JP2013045738A - 固体電解質焼結体、及びその製造方法、並びに全固体リチウム電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】Liイオン伝導性が向上された固体電解質焼結体、該固体電解質焼結体の製造方法、及び該固体電解質焼結体を備えた全固体リチウム電池を提供する。
【解決手段】Liイオン伝導性を有する非晶質固体電解質材料1と、該非晶質固体電解質材料よりイオン伝導率が低くLiを含む添加剤2とを含む混合物を焼結した固体電解質焼結体10とし、Liイオン伝導性を有する非晶質固体電解質材料1とLiを含む添加剤2とを含む混合物を作製し、該混合物を550℃以上1100℃以下の温度で焼結する固体電解質焼結体10の製造方法とし、該固体電解質焼結体10を備えた全固体リチウム電池とする。
【選択図】図1
【解決手段】Liイオン伝導性を有する非晶質固体電解質材料1と、該非晶質固体電解質材料よりイオン伝導率が低くLiを含む添加剤2とを含む混合物を焼結した固体電解質焼結体10とし、Liイオン伝導性を有する非晶質固体電解質材料1とLiを含む添加剤2とを含む混合物を作製し、該混合物を550℃以上1100℃以下の温度で焼結する固体電解質焼結体10の製造方法とし、該固体電解質焼結体10を備えた全固体リチウム電池とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、固体電解質焼結体、該固体電解質焼結体の製造方法、及び該固体電解質焼結体を備えた全固体リチウム電池に関する。
リチウムイオン二次電池(以下において、「リチウム二次電池」ということがある。)は、他の二次電池よりもエネルギー密度が高く、高電圧での動作が可能という特徴を有している。そのため、リチウムイオン二次電池は小型軽量化を図りやすい二次電池として携帯電話等の情報機器に使用されている。また、近年は電気自動車やハイブリッド自動車用等の大型機器の動力用としても、リチウムイオン二次電池の需要が高まっている。
リチウムイオン二次電池には、正極層及び負極層と、これらの間に配置される電解質層とが備えられている。当該電解質層に用いられる電解質としては、例えば非水系の液体状や固体状の物質が知られている。液体状の電解質(以下において、「電解液」という。)は、正極層や負極層の内部へと浸透しやすい。そのため、電解液が用いられる場合には、正極層や負極層に含有されている活物質と電解質との界面が形成され易いので、電池の性能を向上させやすい。ところが、広く用いられている電解液は可燃性であるため、安全性を確保するためのシステムを搭載する必要がある。一方、不燃性である固体状の電解質(以下において、「固体電解質」という。)を用いると、上記システムを簡素化できる。それゆえ、不燃性である固体電解質を含有する層(以下において、「固体電解質層」という。)が備えられる形態のリチウムイオン二次電池(以下において、「全固体リチウム電池」という。)が提案されている。
このような全固体リチウム電池の高出力化を図るため、従来から固体電解質層に用いられる固体電解質のLiイオン伝導性を向上させる研究がなされている。例えば、非特許文献1においては、Liイオン伝導性固体電解質であるLi0.5La0.5TiO3に、体積分率で5〜15%のSiO2を添加した固体電解質焼結体が開示されている。これは、固体電解質にSiO2を混合することにより、Liイオン伝導性の向上を図ったものである。また、特許文献1には、固体電解質層に非晶質酸化物を添加することについて記載されている。
Yuan Deng et al., "The preparation and conductivity prorerties of Li0.5La0.5TiO3/inactive second phase composites", Journal of Alloys and Compounds 472 (2009) 456-460.
