JP2013222501A - 全固体リチウム二次電池用正極及びその製造方法 - Google Patents

全固体リチウム二次電池用正極及びその製造方法 Download PDF

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晃敏 林
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Abstract

【課題】充放電容量が向上した全固体リチウム二次電池用正極の製造方法を提供することを課題とする。
【解決手段】正極活物質としてのLi2Sと、導電材としての炭素材料と、電解質としてのLi2S−Mxy(MはP、Si、Ge、B、Al、Gaから選択され、x及びyは、Mの種類に応じて、化学量論比を与える整数である)とを含む原料を混合及び成形することで正極を得ることからなり、前記Li2Sが、前記原料の混合時に湿式メカニカルミリング処理に付されるか又は前記原料の混合前に予め湿式メカニカルミリング処理に付されることを特徴とする全固体リチウム二次電池用正極の製造方法により上記課題を解決する。
【選択図】図2

Description

本発明は、全固体リチウム二次電池用正極及びその製造方法に関する。更に詳しくは、本発明は、高い充放電容量を有する全固体リチウム二次電池用正極及びその製造方法に関する。
リチウム二次電池は、高電圧、高容量を有するため、携帯電話、デジタルカメラ、ビデオカメラ、ノートパソコン、電気自動車等の電源として多用されている。一般に流通しているリチウム二次電池は、電解質として、電解塩を非水系溶媒に溶解した液状電解質を使用している。非水系溶媒には、可燃性の溶媒が多く含まれているため、安全性の確保が望まれている。
安全性を確保するために、非水系溶媒を使用せずに、電解質を固体材料から形成する、いわゆる固体電解質を使用した全固体リチウム二次電池が提案されている。この電池の正極には、正極活物質、導電材、電解質等の様々な成分が含まれている。これら成分の内、正極活物質として硫黄が、その理論容量の高さから注目されている(特開2004−95243号公報:特許文献1)。
ところで、正極活物質として硫黄を使用した場合、負極活物質にはLiを含む物質を使用する必要があり、これら活物質を使用した電池では放電から充放電反応が始まることになる。そのため負極活物質に使用可能な物質の種類をより増やす観点から、充電から充放電反応を始めることが可能な正極活物質、即ち予めLiを含む正極活物質が望まれている。
上記観点から、本発明の発明者等は、放電後の硫黄が正極中でLiとの混合物として存在していることから、理論容量約1170mAhg-1のLi2Sを正極活物質として使用することを検討した結果、充放電可能であるとの知見を得た(電気化学会第77回大会講演要旨集p58(2010):非特許文献1)。
特開2004−95243号公報
電気化学会第77回大会講演要旨集p58(2010)
上記非特許文献の正極では、ある程度の充放電容量の電池を提供できるが、更なる充放電容量の向上が望まれていた。
上記非特許文献1では、Li2Sと導電材との混合物を乾式メカニカルミリング処理に付し、得られた処理物に電解質を加えて混合物を得、この混合物を更に乾式メカニカルミリング処理に付した後、成形することで正極を得ている。本発明の発明者等は、充放電容量を更に向上するために正極の製造方法について鋭意検討した結果、Li2Sを湿式メカニカルミリング処理に付すことで、充放電容量を向上できることを見出し本発明に至った。Li2Sは、湿式メカニカルミリング処理に付されることで粒子径が小さくなり、導電材や電解質との接触面積が増え、その結果充放電容量を向上可能な正極を提供できた、と発明者等は考えている。
かくして本発明によれば、正極活物質としてのLi2Sと、導電材としての炭素材料と、電解質としてのLi2S−Mxy(MはP、Si、Ge、B、Al、Gaから選択され、x及びyは、Mの種類に応じて、化学量論比を与える整数である)とを含む原料を混合及び成形することで正極を得ることからなり、
