JP3918987B2 - 極細繊維、その製造方法及び製造装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、極細繊維及び繊維の延伸方法並びに極細繊維を製造するための製造装置に関し、更に詳細には、高強度の極細繊維及びその極細の繊維を極めて簡単に作製する方法並びにそれを実現するための製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
合成繊維の紡糸技術の発展により、1D(デニール)(直径約10μm〜12μm)以下の極細繊維を製造するための研究開発が盛んに行われている。極細繊維は、例えば、人工スエードやワイピングクロスなどに使用されており、繊維径が小さいことから、織物や衣料以外に、例えば、空気浄化や液体分離、医療などのフィルターなどにも多用されている。
【0003】
このような極細繊維を製造する方法として、直接紡糸法や多成分紡糸法などが知られている。直接紡糸法により極細繊維を製造する場合は、粘度を低くし、冷却速度を速めるなどの方法が用いられる。しかし、直接紡糸法のみでは極細化に限界があるため、多成分紡糸法や特殊紡糸法などの方法が開発されている。多成分紡糸法は、主として二つの成分を用いて極細繊維を作製する方法であり、溶解型と剥離分割型とに分類される。溶解型では、例えば、特殊な紡糸口金を用いて製糸することにより、二つの成分のうち、一方の成分からなる領域内に他方の成分からなる微小な領域が多数独立して存在するような海島型繊維と呼ばれる繊維に紡糸し、海成分を溶解して島成分からなる極細繊維を得ている。剥離分割型では、二成分が放射状、中空環状または多層並列状に隣接した繊維を機械的刺激や薬品処理によって剥離・分離させて極細繊維を製造している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
かかる多成分紡糸法においては、上述のいずれの方法も、紡糸口金及び紡糸技術に高い精度が要求されるために、特殊な装置が必要となり、製造コストが高く、また、二つの成分を混合または複合する必要があるため、使用する材料も限定されるという問題があった。それゆえ、極細繊維を低コストで簡易に製造する方法が望まれていた。
【0005】
また、延伸により繊維を細くする方法も知られているが、繊維径が小さくなるにしたがって断糸しやすくなるという問題があり、延伸法による極細繊維の作製は事実上不可能とされていた。
【0006】
本発明は、かかる要望に応えるためになされたものであり、本発明の第1の目的は、極細繊維を低コストで簡易に製造することが可能な新規な製造方法を提供することにある。
【0007】
本発明の第2の目的は、延伸法による新規な極細繊維の製造方法を提供することにある。
【0008】
本発明の第3の目的は、高結晶化度及び高配向性を有する極細繊維を提供することにある。
【0009】
本発明の第4の目的は、高い複屈折を有する極細繊維を低コストで製造するための製造装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の態様に従えば、繊維に1MPa以下の張力を与えながらレーザ光を照射することによって繊維を延伸する方法が提供される。
【0011】
本発明者らは、1MPa以下の微小な張力が与えられた繊維にレーザ光を照射して加熱延伸したところ、レーザ光が照射された部分の繊維は延伸され、直径が5μm以下の極細繊維が得られることを見出した。得られた極細繊維の複屈折は極めて高いものであった。これは、流動による延伸のみならず、配向結晶化が生じていることを示唆しており、結晶性及び配向性の高い、高強度の繊維が得られていることを意味している。延伸前後の繊維径から下記式(1)に基づいて延伸倍率を求めると、従来の延伸による方法では延伸倍率は5〜7倍であったのに対し、本発明では1000倍以上と極めて高い延伸倍率を得ることができた。
【0012】
延伸倍率λ=(d/d)・・・・・(1)
(式中、dは延伸前の原繊維の直径であり、dは延伸後の繊維の直径であり、延伸の前後で繊維の密度が一定としている)
【0013】
また、延伸により得られた極細繊維の直径は均一であり、レーザアブレーションによる表面の劣化もなかった。このように本発明の製造方法では、繊維に微小な張力を与えながらレーザ光を照射して加熱し延伸するという極めて簡単な方法で、結晶性及び力学的性質に優れた極めて良質の極細繊維を得ることができる。これにより良質で安価な極細繊維を提供できる。本明細書において、繊維にレーザ光を照射して加熱し延伸する方法を「レーザ加熱延伸法」と称する。
【0014】
本発明において、繊維に与える張力は1MPa以下であり、繊維は縒りがなくなり、ほぼ無緊張の状態である。繊維に与える張力は、繊維が直線状に延在する程度であればよく、より好ましくは0.66MPa以下である。繊維に張力をかけるには、繊維の一端(上端)を支持して鉛直に吊り下げ、他端(下端)に錘をつけるのが好適であり、場合によっては錘をかけずに繊維の自重により張力をかけても良い。
【0015】
本発明の製造方法を用いて極細化される繊維は、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン、ポリプロピレンなどの結晶性高分子及び非晶質高分子などの合成繊維(人造繊維)が好ましい。なお、絹などの天然繊維にも本発明を適用し得る。
【0016】
本発明の製造方法において、繊維に照射するレーザ光には任意のレーザ光を用い得、例えば、炭酸ガスレーザのような気体レーザや、半導体レーザなどの固定レーザ、及び色素レーザなどの液体レーザを用いることができる。レーザ光はパルスでもDC光(CWレーザ)でもよい。レーザ波長は、遠紫外から赤外領域の種々の波長を選択し得る。レーザ光は、繊維のレーザ光照射部のレーザパワー密度が15W/cm以上になるように出力及び集光度を調整することが好ましく、一般にレーザパワー密度が高い程、細い繊維が得られることがわかった。
【0017】
本発明の方法により延伸される繊維は、予め、熱延伸やゾーン延伸によって延伸された繊維であることが好ましく、特にゾーン延伸により延伸された繊維であることが好ましい。ゾーン延伸は、未延伸の繊維を、例えば、ヒータなどの加熱体を繊維に対して一定速度で移動させながら延伸する方法であり、かかる延伸により繊維を所定の細さにしてから、本発明のレーザ加熱延伸を適用することが好ましい。このようにゾーン延伸した繊維にレーザ加熱延伸を行なうことにより超極細繊維を得ることができる。かかる方法は、繊維径の比較的太い繊維を極細化する方法として好適である。ゾーン延伸法については、特許第1343924号に具体的に開示されているので、これを参照することができる。
【0018】
