (1/2)N + (3/2)H
ここで、アンモニアガスの単位量を炉内に導入したとき、アンモニアガスの分解率をαとすれば、未分解アンモニア量は1−α、発生窒素量はα/2、発生水素量は3α/2となり、これらガスの総量は1+αとなる。
したがって、アンモニア分圧PNH3、窒素分圧PN2、水素分圧PH2は、次のようになる。
NH3=(1−α)/(1+α) ・・・ (1)
N2 =1/2・α/(1+α) ・・・ (2)
H2 =3/2・α/(1+α) ・・・ (3)
上記(1)〜(3)からαを消去して、PNH3及びPN2をそれぞれPH2で表すと、
NH3=(3−4PH2)/3
N2 =PH2/3
となることから、上記窒化ポテンシャルKn=PNH3/PH2 3/2は、
Kn=(3−4PH2)/3PH2 3/2=(1−4PH2/3)/PH2 3/2
と算出され、炉内の水素分圧PH2を検出することによって、炉内雰囲気の窒化ポテンシャルKnが求められることになる。
表1及び2は、上記関係式から、水素分圧PH2と窒化ポテンシャルKnの関係を表に纏めたものであって、所望の窒化層を形成するために必要な窒化ポテンシャルKnが定まれば、これらの表から、目的の窒化ポテンシャルKnとするための水素分圧PH2を求めるこ
なお、本発明のガス軟窒化処理においては、アンモニアガスと共に炭酸ガスが供給されるが、その量はアンモニアガスに対して3〜5%程度と微量なので、ほとんど無視できることが確認されている。
Figure 2013249524
Figure 2013249524
図1は、レーラー状態図として知られた、窒化生成相に及ぼす窒化ポテンシャルKnと処理温度の関係を示した状態図であって、鋼部品にガス窒化(あるいは軟窒化)処理を施すに際して、目的とする相組成の窒化層を形成するために必要な窒化ポテンシャルKnを求めるのに利用することができる。
但し、上記したレーラー状態図は、純鉄から成るワーク表面の窒化ポテンシャルと炉内雰囲気の窒化ポテンシャルが一致する平衡状態をベースに作成されているので、非平衡状態となる実操業では、鋼種によって多少の誤差が生じることが考えられる。
したがって、このような場合、あるいは炭酸ガスの添加量が比較的多い軟窒化処理の場合などには、必要に応じて、若干の予備試験によって補正し、予め必要な窒化ポテンシャルを求めておくことが望ましい。
図2は、本発明のガス窒化方法に用いる装置の一例を示すものであって、図に示すガス窒化装置1は、ガス窒化炉(気密性雰囲気炉)2を備えている。
このガス窒化炉2の内部は、セラミックファイバーなどから成る断熱材によって内張りされており、図には省略されているが、この断熱材の内壁に沿ってヒーターなどの加熱手段が配置され、炉内に収納された被処理品を加熱するようにしてある。また、炉内の温度を検出する温度センサー(熱電対)と共に、当該センサーによる検出温度に基づいて、加熱手段への電力供給を調整して、炉内を所定温度に保持する炉内温度制御手段を備えている。さらには、炉内雰囲気を攪拌するためのファンも設置されている。なお、上記温度センサーからの温度情報は、後述する炉内雰囲気制御手段8にも入力されるようになっている。
ガス窒化炉2には、炉内の気圧を検出する圧力計3a、炉内のガスを排出するためのバルブ3bと共に、炉内圧力制御手段3を備え、圧力計3aによる検出値に応じてバルブ3bの開度を調整し、炉内圧力が負圧にならないように保持して、炉内への大気流入を防止するようにしている。
上記バルブ3bは、Ni系の触媒を内蔵する分解炉4に連結されており、ガス窒化炉2内における処理で消費されなかった余剰のアンモニアガスは、ここで分解され、排出ガスに含まれる可燃性ガス成分と共に燃焼した上で、大気に放出される。
