JP2013229132A - 電極焼結体および電極焼結体の製造方法 - Google Patents

電極焼結体および電極焼結体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】焼結密度を維持しつつ、高い電子伝導性を示す電極焼結体の提供。
【解決手段】固体電解質材料と、電極活物質1と、導電助剤とを含む電極焼結体であって、上記固体電解質材料2は、一般式Li1+xAlGe2−x(PO(0≦x≦1)で表される化合物、一般式Li1+xAlTi2−x(PO(0≦x≦1)で表される化合物、および一般式LiLaTiO(0≦x≦1、0≦y≦1)で表される化合物の少なくとも1種であり、上記電極活物質は、一般式Li (PO(MはV、Fe、Tiの少なくとも1種である)で表される化合物および一般式LiMPO(MはNi、Co、Feの少なくとも1種である)で表される化合物の少なくとも1種であり、上記電極焼結体中の上記導電助剤3の体積割合が、5体積%〜10体積%の範囲内であり、上記電極焼結体10の電子伝導度が1.0×10−4S/cm以上。
【選択図】図1

Description

本発明は、焼結密度を維持しつつ、高い電子伝導性を示す電極焼結体に関する。
例えばリチウム電池は、高い起電力および高エネルギー密度を有するため、情報関連機器、通信機器の分野で広く実用化されている。一方、自動車の分野においても、環境問題、資源問題から電気自動車やハイブリッド自動車の開発が急がれており、これらの電源としても、リチウム電池が検討されている。
現在、種々のリチウム電池が開発されている。例えば、特許文献1では、固体電解質層と該固体電解質層に焼結接合された電極層とを含む電解質・電極積層体を用いたリチウム電池が開示されている。また、特許文献2では、電極活物質粒子を囲む粒界の少なくとも30面積%の部分に所定の被覆層を有する電極活物質粒子を含有する焼結体を電極層として用いるリチウム電池が開示されている。特許文献2では、電極層−固体電解質層の界面や電極中の電極活物質と電解質材料との粒界にイオン伝導を阻害する物質が非常に少なく、大電流の充放電が可能であり、大きな作動電流においても高い充放電効率を得られ、かつ製造コストが低いリチウム電池とすることを目的としている。
特開2011−192606号公報 特開2011−086610号公報
ここで、電子伝導性を向上させる観点から、電極焼結体では、固体電解質材料および電極活物質に加えて導電助剤を含有していることが好ましい。例えば特許文献1および2においても、固体電解質材料および電極活物質とともに、導電助剤を含有することが記載されている。しかしながら、特許文献1および2のように、単純に導電助剤を含有して電極焼結体を作製する場合、導電助剤の添加により電子伝導性は向上するが、焼結密度は低下するという問題がある。本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、焼結密度を維持しつつ、高い電子伝導性を示す電極焼結体を提供することを主目的とする。
上記目的を達成するために、本発明においては、固体電解質材料と、電極活物質と、導電助剤とを含む電極焼結体であって、上記固体電解質材料は、一般式Li1+xAlGe2−x(PO(0≦x≦1)で表される化合物、一般式Li1+xAlTi2−x(PO(0≦x≦1)で表される化合物、および一般式LiLaTiO(0≦x≦1、0≦y≦1)で表される化合物の少なくとも1種であり、上記電極活物質は、一般式Li (PO(MはV、Fe、Tiの少なくとも1種である)で表される化合物および一般式LiMPO(MはNi、Co、Feの少なくとも1種である)で表される化合物から選択される少なくとも1種であり、上記固体電解質材料、上記電極活物質および上記導電助剤の合計に対する、上記導電助剤の体積割合が、5体積%〜10体積%の範囲内であり、上記電極焼結体の電子伝導度が1.0×10−4S/cm以上であることを特徴とする電極焼結体を提供する。
本発明によれば、上述した固体電解質材料および電極活物質とともに、所定の体積割合を満たすように、導電助剤を含有することで、焼結密度を十分に維持しつつ、高い電子伝導性を示す電極焼結体とすることができる。そのため、本発明の電極焼結体を用いることで、高い電子伝導性を有する電池を作製することができる。
また、本発明においては、固体電解質材料、電極活物質および導電助剤を混合して焼結体形成用材料を得る調製工程と、上記焼結体形成用材料を焼結させる焼結工程と、を備える電極焼結体の製造方法であって、上記固体電解質材料は、一般式Li1+xAlGe2−x(PO(0≦x≦1)で表される化合物、一般式Li1+xAlTi2−x(PO(0≦x≦1)で表される化合物、および一般式LiLaTiO(0≦x≦1、0≦y≦1)で表される化合物の少なくとも1種であり、上記電極活物質は、一般式Li (PO(MはV、Fe、Tiの少なくとも1種である)で表される化合物および一般式LiMPO(MはNi、Co、Feの少なくとも1種である)で表される化合物から選択される少なくとも1種であり、上記固体電解質材料、上記電極活物質および上記導電助剤の合計に対する、上記導電助剤の体積割合が、5体積%〜10体積%の範囲内であり、上記焼結工程後の上記電極焼結体の電子伝導度が1.0×10−4S/cm以上であることを特徴とする電極焼結体の製造方法を提供する。