また、本発明の製造方法においては、繊維にレーザ光を段階的に照射して延伸することができる。すなわち、所定の張力下の繊維にレーザ光を少なくとも1回照射して繊維を所定の細さに延伸した後、その繊維を1MPa以下の張力下でレーザ光を照射して延伸することができる。このように、繊維にレーザ光を複数回照射して繊維を延伸することにより、極細の繊維を得ることができる。
【0019】
このようにレーザ光照射による繊維の延伸を数回に分けて行なうことにより、極細繊維が得られるのは、つぎの原理に基づくと考えられる。すなわち、レーザ光照射による繊維の延伸を数回に分けて行なう場合、最初のレーザ光照射による延伸により繊維はある程度結晶化され、繊維の結晶性が高められていると考えられる。ここで、結晶性が高い繊維(以下、高結晶性繊維という)は、結晶性が低い繊維(以下、低結晶性繊維という)に比べて融点が高くなっていると考えられる。すなわち、高結晶性繊維と低結晶性繊維とにおいて、レーザ光照射により溶融している部分の温度を比べると前者のほうが後者よりも温度が高い。したがって、高結晶性繊維の溶融部分は低結晶性繊維の溶融部分に比べて低粘度であるために、高結晶性繊維の方が延伸が一層容易となる。それゆえ、複数回レーザ光を照射することにより、一回のみレーザ光を照射した場合に比べて一層細い繊維得ることができる。なお、複数回のレーザ光を照射した繊維においては、延伸が開始した部分において繊維の膨張が確認されており、その理由についてはまだ明らかではないが、繊維が極細化することと関係があるものと思われる。一回のみレーザ光を照射して極細繊維を得た場合は、延伸開始部分において繊維の膨張は確認されなかった。
【0020】
本発明の製造方法においては、延伸倍率を一層高めるために、レーザ光に対して繊維を相対的に移動させることが好ましい。かかる相対移動速度は、極細繊維を得るために、300mm/min〜3000mm/minが好ましい。
【0021】
本発明の第2の態様に従えば、本発明の第1の態様の方法を用いて得られた延伸繊維が提供される。かかる延伸繊維としては、例えば熱可塑性ポリマーから構成されている繊維であることが好ましく、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ナイロン6、ナイロン66、ポリエチレン、ポリビニルアルコール、ポリアクリルニトリル、ポリスチレン、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリオキシエチレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリメタクリル酸メチル、ポリエチレン2,6ナフタレート(PEN)などの繊維を用いることができ、特にポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ナイロン6が好適である。かかる延伸繊維は、5μm以下と極めて極細であっても、25×10−3〜120×10−3の高い複屈折を有するため、強度的に優れ、加工しやすい。
【0022】
本発明の第3の態様に従えば、ナイロン6繊維において、2μm以下の直径を有し且つ複屈折が40×10−3〜50×10−3の範囲内にあることを特徴とするナイロン6繊維が提供される。このような高い複屈折を有する直径2μm以下の超極細ナイロン6繊維は、本発明者の知る限り存在しない。かかる超極細繊維は、例えば、本発明の製造方法を用いて低コストで製造することができる。
【0023】
本発明の第4の態様に従えば、ポリプロピレン繊維において、2μm以下の直径を有し且つ複屈折が25×10−3〜35×10−3の範囲内にあることを特徴とするポリプロピレン繊維が提供される。このような高い複屈折を有する直径2μm以下の超極細ポリプロピレン繊維もまた本発明者の知る限り存在しない。かかる超極細のポリプロピレン繊維は、例えば、本発明の製造方法を用いて低コストで製造することができる。
【0024】
本発明の第5の態様に従えば、ポリエチレンテレフタレート繊維において、5μm以下の直径を有し且つ複屈折が70×10−3〜120×10−3の範囲内にあることを特徴とするポリエチレンテレフタレート繊維が提供される。このような高い複屈折を有する直径5μm以下の超極細ポリエチレンテレフタレート繊維もまた本発明者の知る限り存在しない。かかる超極細ポリエチレンテレフタレート繊維は、例えば、本発明の製造方法を用いて低コストで製造することができる。
【0025】
本発明の第3〜第5の態様の極細繊維は、いずれも従来の極細繊維よりも高い複屈折を有している。このように高い複屈折を有する極細繊維は一般に強度性に優れるため加工しやすいという利点を有する。本発明の極細繊維において複屈折が高くなっている原因は、レーザ加熱延伸により繊維を構成する高分子鎖に応力が加わって分子鎖が所定の方向に選択的に配向したことによって、結晶の配向度も非晶の配向度もともに高まっているためであると考えられる。また、後述する実施例の広角X線回折写真の観察結果からわかるように結晶に基づく回折スポットが明確に観察されることから、結晶化度もまた高くなっていると考えられる。
【0026】
繊維の複屈折は、通常、繊維軸方向の屈折率と繊維軸に垂直な方向の屈折率との差として定義される。また、結晶性の繊維の複屈折Δnは、一般に、次式で表すことができる。
【0027】
Δn=XΔn +(1−X)fΔn
式中、Xは体積結晶化度を示し、Δn 及びΔn はそれぞれ結晶部及び非晶部に対する固有複屈折を示し、fは結晶部の配向度(結晶配向係数ともいう)を、fは非晶部の配向度をそれぞれ示す。固有複屈折は、繊維を構成する分子鎖が完全に配向したときの複屈折である。繊維の結晶部が完全に配向している場合の結晶部の配向度fは1であり、本発明のポリプロピレン繊維においては、後述の実施例の広角X線回折写真の結果からすると、結晶部の配向度が0.9以上と極めて高い値であると考えられる。
【0028】
また、繊維を構成している高分子材料の結晶部の固有複屈折から繊維の配向性を評価することができる。すなわち、固有複屈折は上述したように分子鎖が完全に配向したときの極限の複屈折であることから、繊維の複屈折の値が、固有複屈折に近い値になるほど繊維の配向性が高くなっていると評価できる。例えば、ナイロン6繊維の場合、固有複屈折は、種々の報告例によると、最大で0.096程度である。一方、本発明のナイロン6繊維の複屈折は0.040〜0.050であり、本発明のナイロン6繊維は高い配向性を有していることがわかる。
【0029】
また、ポリプロピレン繊維の固有複屈折は種々の報告例によると最大で0.064である。一方、本発明のポリプロピレン極細繊維の複屈折は0.025〜0.035であり、本発明の超極細ポリプロピレン繊維は従来のポリプロピレン繊維よりも高い配向性を有している。
