JP2013238283A - 真空断熱材及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 真空下での揮発の問題を生じるようなバインダーの使用を回避してもシート形状を保持することができ、初期の断熱性を長期にわたって保持することができる品質安定性の高い真空断熱材を提供する。
【解決手段】 無機繊維シートの積層体と、当該積層体を真空密封してなる外包材とからなる真空断熱材において、前記無機繊維シートが、曲線からなる波形の波長1/2〜1周期で且つ波長3mm〜12mmの無機繊維ストランドのシートであって、複数の前記無機繊維ストランドがランダムに分散しているとともに、少なくとも一部の前記無機繊維ストランドが他の前記無機繊維ストランドと係合している。前記無機繊維シートは、前記無機繊維ストランドの分散液を、湿式抄造することにより得られたものであることが好ましく、無機繊維ストランドの絡み合いによりバインダーの使用量を低減できる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、冷蔵庫、保冷庫、保温庫、給湯器等に用いられる真空断熱材に関し、更に詳述すると、湿式抄造法により製造された無機繊維シートの積層体を外包材で真空密封してなる真空断熱材、及びその製造方法に関する。
冷蔵庫、保冷庫、保温庫、給湯器等に用いられる断熱材として、断熱性に優れた真空断熱材が用いられている。真空断熱材としては、従来より、グラスウールを加圧圧縮するとともに、接着することにより製造されるグラスウール板をガスバリア性に優れた容器に収納し、容器内を真空にして密封したものが用いられている(例えば、特開昭60−14695号公報:特許文献1)。
グラスウールは、一般に、繊維長のばらつきが大きく、特に遠心法、火炎法等で製造されるグラスウールでは、ショット(未繊維化粒状物)と呼ばれる微粒子状のものが含まれており、粒子径の大きなショットは断熱材に大きな気孔を生じさせる原因になり、また、断熱材の空隙中にショットが多数存在すると、容器内での気体の対流伝熱などにより、断熱性を低下させる原因になると考えられている。また、断熱性を高めるためには、無機繊維を、熱伝導方向に対して垂直に配向させることが有用であることも知られている。
このようなことから、例えば、特開2005−265038号公報(特許文献2)では、グラスウールを加圧圧縮して得られるグラスウール板に代えて、ガラス繊維を湿式抄造した無機繊維シートの積層体を使用し、さらに、原料となる無機繊維として、グラスウールに含まれるショット含有率を0.1質量%以下とすることが提案されている。
しかしながら、グラスウールにおいては、含まれる繊維長のばらつきが大きく、繊維長が比較的長い繊維も含まれ、このような繊維は、折れ曲がったりして、捩れたりしている。このため、原料としてグラスウールを用いた場合には、湿式抄造によっても、薄い無機繊維シートを作成することが困難であり、ひいては断熱性能の向上に限界があるとして、例えば、特許4713566号公報(特許文献3)、特許4726970号公報(特許文献4)、特許4772887号公報(特許文献5)では、連続フィラメント法によって製造された無機繊維を所定長さに切断することにより得られる真直度の高い無機繊維(チョップドストランド)を原料として用いることが提案されている。
特許文献3−5では、具体的には、平均繊維径3−15μm、平均繊維長3−15mmで、真直度が高く、円形断面の無機繊維を湿式抄造した不織布を、無機繊維シートとして用いることが提案されている。
特開昭60−14695号公報 特開2005−265038号公報 特許4713566号公報 特許4726970号公報 特許4772887号公報
特許文献3−5で原料として用いている真直度の高いチョップドストランドは、抄造工程において繊維同士の絡み合いが生じにくいため、バインダーが必須となる。特許文献3−5では、ポリビニルアルコール繊維やポリビニルアルコール粒子等の水溶性ポリマーをバインダーとして用いている。
