JP2013224505A - 直径勾配を有する繊維の製造方法及び製造装置 - Google Patents

直径勾配を有する繊維の製造方法及び製造装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 精密に直径勾配を制御することを可能にする繊維の製造方法及び直径勾配を有する繊維の製造装置を提供する。
【解決手段】 繊維の送出装置10及び巻取装置12と、繊維を加熱するレーザ加熱装置30とを備え、送出装置10の繊維の送出速度を調節する手段と、巻取装置12の繊維の巻取速度を調節する手段と、レーザ加熱装置30の繊維に対するレーザ光の照射位置を調節する手段の、少なくともいずれか一つを調節して、レーザ延伸倍率を連続的に変化させる倍率変換装置20を備える。
【選択図】 図2

Description

本出願は、繊維の長手方向に直径が徐々に変化する直径勾配を有する繊維の製造方法及び製造装置に関する。
脳脊髄手術においてなされる硬膜切開では、硬膜縫合の際に手術針が通過した孔位置から髄液が漏出することを防止するため、手術針よりも徐々に太く形成した縫合糸を使用することが検討されている(特許文献1)。血管や筋肉などを縫合する場合は、手術針が通過してできる針穴は徐々に収縮して縫合糸と針穴との隙間は埋まるが、硬膜は血管などと比べて伸縮性が低いため、針穴と縫合糸との隙間が埋まらずに隙間から髄液が漏出することがある。手術針よりも太くした縫合糸を使用すれば、縫合糸が針穴をふさいで髄液が漏出することを抑えることができる。
上述した縫合糸のように、長手方向に徐々に直径が変化する繊維(直径勾配を有する繊維)には、紡績糸では、その撚り数を変化させることで直径差を設けたシックアンドシンヤーンがある。フィラメント糸では,配向した合成繊維の延伸時に赤外線レーザを間欠的に照射することで,繊維軸方向に複屈折率変化と太細を有する繊維を作製することが報告されている。また、処理刃を用いて繊維に局所的な曲げを生じさせてクレージング(高分子材料の初期破断)を生じさせ,繊維軸方向に引き伸ばすことで,クレージングが生じた部分でネッキングを起こさせ,繊維直径に太細を持たせる技術も報告されている。
特開平10−85225号公報 特開2001−279519号公報 特開2008−31617号公報 特開昭59−157310号公報
周期的マイクロネッキングを持つポリエステル繊維、武野明義、尾関孝充、三輪實、横井輝之、繊維学会誌、63、172-176 (2007)
長手方向に徐々に直径が変化する繊維は、従来は、織物として特徴的な風合いや染色むらを生じさせるといったように、太さのばらつきをもたせる目的で作製されており、直径を高精度に制御した繊維ではない。
縫合糸に使用する直径勾配を有する繊維は、使用する部位の組織等に応じて、径寸法や直径が変化する形態(テーパ形状)を的確に制御する必要がある。また、縫合糸に限らず、直径勾配を有する繊維は、特殊意匠糸、徐々に密度が変化する織物、特殊機能を持った繊維製品、密度を調節した篩等の種々の用途に利用可能であり、これらの用途に使用する場合も、用途に応じて繊維の直径勾配(テーパ形状)を正確に制御する必要がある。
本発明は、各種用途に容易に利用可能とするため、精密に直径勾配を制御することができ、直径勾配を適宜設定することが可能な直径勾配を有する繊維の製造方法及び直径勾配を有する繊維の製造装置並びに直径勾配を有する繊維を提供することを目的とする。
本発明に係る直径勾配を有する繊維の製造方法は、繊維を連続的に延伸する工程において、繊維の加熱源としてレーザ光の照射を使用し、繊維の送出速度を調節する手段と、巻取速度を調節する手段と、繊維に対しレーザ光を照射する位置を調節する手段の、少なくともいずれか一つの手段を利用して、繊維の直径勾配のスパンを調節することを特徴とする。
繊維の延伸工程では延伸倍率を固定して延伸操作する方法が常法である。本発明は延伸工程において、延伸倍率を積極的に変えることによって直径勾配を有する繊維を製造することを特徴とする。繊維の延伸倍率は、延伸点に繊維が流入する速度と流出する速度の比によって決まる。したがって、延伸倍率を変えるには、A:繊維の送出速度を変える、B:繊維の巻取速度を変える、C:延伸点位置を変える(ある速度で移動する)、いずれかの方法を利用すればよい。
本発明において、繊維の送出速度を調節する手段と、巻取速度を調節する手段と、繊維に対しレーザ光を照射する位置を調節する手段の、少なくともいずれか一つの手段を利用するとは、上記A、B、Cの3つの方法を選択して利用することを意味する。この場合、送出速度、巻取速度、レーザ光の照射位置のいずれか一つの手段を調節してもよいし、送出速度と巻取速度の双方、巻取速度とレーザ光照射位置の双方といったように、いずれか2つの手段を利用してもよいし、3つの手段をともに利用してもよい。
