JP2013216598A - グリコシダーゼを阻害するコンデュラミンf−4誘導体、酸付加塩およびそれらの製造方法 - Google Patents

グリコシダーゼを阻害するコンデュラミンf−4誘導体、酸付加塩およびそれらの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高活性グリコシダーゼ阻害剤として有用な新規コンデュラミンF−4誘導体、酸付加塩およびそれらの製造方法を提供する。
【解決手段】下記一般式(1)または(2)で表されるコンデュラミンF−4誘導体またはその酸付加塩。
Figure 2013216598

式中、R1、R2は水素原子、アルキル基、ヒドロキシアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アシル基、アリール基、ヘテロアリール基またはアラルキル基を表し、R1及びR2は、それぞれが結合している窒素原子と一緒になって非芳香環を形成してもよい。ただし、R1及びR2は双方が同時に水素原子であることはない。R3〜R5はヒドロキシル基または保護されたヒドロキシル基を示す。また、R4とR5は一緒になって、アセタール基を形成してもよい。R6は水素原子またはメチル基を表す。
【選択図】図1

Description

本発明は、グリコシダーゼ阻害活性を有する新規コンデュラミン誘導体およびその製造方法、さらにこの誘導体を有効成分とするグリコシダーゼ阻害剤に関する。
糖加水分解酵素、すなわちグリコシダーゼは生体内で重要な役割を担う酵素であり、その阻害剤は糖尿病治療薬や抗生剤等の医薬、殺菌剤等の農薬、また研究用試薬として有用であることから、これまで多くのグリコシダーゼ阻害剤が開発されてきた(非特許文献1参照)。
さらに近年、少量のグリコシダーゼ阻害剤が、難病指定されているライソゾーム病に対し治療効果を持つことが見出されている(特許文献1および非特許文献2参照)。すなわち、このようなグリコシダーゼ阻害剤の開発は、難病の治療薬開発へと繋がる可能性も大いに期待できる。
一方、これまで知られているグリコシダーゼ阻害剤のなかでも、天然物由来のコンデュリトール(conduritol,cyclohex−5−ene−1,2,3,4−tetrol)中にある1個の水酸基をアミノ基に置き換えた有機化合物、すなわちコンデュラミン(conduramine,3− or 4−aminocyclohex−5−ene−1,2,4− or 1,2,3−triol)と呼ばれる下記構造式(4)および(5)
Figure 2013216598
で表される化合物が種々合成され、それらのうちあるものはグリコシダーゼ阻害活性を持つことが知られている(非特許文献3および非特許文献4参照)。さらに、これらのうちあるものは数種類のグリコシダーゼに対し阻害活性を持つ、いわゆる交差阻害活性を示す例が報告されている(非特許文献4参照)。
このようなコンデュラミン類の中でも、コンデュラミンF−4[1D−(1,2,4N/3)−4−amino−cyclohex−5−ene−1,2,3−triol]と呼ばれる下記構造式(6)
Figure 2013216598
で表される化合物は、そのシクロヘキセン環上のヒドロキシル基およびアミノ基の立体配置が糖類のベータ−ガラクトースに類似している。従って、コンデュラミンF−4の誘導
体は、特にベータ−ガラクトシダーゼをはじめとする種々のグリコシダーゼの良い阻害剤となることが期待される。
しかしながら、これまでベータ−D−ガラクトースに類似した光学活性なコンデュラミンF−4の有機合成自体は報告されているが(非特許文献5参照)、グリコシダーゼ阻害剤として扱われた例はなく、またさらにグリコシダーゼ阻害剤の開発を目的としてコンデュラミンF−4の誘導体が合成されたことはなかった。
さらには、これまで光学活性なコンデュラミン類を合成する際は、天然物であるD−グルコースやL−クエブラキトール等の光学活性な糖類を出発物質とし、比較的長い製造工程を必要とするもの、または非光学活性な化合物を原料とし、その工程中に光学分割や微生物酸化を要する方法が報告されている(非特許文献3参照)が、光学活性なコンデュラミン類の合成に際し天然物であるクエルシトール類を出発物質とし、光学分割を必要とせず、かつ比較的短工程で簡便に製造する方法は知られていなかった。
国際公開第03/022797号パンフレット
Chemical Reviews、2002年、102巻、p.515−554 Assay and Drug Development Technologies、2011年、9巻、p.213−235 Tetrahedron、2006年、62巻、p.2733−2768 Bioorganic and Medicinal Chemistry、2006年、14巻、p.6255−6282 Bulletin of the Chemical Society of Japan、1998年、71巻、p.259−272
医薬、農薬および研究用試薬としての応用が期待されるグリコシダーゼ阻害剤として、高活性を持つ新規化合物が切望されていた。本発明はこのような課題を解決すべくなされたものである。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意研究した。特に、グリコシダーゼの阻害剤としてこれまで注目されてこなかったコンデュラミンF−4[1D−(1,2,4N/3)−4−amino−cyclohex−5−ene−1,2,3−triol]をシード化合物とし、(+)−プロト−クエルシトール[1L−(1,3,4/2,5)−cyclohexane−1,2,3,4,5−pentol]を原料とした合成中間体から様々なコンデュラミンF−4誘導体を製造した。結果、本発明物質であるコンデュラミンF−4誘導体は、グリコシダーゼ、特にベータ−ガラクトシダーゼおよびベータ−グルコシダーゼに対して、強力な阻害活性を示すことを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明によれば、
[1]下記一般式(1)で表されるコンデュラミンF−4誘導体またはその酸付加塩。
Figure 2013216598
式中、R1、R2はそれぞれ独立に水素原子またはアルキル基(連続しない-CH2−が-O-に置き換えられてもよい)、ヒドロキシアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アシル基、アリール基、ヘテロアリール基またはアラルキル基を表し、アラルキル基に含まれるアリール基はヘテロアリール基であってもよい。R1及びR2は、それぞれが結合している窒素原子と一緒になって非芳香環を形成してもよい。ただし、R1及びR2は双方が同時に水素原子であることはない。
3〜R5はそれぞれ独立にヒドロキシル基または保護されたヒドロキシル基を示す。また、R4とR5は一緒になって、アセタール基を形成してもよい。
6は水素原子またはメチル基を表す。
[2]下記一般式(2)で表されるコンデュラミンF−4誘導体またはその酸付加塩。
Figure 2013216598
式中、R1、R2はそれぞれ独立に水素原子またはアルキル基(連続しない-CH2−が-O-に置き換えられてもよい)、ヒドロキシアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アシル基、アリール基、ヘテロアリール基またはアラルキル基を表し、アラルキル基に含まれるアリール基はヘテロアリール基であってもよい。R1及びR2は、それぞれが結合している窒素原子と一緒になって非芳香環を形成してもよい。ただし、R1及びR2は双方が同時に水素原子であることはない。
6は水素原子またはメチル基を表す。
[3](+)−プロト−クエルシトールを出発原料とし、1位、2位、3位および4位のヒドロキシル基の保護化、5位のヒドロキシル基の脱離基への変換、次いで5位のヒドロキシル基の脱離を行い、得られたシクロヘキセン誘導体に対し1位および2位の脱保護、1,2−ジオールのエポキシ化、続いて得られたエポキシドにアミンを開環付加させる工程を含むことを特徴とする、[1]に記載の一般式(1)で表されるコンデュラミンF−4誘導体のうち、R6が水素原子であるものの製造方法。
[4] [3]に記載の方法によりコンデュラミンF−4誘導体を製造し、得られたコンデュラミンF−4誘導体に酸性物質を作用させる、[1]に記載の一般式(1)で表されるコンデュラミンF−4誘導体のうち、R6が水素原子であるものの酸付加塩の製造方法。
[5](+)−プロト−クエルシトールを出発原料とし、1位、2位、3位および4位のヒドロキシル基の保護化、5位のヒドロキシル基の脱離基への変換、次いで5位のヒドロキシル基の脱離を行い、得られたシクロヘキセン誘導体に対し1位および2位の脱保護、1,2−ジオールのエポキシ化、続いて得られたエポキシドにアミンを開環付加させ、さらに3,4位の脱保護を行う工程を含むことを特徴とする、[2]に記載の一般式(2)で表されるコンデュラミンF−4誘導体のうち、R6が水素原子であるものの製造方法。
[6] [5]に記載の方法によりコンデュラミンF−4誘導体を製造し、得られたコンデュラミンF−4誘導体に酸性物質を作用させる、[2]に記載の一般式(2)で表されるコンデュラミンF−4誘導体のうち、R6が水素原子であるものの酸付加塩の製造方法。
[7](+)−プロト−クエルシトールを出発原料とし、下記構造式(3)で表される物質に変換した後、1級ブロモ基の還元、二級ブロモ基のアキシアル体の分離、続いて該アキ
シアル体の2級ブロモ基にアミンを求核付加させる工程を含むことを特徴とする、[1]に記載の一般式(1)で表されるコンデュラミンF−4誘導体のうち、R6がメチル基であるものの製造方法。
Figure 2013216598
式中、Bzはベンゾイル基を表す。
[8] [7]に記載の方法によりコンデュラミンF−4誘導体を製造し、得られたコンデュラミンF−4誘導体に酸性物質を作用させる、[1]に記載の一般式(1)で表されるコンデュラミンF−4誘導体のうち、R6がメチル基であるものの酸付加塩の製造方法。
[9](+)−プロト−クエルシトールを出発原料とし、下記構造式(3)で表される物質に変換した後、1級ブロモ基の還元、二級ブロモ基のアキシアル体の分離、続いて該アキシアル体の2級ブロモ基にアミンを求核付加させ、さらに保護されたヒドロキシル基の脱保護を行う工程を含むことを特徴とする、[2]に記載の一般式(2)で表されるコンデュラミンF−4誘導体のうち、R6がメチル基であるものの製造方法。
Figure 2013216598
式中、Bzはベンゾイル基を表す。
[10] [9]に記載の方法によりコンデュラミンF−4誘導体を製造し、得られたコンデュラミンF−4誘導体に酸性物質を作用させる、[2]に記載の一般式(2)で表されるコンデュラミンF−4誘導体のうち、R6がメチル基であるものの酸付加塩の製造方法。
[11][1]または[2]に記載のコンデュラミンF−4誘導体、またはその酸付加塩を有効成分とするグリコシダーゼ阻害剤、
が提示される。
本発明により提供される上記一般式(1)で表されるコンデュラミンF−4誘導体およびその酸付加塩、ならびに一般式(2)で表されるコンデュラミンF−4誘導体およびその酸付加塩は、医薬、農薬、また研究用試薬として期待される高活性グリコシダーゼ阻害剤として有用である。
また、上記一般式(1)および一般式(2)で表される本発明物質は、(+)−プロト−クエルシトールを原料とする中間体から容易に製造することが出来る。すなわち、本発明により、一般式(1)で表されるコンデュラミンF−4誘導体およびその酸付加塩、ならびに一般式(2)で表されるコンデュラミンF−4誘導体およびその酸付加塩を簡便、安価に提供することが可能である。
本発明化合物(B1〜B24)のウシ肝臓由来ベータ−ガラクトシダーゼに対する阻害活性 本発明化合物(B1〜B24)のアーモンド由来ベータ−グルコシダーゼに対する阻害活性
本発明物質であるグリコシダーゼ阻害剤は、上記一般式(1)で示されるコンデュラミンF−4誘導体およびその酸付加塩、また上記一般式(2)で示されるコンデュラミンF−4誘導体およびその酸付加塩のうち少なくとも一つを含んでなるが、これらを複数含んでいてもよい。
上記一般式(1)または一般式(2)の式中、R1、R2はそれぞれ独立に水素原子またはアルキル基、アルキルエーテル基、アルケニル基、アルキニル基、アシル基、アリール基、またはアラルキル基を表す。ただし、R1及びR2は特に双方が同時に水素原子であることはなく、どちらか一方が上記の官能基であり、他方が水素原子または同様の官能基である。また、R1及びR2は、それぞれが結合している窒素原子と一緒になって非芳香環(好ましくは3〜8員環)を形成してもよい。
アルキル基としては炭素数1〜23の直鎖または分岐したアルキル基、もしくはシクロアルカンを含むアルキル基が好ましく、特に炭素数1〜15のものが好ましい。なお、アルキル基においては、連続しない−CH2−が−O−に置き換えられてもよい。すなわち、−R−(OR´)n−OR´´のように表示されるものであってもよい。ここでのR、R´はいずれも直鎖または分岐したアルキレン基を表し、R´´はアルキル基を表す。nは0〜4の整数を表すが、特に0〜1が好ましい。これらR、R´、R´´は、硫黄や窒素等のヘテロ原子を含んでいてもよい。また、アルキル基はヒドロキシル基を含むヒドロキシアルキル基であってもよい。
アルケニル基またはアルキニル基としては、炭素数2〜23、好ましくは炭素数2〜15のもので、炭素原子同士の二重結合、三重結合を複数有していてもよい。
アシル基としては、一般に−CO−Rで表される官能基を持つものであればいずれのものでもよい。上記に示したRの部分は前述のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、また後述のアリール基、アラルキル基のいずれかを表すものである。炭素数は2〜23、特に2〜15のものが好ましい。
アリール基としては、炭素数6〜23のものであり、特に炭素数6〜15のものが好ましい。例えばフェニル基やナフチル基が例示され、これらアリール基にアルキル基、アシル基、アミノ基、スルホン基やハロゲン基などの置換基を有するものも含まれる。さらに環内に窒素、酸素、硫黄原子などヘテロ原子を含むヘテロアリール基も含まれる。