【0030】
また、PET繊維の固有複屈折は種々の報告例によると最大で0.290程度である。一方、本発明のPET繊維の複屈折は0.070〜0.120であり、本発明の超極細PET繊維は従来よりも高い配向性を有している。
【0031】
本発明の第6の態様に従えば、極細繊維を製造するための製造装置であって、
上記繊維にレーザ光を照射するためのレーザ光源と、
上記繊維を上記レーザ光に対して相対移動させるための繊維移動装置とを備える製造装置が提供される。
【0032】
かかる製造装置は、本発明の第1の態様の製造方法を実現することができるので、高複屈折の極細繊維を容易に且つ低コストで製造できる。
【0033】
本発明の製造装置において、レーザ光源には、例えば、炭酸ガスレーザやArガスレーザなどの気体レーザ光源や半導体レーザなどを用いることができる。レーザ光源は、繊維軸方向に対して垂直にレーザ光が照射されるように配置されていることが好ましい。或いは、ミラーなどを設けて、レーザ光源からのレーザ光が繊維の軸方向に対して垂直に照射させるようにしてもよい。また、製造装置は、レーザ光源から出射したレーザ光を繊維に集光するためのレンズを備えていてもよい。
【0034】
本発明の製造装置は、延伸前の原繊維の一端を支持する支持部を備えることができる。かかる支持部は、例えば、原繊維を固定して支持する場合はチャックなどを用いて構成することができ、後述する繊維送出装置から送り出された原繊維を支持する場合には滑車等を用いることができる。支持部は、例えば、原繊維が鉛直方向に延在するように原繊維を支持することができる。この場合、繊維移動装置は、かかる支持部に連結された可動部と、可動部を移動可能にガイドするガイド部を含んで構成することができる。ガイド部としては、例えば、ラックアンドピニオン、ボールねじ、タイミングベルトまたはリニアモータを用いることができる。支持部に連結された可動部を、ガイド部により例えば鉛直方向に移動させることにより、支持部で支持された原繊維を鉛直方向に移動させることができる。
【0035】
また、本発明の製造装置は、繊維に1MPa以下の張力が与えられるように、原繊維の他端を保持するための保持部を備えることができる。かかる保持部として、例えば、チャックや固定滑車、動滑車等を用いることができる。チャックにより原繊維を保持させた場合は、原繊維に与える張力を制御するために錘などを取り付けることができる。
【0036】
本発明の製造装置において、繊維移動装置は、レーザ加熱延伸される原繊維を送り出すための繊維送出装置と、繊維送出装置から送り出された後、レーザ加熱延伸により延伸された極細繊維を巻取るための繊維巻取装置とを含み得る。繊維送出装置から送り出された原繊維は、例えば、滑車などの支持部により支持された後、固定滑車や動滑車などの保持部を介して繊維巻取装置により巻き取られる。この場合、繊維送出装置の繊維の送り出す速度と、繊維巻取装置で繊維を巻取る速度とをそれぞれ制御することによって、レーザ光に対する繊維の相対速度を制御することができる。
【0037】
上述のように保持部として動滑車を用いた場合、動滑車の高さ位置を測定するためのセンサーを備え得る。この場合、センサーにより測定された動滑車の高さ位置に基づいて動滑車の高さ位置が一定になるように繊維巻取装置の繊維の巻取り速度を制御することが好ましい。動滑車自体の荷重或いは動滑車に一定の荷重を与えることにより、繊維に常に一定の張力を与えることができる。また、動滑車をガイドするためのガイドレールを設け、動滑車のガイドレール上の位置が一定になるように、繊維巻取装置により繊維の巻取り速度を制御しても、繊維に一定の張力を与えることが可能となる。
【0038】
本発明の製造装置において、支持部は複数の繊維を同時に支持するように構成することができる。この場合、支持部により支持された複数の繊維にレーザ光源からのレーザ光がそれぞれ照射されるように、シリンドリカルレンズまたはポリゴンミラーを備えることが好ましい。
【0039】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に従う極細繊維、製造方法及び製造装置について実施例により具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0040】
【実施例1】
まず、本発明に従う製造装置について説明する。図5に、製造装置の概略構成図を示した。装置500は、主に、連続炭酸ガスレーザ発振器51、パワーメーター53、シャッター54、繊維移動装置55及び一対の滑車56から構成される。繊維移動装置55は、ラックアンドピニオン方式で移動するクロスヘッド57と、鉛直方向に延在し且つ螺旋ねじが形成された2本のガイドレール58と、モータ(不図示)を有しており、モータでガイドレール58を回転させることにより、クロスヘッド57は2本のガイドレール58上を一定の速度で摺動することができる。クロスヘッド57には水平方向に延在した支持棒59が設けられている。支持棒59の先端には原繊維の一端が取り付けられ、原繊維を吊り下げることができる。原繊維の他端には、所定の重量の錘60が取り付けられ、錘60の重量を変更することによって繊維に与える張力(以下、印加張力という)を調整することができる。また、支持棒59の先端から吊り下げられた原繊維は、2つの滑車56により直線状に整列されるとともにレーザ光の所定のターゲット位置に位置付けられる。クロスヘッド57を上昇または降下させることにより、支持棒59の先端の取り付けられた繊維が連続炭酸ガスレーザ発振器51からのレーザ光に対して一定の速度で相対的に移動される。
【0041】
連続炭酸ガスレーザ発振器51は、10.6μmの発振波長を有し、最大出力は10W、ビーム径は4.3mmである。パワーメーター53は、ディテクター52を有する。ディテクター52は、連続炭酸ガスレーザ発振器51から出射したレーザ光のパワーを測定するときにレーザ光の光路上に配置されてレーザ光の光強度を検出し、ディテクター52に接続されたパワーメーター53によってレーザ光のパワーが読み出される。
【0042】
また、レーザ光の光路上にシャッター54が設けられており、シャッター54を開閉することによって原繊維へのレーザ光照射のオン・オフを制御することができる。
【0043】
[レーザ加熱延伸]
つぎに、かかる装置500を用いてPET繊維をレーザ加熱延伸することにより極細繊維を製造する方法について説明する。
【0044】
まず、原繊維としてPET繊維を用意した。PET繊維は、鐘紡合成株式会社製のペレット(数平均分子量:約3万)を溶融紡糸機(不図示)を用いて270℃で溶融紡糸することにより作製した。作製された原繊維は、直径約130μm、複屈折0.7×10−3、結晶化度4.5%であり、ほぼ非晶質の無配向の繊維であった。