また、繊維に対しレーザ光を照射する位置を調節するとは、延伸点位置を変えることに相当する。延伸点位置を移動すれば、送出速度/巻取速度を変えなくても延伸倍率を変えることができ、これによって繊維直径を制御することができる。延伸点位置を移動させるためにレーザ光照射位置を変化させる方法としては、レーザ光発生装置を移動させる方法も可能であるが、可動式ミラーを利用し、光路を変えることでレーザ照射位置を変える方法が有効である。レーザ光の照射位置を繊維の走行方向にある速度で移動させれば、繊維が延伸点に流入・流出する速度はいずれも延伸点の移動速度分だけ小さくなるため、流出速度/流入速度で決まる繊維の延伸倍率が変化する。したがって、レーザ光照射位置が移動する速度を制御することにより、任意の直径勾配のプロフィールとなるように設定することができる。レーザ光の照射位置は高速で移動させることができるから、短距離で延伸倍率を変える場合に有効である。
繊維(フィラメント)の延伸工程では、繊維の送出速度に対して繊維を巻き取る速度を2倍、3倍、4倍、8倍といったように、送出速度を上回る速度に巻取速度を設定して延伸する。この延伸工程は、紡糸工程により得られた低分子配向、低結晶化度のフィラメントを高分子配向、高結晶化度とする工程であり、この工程を経過させることによって所要の強度、柔軟性といった物性を備える繊維とすることができる。
延伸工程における繊維の加熱方法として一般的な方法は、ホットローラー、温水槽、接触式ヒータ等の熱源を利用する方法である。これらの加熱方法は繊維の表面及び繊維の内部の熱伝導によるものである。しかしながら、高分子材料の熱伝達率は低いため、たとえ繊維が細くても、繊維の断面内温度が均一になるには時間がかかる。また、繊維内部の温度拡散に要する時間は距離の2乗に比例するため、繊維が太い場合や延伸速度を速くした場合には、繊維の断面内には大きな温度差が生じる。繊維の断面内に大きな温度差が生じると延伸作用が不安定になり、延伸開始点が変動するために実質的な延伸倍率が変化し、繊維直径のムラが増大する.
本発明においては、延伸工程で繊維を加熱する方法としてレーザ光の照射を利用している(レーザ加熱延伸法)。レーザ加熱延伸法によれば、レーザ光が吸収された点で繊維が加熱されるため、熱伝達による加熱と比較して短い時間で繊維内部の温度が均一になる。繊維の温度を急速かつ均一に上げられるため、延伸開始点をレーザ照射領域内に精度よく固定でき、直径ムラの発生を抑制することができる。
繊維の送出速度と巻取速度を制御して直径勾配を有する繊維を製造する方法は、レーザ光の照射によって延伸開始点を精密に固定することで、繊維の直径を精密に制御可能としたものであり、レーザ光の照射位置を移動させて繊維径を変化させる方法は、レーザ光の照射により延伸開始点位置を精密に制御することで、繊維の直径を精密に制御可能としたものである。
延伸工程において、繊維の送出速度を調節する手段と、巻取速度を調節する手段を利用するとは、基準とする延伸倍率での速度に対し加速あるいは減速させる操作を行うという意味であり、加速あるいは減速の程度や、加速時間、減速時間を制御することにより、所定の直径勾配のプロフィールを有する繊維を得ることができる。同様に、レーザ光の照射位置を移動させて繊維径を変化させる方法では、レーザ光照射位置の移動幅や移動に要する時間を制御することにより、所定の直径勾配のプロフィールを有する繊維を得ることができる。
本発明に係る製造装置は、繊維の送出装置及び巻取装置と、繊維を加熱するレーザ加熱装置とを備え、前記送出装置の繊維の送出速度を調節する手段と、前記巻取装置の繊維の巻取速度を調節する手段と、前記レーザ加熱装置の繊維に対するレーザ光の照射位置を調節する手段の、少なくともいずれか一つを調節して、レーザ延伸倍率を連続的に変化させる倍率変換装置を備えることを特徴とする。
倍率変換装置とは、繊維の送出速度、繊維の巻取速度、レーザ加熱装置のレーザ光照射位置を選択的に利用して延伸倍率を変える装置の意味である。したがって、たとえば巻取装置の巻取速度を制御して延伸倍率を変える場合は、巻取速度を制御する速度変換装置が倍率変換装置に相当する。
また、レーザ加熱装置に、レーザ光の照射位置を制御する制御部を備えること、また、レーザ出力を変える制御手段を備えることにより、直径勾配を有する繊維をさらに的確に製造することができる。
