JP2013238584A - ガスセンサ - Google Patents

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Abstract

【課題】PMの堆積等に起因する応答性の低下を防止することができ、耐被水性、応答性に優れたガスセンサを提供すること。
【解決手段】ガスセンサ1は、センサ素子2とハウジング13と素子カバー14とを備えている。素子カバー14は、インナカバー3とアウタカバー4とを有する。アウタカバー4は、アウタ導入孔41とアウタ排出孔42とを有する。インナカバー3は、インナ導入孔31とインナ排出孔32とを有する。アウタカバー4の外側には、アウタ導入孔41の径方向外側を所定の間隔を設けて覆うと共に先端側が開口した保護カバー5が配設されている。インナカバー3には、先端側に向かって縮径する縮径段差部33が設けられている。縮径段差部33は、軸方向Xにおいて、アウタ導入孔41とインナ導入孔31との間の位置に設けられている。インナカバー3の内径をA、センサ素子2の先端部21の最大径をBとした場合、A/B≦2.1の関係を満たす。
【選択図】図2

Description

本発明は、被測定ガス中の特定ガス濃度を検出するためのガスセンサに関する。
従来、自動車の内燃機関等の排気系に設けられ、被測定ガスである排ガス中の酸素や窒素酸化物等の特定ガス濃度を測定するガスセンサが知られている。
ガスセンサとしては、例えば、被測定ガス中の特定ガス濃度を検出するセンサ素子と、該センサ素子を内側に挿通するハウジングと、該ハウジングの先端側に配設された素子カバーとを備えたものがある。
上記ガスセンサは、センサ素子の表面に被測定ガスである排ガスが接触するように構成されている。ところが、内燃機関の低温始動時等においては、排ガス中の水蒸気が凝縮して生成する凝縮水が排ガスと共にセンサ素子に向かって飛来し、センサ素子の表面に付着することがある。ここで、センサ素子は、固体電解質体を活性化させるために高温に加熱した状態で使用される。そのため、凝縮水の付着により、センサ素子に大きな熱衝撃が加わり、被水割れが発生することがある。
例えば、特許文献1には、被水割れの対策として、センサ素子の先端部を覆うインナカバーと該インナカバーの外側に配設されたアウタカバーとからなる二重構造の素子カバーを備えたガスセンサが開示されている。
このガスセンサでは、アウタカバーの外側開口部から導入された排ガス及び凝縮水をアウタカバーとインナカバーとの間の空間において分離する。そして、凝縮水をアウタカバーの排出用開口部から排出し、排ガスをインナカバーの内側開口部から導入する。これにより、インナカバー内への凝縮水の侵入を抑制すると共、排ガスを十分に導入することができる。その結果、センサ素子の被水割れを防止すると共に、ガスセンサの応答性を十分に確保することができる。
特開2007−316051号公報
しかしながら、上記特許文献1のガスセンサを粒子状物質(以下、PMという)が発生するディーゼル等の内燃機関等に使用した場合には、排ガスと共に飛来したPMがアウタカバーに付着する。また、PMが排ガスと共にアウタカバーの外側開口部から内部に侵入し、インナカバーに付着する。そのため、アウタカバーの外側開口部近傍、インナカバーの内側開口部近傍に堆積すると、排ガスの導入が妨げられることになり、ガスセンサの応答性が低下することがある。
本発明は、かかる背景に鑑みてなされたもので、PMの堆積等に起因する応答性の低下を防止することができ、耐被水性、応答性に優れたガスセンサを提供しようとするものである。
本発明の一の態様は、被測定ガス中の特定ガス濃度を検出するセンサ素子と、
該センサ素子を内側に挿通するハウジングと、
該ハウジングの先端側に配設された素子カバーとを備え、
該素子カバーは、上記センサ素子の先端部を覆うように配設されたインナカバーと、該インナカバーの外側に配設されたアウタカバーとを有し、
該アウタカバーは、被測定ガスを導入するアウタ導入孔と、該アウタ導入孔よりも先端側に設けられたアウタ排出孔とを有し、
上記インナカバーは、上記アウタ導入孔よりも基端側に設けられた被測定ガスを導入するインナ導入孔と、該インナ導入孔よりも先端側に設けられたインナ排出孔とを有し、
上記アウタカバーの外側には、上記アウタ導入孔の径方向外側を所定の間隔を設けて覆うと共に先端側が開口した筒状の保護カバーが配設されており、
上記インナカバーには、先端側に向かって縮径する縮径段差部が設けられており、
該縮径段差部は、軸方向において、上記アウタ導入孔と上記インナ導入孔との間の位置に設けられており、
上記インナカバーの内径をA、上記センサ素子の先端部の最大径をBとした場合、A/B≦2.1の関係を満たすことを特徴とするガスセンサにある(請求項1)。
上記ガスセンサにおいて、アウタカバーの外側には、アウタ導入孔の径方向外側を所定の間隔を設けて覆うと共に先端側が開口した筒状の保護カバーが配設されている。そのため、被測定ガスと共に飛来する凝縮水や粗大なPM(例えば粒径が0.1μm以上)が直接的にアウタ導入孔からアウタカバー内(アウタカバーとインナカバーとの間の空間)に侵入すること、粗大なPMがアウタ導入孔近傍に堆積することを、アウタ導入孔を覆う保護カバーによって抑制することができる。