前記Li2Sが、前記原料の混合時に湿式メカニカルミリング処理に付されるか又は前記原料の混合前に予め湿式メカニカルミリング処理に付されることを特徴とする全固体リチウム二次電池用正極の製造方法が提供される。
更に、本発明によれば、上記方法により得られた全固体リチウム二次電池用正極が提供される。
本発明によれば、高い充放電容量を有する全固体リチウム二次電池用正極及びその製造方法を提供できる。
また、湿式メカニカルミリング処理が、この処理時の温度で液体であり、Li2Sに対して不活性な溶媒の存在下で行なわれる場合、より高い充放電容量を有する全固体リチウム二次電池用正極の製造方法を提供できる。
更に、湿式メカニカルミリング処理が、トルエンの存在下で行なわれる場合、より高い充放電容量を有する全固体リチウム二次電池用正極の製造方法を提供できる。
また、湿式メカニカルミリング処理が、遊星型ボールミルを用いて、50〜300回転/分、0.1〜10時間、1〜100kWh/1kgのLi2Sの条件下で行われる場合、より高い充放電容量を有する全固体リチウム二次電池用正極の製造方法を提供できる。
Li2S、炭素材料及び電解質が、100:10〜200:10〜500(重量比)の割合で混合される場合、より高い充放電容量を有する全固体リチウム二次電池用正極の製造方法を提供できる。
Li2S−Mxyが、Li2SとMxyとを50:50〜90:10(モル比)の割合を備える場合、より高い充放電容量を有する全固体リチウム二次電池用正極の製造方法を提供できる。
実施例1、比較例1のLi2Sの走査型電子顕微鏡写真である。 実施例1、比較例1及び2のセル電位と充放電容量との関係を示すグラフである。 実施例2のセル電位と放電容量の関係を示すグラフである。 実施例2の電流密度と放電容量との関係を示すグラフである。 実施例5の正極活物質の利用率とセル電位との関係を示すグラフである。
全固体リチウム二次電池用正極は、正極活物質としてのLi2Sと、導電材としての炭素材料と、電解質としてのLi2S−Mxyとを含む複合体の成形体である。
(Li2S)
本発明に使用しうるLi2Sは、特に限定されず、市販の物を使用できる。Li2Sは、純度ができるだけ高いものを使用することが好ましい。例えば、99%以上の純度のLi2Sを使用することが好ましい。更に、Li2Sの形状は、特に限定されず、粒状、塊状等の種々の形状が挙げられる。
Li2Sは、湿式メカニカルミリング処理に付される。この処理は、導電材及び電解質と混合前に予め行ってもよく、導電材及び電解質との混合時に行ってもよい。更に、Li2Sと導電材とを混合し、次いで電解質と混合する方法、Li2Sと電解質とを混合し、次いで導電材と混合する方法のいずれかにおいて、Li2Sと導電材又は電解質との混合を湿式メカニカルミリング処理で行うことで、Li2Sを湿式メカニカルミリング処理に付してもよい。
湿式メカニカルミリング処理は、溶媒の存在下で行なわれる。溶媒は、この処理時の温度(例えば、10〜50℃)で液体であり、Li2Sに対して不活性であることが好ましい。溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、デカリン、テトラヒドロナフタレン等の芳香族炭化水素、ヘキサン、ペンタン、エチルへキサン、ヘプタン、デカン、シクロヘキサン等の飽和炭化水素、ヘキセン、ヘプテン、シクロヘキセン等の不飽和炭化水素等が挙げられる。この内、芳香族炭化水素がより好ましく、トルエンが更に好ましい。
溶媒の使用量は、例えば、Li2S100重量部に対して、10〜100重量部の範囲とすることができる。
湿式メカニカルミリング処理後、溶媒は除去しておくことが好ましい。溶媒の除去は、最終的に正極中に溶媒が存在しなければどの段階で行ってもよい。例えば、湿式メカニカルミリング処理直後に行ってもよく、導電材及び/又は電解質との混合後に行ってもよく、正極に成形後に行ってもよい。
湿式メカニカルミリング処理は、所望の充放電特性が得られさえすれば、処理装置及び処理条件には特に限定されない。
処理装置としては、通常ボールミルが使用できる。ボールミルは、大きな機械的エネルギーが得られるため好ましい。ボールミルの中でも、遊星型ボールミルは、ポットが自動回転すると共に、台盤が公転回転するため、高い衝撃エネルギーを効率よく発生させることができるので、好ましい。