また、本発明に係る直径勾配を有する繊維は、直径変化幅が1.01倍以上10倍以下程度であり、直径勾配をもたせるスパン(変化領域)の長さが直径の10倍から100,000倍であることを特徴とする。本発明に係る繊維は、直径勾配をもたせるスパンの長さが直径の10倍から100,000倍といったきわめて広範囲にわたることが特徴的であり、その特徴を生かしてさまざまな分野に適用することが可能である。
本発明によれば、繊維直径を連続的に変化させた繊維を高精度に作製することができ、数mといった広い範囲にわたって直径勾配を有する繊維から、数mm程度の比較的狭い範囲において直径勾配を有する繊維を提供することができる。
デジタルマイクロスコープにより観察したPP繊維の断面画像である。 延伸装置の構成を示す図である。 延伸装置の移動ローラの移動に伴う巻取速度のダイアグラムである。 加熱用のレーザ光を、ミラーを用いて繊維に照射する構成を示す図である。 延伸倍率を2−4−8倍の間で変化させた場合の繊維直径の測定結果を示すグラフである。 図5に示す直径プロフィールを1周期ごとに区切り、16周期分重ね合わせた直径プロフィールのグラフである。 図6の直径プロフィールを同位相ごとに平均した値と各位相ごとのばらつき(CV)を示すグラフである。 延伸倍率を4−6−8倍の間で変化させた場合の繊維直径の測定結果を示すグラフである。 図8に示す直径プロフィールを16周期分重ね合わせた直径プロフィールのグラフである。 図9の直径プロフィールを同位相ごとに平均した値とCVを示すグラフである。 延伸倍率を2−3−4倍の間で変化させた場合の繊維直径の測定結果を示すグラフである。 図11に示す直径プロフィールを16周期分重ね合わせた直径プロフィールのグラフである。 図12の直径プロフィールを同位相ごと平均した値とCVを示すグラフである。 延伸倍率2−4−8倍の間で変える場合で、巻取加速度を変化させることで繊維直径が変化する様子を示すグラフである。 延伸倍率を4−6−8倍の間で変える場合で、巻取加速度を変化させることで繊維直径が変化する様子を示すグラフである。 延伸倍率を2−3−4倍の間で変える場合で、巻取加速度を変化させることで繊維直径が変化する様子を示すグラフである。 接触式ヒータ加熱による場合で、延伸倍率を2−4−8倍の間で変えた場合の繊維直径の測定結果を示すグラフである。 図17に示す直径プロフィールを16周期分重ね合わせた直径プロフィールを示すグラフである。 図18の直径プロフィールを同位相ごと平均した値とCVを示すグラフである。 接触式ヒータ加熱による場合で、巻取繊維加速度を変化させた場合の繊維直径が変化する様子を示すグラフである。 レーザ加熱と接触式ヒータ加熱による延伸方法について、巻取繊維加速度を変えた場合の繊維の直径変化と、直径変化の理論値とを比較して示すグラフである。 レーザ加熱と接触式ヒータ加熱による延伸方法について、巻取繊維加速度を変えた場合の繊維の直径変化と、直径変化の理論値とを比較して示すグラフである。 レーザ加熱と接触式ヒータ加熱による延伸方法について、巻取繊維加速度を変えた場合の繊維の直径変化と、直径変化の理論値とを比較して示すグラフである。 レーザ加熱と接触式ヒータ加熱による延伸方法について、巻取繊維加速度を変えた場合の繊維の直径変化と、直径変化の理論値とを比較して示すグラフである。 紡糸工程において巻取速度を変えて作製した繊維直径についての測定結果を、1周期ごとに区切って重ね合わせた直径プロフィールを示すグラフである。 図25の直径プロフィールを同位相ごと平均した値とCVを示すグラフである。 巻取繊維加速度を変化させた場合の繊維直径が変化する様子を示すグラフである。
本発明に係る直径勾配を有する繊維の製造方法においては、レーザ加熱による延伸方法を利用し、繊維の巻取速度(延伸倍率)を増減させて直径勾配を有する繊維を製造する。レーザ加熱延伸法により延伸開始点を固定させることの有用性を確かめるため、加熱源に炭酸ガスレーザを用いた場合と接触式ヒータを用いた場合について実験を行った。
(試料)
実験ではポリプロピレン(Polypropylene以下PP)を試料とした。PP樹脂には、ノバテック株式会社性のPP樹脂(MFR 10g/10min)を用いた。PPペレットは、株式会社プラスチック光学研究所社製の単軸押出機GT-25-30-Lを用いて溶融押出しし、水冷ユニットを通して繊維を固化させた後、株式会社神津製作所製巻取機ET68S特殊型で巻き取った。図1に、デジタルマイクロスコープ(KEYENCE株式会社製VHX-1000)で観察した繊維断面画像を示す。図1(a)はノズルと水面とがほぼ接触した状態、図1(b)はノズル−水面間距離が50mmの状態、図1(c)はノズル−水面間距離が150mmの場合の繊維断面である。ノズル−水面間距離が150mmよりも小さい場合には、繊維が水冷ユニットを通る間に押しつぶされ、断面形状が楕円状になる。本実験では図1(c)に示す繊維断面が円形の、直径412μmのas-spun繊維を用いた。