上記アラルキル基は、前述のアルキル基にアリール基が接続した官能基である。このアラルキル基に含まれるアルキル基の部分は、前述のように直鎖や分岐したものが例示される。また、このアラルキル基に含まれるアリール基についても、前述したような特徴を持つアルキル基、アルキルエーテル基またはアシル基などの置換基を有するものが含まれる。さらに環内に窒素、酸素、硫黄原子などヘテロ原子を含むヘテロアリール基も含まれる。炭素数は7〜23のものが好ましく、特には7〜18のものが好ましい。
式中、R3〜R5はそれぞれ独立にヒドロキシル基または保護されたヒドロキシル基を示すが、水への溶解度等を考慮すると、特にはヒドロキシル基であることが好ましい。ヒドロキシル基の保護基としては、アルキル基(メチル基、エチル基等)、アシル基(アセチル基、ピバロイル基、ベンゾイル基、トルオイル基等)、シリル基(トリメチルシリル基
、トリエチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、tert−ブチルジメチルシリル基等)、アラルキル基(ベンジル基、フェネチル基等)、アルコキシアルキル基(メトキシメチル基、エトキシメチル基、ブトキシメチル基等)、アラルキルオキシアルキル基(ベンジルオキシメチル基等)が例示される。
また、R4とR5は一緒になって、アセタール基(イソプロピリデン基、シクロヘキシリデン基、ベンジリデン基等)を形成してもよい。アセタール基のうち、特にはイソプロピリデン基が、安定性、取り扱い及び脱離の容易性の観点から好ましいが、これに限定はされない。
さらに式中、R6は水素原子またはメチル基を表す。R6が水素原子の場合は、前述のコンデュラミン類と同じ環骨格を有しているが、R6がメチル基である化合物も、本発明においてはコンデュラミンF−4の5−メチル化体と見なし、コンデュラミンF−4誘導体として扱う。
本発明の化合物は主に酵素阻害剤として用いられることが期待されるので、その観点からある程度の水溶性を有することが好ましい。ところで、上記一般式(1)および一般式(2)で表される化合物はその窒素原子上に酸付加し、塩とすることが出来る。このように本発明の化合物の酸付加した塩は、水溶性が増すと共に、塩となることで固体としてより取り扱いが容易になることが期待され、特に好ましい。このような酸付加塩の作成に用いられる酸性物質の例としては、無機酸(硫酸、硝酸、燐酸、ハロゲン化水素酸(塩酸、臭化水素酸等))および有機酸(酢酸、プロパン酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、シュウ酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、マンデル酸、酒石酸、リンゴ酸、アスコルビン酸、クエン酸、乳酸、酪酸、サリチル酸、ニコチン酸等)が好ましいが、これに限定はされない。
<本発明化合物の調製 R6が水素原子である場合>
上記一般式(1)で示される本発明化合物のうち、R6が水素原子であるものの調製は、(+)−プロト−クエルシトールを出発原料とし、1位、2位、3位および4位のヒドロキシル基の保護化、5位のヒドロキシル基の脱離基への変換、次いで5位のヒドロキシル基の脱離を行い、得られたシクロヘキセン誘導体に対し1位および2位の脱保護、1,2−ジオールのエポキシ化、続いて得られたエポキシドにアミンを開環付加させることにより行うことができる。
上記一般式(2)で表される本発明化合物のうち、R6が水素原子であるものも同様の工程により得ることができる。
まず、出発原料である(+)−プロト−クエルシトールのヒドロキシル基のうち、5位の部分を遊離させたまま、残りの1、2、3、4位のヒドロキシル基を選択的に保護する工程について説明する。
ヒドロキシル基の保護基としては、上記した一般にヒドロキシル基の保護基として用いられる保護基が用いられ、また、保護基の種類はすべて同じであってもよいし、2種以上の異なった保護基を含んでいてもよい。さらに、環状アセタール型、環状ケタール型などのように複数の水酸基を1個の保護基で保護してもよい。好ましくは適当な酸を触媒として用い、環状アセタール型保護基によって、(+)−プロト−クエルシトールのトランス配置1、2位のヒドロキシル基、およびシス配置3、4位のヒドロキシル基をそれぞれ位置選択的に保護する方法が取られる。このように光学活性な天然物を出発物質としているのであれば、合成工程中に光学分割等の操作を必要とせず、光学活性な本発明化合物を容易に得ることが可能となる。この場合、酸触媒としては例えば硫酸や塩酸などの鉱酸、パラ-トルエンスルホン酸やカンファースルホン酸などの有機酸、三フッ化ホウ素、トリメチルシリルトリフラート、イットリビウムトリフラート、スカンジウムトリフラート、塩化鉄、塩化ジルコニウムなどのルイス酸を、(+)−プロト−クエルシトールに対し0.
1〜1当量用いることが出来るが、コスト面、収率等の点から塩酸、パラ-トルエンスルホン酸またはカンファースルホン酸を反応原料の0.05〜0.25当量用いることが好ましい。また、反応試剤としては、例えばベンズアルデヒド、アルファ、アルファ−ジメトキシトルエン、アセトン、2,2−ジメトキシプロパン、シクロヘキサノン、1,1−ジメトキシシクロヘキサンなどが挙げられ、特にアルファ、アルファ−ジメトキシトルエン、2,2−ジメトキシプロパン、1,1−ジメトキシシクロヘキサンなどの試剤を用いるならば、これらを(+)−プロト−クエルシトール5〜20当量加えることによって反応を進行させることが出来る。さらにコスト面、収率等の点を考慮すると、2,2−ジメトキシプロパンを8〜12当量用いることが好ましい。反応溶媒としてはこの反応に悪影響を及ぼさない溶媒が使用できるが、例えばアセトンまたはN,N−ジメチルホルムアミドをそれぞれ独立に用いるか、混合して用いることが出来る。容量としては、アセトンを単独で用いる場合、原料である(+)−プロト−クエルシトールを1重量部としてアセトンを30〜120重量部、より好ましくは50〜70重量部用いる。一方、N,N−ジメチルホルムアミドを単独またはアセトンと混合して用いる場合は、総量が5〜10重量部になるように用いることが好ましい。特に混合溶媒である際、N,N−ジメチルホルムアミドとアセトンの容積比は、N,N−ジメチルホルムアミド対アセトンが1対1〜1.5対1の比率であることが好ましい。通常、反応温度は特に限定されず、常温(5〜35℃)、あるいは加熱(溶媒の種類等にもよるがN,N−ジメチルホルムアミドとアセトンの混合溶媒を上記の比の範囲内で用いる場合、70〜80℃が適当である)下に反応が行われる。反応終了後は、減圧濃縮、分液操作など一般的な方法により処理し、カラムクロマトグラフィーおよび再結晶法等の公知の方法によって精製する。
以下、スキーム1にしたがって、本発明化合物(R6=水素原子)の調製の具体例について説明する。ただし、本発明化合物およびその調製法は以下の態様には限定されない。
<スキーム1:A1〜A23およびB1〜B23の製造スキーム>
Figure 2013216598
スキーム1中、R1、R2は上記の通りであり、Msはメシル(メタンスルホニル)基を表す。
まず、(+)−プロト−クエルシトールの1位、2位、3位および4位のヒドロキシル基の保護化であるが、これについては、上記の方法において、反応試剤として2,2−ジメトキシプロパンを用いることにより、(+)−プロト−クエルシトールから1,2:3,4−Di−O−イソプロピリデン−(+)−プロト−クエルシトール(下記スキーム1の化合物6)を得ることが出来る。
続いて、1,2:3,4−Di−O−イソプロピリデン−(+)−プロト−クエルシトール(化合物6)中にある無保護の5位ヒドロキシル基を適当な脱離基に変換して化合物7とし、さらに適当な塩基を用いて化合物7中の脱離基を脱離させ、環内に二重結合を持つ化合物8を得ることが出来る。続いて適当な強さをもつ酸触媒により、化合物8のトランス配置にある1位と2位の保護基を選択的に加溶媒分解し化合物9(シクロヘキセン誘導体)を得、その後、化合物9中のトランス−ジオールを適当な試薬によってエポキシ化し、化合物10が得られる。化合物10に望みのアミノ基を付加させることによって、上記一般式(1)で表される本発明化合物のうち、R6が水素原子であるもの(例えばスキーム1中の化合物1´)を得ることが出来る。また、得られた本発明化合物に、上記した適当な酸を作用させれば、酸付加塩2’を得ることが出来る。同時に3位と4位も脱保護させることができる。
これらヒドロキシル基の脱離基への変換、塩基による脱離、トランス−ジオールの脱保護、エポキシ化、アミノ化、およびアミノ基への酸付加は当業者であれば容易に行うことが出来る。
以下、5位のヒドロキシル基の脱離基への変換以降の工程について、より具体的に説明する。
化合物6中にある5位ヒドロキシル基の脱離基への変換は、有機合成化学において一般に用いられる試薬を用いて行うことが出来る。例えば、塩化メシル、塩化トシル等の酸塩化物または無水トリフルオロメタンスルホン酸等の酸無水物を1〜10当量、好ましくは2〜5当量用い、また、ピリジン、トリエチルアミン等の適当な塩基を、用いる酸塩化物または酸無水物よりも過剰な範囲で、2〜20当量、好ましくは3〜15当量を作用させることによって行う。反応溶媒としては、前述のピリジンを溶媒として用いることも可能であり、この場合、5〜40重量部、好ましくは10〜30重量部用いる。その他にもジクロロメタン、クロロホルム等も溶媒として使用することが出来る。反応温度としては、低温(−78℃〜5℃)から常温(5〜35℃)また加熱下(60〜120℃)に反応が行われる。反応終了後は、減圧濃縮、分液操作等、一般的な方法により処理し、カラムクロマトグラフィーおよび再結晶法等の公知の方法によって精製する。これに限定はされないが、酸塩化物として塩化メシルを用いた場合、スキーム1に示した化合物7を得ることが出来る。
得られた化合物7は、適当な嵩高い塩基、例えばジアザビシクロウンデセン、ジアザビシクロノネン等、を2〜20当量、好ましくは5〜10当量作用させることにより脱離基部分をE2脱離させ、化合物8を得ることが出来る。通常、本発明中におけるこの脱離反応は置換基を有していないメチレン側からのみ生じ、目的の化合物8を容易に得ることが出来る。反応溶媒としてはベンゼン、トルエン等の反応を妨害せず、かつ後述の理由によりある程度沸点が高い溶媒が好ましく、これを10〜50重量部、好ましくは15〜35重量部用いる。反応温度としては、通常、常温(5〜35℃)から加熱(60〜120℃)下に反応が行われるが、迅速に反応を進めるためには加熱下に反応を行うことが好ましい。反応終了後は、減圧濃縮、分液操作等、一般的な方法により処理し、カラムクロマトグラフィーおよび再結晶法等の公知の方法によって精製した後、化合物8を得ることが出
来る。
化合物8のような1,2−ジオールおよび3,4−ジオールが、特にそれぞれ同一のアセタール基によって保護されている場合、適当な酸を用いることにより、トランス配置にある1,2−ジオールのみを選択的に脱保護化出来ることが知られている。このような目的のために用いられる酸触媒としては、例えばピリジニウム−パラ−トルエンスルホナート等の弱酸を0.05当量〜0.5当量、より好ましくは0.1〜0.25当量用いる。溶媒は、容易に加溶媒分解を生じさせるためにメタノール、エタノール等のプロトン性極性溶媒が好ましく、これらを20〜80重量部、好ましくは40〜60重量部用いる。反応温度としては、通常、低温下(−5℃〜5℃)または常温(5〜35℃)で反応が行われる。反応終了後は、減圧濃縮、分液操作等、一般的な方法により処理し、カラムクロマトグラフィーおよび再結晶法等の公知の方法によって精製し、化合物9が得られる。
化合物9中の無保護のジオールは、適当な溶媒中、マーティン−スルフランと呼称される有機合成試薬を作用させることにより、エポキシドに変換出来ることが公知である(Journal of the American Chemical Society、1974年、96巻、p.4604−4611)。このとき生成するエポキシドは、その反応機構から、立体的に混みあっているほうのヒドロキシル基の配座側にエポキシドが選択的に生成されることが期待でき、化合物10がほぼ単一物質として得られる。用いるマーティン−スルフランの容量は1当量〜2当量、好ましくは1.1〜1.5当量である。また、溶媒としてはジクロロメタン、クロロホルム等、反応の進行を妨げない溶媒が用いられ、その容量は25〜150重量部、好ましくは50〜100重量部である。反応温度としては、通常、低温下(−5℃〜5℃)または常温(5〜35℃)で反応が行われるが、これに限定はされない。反応終了後は、減圧濃縮、分液操作等、一般的な方法により処理し、カラムクロマトグラフィーおよび再結晶法等の公知の方法によって精製することにより、化合物10が得られる。
上記の方法に順ずるか、または一般に光延反応として知られる有機合成反応条件下に置くことによっても、ジオールからエポキシドが得られることも知られている(Journal of Organic Chemistry、1981年、46巻、p.2381−2383)ので、これを利用して化合物9から化合物10に変換することが出来る。この際に用いる試薬の容量は、アゾジカルボン酸ジエチルやアゾジカルボン酸ジイソプロピル等のいわゆる光延試薬を1.5〜8当量、好ましくは2〜4当量用い、トリフェニルホスフィン等のリン化合物を2〜8当量、好ましくは2〜4当量用いる。また、溶媒としてはテトラヒドロフラン等、反応の進行を妨げない溶媒が用いられ、その容量は10〜50重量部、好ましくは20〜30重量部である。反応温度としては、通常、常温(5〜35℃)で行われるが、これに限定はされない。反応終了後は、減圧濃縮、分液操作等、一般的な方法により処理し、カラムクロマトグラフィーおよび再結晶法等の公知の方法によって精製することにより、化合物10が得られる。
本発明中の化合物10は、上記のいずれの方法においても得ることが可能である。前者のマーティン−スルフランを用いる方法のほうが反応は短時間で終了するが、試薬が比較的高価であるためコストが高くなる。後者の光延反応を用いる方法では、反応時間が長くなる傾向があるが、試薬のコストは比較的低く抑えることが出来る。実施者の都合によって両者を使い分けることが可能である。