一方、被測定ガスは、開口した先端側から保護カバー内(保護カバーとアウタカバーとの間の空間)に入り込み、アウタ導入孔からアウタカバー内に導入される。これにより、被測定ガスをアウタカバー内に十分に導入することができる。
また、インナカバーには、先端側に向かって縮径する縮径段差部が設けられており、縮径段差部は、軸方向において、アウタ導入孔とインナ導入孔との間の位置に設けられている。そのため、例え凝縮水が被測定ガスと共にアウタ導入孔からアウタカバー内に侵入したとしても、その凝縮水をアウタ導入孔からインナ導入孔までの途中にある縮径段差部に衝突させ、凝縮水がインナ導入孔に到達することを抑制することができる。そして、縮径段差部に衝突させた凝縮水をアウタ排出孔から排出することができる。これにより、凝縮水がインナ導入孔からインナカバー内に侵入することを抑制することができる。
また、インナカバーの内径をA、センサ素子の先端部の最大径をBとした場合、A/B≦2.1の関係を満たしている。つまり、インナカバーの内径Aをセンサ素子の先端部の最大径Bの2.1倍以下としており、インナカバーとセンサ素子の先端部との間の距離を適度に小さくしている。そのため、センサ素子の先端部がヒータ等によって加熱された場合に、そのセンサ素子の熱によってインナカバーの温度を十分に高めることができる。これにより、例え微小なPM(例えば粒径が0.1μm未満)が被測定ガスと共にアウタ導入孔からアウタカバー内に侵入したとしても、その微小なPMがインナカバーに付着することを抑制することができる。
すなわち、これは熱泳動という現象を利用したものである。ここで、熱泳動とは、温度差のある空間に微小な粒子が存在する場合、高温側から受ける力が低温側から受ける力よりも大きくなるため、粒子が高温側から低温側に移動する(低温側から高温側に移動しにくくなる)現象をいう。具体的に説明すると、インナカバーとセンサ素子の先端部との間の距離を小さくし、センサ素子の熱によってインナカバーの温度を被測定ガスの温度よりも高くすることにより、被測定ガスと共にアウタカバー内に侵入した微小なPMが被測定ガス側(低温側)からインナカバー側(高温側)に移動しにくくなるように、つまりインナカバーに付着しないようにすることができる。これにより、微小なPMがインナカバーに付着し、インナ導入孔近傍に堆積することを抑制することができる。
また、アウタカバー内に侵入した微小なPMは、インナカバーに付着することなく、アウタ排出孔から排出される。また、微小なPMが被測定ガスと共にインナ導入孔からインナカバー内に侵入しても、上述した熱泳動の現象によってインナカバーに付着することはなく、最終的に被測定ガスと共にインナ排出孔から排出される。
一方、アウタカバー内に導入された被測定ガスは、アウタカバーとインナカバーとの間の空間を通ってインナ導入孔からインナカバー内に導入される。これにより、被測定ガスをインナカバー内に十分に導入することができる。
このように、上記ガスセンサは、アウタ導入孔近傍やインナ導入孔近傍へのPMの堆積等を抑制することができるため、PMの堆積等によるガスセンサの応答性の低下を防止することができる。また、素子カバー(アウタカバー、インナカバー)内への凝縮水の侵入を抑制することができるため、センサ素子の被水割れを防止することができ、耐被水性を向上させることができる。また、被測定ガスを素子カバー(アウタカバー、インナカバー)内へ十分に導入することができるため、ガスセンサの応答性を十分に確保することができる。
以上により、PMの堆積等に起因する応答性の低下を防止することができ、耐被水性、応答性に優れたガスセンサを提供することができる。
実施例1における、ガスセンサの構造を示す説明図。 実施例1における、素子カバー等を拡大して示す説明図。 図2のIII−III線矢視断面説明図。 実施例1における、素子カバー等を拡大して示す説明図。 実施例1における、素子カバー等を拡大して示す説明図。 実施例2における、素子カバー等を拡大して示す説明図。 実施例3における、素子カバー等を拡大して示す説明図。 実施例4における、A/Bの値とPM付着割合との関係を示すグラフ。 実施例4における、距離比とPM付着割合との関係を示すグラフ。 実施例4における、アウタカバーと保護カバーとの間の距離と応答時間との関係を示すグラフ。 実施例4における、アウタカバーと保護カバーとの間の距離と応答時間劣化率との関係を示すグラフ。 実施例4における、アウタカバーと保護カバーとの間の距離と被水面積との関係を示すグラフ。 実施例4における、インナカバーの縮径段差部とアウタカバーとの間の距離と応答時間との関係を示すグラフ。 実施例4における、インナカバーの縮径段差部とアウタカバーとの間の距離と応答時間劣化率との関係を示すグラフ。 実施例4における、インナカバーの縮径段差部とアウタカバーとの間の距離と被水面積との関係を示すグラフ。 実施例4における、アウタカバーの突出量と応答時間との関係を示すグラフ。 実施例4における、アウタカバーの突出量と応答時間劣化率との関係を示すグラフ。 実施例4における、アウタカバーの突出量と被水面積との関係を示すグラフ。
上記ガスセンサにおいて、上記保護カバーは、上記アウタカバーの上記アウタ導入孔の径方向外側を所定の間隔を設けて覆うように配設されている。すなわち、保護カバーは、アウタ導入孔全体を径方向外側から覆っている。したがって、ガスセンサを径方向外側から見た場合、アウタ導入孔は、保護カバーによって隠れて見えない状態となっている。