(延伸装置)
図2に、本実験で使用した延伸装置の構成を示す。延伸装置は、延伸処理対象である繊維の送出装置10及び繊維の巻取装置12と、送出装置10と巻取装置12との中間に配した繊維の巻取速度を変える速度変換装置20とを備える。速度変換装置20は、繊維の搬送をガイドする固定ローラ22a、22bと、繊維の巻取速度を制御する移動ローラ24とを備える。移動ローラ24は、鉛直に起立させて設置したスライドガイド25にスライド自在にガイドされ、アクチュエータ(不図示)により駆動されて往復動する。移動ローラ24の動作は、位置決めモーションユニットとプログラマブルコントローラを備える制御部26により制御される。移動ローラ24とこれを駆動するアクチュエータ及び制御部26を含めて速度変換装置ということもできる。
延伸装置の延伸倍率λ0は、送出装置10の繊維の送出速度vFと巻取装置12の繊維の巻取速度vrの比によって決まる(λ0=vr/vF)。本実施形態では移動ローラ24の移動速度を変えることによって巻取速度を変動させる。移動ローラ24の移動速度をv(t)とすると、延伸装置の延伸倍率λ(t)は次式で表される。移動ローラの加速度をaとすると、v(t)=at(tは時間)である。
λ(t)=(vr±2v(t))/vF
延伸倍率が変動した場合の繊維の密度変化が無視できると仮定すると、繊維の直径d(t)は次式(1)で表される。
d(t)=d0/λ(t)1/2・・・(1)
図3に、移動ローラ24の移動にともなう巻取速度のダイアグラムの例を示す。グラフのA部分が移動ローラ24をスライドガイド25に沿って上昇させる動作に相当し、B部分が移動ローラ24を降下させる操作に相当する。移動ローラ24を移動させる速度(加速度、減速度)を変えることにより、巻取速度のダイアグラムの傾きやプロフィールが変化する。図3のAのプロフィールは、加速過程、等速過程、減速過程からなり、Bのプロフィールは、減速過程、等速過程、加速過程からなる。
実験では、移動ローラ24の移動動作を行った後、繊維の搬送状態を基準の延伸倍の状態にまで戻すまでのwait時間を10秒に設定し、移動ローラ24を上昇、降下させる操作を繰り返し行って繊維直径がどのように変動するかを観測した。
延伸装置に用いる加熱装置であるレーザ加熱装置30は速度変換装置20の上流側に配置する。使用したレーザ発振装置は炭酸ガスレーザ(鬼塚硝子株式会社製PIN-20S)である。レーザは、公称出力:20 W、レーザ波長:10.6μm、ビーム径:5 mm、ビーム広がり角:1.0mrad、偏光状態:ランダムである。
レーザ光は、4枚のミラーを用いて反射させることで、繊維を3方向から照射した。図4に、4枚のミラーを用いて繊維にレーザ光を照射する構成を示す。レーザ光を反射させるミラーは、反射光のそれぞれの間の角度が120°になるように調節し、3方向レーザ照射によって繊維内部の温度ムラができないようにした。
延伸工程における繊維径を測定するため、送出装置10の直後と巻取装置12の直前にそれぞれ直径計測用の測定装置40、42を設置し、延伸前後の繊維径をモニターした。測定装置としてデジタル寸法測定器(KEYENCE株式会社製LS-7000、LS-7010)を使用し、出力信号をデータ収集システム(KEYENCE株式会社製NR-2000)を介してパソコンに取り込んだ。デジタル寸法測定器は、平均回数4回、出力範囲0〜600μm、データ収集システムのサンプリング周期は1msである。
測定で得られた繊維直径の測定値には、as-spun繊維の直径ムラの影響と延伸倍率変化の影響が重畳している。そこで、以下の手順により平均的な直径プロフィールを求めることにより、後者の影響を抽出した。まず、得られた直径データを、移動ローラ24の1往復に対応する周期毎に区切った。次に、区切った1周期分の直径プロフィールデータを重ね合わせ、同位相の点毎の平均値と標準偏差を算出することによって、平均的な直径変化と各位相でのばらつき(CV)を求めた。
(レーザ加熱延伸)
表1にレーザ加熱延伸法により、延伸倍率を変えて行った実験の延伸条件を示す。延伸条件として、繊維の送出速度(Feed speed)、巻取速度(Take-up speed)、アクチュエータ(移動ローラ)の移動速度及び加速度、延伸倍率を変えたときの繊維の速度、延伸倍率(Drawing ratio)を示している。なお、実験は、巻取速度を333mm/s(4倍)、500mm/s(6倍)、250mm/s(3倍)とした場合について、アクチュエータの制御条件により、(2倍−4倍−8倍)、(4倍−6倍−8倍)、(2倍−3倍−4倍)の間で延伸倍率を変化させる3通りの方法で行った。
