JP2015091790A - 糖脂質代謝異常症処置剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】ヒトβ-ガラクトシダーゼ遺伝子の変異に起因する糖脂質代謝異常症に対し、有用な糖脂質代謝異常症処置剤の提供。
【解決手段】式(1)で表されるコンデュラミンF−4誘導体又はその医薬的に許容される塩を有効成分とするβ−ガラクトシダーゼ遺伝子の変異に起因する糖脂質代謝異常症の処置剤。

(R及びRは各々独立にH又はアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アシル基等;R〜Rは各々独立にヒドロキシル基又はアルキル基、アシル基、シリル基、アラルキル基、アルコキシアルキル基、アラルキルオキシアルキル基から選択される置換基を有するヒドロキシル基)
【選択図】図4

Description

本発明は、遺伝子変異によって低下したヒトβ−ガラクトシダーゼ酵素活性に対し、賦活化効果を有するコンデュラミンF−4誘導体又はその医薬的に許容される塩を有効成分とする糖脂質代謝異常症の処置剤に関する。
細胞内小器官の一つライソゾームに存在する分解酵素が遺伝的に欠損又は変異していると、細胞内外に異物が蓄積してしまう。このような現象によって引き起こされる疾病は糖脂質異常症の一種、ライソゾーム病として知られている。ライソゾーム病の中でも特に、ヒトβ-ガラクトシダーゼの変異が病因となるものに関してはGM1ガングリオシドーシ
ス、セラミドラクトリピドーシス、モルキオB病、クラッベ病があり、一般に認知されている。これらの疾病に対し、利用可能な医薬は未だに開発されていない。
ところで、糖加水分解酵素の変異によって生じるライソゾーム病に対する治療法として、その糖加水分解酵素阻害剤が有効な治療薬となる可能性があることが知られている(非特許文献1参照)。通常、細胞内で発現した変異酵素の多くは輸送の際に分解されてしまうが、阻害剤が変異酵素を安定化させることで分解を免れ、結果、細胞内で酵素活性が賦活化されるというメカニズムが提唱されている。
特許文献1、非特許文献2、非特許文献3には、以下の構造式(2)で表されるカルバ糖アミン誘導体[N-octyl-4-epi-b-valienamine (NOEV)] が変異型ヒトβ-ガラクトシダーゼに対して化学シャペロンとして働き、低下した酵素活性を回復させることが記載されている。また、その酸付加塩(特許文献2参照)が公知である。

この化合物はヒトβ−ガラクトシダーゼを強力に阻害する一方、低濃度の投与により、変異ヒトβ−ガラクトシダーゼを有する細胞に対し、低下したβ−ガラクトシダーゼ活性を賦活化する効果を示す。しかしながら、賦活化効果は充分でなく、更なる活性向上が望まれている。
国際公開第WO2003/022797号パンフレット 国際公開第WO2004/101493号パンフレット
Assay and Drug Development Technologies、2011年、9巻、p.213−235 HUMAN MUTATION, Vol. 32, No. 7, 843-852, 2011 Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America、2003年、26巻、p.15912−15917
本発明は、ヒトβ-ガラクトシダーゼ遺伝子の変異に起因する糖脂質代謝異常症に対し
、有用な糖脂質代謝異常症処置剤を提供することを課題とするものである。
発明者らは上記課題に鑑み、既存のヒトβ−ガラクトシダーゼ酵素阻害剤は酵素活性が低下している変異ヒトβ−ガラクトシダーゼに対しても酵素活性阻害を及ぼしているため、結果的に充分な賦活化効果を得られていないとの想定のもと、鋭意研究を重ねた。その結果、これまで酵素活性賦活化剤として使用されたことのない、本発明中に示される一般式(1)で表されるコンデュラミンF−4誘導体が、変異のためβ−ガラクトシダーゼ活性が低下した細胞のβ−ガラクトシダーゼ活性を賦活化する効果が非常に高いことを初めて見出し、本発明を完成させた。すなわち、本発明は下記のβ−ガラクトシダーゼ遺伝子の変異に起因する糖脂質代謝異常症処置剤を提供するものである。
[1]下記一般式(1)で表されるコンデュラミンF−4誘導体またはその医薬的に許容される塩を有効成分とするβ−ガラクトシダーゼ遺伝子の変異に起因する糖脂質代謝異常症の処置剤を提供する。

式中、R、Rはそれぞれ独立に水素原子又はアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アシル基、アリール基、又はアラルキル基を表す。また、R及びRはそれぞれが結合している窒素原子と一緒になって非芳香環あるいは芳香環を形成してもよい。ただし、R及びRは双方が同時に水素原子であることはない。R、R及びRはそれぞれ独立に、ヒドロキシル基又はアルキル基、アシル基、シリル基、アラルキル基、アルコキシアルキル基、アラルキルオキシアルキル基から選択される置換基を有するヒドロキシル基である。また、RとRは一緒になって、アセタール基を形成してもよい。
[2]下記一般式(1−a)で表されるコンデュラミンF−4誘導体またはその医薬的に許容される塩を有効成分とするβ−ガラクトシダーゼ遺伝子の変異に起因する糖脂質代謝異常症の処置剤。

式中、R及びRのどちらか一方は水素原子であり、他方が炭素数1〜23のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アシル基、アリール基、又はアラルキル基を表す。
[3]下記一般式(1−b)で表されるコンデュラミンF−4誘導体またはその医薬的に許容される塩を有効成分とするβ−ガラクトシダーゼ遺伝子の変異に起因する糖脂質代謝
異常症の処置剤を提供する。