本発明によれば、上述した固体電解質材料および電極活物質とともに、所定の体積割合を満たすように、導電助剤を混合することで、焼結密度を十分に維持しつつ、高い電子伝導性を示す電極焼結体を得ることができる。
本発明においては、焼結密度を十分に維持しつつ、高い電子伝導性を示す電極焼結体を提供できるという効果を奏する。
本発明の電極焼結体の一例を示す概略断面図である。 本発明の電極焼結体の製造方法の一例を説明する模式図である。 本発明の電極焼結体を用いた評価用電池の構成の一例を示す模式図である。 実施例1−1〜1−3および比較例1−1〜1−7で得られた電極焼結体の電子伝導度および焼結密度を示すグラフである。 実施例2−1〜2−2および比較例2−1〜2−2で得られた電極焼結体の電子伝導度および焼結密度を示すグラフである。 実施例1−1で得られた電極焼結体における充放電特性測定結果である。 実施例1−3で得られた電極焼結体における充放電特性測定結果である。 比較例1−1で得られた電極焼結体における充放電特性測定結果である。 参考例1で得られた電極焼結体における充放電特性測定結果である。
以下、本発明の電極焼結体および電極焼結体の製造方法について、詳細に説明する。
A.電極焼結体
本発明の電極焼結体は、固体電解質材料と、電極活物質と、導電助剤とを含む電極焼結体であって、上記固体電解質材料は、一般式Li1+xAlGe2−x(PO(0≦x≦1)で表される化合物、一般式Li1+xAlTi2−x(PO(0≦x≦1)で表される化合物、および一般式LiLaTiO(0≦x≦1、0≦y≦1)で表される化合物の少なくとも1種であり、上記電極活物質は、一般式Li (PO(MはV、Fe、Tiの少なくとも1種である)で表される化合物および一般式LiMPO(MはNi、Co、Feの少なくとも1種である)で表される化合物から選択される少なくとも1種であり、上記固体電解質材料、上記電極活物質および上記導電助剤の合計に対する、上記導電助剤の体積割合が、5体積%〜10体積%の範囲内であり、上記電極焼結体の電子伝導度が1.0×10−4S/cm以上であることを特徴とするものである。
図1は、本発明の電極焼結体の一例を示す概略断面図である。図1に示されるように、電極焼結体10は、電極活物質1、固体電解質材料2および導電助剤3を含むものである。なお、導電助剤3は、電極活物質1、固体電解質材料2および導電助剤3の合計に対して、体積割合が、5体積%〜10体積%の範囲内となるように含有されている。
本発明によれば、上述した固体電解質材料および電極活物質とともに、所定の体積割合を満たすように、導電助剤を含有することで、焼結密度を十分に維持しつつ、高い電子伝導性を示す電極焼結体とすることができる。そのため、本発明の電極焼結体を用いることで、高い電子伝導性を有する電池を作製することができる。
上述したように、例えば特許文献2には、1種類以上の電極活物質粒子と固体電解質粒子とを含む混合物質の焼結体からなる電極層を有する電池が開示されており、上記混合物質は、必要に応じて、導電助剤を含有するものであると記載されている。しかしながら、この場合、単純に導電助剤を混合して焼成(圧粉焼結)すると、焼結密度を十分に維持しつつ、電子伝導性を確保することは困難であると考えられる。すなわち、導電助剤の含有量が少なすぎる場合、電子伝導性が低くなってしまうと考えられ、また一方、導電助剤の含有量が多すぎる場合、焼結密度が低下してしまうと考えられる。
これに対して、本発明においては、特定の電極活物質および固体電解質材料とともに、体積割合が所定の範囲内となるように、導電助剤を含有することで、焼結密度を十分に維持しつつ、高い電子伝導性を示す電極焼結体とすることができる。
以下、本発明の電極焼結体について、詳細に説明する。
1.固体電解質材料
本発明における固体電解質材料は、一般式Li1+xAlGe2−x(PO(0≦x≦1)で表される化合物(以下、LAGPと称して説明する場合がある。)、一般式Li1+xAlTi2−x(PO(0≦x≦1)で表される化合物(以下、LATPと称して説明する場合がある。)、および一般式LiLaTiO(0≦x≦1、0≦y≦1)で表される化合物(以下、LLTOと称して説明する場合がある。)の少なくとも1種である。
上記固体電解質材料は、後述する電極活物質と焼成しても反応しない、すなわち異相を生じないものである。そのため、得られる電極焼結体内において、優れたイオン伝導性を示す。さらに、上記固体電解質材料は、固体電解質材料自身のイオン伝導性が良好であるため、イオン伝導性により優れた電極焼結体とすることができる。ここで、異相とは、固体電解質材料および電極活物質とは異なる結晶構造を有する化合物をいう。具体的には、固体電解質材料の分解物、電極活物質の分解物、固体電解質材料および電極活物質の反応生成物等を挙げることができる。なお、異相の発生については、後述する参考例2〜4に示すように、X線回折(XRD)測定を行うことで確認することができる。
上記LAGPは、一般式Li1+xAlGe2−x(PO(0≦x≦1)で表される化合物であり、上記一般式におけるxは、0≦x≦1を満たすものであれば良く、中でも、本発明においては、Li1.5Al0.5Ge1.5(POであることが好ましい。
