JP2013200953A - 導電材料、それを用いた偏光板、円偏光板、入力装置及び表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】金属ナノワイヤーの配向、凝集を抑止し、消光比が小さい導電材料、それを用いた偏光板、円偏光板、入力装置及び表示装置の提供。
【解決手段】基板と、その上に、平均短軸長が5〜30nmの金属ナノワイヤーを少なくとも含む導電層とを有し、前記導電層の乾燥膜厚が、前記金属ナノワイヤーの平均長軸長の0.001〜0.1倍である。また、基板上に、平均短軸長が5〜30nmの金属ナノワイヤーとマトリクス成分とを少なくとも含む導電層塗布液を、前記導電層のウェット膜厚が、前記金属ナノワイヤーの平均長軸長の0.2〜20倍となるように塗布することで得られる。
【選択図】図2
【解決手段】基板と、その上に、平均短軸長が5〜30nmの金属ナノワイヤーを少なくとも含む導電層とを有し、前記導電層の乾燥膜厚が、前記金属ナノワイヤーの平均長軸長の0.001〜0.1倍である。また、基板上に、平均短軸長が5〜30nmの金属ナノワイヤーとマトリクス成分とを少なくとも含む導電層塗布液を、前記導電層のウェット膜厚が、前記金属ナノワイヤーの平均長軸長の0.2〜20倍となるように塗布することで得られる。
【選択図】図2
Description
本発明は、導電材料、それを用いた偏光板、円偏光板、入力装置及び表示装置に関する。
タッチパネルを搭載した液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等の表示装置(例えば、携帯情報端末及び携帯電話)、及び集積型太陽電池等に用いる電極用の導電材料や電磁波遮蔽材としてITOガラスやITOフィルムが広く利用されているが、インジウム金属の埋蔵量が少ないこと、長波長領域の透過率が低いことに起因する色味、低抵抗化には高温の熱処理が必要であること、屈曲耐性が低いなどの問題があるため、ITOガラスやITOフィルムの代替材料が種々検討されている。
代替材料の一つとして導電性の金属ナノワイヤーを用いた導電材料が知られており(例えば、特許文献1)、金属ナノワイヤーは、透明性、低抵抗、使用金属量の低減の面では優れていることからITOガラスやITOフィルムの代替材料としての期待が高まっており、例えば、特許文献2には、偏光層と導電層とを有する偏光板が記載されており、導電層に金属ナノワイヤーを有することが記載されている。
ところで、金属ナノワイヤーは、ワイヤーグリッド型偏光子のように1方向に配向すると反射型偏光性を発現することが知られているが(例えば、特許文献3)、ワイヤー構造であることからヘイズ値が高く、ナノワイヤーの直径(短軸長)増大に伴いヘイズ値が大きくなり、特に透明電極をパターニングした際に金属ナノワイヤーを有する部分(導電領域)と有さない部分(非導電領域)のヘイズ値の差が大きく、電極パターンが見え易くなる視認性の問題が知られている。
本発明者は、導電性領域と非導電性領域とのヘイズ値の差を小さくするには、金属ナノワイヤーの直径を細くし、電極パターンを見えにくくすることを考えた。しかしながら、直径が細い金属ナノワイヤーは塗布乾燥時に配向や凝集が発生し易いというという問題があることがわかった。金属ナノワイヤーが配向してしまうと、本来偏光性を付与したくない基材であるにも関わらず偏光性が発現してしまうことも見出した(消光比増加)。また、凝集が発生すると、基材の透明性を損なう(ヘイズ値増加)という問題が発生する。金属ナノワイヤーを含む導電材料を偏光板や位相差板と組合せる場合は、偏光性が全くない、すなわち消光比1.0が理想的である。
本発明は、上記問題を解決することを課題とし、具体的には、金属ナノワイヤーの配向、凝集を抑止し、消光比およびヘイズが小さい導電材料、それを用いた偏光板、円偏光板、入力装置及び表示装置を提供することを課題とする。
これらのことを踏まえて、本発明者は、直径が細い金属ナノワイヤーを有する導電層の乾燥膜厚を制御することにより、金属ナノワイヤーの直径が細くても、ヘイズ値が小さく視認性の観点では好適であり、且つ塗布製膜時に配向や凝集が発生しにくくなることから上記課題を解決し得るとの知見を得た。
また、本発明者は、導電層のウェット膜厚が金属ナノワイヤーの平均長軸長の0.2倍未満であると、図1Aに一例を示したように、塗布面に塗布スジが発生し、また、金属ナノワイヤーが配向しやすくなり、消光比が増加してしまうことを知見した。また、ウェット膜厚が、金属ナノワイヤーの平均長軸長の20倍を超えると、図1Cに一例を示したように、塗布液の乾燥に時間がかかるために金属ナノワイヤーの凝集が発生し、また、ウェット膜厚が厚くなるため、塗布ムラが発生することを知見した。そして、ウェット膜厚を0.2〜20倍となるように導電層塗布液を塗布することで、金属ナノワイヤーの直径が5〜30nmと細くても、金属ナノワイヤーの配向、凝集を抑止することが可能となり、さらに、消光比を小さくできることを見出した。
前記課題を解決するための手段は、下記[1]の手段であり、好ましくは、下記[2]〜[12]の手段である。
[1] 基板と、その上に、平均短軸長が5〜30nmの金属ナノワイヤーを少なくとも含む導電層とを有し、前記導電層の乾燥膜厚が、前記金属ナノワイヤーの平均長軸長の0.001〜0.1倍であることを特徴とする導電材料。
[2] 前記導電層を形成する導電層塗布液は、マトリクス成分と前記金属ナノワイヤーとを少なくとも含み、前記導電層塗布液中の金属ナノワイヤー濃度が0.01重量%〜1.0重量%であり、かつ前記マトリクス成分の前記金属ナノワイヤーに対する重量比が0.5〜15である[1]の導電材料。
[3] 前記導電層単体の消光比が1.5以下である[1]又は[2]の導電材料。
[4] 前記金属ナノワイヤーが、銀を含む[1]〜[3]のいずれかの導電材料。
[5] 前記基板の波長550nmの面内レターデーションRe(550)が、40nm以下の光学等方性が高い透明材料である[1]〜[4]のいずれかの導電材料。
[6] 前記基板が、位相差板である[1]〜[5]のいずれかの導電材料。
[7] 基板上に、平均短軸長が5〜30nmの金属ナノワイヤーとマトリクス成分とを少なくとも含む導電層塗布液を、前記導電層のウェット膜厚が、前記金属ナノワイヤーの平均長軸長の0.2〜20倍となるように塗布することを特徴とすることを含む、導電材料の製造方法。
[8] 前記導電層塗布液が、マトリクス成分と前記金属ナノワイヤーとを少なくとも含み、前記導電層塗布液中の金属ナノワイヤー濃度が0.01重量%〜1.0重量%であり、かつ前記マトリクス成分の前記金属ナノワイヤーに対する重量比が0.5〜15である[7]の導電材料の製造方法。
[9] [1]〜[6]のいずれかの導電材料を有することを特徴とする偏光板又は円偏光板。
[10] [1]〜[6]のいずれかの導電材料を有することを特徴とする表示装置又は入力装置。
[11] [9]の偏光板又は円偏光板を有することを特徴とする表示装置又は入力装置。
[12] [1]〜[6]のいずれかの導電材料を有することを特徴とするタッチパネル。
[1] 基板と、その上に、平均短軸長が5〜30nmの金属ナノワイヤーを少なくとも含む導電層とを有し、前記導電層の乾燥膜厚が、前記金属ナノワイヤーの平均長軸長の0.001〜0.1倍であることを特徴とする導電材料。
[2] 前記導電層を形成する導電層塗布液は、マトリクス成分と前記金属ナノワイヤーとを少なくとも含み、前記導電層塗布液中の金属ナノワイヤー濃度が0.01重量%〜1.0重量%であり、かつ前記マトリクス成分の前記金属ナノワイヤーに対する重量比が0.5〜15である[1]の導電材料。
[3] 前記導電層単体の消光比が1.5以下である[1]又は[2]の導電材料。
[4] 前記金属ナノワイヤーが、銀を含む[1]〜[3]のいずれかの導電材料。
[5] 前記基板の波長550nmの面内レターデーションRe(550)が、40nm以下の光学等方性が高い透明材料である[1]〜[4]のいずれかの導電材料。
[6] 前記基板が、位相差板である[1]〜[5]のいずれかの導電材料。
[7] 基板上に、平均短軸長が5〜30nmの金属ナノワイヤーとマトリクス成分とを少なくとも含む導電層塗布液を、前記導電層のウェット膜厚が、前記金属ナノワイヤーの平均長軸長の0.2〜20倍となるように塗布することを特徴とすることを含む、導電材料の製造方法。
[8] 前記導電層塗布液が、マトリクス成分と前記金属ナノワイヤーとを少なくとも含み、前記導電層塗布液中の金属ナノワイヤー濃度が0.01重量%〜1.0重量%であり、かつ前記マトリクス成分の前記金属ナノワイヤーに対する重量比が0.5〜15である[7]の導電材料の製造方法。
[9] [1]〜[6]のいずれかの導電材料を有することを特徴とする偏光板又は円偏光板。
[10] [1]〜[6]のいずれかの導電材料を有することを特徴とする表示装置又は入力装置。
[11] [9]の偏光板又は円偏光板を有することを特徴とする表示装置又は入力装置。
[12] [1]〜[6]のいずれかの導電材料を有することを特徴とするタッチパネル。
本発明によれば、金属ナノワイヤーの配向、凝集を抑止し、消光比が小さい導電材料、それを用いた偏光板、円偏光板、入力装置及び表示装置を提供することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
本発明の導電材料の一例を図2に示す。本発明の導電材料は、基板200と、その上に、平均短軸長が5〜30nmの金属ナノワイヤーを少なくとも含む導電層100とを有し、導電層100を形成する際、導電層100の乾燥膜厚を金属ナノワイヤーの平均長軸長の0.001〜0.1倍とすることで、金属ナノワイヤーの直径が5〜30nmと細くても、金属ナノワイヤーの配向、凝集を抑止することが可能となり、さらに、消光比を小さくすることができる。
本明細書では、日本分光社製VAP-7070を用いて偏光度Pを測定し、以下の換算式を用いて算出したものを消光比と定義する。消光比が1の場合、金属ナノワイヤーはランダムに配向していることを示す。
消光比D=(1+P)/(1−P)
消光比D=(1+P)/(1−P)
本発明の導電材料は、導電層単体の消光比が1.5以下であることが好ましく、1.4以下であることがより好ましく、1.2以下であることが特に好ましい。
導電層を形成する導電層塗布液は、マトリクス成分及び金属ナノワイヤーを少なくとも含み、マトリクス成分の金属ナノワイヤーに対する重量比が0.5〜15であることが好ましく、1.0〜12であることがより好ましく、2.0〜10であることが特に好ましい。前記重量比を0.5以上とすることにより、金属ナノワイヤーの基材表面に対する密着性を向上させ、膜強度が実用上耐える様になるという効果を達成でき、前記重量比を15以下とすることにより、導電層の表面抵抗値の上昇をより効果的に抑制できる。
なお、マトリクス成分とは、導電層塗布液に含まれる金属ナノワイヤー及び溶剤を除いた全ての成分のことをいう。
なお、マトリクス成分とは、導電層塗布液に含まれる金属ナノワイヤー及び溶剤を除いた全ての成分のことをいう。
本発明は、導電材料の製造方法にも関し、基板上に、平均短軸長が5〜30nmの金属ナノワイヤーとマトリクス成分とを少なくとも含む導電層塗布液を、導電層のウェット膜厚が、金属ナノワイヤーの平均長軸長の0.2〜20倍となるように塗布することを特徴とする。
ウェット膜厚は、金属ナノワイヤーの平均長軸長の0.2〜20倍であり、1.0〜15倍が好ましく、2.0〜13倍がより好ましい。
ウェット膜厚を金属ナノワイヤーの平均長軸長の0.2倍以上とすることにより、塗布面に塗布スジが発生することを抑制でき、また、金属ナノワイヤーが配向しにくくなる。ウェット膜厚が、金属ナノワイヤーの平均長軸長の10倍未満であると、塗布液の乾燥時間を短縮できるために金属ナノワイヤーの凝集を抑制でき、また、塗布ムラを抑制することができる。
ウェット膜厚を金属ナノワイヤーの平均長軸長の0.2倍以上とすることにより、塗布面に塗布スジが発生することを抑制でき、また、金属ナノワイヤーが配向しにくくなる。ウェット膜厚が、金属ナノワイヤーの平均長軸長の10倍未満であると、塗布液の乾燥時間を短縮できるために金属ナノワイヤーの凝集を抑制でき、また、塗布ムラを抑制することができる。
以下、本発明に用いられる種々の部材等について詳細に説明する。
金属ナノワイヤー:
本明細書では、金属ナノワイヤーとは、導電性を有し、且つ長軸方向長さが直径(短軸方向長さ)に比べて十分に長い形状を持つものをいう。中実繊維であっても、中空繊維であってもよい。
本明細書では、金属ナノワイヤーとは、導電性を有し、且つ長軸方向長さが直径(短軸方向長さ)に比べて十分に長い形状を持つものをいう。中実繊維であっても、中空繊維であってもよい。
前記金属ナノワイヤーの材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、長周期律表(IUPAC1991)の第4周期、第5周期、及び第6周期からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属が好ましく、第2族〜第14族から選ばれる少なくとも1種の金属がより好ましく、第2族、第8族、第9族、第10族、第11族、第12族、第13族、及び第14族から選ばれる少なくとも1種の金属が更に好ましく、主成分として含むことが特に好ましい。
前記金属としては、例えば、銅、銀、金、白金、パラジウム、ニッケル、錫、コバルト、ロジウム、イリジウム、鉄、ルテニウム、オスミウム、マンガン、モリブデン、タングステン、ニオブ、タンテル、チタン、ビスマス、アンチモン、鉛、これらの合金などが挙げられる。これらの中でも、導電性に優れる点で、銀、及び銀との合金が特に好ましい。
前記銀との合金で使用する金属としては、白金、オスミウム、パラジウム、イリジウム、錫、ビスマス、ニッケルなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記銀との合金で使用する金属としては、白金、オスミウム、パラジウム、イリジウム、錫、ビスマス、ニッケルなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記金属ナノワイヤーの形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、円柱状、直方体状、断面が多角形となる柱状など任意の形状をとることができるが、高い透明性が必要とされる用途では、円柱状や断面の多角形の角が丸まっている断面形状であることが好ましい。
ここで、前記金属ナノワイヤーの断面形状は、基材上に金属ナノワイヤー水分散液を塗布し、ミクロトームにより作製した断面切片を透過型電子顕微鏡(TEM)で観察することにより調べることができる。
ここで、前記金属ナノワイヤーの断面形状は、基材上に金属ナノワイヤー水分散液を塗布し、ミクロトームにより作製した断面切片を透過型電子顕微鏡(TEM)で観察することにより調べることができる。
前記金属ナノワイヤーの平均短軸長さ(「平均短軸径」、「平均直径」と称することがある)としては、5〜30nmであり、10〜25nmが好ましく、15〜20nmがより好ましい。
前記平均短軸長さが、5nm未満であると、耐酸化性が悪化し、耐久性が悪くなることがある。
前記金属ナノワイヤーの平均短軸長さは、透過型電子顕微鏡(TEM;日本電子株式会社製、JEM−2000FX)を用い、300個の金属ナノワイヤーを観察し、その平均値から金属ナノワイヤーの平均短軸長さを求めた。なお、前記金属ナノワイヤーの短軸が円形でない場合の短軸長さは、最も長いものを短軸長さとした。
前記平均短軸長さが、5nm未満であると、耐酸化性が悪化し、耐久性が悪くなることがある。
前記金属ナノワイヤーの平均短軸長さは、透過型電子顕微鏡(TEM;日本電子株式会社製、JEM−2000FX)を用い、300個の金属ナノワイヤーを観察し、その平均値から金属ナノワイヤーの平均短軸長さを求めた。なお、前記金属ナノワイヤーの短軸が円形でない場合の短軸長さは、最も長いものを短軸長さとした。
前記金属ナノワイヤーの平均長軸長さ(「平均長さ」と称することがある)としては、5μm以上であることが好ましく、5μm〜40μmがより好ましく、5μm〜30μmが更に好ましい。
前記平均長軸長さが、5μm未満であると、密なネットワークを形成することが難しく、十分な導電性を得ることができないことがあり、40μmを超えると、金属ナノワイヤーが長すぎて製造時に絡まり、製造過程で凝集物が生じてしまうことがある。
前記金属ナノワイヤーの平均長軸長さは、例えば透過型電子顕微鏡(TEM;日本電子株式会社製、JEM−2000FX)を用い、300個の金属ナノワイヤーを観察し、その平均値から金属ナノワイヤーの平均長軸長さを求めた。なお、前記金属ナノワイヤーが曲がっている場合、それを弧とする円を考慮し、その半径、及び曲率から算出される値を長軸長さとした。
前記平均長軸長さが、5μm未満であると、密なネットワークを形成することが難しく、十分な導電性を得ることができないことがあり、40μmを超えると、金属ナノワイヤーが長すぎて製造時に絡まり、製造過程で凝集物が生じてしまうことがある。
前記金属ナノワイヤーの平均長軸長さは、例えば透過型電子顕微鏡(TEM;日本電子株式会社製、JEM−2000FX)を用い、300個の金属ナノワイヤーを観察し、その平均値から金属ナノワイヤーの平均長軸長さを求めた。なお、前記金属ナノワイヤーが曲がっている場合、それを弧とする円を考慮し、その半径、及び曲率から算出される値を長軸長さとした。
金属ナノワイヤーの短軸長の変動係数としては、50%以下が好ましく、40%以下がより好ましく、30%以下が特に好ましい。
前記変動係数は、上記電子顕微鏡(TEM)像からランダムに選択した300個のナノワイヤーの短軸長(直径)を測定し、その300個についての標準偏差と平均値を計算することにより、求めた。
前記変動係数は、上記電子顕微鏡(TEM)像からランダムに選択した300個のナノワイヤーの短軸長(直径)を測定し、その300個についての標準偏差と平均値を計算することにより、求めた。
前記金属ナノワイヤーは、特に制限はなく、いかなる方法で作製してもよいが、以下のようにハロゲン化合物と分散剤を溶解した溶媒中で金属イオンを還元することによって製造することが好ましい。また、金属ナノワイヤーを形成した後は、常法により脱塩処理を行うことが、分散性、導電性層の経時安定性の観点から好ましい。
また、金属ナノワイヤーの製造方法としては、特開2009−215594号公報、特開2009−242880号公報、特開2009−299162号公報、特開2010−84173号公報、特開2010−86714号公報などに記載の方法を用いることができる。
また、金属ナノワイヤーの製造方法としては、特開2009−215594号公報、特開2009−242880号公報、特開2009−299162号公報、特開2010−84173号公報、特開2010−86714号公報などに記載の方法を用いることができる。
金属ナノワイヤーの製造に用いられる溶媒としては、親水性溶媒が好ましく、例えば、水、アルコール類、多価アルコール類、エーテル類、ケトン類などが挙げられ、これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
アルコール類としては、例えば、メタノール、エタノール、ノルマルプロパノール、イソプロパノール、ブタノールなどが挙げられる。多価アルコール類としては、例えば、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコールなどが挙げられる。エーテル類としては、例えば、ジオキサン、テトラヒドロフランなどが挙げられる。ケトン類としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトンなどが挙げられる。加熱する場合、その加熱温度は、用いる溶媒の沸点を超えない限りにおいて、250℃以下が好ましく、20℃以上200℃以下がより好ましく、30℃以上180℃以下がさらに好ましく、40℃以上170℃以下が特に好ましく、50℃以上100℃以下が最も好ましい。なお、上記沸点とは、反応溶媒の蒸気圧が反応容器中の圧力と等しくなる温度のことを指す。上記温度を20℃以上とすることで、金属ナノワイヤーの形成が促進され、製造にかかる工程時間を短縮できるため好ましい。また、250℃以下とすることで、金属ナノワイヤーの短軸長さ及び長軸長さの単分散性が向上し、透明性、及び、導電性の観点から好適である。なお、必要に応じて、粒子形成過程で温度を変更してもよく、途中での温度変更は核形成の制御や再核発生の抑制、選択成長の促進による単分散性向上の効果があることがある。