式中、Rは炭素数1〜22のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アシル基、アリール基、又はアラルキル基を表す。
[4]β−ガラクトシダーゼ遺伝子の変異に起因する糖脂質代謝異常症がGM1ガングリオシドーシス、セラミドラクトリピドーシス、モルキオB病またはクラッベ病である、[1]〜[3]のいずれかに記載の処置剤を提供する。
[5]β−ガラクトシダーゼ遺伝子の変異が、ヒトβ−ガラクトシダーゼの201位のアルギニンをシステインに置換する変異および/または457位のアルギニンをグルタミンに置換する変異である、[1]〜[4]のいずれかに記載の処置剤を提供する。
[6]β−ガラクトシダーゼ遺伝子の変異に起因する糖脂質代謝異常症の処置剤を調製するための、上記一般式(1)、(1−a)および(1−b)の何れかの式で表されるコンデュラミンF−4誘導体またはその医薬的に許容される塩の使用を提供する。
上記一般式(1)で表されるコンデュラミンF−4誘導体又はその医薬的に許容される塩は、変異ヒトβ-ガラクトシダーゼを有する細胞に対し、高いβ-ガラクトシダーゼ活性賦活化効果を示す一方、β-ガラクトシダーゼ阻害効果は低く、比較的高濃度の状態にあ
っても、濃度に比例してβ-ガラクトシダーゼ活性を賦活化する効果を表す。加えて、本
発明中に示される一般式(1)で表されるコンデュラミンF−4誘導体又はその医薬的に許容される塩は、細胞毒性を示さず、ヒトβ-ガラクトシダーゼに特異的に作用し、その
他の糖加水分解酵素を強力に阻害することはない。したがって、本発明により提供される上記一般式(1)で表されるコンデュラミンF−4誘導体又はその医薬的に許容される塩を有効成分とする薬剤は、β−ガラクトシダーゼ遺伝子の変異に起因する糖脂質代謝異常症の処置剤として有用である。
一般式(1)で表されるコンデュラミンF−4誘導体の具体例。 一般式(1)で表されるコンデュラミンF−4誘導体の製造スキーム。 正常ヒトβ−ガラクトシダーゼに対するコンデュラミンF−4誘導体の阻害活性を示す図である。 コンデュラミンF−4誘導体存在下での変異ヒトβ−ガラクトシダーゼ(R201C)導入線維芽細胞における、β−ガラクトシダーゼ活性の賦活化を表す図である。 加温による正常ヒトβ−ガラクトシダーゼの活性低下を示す図である。 コンデュラミンF−4誘導体(被検物質A16)による正常ヒトβ−ガラクトシダーゼの熱安定化効果を表す図である。 コンデュラミンF−4誘導体(被検物質A1,A3,A5,A7,A8,A10,A16,A20)の細胞毒性を表す図である。 正常ヒトα−ガラクトシダーゼ、正常ヒトβ−グルコシダーゼ、正常ヒトヘキソサミニダーゼに対するコンデュラミンF−4誘導体(被検物質A16)の阻害活性を示す図である。
以下、発明の実施の形態により、本発明をより詳細に説明する。
本発明は、上記一般式(1)で示されるコンデュラミンF−4誘導体又はその医薬的に許容される塩を有効成分として含有する、β−ガラクトシダーゼ遺伝子の変異に起因する糖脂質代謝異常の処置剤である。
ここで、「処置剤」とは、ヒトβ−ガラクトシダーゼの変異によって生じる糖脂質代謝異常症(例えばGM1ガングリオシドーシス、セラミドラクトリピドーシス、モルキオB病、クラッベ病等)が発症した後にその症状を治癒又は緩和するための「治療剤」及びその発症を予防するための「予防剤」を含む概念である。
ヒトβ−ガラクトシダーゼの変異としては、ヒトβ−ガラクトシダーゼのアミノ酸配列を構成するアミノ酸の欠損、置換、挿入などが挙げられ、ヒトβ−ガラクトシダーゼの活性を低下させる変異であれば特に制限はないが、好ましくは、アミノ酸置換であり、より具体的には、201位のアルギニンをシステインに置換する変異、もしくは457位のアルギニンをグルタミンに置換する変異、または非特許文献2のTable 1に記載の変異が例
示される。
上記一般式(1)において、R、Rはそれぞれ独立に水素原子又はアルキル基、アルキルエーテル基、アルケニル基、アルキニル基、アシル基、アリール基、又はアラルキル基を表す。ただし、R及びRは特に双方が同時に水素原子であることはなく、どちらか一方が上記の官能基であり、他方が水素原子又は同様の官能基である。また、R及びRは、それぞれが結合している窒素原子と一緒になって非芳香環(好ましくは3〜8員環)あるいは芳香環を形成してもよい。
上記一般式(1−a)において、R、Rはそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜23のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アシル基、アリール基、又はアラルキル基を表す。ただし、R及びRは特に双方が同時に水素原子であることはなく、どちらか一方が上記の官能基であり、他方が水素原子又は同様の官能基である。また、R及びRは、それぞれが結合している窒素原子と一緒になって非芳香環(好ましくは3〜8員環)あるいは芳香環を形成してもよい。
上記一般式(1−b)において、Rは炭素数1〜22のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アシル基、アリール基、又はアラルキル基を表す。
アルキル基としては炭素数1〜23の直鎖又は分岐したアルキル基、もしくはシクロアルカンを含むアルキル基が好ましく、特に炭素数1〜15のものが好ましい。なお、アルキル基においては、連続しない−CH−が−O−に置き換えられてもよい。すなわち、−R−(OR’)−OR’’のように表示されるものであってもよい。ここでのR、R’はいずれも直鎖又は分岐したアルキレン基を表し、R’’はアルキル基を表す。nは0〜10の整数を表すが、特に0〜6が好ましい。これらR、R’、R’’は、硫黄や窒素等のヘテロ原子を含んでいてもよい。また、アルキル基はヒドロキシル基を含むヒドロキシアルキル基であってもよい。
アルケニル基又はアルキニル基としては、炭素数2〜23、好ましくは炭素数2〜15のもので、炭素原子同士の二重結合、三重結合を複数有していてもよい。
アシル基としては、一般に−CO−Rで表される官能基を持つものであればいずれのものでもよい。上記に示したRの部分は前述のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、また後述のアリール基、アラルキル基のいずれかを表すものである。炭素数は2〜23、特に2〜15のものが好ましい。
アリール基としては、炭素数6〜23のものであり、特に炭素数6〜15のものが好ましい。例えばフェニル基やナフチル基が例示され、これらアリール基にアルキル基、アシル基、アミノ基、スルホン基やハロゲン基などの置換基を有するものも含まれる。さらに環内に窒素、酸素、硫黄原子などヘテロ原子を含むヘテロアリール基も含まれる。
上記アラルキル基は、前述のアルキル基にアリール基が接続した官能基である。このアラルキル基に含まれるアルキル基の部分は、前述のように直鎖や分岐したものが例示される。また、このアラルキル基に含まれるアリール基についても、前述したような特徴を持つアルキル基、アルキルエーテル基又はアシル基などの置換基を有するものが含まれる。さらに環内に窒素、酸素、硫黄原子などヘテロ原子を含むヘテロアリール基も含まれる。炭素数は7〜23のものが好ましく、特には7〜18のものが好ましい。
、R、Rはそれぞれ独立にヒドロキシル基又は置換基を有するヒドロキシル基を示すが、安定性、取り扱い及び水への溶解度等を考慮すると、特にヒドロキシル基であることが好ましい。ヒドロキシル基の置換基としては、アルキル基(メチル基、エチル基等)、アシル基(アセチル基、ピバロイル基、ベンゾイル基、トルオイル基等)、シリル基(トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、tert−ブチルジメチルシリル基等)、アラルキル基(ベンジル基、フェネチル基等)、アルコキシアルキル基(メトキシメチル基、エトキシメチル基、ブトキシメチル基等)、アラルキルオキシアルキル基(ベンジルオキシメチル基等)等が例示される。
また、RとRは一緒になって、アセタール基(イソプロピリデン基、シクロヘキシリデン基、ベンジリデン基等)を形成してもよい。アセタール基のうち、特にはイソプロピリデン基が、安定性、取り扱い及び脱離の容易性の観点から好ましいが、これに限定はされない。
ところで、上記一般式(1)で表される化合物はその窒素原子上に酸付加し、塩とすることが出来る。このような酸付加塩は、水溶性が増すと共に、塩となることで固体としてより取り扱いが容易になることが期待され、好ましい。本発明中において「医薬的に許容される塩」とは、患者に対して有害でない上記一般式(1)で表される化合物の酸付加塩を指すものであり、このような酸付加塩の作成に用いられる酸性物質の例としては、無機酸(硫酸、硝酸、燐酸、ハロゲン化水素酸(塩酸、臭化水素酸等))及び有機酸(酢酸、プロパン酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、シュウ酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、マンデル酸、酒石酸、リンゴ酸、アスコルビン酸、クエン酸、乳酸、酪酸、サリチル酸、ニコチン酸等)が好ましい。
本発明に係る一般式(1)で表される化合物の具体例を図1に記載する。ただし、本発明はこれらの具体例に限定されるものではない。なお、図1中の化合物番号は以下の実施例においても参照される。
本発明に係る一般式(1)で表されるコンデュラミンF−4誘導体及びその医薬的に許容される塩が、酵素安定化剤又は酵素活性賦活化剤として用いられた例はない。驚くべきことに、本発明中に示される上記一般式(1)で表されるコンデュラミンF−4誘導体及びその医薬的に許容される塩が、哺乳動物、特にヒト由来の変異β−ガラクトシダーゼを有する細胞に対し、高い酵素活性賦活化効果を示すことが本発明により初めて明らかとなった。加えて、本発明中に示される上記一般式(1)で表されるコンデュラミンF−4誘導体及びその医薬的に許容される塩は、野生型酵素に対して強力なβ−ガラクトシダーゼ阻害効果を示さず、濃度依存的に変異ヒトβ−ガラクトシダーゼ活性を上昇させた。従って、本発明に係る一般式(1)で表される化合物及びその医薬的に許容される塩は、このような酵素活性賦活化効果に基づく医薬、さらに、病態研究及び糖脂質代謝異常症の処置剤(治療又は予防)の有効成分として用いることが出来る。特に、処置剤として使用する
際には、変異ヒトβ−ガラクトシダーゼの安定化及びそれに伴う酵素活性賦活化効果とともに、高いβ−ガラクトシダーゼ阻害活性を有することが公知である上記構造式(2)で表されるカルバ糖アミン誘導体と比較し、酵素活性賦活化効果はより高く、一方、β−ガラクトシダーゼ阻害活性はより低い。したがって、本発明中に示されるコンデュラミンF−4誘導体を有効成分とする処置剤は、β−ガラクトシダーゼ遺伝子の変異に起因する糖脂質代謝異常症に対し、高い治療効果を有し、かつ阻害活性により惹起される副作用をなくす又は低減することが期待される。
上記一般式(1)で表されるコンデュラミンF−4誘導体及びその医薬的に許容される塩の製造は、天然物であり容易に入手可能な(+)−プロト−クエルシトールを出発原料として行うことができる。(+)−プロト−クエルシトールは以下の構造式(3)で表される構造を持ち、当該化合物の炭素番号は以下のように記述される。

