JP2013216019A - 記録媒体 - Google Patents

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斉 永島
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Abstract

【課題】 得られる画像の白抜けが十分に抑制された記録媒体を提供する。
【解決手段】 両面がポリオレフィン樹脂で被覆された支持体及びインク受容層をこの順に有する記録媒体において、前記記録媒体の前記インク受容層の表面の算術平均粗さRaが0.6μm以上4.0μm以下であり、前記記録媒体の前記インク受容層側でない表面の算術平均粗さRaが0.3μm以下であることを特徴とする記録媒体。
【選択図】 なし

Description

本発明は、記録媒体に関する。
記録媒体に用いられる支持体として、両面が樹脂で被覆されているタイプの支持体が検討されている。このタイプの支持体は、両面が樹脂で被覆されていることにより、インク中の液体成分が支持体に吸収されることによって発生する皺などの課題が起きにくいことが知られている。支持体を被覆する樹脂としては、得られる画像が銀塩写真のような面質を示すことから、ポリオレフィン樹脂が用いられることが多い。中でも、支持体をポリオレフィン樹脂で被覆した後に、凹凸を有するロールなどを押し付けることによって、様々な面質の記録媒体を得ることが検討されている(特許文献1及び2)。
特許文献1には、ポリオレフィン樹脂で被覆された支持体の、インク受容層側の表面の中心線平均粗さが0.8μm〜4.0μmであり、60度鏡面光沢度が10%〜30%である記録媒体が記載されている。特許文献2には、ポリオレフィン樹脂で被覆された支持体の、インク受容層側の表面の中心線平均粗さが2.5μm以上であり、十点平均粗さ(Rz)がRaの4倍〜7倍である記録媒体が記載されている。
特開2000−355160号公報 特開2005−246836号公報
しかしながら、本発明者らの検討によると、画像記録装置に、特許文献1及び2に記載されたような記録媒体を複数枚重ね合わせて積載し、記録を開始すると、搬送される際に、上に重ねられた記録媒体の裏面と擦れて、下の記録媒体のインク受容層に上の記録媒体の裏面のポリオレフィン樹脂が付着し、インクの吸収性に影響を与えることが分かった。具体的には、画像の白抜けが観察された。
したがって、本発明の目的は、複数枚重ね合わせて積載し搬送しても、得られる画像の白抜けが十分に抑制された記録媒体を提供することにある。
上記の目的は以下の本発明によって達成される。即ち、本発明にかかる記録媒体は、両面がポリオレフィン樹脂で被覆された支持体及びインク受容層をこの順に有し、前記記録媒体の前記インク受容層の表面の算術平均粗さRaが0.6μm以上4.0μm以下であり、前記記録媒体の前記インク受容層側でない表面の算術平均粗さRaが0.3μm以下であることを特徴とする。
本発明によれば、得られる画像の白抜けが十分に抑制された記録媒体を提供することができる。
以下、好適な実施の形態を挙げて、本発明を詳細に説明する。
本発明者らが検討したところ、両面がポリオレフィン樹脂で被覆された支持体及びインク受容層をこの順に有する記録媒体のインク受容層側の表面の算術平均粗さRaが0.6μm以上4.0μm以下であり、記録媒体の前記インク受容層側でない表面の算術平均粗さRaが0.3μm以下であることで、重ね合わせて搬送した際に、画像の白抜けが十分に抑制された画像が得られることが分かった。
本発明において、表面の算術平均粗さRaは、JIS B 0601:2001で規定される値である。記録媒体のインク受容層側の表面の算術平均粗さRaが0.6μmより小さいと、所望の半光沢面が得られない。Raが4.0μmより大きい、又は、Raが0.3μmより大きいと、画像の白抜けが発生しやすい。
本発明において、インク受容層の表面の算術平均粗さRaは、0.6μm以上2.5μm以下であることが好ましい。また、記録媒体の前記インク受容層側でない表面の算術平均粗さRaは0.2μm以下であることが好ましい。