また、上記インナカバーの内径A及び上記センサ素子の先端部の最大径Bは、インナカバーとセンサ素子の先端部が径方向において対向している領域におけるインナカバーの内径及びセンサ素子の先端部の最大径である。
また、上記インナカバーの内径Aと上記センサ素子の先端部の最大径Bとの関係がA/B>2.1の場合には、センサ素子の熱によってインナカバーの温度を高める効果を十分に得ることができないおそれがある。
また、上記インナカバーの内径Aと上記センサ素子の先端部の最大径Bとの関係をA/B≦2.1とし、センサ素子の熱によってインナカバーの温度を高める場合、インナカバーの温度は、被測定ガスの温度(具体的には素子カバー内に導入された被測定ガスの温度)よりも高くなるようにする。インナカバーの温度は、例えば、被測定ガスの温度よりも50℃以上高いことが望ましい。
また、上記インナカバーの内径Aと上記センサ素子の先端部の最大径Bとは、A/B≧1.4の関係を満たすことが望ましい。例えば、A/B<1.4の場合には、製造工程において、センサ素子がインナカバーに接触し、センサ素子が損傷するおそれがある。
また、上記インナカバーの内径Aは、例えば、6.5〜7.5mmとすることができる。また、上記センサ素子の先端部の最大径Bは、例えば、3.7〜4.5mmとすることができる。
また、上記インナカバーの上記縮径段差部は、上記センサ素子の先端部と上記インナカバーとの間の径方向の最大距離をCとした場合、その少なくとも一部が上記センサ素子の先端から軸方向に最大距離Cだけ離れた位置よりも基端側に設けられている構成とすることができる(請求項2)。
この場合には、インナカバーにおける縮径段差部よりも先端側部分の体積を小さくすることが可能となり、センサ素子の熱によってインナカバー内の空間を効率よく暖めることができる。これにより、センサ素子からの距離が遠いインナカバーの先端側部分についても、その温度を十分に高めることができ、PMがインナカバーに付着することを十分に抑制することができる。
なお、上記最大距離Cは、例えば、1.2〜2.9mmとすることができる。
また、上記アウタカバーと上記保護カバーとの間の距離は、上記アウタ導入孔の軸方向位置において、0.5〜2mmであることが望ましい(請求項3)。
この場合には、アウタカバーと保護カバーとの間の被測定ガスの流れを十分に確保することができ、被測定ガスをアウタ導入孔からアウタカバー内に十分に導入することができる。また、保護カバーによって凝縮水や粗大なPMがアウタ導入孔からアウタカバー内に侵入することを十分に抑制することができる。
また、上記アウタカバーと上記保護カバーとの間の距離が0.5mm未満の場合には、アウタカバーや保護カバーに堆積したPMによってガスセンサの応答性が低下するおそれがある。また、2mmを超える場合には、保護カバーによって凝縮水や粗大なPMがアウタ導入孔からアウタカバー内に侵入することを十分に抑制することができないおそれがある。
また、上記インナカバーの上記縮径段差部と上記アウタカバーとの間の距離は、0.5〜1.5mmであることが望ましい(請求項4)。
この場合には、インナカバーの縮径段差部とアウタカバーとの間の被測定ガスの流れを十分に確保することができる。また、アウタカバー内に侵入した凝縮水をインナカバーの縮径段差部に衝突させやすくすることができる。
また、上記インナカバーの上記縮径段差部と上記アウタカバーとの間の距離が0.5mm未満の場合には、インナカバーの縮径段差部とアウタカバーとの間に堆積したPMによってガスセンサの応答性が低下するおそれがある。また、1.5mmを超える場合には、アウタカバー内に侵入した凝縮水がインナカバーの縮径段差部に衝突せずにインナ導入孔に到達するおそれがある。
また、上記インナ導入孔の径は、例えば、1.5mm以下とすることができる。
この場合には、アウタカバー内に侵入した凝縮水がインナ導入孔からインナカバー内に侵入することを防止することができる。
また、上記アウタカバーは、上記保護カバーよりも先端側に突出している構成とすることができる(請求項5)。
この場合には、被測定ガスがアウタカバーに接触した後、アウタカバーと保護カバーとの間の空間に入り込むようにすることができる。これにより、被測定ガスをアウタ導入孔からアウタカバー内に十分に導入することができる。
なお、上記アウタカバーは、上記の効果を十分に得るために、保護カバーよりも軸方向の先端側に2mm以上突出していることが望ましい。また、耐被水性を十分に確保するためには、アウタカバーの突出量を4.5mm以下とすることが望ましい。
また、上記アウタ排出孔は、上記アウタカバーの先端部に設けられている構成とすることができる(請求項6)。
この場合には、アウタカバー内に侵入した凝縮水がアウタ排出孔から排出されやすくなる。これにより、耐被水性を向上させることができる。
また、上記インナ排出孔は、上記インナカバーの先端部に設けられている構成とすることができる(請求項7)。
この場合には、インナカバー内に導入された被測定ガスがインナ排出孔から排出されることでインナ排出孔付近に負圧が発生し、被測定ガスをインナ導入孔からインナカバー内に導入しやすくなる。これにより、ガスセンサの応答性を向上させることができる。