上記ガス窒化炉2には、炉内の水素分圧を検出するための水素センサー5が設置してある一方、窒化ガスとしてのアンモニアガス(NH)を供給するための第1アンモニア供給手段6と、第2アンモニア供給手段7とがそれぞれ連結されている。
そして、上記水素センサー5からの検出信号は、炉内雰囲気制御手段8に出力され、この炉内雰囲気制御手段8は、上記第1アンモニア供給手段6、第2アンモニア供給手段7及び後述する不活性ガス供給手段9にバルブ開閉信号を出力するようになっている。
上記水素センサーとしては、例えば、水素分子透過性を備えた測定管によるもの(例えば、独Ipson社製:HydroNit−sonde)を用いることができるが、炉体に直接装着することができ、炉内の水素濃度を連続的に測定できる点から、熱伝導式センサー(例えば、独Stange社製:SE:H2)を用いることが望ましい。
第1アンモニア供給手段6は、アンモニアガスの流量を調整する手動バルブ6aと、この供給経路を開閉する電磁バルブ6bを備えており、ガス窒化処理中には、炉内雰囲気に拘わらず、手動バルブ6aにより調整した比較的少量のアンモニアガスを常時、連続的に炉内に供給するようになっている。
一方、第2アンモニア供給手段7も、同様に手動バルブ7aと電磁バルブ7bを備えており、上記手動バルブ7aは比較的大きな開度に調整されている。そして、ガス窒化処理に際しては、上記水素センサー5による炉内水素分圧を参照して出力される炉内雰囲気制御手段8から信号に応じて電磁バルブ7bが開閉駆動されるようになっている。すなわち、当該第2供給手段7から炉内へのアンモニア供給をオン−オフ制御することにより、炉内の水素分圧を所定の値に保持することができる。
さらに、ガス窒化炉2には、処理の開始時と終了時に、炉内の反応性ガスを排除するための不活性ガスして、この実施例では不活性ガスとして窒素ガス(N)の供給手段9が接続されている。
この不活性ガス供給手段9も、同様の手動バルブ9aと電磁バルブ9bを備えており、炉内雰囲気制御手段8から信号に応じて電磁バルブ9bを開き、手動バルブ9aにより調整された量の窒素ガスを炉内に供給するようになっている。
次に、上記装置を用いたガス窒化処理要領について、図3に基づいて説明する。
処理に先立って、第1アンモニア供給手段6、第2アンモニア供給手段7及び不活性ガス供給手段9の手動バルブ6a、7a及び9aの開度をそれぞれ手動で調整し、それぞれのガス供給量を調整しておく。以後、これら供給手段からのガス供給は、炉内雰囲気制御手段8からの信号に基づく電磁バルブ6b、7b及び9bの開閉によって行われ、これら手動バルブ6a、7a及び9aの開度は固定されることになる。
なお、上記第1アンモニア供給手段6、第2アンモニア供給手段7及び不活性ガス供給手段9からのガス供給量は、時間当たりの流量として、窒化炉2の炉内容積のそれぞれ20〜60%、50〜150%及び40〜100%程度とすることが望ましい。
まず、処理済みワークの冷却や炉内からの取り出し、これに続く被処理品(ワーク)の炉内への装入に際しては、不活性ガス供給手段9の電磁バルブ9bが開放され、この例では窒素ガスを炉内に供給し、炉内の窒化性ガスが排出される。
そして、被処理品の炉内設置が完了したのち、加熱手段としてのヒーターへの通電が行われ、昇温が開始されるが、炉内温度が所定の処理温度に到達するまで、不活性ガス供給手段9からの窒素の供給が続けられる。
一方、昇温が開始されると共に、第1アンモニア供給手段6の電磁バルブ6bが開放駆動され、当該供給手段6からの比較的少量のアンモニアガス供給が開始される。このとき、アンモニアガスの供給量が多いと、温度むらのある昇温過程の被処理品の高温部分のみが不均一に窒化されてしまうことがあり得るので、上記したように、供給量を少なく抑えることが望ましい。