アルコール類としては、例えば、メタノール、エタノール、ノルマルプロパノール、イソプロパノール、ブタノールなどが挙げられる。多価アルコール類としては、例えば、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコールなどが挙げられる。エーテル類としては、例えば、ジオキサン、テトラヒドロフランなどが挙げられる。ケトン類としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトンなどが挙げられる。加熱する場合、その加熱温度は、用いる溶媒の沸点を超えない限りにおいて、250℃以下が好ましく、20℃以上200℃以下がより好ましく、30℃以上180℃以下がさらに好ましく、40℃以上170℃以下が特に好ましく、50℃以上100℃以下が最も好ましい。なお、上記沸点とは、反応溶媒の蒸気圧が反応容器中の圧力と等しくなる温度のことを指す。上記温度を20℃以上とすることで、金属ナノワイヤーの形成が促進され、製造にかかる工程時間を短縮できるため好ましい。また、250℃以下とすることで、金属ナノワイヤーの短軸長さ及び長軸長さの単分散性が向上し、透明性、及び、導電性の観点から好適である。なお、必要に応じて、粒子形成過程で温度を変更してもよく、途中での温度変更は核形成の制御や再核発生の抑制、選択成長の促進による単分散性向上の効果があることがある。
前記加熱の際には、還元剤を添加して行うことが好ましい。
前記還元剤としては、特に制限はなく、通常使用されるものの中から適宜選択することができ、例えば、水素化ホウ素金属塩、水素化アルミニウム塩、アルカノールアミン、脂肪族アミン、ヘテロ環式アミン、芳香族アミン、アラルキルアミン、アルコール類、多価アルコール類、有機酸類、還元糖類、糖アルコール類、亜硫酸ナトリウム、ヒドラジン化合物、デキストリン、ハイドロキノン、ヒドロキシルアミン、グルタチオンなどが挙げられる。これらの中でも、還元糖類、その誘導体としての糖アルコール類、多価アルコール類が特に好ましい。前記還元剤によっては、機能として分散剤や溶媒としても機能する化合物があり、同様に好ましく用いることができる。
前記還元剤としては、特に制限はなく、通常使用されるものの中から適宜選択することができ、例えば、水素化ホウ素金属塩、水素化アルミニウム塩、アルカノールアミン、脂肪族アミン、ヘテロ環式アミン、芳香族アミン、アラルキルアミン、アルコール類、多価アルコール類、有機酸類、還元糖類、糖アルコール類、亜硫酸ナトリウム、ヒドラジン化合物、デキストリン、ハイドロキノン、ヒドロキシルアミン、グルタチオンなどが挙げられる。これらの中でも、還元糖類、その誘導体としての糖アルコール類、多価アルコール類が特に好ましい。前記還元剤によっては、機能として分散剤や溶媒としても機能する化合物があり、同様に好ましく用いることができる。
前記金属ナノワイヤー製造の際には分散剤と、ハロゲン化合物又はハロゲン化金属微粒子を添加して行うことが好ましい。
分散剤の添加のタイミングは、還元剤の添加前でも、添加と同時、さらには、添加後でもよく、金属イオンあるいはハロゲン化金属微粒子の添加前でも、添加と同時、さらには、添加後でもよい。
分散剤の添加のタイミングは、還元剤の添加前でも、添加と同時、さらには、添加後でもよく、金属イオンあるいはハロゲン化金属微粒子の添加前でも、添加と同時、さらには、添加後でもよい。
前記分散剤を添加する段階は、粒子調製する前に添加し、分散ポリマー存在下で添加してもよいし、粒子調整後に分散状態の制御のために添加しても構わない。分散剤の添加を2段階以上に分けるときには、その量は必要とする金属ワイヤーの短軸及び長軸の長さにより変更する必要がある。これは、分散剤量によって、金属ナノワイヤーの核となる金属粒子の量やサイズが影響され、かつ、金属ナノワイヤーの核となる金属粒子の量やサイズによって、金属ナノワイヤーの短軸及び長軸の長さが影響されることに起因しているためと考えられる。
前記分散剤としては、例えばアミノ基含有化合物、チオール基含有化合物、スルフィド基含有化合物、アミノ酸又はその誘導体、ペプチド化合物、多糖類、多糖類由来の天然高分子、合成高分子、又はこれらに由来するゲル等の高分子類、などが挙げられる。これらのうち分散剤として用いられる各種高分子化合物類は、後述するポリマーに包含される化合物である。
前記分散剤としては、例えばアミノ基含有化合物、チオール基含有化合物、スルフィド基含有化合物、アミノ酸又はその誘導体、ペプチド化合物、多糖類、多糖類由来の天然高分子、合成高分子、又はこれらに由来するゲル等の高分子類、などが挙げられる。これらのうち分散剤として用いられる各種高分子化合物類は、後述するポリマーに包含される化合物である。
分散剤として好適に用いられるポリマーとしては、例えば保護コロイド性のあるポリマーであるゼラチン、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、ヒドロキシプルピルセルロース、ポリアルキレンアミン、ポリアクリル酸の部分アルキルエステル、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピロリドン構造を含む共重合体、アミノ基やチオール基を有するポリアクリル酸、等の親水性基を有するポリマーが好ましく挙げられる。
分散剤として用いるポリマーはGPC法により測定した重量平均分子量(Mw)が、3000以上300000以下であることが好ましく、5000以上100000以下であることがより好ましい。
前記分散剤として使用可能な化合物の構造については、例えば「顔料の事典」(伊藤征司郎編、株式会社朝倉書院発行、2000年)の記載を参照できる。
使用する分散剤の種類によって得られる金属ナノワイヤーの形状を変化させることができる。
分散剤として用いるポリマーはGPC法により測定した重量平均分子量(Mw)が、3000以上300000以下であることが好ましく、5000以上100000以下であることがより好ましい。
前記分散剤として使用可能な化合物の構造については、例えば「顔料の事典」(伊藤征司郎編、株式会社朝倉書院発行、2000年)の記載を参照できる。
使用する分散剤の種類によって得られる金属ナノワイヤーの形状を変化させることができる。
前記ハロゲン化合物としては、臭素、塩素、ヨウ素を含有する化合物であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、臭化ナトリウム、塩化ナトリウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム、臭化カリウム、塩化カリウム、ヨウ化カリウム等のアルカリハライドや下記の分散剤と併用できる化合物が好ましい。
前記ハロゲン化合物によっては、分散剤として機能するものがありうるが、同様に好ましく用いることができる。
前記ハロゲン化合物の代替としてハロゲン化銀微粒子を使用してもよいし、ハロゲン化合物とハロゲン化銀微粒子を共に使用してもよい。
前記ハロゲン化合物によっては、分散剤として機能するものがありうるが、同様に好ましく用いることができる。
前記ハロゲン化合物の代替としてハロゲン化銀微粒子を使用してもよいし、ハロゲン化合物とハロゲン化銀微粒子を共に使用してもよい。
また、分散剤とハロゲン化合物とは双方の機能を有する単一の物質を用いてもよい。即ち、分散剤としての機能を有するハロゲン化合物を用いることで、1つの化合物で、分散剤とハロゲン化合物の双方の機能を発現する。
分散剤としての機能を有するハロゲン化合物としては、例えば、アミノ基と臭化物イオン又は塩化物イオン、ヨウ化物イオンを含むヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロリド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムアイオダイド、ドデシルトリメチルアンモニウムブロミド、ドデシルトリメチルアンモニウムクロリド、ドデシルトリメチルアンモニウムアイオダイド、ステアリルトリメチルアンモニウムブロミド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロリド、ステアリルトリメチルアンモニウムアイオダイド、デシルトリメチルアンモニウムブロミド、デシルトリメチルアンモニウムクロリド、デシルトリメチルアンモニウムアイオダイド、ジメチルジステアリルアンモニウムブロミド、ジメチルジステアリルアンモニウムクロリド、ジメチルジステアリルアンモニウムアイオダイド、ジラウリルジメチルアンモニウムブロミド、ジラウリルジメチルアンモニウムクロリド、ジラウリルジメチルアンモニウムアイオダイド、ジメチルジパルミチルアンモニウムブロミド、ジメチルジパルミチルアンモニウムクロリド、ジメチルジパルミチルアンモニウムアイオダイド、テトラメチルアンモニウムブロミド、テトラメチルアンモニウムクロリド、テトラメチルアンモニウムアイオダイド、テトラエチルアンモニウムブロミド、テトラエチルアンモニウムクロリド、テトラエチルアンモニウムアイオダイド、テトラプロピルアンモニウムブロミド、テトラプロピルアンモニウムクロリド、テトラプロピルアンモニウムアイオダイド、テトラブチルアンモニウムブロミド、テトラブチルアンモニウムクロリド、テトラブチルアンモニウムアイオダイド、メチルトリエチルアンモニウムクロリド、メチルトリエチルアンモニウムブロミド、メチルトリエチルアンモニウムアイオダイド、ジメチルジエチルアンモニウムブロミド、ジメチルジエチルアンモニウムクロリド、ジメチルジエチルアンモニウムアイオダイド、エチルトリメチルアンモニウムブロミド、エチルトリメチルアンモニウムクロリド、エチルトリメチルアンモニウムアイオダイド、ヘキサデシルジメチルアンモニウムブロミド、ヘキサデシルジメチルアンモニウムクロリド、ヘキサデシルジメチルアンモニウムアイオダイド、ドデシルジメチルアンモニウムブロミド、ドデシルジメチルアンモニウムクロリド、ドデシルジメチルアンモニウムアイオダイド、ステアリルジメチルアンモニウムブロミド、ステアリルジメチルアンモニウムクロリド、ステアリルジメチルアンモニウムアイオダイド、デシルジメチルアンモニウムブロミド、デシルジメチルアンモニウムクロリド、デシルジメチルアンモニウムアイオダイドなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
分散剤としての機能を有するハロゲン化合物としては、例えば、アミノ基と臭化物イオン又は塩化物イオン、ヨウ化物イオンを含むヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロリド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムアイオダイド、ドデシルトリメチルアンモニウムブロミド、ドデシルトリメチルアンモニウムクロリド、ドデシルトリメチルアンモニウムアイオダイド、ステアリルトリメチルアンモニウムブロミド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロリド、ステアリルトリメチルアンモニウムアイオダイド、デシルトリメチルアンモニウムブロミド、デシルトリメチルアンモニウムクロリド、デシルトリメチルアンモニウムアイオダイド、ジメチルジステアリルアンモニウムブロミド、ジメチルジステアリルアンモニウムクロリド、ジメチルジステアリルアンモニウムアイオダイド、ジラウリルジメチルアンモニウムブロミド、ジラウリルジメチルアンモニウムクロリド、ジラウリルジメチルアンモニウムアイオダイド、ジメチルジパルミチルアンモニウムブロミド、ジメチルジパルミチルアンモニウムクロリド、ジメチルジパルミチルアンモニウムアイオダイド、テトラメチルアンモニウムブロミド、テトラメチルアンモニウムクロリド、テトラメチルアンモニウムアイオダイド、テトラエチルアンモニウムブロミド、テトラエチルアンモニウムクロリド、テトラエチルアンモニウムアイオダイド、テトラプロピルアンモニウムブロミド、テトラプロピルアンモニウムクロリド、テトラプロピルアンモニウムアイオダイド、テトラブチルアンモニウムブロミド、テトラブチルアンモニウムクロリド、テトラブチルアンモニウムアイオダイド、メチルトリエチルアンモニウムクロリド、メチルトリエチルアンモニウムブロミド、メチルトリエチルアンモニウムアイオダイド、ジメチルジエチルアンモニウムブロミド、ジメチルジエチルアンモニウムクロリド、ジメチルジエチルアンモニウムアイオダイド、エチルトリメチルアンモニウムブロミド、エチルトリメチルアンモニウムクロリド、エチルトリメチルアンモニウムアイオダイド、ヘキサデシルジメチルアンモニウムブロミド、ヘキサデシルジメチルアンモニウムクロリド、ヘキサデシルジメチルアンモニウムアイオダイド、ドデシルジメチルアンモニウムブロミド、ドデシルジメチルアンモニウムクロリド、ドデシルジメチルアンモニウムアイオダイド、ステアリルジメチルアンモニウムブロミド、ステアリルジメチルアンモニウムクロリド、ステアリルジメチルアンモニウムアイオダイド、デシルジメチルアンモニウムブロミド、デシルジメチルアンモニウムクロリド、デシルジメチルアンモニウムアイオダイドなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
金属ナノワイヤー以外の有機物及び無機イオン等の不要分を取り除く脱塩処理の方法としては、特に制限はなく、遠心分離等による金属ナノワイヤーの沈降とそれに引き続く上澄みの除去、限外ろ過によるろ液の除去、その他、透析、ゲルろ過などを用いることができる。また、不要分を取り除くために、適宜、不要分の溶出を促進する薬剤を添加して脱塩処理を行うことも可能である。このような不要分の溶出を促進する薬剤としては、例えば、塩化銀等のハロゲン化銀に対するアンモニア、各種金属イオンに対するキレート剤、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウムなどが挙げられる。
前記金属ナノワイヤーは、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、ハロゲン化物イオン等の無機イオンをなるべく含まないことが好ましい。前記金属ナノワイヤーを水性分散物とさせたときの電気伝導度は1mS/cm以下が好ましく、0.1mS/cm以下がより好ましく、0.05mS/cm以下が更に好ましい。
前記金属ナノワイヤーを水性分散物とさせたときの20℃における粘度は、0.5mPa・s〜100mPa・sが好ましく、1mPa・s〜50mPa・sがより好ましい。
前記金属ナノワイヤーを水性分散物とさせたときの20℃における粘度は、0.5mPa・s〜100mPa・sが好ましく、1mPa・s〜50mPa・sがより好ましい。
前記金属ナノワイヤーのアスペクト比としては、10以上であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、50以上がより好ましく、100以上がさらに好ましく、5000以上がさらに好ましく、10,000から100,000がより好ましい。前記アスペクト比とは、一般的には繊維状の物質の長辺と短辺との比(平均長軸長さ/平均短軸長さの比)を意味する。
前記アスペクト比の測定方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、電子顕微鏡等により測定する方法などが挙げられる。
前記金属ナノワイヤーのアスペクト比を電子顕微鏡で測定する場合、前記金属ナノワイヤーのアスペクト比が10以上であるか否かは、電子顕微鏡の1視野で確認できればよい。また、前記金属ナノワイヤーの平均長軸長さと平均短軸長さとを各々別に測定することによって、前記金属ナノワイヤー全体のアスペクト比を見積もることができる。
なお、前記金属ナノワイヤーがチューブ状の場合には、前記アスペクト比を算出するための直径としては、該チューブの外径を用いる。
前記アスペクト比の測定方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、電子顕微鏡等により測定する方法などが挙げられる。
前記金属ナノワイヤーのアスペクト比を電子顕微鏡で測定する場合、前記金属ナノワイヤーのアスペクト比が10以上であるか否かは、電子顕微鏡の1視野で確認できればよい。また、前記金属ナノワイヤーの平均長軸長さと平均短軸長さとを各々別に測定することによって、前記金属ナノワイヤー全体のアスペクト比を見積もることができる。
なお、前記金属ナノワイヤーがチューブ状の場合には、前記アスペクト比を算出するための直径としては、該チューブの外径を用いる。
また、前記アスペクト比が10以上の金属ナノワイヤーは、全導電層用塗布液中に体積比で、5%以上が好ましく、50%以上がより好ましく、80%以上が特に好ましい。これらの金属ナノワイヤーの割合を、以下、「金属ナノワイヤーの比率」と呼ぶことがある。
前記金属ナノワイヤーの比率が、5%未満であると、導電性に寄与する導電性物質が減少し導電性が低下してしまうことがあり、同時に密なネットワークを形成できないために電圧集中が生じ、耐久性が低下してしまうことがある。また、金属ナノワイヤー以外の形状の粒子は、導電性に大きく寄与しない上に吸収を持つため好ましくない。特に金属の場合で、球形などのプラズモン吸収が強い場合には透明度が悪化してしまうことがある。
前記金属ナノワイヤーの比率が、5%未満であると、導電性に寄与する導電性物質が減少し導電性が低下してしまうことがあり、同時に密なネットワークを形成できないために電圧集中が生じ、耐久性が低下してしまうことがある。また、金属ナノワイヤー以外の形状の粒子は、導電性に大きく寄与しない上に吸収を持つため好ましくない。特に金属の場合で、球形などのプラズモン吸収が強い場合には透明度が悪化してしまうことがある。
前記アスペクト比を10以上とすることにより、金属ナノワイヤー同士が接触したネットワークが容易に形成され、高い導電性を有する導電性層が容易に得られる。また、前記アスペクト比を100,000以下とすることにより、例えば基材上に導電性層を塗布により設ける際の塗布液において、金属ナノワイヤー同士が絡まって凝集してしまう恐れのない、安定な塗布液が得られるので、製造が容易となる。
また、前記金属ナノワイヤーの比率が、5%未満であると、導電性に寄与する導電性物質が減少し導電性が低下してしまうことがあり、同時に密なネットワークを形成できないために電圧集中が生じ、耐久性が低下してしまうことがある。また、金属ナノワイヤー以外の形状の粒子は、導電性に大きく寄与しない上に吸収を持つため好ましくない。特に金属の場合で、球形などのプラズモン吸収が強い場合には透明度が悪化してしまうことがある。
また、前記金属ナノワイヤーの比率が、5%未満であると、導電性に寄与する導電性物質が減少し導電性が低下してしまうことがあり、同時に密なネットワークを形成できないために電圧集中が生じ、耐久性が低下してしまうことがある。また、金属ナノワイヤー以外の形状の粒子は、導電性に大きく寄与しない上に吸収を持つため好ましくない。特に金属の場合で、球形などのプラズモン吸収が強い場合には透明度が悪化してしまうことがある。
ここで、前記金属ナノワイヤーの比率は、例えば、金属ナノワイヤーが銀ナノワイヤーである場合には、銀ナノワイヤー水分散液をろ過して、銀ナノワイヤーと、それ以外の粒子とを分離し、ICP発光分析装置を用いてろ紙に残っている銀の量と、ろ紙を透過した銀の量とを各々測定することで、金属ナノワイヤーの比率を求めることができる。ろ紙に残っている金属ナノワイヤーをTEMで観察し、300個の金属ナノワイヤーの平均短軸長さを観察し、その分布を調べることにより、平均短軸長さが200nm以下であり、かつ平均長軸長さが1μm以上である金属ナノワイヤーであることを確認する。なお、ろ紙は、TEM像で平均短軸長さが200nm以下であり、かつ平均長軸長さが1μm以上である金属ナノワイヤー以外の粒子の最長軸を計測し、その最長軸の2倍以上であり、かつ金属ナノワイヤーの長軸の最短長以下の長さのものを用いることが好ましい。
ここで、前記金属ナノワイヤーの平均短軸長さ及び平均長軸長さは、例えば、透過型電子顕微鏡(TEM)や光学顕微鏡を用い、TEM像や光学顕微鏡像を観察することにより求めることができ、本発明においては、金属ナノワイヤーの平均短軸長さ及び平均長軸長さは、透過型電子顕微鏡(TEM)により300個の金属ナノワイヤーを観察し、その平均値から求めたものである。
金属ナノワイヤーの塗布量は、0.001〜0.1g/cm2が好ましく、0.005〜0.05g/cm2がより好ましく、0.005〜0.05g/cm2が特に好ましい。
また、前記導電層は、パターン導電層であってもよく、当該態様では、導電層形成用組成物は、感光性組成物であるのが好ましい。感光性組成物は、ネガ型であってもポジ型であってもよい。以下、導電層の形成に利用可能な、感光性組成物、及びゾルゲル硬化物の例について説明するが、以下の例に限定されるものではない。
前記導電層の形成には、前記金属ナノワイヤーとともに、マトリクス成分として、(1)バインダー及び光重合性組成物を少なくとも含有する感光性組成物、(2)ゾルゲル硬化物を少なくとも含有する組成物、(3)高分子を少なくとも含有する組成物を用いることができる。
本発明では、マトリクス成分(導電層塗布液に含まれる金属ナノワイヤー及び溶剤を除いた全ての成分)の金属ナノワイヤーに対する重量比が0.5〜15(より好ましくは1.0〜12、特に好ましくは2.0〜10)であることが好ましい。
前記重量比が0.5未満であると、バインダー成分が少なく、金属ナノワイヤーの基材表面に対する密着性が弱く、膜強度が弱くなるということがあり、前記重量比が15を超えると、導電層の表面抵抗値が上昇してしまうことがある。