また、上記インナカバーの先端面は、応答性を高めるために、上記アウタカバーの先端面よりも先端側に配置されていてもよし、耐被水性を高めるために、上記アウタカバーの先端面よりも基端側に配置されていてもよい。また、応答性及び耐被水性をバランスよく得るために、上記インナカバーの先端面と上記アウタカバーの先端面とが互いに略同一平面上に配置されていてもよい。
また、上記インナカバーの内表面は、上記センサ素子の熱による上記インナカバーの温度上昇を促進するために、例えば輻射率0.4〜0.8の範囲で黒色化処理が施されていてもよい。
また、上記インナカバー、上記アウタカバー及び上記保護カバーの表面は、PMの付着、堆積を抑制し、被測定ガスの流れを良好なものとするために、例えば平滑化処理が施されていてもよい。
(実施例1)
上記ガスセンサにかかる実施例について、図を用いて説明する。
本例のガスセンサ1は、図1〜図3に示すごとく、被測定ガス中の特定ガス濃度を検出するセンサ素子2と、センサ素子2を内側に挿通するハウジング13と、ハウジング13の先端側に配設された素子カバー14とを備えている。
素子カバー14は、センサ素子2の先端部21を覆うように配設されたインナカバー3と、インナカバー3の外側に配設されたアウタカバー4とを有する。アウタカバー4は、被測定ガスを導入するアウタ導入孔41と、アウタ導入孔41よりも先端側に設けられたアウタ排出孔42とを有する。インナカバー3は、アウタ導入孔41よりも基端側に設けられた被測定ガスを導入するインナ導入孔31と、インナ導入孔31よりも先端側に設けられたインナ排出孔32とを有する。
同図に示すごとく、アウタカバー4の外側には、アウタ導入孔41の径方向外側を所定の間隔を設けて覆うと共に先端側が開口した筒状の保護カバー5が配設されている。インナカバー3には、先端側に向かって外径が小さくなる縮径段差部33が設けられている。縮径段差部33は、軸方向Xにおいて、アウタ導入孔41とインナ導入孔31との間の位置に設けられている。インナカバー3の内径をA、センサ素子2の先端部21の最大径をBとした場合、A/B≦2.1の関係を満たす。
以下、これを詳説する。
図1に示すごとく、本例において、「先端側」とは、ガスセンサ1の軸方向Xの一方側であり、ガスセンサ1が被測定ガスに晒される側をいう。また、「基端側」とは、その反対側をいう。
ガスセンサ1において、板状のセンサ素子2は、第1絶縁碍子11の内側に挿通して保持されている。センサ素子2の先端部21には、ヒータ(図示略)が内蔵されている。また、第1絶縁碍子11は、ハウジング13の内側に保持されている。
同図に示すごとく、ハウジング13の基端側には、センサ素子2の基端部22を覆うように基端側カバー15が固定されている。基端側カバー15には、大気を導入する通気孔151が設けられている。また、基端側カバー15の基端側開口部は、ゴムブッシュからなる封止部材16によって閉塞されている。封止部材16には、外部に接続される複数のリード部材17が貫通配置されている。
同図に示すごとく、基端側カバー15の内部において、第1絶縁碍子11の基端側には、センサ素子2の基端部22を保持する第2絶縁碍子12が配設されている。第2絶縁碍子12には、リード部材17に接続された金属端子18が配設されている。金属端子18は、センサ素子2の電極端子に接触して電気的な導通を図っている。また、第2絶縁碍子12は、バネ部材19によって押圧保持されている。
同図に示すごとく、ハウジング13の先端側には、素子カバー14が配設されている。素子カバー14は、センサ素子2の先端部21を覆うように配設された有底円筒状のインナカバー3と、インナカバー3の外側に配設された有底円筒状のアウタカバー4とを有する。インナカバー3は、ハウジング13の先端側に固定されている。また、アウタカバー4は、後述する保護カバー5に固定されている。
図2に示すごとく、アウタカバー4の側面部には、被測定ガスをアウタカバー4内に導入する複数のアウタ導入孔41が設けられている。また、アウタカバー4の側面部において、アウタ導入孔41よりも基端側には、先端側に向かって縮径するテーパ状のアウタ縮径部43が設けられている。また、アウタカバー4の側面部において、アウタ縮径部43よりも基端側であって軸方向Xに略同径のアウタ基端部44は、後述する保護カバー5の内側面に固定されている。
アウタカバー4の先端部には、アウタ排出孔42が設けられている。アウタ排出孔42は、アウタ導入孔41よりも先端側に設けられている。
同図に示すごとく、インナカバー3の側面部には、被測定ガスをインナカバー3内に導入する複数のインナ導入孔31が設けられている。インナ導入孔31の径は、1.5mm以下である。また、インナカバー3の側面部において、インナ導入孔31よりも先端側には、先端側に向かって縮径するテーパ状の縮径段差部33が設けられている。
インナカバー3の先端部には、インナ排出孔32が設けられている。インナ排出孔32は、インナ導入孔31よりも先端側に設けられている。また、インナカバー3の先端面300とアウタカバー4の先端面400とは、互いに略同一平面上に配置されている。
また、図3に示すごとく、インナカバー3の内径をA、センサ素子2の先端部21の最大径をBとした場合、A/B≦2.1の関係を満たす。また、本例では、A/B≧1.4の関係を満たす。すなわち、インナカバー3の内径Aは、センサ素子2の先端部21の最大径Bの1.4〜2.1倍である。本例において、センサ素子2の先端部21の最大径Bは、センサ素子2の先端部21の径方向断面における対角線の長さである。なお、図3は、センサ素子2及びインナカバー3のみを図示したものである。