しかしながら、上記のような有機バインダーは、高真空度下に長期間曝されると、徐々に揮発し、有機バインダーの揮発成分により真空度が低下して、真空断熱材の経時的な断熱性低下の原因となる。
特許文献3では、芯材を真空密封する前に、積層された不織布に含まれるバインダーを除去することにより、特許文献5では、バインダーとして液状バインダーを用いることにより(特許文献5)、バインダーによる断熱性の低下を抑制している。
しかしながら、特許文献3−5では、真直度の高い無機繊維を用いることで、繊維同士の絡み合いを抑制していることとの関係で、バインダーを少なくしすぎると、無機繊維シートのシート形状保持が困難になってしまう。また、加熱等によるバインダー除去工程の追加は、真空断熱材のコストアップという新たな問題を招来する。
本発明は、以上のような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、真空下での揮発の問題を生じるようなバインダーの使用を回避してもシート形状を保持することができ、初期の断熱性を長期にわたって保持することができる品質安定性の高い真空断熱材を提供することにある。
本発明の真空断熱材は、無機繊維シートの積層体と、当該積層体を真空密封してなる外包材とからなる真空断熱材において、前記無機繊維シートが、曲線からなる波形の波長1/2〜1周期で且つ波長3mm〜12mmの無機繊維ストランドのシートであって、複数の前記無機繊維ストランドがランダムに分散しているとともに、少なくとも一部の前記無機繊維ストランドが他の前記無機繊維ストランドと係合している。
前記無機繊維ストランドの波高(振幅の2倍値)は、1〜6mmであることが好ましい。
前記無機繊維ストランドは、曲線からなる波形に賦形したフィラメントを、前記波形の1/2〜1周期となるように3mm〜12mm間隔で、カットしたものであることが好ましい。また、前記無機繊維は、ガラス繊維であることが好ましい。
前記無機繊維シートは、前記無機繊維ストランドの分散液を、湿式抄造することにより得られたものである好ましい。また、前記湿式抄造において、長径0.01〜2μmの数珠状、鎖状又は針状の無機バインダー粒子を含有するコロイド液が添加されていることが好ましい。
本発明の無機繊維シートの製造方法は、無機繊維シートの積層体と、当該積層体を真空密封してなる外包材とからなる真空断熱材に用いられる前記無機繊維シートの製造方法であって、前記無機繊維ストランドの分散液を湿式抄造する工程を含み、前記無機繊維ストランドは、曲線からなる波形の波長1/2〜1周期で且つ波長3mm〜12mmの無機繊維ストランドであることを特徴とする。
前記分散液は、波形に賦形されたマルチフィラメントを、前記波形の1/2〜1周期となるように、波長3mm〜12mm間隔でカットすることにより得られたマルチフィラメントの無機繊維ストランドを、個々の無機繊維ストランドに離解したものであることが好ましい。
本発明の真空断熱材は、真空度を低下させるような揮発成分が実質的に含まれていないので、高度な真空状態を長期間保持することができ、ひいては優れた断熱性を安定的に提供することができる。また、本発明の製造方法は、本発明の真空断熱材の製造方法として、便利であり、生産性に優れている。
本発明の真空断熱材の構成を説明するための模式図である。 本発明で使用する無機繊維ストランドを説明するための図である。 本発明で使用する無機繊維ストランドの構造を説明するための図である。 本発明で使用するマルチフィラメント糸の製造例を説明するための模式図である。 本発明で使用するマルチフィラメント糸の製造例を説明するための模式図である。 ギヤのピッチを説明するための図である。 絡み合った無機繊維ストランドの一例を示す模式図である。
本発明の真空断熱材は、図1に示すように、無機繊維シート1,1…を積層してなる積層体10と、当該積層体10を真空密封してなる外包材11とからなる真空断熱材である。前記無機繊維シート1は、曲線からなる波形の波長1/2〜1周期分で且つ波長3mm〜12mmの無機繊維ストランドのシートであって、複数の前記無機繊維ストランドがランダムに分散しているとともに、少なくとも一部の前記無機繊維ストランドが他の前記無機繊維ストランドと係合している。