(+)−プロト−クエルシトールにおける、1位、2位、3位、4位のヒドロキシル基の保護化、次いで5位のヒドロキシル基の脱離基への変換、5位のE2脱離反応を行い、得られたシクロヘキセン誘導体に対し1位及び2位の保護化ヒドロキシル基の脱保護、得られた1,2−ジオールのエポキシ化、続いてエポキシドに望みのアミンを開環付加させることにより、上記一般式(1)で表されるコンデュラミンF−4誘導体が得られ、さらに適当な酸で処理することにより、その酸付加塩の製造を行うことが可能である。
以下、図2にしたがって、上記一般式(1)で表されるコンデュラミンF−4誘導体及びその医薬的に許容される塩の製造の具体例について説明する。図2においてR、Rは上記の通りであり、Msはメシル(メタンスルホニル)基を表す。
まず、(+)−プロト−クエルシトールの1位、2位、3位、4位のヒドロキシル基の保護化であるが、例えば硫酸や塩酸等の鉱酸、パラ-トルエンスルホン酸やカンファース
ルホン酸などの有機酸等による酸触媒の存在下、反応試剤として、例えばベンズアルデヒド、アルファ,アルファ−ジメトキシトルエン、アセトン、2,2−ジメトキシプロパン
、シクロヘキサノン、1,1−ジメトキシシクロヘキサンなどを用いることが可能である
。好ましい反応試剤の例として2,2−ジメトキシプロパンを用いると、(+)−プロト
−クエルシトールから1,2:3,4−Di−O−イソプロピリデン−(+)−プロト−クエルシトール(図2中、化合物B1)を得ることが出来る。反応終了後は、減圧濃縮、分液操作など一般的な方法により処理し、カラムクロマトグラフィー又は再結晶法等の公知の方法によって精製出来る。
続いて、化合物B1に対し、例えば、ピリジン、トリエチルアミン等の適当な塩基の存在下、塩化メシルを作用させることにより、5位が脱離基となった化合物B2を得ることが可能である。
得られた化合物B2は、適当な嵩高い塩基、例えばジアザビシクロウンデセン、ジアザビシクロノネン等を作用させることにより脱離基部分をE2脱離させ、シクロヘキセン誘導体である化合物B3が得られる。
化合物B3において、適当な酸を用いることにより、トランス配置にある1,2−ジオールのみを選択的に脱保護化出来ることが知られている。例えばメタノール中においてピリジニウム−パラ−トルエンスルホナート等の弱酸を作用させ、化合物B4を得ることが出来る。
化合物B4中の無保護の1,2−ジオールは、マーティン−スルフランと呼称される有機合成試薬を作用させることにより、エポキシドに変換出来ることが公知である(Journal of the American Chemical Society、1974年、96巻、p.4604−4611)。又は、一般に光延反応として知られる有機合成反応条件下に置くことによっても、1,2−ジオールからエポキシドが得られる(Journal of Organic Chemistry、1981年、46巻、p.2381−2383)ので、これらのいずれかを利用して化合物B4を化合物B5に変換することが可能である。
得られた化合物B5を、例えばアセトニトリル等の非プロトン性極性溶媒中において望みのアミンと作用させると、化合物B5中のエポキシドの開環が起こりアミノ付加体である化合物B6を得ることが出来る。
また、化合物B6に、上記で例示した適当な無機酸又は有機酸等の酸性物質、例えば塩酸を作用させることにより、化合物B6中、3位と4位の保護化ヒドロキシル基の脱保護及びアミノ基への酸付加を同時に行うことが可能である。反応終了後は、必要であればカラムクロマトグラフィー又は再結晶法等の公知の方法によって精製することにより、上記一般式(1)で表されるコンデュラミンF−4誘導体の酸付加塩、具体例として化合物A1−A23で表される化合物が得られる。
上記一般式(1)で表されるコンデュラミンF−4誘導体及びその医薬的に許容される塩は、これを有効成分とするβ−ガラクトシダーゼ遺伝子の変異に起因する糖脂質代謝異常症処置剤に用いることが出来る。このような処置剤の有効成分として用いられる上記一般式(1)で表されるコンデュラミンF−4誘導体のうち、特にR及びRのどちらか一方が水素原子で他方が炭素数1〜23のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アシル基、アリール基、又はアラルキル基であり、R、R及びRはそれぞれヒドロキシル基であり、かつ酸付加塩であるものが好ましい。有効成分となる最も好ましい物質の具体例としては、本明細書中の化合物A16が例示される。これらの好ましいコンデュラミンF−4誘導体及びその医薬的に許容される塩は、変異によって低減したβ−ガラクトシダーゼ活性を賦活化する効果が特に顕著である。加えて、β−ガラクトシダーゼ阻害活性は低く、細胞毒性を示さず、また、その他の糖加水分解酵素に対する阻害活性もほとんど示さない。
本発明による処置剤は、上記一般式(1)で表されるコンデュラミンF−4誘導体及びその医薬的に許容される塩を有効量含むものであれば、他の成分を含んでいてもよい。例えば、製剤学的に許容される担体と組み合わせて製造することができる。担体としては特に制限されないが、例えば、医薬に通常用いられる賦形剤、結合剤、崩壊剤、潤沢剤、安定剤、矯味矯臭剤、希釈剤、界面活性剤、注射用溶剤等の担体が挙げられる。
剤形は特に限定されず、治療目的に応じて適宜選択でき、具体的には、錠剤、丸剤、懸濁剤、乳剤、カプセル剤、液剤、シロップ剤、坐剤、注射剤、顆粒剤、散剤、吸入散剤、リポ化剤等を例示できる。
投与経路は特に制限されず、経口投与、経鼻投与、皮下投与などが挙げられる。
本発明による処置剤の投与量は、対象患者の年齢、性別、体重、疾患の程度などによって適宜定められるが、好ましくは、5〜20/体重(kg)/日である。
上記一般式(1)で表されるコンデュラミンF−4誘導体又はその医薬的に許容される塩による正常ヒトβ−ガラクトシダーゼ及びその他の糖加水分解酵素に対する阻害活性は、酵素と基質が存在する溶液中に被検物質を添加し、酵素活性を被検物質無添加の場合と比較することで、その阻害活性を算出することが可能である。
また、上記一般式(1)で表されるコンデュラミンF−4誘導体及びその医薬的に許容される塩による、変異ヒトβ−ガラクトシダーゼを有する細胞の酵素活性賦活化効果は、変異ヒトβ−ガラクトシダーゼを有する細胞に被検物質を添加、その後、細胞を破砕し、酵素活性を被検物質無添加の場合と比較することで算出することが可能である。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。本発明の範囲はこれに限定されるものではない。
<実施例1>
化合物A1−A26の製造
<実施例1−1>(3aS,4R,5aR,8aS,8bS)-2,2,7,7-tetramethylhexahydro[1,3]dioxolo[4,5-e][1,3]benzodioxol-4-ol(化合物B1)の合成