また、図2に示すごとく、縮径段差部33は、軸方向Xにおいて、アウタ導入孔41とインナ導入孔31との間の位置に設けられている。また、縮径段差部33は、センサ素子2の先端部21とインナカバー3との間の径方向の最大距離をC(図3)とした場合、センサ素子2の先端から軸方向Xに最大距離Cだけ離れた位置よりも基端側に設けられている。本例において、最大距離Cは、図3に示すごとく、センサ素子2の主面201、202とインナカバー3の内側面301との最大距離である。
また、インナカバー3の縮径段差部33とアウタカバー4との間の距離Eは、0.5〜1.5mmである。
図2に示すごとく、アウタカバー4の外側には、アウタ導入孔41の径方向外側を所定の間隔を設けて覆う円筒状の保護カバー5が配設されている。保護カバー5は、アウタ導入孔41全体を径方向外側から覆っている。したがって、ガスセンサ1を径方向外側から見た場合、アウタ導入孔41は、保護カバー5によって隠れて見えない状態となっている。また、保護カバー5は、アウタカバー4よりも基端側に延びて形成されており、インナカバー3と共にハウジング13の先端側に固定されている。また、保護カバー5は、アウタカバー4との間において、先端側に開口した先端側開口部51を有する。保護カバー5の内側面には、アウタカバー4のアウタ基端部44が固定されている。
同図に示すごとく、アウタカバー4と保護カバー5との間の距離Dは、アウタ導入孔41の軸方向位置において、0.5〜2mmである。
また、アウタカバー4は、保護カバー5よりも先端側に突出している。また、アウタカバー4は、アウタ導入孔41が形成されており、アウタ縮径部43よりも先端側であって軸方向Xに略同径のアウタ同径部45が保護カバー5よりも先端側に1mm以上突出している。
次に、本例のガスセンサ1における作用効果について説明する。
本例のガスセンサ1において、アウタカバー4の外側には、アウタ導入孔41の径方向外側を所定の間隔を設けて覆うと共に先端側が開口した筒状の保護カバー5が配設されている。そのため、被測定ガスと共に飛来する凝縮水、粗大なPM(例えば粒径が0.1μm以上)が直接的にアウタ導入孔41からアウタカバー4内(アウタカバー4とインナカバー3との間の空間)に侵入すること、粗大なPMがアウタ導入孔41近傍に堆積することを、アウタ導入孔41を覆う保護カバー5によって抑制することができる。
一方、被測定ガスは、開口した先端側から保護カバー5内(保護カバー5とアウタカバー4との間の空間)に入り込み、アウタ導入孔41からアウタカバー4内に導入される。これにより、被測定ガスをアウタカバー4内に十分に導入することができる。
また、インナカバー3には、先端側に向かって縮径する縮径段差部33が設けられており、縮径段差部33は、軸方向Xにおいて、アウタ導入孔41とインナ導入孔31との間の位置に設けられている。そのため、例え凝縮水が被測定ガスと共にアウタ導入孔41からアウタカバー4内に侵入したとしても、その凝縮水をアウタ導入孔41からインナ導入孔31までの途中にある縮径段差部33に衝突させ、凝縮水がインナ導入孔31に到達することを抑制することができる。そして、縮径段差部33に衝突させた凝縮水をアウタ排出孔42から排出することができる。これにより、凝縮水がインナ導入孔31からインナカバー3内に侵入することを抑制することができる。
また、インナカバー3の内径をA、センサ素子2の先端部21の最大径をBとした場合、A/B≦2.1の関係を満たしている。つまり、インナカバーの内径Aをセンサ素子2の先端部21の最大径Bの2.1倍以下としており、インナカバー3とセンサ素子2の先端部21との間の距離を適度に小さくしている。そのため、センサ素子2の先端部21がヒータ等によって加熱された場合に、そのセンサ素子2の熱によってインナカバー3の温度を十分に高めることができる。これにより、例え微小なPM(例えば粒径が0.1μm未満)が被測定ガスと共にアウタ導入孔41からアウタカバー4内に侵入したとしても、その微小なPMがインナカバー3に付着することを抑制することができる。
すなわち、これは熱泳動という現象を利用したものである。ここで、熱泳動とは、温度差のある空間に微小な粒子が存在する場合、高温側から受ける力が低温側から受ける力よりも大きくなるため、粒子が高温側から低温側に移動する(低温側から高温側に移動しにくくなる)現象をいう。具体的に説明すると、インナカバー3とセンサ素子2の先端部21との間の距離を小さくし、センサ素子2の熱によってインナカバー3の温度を被測定ガスの温度よりも高くする。本例では、インナカバー3の温度が素子カバー14(アウタカバー4、インナカバー3)内に導入された被測定ガスの温度よりも50℃以上高くなるようにする。これにより、被測定ガスと共にアウタカバー4内に侵入した微小なPMが被測定ガス側(低温側)からインナカバー3側(高温側)に移動しにくくなるように、つまりインナカバー3に付着しないようにすることができる。その結果、微小なPMがインナカバー3に付着し、インナ導入孔31近傍に堆積することを抑制することができる。