<無機繊維ストランド>
はじめに、上記無機繊維シートの構成要素である無機繊維ストランドについて説明する。
(1)無機繊維ストランド
本発明で用いる無機繊維ストランドとは、曲線からなる波形のストランドで、波長1/2〜1周期で且つ波長3mm〜12mmの無機繊維ストランドである。ここで、曲線からなる波形とは、直線からなる矩形波、三角波等を含まない意味である。また、二次元曲線(平面状曲線)で形成される波形をいい、螺旋の1/2〜1回転分により得られるような三次元の曲線は含まれない意味である。波形の形状は特に限定せず、正弦波に限らず、sin、cosを種々の組合せることにより描かれるような波形の全てが対象となる。
本発明で対象とする無機繊維ストランドは、曲線からなる波形の波長1/2〜1周期分であり、対象となる波長1/2〜1周期は、任意の位置であってもよい。従って、図2に示すように、波長が1/2周期分の場合、波形の谷部のピークから山部のピークまでの波形であってもよいし(図2(a)参照)、波形の谷部又は山部だけの波形(図2(b)参照)であってもよい。また、波長が1周期分の場合、山部と谷部が含まれる波形であってもよいし(図2(c)参照)、谷部又は山部の両脇に谷部又は山部の半幅の波が連結してなる波形であってもよい(図2(d)参照)。尚、図2において、実線で示す波形がストランド部分であり、破線は波形を描くための参考部分である。
いずれの場合(波形)であっても、曲線からなる。このような曲線からなる波形のストランドの波長は1/2〜1周期で且つ3mm〜12mmである。このような無機繊維ストランドを、本明細書では、「曲線状無機繊維ストランド」と称する場合がある。
曲線状の無機繊維ストランドは、波形を賦形した長繊維フィラメント(波形賦形糸)を、3mm〜12mm、好ましくは4〜9mm間隔でカットして得られる。図2中、Lがカット長さであり、曲線状無機繊維ストランドの波長に該当する。カット長さ(波長)Lが短すぎると、抄造による無機繊維シートの作製が困難となる。一方、カット長さ(波長)Lが長くなると、無機繊維ストランドが長くなりすぎて、弾性が低下し、曲線状の保持が困難になる傾向にあるので、好ましくない。
曲線状無機繊維ストランドの波高Hは、連続した波形の1/2〜1周期を選択する位置に依存して、振幅の1倍から2倍の範囲の大きさとなる。本発明の使用する曲線状無機繊維ストランドは、振幅が0.5〜3mmの波形を有するものであることが好ましく、より好ましくは0.5〜2mmである。従って、曲線状無機繊維ストランドの波高Hは、波形の1/2〜1周期分の波長を有するものであることから、波形の該当位置にもよるが、1〜6mmの範囲であることが好ましく、より好ましくは1〜4mmである。
また、ストランドの平均繊維径は、それぞれ3〜15μmであることが好ましい。15μmを超えると、無機繊維の剛性が高くなり、無機繊維シート間の熱伝導を助長しやすくなる。一方、3μm未満では、剛性が低くなりすぎて、繊維の絡み合いによるアンカー機能を発揮することが困難となる傾向にある。
本発明で使用する曲線状無機繊維ストランドの材料となる無機繊維としては、ガラス繊維、バサルト繊維、シリカ繊維、アルミナ繊維等のセラミック繊維などを用いることができるが、好ましくはガラス繊維である。
また、本発明で使用する無機繊維シートの材料としての無機繊維ストランドは、波形、波長、波高さが全て等しい1種類の無機繊維ストランドに限定されず、本発明で使用する無機繊維ストランドであれば、異なる波形、波長、波高の組合せを用いてもよい。
(2)波形賦形糸と曲線状繊維ストランドの製造方法