また前記導電層には金属ナノワイヤーと金属ナノワイヤーを固定するマトリクス成分以外に、必要に応じて分散剤や界面活性剤の他、酸化防止剤、還元剤、紫外線吸収剤、防錆剤、導電性粒子、染料、顔料等を含んでいてもよい。また必要に応じて導電層の表面に更に保護層を設けても良い。
本発明では、マトリクス成分(導電層塗布液に含まれる金属ナノワイヤー及び溶剤を除いた全ての成分)の金属ナノワイヤーに対する重量比が0.5〜15(より好ましくは1.0〜12、特に好ましくは2.0〜10)であることが好ましい。
前記重量比が0.5未満であると、バインダー成分が少なく、金属ナノワイヤーの基材表面に対する密着性が弱く、膜強度が弱くなるということがあり、前記重量比が15を超えると、導電層の表面抵抗値が上昇してしまうことがある。
また前記導電層には金属ナノワイヤーと金属ナノワイヤーを固定するマトリクス成分以外に、必要に応じて分散剤や界面活性剤の他、酸化防止剤、還元剤、紫外線吸収剤、防錆剤、導電性粒子、染料、顔料等を含んでいてもよい。また必要に応じて導電層の表面に更に保護層を設けても良い。
バインダー:
バインダーとしては、線状有機高分子重合体であって、分子(好ましくは、アクリル系共重合体、スチレン系共重合体を主鎖とする分子)中に少なくとも1つのアルカリ可溶性を促進する基(例えばカルボキシル基、リン酸基、スルホン酸基など)を有するアルカリ可溶性樹脂の中から適宜選択することができる。
これらの中でも、有機溶剤に可溶でアルカリ水溶液に可溶なものが好ましく、また、酸解離性基を有し、酸の作用により酸解離性基が解離した時にアルカリ可溶となるものが特に好ましい。
ここで、前記酸解離性基とは、酸の存在下で解離することが可能な官能基を表す。
バインダーとしては、線状有機高分子重合体であって、分子(好ましくは、アクリル系共重合体、スチレン系共重合体を主鎖とする分子)中に少なくとも1つのアルカリ可溶性を促進する基(例えばカルボキシル基、リン酸基、スルホン酸基など)を有するアルカリ可溶性樹脂の中から適宜選択することができる。
これらの中でも、有機溶剤に可溶でアルカリ水溶液に可溶なものが好ましく、また、酸解離性基を有し、酸の作用により酸解離性基が解離した時にアルカリ可溶となるものが特に好ましい。
ここで、前記酸解離性基とは、酸の存在下で解離することが可能な官能基を表す。
前記バインダーの製造には、例えば公知のラジカル重合法による方法を適用することができる。前記ラジカル重合法でアルカリ可溶性樹脂を製造する際の温度、圧力、ラジカル開始剤の種類及びその量、溶媒の種類等々の重合条件は、当業者において容易に設定可能であり、実験的に条件を定めることができる。
前記線状有機高分子重合体としては、側鎖にカルボン酸を有するポリマーが好ましい。
前記側鎖にカルボン酸を有するポリマーとしては、例えば特開昭59−44615号、特公昭54−34327号、特公昭58−12577号、特公昭54−25957号、特開昭59−53836号、特開昭59−71048号の各公報に記載されているような、メタクリル酸共重合体、アクリル酸共重合体、イタコン酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合体等、並びに側鎖にカルボン酸を有する酸性セルロース誘導体、水酸基を有するポリマーに酸無水物を付加させたもの等であり、更に側鎖に(メタ)アクリロイル基を有する高分子重合体も好ましいものとして挙げられる。
前記側鎖にカルボン酸を有するポリマーとしては、例えば特開昭59−44615号、特公昭54−34327号、特公昭58−12577号、特公昭54−25957号、特開昭59−53836号、特開昭59−71048号の各公報に記載されているような、メタクリル酸共重合体、アクリル酸共重合体、イタコン酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合体等、並びに側鎖にカルボン酸を有する酸性セルロース誘導体、水酸基を有するポリマーに酸無水物を付加させたもの等であり、更に側鎖に(メタ)アクリロイル基を有する高分子重合体も好ましいものとして挙げられる。
これらの中でも、ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸共重合体、ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸/他のモノマーからなる多元共重合体が特に好ましい。
更に、側鎖に(メタ)アクリロイル基を有する高分子重合体や(メタ)アクリル酸/グリシジル(メタ)アクリレート/他のモノマーからなる多元共重合体も有用なものとして挙げられる。該ポリマーは任意の量で混合して用いることができる。
更に、側鎖に(メタ)アクリロイル基を有する高分子重合体や(メタ)アクリル酸/グリシジル(メタ)アクリレート/他のモノマーからなる多元共重合体も有用なものとして挙げられる。該ポリマーは任意の量で混合して用いることができる。
前記以外にも、特開平7−140654号公報に記載の、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート/ポリスチレンマクロモノマー/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート/ポリメチルメタクリレートマクロモノマー/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体、2−ヒドロキシエチルメタクリレート/ポリスチレンマクロモノマー/メチルメタクリレート/メタクリル酸共重合体、2−ヒドロキシエチルメタクリレート/ポリスチレンマクロモノマー/ベンジルメタクレート/メタクリル酸共重合体、などが挙げられる。
前記アルカリ可溶性樹脂における具体的な構成単位としては、(メタ)アクリル酸と、該(メタ)アクリル酸と共重合可能な他の単量体とが好適である。
前記(メタ)アクリル酸と共重合可能な他の単量体としては、例えばアルキル(メタ)アクリレート、アリール(メタ)アクリレート、ビニル化合物などが挙げられる。これらは、アルキル基及びアリール基の水素原子は、置換基で置換されていてもよい。
前記アルキル(メタ)アクリレート又はアリール(メタ)アクリレートとしては、例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、トリル(メタ)アクリレート、ナフチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、ポリメチルメタクリレートマクロモノマー、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記アルキル(メタ)アクリレート又はアリール(メタ)アクリレートとしては、例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、トリル(メタ)アクリレート、ナフチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、ポリメチルメタクリレートマクロモノマー、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記ビニル化合物としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、アクリロニトリル、ビニルアセテート、N−ビニルピロリドン、ポリスチレンマクロモノマー、CH2=CR1R2〔ただし、R1は水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を表し、R2は炭素数6〜10の芳香族炭化水素環を表す。〕、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記バインダーの重量平均分子量は、アルカリ溶解速度、膜物性等の点から、1,000〜500,000が好ましく、3,000〜300,000がより好ましく、5,000〜200,000が更に好ましい。
ここで、前記重量平均分子量は、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー法により測定し、標準ポリスチレン検量線を用いて求めることができる。
ここで、前記重量平均分子量は、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー法により測定し、標準ポリスチレン検量線を用いて求めることができる。
バインダーの含有量は、前述の金属ナノワイヤーを含む光重合性組成物の固形分の総質量を基準として、5質量%〜90質量%であることが好ましく、10質量%〜85質量%がより好ましく、20質量%〜80質量%が更に好ましい。前記好ましい含有量範囲であると、現像性と金属ナノワイヤーの導電性の両立が図れる。
光重合性組成物:
光重合性組成物は、露光により画像を形成する機能を導電層に付与するか、又はそのきっかけを与える化合物を意味する。(a)付加重合性不飽和化合物と、(b)光に照射されるとラジカルを発生する光重合開始剤とを基本成分として含む。
光重合性組成物は、露光により画像を形成する機能を導電層に付与するか、又はそのきっかけを与える化合物を意味する。(a)付加重合性不飽和化合物と、(b)光に照射されるとラジカルを発生する光重合開始剤とを基本成分として含む。
[(a)付加重合性不飽和化合物]
成分(a)の付加重合性不飽和化合物(以下、「重合性化合物」ともいう。)は、ラジカルの存在下で付加重合反応を生じて高分子化される化合物であり、通常、分子末端に少なくとも一つの、より好ましくは二つ以上の、更に好ましくは四つ以上の、更により好ましくは六つ以上のエチレン性不飽和二重結合を有する化合物が使用される。
これらは、例えば、モノマー、プレポリマー、即ち2量体、3量体及びオリゴマー、又はそれらの混合物などの化学的形態をもつ。
このような重合性化合物としては、種々のものが知られており、それらは成分(a)として使用することができる。
このうち、特に好ましい重合性化合物としては、膜強度の観点から、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリトリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリトリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリトリトールペンタ(メタ)アクリレートが特に好ましい。
成分(a)の付加重合性不飽和化合物(以下、「重合性化合物」ともいう。)は、ラジカルの存在下で付加重合反応を生じて高分子化される化合物であり、通常、分子末端に少なくとも一つの、より好ましくは二つ以上の、更に好ましくは四つ以上の、更により好ましくは六つ以上のエチレン性不飽和二重結合を有する化合物が使用される。
これらは、例えば、モノマー、プレポリマー、即ち2量体、3量体及びオリゴマー、又はそれらの混合物などの化学的形態をもつ。
このような重合性化合物としては、種々のものが知られており、それらは成分(a)として使用することができる。
このうち、特に好ましい重合性化合物としては、膜強度の観点から、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリトリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリトリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリトリトールペンタ(メタ)アクリレートが特に好ましい。
成分(a)の含有量は、前述の金属ナノワイヤーを含む光重合性組成物の固形分の総質量を基準として、2.6質量%以上37.5質量%以下であることが好ましく、5.0質量%以上20.0質量%以下であることがより好ましい。
[(b)光重合開始剤]
成分(b)の光重合開始剤は、光に照射されるとラジカルを発生する化合物である。このよう光重合開始剤には、光照射により、最終的には酸となる酸ラジカルを発生する化合物及びその他のラジカルを発生する化合物などが挙げられる。以下、前者を「光酸発生剤」と呼び、後者を「光ラジカル発生剤」と呼ぶ。
−光酸発生剤−
光酸発生剤としては、光カチオン重合の光開始剤、光ラジカル重合の光開始剤、色素類の光消色剤、光変色剤、あるいはマイクロレジスト等に使用されている活性光線又は放射線の照射により酸ラジカルを発生する公知の化合物及びそれらの混合物を適宜に選択して使用することができる。
成分(b)の光重合開始剤は、光に照射されるとラジカルを発生する化合物である。このよう光重合開始剤には、光照射により、最終的には酸となる酸ラジカルを発生する化合物及びその他のラジカルを発生する化合物などが挙げられる。以下、前者を「光酸発生剤」と呼び、後者を「光ラジカル発生剤」と呼ぶ。
−光酸発生剤−
光酸発生剤としては、光カチオン重合の光開始剤、光ラジカル重合の光開始剤、色素類の光消色剤、光変色剤、あるいはマイクロレジスト等に使用されている活性光線又は放射線の照射により酸ラジカルを発生する公知の化合物及びそれらの混合物を適宜に選択して使用することができる。
このような光酸発生剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、キノンジアジド化合物、ジ−又はトリ−ハロメチル基を少なくとも一つ有するトリアジン又は1,3,4−オキサジアゾール、ナフトキノン−1,2−ジアジド−4−スルホニルハライド、ジアゾニウム塩、ホスホニウム塩、スルホニウム塩、ヨードニウム塩、イミドスルホネート、オキシムスルホネート、ジアゾジスルホン、ジスルホン、o−ニトロベンジルスルホネートなどが挙げられる。これらの中でも、スルホン酸を発生する化合物であるイミドスルホネート、オキシムスルホネート、o−ニトロベンジルスルホネートが特に好ましい。
また、活性光線又は放射線の照射により酸ラジカルを発生する基、あるいは化合物を樹脂の主鎖又は側鎖に導入した化合物、例えば、米国特許第3,849,137号明細書、独国特許第3914407号明細書、特開昭63−26653号、特開昭55−164824号、特開昭62−69263号、特開昭63−146038号、特開昭63−163452号、特開昭62−153853号、特開昭63−146029号の各公報等に記載の化合物を用いることができる。
更に、米国特許第3,779,778号、欧州特許第126,712号等の各明細書に記載の化合物も、酸ラジカル発生剤として使用することができる。
また、活性光線又は放射線の照射により酸ラジカルを発生する基、あるいは化合物を樹脂の主鎖又は側鎖に導入した化合物、例えば、米国特許第3,849,137号明細書、独国特許第3914407号明細書、特開昭63−26653号、特開昭55−164824号、特開昭62−69263号、特開昭63−146038号、特開昭63−163452号、特開昭62−153853号、特開昭63−146029号の各公報等に記載の化合物を用いることができる。
更に、米国特許第3,779,778号、欧州特許第126,712号等の各明細書に記載の化合物も、酸ラジカル発生剤として使用することができる。
前記トリアジン系化合物としては、例えば特開2011−018636号公報、特開2011−254046号公報に記載されている化合物を使用することができる。
本発明においては、光酸発生剤の中でもスルホン酸を発生する化合物が好ましく、下記のようなオキシムスルホネート化合物が高感度である観点から特に好ましい。
キノンジアジド化合物として、1,2−ナフトキノンジアジド基を有する化合物を用いると高感度で現像性が良好である。
キノンジアジド化合物の中で下記の化合物でDが独立して水素原子又は1,2−ナフトキノンジアジド基であるものが高感度である観点から好ましい。
キノンジアジド化合物の中で下記の化合物でDが独立して水素原子又は1,2−ナフトキノンジアジド基であるものが高感度である観点から好ましい。
−光ラジカル発生剤−
光ラジカル発生剤は、光を直接吸収し、又は光増感されて分解反応若しくは水素引き抜き反応を起こし、ラジカルを発生する機能を有する化合物である。光ラジカル発生剤としては、波長300nm〜500nmの領域に吸収を有するものであることが好ましい。
このような光ラジカル発生剤としては、多数の化合物が知られており、例えば特開2008−268884号公報に記載されているようなトリアジン系化合物、カルボニル化合物、ケタール化合物、ベンゾイン化合物、アクリジン化合物、有機過酸化化合物、アゾ化合物、クマリン化合物、アジド化合物、メタロセン化合物、ヘキサアリールビイミダゾール化合物、有機ホウ酸化合物、ジスルホン酸化合物、オキシムエステル化合物、アシルホスフィン(オキシド)化合物、が挙げられる。これらは目的に応じて適宜選択することができる。これらの中でも、ベンゾフェノン化合物、アセトフェノン化合物、ヘキサアリールビイミダゾール化合物、オキシムエステル化合物、及びアシルホスフィン(オキシド)化合物が露光感度の観点から特に好ましい。
光ラジカル発生剤は、光を直接吸収し、又は光増感されて分解反応若しくは水素引き抜き反応を起こし、ラジカルを発生する機能を有する化合物である。光ラジカル発生剤としては、波長300nm〜500nmの領域に吸収を有するものであることが好ましい。
このような光ラジカル発生剤としては、多数の化合物が知られており、例えば特開2008−268884号公報に記載されているようなトリアジン系化合物、カルボニル化合物、ケタール化合物、ベンゾイン化合物、アクリジン化合物、有機過酸化化合物、アゾ化合物、クマリン化合物、アジド化合物、メタロセン化合物、ヘキサアリールビイミダゾール化合物、有機ホウ酸化合物、ジスルホン酸化合物、オキシムエステル化合物、アシルホスフィン(オキシド)化合物、が挙げられる。これらは目的に応じて適宜選択することができる。これらの中でも、ベンゾフェノン化合物、アセトフェノン化合物、ヘキサアリールビイミダゾール化合物、オキシムエステル化合物、及びアシルホスフィン(オキシド)化合物が露光感度の観点から特に好ましい。
光ラジカル発生剤としては、例えば特開2011−018636号公報、特開2011−254046号公報に記載されている光ラジカル発生剤を使用することができる。
光重合開始剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよく、その含有量は、金属ナノワイヤーを含む光重合性組成物の固形分の総質量を基準として、0.1質量%〜50質量%であることが好ましく、0.5質量%〜30質量%がより好ましく、1質量%〜20質量%が更に好ましい。このような数値範囲において、後述の導電性領域と非導電性領域とを含むパターンを導電性層に形成する場合に、良好な感度とパターン形成性が得られる。
上記成分以外のその他の添加剤としては、例えば、連鎖移動剤、架橋剤、分散剤、溶媒、界面活性剤、酸化防止剤、硫化防止剤、金属腐食防止剤、粘度調整剤、防腐剤等の各種の添加剤などが挙げられる。
[連鎖移動剤]
連鎖移動剤は、光重合性組成物の露光感度向上のために使用されるものである。このような連鎖移動剤としては、例えば、N,N−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステルなどのN,N−ジアルキルアミノ安息香酸アルキルエステル、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール、N−フェニルメルカプトベンゾイミダゾール、1,3,5−トリス(3−メルカプトブチルオキシエチル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオンなどの複素環を有するメルカプト化合物、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)、1,4−ビス(3−メルカプトブチリルオキシ)ブタンなどの脂肪族多官能メルカプト化合物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
連鎖移動剤は、光重合性組成物の露光感度向上のために使用されるものである。このような連鎖移動剤としては、例えば、N,N−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステルなどのN,N−ジアルキルアミノ安息香酸アルキルエステル、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール、N−フェニルメルカプトベンゾイミダゾール、1,3,5−トリス(3−メルカプトブチルオキシエチル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオンなどの複素環を有するメルカプト化合物、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)、1,4−ビス(3−メルカプトブチリルオキシ)ブタンなどの脂肪族多官能メルカプト化合物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
連鎖移動剤の含有量は、前述の金属ナノワイヤーを含む光重合性組成物の固形分の総質量を基準として、0.01質量%〜15質量%が好ましく、0.1質量%〜10質量%がより好ましく、0.5質量%〜5質量%が更に好ましい。