なお、延伸倍率を2−4−8倍と変える設定においては、装置上の問題から、巻取の加速度0.050m/s2の条件を1回の実験で行うことができなかったため、この延伸倍率においては、加速度0.050m/s2、減速度6.0m/s2の条件と、加速度6.0m/s2、減速度0.050m/s2の条件の2つに分けて実験を行った。その他の条件については、加減速度を同じ値に設定した。
図5(a)〜(i)に、延伸倍率を2−4−8倍の間で変化させる条件で得られた延伸後の繊維直径の測定結果を示す。それぞれのグラフでのアクチュエータ(移動ローラ)の加速度は、図5(a)0.050m/s2(加速度)、(b)0.050m/s2(減速度)、(c)0.10m/s2、(d)0.20m/s2、(e)0.40m/s2、(f)0.80m/s2、(g)1.6m/s2、(h)3.2m/s2である。
図6(a)〜(i)に、図5に示す直径プロフィールを1周期ごとに区切り、16周期分重ね合わせた直径プロフィールを示す。
図7(a)〜(i)に、16周期分重ね合わせた直径プロフィールを同位相ごと平均した値と、平均値からの標準偏差を算出して、各位相ごとのばらつき(CV)を示す。
なお、図6、図7における(a)〜(i)の各グラフにおけるアクチュエータの加速度は、図5(a)〜(i)の条件と同一である。
図8(a)〜(g)に、延伸倍率を4−6−8倍の間で変化させる条件で得られた延伸後の繊維直径の測定結果を示す。それぞれのグラフでのアクチュエータの加速度は、図8(a)0.050m/s2、(b)0.10m/s2、(c)0.20m/s2、(d)0.40m/s2、(e)0.80m/s2、(f)1.6m/s2、(g)6.0m/s2である。
図9(a)〜(g)に、16周期分重ね合わせた直径プロフィール、図10(a)〜(g)に、平均化した直径プロフィールと、直径の各位相ごとのばらつき(CV)を示す。図9、図10の各グラフにおけるアクチュエータの加速度は、図8(a)〜(g)の条件と同一である。
図11(a)〜(g)に、延伸倍率を2−3−4倍の間で変化させる条件で得られた延伸後の繊維直径の測定結果を示す。それぞれのグラフでのアクチュエータの加速度は、図8(a)0.050m/s2、(b)0.10m/s2、(c)0.20m/s2、(d)0.40m/s2、(e)1.6m/s2、(f)6.0m/s2である。
図12(a)〜(f)に、16周期分重ね合わせた直径プロフィール、図13(a)〜(f)に、平均化した直径プロフィールと、直径の各位相ごとのばらつき(CV)を示す。図12、図13の各グラフにおけるアクチュエータの加速度は、図11(a)〜(f)の条件と同一である。
図5、6、8、9、11、12に示す直径プロフィールは、アクチュエータを用いて延伸倍率を周期的に変化させる(巻取速度を変化させる)ことにより、繊維直径が周期的に変化することを示す。グラフで繊維直径が基準の延伸倍率の径よりも細くなっている範囲が巻取速度を加速させた(移動ローラを上昇)操作に対応し、基準の延伸倍率よりも太くなっている範囲が巻取速度を減速させた(移動ローラを降下)操作に対応する。
延伸倍率を2−4−8倍の間で変化させた際の繊維直径の変化量はいずれも1.41倍であり、4−6−8倍および2−3−4倍の間で変化させた場合の変化量はそれぞれ前半が1.22倍、後半が1.15倍である。
図7、10、13を比較すると、延伸倍率2、3倍の区間では直径のばらつき(CV)が大きく変動している。これは、低倍率の場合は張力があまりかからず、さらに20 Wというレーザパワーが高すぎたため、延伸区間で糸道がぶれ、不安定に延伸されたことが原因と考えられる。一方、延伸倍率を4倍以上とした場合は、延伸倍率が2倍、3倍の場合と比較してCVの大きな変動がなかったことから、35MPa程度の張力がかかることで、糸道が安定した状態で延伸できたと考えられる。
次に、巻取繊維に加わる加速度を変化させた際の直径変化の応答特性に注目した。図14、15、16に、延伸倍率2−4−8倍、4−6−8倍、2−3−4倍の場合で、巻取加速度を0.050〜6.0m/s2の範囲で変化させた際に繊維直径が変化する様子を示す。図14は延伸倍率を(a)4.0−8.0、(b)8.0−4.0、(c)4.0−2.0、(d)4.0−2.0とした場合、図15は延伸倍率を(a)6.0−8.0、(b)8.0−6.0、(c)6.0−4.0、(d)4.0−6.0とした場合、図16は延伸倍率を(a)3.0−4.0、(b)4.0−3.0、(c)3.0−2.0、(d)2.0−3.0とした場合である。