得られた化合物10を、例えば好ましくはアセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド等の非プロトン性極性溶媒中において望みのアミンと作用させると、化合物10中のエポキシドの開環を伴ってアミノ付加体を得ることが出来る。このアミノ化反応は化合物10中にある、より反応性が高く、立体的に混みあっていないアリル位側から選択的に生
じるので、目的物質である一般式(1)で表される本発明化合物のうちR6が水素原子であるものを容易に得ることが出来る。通常は化合物10に対してアミンを過剰に用い、2〜8当量、より好ましくは2.5〜5当量用いる。用いる溶媒としては、前述のように非プロトン性極性溶媒が好ましいが、精製の際に溶媒を減圧留去することを考慮すると、低沸点のアセトニトリルを用いることが特に好ましく、容量としては30〜100重量部、さらに好ましくは50〜70重量部用いる。反応温度としては、通常、常温(5〜35℃)または加温下(50℃〜85℃)で行われるが、適度に反応を加速させつつ、副反応を抑制するために50℃〜70℃の範囲で行うことが好ましい。反応終了後は、減圧濃縮、分液操作等、一般的な方法により処理し、カラムクロマトグラフィーおよび再結晶法等の公知の方法によって精製することにより、一般式(1)で表される本発明化合物のうち、R6が水素原子であるもの(例えばスキーム1中の化合物1´)を得ることが出来る。
また、得られた一般式(1)で表される本発明化合物(R6が水素原子であるもの)に、上記で例示した酸性物質を作用させることにより、酸付加塩を容易に得ることが出来る。この場合、適当な酸性物質を選択することにより、該当化合物中にある3位と4位の脱保護およびアミノ基への酸付加を同時に行うことが可能であり、上記一般式(2)で表される本発明化合物のうち、R6が水素原子であるものが得られる。このような3位と4位の脱保護およびアミノ基への酸付加は当業者であれば容易に行うことが可能である。
ヒドロキシル基の保護基のうち、上記に記載の方法のように保護基として特にアセタール基を用いる場合は、適当な酸の存在下に置くことにより、脱保護およびアミノ基への酸付加を一工程で行うことが出来、大変便利である。酸としては、上記の項で述べたような酸を用いることが出来るが、適度な酸性度を持ち、また精製が容易であることから、特に好ましいものとして塩酸が例示される。また、用いる酸の容量として、例えば適当な濃度の塩酸水溶液、好ましくは1〜5規定の塩酸水溶液を30〜100重量部、さらに好ましくは50〜70重量部用いる条件が例示される。また、化合物の溶解度から共溶媒を用いることが好ましく、このような共溶媒としては例えばテトラヒドロフランが挙げられ、これを用いる酸性溶液とおよそ等量用いることが好ましい。反応温度としては、通常、常温(5〜35℃)で行われるがこれに限定はされない。反応終了後は、減圧濃縮、分液操作等、一般的な方法により処理し、必要であればカラムクロマトグラフィーおよび再結晶法等の公知の方法によって精製することにより、一般式(2)で表される本発明化合物のうち、R6が水素原子であるもの(スキーム1中、化合物2´)が得られる。
<本発明化合物の調製 R6がメチル基である場合>
上記一般式(1)で示される本発明化合物のうち、R6がメチル基であるものの調製は、(+)−プロト−クエルシトールを下記構造式(3)で表される物質に変換した後、1級ブロモ基の還元、二級ブロモ基のアキシアル体の分離、続いて該アキシアル体の2級ブロモ基にアミンを求核付加させることができる。上記一般式(2)で表される本発明化合物のうち、R6がメチル基であるものも同様の工程により得ることができる。
より具体的には、一般式(1)で表されるコンデュラミンF−4誘導体のうち、R6がメチル基であるものの調製は例えばスキーム2に示したように、天然物である(+)−プロト−クエルシトールから数工程を経て製造される既知物質である、上記構造式(3)で表される化合物(スキーム2中、化合物3。Bioorganic Medicinal
Chemistry Letters、2011年、21巻、p.7189−7192参照)を用いて行うことが出来る。(このように、光学活性な天然物を出発物質としているのであれば、合成工程中に光学分割などの操作を必要とせず、光学活性な本発明物質を容易に得ることが可能となる。)
<スキーム2:A24およびB24の製造スキーム>
Figure 2013216598
スキーム2中、Bzはベンゾイル基を表す。
(+)−プロト−クエルシトールから上記構造式(3)で表される化合物(スキーム2中、化合物3)の製造は、例えば、文献(Bioorganic Medicinal Chemistry Letters、2011年、21巻、p.7189−7192)に記載の方法によることが出来る。
スキーム2に示したように、化合物3中にある1級ブロモ基をヒドリド還元し、続いて2級ブロモ基にアミンを求核付加させることにより、本発明化合物である一般式(1)で
表されるコンデュラミンF−4誘導体のうち、R6がメチル基であるもの(例えばスキーム2中の化合物1´´)が製造出来る。また、得られた本発明化合物に上記の項で示したような適当な酸を作用させることで、酸付加塩を得ることも可能である。
上記した1級ブロモ基のヒドリド還元、2級ブロモ基へのアミンの求核付加およびアミノ基への酸付加は、当業者であれば容易に行うことが出来る。以下、より具体的に各工程の内容を示す。
上記構造式(3)で表される化合物(スキーム2にある化合物のうち、化合物3)中に存在する2つのブロモ基のうち、適当な還元剤を用いることにより、1級ブロモ基のみを選択的にヒドリド還元することが出来る。このような還元は、例えば水素化ホウ素ナトリウムを作用させることにより可能であるが、1級および2級ブロモ基が存在するなかで1級ブロモ基のみを選択的に還元するためには、還元剤の当量および反応時間を調製することが好ましい。
例えば化合物3中に存在する一級ブロモ基を還元するには、水素化ホウ素ナトリウムを1〜3当量、より好ましくは1.5〜2.5当量用いる。溶媒としては、試薬の溶解度および反応性を考慮すると非プロトン性極性溶媒が好ましく、ジメチルホルムアミド、ヘキサメチルリン酸トリアミド等が用いられる。さらに試薬の溶解度を考慮すると、これらに水を添加した混合溶媒が好ましい。例えばヘキサメチルリン酸トリアミドと水の混合溶媒を使用するのであれば、その割合はヘキサメチルリン酸トリアミド/水が2/1〜6/1、より好ましくは3/1〜5/1の割合に調節する。反応時間は特に限定されないが、過剰に還元された副生成物の混入を出来るだけ減少させるためには、一級ブロモ基のみが還元された目的物が主成分になった時点で反応を終了させたほうが良い。反応温度としては、通常、常温(5〜35℃)で行われるが、特に限定はされない。反応終了後は、減圧濃縮、分液操作等、一般的な方法により処理し、カラムクロマトグラフィーおよび再結晶法等の公知の方法によって精製することにより、化合物11を得ることが出来る。反応物である化合物3がジアステレオマーであるため、生成物もジアステレオマーの混合物(スキーム2中、化合物11(二級ブロモ基のアキシアル体)および化合物12(二級ブロモ基のエカトリアル体))となるが、カラムクロマトグラフィーおよび再結晶法等の方法により精製することで容易に化合物11を単離することが可能である。
得られた化合物11の2位の保護基(ここではベンゾイル基)は、この段階でヒドロキシル基に変換してもよいし、さらに数工程の後、変換してもよい。しかし、化合物11のようにヒドロキシル基の保護基として特にアシル基が含まれる場合は、これより後のアミノ化反応の際にアミンと反応してアミドを生ずる副反応を起こすことがあるので、アミノ化反応の前にヒドロキシル基に変換しておく(すなわち脱保護する)ことが好ましい。アシル基で保護されたヒドロキシル基の脱保護化反応は一般に知られている公知の方法で行うことが出来、例えばメタノール等のアルコール性溶媒中で触媒量のアルコキシドを用いる反応が本発明中でも適応できる。例示される反応条件としては10〜50重量部、より好ましくは20〜30重量部のメタノール中、ナトリウムメトキシドを0.1〜0.3当量、好ましくは0.15〜0.25当量用いる。反応温度としては、低温下(−5℃〜5℃)または常温(5〜35℃)で反応が行われるが、これに限定はされない。反応終了後は、減圧濃縮、分液操作等、一般的な方法により処理し、カラムクロマトグラフィーおよび再結晶法等の公知の方法によって精製することにより、化合物13が得られる。
化合物13に対し、これまで本発明中に述べたアミノ化反応と同様の条件下でアミノ化を行うことが出来る。例えば溶媒はアセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド等の非プロトン性極性溶媒、より好ましくはアセトニトリルを15〜50重量部、特に好ましくは35〜45重量部用い、化合物8に対してアミンを過剰にし、2〜8当量、もしくは
2.5〜5当量用いることが特に好ましい。反応温度としては、通常、常温(5〜35℃)または加温下(50℃〜85℃)で行われるが、適度に反応を加速させつつ、副反応を抑制するために50℃〜70℃の範囲で行うことが好ましい。反応終了後は、減圧濃縮、分液操作等、一般的な方法により処理し、カラムクロマトグラフィーおよび再結晶法等の公知の方法によって精製することにより、一般式(1)で表される本発明化合物のうち、R6がメチル基であるもの(例えばスキーム2中の化合物1´´)を得ることが出来る。
また、得られた一般式(1)で表される本発明化合物(R6がメチル基であるもの)に、上記の項で例示した酸性物質を作用させることにより、対応する酸付加塩を得ることが出来る。この場合、適当な酸性物質を選択することにより、該化合物中にある保護されたヒドロキシル基の脱保護およびアミノ基への酸付加を同時に行うことが可能であり、上記一般式(2)で表される本発明化合物のうち、R6がメチル基であるものが得られる。このような保護されたヒドロキシル基の脱保護およびアミノ基への酸付加は当業者であれば容易に行うことが可能である。
以下、具体的に各工程を示す。
上記に記載の方法によって得られた一般式(1)で表される本発明化合物(R6がメチル基であるもの)中に存在する3位および4位のヒドロキシル基の保護基は、上記の項で述べたように容易にヒドロキシル基に変換することが出来る。3位および4位のヒドロキシル基の保護基のうち、上記に記載の方法のように特にアセタール基を用いる場合は、適当な酸の存在下に置くことにより、脱保護およびアミノ基への酸付加を一工程で行うことが出来る。酸としては、上記の項で述べた酸を用いることが出来、特に好ましいものとして塩酸が例示される。また、用いる酸の容量として、例えば適当な濃度の塩酸水溶液、好ましくは1〜5規定の塩酸水溶液を30〜100重量部、さらに好ましくは50〜70重量部用いる条件が例示される。また、化合物の溶解度から共溶媒を用いることが好ましく、このような共溶媒としては例えばテトラヒドロフランが挙げられ、これを用いる酸性溶液とおよそ等量用いることが好ましい。反応温度としては、通常、常温(5〜35℃)で行われるがこれに限定はされない。反応終了後は、減圧濃縮、分液操作等、一般的な方法により処理し、必要であればカラムクロマトグラフィーおよび再結晶法等の公知の方法によって精製することにより、一般式(2)で表される本発明化合物のうち、R6がメチル基であるもの(例えばスキーム2中の化合物2´´)が得られる。
本発明に係る一般式(2)で表される化合物の具体例を表1に記載する。ただし、本発明はこれらの具体例に限定されるものではない。なお、表1中の化合物番号は、以下の表2および実施例でも参照される。
Figure 2013216598
Figure 2013216598
本発明化合物である上記一般式(1)で表されるコンデュラミンF−4誘導体およびその酸付加塩、また一般式(2)で表されるコンデュラミンF−4誘導体およびその酸付加塩の何れであっても、これを有効成分とするグリコシダーゼ阻害剤に用いることが出来る。有効成分としての本発明化合物は単体でもよいし、複数が含まれていてもよい。
本発明化合物が有するグリコシダーゼに対する阻害活性は、グリコシダーゼと基質が存在する溶液中に、披検物質である本発明化合物を添加し、酵素活性を本発明化合物無添加の場合と比較することで、その阻害活性を算出することが可能である。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の範囲はこれに限定されるものではない。
下記実施例における1H−NMR構造解析には日本電子社製、JNM−ECS400装置を使用した。化学シフト値は用いた重溶媒の残存シグナル(CDCl3:7.24ppm,CD3OD;3.30ppm)を内部標準として記録した。また、反応生成物の精製に用いるシリカゲルカラムクロマトグラフィーには、和光純薬社製Wako−gelC−300を使用した。
<実施例1>
化合物(1)(R6=H)の合成
<実施例1−1> (3aS,4R,5aR,8aS,8bS)-2,2,7,7-tetramethylhexahydro[1,3]dioxolo[4,5-e][1,3]benzodioxol-4-ol(化合物6)の合成
Figure 2013216598
10.0g(60.9mmol)の(+)−プロト−クエルシトールをN、N−ジメチルホルムアミド(30mL)およびアセトン(40mL)の混合溶媒に溶解させ、これに2、2−ジメトキシプロパン(60mL、488mmol)と濃塩酸(508μL、6.10mmol)を加えた。80℃で2時間攪拌した後、室温まで冷却し、トリエチルアミンを用いて中和した。溶液を減圧濃縮し、残渣に50mLの水を加え、150mLのジエチルエーテルで3回抽出した。有機相を濃縮し、これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=4/1→3/1)によって精製し、9.70gの化合物6を得た(65%)。