以上のメカニズムのように、各構成が相乗的に効果を及ぼし合うことによって、本発明の効果を達成することが可能となる。
[記録媒体]
本発明の記録媒体は、支持体の方面にインク受容層を有する。本発明の記録媒体は、支持体の片面にインク受容層を有する。本発明においては、インクジェット記録方法に用いるインクジェット用記録媒体であることが好ましい。以下、本発明の記録媒体を構成する各成分について、それぞれ説明する。
<支持体>
本発明において、記録媒体の支持体は、両面がポリオレフィン樹脂で被覆されている。したがって、本発明において、支持体は基材とポリオレフィン樹脂層から構成される。
(基材)
基材としては、紙基材が挙げられる。紙基材は、木材パルプを主原料とし、必要に応じてポリプロピレンなどの合成パルプや、ナイロンやポリエステルなどの合成繊維を加えて抄紙される。木材パルプとしてはLBKP、LBSP、NBKP、NBSP、LDP、NDP、LUKP、NUKPなどが挙げられる。これらは、必要に応じて1種又は2種以上を用いることができる。木材パルプの中でも短繊維成分の多いLBKP、NBSP、LBSP、NDP、LDPを用いることが好ましい。パルプとしては、不純物の少ない化学パルプ(硫酸塩パルプや亜硫酸塩パルプ)が好ましい。また、漂白処理を行って白色度を向上させたパルプも好ましい。紙基材中には、サイズ剤、白色顔料、紙力増強剤、蛍光増白剤、水分保持剤、分散剤、柔軟化剤などを適宜添加してもよい。
紙基材の坪量は50g/m以上250g/m以下が好ましく、更には、70g/m以上200g/m以下がより好ましい。紙基材の厚さは50μm以上210μm以下が好ましい。紙基材は抄紙段階や抄紙後にカレンダー処理して平滑性を高めてもよい。JIS P 8118で規定される紙密度は0.7g/m以上1.2g/m以下であることが好ましい。また、JIS P 8143で規定される原紙剛度は、20g以上200g以下であることが好ましい。JIS P 8113で規定される紙基材のpHは、5以上9以下であることが好ましい。
(ポリオレフィン樹脂)
本発明において、ポリオレフィン樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイソブチレン、エチレンやプロピレンを構成モノマーとして含む共重合体などが挙げられる。これらのポリオレフィン樹脂は、必要に応じて1種又は2種以上を用いることができる。中でも、ポリエチレンを用いることが好ましい。ポリエチレンとしては、低密度のポリエチレン(LDPE)や高密度のポリエチレン(HDPE)を用いることが好ましい。
支持体の両面に被覆されるポリオレフィン樹脂の厚さは、片方の面の厚さが10μm以上40μm以下であることが好ましい。更には、20μm以上40μm以下であることがより好ましい。20μm以上とすることで、様々な面質の記録媒体を得るために、凹凸を有するロールで押し付ける際に、必要な凹凸を効果的に得ることができる。
支持体の前記インク受容層側に被覆されるポリオレフィン樹脂としては、酸化チタンを添加し、不透明度および白色度を改良したものを用いることが好ましい。その場合、酸化チタンの含有量はポリオレフィンに対して3質量%以上20質量%であることが好ましい。酸化チタンとしては、ルチル型やアナターゼ型のものが好ましい。
また、ポリオレフィン樹脂層には、白地の調整や耐熱性の向上の観点から顔料や、蛍光増白剤を含有してもよい。顔料としては、群青、紺青、コバルトブルー、フタロシアニンブルー、マンガンブルー、セルリアンブルー、タングステンブルー、モリブデンブルー、アンスラキノンブルーなどが挙げられる。蛍光増白剤としては、ジアルキルアミノクマリン、ビスジメチルアミノスチルベン、ビスメチルアミノスチルベン、4−アルコキシ−1、8−ナフタレンジカルボン酸−N−アルキルイミド、ビスベンズオキサゾリルエチレン、ジアルキルスチルベンなどが挙げられる。
<インク受容層>