上述したように、固体電解質に様々な添加剤を加える技術がこれまでに提案されているが、全固体リチウム電池の高出力化を図る等の観点から、固体電解質のLiイオン伝導性をさらに向上させることが望まれていた。
そこで本発明は、Liイオン伝導性が向上された固体電解質焼結体、該固体電解質焼結体の製造方法、及び該固体電解質焼結体を備えた全固体リチウム電池を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明は以下の構成をとる。すなわち、
第1の本発明は、Liイオン伝導性を有する非晶質固体電解質材料と、該非晶質固体電解質材料よりイオン伝導率が低くLiを含む添加剤とを含む混合物を焼結した、固体電解質焼結体である。
第1の本発明は、Liイオン伝導性を有する非晶質固体電解質材料と、該非晶質固体電解質材料よりイオン伝導率が低くLiを含む添加剤とを含む混合物を焼結した、固体電解質焼結体である。
本発明において「非晶質」とは、X線回折測定により、当該材料が結晶質であったならば検出される所定の結晶ピークが検出されない状態をいう。なお、以下の本発明の説明において、「結晶質」とは結晶化温度以上の温度で熱処理された状態をいう。固体電解質焼結体における固体電解質材料の状態は、例えば、リガク製RINT UltimaIIIを用いたX線回折測定により判断することができる。
上記第1の本発明の固体電解質焼結体において、添加剤が非晶質であることが好ましい。
また、上記第1の本発明の固体電解質焼結体において、添加剤がLi−Al−Si−O系であることが好ましい。
さらに、上記第1の本発明の固体電解質焼結体において、固体電解質材料100質量部に対する添加剤の含有量が0.5質量部以上、5質量部以下であることが好ましい。
第2の本発明は、Liイオン伝導性を有する非晶質固体電解質材料と、Liを含む添加剤とを含む混合物を作製し、該混合物を550℃以上1100℃以下の温度で焼結する、固体電解質焼結体の製造方法である。
第3の本発明は、正極活物質を含有する正極活物質層と、負極活物質を含有する負極活物質層と、正極活物質層および負極活物質層の間に形成された固体電解質層とを有する全固体リチウム電池であって、正極活物質層、負極活物質層および固体電解質層の少なくとも一つが、上記第1の本発明の固体電解質焼結体を含有する、全固体リチウム電池である。
本発明によれば、Liイオン伝導性が向上された固体電解質焼結体、該固体電解質焼結体の製造方法、及び該固体電解質焼結体を備えた全固体リチウム電池を提供することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
A.固体電解質焼結体
本発明の固体電解質焼結体は、Liイオン伝導性を有する非晶質固体電解質材料と、該非晶質固体電解質材料よりイオン伝導率が低くLiを含む添加剤とを含むものである。そして、本発明の固体電解質焼結体は、上記非晶質固体電解質材料と上記添加剤との界面を有する。このような本発明の固体電解質焼結体は、例えば、上記非晶質固体電解質材料と上記添加剤とを含む混合体や、上記非晶質固体電解質材料を含む層と上記添加剤を含む層とが積層された積層体によって構成することができる。図1は、本発明の固体電解質焼結体の一例を説明する図である。図1における固体電解質焼結体10は、Liイオン伝導性を有する非晶質固体電解質材料1と、Liを含む添加剤2とを含有している。
本発明の固体電解質焼結体は、Liイオン伝導性を有する非晶質固体電解質材料と、該非晶質固体電解質材料よりイオン伝導率が低くLiを含む添加剤とを含むものである。そして、本発明の固体電解質焼結体は、上記非晶質固体電解質材料と上記添加剤との界面を有する。このような本発明の固体電解質焼結体は、例えば、上記非晶質固体電解質材料と上記添加剤とを含む混合体や、上記非晶質固体電解質材料を含む層と上記添加剤を含む層とが積層された積層体によって構成することができる。図1は、本発明の固体電解質焼結体の一例を説明する図である。図1における固体電解質焼結体10は、Liイオン伝導性を有する非晶質固体電解質材料1と、Liを含む添加剤2とを含有している。
上述したように、従来、固体電解質材料にSiO2を副相として添加することで、イオン伝導性を向上させることが知られていた。しかしながら、SiO2を添加してもLiイオン伝導性の向上効果が不十分であるという問題があった。この原因としては、SiO2がLiイオンを伝導しないためであると考えられる。また、結晶性の固体電解質にSiO2を添加してから焼結すると焼結密度が向上しないため、Liイオン伝導性の向上効果が不十分になるとも考えられる。
本発明によれば、Liイオン伝導性を有する非晶質固体電解質材料と、Liを含む添加剤2とを組み合わせて用いる。このようにLiを含む添加剤を用いることによって、固体電解質材料の粒界にLiイオン伝導性を有する添加剤が存在することとなり、Li伝導性が向上された固体電解質焼結体とすることができる。また、Liを含む添加剤が非晶質である場合、非晶質固体電解質と非晶質添加剤とを混合してから結晶化させることによって、焼結密度が向上することで、Liイオン伝導性を効果的に向上させることができる。また、焼結密度が高いと、空孔が少なくなり、固体電解質焼結体の体積当たりのエネルギー密度を向上させることができる。さらに、焼結密度が高いことにより、固体電解質焼結体の機械的強度の向上を図ることもできる。