12205 MW:244.3(計算値)、1H−NMR(400MHz/CD3OD)δ(ppm):1.34(s,3H),1.38(s,2×3H),1.46(s,3H),1.86(ddd,J=4.9,12.2,12.2Hz,1H),2.07(ddd,J=4.1,4.1,12.9Hz,1H),3.50(dd,J=8.2,10.2Hz,1H),3.74(ddd,J=4.7,9.9,11.5Hz,1H),4.19−4.27(3H)
<実施例1−2>
(3aR,4R,5aR,8aS,8bR)-2,2,7,7-tetramethylhexahydro[1,3]dioxolo[4,5-e][1,3]benzodioxol-4-yl methanesulfonate(化合物7)の合成
Figure 2013216598
(+)−プロト−クエルシトールから調製した化合物6を4.10g(16.8mmol
)取り、これを80mLのピリジンに溶解し、氷浴中で冷却しながら塩化メシル(3.90mL,50.3mmol)を加えた。室温に戻しながら15時間攪拌した後、メタノール20mLを加えて反応を停止させた。トルエンで共沸させながら溶媒を減圧留去し、残渣に25mLの水を加えた。75mLの酢酸エチルで3回抽出した後、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥、減圧濃縮した。エタノールから結晶化させ、4.58gの化合物7を得た(85%)。
13227S MW:322.3(計算値)、1H−NMR(400MHz/CDCl3)δ(ppm):1.35(s,3H),1.41(s,2×3H),1.51(s,3H),2.20−2.24(ddd,J=7.0,10.8,13.8Hz,1H),2.32(ddd,J=5.3,6.2,13.7Hz,1H),3.07(s,3H),3.59−3.62(m,1H),3.70(ddd,J=6.3,10.3,10.3Hz,1H),4.33−4.37(2H),5.03−5.05(m,1H)
<実施例1−3>(3aR,5aS,8aS,8bS)-2,2,7,7-tetramethyl-3a,5a,8a,8b-tetrahydro[1,3]dioxolo[4,5-e][1,3]benzodioxole(化合物8)の合成
Figure 2013216598
化合物7を2.55g(7.91mmol)取り、70mLのトルエンおよび7.08mLのジアザビシクロウンデセン(47.3mmol)を加えた。7時間加熱還流した後、16時間室温で攪拌した。ジアザビシクロウンデセンをさらに3.50mL(23.5mmol)加え、5時間加熱還流した。室温まで冷却した後、水および飽和食塩水で洗浄した。さらに水相をトルエンで抽出し、前述の有機相に合わせ、無水硫酸ナトリウムによって乾燥後、減圧濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=95/5)によって精製し、975mgの化合物8を得た(55%)。
12184 MW:226.2(計算値)、1H−NMR(400MHz/CDCl3)δ(ppm):1.35(s,3H),1.42(s,3H),1.44(s,3H),1.49(s,3H),3.52(dd,J=9.2,9.2Hz),4.03(dd,J=1.4,8.7Hz,1H),4.36(dd,J=8.0,8.9Hz,1H),4.79(dd,J=1.8,7.8Hz,1H),5.79(ddd,J=2.6,2.6,9.8Hz,1H),6.16(d,J=10.1,1H)
<実施例1−4>(3aR,4S,5R,7aS)-2,2-dimethyl-3a,4,5,7a-tetrahydro-1,3-benzodioxole-4,5-diol(化合物9)の合成
Figure 2013216598
化合物8を1.32g(5.82mmol)取り50mLのメタノールに溶解し、氷浴中で冷却しながらピリジニウム−パラ−トルエンスルホナート(146mg,0.581mmol)を加えた。4度で22時間放置した後、トリエチルアミンで中和し、溶液を減圧濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=1/2)によって精
製し、895mgの化合物9を得た(83%)。
9144 MW:186.1(計算値)、1H−NMR(400MHz/CD3OD)δ(ppm):1.35(s,3H),1.46(s,3H),3.39(dd,J=8.9,8.9Hz,1H),3.92−3.95(m,1H),4.02(dd,J=6.4,9.2Hz,1H),4.63−4.66(m,1H),5.79−5.80(2H,H−5,H−5a)
<実施例1−5>(3aS,5aS,6aS,6bS)-2,2-dimethyl-3a,5a,6a,6b-tetrahydrooxireno[e][1,3]benzodioxole(化合物10)の合成
Figure 2013216598
マーティンスルフランを用いる方法:化合物9を669mg(3.59mmol)取り、これを36mLのジクロロメタンに溶解させた。この溶液を攪拌しながら、2.90gのマーティンスルフラン(4.31mmol)を18mLのジクロロメタンに溶解させた溶液を加えた。室温で30分間攪拌した後、反応溶液を20%水酸化カリウム水溶液で洗浄した。有機相を取り、洗浄後の水酸化カリウム水溶液をさらに50mLのクロロホルムで抽出した有機相と合わせた。無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=9/1)によって精製し、418mgの化合物10を得た(69%)。
9123 MW:168.1(計算値)、1H−NMR(400MHz/CDCl3)δ(ppm):1.38(each s,2×3H),3.32(dd,J=3.7,3.7Hz,1H),3.52(dd,J=1.8,3.7Hz,1H),4.43(ddd,J=2.0,2.0,7.0Hz,1H),4.75(dd,J=1.3,10.2Hz,1H),5.77−5.79(m,1H)6.03(ddd,J=1.5,4.1,10.3Hz,1H)
光延試薬を用いる方法:化合物9を895mg(4.81mmol)取り、これを24mLのTHFに溶解し、氷浴中で冷却しながら光延反応試薬アゾジカルボン酸ジイソプロピル(1.89mL,9.62mmol)およびトリフェニルホスフィン(2.52g,9.62mmol)を加えた。室温に戻しながら24時間攪拌した後、再び氷浴中で冷却しながらアゾジカルボン酸ジイソプロピル(0.95mL,4.81mmol)を加えた。溶液を100mLの酢酸エチルで希釈し、水、飽和食塩水で洗浄した。有機相を減圧濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=9/1)によって精製し、477mgの化合物10を得た(59%)。
<実施例1−6>
化合物1´(A1〜A23)の合成
Figure 2013216598
化合物10に所望のアミンを求核付加させると、化合物1´(A1〜A23)が製造できる。以下に具体例を示す。
・化合物A1の合成
Figure 2013216598
化合物10(211mg,1.26mmol)、n−オクチルアミン(624μL,3.77mmol)、アセトニトリル12mLをガラス製のアンプルに入れ、封管した。60℃に加温しながら2日間静置した後、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=99/1→98/2)によって精製し、目的物が含まれる画分を減圧濃縮した。得られた化合物A1はそのまま化合物B1の合成に用い、その後生成物の構造を確認した。
・化合物A2の合成
Figure 2013216598
化合物10(30mg,0.18mmol)、n−デシルアミン(107μL,0.54mmol)、アセトニトリル1.8mLをガラス製のアンプルに入れ、封管した。60℃に加温しながら2日間静置した後、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=99/1→96/4)によって精製し、目的物が含まれる画分を減圧濃縮した。得られた化合物A2はそのまま化合物B2の合成に用い、その後生成物の構造を確認した。
・化合物A3の合成
Figure 2013216598
化合物10(30mg,0.18mmol)、n−ヘキシルアミン(71μL,0.54mmol)、アセトニトリル1.8mLをガラス製のアンプルに入れ、封管した。60℃に加温しながら2日間静置した後、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=99/1→96/4)によって精製し、目的物が含まれる画分を減圧濃縮した。得られた化合物A3はそのまま化合物B3の合成に用い、その後生成物の構造を確認した。
・化合物A4の合成
Figure 2013216598
化合物10(30mg,0.18mmol)、n−ブチルアミン(53μL,0.54mmol)、アセトニトリル1.8mLをガラス製のアンプルに入れ、封管した。60℃に加温しながら2日間静置した後、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=97/3)によって精製し、目的物が含まれる画分を減圧濃縮した。得られた化合物A4はそのまま化合物B4の合成に用い、その後生成物の構造を確認した。
・化合物A5の合成
Figure 2013216598
化合物10(30mg,0.18mmol)、n−ペンチルアミン(62μL,0.54mmol)、アセトニトリル1.8mLをガラス製のアンプルに入れ、封管した。60℃に加温しながら3日間静置した後、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=99/1→97/3)によって精製し、目的物が含まれる画分を減圧濃縮した。得られた化合物A5はそのまま化合物B5の合成に用い、その後生成物の構造を確認した。
・化合物A6の合成
Figure 2013216598
化合物10(30mg,0.18mmol)、3−アミノ−1−プロパノール(41μL,0.54mmol)、アセトニトリル1.8mLをガラス製のアンプルに入れ、封管した。60℃に加温しながら2日間静置した後、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=95/5→98/2)によって精製し、
目的物が含まれる画分を減圧濃縮した。得られた化合物A6はそのまま化合物B6の合成に用い、その後生成物の構造を確認した。
・化合物A7の合成
Figure 2013216598
化合物10(30mg,0.18mmol)を1.8mLのアセトニトリルに溶解させ、これにイソブチルアミン(53μL,0.54mmol)を加えた。65℃に加温しながら2日間攪拌した後、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=99/1→95/5)によって精製し、目的物が含まれる画分を減圧濃縮した。得られた化合物A7はそのまま化合物B7の合成に用い、その後生成物の構造を確認した。
・化合物A8の合成
Figure 2013216598
化合物10(30mg,0.18mmol)、イソアミルアミン(62μL,0.54mmol)、アセトニトリル1.8mLをガラス製のアンプルに入れ、封管した。60℃に加温しながら3日間静置した後、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=97/3)によって精製し、目的物が含まれる画分を減圧濃縮した。得られた化合物A3はそのまま化合物B3の合成に用い、その後生成物の構造を確認した。
・化合物A9の合成
Figure 2013216598
化合物10(40mg,0.24mmol)、3−アミノペンタン(84μL,0.72mmol)、アセトニトリル2.4mLをガラス製のアンプルに入れ、封管した。60℃に加温しながら3日間静置した後、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=99/1→97/3)によって精製し、目的物が含まれる画分を減圧濃縮した。得られた化合物A9はそのまま化合物B9の合成に用い、その後生成物の構造を確認した。
・化合物A10の合成
Figure 2013216598
化合物10(30mg,0.18mmol)、2−エチルブチルアミン(70μL,0.54mmol)、アセトニトリル1.8mLをガラス製のアンプルに入れ、封管した。60℃に加温しながら3日間静置した後、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=99/1→97/3)によって精製し、目的物が含まれる画分を減圧濃縮した。得られた化合物A10はそのまま化合物B10の合成に用い、その後生成物の構造を確認した。
・化合物A11の合成
Figure 2013216598
化合物10(30mg,0.18mmol)、シクロプロピルアミン(37μL,0.54mmol)、アセトニトリル1.8mLをガラス製のアンプルに入れ、封管した。60℃に加温しながら2日間静置したところで管を開け、シクロプロピルアミン(100μL,1.44mmol)を追加し、封管、60℃に加温しながらさらに2日間静置した後、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=99/1→97/3)によって精製し、目的物が含まれる画分を減圧濃縮した。得られた化合物A11はそのまま化合物B11の合成に用い、その後生成物の構造を確認した。
・化合物A12の合成
Figure 2013216598
化合物10(30mg,0.18mmol)、シクロプロピルメチルアミン(46μL,0.54mmol)、アセトニトリル1.8mLをガラス製のアンプルに入れ、封管した。60℃に加温しながら2日間静置した後、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=97/3)によって精製し、目的物が含まれる画分を減圧濃縮した。得られた化合物A12はそのまま化合物B12の合成に用い、その後生成物の構造を確認した。
・化合物A13の合成
Figure 2013216598