[架橋剤]
架橋剤は、フリーラジカル又は酸及び熱により化学結合を形成し、導電層を硬化させる化合物で、例えばメチロール基、アルコキシメチル基、アシロキシメチル基から選ばれる少なくとも1つの基で置換されたメラミン系化合物、グアナミン系化合物、グリコールウリル系化合物、ウレア系化合物、フェノール系化合物もしくはフェノールのエーテル化合物、エポキシ系化合物、オキセタン系化合物、チオエポキシ系化合物、イソシアネート系化合物、又はアジド系化合物、メタクリロイル基又はアクリロイル基などを含むエチレン性不飽和基を有する化合物、などが挙げられる。これらの中でも、膜物性、耐熱性、溶剤耐性の点でエポキシ系化合物、オキセタン系化合物、エチレン性不飽和基を有する化合物が特に好ましい。
また、前記オキセタン樹脂は、1種単独で又はエポキシ樹脂と混合して使用することができる。特にエポキシ樹脂との併用で用いた場合には反応性が高く、膜物性を向上させる観点から好ましい。
なお、架橋剤としてエチレン性不飽和二重結合基を有する化合物を用いる場合、当該架橋剤も、また、前記重合性化合物に包含され、その含有量は、本発明における重合性化合物の含有量に含まれることを考慮すべきである。
架橋剤の含有量は、前述の金属ナノワイヤーを含む光重合性組成物の固形分の総質量を100質量部としたとき、1質量部〜250質量部が好ましく、3質量部〜200質量部がより好ましい。
架橋剤は、フリーラジカル又は酸及び熱により化学結合を形成し、導電層を硬化させる化合物で、例えばメチロール基、アルコキシメチル基、アシロキシメチル基から選ばれる少なくとも1つの基で置換されたメラミン系化合物、グアナミン系化合物、グリコールウリル系化合物、ウレア系化合物、フェノール系化合物もしくはフェノールのエーテル化合物、エポキシ系化合物、オキセタン系化合物、チオエポキシ系化合物、イソシアネート系化合物、又はアジド系化合物、メタクリロイル基又はアクリロイル基などを含むエチレン性不飽和基を有する化合物、などが挙げられる。これらの中でも、膜物性、耐熱性、溶剤耐性の点でエポキシ系化合物、オキセタン系化合物、エチレン性不飽和基を有する化合物が特に好ましい。
また、前記オキセタン樹脂は、1種単独で又はエポキシ樹脂と混合して使用することができる。特にエポキシ樹脂との併用で用いた場合には反応性が高く、膜物性を向上させる観点から好ましい。
なお、架橋剤としてエチレン性不飽和二重結合基を有する化合物を用いる場合、当該架橋剤も、また、前記重合性化合物に包含され、その含有量は、本発明における重合性化合物の含有量に含まれることを考慮すべきである。
架橋剤の含有量は、前述の金属ナノワイヤーを含む光重合性組成物の固形分の総質量を100質量部としたとき、1質量部〜250質量部が好ましく、3質量部〜200質量部がより好ましい。
[分散剤]
分散剤は、光重合性組成物中における前述の金属ナノワイヤーが凝集することを防止しつつ分散させるために用いられる。分散剤としては、前記金属ナノワイヤーを分散させることができれば特に制限はなく、目的に応じて適否選択することができる。例えば、顔料分散剤として市販されている分散剤を利用でき、特に金属ナノワイヤーに吸着する性質を持つ高分子分散剤が好ましい。このような高分子分散剤としては、例えばポリビニルピロリドン、BYKシリーズ(ビックケミー社製)、ソルスパースシリーズ(日本ルーブリゾール社製など)、アジスパーシリーズ(味の素株式会社製)などが挙げられる。
なお、分散剤として高分子分散剤を、前記金属ナノワイヤーの製造に用いたもの以外をさらに別に添加する場合、当該高分子分散剤も、また、前記バインダーに包含され、その含有量は、前述のバインダーの含有量に含まれることを考慮すべきである。
分散剤の含有量としては、バインダー100質量部に対し、0.1質量部〜50質量部が好ましく、0.5質量部〜40質量部がより好ましく、1質量部〜30質量部が特に好ましい。
分散剤の含有量を0.1質量部以上とすることで、分散液中での金属ナノワイヤーの凝集が効果的に抑制され、50質量部以下とすることで、塗布工程において安定な液膜が形成され、塗布ムラの発生が抑制されるため好ましい。
分散剤は、光重合性組成物中における前述の金属ナノワイヤーが凝集することを防止しつつ分散させるために用いられる。分散剤としては、前記金属ナノワイヤーを分散させることができれば特に制限はなく、目的に応じて適否選択することができる。例えば、顔料分散剤として市販されている分散剤を利用でき、特に金属ナノワイヤーに吸着する性質を持つ高分子分散剤が好ましい。このような高分子分散剤としては、例えばポリビニルピロリドン、BYKシリーズ(ビックケミー社製)、ソルスパースシリーズ(日本ルーブリゾール社製など)、アジスパーシリーズ(味の素株式会社製)などが挙げられる。
なお、分散剤として高分子分散剤を、前記金属ナノワイヤーの製造に用いたもの以外をさらに別に添加する場合、当該高分子分散剤も、また、前記バインダーに包含され、その含有量は、前述のバインダーの含有量に含まれることを考慮すべきである。
分散剤の含有量としては、バインダー100質量部に対し、0.1質量部〜50質量部が好ましく、0.5質量部〜40質量部がより好ましく、1質量部〜30質量部が特に好ましい。
分散剤の含有量を0.1質量部以上とすることで、分散液中での金属ナノワイヤーの凝集が効果的に抑制され、50質量部以下とすることで、塗布工程において安定な液膜が形成され、塗布ムラの発生が抑制されるため好ましい。
[溶媒]
溶媒は、前述の金属ナノワイヤー並びに特定アルコキシド化合物と、光重合性組成物とを含む組成物を基材表面に膜状に形成するための塗布液とするために使用される成分であり、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、乳酸エチル、3−メトキシブタノール、水、1−メトキシ−2−プロパノール、イソプロピルアセテート、乳酸メチル、N−メチルピロリドン(NMP)、γ−ブチロラクトン(GBL)、プロピレンカーボネート、などが挙げられる。この溶媒は、前述の金属ナノワイヤーの分散液の溶媒の少なくとも一部が兼ねていてもよい。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
このような溶媒を含む塗布液の固形分濃度は、0.1質量%〜20質量%の範囲で含有させることが好ましい。
溶媒は、前述の金属ナノワイヤー並びに特定アルコキシド化合物と、光重合性組成物とを含む組成物を基材表面に膜状に形成するための塗布液とするために使用される成分であり、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、乳酸エチル、3−メトキシブタノール、水、1−メトキシ−2−プロパノール、イソプロピルアセテート、乳酸メチル、N−メチルピロリドン(NMP)、γ−ブチロラクトン(GBL)、プロピレンカーボネート、などが挙げられる。この溶媒は、前述の金属ナノワイヤーの分散液の溶媒の少なくとも一部が兼ねていてもよい。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
このような溶媒を含む塗布液の固形分濃度は、0.1質量%〜20質量%の範囲で含有させることが好ましい。
[金属腐食防止剤]
金属ナノワイヤーの金属腐食防止剤を含有させておくことが好ましい。このような金属腐食防止剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えばチオール類、アゾール類などが好適である。
金属腐食防止剤を含有させることで、防錆効果を発揮させることができ、導電材料の経時による導電性及び透明性の低下を抑制することができる。金属腐食防止剤は感光性層形成用組成物中に、適した溶媒で溶解した状態、又は粉末で添加するか、後述する導電層用塗布液による導電膜を作製後に、これを金属腐食防止剤浴に浸すことで付与することができる。
金属腐食防止剤を添加する場合は、金属ナノワイヤーに対して0.5質量%〜10質量%含有させることが好ましい。
金属ナノワイヤーの金属腐食防止剤を含有させておくことが好ましい。このような金属腐食防止剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えばチオール類、アゾール類などが好適である。
金属腐食防止剤を含有させることで、防錆効果を発揮させることができ、導電材料の経時による導電性及び透明性の低下を抑制することができる。金属腐食防止剤は感光性層形成用組成物中に、適した溶媒で溶解した状態、又は粉末で添加するか、後述する導電層用塗布液による導電膜を作製後に、これを金属腐食防止剤浴に浸すことで付与することができる。
金属腐食防止剤を添加する場合は、金属ナノワイヤーに対して0.5質量%〜10質量%含有させることが好ましい。
その他マトリクスとしては、前述の金属ナノワイヤーの製造の際に使用された分散剤としての高分子化合物を、マトリクスを構成する成分の少なくとも一部として使用することが可能である。
前記導電層の形成には、前記金属ナノワイヤーとともに、マトリクス成分としてゾルゲル硬化物を少なくとも含有する組成物を用いることもできる。
<ゾルゲル硬化物>
上記ゾルゲル硬化物は、Si、Ti、ZrおよびAlからなる群から選ばれた元素のアルコキシド化合物(以下、「特定アルコキシド化合物」ともいう。)を加水分解及び重縮合し、更に所望により加熱、乾燥して得られるものである。
〔特定アルコキシド化合物〕
特定アルコキシド化合物は、下記一般式(I)で示される化合物であることが、入手が容易である点で好ましい。
M1(OR1)aR2 4-a (I)
(一般式(I)中、M1はSi、TiおよびZrから選択される元素を示し、R1、R2はそれぞれ独立に水素原子または炭化水素基を示し、aは2〜4の整数を示す。)
上記ゾルゲル硬化物は、Si、Ti、ZrおよびAlからなる群から選ばれた元素のアルコキシド化合物(以下、「特定アルコキシド化合物」ともいう。)を加水分解及び重縮合し、更に所望により加熱、乾燥して得られるものである。
〔特定アルコキシド化合物〕
特定アルコキシド化合物は、下記一般式(I)で示される化合物であることが、入手が容易である点で好ましい。
M1(OR1)aR2 4-a (I)
(一般式(I)中、M1はSi、TiおよびZrから選択される元素を示し、R1、R2はそれぞれ独立に水素原子または炭化水素基を示し、aは2〜4の整数を示す。)
一般式(I)におけるR1およびR2の各炭化水素基としては、好ましくはアルキル基又はアリール基が挙げられる。
アルキル基を示す場合の炭素数は好ましくは1〜18、より好ましくは1〜8であり、さらにより好ましくは1〜4である。また、アリール基を示す場合は、フェニル基が好ましい。
アルキル基又はアリール基は置換基を有していてもよく、導入可能な置換基としては、ハロゲン原子、アミノ基、アルキルアミノ基、メルカプト基などが挙げられる。
なお、一般式(I)で示される化合物は低分子化合物であり、分子量1000以下であることが好ましい。
アルキル基を示す場合の炭素数は好ましくは1〜18、より好ましくは1〜8であり、さらにより好ましくは1〜4である。また、アリール基を示す場合は、フェニル基が好ましい。
アルキル基又はアリール基は置換基を有していてもよく、導入可能な置換基としては、ハロゲン原子、アミノ基、アルキルアミノ基、メルカプト基などが挙げられる。
なお、一般式(I)で示される化合物は低分子化合物であり、分子量1000以下であることが好ましい。
一般式(I)で示される化合物の具体例としては、例えば、特開2010−064474号公報などに記載されている。
本発明において前記ゾルゲル硬化物を導電性層のマトリクスとして用いる場合、前述の金属ナノワイヤーに対する特定アルコキシド化合物の比率、即ち、特定アルコキシド化合物/金属ナノワイヤーの質量比が0.25/1〜30/1の範囲で使用される。上記質量比が0.25/1よりも小さい場合には、透明性が劣ると同時に、耐摩耗性、耐熱性、耐湿熱性および耐屈曲性のうちの少なくとも一つが劣った導電性層となってしまい、他方、上記質量比が30/1よりも大きい場合には、導電性および耐屈曲性の劣る導電性層となってしまう。
上記質量比は、より好ましくは0.5/1〜20/1の範囲、更に好ましくは1/1〜15/1、最も好ましくは2/1〜8/1の範囲が高い導電性と高い透明性(全光透過率及びヘイズ)を有すると共に、耐摩耗性、耐熱性および耐湿熱性に優れ、かつ耐屈曲性に優れる導電材料を安定的に得ることができるので、好ましい。
上記質量比は、より好ましくは0.5/1〜20/1の範囲、更に好ましくは1/1〜15/1、最も好ましくは2/1〜8/1の範囲が高い導電性と高い透明性(全光透過率及びヘイズ)を有すると共に、耐摩耗性、耐熱性および耐湿熱性に優れ、かつ耐屈曲性に優れる導電材料を安定的に得ることができるので、好ましい。
前記導電層の形成には、前記金属ナノワイヤーとともに、マトリクス成分として高分子物を少なくとも含有する組成物を用いることもできる。高分子としては合成高分子や天然高分子が含まれ、前記合成高分子としては、ポリエステル、ポリイミド、ポリアクリル、ポリビニロン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、メタクリル酸樹脂、フッ素系樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、シリコーン樹脂、合成ゴムやこれらのラテックス等がある。前記天然高分子としては、セルロース系樹脂や天然ゴムなどがある。
導電層の塗布方法:
導電層の塗布方法(形成方法)の一例は、以下の通りであるが、下記の例に限定されるものではない。
まず、導電層用塗布液を調製する。該塗布液は、少なくとも平均短軸長が5〜50nmの金属ナノワイヤー、及びマトリクス成分(好ましくはバインダー及び感光性化合物、ゾルゲル硬化物、又は高分子を少なくとも含有する組成物、さらには必要に応じてその他の成分)を混合して、常法により調製することができる。
導電層の塗布方法(形成方法)の一例は、以下の通りであるが、下記の例に限定されるものではない。
まず、導電層用塗布液を調製する。該塗布液は、少なくとも平均短軸長が5〜50nmの金属ナノワイヤー、及びマトリクス成分(好ましくはバインダー及び感光性化合物、ゾルゲル硬化物、又は高分子を少なくとも含有する組成物、さらには必要に応じてその他の成分)を混合して、常法により調製することができる。
次に、前記導電層用塗布液を、ガラス板やフィルム等の基板表面に塗布する。塗布する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えばスプレーコート法、エアブラシ法、カーテンスプレー法、ディップコート法、ローラーコート法、スピンコート法、インクジェット法、押出し法などが挙げられる。
塗布量としては、導電層のウェット膜厚が、金属ナノワイヤーの平均長軸長の0.2〜20倍(好ましくは1.0〜15倍が好ましく、2.0〜13倍)となるように塗布量を調整して塗布する。
次に、基板上に、前記導電層用塗布液を塗布し、塗布層を形成した後、露光し、硬化させる。
前記露光としては、特に制限はなく、用途などに応じて適宜選択することができるが、紫外線照射装置、紫外線照射ランプなどが好ましい。
前記露光としては、特に制限はなく、用途などに応じて適宜選択することができるが、紫外線照射装置、紫外線照射ランプなどが好ましい。
前記露光後(硬化後)の導電層をアルカリ溶液で処理する工程を実施してもよい。
前記アルカリ溶液に含まれるアルカリとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばテトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、2−ヒドロキシエチルトリメチルアンモニウムハイドロオキサイド、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどが挙げられる。
前記アルカリ溶液に含まれるアルカリとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばテトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、2−ヒドロキシエチルトリメチルアンモニウムハイドロオキサイド、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどが挙げられる。
前記アルカリ溶液には、必要に応じて、メタノール、エタノール、又は界面活性剤を添加してもよい。前記界面活性剤としては、例えばアニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、及びノニオン系界面活性剤から選択して使用することができる。これらの中でも、ノニオン系のポリオキシエチレンアルキルエーテルを添加すると、解像度が高くなるので特に好ましい。
前記アルカリ処理としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばディップ現像、パドル現像、シャワー現像のいずれも用いることができる。
前記アルカリ処理を行うことにより、前記三次元曲面構造体の導電層の導電性を上げることができる。
前記アルカリ溶液の浸漬時間は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、10秒間〜5分間であることが好ましい。
前記アルカリ処理を行うことにより、前記三次元曲面構造体の導電層の導電性を上げることができる。
前記アルカリ溶液の浸漬時間は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、10秒間〜5分間であることが好ましい。
また、導電層を導電性領域及び非導電性領域にパターニングする工程を含んでいてもよい。
上記の導電性部材の導電性層は、導電性領域と非導電性領域とからなる所望のパターンを有するようにパターニングされて、本発明に係る導電性パターン部材が製造される。このようなパターニングの方法としては、以下の方法が挙げられる。なお、以下の説明において、パターニングされる前の導電性層を「非パターン化導電性層」ともいう。
導電性層のマトリックスが非感光性のものである場合には、下記の(1)〜(2)の方法によりパターンニングされる。
(1)非パターン化導電性層上にフォトレジスト層を設け、このフォトレジスト層に所望のパターン露光および現像を行って、当該パターン状のレジストを形成したのちに(エッチングマスク材)、銀ナノワイヤーをエッチング可能なエッチング液で処理するウェットプロセスか、または反応性イオンエッチングのようなドライプロセスにより、レジストで保護されていない領域の導電性層中の銀ナノワイヤーを銀ナノワイヤーを溶解する溶解液でエッチングして断線または消失させるパターニング方法。この方法は、例えば特表2010−507199号公報(特に、段落0212〜0217)に記載されている。
(2)非パターン化導電性層上の所望の領域に、光硬化性樹脂をインクジェット方式やスクリーン印刷方式によりパターン上に設け、この光硬化性樹脂層に所望の露光を行って、当該パターン状のレジスト(エッチングマスク材)を形成したのちに、銀ナノワイヤーをエッチング可能なエッチング液中に浸漬するか、または前記エッチング液をシャワリングして、レジストで保護されていない領域の導電性層中の銀ナノワイヤーを断線または消失させるパターニング方法。
上記(1)または(2)の方法による場合には、パターニングが終了した後に、導電性層上のレジストは常法により除去することが、透明性に優れる導電性部材が得られるので好ましい。
導電性層のマトリックスが非感光性のものである場合には、下記の(1)〜(2)の方法によりパターンニングされる。
(1)非パターン化導電性層上にフォトレジスト層を設け、このフォトレジスト層に所望のパターン露光および現像を行って、当該パターン状のレジストを形成したのちに(エッチングマスク材)、銀ナノワイヤーをエッチング可能なエッチング液で処理するウェットプロセスか、または反応性イオンエッチングのようなドライプロセスにより、レジストで保護されていない領域の導電性層中の銀ナノワイヤーを銀ナノワイヤーを溶解する溶解液でエッチングして断線または消失させるパターニング方法。この方法は、例えば特表2010−507199号公報(特に、段落0212〜0217)に記載されている。
(2)非パターン化導電性層上の所望の領域に、光硬化性樹脂をインクジェット方式やスクリーン印刷方式によりパターン上に設け、この光硬化性樹脂層に所望の露光を行って、当該パターン状のレジスト(エッチングマスク材)を形成したのちに、銀ナノワイヤーをエッチング可能なエッチング液中に浸漬するか、または前記エッチング液をシャワリングして、レジストで保護されていない領域の導電性層中の銀ナノワイヤーを断線または消失させるパターニング方法。
上記(1)または(2)の方法による場合には、パターニングが終了した後に、導電性層上のレジストは常法により除去することが、透明性に優れる導電性部材が得られるので好ましい。
前記エッチングマスク材を付与する方法には特に制限がなく、例えば塗布法、印刷法、インクジェット法などが挙げられる。