この第1アンモニア供給手段6からのアンモニア供給は、窒化処理が終了し、被処理品の降温が開始されるまで連続して行われる。
そして、炉内温度が所定の処理温度に到達すると、第2アンモニア供給手段7の電磁バルブ7bが開放駆動され、当該供給手段7からの比較的大量のアンモニアガスの供給が開始され、窒素ガスを多く含む炉内ガスが排出される。
炉内温度が所定温度に到達したのち、若干の時間が経過して被処理品の温度が窒化処理温度に到達すると、雰囲気制御、すなわち炉内の水素分圧を予め求めておいた値に保持するべく、水素センサー5による検出値に応じて、電磁バルブ7bを開閉させることによるアンモニア供給のオン−オフ制御が開始される。
これによって、炉内雰囲気が目的とする窒化処理に見合った窒化ポテンシャルに維持され、被処理品の表面に所望厚さ、硬度を備えた窒化層を形成することができる。
図4は、本発明のガス軟窒化方法に用いる装置の一例を示すものであって、図に示すガス軟窒化装置10は、ガス軟窒化炉(気密性雰囲気炉)11を備えている。
このガス軟窒化装置10は、炭酸ガス供給手段12,13をさらに備えていることを除いて、雰囲気炉の構造をも含めて、基本的に前述のガス窒化装置1と変わるところはなく、同一部分については、同一符号を付すことによって説明を省略する。
すなわち、上記ガス軟窒化装置10は、ガス供給系として、上記第1及び第2のアンモニア供給手段6及び2、不活性ガス供給手段9に加えて、炉内に炭酸ガスを供給するための第1及び第2の炭酸ガス供給手段12及び13を備えている。
第1炭酸ガス供給手段12は、炉内に供給する炭酸ガスの流量を調整する手動バルブ12aと、この供給経路を開閉する電磁バルブ12bを備えており、ガス軟窒化処理に際して、炉内雰囲気に拘わらず、手動バルブ12aにより調整した比較的少量の炭酸ガスを連続的に炉内に供給するものである。
これに対し、第2炭酸ガス供給手段13も、同様に手動バルブ13aと電磁バルブ13bを備えており、上記手動バルブ13aは比較的大きな開度に調整されている。そして、ガス軟窒化処理に際しては、上記水素センサー5による炉内水素分圧を参照して出力される炉内雰囲気制御手段8から信号に応じて電磁バルブ13bが開閉駆動されるようになっている。すなわち、電磁バルブ13bの開閉によって、当該第2供給手段13から炉内への炭酸ガス供給がオン−オフ制御される。
次に、図5に基づいて、上記装置を用いたガス軟窒化処理要領について説明する。
処理に先立って、同様に、第1及び第2アンモニア供給手段6及び7、不活性ガス供給手段9の手動バルブ6a、7a及び9aの開度をそれぞれ手動で調整し、それぞれのガス供給量を調整すると共に、第1及び第2炭酸ガス供給手段12及び13の手動バルブ12a及び12aの開度をそれぞれ手動で調整しておく。
なお、第1炭酸ガス供給手段12及び第2炭酸ガス供給手段13からのガス供給量は、時間当たりの流量として、軟窒化炉11の炉内容積のそれぞれ1〜3%及び3〜9%程度となるように、手動バルブ12a及び13aの開度を調整しておくことが望ましい。
処理終了から、次の被処理品の昇温開始までの間、不活性ガス供給手段9の電磁バルブ9bを開放して窒素ガスを炉内に供給する。そして、被処理品の炉内設置が完了したのち、加熱手段としてのヒーターへの通電が開始されるが、炉内温度が所定の処理温度に到達するまで、不活性ガス供給手段9からの窒素の供給が続けられる。
昇温が開始されると共に、第1アンモニア供給手段6の電磁バルブ6bが開放駆動され、比較的少量のアンモニアガス供給が開始され、この第1アンモニア供給手段6からのアンモニア供給は、窒化処理が終了し、被処理品の降温が開始されるまで連続して行われる。