化合物10(30mg,0.18mmol)、シクロペンチルアミン(53μL,0.54mmol)、アセトニトリル1.8mLをガラス製のアンプルに入れ、封管した。60℃に加温しながら2日間静置した後、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=97/3)によって精製し、目的物が含まれる画分を減圧濃縮した。得られた化合物A13はそのまま化合物B13の合成に用い、その後生成物の構造を確認した。
・化合物A14の合成
Figure 2013216598

化合物10(30mg,0.18mmol)、ピペリジン(53μL,0.54mmol)、アセトニトリル1.8mLをガラス製のアンプルに入れ、封管した。60℃に加温しながら1日間静置した後、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=99/1→96/4)によって精製し、目的物が含まれる画分を減圧濃縮した。得られた化合物A14はそのまま化合物B14の合成に用い、その後生成物の構造を確認した。
・化合物A15の合成
Figure 2013216598

化合物10(27mg,0.16mmol)、シクロヘキシルアミン(65μL,0.54mmol)、アセトニトリル1.8mLをガラス製のアンプルに入れ、封管した。60℃に加温しながら2日間静置した後、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=97/3)によって精製し、目的物が含まれる画分を減圧濃縮した。得られた化合物A15はそのまま化合物B15の合成に用い、その後生成物の構造を確認した。
・化合物A16の合成
Figure 2013216598

化合物10(30mg,0.18mmol)、アミノメチルシクロヘキサン(70μL,0.54mmol)、アセトニトリル1.8mLをガラス製のアンプルに入れ、封管した。60℃に加温しながら2日間静置した後、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=99/1→96/4)によって精製し、目的物が含まれる画分を減圧濃縮した。得られた化合物A22はそのまま化合物B22の合成に用い、その後生成物の構造を確認した。
・化合物A17の合成
Figure 2013216598

化合物10(30mg,0.18mmol)、cis or trans−4−メチルシクロヘキシルアミン(71μL,0.54mmol)、アセトニトリル1.8mLをガラス製のアンプルに入れ、封管した。60℃に加温しながら3日間静置した後、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=99/1→97/3)によって精製し、目的物が含まれる画分を減圧濃縮した。得られた化合物A3はそのまま化合物B3の合成に用い、その後生成物の構造を確認した。
・化合物A18の合成
Figure 2013216598

化合物10(30mg,0.18mmol)、シクロオクチルアミン(75μL,0.54mmol)、アセトニトリル1.8mLをガラス製のアンプルに入れ、封管した。60℃に加温しながら3日間静置した後、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=99/1→97/3)によって精製し、目的物が含まれる画分を減圧濃縮した。得られた化合物A18はそのまま化合物B18の合成に用い、その後生成物の構造を確認した。
・化合物A19の合成
Figure 2013216598

化合物10(30mg,0.18mmol)を1.8mLのアセトニトリルに溶解させ、これにベンジルアミン(59μL,0.54mmol)を加えた。65℃に加温しながら2日間攪拌した後、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=99/1→9/1)によって精製し、目的物が含まれる画分を減圧濃縮した。得られた化合物A19はそのまま化合物B19の合成に用い、その後生成物の構造を確認した。
・化合物A20の合成
Figure 2013216598