本発明において、インク受容層は支持体の片面に形成される。インク受容層に含有することができる材料について、それぞれ説明する。
(無機粒子)
本発明において、インク受容層は無機粒子を含有することが好ましい。無機粒子としては、平均一次粒子径が、1nm以上であることが好ましい。また、平均一次粒子径が1μm以下であることが好ましく、30nm以下であることがより好ましい。更には、平均一次粒子径が3nm以上10nm以下であることが好ましい。本発明において、無機粒子の平均一次粒子径は、電子顕微鏡によって観察したときの無機粒子の一次粒子の投影面積と等しい面積を有する円の直径の数平均粒子径である。このとき少なくとも100点以上で測定を行う。
本発明において、インク受容層中に占める、無機粒子の含有量(質量%)は、50質量%以上98質量%以下であることが好ましく、更には、70質量%以上96質量%以下であることがより好ましい。
本発明において、インク受容層を形成する際に塗布する無機粒子の塗布量(g/m)は、8g/m以上45g/m以下であることが好ましい。上記範囲とすることで、好ましいインク受容層の膜厚となりやすい。
本発明に用いる無機粒子としては、例えば、アルミナ水和物、アルミナ、シリカ、コロイダルシリカ、二酸化チタン、ゼオライト、カオリン、タルク、ハイドロタルサイト、酸化亜鉛、水酸化亜鉛、珪酸アルミニウム、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、酸化ジルコニウム、水酸化ジルコニウムなどが挙げられる。これらの無機粒子は、必要に応じて1種又は2種以上を用いることができる。上記無機粒子の中でも、インクの吸収性が高い多孔質構造を形成することができるアルミナ水和物やシリカを用いることが好ましい。
インク受容層に用いるアルミナ水和物は、下記一般式(X)により表されるものを好適に用いることができる。
一般式(X):Al3−n(OH)2n・mH
(一般式(X)中、nは0、1、2、又は3を表し、mは0以上10以下、好ましくは0以上5以下の数を表す。mHOは、多くの場合、結晶格子の形成に関与しない脱離可能な水相を表すものであるため、mは整数でない値をとることができる。また、アルミナ水和物を加熱するとmは0の値をとり得る。ただし、mとnは同時に0にはならない。)
本発明においてアルミナ水和物は、公知の方法で製造することができる。具体的には、アルミニウムアルコキシドを加水分解する方法、アルミン酸ナトリウムを加水分解する方法、アルミン酸ナトリウムの水溶液に、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウムの水溶液を加えて中和する方法などが挙げられる。
アルミナ水和物の結晶構造としては、熱処理する温度に応じて、非晶質、キブサイト型、ベーマイト型が知られており、これらのうち何れの結晶構造のものも使用可能である。本発明においては、これらの中でも、X線回折法による分析でベーマイト構造又は非晶質を示すものが好ましい。具体例としては、特開平7−232473号公報、特開平8−132731号公報、特開平9−66664号公報、特開平9−76628号公報などに記載されたアルミナ水和物や、市販品としてはDisperal HP14(サソール製)及びDisperal HP18(サソール製)などを挙げることができる。これらのアルミナ水和物は、必要に応じて1種又は2種以上を用いることができる。
また、本発明において、アルミナ水和物のBET法で求められる比表面積が100m/g以上200m/g以下であることが好ましく、125m/g以上175m/g以下であることがより好ましい。BET法とは、気相吸着法による粉体の表面積測定法の一種であり、吸着等温線から1gの試料のもつ総表面積、即ち比表面積を求める方法である。通常吸着気体としては、窒素ガスが多く用いられ、吸着量を被吸着気体の圧、又は容積の変化から測定する方法が最も多く用いられている。多分子吸着の等温線を表すのに最も著名なものは、Brunauer、Emmett、Tellerの式であってBET式と呼ばれ比表面積決定に広く用いられている。BET式に基づいて吸着量を求め、吸着分子1個が表面で占める面積をかけて、比表面積が得られる。BET法では、窒素吸着脱離法の測定において、ある相対圧力における吸着量の関係を数点測定し、最小二乗法によりそのプロットの傾き、切片を求めることで比表面積を導き出す。このため、測定の精度を上げるためには、相対圧力と吸着量の関係は少なくとも5点測定しておくことが好ましく、より好ましくは10点以上である。