処理条件は、使用する処理装置に応じて適宜設定できる。例えば、ボールミルを使用する場合、回転速度が速いほど及び/又は処理時間が長いほど、原料混合物が均一に混合できる。具体的には、遊星型ボールミルを使用する場合、50〜500回転/分、0.1〜10時間、1〜100kWh/1kgのLi2Sの条件が挙げられる。より好ましい処理条件としては、150〜300回転/分、0.5〜2時間、6〜50kWh/1kgのLi2Sが挙げられる。
(炭素材料)
炭素材料は、特に限定されず、アセチレンブラック、デンカブラック、ケッチェンブラック等のカーボンブラックやカーボンナノチューブ、天然黒鉛、人工黒鉛、気相成長カーボンファィバ(VGCF)等の二次電池の分野で導電材として使用されている材料が挙げられる。
炭素材料の量は、Li2S100重量部に対して、10〜200重量部であることが好ましい。10重量部未満である場合、正極へ移動可能な電子の量が減ることで、十分な充放電容量が得られないことがある。200重量部より多い場合、Li2S及びLi2S−Mxyの正極に占める量が相対的に少なくなり、充放電効率が低下することがある。より好ましい炭素材料の量は、50〜100重量部の範囲である。
(電解質)
正極は、電解質として、Li2S−Mxyを含む。
硫化物であるMxy中、MはP、Si、Ge、B、Al、Gaから選択され、x及びyは、Mの種類に応じて、化学量論比を与える整数である。Mとして使用可能な6種の元素は、種々の価数をとり得、その価数に応じてx及びyを設定できる。例えばPは3価及び5価、Siは4価、Geは2価及び4価、Bは3価、Alは3価、Gaは3価をとり得る。具体的なMxyとしては、P25、SiS2、GeS2、B23、Al23、Ga23等が挙げられる。これら具体的なMxyは、1種のみ使用してもよく、2種以上併用してもよい。この内、P25が特に好ましい。
更に、Li2SとMxyとのモル比は、50:50〜90:10であることが好ましく、67:33〜80:20であることがより好ましく、70:30〜80:20であることが更に好ましい。
電解質には、Li2S−Mxy以外に、LiI、Li3PO4等の他の電解質が含まれていてもよい。
Li2S−Mxyの量は、Li2S100重量部に対して、10〜500重量部であることが好ましい。10重量部未満である場合、正極へ移動可能なリチウムイオンの量が減ることで、十分な充放電容量が得られないことがある。500重量部より多い場合、Li2S及び炭素材料の正極に占める量が相対的に少なくなり、充放電効率が低下することがある。より好ましいLi2S−Mxyの量は、50〜200重量部の範囲である。
(その他の成分)
Li2S、炭素材料及びLi2S−Mxy以外に、全固体リチウム二次電池に通常使用されている成分を含んでいてもよい。例えば、LiCoO2、LiMn24等の活物質が挙げられる。これら活物質は、その表面に、Ni、Mn、Fe、Coから選択される金属の硫化物による被膜を備えていてもよい。被膜を形成する方法としては、例えば、被膜の前駆体溶液中に活物質を浸漬し、次いで熱処理する方法、被膜の前駆体溶液を活物質に噴霧し、次いで熱処理する方法等が挙げられる。
また、結着材が含まれていてもよい。結着材としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレン等が挙げられる。
(原料の混合及び成形工程)
原料の混合は、所望の充放電容量が得られさえすれば、特に限定されない。例えば、乳鉢での混合、メカニカルミリング処理等が挙げられる。この内、より大きな充放電容量を得られるメカニカルミリング処理が好ましい。メカニカルミリング処理は、乾式でも湿式でもよい。具体的には、
(1)Li2S、導電材及び電解質の混合物を湿式メカニカルミリング処理に付す方法
(2)Li2Sを湿式メカニカルミリング処理に付した後、Li2S、導電材及び電解質の混合物を湿式又は乾式メカニカルミリング処理に付す方法
(3)Li2Sを湿式メカニカルミリング処理に付した後、Li2Sと導電材との混合物を湿式又は乾式メカニカルミリング処理に付し、Li2S、導電材及び電解質の混合物を湿式又は乾式メカニカルミリング処理に付す方法