化合物10(30mg,0.18mmol)を1.8mLのアセトニトリルに溶解させ、これにフェネチルアミン(68μL,0.54mmol)を加えた。65℃に加温しながら2日間攪拌した後、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=99/1→9/1)によって精製し、目的物が含まれる画分を減圧濃縮した。得られた化合物A20はそのまま化合物B20の合成に用い、その後生成物の構造を確認した。
・化合物A21の合成
Figure 2013216598

化合物10(37mg,0.22mmol)、4−ピコリルアミン(64μL,0.66mmol)、アセトニトリル2.2mLをガラス製のアンプルに入れ、封管した。60℃に加温しながら2日間静置した後、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=99/1→96/4)によって精製し、目的物が含まれる画分を減圧濃縮した。得られた化合物A21はそのまま化合物B21の合成に用い、その後生成物の構造を確認した。
・化合物A22の合成
Figure 2013216598

化合物10(30mg,0.18mmol)、2−(2−アミノエチル)ピリジン(64μL,0.54mmol)、アセトニトリル1.8mLをガラス製のアンプルに入れ、封管した。60℃に加温しながら2日間静置した後、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=99/1→96/4)によって精製し、目的物が含まれる画分を減圧濃縮した。得られた化合物A22はそのまま化合物B22の合成に用い、その後生成物の構造を確認した。
・化合物A23の合成
Figure 2013216598

化合物10(30mg,0.18mmol)、5−メチルフルフリルアミン(58μL,0.54mmol)、アセトニトリル1.8mLをガラス製のアンプルに入れ、封管した。60℃に加温しながら3日間静置した後、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=99/1)によって精製し、目的物が含まれる画分を減圧濃縮した。得られた化合物A23はそのまま化合物B23の合成に用い、その後生成物の構造を確認した。
<実施例2>
化合物(1)(R6=メチル)の合成
<実施例2−1>(3aS,4R,5S,7aS)-5-bromo-2,2,7-trimethyl-3a,4,5,7a-tetrahydro-1,3-benzodioxol-4-yl benzoate(化合物11)の合成
Figure 2013216598

Bioorganic Medicinal Chemistry Letters、2011年、21巻、p.7189−7192に記載の方法によって製造した化合物3(375mg,0.841mg)をヘキサメチルリン酸トリアミド(4mL)/水(1mL)混合溶媒に溶解した。この溶液に水素化ホウ素ナトリウム(70mg,1.85mmol)を室温で加え、さらにヘキサメチルリン酸トリアミド(2.4mL)/水(0.6mL)混合溶媒を加えた。そのまま室温で3時間攪拌した後、20 mLの水を加え、60mLのジエチルエーテルで3回抽出した。合わせた有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=97/3→95/5)によって精製し、目的物である化合物11を211mg(68%)、また目的物のジアステレオマーである化合物12を71mg(23%)得た。
化合物11:C1719BrO4 MW:367.1(計算値)、1H−NMR(400MHz/CDCl3)δ(ppm):1.37(s,3H),1.55(s,3H),1.93(s,3H),4.27(dd,J=6.0,8.2Hz,1H),4.46(d,J=5.5Hz,1H),4.62−4.63(m,1H),5.61(dd,J=8.0,8.0Hz),5.79(br s,1H),7.40−7.46(m,2H),7.54−7.56(m,1H),8.04−8.05(m,2H)
化合物12:C1719BrO4 MW:367.1(計算値)、1H−NMR(400MHz/CDCl3)δ(ppm): 1.39(s,3H),1.47(s,3H),1.94(s,3H),4.62(d,J=6.9,1H),4.69(dd,J=6.6,8.9,1H),4.86(dd,J=4.4,5.7Hz,1H),5.03(dd,J=4.1,8.7Hz,1H),5.85(dd,J=1.1,6.2Hz,1H),7.43−7.45(m,2H),7.54−7.56(m,1H),8.11−8.12(m,2H)
<実施例2−2>(3aR,4R,5S,7aS)-5-bromo-2,2,7-trimethyl-3a,4,5,7a-tetrahydro-1,3-benzodioxol-4-ol(化合物13)の合成
Figure 2013216598

化合物11(55mg,0.15mmol)を1.4mLのメタノールに溶解し、氷浴中で冷却した。この溶液に0.5モルナトリウムメトキシド/メタノール溶液を68μL加え、4度で19時間静置した。その後、室温でさらに2時間攪拌した後、0.1モル塩酸/メタノール溶液で注意深く中和した。溶液を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=9/1→4/1)によって精製し、目的物である化合物13を24mg(61%)、また原料を6mg(10%)回収した。
1015BrO3 MW:263.1(計算値)、1H−NMR(400MHz/CDCl3)δ(ppm):1.38(s,3H),1.46(s,3H),1.89(s,3H),2.31(br s,1H),3.60(dd,J=3.7,8.2Hz,1H),4.28(dd,J=6.6,8.0Hz,1H),4.52(d,J=6.4Hz,1H),4.68(dd,J=4.8,4.8Hz,1H),5.79(d,J=5.0Hz,1H)
<実施例2−3>化合物1´´(A24)の合成
Figure 2013216598

ガラスアンプル中で化合物13(62mg,0.24mmol)を2.3mLのアセトニトリルに溶解し、これにn−オクチルアミン(137μL,0.826mmol)を加えた。60度に加熱しながら22時間精置した後、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=99/1→97/3)によって精製し、目的物が含まれる画分を減圧濃縮した。得られた化合物A24はそのまま化合物B24の合成に用い、その後生成物の構造を確認した。
<実施例3>
化合物2´(B1〜B23)の合成
Figure 2013216598
・化合物B1の合成
Figure 2013216598

上記の工程によって得られた化合物A1に、1モル塩酸水溶液(10mL)/テトラヒドロフラン(10mL)の混合溶媒を加え、室温で2時間攪拌した。エタノールで共沸させながら溶媒を減圧留去し、374mgの化合物2を得た(2工程、〜100%)。
1428ClNO3 MW:293.8(計算値)、1H−NMR(400MHz/D2O)δ(ppm):0.89(t,J=6.9Hz,3H),1.29−1.42(m,10H),1.68−1.76(m,2H),3.06−3.14(m,2H),3.60(dd,J=4.1,9.2Hz,1H),3.69(d,J=7.8Hz,1H),3.96(dd,J=7.6,9.4Hz,1H),4.25(dd,J=4.4,4.4Hz,1H),5.83(dd,J=2.3,10.1Hz,1H),6.11(ddd,J=2.2,4.8,10.2Hz,1H)
・化合物B2の合成
Figure 2013216598

上記の工程によって得られた化合物A2に、1モル塩酸水溶液(1.5mL)/テトラヒドロフラン(1.5mL)の混合溶媒を加え、室温で1時間攪拌した。エタノールで共沸させながら溶媒を減圧留去し、59mgの化合物B2を得た(2工程、〜100%)。
MW:321.8(計算値)、1H−NMR(400MHz/CD3OD)δ(ppm):0.89(t,J=6.9Hz,3H),1.29−1.42(m,14H),1.69−1.77(m,2H),3.08−3.12(m,2H),3.60(dd,J=4.1,9.2Hz,1H),3.69(d,J=7.8Hz,1H),3.96(dd,J=7.8,9.2Hz,1H),4.25(dd,J=4.4,4.4Hz,1H),5.83(dd,J=2.3,10.1Hz,1H),6.11(ddd,J=2.3,4.7,10.1Hz,1H)
・化合物B3の合成
Figure 2013216598

上記の工程によって得られた化合物A3に、1モル塩酸水溶液(1.5mL)/テトラヒドロフラン(1.5mL)の混合溶媒を加え、室温で1時間攪拌した。エタノールで共沸させながら溶媒を減圧留去し、27mgの化合物B3を得た(2工程、57%)。
MW:265.7(計算値)、1H−NMR(400MHz/CD3OD)δ(ppm):0.93(t,J=7.1Hz,3H),1.34−1.43(m,6H),1.68−1.72(m,2H),3.04−3.15(m,2H),3.58(dd,J=4.1,9.6Hz,1H),3.66−3.67(m,1H),3.93(dd,J=7.8,9.2Hz,1H),4.25(dd,J=4.4,4.4Hz,1H),5.79(dd,J=2.3,10.1Hz,1H),6.12(ddd,J=2.3,4.7,10.1Hz,1H)
・化合物B4の合成
Figure 2013216598

上記の工程によって得られた化合物A4に、1モル塩酸水溶液(1.5mL)/テトラヒドロフラン(1.5mL)の混合溶媒を加え、室温で2時間攪拌した。エタノールで共沸
させながら溶媒を減圧留去し、44mgの化合物B4を得た(2工程、〜100%)。
1020ClNO3 MW:237.7(計算値)、1H−NMR(400MHz/CD3OD)δ(ppm):0.99(t,J=7.3Hz,3H),1.44(td,J=7.5,14.9Hz,2H),1.65−1.77(m,2H),3.06−3.17(m,2H),3.60(dd,J=4.1,9.2Hz,1H),3.69(d,J=7.8Hz,1H),3.97(dd,J=7.8,9.2Hz,1H),4.25(dd,J=4.6,4.6Hz,1H),5.84(dd,J=2.3,10.1Hz,1H),6.12(ddd,J=2.5,5.1,10.3Hz,1H)
・化合物B5の合成
Figure 2013216598

上記の工程によって得られた化合物A5に、1モル塩酸水溶液(1.5mL)/テトラヒドロフラン(1.5mL)の混合溶媒を加え、室温で2時間静置した。エタノールで共沸させながら溶媒を減圧留去し、46mgの化合物B5を得た(2工程、〜100%)。
1122ClNO3 MW:251.7(計算値)、1H−NMR(400MHz/CD3OD)δ(ppm):0.94(t,3H),1.37−1.41(m,4H),1.71−1.78(m,2H),3.05−3.17(m,2H),3.61(dd,J=4.1,9.2Hz,1H),3.71(d,J=7.8Hz,1H),3.98(dd,J=7.8,9.2Hz,1H),4.26(dd,J=4.4,4.4Hz,1H),5.85(dd,J=2.3,10.1Hz,1H),6.12(ddd,J=2.1,4.9,10.1Hz,1H)
・化合物B6の合成
Figure 2013216598

上記の工程によって得られた化合物A6に、1モル塩酸水溶液(1.5mL)/テトラヒドロフラン(1.5mL)の混合溶媒を加え、室温で2時間静置した。エタノールで共沸させながら溶媒を減圧留去し、42mgの化合物B6を得た(2工程、98%)。
918ClNO4 MW:239.6(計算値)、1H−NMR(400MHz/CD3OD)δ(ppm):1.94(dt,J=6.2,13.3Hz,2H),3.20−3.33(m,2H),3.63(dd,J=4.1,9.2Hz,1H),3.68−3.74(3H),3.98(dd,J=7.6,8.9Hz,1H),4.27(dd,J=4.4,4.4Hz,1H),5.86(dd,J=2.7,10.1Hz,1H),6.11(ddd,J=2.3,4.5,10.1Hz,1H)
・化合物B7の合成
Figure 2013216598