1.50g(9.15mmol)の(+)−プロト−クエルシトールをN、N−ジメチルホルムアミド(45mL)に溶解させ、これに2、2−ジメトキシプロパン(11mL、91mmol)とp−トルエンスルホン酸一水和物(435mg、2.29mmol)を加えた。室温で20時間攪拌した後、炭酸水素ナトリウムを用いて中和した。不溶物をろ過後、ろ液を減圧濃縮し、残渣に水を加え、酢酸エチルで3回抽出した。有機相を濃縮し、これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=3/1)によって精製し、2.00gの化合物B1を得た(90%)。
H−NMR(400MHz/CDOD)δ(ppm):1.34(s,3H),1.38(s,2×3H),1.46(s,3H),1.86(ddd,J=4.8,11.7,12.8Hz,1H),2.07(dddd,J=1.0,3.6,4.8,12.8Hz,1H),3.50(dd,J=8.4,10.0Hz,1H),3.74(ddd,J=4.8,10.0,11.7Hz,1H),4.19−4.27(m,3H)、HR−ESI−MS:267.1202(C1220Na,[M+Na],計算値:267.1203)
<実施例1−2>
(3aR,4R,5aR,8aS,8bR)-2,2,7,7-tetramethylhexahydro[1,3]dioxolo[4,5-e][1,3]benzodioxol-4-yl methanesulfonate(化合物B2)の合成