いずれの場合も、加速度が大きくなるにしたがって、直径変化の傾きが急になり、直径勾配の傾斜角度が大きくなっている。また、加速度が大きくなるほど、傾きの差は小さくなっている。
(接触式ヒータ加熱延伸)
比較例として、延伸工程で使用する加熱装置として接触式ヒータを用いる延伸工程で、巻取速度を変化させて繊維直径を変える実験を行った。図2に示すように、接触式ヒータ32はレーザ加熱装置30のさらに上流側に設置した。接触式ヒータ32の加熱温度は140℃である。接触式ヒータ32を使用する以外の装置構成は上述した実験と同様である。
表2に接触式ヒータ32により繊維を加熱して延伸した実験での延伸条件を示す。実験では、繊維の送出速度(Feed speed)を83mm/s、基準の巻取速度(Take-up speed)を333mm/s(4倍速)とし、基準の巻取速度に対して延伸倍率が(2倍−4倍−8倍)の間で変化するようにアクチュエータ(移動ローラ)を制御した。
図17(a)〜(d)に、延伸倍率を2−4−8倍の間で変化させる条件で得られた延伸後の繊維直径のオンライン測定結果を示す。それぞれのグラフでのアクチュエータ(移動ローラ)の加速度は、図17(a)0.050m/s2、(b)0.20m/s2、(c)0.80m/s2、(d)6.0m/s2である。
図18(a)〜(d)に、図17に示す直径プロフィールを1周期ごとに区切り、16周期分重ね合わせた直径プロフィールを示す。
図19(a)〜(d)に、16周期分重ね合わせた直径プロフィールを同位相ごと平均した値と、各位相ごとのばらつき(CV)を示す。なお、図18、19の(a)〜(d)におけるアクチュエータの加速度は、図17(a)〜(d)の条件と同一である。
図20に、巻取繊維加速度を変化させた場合に繊維直径が変化する様子を示す。図20(a)は延伸倍率を4.0−8.0、図20(b)は8.0−4.0、図20(c)は4.0−2.0、図20(d)は4.0−2.0とした場合である。
接触式ヒータを使用する場合も、加速度の増加にともない繊維の直径変化の傾きは急になる。しかしながら、加速度6.0m/s2の条件を例にみると、レーザ加熱による場合のように急な変化はしていない。接触式ヒータを使用する場合は、緩やかな勾配をつけることは可能であるが、急な勾配をつけることが難しいといえる。
(レーザ加熱と接触式ヒータ加熱との比較)
図21、22、23、24に、レーザ加熱と接触式ヒータ加熱による延伸方法について、巻取繊維加速度を変えた場合の繊維の直径変化を、延伸線での繊維の伸びを無視した剛性体モデル(式(1))、および繊維を弾性体と仮定して延伸前後の繊維の長さと弾性率から算出した弾性体モデルによる直径変化と比較して示す。
図21は延伸倍率を4.0から8.0に変化させた場合、図22は延伸倍率を8.0から4.0に変化させた場合、図23は延伸倍率を4.0から2.0に変化させた場合、図24は延伸倍率を2.0から4.0に変化させた場合であり、それぞれの図の(a)〜(d)は、巻取加速度を(a)0.10
m/s2、(b)0.20 m/s2、(c)0.80 m/s2、(d)6.0 m/s2とした場合である。
図21、22、23、24をみると、レーザ加熱による場合には、延伸倍率を4.0から8.0に変えた場合に多少遅れが見られるが、その他は、いずれの倍率変化でも、またどの加速度でも、弾性体モデルによって理論計算値した直径に近い変化をする。一方で、接触式ヒータ加熱による場合は弾性体モデル理論値から大きく外れている。これらの結果より、レーザ光照射を用いた場合には加速度6.0 m/s2でも延伸倍率変化に十分追随できるが、ヒータ加熱の場合には加速度0.10 m/s2で既に追随できなくなっていることが示された。
図21〜24に示す測定結果は、接触式ヒータ加熱に比べ、レーザ加熱による方が巻取速度変化に対する応答性がはるかに良いことを意味する。レーザ加熱延伸法では延伸開始点の位置がレーザを照射する区間に固定された状態で延伸されることから、巻取繊維速度の変化に的確に応答でき、巻取速度変化が直径勾配の変化として的確に反映されるためと考えられる。一方、接触式ヒータ加熱の場合は、加熱区間が長いため、巻取繊維速度が変化するのに伴って、延伸開始点の位置が変動し、相対的な送出速度・巻取速度が変化するために、レーザ加熱延伸法に比べて応答性の遅れが生じたと考えられる。この場合の延伸開始点位置の変動は、レーザ光照射位置を移動する場合とは異なり、積極的な制御では無く、常に巻取速度変化に伴う延伸倍率変化を打ち消す方向に働く受動的なものである。したがって、この変動により直径変化の応答が意図した変化よりも常に遅れることとなり、急な直径勾配を持つ繊維の作成や、精密に勾配を制御した繊維の作成が不可能になる。