本発明の固体電解質焼結体は、上記非晶質固体電解質材料および上記添加剤を含む混合物を焼結した焼結体である。一般的に、「焼結」とは、固体粉末の集合体が加熱されることによって固まって緻密になる現象をいう。また、「焼結体」とは、固体粉末の集合体が加熱することによって固まって緻密になった物体をいう。焼結体であるか否かは、その部材が圧粉処理では到達できない密度(充填率)を有しているか否かで判断することができる。
以下、本発明の固体電解質焼結体について、構成ごとに詳細に説明する。
(非晶質固体電解質材料)
本発明における非晶質固体電解質材料は、Liイオン伝導性を有するものである。焼結前の非晶質固体電解質材料は、Liイオン伝導性が高いことが好ましく、常温におけるLiイオン導電率は、例えば、1×10−6S/cm以上であることが好ましく、1×10−5S/cm以上であることがより好ましい。
本発明における非晶質固体電解質材料は、Liイオン伝導性を有するものである。焼結前の非晶質固体電解質材料は、Liイオン伝導性が高いことが好ましく、常温におけるLiイオン導電率は、例えば、1×10−6S/cm以上であることが好ましく、1×10−5S/cm以上であることがより好ましい。
本発明における非晶質固体電解質材料としては、Liイオン伝導性を有し、非晶質のものであれば特に限定されるものではない。ただし、非晶質固体電解質材料は、リン酸基含有Liイオン伝導体であることが好ましい。リン酸基含有Liイオン伝導体は、一般に、他の化合物よりも軟らかいため、全固体リチウム電池の形成時に活物質との接触面積が大きくなる結果、界面抵抗を小さくすることができる。上記リン酸基含有Liイオン伝導体は、通常、Li元素およびリン酸基(PO4骨格)を有する化合物である。リン酸基含有Liイオン伝導体の一例としては、NASICON型構造を有する化合物を挙げることができる。NASICON型構造を有する化合物としては、例えば、一般式Li1+xAlxGe2−x(PO4)3(0≦x≦2)で表される化合物を挙げることができる。上記一般式において、xの範囲は、0以上であれば良く、中でも、0より大きいことが好ましく、0.3以上であることがより好ましい。一方、xの範囲は、2以下であれば良く、中でも、1.7以下であることが好ましく、1以下であることがより好ましい。本発明において、上記リン酸基含有Liイオン伝導体は、Li1.5Al0.5Ge1.5(PO4)3であることが好ましい。
また、NASICON型構造を有する化合物の他の例としては、一般式Li1+xAlxTi2−x(PO4)3(0≦x≦2)で表される化合物を挙げることができる。上記一般式において、xの範囲は、0以上であれば良く、中でも、0より大きいことが好ましく、0.3以上であることがより好ましい。一方、xの範囲は、2以下であれば良く、中でも、1.7以下であることが好ましく、1以下であることがより好ましい。中でも、本発明においては、上記リン酸基含有Liイオン伝導体が、Li1.5Al0.5Ti1.5(PO4)3であることが好ましい。また、リン酸基含有Liイオン伝導体の他の例としては、Li3PO4等を挙げることができる。また、本発明における固体電解質材料として、例えば、Li7P3S11等の硫化物固体電解質材料を用いることもできる。
また、焼結前の非晶質固体電解質材料の形状は、例えば、粉状であり、その平均粒径は、後に詳述する添加剤の平均粒径以上であることが好ましい。焼結前の非晶質固体電解質材料の平均粒径は、例えば、100nm以上5μm以下の範囲内であることが好ましく、100nm以上3μm以下の範囲内であることがより好ましい。非晶質固体電解質材料の平均粒径が大きすぎると、緻密な固体電解質焼結体を得ることが困難になる虞がある、一方、非晶質固体電解質材料の平均粒径が小さすぎると、固体電解質材料の作製が困難になる虞がある。なお、本発明の説明において「平均粒径」とは、レーザー回折法により測定した球換算粒径D50で定義することができる。
(添加剤)
本発明における添加剤は、上記非晶質固体電解質材料よりイオン伝導率が低くLiを含むものである。また、本発明に用いる添加剤は、酸素を含むことが特に好ましい。さらに、本発明に用いる添加剤としては、非晶質のものが好ましい。添加剤が非晶質であることによって、上記非晶質固体電解質と混合して焼結することによって固体電解質焼結体を得る際に、該焼結体の焼結密度を向上させ易くなる。本発明に用いることができる添加剤の具体例としては、Li−Al−Si−O系、Li−P−Si−O系、Li−B−Si−O系などの材料を挙げることができる。これらの中でも、特にLi−Al−Si−O系が好ましい。Li−Al−Si−O系の材料は安価であるため、固体電解質焼結体の生産コストを抑えることができる。