【0045】
次いで、かかる原繊維を図5に示した装置に装着し、クロスヘッド57を500mm/minの速度で降下させながらレーザ光を原繊維の所定部分に原繊維に対して垂直に照射した。この場合、レーザ光が照射されている繊維部分のレーザのパワー密度は21W/cmであった。かかるレーザ光照射による加熱によって原繊維のレーザ光照射部が瞬時(ミリ秒オーダー)に延伸し、延伸と同時にレーザ光の照射を停止した。この際、繊維の下端が約150m/minの速度で降下したことがわかった。原繊維のレーザ光照射部を観察すると延伸して極細化していた。
【0046】
[直径及び複屈折の測定]
更に、原繊維への印加張力及び原繊維のレーザ光照射部におけるレーザパワー密度を種々の値に変更して同様のレーザ加熱延伸を行って種々の極細繊維を作製した。そして、各極細繊維について直径及び複屈折の測定並びにSEM観察を行った。極細繊維の直径は、顕微鏡を用いて測定し、複屈折は、ベレックコンペンセーターを装着した偏光顕微鏡を用いて測定した。
【0047】
図1に、レーザパワー密度PDがそれぞれ11.8W/cm、14.2W/cm、15.8W/cm及び21.0W/cmの場合における加えた張力に対する極細繊維の直径のグラフを示す。また、図2には、上記各レーザパワー密度PDにおける印加張力に対する極細繊維の複屈折の変動を示す。
【0048】
図1に示すように、印加張力が1.6MPa以上の場合、極細繊維の直径はレーザパワー密度にかかわらずほぼ一定の値を示している。しかしながら、印加張力が1MPa以下になると、極細繊維の直径は小さくなっており、印加張力が小さいほど、得られる極細繊維の直径も小さい。特に、印加張力σが0.66MPa以下で、レーザパワー密度PDが15.8W/cm及び21.0W/cmと比較的高い場合、直径が5μm以下の極細繊維が得られた。なお、レーザパワー密度PD=15.8W/cm及びPD=21.0W/cmの場合、張力が0.66〜1.6MPaの張力をかけたときは繊維が十分に延伸する前に切断された(図1中、破線部分)。
【0049】
一方、極細繊維の複屈折は、図2に示すように、印加張力σaの減少及びレーザパワー密度PDの増大に伴って低下している。しかし、レーザパワー密度が15.8W/cm及び21.0W/cmと比較的高い場合においては、印加張力σaが0.66MPa以下になると極細繊維の複屈折は減少から増大に転じており、複屈折が高くなっている。すなわち、極細繊維が高い配向性を示している。図1及び図2の結果から、レーザパワー密度が15.8W/cm及び21.0W/cmと比較的高く、印加張力が0.66MPa以下のときには、直径5μm以下で且つ高結晶性及び高配向性の極細繊維が得られていることがわかる。
【0050】
また、レーザパワー密度PDが21.0W/cmで、印加張力が0.17MPaのときに繊維は最も延伸されており、直径は4.5μm、複屈折は0.112であった。延伸前後において繊維の密度が一定であるものとして、繊維径から延伸倍率λを前述の式(1)に基づいて算出したところ1060倍と極めて高い値を示した。
【0051】
また、レーザパワー密度PDが21.0W/cmで、印加張力が0.17MPaのときに得られた極細繊維の配向を調べるために広角X線回折を行ったところ回折スポットが僅かに観察されており、図2の結果と同様に、繊維を構成している微結晶が配向していることが確認された。
【0052】
[走査型電子顕微鏡(SEM)による観察]
図3(A)に、原繊維と、σ=0.17MPa、PD=21.0W/cmの条件により延伸された極細繊維それぞれの350倍のSEM写真を示し、図3(B)に、極細繊維の10000倍のSEM写真を示す。極細繊維の表面にはレーザアブレーションは見られず、繊維径及び繊維表面は均一であった。また、FT−IR(Fourier Transform Infrared Spectrometer)測定からもアブレーションが発生していないことを確認した。
【0053】
[移動速度依存性]
つぎに、印加張力を0.17MPaに固定し、レーザ光に対する原繊維の移動速度とレーザパワー密度を種々の値に変化させてレーザ加熱延伸を行い、レーザ光に対する原繊維の移動速度と、それにより得られる極細繊維の直径との関係を調べた。図4に、移動速度が300mm/min、600mm/min、900mm/min及び1800mm/minのときのレーザパワーに対する繊維の直径の変化のグラフを示す。図4に示すように、レーザパワー密度の増大とともに、得られた繊維の直径は低減しており、レーザパワー密度が10〜60W/cmの範囲内で移動速度が600mm/minの場合に繊維が微細化されている。レーザパワー密度が55.4W/cmのときに最も細い(直径4.72μm)の繊維が得られた。また、かかる極細繊維の複屈折は0.107であり、延伸倍率は1051倍であった。
【0054】
[極細繊維の直径と複屈折の変化]
つぎに、印加張力を0.17MPa、レーザ光に対する原繊維の移動速度を500mm/min、レーザパワー密度を21W/cmにしてレーザ加熱延伸を行うことにより得られた極細繊維について、図18に示すように原繊維部分から細くなり始めた部分(以下、ネック部という)からの距離ΔLに対する直径及び複屈折の変化の様子を調べた。図14に、極細繊維のネック部からの距離ΔLと、距離ΔLの位置における直径及び複屈折を示す。
【0055】
図14からわかるように、得られた繊維は、ネック部からの距離ΔLが20mm〜820mmの範囲において直径が5μm以下に極細化されている。一方、複屈折は、ネック部からの距離ΔLが50mm〜750mmの範囲において70×10−3以上の高い値を示していることがわかる。特に、ネックに近い部分においては150×10−3の極めて高い複屈折が得られている。
【0056】
【実施例2】
この実施例では、ナイロンに本発明のレーザ加熱延伸を適用する例について説明する。
【0057】
原繊維として東レ株式会社製の未延伸ナイロン6繊維を用いた。かかる繊維は、直径0.189mm、複屈折6.25×10−3、結晶化度は27.6%であった。かかる原繊維を実施例1と同様に図5に示した装置に装着し、原繊維への印加張力及びレーザパワー密度を種々の値に変更して原繊維をレーザ加熱延伸した。本実施例では、図5に示した装置のクロスヘッドの移動速度、すなわち、レーザ光に対する原繊維の移動速度を300mm/minとした。こうして得られた種々の極細繊維について直径及び複屈折の測定を行った。
【0058】