上記LATPは、一般式Li1+xAlTi2−x(PO(0≦x≦1)で表される化合物であり、上記一般式におけるxは、0≦x≦1を満たすものであれば良く、中でも、本発明においては、Li1.5Al0.5Ti1.5(POであることが好ましい。
上記LLTOは、一般式LiLaTiO(0≦x≦1、0≦y≦1)で表される化合物であり、上記一般式におけるxは、0≦x≦1を満たすものであれば良く、また上記一般式におけるyは、0≦y≦1を満たすものであれば良く、中でも、本発明においては、Li0.35La0.55TiOであることが好ましい。
また、本発明における固体電解質材料は、比較的低い温度で焼結が進行する物質であることが好ましい。ここで、一般的に、焼結とは、固体粉末の集合体を加熱すると、固まって緻密になる現象をいう。加熱されることにより、まず固体粉末同士が結合して粒成長(体積膨張)し、さらに加熱されることで、より緻密になると考えられる。そのため、固体粉末である固体電解質材料が、焼結が進行する物質であるか否かは、粒成長に伴う体積膨張率によって判断することができると考えられる。上記固体電解質材料は、600℃における体積膨張率が、20%以上であることが好ましく、30%以上であることがより好ましく、30%〜45%の範囲内であることがさらに好ましい。比較的低温で焼結することが可能であり、固体電解質材料と電極活物質との不要な副反応の発生を抑制できるからである。なお、上記体積膨張率の測定方法としては、例えば、温度毎で高温XRD測定を行ってXRDチャートを得る。得られたXRDチャートより求めた格子定数と温度との相関から、各材料a・b・c軸それぞれの膨張係数を算出する方法を挙げることができる。
上記固体電解質材料としては、一般式Li1+xAlGe2−x(PO(0≦x≦1)で表される化合物、一般式Li1+xAlTi2−x(PO(0≦x≦1)で表される化合物、および一般式LiLaTiO(0≦x≦1、0≦y≦1)で表される化合物の少なくとも1種であれば特に限定されるものではなく、例えば、Li1.5Al0.5Ge1.5(POを好適に用いることができる。Li1.5Al0.5Ge1.5(POは、600℃における体積膨張率が34.6%であり、一般的な固体電解質材料として用いられる化合物と比べて、比較的低温で焼結が進行するからである。そのため、焼結時に電極活物質と不要な副反応が生じることを抑制できる。
また、固体電解質材料、電極活物質および導電助剤の合計に対する固体電解質材料の体積割合としては、例えば、10体積%以上であることが好ましく、30体積%以上であることがより好ましく、35体積%〜70体積%の範囲内であることが特に好ましい。
本発明における固体電解質材料の形状としては、例えば、粒子形状を挙げることができ、中でも真球状または楕円球状であることが好ましい。また、固体電解質材料が粒子形状である場合、その平均粒径は、特に限定されるものではないが、例えば、50nm〜5μmの範囲内であることが好ましく、100nm〜3μmの範囲内であることがより好ましい。ここで、上記平均粒径とは、通常、粒度分布測定により測定した平均粒径D50をいうが、走査型電子顕微鏡(SEM)により算出した値を平均粒径としても良い。SEMによる算出では、固体電解質材料の粒子(n≧100)の最長径と最短径を測定し、その平均値を求めることとする。
2.電極活物質
本発明における電極活物質は、一般式Li (PO(MはV、FeおよびTiの少なくとも1種である)で表される化合物および一般式LiMPO(MはNi、Co、Feの少なくとも1種である)で表される化合物の少なくとも1種である。
上記電極活物質は、上述した固体電解質材料と焼成しても反応しない、すなわち異相を生じないものである。異相については、上記「1.固体電解質材料」の項に記載したものと同様であるため、ここでの記載は省略する。上記電極活物質が、上述した固体電解質材料と異相を生じないメカニズムについては定かではないが、次のように推測できる。すなわち、上記電極活物質はリン酸基(PO)を備えることから、焼結時に特性変化が起きにくく、上述した固体電解質材料と異相を生じないものと考えられる。そのため、得られる電極焼結体内において、イオンが良好に移動できることから、イオン伝導性の高い電極焼結体とすることができる。
上記一般式Li (POにおけるMは、V、Fe、Tiの少なくとも1種であり、中でもVであることが特に好ましい。
また上記Mは、上記一般式Li (PO中におけるMの価数の合計が6価となるものである。すなわち、上記一般式中のMは、同一元素であっても良く、異なる元素を組み合わせて用いても良い。また、上記一般式中のMは同価数の元素の組み合わせであっても良く、異なる価数の元素の組み合わせであっても良い。例えば、3価の元素同士の組み合わせとしては、V(III)を挙げることができる。
上記一般式Li (POで表される化合物としては、具体的に、Li(PO、LiFe(PO、LiTi(PO等を挙げることができ、中でも、Li(POを好適に用いることができる。
また上記一般式LiMPOにおけるMは、Ni、Co、Feの少なくとも1種である。上記一般式LiMPOで表される化合物としては、具体的に、LiNiPO、LiCoPO、LiFePO等を挙げることができる。