本発明における添加剤は、上記非晶質固体電解質材料よりイオン伝導率が低くLiを含むものである。また、本発明に用いる添加剤は、酸素を含むことが特に好ましい。さらに、本発明に用いる添加剤としては、非晶質のものが好ましい。添加剤が非晶質であることによって、上記非晶質固体電解質と混合して焼結することによって固体電解質焼結体を得る際に、該焼結体の焼結密度を向上させ易くなる。本発明に用いることができる添加剤の具体例としては、Li−Al−Si−O系、Li−P−Si−O系、Li−B−Si−O系などの材料を挙げることができる。これらの中でも、特にLi−Al−Si−O系が好ましい。Li−Al−Si−O系の材料は安価であるため、固体電解質焼結体の生産コストを抑えることができる。
焼結前の添加剤の形状は、例えば、粉状であり、その平均粒径は、上述した非晶質固体電解質材料の平均粒径以下であることが好ましい。添加剤の平均粒径は、10nm以上200nm以下の範囲内であることが好ましく、20nm以上100nm以下の範囲内であることがより好ましい。添加剤の平均粒径が大きすぎると、緻密な固体電解質焼結体を得ることが困難になる虞がある。一方、添加剤の平均粒径が小さすぎると、添加剤の作製が困難になる虞がある。また、焼結前の添加剤の形態は、溶媒を含むゾルゲル前駆体であってもよい。焼結前の添加剤をゾルゲル前駆体とする場合、上記非晶質固体電解質材料を含む層を形成した後、該層の表面に該ゾルゲル前駆体をコーティングしてから、溶媒を揮発させることで固体電解質と添加剤との複合体を得ることができる。
(固体電解質焼結体)
本発明の固体電解質焼結体における上記非晶質固体電解質材料および上記添加剤の質量比としては、固体電解質材料100質量部に対する添加剤の含有量が、0.5質量部以上5質量部以下であることが好ましい。当該範囲より添加剤の含有量が少なければ、添加剤を添加することによる効果が不十分で粒界抵抗を低減できない虞がある。一方、当該範囲より添加剤の添加量が多ければ、固体電解質よりイオン伝導性が低い添加剤の占める体積が固体電解質焼結体内において大きくなるため、固体電解質焼結体のLiイオン伝導性を向上させる効果が低くなる。
本発明の固体電解質焼結体における上記非晶質固体電解質材料および上記添加剤の質量比としては、固体電解質材料100質量部に対する添加剤の含有量が、0.5質量部以上5質量部以下であることが好ましい。当該範囲より添加剤の含有量が少なければ、添加剤を添加することによる効果が不十分で粒界抵抗を低減できない虞がある。一方、当該範囲より添加剤の添加量が多ければ、固体電解質よりイオン伝導性が低い添加剤の占める体積が固体電解質焼結体内において大きくなるため、固体電解質焼結体のLiイオン伝導性を向上させる効果が低くなる。
また、上記非晶質固体電解質材料および上記添加剤を含む混合物を作製した後に本発明の固体電解質焼結体を得る際の焼結温度は、550℃以上1100℃以下が好ましく、550℃以上900℃以下がより好ましい。焼結温度が550℃より低いと焼結が不十分となる虞がある。一方、焼結温度が1100℃を超えると、リチウムが揮発して固体電解質の組成が変わってしまう虞がある。
本発明の固体電解質焼結体は、ペレット状であっても良く、シート状であっても良い。固体電解質焼結体の形状は、既存の各種焼結体と同様の形状を用いることができる。例えば、円柱状、平板状、および円筒状等を挙げることができる。さらに、固体電解質焼結体は、例えば、ペレット状の固体電解質焼結体を粉砕することにより得られる粉末状のものであっても良い。中でも、固体電解質焼結体は、ペレット状であることが好ましい。強度が高く、衝撃に強い固体電解質焼結体とすることができるからである。
本発明の固体電解質焼結体は、Liイオン伝導性が高いことが好ましく、常温におけるLiイオン導電率は、例えば、1×10−6S/cm以上であることが好ましく、1×10−5S/cm以上であることがより好ましい。
本発明の固体電解質焼結体は、Liイオン伝導性を必要とする任意の用途に用いることができる。このような用途としては、例えば、電池、センサー等が挙げられる。中でも、上記固体電解質焼結体は、電池に用いられるものであることが好ましい。さらに、上記固体電解質焼結体を電池に用いる場合、正極活物質層に用いても良く、負極活物質層に用いても良く、固体電解質層に用いても良い。
B.全固体リチウム電池
次に、本発明の全固体リチウム電池について説明する。本発明の全固体リチウム電池は、正極活物質を含有する正極活物質層と、負極活物質を含有する負極活物質層と、上記正極活物質層および上記負極活物質層の間に形成された固体電解質層とを有する全固体リチウム電池であって、上記正極活物質層、上記負極活物質層および上記固体電解質層の少なくとも一つが、上述した固体電解質焼結体を含有することを特徴とするものである。
次に、本発明の全固体リチウム電池について説明する。本発明の全固体リチウム電池は、正極活物質を含有する正極活物質層と、負極活物質を含有する負極活物質層と、上記正極活物質層および上記負極活物質層の間に形成された固体電解質層とを有する全固体リチウム電池であって、上記正極活物質層、上記負極活物質層および上記固体電解質層の少なくとも一つが、上述した固体電解質焼結体を含有することを特徴とするものである。