図6(A)及び(B)に、種々の印加張力及びレーザパワー密度でレーザ加熱延伸したときのレーザパワー密度に対する繊維の直径と複屈折をそれぞれ示す。図6(A)からわかるように、印加張力σを0.18MPa及び0.37MPaにし、レーザパワー密度PDを25.9W/cm以上にしてレーザ加熱延伸を行ったときに極細繊維が得られ、図6(B)に示すように、その極細繊維の複屈折は約30×10−3である。印加張力σを0.18MPaにし、レーザパワー密度PDを69W/cmにしたときに最も細い繊維が得られた。その極細繊維の直径は4.7μmであり、複屈折は29×10−3であった。また、繊維径から算出した延伸倍率は1617倍にも達していた。図7に、かかる極細繊維のSEM写真を示す。繊維の表面にはレーザアブレーションは認められず、繊維径および繊維表面は均一であった。
【0059】
一方、印加張力σを1.1MPa以上に設定し、レーザパワー密度PDを25.9W/cm以上に設定した場合は、繊維が切断されてしまい、延伸することができなかった。また、印加張力σを1.1MPa以上に、レーザパワー密度PDを25.9W/cm以下に設定してレーザ加熱延伸を行った場合、極細繊維を得ることができなかった。
【0060】
本実施例に示したように、ナイロン6繊維を微小な印加張力下でレーザ加熱延伸することによりナイロン6繊維の極細化を容易に行なうことができる。
【0061】
【変形例1】
実施例2では、ナイロン6繊維にレーザ光を1回だけ照射してナイロン6繊維をレーザ加熱延伸したが、ナイロン6繊維にレーザ光を2回に分けて照射してレーザ加熱延伸することにより更に極細繊維を得ることができる。
【0062】
まず、図5に示した装置を用いて、ナイロン6繊維を、印加張力σ=36.7MPa、レーザパワー密度=17.3W/cmの条件にてレーザ加熱延伸を行った。かかるレーザ加熱延伸により得られた繊維の直径は87.5μmであり、複屈折は56.7×10−3であった。
【0063】
次いで、かかる繊維を、印加張力σ=0.18MPa、レーザパワー密度=51.8W/cmの条件にてレーザ加熱延伸を行った。得られた繊維の直径は1.9μmであり極めて極細の繊維を得ることができた。また、複屈折も46.8×10−3であった。図8に、かかる極細繊維のSEM写真を示した。図8に示すように、ナイロン6繊維が極めて極細化されていることがわかる。この例のように、所定の張力の繊維にレーザ光を照射して延伸した後、微小な張力を繊維に与えて繊維にレーザ光を照射し延伸することにより、更に繊維の極細化が可能である。この実施例では、所定の張力の下で繊維をレーザ加熱延伸した後、得られた繊維を微小張力下でレーザ加熱延伸したが、所定の張力下での繊維のレーザ加熱延伸を2回以上行なった後、微小張力下でのレーザ加熱延伸を行なってもよい。
【0064】
[極細繊維の直径と複屈折の変化]
つぎに、上述のようにレーザ加熱延伸を2回行なうことにより得られた繊維について、実施例1と同様に、ネック部からの距離ΔLに対する直径及び複屈折の変化の様子を調べた。図15に、極細繊維のネック部からの距離ΔLと、距離ΔLの位置における直径及び複屈折を示す。
【0065】
図15からわかるように、得られた繊維は、ネック部からの距離ΔLが60mm〜1500mmの範囲において直径が2μm以下に極細化されている。特に、60mm〜1200mmの範囲においては、直径の変化は殆ど無く極めて均一な極細繊維が得られていることがわかる。一方、複屈折は、ネック部からの距離ΔLが60mm〜1480mmの範囲において40×10−3以上の高い値を示していることがわかる。特に、ネック部からの距離ΔLが200mm〜1200mmの範囲においては45×10−3程度の高い値を示している。また、かかる範囲では、直径の変化が殆ど無いことから、均一で複屈折変化の少ない極細繊維が得られていることがわかる。また、図15中には繊維のネック部の写真を示した。かかる写真から分かるように、ネック部は溶融して球状に膨張しており、かかる球状部から急激に繊維が先細りになっている。
【0066】
【実施例3】
この実施例では、it(isotactic)−ポリプロピレン(it−PP)に本発明のレーザ加熱延伸を適用した例について説明する。
【0067】
まず、エースポリマー株式会社製のit−PPペレット(Mw=3×10、Mn=5×10)を溶融紡糸することによって原繊維を作製した。原繊維の直径は408.6μm、複屈折は0.3×10−3、結晶化度は43.8%であった。かかる原繊維について広角X線回折を行ったところ、広角X線回折写真からデバイ環が観測されたことから原繊維が無配向であることを確認した。
【0068】
次いで、かかる原繊維を図5に示した装置を用いてレーザ加熱延伸した。レーザパワー密度を31.66W/cmに固定し、印加張力を0.022MPa、0.030MPa、0.037MPa、0.045MPa及び0.06MPaの5種類の繊維を得た。そして、得られたそれぞれの極細繊維(SD(Small Diameter)繊維)について直径と複屈折を測定した。下記表1に測定結果を示す。
【0069】
【表1】
Figure 0003918987
【0070】
この表からわかるように、印加張力が低くなるに従って、繊維径の小さな繊維が得られている。また、複屈折も繊維径の細い繊維ほど高くなっており、結晶性に優れた繊維であることがわかる。また、繊維径から求めた延伸倍率も表に示した。延伸倍率は800倍以上であり、印加張力が低くなるに従って延伸倍率は増加している。このようにポリプロピレンも本発明のレーザ加熱延伸法により極細化することができた。
【0071】
【実施例4】
この実施例では、it−ポリプロピレン(it−PP)繊維をゾーン延伸した後、本発明のレーザ加熱延伸を適用した例について説明する。
【0072】
まず、実施例3と同様に、エースポリマー株式会社製のit−PPペレット(Mw=3×10、Mn=5×10)を溶融紡糸することによって原繊維を作製した。原繊維の直径は408.6μm、複屈折は0.3×10−3、結晶化度は43.8%であった。かかる原繊維について広角X線回折を行ったところ、広角X線回折写真からデバイ環が観測されたことから原繊維が無配向であることを確認した。
【0073】