そして、炉内温度が所定の処理温度に到達すると、第2アンモニア供給手段7、第1炭酸ガス供給手段12及び第2炭酸ガス供給手段13の電磁バルブ7b、12a及び12bがそれぞれ開放される。これによって、第2アンモニア供給手段7からの比較的大量のアンモニアガスと共に、第1炭酸ガス供給手段12からの比較的少量の炭酸ガス、第2炭酸ガス供給手段13からの比較的大量の炭酸ガスの供給がそれぞれ開始され、窒素ガスを多く含む炉内ガスが排出される。
炉内温度が所定温度に到達したのち、若干の時間が経過して被処理品の温度が窒化処理温度に到達すると、雰囲気制御、すなわち炉内の水素分圧を予め求めておいた値に保持するべく、水素センサー5による検出値に応じて、電磁バルブ7bを開閉させることによるアンモニア供給のオン−オフ制御が開始される。このとき、第2炭酸ガス供給手段13からの炭酸ガス供給も、アンモニア供給と同様にオン−オフ制御される。
これによって、炉内雰囲気が目的とする窒化処理に見合った窒化ポテンシャルに維持され、被処理品の表面に所望厚さ、硬度を備えた窒化層を形成することができる。
なお、軟窒化処理の終了前に、電磁バルブ12a及び12bを閉じ、第1及び第2炭酸ガス供給手段12及び12からの炭酸ガス供給を遮断して、炉内の炭酸ガス濃度を減らすことにより、冷却中の炭酸アンモニウムの析出を抑えることができる。
上記したガス軟窒化処理装置においては、第1及び第2アンモニア供給手段6及び7と、第1及び第2炭酸ガス供給手段12及び13をそれぞれ独立に備えたものを例示した。しかし、第1アンモニア供給手段6と第1炭酸ガス供給手段12を一体化して第1ガス供給手段(連続供給用)とする一方、第2アンモニア供給手段7と第2炭酸ガス供給手段13を一体化して第2ガス供給手段(オン−オフ制御用)として、それぞれの供給手段からアンモニアガスと炭酸ガスの混合ガスを供給するようにしてもよい。
以下、本発明を実施例に基づいて、具体的に説明するが、本発明はこのような実施例によって限定されるものではない。
〔実施例1(ガス窒化)〕
JIS G4404に規定される熱間工具鋼SKD61から成る試験片(直径15mm、高さ30mm)を用意した。
そして、このような試験片の表面に、硬化層厚さが50μm、表面硬さがマイクロビッカース硬さで1000程度の窒化層を形成することを目的として、図2に示したような構造を有し、1000mm径×1500mm高さの炉内有効寸法を備えたピット型ガス窒化炉中において、図6に示す処理サイクルによるガス窒化処理を施した。
図6に示すように、窒化処理温度を490℃に設定し、不活性ガス供給手段9からの窒素ガス供給量、第1アンモニア供給手段6からのアンモニアガス供給量(小)、及び第2アンモニア供給手段7からのアンモニアガス供給量(大)については、手動バルブ9a、6a、7aによって、次のように調整した。
窒素ガス(N) : 2Nm/時間
アンモニアガス(NH:小) : 1Nm/時間
アンモニアガス(NH:大) : 2.4Nm/時間
すなわち、図6に示すように、試験片を炉内に収納した後、不活性ガス供給手段9から窒素ガスを供給して炉内雰囲気を窒素に置換した状態で、当該窒素ガスを供給しながら昇温を開始する。
昇温開始と同時に、あるいはある程度炉内温度が上昇した時点で、電磁バルブ6bを開放駆動することにより、第1アンモニア供給手段6からの少量のアンモニアガス供給を開始する。このアンモニアガスの少量供給は、処理が終了するまで継続される。
炉内雰囲気温度が490℃の処理温度に到達すると、電磁バルブ7bが開放駆動され、、第2アンモニア供給手段7からの大量のアンモニアガス供給が開始される。