本発明における電極活物質は、上述した固体電解質材料の焼結が進行する温度において、加熱による焼結プロセスが進行する物質であることが好ましい。ここで、加熱による焼結プロセスとは、加熱することで、まず粒子表面における表面拡散が生じ、続いて、蒸発および凝集し、その後体積拡散し、界面(粒界)拡散が生じるという一連のプロセスをいう。
本発明における電極活物質および固体電解質材料の組み合わせとしては、例えば電極活物質がLi(PO(600℃における体積膨張率:9.5%)であり、固体電解質材料がLi1.5Al0.5Ge1.5(PO(600℃における体積膨張率:34.6%)である組み合わせを好適に用いることができる。電極活物質および固体電解質材料の不要な副反応の発生を抑制できるからである。
また、固体電解質材料、電極活物質および導電助剤の合計に対する電極活物質の体積割合としては、例えば、20体積%以上であることが好ましく、30体積%以上であることがより好ましく、30体積%〜50体積%の範囲内であることが特に好ましい。電極活物質の体積割合が上記範囲に満たない場合、エネルギー密度が低下してしまう可能性があるからである。そのため、電池に用いた際に、十分な性能が得られない可能性がある。また一方、電極活物質の体積割合が上記範囲を超える場合、イオン伝導パスを十分に確保できない可能性があるからである。
本発明における電極活物質の形状としては、例えば、粒子形状を挙げることができ、中でも真球状または楕円球状であることが好ましい。また、電極活物質が粒子形状である場合、その平均粒径は、例えば、0.1μm〜50μmの範囲内であることが好ましい。なお、上記平均粒径は、上記固体電解質材料と同様の方法で求めることができる。
3.導電助剤
本発明における導電助剤は、上記固体電解質材料、上記電極活物質および導電助剤の合計に対する体積割合が、5体積%〜10体積%の範囲内となるものであり、中でも6体積%〜9体積%の範囲内であることが好ましく、7体積%〜8体積%の範囲内であることがさらに好ましい。導電助剤の体積割合が上記範囲に満たない場合、本発明の電極焼結体に十分な電子伝導性を付与することができない可能性があるからである。また一方、導電助剤の体積割合が上記範囲を超える場合、本発明の電極焼結体の焼結密度が十分に維持できない可能性があるからである。
上記導電助剤としては、所定の導電性を有するものであれば特に限定されるものではなく、例えば、炭素粒子および炭素繊維などの炭素材料を挙げることができる。上記炭素粒子としては、例えばファーネスブラック(FB)、アセチレンブラック(AB)、ケッチェンブラック(KB)、活性炭、黒鉛等を挙げることができ、中でもKBを好適に用いることができる。炭素粒子の粒径(一次径)としては、例えば1nm〜10μmの範囲内であることが好ましく、3nm〜50μmの範囲内であることがより好ましい。なお、上記平均粒径は、上述した固体電解質材料および電極活物質と同様の方法で求めることができる。また上記炭素繊維は繊維状の炭素物質であり、例えばVGCF(気相成長炭素繊維)を好適に用いることができる。上記炭素繊維の繊維径は、例えば10nm〜10μmの範囲内であることが好ましく、50nm〜1μmの範囲内であることがより好ましい。また、炭素繊維の繊維長は、例えば10nm〜100μmの範囲内であることが好ましく、1μm〜50μmの範囲内であることがより好ましい。さらに、炭素繊維のアスペクト比(繊維長/繊維径)は、例えば1〜200の範囲内であることが好ましく、3〜50の範囲内であることが好ましい。なお、炭素繊維における繊維径および繊維長は、例えばSEMによる観察で求めることができる。
ここで、本発明に用いられる導電助剤が、例えばFBである場合、固体電解質材料、電極活物質および導電助剤の合計に対する、導電助剤の体積割合は、例えば8体積%以上であることがより好ましく、8体積%〜10体積%の範囲内であることが特に好ましい。
また、本発明に用いられる導電助剤が、例えばVGCFである場合、固体電解質材料、電極活物質および導電助剤の合計に対する、導電助剤の体積割合は、中でも5体積%〜7体積%の範囲内であることが特に好ましい。
4.電極焼結体
本発明の電極焼結体は、その電子伝導度が、1.0×10−4S/cm以上であれば特に限定されるものではなく、より高い電子伝導性を示すことが好ましい。例えば常温(25℃)における電子伝導度が1.0×10−3S/cm以上であることが好ましく、1.0×10−2S/cm以上であることがより好ましい。なお、電子伝導度の測定方法としては、例えば、正極焼結体単体の直流抵抗を測定し、その焼結体の体積を用いて算出する方法を挙げることができる。
本発明の電極焼結体は、上述した固体電解質材料、電極活物質および導電助剤を含むものであれば特に限定されるものではなく、上述した固体電解質材料、電極活物質および導電助剤のみから構成されるものであっても良く、必要に応じて、固体電解質材料、電極活物質および導電助剤以外の構成を有するものであっても良く、例えば結着材等を用いることができる。結着材の添加により、電極焼結体に可撓性を付与することができる。結着材としては、例えば、ポリビニルブチラール(PVB)、アクリル系バインダー等を挙げることができる。