上記の工程によって得られた化合物A7に、1モル塩酸水溶液(1.5mL)/テトラヒドロフラン(1.5mL)の混合溶媒を加え、室温で1時間攪拌した。エタノールで共沸させながら溶媒を減圧留去し、27mgの化合物B7を得た(2工程、64%)。
1020ClNO3 MW:237.7(計算値)、1H−NMR(400MHz/CD3OD)δ(ppm):1.04(s,3H),1.06(s,3H),1.99−2.09(m,1H),2.95(d,J=6.9Hz,2H),3.61(dd,J=4.1,9.2Hz,1H),3.72(d,J=7.3Hz,1H),3.98(dd,J=7.8,9.2Hz,1H),4.26(dd,J=4.4,4.4Hz,1H),5.82(dd,J=2.3,10.1Hz,1H),6.13(ddd,J=2.2,5.0,10.2Hz,1H)
・化合物B8の合成
Figure 2013216598

上記の工程によって得られた化合物A8に、1モル塩酸水溶液(1.5mL)/テトラヒドロフラン(1.5mL)の混合溶媒を加え、室温で2時間静置した。エタノールで共沸させながら溶媒を減圧留去し、45mgの化合物B8を得た(2工程、〜100%)。
1122ClNO3 MW:251.7(計算値)、1H−NMR(400MHz/CD3OD)δ(ppm):0.96(s,3H),0.98(s,3H),1.59−1.74(m,3H),3.11−3.16(m,2H),3.61(dd,J=4.1,9.2Hz,1H),3.71(d,J=7.8Hz,1H),3.98(dd,J=7.8,9.2Hz,1H),4.25(dd,J=4.4,4.4Hz,1H),5.85(dd,J=2.3,10.1Hz,1H),6.12(ddd,J=2.2,5.0,10.2Hz,1H)
・化合物B9の合成
Figure 2013216598

上記の工程によって得られた化合物A9に、1モル塩酸水溶液(1.5mL)/テトラヒドロフラン(1.5mL)の混合溶媒を加え、室温で2時間静置した。エタノールで共沸
させながら溶媒を減圧留去し、64mgの化合物B9を得た(2工程、〜100%)。
1122ClNO3 MW:251.7(計算値)、1H−NMR(400MHz/CD3OD)δ(ppm):1.02(t,J=7.3Hz,6H),1.77−1.81(m,4H),3.68(dd,J=4.1,8.7Hz,1H),3.77(d,J=6.9Hz,1H),4.02(dd,J=7.1,8.9Hz,1H),4.27(dd,J=4.4,4.4Hz,1H),5.86(dd,J=2.3,10.1Hz,1H),6.11(ddd,J=1.8,4.6,10.0Hz,1H)
・化合物B10の合成
Figure 2013216598

上記の工程によって得られた化合物A1に、1モル塩酸水溶液(1.5mL)/テトラヒドロフラン(1.5mL)の混合溶媒を加え、室温で2時間静置した。エタノールで共沸させながら溶媒を減圧留去し、55mgの化合物B10を得た(2工程、〜100%)。C1224ClNO3 MW:265.7(計算値)、1H−NMR(400MHz/CD3OD)δ(ppm):0.94(t,J=7.3Hz,6H),1.40−1.52(m,4H),1.66−1.72(m,1H),3.03(d,J=6.4Hz,2H),3.63(dd,J=4.1,9.2Hz,1H),3.76(d,J=7.3Hz,1H),4.02(dd,J=7.6,8.9Hz,1H),4.26(dd,J=4.4,4.4Hz,1H),5.84(dd,J=2.7,10.1Hz,1H),6.13(ddd,J=2.3,4.5,10.1Hz,1H)
・化合物B11の合成
Figure 2013216598

上記の工程によって得られた化合物A11に、1モル塩酸水溶液(1.5mL)/テトラヒドロフラン(1.5mL)の混合溶媒を加え、室温で2時間静置した。エタノールで共沸させながら溶媒を減圧留去し、37mgの化合物B11を得た(2工程、93%)。
916ClNO3 MW:221.6(計算値)、1H−NMR(400MHz/CD3OD)δ(ppm):0.89−1.06(m,4H),2.80−2.83(m,1H),3.63(dd,J=4.1,9.2Hz,1H),3.79(d,J=7.3Hz,1H),4.09(dd,J=7.6,8.9Hz,1H),4.27(dd,J=4.4,4.4Hz,1H),5.95(dd,J=2.3,10.1Hz,1H),6.13(ddd,J=2.3,4.7,10.1Hz,1H)
・化合物B12の合成
Figure 2013216598

上記の工程によって得られた化合物A12に、1モル塩酸水溶液(1.5mL)/テトラヒドロフラン(1.5mL)の混合溶媒を加え、室温で2時間静置した。エタノールで共沸させながら溶媒を減圧留去し、44mgの化合物B12を得た(2工程、〜100%)。
1018ClNO3 MW:235.6(計算値)、1H−NMR(400MHz/CD3OD)δ(ppm):0.41−0.43(m,2H),0.70−0.73(m,2H),1.13−1.17(m,1H),3.03(d,J=7.3Hz,2H),3.60(dd,J=3.9,9.4Hz,1H),3.73(d,J=7.8Hz,1H),3.95(dd,J=8.5,8.5Hz,1H),4.25(dd,J=4.4,4.4Hz,1H),5.83(dd,J=2.3,10.1Hz,1H),6.11(ddd,J=2.2,4.4,10.2Hz)
・化合物B13の合成
Figure 2013216598

上記の工程によって得られた化合物A13に、1モル塩酸水溶液(1.5mL)/テトラヒドロフラン(1.5mL)の混合溶媒を加え、室温で2時間静置した。エタノールで共沸させながら溶媒を減圧留去し、48mgの化合物B13を得た(2工程、quantitative)。
1120ClNO3 MW:249.6(計算値)、1H−NMR(400MHz/CD3OD)δ(ppm):1.64−1.87(m,6H),2.14−2.18(m,2H),3.60(dd,J=4.1,9.2Hz,1H),3.67(d,J=7.8,1H),3.82−3.90(m,1H),3.96(dd,J=7.3,9.2Hz,1H),4.25(dd,J=4.4,4.4Hz,1H),5.87(dd,J=2.3,10.1Hz,1H),6.11(ddd,J=2.3,4.5,10.1Hz,1H)
・化合物B14の合成
Figure 2013216598

上記の工程によって得られた化合物A14に、1モル塩酸水溶液(1.5mL)/テトラヒドロフラン(1.5mL)の混合溶媒を加え、室温で1時間攪拌した。エタノールで共沸させながら溶媒を減圧留去し、41mgの化合物B14を得た(2工程、92%)。
1120ClNO3 MW:249.6(計算値)、1H−NMR(400MHz/CD3OD)δ(ppm):1.47−1.59(m,1H),1.82−1.98(m,5H),3.25−3.40(m,3H),3.52(dd,J=3.9,9.8Hz,1H),3.86(d,J=8.7Hz,1H),4.09(dd,J=8.7,9.6Hz,1H),4.21(dd,J=4.8,4.8Hz,1H),5.94(dd,J=2.3,10.1Hz,1H),6.21(ddd,J=2.5,5.5,10.1Hz,1H)
・化合物B15の合成
Figure 2013216598

上記の工程によって得られた化合物A15に、1モル塩酸水溶液(1.5mL)/テトラヒドロフラン(1.5mL)の混合溶媒を加え、室温で2時間静置した。エタノールで共沸させながら溶媒を減圧留去し、39mgの化合物B15を得た(2工程、92%)。
1222ClNO3 MW:263.6(計算値)、1H−NMR(400MHz/CD3OD)δ(ppm):1.18−1.27(m,1H),1.33−1.52(m,4H),1.71(br d,J=12.8Hz,1H),1.87(br d,J=11.4Hz,1H),2.14−2.17(m,2H),3.36−3.43(m,1H),3.79(dd,J=7.3Hz,1H),3.96(dd,J=7.8,9.2Hz,1H),4.25(dd,J=4.6,4.6Hz,1H),5.85(dd,J=2.3,10.1Hz,1H),6.10(ddd,J=2.2,4.6,10.0Hz,1H)
・化合物B16の合成
Figure 2013216598

上記の工程によって得られた化合物A16に、1モル塩酸水溶液(1.5mL)/テトラヒドロフラン(1.5mL)の混合溶媒を加え、室温で1時間攪拌した。エタノールで共沸させながら溶媒を減圧留去し、44mgの化合物16を得た(2工程、88%)。
1324ClNO3 MW:277.7(計算値)、1H−NMR(400MHz/CD3OD)δ(ppm):0.99−1.09(m,2H),1.22−1.34(m,3H),1.67−1.85(m,6H),2.94(d,J=6.9Hz,1H),3.59(dd,J=4.1,9.6Hz,1H),3.69(d,J=7.8Hz,1H),3.95(dd,J=7.8,9.2Hz,1H),4.25(dd,J=4.4,4.4Hz,1H),5.77(dd,J=2.5,10.3Hz,1H),6.13(ddd,J=2.2,4.8,10.4Hz,1H)
・化合物B17の合成
Figure 2013216598

上記の工程によって得られた化合物A17に、1モル塩酸水溶液(1.5mL)/テトラヒドロフラン(1.5mL)の混合溶媒を加え、室温で2時間静置した。エタノールで共沸させながら溶媒を減圧留去し、54mgの化合物B17を得た(2工程、〜100%)。
化合物17(異性体混合物):C1324ClNO3 MW:277.7(計算値)、1H−NMR(400MHz/CD3OD)δ(ppm):0.92(d,J=6.4Hz,2H),1.02(d,J=6.9Hz,3H),1.05−1.12(1.3H),1.40−1.92(12H),2.13−2.18(1.4H),3.36−3.40(0.6H),3.43−3.50(1H),3.59−3.64(1.8H),3.80(br d,J=7.8Hz,1.6H),3.94−4.00(1.6H),4.25(dd,J=4.4,4.4Hz,1.6H),5.83−5.88(1.6H),6.08−6.12(1.6H)
・化合物B18の合成
Figure 2013216598

上記の工程によって得られた化合物A18に、1モル塩酸水溶液(1.5mL)/テトラヒドロフラン(1.5mL)の混合溶媒を加え、室温で2時間静置した。エタノールで共沸させながら溶媒を減圧留去し、61mgの化合物B18を得た(2工程、〜100%)。
1426ClNO3 MW:291.7(計算値)、1H−NMR(400MHz/CD3OD)δ(ppm):1.46−1.84(m,12H),1.98−2.08(m,2H),3.60−3.69(m,2H),3.77(d,J=7.3Hz,1H),3.96(dd,J=7.8,9.2Hz,1H),4.25(dd,J=4.4,4.4Hz,1H),5.84(dd,J=2.5,10.3Hz),6.11(dq,J=2.0,4.8,10.0Hz,1H)
・化合物B19の合成
Figure 2013216598
上記の工程によって得られた化合物A19に、1モル塩酸水溶液(1.5mL)/テトラヒドロフラン(1.5mL)の混合溶媒を加え、室温で1時間攪拌した。エタノールで共沸させながら溶媒を減圧留去し、51mgの化合物A19を得た(2工程、〜100%)。
1318ClNO3 MW:271.7(計算値)、1H−NMR(400MHz/CD3OD)δ(ppm):3.61(dd,J=4.1,9.2Hz,1H),3.71(d,J=7.3Hz,1H),4.08(dd,J=7.8,9.2Hz,1H),4.27(dd,J=4.4,4.4Hz,1H),4.35(s,2H),5.90(dd,J=2.3,10.1Hz,1H),6.14(ddd,J=2.2,4.8,10.2Hz,1H),7.42−7.49(m,3H),7.53−7.55(m,2H)
・化合物B20の合成
Figure 2013216598