上記のような曲線状無機繊維ストランドは、通常、波形が賦形された長繊維フィラメント(波形賦形糸)を、波形の任意の位置で、1/2〜1周期分カットすることにより得られる。例えば、図3のような波形賦形糸の場合、矢印Aの位置でカットすることにより、1/2周期で図2(a)に示すような波形の曲線状繊維ストランドが得られ、矢印Bの位置でカットすることにより、1周期分の波長を有する図2(d)に示すような波形の曲線状繊維ストランドが得られる。各曲線状繊維ストランドの波長となるカット長(A−A間距離又はB−B間距離)が、3〜12mmである。すなわち、矢印A位置でカットする場合には、1/2周期の長さが3〜12mmであり、矢印B位置でカットする場合には1周期の長さが3〜12mmである。
尚、カット位置は、図3に示す矢印A、B位置のように、波形の山部、谷部のピーク位置に限定せず、山部、谷部の任意の位置を起点として、波長1/2〜1周期毎にカットすることができる。
波形賦形糸のカットは、通常、波形賦形糸を10〜100本束ねて、ギロチンカッター等により所定の長さに切断することにより行う。
長繊維フィラメントに波形を賦形する方法は特に限定しないが、無機繊維がガラス繊維の場合、長繊維フィラメントを、2つのギヤ間を通過させることにより行うことができる。具体的には、図4に示すように、長繊維フィラメント2を加熱したギヤ3,3間を通過させる方法;図5に示すように、ノズル4から溶融紡糸された直線状のフィラメント2’が冷却固化する前に、ギヤ3’,3’間を通過させ、その後、冷却する方法;長繊維フィラメントを加熱し、ギヤ間を通過させる方法などが挙げられる。いずれの方法であっても、ガラス繊維の溶融温度近くまで加熱した状態で、ギア間を通過することにより、直線状のフィラメント2,2’は、波形を有するフィラメント(波形賦形糸)5となる。
波形の賦形に使用するギヤの形状は特に限定せず、目的とする曲線状無機繊維ストランドが得られればよい。ギヤの形状だけでなく、図4、図5において、2つのギヤ間(3−3間、3’−3’間)の距離やフィラメントの送り出し速度等を調節することによっても、曲線状無機繊維ストランドの振幅、波形を変えることができる。
使用するギヤとしては、例えば図6に示すようなギヤにおいて、1〜3モジュール、ピッチ3〜12mmとすることが好ましい。これにより、波長1/2〜1周期分の波長3〜12mmの波形を賦形することができる。
波形賦形糸を構成するフィラメントとしては、マルチフィラメントを用いることが好ましい。ガラス繊維のマルチフィラメントは、溶融炉から繊維溶融液を、マルチフィラメントを構成する数の孔が開設されたノズルを通過することにより得られる。
マルチフィラメントの波形賦形糸を所定間隔でカットすることにより得られるのは、通常、複数本の無機繊維ストランドが束となったストランド群である。無機繊維シートの構成要素として使用する曲線状無機繊維ストランドは、1本1本、個々に分散できる状態のストランドであることから、無機繊維シートの製造に供する前、あるいは無機繊維シートの製造の適宜工程において、個々の無機繊維ストランドに分離できるように離解して用いることが好ましい。
<無機繊維シートの製造方法>
無機繊維シートは、以上のような無機繊維ストランド及び分散剤を含有する繊維懸濁液を攪拌・離解して得られる繊維分散液(原料液)を湿式抄造することにより作製される。
(1)原料液(繊維分散液)の調製
原料液(繊維分散液)は、無機繊維ストランド及び分散剤を、分散媒としての水に添加し、攪拌することにより調製できる。マルチフィラメントから得られたストランド群の場合、この攪拌の段階で、個々の無機繊維ストランドに離解できるようにすることが好ましい。攪拌、離解は、紙の製造の叩解工程に該当するものであり、リファイナーなどにより行うことができるが、ガラス繊維が折損しないように、マルチフィラメントを個々の繊維に離解する程度の処理条件(温度、回転数、圧力など)を設定することが好ましい。
ここで、前記分散剤は、後述の攪拌工程において、マルチフィラメントから得られた曲線状繊維ストランド群が、個々の無機繊維ストランドに離解されやすく、さらには、水中で安定的に分散できるように配合される。分散剤としては、例えば、ポリアルキレングリコール脂肪酸エステル型のノニオン性界面活性剤等を用いることができる。