前記塗布法としては、特に制限はなく、例えばロールコート法、バーコート法、ディップコーティング法、スピンコーティング法、キャスティング法、ダイコート法、ブレードコート法、バーコート法、グラビアコート法、カーテンコート法、スプレーコート法、ドクターコート法、などが挙げられる。
前記印刷法としては、例えば凸版(活版)印刷法、孔版(スクリーン)印刷法、平版(オフセット)印刷法、凹版(グラビア)印刷法、などが挙げられる。
なお、この工程で形成されるレジスト層はポジ型レジスト層でもよく、ネガ型レジスト層でもよい。ポジ型レジスト層の場合には、パターン状の露光領域が可溶化され、未露光領域(未溶解化領域)にパターン状のレジスト層が形成され、ネガ型レジスト層の場合には、露光領域が硬化されたレジスト層となり、溶解液の付与により、未露光部、即ち未硬化部のレジスト層が除去され、パターン状のレジスト層が形成される。
この方法によれば、非導電性領域は、導電性層に含まれる金属ナノワイヤ及びバインダが何れも除去され、基材若しくは、基材上に形成された中間層が露出することになる。
前記塗布法としては、特に制限はなく、例えばロールコート法、バーコート法、ディップコーティング法、スピンコーティング法、キャスティング法、ダイコート法、ブレードコート法、バーコート法、グラビアコート法、カーテンコート法、スプレーコート法、ドクターコート法、などが挙げられる。
前記印刷法としては、例えば凸版(活版)印刷法、孔版(スクリーン)印刷法、平版(オフセット)印刷法、凹版(グラビア)印刷法、などが挙げられる。
なお、この工程で形成されるレジスト層はポジ型レジスト層でもよく、ネガ型レジスト層でもよい。ポジ型レジスト層の場合には、パターン状の露光領域が可溶化され、未露光領域(未溶解化領域)にパターン状のレジスト層が形成され、ネガ型レジスト層の場合には、露光領域が硬化されたレジスト層となり、溶解液の付与により、未露光部、即ち未硬化部のレジスト層が除去され、パターン状のレジスト層が形成される。
この方法によれば、非導電性領域は、導電性層に含まれる金属ナノワイヤ及びバインダが何れも除去され、基材若しくは、基材上に形成された中間層が露出することになる。
前記(1)の方法に使用されるレジスト層形成用材料には特に制限は無く、ネガ型、ポジ型、ドライフィルムタイプなどのいずれも用いることができる。
レジスト層の形成には、市販のアルカリ可溶性フォトレジストを適宜選択して用いることができ、例えば、富士フイルム製カラーモザイクシリーズ、FILSシリーズ、FIOSシリーズ、FMESシリーズ、FTENSシリーズ、FIESシリーズ、半導体プロセス用各ポジ型、ネガ型フォトレジストシリーズ、富士薬品製フジレジストシリーズ、中でも、FRシリーズ、FPPRシリーズ、FMRシリーズ、FDERシリーズなどを好ましく用いることができ、また、AZエレクトロニックマテリアルズ製フォトレジストシリーズ、中でも、RFPシリーズ、TFPシリーズ、SZPシリーズ、HKTシリーズ、SFP、シリーズ、SRシリーズ、SOPシリーズ、SZCシリーズ、CTPシリーズ、ANRシリーズ、P4000シリーズ、TPM606、40XT、nXTシリーズなどが好ましく挙げられ、JSR社製の各フォトレジストなども、高解像度タイプから、低解像度タイプまで広く用いることが可能である。
ドライフィルムレジストとしては、日立化成工業製、プリント配線板用感光性フィルム、旭化成イーマテリアルズ製感光性ドライフィルムSUNFORTシリーズ、デュポンMRCドライフィルム製FXGシリーズ、FXRシリーズ、FX900シリーズ、JSF100シリーズ、SA100シリーズ、LDIシリーズ、FRAシリーズ、CMシリーズ、富士フイルム製トランサー各シリーズ等が挙げられ、これらを適宜使用することができる。
これらレジスト層形成材料は、導電性パターン部材において形成されるパターンの解像度などに応じて、適宜、選択すればよい。
レジスト層の形成において、ドライフィルム型のレジスト層形成材料を用いる場合、予め作製されたドライフィルムレジストの感光性レジスト層を、形成された導電性層の表面に転写すればよい。
レジスト層の形成には、市販のアルカリ可溶性フォトレジストを適宜選択して用いることができ、例えば、富士フイルム製カラーモザイクシリーズ、FILSシリーズ、FIOSシリーズ、FMESシリーズ、FTENSシリーズ、FIESシリーズ、半導体プロセス用各ポジ型、ネガ型フォトレジストシリーズ、富士薬品製フジレジストシリーズ、中でも、FRシリーズ、FPPRシリーズ、FMRシリーズ、FDERシリーズなどを好ましく用いることができ、また、AZエレクトロニックマテリアルズ製フォトレジストシリーズ、中でも、RFPシリーズ、TFPシリーズ、SZPシリーズ、HKTシリーズ、SFP、シリーズ、SRシリーズ、SOPシリーズ、SZCシリーズ、CTPシリーズ、ANRシリーズ、P4000シリーズ、TPM606、40XT、nXTシリーズなどが好ましく挙げられ、JSR社製の各フォトレジストなども、高解像度タイプから、低解像度タイプまで広く用いることが可能である。
ドライフィルムレジストとしては、日立化成工業製、プリント配線板用感光性フィルム、旭化成イーマテリアルズ製感光性ドライフィルムSUNFORTシリーズ、デュポンMRCドライフィルム製FXGシリーズ、FXRシリーズ、FX900シリーズ、JSF100シリーズ、SA100シリーズ、LDIシリーズ、FRAシリーズ、CMシリーズ、富士フイルム製トランサー各シリーズ等が挙げられ、これらを適宜使用することができる。
これらレジスト層形成材料は、導電性パターン部材において形成されるパターンの解像度などに応じて、適宜、選択すればよい。
レジスト層の形成において、ドライフィルム型のレジスト層形成材料を用いる場合、予め作製されたドライフィルムレジストの感光性レジスト層を、形成された導電性層の表面に転写すればよい。
露光工程は、光重合開始剤を含むエッチングマスク材を用いて酸素濃度が5%以下で露光を行う工程である。
前記露光は酸素濃度が5%以下の雰囲気下にて行われる。酸素濃度は2%以下であることが好ましく、1%以下であることが更に好ましく、0.1%以下であることが特に好ましい。
前記露光を酸素濃度が5%を超える雰囲気下で行うと、エッチングマスク材に含まれる光重合開始剤から生じる副生成物、或いは、オゾン等の酸化物との反応により金属ナノワイヤーが断線され、パターニング後の導電部配線抵抗値が上昇するため好ましくない。酸素濃度が高い雰囲気下における金属ナノワイヤーの断線は、直径の細い金属ナノワイヤーを用いる場合に特に顕著となる傾向がある。
更に、前記露光を酸素濃度が5%を超える雰囲気下で行うと、エッチングマスク材の硬化における反応効率が低下し、タクトタイムが長くなるため好ましくない。
前記露光は酸素濃度が5%以下の雰囲気下にて行われる。酸素濃度は2%以下であることが好ましく、1%以下であることが更に好ましく、0.1%以下であることが特に好ましい。
前記露光を酸素濃度が5%を超える雰囲気下で行うと、エッチングマスク材に含まれる光重合開始剤から生じる副生成物、或いは、オゾン等の酸化物との反応により金属ナノワイヤーが断線され、パターニング後の導電部配線抵抗値が上昇するため好ましくない。酸素濃度が高い雰囲気下における金属ナノワイヤーの断線は、直径の細い金属ナノワイヤーを用いる場合に特に顕著となる傾向がある。
更に、前記露光を酸素濃度が5%を超える雰囲気下で行うと、エッチングマスク材の硬化における反応効率が低下し、タクトタイムが長くなるため好ましくない。
前記露光は、酸素濃度が5%以下の不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。
使用することができる不活性ガスは、前記UV硬化反応の妨げとならないものであれば特に制限がない。不活性ガスとしては、窒素ガス又はアルゴンガスが好ましく、入手が容易で安価な点から窒素ガスがより好ましい。
使用することができる不活性ガスは、前記UV硬化反応の妨げとならないものであれば特に制限がない。不活性ガスとしては、窒素ガス又はアルゴンガスが好ましく、入手が容易で安価な点から窒素ガスがより好ましい。
前記露光方法としては、フォトマスクを利用しない面露光(ベタ露光)で行ってもよいし、フォトマスクを利用した面露光で行ってもよいし、レーザービームによる走査露光で行ってもよい。この際、レンズを用いた屈折式露光でも反射鏡を用いた反射式露光でもよく、コンタクト露光、プロキシミティー露光、縮小投影露光、反射投影露光などの露光方式を用いることができる。
これらの露光方式は、必要に応じて適宜選択することができる。例えば、前記付与されたエッチングマスク材が予めパターン状に付与されている場合は、フォトマスクを利用せずベタ露光することも可能である。
上記パターン露光や露光に用いる光源は、フォトレジスト組成物の感光波長域との関連で選定されるが、一般的にはg線、h線、i線、j線等の紫外線が好ましく用いられる。また、紫外線LEDを用いてもよい。
パターン露光の方法にも特に制限はなく、フォトマスクを利用した面露光で行ってもよいし、レーザービーム等による走査露光で行ってもよい。この際、レンズを用いた屈折式露光でも反射鏡を用いた反射式露光でもよく、コンタクト露光、プロキシミティー露光、縮小投影露光、反射投影露光などの露光方式を用いることができる。また露光時のサンプル膜面温度は低い方が良く、0℃〜80℃の範囲が好ましく、より好ましくは5℃〜70℃が好ましく、更に好ましくは10℃〜50℃が好ましい。露光時の温度が0℃より低いと温度を制御するのが難しく、80℃以上になると金属ナノワイヤーの断線数が増え、抵抗上昇倍率が大きくなってしまう。
これらの露光方式は、必要に応じて適宜選択することができる。例えば、前記付与されたエッチングマスク材が予めパターン状に付与されている場合は、フォトマスクを利用せずベタ露光することも可能である。
上記パターン露光や露光に用いる光源は、フォトレジスト組成物の感光波長域との関連で選定されるが、一般的にはg線、h線、i線、j線等の紫外線が好ましく用いられる。また、紫外線LEDを用いてもよい。
パターン露光の方法にも特に制限はなく、フォトマスクを利用した面露光で行ってもよいし、レーザービーム等による走査露光で行ってもよい。この際、レンズを用いた屈折式露光でも反射鏡を用いた反射式露光でもよく、コンタクト露光、プロキシミティー露光、縮小投影露光、反射投影露光などの露光方式を用いることができる。また露光時のサンプル膜面温度は低い方が良く、0℃〜80℃の範囲が好ましく、より好ましくは5℃〜70℃が好ましく、更に好ましくは10℃〜50℃が好ましい。露光時の温度が0℃より低いと温度を制御するのが難しく、80℃以上になると金属ナノワイヤーの断線数が増え、抵抗上昇倍率が大きくなってしまう。
前記銀ナノワイヤーを溶解する溶解液(エッチング液という)としては、銀ナノワイヤーに応じて適宜選択することができる。例えば銀ナノワイヤーが銀ナノワイヤーの場合には、所謂写真科学業界において、主にハロゲン化銀カラー感光材料の印画紙の漂白、定着工程に使用される漂白定着液、強酸、酸化剤、過酸化水素などが挙げられる。これらの中でも、は漂白定着液、希硝酸、過酸化水素が特に好ましい。なお、前記銀ナノワイヤーを溶解する溶解液による銀ナノワイヤーの溶解は、溶解液を付与した部分の銀ナノワイヤーを完全に溶解しなくてもよく、導電性が消失していれば一部が残存していてもよい。
前記希硝酸の濃度は、1質量%〜20質量%であることが好ましい。
前記過酸化水素の濃度は、3質量%〜30質量%であることが好ましい。
前記希硝酸の濃度は、1質量%〜20質量%であることが好ましい。
前記過酸化水素の濃度は、3質量%〜30質量%であることが好ましい。
前記漂白定着液としては、例えば特開平2−207250号公報の第26頁右下欄1行目〜34頁右上欄9行目、及び特開平4−97355号公報の第5頁左上欄17行目〜18頁右下欄20行目に記載の処理素材や処理方法が好ましく適用できる。
漂白定着時間は、180秒間以下が好ましく、120秒間以下1秒間以上がより好ましく、90秒間以下5秒間以上が更に好ましい。また、水洗又は安定化時間は、180秒間以下が好ましく、120秒間以下1秒間以上がより好ましい。
前記漂白定着液としては、写真用漂白定着液であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、富士フイルム株式会社製CP−48S、CP−49E(カラーペーパー用漂白定着剤)、コダック社製エクタカラーRA漂白定着液、大日本印刷株式会社製漂白定着液D−J2P−02−P2、D−30P2R−01、D−22P2R−01などが挙げられる。これらの中でも、CP−48S、CP−49Eが特に好ましい。
漂白定着時間は、180秒間以下が好ましく、120秒間以下1秒間以上がより好ましく、90秒間以下5秒間以上が更に好ましい。また、水洗又は安定化時間は、180秒間以下が好ましく、120秒間以下1秒間以上がより好ましい。
前記漂白定着液としては、写真用漂白定着液であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、富士フイルム株式会社製CP−48S、CP−49E(カラーペーパー用漂白定着剤)、コダック社製エクタカラーRA漂白定着液、大日本印刷株式会社製漂白定着液D−J2P−02−P2、D−30P2R−01、D−22P2R−01などが挙げられる。これらの中でも、CP−48S、CP−49Eが特に好ましい。
現像工程は、溶媒を付与して前記エッチングマスク材を除去する工程であり、ポジ型レジストの場合はマスク露光後の現像工程およびエッチング工程後のレジスト剥離現像工程で、ネガ型レジストの場合はエッチング工程後のレジスト剥離現像工程で実施する工程である。
前記現像工程で用いる溶媒としては、アルカリ溶液が好ましい。
前記アルカリ溶液に含まれるアルカリとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばテトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、2−ヒドロキシエチルトリメチルアンモニウムハイドロオキサイド、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどが挙げられる。
前記溶媒としては上記の溶媒の他、市販のフォトレジスト用現像液を使用することができる。
前記アルカリ溶液に含まれるアルカリとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばテトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、2−ヒドロキシエチルトリメチルアンモニウムハイドロオキサイド、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどが挙げられる。
前記溶媒としては上記の溶媒の他、市販のフォトレジスト用現像液を使用することができる。
前記アルカリ溶液の付与方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば塗布、浸漬、噴霧などが挙げられる。これらの中でも、浸漬が特に好ましい。
前記アルカリ溶液の浸漬時間は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、10秒間〜5分間であることが好ましい。またアルカリ溶液の温度は目的に応じて適宜選択することができるが、5℃〜50℃であることが好ましい。
前記アルカリ溶液の浸漬時間は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、10秒間〜5分間であることが好ましい。またアルカリ溶液の温度は目的に応じて適宜選択することができるが、5℃〜50℃であることが好ましい。
(その他の工程)
本発明における導電材料の製造方法のパターニング工程は、前記露光工程及び現像工程に加えて、必要に応じて更に他の工程を含んでいてもよい。
その他の工程としては、エッチングマスク除去後の水洗、乾燥工程等が挙げられる。
本発明における導電材料の製造方法のパターニング工程は、前記露光工程及び現像工程に加えて、必要に応じて更に他の工程を含んでいてもよい。
その他の工程としては、エッチングマスク除去後の水洗、乾燥工程等が挙げられる。
また、導電層は、転写材料を利用して、転写により、目的とする基板上に形成してもよい。
前述の導電性層を基材上に形成する方法としては一般的な塗布方法で行うことができ、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばロールコート法、バーコート法、ディップコーティング法、スピンコーティング法、キャスティング法、ダイコート法、ブレードコート法、バーコート法、グラビアコート法、カーテンコート法、スプレーコート法、ドクターコート法、などが挙げられる。
また、導電層を形成した後、層中の金属ナノワイヤーの配向性を軽減するための処理を行ってもよい。一方向に沿って塗布されて形成された導電層中の金属ナノワイヤーは、当該方向に沿って配向する傾向がある。従って、塗布の方向とは異なる方向(例えば直交する方向)に沿って、延伸処理(例えば1%以上5%未満の延伸率の延伸処理)等を行うと、配向性が軽減されるので好ましい。なお、延伸処理を実施する場合は、高分子フィルム等の可撓性のある基板上に導電層を形成した後、基板に支持された状態の導電層を基板とともに延伸処理するのが好ましい。
前記導電層の表面抵抗は、0.1Ω/□〜5,000Ω/□であることが好ましく、0.1Ω/□〜500Ω/□であることがより好ましい。
前記表面抵抗は、例えば表面抵抗計(三菱化学株式会社製、Loresta−GP MCP−T600)により、測定することができる。
前記表面抵抗は、例えば表面抵抗計(三菱化学株式会社製、Loresta−GP MCP−T600)により、測定することができる。
導電層の乾燥膜厚は、金属ナノワイヤーの平均長軸長の0.001〜0.1倍であり、0.002〜0.05倍が好ましく、0.003〜0.01倍がより好ましい。
乾燥膜厚が、金属ナノワイヤーの平均長軸長の0.001倍を超えると、金属ナノワイヤーが配向しにくくなり、消光比を小さくできる。乾燥膜厚が、金属ナノワイヤーの平均長軸長の0.1倍未満であると、金属ナノワイヤーの凝集を防止できる。
乾燥膜厚が、金属ナノワイヤーの平均長軸長の0.001倍を超えると、金属ナノワイヤーが配向しにくくなり、消光比を小さくできる。乾燥膜厚が、金属ナノワイヤーの平均長軸長の0.1倍未満であると、金属ナノワイヤーの凝集を防止できる。
基板:
本発明では、前記導電膜を支持する基板を有する。基板の光透過率は、65%以上であることが好ましく、70%以上であることがより好ましい。
本発明では、前記導電膜を支持する基板を有する。基板の光透過率は、65%以上であることが好ましく、70%以上であることがより好ましい。
前記基板の厚みについても特に制限はない。平均厚みは、0.01mm〜10mmであることが好ましく、0.02mm〜1mmであることがより好ましい。但し、この範囲に限定されるものでない。
前記基板の表面は、前記導電膜との密着性を向上させるための表面処理が実施されていてもよい。表面処理は、物理的又は化学的方法によって実施される。前記物理的方法としては、サンドブラスト法などにより基材表面を荒らしてアンカー効果を付与する方法が挙げられる。前記化学的方法としては、プラズマ処理やコロナ処理などにより基材表面を活性化する方法、シランカップリング剤処理により導電膜と化学的に密着性を上げる方法、プライマー層等の下塗り層を設ける方法などが挙げられる。前記下塗り層は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、紫外線吸収能や酸化防止能などを付与してもよい。これらの中でも、簡便性と処理均一性の点でプラズマ処理が特に好ましい。
前記基板は、透過率およびヘイズという光学的特性を向上させるために、図3の一例を示すように、支持体200の上に帯電防止層100を有する基板であってもよい。
帯電防止層は、金属酸化物微粒子とバインダー有することが好ましい。また、帯電防止層は、支持体と導電層とを接着する接着剤層として有していてもよい。
本発明では、支持体と、導電層と隣接する層を含めた全体を基板と定義する。例えば、図3に示すように、支持体と帯電防止層とを有し、帯電防止層が導電層と隣接する場合、支持体と帯電防止層を含めて基板と定義する。
帯電防止層は、金属酸化物微粒子とバインダー有することが好ましい。また、帯電防止層は、支持体と導電層とを接着する接着剤層として有していてもよい。
本発明では、支持体と、導電層と隣接する層を含めた全体を基板と定義する。例えば、図3に示すように、支持体と帯電防止層とを有し、帯電防止層が導電層と隣接する場合、支持体と帯電防止層を含めて基板と定義する。
支持体の材料については可撓性高分子であれば特に制限はない。例えば、高分子(樹脂及び重合体のいずれも含む意味で用いる)フィルム、シート及び成形体から選択することができる。