上記の工程によって得られた化合物A20に、1モル塩酸水溶液(1.5mL)/テトラヒドロフラン(1.5mL)の混合溶媒を加え、室温で1時間攪拌した。エタノールで共沸させながら溶媒を減圧留去し、43mgの化合物B20を得た(2工程、84%)。
1420ClNO3 MW:285.7(計算値)、1H−NMR(400MHz/CD3OD)δ(ppm):3.04(t,J=7.6Hz,2H),3.34−3.39(m,2H),3.60(dd,J=4.1,9.2Hz,1H),3.74(d,J=7.8Hz,1H),3.97(dd,J=7.6,8.9Hz,1H),4.25(dd,J=4.4,4.4Hz,1H),5.83(dd,J=2.3,10.1Hz,1H),6.12(ddd,J=2.3,4.5,10.1,1H),7.24−7.36(m,5H)
・化合物B21の合成
Figure 2013216598

上記の工程によって得られた化合物A21に、1モル塩酸水溶液(1.5mL)/テトラヒドロフラン(1.5mL)の混合溶媒を加え、室温で1時間攪拌した。エタノールで共沸させながら溶媒を減圧留去し、36mgの化合物B21を得た(2工程、52%)。
1218Cl223 MW:309.1(計算値)、1H−NMR(400MHz/CD3OD)δ(ppm):3.62(dd,J=4.1,9.2Hz,1H),3.87(br d,J=7.8Hz,1H),4.09(dd,J=7.8,9.2Hz,1H),4.28(dd,J=4.4,4.4Hz,1H),4.74(s,2H),5.94(dd,J=2.5,10.3Hz,1H),6.20(ddd,J=2.3,4.9,10.1Hz,1H),8.21−8.22(m,2H),8.95−8.97(m,2H)
・化合物B22の合成
Figure 2013216598

上記の工程によって得られた化合物A22に、1モル塩酸水溶液(1.5mL)/テトラヒドロフラン(1.5mL)の混合溶媒を加え、室温で1時間攪拌した。エタノールで共沸させながら溶媒を減圧留去し、38mgの化合物B22を得た(2工程、66%)。
1320Cl223 MW:323.2(計算値)、1H−NMR(400MHz/CD3OD)δ(ppm):3.38−3.42(m,2H),3.55−3.63(3H),3.81(d,J=7.8Hz,1H),4.00(dd,J=7.8,9.2Hz,1H),4.27(dd,J=4.4,4.4Hz,1H),5.88(dd,J=2.5,10.3Hz,1H),6.12(ddd,J=2.3,4.5,10.1Hz,1H),8.06−8.07(m,2H),8.82−8.84(m,2H)
・化合物B23の合成
Figure 2013216598
上記の工程によって得られた化合物A23に、1モル塩酸水溶液(1.5mL)/テトラヒドロフラン(1.5mL)の混合溶媒を加え、室温で2時間攪拌した。エタノールで共沸させながら溶媒を減圧留去し、47mgの化合物B23を得た(2工程、95%)。
1218ClNO4 MW:275.7(計算値)、1H−NMR(400MHz/CD3OD)δ(ppm):3.62(dd,J=4.1,9.2Hz,2H),3.66(br d,J=7.8Hz,2H),4.02(dd,J=7.3,9.2Hz,1H),4.26(dd,J=4.1,4.1Hz,1H),4.36(s,2H),5.83(dd,J=2.7,10.1Hz,1H),6.07(dd,J=0.9,3.2Hz,1H),6.11(ddd,J=2.3,4.5,10.1Hz,1H),6.54(d,J=3.2Hz,1H)
<実施例4>
化合物2´´(B24)の合成
Figure 2013216598

上記の工程によって得られた化合物A24に、2モル塩酸水溶液(2mL)/テトラヒドロフラン(2mL)の混合溶媒を加え、室温で3時間攪拌した。エタノールで共沸させながら溶媒を減圧濃縮した後、活性炭カラムにチャージし、40mLのメタノールで溶出した。溶媒を減圧留去し、65mgの化合物B24を得た(2工程90%)。
1632ClNO3 MW:286.4(計算値)、1H−NMR(400MHz/CD3OD)δ(ppm):0.90(t,J=6.9Hz,3H),1.31−1.42(m,10H),1.67−1.75(m,2H),1.89(s,3H),3.06−3.10(m,2H),3.54(dd,J=4.1,9.6Hz,1H),3.63(br d,J=7.8Hz,1H),3.89(dd,J=8.2,9.6Hz,1H),4.04(d,J=4.1Hz),5.49(dd,J=1.4,2.3Hz,1H)
(3)本発明化合物のグリコシダーゼ阻害活性の測定
グリコシダーゼとして、ウシ肝臓由来ベータ−ガラクトシダーゼおよびアーモンド由来ベータ−グルコシダーゼを用いた。緩衝液は、ウシ肝臓由来ベータ−ガラクトシダーゼに対しては終濃度20mMのリン酸緩衝液(pH=7.0)、アーモンド由来ベータ−グルコシダーゼに対しては終濃度30mMの酢酸緩衝液(pH=5.0)をそれぞれ用いた。基質としては、ベータ−ガラクトシダーゼに対しては4−ニトロフェニルβ−D−ガラクトピラノシド、ベータ−グルコシダーゼに対しては4−ニトロフェニルβ−D−グルコピラノシドをそれぞれ用い、被検物質の存在下および非存在下で、30分間の酵素活性を測定した。なお、温度はともに37℃とし、化合物B1〜B24の最終濃度は1mM、100μM、10μM、1μM、100nM、10nMとした。その結果を図1、図2および表2に示した。いずれのグリコシダーゼに対しても、化合物B1〜B24は顕著な阻害効果を示すことが明らかとなった。
Figure 2013216598

Claims (11)

  1. 下記一般式(1)で表されるコンデュラミンF−4誘導体またはその酸付加塩。
    Figure 2013216598
    式中、R1、R2はそれぞれ独立に水素原子またはアルキル基(連続しない-CH2−が-O-に置き換えられてもよい)、ヒドロキシアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アシル基、アリール基、ヘテロアリール基またはアラルキル基を表し、アラルキル基に含まれるアリール基はヘテロアリール基であってもよい。R1及びR2は、それぞれが結合している窒素原子と一緒になって非芳香環を形成してもよい。ただし、R1及びR2は双方が同時に水素原子であることはない。
    3〜R5はそれぞれ独立にヒドロキシル基または保護されたヒドロキシル基を示す。また、R4とR5は一緒になって、アセタール基を形成してもよい。
    6は水素原子またはメチル基を表す。
  2. 下記一般式(2)で表されるコンデュラミンF−4誘導体またはその酸付加塩。
    Figure 2013216598
    式中、R1、R2はそれぞれ独立に水素原子またはアルキル基(連続しない-CH2−が-O-に置き換えられてもよい)、ヒドロキシアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アシル基、アリール基、ヘテロアリール基またはアラルキル基を表し、アラルキル基に含まれるアリール基はヘテロアリール基であってもよい。R1及びR2は、それぞれが結合している窒素原子と一緒になって非芳香環を形成してもよい。ただし、R1及びR2は双方が同時に水素原子であることはない。
    6は水素原子またはメチル基を表す。
  3. (+)−プロト−クエルシトールを出発原料とし、1位、2位、3位および4位のヒドロキシル基の保護化、5位のヒドロキシル基の脱離基への変換、次いで5位のヒドロキシル基の脱離を行い、得られたシクロヘキセン誘導体に対し1位および2位の脱保護、1,2−ジオールのエポキシ化、続いて得られたエポキシドにアミンを開環付加させる工程を含むことを特徴とする、請求項1に記載の一般式(1)で表されるコンデュラミンF−4誘導体のうち、R6が水素原子であるものの製造方法。
  4. 請求項3に記載の方法によりコンデュラミンF−4誘導体を製造し、得られたコンデュラミンF−4誘導体に酸性物質を作用させる、請求項1に記載の一般式(1)で表されるコンデュラミンF−4誘導体のうち、R6が水素原子であるものの酸付加塩の製造方法。
  5. (+)−プロト−クエルシトールを出発原料とし、1位、2位、3位および4位のヒドロキシル基の保護化、5位のヒドロキシル基の脱離基への変換、次いで5位のヒドロキシル基の脱離を行い、得られたシクロヘキセン誘導体に対し1位および2位の脱保護、1,2−ジオールのエポキシ化、続いて得られたエポキシドにアミンを開環付加させ、さらに3
    ,4位の脱保護を行う工程を含むことを特徴とする、請求項2に記載の一般式(2)で表されるコンデュラミンF−4誘導体のうち、R6が水素原子であるものの製造方法。
  6. 請求項5に記載の方法によりコンデュラミンF−4誘導体を製造し、得られたコンデュラミンF−4誘導体に酸性物質を作用させる、請求項2に記載の一般式(2)で表されるコンデュラミンF−4誘導体のうち、R6が水素原子であるものの酸付加塩の製造方法。
  7. (+)−プロト−クエルシトールを出発原料とし、下記構造式(3)で表される物質に変換した後、1級ブロモ基の還元、二級ブロモ基のアキシアル体の分離、続いて該アキシアル体の2級ブロモ基にアミンを求核付加させる工程を含むことを特徴とする、請求項1に記載の一般式(1)で表されるコンデュラミンF−4誘導体のうち、R6がメチル基であるものの製造方法。
    Figure 2013216598
    式中、Bzはベンゾイル基を表す。
  8. 請求項7に記載の方法によりコンデュラミンF−4誘導体を製造し、得られたコンデュラミンF−4誘導体に酸性物質を作用させる、請求項1に記載の一般式(1)で表されるコンデュラミンF−4誘導体のうち、R6がメチル基であるものの酸付加塩の製造方法。
  9. (+)−プロト−クエルシトールを出発原料とし、下記構造式(3)で表される物質に変換した後、1級ブロモ基の還元、二級ブロモ基のアキシアル体の分離、続いて該アキシアル体の2級ブロモ基にアミンを求核付加させ、さらに保護されたヒドロキシル基の脱保護を行う工程を含むことを特徴とする、請求項2に記載の一般式(2)で表されるコンデュラミンF−4誘導体のうち、R6がメチル基であるものの製造方法。
    Figure 2013216598
    式中、Bzはベンゾイル基を表す。
  10. 請求項9に記載の方法によりコンデュラミンF−4誘導体を製造し、得られたコンデュラミンF−4誘導体に酸性物質を作用させる、請求項2に記載の一般式(2)で表されるコンデュラミンF−4誘導体のうち、R6がメチル基であるものの酸付加塩の製造方法。
  11. 請求項1または2に記載のコンデュラミンF−4誘導体、またはその酸付加塩を有効成分とするグリコシダーゼ阻害剤。
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