ここで、上述したように、焼結とは、一般的に、固体粉末の集合体を加熱すると、固まって緻密になる現象をいう。さらに、焼結体とは、熱処理により固体粉末の粒子が互いに付着して固まった物体をいう。焼結が充分に進行したか否かは、焼成後の電極焼結体が、圧粉処理では到達できない密度を有しているか否かを確認することにより判断することができる。
本発明の電極焼結体における焼結密度は、理論密度に対する実測密度の割合で表されるものであり(実測密度/理論密度×100)、例えば、70%以上であることが好ましく、75%以上であることがより好ましく、85%以上であることが特に好ましい。焼結密度が低すぎる場合、単位体積あたりの電極活物質量が低くなる可能性があり、電池を作製する場合に、電池性能が低下する可能性があるからである。ここで、理論密度とは、電極焼結体の原料として用いた粉体材の真密度を指す。真密度の測定方法としては、公知の方法を用いることができる。また電極焼結体の実測密度の測定方法としては、例えば、電極焼結体の重量および体積をそれぞれ求め、電極焼結体の重量をその体積で除することにより算出する方法を挙げることができる。
本発明の電極焼結体は、ペレット状であっても良く、シート状であっても良い。また、電極焼結体の形状は、既存の各種焼結体と同様の形状を用いることができ、例えば、円柱状、平板状、および円筒状等を挙げることができる。電極焼結体の厚さは、上述した電極焼結体の形状等に応じて適宜設定されるものであるが、例えば、10μm〜50μmの範囲内であることが好ましい。
上記電極焼結体の用途としては、例えば電池の正極活物質層、負極活物質層として用いることができる。また、本発明においては、正極活物質層、固体電解質層および負極活物質層がこの順に積層された発電要素焼結体であって、正極活物質層および負極活物質層の少なくとも一方が、上述した電極焼結体である発電要素焼結体を提供することもできる。
ここで、正極活物質および負極活物質としては、それぞれに明確な区別はなく、2種類の化合物の充放電電位や酸化還元電位を比較し、貴な電位を示すものを正極活物質として、また卑な電位を示すものを負極活物質として組み合わせることで、任意の電圧の電池を構成することができる。そのため、上述した電極活物質は、正極活物質として機能するものでも良く、負極活物質として機能するものでも良い。
本発明の電極焼結体を正極活物質層として用いて電池を作製する場合、上記電池における電解質層としては、少なくとも電解質材料を有するものであれば特に限定されず、また電解質層の形態としては、例えば、液状電解質層、ゲル電解質層、ポリマー電解質層および固体電解質層等を挙げることができる。
固体電解質層は、少なくとも固体電解質材料を有するものであり、固体電解質層における固体電解質材料は、上記「1.固体電解質材料」に記載したものと同様のものを用いても良く、一般的な固体電解質材料を用いても良い。固体電解質層における固体電解質材料の含有量は、例えば、60重量%以上、中でも70重量%以上、特に80重量%以上であることが好ましい。固体電解質層は、固体電解質材料のみから構成されるものであっても良く、必要に応じて結着材を有していても良い。なお、結着材は、上記電極焼結体と同様のものを用いることができる。
電解質層の厚さは、電解質材料の種類および電池の構成によって大きく異なるものであるが、例えば、2μm〜1000μmの範囲内であることが好ましい。
本発明の電極焼結体を正極活物質層として用いて電池を作製する場合、上記電池における負極活物質層は、少なくとも負極活物質を含有する層であり、必要に応じて、固体電解質材料、導電助材および結着材の少なくとも一つをさらに含有していても良い。
上記負極活物質は、特に限定されるものではないが、例えばカーボン活物質、金属活物質、酸化物活物質等を挙げることができる。カーボン活物質としては、例えばメソカーボンマイクロビーズ(MCMB)、高配向性グラファイト(HOPG)等の黒鉛、ハードカーボンおよびソフトカーボン等の非晶質炭素等を挙げることができる。金属活物質としては、例えばリチウム金属(Li)、リチウム合金(LiM、上記MとしてはSn、Si、Al、Ge、SbおよびP等を挙げることができる。)、リチウム貯蔵性金属間化合物(MgxM(上記Mとしては、Sn、GeおよびSb等を挙げることができる。)等を挙げることができる。また、酸化物活物質としては、例えばNb、LiTi12、SiO等を挙げることができる。
上記負極活物質の形状としては、例えば、粒子形状、膜形状を挙げることができる。粒子形状の負極活物質の平均粒径は、例えば0.1μm〜50μmの範囲内であることが好ましい。なお、平均粒径の求め方については上述した通りである。また、負極活物質層における負極活物質の含有量は、例えば10重量%〜99重量%の範囲内であることが好ましく、20重量%〜90重量%の範囲内であることがより好ましい。
負極活物質層は、固体電解質材料を含有することが好ましい。負極活物質層中のイオン伝導性を向上させることができるからである。なお、負極活物質層に含まれる固体電解質材料は、上記「1.固体電解質材料」に記載した固体電解質材料であっても良く、その他の一般的な固体電解質材料であっても良い。負極活物質層における固体電解質材料の含有量は、例えば、1重量%〜90重量%の範囲内であることが好ましく、10重量%〜80重量%の範囲内であることがより好ましい。