分散剤は、特に限定しないが、通常、繊維ストランド100質量部に対して、0.5〜2質量部、配合することが好ましい。
原料液には、さらに必要に応じて、無機バインダーを添加配合してもよい。無機バインダーは、繊維同士の結着のために用いられるが、本発明では、曲線状無機繊維ストランドは、図7(a)(b)のように絡み合うことができる。図7(a)は、波長が1周期分である無機繊維ストランド同士が絡み合った場合を示し、図7(b)は波長が1/2周期分である無機繊維ストランド同士が絡み合った場合を示している。
上記無機バインダーとしては、コロイダルシリカ、アルミナゾルなどの粘着性を有するもので、且つシリカやアルミナ粒子が、鎖状、数珠状、針状の安定的な二次粒子を構成しているものが好ましく用いられる。具体的には、二次粒子の長径0.01μm〜2μm程度のシリカやアルミナ粒子が水に分散したコロイドゾルとして、原料液に含有される。このような無機バインダーは、繊維表面に安定的に付着させることができ、真空引きにおける飛散、真空断熱材の容器内での飛散を防止できる。このように、本発明で使用する無機バインダーは、無機繊維シートからこぼれ落ちたり、飛散しにくいという点で、グラスウールに混入する短繊維、ショットと相違する。
尚、前記無機バインダー粒子の含有量は、前記波形賦形糸100質量部に対して、2質量部以下とすることが好ましく、より好ましくは1質量部以下、さらに好ましくは0.5質量部以下である。
以上のようにして調製された原料液において、曲線状無機繊維ストランドは、個々に独立して分散しているものの他、図7のように、ストランド同士が絡み合っているものも混在している。
(2)湿式抄造
上記で調製された原料液を湿式抄造して、シート化する。湿式抄造の方法(抄紙工程)は、限定しないが、例えば、以下のような方法により行う。
抄造は、通常、ワイヤーパートとドライヤーパートとを組み合わせたシステムで、行われる。
具体的には、限定しないが、調製した原料液をストックインレットからワイヤーパートへ噴出し、ワイヤー上で走行しながら、水はワイヤー下に流出・脱水、さらに吸引・脱水されて、含水ウエブを形成する。次いで、プレスパートで、プレスロールとフェルトとの間で圧搾・脱水され、さらにドライヤーパートで水分を蒸発乾燥させて、無機繊維シートを得る。ワイヤーパートでは、長網抄紙機、短網抄紙機、傾斜ワイヤー型抄紙機等、既知の抄紙機を用いることができる。
無機繊維シートの米坪は30〜600g/m2とすることが好ましい。30g/m2未満では、無機繊維シート内に存在する空隙の径が大きくなることによって気体の熱伝導率の影響が大きくなるので、真空断熱材としての断熱性能が低下する傾向にある。一方、600g/m2を超えると、湿式抄造により無機繊維シートを製造する際の乾燥効率が低下し、生産性が低下するので、好ましくない。
以上のようにして作製される無機繊維シートにおいて、シートを構成する曲線状無機繊維ストランドのほとんどは、ランダムに分散して平面を形成している。しかしながら、一部の曲線状無機繊維ストランドは、前記平面内において、あるいは積層される平面間を架橋するように、図7(a)又は(b)のように、絡み合って存在している。このような絡み合いは、曲線状無機繊維ストランドの波長との関係から、複数層を架橋するものではない上に、存在割合が少ないので、絡み合いによる熱伝導等に起因する断熱性の低下は小さい一方、絡み合いにより必要となるバインダー量を減らすことができる。また、一部の無機繊維ストランドは、平面から突出するように存在し得るが、曲線状無機繊維ストランドの波高Hとの関係から、ストランドの一部が無機繊維シート表面から突出するような場合であっても、突出部分が積層される複数の無機繊維シートを突き破るようなことはほとんどない。従って、本発明の真空断熱材の構成要素としての無機繊維シートにおいて、絡み合った無機繊維ストランドの存在、平面から突出すような曲線状無機繊維ストランドの存在は、結果として、ストランドの絡み合い、突出等による断熱性の低下よりも、必要とするバインダー量の低減に寄与する効果の方が大きいので、断熱性の向上を達成できる。