このように、接触式ヒータ加熱に比べてレーザ加熱延伸による方が巻取速度変化に対する応答性が良いこと、レーザ加熱延伸によれば理論値に近い直径変化が得られることを利用すれば、巻取繊維速度を制御することにより、直径勾配を高精度に制御した繊維を作製することができる。直径勾配を有する繊維には、数mといったかなり長い範囲にわたって徐々に変化させる場合や、数mmあるいは数cmといったような比較的短い範囲で変化させる場合等、用途によって種々の設定が求められる。本発明方法によれば、このような種々の要件に合わせて直径勾配を有する繊維を製造することができる。巻取繊維の直径勾配をモニターしながら巻取繊維速度の制御にフィードバックするといった制御方法を利用して、さらに高精度に直径勾配を制御した繊維を作製することが可能である。
また、繊維の直径勾配をより高精度に制御する方法として、延伸工程における巻取速度の制御に同期して加熱レーザのレーザ出力を変化させるように制御する方法を利用することもできる。レーザ出力を変化させる方法を併用すれば、巻取速度を変化させる方法のみを利用する場合にくらべて、より多様な直径勾配を有する繊維を製造することができる。また、レーザ出力を変化させる方法を利用することで、加工対象とする多種類の素材に応じてさらに的確な直径勾配を有する繊維を製造することができる。
本発明方法によって得られる繊維の直径勾配を有する繊維としては、繊維の素材にもよるが、巻取速度やレーザ出力を制御することにより、直径変化幅として1.01以上10倍以下程度の繊維を作製することが可能である。この倍率幅以下では製造される繊維が元々持っている直径変動幅に含まれてしまうため、直径を制御する意味が無くなる。一方10倍以上に延伸すると、延伸張力が大きくなりすぎて破断するか、延伸領域幅が長くなって直径の制御性が著しく悪化する。特に直径変化幅1.1倍から3倍程度のものについては、繊維材料によらずに精度よく直径勾配を制御した繊維を作製することができる。また直径勾配をもたせるスパン(変化領域)としては、直径の10倍から100,000倍の範囲で可能であり、通常の変化スパンとしては直径の50倍から10,000倍である。直径の10倍以下ではネック変形点自体の幅に近くなり、精密な制御が困難になる。一方直径の100,000倍を超えても制御自体は可能であるが、縫合糸用途を視野に入れた場合、スパンの長さが10m以上に達し、現実的ではない。また、この様に長いスパンを持つ直径勾配繊維であるなら、本方法を用いなくても、例えば溶融紡糸法などを用いても、本方法と同等の精度で直径勾配を制御した繊維の作成が可能であるため、本方法の優位性が認められなくなる。
本発明方法が対象とする繊維あるいはフィラメントの材料は、加熱によって引き伸ばすことができる材料であればよい。したがってガラス等の無機物でも可能であるが、熱可塑性高分子材料、特に延伸によって配向結晶化する性質を持つ高分子材料は、延伸に伴う加工硬化性が大きいため、延伸される領域での直径プロフィールの安定性が良好であり、本発明方法によって精度よく直径を制御した繊維を製造するのにとくに有効である。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ナイロン66やナイロン6をはじめとする各種ナイロン、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、およびこれらの混合物/共重合物や添加物を加えたものなどが好適である。
(紡糸工程による方法)
PPを試料とし、溶融紡糸工程で巻取速度を変化させる方法により直径勾配を有する繊維を作製する実験を行った。
紡糸条件は、紡糸温度215℃、ノズル直径0.7mm、ノズルL/D 3、吐出量3.65g/min、巻取速度500mm/sである。巻取装置の前に、図2に示したと同様に巻取繊維を移動ローラに掛け渡し、アクチュエータによって移動ローラを往復動させ、繊維の巻取速度を制御して溶融延伸倍率を制御する構成とした。表3に実験条件を示す。実験は巻取速度500mm/sを基準とし、溶融延伸倍率を2−3−4倍の間で変化させて行った。
移動ローラの移動速度をv(t)とすると、溶融延伸倍率λ'(t)は次式で表される。vrは巻取速度、v'Fは吐出速度、Wは吐出量、ρは密度、Aはノズルの断面積である。
λ'(t)=(vr±2v(t))/v'F
v'F=WρA
なお、計算ではρ=0.90 g/cm3とした。また、アクチュエータの動作が終了してから、次の動作に移るまでのwait時間を22 sとした。
上述した紡糸工程後の繊維を30m/minの等速で送り出し、デジタル寸法測定器を使用して繊維直径変化をオフライン測定した。デジタル寸法測定器の平均回数は4回、出力範囲は0 ~ 600 m、サンプリング周期は1 msである。