そして、炉内温度が490℃に昇温した後、30分程度経過して、試験片温度が490℃の処理温度に均一化し、アンモニアガスの分解が始まった時点で、炉内雰囲気制御が開始され、電磁バルブ7bの開閉によるアンモニアガスのオン−オフ制御が実行される。
この雰囲気制御に際しては、上記した厚さ、硬さの窒化層とするための窒化ポテンシャルKnが「56」であることが予め求めてあるので、炉内雰囲気の窒化ポテンシャルKnを56とするために、炉内水素分圧PH2を表1から求めた0.065(6.5%)の値に維持する制御が行われる。
そして、このようなアンモニアガスのオン−オフ制御を2時間半継続させたのち、第2アンモニア供給手段7からのガス供給が停止され、ガス窒化処理が終了し、加熱手段であるヒーターへの通電停止により、炉内温度を低下させる。このとき、不活性ガス供給手段9からの窒素ガス供給が再開される。
上記ガス窒化処理を終えた試験片について、マイクロビッカース硬度計によってその硬度分布を測定し、窒化層の形成状況を確認した。
その結果は、表3に示すとおりであって、硬化層厚さが約50μm、表面硬さ1046Hvであって、ほぼ目標どおりの窒化層が形成されていることが確認された。
Figure 2013249524
なお、当該ガス窒化処理に要したアンモニアガスの消費量は、約7.5mであって、従来の方法によって、炉内水素分圧PH2を制御することなく同様の窒化処理を行うために要したアンモニアガス量10〜15mに較べて、40%程度の削減が可能であることが判明した。
〔実施例2(ガス軟窒化)〕
JIS G5702に規定される鋼黒芯可鍛鋳鉄FCD450から成る試験片(直径15mm、高さ30mm)を用意し、その表面に、表面硬さが500〜800Hvで、5〜20μm程度の化合物層(白層)を形成すべく、図4に示したような構造を有し、760mm幅×1200mm長さ×800mm高さの炉内有効寸法を備えたガス軟窒化炉中において、図7に示す処理サイクルによるガス軟窒化処理を施した。
図7に示すように、処理温度を570℃に設定し、不活性ガス供給手段9からの窒素ガス供給量、第1アンモニア供給手段6からのアンモニアガス供給量(小)、及び第2アンモニア供給手段7からのアンモニアガス供給量(大)については、手動バルブ9a、6a、7aによって、次のように調整した。また、第1炭酸ガス供給手段12からの炭酸ガス供給量(小)、及び第2炭酸ガス供給手段13からの炭酸ガス供給量(大)については、手動バルブ12a及び13aによって、次のように調整した。
窒素ガス(N) : 1Nm/時間
アンモニアガス(NH:小) : 1Nm/時間
アンモニアガス(NH:大) : 4Nm/時間
炭酸ガス(CO:小) : 1NL/時間
炭酸ガス(CO:大) : 4NL/時
すなわち、図7に示すように、試験片を炉内に収納した後、不活性ガス供給手段9から窒素ガスを供給して炉内雰囲気を窒素に置換した状態で、当該窒素ガスを供給しながら昇温を開始する。
昇温開始と同時に、あるいはある程度炉内温度が上昇した時点で、電磁バルブ6bを開放駆動することにより、第1アンモニア供給手段6からの少量のアンモニアガス供給を開始する。このアンモニアガスの少量供給は、処理が終了するまで継続される。
炉内雰囲気温度が570℃の処理温度に到達すると、電磁バルブ7bが開放駆動され、、第2アンモニア供給手段7からの大量のアンモニアガス供給が開始される。これと同時に、電磁バルブ12b及び13bが開放駆動され、第1炭酸ガス供給手段12からの少量の炭酸ガスと、第2炭酸ガス供給手段13からの大量の炭酸ガス供給が開始される。