(シリカ)
インク受容層に用いるシリカは、通常その製造法により湿式法と乾式法(気相法)に大別される。湿式法としては、ケイ酸塩の酸分解により活性シリカを生成し、これを適度に重合させ凝集沈降させて含水シリカを得る方法が知られている。一方、乾式法(気相法)としては、ハロゲン化珪素の高温気相加水分解による方法(火炎加水分解法)、ケイ砂とコークスとを電気炉中でアークによって加熱還元気化し、これを空気で酸化する方法(アーク法)によって無水シリカを得る方法が知られている。本発明においては、乾式法(気相法)により得られるシリカ(以下、「気相法シリカ」ともいう)を用いることが好ましい。これは、気相法シリカは、比表面積が特に大きいので、インクの吸収性、保持の効率が特に高く、また、屈折率が低いので、受容層に透明性を付与でき、良好な発色性が得られるためである。具体的に、気相法シリカとしては、アエロジル(日本アエロジル製)、レオロシールQSタイプ(トクヤマ製)などが挙げられる。
本発明において、気相法シリカのBET法による比表面積は50m/g以上400m/g以下であることが好ましく、200m/g以上350m/g以下であることがより好ましい。
本発明において、気相法シリカは、カチオン性分散剤によって分散されている状態で、インク受容層用の塗工液に用いられることが好ましい。分散状態での気相法シリカの粒子径は、画像の発色性の観点から、500nm以下であることが好ましく、200nm以下であることがより好ましい。分散状態での気相法シリカの粒子径は、動的光散乱法により測定することができる。
(バインダー)
本発明において、インク受容層にはバインダーを含有することが好ましい。バインダーとしては、上記無機微粒子を結着し、被膜を形成する能力のある材料であって、かつ、本発明の効果を損なわないものであれば、特に制限なく利用することができる。
バインダーとしては例えば、酸化澱粉、エーテル化澱粉、リン酸エステル化澱粉などの澱粉誘導体;カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースなどのセルロース誘導体;カゼイン、ゼラチン、大豆蛋白及びポリビニルアルコール(PVA)並びにその誘導体;各種重合体として、ポリビニルピロリドン、無水マレイン酸樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体などの共役重合体ラテックス;アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルの重合体などのアクリル系重合体ラテックス;エチレン−酢酸ビニル共重合体などのビニル系重合体ラテックス;上記の各種重合体のカルボキシル基などの官能基含有単量体による官能基変性重合体ラテックス;カチオン基を用いて上記各種重合体をカチオン化したもの、カチオン性界面活性剤を用いて上記各種重合体の表面をカチオン化したもの;カチオン性ポリビニルアルコール下で上記各種重合体を重合し、重合体の表面にポリビニルアルコールを分布させたもの;カチオン性コロイド粒子の懸濁分散液中で上記各種重合体の重合を行い、重合体の表面にカチオン性コロイド粒子を分布させたもの;メラミン樹脂、尿素樹脂などの熱硬化合成樹脂などの水性バインダー;ポリメチルメタクリレートなどのメタクリル酸エステルやアクリル酸エステルの重合体及び共重合体樹脂;ポリウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニルコポリマー、ポリビニルブチラール、アルキッド樹脂などの合成樹脂系バインダーなどが挙げられる。これらのバインダーは、必要に応じて1種又は2種以上を用いることができる。