負極活物質層は、導電助材を含有していても良い。なお、導電助剤としては、上記「3.導電助剤」の項に記載したものを用いることができる。また負極活物質層は、さらに結着材を含有していても良い。なお、結着材としては、上述した正極活物質層と同様のものを用いることができる。また、負極活物質層の厚さは、目的とする全固体電池の形状等に応じて適宜設定できるものであるが、例えば、10μm〜100μmの範囲内であることが好ましい。
本発明の電極焼結体を用いた電池の種類としては、リチウム電池、ナトリウム電池、マグネシウム電池およびカルシウム電池等を挙げることができ、中でもリチウム電池が好ましい。また上記電池は、一次電池であっても良く、二次電池であっても良いが、中でも二次電池であることが好ましい。繰り返し充放電でき、例えば、車載用電池として有用だからである。また電池の形状としては、例えば、コイン型、ラミネート型、円筒型、および角型等を挙げることができる。
ここで、本発明の電極焼結体を用いて電池を作製する場合、一般的な電池に用いられる部材を有するものであり、例えば、正極活物質層の集電を行う正極集電体、および負極活物質層の集電を行う負極集電体を挙げることができる。正極集電体および負極集電体の材料としては、例えば金、銀、パラジウム、銅、ニッケルを挙げることができる。正極集電体および負極集電体の厚さや形状等については、電池の用途等に応じて適宜選択することが好ましい。また、上記電池に用いられる電池ケースには、一般的な電池ケースを用いることができる。
B.電極焼結体の製造方法
次に、本発明の電極焼結体の製造方法について説明する。本発明の電極焼結体の製造方法は、固体電解質材料、電極活物質および導電助剤を混合して焼結体形成用材料を得る調製工程と、上記焼結体形成用材料を焼結させる焼結工程と、を備える電極焼結体の製造方法であって、上記固体電解質材料は、一般式Li1+xAlGe2−x(PO(0≦x≦1)で表される化合物、一般式Li1+xAlTi2−x(PO(0≦x≦1)で表される化合物、および一般式LiLaTiO(0≦x≦1、0≦y≦1)で表される化合物の少なくとも1種であり、上記電極活物質は、一般式Li (PO(MはV、Fe、Tiの少なくとも1種である)で表される化合物および一般式LiMPO(MはNi、Co、Feの少なくとも1種である)で表される化合物の少なくとも1種であり、上記固体電解質材料、上記電極活物質および上記導電助剤の合計に対する、上記導電助剤の体積割合が、5体積%〜10体積%の範囲内であり、上記焼結工程後の上記電極焼結体の電子伝導度が、1.0×10−4S/cm以上であることを特徴とするものである。
図2は、本発明の電極焼結体の製造方法の一例を示す説明図である。図2に示すように、例えば電極活物質1、固体電解質材料2および導電助剤3を用意し、乳鉢処理により混合して焼結体形成用材料を得る(図2(a))。次に、得られた焼結体形成用材料を、例えば1軸加熱成形法で圧粉し(図2(b))、圧粉体4を形成する(図2(c))。得られた圧粉体4を例えば冷間等方圧加圧(CIP)法によりさらに加圧する(図2(d))。その後、上記焼結体形成用材料である圧粉体4を焼成する(図2(e))。これにより、電極焼結体10を得る(図2(f))。
本発明によれば、上述した固体電解質材料および電極活物質とともに、所定の体積割合を満たすように、導電助剤を混合することで、焼結密度を十分に維持しつつ、高い電子伝導性を示す電極焼結体を得ることができる。
以下、本発明の各工程について詳細に説明します。
1.調製工程
本発明における調製工程は、固体電解質材料、電極活物質および導電助剤を混合して焼結体形成用材料を得る工程である。ここで、固体電解質材料、電極活物質および導電助剤については、上記「A.電極焼結体」で記載した内容と同様であるため、ここでの記載は省略する。
本工程で得られる焼結体形成用材料は、固体電解質材料、電極活物質および導電助剤が十分に混合、分散されているものであれば特に限定されるものではなく、上記混合・分散方法としては、例えば乳鉢混合法を挙げることができる。
上記焼結体形成用材料は、後述する焼成工程前に所望の形状に成形されるものである。上記成形方法としては、例えば1軸加圧成形法等の圧粉成形法を挙げることができる。また、得られた圧粉体は、例えば冷間等方圧加圧(CIP)法等により、さらに加圧されても良い。このように得られた圧粉体の密度は、理論密度に対する実測密度の割合で表されるものであり(実測密度/理論密度×100)、例えば、50%以上であることが好ましく、55%〜75%の範囲内であることがより好ましい。なお、理論密度は、上記「A.電極焼結体」の項に記載した内容と同様である。また、圧粉体の実測密度の測定方法としては、例えば、得られた圧粉体の重量および体積をそれぞれ求め、圧粉体の重量をその体積で除することにより算出する方法を挙げることができる。
2.焼成工程
次に、本発明における焼成工程について説明する。本発明における焼成工程は、上述した焼結体形成用材料を焼成する工程である。
本工程における焼成時の温度は、特に限定されるものではないが、上記焼結体形成用材料に含有される固体電解質材料の焼結が進行する温度以上となる温度であるとすることができ、上記固体電解質材料の種類等に応じて適宜設定することができる。また、上記温度においては、電極活物質が、加熱による焼結プロセスが進行する物質であることが好ましい。なお、加熱による焼結プロセスは、上記「A.電極焼結体」の項に説明した内容と同様であるため、ここでの説明は省略する。