そして、炉内温度が570℃に昇温した後、1時間程度経過して、試験片温度が570℃の処理温度に均一化し、窒素ガスがほとんど排出され、アンモニアガスの分解が始まった時点で、炉内雰囲気制御が開始され、電磁バルブ7bの開閉によるアンモニアガスのオン−オフ制御が実行される。そして、電磁バルブ7bの開閉駆動に連動して第2炭酸ガス供給手段13の電磁バルブ13bの開閉も開始される。
この雰囲気制御に際しては、上記した化合物厚さ、表面硬さの軟窒化層とするための窒化ポテンシャルKnが「3.7」であることが予め求めてあるので、炉内雰囲気の窒化ポテンシャルKnを3.7とするために、炉内水素分圧PH2を表1から求めた0.30(30%)の値に維持する制御が行われる。
そして、このようなアンモニアガス及び炭酸ガス供給のオン−オフ制御を2時間続けた時点で、第1及び第2の炭酸ガス供給手段12及び13からの炭酸ガスの供給が、先ず停止される。一方、第1アンモニア供給手段6からのアンモニアガスの少量連続的な供給と、第2アンモニア供給手段7からのアンモニアガスのオン−オフ制御は、さらに1時間継続される。
炭酸ガスの供給停止から1時間経過した時点で、第1及び第2アンモニア供給手段6及び7からのアンモニアガスの供給が停止され、ガス軟窒化処理が終了する。そして、加熱手段であるヒーターへの通電停止により、炉内温度を低下させる。このとき、不活性ガス供給手段9からの窒素ガス供給が再開される。
上記処理を終えた試験片について、マイクロビッカース硬度計によってその硬度分布を測定し、軟窒化層の形成状況を確認した。
その結果は、化合物層の厚さについては9.2μm、表面硬さは786Hvであって、ほぼ目標どおりの軟窒化層が形成されていることが確認された。
なお、以上のガス軟窒化処理に要したアンモニアガスの消費量は、約15mであって、従来の方法によって、炉内水素分圧PH2を制御することなく同様の窒化処理を行うために要したアンモニアガス量20〜30mに較べて、40%程度の削減が可能であることが判明した。
1 ガス窒化装置
2 ガス窒化炉(気密性雰囲気炉)
3 炉内圧力制御手段
5 水素センサー
6 第1アンモニア供給手段
7 第2アンモニア供給手段
8 炉内雰囲気制御手段
9 不活性ガス供給手段
10 ガス軟窒化装置
11 ガス軟窒化炉(気密性雰囲気炉)
12 第1炭酸ガス供給手段
13 第2炭酸ガス供給手段

Claims (11)

  1. 気密性雰囲気炉中に収納した被処理品を不活性ガス中、又は不活性ガスとアンモニアガス中で所定の処理温度に昇温した後、当該処理温度に保持しながら、上記炉内にアンモニアガスを供給してアンモニアガスとアンモニア分解ガス中で上記被処理品の表面に窒化層を形成するガス窒化方法において、
    上記アンモニアガスを第1の経路と第2の経路からそれぞれ供給し、第1の経路からは連続的に供給する一方、
    上記雰囲気炉内の水素分圧を検出し、その検出値が炉内雰囲気の窒化ポテンシャルを所望の値とすべく予め算出された水素分圧となるように第2の経路からのアンモニアガス供給をオン−オフ制御することを特徴とするガス窒化方法。
  2. 上記水素分圧が次式によって算出されることを特徴とする請求項1に記載のガス窒化方法。
    Kn=(1−4PH2/3)/PH2 3/2
    (式中のKnは窒化ポテンシャル、PH2は水素分圧を示す)
  3. 上記水素分圧の検出を雰囲気炉に装着された熱伝導式センサーによって行うことを特徴とする請求項1又は2に記載のガス窒化方法。
  4. 気密性雰囲気炉中に収納した被処理品を不活性ガス中、又は不活性ガスとアンモニアガス中で所定の処理温度に昇温した後、当該処理温度に保持しながら、上記炉内にアンモニアガス及び炭酸ガスを供給してアンモニアガスとアンモニア分解ガスと炭酸ガス中で上記被処理品の表面に窒化層を形成するガス軟窒化方法において、