(4)Li2Sを湿式メカニカルミリング処理に付した後、Li2Sと電解質との混合物を湿式又は乾式メカニカルミリング処理に付し、Li2S、導電材及び電解質の混合物を湿式又は乾式メカニカルミリング処理に付す方法
等が挙げられる。
メカニカルミリング処理は、所望の充放電特性が得られさえすれば、処理装置及び処理条件には特に限定されない。
処理装置としては、Li2Sの湿式メカニカルミリング処理に記載した装置を使用できる。
処理条件は、遊星型ボールミルを使用し、乾式の場合、50〜600回転/分の回転速度、0.1〜10時間の処理時間、1〜100kWh/処理対象1kgの条件が挙げられる。より好ましい処理条件としては、200〜500回転/分の回転速度、1〜5時間の処理時間、6〜50kWh/処理対象1kgが挙げられる。湿式の場合、50〜500回転/分の回転速度、0.1〜10時間の処理時間、1〜100kWh/原料混合物1kgの条件が挙げられる。より好ましい処理条件としては、150〜300回転/分の回転速度、0.5〜2時間の処理時間、6〜50kWh/処理対象1kgが挙げられる。
混合された原料は、例えばプレス成形することで、ペレット状の正極(成形体)とすることができる。ここで、正極は、アルミニウムや銅等の金属板からなる集電体上に形成されていてもよい。
(全固体リチウム二次電池)
全固体リチウム二次電池は、正極、電解質層及び負極を備えている。全固体リチウム二次電池は、例えば、正極、電解質層及び負極とを積層し、プレスすることにより得ることができる。
(1)電解質層
電解質層を構成する電解質には、特に限定されず、全固体リチウム二次電池に通常使用される電解質をいずれも使用できる。例えば、上記正極の説明において例示した電解質が挙げられる。なお、電解質層中、Li2S−Mxyが占める割合は、90重量%以上であることが好ましく、全量であることがより好ましい。電解質層の厚さは、5〜500μmであることが好ましく、20〜100μmであることがより好ましい。電解質層は、例えば、電解質をプレスすることで、ペレット状として得ることができる。
(2)負極
負極は、特に限定されず、全固体リチウム二次電池に通常使用される負極をいずれも使用できる。負極は、負極活物質のみからなっていてもよく、結着材、導電材、電解質等と混合されていてもよい。
本発明では正極活物質としてLi2Sを使用しているため、Liを含まない負極活物質を使用できる。そのような負極活物質としては、In、Sn等の金属、それらの合金、グラファイト、SnO等の種々の遷移金属酸化物等が挙げられる。また、Liや、Li4/3Ti5/34のようなLiを含む負極活物質を使用することも可能である。
結着材としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレン等が挙げられる。
導電材としては、天然黒鉛、人工黒鉛、アセチレンブラック、気相成長カーボンファィバ(VGCF)等が挙げられる。
電解質としては、電解質層に使用される電解質が挙げられる。
負極は、例えば、負極活物質及び、任意に結着材、導電材、電解質等を混合し、得られた混合物をプレスすることで、ペレット状として得ることができる。また、負極活物質として金属又はその合金からなる金属シート(箔)を使用する場合、をそのまま使用可能である。
負極は、アルミニウム又は銅等の集電体の上に形成されていてもよい。
以下、実施例によって本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらによりなんら制限されるものではない。
実施例1
Li2S(出光興産社製:純度99.9%以上、平均粒子径100μm)1gを湿式メカニカルミリング処理に付した。処理装置には、ポット及びボールを備えた遊星型ボールミルであるFritsch社製Pulverisette P−7を使用した。ポット及びボールは酸化ジルコニウム製であり、45mlのポット内で直径5mmのボールを160個使用した。溶媒としてトルエンをLi2S100重量部に対して50重量部使用した。処理条件は、室温(約25℃)、230回転/分、10時間、約30kWh/1kgのLi2Sとした。