具体的には、本工程における焼成時の温度は、550℃以上であることが好ましく、550℃〜1000℃の範囲内であることがより好ましく、580℃〜600℃の範囲内であることがさらに好ましい。特に上記固体電解質材料がLi1.5Al0.5Ge1.5(POである場合、焼成時の温度としては、550℃以上であることが好ましく、550℃〜650℃の範囲内であることがより好ましく、580℃〜600℃の範囲内であることがさらに好ましい。
ここで、上述したように、焼結とは、一般的に、固体粉末の集合体を加熱すると、固まって緻密になる現象をいう。さらに、焼結体とは、熱処理により固体粉末の粒子が互いに付着して固まった物体をいう。焼結が充分に進行したか否かは、焼成後の電極焼結体が、圧粉処理では到達できない密度を有しているか否かを確認することにより判断することができる。
本発明で得られる電極焼結体において、含有される固体電解質材料および電極活物質の密度、すなわち焼結密度については、上記「A.電極焼結体」の項に記載した内容と同様であるため、ここでの説明は省略する。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下に実施例を示して、本発明をさらに具体的に説明する。
[実施例1−1]
(焼結体形成用材料の調製)
固体電解質材料として、Li1.5Al0.5Ge1.5(PO(株式会社 高純度化学研究所製、平均粒径9.03μm、LAGP)を用意した。また、電極活物質として、Li(PO(株式会社 高純度化学研究所製、平均粒径8.0μm、LVP)を用意した。さらに導電助剤として、ファーネスブラックを用意した。次に、LAGP、LVPおよびFBをLAGP:LVP:FB=65:30:5の体積比で、乳鉢処理を行うことにより混合・分散して焼結体形成用材料を得た。さらに、焼結体形成用材料0.25gをプレスし、ペレット(φ=13.0)状圧粉体を作製した。
(電極焼結体の作製)
ペレット状に成形した圧粉体を、600℃、窒素雰囲気の条件で2時間焼成し、電極焼結体を得た。
[実施例1−2〜1−3]
LAGP、LVPおよびFBをそれぞれ表1に示す体積比としたこと以外は、実施例1−1と同様にして電極焼結体を得た。
[比較例1−1〜1−7]
LAGP、LVPおよびFBをそれぞれ表1に示す体積比としたこと以外は、実施例1−1と同様にして電極焼結体を得た。
[実施例2−1]
導電助剤として、気相成長炭素繊維(昭和電工株式会社製、VGCF)をそれぞれ、LAGP:LVP:VGCF=65:30:5の体積比として焼結体形成用材料を得たこと以外は、実施例1−1と同様にして電極焼結体を得た。
[実施例2−2]
LAGP、LVPおよびVGCFをそれぞれ表2に示す体積比としたこと以外は、実施例2−1と同様にして電極焼結体を得た
[比較例2−1〜2−2]
LAGP、LVPおよびVGCFをそれぞれ表2に示す体積比としたこと以外は、実施例2−1と同様にして電極焼結体を得た
[参考例1]
焼成温度を750℃としたこと以外は、実施例1−1(導電助剤:8体積%)と同様にして電極焼結体を得た。
[評価1]
(密度測定)
実施例1−1〜1−3および比較例1−1〜1−7で得られた電極焼結体の密度を測定した。その結果を表1および図4に示す。また実施例2−1〜2−2および比較例2−1〜2−2で得られた電極焼結体の密度を測定した。その結果を表2および図5に示す。
(電子伝導度測定)
実施例1−1〜1−3および比較例1−1〜1−7で得られた電極焼結体の電子伝導度を測定した。その結果を表1および図4に示す。また実施例2−1〜2−2および比較例2−1〜2−2で得られた電極焼結体の電子伝導度を測定した。その結果を表2および図5に示す。
Figure 2013229132
Figure 2013229132
表1および図4に示されるように、導電助剤がFBである場合、固体電解質材料、電極活物質および導電助剤の合計に対する、導電助剤の体積割合が5体積%〜10体積%の範囲内、特に8体積%〜10体積%の範囲内となるように混合することで、焼結密度が70%以上となるように維持しつつ、高い電子伝導性を示すことが確認できる。
また表2および図5に示されるように、導電助剤がVGCFである場合、固体電解質材料、電極活物質および導電助剤の合計に対する、導電助剤の体積割合が5体積%〜10体積%の範囲内、特に5体積%〜7体積%の範囲内となるように混合することで、焼結密度が70%以上となるように維持しつつ、高い電子伝導性を示すことが確認できる。
(評価用電池の作製)
実施例1−1、1−3、比較例1−1および参考例1で得られた電極焼結体を用いて、図3に示すような評価用電池20を作製した。得られた電極焼結体10を作用極(正極11)として用い、対極(負極13)としてLi金属を用いた。また、電解質層13として、支持塩(LiClO、関東電化社製)、非水溶媒(エチルカーボネート(EC):ジエチルカーボネート(DEC)=1:1混合溶媒、ECおよびDECは関東電化社製)、非水溶媒中における支持塩の濃度1mol/L、ゲル(PMMA)を用いて評価用電池20を得た(図3参照)。なお、ワッシャー15、スペーサー16、正極缶14、負極缶17およびパッキン18としては、一般的なものを用いることができる。