(+)−プロト−クエルシトールから調製した化合物B1(597mg,2.44mmol)とトリエチルアミン(1.35mL,9.76mmol)を6mLのジクロロメタンに溶解させ、氷浴中で冷却しながら塩化メシル(0.233mL,3.06mmol)/6mLジクロロメタン溶液を加えた。室温に戻しながら2時間攪拌した後、メタノール20mLを加えて反応を停止させた。溶媒を減圧留去し、残渣に水を加え、酢酸エチルで3回抽出した後、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=9/1→4/1)で精製し、762mgの化合物B2を得た(97%)。
H−NMR(400MHz/CDOD)δ(ppm):1.36(s,3H),1.40(s,2×3H),1.50(s,3H),2.13−2.22(m,1H),2.25−2.32(m,1H),3.14(s,3H),3.65(ddd,J=2.4,8.0,10.1Hz,1H),3.77(dddd,J=2.4,6.2,10.4,10.4Hz,1H),4.34−4.38(m,1H),4.43(ddd,J=2.4,6.2,6.2,1H)5.04−5.09(m,1H)、HR−ESI−MS:345.0971(C1322NaS,[M+Na],計算値:345.0978)
<実施例1−3>(3aR,5aS,8aS,8bS)-2,2,7,7-tetramethyl-3a,5a,8a,8b-tetrahydro[1,3]dioxolo[4,5-e][1,3]benzodioxole(化合物B3)の合成

化合物B2を500mg(1.55mmol)取り、7mLのトルエン及び1.18mLのジアザビシクロウンデセン(7.75mmol)を加えた。8時間加熱還流し、室温まで冷却した後、溶媒を減圧濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=95/5)によって精製し、267mgの化合物B3を得た(76%)。
H−NMR(400MHz/CDCl)δ(ppm):1.35(s,3H),1.42(s,3H),1.43(s,3H),1.49(s,3H),3.51(dd,J=9.0,9.0Hz),4.03(br d,J=8.9Hz,1H),4.36(dd,J=7.7,9.2Hz,1H),4.79(br d,J=7.6Hz,1H),5.78(ddd,J=2.6,2.6,9.9Hz,1H),6.16(ddd,J=1.5,1.5,9.9,1H)、HR−ESI−MS:249.1095(C1218Na,[M+Na],計算値:249.1097)
<実施例1−4>(3aR,4S,5R,7aS)-2,2-dimethyl-3a,4,5,7a-tetrahydro-1,3-benzodioxole-4,5-diol(化合物B4)の合成

化合物B3を561mg(2.48mmol)取り、25mLのメタノールに溶解し、氷浴中で冷却しながらピリジニウム−パラ−トルエンスルホナート(62mg,0.25mmol)を加えた。4℃で15時間放置した後、トリエチルアミンで中和し、溶液を減圧濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=1/2)によって精製し、421mgの化合物B4を得た(91%)。
14 MW:186.1(計算値)、H−NMR(400MHz/CDOD)δ(ppm):1.36(s,3H),1.46(s,3H),3.39(dd,J=9.2,9.2Hz,1H),3.92−3.95(m,1H),4.02(dd,J=6.4,9.2Hz,1H),4.63−4.66(m,1H),5.79−5.80(m,2H)、HR−ESI−MS:209.0786(C14Na,[M+Na],計算値:209.0784)
<実施例1−5>(3aS,5aS,6aS,6bS)-2,2-dimethyl-3a,5a,6a,6b-tetrahydrooxireno[e][1,3]benzodioxole(化合物B5)の合成

マーティン−スルフランを用いる方法:化合物B4を669mg(3.59mmol)取り、これを36mLのジクロロメタンに溶解させた。この溶液を攪拌しながら、2.90gのマーティン−スルフラン(4.31mmol)を18mLのジクロロメタンに溶解させた溶液を加えた。室温で30分間攪拌した後、反応溶液を20%水酸化カリウム水溶液で洗浄した。有機相を取り、洗浄後の水酸化カリウム水溶液をさらに50mLのクロロホルムで抽出した有機相と合わせた。無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=9/1)によって精製し、418mgの化合物B5を得た(69%)。
H−NMR(400MHz/CDOD)δ(ppm):1.34(s,3H),1.36(s,3H),3.31−3.33(1H),3.49(dd,J=1.8,3.8Hz,1H),4.39(ddd,J=2.0,2.0,6.8Hz,1H),4.76(ddd,J=1.6,1.6,6.8Hz,1H),5.74(br d,J=10.4,1H)6.05(ddd,J=1.6,4.0,10.4Hz,1H)、HR−ESI−MS:191.0676(C12Na,[M+Na],計算値:191.0679)
光延試薬を用いる方法:化合物B4を895mg(4.81mmol)取り、これを24mLのTHFに溶解し、氷浴中で冷却しながら光延反応試薬アゾジカルボン酸ジイソプロピル(1.89mL,9.62mmol)及びトリフェニルホスフィン(2.52g,9.62mmol)を加えた。室温に戻しながら24時間攪拌した後、再び氷浴中で冷却しながらアゾジカルボン酸ジイソプロピル(0.95mL,4.81mmol)を加えた。溶液を100mLの酢酸エチルで希釈し、水、飽和食塩水で洗浄した。有機相を減圧濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=9/1)によって精製し、477mgの化合物B5を得た(59%)。
<実施例1−6>
化合物A1−A23の合成

化合物B5に所望のアミンを求核付加させB6を製造し、その後塩酸によって処理すると、化合物A1−A23が製造できる。以下に具体例として、化合物A1,A10,A16の製造を例示する。
・化合物A1の合成