処理後、Li2Sを160℃で24時間真空乾燥処理に付すことで、トルエンを除去した。得られたLi2Sの走査型電子顕微鏡写真を図1(a)に示す。
次に、乾燥処理後のLi2Sを0.5gと、アセチレンブラック(電気化学工業社製デンカブラック:平均粒子径35nm:以下、ABともいう)を0.5gとを乾式メカニカルミリング処理に付した。処理装置は、上記装置を使用し、処理条件は、室温(約25℃)、510回転/分、5時間、約50kWh/1kgとした。
更に、乾式メカニカルミリング処理後のLi2S及びアセチレンブラックと、80Li2S−20P25(以下、SEともいう。80及び20はモル比:平均粒子径5μm)とを乾式メカニカルミリング処理に付した(Li2S:AB:SE=25:25:50(重量比))。処理装置は、上記装置を使用し、処理条件は、室温(約25℃)、370回転/分、1時間、約40kWh/1kgとした。
使用したSEは、以下の方法で合成した。
Li2S(出光興産社製:純度99.9%以上)及びP25(アルドリッチ社製純度99%)を80:20のモル比で遊星型ボールミルに投入した。投入後、乾式メカニカルミリング処理することで、SEを得た。遊星型ボールミルは、Fritsch社製Pulverisette P−7を使用し、ポット及びボールは酸化ジルコニウム製であり、45mlのポット内に直径4mmのボールが500個入っているミルを使用した。乾式メカニカルミリング処理は、510rpmの回転速度、室温、乾燥窒素グローブボックス内で10時間行った。なお、この合成法は、Akitoshi Hayashi et al., Journal of Non−Crystalline Solids 356 (2010) 2670−2673のExperimentalの記載に準じている。
処理後のLi2SとABとSEとの複合体10mgをプレス(圧力370MPa/cm2)することで直径10mm、厚さ約0.1mmのペレット(正極)を得た。
Li2S−P25からなる固体電解質(Li2SとP25とのモル比80:20)80mgをプレス(圧力370MPa/cm2)することで直径10mm、厚さ約0.1mmのペレット(電解質層)を得た。
負極には、厚さ0.1mmのインジウム箔を使用した。
上記正極、電解質層及び負極を積層し、ステンレススチール製集電体で挟み、プレス(圧力250MPa/cm2)することで全固体リチウム二次電池を得た。
得られた二次電池(セル)を、25℃下、0.064mA/cm2の電流密度で充放電を繰り返した場合のセル電位と充放電容量との関係を図2に示す。図2において、左側の縦軸はLi−In対極に対する電位を、右側の縦軸はLi基準電極に対する電位を示す(LiとLi−Inの電位差、0.62Vを考慮してプロットした)。図2中、「wet−milled」で示される曲線が実施例1の関係図を示す。図2から約860mAhg-1の可逆容量が得られることが分かる。
比較例1
Li2Sを乾式メカニカルミリング処理に付したこと以外は実施例1と同様にして全固体リチウム二次電池を得た。処理条件は、室温(約25℃)、510回転/分、20時間、約50kWh/1kgとした。
乾式メカニカルミリング処理2時間後、20時間後及び50時間後のLi2Sの走査型電子顕微鏡写真を図1(b)〜(d)に示す。
得られた二次電池を、25℃下、0.064mA/cm2の電流密度で充放電を繰り返した場合のセル電位と充放電容量との関係を図2に示す。図2中、「dry−milled」で示される曲線が比較例1の関係図を示す。図2から約800mAhg-1の可逆容量が得られることが分かる。
比較例2
Li2Sを湿式メカニカルミリング処理に付さないこと以外は実施例1と同様にして全固体リチウム二次電池を得た。
得られた二次電池を、25℃下、0.064mA/cm2の電流密度で充放電を繰り返した場合のサイクル数毎のセル電位と充放電容量との関係を図2に示す。図2中、「non−milled」で示される曲線が比較例2の関係図を示す。図2から約680mAhg-1の可逆容量が得られることが分かる。
(実施例1、比較例1及び2の結果の考察)