[評価2]
得られた評価用電池を、環境温度25℃、電圧走査範囲2.0V〜4.6Vの条件で評価した。なお、実施例1−1(図6)、1−3(図7)および参考例1(図9)における電流レートは0.1Cであり、比較例1−1(図8)における電流レートは0.02Cである。その結果を、表3および図6〜図9に示す。
Figure 2013229132
表3および図6〜8から、実施例1−1および1−3では、高い放電容量および充放電効率が確認できる。これは、FBを所定の体積割合で混合することで、焼結密度を維持しつつ、高い電子伝導性を示す電極焼結体を得ることができるからである。一方、比較例1−1では、導電助剤が添加されていないことから、電子伝導性が付与されないため、実施例1−1等に比べて放電容量および充放電効率が低いと考えられる。また実施例1−1および1−3を比較すると、導電助剤の体積割合が大きい実施例1−3では、実施例1−1に比べて放電容量および充放電効率が低いことが確認できる。これは、導電助剤の添加量が増加したことにより、イオン伝導パスの確保が困難になったためと考えられる。
また表3、図6および9の結果から、実施例1−1および参考例1を比較すると、焼成温度が750℃とより高温である参考例1では、焼成温度が600℃である実施例1−1に比べて放電容量および充放電効率が低いことが確認できる。これは、参考例1における焼成温度がより高温であり、焼成時に固体電解質材料および電極活物質の副反応が生じたためと考えられる。
[参考例2]
実施例1−1と同様に、固体電解質材料としてLi1.5Al0.5Ge1.5(PO(株式会社 高純度化学研究所製、平均粒径9.03μm、LAGP)を用意し、電極活物質として、Li(PO(株式会社 高純度化学研究所製、平均粒径8.0μm、LVP)を用意した。LAGPおよびLVPを混合して焼結形成用材料を得た後、ペレット状圧粉体を作製した。ペレット状圧粉体を、600℃で焼成し、焼結体を得た。
[参考例3〜4]
固体電解質材料として、LATPおよびLLTOを用いて、1000℃で焼成したこと以外は、参考例2と同様にして焼結体を得た。
[評価]
参考例2〜4で得られた焼結体を、乳鉢で粉砕し、X線回折(XRD)測定を行った。XRD測定には、リガク製RINT UltimaIIIを用い、CuKα線を用いた。参考例2〜4のXRD測定結果では、固体電解質材料および電極活物質以外の成分のピークは検出されないことが確認された。そのため、固体電解質材料としてLAGP、LATPおよびLLTOを用い、電極活物質としてLVPを用いて焼結体を作製する場合、異相が生じないことが確認できた。
1 … 電極活物質
2 … 固体電解質材料
3 … 導電助剤
4 … 圧粉体
10 … 電極焼結体
11 … 正極活物質層
12 … 電解質層
13 … 負極活物質層
14 … 正極集電体(正極缶)
15 … ワッシャー
16 … スペーサー
17 … 負極集電体(負極缶)
18 … パッキン
20 … 評価用電池

Claims (2)

  1. 固体電解質材料と、電極活物質と、導電助剤とを含む電極焼結体であって、
    前記固体電解質材料は、一般式Li1+xAlGe2−x(PO(0≦x≦1)で表される化合物、一般式Li1+xAlTi2−x(PO(0≦x≦1)で表される化合物、および一般式LiLaTiO(0≦x≦1、0≦y≦1)で表される化合物の少なくとも1種であり、
    前記電極活物質は、一般式Li (PO(MはV、Fe、Tiの少なくとも1種である)で表される化合物および一般式LiMPO(MはNi、Co、Feの少なくとも1種である)で表される化合物の少なくとも1種であり、
    前記固体電解質材料、前記電極活物質および前記導電助剤の合計に対する、前記導電助剤の体積割合が、5体積%〜10体積%の範囲内であり、
    前記電極焼結体の電子伝導度が1.0×10−4S/cm以上であることを特徴とする電極焼結体。
  2. 固体電解質材料、電極活物質および導電助剤を混合して焼結体形成用材料を得る調製工程と、
    前記焼結体形成用材料を焼結させる焼結工程と、を備える電極焼結体の製造方法であって、
    前記固体電解質材料は、一般式Li1+xAlGe2−x(PO(0≦x≦1)で表される化合物、一般式Li1+xAlTi2−x(PO(0≦x≦1)で表される化合物、および一般式LiLaTiO(0≦x≦1、0≦y≦1)で表される化合物の少なくとも1種であり、
    前記電極活物質は、一般式Li (PO(MはV、Fe、Tiの少なくとも1種である)で表される化合物および一般式LiMPO(MはNi、Co、Feの少なくとも1種である)で表される化合物の少なくとも1種であり、
    前記固体電解質材料、前記電極活物質および前記導電助剤の合計に対する、前記導電助剤の体積割合が、5体積%〜10体積%の範囲内であり、
    前記焼結工程後の前記電極焼結体の電子伝導度が1.0×10−4S/cm以上であることを特徴とする電極焼結体の製造方法。
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