上記したバインダーの中でも、ポリビニルアルコール(PVA)及びポリビニルアルコール誘導体を用いることが好ましい。ポリビニルアルコール誘導体としては、カチオン変性ポリビニルアルコール、アニオン変性ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタールなどが挙げられる。PVAは例えば、ポリ酢酸ビニルを加水分解(けん化)して合成することができる。PVAのけん化度としては、70mol%以上100mol%以下が好ましい。尚、けん化度とは、ポリ酢酸ビニルをけん化してポリビニルアルコールを得た際の、けん化反応によって生じた水酸基のモル数の割合であり、JIS−K6726の方法で測定した値である。また、PVAの平均重合度は、1,500以上5,000以下が好ましい。尚、ここでいう平均重合度とはJIS−K6726の方法で求めた平均重合度のことをいう。
本発明においては、記録媒体のインク受容層に占める、無機微粒子の含有量が、バインダーの含有量に対して、質量比率で3倍以上20倍以下であることが好ましい。
(架橋剤)
本発明において、インク受容層は、架橋剤を含有することができる。架橋剤としては、例えば、アルデヒド系化合物、メラミン系化合物、イソシアネート系化合物、ジルコニウム系化合物、アミド系化合物、アルミニウム系化合物、ホウ酸、及びホウ酸塩などが挙げられる。これらの架橋剤は、必要に応じて1種又は2種以上を用いることができる。特にバインダーとしてPVAを用いる場合は、上記した架橋剤の中でも、インク受容層のクラックの発生を抑制する効果の大きい、ホウ酸及びホウ酸塩を用いることが好ましい。
ホウ酸としては、オルトホウ酸(HBO)、メタホウ酸、ジホウ酸などが挙げられる。ホウ酸塩としては、上記ホウ酸の水溶性の塩であることが好ましい。例えば、ホウ酸のナトリウム塩やカリウム塩などのホウ酸のアルカリ金属塩;ホウ酸のマグネシウム塩やカルシウム塩などのホウ酸のアルカリ土類金属塩;ホウ酸のアンモニウム塩などが挙げられる。これらの中でも、オルトホウ酸を用いることが、塗工液の経時安定性とクラックの発生を抑制する効果の点から好ましい。
架橋剤の使用量は、製造条件などに応じて適宜選択することができるが、インク受容層中のバインダーの含有量に対して、0.2当量以上1.2当量以下の範囲で用いることが好ましい。尚、上記「当量」については、バインダーが有する架橋基(PVAの場合は、ヒドロキシル基)の量と理論上、完全に反応する架橋剤の量を1.0当量とする。上記範囲とすることによって、塗工液の経時安定性を特に向上させることができ、更にインク受容層のクラックの発生を効率的に抑制することができる。
(pH調整剤)
本発明において、インク受容層は、pH調整剤を含有することができる。pH調整剤としては、有機酸や無機酸が挙げられる。有機酸としては、ギ酸、酢酸、グリコール酸、シュウ酸、プロピオン酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、マレイン酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、グルタル酸、グルコン酸、乳酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、ピメリン酸、スベリン酸、メタンスルホン酸などが挙げられる。無機酸としては、塩酸、硝酸、リン酸などが挙げられる。中でも、無機粒子としてアルミナ水和物を用いる場合は、アルミナ水和物の分散安定性を向上させるために1価の酸を用いることが好ましい。具体的には、上記pH調整剤の中でも、ギ酸、酢酸、グリコール酸、メタンスルホン酸、塩酸、硝酸を用いることが好ましい。
(その他の添加剤)