図2から、Li2Sを湿式メカニカルミリング処理に付すことで、充放電容量を大きくできることが分かる(対比較例1比約7%UP、対比較例2比約26%UP)。これは湿式メカニカルミリング処理によりLi2Sの粒径を小さくできること、及びLi2Sの凝集体を少なくできるためであると発明者等は考察している。具体的には、図1(b)において、乾式メカニカルミリング処理2時間後のLi2Sの粒径(約10μm)が極めて大きいことが示されている。図1(c)において、乾式メカニカルミリング処理20時間後では、Li2Sの粒径が小さくなっているが、凝集体が観察されている(図中、点線で囲まれた部分)。この凝集体は、図1(d)に示されているように、乾式メカニカルミリング処理50時間後でも観察されている。これに対して、図1(a)に示されているように、湿式メカニカルミリング処理10時間後において、Li2Sの粒径は約70%減の約3μmと小さくかつ凝集体は観察されていない。Li2Sの粒径を小さくすること及び凝集を防止することで、Liイオンや電子の伝導パスがより多く確保できたためであると考えられる。
実施例2
実施例1で得られた電池を、25℃下、0.064mA/cm2の電流密度で充電し、0.13mA/cm2、1.3mA/cm2及び6.4mA/cm2の電流密度で放電した場合のセル電位と放電容量との関係を図3に、電流密度と放電容量との関係を図4(図中、●のプロット)に示す。また、比較例2で得られた電池を上記電流密度で放電した場合の電流密度と放電容量との関係も図4(図中、▲のプロット)に示す。
図3及び4から、高レートでも可逆容量を向上できることが分かる。
実施例3
Li2SをS(アルドリッチ社製:純度99.998%)に換えて正極を、負極に厚さ0.1mmのLi−In合金箔(Li:In=50:50(モル比))を使用すること以外は実施例1と同様にして全固体リチウム二次電池を得た。
得られた電池における、S活物質の利用率とセル電位との関係を図5に示す(電流密度を0.064mA/cm2に設定)。併せて、実施例1の電池のLi2S活物質の利用率とセル電位との関係も図5に示す(電流密度を0.013mA/cm2に設定)。
図5から、Li2Sを正極活物質とする電池は、Sを正極活物質とする電池とほぼ同等の正極活物質の利用率が得られていることが分かる。

Claims (7)

  1. 正極活物質としてのLi2Sと、導電材としての炭素材料と、電解質としてのLi2S−Mxy(MはP、Si、Ge、B、Al、Gaから選択され、x及びyは、Mの種類に応じて、化学量論比を与える整数である)とを含む原料を混合及び成形することで正極を得ることからなり、
    前記Li2Sが、前記原料の混合時に湿式メカニカルミリング処理に付されるか又は前記原料の混合前に予め湿式メカニカルミリング処理に付されることを特徴とする全固体リチウム二次電池用正極の製造方法。
  2. 前記湿式メカニカルミリング処理が、この処理時の温度で液体であり、前記Li2Sに対して不活性な溶媒の存在下で行なわれる請求項1に記載の全固体リチウム二次電池用正極の製造方法。
  3. 前記湿式メカニカルミリング処理が、トルエンの存在下で行なわれる請求項1又は2に記載の全固体リチウム二次電池用正極の製造方法。
  4. 前記湿式メカニカルミリング処理が、遊星型ボールミルを用いて、50〜300回転/分、0.1〜10時間、1〜100kWh/1kgのLi2Sの条件下で行われる請求項1〜3のいずれか1つに記載の全固体リチウム二次電池用正極の製造方法。
  5. 前記Li2S、炭素材料及び電解質が、100:10〜200:10〜500(重量比)の割合で混合される請求項1〜4のいずれか1つに記載の全固体リチウム二次電池用正極の製造方法。
  6. 前記Li2S−Mxyが、Li2SとMxyとを50:50〜90:10(モル比)の割合を備える請求項1〜5のいずれか1つに記載の全固体リチウム二次電池用正極の製造方法。
  7. 請求項1〜6のいずれか1つの方法により得られた全固体リチウム二次電池用正極。
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