繊維直径をオフライン測定して、得られた直径プロフィールを1周期毎に区切った後、12~16周期分重ねた直径プロフィールを図25に示す。溶融延伸倍率を連続的に変化させることで、繊維直径が連続的かつ周期的に変化していることがわかる。また、平均化させた直径プロフィールを図26に示す。図26から、すべての巻取繊維加速度条件で、周期的なムラが確認された。アクチュエータの往復運動にともなって紡糸線が揺らぎ、22 sというwait時間では定常状態に戻らないことが原因と考える。
直径変化の傾きに注目して整理した結果を図27に示す。巻取繊維加速度0.050 m/s2の条件では、他の加速度に比べ緩やかに直径が変化している。しかし、加速度を大きくしても、直径変化の傾きに差はみられなかった。溶融紡糸工程では、ノズルから固化点までの長さが長いため、アクチュエータの加速度を増しても応答できなかったと考えられる。この参考例では、得られた繊維の直径に対して直径の応答スパンは500倍程度に過ぎないが、まったく制御性が見られない。すなわち、溶融紡糸工程において巻取速度を変化させる方法では、繊維直径の1,000倍以下のスパンで高精度に直径勾配を制御した繊維を作製することは困難である。
溶融紡糸工程において直径勾配を有する繊維を作製する方法と本発明方法とを比較すると、直径勾配のスパンが繊維直径の10,000倍以下になる繊維を作成する上では、直径勾配を高精度に設定して繊維を作製できる点で、本発明の方法がはるかに優れている。
なお、図2に示す延伸装置は、スライドガイドに沿って移動ローラ24を往復動させることにより巻取速度を変化させている。繊維の巻取速度を変化させる方法は、上記例の移動ローラを利用する方法に限られるものではない。たとえば、送出装置10と巻取装置12の駆動源にサーボモータを使用し、サーボモータの回転数を制御することにより繊維の送出速度と巻取速度の一方あるいは双方を調節して延伸倍率を変え、繊維の直径勾配のスパンを調節することができる。また、レーザ光を照射する位置を変えることによって延伸倍率を変え、繊維の直径勾配のスパンを調節することもできる。本発明の延伸装置における速度変換装置は、送出装置と巻取装置を制御する速度制御手段による場合と、送出装置及び巻取装置とは別個に速度制御手段を設ける場合とを包括して含む概念である。
10 送出装置
12 巻取装置
20 速度変換装置
22a、22b 固定ローラ
24 移動ローラ
25 スライドガイド
26 制御部
30 レーザ加熱装置
32 接触式ヒータ
40、42 測定装置

Claims (7)

  1. 繊維を連続的にレーザ延伸する工程において、繊維の加熱源としてレーザ光の照射を使用し、
    繊維の送出速度を調節する手段と、繊維の巻取速度を調節する手段と、繊維に対しレーザ光を照射する位置を調節する手段の、少なくともいずれか一つの手段を利用して、繊維の直径勾配のスパンを調節することを特徴とする直径勾配を有する繊維の製造方法。
  2. 直径変化幅が1.01倍以上10倍以下程度であり、直径勾配をもたせるスパン(変化領域)の長さが直径の10倍から100,000倍である繊維を製造することを特徴とする請求項1記載の直径勾配を有する繊維の製造方法。
  3. 基準の延伸倍率となる巻取速度を上回る巻取速度とする工程と、基準の延伸倍率となる巻き取り速度を下回る巻取速度とする工程の双方の工程を備えることを特徴とする請求項1または2記載の直径勾配を有する繊維の製造方法。
  4. 繊維の送出装置及び巻取装置と、繊維を加熱するレーザ加熱装置とを備え、
    前記送出装置の繊維の送出速度を調節する手段と、前記巻取装置の繊維の巻取速度を調節する手段と、前記レーザ加熱装置の繊維に対するレーザ光の照射位置を調節する手段の、少なくともいずれか一つを調節して、レーザ延伸倍率を連続的に変化させる倍率変換装置を備えることを特徴とする直径勾配を有する繊維の製造装置。
  5. 前記レーザ加熱装置は、レーザ光の照射位置を制御する制御部を備えることを特徴とする請求項4記載の直径勾配を有する繊維の製造装置。
  6. 前記レーザ加熱装置は、レーザ出力を変える制御手段を備えることを特徴とする請求項4または5記載の直径勾配を有する繊維の製造装置。
  7. 直径変化幅が1.01倍以上10倍以下程度であり、直径勾配をもたせるスパン(変化領域)の長さが直径の10倍から100,000倍であることを特徴とする直径勾配を有する繊維。
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