使用可能な高分子フィルム等の例には、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリエステル、アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、芳香族ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド、ポリイミド、FRP(繊維強化プラスチック)等を主成分として含むフィルム等が含まれる。
使用可能な高分子フィルム等の例には、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリエステル、アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、芳香族ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド、ポリイミド、FRP(繊維強化プラスチック)等を主成分として含むフィルム等が含まれる。
金属酸化物微粒子としては、例えば、酸化スズ、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化アンチモンなどが挙げられる。金属酸化物微粒子の詳細は、特開2010−188604号公報に記載されている。
本発明で使用する帯電防止層としては、金属酸化物微粒子は、針状金属酸化物微粒子であることが好ましい。針状の導電性金属酸化物微粒子を採用することにより、透過率およびヘイズという光学的特性と導電性の両立をより効果的に達成できる。
導電性針状金属酸化物微粒子における、針状とは、その形状が、短軸平均粒径が5〜500nmであり、長軸平均粒径が50〜5000nmであって、アスペクト比が3以上のものを意味する。短軸平均粒径は、好ましくは、5〜300nmである。長軸平均粒径は、好ましくは、100〜300nmである。アスペクト比は、好ましくは、5〜300nmである。
本発明で用いる導電性針状金属酸化物微粒子は、錫および/またはアンチモンを含む酸化物であることが好ましく、アンチモンがドープされた酸化錫であることがより好ましい。アンチモンがドープされた酸化錫の場合、アンチモン含有率が0〜10モル%であることが好ましく、1〜5モル%であることがより好ましい。
導電性針状金属酸化物微粒子は、バインダー100重量部に対し、10〜100重量部含まれることが好ましく、20〜90重量部含まれることがより好ましい。
また、導電性針状金属酸化物微粒子は、導電層に対し、5〜50重量%の割合で含まれることが好ましく、10〜45重量%の割合で含まれることがさらに好ましい。
本発明で用いる導電性針状金属酸化物微粒子は、錫および/またはアンチモンを含む酸化物であることが好ましく、アンチモンがドープされた酸化錫であることがより好ましい。アンチモンがドープされた酸化錫の場合、アンチモン含有率が0〜10モル%であることが好ましく、1〜5モル%であることがより好ましい。
導電性針状金属酸化物微粒子は、バインダー100重量部に対し、10〜100重量部含まれることが好ましく、20〜90重量部含まれることがより好ましい。
また、導電性針状金属酸化物微粒子は、導電層に対し、5〜50重量%の割合で含まれることが好ましく、10〜45重量%の割合で含まれることがさらに好ましい。
バインダーは、導電性針状金属酸化物を分散させるバインダーとしての役割を果たす。よって、かかる役割を果たす限り、その種類等は特に限定されるものではない。バインダーとしては、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリヒドロキシエチルアクリレート、ポリビニルピロリドン、水溶性ポリエステル、水溶性ポリウレタン、水溶性ナイロン、水溶性エポキシ樹脂、ゼラチン、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース及びこれらの誘導体等の水溶性バインダー;水分散アクリル樹脂、水分散ポリエステル等の水分散型樹脂;アクリル樹脂エマルジョン、ポリ酢酸ビニルエマルジョン、SBR(スチレン・ブタジエン・ゴム)エマルジョン等のエマルジョン;アクリル樹脂、ポリエステル樹脂等の有機溶剤可溶型樹脂を挙げることができる。水溶性バインダー、水分散型樹脂及びエマルジョンが好ましく、水溶性バインダーがさらに好ましい。
バインダーは、ガラス転移温度が90℃以上であることが好ましい。このようなバインダーを採用することにより、支持体からのオリゴマーの析出を抑止することができる。バインダーのガラス転移温度(Tg)が90℃以上という観点で好ましいものとしては、ポリエステル、ポリウレタンが挙げられる。
バインダーは、ガラス転移温度が90℃以上であることが好ましい。このようなバインダーを採用することにより、支持体からのオリゴマーの析出を抑止することができる。バインダーのガラス転移温度(Tg)が90℃以上という観点で好ましいものとしては、ポリエステル、ポリウレタンが挙げられる。
これらのバインダーには、さらに界面活性剤を添加してもよく、また架橋剤等を添加しても良い。
界面活性剤としては、例えばアルキルベンゼンイミダゾールスルホン酸塩、ナフタリンスルホン酸塩、カルボン酸スルホンエステル、リン酸エステル、ヘテロ環アミン類、アンモニウム塩類、ホスホニウム塩類及びベタイン系両性塩類を挙げることができる。界面活性剤は、バインダー100重量部に対し、0.1〜20重量部含まれることが好ましく、1〜10重量部含まれることがより好ましい。
架橋剤として好ましい化合物は、エポキシ系化合物、アルデヒド系化合物、活性ハロゲン系化合物、活性ビニル系化合物、N−カルバモイルピリジニウム塩化合物、N−メチロール系化合物(ジメチロールウレア、メチロールジメチルヒダントイン等)、カルボジイミド化合物、オキサゾリン化合物、イソシアネート化合物、高分子硬膜剤(特開昭62−234157号公報などに記載の化合物)、ホウ酸及びその塩、ホウ砂、アルミみょうばん等を挙げることができる。架橋剤は、バインダーの種類に応じて適宜定めることができる。水溶性バインダーを用いる場合、カルボジイミド化合物が好ましい。架橋剤は、バインダー100重量部に対し、2〜80重量部含まれることが好ましく、5〜50重量部含まれることがより好ましい。
界面活性剤としては、例えばアルキルベンゼンイミダゾールスルホン酸塩、ナフタリンスルホン酸塩、カルボン酸スルホンエステル、リン酸エステル、ヘテロ環アミン類、アンモニウム塩類、ホスホニウム塩類及びベタイン系両性塩類を挙げることができる。界面活性剤は、バインダー100重量部に対し、0.1〜20重量部含まれることが好ましく、1〜10重量部含まれることがより好ましい。
架橋剤として好ましい化合物は、エポキシ系化合物、アルデヒド系化合物、活性ハロゲン系化合物、活性ビニル系化合物、N−カルバモイルピリジニウム塩化合物、N−メチロール系化合物(ジメチロールウレア、メチロールジメチルヒダントイン等)、カルボジイミド化合物、オキサゾリン化合物、イソシアネート化合物、高分子硬膜剤(特開昭62−234157号公報などに記載の化合物)、ホウ酸及びその塩、ホウ砂、アルミみょうばん等を挙げることができる。架橋剤は、バインダーの種類に応じて適宜定めることができる。水溶性バインダーを用いる場合、カルボジイミド化合物が好ましい。架橋剤は、バインダー100重量部に対し、2〜80重量部含まれることが好ましく、5〜50重量部含まれることがより好ましい。
帯電防止層の形成は、例えば、上記導電性針状金属酸化物粒子及びバインダー等を水、あるいは有機溶剤に分散又は溶解させ、得られた塗布液を基板表面に塗布、加熱乾燥することにより実施することができる。塗布は、例えばエアードクターコーター、ブレッドコーター、ロッドコーター、ナイフコーター、スクイズコーター、リバースロールコーター、バーコーター等の公知の塗布方法で行なうことができる。
帯電防止層の塗布量は、固形分で0.01〜10g/m2が好ましく、0.1〜5g/m2がより好ましい。該塗布量が0.01g/m2以上の場合は、導電性の観点で好ましい。
帯電防止層の塗布量は、固形分で0.01〜10g/m2が好ましく、0.1〜5g/m2がより好ましい。該塗布量が0.01g/m2以上の場合は、導電性の観点で好ましい。
帯電防止層の厚さは、0.05〜10μmであることが好ましく、0.1〜5μmであることがより好ましい。
その他の層(機能層):
本発明の導電性部材は、基板及び導電層以外にその他の層(機能層)を有していてもよい。
機能層としては、例えば、粘着層等の絶縁膜、保護膜、下塗り層、密着層、クッション層、オーバーコート保護層、保護フィルム層、防汚層、撥水層、撥油層、ハードコート層、粘着層、バリア層などが挙げられる。
また、例えば、アンチグレア層、反射防止層、低反射層、λ/4層、偏光層、位相差層などを積層させることで、光学的な機能を付与することができる。これらは単層でもよく、複数を積層してもよい。
本発明の導電性部材は、基板及び導電層以外にその他の層(機能層)を有していてもよい。
機能層としては、例えば、粘着層等の絶縁膜、保護膜、下塗り層、密着層、クッション層、オーバーコート保護層、保護フィルム層、防汚層、撥水層、撥油層、ハードコート層、粘着層、バリア層などが挙げられる。
また、例えば、アンチグレア層、反射防止層、低反射層、λ/4層、偏光層、位相差層などを積層させることで、光学的な機能を付与することができる。これらは単層でもよく、複数を積層してもよい。
本発明の導電性部材は、例えば、偏光板、円偏光板、タッチパネル、ディスプレイ用電極、電磁波シールド、有機ELディスプレイ用電極、無機ELディスプレイ用電極、電子パーパー、フレキシブルディスプレイ用電極、集積型太陽電池、表示装置、タッチパネル機能付き表示装置、その他の各種デバイスなどに幅広く適用される。これらの中でも、表示装置、タッチパネルが特に好ましい。
本発明の導電性部材を偏光板、円偏光板、及び液晶表示装置に用いる場合、基板の波長550nmの面内レターデーションRe(550)が、40nm以下の光学等方性が高い透明材料であることが好ましく、30nm以下であることがより好ましく、20nm以下であることが特に好ましい。
波長550nmの面内レターデーションRe(550)が、40nm以下の透明材料としては、例えば、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリカーボネート、熱可塑性ノルボルネン系樹脂(日本ゼオン(株)製のゼオネックス、ゼオノア、JSR(株)製のアートン)等があげられる。レターデーションが小さいと、また偏光板や円偏光板などの光学部材厚みやタッチパネルなどのデバイス厚みを薄くできるため、使用する基板の厚みは薄い方が好ましい。
波長550nmの面内レターデーションRe(550)が、40nm以下の透明材料としては、例えば、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリカーボネート、熱可塑性ノルボルネン系樹脂(日本ゼオン(株)製のゼオネックス、ゼオノア、JSR(株)製のアートン)等があげられる。レターデーションが小さいと、また偏光板や円偏光板などの光学部材厚みやタッチパネルなどのデバイス厚みを薄くできるため、使用する基板の厚みは薄い方が好ましい。
Re(λ)はKOBRA 21ADH、又はWR(王子計測機器(株)製)において、波長λnmの光をフィルム法線方向に入射させて測定される。測定波長λnmの選択にあたっては、波長選択フィルターをマニュアルで交換するか、または測定値をプログラム等で変換して測定することができる。
基板は、λ/4又はλ/2板等の位相差板であってもよい。λ/4及びλ/2板は公知の種々のλ/4及びλ/2板を用いることができる。
本発明の導電性部材は、例えば偏光板、円偏光板、タッチパネル、ディスプレイ用電極、電磁波シールド、有機ELディスプレイ用電極、無機ELディスプレイ用電極、電子パーパー、フレキシブルディスプレイ用電極、集積型太陽電池、表示装置、タッチパネル機能付き表示装置、その他の各種デバイスなどに幅広く適用される。これらの中でも、表示装置、タッチパネルが特に好ましい。
偏光板、円偏光板:
本発明の偏光板及び円偏光板は、本発明の導電材料を有する以外は特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。偏光板及び円偏光板は、導電材料と、偏光膜とを有し、さらに必要に応じて保護フィルムを有する。好ましくは、導電材料が、偏光膜又は保護フィルム上に積層されている態様である。
本発明の偏光板及び円偏光板は、本発明の導電材料を有する以外は特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。偏光板及び円偏光板は、導電材料と、偏光膜とを有し、さらに必要に応じて保護フィルムを有する。好ましくは、導電材料が、偏光膜又は保護フィルム上に積層されている態様である。
偏光膜として一般的な直線偏光膜を用いることができる。偏光膜は延伸フィルムからなっていても、塗布により形成される層であってもよい。前者の例には、ポリビニルアルコールの延伸フィルムをヨウ素又は二色性染料等で染色したフィルムが挙げられる。後者の例には、二色性液晶性色素を含む組成物を塗布して、所定の配向状態に固定した層が挙げられる。
保護フィルムとしては、基板と同様に、波長550nmの面内レターデーションRe(550)が、40nm以下の透明材料を使用することが好ましい。
保護フィルムとしては、基板と同様に、波長550nmの面内レターデーションRe(550)が、40nm以下の透明材料を使用することが好ましい。
タッチパネル:
前記タッチパネルは、本発明の前記導電材料(透明導電体)を有する限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、表面型静電容量方式タッチパネル、投射型静電容量方式タッチパネル、抵抗膜式タッチパネルなどが挙げられる。なお、タッチパネルとは、いわゆるタッチセンサ及びタッチパッドを含むものとする。
前記タッチパネルにおけるタッチパネルセンサー電極部の層構成が、2枚の透明電極を貼合する貼合方式、1枚の基材の両面に透明電極を具備する方式、片面ジャンパーあるいはスルーホール方式あるいは片面積層方式のいずれかであることが好ましい。
前記タッチパネルは、本発明の前記導電材料(透明導電体)を有する限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、表面型静電容量方式タッチパネル、投射型静電容量方式タッチパネル、抵抗膜式タッチパネルなどが挙げられる。なお、タッチパネルとは、いわゆるタッチセンサ及びタッチパッドを含むものとする。
前記タッチパネルにおけるタッチパネルセンサー電極部の層構成が、2枚の透明電極を貼合する貼合方式、1枚の基材の両面に透明電極を具備する方式、片面ジャンパーあるいはスルーホール方式あるいは片面積層方式のいずれかであることが好ましい。
ここで、前記表面型静電容量方式タッチパネルの一例について、図4を参照して説明する。この図4において、タッチパネル10は、透明基板11の表面を一様に覆うように透明導電体12を配してなり(本発明の前記導電材料に相当)、透明基板11の端部の透明導電体12上に、図示しない外部検知回路との電気接続のための電極端子18が形成されている。
なお、図4中、13は、シールド電極となる透明導電体を示し、14、17は、保護膜を示し、15は、中間保護膜を示し、16は、グレア防止膜を示す。
透明導電体12上の任意の点を指でタッチ等すると、前記透明導電体12は、タッチされた点で人体を介して接地され、各電極端子18と接地ラインとの間の抵抗値に変化が生じる。この抵抗値の変化を前記外部検知回路によって検知し、タッチした点の座標が特定される。
なお、図4中、13は、シールド電極となる透明導電体を示し、14、17は、保護膜を示し、15は、中間保護膜を示し、16は、グレア防止膜を示す。
透明導電体12上の任意の点を指でタッチ等すると、前記透明導電体12は、タッチされた点で人体を介して接地され、各電極端子18と接地ラインとの間の抵抗値に変化が生じる。この抵抗値の変化を前記外部検知回路によって検知し、タッチした点の座標が特定される。
前記表面型静電容量方式タッチパネルの他の一例について図5を用いて説明する。該図5においてタッチパネルは、透明基板21の表面を覆うように配された透明導電体22(本発明の前記導電材料に相当)と透明導電体23と、該透明導電体22と該透明導電体23とを絶縁する絶縁層24と、指等の接触対象と透明導電体22又は透明導電体23の間に静電容量を生じる絶縁カバー層25からなり、指等の接触対象に対して位置検知する。構成によっては、透明導電体22,23を一体として構成することもでき、また、絶縁層24又は絶縁カバー層25を空気層として構成してもよい。
絶縁カバー層25を指等でタッチすると、指等と透明導電体22又は透明導電体23の間の静電容量の値に変化が生じる。この静電容量値の変化を前記外部検知回路によって検知し、タッチした点の座標が特定される。
また、図6により、投射型静電容量方式タッチパネルとしてのタッチパネル20を透明導電体22と透明導電体23とを平面から視た配置を通じて模式的に説明する。
タッチパネル20は、X軸方向の位置を検出可能とする複数の透明導電体22と、Y軸方向の複数の透明導電体23とが、外部端子に接続可能に配されている。透明導電体22と透明導電体23とは、指先等の接触対象に対し複数接触して、接触情報が多点で入力されることを可能とされる。
このタッチパネル20上の任意の点を指でタッチ等すると、X軸方向及びY軸方向の座標が位置精度よく特定される。
なお、透明基板、保護層等のその他の構成としては、前記表面型静電容量方式タッチパネルの構成を適宜選択して適用することができる。また、タッチパネル20において、複数の透明導電体22と、複数の透明導電体23とによる透明導電体のパターンの例を示したが、その形状、配置等としては、これらに限られない。
絶縁カバー層25を指等でタッチすると、指等と透明導電体22又は透明導電体23の間の静電容量の値に変化が生じる。この静電容量値の変化を前記外部検知回路によって検知し、タッチした点の座標が特定される。
また、図6により、投射型静電容量方式タッチパネルとしてのタッチパネル20を透明導電体22と透明導電体23とを平面から視た配置を通じて模式的に説明する。
タッチパネル20は、X軸方向の位置を検出可能とする複数の透明導電体22と、Y軸方向の複数の透明導電体23とが、外部端子に接続可能に配されている。透明導電体22と透明導電体23とは、指先等の接触対象に対し複数接触して、接触情報が多点で入力されることを可能とされる。
このタッチパネル20上の任意の点を指でタッチ等すると、X軸方向及びY軸方向の座標が位置精度よく特定される。
なお、透明基板、保護層等のその他の構成としては、前記表面型静電容量方式タッチパネルの構成を適宜選択して適用することができる。また、タッチパネル20において、複数の透明導電体22と、複数の透明導電体23とによる透明導電体のパターンの例を示したが、その形状、配置等としては、これらに限られない。
前記抵抗膜式タッチパネルの一例について、図7を用いて説明する。該図7において、タッチパネル30は、透明導電体32が配された基板31(本発明の前記導電材料に相当)と、該透明導電体32上に複数配されたスペーサ36と、空気層34を介して、透明導電体32と接触可能な透明導電体33と、該透明導電体33上に配される透明フィルム35とが支持されて構成される。
このタッチパネル30に対して、透明フィルム35側からタッチすると、透明フィルム35が押圧され、押し込まれた透明導電体32と透明導電体33とが接触し、この位置での電位変化を図示しない外部検知回路で検出することで、タッチした点の座標が特定される。
このタッチパネル30に対して、透明フィルム35側からタッチすると、透明フィルム35が押圧され、押し込まれた透明導電体32と透明導電体33とが接触し、この位置での電位変化を図示しない外部検知回路で検出することで、タッチした点の座標が特定される。
タッチパネル機能付き表示装置:
本発明のタッチパネル機能付き表示装置は、本発明の前記導電材料を有し、タッチパネル機能を有していれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、表示装置としては、液晶表示装置が好ましい。
前記液晶表示装置としては、本発明の前記液晶表示装置と同様であり、偏光板は、液晶パネル側であってもよく、空気側であっても構わない。
前記タッチパネル機能としては、前記したものから適宜選択して採用することができる。
本発明のタッチパネル機能付き表示装置は、本発明の前記導電材料を有し、タッチパネル機能を有していれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、表示装置としては、液晶表示装置が好ましい。
前記液晶表示装置としては、本発明の前記液晶表示装置と同様であり、偏光板は、液晶パネル側であってもよく、空気側であっても構わない。
前記タッチパネル機能としては、前記したものから適宜選択して採用することができる。
本発明の表示装置、及びタッチパネル機能付き表示装置は、いずれも、優れた導電性、透明性、及び可撓性を備えた、本発明の前記導電材料を有しているので、部品点数が少なくなり、軽量化と薄型化が可能であると共に、高視野角、高コントラスト、高画質な表示特性を備えたものである。
液晶表示装置:
本発明の表示装置は、液晶表示装置であってもよく、本発明の導電材料を有する以外は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
本発明の表示装置は、液晶表示装置であってもよく、本発明の導電材料を有する以外は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記液晶表示装置は、カラーフィルタと、バックライトとを備え、更に必要に応じてその他の部材を備えてなる。
前記液晶表示装置については、例えば「次世代液晶ディスプレイ技術(内田 龍男編集、株式会社工業調査会 1994年発行)」に記載されている。本発明が適用できる液晶表示装置に特に制限はなく、例えば、前記の「次世代液晶ディスプレイ技術」に記載されている色々な方式の液晶表示装置に適用できる。
前記液晶表示装置に用いられる液晶、即ち液晶化合物及び液晶組成物については特に制限はなく、いずれの液晶化合物及び液晶組成物をも使用することができる。
前記液晶表示装置については、例えば「次世代液晶ディスプレイ技術(内田 龍男編集、株式会社工業調査会 1994年発行)」に記載されている。本発明が適用できる液晶表示装置に特に制限はなく、例えば、前記の「次世代液晶ディスプレイ技術」に記載されている色々な方式の液晶表示装置に適用できる。
前記液晶表示装置に用いられる液晶、即ち液晶化合物及び液晶組成物については特に制限はなく、いずれの液晶化合物及び液晶組成物をも使用することができる。
本発明の液晶表示装置は、本発明の前記導電材料と、カラーフィルタと、液晶層と、TFT基板とを有している。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。なお、実施例中の含有率としての「%」、及び、「部」は、いずれも質量基準に基づくものである。本実施例において、配合量を示す「部」は特に述べない限り、「質量部」を示す。
以下の例において、金属ナノワイヤーの平均短軸長(平均直径)及び平均長軸長、短軸長の変動係数、並びに、アスペクト比が10以上の銀ナノワイヤーの比率は、以下のようにして測定した。
<金属ナノワイヤーの平均短軸長(平均直径)>
透過型電子顕微鏡(TEM;日本電子株式会社製、JEM−2000FX)を用いて拡大観察される金属ナノワイヤーから、ランダムに選択した300個の金属ナノワイヤーの短軸長(直径)と長軸長を測定し、その平均値から金属ナノワイヤーの平均短軸長(平均直径)を求めた。
<金属ナノワイヤーの短軸長(直径)の変動係数>
上記電子顕微鏡(TEM)像からランダムに選択した300個のナノワイヤーの短軸長(直径)を測定し、その300個についての標準偏差と平均値を計算することにより、求めた。
<アスペクト比が10以上の銀ナノワイヤーの比率>
透過型電子顕微鏡(TEM;日本電子株式会社製、JEM−2000FX)を用い、銀ナノワイヤーの短軸長を300個観察し、ろ紙を透過した銀の量を各々測定し、短軸長が50nm以下であり、かつ長軸長が5μm以上である銀ナノワイヤーをアスペクト比が10以上の銀ナノワイヤーの比率(%)として求めた。
なお、銀ナノワイヤーの比率を求める際の銀ナノワイヤーの分離は、メンブレンフィルター(Millipore社製、FALP 02500、孔径1.0μm)を用いて行った。
<金属ナノワイヤーの平均短軸長(平均直径)>
透過型電子顕微鏡(TEM;日本電子株式会社製、JEM−2000FX)を用いて拡大観察される金属ナノワイヤーから、ランダムに選択した300個の金属ナノワイヤーの短軸長(直径)と長軸長を測定し、その平均値から金属ナノワイヤーの平均短軸長(平均直径)を求めた。
<金属ナノワイヤーの短軸長(直径)の変動係数>
上記電子顕微鏡(TEM)像からランダムに選択した300個のナノワイヤーの短軸長(直径)を測定し、その300個についての標準偏差と平均値を計算することにより、求めた。
<アスペクト比が10以上の銀ナノワイヤーの比率>
透過型電子顕微鏡(TEM;日本電子株式会社製、JEM−2000FX)を用い、銀ナノワイヤーの短軸長を300個観察し、ろ紙を透過した銀の量を各々測定し、短軸長が50nm以下であり、かつ長軸長が5μm以上である銀ナノワイヤーをアスペクト比が10以上の銀ナノワイヤーの比率(%)として求めた。
なお、銀ナノワイヤーの比率を求める際の銀ナノワイヤーの分離は、メンブレンフィルター(Millipore社製、FALP 02500、孔径1.0μm)を用いて行った。
(調製例1−A)
―銀ナノワイヤー分散液(1)の調製―
予め、下記の添加液A、B、C、及び、Dを調製した。
〔添加液A〕
ステアリルトリメチルアンモニウムクロリド60mg、ステアリルトリメチルアンモニウムヒドロキシド10%水溶液6.0g、グルコース2.0gを蒸留水120.0gに溶解させ、反応溶液A−1とした。さらに、硝酸銀粉末70mgを蒸留水2.0gに溶解させ、硝酸銀水溶液A−1とした。反応溶液A−1を25℃に保ち、激しく攪拌しながら、硝酸銀水溶液A−1を添加した。硝酸銀水溶液A−1の添加後から180分間、激しい攪拌をし、添加液Aとした。
〔添加液B〕
硝酸銀粉末25.6gを蒸留水958gに溶解した。
〔添加液C〕
25%アンモニア水75gを蒸留水925gと混合した。
〔添加液D〕
ポリビニルピロリドン(K30)400gを蒸留水1.6kgに溶解した。
次に、以下のようにして、銀ナノワイヤー分散液(1)を調製した。ステアリルトリメチルアンモニウムブロミド粉末1.30gと臭化ナトリウム粉末33.1gとグルコース粉末1,000g、硝酸(1N)115.0gを80℃の蒸留水12.7kgに溶解させた。この液を80℃に保ち、500rpmで攪拌しながら、添加液Aを添加速度250cc/分、添加液Bを500cc/分、添加液Cを500cc/分で順次添加した。攪拌速度を200rpmとし、80℃で加熱をした。攪拌速度を200rpmにしてから100分間、加熱攪拌を続けた後に、25℃に冷却した。攪拌速度を500rpmに変更し、添加液Dを500cc/分で添加した。この液を仕込液101とした。次に、1−プロパノールを激しく攪拌しながら、そこへ仕込液101を混合比率が体積比1対1となるように一気に添加した。攪拌を3分間行い、仕込液102とした。
分画分子量15万の限外濾過モジュールを用いて、限外濾過を次の通り実施した。仕込液102を4倍に濃縮した後、蒸留水と1−プロパノールの混合溶液(体積比1対1)の添加と濃縮を、最終的にろ液の伝導度が50μS/cm以下になるまで繰り返した。濃縮を行い、金属含有量0.45%の銀ナノワイヤー分散液(1)を得た。
得られた銀ナノワイヤー分散液(1)の銀ナノワイヤーについて、前述のようにして平均短軸長、平均長軸長、銀ナノワイヤーの短軸長の変動係数、平均アスペクト比を測定した。
その結果、平均短軸長18.6nm、平均長軸長5.0μm、変動係数が15.0%であった。平均アスペクト比は440であった。以後、「銀ナノワイヤー水分散液(1−A)」と表記する場合は、上記方法で得られた銀ナノワイヤー水分散液を示す。
―銀ナノワイヤー分散液(1)の調製―
予め、下記の添加液A、B、C、及び、Dを調製した。
〔添加液A〕
ステアリルトリメチルアンモニウムクロリド60mg、ステアリルトリメチルアンモニウムヒドロキシド10%水溶液6.0g、グルコース2.0gを蒸留水120.0gに溶解させ、反応溶液A−1とした。さらに、硝酸銀粉末70mgを蒸留水2.0gに溶解させ、硝酸銀水溶液A−1とした。反応溶液A−1を25℃に保ち、激しく攪拌しながら、硝酸銀水溶液A−1を添加した。硝酸銀水溶液A−1の添加後から180分間、激しい攪拌をし、添加液Aとした。
〔添加液B〕
硝酸銀粉末25.6gを蒸留水958gに溶解した。
〔添加液C〕
25%アンモニア水75gを蒸留水925gと混合した。
〔添加液D〕
ポリビニルピロリドン(K30)400gを蒸留水1.6kgに溶解した。
次に、以下のようにして、銀ナノワイヤー分散液(1)を調製した。ステアリルトリメチルアンモニウムブロミド粉末1.30gと臭化ナトリウム粉末33.1gとグルコース粉末1,000g、硝酸(1N)115.0gを80℃の蒸留水12.7kgに溶解させた。この液を80℃に保ち、500rpmで攪拌しながら、添加液Aを添加速度250cc/分、添加液Bを500cc/分、添加液Cを500cc/分で順次添加した。攪拌速度を200rpmとし、80℃で加熱をした。攪拌速度を200rpmにしてから100分間、加熱攪拌を続けた後に、25℃に冷却した。攪拌速度を500rpmに変更し、添加液Dを500cc/分で添加した。この液を仕込液101とした。次に、1−プロパノールを激しく攪拌しながら、そこへ仕込液101を混合比率が体積比1対1となるように一気に添加した。攪拌を3分間行い、仕込液102とした。
分画分子量15万の限外濾過モジュールを用いて、限外濾過を次の通り実施した。仕込液102を4倍に濃縮した後、蒸留水と1−プロパノールの混合溶液(体積比1対1)の添加と濃縮を、最終的にろ液の伝導度が50μS/cm以下になるまで繰り返した。濃縮を行い、金属含有量0.45%の銀ナノワイヤー分散液(1)を得た。
得られた銀ナノワイヤー分散液(1)の銀ナノワイヤーについて、前述のようにして平均短軸長、平均長軸長、銀ナノワイヤーの短軸長の変動係数、平均アスペクト比を測定した。
その結果、平均短軸長18.6nm、平均長軸長5.0μm、変動係数が15.0%であった。平均アスペクト比は440であった。以後、「銀ナノワイヤー水分散液(1−A)」と表記する場合は、上記方法で得られた銀ナノワイヤー水分散液を示す。
(調整例1−B)
プロピレングリコール370gに硝酸銀粉末20gを溶解させ、硝酸銀溶液301を調製した。プロピレングリコール4.45kgにポリビニルピロリドン(分子量55,000)72.0gを添加し、窒素ガスを容器の気相部分に通気しながら、90℃に昇温した。この液を反応溶液301とした。窒素ガスの通気を保持したまま、激しく攪拌している反応溶液301へ硝酸銀溶液301を2.50g添加して、加熱攪拌を1分間行った。さらに、この溶液へテトラブチルアンモニウムクロリド11.8gをプロピレングリコール100gに溶解させた溶液を添加し、反応溶液302とした。
90℃に保ち、攪拌速度500rpmで攪拌している反応溶液302へ、硝酸銀溶液301を添加速度50cc/分で200g添加した。攪拌速度を100rpmに落とし、窒素ガスの通気を止めて、加熱攪拌を15時間行った。90℃に保ち、攪拌速度100rpmで攪拌しているこの液へ、硝酸銀溶液301を添加速度0.5cc/分にて220g添加し、添加終了後から2時間、加熱攪拌を続けた。攪拌を500rpmに変更し、蒸留水1.0kgを添加した後に、25℃まで冷却して仕込液301を作製した。
分画分子量15万の限外濾過モジュールを用いて、限外濾過を次の通り実施した。蒸留水と1−プロパノールの混合溶液(体積比1対1)の添加と濃縮を、最終的にろ液の伝導度が50μS/cm以下になるまで繰り返した。濃縮を行い、金属含有量0.45%の銀ナノワイヤー分散液(3)を得た。
得られた銀ナノワイヤー分散液(3)の銀ナノワイヤーについて、前述のようにして平均短軸長、平均長軸長、銀ナノワイヤーの短軸長の変動係数、平均アスペクト比を測定した。
その結果、平均短軸長28.5nm、平均長軸長5.2μm、変動係数が18.6%であった。平均アスペクト比は533であった。以後、「銀ナノワイヤー分散液(1−B)」と表記する場合は、上記方法で得られた銀ナノワイヤー分散液を示す。
プロピレングリコール370gに硝酸銀粉末20gを溶解させ、硝酸銀溶液301を調製した。プロピレングリコール4.45kgにポリビニルピロリドン(分子量55,000)72.0gを添加し、窒素ガスを容器の気相部分に通気しながら、90℃に昇温した。この液を反応溶液301とした。窒素ガスの通気を保持したまま、激しく攪拌している反応溶液301へ硝酸銀溶液301を2.50g添加して、加熱攪拌を1分間行った。さらに、この溶液へテトラブチルアンモニウムクロリド11.8gをプロピレングリコール100gに溶解させた溶液を添加し、反応溶液302とした。
90℃に保ち、攪拌速度500rpmで攪拌している反応溶液302へ、硝酸銀溶液301を添加速度50cc/分で200g添加した。攪拌速度を100rpmに落とし、窒素ガスの通気を止めて、加熱攪拌を15時間行った。90℃に保ち、攪拌速度100rpmで攪拌しているこの液へ、硝酸銀溶液301を添加速度0.5cc/分にて220g添加し、添加終了後から2時間、加熱攪拌を続けた。攪拌を500rpmに変更し、蒸留水1.0kgを添加した後に、25℃まで冷却して仕込液301を作製した。
分画分子量15万の限外濾過モジュールを用いて、限外濾過を次の通り実施した。蒸留水と1−プロパノールの混合溶液(体積比1対1)の添加と濃縮を、最終的にろ液の伝導度が50μS/cm以下になるまで繰り返した。濃縮を行い、金属含有量0.45%の銀ナノワイヤー分散液(3)を得た。
得られた銀ナノワイヤー分散液(3)の銀ナノワイヤーについて、前述のようにして平均短軸長、平均長軸長、銀ナノワイヤーの短軸長の変動係数、平均アスペクト比を測定した。
その結果、平均短軸長28.5nm、平均長軸長5.2μm、変動係数が18.6%であった。平均アスペクト比は533であった。以後、「銀ナノワイヤー分散液(1−B)」と表記する場合は、上記方法で得られた銀ナノワイヤー分散液を示す。
(調製例2)
−PET基板101の作製−
下記の配合で接着用溶液1を調製した。
[接着用溶液1]
・タケラックWS−4000 5.0部
(コーティング用ポリウレタン、固形分濃度30%、三井化学(株)製)
・界面活性剤 0.3部
(ナローアクティHN−100、三洋化成工業(株)製)
・界面活性剤 0.3部
(サンデットBL、固形分濃度43%、三洋化成工業(株)製)
・水 94.4部
−PET基板101の作製−
下記の配合で接着用溶液1を調製した。
[接着用溶液1]
・タケラックWS−4000 5.0部
(コーティング用ポリウレタン、固形分濃度30%、三井化学(株)製)
・界面活性剤 0.3部
(ナローアクティHN−100、三洋化成工業(株)製)
・界面活性剤 0.3部
(サンデットBL、固形分濃度43%、三洋化成工業(株)製)
・水 94.4部
厚さ125μmのPETフィルムの両面にコロナ放電処理を施し、このコロナ放電処理を施した表面に、上記の接着用溶液1を塗布し120℃で2分間乾燥させて、厚さが0.11μmの第1の接着層をPET基板上に形成した。
以下の配合で、接着用溶液2を調製した。
[接着用溶液2]
・テトラエトキシシラン 5.0部
(KBE−04、信越化学工業(株)製)
・3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン 3.2部
(KBM−403、信越化学工業(株)製)
・2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン 1.8部
(KBM−303、信越化学工業(株)製)
・酢酸水溶液(酢酸濃度=0.05%、pH=5.2) 10.0部
・硬化剤 0.8部
(ホウ酸、和光純薬工業(株)製)
・コロイダルシリカ 60.0部
(スノーテックスO、平均粒子径10nm〜20nm、固形分濃度20%、pH=2.6、日産化学工業(株)製)
・界面活性剤 0.2部
(ナローアクティHN−100、三洋化成工業(株)製)
・界面活性剤 0.2部
(サンデットBL、固形分濃度43%、三洋化成工業(株)製)
[接着用溶液2]
・テトラエトキシシラン 5.0部
(KBE−04、信越化学工業(株)製)
・3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン 3.2部
(KBM−403、信越化学工業(株)製)
・2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン 1.8部
(KBM−303、信越化学工業(株)製)
・酢酸水溶液(酢酸濃度=0.05%、pH=5.2) 10.0部
・硬化剤 0.8部
(ホウ酸、和光純薬工業(株)製)
・コロイダルシリカ 60.0部
(スノーテックスO、平均粒子径10nm〜20nm、固形分濃度20%、pH=2.6、日産化学工業(株)製)
・界面活性剤 0.2部
(ナローアクティHN−100、三洋化成工業(株)製)
・界面活性剤 0.2部
(サンデットBL、固形分濃度43%、三洋化成工業(株)製)
接着用溶液2は、以下の方法で調製した。酢酸水溶液を激しく攪拌しながら、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランを、この酢酸水溶液中に3分間かけて滴下した。次に、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランを酢酸水溶液中に強く攪拌しながら3分間かけて添加した。次に、テトラエトキシシランを、酢酸水溶液中に強く攪拌しながら5分かけて添加し、その後2時間攪拌を続けた。次に、コロイダルシリカと、硬化剤と、界面活性剤とを順次添加し、接着用溶液2を調製した。
PET基板の両面に形成されている前述の第1の接着層の表面をコロナ放電処理したのち、その表面に、上記の接着用溶液2をバーコート法により塗布し、170℃で1分間加熱して乾燥し、厚さ0.5μmの第2の接着層を形成して、図11に記載のPET基板101を得た。
−PET基板102の作製−
PET基板(厚み125μm)の表面をコロナ放電処理したのちに、0.02%の(N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン水溶液をバーコート法で塗布量8.8mg/m2となるように塗布し、100℃1分で乾燥し、表面処理されたPET基板102(図12)を得た。
PET基板(厚み125μm)の表面をコロナ放電処理したのちに、0.02%の(N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン水溶液をバーコート法で塗布量8.8mg/m2となるように塗布し、100℃1分で乾燥し、表面処理されたPET基板102(図12)を得た。
−ポリカーボネート(PC)基板103の作製−
ポリカーボネート基板(厚み75μm)の表面をコロナ放電処理したのちに、0.02%の(N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン水溶液をバーコート法で塗布量8.8mg/m2となるように塗布し、100℃1分で乾燥し、表面処理されたポリカーボネート基板103を得た。
ポリカーボネート基板(厚み75μm)の表面をコロナ放電処理したのちに、0.02%の(N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン水溶液をバーコート法で塗布量8.8mg/m2となるように塗布し、100℃1分で乾燥し、表面処理されたポリカーボネート基板103を得た。
−TAC基板104の作製−
TAC(トリアセチルセルロース:フジタック製)基板(厚み100μm)の表面をコロナ放電処理したのちに、0.02%の(N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン水溶液をバーコート法で塗布量8.8mg/m2となるように塗布し、100℃1分で乾燥し、表面処理されたTAC基板104を得た。
TAC(トリアセチルセルロース:フジタック製)基板(厚み100μm)の表面をコロナ放電処理したのちに、0.02%の(N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン水溶液をバーコート法で塗布量8.8mg/m2となるように塗布し、100℃1分で乾燥し、表面処理されたTAC基板104を得た。
(導電材料T1の作製(比較例1))
下記組成のアルコキシド化合物の溶液を60℃で1時間撹拌して均一になったことを確認した。得られたゾルゲル液の重量平均分子量(Mw)をGPC(ポリスチレン換算)で測定したところMwは4,400であった。ゾルゲル溶液2.24部と前記調整例1で得られた銀ナノワイヤー水分散液(1−A)17.76部を混合し、さらに蒸留水と1−プロパノールで希釈してゾルゲル塗布液を得た。得られた塗布液の溶剤比率は蒸留水:1−プロパノール=60:40であった。上記のPET基板102表面にバーコート法で銀量が0.015g/m2、全固形分塗布量が0.120g/m2となるように上記ゾルゲル塗布液を塗布したのち、100℃で1分間乾燥してゾルゲル反応を起こさせて、導電層を形成した。
<アルコキシド化合物の溶液>
・テトラエトキシシラン 5.0部
(KBE−04、信越化学工業(株)製)
・1%酢酸水溶液 11.0部
・蒸留水 4.0部
下記組成のアルコキシド化合物の溶液を60℃で1時間撹拌して均一になったことを確認した。得られたゾルゲル液の重量平均分子量(Mw)をGPC(ポリスチレン換算)で測定したところMwは4,400であった。ゾルゲル溶液2.24部と前記調整例1で得られた銀ナノワイヤー水分散液(1−A)17.76部を混合し、さらに蒸留水と1−プロパノールで希釈してゾルゲル塗布液を得た。得られた塗布液の溶剤比率は蒸留水:1−プロパノール=60:40であった。上記のPET基板102表面にバーコート法で銀量が0.015g/m2、全固形分塗布量が0.120g/m2となるように上記ゾルゲル塗布液を塗布したのち、100℃で1分間乾燥してゾルゲル反応を起こさせて、導電層を形成した。