本発明において、インク受容層は、これまで述べてきた材料以外のその他の材料を含有してもよい。その他の添加剤としては、増粘剤、流動性改良剤、消泡剤、抑泡剤、界面活性剤、離型剤、浸透剤、着色顔料、着色染料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防黴剤、耐水化剤、染料定着剤、硬化剤、耐候材料などが挙げられる。
[記録媒体の製造方法]
本発明において、記録媒体を製造する方法は、特に限定されないが、インク受容層用の塗工液を支持体に塗工する工程を有する記録媒体の製造方法が好ましい。以下、記録媒体の製造方法について説明する。
<支持体の作製方法>
本発明の記録媒体において、支持体の作製方法としては、一般的に用いられている紙の作製方法を適用することができる。抄紙装置としては、例えば長網抄紙機、丸網抄紙機、円胴、ツインワイヤーなどが挙げられる。ポリオレフィン樹脂を被覆する方法としては、基材の両面に溶融したポリオレフィン樹脂を押し出しコーティングする方法が挙げられる。更に、両面がポリオレフィン樹脂で被覆された支持体を、凹凸を有するロールなどを押し付けることによって、所望の表面粗さの凹凸模様をつけることができる。この凹凸模様をつける方法としては、樹脂をコーティングした後に、エンボシングカレンダー処理をする方法と、樹脂のコーティング時に、表面に凹凸を有するクーリングロールを押しつけながら冷却する方法などが挙げられる。後者の方法の方が、より正確で均質な凹凸模様を弱い圧力でつけることができるため好ましい。
<インク受容層の形成方法>
本発明の記録媒体において、支持体の片面にインク受容層を形成する方法としては、例えば以下の方法を挙げることができる。まず、無機粒子、ポリビニルアルコール、架橋剤、pH調整剤、その他の添加剤、及び水を混合した塗工液を調製する。そして、支持体の片面に塗工液を塗工及び乾燥することで、本発明の記録媒体を得ることができる。塗工液の塗工方法としては、カーテンコーター、エクストルージョン方式を用いたコーター、スライドホッパー方式を用いたコーターなどを用いることができる。尚、塗工時に、塗工液を加温してもよい。また、塗工後の乾燥方法としては、直線トンネル乾燥機、アーチドライヤー、エアループドライヤー、サインカーブエアフロートドライヤーなどの熱風乾燥機を使用する方法や、赤外線、加熱ドライヤー、マイクロ波などを利用した乾燥機を使用する方法などが挙げられる。
以下、実施例及び比較例を用いて本発明を更に詳細に説明する。本発明は、その要旨を超えない限り、下記の実施例によって何ら限定されるものではない。尚、以下の実施例の記載において、「部」とあるのは特に断りのない限り質量基準である。
<インク受容層用塗工液の調製>
(インク受容層用塗工液Aの調製)
純水中に、アルミナ水和物 Disperal HP14(商品名、サソール社製)を固形分の含有量が30質量%となるように添加した。次に、メタンスルホン酸を、アルミナ水和物100部に対して1.5部となるように加えて攪拌し、コロイダルゾルを得た。得られたコロイダルゾルをアルミナ水和物の固形分の含有量が27質量%となるように適宜、純水で希釈してコロイダルゾルAを得た。一方、ポリビニルアルコール PVA235(クラレ製、重合度:3,500、けん化度:88mol%)をイオン交換水中に溶解させ、固形分の含有量が8質量%のPVA水溶液を得た。そして、上記で調製したコロイダルゾルAにPVA水溶液を、PVAの固形分の含有量がアルミナ水和物の固形分の含有量に対して10質量%[(PVAの固形分の含有量)/(アルミナ水和物の固形分の含有量)×100=10質量%]となるように混合した。次に、3質量%のホウ酸水溶液を、ホウ酸の固形分の含有量がアルミナ水和物の固形分の含有量に対して2質量%[(ホウ酸の固形分の含有量)/(アルミナ水和物の固形分の含有量)×100=2質量%]となるように混合して、インク受容層用塗工液Aを得た。
(インク受容層用塗工液Bの調製)