化合物B5(211mg,1.26mmol)、n−オクチルアミン(624μL,3.77mmol)、アセトニトリル12mLをガラス製のアンプルに入れ、封管した。60℃に加温しながら2日間静置した後、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=99/1→98/2)によって精製し、目的物が含まれる画分を減圧濃縮した。得られた残渣に1モル塩酸水溶液(10mL)/テトラヒドロフラン(10mL)の混合溶媒を加え、室温で2時間攪拌した。エタノールで共沸させながら溶媒を減圧留去し、374mgの化合物A1を得た(2工程、〜100%)。H−NMR(400MHz/CDOD)δ(ppm):0.89(t,J=7.0Hz,3H),1.29−1.41(m,10H),1.68−1.76(m,2H),3.06−3.14(m,2H),3.60(dd,J=4.0,9.2Hz,1H),3.69(d,J=7.6Hz,1H),3.96(dd,J=7.6,9.4Hz,1H),4.25(dd,J=4.4,4.4Hz,1H),5.83(dd,J=2.2,10.2Hz,1H),6.11(ddd,J=2.2,4.8,10.2Hz,1H)、HR−ESI−MS:258.2060(C1428,[M−Cl],計
算値:258.2064)
・化合物A10の合成

化合物B5(30mg,0.18mmol)、2−エチルブチルアミン(70μL,0.54mmol)、アセトニトリル1.8mLをガラス製のアンプルに入れ、封管した。60℃に加温しながら3日間静置した後、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=99/1→97/3)によって精製し、目的物が含まれる画分を減圧濃縮した。得られた残渣に1モル塩酸水溶液(1.5mL)/テトラヒドロフラン(1.5mL)の混合溶媒を加え、室温で2時間静置した。エタノールで共沸させながら溶媒を減圧留去し、55mgの化合物A10を得た(2工程、〜100%)。
H−NMR(400MHz/CDOD)δ(ppm):0.94(t,J=7.2Hz,6H),1.40−1.50(m,4H),1.67(tt,J=6.4,6.4,1H),3.02(d,J=7.2Hz,2H),3.62(dd,J=4.0,9.2Hz,1H),3.74(d,J=7.6Hz,1H),4.00(dd,J=7.6,9.2Hz,1H),4.26(dd,J=4.4,4.4Hz,1H),5.82(dd,J=2.4,10.0Hz,1H),6.13(ddd,J=2.4,4.4,10.1Hz,1H)、HR−ESI−MS:230.1747(C1224,[M−Cl],計算値:230.1751)
・化合物A16の合成

化合物B5(30mg,0.18mmol)、アミノメチルシクロヘキサン(70μL,0.54mmol)、アセトニトリル1.8mLをガラス製のアンプルに入れ、封管した。60℃に加温しながら2日間静置した後、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=99/1→96/4)によって精製し、目的物が含まれる画分を減圧濃縮した。得られた残渣に1モル塩酸水溶液(1.5mL)/テトラヒドロフラン(1.5mL)の混合溶媒を加え、室温で1時間攪拌した。エタノールで共沸させながら溶媒を減圧留去し、44mgの化合物A16を得た(2工程、88%)。
H−NMR(400MHz/CDOD)δ(ppm):1.00−1.09(m,2H),1.18−1.38(m,3H),1.69−1.86(m,6H),2.95(d,J=7.2Hz,1H),3.61(dd,J=4.0,9.2Hz,1H),3.
71(brd,J=7.6Hz,1H),3.97(dd,J=7.6,9.2Hz,1H),4.26(dd,J=4.4,4.4Hz,1H),5.81(dd,J=2.4,10.0z,1H),6.12(ddd,J=2.0,4.8,10.3Hz,1H)、HR−ESI−MS:242.1748(C1324,[M−Cl],計算値:242.1751)
<実施例2>
正常ヒトβ−ガラクトシダーゼに対するコンデュラミンF−4誘導体A1−A23の阻害活性
試験管内において、正常ヒトβ−ガラクトシダーゼに対する被検物質の阻害活性を測定した。具体的には、10%牛胎児血清(FBS)を含むダルベッコの改変イーグル培地(DMEM、和光純薬製)で培養した正常ヒト線維芽細胞を、リン酸緩衝生理食塩水で洗浄し、0.1%Triton X−100を含む滅菌水0.1mL中に掻き取った。この溶液を遠心分離(6,000rpm、15分、4度)した後、不溶性画分を除いた上清を酵素源として使用した。緩衝液として0.1Mクエン酸緩衝液(pH4.5)を用い、蛍光基質(4−メチルウンベリフェリル−β−D−ガラクトピラノシド、シグマ社製)及び上記の酵素源を混和した溶液を被検物質(コンデュラミンF−4誘導体A1−A23及び対照物質として構造式(2)で表されるカルバ糖アミン誘導体塩酸塩)の存在下又は非存在下で37℃、30分間反応させ、その酵素活性を測定した。阻害活性の評価は、被検物質無添加時の酵素活性を100%とし、被検物質添加によって生じる変化を相対的に算出した。
本発明中に示されるコンデュラミンF−4誘導体A1−A23及び上記構造式(2)で表されるカルバ糖アミン誘導体塩酸塩の正常ヒトβ−ガラクトシダーゼに対する酵素阻害活性測定結果を図3に示す。
図3の阻害曲線より、本発明中に示されるコンデュラミンF−4誘導体A1−A23及び構造式(2)で表されるカルバ糖アミン誘導体塩酸塩の50%阻害濃度(IC50値)を算出した(表1)。
表1より、本発明中に示されるコンデュラミンF−4誘導体の50%阻害濃度は、構造式(2)で表されるカルバ糖アミン誘導体塩酸塩の50%阻害濃度よりも高く、すなわち阻害活性が低減していることが示されている。従って、正常ヒトβ−ガラクトシダーゼに対する本発明中に示されるコンデュラミンF−4誘導体A1−A23の阻害活性は、構造式(2)で表される化合物よりも低減されていることが判明した。また、特に好ましい構造である化合物A16の50%阻害濃度から、構造式(2)で表されるカルバ糖アミン誘導体塩酸塩に対しA16の阻害活性は35倍低減していることが読み取れる。
<実施例3>
変異ヒトβ−ガラクトシダーゼを有する細胞に対するコンデュラミンF−4誘導体A1−A23のβ−ガラクトシダーゼ活性賦活化効果
<実施例3−1>
コンデュラミンF−4誘導体A1−A23存在下での変異ヒトβ−ガラクトシダーゼ(R201C)導入線維芽細胞における、β−ガラクトシダーゼ活性の賦活化
変異ヒトβ−ガラクトシダーゼ(R201C)酵素活性の測定は、β−ガラクトシダーゼ欠損マウス由来不死化線維芽細胞株(Glycoconj J 14(6):729-736.) に、それぞれヒ
ト正常β−ガラクトシダーゼ(GP8)遺伝子及びヒト変異(R201C)β−ガラクトシダーゼ遺伝子を導入したモデル細胞株を用い行った。被検物質(コンデュラミンF−4誘導体A1−A23及び対照物質として構造式(2)で表されるカルバ糖アミン誘導体塩酸塩)を含有又は含有しない培養液(10%FBS DMEM)中でモデル細胞株を4日間培養後、細胞を回収し、細胞抽出液中のβ−ガラクトシダーゼ活性を実施例2記載の方法と同様に測定した。
結果を図4に示す。図4より、被検物質無添加の場合の変異ヒトβ−ガラクトシダーゼ(R201C)導入細胞のβ−ガラクトシダーゼ活性と、被検物質添加時の酵素活性を比較し、被検物質の添加による酵素活性の増強度を算出した(表2)。表2より、多くのコンデュラミンF−4誘導体(被検物質A1,A3,A5,A7,A8,A10,A16,
A17,A20,A23)が変異ヒトβ−ガラクトシダーゼ(R201C)導入細胞のβ
−ガラクトシダーゼ活性を賦活化することが明らかである。
また、図4より構造式(2)で表されるカルバ糖アミン誘導体塩酸塩の変異酵素活性賦活化効果は、2μM添加時に極大となり、より高濃度の20μM添加時には賦活化効果が低下していることが読み取れる。これは濃度が高くなると賦活化効果と共に酵素活性の阻
害効果が大きくなり、見かけ上の賦活化効果が低下してしまうことによると考えられる。
一方、本発明中に示されるコンデュラミンF−4誘導体ではこのような現象は観察されず、濃度依存的に変異酵素活性の賦活化効果は増大した。中でも、コンデュラミンF−4誘導体A1、A3、A7、A8の賦活化効果の極大(20μM添加時)は、構造式(2)で表されるカルバ糖アミン誘導体塩酸塩の賦活化効果の極大(2μM添加時)と同等程度、また、A10、A16の賦活化効果の極大(20μM添加時)は、構造式(2)で表されるカルバ糖アミン誘導体の賦活化効果の極大(2μM添加時)を上回ることが示されている。特に、コンデュラミンF−4誘導体A16は0.2μM添加時、2μM添加時において、構造式(2)で表されるカルバ糖アミン誘導体塩酸と同等程度の賦活化効果を示し、20μM添加時の賦活化効果は、構造式(2)で表されるカルバ糖アミン誘導体塩酸塩(20μM添加時)よりも3.8倍上昇している。
以上より、本発明中に示されるコンデュラミンF−4誘導体は、変異ヒトβ−ガラクトシダーゼを有する細胞のβ−ガラクトシダーゼ活性を賦活化する効果を示すことから、β−ガラクトシダーゼ遺伝子の変異に起因する糖脂質代謝異常症の処置剤として有用であることが示されている。また、コンデュラミンF−4誘導体A16は、構造式(2)で表されるカルバ糖アミン誘導体塩酸塩と比較して酵素阻害活性が低減され、かつ、より高い変異酵素活性賦活化効果を示したことから、β−ガラクトシダーゼ遺伝子の変異に起因する糖脂質代謝異常症処置剤の有効成分として特に好ましい。
<実施例3−2>
コンデュラミンF−4誘導体(被検物質A16)存在下での、変異ヒトβ−ガラクトシダーゼ(R457Q)導入線維芽細胞における、変異ヒトβ−ガラクトシダーゼ活性の賦活