かかる原繊維に、図9に示すようなゾーン延伸装置90を用いてゾーン延伸を行った。ゾーン延伸装置90において、原繊維は、その一端に錘が取り付けられて支持台91の右端に設けられた滑車96により支持された後、原繊維の他端が、支持台91の左端に設けられている壁部材95に取り付けられる。これにより原繊維は支持台91の上方で水平に所定の張力で張られる。ゾーン延伸装置90には、支持台91上にリニアドモーター92が設けられており、リニアドモーター92は、レール94を水平方向に移動させることができる。図9に示すように、レール94の左端にはゾーンヒーター93が設けられており、リニアドモーター92を駆動することにより、ゾーンヒーター93を原繊維に対して所定の速度で相対的に移動させながら原繊維を所定の温度で加熱することができる。ゾーンヒーター93には、図13に示すように、長さ方向に対して垂直な断面がコ字状の加熱体を用いた。ゾーンヒーター93のスリット部93aの幅d及び長さはともに約5mmであり、スリット部93a内を繊維が移動する。ゾーンヒーター93の内部には、ニクロム線が設けられており、ニクロム線を通電することにより繊維を加熱することができる。かかるゾーン延伸装置を用いて、延伸温度を140℃、印加張力(σ)を7.8MPa、原繊維に対する加熱体の移動速度(処理速度)を100mm/minとしてゾーン延伸を行なった。かかるゾーン延伸により得られた繊維(以下、ZD(Zone Drawing)繊維という)の直径は131.1μmであり、複屈折は34.0×10−3である。
【0074】
つぎに、図5に示した装置を用い、レーザパワー密度PDを39.57W/cmに固定し、印加張力σを種々変化させてZD繊維をレーザ加熱延伸して極細繊維(以下、SD(Small Diameter)繊維という)を得た。下記表2に、原繊維、ZD繊維及びSD繊維のそれぞれの直径、複屈折及び延伸倍率を示す。
【0075】
【表2】
Figure 0003918987
【0076】
表2からわかるように、ゾーン延伸の後、レーザ加熱延伸を行なうことによって得られたSD繊維は、直径1.8μm以下の極めて極細の繊維であり、実施例3においてゾーン延伸を行なわずにレーザ加熱延伸のみで作製した繊維よりも細くなっている。また、SD繊維の延伸倍率は50000倍を超えていた。ZD繊維をσ=0.145MPa、PD=39.57W/cmの延伸条件下でレーザ加熱延伸を行ったときに、最も細い直径1.61μmのSD繊維が得られ、その複屈折は28.4×10−3であった。かかるSD繊維のSEM写真と原繊維のSEM写真を図10に示す。図10に示すように、SD繊維が極めて極細化されていることがわかる。SD極細繊維は、レーザアブレーションによる表面の劣化は確認されず、また、その繊維径は均一であった。
【0077】
図11に、原繊維と、ZD繊維と、SD繊維と、ゾーン延伸せずにレーザ加熱延伸のみで作製した極細繊維の広角X線回折写真を示す。原繊維ではデバイ環が観測され、無配向であることがわかる。かかる原繊維をゾーン延伸して得られたZD繊維では鋭い回折点が観察され、微結晶が高度に配向していることが確認された。ZD繊維をレーザ加熱延伸して得られた極細繊維ではZD繊維に比べて回折強度は弱くなっているが、ZD繊維と同様に回折点が観察されており、配向した微結晶の存在が確認できた。
【0078】
図12(B)に、SD繊維のネック部の偏光顕微鏡写真を示す。また、図12(A)には、実施例3で作製した繊維のネック部の偏光顕微鏡写真を示す。図12(A)からわかるように、実施例3のレーザ加熱延伸のみの場合は、原繊維のネック部から先細りになっているが、本実施例のゾーン延伸して得られた繊維にレーザ加熱延伸を行なった場合、図12(B)に示すように、ネック部に球状の溶融部が形成されており、かかる球状部から急激に先細りになっている。このことから、ゾーン延伸により繊維がある程度結晶化されたために、前述した原理に従って繊維が極細化したものと考えられる。
【0079】
[極細繊維の直径と複屈折の変化]
つぎに、上述のSD繊維について、実施例1と同様に、ネック部からの距離ΔLに対する直径及び複屈折の変化の様子を調べた。図16に、SD繊維のネック部からの距離ΔLと、距離ΔLの位置における直径及び複屈折を示す。
【0080】
図16からわかるように、SD繊維は、ネック部からの距離ΔLが60mm〜800mmの範囲において直径が2μm以下に極細化されている。特に、60mm〜800mmの範囲においては、直径の変化は殆ど無く極めて均一な極細繊維が得られていることがわかる。また、2μm以下の直径が得られた範囲においてSD繊維の複屈折は、25×10−3以上の高い値を示していることがわかる。また、かかる範囲では、直径の変化が殆ど無いことから、均一で複屈折変化の少ない極細繊維が得られていることがわかる。また、図16中には繊維のネック部の写真を示した。かかる写真から分かるように、ネック部は溶融により球状に膨張しており、かかる球状部から急激に繊維が先細りになっている。
【0081】
本実施例のように、ゾーン延伸により高度に配向させたit−PP繊維にレーザ加熱延伸を適用することによって、配向性が高く、繊維径の極めて小さい極細繊維を容易に作製することができる。
【0082】
【実施例5】
図17に、本発明に従う製造装置の別の具体例を示す。製造装置600は、主に、繊維送出装置61、動滑車65、繊維巻取装置67、制御装置70及びレーザ光源71を備える。繊維送出装置61は、原繊維が巻きつけられたリール63と、リール63を回転駆動させる回転駆動装置62を備えており、リール63を回転駆動装置62により所定の速度で回転駆動することにより、リール63に巻きつけられている原繊維を所定の速度で送り出すことができる。
【0083】
繊維送出装置61から送り出された繊維は、支持用の固定滑車64により支持された後、固定滑車64の下方に配置された動滑車65に巻きつけられて固定滑車64と動滑車65の間で鉛直方向に張った状態に付勢される。繊維の他端は動滑車65により方向転換された後、動滑車65の上方に設けられた整列支持部66を介して繊維巻取装置67により巻き取られる。
【0084】
繊維巻取装置67は、繊維を巻き取るためのリール68と、リール68を回転駆動させる回転駆動装置69を備えている。リール68には、繊維送出装置61から送り出された原繊維の他端が取り付けられており、回転駆動装置69によりリール68を所定の回転速度で回転駆動することによりリール68に繊維を巻き付けることができる。制御装置70は、繊維送出装置61の回転駆動装置62と繊維巻取装置67の回転駆動装置69を制御して、繊維送出装置61のリール63から送り出す繊維の速度と、繊維巻取装置67のリール68で巻き取る繊維の速度を調整することができる。これによりレーザ光源71から出射したレーザ光に対する繊維の相対速度、及び、固定滑車64と動滑車65の間に張られた繊維にかかる張力を調整することができる。
【0085】