また、アウタカバー4内に侵入した微小なPMは、インナカバー3に付着することなく、アウタ排出孔42から排出される。また、微小なPMが被測定ガスと共にインナ導入孔31からインナカバー3内に侵入しても、上述した熱泳動の現象によってインナカバー3に付着することはなく、最終的に被測定ガスと共にインナ排出孔32から排出される。
一方、アウタカバー4内に導入された被測定ガスは、アウタカバー4とインナカバー3との間の空間を通ってインナ導入孔31からインナカバー3内に導入される。これにより、被測定ガスをインナカバー3内に十分に導入することができる。
このように、ガスセンサ1は、アウタ導入孔41近傍やインナ導入孔31近傍へのPMの堆積等を抑制することができるため、PMの堆積等によるガスセンサ1の応答性の低下を防止することができる。また、素子カバー14(アウタカバー4、インナカバー3)内への凝縮水の侵入を抑制することができるため、センサ素子2の被水割れを防止することができ、耐被水性を向上させることができる。また、被測定ガスを素子カバー14(アウタカバー4、インナカバー3)内へ十分に導入することができるため、ガスセンサ1の応答性を十分に確保することができる。
また、本例において、インナカバー3の内径Aとセンサ素子2の先端部21の最大径Bとは、A/B≧1.4の関係を満たす。そのため、製造工程において、センサ素子2がインナカバー3に接触し、センサ素子2が損傷することを防止することができる。
また、インナカバー3の縮径段差部33は、センサ素子2の先端部21とインナカバー3との間の径方向の最大距離をCとした場合、センサ素子2の先端から軸方向Xに最大距離Cだけ離れた位置よりも基端側に設けられている。そのため、インナカバー3における縮径段差部33よりも先端側部分の体積を小さくすることが可能となり、センサ素子2の熱によってインナカバー3内の空間を効率よく暖めることができる。これにより、センサ素子2からの距離が遠いインナカバー3の先端側部分についても、その温度を十分に高めることができ、PMがインナカバー3に付着することを十分に抑制することができる。
また、アウタカバー4と保護カバー5との間の距離Dは、アウタ導入孔41の軸方向位置において、0.5〜2mmである。これにより、アウタカバー4と保護カバー5との間の被測定ガスの流れを十分に確保することができ、被測定ガスをアウタ導入孔41からアウタカバー4内に十分に導入することができる。また、保護カバー5によって凝縮水や粗大なPMがアウタ導入孔41からアウタカバー4内に侵入することを十分に抑制することができる。
また、インナカバー3の縮径段差部33とアウタカバー4との間の距離Eは、0.5〜1.5mmである。これにより、インナカバー3の縮径段差部33とアウタカバー4との間の被測定ガスの流れを十分に確保することができる。また、アウタカバー4内に侵入した凝縮水をインナカバー3の縮径段差部33に衝突させやすくすることができる。
また、インナ導入孔31の径は、1.5mm以下である。これにより、アウタカバー4内に侵入した凝縮水がインナ導入孔31からインナカバー3内に侵入することを防止することができる。
また、アウタカバー4は、保護カバー5よりも先端側に突出している。そのため、被測定ガスがアウタカバー4(アウタカバー4のアウタ同径部45)に接触した後、アウタカバー4と保護カバー5との間の空間に入り込むようにすることができる。これにより、被測定ガスをアウタ導入孔41からアウタカバー4内に十分に導入することができる。
また、アウタ排出孔42は、アウタカバー4の先端部に設けられている。そのため、アウタカバー4内に侵入した凝縮水がアウタ排出孔42から排出されやすくなる。これにより、耐被水性を向上させることができる。
また、インナ排出孔32は、インナカバー3の先端部に設けられている。そのため、インナカバー3内に導入された被測定ガスがインナ排出孔32から排出されることでインナ排出孔32付近に負圧が発生し、被測定ガスをインナ導入孔31からインナカバー3内に導入しやすくなる。これにより、ガスセンサ1の応答性を向上させることができる。
以上により、PMの堆積等に起因する応答性の低下を防止することができ、耐被水性、応答性に優れたガスセンサ1を提供することができる。
なお、本例では、応答性及び耐被水性をバランスよく得るために、図1、図2に示すごとく、インナカバー3の先端面300とアウタカバー4の先端面400とが互いに略同一平面上に配置されている。例えば、応答性を高めるために、図4に示すごとく、インナカバー3の先端面300をアウタカバー4の先端面400よりも先端側に配置してもよい。また、耐被水性を高めるために、図5に示すごとく、インナカバー3の先端面300をアウタカバー4の先端面400よりも基端側に配置してもよい。
(実施例2)
本例は、図6に示すごとく、アウタカバー4及び保護カバー5の構成を変更した例である。
本例において、同図に示すごとく、アウタカバー4は、保護カバー5よりも基端側に延びて形成されており、インナカバー3と共にハウジング13の先端側に固定されている。また、アウタカバー4の側面部において、アウタ縮径部43よりも基端側の固定部46には、保護カバー5が固定されている。
その他の基本的な構成及び作用効果は、実施例1と同様である。
(実施例3)
本例は、図7に示すごとく、保護カバー5の構成を変更した例である。