上記の実施例で用いた変異ヒトβ−ガラクトシダーゼ(R201C)は、201番目のアミノ酸が正常型のアルギニンからシステインに変異したものであり、若年型GM1ガングリオシドーシスを引き起こすことが知られている(特許文献1参照)。この他のアミノ酸が変異した変異ヒトβ−ガラクトシダーゼ(R457Q)に対する、コンデュラミンF−4誘導体(被検物質としてA16)の賦活化効果を測定した。なお、R457Qの変異は成人型GM1ガングリオシドーシスの病因となる(特許文献1参照)。
本実施例に係る変異ヒトβ−ガラクトシダーゼ賦活化効果の測定は、β−ガラクトシダーゼ欠損マウス由来不死化線維芽細胞株に、それぞれヒト正常β−ガラクトシダーゼ(GP8)遺伝子及び変異(R457Q)β−ガラクトシダーゼ遺伝子を導入したモデル細胞株を用い行った。実施例3−1と同様、モデル細胞株をそれぞれ被検物質であるコンデュラミンF−4誘導体A16の存在下又は非存在下で4日間培養後、細胞を回収し、細胞抽出液中の酵素活性を測定した。結果を表3に示す。
表3より、コンデュラミンF−4誘導体(被検物質A16)の添加によって変異ヒトβ−ガラクトシダーゼ(R457Q)の酵素活性は4.9倍上昇され、有意な賦活化効果を示した。このように、本発明中に示されるコンデュラミンF−4誘導体は、前述のR201C以外の変異ヒトβ−ガラクトシダーゼを有する細胞のβ−ガラクトシダーゼ活性も賦活化する効果を有する。
<実施例4>
コンデュラミンF−4誘導体による正常ヒトβ−ガラクトシダーゼの熱安定化効果
試験管内において、コンデュラミンF−4誘導体(被検物質A16)による正常ヒトβ−ガラクトシダーゼの熱安定化の評価を行った。具体的には、実施例2記載の方法と同様に、正常ヒト線維芽細胞由来細胞抽出液を酵素源とし、0.1Mクエン酸緩衝液(pH7)中、被検物質の存在下又は非存在下で48℃に加温し、その後、蛍光基質を加え37℃、30分間の酵素活性を測定した。酵素活性の評価は非加温時の酵素活性を100%として算出した。結果を図5−1、図5−2に示す。まず、図5−1に示したように、試験管内で48℃加温すると、正常ヒトβ−ガラクトシダーゼ活性は、20分間の加温で非加温時の約20%まで低下した。一方、0.2又は2μMのコンデュラミンF−4誘導体(被検物質A16)の存在下、無添加時と同様の条件で20分間加温した後、酵素活性を測定した結果、0.2μM添加時では、無添加時の1.5倍に酵素活性が上昇し、2μM添加時では、無添加時の2.6倍に酵素活性が上昇しており、有意な熱安定化作用を認めた。したがって、本発明中に示されるコンデュラミンF−4誘導体は、ヒトβ−ガラクトシダーゼを安定化させる効果を有することが明らかとなった。
<実施例5>
コンデュラミンF−4誘導体の細胞毒性
高い酵素活性増強効果を示したコンデュラミンF−4誘導体のうち、例として被検物質A1,A3,A5,A7,A8,A10,A16,A20の細胞毒性を評価した。具体的には、実施例3−1に示した、β−ガラクトシダーゼ欠損マウス由来不死化線維芽細胞株
にヒト正常(GP8)β−ガラクトシダーゼを導入したモデル細胞を被検物質の存在下又は非存在下で1日間培養後、細胞毒性測定キット(LDH−細胞毒性テストワコー、和光純薬製)を用い、培養上清中の乳酸脱水素酵素の活性を測定した。細胞死の割合は、0.1% Triton X−100で処理した細胞の乳酸脱水素酵素活性を死細胞100%とし、割合を算出した。結果を図6に示す。酵素活性増強効果試験で用いた投与量(20μM)において、被検物質に顕著な細胞毒性は認められなかった。また、その10培量(200μM)投与時においても、被検物質A1が若干の毒性を示した以外、その他の被検物質については顕著な毒性は見られなかった。
<実施例6>
正常ヒトα−ガラクトシダーゼ、正常ヒトβ−グルコシダーゼ、正常ヒトヘキソサミニダーゼに対するコンデュラミンF−4誘導体(被検物質A16)の阻害活性
試験管内において、ヒトβ−ガラクトシダーゼ以外のヒト糖加水分解酵素、すなわち正常ヒトα−ガラクトシダーゼ、正常ヒトβ−グルコシダーゼ、正常ヒトヘキソサミニダーゼに対するコンデュラミンF−4誘導体(被検物質A16)の阻害活性を測定した。具体的には、実施例2記載の方法と同様に調製した培養正常ヒト線維芽細胞由来細胞抽出液を酵素源に用い、蛍光基質として、α-ガラクトシダーゼ測定に対しては4−メチルウンベ
リフェリル−α−D−ガラクトピラノシド(シグマ社製)、β−グルコシダーゼ測定に対しては4−メチルウンベリフェリル−β−D−グルコピラノシド(シグマ社製)、ヘキソサミニダーゼ測定に対しては4−メチルウンベリフェリル−N−アセチル−β−D−グルコサミニド(シグマ社製)を使用し、被検物質A16の存在下又は非存在下、37℃、30分間の酵素活性を測定した。阻害活性の評価は、被検物質無添加時の酵素活性を100%とし、被検物質添加によって生じる変化を相対的に評価した。
結果を図7に示す。コンデュラミンF−4誘導体(被検物質A16)は、正常ヒトα−ガラクトシダーゼ、正常ヒトβ−グルコシダーゼ、正常ヒトヘキソサミニダーゼのいずれにも顕著な阻害活性を示さなかった。したがって、本発明中に示されるコンデュラミンF−4誘導体はヒトβ−ガラクトシダーゼに選択的に作用し、その他のヒト糖加水分解酵素には作用しないことが示された。