純水中に、シリカ アエロジルA300(日本アエロジル製)100部、カチオンポリマー シャロールDC902P(第一工業製薬製)4部を加え、シリカの固形分の含有量が18質量%となるように適宜、純水で希釈して、高圧ホモジナイザーで分散してコロイダルゾルBを得た。一方、ポリビニルアルコール PVA235(クラレ製、重合度:3,500、けん化度:88mol%)をイオン交換水中に溶解させ、固形分の含有量が8質量%のPVA水溶液を得た。そして、上記で調製したコロイダルゾルBにPVA水溶液を、PVAの固形分の含有量がシリカの固形分の含有量に対して20質量%[(PVAの固形分の含有量)/(シリカの固形分の含有量)×100=20質量%]となるように混合した。次に、3質量%のホウ酸水溶液を、ホウ酸の固形分の含有量がアルミナ水和物の固形分の含有量に対して3.5質量%[(ホウ酸の固形分の含有量)/(アルミナ水和物の固形分の含有量)×100=3.5質量%]となるように混合して、インク受容層用塗工液Bを得た。
<記録媒体の作製>
軽質炭酸カルシウム20部を、広葉樹晒クラフトパルプ100部のスラリー中に添加し、カチオン澱粉2部、無水アルケニルコハク酸系中性サイズ剤0.3部を添加し、十分に混合して抄紙原料とし、長網多筒式抄紙機を用いて水分を10%まで乾燥させ、サイズプレスで酸化澱粉の7%溶液を両面で4g/m塗布、乾燥し、水分7%まで乾燥させて坪量110g/mの基材を作製した。得られた基材の両面に高密度ポリエチレン70部と低密度ポリエチレン20部からなる、樹脂組成物を30g/mの塗工量となるように溶融押し出し塗布し、その直後に、表面に所望の凹凸を有するクーリングロールを押しつけながら冷却し、両面がポリオレフィン樹脂で被覆された支持体を得た。このとき、所望の算術平均粗さRaを有するクーリングロールを用いることにより、支持体の両面のRaを調整した。更に、得られた支持体に、上記で調製したインク受容層用塗工液A又はBを塗工量が30g/mとなるように塗工し、60℃で乾燥させて、各記録媒体を作製した。使用したインク受容層用塗工液の種類(A又はB)、得られた記録媒体のインク受容層の表面のRa、得られた記録媒体のインク受容層側でない表面のRaを表1に示した。尚、記録媒体の表面の算術平均粗さ(Ra、Ra)は、JIS B 0601:2001に準じて、表面粗さ測定機Surfcorder SE3500(小坂研究所製)を用いて測定した。
<画像の白抜けの抑制効果の評価>
温度:23℃、相対湿度:50%の環境下で、インクカートリッジBCI−321(キヤノン製)を装着したインクジェット記録装置PIXUS MP990(キヤノン製)上記で得られた各記録媒体を10枚積載し、光沢ゴールドモード(標準設定、色/濃度:マッチングなし)にて、A4サイズのパッチにPhotoShop7.0のRGBモードで、(R,G,B)=(0,0,0)で塗りつぶした画像を記録した。10枚連続で上記画像を記録した後、10枚目の画像を目視で観察することで、画像の白抜けの抑制効果を評価した。評価基準は以下の通りである。本発明においては下記の評価基準において、A〜Bを好ましいレベルとし、C及びDを許容できないレベルとした。評価結果を表1に示す。
A:画像の白抜けが観察されなかった
B:画像の一部に白抜けが僅かに観察された
C:画像の一部ではあるが、白抜けがはっきりと観察された
D:画像の全面に、白抜けがはっきりと確認された。

Claims (2)

  1. 両面がポリオレフィン樹脂で被覆された支持体及びインク受容層をこの順に有する記録媒体において、
    前記記録媒体の前記インク受容層側の表面のJIS B 0601:2001で規定される算術平均粗さが0.6μm以上4.0μm以下であり、
    前記記録媒体の前記インク受容層側でない表面のJIS B 0601:2001で規定される算術平均粗さが0.3μm以下であることを特徴とする記録媒体。
  2. 前記支持体の両面に被覆される前記ポリオレフィン樹脂の片方の面の厚さが、10μm以上40μm以下である請求項1に記載の記録媒体。
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