本例において、同図に示すごとく、保護カバー5の先端部には、径方向内側に向かって突出してなる突出部52が設けられている。また、保護カバー5は、突出部52とアウタカバー4との間において、先端側に開口した先端側開口部51を有する。
その他の基本的な構成及び作用効果は、実施例2と同様である。
(実施例4)
本例は、ガスセンサについて各種評価を行ったものである。
本例では、A/Bの値(A:インナカバーの内径、B:センサ素子の先端部の最大径)が異なるガスセンサについて、PM付着割合を求め、PM付着抑制効果の評価を行った。
PM付着抑制効果の評価は、まず、ガスセンサを模擬した試験体において、被測定ガスの温度とインナカバーとの温度差を温度差ΔT、インナカバーに付着するPMの量をPM付着量とし、シミュレーションによって温度差ΔT(℃)とPM付着割合(%)との関係を求める。ここで、PM付着割合(%)は、PM付着割合=((温度差ΔT=x℃(x:任意の温度)の時のPM付着量)/(温度差ΔT=0℃の時のPM付着量))×100の式を用いて求める。次いで、A/Bの値が異なるガスセンサにおいて、A/Bの値に応じた温度差ΔT(℃)を求め、これを用いてA/Bの値とPM付着割合(%)との関係を求める。
上記の評価結果について説明する。
図8は、A/Bの値とPM付着割合との関係を示したグラフである。
同図から、A/Bの値が2.1を超えたあたりからPM付着割合が高くなり、PM付着抑制効果が低下することがわかる。
また、製造工程においてセンサ素子がインナカバーに接触してセンサ素子が損傷する等の不具合の発生を調べたところ、A/Bの値が1.4よりも小さくなると不具合の発生が見られるようになる。
以上の結果からわかるように、ガスセンサにおいて、インナカバーの内径Aとセンサ素子の先端部の最大径BとがA/B≦2.1の関係を満たすことにより、PM付着抑制効果を十分に発揮することができる。
また、部品の組み付け性を考慮した場合、A/B≧1.4の関係を満たすことが好ましい。
次に、センサ素子の先端からインナカバーの縮径段差部までの軸方向の距離が異なるガスセンサについて、PM付着割合を求め、PM付着抑制効果の評価を行った。PM付着割合を求め方は、上記と同様である。
上記の評価結果について説明する。
図9は、距離比とPM付着割合との関係を示したグラフである。ここで、距離比とは、センサ素子の先端部とインナカバーとの間の径方向の最大距離Cに対するセンサ素子の先端からインナカバーの縮径段差部までの軸方向の距離の割合を示している。
同図から、距離比が1(センサ素子の先端からインナカバーの縮径段差部までの軸方向の距離が最大距離Cと等しい場合)を超えたあたりからPM付着量が多くなり、PMの付着を抑制する効果が低下することがわかる。
以上の結果からわかるように、ガスセンサにおいて、PM付着抑制効果を考慮した場合、インナカバーの縮径段差部は、センサ素子の先端部とインナカバーとの間の径方向の最大距離をCとした場合、その少なくとも一部がセンサ素子の先端から軸方向に最大距離Cだけ離れた位置よりも基端側に設けられていることが好ましい。
次に、アウタ導入孔の軸方向位置におけるアウタカバーと保護カバーとの間の距離、インナカバーの縮径段差部とアウタカバーとの間の距離、保護カバーに対するアウタカバーの先端側への突出量が異なるガスセンサについて、応答時間、応答時間劣化率、被水面積を求め、PM付着抑制効果、応答性、耐被水性等の評価を行った。
応答時間については、ガス流速:2m/秒の条件において、ガスの酸素濃度を所定の割合に変化させた場合に、この濃度変化に応じたセンサ出力値の変化が生じるまでの時間を応答時間(秒)として求める。
応答時間劣化率については、所定サイクルのPM付着試験を行った後、応答時間を求める。応答時間は、上記と同様の方法で求める。PM付着試験は、PMが大量に発生する条件(例えば、エンジン低回転、高負荷)で行う。そして、応答時間劣化率=(初期の応答時間)/(PM付着試験後の応答時間)の式を用いて、応答時間劣化率を求める。
被水面積については、ガスセンサに水を適量噴射し、センサ素子の表面において凝縮水が付着した面積を被水面積(mm)として求める。
上記の各評価結果について説明する。
図10〜図12は、アウタ導入孔の軸方向位置におけるアウタカバーと保護カバーとの間の距離と、応答時間、応答時間劣化率及び被水面積との関係を示したグラフである。
図10から、アウタカバーと保護カバーとの間の距離が2mm以下になると応答時間が短くなり、応答性が良くなることがわかる。また、図11から、上記の距離が0.5mm以上になると応答時間劣化率が小さくなり、PM付着抑制効果が高くなることがわかる。また、図12から、上記の距離が0.5mm以上になると被水面積が小さくなり、耐被水性が高くなることがわかる。
以上の結果からわかるように、ガスセンサにおいて、PM付着抑制効果、耐被水性、応答性を考慮した場合、アウタカバーと保護カバーとの間の距離は、アウタ導入孔の軸方向位置において、0.5〜2mmであることが好ましい。
さらに、部品の組み付け性を考慮した場合、アウタカバーと保護カバーとの間の距離は、0.5mm以上であることが好ましい。
また、図13〜図15は、インナカバーの縮径段差部とアウタカバーとの間の距離と、応答時間、応答時間劣化率及び被水面積との関係を示したグラフである。