Claims (6)

  1. 下記一般式(1)で表されるコンデュラミンF−4誘導体またはその医薬的に許容される塩を有効成分とするβ−ガラクトシダーゼ遺伝子の変異に起因する糖脂質代謝異常症の処置剤。

    式中、R、Rはそれぞれ独立に水素原子又はアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アシル基、アリール基、又はアラルキル基を表す。また、R及びRはそれぞれが結合している窒素原子と一緒になって非芳香環あるいは芳香環を形成してもよい。ただし、R及びRは双方が同時に水素原子であることはない。R、R及びRはそれぞれ独立にヒドロキシル基又はアルキル基、アシル基、シリル基、アラルキル基、アルコキシアルキル基、アラルキルオキシアルキル基から選択される置換基を有するヒドロキシル基である。また、RとRは一緒になって、アセタール基を形成してもよい。
  2. 下記一般式(1−a)で表されるコンデュラミンF−4誘導体またはその医薬的に許容される塩を有効成分とするβ−ガラクトシダーゼ遺伝子の変異に起因する糖脂質代謝異常症の処置剤。

    式中、R及びRのどちらか一方は水素原子であり、他方が炭素数1〜23のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アシル基、アリール基、又はアラルキル基を表す。
  3. 下記一般式(1−b)で表されるコンデュラミンF−4誘導体またはその医薬的に許容される塩を有効成分とするβ−ガラクトシダーゼ遺伝子の変異に起因する糖脂質代謝異常症の処置剤。

    式中、Rは炭素数1〜22のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アシル基、アリール基、又はアラルキル基を表す。
  4. β−ガラクトシダーゼ遺伝子の変異に起因する糖脂質代謝異常症がGM1ガングリオシド
    ーシス、セラミドラクトリピドーシス、モルキオB病またはクラッベ病である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の処置剤。
  5. β−ガラクトシダーゼ遺伝子の変異が、ヒトβ−ガラクトシダーゼの201位のアルギニンをシステインに置換する変異および/または457位のアルギニンをグルタミンに置換する変異である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の処置剤。
  6. β−ガラクトシダーゼ遺伝子の変異に起因する糖脂質代謝異常症の処置剤を調製するための、上記一般式(1)、(1−a)および(1−b)の何れかの式で表されるコンデュラミンF−4誘導体またはその医薬的に許容される塩の使用。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2003022797A1 (fr) * 2001-09-07 2003-03-20 Seikagaku Corporation Derives de carba-sucres amine et traitements du trouble du metabolisme des glycolipides les contenant en tant qu'ingredient actif
JP2013216598A (ja) * 2012-04-06 2013-10-24 Hokko Chem Ind Co Ltd グリコシダーゼを阻害するコンデュラミンf−4誘導体、酸付加塩およびそれらの製造方法

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脳と発達, vol. Vol.42, JPN7018001716, 2010, pages 134 - 137 *

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