図2は、本発明の全固体リチウム電池の一例を示す概略断面図である。図2における全固体リチウム電池20は、正極活物質を含有する正極活物質層11と、負極活物質を含有する負極活物質層12と、正極活物質層11および負極活物質層12の間に形成された固体電解質層13と、正極活物質層11の集電を行う正極集電体14と、負極活物質層12の集電を行う負極集電体15と、これらの部材を収納する電池ケース16とを有する。本発明においては、正極活物質層11、負極活物質層12および固体電解質層13の少なくとも一つが、上記「A.固体電解質焼結体」に記載した固体電解質焼結体(例えば、粉末状の固体電解質焼結体)を含有することを大きな特徴とする。
本発明によれば、上述した固体電解質焼結体を用いることにより、イオン伝導性が向上された全固体リチウム電池とすることができる。
以下、本発明の全固体リチウム電池について、構成ごとに説明する。
以下、本発明の全固体リチウム電池について、構成ごとに説明する。
1.正極活物質層
まず、本発明における正極活物質層について説明する。本発明における正極活物質層は、少なくとも正極活物質を含有する層であり、必要に応じて、固体電解質材料、導電化材および結着材の少なくとも一つをさらに含有していても良い。
まず、本発明における正極活物質層について説明する。本発明における正極活物質層は、少なくとも正極活物質を含有する層であり、必要に応じて、固体電解質材料、導電化材および結着材の少なくとも一つをさらに含有していても良い。
本発明においては、正極活物質層に含まれる固体電解質材料が、上記「A.固体電解質焼結体」に記載した固体電解質焼結体(例えば、粉末状の固体電解質焼結体)であることが好ましい。エネルギー密度の高い全固体リチウム電池を得ることができるからである。正極活物質層における固体電解質材料の含有量は、例えば、0.1体積%〜80体積%の範囲内、中でも、1体積%〜60体積%の範囲内、特に、10体積%〜50体積%の範囲内であることが好ましい。
正極活物質としては、特に限定されるものではないが、例えば、LiCoO2、LiMnO2、LiNiO2、LiVO2、LiNi1/3Co1/3Mn1/3O2等の岩塩層状型活物質、LiMn2O4、Li(Ni0.5Mn1.5)O4等のスピネル型活物質、LiFePO4、LiMnPO4等のオリビン型活物質等を挙げることができる。また、Li2FeSiO4、Li2MnSiO4等のSi含有酸化物を正極活物質として用いても良い。
正極活物質の形状としては、例えば、粒子形状を挙げることができ、中でも、真球状または楕円球状であることが好ましい。また、正極活物質が粒子形状である場合、その平均粒径は、例えば、0.1μm〜50μmの範囲内であることが好ましい。また、正極活物質層における正極活物質の含有量は、例えば、10体積%〜99体積%の範囲内であることが好ましく、20体積%〜99体積%の範囲内であることがより好ましい。
本発明における正極活物質層は、さらに導電化材を含有していても良い。導電化材の添加により、正極活物質層の導電性を向上させることができる。導電化材としては、例えば、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、カーボンファイバー等を挙げることができる。また、正極活物質層は、さらに結着材を含有していても良い。結着材としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素含有結着材等を挙げることができる。
正極活物質層の厚さは、例えば、0.1μm〜1000μmの範囲内であることが好ましい。また、正極活物質層の形成方法としては、例えば、正極活物質層を構成する材料を圧縮成形する方法等を挙げることができる。
2.負極活物質層
次に、本発明における負極活物質層について説明する。本発明における負極活物質層は、少なくとも負極活物質を含有する層であり、必要に応じて、固体電解質材料、導電化材および結着材の少なくとも一つをさらに含有していても良い。
次に、本発明における負極活物質層について説明する。本発明における負極活物質層は、少なくとも負極活物質を含有する層であり、必要に応じて、固体電解質材料、導電化材および結着材の少なくとも一つをさらに含有していても良い。
本発明においては、負極活物質層に含まれる固体電解質材料が、上記「A.固体電解質焼結体」に記載した固体電解質焼結体(例えば、粉末状の固体電解質焼結体)であることが好ましい。エネルギー密度の高い全固体リチウム電池を得ることができるからである。負極活物質層における固体電解質材料の含有量は、例えば、0.1体積%〜80体積%の範囲内、中でも、1体積%〜60体積%の範囲内、特に、10体積%〜50体積%の範囲内であることが好ましい。
負極活物質としては、例えば、金属活物質およびカーボン活物質を挙げることができる。金属活物質としては、例えば、In、Al、SiおよびSn等を挙げることができる。一方、カーボン活物質としては、例えば、メソカーボンマイクロビーズ(MCMB)、高配向性グラファイト(HOPG)、ハードカーボン、ソフトカーボン等を挙げることができる。また、負極活物質層における負極活物質の含有量は、例えば、10体積%〜99体積%の範囲内であることが好ましく、20体積%〜99体積%の範囲内であることがより好ましい。なお、負極活物質層に用いられる導電化材および結着材については、上述した正極活物質層における場合と同様である。
負極活物質層の厚さは、例えば、0.1μm〜1000μmの範囲内であることが好ましい。また、負極活物質層の形成方法としては、例えば、負極活物質層を構成する材料を圧縮成形する方法等を挙げることができる。