<真空断熱材の製造>
(1)積層体の製造
以上のようにして作製した無機繊維シート1を複数枚積層して、積層体10とする。積層体の作製は、無機繊維シートを積層、圧縮するだけでよい。
(2)外包材
外包材11は、ガスバリア性に優れたフィルムを袋状にしたものである。ガスバリア性に優れたフィルムとしては、通常、ガスバリア性に優れたエチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂フィルム、アルミニウム等の金属蒸着フィルム又はアルミニウム等の金属箔を中間層として使用し、その両面に、高密度ポリエチレン、ポリアミドフィルム等の熱可塑性樹脂フィルムを積層した積層フィルムが用いられる。
上記積層フィルムの三辺を閉じた袋内に、上記のようにして作製される積層体10を収容し、真空引きした後、空いている辺を熱融着により閉じて真空密封する。
真空断熱材の初期断熱性能及び経時断熱性能を保持するために、外包内に、積層体の他、ガス吸着剤、水分吸着剤等のゲッター剤を封入してもよい。
以上のような構成を有する真空断熱材は、真空度が高くなっても揮発するような有機バインダーや、飛散するような微粒子、短繊維は存在しないので、初期の断熱特性を長期間保持することが可能である。
本発明の真空断熱材は、断熱材本体を構成する積層体において、揮発、対流するような有機バインダー、微粒子を含んでいないので、断熱性の経時的劣化が少なくて済む。よって、長期間、高度な断熱性を要する機器の断熱材として有用である。本発明の製造方法は、本発明の真空断熱材の製造方法として有用である。
1 無機繊維シート
2,2’ 直線状フィラメント
3,3’ ギヤ
5 波形賦形フィラメント
10 積層体
11 外包材

Claims (8)

  1. 無機繊維シートの積層体と、当該積層体を真空密封してなる外包材とからなる真空断熱材において、
    前記無機繊維シートが、曲線からなる波形の波長1/2〜1周期で且つ波長3mm〜12mmの無機繊維ストランドのシートであって、複数の前記無機繊維ストランドがランダムに分散しているとともに、少なくとも一部の前記無機繊維ストランドが他の前記無機繊維ストランドと係合している真空断熱材。
  2. 前記無機繊維ストランドの波高(振幅の2倍値)は、1〜6mmである請求項1に記載の真空断熱材。
  3. 前記無機繊維は、ガラス繊維である請求項1又は2に記載の真空断熱材。
  4. 前記無機繊維ストランドは、曲線からなる波形に賦形したフィラメントを、前記波形の1/2〜1周期となるように3mm〜12mm間隔で、カットしたものである請求項1〜3のいずれかに記載の真空断熱材。
  5. 前記無機繊維シートは、前記無機繊維ストランドの分散液を、湿式抄造することにより得られたものである請求項1〜4のいずれかに記載の真空断熱材。
  6. 前記湿式抄造において、長径0.01〜2μmの数珠状、鎖状又は針状の無機バインダー粒子を含有するコロイド液が添加されている請求項1〜5のいずれかに記載の真空断熱材。
  7. 無機繊維シートの積層体と、当該積層体を真空密封してなる外包材とからなる真空断熱材に用いられる前記無機繊維シートの製造方法であって、
    前記無機繊維ストランドの分散液を湿式抄造する工程を含み、
    前記無機繊維ストランドは、曲線からなる波形の波長1/2〜1周期で且つ波長3mm〜12mmの無機繊維ストランドであることを特徴とする無機繊維シートの製造方法。
  8. 前記分散液は、波形に賦形されたマルチフィラメントを、前記波形の1/2〜1周期となるように、波長3mm〜12mm間隔でカットすることにより得られたマルチフィラメントの無機繊維ストランドを、個々の無機繊維ストランドに離解したものである請求項7に記載の製造方法。
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