<アルコキシド化合物の溶液>
・テトラエトキシシラン 5.0部
(KBE−04、信越化学工業(株)製)
・1%酢酸水溶液 11.0部
・蒸留水 4.0部
(導電材料T2〜T25の作製(比較例2〜5、実施例1〜23))
導電材料T1の作製と同様にして、基板及びウェット塗布膜厚を変更した以外は導電材料T1と同様に作製し、導電材料T2〜T25を得た。
導電材料T1の作製と同様にして、基板及びウェット塗布膜厚を変更した以外は導電材料T1と同様に作製し、導電材料T2〜T25を得た。
(導電材料C2の作製)
導電材料1の作製において、ゾルゲル溶液を下記溶液Aに変更した以外は導電材料T1の作製と同様にして導電材料C1を得た。導電材料C2上に下記溶液Bを固形分塗布量0.18g/m2となるようにバーコート法にて塗布し、乾燥後、窒素雰囲気下で超高圧水銀灯i線(365nm)を用いて、露光量40mJ/cm2で露光して導電材料C2を得た。
導電材料1の作製において、ゾルゲル溶液を下記溶液Aに変更した以外は導電材料T1の作製と同様にして導電材料C1を得た。導電材料C2上に下記溶液Bを固形分塗布量0.18g/m2となるようにバーコート法にて塗布し、乾燥後、窒素雰囲気下で超高圧水銀灯i線(365nm)を用いて、露光量40mJ/cm2で露光して導電材料C2を得た。
<溶液A>
・ヒドロキシプロピルセルロース 5.0部
・蒸留水 14.0部
<溶液B>
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 5.0部
・光重合開始剤:2,4−ビス−(トリクロロメチル)−6−
[4−[N,N−ビス(エトキシカルボニルメチル)アミノ]−3−ブロモ
フェニル]−s−トリアジン 0.4部
・メチルエチルケトン 13.6部
・ヒドロキシプロピルセルロース 5.0部
・蒸留水 14.0部
<溶液B>
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 5.0部
・光重合開始剤:2,4−ビス−(トリクロロメチル)−6−
[4−[N,N−ビス(エトキシカルボニルメチル)アミノ]−3−ブロモ
フェニル]−s−トリアジン 0.4部
・メチルエチルケトン 13.6部
(導電材料C3の作製)
導電材料C2の作製において、基材をTAC基板104に変更した以外は導電材料C2と同様に作製した。
導電材料C2の作製において、基材をTAC基板104に変更した以外は導電材料C2と同様に作製した。
(導電材料C4の作製)
導電材料C2の作製において、基材をPC基板103に変更した以外は導電材料C2と同様に作製した。
導電材料C2の作製において、基材をPC基板103に変更した以外は導電材料C2と同様に作製した。
<パターニング>
導電材料T1〜T25、及びC2〜C4の導電層のパターニングはポジレジストを用い、フォトリソグラフィー法により行った。
導電材料T1〜T25、及びC2〜C4の導電層のパターニングはポジレジストを用い、フォトリソグラフィー法により行った。
<ポジレジスト処方>
(合成例1)
<バインダー(A−1)の合成>
共重合体を構成するモノマー成分として、メタクリル酸(MAA)(7.79g)、メタクリル酸ベンジル(BzMA)(37.21g)を使用し、ラジカル重合開始剤としてAIBN(0.5g)を使用し、これらを溶剤PGMEA(55.00g)中において重合反応させることによりバインダー(A−1)のPGMEA溶液(固形分濃度:45質量%)を得た。なお、重合温度は、温度60℃乃至100℃に調整した。
分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィ法(GPC)を用いて測定した結果、ポリスチレン換算による重量平均分子量(Mw)は30,000、分子量分布(Mw/Mn)は2.21であった。
(合成例1)
<バインダー(A−1)の合成>
共重合体を構成するモノマー成分として、メタクリル酸(MAA)(7.79g)、メタクリル酸ベンジル(BzMA)(37.21g)を使用し、ラジカル重合開始剤としてAIBN(0.5g)を使用し、これらを溶剤PGMEA(55.00g)中において重合反応させることによりバインダー(A−1)のPGMEA溶液(固形分濃度:45質量%)を得た。なお、重合温度は、温度60℃乃至100℃に調整した。
分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィ法(GPC)を用いて測定した結果、ポリスチレン換算による重量平均分子量(Mw)は30,000、分子量分布(Mw/Mn)は2.21であった。
−感光性組成物(1)の調製−
バインダー(A−1)4.19質量部(固形分40.0質量%、PGMEA溶液)、感光性化合物としての下記構造式で表されるTAS−200(エステル化率66%、東洋合成株式会社製)0.95質量部、架橋剤としてのEHPE−3150(ダイセル化学株式会社製)0.80質量部、及びPGMEA 19.06質量部を加え、攪拌し、感光性組成物(1)を調製した。
バインダー(A−1)4.19質量部(固形分40.0質量%、PGMEA溶液)、感光性化合物としての下記構造式で表されるTAS−200(エステル化率66%、東洋合成株式会社製)0.95質量部、架橋剤としてのEHPE−3150(ダイセル化学株式会社製)0.80質量部、及びPGMEA 19.06質量部を加え、攪拌し、感光性組成物(1)を調製した。
<<レジストパターニング工程>>
導電層上に、感光性組成物(1)を乾燥膜厚5μmとなるようバー塗布し、150℃のオーブンで5分間乾燥し、マスク上から、高圧水銀灯i線(365nm)を60mJ/cm2(照度20mW/cm2)露光を行った。露光後の導電層を、35℃1%水酸化ナトリウム水溶液でシャワー現像60秒間を行った。シャワー圧は0.08MPa、ストライプパターンが出現するまでの時間は30秒であった。純水のシャワーでリンスした後、50℃で1分間乾燥し、レジストパターン付導電層1を作製した。
また、露光マスクは、ベタ露光/未露光箇所、かつ櫛型電極パターン(JIS Z 3197)に準拠しており、L/S=10/10μm、15/15μm、20/20μm、50/50μm、隣接電極の重なり長さ15mm)が形成可能なマスクを用いた。
導電層上に、感光性組成物(1)を乾燥膜厚5μmとなるようバー塗布し、150℃のオーブンで5分間乾燥し、マスク上から、高圧水銀灯i線(365nm)を60mJ/cm2(照度20mW/cm2)露光を行った。露光後の導電層を、35℃1%水酸化ナトリウム水溶液でシャワー現像60秒間を行った。シャワー圧は0.08MPa、ストライプパターンが出現するまでの時間は30秒であった。純水のシャワーでリンスした後、50℃で1分間乾燥し、レジストパターン付導電層1を作製した。
また、露光マスクは、ベタ露光/未露光箇所、かつ櫛型電極パターン(JIS Z 3197)に準拠しており、L/S=10/10μm、15/15μm、20/20μm、50/50μm、隣接電極の重なり長さ15mm)が形成可能なマスクを用いた。
<<エッチング工程>>
レジストパターン付透明導電膜1を、CP−48S−A液と、CP−48S−B液(いずれも、富士フイルム株式会社製)と、純水とを質量比で1:1:6となるように混合し、35℃に調整したエッチング液に2分間浸漬させてエッチング処理を行い、純水のシャワーでリンスした後、エアーナイフでサンプル表面の水を吹き飛ばし、60℃で5分間乾燥し、レジストパターン付パターン状透明導電層1Aを作製した。
レジストパターン付透明導電膜1を、CP−48S−A液と、CP−48S−B液(いずれも、富士フイルム株式会社製)と、純水とを質量比で1:1:6となるように混合し、35℃に調整したエッチング液に2分間浸漬させてエッチング処理を行い、純水のシャワーでリンスした後、エアーナイフでサンプル表面の水を吹き飛ばし、60℃で5分間乾燥し、レジストパターン付パターン状透明導電層1Aを作製した。
<<レジスト剥離工程>>
レジストパターン付パターン状透明導電層1Aにマスクをせず、高圧水銀灯i線(365nm)を100mJ/cm2(照度20mW/cm2)露光を行った。露光後の導電層を、2.38%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液でシャワー現像75秒間を行った。シャワー圧は0.1MPaであった。純水のシャワーでリンスした後、エアーナイフでサンプル表面の水を吹き飛ばし、60℃で5分間乾燥し、図1〜3に示すパターニング形状のパターン透明導電膜1を作製した。
レジストパターン付パターン状透明導電層1Aにマスクをせず、高圧水銀灯i線(365nm)を100mJ/cm2(照度20mW/cm2)露光を行った。露光後の導電層を、2.38%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液でシャワー現像75秒間を行った。シャワー圧は0.1MPaであった。純水のシャワーでリンスした後、エアーナイフでサンプル表面の水を吹き飛ばし、60℃で5分間乾燥し、図1〜3に示すパターニング形状のパターン透明導電膜1を作製した。
得られた各導電材料について、後述の方法で基板の波長550nmにおける面内レターデーションRe、ウェット膜厚/金属ナノワイヤーの平均長軸長、及びマトリクス成分/金属ナノワイヤーを評価し、その結果を下記表に示した。
<基板の波長550nmにおける面内レターデーションReの測定>
王子計測機器株式会社製KOBRA−WRを用い、入射波長550nmでの値を測定した。
王子計測機器株式会社製KOBRA−WRを用い、入射波長550nmでの値を測定した。
<マトリクス成分/金属ナノワイヤー>
導電層塗布液中に含まれる金属ナノワイヤー、及び溶剤を除いた成分(バインダー、界面活性剤、粘度調整剤、分散剤など)をマトリクス成分とし、重量比を算出した。
導電層塗布液中に含まれる金属ナノワイヤー、及び溶剤を除いた成分(バインダー、界面活性剤、粘度調整剤、分散剤など)をマトリクス成分とし、重量比を算出した。
<評価>
得られた各導電材料について、後述の方法でレターデーション、表面抵抗、光学特性(全光透過率、ヘイズ)、消光比を評価し、その結果を下記表に示した。
得られた各導電材料について、後述の方法でレターデーション、表面抵抗、光学特性(全光透過率、ヘイズ)、消光比を評価し、その結果を下記表に示した。
<表面抵抗値>
導電層の導電性領域の表面抵抗を、三菱化学株式会社製Loresta−GP MCP−T600を用いて測定した。測定は10cm×10cmのサンプルのランダムに選択した5箇所の導電性領域の中央部を測定し平均値を求めた。
導電層の導電性領域の表面抵抗を、三菱化学株式会社製Loresta−GP MCP−T600を用いて測定した。測定は10cm×10cmのサンプルのランダムに選択した5箇所の導電性領域の中央部を測定し平均値を求めた。
<光学特性(全光透過率)>
導電材料の導電性領域に相当する部分の全光透過率(%)と、導電性層を形成する基板の全光透過率(%)をガードナー社製のヘイズガードプラスを用いて測定し、その比から導電層の透過率を換算した。測定はC光源下のCIE視感度関数yについて、測定角0°で測定し、10cm×10cmのサンプルのランダムに選択した5箇所の導電性領域の中央部を測定し平均値を求めた。
導電材料の導電性領域に相当する部分の全光透過率(%)と、導電性層を形成する基板の全光透過率(%)をガードナー社製のヘイズガードプラスを用いて測定し、その比から導電層の透過率を換算した。測定はC光源下のCIE視感度関数yについて、測定角0°で測定し、10cm×10cmのサンプルのランダムに選択した5箇所の導電性領域の中央部を測定し平均値を求めた。
<光学特性(ヘイズ)>
導電材料の導電性領域に相当する部分のヘイズ値をガードナー社製のヘイズガードプラスを用いて測定した。測定は10cm×10cmのサンプルのランダムに選択した5箇所の導電性領域の中央部を測定し平均値を求めた。
導電材料の導電性領域に相当する部分のヘイズ値をガードナー社製のヘイズガードプラスを用いて測定した。測定は10cm×10cmのサンプルのランダムに選択した5箇所の導電性領域の中央部を測定し平均値を求めた。
<消光比>
作製した導電層の消光比は、日本分光社製VAP-7070を用いて偏光度Pを測定し、以下の換算式を用いて消光比Dを算出した。
D=(1+P)/(1−P)
作製した導電層の消光比は、日本分光社製VAP-7070を用いて偏光度Pを測定し、以下の換算式を用いて消光比Dを算出した。
D=(1+P)/(1−P)
<配向度>
塗布膜のSEM写真を撮影し、任意の500本の金属ナノワイヤーに対する、塗布方向と銀ナノワイヤー長軸の角度が−5〜+5°に入る金属ナノワイヤーの本数割合を算出した。なお、金属ナノワイヤーの長軸角度とは、1本の金属ナノワイヤー両端を結んだ直線と塗布方向とのなす角度をいう。例えば、図8aは、長軸の角度が25°であり、図8bの長軸の角度は0°である。
塗布膜のSEM写真を撮影し、任意の500本の金属ナノワイヤーに対する、塗布方向と銀ナノワイヤー長軸の角度が−5〜+5°に入る金属ナノワイヤーの本数割合を算出した。なお、金属ナノワイヤーの長軸角度とは、1本の金属ナノワイヤー両端を結んだ直線と塗布方向とのなす角度をいう。例えば、図8aは、長軸の角度が25°であり、図8bの長軸の角度は0°である。
表から、導電層の乾燥膜厚を金属ナノワイヤーの平均長軸長の0.001〜0.1倍とすることで、金属ナノワイヤーの平均短軸長が5〜30nmであっても、金属ナノワイヤーの配向度、及び消光比が小さいことがわかる。一方、比較例は、実施例と比較して、金属ナノワイヤーの配向度、及び消光比が実施例よりも劣ることがわかる。
<偏光板の作製>
導電製部材T7を用いて図9に示したような偏光板(導電材料(301))を作製した。
導電製部材T7を用いて図9に示したような偏光板(導電材料(301))を作製した。
<偏光層の作製>
厚み75μmの長尺ポリビニルアルコールフィルム(株式会社クラレ製、9P75R)を、ガイドロールを介して連続搬送しつつ、ヨウ素とヨウ化カリウム配合の染色浴(30℃)に浸漬して染色処理と2.5倍の延伸処理を施した後、ホウ酸とヨウ化カリウムを添加した酸性浴(60℃)中において合計で5倍となる延伸処理と架橋処理を施した。得られた厚み約30μmのヨウ素・PVA偏光フィルムを乾燥機中で、50℃にて30分間乾燥させた。以上により、ヨウ素・PVA偏光フィルム(偏光層)を作製した。
厚み75μmの長尺ポリビニルアルコールフィルム(株式会社クラレ製、9P75R)を、ガイドロールを介して連続搬送しつつ、ヨウ素とヨウ化カリウム配合の染色浴(30℃)に浸漬して染色処理と2.5倍の延伸処理を施した後、ホウ酸とヨウ化カリウムを添加した酸性浴(60℃)中において合計で5倍となる延伸処理と架橋処理を施した。得られた厚み約30μmのヨウ素・PVA偏光フィルムを乾燥機中で、50℃にて30分間乾燥させた。以上により、ヨウ素・PVA偏光フィルム(偏光層)を作製した。
<導電層付き偏光板の作製>
得られたヨウ素・PVA偏光フィルム(偏光層)の両面に、厚み20μmのアクリル系粘着層を介して、片面は未処理のTACフィルム(75μm/フジタック)を、反対面は実施例4で作製した導電製部材T7で接着した。なお偏光層接着面は透明導電層が塗布された面の反対面を接着し、導電層付き偏光板(301)を作製した。
得られたヨウ素・PVA偏光フィルム(偏光層)の両面に、厚み20μmのアクリル系粘着層を介して、片面は未処理のTACフィルム(75μm/フジタック)を、反対面は実施例4で作製した導電製部材T7で接着した。なお偏光層接着面は透明導電層が塗布された面の反対面を接着し、導電層付き偏光板(301)を作製した。
<電磁波遮蔽性の評価>
前記導電層付き偏光板(301)の電磁波遮蔽性をKEC法で測定した結果、10MHzから4GHz帯域での電磁波遮蔽性を測定した結果約5dBであり、同表面抵抗のITOフィルムと略同等の電磁波遮蔽性が得られていることを確認した。
前記導電層付き偏光板(301)の電磁波遮蔽性をKEC法で測定した結果、10MHzから4GHz帯域での電磁波遮蔽性を測定した結果約5dBであり、同表面抵抗のITOフィルムと略同等の電磁波遮蔽性が得られていることを確認した。
<導電層付き偏光板を電磁波遮蔽材として用いたタッチパネル付き表示装置の作製>
前記導電層付き偏光板(301)を電磁波遮蔽材として用い、図10の様に積層することで、LCDバックライトからの電磁波を遮蔽可能なタッチパネル付き表示装置を作製した。
前記導電層付き偏光板(301)を電磁波遮蔽材として用い、図10の様に積層することで、LCDバックライトからの電磁波を遮蔽可能なタッチパネル付き表示装置を作製した。
−タッチパネル402の作製−
導電材料の導電層を形成し、ガラス基板上に透明導電膜を形成した。得られた透明導電膜を用いて、『最新タッチパネル技術』(2009年7月6日発行、株式会社テクノタイムズ)、三谷雄二監修、"タッチパネルの技術と開発"、シーエムシー出版(2004年12月発行)、「FPD International 2009 Forum T−11講演テキストブック」、「Cypress Semiconductor Corporation アプリケーションノートAN2292」等に記載の方法により、図8に記載のタッチパネルを作製した。
作製したタッチパネルを使用した場合、光透過率の向上により視認性に優れ、かつ導電性の向上により素手、手袋を嵌めた手、指示具のうち少なくとも一つによる文字等の入力又は画面操作に対し応答性に優れるタッチパネルを製作できることが分かった。
導電材料の導電層を形成し、ガラス基板上に透明導電膜を形成した。得られた透明導電膜を用いて、『最新タッチパネル技術』(2009年7月6日発行、株式会社テクノタイムズ)、三谷雄二監修、"タッチパネルの技術と開発"、シーエムシー出版(2004年12月発行)、「FPD International 2009 Forum T−11講演テキストブック」、「Cypress Semiconductor Corporation アプリケーションノートAN2292」等に記載の方法により、図8に記載のタッチパネルを作製した。
作製したタッチパネルを使用した場合、光透過率の向上により視認性に優れ、かつ導電性の向上により素手、手袋を嵌めた手、指示具のうち少なくとも一つによる文字等の入力又は画面操作に対し応答性に優れるタッチパネルを製作できることが分かった。
1 カバーガラス
2 OCA
3 タッチパネル
4 導電層
5 基板
6 偏光板
7 LCD
8 バックライト
100 導電層
200 支持体
300 帯電防止層
2 OCA
3 タッチパネル
4 導電層
5 基板
6 偏光板
7 LCD
8 バックライト
100 導電層
200 支持体
300 帯電防止層
Claims (12)
- 基板と、その上に、平均短軸長が5〜30nmの金属ナノワイヤーを少なくとも含む導電層とを有し、前記導電層の乾燥膜厚が、前記金属ナノワイヤーの平均長軸長の0.001〜0.1倍であることを特徴とする導電材料。
- 前記導電層を形成する導電層塗布液は、マトリクス成分と前記金属ナノワイヤーとを少なくとも含み、前記導電層塗布液中の金属ナノワイヤー濃度が0.01重量%〜1.0重量%であり、かつ前記マトリクス成分の前記金属ナノワイヤーに対する重量比が0.5〜15である請求項1に記載の導電材料。
- 前記導電層単体の消光比が1.5以下である請求項1又は2に記載の導電材料。
- 前記金属ナノワイヤーが、銀を含む請求項1〜3のいずれか1項に記載の導電材料。
- 前記基板の波長550nmの面内レターデーションRe(550)が、40nm以下の光学等方性が高い透明材料である請求項1〜4のいずれか1項に記載の導電材料。
- 前記基板が、位相差板である請求項1〜5のいずれか1項に記載の導電材料。
- 基板上に、平均短軸長が5〜30nmの金属ナノワイヤーとマトリクス成分とを少なくとも含む導電層塗布液を、前記導電層のウェット膜厚が、前記金属ナノワイヤーの平均長軸長の0.2〜20倍となるように塗布することを特徴とすることを含む、導電材料の製造方法。
- 前記導電層塗布液が、マトリクス成分と前記金属ナノワイヤーとを少なくとも含み、前記導電層塗布液中の金属ナノワイヤー濃度が0.01重量%〜1.0重量%であり、かつ前記マトリクス成分の前記金属ナノワイヤーに対する重量比が0.5〜15である請求項7に記載の導電材料の製造方法。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載の導電材料を有することを特徴とする偏光板又は円偏光板。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載の導電材料を有することを特徴とする表示装置又は入力装置。
- 請求項9に記載の偏光板又は円偏光板を有することを特徴とする表示装置又は入力装置。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載の導電材料を有することを特徴とするタッチパネル。
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