3.固体電解質層
次に、本発明における固体電解質層について説明する。本発明における固体電解質層は、正極活物質層および負極活物質層の間に形成される層であり、固体電解質材料から構成される層である。固体電解質層に含まれる固体電解質材料は、Liイオン伝導性を有するものであれば特に限定されるものではない。
次に、本発明における固体電解質層について説明する。本発明における固体電解質層は、正極活物質層および負極活物質層の間に形成される層であり、固体電解質材料から構成される層である。固体電解質層に含まれる固体電解質材料は、Liイオン伝導性を有するものであれば特に限定されるものではない。
本発明においては、固体電解質層に含まれる固体電解質材料が、上記「A.固体電解質焼結体」に記載した固体電解質焼結体(例えば、ペレット状、粉末状の固体電解質焼結体)であることが好ましい。エネルギー密度の高い全固体リチウム電池を得ることができるからである。固体電解質層における固体電解質材料の含有量は、所望の絶縁性が得られる割合であれば特に限定されるものではないが、例えば、10体積%〜100体積%の範囲内、中でも、50体積%〜100体積%の範囲内であることが好ましい。特に、本発明においては、固体電解質層が上記固体電解質焼結体のみから構成されていることが好ましい。よりエネルギー密度の高い全固体リチウム電池を得ることができるからである。
なお、固体電解質層に用いられる結着材については、上述した正極活物質層における場合と同様である。固体電解質層の厚さは、例えば、0.1μm〜1000μmの範囲内、中でも、0.1μm〜300μmの範囲内であることが好ましい。また、固体電解質層の形成方法としては、例えば、固体電解質層を構成する材料を圧縮成形する方法等を挙げることができる。
4.その他の構成
本発明の全固体リチウム電池は、上述した正極活物質層、負極活物質層および固体電解質層を少なくとも有するものである。さらに通常は、正極活物質層の集電を行う正極集電体、および負極活物質層の集電を行う負極集電体を有する。正極集電体の材料としては、例えば、SUS、アルミニウム、ニッケル、鉄、チタンおよびカーボン等を挙げることができ、中でも、SUSが好ましい。一方、負極集電体の材料としては、例えば、SUS、銅、ニッケルおよびカーボン等を挙げることができ、中でも、SUSが好ましい。また、正極集電体および負極集電体の厚さや形状等については、全固体リチウム電池の用途等に応じて適宜選択することが好ましい。また、本発明に用いられる電池ケースには、一般的な全固体リチウム電池の電池ケースを用いることができる。電池ケースとしては、例えば、SUS製電池ケース等を挙げることができる。
本発明の全固体リチウム電池は、上述した正極活物質層、負極活物質層および固体電解質層を少なくとも有するものである。さらに通常は、正極活物質層の集電を行う正極集電体、および負極活物質層の集電を行う負極集電体を有する。正極集電体の材料としては、例えば、SUS、アルミニウム、ニッケル、鉄、チタンおよびカーボン等を挙げることができ、中でも、SUSが好ましい。一方、負極集電体の材料としては、例えば、SUS、銅、ニッケルおよびカーボン等を挙げることができ、中でも、SUSが好ましい。また、正極集電体および負極集電体の厚さや形状等については、全固体リチウム電池の用途等に応じて適宜選択することが好ましい。また、本発明に用いられる電池ケースには、一般的な全固体リチウム電池の電池ケースを用いることができる。電池ケースとしては、例えば、SUS製電池ケース等を挙げることができる。
5.全固体リチウム電池
本発明の全固体リチウム電池は、一次電池であっても良く、二次電池であっても良いが、中でも、二次電池であることが好ましい。繰り返し充放電でき、例えば、車載用電池として有用だからである。本発明の全固体リチウム電池の形状としては、例えば、コイン型、ラミネート型、円筒型および角型等を挙げることができる。
本発明の全固体リチウム電池は、一次電池であっても良く、二次電池であっても良いが、中でも、二次電池であることが好ましい。繰り返し充放電でき、例えば、車載用電池として有用だからである。本発明の全固体リチウム電池の形状としては、例えば、コイン型、ラミネート型、円筒型および角型等を挙げることができる。
また、本発明の全固体リチウム電池の製造方法は、上述した全固体リチウム電池を得ることができる方法であれば特に限定されるものではなく、一般的な全固体リチウム電池の製造方法と同様の方法を用いることができる。全固体リチウム電池の製造方法の一例としては、正極活物質層を構成する材料、固体電解質層を構成する材料、および負極活物質層を構成する材料を順次プレスすることにより、発電要素を作製し、この発電要素を電池ケースの内部に収納し、電池ケースをかしめる方法等を挙げることができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下に実施例を示して、本発明をさらに具体的に説明する。
(実施例1)