動滑車65は、その回転軸がガイド部72の鉛直方向のガイド溝73にスライド可能に係合されている。動滑車65は、その重力と繊維の張力のバランスにより所定の高さhに保持される。したがって、動滑車65の高さ位置を一定に維持することにより固定滑車64と動滑車65との間に張られた繊維に一定の張力を与えることができる。また、動滑車65の重量は、繊維に与えられる張力が1MPa以下になるように適宜選択することができる。また、動滑車65には、床面からの高さを測定するためのセンサー(不図示)が設けられている。制御装置70は、センサーにより測定された動滑車65の床面からの高さ位置に基づいて繊維巻取装置67を制御し、動滑車65の床面からの高さhが常に一定になるようにリール68の回転速度を調整することができる。これにより繊維に常に一定の張力を与えることができる。動滑車65の回転軸とガイド溝との間で生じる摩擦力は可能な限り小さいほうが好ましく、例えば、動滑車65をリニア式でガイド溝上を移動させるように構成してもよい。
【0086】
レーザ光源71、シャッター74、パワーメーター76及びディテクター75は、それぞれ、図5に示した製造装置500と同様のものを用いて構成することができる。
【0087】
かかる製造装置600において、原繊維にレーザ光源71によりレーザ光を照射すると原繊維は延伸する。繊維が延伸すると動滑車65は重力により鉛直下向きに移動する。このとき、制御装置70は、動滑車65の鉛直下向きへの移動を動滑車65に設けられたセンサーにより感知し、動滑車65が床面からの高さ位置が一定になるように繊維巻取装置のリールの回転速度を調整する。こうして、レーザ加熱延伸した極細繊維を繊維巻取装置のリールに巻き取ることができる。
【0088】
以上、本発明について実施例により具体的に説明したが、本発明はこれに限定されない。上記実施例では、原繊維を吊り下げた状態でレーザ光を照射したが、原繊維を例えば水平な載置台上に載置し、原繊維を水平にして本発明のレーザ加熱延伸を行なうこともできる。
【0089】
また、実施例5で示した製造装置においては、動滑車65自体の重量を調整することによって繊維に与える張力が1MPa以下になるように制御したが、例えば、動滑車に対してカウンターバランス(釣合い重り)を設け、カウンターバランスの重量を調整することにより、動滑車により与えられる繊維への張力を微調整することができる。すなわち、図19のガイド部の断面模式図に示すように、ガイド部72の上部に固定滑車91、92をそれぞれ設け、カウンターバランス93を一端に接続したロープ94を固定滑車91、92に掛け渡し、動滑車65の回転を妨げないように、ロープ94の他端を動滑車65の回転軸部分に接続する。このようなカウンターバランス93を設けることにより、繊維に一定の張力を与えるために動滑車65の重量が制限されることがなくなり、任意の重量の動滑車を用いることが可能となる。例えば、動滑車の重量とカウンターバランスの重量の差が僅かになるように、カウンターバランスの重量を選択することにより、繊維に1MPa以下の極めて微小な張力を与えることが可能となる。また、かかるカウンターバランスの代わりに、例えば、バネなどを用いて動滑車を上方に付勢して動滑車の下向きの力を低減することによっても、繊維に微小な張力を与えることが可能である。
【0090】
また、実施例5で示した製造装置は、1本の極細繊維を製造する装置の具体例だが、かかる装置を、以下に説明するように変更することにより、複数の極細繊維を同時に製造させることができる。すなわち、繊維を支持するための固定滑車を、複数の繊維を一定間隔で支持できるように、例えば、複数の繊維巻渡領域に区画された幅の広い固定滑車を用いて構成する。また、繊維送出装置は、同軸の複数のリールを設けて各リールから繊維を送り出すように構成する。或いは、繊維送り出し部分が軸方向に区画された幅の広いリールを用いて複数の繊維を一定間隔ごとに個別に送り出すようにしてもよい。かかる繊維送出装置から送り出された複数の原繊維は、上述の幅広の固定滑車で支持される。動滑車もまた複数の繊維が一定間隔で並んで保持されるように、例えば軸方向に幅広の動滑車を用いて構成し得る。繊維巻取装置もまた、同軸の複数のリールを用いて各リールで動速度で繊維を巻き取るように構成し得る。或いは、繊維巻取り部分が軸方向に区画された幅広のリールを用いて一定間隔で複数の繊維を個別に巻き取るように構成してもよい。それぞれの原繊維にレーザ光を照射するために複数台のレーザ光源を用いてもよいが、例えば、1台のレーザ光源を用いてレーザ光の光路上に複数の繊維が配列された方向に回転軸を有するシリンドリカルレンズを設けることにより、レーザ光は、繊維の軸方向に対して垂直な方向に細長くなるため、それぞれの繊維にレーザ光を照射することができる。かかるシリンドリカルレンズの代わりに、ポリゴンミラーを用いて各繊維に順次レーザ光を照射させるようにしてもよい。以上のように装置を改良することにより複数の繊維を一度にレーザ加熱延伸させることが可能となる。かかる構成の製造装置は生産性に優れる。
【0091】
【発明の効果】
本発明の製造方法によれば、配向性及び結晶性に優れた極細繊維を極めて簡単に製造することができるので、強度の高い極細繊維を安価に提供することができる。
【0092】
本発明のナイロン6繊維、ポリプロピレン繊維及びPET繊維は、極めて極細であるにもかかわらず高い複屈折を有するので従来の極細繊維よりも高強度であり、取扱い性及び加工性に優れる。
【0093】
本発明の製造装置は、本発明の製造方法を実現することができるので、配向性及び結晶性に優れた極細繊維を極めて簡単に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】レーザ加熱延伸の際にPET原繊維に与える印加張力に対する繊維の直径のグラフである。
【図2】レーザ加熱延伸の際にPET原繊維に与える印加張力に対する繊維の複屈折のグラフである。
【図3】図3(A)は、PET原繊維と、本発明のレーザ加熱延伸により得られた極細繊維の350倍のSEM写真であり、図3(B)は極細繊維の10000倍のSEM写真である。
【図4】レーザ光に対する繊維の移動速度を種々変更したときのレーザパワー密度に対する繊維の直径の変化を示すグラフである。
【図5】本発明に従う製造装置の概略構成図である。
【図6】図6(A)は、ナイロン6繊維のレーザパワー密度に対する繊維の直径の変化を示すグラフであり、図6(B)は、レーザパワー密度に対する繊維の複屈折の変化を示すグラフである。
【図7】実施例2において作製されたナイロン6極細繊維のSEM写真を示す。
【図8】変形例1においてレーザ光を2回照射することによって作製されたナイロン6極細繊維のSEM写真を示す。
【図9】実施例4において用いたゾーン加熱延伸装置の概略構成図である。
【図10】ポリプロピレン原繊維と、その原繊維をレーザ加熱延伸して得られたSD繊維のSEM写真である。
【図11】ポリプロピレン原繊維と、その原繊維をゾーン延伸して作製したZD繊維と、ZD繊維をレーザ加熱延伸して作製したSD繊維と、原繊維をゾーン延伸せずにレーザ加熱延伸のみで作製した極細繊維の広角X線回折写真を示す。