    上記アンモニアガス及び炭酸ガスを第1の経路と第2の経路からそれぞれ供給し、第1の経路からはそれぞれ連続的に供給する一方、
    上記雰囲気炉内の水素分圧を検出し、その検出値が炉内雰囲気の窒化ポテンシャルを所望の値とすべく予め算出された水素分圧となるように第2の経路からのアンモニアガス及び炭酸ガスの供給をオン−オフ制御することを特徴とするガス軟窒化方法。
  5. 上記水素分圧が次式によって算出されることを特徴とする請求項4に記載のガス軟窒化方法。
    Kn=(1−4PH2/3)/PH2 3/2
    (式中のKnは窒化ポテンシャル、PH2は水素分圧を示す)
  6. 上記水素分圧の検出を雰囲気炉に装着された熱伝導式センサーによって行うことを特徴とする請求項4又は5に記載のガス軟窒化方法。
  7. 被処理品を収納する気密性雰囲気炉と、
    上記炉内を加熱する加熱手段と、
    上記炉内を所定温度に保持する炉内温度制御手段と、
    上記炉内の気圧を大気圧以上に保持する炉内圧力制御手段と、
    上記炉内にアンモニアガスを連続的に供給する第1アンモニア供給手段と、
    上記炉内にアンモニアガスを断続的に供給する第2アンモニア供給手段と、
    上記炉内に不活性ガスを供給する不活性ガス供給手段と、
    上記炉内の水素分圧を検出する水素センサーと、
    上記水素センサーによる炉内水素分圧の検出値に応じて、上記第2アンモニア供給手段からのアンモニア供給をオン−オフ制御する雰囲気制御手段を備えたことを特徴とするガス窒化装置。
  8. 上記水素センサーが熱伝導式の直接装着型センサーであることを特徴とする請求項7に記載のガス窒化装置。
  9. 被処理品を収納する気密性雰囲気炉と、
    上記炉内を加熱する加熱手段と、
    上記炉内を所定温度に保持する炉内温度制御手段と、
    上記炉内の気圧を大気圧以上に保持する炉内圧力制御手段と、
    上記炉内にアンモニアガスを連続的に供給する第1アンモニア供給手段と、
    上記炉内にアンモニアガスを断続的に供給する第2アンモニア供給手段と、
    上記炉内に炭酸ガスを連続的に供給する第1炭酸ガス供給手段と、
    上記炉内に炭酸ガスを断続的に供給する第2炭酸ガス供給手段と、
    上記炉内に不活性ガスを供給する不活性ガス供給手段と、
    上記炉内の水素分圧を検出する水素センサーと、
    上記水素センサーによる炉内水素分圧の検出値に応じて、上記第2アンモニア供給手段及び第2炭酸ガス供給手段からのガス供給をオン−オフ制御する雰囲気制御手段を備えたことを特徴とするガス軟窒化装置。
  10. 被処理品を収納する気密性雰囲気炉と、
    上記炉内を加熱する加熱手段と、
    上記炉内を所定温度に保持する炉内温度制御手段と、
    上記炉内の気圧を大気圧以上に保持する炉内圧力制御手段と、
    上記炉内にアンモニアガス及び炭酸ガスを連続的に供給する第1ガス供給手段と、
    上記炉内にアンモニアガス及び炭酸ガスを断続的に供給する第2ガス供給手段と、
    上記炉内に不活性ガスを供給する不活性ガス供給手段と、
    上記炉内の水素分圧を検出する水素センサーと、
    上記水素センサーによる炉内水素分圧の検出値に応じて、上記第2ガス供給手段からのガス供給をオン−オフ制御する雰囲気制御手段を備えたことを特徴とするガス軟窒化装置。
  11. 上記水素センサーが熱伝導式の直接装着型センサーであることを特徴とする請求項9又は10に記載のガス軟窒化装置。
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