平均粒径が100nmの非晶質Li1.5Al0.5Ge1.5(PO4)3(ホソカワミクロン社製、平均粒径100nm、LAGP)と、平均粒径が50nmの非晶質LiAlSiO4(ホソカワミクロン社製)を重量比が非晶質LAGP:非晶質LiAlSiO4=100:0.5となるように秤量し、メノウ乳鉢を用いて20分間混合した。次に、得られた混合物0.3gを、φ13mmのペレットダイスを用いて5MPaの圧力で一軸プレスし、圧粉体を作製した。さらに、得られた圧粉体を196MPaの圧力で静水圧プレス(CIP)することにより、ペレットを作製した。続いて、得られたペレットを、大気雰囲気、650℃、2時間の条件で焼成し、固体電解質焼結体を得た。
平均粒径が100nmの非晶質Li1.5Al0.5Ge1.5(PO4)3(ホソカワミクロン社製、平均粒径100nm、LAGP)と、平均粒径が50nmの非晶質LiAlSiO4(ホソカワミクロン社製)を重量比が非晶質LAGP:非晶質LiAlSiO4=100:0.5となるように秤量し、メノウ乳鉢を用いて20分間混合した。次に、得られた混合物0.3gを、φ13mmのペレットダイスを用いて5MPaの圧力で一軸プレスし、圧粉体を作製した。さらに、得られた圧粉体を196MPaの圧力で静水圧プレス(CIP)することにより、ペレットを作製した。続いて、得られたペレットを、大気雰囲気、650℃、2時間の条件で焼成し、固体電解質焼結体を得た。
(実施例2)
非晶質LAGPおよび非晶質LiAlSiO4の質量比を、非晶質LAGP:非晶質LiAlSiO4=100:1に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、固体電解質焼結体を得た。
非晶質LAGPおよび非晶質LiAlSiO4の質量比を、非晶質LAGP:非晶質LiAlSiO4=100:1に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、固体電解質焼結体を得た。
(実施例3)
非晶質LAGPおよび非晶質LiAlSiO4の質量比を、非晶質LAGP:非晶質LiAlSiO4=100:2に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、固体電解質焼結体を得た。
非晶質LAGPおよび非晶質LiAlSiO4の質量比を、非晶質LAGP:非晶質LiAlSiO4=100:2に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、固体電解質焼結体を得た。
(実施例4)
非晶質LAGPおよび非晶質LiAlSiO4の質量比を、非晶質LAGP:非晶質LiAlSiO4=100:3に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、固体電解質焼結体を得た。
非晶質LAGPおよび非晶質LiAlSiO4の質量比を、非晶質LAGP:非晶質LiAlSiO4=100:3に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、固体電解質焼結体を得た。
(実施例5)
非晶質LAGPおよび非晶質LiAlSiO4の質量比を、非晶質LAGP:非晶質LiAlSiO4=100:5に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、固体電解質焼結体を得た。
非晶質LAGPおよび非晶質LiAlSiO4の質量比を、非晶質LAGP:非晶質LiAlSiO4=100:5に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、固体電解質焼結体を得た。
(比較例1)
非晶質LiAlSiO4を用いなかったこと以外は、実施例1と同様にして、固体電解質焼結体を得た。
非晶質LiAlSiO4を用いなかったこと以外は、実施例1と同様にして、固体電解質焼結体を得た。
(比較例2)
非晶質LAGPおよび非晶質LiAlSiO4の質量比を、非晶質LAGP:非晶質LiAlSiO4=100:10に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、固体電解質焼結体を得た。
非晶質LAGPおよび非晶質LiAlSiO4の質量比を、非晶質LAGP:非晶質LiAlSiO4=100:10に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、固体電解質焼結体を得た。
(比較例3)
非晶質LAGPを結晶質LAGP(高純度化学社製)に変更し、結晶質LAGPおよび非晶質LiAlSiO4の質量比を、結晶質LAGP:非晶質LiAlSiO4=100:2になるようにしたこと以外は、実施例1と同様にして、固体電解質焼結体を得た。
非晶質LAGPを結晶質LAGP(高純度化学社製)に変更し、結晶質LAGPおよび非晶質LiAlSiO4の質量比を、結晶質LAGP:非晶質LiAlSiO4=100:2になるようにしたこと以外は、実施例1と同様にして、固体電解質焼結体を得た。
(比較例4)
非晶質LiAlSiO4を非晶質SiO2(アドマテックス社製)に変更し、非晶質LAGPおよび非晶質SiO2の質量比を、非晶質LAGP:非晶質SiO2=100:2になるようにしたこと以外は、実施例1と同様にして、固体電解質焼結体を得た。