図13から、アウタカバーと保護カバーとの間の距離が1.5mmを超えると応答時間が長くなり、応答性が低下することがわかる。また、図14から、上記の距離が0.5mm以下になると応答時間劣化率が小さくなり、PM付着抑制効果が高くなることがわかる。また、図15から、上記の距離が1.5mmを超えると被水面積が大きくなり、耐被水性が低下することがわかる。
以上の結果からわかるように、ガスセンサにおいて、PM付着抑制効果、耐被水性、応答性を考慮した場合、インナカバーの縮径段差部とアウタカバーとの間の距離は、0.5〜1.5mmであることが好ましい。
さらに、部品の組み付け性を考慮した場合、インナカバーの縮径段差部とアウタカバーとの間の距離は、0.5mm以上であることが好ましい。
また、図16〜図18は、保護カバーに対するアウタカバーの先端側への突出量と、応答時間、応答時間劣化率及び被水面積との関係を示したグラフである。
図16から、アウタカバーの突出量が0mmを超えると、応答時間が短くなり、応答性が良くなることがわかる。特に、その突出量が2mmを超えると効果がより大きくなる。また、図17から、アウタカバーの突出量が0mmを超えても応答時間劣化率はほぼ同じであり、PM付着抑制効果が維持されることがわかる。また、図18から、アウタカバーの突出量が4.5mmを超えると被水面積が大きくなり、耐被水性が低下することがわかる。
以上の結果からわかるように、ガスセンサにおいて、PM付着抑制効果、耐被水性、応答性を考慮した場合、アウタカバーは、保護カバーよりも先端側に突出していることが好ましい。また、アウタカバーの突出量は、2mm以上であって、4.5mm以下であることがより好ましい。
1 ガスセンサ
13 ハウジング
14 素子カバー
2 センサ素子
21 先端部(センサ素子の先端部)
3 インナカバー
31 インナ導入孔
32 インナ排出孔
33 縮径段差部
4 アウタカバー
41 アウタ導入孔
42 アウタ排出孔
5 保護カバー

Claims (7)

  1. 被測定ガス中の特定ガス濃度を検出するセンサ素子(2)と、
    該センサ素子(2)を内側に挿通するハウジング(13)と、
    該ハウジング(13)の先端側に配設された素子カバー(14)とを備え、
    該素子カバー(14)は、上記センサ素子(2)の先端部(21)を覆うように配設されたインナカバー(3)と、該インナカバー(3)の外側に配設されたアウタカバー(4)とを有し、
    該アウタカバー(4)は、被測定ガスを導入するアウタ導入孔(41)と、該アウタ導入孔(41)よりも先端側に設けられたアウタ排出孔(42)とを有し、
    上記インナカバー(3)は、上記アウタ導入孔(41)よりも基端側に設けられた被測定ガスを導入するインナ導入孔(31)と、該インナ導入孔(31)よりも先端側に設けられたインナ排出孔(32)とを有し、
    上記アウタカバー(4)の外側には、上記アウタ導入孔(41)の径方向外側を所定の間隔を設けて覆うと共に先端側が開口した筒状の保護カバー(5)が配設されており、
    上記インナカバー(3)には、先端側に向かって縮径する縮径段差部(33)が設けられており、
    該縮径段差部(33)は、軸方向において、上記アウタ導入孔(41)と上記インナ導入孔(31)との間の位置に設けられており、
    上記インナカバー(3)の内径をA、上記センサ素子(2)の先端部(21)の最大径をBとした場合、A/B≦2.1の関係を満たすことを特徴とするガスセンサ(1)。
  2. 請求項1に記載のガスセンサ(1)において、上記インナカバー(3)の上記縮径段差部(33)は、上記センサ素子(2)の先端部(21)と上記インナカバー(3)との間の径方向の最大距離をCとした場合、その少なくとも一部が上記センサ素子(2)の先端から軸方向に最大距離Cだけ離れた位置よりも基端側に設けられていることを特徴とするガスセンサ(1)。
  3. 請求項1又は2に記載のガスセンサ(1)において、上記アウタカバー(4)と上記保護カバー(5)との間の距離は、上記アウタ導入孔(41)の軸方向位置において、0.5〜2mmであることを特徴とするガスセンサ(1)。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のガスセンサ(1)において、上記インナカバー(3)の縮径段差部(33)と上記アウタカバー(4)との間の距離は、0.5〜1.5mmであることを特徴とするガスセンサ(1)。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のガスセンサ(1)において、上記アウタカバー(4)は、上記保護カバー(5)よりも先端側に突出していることを特徴とするガスセンサ(1)。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のガスセンサ(1)において、上記アウタ排出孔(42)は、上記アウタカバー(4)の先端部に設けられていることを特徴とするガスセンサ(1)。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載のガスセンサ(1)において、上記インナ排出孔(32)は、上記インナカバー(3)の先端部に設けられていることを特徴とするガスセンサ(1)。
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