【図12】図12(A)は、実施例3で作製したPP極細繊維のネック部の偏光顕微鏡写真であり、図12(B)は、実施例4で作製したSD繊維のネック部の偏光顕微鏡写真である。
【図13】図9に示したゾーン延伸装置のゾーンヒーターの概略構成図である。
【図14】
実施例1で製造した極細繊維のネック部からの距離ΔLに対する直径及び複屈折の変化を示すグラフである。
【図15】変形例4で製造した極細繊維のネック部からの距離ΔLに対する直径及び複屈折の変化を示すグラフである。
【図16】実施例4で製造したit−ポリプロピレン極細繊維のネック部からの距離ΔLに対する直径及び複屈折の変化を示すグラフである。
【図17】実施例5で用いた本発明に従う製造装置の概略構成図である。
【図18】レーザ加熱延伸により作製された極細繊維において原繊維部分から細くなり始めた部分からの距離ΔLを説明するための図である。
【図19】図17に示した製造装置の動滑車に対するカウンターバランスを設けた場合の構成例である。
【符号の説明】
51 炭酸ガスレーザ発振器
52 ディテクター
53 パワーメーター
54 シャッター
55 繊維移動装置
56 滑車
57 クロスヘッド
58 ガイドレール
59 支持棒
60 錘
90 ゾーン延伸装置
93 ゾーンヒーター
500、600 製造装置

Claims (24)

  1. 繊維に1MPa以下の張力を与えながらレーザ光を照射することによって繊維を延伸する方法であって、
    上記繊維に照射されているレーザ光のパワー密度が15W/cm以上であり、上記繊維の延在する方向に上記レーザ光を相対移動させ、繊維を延伸倍率800倍以上で延伸することを特徴とする方法。
  2. 繊維に1MPa以下の張力を与えながらレーザ光を照射することによって繊維を延伸する方法であって、
    上記繊維を鉛直方向に支持することを特徴とする方法。
  3. 繊維に1MPa以下の張力を与えながらレーザ光を照射することによって繊維を延伸する方法であって、
    上記繊維をゾーン延伸した後、上記レーザ光を照射することを特徴とする方法。
  4. 上記繊維に上記レーザ光を複数回照射する請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 上記繊維が、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン6及びポリプロピレンからなる群から選ばれた一種である請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法により得られた延伸繊維。
  7. 上記繊維が熱可塑性ポリマーから構成されている請求項6に記載の延伸繊維。
  8. 上記延伸繊維は、5μm以下の直径を有し且つ複屈折が25×10−3〜120×10−3の範囲内にある請求項7に記載の延伸繊維。
  9. 上記熱可塑性ポリマーは、ナイロン6、ポリプロピレン及びポリエチレンテレフタレートからなる群から選択された一種である請求項8に記載の延伸繊維。
  10. 前記延伸繊維はナイロン6繊維であって
    2μm以下の直径を有し且つ複屈折が40×10−3〜50×10−3の範囲内にあることを特徴とする請求項8に記載の延伸繊維。
  11. 前記延伸繊維はポリプロピレン繊維であって
    2μm以下の直径を有し且つ複屈折が25×10−3〜35×10−3の範囲内にあることを特徴とする請求項8に記載の延伸繊維。
  12. 結晶配向係数が0.9以上である請求項11に記載のポリプロピレン繊維。
  13. 前記延伸繊維はポリエチレンテレフタレート繊維であって
    5μm以下の直径を有し且つ複屈折が70×10−3〜120×10−3の範囲内にあることを特徴とする請求項8に記載の延伸繊維。
  14. 極細繊維を製造するための製造装置であって、
    上記繊維にレーザ光を照射するためのレーザ光源と、
    上記繊維を上記レーザ光に対して相対移動させるための繊維移動装置と、
    上記繊維の一部を保持するとともに繊維に1MPa以下の張力を与えるための保持部とを備える製造装置。
  15. 極細繊維を製造するための製造装置であって、
    上記繊維にレーザ光を照射するためのレーザ光源と、
    上記繊維を上記レーザ光に対して相対移動させるための繊維移動装置とを備え、
    上記繊維移動装置は、上記繊維の一端を支持する支持部を備え、該支持部を上記レーザ光に対して相対移動させることを特徴とする製造装置。
  16. 上記支持部は上記繊維を鉛直方向に支持し、上記繊維移動装置は、上記繊維を鉛直方向に移動させる請求項15に記載の製造装置。
  17. 上記繊維移動装置が、上記支持部に連結された可動スライダと、当該可動部を移動可能にガイドするガイド部とを備えるスライダ装置である請求項15または16に記載の製造装置。
  18. 上記支持部は複数の繊維を同時に支持するための支持部であり、更に、当該支持部により支持された複数の繊維に上記レーザ光源からのレーザ光をそれぞれ照射させるためのシリンドリカルレンズまたはポリゴンミラーを備える請求項15〜17のいずれか一項に記載の製造装置。
  19. 上記繊維移動装置は、上記繊維を送り出すための繊維送出装置と、送り出された繊維を巻取るための繊維巻取装置とを含み、上記繊維送出装置から繊維を送り出す速度と、繊維巻取装置で繊維を巻取る速度とをそれぞれ制御してレーザ光に対する繊維の相対速度を制御する請求項14または15に記載の製造装置。
  20. 上記保持部が動滑車であり、繊維送出装置により送り出された繊維が該動滑車を介して繊維巻取装置により巻き取られる請求項19に記載の製造装置。
  21. 上記動滑車の高さ位置を測定するためのセンサーを備え、該センサーにより測定された動滑車の高さ位置に基づいて動滑車の高さ位置が一定になるように、上記繊維巻取装置により繊維の巻取り速度を制御する請求項20に記載の製造装置。
  22. 上記動滑車をガイドするためのガイドレールを備え、上記繊維巻取装置は、上記動滑車のガイドレール上における位置が一定になるように、繊維の巻取り速度を制御する請求項20に記載の製造装置。
  23. 上記繊維送出装置は複数の繊維を個別に送り出し、上記繊維巻取装置は複数の繊維を巻取り、更に、上記繊維送出装置から送出された複数の繊維に上記レーザ光源からのレーザ光をそれぞれ照射させるためのシリンドリカルレンズまたはポリゴンミラーを備える請求項19〜22のいずれか一項に記載の製造装置。
  24. 上記繊維の一部を保持するとともに繊維に1MPa以下の張力を与えるための保持部を備える請求項15に記載の製造装置。
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