非晶質LiAlSiO4を非晶質SiO2(アドマテックス社製)に変更し、非晶質LAGPおよび非晶質SiO2の質量比を、非晶質LAGP:非晶質SiO2=100:2になるようにしたこと以外は、実施例1と同様にして、固体電解質焼結体を得た。
(比較例5)
非晶質LiAlSiO4を非晶質Al2O3(アドマテックス社製)に変更し、非晶質LAGPおよび非晶質TiO2の質量比を、非晶質LAGP:非晶質Al2O3=100:2になるようにしたこと以外は、実施例1と同様にして、固体電解質焼結体を得た。
非晶質LiAlSiO4を非晶質Al2O3(アドマテックス社製)に変更し、非晶質LAGPおよび非晶質TiO2の質量比を、非晶質LAGP:非晶質Al2O3=100:2になるようにしたこと以外は、実施例1と同様にして、固体電解質焼結体を得た。
(Liイオン導電率測定)
実施例1〜5および比較例1〜5で得られた固体電解質焼結体に対して、交流インピーダンス法によるLiイオン導電率(常温)の測定を行った。Liイオン導電率の測定は、以下のように行った。固体電解質焼結体の両面に金をスパッタし、インピーダンス測定を行った。測定にはソーラトロン1260を用い、測定条件は、印加電圧5mV、測定周波数域0.01MHz〜1MHzとした。その結果を表1及び図3に示す。表1及び図3に示されるように、実施例1〜5で得られた固体電解質焼結体においては、比較例1で得られた固体電解質焼結体よりもLiイオン導電率が高くなっていることが確認された。一方、比較例2〜5で得られた固体電解質焼結体は、比較例1で得られた固体電解質焼結体よりも低いLiイオン導電率を示すことが確認された。
実施例1〜5および比較例1〜5で得られた固体電解質焼結体に対して、交流インピーダンス法によるLiイオン導電率(常温)の測定を行った。Liイオン導電率の測定は、以下のように行った。固体電解質焼結体の両面に金をスパッタし、インピーダンス測定を行った。測定にはソーラトロン1260を用い、測定条件は、印加電圧5mV、測定周波数域0.01MHz〜1MHzとした。その結果を表1及び図3に示す。表1及び図3に示されるように、実施例1〜5で得られた固体電解質焼結体においては、比較例1で得られた固体電解質焼結体よりもLiイオン導電率が高くなっていることが確認された。一方、比較例2〜5で得られた固体電解質焼結体は、比較例1で得られた固体電解質焼結体よりも低いLiイオン導電率を示すことが確認された。
(X線回折測定)
実施例2で得られた固体電解質焼結体を、メノウ乳鉢で粉砕し、X線回折(XRD)測定を行った。XRD測定には、リガク製RINT UltimaIIIを用い、CuKα線を用いた。結果を図4(c)に示す。また、図4(a)には600℃で焼結したLiAlSiO4のXRDパターンを示し、図4(b)には600℃で焼結したLAGPのXRDパターンを示す。図4(c)に示されるように、固体電解質焼結体にはLiAlSiO4に帰属されるピークが観察されないため、非晶質LiAlSiO4は固体電解質の粒界に存在すると考えられる。
実施例2で得られた固体電解質焼結体を、メノウ乳鉢で粉砕し、X線回折(XRD)測定を行った。XRD測定には、リガク製RINT UltimaIIIを用い、CuKα線を用いた。結果を図4(c)に示す。また、図4(a)には600℃で焼結したLiAlSiO4のXRDパターンを示し、図4(b)には600℃で焼結したLAGPのXRDパターンを示す。図4(c)に示されるように、固体電解質焼結体にはLiAlSiO4に帰属されるピークが観察されないため、非晶質LiAlSiO4は固体電解質の粒界に存在すると考えられる。
1 固体電解質材料
2 添加剤
10 固体電解質焼結体
11 正極活物質層
12 負極活物質層
13 固体電解質層
14 正極集電体
15 負極集電体
16 電池ケース
20 全固体リチウム電池
2 添加剤
10 固体電解質焼結体
11 正極活物質層
12 負極活物質層
13 固体電解質層
14 正極集電体
15 負極集電体
16 電池ケース
20 全固体リチウム電池
Claims (6)
- Liイオン伝導性を有する非晶質固体電解質材料と、前記非晶質固体電解質材料よりイオン伝導率が低くLiを含む添加剤とを含む混合物を焼結した、固体電解質焼結体。
- 前記添加剤が非晶質である、請求項1に記載の固体電解質焼結体。
- 前記添加剤がLi−Al−Si−O系である、請求項1又は2に記載の固体電解質焼結体。
- 前記固体電解質材料100質量部に対する前記添加剤の含有量が0.5質量部以上、5質量部以下である、請求項1〜3のいずれかに記載の固体電解質焼結体。
- Liイオン伝導性を有する非晶質固体電解質材料と、Liを含む添加剤とを含む混合物を作製し、該混合物を550℃以上1100℃以下の温度で焼結する、固体電解質焼結体の製造方法。
- 正極活物質を含有する正極活物質層と、負極活物質を含有する負極活物質層と、前記正極活物質層および前記負極活物質層の間に形成された固体電解質層とを有する全固体リチウム電池であって、
前記正極活物質層、前記負極活物質層および前記固体電解質層の少なくとも一つが、請求項1〜4のいずれかに記載の固体電解質焼結体を含有する、全固体リチウム電池。
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